【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施例、比較例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下に記載する合成例で得られた高分子化合物のGPC分析は、下記の装置を用い、測定条件は下記のとおりである。
装置:一体型高速GPCシステム HLC−8220GPC 東ソー株式会社製
カラム:KF−G,KF804L
カラム温度:40℃
溶媒:THF
流量:1.0mL/分
標準試料:ポリスチレン
ディテクター:RI
【0060】
合成例1
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で4,4’−ジクロロジフェニルスルホン54.56gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン67.25gを1−メチル−2−ピロリドン753.46gに溶解させ、炭酸カリウム28.88gを加え、系内を窒素置換した。
190℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−1)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は19,000であった。
【0061】
合成例2
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン40.37gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン69.11gを1−メチル−2−ピロリドン558.56gに溶解させ、炭酸カリウム76.71gを加え、系内を窒素置換した。
190℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−2)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は15,000であった。
【0062】
合成例3
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン25.83gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン50.43g、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン2.75gを1−メチル−2−ピロリドン504.22gに溶解させ、炭酸カリウム21.82gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−3)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は22,000であった。
【0063】
合成例4
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン43.07gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン50.43g、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン2.75gを1−メチル−2−ピロリドン590.40gに溶解させ、炭酸カリウム21.82gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−4)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は26,000であった。
【0064】
合成例5
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、2,4−ジフルオロベンゾニトリル10.43gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン26.54gを1−メチル−2−ピロリドン204.22gに溶解させ、炭酸カリウム31.10gを加え、系内を窒素置換した。
190℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−5)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は7,000であった。
【0065】
合成例6
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、2,5−ジフルオロベンゾニトリル10.76gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン26.54gを1−メチル−2−ピロリドン204.22gに溶解させ、炭酸カリウム31.10gを加え、系内を窒素置換した。
190℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−6)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は12,000であった。
【0066】
合成例7
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、2,6−ジフルオロベンゾニトリル10.76gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン26.54gを1−メチル−2−ピロリドン204.22gに溶解させ、炭酸カリウム31.10gを加え、系内を窒素置換した。
190℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−7)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は11,000であった。
【0067】
合成例8
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン25.84gと2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン26.54gを1−メチル−2−ピロリドン204.22gに溶解させ、炭酸カリウム31.10gを加え、系内を窒素置換した。
190℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、炭酸カリウム12.44gとプロパルギルブロミド22.54gを加え、80℃で20時間反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−8)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は40,000であった。
【0068】
合成例9
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、2,4’−ジクロロベンゾトリフロリド10.21gと2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン9.16g、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8.41gを1−メチル−2−ピロリドン204.22gに溶解させ、炭酸カリウム20.73gを加え、系内を窒素置換した。
190℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、プロパルギルブロミド14.14gを加え、80℃で20時間反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−14)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は40,000であった。
【0069】
合成例10
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン10.81gと2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン9.16g、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン6.71gを1−メチル−2−ピロリドン80.01gに溶解させ、炭酸カリウム20.73gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、1−メチル−2−ピロリドン43.31gに溶解させたアリルブロミド66.54g及び炭酸カリウム20.73gを加え、80℃で20時間撹拌し、ポリマー末端のフェノール基およびアミノ基に反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に2N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−36)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は13,400であり、末端フェノール基およびアミノ基の反応率は88%であった。
【0070】
合成例11
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン37.09gと2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.63g、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン34.65gを1−メチル−2−ピロリドン325.10gに溶解させ、炭酸カリウム82.93gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、1−メチル−2−ピロリドン156.76gに溶解させたアリルブロミド193.57gおよび炭酸カリウム138.21gを加えて、80℃で20時間撹拌し、ポリマー末端のフェノール基およびアミノ基に反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に2N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−37)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は13,900であり、末端フェノール基およびアミノ基の反応率は88%であった。
【0071】
合成例12
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン9.27gと2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン9.16g、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン8.66gを1−メチル−2−ピロリドン81.27gに溶解させ、炭酸カリウム20.73gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、1−メチル−2−ピロリドン39.73gに溶解させたプロパルギルブロミド50.56gおよび炭酸カリウム20.73gを加えて、80℃で20時間撹拌し、ポリマー末端のフェノール基およびアミノ基に反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に2N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−16)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は14,700であり、末端フェノール基およびアミノ基の反応率は86%であった。
【0072】
合成例13
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン9.27gと2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン9.16g、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン8.66gを1−メチル−2−ピロリドン81.27gに溶解させ、炭酸カリウム20.73gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、1−メチル−2−ピロリドン39.73gに溶解させたプロパルギルブロミド12.64gおよび炭酸カリウム20.73gを加えて、80℃で20時間撹拌し、ポリマー末端のフェノール基およびアミノ基に反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に2N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−16)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は14,700であり、末端フェノール基およびアミノ基の反応率は52%であった。
【0073】
合成例14
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、2,4−ジフルオロベンゾニトリル6.61gと2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン9.16g、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン8.66gを1−メチル−2−ピロリドン73.28gに溶解させ、炭酸カリウム20.73gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、1−メチル−2−ピロリドン27.96gに溶解させたプロパルギルブロミド14.13gを加えて、80℃で20時間撹拌し、ポリマー末端のフェノール基およびアミノ基に反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に2N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−17)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は12,700であり、末端フェノール基およびアミノ基の反応率は50%であった。
【0074】
合成例15
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、2,6−ジフルオロベンゾニトリル20.86gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン54.91g、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン1.16gを1−メチル−2−ピロリドン489.50gに溶解させ、炭酸カリウム20.93gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとプロパルギルブロミド1.69gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−18)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は18,000であった。
【0075】
合成例16
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン29.05gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン50.43g、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン1.06gを1−メチル−2−ピロリドン519.13gに溶解させ、炭酸カリウム21.82gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、炭酸カリウム2.16gとアリルブロミド1.97gを加え、リフラックス条件で20時間反応させた。得られた反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られた溶液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−40)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は27,000であった。
【0076】
合成例17
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、2,6−ジフルオロベンゾニトリル20.44gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン50.44g、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン1.12gを1−メチル−2−ピロリドン528.50gに溶解させ、炭酸カリウム63.43gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、1−メチル−2−ピロリドン53.53gに溶解させたプロパルギルブロミド17.84g、ヨウ化カリウムを6.02gおよび炭酸カリウム22.80gを加えて、80℃で20時間撹拌し、ポリマー末端のフェノール基およびアミノ基に反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−20)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は23,000であった。
【0077】
合成例18
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン20.67gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン33.62g、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン1.92gを1−メチル−2−ピロリドン361.12gに溶解させ、炭酸カリウム20.67gを加え、系内を窒素置換した。
160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に1N−塩酸:1−メチル−2−ピロリドン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、リトマス試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
テトラヒドロフラン100gに得られた粉体10gを溶解させた後、トリエチルアミン0.45gを加え、0℃に冷却し、テトラヒドロフラン10gに溶かしたアクリル酸クロリド0.36gを10分間かけて滴下した。その後、自然昇温させ、20時間反応させた。得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿させた。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、メタノール3回、水2回、メタノール3回の順で洗浄し、得られた粉体を減圧乾燥機で12時間乾燥させた。
得られた高分子化合物(式(1−42)で表される化合物に相当)のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量はNDであった。
【0078】
比較合成例1
撹拌装置、還流器、温度計、滴下槽を備えているフラスコに4,4’−ジクロロジフェニル−スルホン15.00g、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン12.56g、炭酸カリウム8.37g、N−メチル−2−ピロリドン82.61gを入れ、その後フラスコ内を窒素置換した後、160℃まで加熱し20時間反応させた。合成された芳香族ポリエーテルエーテルスルホンを室温まで冷却させた後、ろ過してろ液を回収し、N−メチル−2−ピロリドンと2mol/l塩酸の体積比が90:10の混合液30mlと混合させた。その後メタノールに投入し再沈精製を行った。
その後メタノールと水にて洗浄し、85℃で1日真空乾燥させ、比較例1で用いられる芳香族ポリエーテルエーテルスルホン(下記式(2−1)で表される化合物に相当)を得た。得られた芳香族ポリエーテルのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量で16,700であった。
【化18】
【0079】
比較合成例2
市販品で合成されたアクリル樹脂であるポリメタクリル酸メチル(和光純薬工業株式会社製)を準備した。
【0080】
(溶媒溶解性評価)
合成例1〜18より得られた芳香族ポリエーテル又は比較合成例1〜2より得られたポリマーの5質量部に対して、(1)プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、(2)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、(3)乳酸エチル(EL)、(4)シクロヘキサノン(Cy)、(5)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、(6)ジメチルアセトアミド(DMAC)、(7)4−メチル2−ペンタノン(MIBK)、(8)5−メチル−2−ヘキサノン(MIAK)、(9)アセト酢酸エチル(EAA)、(10)ガンマブチロラクトン(GBL)、(11)シクロペンタノン(Cp)を95質量部加えて溶解性を評価した。結果を表1に示す。○は溶解、△は微溶、×は不溶を示す。
【0081】
【表1】
【0082】
合成例1〜18より得られたポリエーテルは比較合成例2として使用したアクリル樹脂と同様の溶解性を示し、比較合成例1で得られたポリスルホンより高い溶解性を示した。
【0083】
(耐熱性評価)
合成例1〜18及び比較合成例1より得られたポリエーテル並びに比較合成例2として使用したポリメタクリル酸メチルの耐熱性について、TG−DTA(ブルカーエイエックスエス株式会社製、TG/DTA2010SR)にて10℃/分で昇温し5質量%の減量を生ずる温度から評価した。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
合成例1〜18より得られたポリエーテルは比較合成例2として使用したアクリル樹脂と比べ、350℃以上というより高い耐熱性を示した。
【0086】
(接着剤組成物の調製)
[実施例1]
上記合成例1で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例2]
上記合成例2で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例3]
上記合成例3で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例4]
上記合成例4で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例5]
上記合成例5で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例6]
上記合成例6で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例7]
上記合成例7で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例8]
上記合成例8で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例9]
上記合成例9で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例10]
上記合成例10で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン9gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として25質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例11]
上記合成例11で得た高分子化合物3gをシクロペンタノン5.57gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として35質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例12]
上記合成例12で得た高分子化合物3gをシクロペンタノン7gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として30質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例13]
上記合成例13で得た高分子化合物3gをシクロペンタノン7gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として30質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例14]
上記合成例14で得た高分子化合物3gをシクロペンタノン7gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として30質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例15]
上記合成例15で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例16]
上記合成例16で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例17]
上記合成例17で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[実施例18]
上記合成例18で得た高分子化合物3gをシクロへキサノン12gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
【0087】
[比較例1]
比較合成例1より得られた芳香族ポリエーテルをN−メチル−2−ピロリドン中に溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として10質量%含有する接着剤組成物を調製した。
[比較例2]
比較合成例2のポリメタクリル酸メチルをシクロヘキサノン中に溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製した。
【0088】
(塗布性評価)
実施例1〜18及び比較例1〜2で得られた接着剤組成物をそれぞれ塗布条件1,000rpm、30秒間でシリコンウェハ上にスピン塗布し、100℃および200℃でそれぞれ2分間ずつのベークを行って形成した膜について評価を行った。結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】
表3に示すように、比較例1は、塗布不良が生じ均一な膜を形成することができなかったのに対し、本発明の実施例1〜18の芳香族ポリエーテルと比較合成例2として使用したアクリル樹脂は何れも1μm以上の均一な膜を形成することができた。
【0091】
(接着性評価)
実施例1〜18及び比較例1〜2で得られた接着剤組成物を1,000rpm、30秒間の塗布条件で塗布した後、100℃及び250℃でそれぞれ2分間のベークを行ってシリコンウェハー上にそれぞれ塗布膜を形成した後、シリコンウェハを5mm角に切り取り、270℃のホットプレート上にあらかじめ静置しておいたガラスウェハ上に塗布面を下向きにして置いて上から圧着し、接着性を評価した。結果を表4に示す。ガラスウェハ面から見た状態でボイド(孔)がなく接着された場合を良好とした。
【0092】
【表4】
【0093】
比較例1で得られた接着剤組成物は接着不良が発生し、均一に接着することができなかったのに対して、本発明の実施例1〜18の接着剤組成物は比較例2の接着剤組成物と同様に良好な接着性を示した。
【0094】
(接着力評価サンプルの作製)
合成例1、合成例3、合成例6及び合成例7、並びに比較合成例2で得られたポリマーの接着力評価サンプルを下記方法で作製した。
[実施例19]
合成例1より得られた芳香族ポリエーテルをシクロヘキサノン中に溶解させ、固形分として30質量%含有する接着剤組成物を調製し、得られた接着剤組成物を塗布条件1500rpm、30秒間で4インチのシリコンウェハ上にスピン塗布し、100℃および200℃でそれぞれ2分間ずつのベークを行い、膜厚が4.6μmの膜を形成した後、貼り合せ装置(アユミ工業株式会社製、VJ−300)を使用して、真空度10Pa以下、温度280℃、貼り合せ圧力200kgの条件下で4インチガラスウェハと接着させ、そのウェハをダイシング装置(株式会社ディスコ製、DAD321)で1cm角に切断し、サンプルを作製した。
[実施例20]
合成例3より得られた芳香族ポリエーテルをシクロヘキサノン中に溶解させ、固形分として30質量%含有する接着剤組成物を調製し、得られた接着剤組成物を塗布条件1500rpm、30秒間で4インチのシリコンウェハ上にスピン塗布し、100℃および200℃でそれぞれ2分間ずつのベークを行って、膜厚が4.6μmの膜を形成した後、貼り合せ装置(アユミ工業株式会社製、VJ−300)を使用して、真空度10Pa以下、温度240℃、貼り合せ圧力400kgの条件下で4インチガラスウェハと接着させ、そのウェハをダイシング装置(株式会社ディスコ製、DAD321)1cm角に切断し、サンプルを作製した。
[実施例21]
合成例6より得られた芳香族ポリエーテルをシクロヘキサノン中に溶解させ、固形分として30質量%含有する接着剤組成物を調製し、得られた接着剤組成物を塗布条件1000rpm、30秒間で4インチのシリコンウェハ上にスピン塗布し、100℃および200℃でそれぞれ2分間ずつのベークを行って、膜厚が5.1μmの膜を形成した後、貼り合せ装置(アユミ工業株式会社製、VJ−300)を使用して、真空度10Pa以下、温度260℃、貼り合せ圧力200kgの条件下で4インチガラスウェハと接着させ、そのウェハをダイシング装置(株式会社ディスコ製、DAD321)1cm角に切断し、サンプルを作製した。
[実施例22]
合成例7より得られた芳香族ポリエーテルをシクロヘキサノン中に溶解させ、固形分として30質量%含有する接着剤組成物を調製し、得られた接着剤組成物を塗布条件1000rpm、30秒間で4インチのシリコンウェハ上にスピン塗布し、100℃および200℃でそれぞれ2分間ずつのベークを行って、膜厚が4.2μmの膜を形成した後、貼り合せ装置(アユミ工業株式会社製、VJ−300)を使用して、真空度10Pa以下、温度240℃、貼り合せ圧力200kgの条件下で4インチガラスウェハと接着させ、そのウェハをダイシング装置(株式会社ディスコ製、DAD321)1cm角に切断し、サンプルを作製した。
[比較例3]
比較合成例2より得られたアクリル樹脂をシクロヘキサノン中に溶解させ、固形分として20質量%含有する接着剤組成物を調製し、得られた接着剤組成物を塗布条件1300rpm、60秒間で4インチのシリコンウェハ上にスピン塗布し、100℃および200℃でそれぞれ2分間ずつのベークを行って、膜厚が5.0μmの膜を形成した後、貼り合せ装置(アユミ工業株式会社製、VJ−300)を使用して、真空度10Pa以下、温度270℃、貼り合せ圧力400kgの条件下で4インチガラスウェハと接着させ、そのウェハをダイシングソー(株式会社ディスコ製、DAD321)を使用して1cm角に切断し、サンプルを作製した。
【0095】
(接着力評価1)
実施例19、実施例20、実施例21及び実施例22並びに比較例3で得られた接着力評価サンプルの両面に、アラルダイト2014(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ株式会社製、商品名)を塗布し、接着力(せん断)測定用専用冶具に両面を接着後、オートグラフ(株式会社島津製作所製、オートグラフAGS−100NX)で接着力(せん断)を評価した。接着力は1mm/分の引っ張り速度で測定した。結果を表5に示す。
【0096】
【表5】
【0097】
表5中、接着力の値が1000N以上とは、上記接着力測定機の測定限界以上であることを示す。
実施例19、実施例20、実施例21及び実施例22で得られたサンプルは、比較例3で得られたサンプルより、高い接着力を示した。
【0098】
(接着力評価2)
実施例19、実施例20、実施例21及び実施例22並びに比較例3で得られた接着力評価サンプルを350℃のオーブンで1時間焼成し、その後、得られたサンプルの両面にアラルダイト2014(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ株式会社製、商品名、エポキシ系接着剤)を塗布し、接着力(せん断)測定用専用冶具に両面を接着後、オートグラフ(株式会社島津製作所製、オートグラフAGS−100NX)で接着力(せん断)を評価した。接着力は1mm/分の引っ張り速度で測定した。結果を表6に示す。
【0099】
【表6】
【0100】
表6中、接着力の値が1000N以上とは、上記接着力測定機の測定限界以上であることを示す。
実施例19、実施例20、実施例21及び実施例22で得られたサンプルは、熱処理後も比較例3で得られたサンプルより、高い接着力を示し、耐熱性に優れるとする結果となった。