(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜9のいずれか一項に記載のLC媒体の調製方法であって、式Iで表される1または2以上の化合物を、式II〜XI、XXVIで表される1または2以上の化合物とともにまたはさらなる液晶化合物および/または添加剤とともに混合することを特徴とする、前記方法。
【背景技術】
【0002】
液晶は、物質の光学特性を印加電圧によって修正することができるので、ディスプレイデバイスで主に誘電体として使用される。液晶に基づく電気光学デバイスは、当業者に極めてよく知られており、様々な効果に基づくことができる。そのようなデバイスの例は、動的散乱を有するセル、DAP(整列相の変形)セル、ゲスト/ホストセル、ねじれネマチック構造を有するTNセル、STN(超ねじれネマチック)セル、SBE(超複屈折効果)セルおよびOMI(光学モード干渉)セルである。最も一般的なディスプレイデバイスは、Schadt-Helfrich効果に基づいており、ねじれネマチック構造を有する。さらに、基板および液晶平面に平行な電場で作動するセル、例えばIPS(面内切換)セルがある。特に、TN、STNおよびIPSセ
ルは、本発明の媒体に関する適用の、現行の商業的に興味深い分野である。
【0003】
液晶材料は、良好な化学的および熱的安定性ならびに電場および電磁放射に対する良好な安定性を有していなければならない。さらに、液晶材料は、低い粘度を有し、セルにおける短いアドレス時間、低いしきい値電圧および高いコントラストを生じなければならない。
【0004】
それらはさらに、通常の作動温度で、すなわち室温前後の可能な限り広い範囲で前述のセルのための好適な中間相(mesophase)、例えばネマチック中間相を有しなければならない。液晶は一般的に複数種の構成成分の混合物として使用されるので、構成成分が互いに容易に混和性であることが重要である。個々の化合物は、ホストとも称される典型的な混合物中で高い溶解性を有するべきである。さらなる特性、例えば電気伝導性、誘電異方性および光学異方性は、セルタイプおよび適用の領域に依存して様々な要件を満たさなければならない。例えば、ねじれネマチック構造を有するセルのための材料は、正の誘電異方性および低い電気伝導性を有しなければならない。
【0005】
例えば、個々の画素を切り換えるための集積非線形回路素子を備えたマトリックス液晶ディスプレイ(MLCディスプレイ)のために、大きい正の誘電異方性、広いネマチック相、比較的低い複屈折、極めて高い比抵抗、良好なUVおよび温度安定性ならびに低い蒸気圧を有する媒体が、所望される。
【0006】
このタイプのマトリックス液晶ディスプレイは公知である。個々の画素を個別に切り換えるために使用することができる非線形回路素子の例は、能動的素子(すなわちトランジスタ)である。そして、用語「アクティブマトリックス」を使用して、2つのタイプの間で区別をすることができる:
1.基板としてのシリコンウェーハ上のMOS(金属酸化物半導体)または他のダイオード。
2.基板としてのガラス板上の薄膜トランジスタ(TFT)。
【0007】
様々な部分ディスプレイのモジュールアセンブリでさえも、接合部で問題を生じるので、単結晶シリコンの基板材料としての使用によりディスプレイの大きさが制限される。
【0008】
好ましいより有望なタイプ2の場合において、使用される電気光学的効果は通常はTN効果である。2つの技術の間で区別がなされる:化合物半導体例えばCdSeを含むTFT、または多結晶もしくは非晶質シリコンに基づくTFT。集中的な研究が、後者の技術に対して世界的に行われている。
【0009】
TFTマトリックスを、ディスプレイの一方のガラス板の内側に適用し、一方他方のガラス板は、透明な対電極をその内側上に担持する。ピクセル電極の大きさと比較して、TFTは極めて小さく、画像に対する悪影響を事実上有しない。この技術をまた、赤色、緑色および青色フィルターのモザイクを、フィルター素子が対向する各々の切換可能な画素であるように配置される、フルカラーが可能なディスプレイに拡張することができる。
【0010】
TFTディスプレイは通常、透過に際し交差する偏光子を備えるTNセルとして作動し、背面照射される。
用語MLCディスプレイは、本明細書中で、集積非線形回路素子を備えるあらゆるマトリックスディスプレイ、すなわちアクティブマトリックスに加えて、また受動的素子、例えばバリスターまたはダイオードを備えるディスプレイを包含する(MIM=金属−絶縁体−金属)。
【0011】
このタイプのMLCディスプレイは、TV用途(例えば小型テレビ受像機)またはコンピューター用途(ラップトップ)のための、および自動車または航空機構築物における高度情報ディスプレイに特に適している。コントラストの角度依存性および応答時間に関する問題に加えて、液晶混合物の不十分に高い比抵抗が故に、困難がまたMLCディスプレイで発生する[TOGASHI, S., SEKIGUCHI, K., TANABE, H., YAMAMOTO, E., SORIMACHI, K., TAJIMA, E., WATANABE, H., SHIMIZU, H., Proc. Eurodisplay 84, 1984年9月:A 210-288 Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings, pp. 141 ff., Paris;STROMER, M., Proc. Eurodisplay 84, 1984年9月:Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays, pp. 145 ff., Paris]。
【0012】
抵抗が低下するに伴い、MLCディスプレイのコントラストは悪化し、残像消去の問題が生じ得る。液晶混合物の比抵抗が一般的に、ディスプレイの内面との相互作用によってMLCディスプレイの寿命にわたって低下するので、高い(初期)抵抗が、許容し得る寿命を獲得するために極めて重要である。特に、低電圧混合物の場合において、極めて高い比抵抗値を達成することは、現在まで不可能であった。比抵抗が上昇する温度に伴って、ならびに加熱および/またはUV曝露後に可能な限り小さい増大を示すようにすることは、さらに重要である。従来技術からの混合物の低温特性はまた、特に不利である。結晶化および/またはスメクチック相が低温でさえも生じず、粘度の温度依存性が可能な限り低いことが、要求される。それゆえ、従来技術からのMLCディスプレイは、今日の要求を充足しない。
【0013】
TVおよびビデオ用途のためには、短い応答時間を有するMLCディスプレイが必要とされる。かかる短い応答時間は、特に、粘度、特に回転粘度γ
1に関して低い値を有する液晶媒体が用いられる場合に、達成することができる。しかし、希釈添加剤は一般的に透明点を低下させ、それゆえ媒体の作動温度範囲を低減させる。
【0014】
したがって、非常に高い比抵抗と同時に、大きな作動温度範囲、低温においてでさえも短い応答時間、および低いしきい値電圧を有するが、これらの不利を呈しないかまたはより低い程度のみで呈するMLCディスプレイに対する多大なる需要が継続して存在する。
【0015】
TN(Schadt-Helfrich)セルの場合、セルにおいて以下の利点を容易にする媒体が所望される:
− 拡張されたネマチック相範囲(特に低温まで)
− 極めて低い温度(屋外での使用、自動車、航空電子機器)での切り替え能力
− UV放射線に対する増大した耐性(より長い寿命)
− 低いしきい値電圧。
【0016】
従来技術から入手可能な媒体は、他のパラメーターを同時に保持しながら、これらの有利を達成させることができない。
【0017】
超ねじれ(STN)セルの場合、より大きい多重性(multiplexability)および/またはより低いしきい値電圧および/またはより広いネマチック相範囲(特に低温における)を容易にする媒体が所望される。このために、有用なパラメーター自由度(透明点、スメクチック−ネマチック転移点または融点、粘度、誘電パラメーター、弾性パラメーター)のさらなる拡張が、至急に所望されている。
【0018】
TVおよびビデオ用途(例えば、LCD TV、モニター、PDA、ノートブック、ゲームコンソール)のためのLCディスプレイの場合、応答時間の顕著な低減が所望される。それゆえ、応答時間の低減を促進させるが、同時にLC媒体の他の特性、例えば、透明点、誘電異方性Δεまたは複屈折Δnなどを損なわせないLC媒体のための化合物に対する需要が存在する。特に、低い回転粘度がこの目的のために所望される。
【0019】
正の誘電異方性を有するLC媒体の用途の場合、速い応答時間が一般的に要求される。LCセル中のLC媒体の層厚さdの低減により、理論的には、結果として応答時間の低減が起こることが公知である。それゆえ、相対的に高い複屈折値Δnを有するLC媒体が、適切な光学リタデーションd・Δnを確保するために、この目的のために必要とされる。しかし一方で、相対的に高い複屈折値を有するLC媒体はまた、相対的に高い値の回転粘度を呈し、つまり、より長い応答時間をもたらす。それゆえ、層厚さを低減させることにより達成される応答時間の短縮は、少なくとも部分的には再び、用いられるLC媒体の相対的に高い回転粘度により相殺される。それゆえ、高い複屈折値および低い回転粘度を同時に有するLC媒体に対する緊急の需要が存在する。
【0020】
さまざまな電気光学効果に基づくこれらの確立されたディスプレイ用途に加えて、LC媒体とともに作動するいくつかの電気光学デバイスが存在する。これらは、プリンター、スキャナー、レンズ、露光装置および電気光学シャッターを含む。後者は、技術的装置またはカメラにおいて、および近年は3次元(3D)イメージのためのディスプレイにおいてもまた用いることができる。かかる3Dディスプレイデバイスは、視聴者の左右の目にアドレスするために別異のビームを交互に生じさせるために、速い切り替えのLC媒体をシャッターとして用いる。ここでLC媒体を、3D技術に依存して、眼鏡にまたはスクリーンの一部に収容させることができる。かかる用途のために、非常に速い応答時間が必要である。
【0021】
同様に、高い複屈折が多くの場合に、例えばLCレンズ用の制御可能な光回折を達成するために、所望される。これらの切り替え可能なレンズは、切り替え可能な2Dディスプレイならびに2Dモードおよび3Dモードの間で変化することができる切り替え可能な光学素子からなるオートステレオスコピックディスプレイにおいて用いることができる。切り替え可能なレンチキュラーレンズとして設計されたレンズは、2Dディスプレイの画素内容を部屋の中へと扇状展開させる。それぞれの扇状素子は、ある視野角からの3D内容の情報を含む。視聴者の2つの目が隣接する扇部に配置される場合、視聴者は空間的な立体画像を認識する。
【0022】
本明細書中で切り替え可能なレンズは、液晶GRINレンズ(「勾配値(
gradient
index)レンズ」)として、または液晶複製レンズとして実装することができる。高いレンズ出力を達成するために、用いられるLC媒体の高い光学複屈折が望ましい。
【0023】
本発明は、上で示される所望の特性を有し、そして上で示される不利を呈さないかまたは低減された程度で示すのみである、特にこの種のMLC、TN、STNまたはIPSディスプレイのための媒体を提供するという目的に基づく。特に、LC媒体は、高い誘電異方性および高い複屈折として、速い応答時間および低い回転粘度を有するべきである。加えて、LC媒体は、高い透明点、広いネマチック相範囲および低いしきい値電圧を有するべきである。
【0024】
高濃度のあるチオフェン誘導体がLC媒体において、特に正の誘電異方性を有するLC媒体において、およびMLC、TN、STNおよびIPSディスプレイにおいて用いられる場合、この目的を達成することができるということが今、見出された。これらのチオフェン誘導体は、上に示される所望の特性を有するLC媒体をもたらす。
【0025】
数々のチオフェン化合物が、液晶として記載されてきた。化合物および混合物は、例えば明細書WO 2009/129915 A1から公知である。そこにおいてチオフェン化合物の比率は3〜18重量%である。
【発明の概要】
【0026】
それゆえ本発明は、式I
【化1】
式中、個々のラジカルは以下の意味を有する:
【0027】
R
1およびR
2は、H、F、Cl、Br、−CN、−SCN、−NCS、SF
5あるいは1〜12のC原子を有し、さらに1または2以上の非隣接CH
2基は、互いに独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−により、O原子が互いに接続しないように置き換えられていてもよく、およびさらに、1または2以上のH原子はF、ClまたはBrにより置き換えられていてもよい、直鎖または分枝アルキルを示し、
【0029】
A
1は、互いに独立して、
さらに、1または2以上のCH基がNにより置き換えられていてもよく、ならびに1または2以上のH原子はハロゲン、CN、CH
3、CHF
2、CH
2F、OCH
3、OCHF
2またはOCF
3により置き換えられていてもよいフェニレン−1,4−ジイル、
さらに、1または2以上の非隣接のCH
2基が、互いに独立して、Oおよび/またはSにより置き換えられていてもよく、ならびに1または2以上のH原子がFにより置き換えられていてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル、
シクロヘキセン−1,4−ジイル、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを示し、
【0030】
mは、0、1または2、好ましくは1または2、特に好ましくは1を示す
で表される1または2以上の化合物を含むLC媒体に関する。
【0031】
本発明は好ましくは、式Iで表される1または2以上の化合物を含む、室温でネマチック相、好ましくはアキラルを有するLC媒体に関する。該媒体は高い光学異方性を有し、そして好ましくは25重量%以上のチオフェン誘導体の含有量を有する。
【0032】
本発明はさらに、本発明のLC媒体の、電気光学ディスプレイ、特にLCディスプレイにおける使用に関する。
【0033】
本発明はさらに、1または2以上の式Iで表される化合物(好ましくは25重量%以上)または本発明のLC媒体を含有する、LCディスプレイおよび電気光学デバイスに関する。特に、好ましくはLCディスプレイ、カメラ、プリンターまたは露光装置のための、MLC、TN、STNまたはIPSディスプレイ、あるいは電気光学的に切り替え可能なレンズまたはシャッターである。
【0034】
キラルドーパントの存在なくアキラルLC相を有するLC媒体、およびラジカルZ
1,2、A
1,2、R
1,2がキラリティーの中心を有しない式Iで表される化合物が、一般的に好まれる。
【0035】
本媒体は、25〜80重量%の、好ましくは30重量%以上の、および特に好ましくは40重量%以上の式Iで表される化合物を好ましく含む。
【0036】
特に好ましいのは、式Iで表される化合物であって、式中
A
0は
【化3】
を示す、特に
【化4】
を示す該化合物を含むLC媒体である。
【0037】
式Iにおける環A
1は、特に好ましくは、Fにより単置換または多置換されていてもまたよい、フェニレン−1,4−ジイルを示す。
【0038】
式IにおけるA
1は、特に好ましくは、式
【化5】
で表されるラジカルを示し、好ましくは
、1,4−フェニレンであり、式中、Lはハロゲンを、好ましくはFを示す。
【0039】
好ましいのは、さらには、式Iで表される化合物であって、式中R
1およびR
2はそれぞれ、互いに独立して、1〜8の、好ましくは1〜5のC原子を有する、それぞれがハロゲンにより、特にFにより任意に置換されている、非分枝アルキル、アルケニルまたはアルキニルであるを示す。
【0040】
R
1は、非常に特に好ましくは、アルキルに等しい。非常に特に好ましくは、R
1はアルキルであり、そしてR
2はHまたはアルキルである。R
1、R
2はそれぞれ、互いに独立して、非常に特に好ましくは1〜5のC原子を有する非分枝アルキルを示す。R
1およびR
2が置換アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニルを示す場合、2つの基R
1およびR
2中のC原子の合計数は、好ましくは10未満である。
【0041】
好ましいアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−へプチルおよびn−オクチルである。
好ましいアルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニルおよびペンテニルである。
【0042】
好ましいアルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルおよびオクチニルである。
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシである。
ハロゲンは好ましくは、FまたはClを示す。
【0043】
式Iで表される特に好ましい化合物は、以下の副次式
【化6】
【0051】
式中、R
1およびR
2は本明細書中で示される意味を有する、
から選択されるものである。そのR
1およびR
2は好ましくは、1〜12のC原子を有する任意にフッ素化されたアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシ、特に好ましくは1〜6のC原子を有する任意にフッ素化されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルを示す。式I1〜I37で表される化合物は、粘度に対する高い誘電異方性のため特に好ましく、特には化合物I1〜I27であり、そして非常に特には式I6で表される化合物である。
【0052】
式Iで表される好適なチオフェン類の合成は、例えば、WO 2009/129915 A1および国際出願PCT/EP2010/000636およびPCT/EP2010/000968から公知である。式Iで表されるさらなる化合物を、公知である、および/または有機化学の標準の著作物、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法], Thieme-Verlag, Stuttgartなどに記載される方法と類似して、および実施例の合成に類似して、製造することができる。
【0053】
本発明による特に好ましいLC媒体を、以下に記載する:
【0054】
− 式IIおよび/またはIII
【化14】
【0055】
式中、
Aは、1,4−フェニレンまたはトランス−1,4−シクロヘキシレンを示し、
aは、0または1を示し、
R
3は、1〜8または2〜9のC原子をそれぞれ有するアルキルまたはアルケニルを、好ましくはアルケニルを示す、および
【0056】
R
4は、さらに、1または2の非隣接のCH
2基が−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−または−COO−により、O原子が互いに接続しないように置き換えられていてもよい、1〜12のC原子を有するアルキルを、および好ましくは1〜12のC原子を有するアルキルまたは2〜9のC原子を有するアルケニルを示す、
で表される1または2以上の媒体をさらに含むLC媒体。
【0057】
式IIで表わされる化合物は、好ましくは、以下の式:
【化15】
【0059】
式中、R
3aおよびR
4aはそれぞれ、互いに独立して、H、CH
3、C
2H
5またはC
3H
7を示し、および「alkyl」は、1〜8の、好ましくは、1、2、3、4または5のC原子を有する直鎖アルキル基を示す
からなる群から選択される。特に好ましいのは、式IIaおよびIIfで表される化合物であって、特に式中、R
3aがHまたはCHを、好ましくはHを示す、該化合物、および式IIcで表される化合物であって、特に式中、R
3aおよびR
4aがH、CH
3またはC
2H
5を示す該化合物である。
【0060】
式IIIで表される化合物は、好ましくは、以下の式:
【化17】
【0061】
式中、「alkyl」およびR
3aは、上で示される意味を有し、およびR
3aは好ましくはHまたはCH
3を示す、
からなる群から選択される。特に好ましいのは、式IIIbで表される化合物である;
【0063】
式中、
R
0は、1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシラジカルを示し、ここで、さらに、これらのラジカルにおける1または2以上のCH
2基は、それぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CF
2O−、−CH=CH−、
【化19】
−O−、−CO−O−または−O−CO−により、O原子が互いに直接的に接続しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子はハロゲンにより置き換えられていてもよく、
【0064】
X
0は、F、Cl、CN、SF
5、SCN、NCS、それぞれ6以下のC原子を有するハロゲン化アルキルラジカル、ハロゲン化アルケニルラジカル、ハロゲン化アルコキシラジカルまたはハロゲン化アルケニルオキシラジカルを示し、
Y
1〜6はそれぞれ、互いに独立して、HまたはFを示し、
【0065】
Z
0は、−C
2H
4−、−(CH
2)
4−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C
2F
4−、−CH
2CF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−COO−、−CF
2O−または−OCF
2−を、式VおよびVIにおいてはまた単結合を示し、および
bおよびcはそれぞれ、互いに独立して、0または1を示す、
からなる群から選択される1または2以上の化合物を含む、LC媒体。
【0066】
式IV〜VIIIで表される化合物において、X
0は好ましくはFまたはOCF
3を、さらにOCHF
2、CF
3、CF
2H、Cl、OCH=CF
2を示す。R
0は好ましくは、それぞれ6以下のC原子を有する、直鎖アルキルまたはアルケニルである。
【0067】
式IVで表される化合物は、好ましくは以下の式:
【化20】
【0068】
式中、R
0およびX
0は、上で示される意味を有する、
からなる群から選択される。
【0069】
好ましくは、式IVにおけるR
0は1〜8のC原子を有するアルキルであり、およびX
0はF、Cl、OCHF
2またはOCF
3、さらにはOCH=CF
2を示す。式IVbで表される化合物において、R
0は好ましくはアルキルまたはアルケニルを示す。式IVdで表される化合物において、X
0は好ましくはCl、さらにはFを示す。
【0070】
式Vで表される化合物は、好ましくは以下の式:
【化21】
【0071】
式中、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、
からなる群から選択される。好ましくは、式VにおいてR
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はFを示す;
【0072】
− 式VI−1
【化22】
式中、Y
1は好ましくはFを示す、
で表される1または2以上の化合物を、
特に好ましくは、以下の式:
【0074】
式中、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、
からなる群から選択されるものを含むLC媒体。好ましくは、式VIにおいてR
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はF、さらにはOCF
3を示す。
【0075】
− 式VI−2:
【化24】
で表される1または2以上の化合物を、特に好ましくは以下の式:
【0077】
式中R
0およびX
0は、上で示される意味を有する、
からなる群から選択されるものを含むLC媒体。
【0078】
好ましくは、式VIにおけるR
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はFを示す;
【0079】
― 好ましくは、式中、Z
0が−CF
2O−、−CH
2CH
2−または−COO−を示す、式VIIで表される1または2以上の化合物、特に好ましくは以下の式:
【化26】
【0080】
式中、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、
からなる群から選択されるものを含むLC媒体。好ましくは、式VIIにおけるR
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はFを、さらにはOCF
3を示す。
【0081】
式VIIIで表される化合物は、好ましくは、以下の式
【化27】
【0082】
式中、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、
からなる群から選択される。R
0は好ましくは1〜8のC原子を有する直鎖アルキルラジカルを示す。X
0は好ましくはFを示す。
【0083】
− 以下の式:
【化28】
式中、R
0、X
0、Y
1およびY
2は上で示される意味を有し、および
【0084】
【化29】
はそれぞれ、互いに独立して、
【化30】
を示し、ここで環AおよびBはともに同時にシクロヘキシレンを示さない、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。
【0085】
式IXで表される化合物は、好ましくは、以下の式:
【化31】
【0087】
式中、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、からなる群から選択される。好ましくは、R
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はFを示す。特に好ましいのは、式IXaで表される化合物である;
【0088】
− 以下の式:
【化33】
式中、R
0、X
0およびY
1〜4は上で示される意味を有し、および
【0089】
【化34】
はそれぞれ、互いに独立して、
【化35】
を示す、
からなる群から選択される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。
【0090】
式XおよびXIで表される化合物は、好ましくは、以下の式:
【化36】
【0092】
【化38】
式中、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、
からなる群から選択される。好ましくは、R
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はFを示す。特に好ましい化合物は、式中Y
1がFを示しおよびY
2がHまたはFを、好ましくはFを示すものである;
【0093】
− 以下の式:
【化39】
式中、R
5およびR
6はそれぞれ、互いに独立して、それぞれ9以下のC原子を有するn−アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキルまたはアルケニルを示し、および好ましくはそれぞれ、互いに独立して1〜8のC原子を有するアルキルを示す、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。Y
1〜3は、互いに独立して、HまたはFを示す。好ましくはY
1〜3からの基の1または2はFを示す。
【0094】
式XIIで表される好ましい化合物は、以下の式:
【化40】
【0096】
式中、
AlkylおよびAlkyl
*はそれぞれ、互いに独立して、1〜6のC原子を有する直鎖アルキルラジカルを示し、および
AlkenylおよびAlkenyl
*はそれぞれ、互いに独立して、2〜6のC原子を有する直鎖アルケニルラジカルを示す、
からなる群から選択されるものである。
【0097】
特に好ましいのは、式
XIIa〜XIIdで表される化合物である。非常に特に好ましいのは、以下の式:
【化42】
式中、Alkylは上で示される意味を有し、およびR
6aはHまたはCH
3を示す、で表される化合物である。
【0099】
式中、R
0、X
0、Y
1およびY
2は上で示される意味を有する、
からなる群から選択される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。好ましくは、R
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はFまたはClを示す。
【0100】
式XIIIおよびXIVで表される化合物は、好ましくは以下の式:
【化44】
【0101】
式中、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、
からなる群から選択される。R
0は好ましくは1〜8のC原子を有するアルキルを示す。式XIIIで表される化合物において、X
0は好ましくはFまたはClを示す。
【0102】
− 式D1および/またはD2
【化45】
式中、Y
1、Y
2、R
0およびX
0は上で示される意味を有する、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。好ましくは、R
0は1〜8のC原子を有するアルキルを示し、およびX
0はFを示す。
【0103】
特に好ましいのは、以下の式:
【化46】
式中、R
0は上で示される意味を有し、および好ましくは1〜6のC原子を有する直鎖アルキル、特にC
2H
5、n−C
3H
7またはn−C
5H
11で表される化合物である。
【0104】
− 以下の式:
【化47】
式中、Y
1、R
1およびR
2は上で示される意味を有する、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。R
1およびR
2は、好ましくはそれぞれ、互いに独立して、1〜8のC原子を有するアルキルを示す;
【0105】
− 以下の式:
【化48】
式中、X
0、Y
1およびY
2は上で示される意味を有し、および「Alkenyl」はC
2〜7−アルケニルを示す、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。
【0106】
特に好ましいのは、以下の式:
【化49】
式中、R
3aは上で示される意味を有し、および好ましくはHを示す。
で表される化合物である;
【0109】
式中、Y
1〜4、R
0およびX
0はそれぞれ、互いに独立して、上に示される意味を有する、
からなる群から選択される1または2以上の四環化合物をさらに含むLC媒体。X
0は好ましくは、F、Cl、CF
3、OCF
3またはOCHF
2である。R
0は好ましくは、それぞれ8以下のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキルまたはアルケニルを示す。
【0110】
− 以下の式:
【化52】
式中、R
0、X
0およびY
1〜4は上で示される意味を有する、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。
【0111】
特に好ましいのは以下の式;
【化53】
で表される化合物である。
【0112】
− 以下の式:
【化54】
式中、R
0およびY
1〜3は上で示される意味を有する、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。
【0113】
特に好ましいのは、以下の式:
【化55】
式中、R
0は上で示される意味を有し、および好ましくはそれぞれ8以下のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキルまたはアルケニルを示す、
で表される化合物である。
【0114】
− 以下の式:
【化56】
式中、R
0は上で示される意味を有し、および好ましくは2〜5のC原子を有する直鎖アルキルであり、およびdは0または1を、好ましくは1を示す、
で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。好ましい混合物は、3〜30重量%の、特に5〜20重量%のこの(これらの)化合物(単数または複数)を含む。
【0115】
− 以下の式:
【化57】
式中、Y
1、R
1およびR
2は上で示される意味を有する、で表される1または2以上の化合物をさらに含むLC媒体。R
1およびR
2は好ましくはそれぞれ、互いに独立して、1〜8のC原子を有するアルキルを示す。Y
1は好ましくはFを示す。好ましい混合物は1〜15重量%の、特に1〜10重量%の、これらの化合物を含む。
【0116】
−
【化58】
は好ましくは
【化59】
である。
【0117】
− R
0は好ましくは、2〜7のC原子を有する直鎖アルキルまたはアルケニルである;
− X
0は好ましくは、F、さらにOCF
3、ClまたはCF
3である;
【0118】
− 媒体は好ましくは、2または3以上の、特に好ましくは3または4以上の、式Iで表されるまたは式I1〜I53から選択される化合物を含む;
【0119】
− 媒体は好ましくは、式II、III、VI−2、XI、XII、XIII、XIV、XXIV、XXV、XXVI、XXVIIおよびXXIXで表される化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む;
− 媒体は好ましくは、少なくとも25重量%の、特に好ましくは30〜75重量%の、式XII、XIII、XIV、XV、XXIII、XXIV、XXV、XXVIおよびXXIX、特にXII、XIII、XIV、XV、XXVおよびXXIXから選択される化合物を含む(高いΔn値が、例えば上昇する);
【0120】
− 媒体は好ましくはそれぞれの場合において、式VI−2、XIおよびXXVIで表される1または2以上の化合物を含む;
− 全体としての混合物における式II〜XXVIIIで表される化合物の割合は、好ましくは少なくとも20重量%である;
− 媒体は好ましくは、少なくとも25重量%の、特に好ましくは30〜70重量%の式IIおよび/またはIIIで表される化合物を含む;
【0121】
− 媒体は好ましくは、5〜50重量%の、特に好ましくは25〜60重量%の、特には式中R
3aがHを示す、式IIaで表される化合物を含む;
− 媒体は好ましくは、2〜20重量%の、特に好ましくは3〜15重量%の、式VI−2で表される化合物を含む;
− 媒体は好ましくは、2〜20重量%の、特に好ましくは3〜15重量%の、式XXVIで表される化合物を含む;
【0122】
− 媒体は好ましくは、1〜20重量%の、特に好ましくは2〜15重量%の、式XXIVで表される化合物を含む;
− 媒体は好ましくは、1〜20重量%の、特に好ましくは2〜15重量%の、式XXVで表される化合物を含む;
− 媒体は好ましくは、1〜25重量%の、特に好ましくは2〜20重量%の、式XXVIで表される化合物を含む;
【0123】
− 媒体は好ましくは、1〜35重量%の、特に好ましくは5〜30重量%の、式XXVIIで表される化合物を含む;
− 媒体は好ましくは、式VI−2、VII−1a、VII−1b、IX、X、XIおよびXXVIで表される化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む(CF
2O−架橋化合物)。
【0124】
高い割合の式Iで表される化合物を従来の液晶材料とともに、しかし特に1または2以上の式II〜XXIXで表される化合物とともに混合すると、同時に観察される低いスメクチック−ネマチック転移温度を有する広いネマチック相とともに、非常に高い値の複屈折がもたらされ、貯蔵安定性を改善することが見出された。チオフェン誘導体の高い溶解性のおかげで、混合物をまた低温で用いることができる。同時に、UVへと曝露されるに際し、非常に低いしきい値電圧およびVHRに関する良好な値を呈する。
【0125】
用語「Alkyl」および「Alkyl
*」は、本願において、1〜7の炭素原子を有する直鎖および分枝アルキル、特に直鎖基メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。1〜6の炭素原子を有する基が一般的に好まれる。
【0126】
用語「Alkenyl」および「Alkenyl
*」は、本願において、2〜7の炭素原子を有する直鎖または分枝アルケニル基、特に直鎖基を包含する。好ましいアルケニル基は、C
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニル、C
5〜C
7−4−アルケニル、C
6〜C
7−5−アルケニルおよびC
7−6−アルケニル、特にC
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニルおよびC
5〜C
7−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5以下の炭素原子を有する基が一般的に好まれる。
【0127】
用語「フルオロアルキル」は、本願において、少なくとも1のフッ素原子、好ましくは末端フッ素、つまりフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかし、他の位置のフッ素も除外されない。
【0128】
用語「オキサアルキル」または「アルコキシ」は、本願において、式C
nH
2n+1−O−(CH
2)
m、式中nおよびmはそれぞれ、互いに独立して、1〜6を示す、で表される直鎖ラジカルを包含する。mはまた0を示してもよい。好ましくは、n=1およびm=1〜6またはm=0およびn=1〜3である。
【0129】
用語「ハロゲン化アルキルラジカル」は、好ましくは単または多フッ素化および/または塩素化ラジカルを包含する。パーハロゲン化ラジカルが含まれる。特に好ましいのは、フッ素化アルキルラジカル、特にCF
3、CH
2CF
3、CH
2CHF
2、CHF
2、CH
2F、CHFCF
3およびCF
2CHFCF
3である。
【0130】
本明細書中の式におけるR
0がアルキルラジカルおよび/またはアルコキシラジカルを示す場合、これは直鎖または分枝であってよい。好ましくは直鎖であり、2、3、4、5、6または7のC原子を有し、および従って好ましくはエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシ、さらにメチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシを示す。
【0131】
オキサアルキルは、好ましくは、直鎖の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルを示す。
【0132】
R
0が、式中CH
2基が−CH=CH−により置き換えられたアルキルラジカルを示す場合、これは直鎖または分枝であってもよい。好ましくは直鎖であり、および2〜10のC原子を有する。従って、特に、ビニル、プロパ−1−または−2−エニル、ブタ−1−、ブタ−1−、−2−または−3−エニル、ペンタ−1−、−2−、−3−または−4−エニル、ヘキサ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−エニル、ヘプタ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−エニル、オクタ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−または−7−エニル、ノナ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−エニル、デカ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニルを示す。これらのラジカルはまた、単または多ハロゲン化されていてもよい。
【0133】
R
0が、ハロゲンにより少なくとも単置換されているアルキルまたはアルケニルを示す場合、このラジカルは好ましくは直鎖であり、およびハロゲンは好ましくはFまたはClである。多置換の場合、ハロゲンは好ましくはFである。結果得られるラジカルはまた、パーフッ素化ラジカルを含む。単置換の場合、フッ素または塩素置換が任意の所望の位置においてであってもよいが、好ましくはω位においてである。
【0134】
本明細書中の式において、X
0は好ましくはF、Clまたは1、2または3のC原子を有する単または多フッ素化アルキルまたはアルコキシラジカルまたは2または3のC原子を有する単または多フッ素化アルケニルである。X
0は特に好ましくは、F、Cl、CF
3、CHF
2、OCF
3、OCHF
2、OCFHCF
3、OCFHCHF
2、OCFHCH
2F、OCF
2CH
3、OCF
2CHF
2、OCF
2CH
2F、OCF
2CF
2CHF
2、OCF
2CF
2CH
2F、OCFHCF
2CF
3、OCFHCF
2CHF
2、OCH=CF
2、OCF=CF
2、OCF
2CHFCF
3、OCF
2CF
2CF
3、OCF
2CF
2CClF
2、OCClFCF
2CF
3、CF=CF
2、CF=CHF、またはCH=CF
2、非常に特に好ましくはF、OCF
3またはOCH=CF
2である。
【0135】
R
0およびX
0の意味の好適な選択によって、アドレス時間、しきい値電圧、伝達特性線の急峻度などを、所望の様式で修正することができる。例えば、1E−アルケニルラジカル、3E−アルケニルラジカル、2E−アルケニルオキシラジカルなどは、一般的に、アルキルおよびアルコキシラジカルと比較して短いアドレス時間、改善されたネマチック傾向および弾性定数k
33(ベンド)とk
11(スプレー)との間の高い比率をもたらす。4−アルケニルラジカル、3−アルケニルラジカルなどは、一般的に、アルキルおよびアルコキシラジカルと比較して低いしきい値電圧およびk
33/k
11の低い値を生じる。本発明の混合物は、特に高いK
1値によって識別され、したがって従来技術からの混合物より顕著に迅速な応答時間を有する。
【0136】
前述の式で表される化合物の最適の混合比は、実質的に所望の特性、前述の式で表される構成成分の選択および存在し得るあらゆる他の構成成分の選択に依存する。
上で示される範囲内の好適な混合比を、場合ごとに容易に決定することができる。
【0137】
前述の式で表される化合物の本発明の混合物中での合計量は、重大ではない。したがって、当該混合物は、1種または2種以上の他の構成成分を様々な特性の最適化の目的のために含むことができる。しかし、当該混合物の特性の所望の改善に関する観察された効果は、一般的に前述の式で表される化合物の合計濃度が高いほど大きい。
【0138】
特に好ましい態様において、本発明の媒体は、式IV〜VIIIで表され、式中X
0がF、OCF
3、OCHF
2、OCH=CF
2、OCF=CF
2またはOCF
2−CF
2Hを示す化合物を含む。式Iで表される化合物との好ましい相乗作用によって、特に有利な特性がもたらされる。特に、式I、VIおよびXIで表される化合物を含む混合物は、それらの低いしきい値電圧によって識別される。
【0139】
本発明の媒体で使用することができる前述の式およびその従属式で表される個々の化合物は、知られているか、または既知の化合物と同様にして製造することができる。
【0140】
本発明はまた、2つの面平行な外板を有し、それがフレームと共にセルを形成する電気光学的ディスプレイ、例えばTN、STN、TFT、OCB、IPS、FFSまたはMLCディスプレイ、当該外板上の個々のピクセルを切り換えるための集積された非線形素子、ならびに正の誘電異方性および高い比抵抗を有し、セル中に位置し、このタイプの媒体を含むネマチック液晶混合物、ならびに電気光学的目的のためのこれらの媒体の使用に関する。
【0141】
本発明の液晶混合物によって、利用可能なパラメーター自由度の顕著な拡張が可能になる。透明点、低温における粘度、熱安定性およびUV安定性ならびに高い光学異方性の達成可能な組み合わせは、従来技術からの以前の材料よりはるかに優れている。
本発明の混合物は、モバイル用途および高いΔnのTFT用途、例えばPDA、ノートブック、LCD TVおよびモニターに特に適している。
【0142】
本発明の液晶混合物は、−20℃まで下がるおよび好ましくは−30℃まで下がる、特に好ましくは−40℃まで下がるネマチック相、ならびに≧70℃、好ましくは≧75℃の透明点を保持する一方、同時に≦100mPa・s、特に好ましくは≦70mPa・sの回転粘度γ
1を達成することを可能にし、迅速な応答時間を有する優れたMLCディスプレイが得られることを可能にする。
【0143】
本発明の液晶混合物の誘電異方性Δεは、好ましくは≧+3、特に好ましくは≧+5.1である。さらに、当該混合物は、低い作動電圧によって特徴づけられる。本発明の液晶混合物のしきい値電圧は、好ましくは≦2V、特に≦1.5Vである。
本発明の液晶混合物の複屈折Δnは、好ましくは≧0.11、特に好ましくは≧0.14である。
【0144】
本発明の液晶混合物のネマチック相範囲は、好ましくは少なくとも80°、特に少なくとも90°の幅を有する。この範囲は、好ましくは−20℃〜+70℃に少なくとも及ぶ。
【0145】
本発明の混合物の構成成分の好適な選択によって、より高い透明点(例えば100℃より高い)をより高いしきい値電圧にて達成するか、またはより低い透明点をより低いしきい値電圧にて達成し、これと共に他の有利な特性を保持することがまた可能であることは、言うまでもない。相応してわずかに増大するに過ぎない粘度にて、より高いΔεおよびしたがって低いしきい値を有する混合物を得ることは、同様に可能である。
【0146】
本発明のMLCディスプレイは、好ましくは第一のGoochおよびTarry透過率極小値で作動し[C.H. GoochおよびH.A. Tarry, Electron. Lett. 10, 2-4, 1974;C.H. GoochおよびH.A. Tarry, Appl. Phys., Vol. 8, 1575-1584, 1975]、ここで特に好ましい電気光学的特性、例えば特性線の高い急峻度およびコントラストの低い角度依存性(ドイツ国特許第30 22 818号)に加えて、より低い誘電異方性が、第二極小値における類似ディスプレイにおけるのと同一のしきい値電圧にて十分である。
【0147】
これによって、シアノ化合物を含む混合物の場合におけるよりも顕著に高い比抵抗値を、本発明の混合物を第一極小値にて使用して達成することが可能になる。個々の構成成分および重量によるそれらの比率を好適に選択することによって、当業者は、MLCディスプレイのあらかじめ特定した層の厚さに必要な複屈折を、簡単な常習的方法を使用して設定することができる。
【0148】
電圧保持率(HR)の測定により[S. Matsumoto et al., Liquid Crystals
5, 1320 (1989); K. Niwa et al., Proc. SID Conference, San Francisco, June 1984, p. 304 (1984); G. Weber et al., Liquid Crystals
5, 1381 (1989)]、式Iで表される化合物を含む本発明による混合物は、式Iで表される化合物の代わりに式
【化60】
で表されるシアノフェニルシクロヘキサンまたは式
【化61】
で表されるエステルを含む類似の混合物よりも、UV曝露に際しHRにおける顕著に小さな低下を呈することが示された。LC媒体は好ましくは99重量%、特に好ましくは100重量%で、ベンゾニトリル誘導体を含まない。
【0149】
本発明による混合物の光安定性およびUV安定性は、かなりより良好であり、つまり光またはUV曝露に際しHRにおける顕著に小さい低下を示す。混合物における低濃度の式Iで表される化合物(<10重量%)でさえも、先行技術からの混合物と比較して、HRを6%以上増加させる。
【0150】
LC媒体はさらにまた、当業者に公知のおよび文献に記載される、例えば、UV安定剤、例えばCibaからのTinuvin(登録商標)など、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、ナノ粒子などを含んでもよい。例えば、0〜15%の多色性色素またはキラルドーパントを添加することができる。好適な安定剤およびドーパントは、以下の表CおよびDに言及される。
【0151】
上で言及される本発明によるLC媒体の好ましい態様の個々の成分は公知であるか、または、それらの製造方法は、文献に記載される標準的な方法に基づくため、対応する技術分野の当業者により先行技術から容易に派生させることができる。
【0152】
当業者には言うまでもなく、本発明によるLC媒体はまた、例えばH、N、O、Cl、Fが対応する同位体により置き換えられた化合物を含んでもよい。
【0153】
本発明により用いられることができる液晶混合物は、自体慣用の様式で、例えば式Iで表される1または2以上の化合物を式II〜XXVIIIで表される1または2以上の化合物とともに、またはさらなる液晶化合物および/または添加剤とともに混合することにより調製される。一般的に、より少量で用いられる所望量の成分が、主要な構成成分を構成する成分中に、有利には高温で溶解される。有機溶媒中、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール中の成分の溶液を混合し、そしてよく混合したのちに、例えば蒸留により再び溶媒を除去することもまた可能である。本発明はさらに、本発明によるLC媒体の調製方法に関する。
【0154】
偏光子、電極基板および表面処理した電極からの本発明のMLCディスプレイの構築は、この種のディスプレイについての通常の設計に相当する。通常の設計の用語は、本明細書中で広く引用され、また、特にポリSi TFTまたはMIMに基づくマトリックス表示素子を含むMLCディスプレイのすべての派生および修正を包含する。
【0155】
しかし、本発明のディスプレイと、ねじれネマチックセルに基づく現在までの慣用のディスプレイとの間の重要な差異は、液晶層の液晶パラメーターの選択にある。
【0156】
以下の例は、限定することなく、本発明を説明する。しかし、それらは、好ましく用いられる化合物およびそれらのそれぞれの濃度およびそれらの互いの組み合わせとともに、好ましい混合物概念を当業者に示す。さらに、実施例は、どのような性質および性質の組み合わせが利用可能であるかを説明する。
【0157】
本願において、および以下の例において、液晶化合物の構造を、頭字語によって示し、化学式への変換を、表AおよびBに従って行う。すべてのラジカルC
nH
2n+1およびC
mH
2m+1は、それぞれn個よびm個のC原子を有する直鎖状アルキルラジカルである;n、mおよびkは整数であり、好ましくは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12を示す。表Bにおけるコーディングは自明である。表Aで、基本構造についての頭字語のみを示す。個々の場合、基本構造についての頭字語に、長音記号で分離して、置換基R
1*、R
2*、L
1*およびL
2*に対するコードが続く:
【0160】
好ましい混合物成分表AおよびBに見出される。
表A
【表3】
【0169】
本発明の好ましい態様において、本発明によるLC媒体は、表AおよびBからの化合物からなる群から選択される1または2以上の化合物を含む。
【0170】
表C
表Cは、本発明によるLC媒体に添加できる可能なドーパントを示す。
【表12】
【0172】
LC媒体は、好ましくは0〜10重量%の、特に0.01〜5重量%のおよび特に好ましくは0.1〜3重量%のドーパントを含む。LC媒体は、好ましくは、表Cからの化合物からなる群から選択される1または2以上のドーパントを含む。
【0173】
表D
表Dは本発明によるLC媒体に添加できる可能な安定剤を示す。
(nはここで1〜12の整数を示す)
【表14】
【0178】
LC媒体は、好ましくは0〜10重量%の、特に0.01〜5重量%のおよび特に好ましくは0.1〜3重量%の安定剤を含む。LC媒体は好ましくは、表Dからの化合物からなる群から選択される1または2以上の安定剤を含む。
【0179】
さらに、以下の略号および符号が用いられる:
V
0 しきい値電圧、20℃における容量[V]、
V
10 20℃における10%相対コントラストに対する光学しきい値[V]、
n
e 20℃および589nmにおける異常屈折値、
n
0 20℃および589nmにおける通常屈折値、
Δn 20℃および589nmにおける光学異方性、
【0180】
ε
⊥ 20℃および1kHzにおける、ディレクタに垂直な電気感受率、
ε
││ 20℃および1kHzにおける、ディレクタに平行な電気感受率、
Δε 20℃および1kHzにおける、誘電異方性、
cl.p、T(N,I) 透明点[℃]、
γ
1 20℃における回転粘度[mPa・s]、
【0181】
K
1 20℃における弾性定数、「スプレー」変形[pN]、
K
2 20℃における弾性定数、「ツイスト」変形[pN]、
K
3 20℃における弾性定数、「ベンド」変形[pN]、
LTS テストセルにおいて決定される、低温安定性(相)、
HR
20 20℃における電圧保持率[%]および
HR
100 100℃における電圧保持率[%]。
【0182】
他に明示的に記されない限り、本願における全ての濃度は重量%で示され、そして溶媒なしの全体としての対応する混合物に関連する。
【0183】
他に明示的に記されない限り、本願において示される全ての温度値、例えば融点T(C,N)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N、I)は、セルシウス度(℃)で示される。M.p.は融点を示し、cl.p=透明点である。さらに、C=結晶状態、N=ネマチック相、S=スメクチック相およびI=等方相である。これらの符号の間のデータは転移温度を表す。
【0184】
それぞれの場合において他に明示的に示されない限り、全ての物性は"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", Status Nov. 1997, Merck KGaA, Darmstadt, Germanyに従って決定されるおよび決定された、そして20℃の温度を適用する、ならびにΔnは589nmでおよびΔεは1kHzで決定される。
【0185】
個々の化合物の液晶性は、他に示されない限り、ネマチックホスト混合物ZLI−4792(Merck KGaA, Darmstadtから商業的に入手可能)中で10%の濃度で決定される。
「室温」は、他に示されない限り、20℃を意味する。
【0186】
本発明に対し用語「しきい値電圧」は、他に示されない限り、Freedericksしきい値とも呼ばれる、容量しきい値(V
0)に関する。実施例において、一般的に通常、10%相対コントラストに対する光学しきい値(V
10)もまた示される。
【0187】
容量しきい値電圧V
0の測定のためにおよびV
10のために用いられるテストセルは、Arch Chemicalsからのポリイミド配向層(Durimid 32、希釈剤(70%のNMP+30%のキシレン)とともに、比率1:4で)で被覆されたソーダ石灰ガラスからなる基板から構築され、互いに逆平行にラビングされ、そして0度に準ずる表面チルトを有する。透明で、実質的に正方形のITO電極の面積は1cm
2である。容量しきい値電圧は標準的な市販の高解像度LCRメーター(例えばHewlett Packard 4284A LCRメーター)を用いて決定される。
【0188】
例
合成例
例1:2−(3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−エチルチオフェン(PUS−3−2)
化合物2−(3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−エチルチオフェン(PUS−3−2)を、以下に記載されるように製造する:
【化62】
【0189】
17.0g(54.6mmol)の4−ブロモ−3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル、16.1g(82.1mmol)の2−エチルチオフェン−5−ヒドロキシボロン酸ナトリウム塩および9.2g(0.11mol)の炭酸水素ナトリウムを、700mg(1.37mmol)のビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)とともに、250mlのTHF/水混合物(2:1)中で還流させる。22h後、混合物をMTBEで希釈し、そして有機相を分離する。水相をMTBEで多数回抽出し、そして混ぜ合わせた有機相を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、そして蒸散させて乾燥させる。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、n−ヘプタン)により精製させる。さらなる精製をエタノールおよびンーヘプタンの再結晶により実行し、2−(3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−エチルチオフェンを無色の固体として得る(m.p. 45℃)。
【0190】
Δε=+3.8
Δn=0.294
γ
1=76mPa・s
C 45 N 90 I
【0191】
例2:2−3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−プロピルチオフェン(PUS−3−3)
化合物2−(3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−プロピルチオフェン(PUS−3−3)を以下に記載されるように製造する
【化63】
【0192】
5.0g(24.4mmol)の2−ブロモ−5−プロピルチオフェン、7.40g(26.8mmol)の4’−プロピル−3,5−ジフルオロ−4−ビフェニルボロン酸および2.82g(2.44mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)をまず、160mlのトルエン中に導入する。50mlの水中の5.85g(48.8mmol)のリン酸二水素ナトリウムおよび13.8g(97.5mmol)のリン酸水素二ナトリウム十二水塩の溶液を添加し、そして混合物を還流下で19h加熱する。冷却後、有機相を分離し、そして水相をトルエンで多数回抽出する。混ぜ合わせた有機相を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、そして蒸散させて乾燥させる。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、n−ヘプタン)で精製する。さらなる精製をエタノールおよびn−ヘプタンからの再結晶により実行し、2−(3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−プロピルチオフェン(PUS−3−3)を無色の固体として得る(m.p. 64℃)。
【0193】
Δε=+4.2
Δn=0.283
γ
1=67mPa・s
C 64 N 86 I
【0194】
例3:2−(3,5−ジフルオロ−4’−エチルビフェニル−4−イル)−5−エチルチオフェン(PUS−2−2)
【化64】
化合物2−(3,5−ジフルオロ−4’−エチルビフェニル−4−イル)−5−エチルチオフェン(PUS−2−2)を、4’−エチル−3,5−ジフルオロ−4−ビフェニルボロン酸および2−ブロモ−5−エチルチオフェンから例2と同様にして製造する。
【0195】
Δε=+5.4
Δn=0.297
γ
1=58mPa・s
C 48 N 62 I
【0196】
例4:2−(3,5−ジフルオロ−4’−エチルビフェニル−4−イル)−5−プロピルチオフェン(PUS−2−3)
【化65】
化合物2−(3,5−ジフルオロ−4’−エチルビフェニル−4−イル)−5−プロピルチオフェン(PUS−2−3)を、4’−エチル−3,5−ジフルオロ−4−ビフェニルボロン酸および2−ブロモ−5−プロピルチオフェンから例2と同様にして製造する。
【0197】
Δε=+3.3
Δn=0.283
γ
1=61mPa・s
C 50 N 61 I
【0198】
例5:2−(4’−エチル−2,6−ジフルオロビフェニル−4−イル)−5−プロピルチオフェン(SUP−3−2)
【化66】
化合物2−(4’−エチル−2,6−ジフルオロビフェニル−4−イル)−5−プロピルチオフェン(SUP−3−2)を、4’−エチル−2,6−ジフルオロ−4−ビフェニルボロン酸および2−ブロモ−5−プロピルチオフェンから例1と同様にして製造する。
【0199】
Δε=+5.5
Δn=0.233
γ
1=110mPa・s
C 80 I
【0200】
例6:2−(4’−エチル−2,6−ジフルオロビフェニル−4−イル)−5−エチルチオフェン(SUP−2−2)
【化67】
化合物2−(4’−エチル−2,6−ジフルオロビフェニル−4−イル)−5−エチルチオフェン(SUP−2−2)を、4’−エチル−2,6−ジフルオロ−4−ビフェニルボロン酸および2−ブロモ−5−エチルチオフェンから例1と同様にして製造する。
【0201】
MS(EI):m/e(%)=328(100、M
+), 313(89、[M−CH3
+].
Δε=+6.4
Δn=0.302
γ
1=106mPa・s
C 106 I
【0202】
例7:2−[2,6−ジフルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−5−エチルチオフェン(CUS−3−2)
【化68】
化合物2−[2,6−ジフルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−5−エチルチオフェンを、2,5−ジフルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼンボロン酸および2−ブロモ−5−エチルチオフェンから例3と同様にして製造する。
【0203】
Δε=+3.0
Δn=0.172
γ
1=107mPa・s
C 34 N 97 I
【0204】
例8:2−(3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−ビニルチオフェン(PUS−3−V)
【化69】
化合物2−(3,5−ジフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)−5−ビニルチオフェン(PUS−3−V)を、4’−プロピル−3,5−ジフルオロ−4−ビフェニルボロン酸および2−ブロモ−5−ビニルチオフェンから例3と同様にして製造する。
【0205】
Δε=+6.5
Δn=0.349
γ
1=163mPa・s
C 69 N 111 I
【0206】
例9:2−(2−フルオロ−4’−ペンチルビフェニル−4−イル)−5−ヘキシルチオフェン(PGIS−5−6)
【化70】
【0207】
THF/水(1:1)中の3.30g(13.1mmol)の5−ヘキシルチオフェン−2−イルヒドロキシボロン酸ナトリウム塩、4.20g(13.1mmol)の4−ブロモ−2−フルオロ−4’−ペンチルビフェニル、2.2g(26.2mmol)の炭酸水素ナトリウムおよび0.70g(0.61mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の混合物を、還流下で6h加熱する。該混合物をMTBEで希釈し、そして有機相を分離する。水相をMTBEで抽出する。混ぜ合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムを用いて乾燥させる。溶液を蒸散させて乾燥させ、そして残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、n−ヘプタン)により精製する。メタノール/ペンタン(5:1)からの再結晶によりさらなる精製を実行し、44℃のm.p.を有する2−(2−フルオロ−4’−ペンチルビフェニル−4−イル)−5−ヘキシルチオフェンを無色の固体として得る。
【0208】
Δε=+3.2
Δn=0.231
γ
1=153mPa・s
C 44 Sm (6) SmB (38) SmC 68 SmA 75 N 94 I
【0209】
混合物例
混合物例1
本発明によるネマチックLC混合物を、以下のとおり処方する:
【表19】
【0210】
混合物例2
本発明によるネマチックLC混合物を、以下のとおり処方する:
【表20】
【0211】
混合物例3
本発明によるネマチックLC混合物を、以下のとおり処方する:
【表21】
【0212】
本発明の態様および変化形のさらなる組み合わせが、以下の特許請求の範囲から生じる。