特許第5788388号(P5788388)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5788388プラズマ処理システム内でプラズマ閉じ込めを操作するための装置およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788388
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】プラズマ処理システム内でプラズマ閉じ込めを操作するための装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20150910BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20150910BHJP
【FI】
   H01L21/302 101B
   H05H1/46 R
   H01L21/302 101C
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-527918(P2012-527918)
(86)(22)【出願日】2010年8月26日
(65)【公表番号】特表2013-504203(P2013-504203A)
(43)【公表日】2013年2月4日
(86)【国際出願番号】US2010046790
(87)【国際公開番号】WO2011028600
(87)【国際公開日】20110310
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】12/552,474
(32)【優先日】2009年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュコ・エラー・ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】シン・ノインゴー
(72)【発明者】
【氏名】キム・ユンサン
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー・アンドリュー
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−275222(JP,A)
【文献】 特開平06−061185(JP,A)
【文献】 特開2004−096066(JP,A)
【文献】 特表2006−511059(JP,A)
【文献】 特表2004−535039(JP,A)
【文献】 特表2011−517832(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/109239(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/094441(WO,A1)
【文献】 特開2006−319043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムの処理チャンバ内でプラズマ処理中にベベルエッチング速度を制御するための装置であって、
電源と、
ガス分配システムと、
前記プラズマ処理中に基板を支持するよう少なくとも構成された下側電極と、
前記基板より上方に配置された上側リング電極と、
前記基板より下方に配置された下側リング電極と、
第1の整合装置であって、前記上側リング電極に結合され、前記基板の上側エッジの少なくとも一部をエッチングするために利用可能なプラズマの量を制御するために、前記上側リング電極を通して流れる電流を制御するよう少なくとも構成された第1の整合装置と、
第2の整合装置であって、前記基板の下側エッジの少なくとも一部を少なくともエッチングするために利用可能なプラズマの量を制御するために、前記下側リング電極を通して流れる前記電流を制御するよう構成された第2の整合装置と
前記基板の真上に配置された上側電極と、
第3の整合装置であって、前記上側電極に結合され、前記上側電極を接地状態から浮遊状態に変化させることにより前記上側電極および前記下側電極の間のプラズマ形成を最小化するために、前記上側電極を通して流れる前記電流を制御するよう構成された第3の整合装置と
を備え、
前記第3の整合装置は、少なくとも、スイッチ、インダクタ、および、コンデンサを備え、
前記スイッチは、閉位置に設定され、
前記インダクタおよび前記コンデンサは、前記上側電極を前記浮遊状態に設定するために、前記処理チャンバの動作周波数と並列共振に調整され、
前記上側電極は拡張部を備え、前記拡張部は、前記上側電極の可動構成要素であり、前記上側電極の前記拡張部は、前記上側電極の前記拡張部と前記基板との間のギャップを最小化するために前記プラズマ処理中に下げられ、前記上側電極の前記拡張部は前記基板に接触せず、前記ギャップはプラズマを支持できない装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記第1の整合装置は、少なくとも、スイッチ、インダクタ、および、コンデンサを備え、
前記スイッチは、開位置に設定され、
前記インダクタおよび前記コンデンサは、前記基板の上側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振する
装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記第2の整合装置は、少なくとも、スイッチ、インダクタ、および、コンデンサを備え、
前記スイッチは、開位置に設定され、
前記インダクタおよび前記コンデンサは、前記基板の下側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振する
装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記プラズマ処理システムは容量結合処理システムである装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記プラズマ処理システムは誘導結合処理システムである装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記電源は高周波電源である装置。
【請求項7】
プラズマ処理システムの処理チャンバ内でプラズマ処理中にエッチング速度を制御するための方法であって、
前記処理チャンバ内で下側電極上に基板を固定し、
電源を準備し、
前記処理チャンバにガス混合物を流入させ、
側電極に結合され、前記上側電極を接地状態から浮遊状態に変化させることにより前記上側電極および前記下側電極の間のプラズマ形成を最小化するために、前記上側電極を通して流れる電流を制御するよう構成された第1の整合装置を調整し、
前記基板の上側エッジの上方に形成された第1のプラズマを操作するために上側リング電極を通して流れる前記電流を少なくとも制御するよう構成され、前記第1のプラズマは、前記基板の前記上側エッジの一部を少なくともエッチングするよう構成されている第2の整合装置を調整し、
さらに、前記基板の下側エッジの上方に形成された第2のプラズマを操作するために下側リング電極を通して流れる前記電流を少なくとも制御するよう構成された第3の整合装置を調節し、
前記第2のプラズマは、前記基板の前記下側エッジの一部を少なくともエッチングするよう構成され、
前記第3の整合装置の調節では、スイッチを開位置に設定し、前記基板の前記下側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振するようにインダクタおよびコンデンサを設定し、
前記第3の整合装置の調節では、前記基板の前記下側エッジに対するエッチングを最小化するために前記処理チャンバの前記動作周波数と並列共振するように前記インダクタおよび前記コンデンサ設定する
方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、さらに、前記プラズマ処理中に前記上側電極の拡張部を下げ、前記拡張部は、前記上側電極の可動構成要素であり、前記上側電極の前記拡張部は、前記上側電極の前記拡張部と前記基板との間のギャップを最小化するために下げられ、前記上側電極の前記拡張部は前記基板に接触せず、前記ギャップはプラズマを支持できない方法。
【請求項9】
請求項に記載の方法であって、前記第1の整合装置の調節では、スイッチを閉位置に設定し、前記上側電極を前記浮遊状態に設定するために前記処理チャンバの動作周波数と並列共振するようにインダクタおよびコンデンサを調整する方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって、前記第2の整合装置の調節では、スイッチを開位置に設定し、前記基板の前記上側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振するようにインダクタおよびコンデンサを設定する方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記第2の整合装置の調節では、前記基板の前記上側エッジに対するエッチングを最小化するために前記処理チャンバの前記動作周波数と並列共振するように前記インダクタおよび前記コンデンサ設定する方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記第2の整合装置の調節では、前記処理チャンバの前記動作周波数での前記電流の共振をオフセットすることによって、前記第1のプラズマを特定のエッチング速度に調整する方法。
【請求項13】
請求項に記載の方法であって、前記第3の整合装置の調節では、前記処理チャンバの前記動作周波数での前記電流の共振をオフセットすることによって、前記第2のプラズマを特定のエッチング速度に調整する方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
技術の進歩は、電子産業の成長をもたらした。電子機器への世界的に高まる需要を満たすためには、数百万の半導体デバイスが必要である。半導体デバイスは、通常、単一の処理された基板から切り出されたダイから製造される。
【0002】
基板処理のために、ガス混合物(例えば、エッチャントガス混合物)が処理チャンバに流れ込み、高周波(RF)電力によって励起されて、イオンエネルギクラウド(すなわち、プラズマ)を形成する。次いで、プラズマは、半導体デバイスを形成するために基板をエッチングするために利用されうる。多くの場合、エッチング速度(レート)は、基板のエッジで高くなりうることがわかっている。基板のエッジでは、所与の体積のエッチャントに対してエッチングされうる基板表面積が小さいため、基板のエッジでは、通常、エッチング速度が高くなり、それによって基板の不均一性につながると理論化されている。
【0003】
上述のように、中央よりも基板のエッジで利用可能なエッチャントが多くなるため、基板上に形成されるプラズマが不均一になりうる。欠陥のある半導体デバイスを製造する可能性を低減するには、基板にわたって一貫したエッチング速度を保証するために、基板処理中のプラズマの均一性が望まれるため、ほとんどの基板処理の焦点は、プラズマの均一性がより一貫して観察される基板のバルク領域(すなわち、基板のエッジから離れた領域)に向けられてきた。結果として、基板のエッジ周辺の領域は、一部の製造業者が、この無駄を製造コストと見なしたため廃棄されてきた。
【0004】
今日の競争市場において、無駄を最小化しつつ基板を高品質の半導体デバイスに処理することが、製造業者に競争力を与えうる。無駄を削減する方法の1つは、処理される基板の実装可能面積(real estate)を最大化し、この実装可能面積をできる限り多く利用して高品質の半導体デバイスを製造する方法である。欠陥のある半導体デバイスの数を最小化しつつ基板の実装可能面積の利用を最大化することができれば、大きい基板を処理できるプラズマ処理システムを利用する製造業者にとって特に有利である。
【0005】
概して、大きい基板を処理できる処理システムを用いれば、より小さいサイズの基板しか処理できない処理システムと比べて、マシンの稼働時間単位当たりに生産される半導体デバイスの数が多くなりうる。しかしながら、製造業者が、大きいサイズの基板のエッジ周辺の領域を処理して、許容可能な半導体デバイスを製造することができなければ、大きいサイズの基板が大きい直径を有することから大きい周辺領域を有する傾向にあることを考慮すると、製造業者が経験する収入の低下が大きくなりうる。
【0006】
したがって、基板のエッジにおける基板処理を改善するためにプラズマ閉じ込めを操作するための装置が望まれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、一実施形態では、プラズマ処理システムの処理チャンバ内でプラズマ処理中にベベルエッチング速度を制御するための装置に関する。その装置は、電源およびガス分配システムを備える。装置は、さらに、下側電極を備え、下側電極は、プラズマ処理中に基板を支持するように少なくとも構成される。装置は、さらに、基板より上方に配置された上側リング電極と、基板より下方に配置された下側リング電極とを備える。装置は、さらに、第1の整合装置を備えており、第1の整合装置は、上側リング電極に結合される。第1の整合装置は、基板の上側エッジの少なくとも一部をエッチングするために利用可能なプラズマの量を制御するために、上側リング電極を通して流れる電流を制御するよう少なくとも構成される。装置は、さらに、第2の整合装置を備えており、第2の整合装置は、基板の下側エッジの少なくとも一部を少なくともエッチングするために利用可能なプラズマの量を制御するために、下側リング電極を通して流れる電流を制御するよう構成される。
【0008】
上述の発明の概要は、本明細書に開示された本発明の多くの実施形態の内の1つのみに関するものであり、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定する意図はない。添付の図面を参照しつつ行う本発明の詳細な説明において、本発明の上述の特徴およびその他の特徴を詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面では、限定ではなく例示を目的として本発明を図示する。なお、これらの添付図面においては、同様の構成要素には同様の符号が付されている。
【0010】
図1】本発明の一実施形態において、プラズマ閉じ込めを管理するための1組の整合装置を備えたベベル処理チャンバを示す概略断面図。
【0011】
図2A】本発明の実施形態において、ベベルプラズマチャンバ内でプラズマ閉じ込めを管理するための方法を示す図。
図2B】本発明の実施形態において、ベベルプラズマチャンバ内でプラズマ閉じ込めを管理するための方法を示す図。
図2C】本発明の実施形態において、ベベルプラズマチャンバ内でプラズマ閉じ込めを管理するための方法を示す図。
図2D】本発明の実施形態において、ベベルプラズマチャンバ内でプラズマ閉じ込めを管理するための方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付図面に例示されたいくつかの実施形態を参照しつつ、本発明の詳細な説明を行う。以下の説明では、本発明の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。しかしながら、当業者にとって明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施することが可能である。また、本発明が不必要に不明瞭となるのを避けるため、周知の処理工程および/または構造については、詳細な説明を省略した。
【0013】
以下では、方法および技術を含め、様々な実施形態について説明する。本発明は、本発明の技術の実施形態を実行するためのコンピュータ読み取り可能な命令を格納するコンピュータ読み取り可能な媒体を含む製品も含みうることに留意されたい。コンピュータ読み取り可能な媒体としては、例えば、コンピュータ読み取り可能な暗号を格納するための半導体、磁気、光磁気、光学、または、その他の形態のコンピュータ読み取り可能な媒体が挙げられる。さらに、本発明は、本発明の実施形態を実施するための装置も含んでよい。かかる装置は、本発明の実施形態に関するタスクを実行するために、専用および/またはプログラム可能な回路を備えてよい。かかる装置の例は、汎用コンピュータおよび/または適切にプログラムされた専用コンピュータデバイスを含み、本発明の実施形態に関する様々なタスクに適合したコンピュータ/コンピュータデバイスおよび専用/プログラム可能回路を組み合わせたものを含んでもよい。
【0014】
上述したように、基板を半導体デバイスにエッチングするために、プラズマが用いられる。一般に、適切な組み合わせのガス(例えば、C48、C46、CHF3、CH23、CF4、CH3F、C24、N2、O2、Ar、Xe、He、H2、NH3、SF6、BCl3、Cl2などのエッチャントガス)が、ガス分配システムから流入口を通してプラズマ処理システムの処理チャンバ内に流される。これらのガスは、処理チャンバ内でプラズマを点火するためにRF電力と相互作用しうる。次いで、プラズマは、基板の露出領域をエッチングするために用いられてよい。
【0015】
上述のエッジにおける高いエッチング速度により、プラズマの不均一性が生じうる。本明細書に述べるように、均一性とは、基板表面にわたってエッチング速度が一貫していることを指す。許容可能な均一性がないと、基板全体の処理は、過度のエッチングにより、特に基板のエッジ周辺の領域に形成されたデバイスに関して、欠陥のある半導体デバイスにつながりうる。
【0016】
しかしながら、今日のコスト意識の高い状況において、製造業者は、基板の歩留まりを最大化する方法を探している。近年、基板のエッジ周辺の領域を廃棄物として処分する代わりに、異なるレシピを用いて基板を処理することを可能にする技術が開発されてきた。一例では、基板全体を一つのレシピにさらす代わりに、処理されていない基板の領域を被覆して、非露出領域のエッチングを防止する。非露出領域は、将来の処理に利用できる。
【0017】
基板のエッジ周辺の領域をエッチングするために、ベベルエッチング(基板のエッジのためのエッチング)を実行するための技術が開発されてきた。1つの一般的な技術は、誘電体セラミックの利用を含む。プラズマがエッチング速度を決定するので、プラズマの制御が、エッチング速度の制御につながる。すなわち、形成されているプラズマを操作することにより、処理レシピによって必要とされる所望の1または複数のエッチング速度を達成できる。一例では、基板処理中に形成されているプラズマを操作するために、(基板のエッジに向かって)基板の上方および/または下方に誘電体セラミックが配置されてよい。一例では、異なる処理キット(各処理キットが特定の形状および材料のセラミックを有してよい)が、基板処理中にレシピが必要としうる異なるエッチング速度を実現するために用いられてよい。
【0018】
プラズマを制御するための別の方法は、RF電流を操作することによる方法である。換言すると、プラズマはRF電流でガスを衝突させることによって生成されるので、プラズマの均一性は、RF電流路を制御することによって制御できる。当業者であれば、RF電力が処理チャンバ内の電極の内の1または複数に供給されうることがわかる。プラズマは、通常、電極付近に形成される。本発明の一態様において、発明者は、電極を通るRF電流路を制御するために整合装置を用いることにより、所望の1または複数のエッチング速度を達成するためにプラズマを操作することを可能にしうると認識した。
【0019】
本発明の実施形態によると、処理チャンバ内でプラズマを制御するための装置および方法が提供される。本発明の実施形態は、1組の整合装置を用いてRF電流路を方向付ける工程を含む。本発明の実施形態は、さらに、所望のエッチング速度のプラズマを生成するために基板処理中にRF電流の流れを操作する方法を含む。本発明の実施形態は、さらに、チャンバコンディショニング(チャンバクリーニングなど)を実行するために、RF電流の流れを操作する方法を含む。
【0020】
本明細書では、一例として容量結合処理システムを用いて、様々な実施形態が記載されうる。しかしながら、本発明は、容量結合処理システムに限定されず、誘導結合処理システムに適用されてもよい。したがって、記載事項は例であり、本発明は提示された例に限定されない。
【0021】
本発明の一実施形態では、RF電流路を方向付けることによって、処理中に形成されるプラズマを操作するための装置が提供される。当業者であれば、プラズマが2つの電極間の領域で形成される傾向にあることがわかる。一例において、容量結合処理システムにおけるプラズマは、通常、接地された上側電極と下側電極(例えば、静電チャック)との間に生成される。この領域に形成されたプラズマは、通常、下側電極の上に配置された基板をエッチングするために用いられる。この領域に形成されたプラズマは、通常、(基板のエッジから離れた領域である)基板の表面の大部分をエッチングするために用いられてきた。
【0022】
しかしながら、ベベルエッチング中には、上側および下側電極の間に形成されたプラズマは、ベベル領域ではなく基板の中央領域をエッチングするため望ましくない。本発明の一態様において、発明者は、整合装置を上側電極に結合することによって、上側および下側電極の間の領域におけるプラズマ形成を防止するようにRF電流路を操作できることを認識した。換言すると、プラズマ形成を防止するために、接地された上側電極が、浮遊電極に変更される。上側電極を浮遊させるために、一実施形態では、整合装置内のインダクタおよびコンデンサが、処理チャンバの動作周波数と並列共振するように調整されてよい。
【0023】
上側および下側電極に加えて、エッジのエッチングを実行できる処理チャンバ(ベベル処理チャンバなど)は、さらに、2つのさらなる電極を備えてもよい。上側リング電極(すなわち、上側拡張電極)が、基板の上方に配置される。下側リング電極(すなわち、下側拡張電極)が、基板の下方に配置される。両方の電極は、基板のエッジ付近に配置される。結果として、これらの2つの電極付近に形成されたプラズマを用いて、基板のエッジをエッチングすることができる。
【0024】
一実施形態では、基板のエッジ付近に形成されたプラズマのエッチング速度を制御するために、1組の整合装置が用いられてよい。したがって、セラミック処理キットを交換する必要なく所望の1または複数のエッチング速度を実現するために、RF電流路が1組の整合装置を通して操作されてよい。一実施形態において、1組の整合装置は、上側整合装置を含んでよく、上側整合装置は、基板の上側エッジ付近に形成されうるプラズマを操作するために上側リング電極に結合されてよい。同様に、基板の下側エッジ付近に形成されうるプラズマを制御するために、下側整合装置が下側リング電極に結合されてよい。
【0025】
一例において、基板の上側エッジ上のエッチングを最小化するために、RF上側整合装置は、処理チャンバの動作周波数と並列共振するように設定されてよい。ただし、エッチング速度を最大化するために、RF上側整合装置は、直列共振に設定されてもよい。特定のエッチング速度にプラズマを調整するために、RF電流の共振は、処理チャンバの動作周波数でオフセットされてよい。上記からわかるように、下側整合装置は、基板の下側エッジのエッチング速度を制御するために同様に操作できる。したがって、1または複数の整合装置を調整することによって、所望の1または複数のエッチング速度が生成されうる。
【0026】
本発明の特長および利点は、図面と以下の説明を参照すれば、よりよく理解できる。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態において、プラズマ閉じ込めを管理するための1組の整合装置を備えたベベル処理チャンバ100を示す概略断面図である。ベベル処理チャンバ100は、処理中に基板104を支持するための下側電極102(例えば、静電チャック)を備えてよい。基板処理中、RF電源128からの電力が、下側電極102を通してベベル処理チャンバ100内に流れ、プラズマを形成するためにガス混合物(図示せず)と相互作用しうる。RF電源128および下側電極102の間には、整合回路120が配置されており、RF電流がベベル処理チャンバ100に流れ込んだ時の反射電力を最小化するために用いられてよい。プラズマは、基板104を処理(例えば、エッチング)するために用いられてよい。
【0028】
当業者であれば、プラズマが、上側電極106および下側電極102の間の領域に形成されうることがわかる。この領域に形成されたプラズマは、通常、基板のエッジから離れた基板の表面領域を処理するために用いられる。しかしながら、基板104のエッジに向かって存在しうる電位差によって、プラズマによるエッジでのエッチング速度は、通常、基板の中央に対するエッチング速度よりも高いため、この領域に形成されたプラズマは、通常、基板のエッジに対する基板処理に寄与しない。換言すると、プラズマは、基板の中央から離れるほど濃度が低くなる傾向にある。結果として、不均一のプラズマが形成されることにより、欠陥のある半導体デバイスが製造されうる。
【0029】
上側電極106および下側電極102の間の領域におけるプラズマの成長を最小化する1つの方法は、上側電極106を、RF電流が最も通りにくいRF路にする方法である。従来技術において、上側電極106は、通常、基板処理のためにプラズマを形成することを可能にするために接地される。したがって、プラズマ成長を最小化するために、処理チャンバ100内の上側電極106は、浮遊状態に設定される。一実施形態において、整合装置122は、上側電極106を通して流れる電流の量を制御するために用いられてよい。一例では、上側電極106を浮遊させるために、スイッチ130が閉じられてよく、並列のインダクタ140およびコンデンサ142が、ベベル処理チャンバ100の動作周波数と並列共振に調整されてよい。したがって、上側電極106および下側電極102の間の領域にRF電流が流れることがなく、プラズマの形成が防止されうる。
【0030】
上側電極106および下側電極102に加えて、ベベル処理チャンバ100は、さらに、上側リング電極(上側拡張電極108)および下側リング電極(下側拡張電極110)を備えてよい。上側拡張電極は、基板104よりも上に配置され、下側拡張電極110は、基板104よりも下に配置される。両電極は、基板104のエッジ付近に配置される。上側電極106付近の領域と同様に、プラズマ112も、上側拡張電極および/または下側拡張電極110の近くで形成されうる。ここで形成されたプラズマは、基板のエッジをエッチングするために用いられてよい。
【0031】
プラズマを操作して所望のエッチング速度を実現するために、従来技術は、セラミック処理キットを利用してきた。各処理キットは、特定の形状および/または材料のセラミックを備えてよい。一例では、セラミック114および/または116の構成を変更することによって、プラズマ112は、処理レシピによって必要とされる所望のエッチング速度を実現するよう操作されうる。セラミックを変更する必要なく、一実施形態では、1組の整合装置を用いて、処理チャンバに供給される電力量を制御することができる。換言すると、処理チャンバへの電力量を調節することによって、電流を調節することが可能であり、それにより、均一なプラズマを生成するようにプラズマ112の密度を操作し、ひいては、基板処理中にエッチング速度を制御する。
【0032】
一実施形態において、上側拡張電極を通して流れるRF電流を制御するために、整合装置124が上側拡張電極に結合されてよい。整合装置124は、可変コンデンサ154およびインダクタ152と直列のインダクタ150を備えてよい。整合装置を調節することによって、RF電流が修正されうる。一例では、インダクタ150およびコンデンサ154を互いにオフセットするように調整することによって、所望のエッチング速度で均一なプラズマを生成するように、RF電流を制御することができる。結果として、基板104の上側エッジは、処理レシピに従って処理されうる。
【0033】
同様に、一実施形態において、下側拡張電極110を通して流れるRF電流を制御するために、整合装置126が下側拡張電極110に結合されてよい。整合装置126は、可変コンデンサ164および第2のインダクタ162と直列のインダクタ160を備えてよい。下側拡張電極110を通して流れるRF電流を調節するために、整合装置126が調節されてよい。一例では、可変コンデンサ164に対するインダクタ160の共振をオフセットすることによって、プラズマ閉じ込めを操作することができる。
【0034】
図1からわかるように、整合装置は、RF電流路の方向を変えるために用いられてよい。RF電流の流れを制御することによって、プラズマの形成が、処理チャンバの特定の領域に向かって方向付けられうる。さらに、1または複数の整合装置を調節することによって、基板処理のためのレシピ指針を満たすように、特定の1または複数のエッチング速度を実現できる。
【0035】
図2A図2B図2C、および、図2Dは、本発明の実施形態において、ベベルプラズマチャンバ内でプラズマ閉じ込めを管理するための方法を示す。図2A図2B図2C、および、図2Dは、図1に関連して説明される。
【0036】
第1の工程200で、基板が処理チャンバ内にロードされる。基板をロードする前に、下側電極は、処理のために基板を受け入れるよう準備される。一例では、下側電極102上の持ち上げピンが、入ってくる基板104を受け入れるのに備えて持ち上げられてよい。
【0037】
下側電極102が準備されると、基板は処理チャンバ内に移動される。一例では、ロボットアームが、ベベル処理チャンバ100内に基板104を移動してよい。基板104の配置が済むと、持ち上げピンは、処理位置に下げられてよく、それにより、基板104は下側電極102に固定される。
【0038】
次の工程210で、上側電極へのRF電流路を最も望ましくない電流路にするように、整合装置が調整される。上述のように、従来技術の上側電極は、通常、接地へのRF路を有する。結果として、プラズマは、上側電極106および基板104の間の領域で形成される傾向にある。
【0039】
図2Bを参照すると、プラズマがこの領域で形成される可能性を最小化するために、一実施形態において、拡張部118および基板104の間のギャップが最小になる(ただし接触しない)ように、上側電極106の拡張部118が下げられてよい(工程212)。一実施形態では、ギャップは約0.35mmであり、それにより、かかる微小な領域でプラズマが形成される可能性が最小化される。
【0040】
追加的または代替的に、上側電極106を浮遊させることによって、接地へのRF電流路が排除されてもよい(工程214)。一実施形態において、上側電極106を浮遊させることは、整合装置122を調整することを含んでよい。一例では、スイッチ130が閉じられてよく、インダクタ140およびコンデンサ142がベベルプラズマチャンバ100の動作周波数と並列共振に調整されてよい。したがって、上側電極106および基板104の間のギャップを最小化することによって、および/または、上側電極106を浮遊させることによって、上側電極および基板の間の領域内でのプラズマ形成が防止されうる。
【0041】
図2Aに戻ると、次の工程220で、上側拡張電極および/または下側拡張電極110を通して流れるRF電流路を調節することによって、1または複数のエッチング速度が操作されてよい。一実施形態において、基板104のエッジ付近で上側拡張電極および下側拡張電極110の間に形成されたプラズマは、整合装置124および/または整合装置126を操作することによって制御されてよい。
【0042】
図2Cを参照すると、上側拡張電極から接地へのRF電流路を形成するために、スイッチ134が開かれて短絡が形成されてよい(工程222)。最大のエッチング速度を達成するために、インダクタ152およびコンデンサ154が、動作周波数で直列共振してよい。しかしながら、エッチング速度を制御するために、インダクタ152およびコンデンサ154が処理チャンバの動作周波数と共振するように、コンデンサ154に対してインダクタ152をオフセットすることによって、調整が行われてよい。換言すると、所与のエッチング速度で均一なプラズマを生成するために、整合装置124内のインダクタおよび/またはコンデンサが調整される必要がありうる。整合装置124を調節することによって、基板104の上側エッジに対するエッチングを制御できる。
【0043】
同様に、基板104の下側エッジに対するエッチングが、整合装置126を調整することによって制御されてよい(工程224)。スイッチ134と同様に、下側拡張電極110から接地へのRF電流路を形成するために、スイッチ136が開かれる。最大のエッチング速度を得るために、インダクタ162およびコンデンサ164が、ベベル処理チャンバ100の動作周波数で直列共振する。処理レシピが必要とする所望のエッチング速度を実現するようにプラズマ112を制御するために、RF整合装置を用いて、コンデンサ164に対してインダクタ162をオフセットすることによって共振を調整してよい。
【0044】
図2Aに戻り、所望のエッチング速度が設定されると、次の工程230で、基板に対してエッチングが開始されてよい。
【0045】
次の工程240で、基板処理の終了後に、放電が実行される。
【0046】
図2Dを参照すると、エッチングの完了後に、プラズマが停止される(工程242)。
【0047】
プラズマが停止されると、ベベル処理チャンバ100から基板104を取り出す準備が行われる。
【0048】
最初に、上側電極は、プラズマを形成するのに十分な大きさのギャップを形成するために、基板から離れるように移動される(工程244)。一実施形態では、上側電極106の拡張部118と基板104との間のギャップが拡大される。一実施形態において、ギャップは、約19mmである。
【0049】
次いで(工程246)、RF整合装置122は、上側電極106から接地へのRF電流路を形成するように操作される。一例では、スイッチ130がオフにされ、スイッチ132がオンにされる。一実施形態において、放電の量は、可変抵抗器(R1)によって制御される。
【0050】
工程248で、イオン衝撃を低減するために圧力が増大され、これにより、生成されているプラズマがエッチングを実行する可能性を最小化する。一実施形態では、圧力の大きさは、基板処理中の約40パーセントであってよい。一実施形態において、プラズマを形成するために用いられるガスは、非エッチングガスである。別の実施形態では、処理チャンバに投入される電力量が、放電を実行できる最小電力のプラズマ(ただし、基板をエッチングすることはできない)を生成するのに十分であるように、RF電源128が低下される。一実施形態において、RF電源128は、約50ワットに設定される。
【0051】
工程250で、基板および/または下側電極上で放電が起こる。一実施形態では、放電期間は約5秒である。
【0052】
図2Aに戻ると、放電の実行後、基板が取り出される(工程260)。基板を取り出す前に、プラズマは停止される。次いで、処理チャンバから圧力が抜かれる。最終的に、持ち上げピンが上げられて、基板が処理チャンバから取り出される。
【0053】
有利なことに、上述の整合装置は、ウエハレス自動洗浄を実行する際にも利用できる。当業者であれば、一貫したプラズマ処理結果を保証するために、基板がチャンバ内にない状態で処理チャンバが洗浄されうることを知っている。一例では、例えば、各基板の処理の合間に、チャンバコンディショニングが実行されてよい。換言すると、チャンバコンディショニングを実行することによって、処理チャンバは洗浄され、別の基板の処理前に既知の状態にリセットされる。したがって、チャンバコンディショニングを実行する処理は、処理チャンバの表面(例えば、壁面)に蒸着した副生成物(ポリマ蒸着物など)を除去することを可能にする。
【0054】
一実施形態において、整合装置122は、べべル処理チャンバ内でウエハレス洗浄処理を実行するために用いられてよい。一実施形態では、スイッチ130およびスイッチ132の両方がオンにされ、それによって、上側電極106から接地へのRF路が形成される。結果として、上側電極106および下側電極102の間に、プラズマが形成される。形成されたプラズマは、処理チャンバ内に残った副生成物を除去するために用いられてよい。したがって、整合装置122を調節することによって、ウエハレスチャンバ洗浄を速やかに実行できる。
【0055】
上述の説明からわかるように、本発明の1または複数の実施形態は、ベベル処理チャンバ内でプラズマ閉じ込めを実行するための装置および方法を提供する。1または複数の整合装置を調節することによって、プラズマが基板のエッジ付近に形成されるように、RF路を方向付けることができる。1または複数のインダクタ/コンデンサを調整することによって、レシピに必要な所望のエッチング速度を実現することができる。したがって、プラズマ均一性を制御するのにさらなる構成要素が必要ないため、所有コストが削減される。その結果として、本明細書に記載した装置および方法は、基板の歩留まりを高めるための別の安価な方法を提供するものである。
【0056】
以上、いくつかの好ましい実施形態を参照しつつ本発明を説明したが、本発明の範囲内で、種々の代替物、置換物、および、等価物が可能である。本明細書では様々な例を提供したが、これらの例は、例示を目的としたものであり、本発明を限定するものではない。
【0057】
また、発明の名称および発明の概要は、便宜上、本明細書で提供されているものであり、特許請求の範囲を解釈するために用いられるべきものではない。さらに、要約書は、非常に簡潔に書かれており、便宜上提供されているものであるため、特許請求の範囲に記載された発明全体を解釈または限定するために用いられるべきではない。「セット(組)」という用語が用いられている場合には、かかる用語は、一般的に理解される数学的な意味を持ち、0、1、または、2以上の要素を網羅するよう意図されている。また、本発明の方法および装置を実施する他の態様が数多く存在することにも注意されたい。したがって、以下に示す特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲内に含まれる代替物、置換物、および、等価物の全てを網羅するものとして解釈される。
(1)
プラズマ処理システムの処理チャンバ内でプラズマ処理中にベベルエッチング速度を制御するための装置であって、
電源と、
ガス分配システムと、
前記プラズマ処理中に基板を支持するよう少なくとも構成された下側電極と、
前記基板より上方に配置された上側リング電極と、
前記基板より下方に配置された下側リング電極と、
第1の整合装置であって、前記上側リング電極に結合され、前記基板の上側エッジの少なくとも一部をエッチングするために利用可能なプラズマの量を制御するために、前記上側リング電極を通して流れる電流を制御するよう少なくとも構成された第1の整合装置と、
第2の整合装置であって、前記基板の下側エッジの少なくとも一部を少なくともエッチングするために利用可能なプラズマの量を制御するために、前記下側リング電極を通して流れる前記電流を制御するよう構成された第2の整合装置と
を備える装置。
(2)
(1)に記載の装置であって、さらに、
前記基板の真上に配置された上側電極と、
第3の整合装置であって、前記上側電極に結合され、前記上側電極を接地状態から浮遊状態に変化させることにより前記上側電極および前記下側電極の間のプラズマ形成を最小化するために、前記上側電極を通して流れる前記電流を制御するよう構成された第3の整合装置と
を備える装置。
(3)
(2)に記載の装置であって、前記第3の整合装置は、少なくとも、スイッチ、インダクタ、および、コンデンサを備え、
前記スイッチは、閉位置に設定され、
前記インダクタおよび前記コンデンサは、前記上側電極を前記浮遊状態に設定するために、前記処理チャンバの動作周波数と並列共振に調整される
装置。
(4)
(3)に記載の装置であって、前記上側電極は拡張部を備え、前記拡張部は、前記上側電極の可動構成要素であり、前記上側電極の前記拡張部は、前記上側電極の前記拡張部と前記基板との間のギャップを最小化するために前記プラズマ処理中に下げられ、前記上側電極の前記拡張部は前記基板に接触せず、前記ギャップはプラズマを支持できない装置。
(5)
(1)に記載の装置であって、前記第1の整合装置は、少なくとも、スイッチ、インダクタ、および、コンデンサを備え、
前記スイッチは、開位置に設定され、
前記インダクタおよび前記コンデンサは、前記基板の上側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振する
装置。
(6)
(1)に記載の装置であって、前記第2の整合装置は、少なくとも、スイッチ、インダクタ、および、コンデンサを備え、
前記スイッチは、開位置に設定され、
前記インダクタおよび前記コンデンサは、前記基板の下側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振する
装置。
(7)
(1)に記載の装置であって、前記プラズマ処理システムは容量結合処理システムである装置。
(8)
(1)に記載の装置であって、前記プラズマ処理システムは誘導結合処理システムである装置。
(9)
(1)に記載の装置であって、前記電源は高周波電源である装置。
(10)
プラズマ処理システムの処理チャンバ内でプラズマ処理中にエッチング速度を制御するための方法であって、
前記処理チャンバ内で下側電極上に基板を固定し、
電源を準備し、
前記処理チャンバにガス混合物を流入させ、
前記上側電極に結合され、前記上側電極を接地状態から浮遊状態に変化させることにより前記上側電極および前記下側電極の間のプラズマ形成を最小化するために、前記上側電極を通して流れる電流を制御するよう構成された第1の整合装置を調整し、
前記基板の上側エッジの上方に形成された第1のプラズマを操作するために上側リング電極を通して流れる前記電流を少なくとも制御するよう構成され、前記第1のプラズマは、前記基板の前記上側エッジの一部を少なくともエッチングするよう構成されている第2の整合装置を調整する
方法。
(11)
(10)に記載の方法であって、さらに、前記プラズマ処理中に前記上側電極の拡張部を下げ、前記拡張部は、前記上側電極の可動構成要素であり、前記上側電極の前記拡張部は、前記上側電極の前記拡張部と前記基板との間のギャップを最小化するために下げられ、前記上側電極の前記拡張部は前記基板に接触せず、前記ギャップはプラズマを支持できない方法。
(12)
(10)に記載の方法であって、前記第1の整合装置の調節では、スイッチを閉位置に設定し、前記上側電極を前記浮遊状態に設定するために前記処理チャンバの動作周波数と並列共振するようにインダクタおよびコンデンサを調整する方法。
(13)
(10)に記載の方法であって、前記第2の整合装置の調節では、スイッチを開位置に設定し、前記基板の前記上側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振するようにインダクタおよびコンデンサを設定する方法。
(14)
(13)に記載の方法であって、前記第2の整合装置の調節では、前記基板の前記上側エッジに対するエッチングを最小化するために前記処理チャンバの前記動作周波数と並列共振するように前記インダクタおよび前記コンデンサ設定する方法。
(15)
(13)に記載の方法であって、前記第2の整合装置の調節では、前記処理チャンバの前記動作周波数での前記電流の共振をオフセットすることによって、前記第1のプラズマを特定のエッチング速度に調整する方法。
(16)
(10)に記載の方法であって、
さらに、前記基板の下側エッジの上方に形成された第2のプラズマを操作するために下側リング電極を通して流れる前記電流を少なくとも制御するよう構成された第3の整合装置を調節し、
前記第2のプラズマは、前記基板の前記下側エッジの一部を少なくともエッチングするよう構成されている
方法。
(17)
(16)に記載の方法であって、前記第3の整合装置の調節では、スイッチを開位置に設定し、前記基板の前記下側エッジに対するエッチングを制御するために前記処理チャンバの動作周波数と直列共振するようにインダクタおよびコンデンサを設定する方法。
(18)
(17)に記載の方法であって、前記第3の整合装置の調節では、前記基板の前記下側エッジに対するエッチングを最小化するために前記処理チャンバの前記動作周波数と並列共振するように前記インダクタおよび前記コンデンサ設定する方法。
(19)
(18)に記載の方法であって、前記第3の整合装置の調節では、前記処理チャンバの前記動作周波数での前記電流の共振をオフセットすることによって、前記第2のプラズマを特定のエッチング速度に調整する方法。
(20)
プラズマ処理システム内でチャンバコンディショニングを実行するための方法であって、
上側電極に結合され、少なくとも第1のスイッチおよび第2のスイッチを備える整合装置を準備し、
前記第1のスイッチを開位置に設定し、
前記第2のスイッチを閉位置に設定し、
前記処理チャンバ内に電力を流し、
前記処理チャンバ内にガス混合物を流し、
前記プラズマ処理チャンバ内の副生成物を除去するよう構成されたプラズマを前記上側電極および下側電極の間に生成する
方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D