特許第5788000号(P5788000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5788000通信システム、通信経路制御方法及び通信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788000
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】通信システム、通信経路制御方法及び通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/437 20060101AFI20150910BHJP
【FI】
   H04L12/437 Z
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-523985(P2013-523985)
(86)(22)【出願日】2012年7月12日
(86)【国際出願番号】JP2012067851
(87)【国際公開番号】WO2013008890
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2014年2月24日
(31)【優先権主張番号】特願2011-153814(P2011-153814)
(32)【優先日】2011年7月12日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 篤
(72)【発明者】
【氏名】三浦 昌之
(72)【発明者】
【氏名】尾高 邦雄
(72)【発明者】
【氏名】下大迫 和隆
【審査官】 大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】 西村安代・阪内秀記・米原明史・長谷川聡,自律分散型網障害回復方式−NETRATS IN89-70,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1989年10月27日,Vol.89 No.262,pp.7-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/437
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センタノードと該センタノードに通信線を介して接続された複数のノードとで構成され、通信経路の自発的な更新が実行される通信経路制御を行う通信システムであって、
前記複数のノードは、前記異常が発生した通信線の直近に配置され、又は前記異常が発生した他のノードの直近に配置された第1のノードと、前記第1のノードに接続され、該第1のノードから送信された異常検出信号に基づいてルート要求パケットの送信が行われる通信元となる、第1のノードとは異なる第2のノードとを含み、
前記第1のノードは、
前記通信経路における異常を検出する障害検出手段と、
前記異常の検出に応じて、通信経路を削除する通信経路削除手段と、
前記第2のノードの上位層からの目的局に対する通信要求に基づいて異常検出信号を前記第2のノードに送信する信号送信手段とを有し、
前記第2のノードは、
前記第1のノードから送信された異常検出信号を受信する信号受信手段と、
前記異常検出信号の受信に応じて、通信経路を削除する通信経路削除手段と、
ルート要求パケットをブロードキャストするルート要求パケット送信手段と、
前記目的局となるノード又は前記センタノードから送信されたルート回答パケットを受信するルート回答パケット受信手段と、
前記ルート回答パケットに基づいて通信経路を更新する通信経路更新手段とを有し、
前記目的局となるノード又は前記センタノードは、前記第2のノードから送信されたルート要求パケットに応じて、ルート回答パケットを前記第2のノードに送信する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記異常は、前記光ファイバ通信線の異常であるか、又は前記通信線を介して接続された他の通信装置の異常であることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
配電系に使用されることを特徴とする、請求項1又は2記載の通信システム。
【請求項4】
外部と通信可能に設けられたスマートメータおよび配電系制御部の少なくとも1つを更に備えることを特徴とする、請求項に記載の通信システム。
【請求項5】
センタノードと該センタノードに通信線を介して接続された複数のノードとで構成される通信経路制御システムに適用され、通信経路の自発的な更新が実行される通信経路制御方法であって、
前記異常が発生した通信線の直近に配置され又は前記異常が発生した他のノードの直近に配置された第1のノードで実行され、前記通信経路における異常を検出する障害検出ステップと、
前記第1のノードに接続され且つ該第1のノードから送信された異常検出信号に基づいてルート要求パケットの送信が行われる通信元となる、第1のノードとは異なる第2のノードで実行され、前記異常の検出に応じて、新たなルート要求パケットをブロードキャストするルート要求パケット送信ステップと、
目的局となるノード又は前記センタノードで実行され、前記第2のノードから送信されたルート要求パケットに応じて、ルート回答パケットを前記第2のノードに送信するルート回答パケット送信ステップと、
前記第2のノードで実行され、前記目的局となるノード又は前記センタノードから送信されたルート回答パケットを受信するルート回答パケット受信ステップと、
前記第2のノードで実行され、前記ルート回答パケットに基づいて通信経路を更新する通信経路更新ステップと、を有することを特徴とする通信経路制御方法。
【請求項6】
通信経路を削除する通信経路削除ステップをさらに有することを特徴とする、請求項記載の通信経路制御方法。
【請求項7】
通信線を介して相互に接続され、通信経路の自発的な更新を実行する通信装置であって、
前記通信装置は、異常が発生した通信線の直近に配置された第1のノード又は異常が発生したノードの直近に配置された第1のノードから送信された異常検出信号に基づいてルート要求パケットの送信が行われる通信元となる、前記第1のノードとは異なる第2のノードで構成され、
前記第2のノードは、
前記第1のノードから送信された異常検出信号を受信する信号受信手段と、
前記異常検出信号の受信に応じてルート要求パケットをブロードキャストするルート要求パケット送信手段と、
目的局となるノード、又はセンタノードから送信されたルート回答パケットを受信するルート回答パケット受信手段と、
前記ルート回答パケットに基づいて前記所定の通信経路を他の通信経路に更新する通信経路更新手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記異常は、前記光ファイバ通信線の異常であるか、又は前記通信線を介して接続された他の通信装置の異常であることを特徴とする請求項記載の通信装置。
【請求項9】
前記所定の通信経路が復旧したか否かを監視するための復旧確認信号を所定のタイミングで送信する復旧確認信号送信手段と、
前記復旧確認信号に対する応答信号を受信する応答信号受信手段と、
前記応答信号を受信した場合に、他の通信経路を前記所定の通信経路に変更して復旧する通信経路復旧手段とを更に備えることを特徴とする請求項7又は8記載の通信装置。
【請求項10】
通信経路を削除する通信経路削除手段をさらに備えることを特徴とする、請求項9記載の通信装置。
【請求項11】
配電系に用いられることを特徴とする、請求項7から10のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
ノードと通信可能に設けられたスマートメータおよび配電系制御部の少なくとも1つを更に備えることを特徴とする、請求項1記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電系システムなどの公共施設の監視システムとして好適な通信システム、通信経路制御方法及び通信装置に関し、特に、光通信網に異常が発生した場合に通信経路を自動的に再設定することが可能な通信システム、通信経路制御方法及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配電系の通信システムに用いられる通信装置には、配電系制御装置やスマートメータ集約装置が接続されている。配電系制御装置は配電線における電力流通経路の切り替えや電圧センシングを担う開閉器の制御を行う装置であり、配電線遠方監視制御システムを実現しており、スマートメータ集約装置は各家庭や事業所に設置された遠隔情報収集可能な電力計よりデータを集約する装置であり、配電系通信網はこれらのデータを電力各社のデータセンター、営業所等へ伝送する役割を果たす。
【0003】
こうしたデータは電力の安定供給に関わるものであり高い信頼性が求められることから冗長化されることが多く、配電系の通信システムには、複数の通信経路を切り替える通信経路制御システムが必要となっている。
【0004】
例えば、IP(インターネットプロトコル)を適用した配電線遠方監視制御通信方式が実用化されている。本方式のネットワーク構成は、親局や子局などのノードがリンク状に接続されたリング状ネットワークであり、冗長化は、SW−HUB(スイッチングハブ)を用いて行っている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−210818号公報
【特許文献2】特開平7−31082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の構成では、データがループして永久に循環することを回避する手段として、STP(spanning tree protocol)等のプロトコルをノードの送受信機に実装しなければならず、開発工数が増大するとともに、通常時にもBPDU(Bridge Protocol Data Unit)を送信する必要があるので、トラフィックを増加させるという問題がある。
【0007】
また、機器増設が行われた場合、最適化のために、増設された通信経路上にあるノードのSTPの設定値の見直しが必要になり、場合によっては設定値の変更が必要になるという問題がある。さらに、STPのプロトコルではノードの中継段数に制限があるため、ネットワークの構築に制限が生じて問題となる。
【0008】
特に、STPを使用した場合には、STP動作の仕組み上、障害復旧するまでの間に通信ができない時間が発生するという問題があり、この通信不能となる時間は、一般的なネットワークでは殆ど問題にならないが、配電線遠方監視・制御を目的とするネットワークではリアルタイムの対応が重要であることから問題となる。
【0009】
本発明の目的は、障害発生時に通信経路を迅速に更新することができる通信システム、通信経路制御方法及び通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するために、本発明に係る通信システムは、センタノードと該センタノードに通信線を介して接続された複数のノードとで構成され、通信経路の自発的な更新が実行される通信経路制御を行う通信システムであって、前記複数のノードは、前記異常が発生した通信線の直近に配置され、又は前記異常が発生した他のノードの直近に配置された第1のノードと、前記第1のノードに接続され、該第1のノードから送信された異常検出信号に基づいてルート要求パケットの送信が行われる通信元となる、第1のノードとは異なる第2のノードとを含み、前記第1のノードは、前記通信経路における異常を検出する障害検出手段と、前記異常の検出に応じて、通信経路を削除する通信経路削除手段と、前記第2のノードの上位層からの目的局に対する通信要求に基づいて異常検出信号を前記第2のノードに送信する信号送信手段とを有し、前記第2のノードは、前記第1のノードから送信された異常検出信号を受信する信号受信手段と、前記異常検出信号の受信に応じて、通信経路を削除する通信経路削除手段と、ルート要求パケットをブロードキャストするルート要求パケット送信手段と、前記目的局となるノード又は前記センタノードから送信されたルート回答パケットを受信するルート回答パケット受信手段と、前記ルート回答パケットに基づいて通信経路を更新する通信経路更新手段とを有し、前記目的局となるノード又は前記センタノードは、前記第2のノードから送信されたルート要求パケットに応じて、ルート回答パケットを前記第2のノードに送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る通信システムにおける前記異常は、前記通信線の異常であるか、又は前記通信線を介して接続された他の通信装置の異常である
【0014】
また、本発明に係る通信システムは、配電系に使用されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る通信システムは、外部と通信可能に設けられたスマートメータおよび配電系制御部の少なくとも1つを更に備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る通信経路制御方法は、センタノードと該センタノードに通信線を介して接続された複数のノードとで構成される通信経路制御システムに適用され、通信経路の自発的な更新が実行される制御方法であって、前記異常が発生した通信線の直近に配置され又は前記異常が発生した他のノードの直近に配置された第1のノードで実行され、前記通信経路における異常を検出する障害検出ステップと、前記第1のノードに接続され且つ該第1のノードから送信された異常検出信号に基づいてルート要求パケットの送信が行われる通信元となる、第1のノードとは異なる第2のノードで実行され、前記異常の検出に応じて、新たなルート要求パケットをブロードキャストするルート要求パケット送信ステップと、目的局となるノード又は前記センタノードで実行され、前記第2のノードから送信されたルート要求パケットに応じて、ルート回答パケットを前記第2のノードに送信するルート回答パケット送信ステップと、前記第2のノードで実行され、前記目的局となるノード又は前記センタノードから送信されたルート回答パケットを受信するルート回答パケット受信ステップと、前記第2のノードで実行され、前記ルート回答パケットに基づいて通信経路を更新する通信経路更新ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る通信経路制御方法は、通信経路を削除する通信経路削除ステップをさらに備える。
【0019】
また、本発明に係る通信装置は、通信線を介して相互に接続され、通信経路の自発的な更新を実行する通信装置であって、前記通信装置は、異常が発生した通信線の直近に配置された第1のノード又は異常が発生したノードの直近に配置された第1のノードから送信された異常検出信号に基づいてルート要求パケットの送信が行われる通信元となる、前記第1のノードとは異なる第2ノードで構成され、前記第2のノードは、前記第1のノードから送信された異常検出信号を受信する信号受信手段と、前記異常検出信号の受信に応じてルート要求パケットをブロードキャストするルート要求パケット送信手段と、目的局となるノード、又はセンタノードから送信されたルート回答パケットを受信するルート回答パケット受信手段と、前記ルート回答パケットに基づいて前記所定の通信経路を他の通信経路に更新する通信経路更新手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、前記異常は、前記通信線の異常であるか、又は前記通信線を介して接続された他の通信装置の異常である
【0023】
また、本発明に係る通信装置は、前記所定の通信経路が復旧したか否かを監視するための復旧確認信号を所定のタイミングで送信する復旧確認信号送信手段と、前記復旧確認信号に対する応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号を受信した場合に、他の通信経路を前記所定の通信経路に変更して復旧する通信経路復旧手段とを更に備えている。
【0024】
また、本発明に係る通信装置は、通信経路を削除する通信経路削除手段をさらに備える。
【0025】
また、本発明に係る通信装置は、配電系に使用されることを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る通信装置は、ノードと通信可能に設けられたスマートメータおよび配電系制御部の少なくとも1つを更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、所定の通信経路における障害の検出に応じて、ルート要求パケットがブロードキャストされる。また、ルート更新の要求があったときに、ルート要求パケットに応じて、目的局となるノード又はセンタノードから送信されたルート回答パケットが他のノード(例えば隣接するノード)で受信される。そして、ルート回答パケットに基づいて所定の通信経路が他の通信経路に更新される。したがって、他のノードとの間でマルチホップな通信を行うことができ、通信経路に異常が発生した場合に通信経路を迅速に更新することができる。すなわち、通信の安定性を維持しつつ、障害の早期解消が可能な通信システム、通信経路制御方法及び通信装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成及び所定の通信経路を概略的に示す図である。
図2図1におけるノードの構成を概略的に示すブロック図である。
図3図2における経路記憶部が記憶する通信経路表の一例を示す図である。
図4図2のノードで実行される通信経路更新処理の一例を示すフローチャートである。
図5図4の通信経路更新処理を説明する模式図である。
図6図4の通信経路更新処理を実行した後の通信経路を示す図である。
図7】本実施形態における通信経路更新処理を実行する主体を説明する図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る通信システムで実行される通信経路更新処理を説明する模式図である。
図9】本通信システムで実行される通信経路更新処理を説明する他の模式図である。
図10】本実施形態における通信経路更新処理を示すフローチャートである。
図11図10の通信経路更新処理を実現するためのプロトコルスタックの図である。
図12】各子ノードの構造を概略的に示すブロック図である。
図13】子ノードの経路記憶部に記憶される経路テーブルの一例であり、(a)は更新後、(b)は更新前の経路テーブルを示す。
図14】積極的に他ノードに異常通知せず、通信の際にエラーパケットを返信する場合のフローチャートであり、(a)は子ノードの処理、(b)は送信元の処理を示す。
図15】子ノードと、配電系制御装置やスマートメータ集約装置との接続方法の一例を示す模式図である。
図16】子ノードがスマートメータ集約装置等と一体で設けられる場合の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成及び所定の通信経路を概略的に示す図である。
【0031】
図1において、通信経路制御を行う通信システムは、センタノード10と、センタノード10に通信線30を介して接続された複数のノード20a〜20qとで構成されている。通常、センタノード10は変電所等の監視施設に設置され、ノード20は配電線に沿って配置されている開閉器に付随して設置される。各ノードは対応する各開閉器の監視制御を行う配電系制御装置と接続されており、センタノードは各ノードからの情報に基づいて配電系の広域的な監視制御を行う。本発明の通信線30は、例えば光ファイバケーブルで構成されており、大容量の通信を実現可能としている。なお、通信線は光ファイバケーブルに限るものではなく、同軸ケーブル等のメタルケーブルで構成されてもよい。
【0032】
複数のノード20a〜20qのうち、2つのノード20a,20rがセンタノード10に接続されており、ノード20aにはノード20b〜20jが接続され、ノード20rにはノード20k〜20qが接続されている。また、ノード20aとノード20rとが接続されると共に、ノード20jとノード20kとが接続されており、これによりノード20a〜20e,20j,20k〜20o,20rは1つのループを形成している。
【0033】
また、ノード20oには、ノード20p,20qが順次接続されており、分岐路を形成している。ノード20bには、ノード20f〜20iが接続されており、ノード20hがノード20eにも接続されることにより他のループを構成している。
【0034】
図1における矢印A1,A2は通信経路の一例を示しており、通信経路A1,A2によりセンタノード10から各ノードに通信される。この通信経路の選択の際に条件となる通信品質は、例えば、要求される通信性能等に基づいて予め決定し、各ノードに予め設定することができる。また、この通信品質は、中継段数やリアルタイムに測定された送受信レベル等に基づいて設定することも可能である。
【0035】
本実施形態における通信経路制御システムでは、ノード20の各々が後述する通信経路表を有することで(図3参照)、センタノードや他のノード(以下、目的局ともいう)への通信経路を選択して信号を送信することができるよう構成されている。そして、目的局までの通信経路が通信経路表に設定されていない場合、又は事故、故障等の異常の発生により通信経路表に設定されている通信経路が切断された場合には、当該ノードが自発的に目的局までの通信経路を更新するよう構成されている。ここで、通信経路を更新した後に、元の通信経路を保存してもよく、削除してもよい。
【0036】
図2は、図1における各ノードの構成を概略的に示すブロック図である。
【0037】
図2において、ノード20は、隣接するセンタノード10及びノード20bと通信を行う2つの光トランシーバ21a,21bと、光トランシーバ21a,21bに接続された送受信処理部22と、送受信処理部22に接続された通信制御部23と、監視対象となる開閉器等の監視制御処理を実行するノード機能部29とを備えている。なお、図2では、ノード20は2つの光トランシーバ21a,21bを備えているが、これに限るものではなく、3つ以上の光トランシーバを備えていてもよい。例えば、図1におけるノード20b,20e,20h,20oは3つの光トランシーバを備えている。
【0038】
通信制御部23は、図3に示すようなルーティング用の通信経路表を記憶する経路記憶部24を有している。この通信経路表では、目的局までの最初の中継局となる当該ノード20に隣接するセンタノード10またはノード20の情報(隣接局情報)と、目的局までの通信経路の通信コストとが、目的局ごとに設定されている。
【0039】
ノード機能部29から通信制御部23に目的局のIPアドレスを含んだデータが出力されると、通信制御部23は、経路記憶部24から通信経路表を読み込み、該通信経路表を用いてルーティングのための目的局情報(RA)を選択すると共に、隣接局のアドレス(IP(1))をデータに付加して送受信処理部22に送信する。送受信処理部22は、隣接局アドレス(IP(1))が付加されたデータに隣接局のMAC情報を更に付加して、該当する光トランシーバを選択し、信号を出力する。また、2つの光トランシーバ21a,21bのいずれかから自局宛の信号を受信すると、送受信処理部22は隣接局アドレス付データを通信制御部23に出力し、通信制御部23はデータをノード機能部29に出力する。さらに、2つの光トランシーバ21a,21bのいずれかから自局宛以外の信号を受信すると、通信制御部23で、ルーティングのための目的局情報(RA)が自局でないことを確認した後、目的局に到達するような隣接アドレス(IP(1))に書き替え、送受信処理部22に送信する。送受信処理部22は、隣接アドレス(IP(1))の情報から隣接局のMAC情報を付け加え、該当する光トランシーバを選択し、信号を出力する。
【0040】
また、ノード20は、所定の目的局までの通信経路が通信経路表に設定されていない、あるいは通信経路が切断された等の通信経路の異常時に、目的局までの通信経路を自発的に設定又は更新する通信経路探索手段を有している。この通信経路探索手段は、経路探索制御部25、経路探索要求部26、経路判定部27、経路更新部28で構成されている。なお、ノード20は、異常が発生した通信経路を削除する通信経路削除手段を備えていてもよい。
【0041】
経路探索制御部25は、経路探索要求部26、経路判定部27及び経路更新部28を統括的に制御する。経路探索要求部26は、所定のタイミングで通信経路の探索を要求する信号を送信する。また、経路探索要求部26は、通信経路の探索要求信号に応じた信号、あるいは通信経路の異常を検出すると共に、当該検出に応じて光トランシーバ21を介してルート要求パケットをブロードキャストする。ここでいうブロードキャストとは、IPv4におけるブロードキャスト、IPv6におけるオールルータマルチキャストを含む概念である。経路更新部28は、ルート要求パケットを受信した目的局となるノード又はセンタノードから送信されたルート回答パケットを受信すると共に、ルート回答パケットに基づいて元の通信経路を他の通信経路に更新する。経路記憶部24は経路更新部28に接続されており、経路更新部28によって更新された通信経路表を保存する。ここで、経路更新部28は、通信経路を更新した後に、元の通信経路を保存する場合は、経路記憶部24の元の通信経路を保存し、元の通信経路を削除する場合は、経路記憶部24の元の通信経路を削除するように、更新された通信経路表を保存する。
【0042】
ノードが通信経路を更新する場合は、新たな通信経路の通信コストを算出するためのデータが必要となることから、本実施形態では各ノードが通信コストの算出に必要なデータを予め所有している。各ノードから目的局までの通信経路のコストは、通信経路の途中で中継するノードによって異なってくるため、通信経路の通信コストを算出するためのデータとして、各ノードと隣接中継局との間の通信コストを各ノードが所有していることとする。
【0043】
本実施形態では、ノード又は通信元が通信経路(あるいは他のノード)の異常を検出するために、LOS(Loss of Signal)、ACK信号の未到達、NACK信号(但し、ACK信号の実装を前提とする)、生存確認信号の未到達、Dying Gasp信号、及び上位層におけるTime Outの検出が実行される。
【0044】
LOSは物理層又はこれに準拠した層によって処理され、ACK信号の未到達検出及びNACK信号はMAC層又はこれに準拠した層によって処理される。生存確認信号及びDying Gasp信号は、MAC層もしくはIP層又はこれに準拠した層によって処理される。また、Time OutはTCP/UDP層もしくはアプリケーション層、又はこれに準拠する層で処理される。
【0045】
LOS、ACK信号の未到達、NACK信号、生存確認信号及びDying Gasp信号は、障害の直近のノードによって検出される。LOSの場合、光の有無のみが判断され、光を受信しなければ異常と判断される。ACK信号は信号を送信した際に隣接局から送信信号が正常であったことを示す信号であり、送信後十分時間がたったとしても到達しない場合異常と判断される。NACK信号は、ACK信号とは逆に信号を送信した際に隣接局が信号に異常を検知した場合に送信される信号であり、到達した場合異常と判断される。生存確認信号の場合は、各ノードから所定間隔で断続的に生存確認信号を送信し、所定期間内に隣接からの生存確認信号が受信されなければ隣接ノードになんらかの異常があると判断される。また、Dying Gasp信号は、ノードが故障・異常により回復不可能となる直前に当該ノードが隣接局等に送信する信号であり、検知した場合隣接ノードに異常が発生したと判断される。
【0046】
上位層におけるTime Outについては、所定時間内に返信が必要な信号の送信に対して、所定期間内に応答(返信)がなければ異常と判断される。このTime Outについては、障害の直近のノードが検出することはできないため、通信元によって異常が検出されることとなる。
【0047】
上記のように構成されるノードの通信経路探索手段では、主に以下の2つの処理が実行される。先ず、ノード機能部29が目的局のアドレスを含むデータを通信制御部23に出力する場合かあるいは送受信処理部22がいずれかの光トランシーバ21から自局宛て以外の信号を受信した場合を考える。このとき、通信制御部23は、ルーティングのための通信経路表からルーティングのための目的局情報(RA)と目的局に到達できるための隣接局アドレスを検索し、検索結果に基づいて、送受信処理部22を介して該当する光トランシーバ21から隣接局に送信する。該当するルーティングのための目的局情報(RA)が通信経路表に設定されていない場合には、該当するルーティングのための目的局情報(RA)に到達するための通信経路を通信経路探索手段を用いて新たに探索し、検出された通信回路を通信経路表に追加する。
【0048】
また、送信信号のルーティングのための目的局情報(RA)が通信経路表で検出できた場合には、通信制御部23は検出されたルーティングのための目的局情報(RA)に接続される隣接局に信号を送信する。このとき、信号が隣接局に正常に伝送できなかった場合には、通信制御部23は、通信経路探索手段を用いてルーティングのための目的局情報(RA)への他の通信経路の探索を行う。後述する通信経路更新処理によって他の通信経路の検出が成功した場合には、通信経路表に設定されているルーティングのための目的局情報(RA)への通信経路に代えて、検出された他の通信経路を通信経路表に再設定することで通信経路表を更新する。このとき、元の通信経路は削除される。なお、通信異常の検出は、隣接するノードだけでなく、信号の通信元となるノードが行うことも可能である。
【0049】
図4は、図2の各ノードで実行される通信経路更新処理を示すフローチャートである。
【0050】
先ず、通信要求信号が上位層であるアプリケーション層から入力されると(ステップS91)、ノードは、通信経路表を参照し、通信経路があるか否かを判定する(ステップS92)。通信経路がある場合には、その通信経路に従って送信し(ステップS93)、通信経路がない場合にはステップS95に進む。
【0051】
次に、通信経路表中の通信経路に従った送信が成功したか否かを判定する(ステップS94)。すなわち、LOS、ACK信号の未到達、NACK信号、生存確認信号の未到達及び上位層におけるTime Outのいずれかを使用し、通信経路における異常が検出されたか否かを判定する。送信が成功した場合には、通信を終了する。
【0052】
一方、通信経路がなかった場合(ステップS92にてNO)又は送信が成功しなかった場合には(ステップS94でNO)、ルート要求パケットをブロードキャストする(ステップS95)。ノードが送信したルート要求パケットは、通信経路制御システムで構築されたルートのいずれかを通ってセンタノード(目的局)に到達する。そしてセンタノードは、ルート要求パケットを受信すると、ルート要求パケットを送信したノードにルート回答パケットを送信する。ノードは、ルート回答パケットを受信することにより目的地への経路情報を受信し(ステップS96)、該受信した経路情報に従って送信を行い(ステップS97)、これにより通信経路が更新される。そして、受信した経路情報に従って実行した送信が成功したか否かを判定し(ステップS98でNO)、送信が成功しなかった場合にはステップS95の処理に戻り、成功した場合には通信を終了する。
【0053】
なお、上記通信経路更新処理において、ルート回答パケットを受信(ステップS96)することで新たなルートを確立するといった簡単なステップが実行されてもよい。
【0054】
図4の通信経路更新処理の具体例を図5を用いて説明する。図5では、ノード20nとノード20oとの間で異常が発生した場合に、ノード20nが通信経路更新処理を実行する場合を例に挙げて説明する。
【0055】
先ず、ノード20nは、ノード20oの接続異常をLOS、NACK信号等で検出すると、ルート要求パケットを周囲に転送(ブロードキャスト)し、ノード20mがルート要求パケットを受信する。ノード20mはさらにルート要求パケットをノード20lに送信し、以後ノード20k,20j,20e,・・・にて順次転送が実行されて、センタノード(目的局)に送信される。センタノード及びノードは、ルート要求パケットが送信されたルートの逆ルートで、ルート回答パケットを順次転送していく。ルート回答パケットがノード20nに到達すると、センタノードからノード20kを経由してノード20nに至る新たな通信経路が確立する。本処理によりセンタノード10からノード20n迄の通信経路が更新される。
なお、センタノード10は、複数のルート要求パケットを受信することがあるが、ノードの通過数(ホップ数)、通信コスト等から、最適なルートだけにルート回答パケットを送信することが好ましい。
【0056】
図5の通信経路更新処理が実行された後は、図6に示すような通信経路となる。すなわち、センタノード10から各ノードまでの通信経路A1,A2(図1)は、ノード20k〜ノード20nまでの新ルートが確立されることにより通信経路A3,A4に変更される。
【0057】
なお、上記通信経路更新処理は、ノード20n、すなわち障害の直近のノードによって実行される場合であるが、これに限るものではなく、データの通信元である通信元ノード(以下、単に「通信元」という)によって実行されてもよい。
【0058】
通信元が通信経路更新処理を実行する場合には、直近のノード(第1のノード)は後述するエラー信号(異常検出信号)を通信元(第2のノード)に送信する。通信元は、当該エラー通知を受信することで異常を検知し、エラー通知の受信に応じてルート要求パケットをブロードキャストする。センタノードは、ルート要求パケットを受信すると、通信元にルート回答パケットを送信する。そして、通信元は、目的局となるノード又はセンタノードから送信されたルート回答パケットを受信し、ルート回答パケットに基づいて通信経路を更新する。これにより、図5の通信経路更新処理と同様の処理が実行されることとなる。
【0059】
(通信経路を更新する主体)
図7は、本実施形態における通信経路更新処理を実行する主体を説明する図である。
【0060】
本実施形態では、上述のように、異常が発生した直近のノードと通信元との2つが本処理の実行主体として設定されるが、この通信経路更新処理の主体の相違によって更新経路や更新時間が異なってくる。例えば、図7において、障害の直近のノードが更新する場合には、異常検知の時間は早いが、更新後の経路が最適な経路にならない場合がある(A5)。一方、通信元が更新する場合には、異常検知は相対的に遅いが、最適な経路が選択される(A6)。従って、通信経路の施設位置や障害の状況等に応じて、直近のノードと通信元のいずれかを経路更新の主体として設定することができる。また、最初に直近のノードが迅速に経路更新を行い、その後、通信元が適切なタイミングで経路を最適化するよう設定することも可能である。
【0061】
(経路更新処理の後に実行される復旧処理)
本通信システムの通信経路に障害が生じていない状態では、通常、元の通信経路が最適であることから、通信経路更新処理が実行された後で障害が除去、改善された際には元の通信経路に戻す処理を行うことも可能である。
【0062】
本実施形態では、ノード20は、元の通信経路が復旧したか否かを監視するための復旧確認信号を所定のタイミングで送信する復旧確認信号送信部41と、復旧確認信号に対する応答信号を受信する応答信号受信部42と、応答信号を受信した場合に、他の通信経路を元の通信経路に変更して復旧する通信経路復旧部43とを更に備えている(図2)。
【0063】
ノード20で実行される復旧処理としては、例えば、更新処理の実行者(直近のノード又は通信元)が、所定の時間間隔でリルート信号(復旧確認信号)を送信する。このとき、障害が既に除去、改善されている場合には、障害の発生によってこれまで通信不能であった隣接局から応答信号が送信されることとなる。そして更新処理の実行者は、当該応答信号を受信すると、以前に使用していた元の通信経路が通信可能と判断し、通信経路を元の通信経路に変更する。これにより単純な方法で復旧処理を実行することが可能となる。
【0064】
尚、上記復旧処理はセンタノード10が所定のタイミングで実行してもよい。この場合、センタノード10は、元の通信経路が復旧したか否かを監視するための復旧確認信号を所定のタイミングで送信する復旧確認信号送信部と、復旧確認信号に対する応答信号を受信する応答信号受信部とを有し、応答信号を受信した場合に、通信経路の復旧を指示する復旧指示信号をノード又は送信元に送信することとなる。
【0065】
上述したように、本実施形態によれば、所定の通信経路における異常の検出に応じて、ルート要求パケットがノード又はセンタノード(目的局)に送信される。また、ルート要求パケットに応じて、目的局となるノード又はセンタノードから送信されたルート回答パケットが受信される。そして、ルート回答パケットに基づいて所定の通信経路が他の通信経路に更新される。したがって、他の装置との間でマルチホップな通信を行うことができ、通信経路に異常が発生した場合に通信経路を迅速に更新ことができる。
【0066】
また、通信経路の更新後、所定のタイミングで復旧確認信号が送信され、該復旧確認信号に対する応答信号が受信された場合に、元の通信経路への復旧が行われる。これにより単純な方法で且つ迅速に復旧処理を実行することができる。
【0067】
図8および図9は、本発明の第2実施形態に係る通信システムで実行される通信経路更新処理を説明する模式図であり、図10は、本通信経路更新処理を示すフローチャートである。
【0068】
図8の通信システム40には、1つの親ノード(センタノードに相当する)50と60aから60rまでの子ノードが存在し、通信経路A7,A8を用いて親子間で通信が行われている。例えば、子ノード60hは子ノード60a,60b,60f,60gを介して、子ノード60qは子ノード60r,60o,60pを介して親ノード50と通信を行っている。このとき、通信経路に障害が発生すると、経路切替え手続きが実行される。障害の検知は、LOSや生存確認信号の未達等を通じて行われる。
【0069】
例えば、子ノード60nが親ノード50への通信に失敗すると、子ノード60nが通信異常を検知し(ステップS101)、異常が発生した子ノード60n〜60o間の通信経路を削除する(ステップS102)。子ノード60nは、子ノード60n〜60o間を使用していたノードを記憶しており、子ノード60m,60lの双方(通信不能となる影響ノード)に異常の発生を通知し(ステップS103)、子ノード60m,60lの双方がルート削除を実行する(ステップS104)。そして、子ノード60n〜60oの各ノードで親ノード50との通信要求が生じた場合(ステップS105でYES)、親ノード50との通信経路が存在しないため、ルート要求パケットをブロードキャストし、新たな通信経路を探索する(ステップS106)。図8の場合、子ノード60nに通信要求が生じると、親ノードとの通信経路が遮断されているため、子ノード60nはルート要求パケットをブロードキャストし、その後、子ノード60m,60lにて順次ブロードキャストが実行されて、子ノード60kがルート要求パケットを受信する。
【0070】
子ノード60kは、親ノード50との有効なルートを記憶しており、子ノード60nにルート回答パケットを送信する。このルート回答パケットが子ノード60nに到達すると、子ノード60kは親ノード50への新たな通信経路情報を取得し(ステップS107)、この結果子ノード60kを経由した新たな通信経路が確立する(ステップS108)。
【0071】
図11は、図10の通信経路更新処理を実現するためのプロトコルスタックの図である。AODV(Ad hoc On-Demand Distance Vector)を利用する場合、通常のTCP/IP over Ethernetのスタックと同じ構成をしており、UDPの特有のポート上でAODV信号が動作する。
【0072】
このAODV信号はUDP上で動作し、後述する経路テーブルをL3に作成する。その後、L3において経路テーブルを参照した転送が実行される。
【0073】
図12は、各子ノードの構造を概略的に示すブロック図である。
【0074】
図中の子ノード60において、信号は外部からトランシーバ61a〜61d(メタルトランシーバもしくは光トランシーバ)にて受信され、送受信処理部62を経て通信制御部63へ到達する。各トランシーバは、隣接ノードもしくは配電系制御装置、スマートメータのコンセントレータに接続する。通信制御部63に入力された信号は、該通信制御部にて目的地が既知であるか否かが判定される。目的地が既知である場合、経路判定部67は次ホップノード等の情報を付加した信号を送受信処理部62へ送り出す。送受信処理部62は、次ホップノード情報を元に、送信先として適切なトランシーバに送信する。トランシーバの組み合わせ及び個数は任意である。
【0075】
経路が未知の場合、ルーティング部66の働きにより経路が探索され、次ホップノード情報が入手される。すると、経路更新部68は経路記憶部67にデータを追加し、次ホップノード情報は送受信処理部62に伝えられ、適切なトランシーバに送信される。
【0076】
また、各ノード60は障害検知部71を有しており、周囲の障害を監視することが可能となっている。障害検知部71が周囲の障害を検知した場合、以下の2種類の方法をとることができる。
(1)あらかじめ伝達を行わない場合
障害検知部71が障害を検知すると、障害が発生した通信経路を削除する。通信経路の削除が行われた後、当該通信経路を使おうとする通信が発生した場合には、送信元に対してエラーを通知する。送信元は、エラー通知を受けると通信経路を消去し、経路探索をやり直す。
(2)あらかじめ伝達を行う場合
【0077】
障害検知部71が障害を検知すると、障害が発生した経路を削除するとともに、事前に記憶しておいた経路を使っていた前ノード情報をもとに影響範囲に対し異常を通知する。通知を受けたノードは経路を削除する。新たな通信が発生する場合、経路判定部66により未知の目的値と判断されるため、経路探索が行われる。
【0078】
子ノード60nの経路記憶部67に記憶される経路テーブルの一例を図13に示す。前ノード、線路が正常な挙動を示している場合のテーブルの一例が図13(b)であり、いくつかの通信目的ノードに対応する次ホップが記載されている。例えば、目的ノードが50の場合はノード60oへ、目的ノードが60lの場合はノード60mへ信号を送信してやればよいことが分かる。ここでノード60m〜ノード60n間で異常が発生した場合、経路ノード60o〜ノード60n間が使用不可能になるため、経路変更手続が実行される。本経路変更手続の実行の結果、図13(b)に示す経路テーブルが、図13(a)に示すような経路テーブルに変更され、次ホップノード、前ホップノードおよび経路コストのうちの該当項目が更新される。通信制御部68は、更新された経路テーブルに基づいて送受信処理部62へ信号を送り出す。
【0079】
通信経路における異常あるいは障害の発生の検知方式は、異常検知を判断するための要素(トリガー)によって異なってくる。具体的には、LOSは物理的な信号が失われたことを意味し、トランシーバ61a〜61dで検知され、ルーティング部69に通知される。
ACKは、送信された信号が正しく到達したことを示す返信であり、送受信処理部63で処理される。ACKが所定時間内に返信されない場合、信号は正しく到達しなかったと判断され、ルーティング部69に異常が通知される。NACKも、ACK同様、送受信処理部63で処理される信号であり、正しくない信号が到達したことを示す。本信号が到達した場合も、ルーティング部69に異常を通知することができる。
【0080】
生存確認信号は、通信制御部63内の生存確認部70によって定期的に周囲に告知される信号であり、送信元が正常であることを示すものである。所定時間内に生存確認信号が到達しなかった場合、対象のノードは異常であると判断され、ルーティング部69に通知される。また、生存確認信号には、MACアドレス・IPアドレス等の情報が含まれ、これらが変化した場合にも、ルーティング部69に異常を通知することができる。
【0081】
Time outは、通信監視部64によって検知されるTCP等の上位層機能である。TCPに代表される上位層機能には、送信先への信号の到達を確認するプロトコルが組み込まれていることがあり、信号到達の確認が所定時間内にできなかった場合、異常がルーティング部69に通知される。本機能は上位層によって実行されるため、検知者は、障害の直近ではなく、送信元である。
【0082】
LOSは最も高速に異常を判定するが、信号が出続けているが内容が異常である場合等には対応できないため、通常2種類以上の検知方法を組み合わせるのが好ましい。
なお、これらの異常検知方式は、全てが実装されてもよいし、一部だけが実装されてもよい。
【0083】
図14は、積極的に他ノードに異常通知せず、通信の際にエラーパケットを返信する場合のフローチャートであり、(a)は子ノードの処理、(b)は送信元の処理を示す。
異常通知を行う子ノードは、図14(a)に示すように、経路を通過する信号が届いた場合に、送信元に異常検知を通知することとなる。したがって当該子ノードはどの局へ異常を通知すべきか、管理せずに済むため、シンプルな構成が可能である。一方、子ノードからの通信異常通知を受信した送信元は、図14(b)に示すように、経路探索後、目的地への経路情報を取得し、当該経路に信号を再送信する。すなわち、通信元は、送信を行なわなければ異常が通知されないため、切り替えが遅くなるのに加え、余分な通信が発生することとなる。
【0084】
なお、本実施形態では、親ノードと子ノードが通信を行っているが、通信を子ノード同士で行うこともできる。子ノード間の通信方式は、親ノードと子コード間の通信方式と同じである。
【0085】
次に、子ノードと、配電系制御装置やスマートメータ集約装置との接続方法の一例を、図15を用いて説明する。
【0086】
図15は、子ノード(通信装置)100−1〜100−4の所定ポートがスマートメータ集約装置及び/又は配電系制御装置と接続されている。また、各子ノードは他のポートを用いて隣接ノードとも接続されている。各子ノードは、スマートメータ集約装置および配電系制御装置の双方と接続されてもよく(子ノード100−4)、スマートメータ集約装置のみまたは配電系制御装置のみと接続されてもよく(子ノード100−2,100−3)、あるいは、これらのいずれにも接続されない情報転送専門の子ノード(子ノード100−1)であってもよい。スマートメータ集約装置83,85,87や配電系制御装置84,88の各情報は、各子ノードの通信制御部によって管理サーバ86等の送信先へ転送される。
【0087】
スマートメータ集約装置は、子ノードに供給される電力等の各種情報を集約・管理し、サーバ等の外部機器と送受信を行う機能を有する。また、配電系制御装置は、子ノードに供給される電力を制御する機能を有する。
【0088】
なお、本発明の子ノードは、スマートメータ集約装置や配電系制御装置と一体で設けられてもよい。その場合、図16に示すように、子ノード110のアプリケーション制御部65とスマートメータ集約ブロック111とが並列に接続され、通信監視部64にて、アプリケーション制御部65に必要な信号と配電系制御ブロック111に必要な信号とが区別され、それぞれに送信される。スマートメータ集約ブロック111は、配電系制御を行う機能を兼ね備えていてもよいし、スマートメータ集約ブロックとは別に、配電系制御部が子ノード内に設けられてもよい。
【0089】
上記実施形態では、LOS、ACK信号、NACK信号、生存確認信号及びTime Outのいずれかを使用して、通信経路における異常が検出されたか否かを判定するが、これに限るものではない。LOS、ACK信号、NACK信号、生存確認信号及びTime Outの少なくとも2つ以上を検出できるように構成し、LOS、ACK信号、NACK信号、生存確認信号及びTime Outのいずれかが検出されたときに、通信経路における異常の有無を判定してもよい。
【0090】
また上記実施形態は、本発明に係る通信システム及び通信装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。例えば、例示した配電系システムに限らず、道路監視、鉄道監視、上下水道、河川監視等の公共施設の監視システム、またはその他の通信システムに適用してもよい。また、本実施形態における通信装置のノード及び通信システムの細部構成等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 通信経路制御システム
10 センタノード
20 ノード
21a,21b 光トランシーバ
22 送受信処理部
23 通信制御部
24 経路記憶部
25 経路探索制御部
26 経路探索要求部
27 経路判定部
28 経路更新部
29 ノード機能部
41 復旧確認信号送信部
42 応答信号受信部
43 通信経路復旧部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16