特許第5792094号(P5792094)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5792094液処理装置、液処理方法および液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792094
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】液処理装置、液処理方法および液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20150917BHJP
   C23F 1/08 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   H01L21/304 648F
   H01L21/304 648G
   H01L21/304 648K
   C23F1/08 101
【請求項の数】16
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-39038(P2012-39038)
(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公開番号】特開2013-175592(P2013-175592A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2013年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】小 宮 洋 司
(72)【発明者】
【氏名】江 嶋 和 善
【審査官】 ▲高▼須 甲斐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−255696(JP,A)
【文献】 特開2000−223455(JP,A)
【文献】 特開2001−118821(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3028578(JP,U)
【文献】 特開2006−080431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C23F 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
純水供給部と、
硫酸供給部と、
前記純水供給部から供給される純水と、前記硫酸供給部から供給される硫酸とを調合して混合薬液を生成する調合タンクと、
前記調合タンクに連結され、当該調合タンクにおいて生成された混合薬液により基板を液処理する液処理部と、
前記純水供給部と前記調合タンクとの間に設けられた純水供給開閉弁と、
前記硫酸供給部と前記調合タンクとの間に設けられた硫酸供給開閉弁と、
前記調合タンクに連結され、循環ポンプを含む循環ラインと、
前記純水供給開閉弁、前記硫酸供給開閉弁および前記循環ポンプを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程と、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程の後、前記循環ポンプの駆動を開始する工程と、前記循環ポンプの駆動を開始する工程の後、前記硫酸供給部から前記調合タンクへの硫酸の供給を開始する工程とを行うように、前記純水供給開閉弁、前記硫酸供給開閉弁および前記循環ポンプを制御し、
前記循環ラインは、当該循環ラインを通流する混合薬液を加熱または冷却する温調器と、前記温調器の下流側に配置された、当該混合薬液を冷却する冷却器と、を有し
前記循環ラインは、当該循環ラインを通流する混合薬液を、前記冷却器を迂回して前記調合タンクに戻すバイパスラインと、前記冷却器が設けられた冷却循環ラインと、を更に有し、
前記冷却循環ラインの前記冷却器の上流側の部分に上流側循環開閉弁が設けられ、前記冷却循環ラインの前記冷却器の下流側の部分に下流側循環開閉弁が設けられていることを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記温調器は、前記循環ポンプの上流側に配置され、前記冷却器は、当該循環ポンプの下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液処理装置。
【請求項3】
純水供給部と、
硫酸供給部と、
前記純水供給部から供給される純水と、前記硫酸供給部から供給される硫酸とを調合して混合薬液を生成する調合タンクと、
前記調合タンクに連結され、当該調合タンクにおいて生成された混合薬液により基板を液処理する液処理部と、
前記純水供給部と前記調合タンクとの間に設けられた純水供給開閉弁と、
前記硫酸供給部と前記調合タンクとの間に設けられた硫酸供給開閉弁と、
前記調合タンクに連結され、循環ポンプを含む循環ラインと、
前記純水供給開閉弁、前記硫酸供給開閉弁および前記循環ポンプを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程と、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程の後、前記循環ポンプの駆動を開始する工程と、前記循環ポンプの駆動を開始する工程の後、前記硫酸供給部から前記調合タンクへの硫酸の供給を開始する工程とを行うように、前記純水供給開閉弁、前記硫酸供給開閉弁および前記循環ポンプを制御し、
前記硫酸供給部と前記調合タンクとは、互いに並列した第1硫酸供給ラインおよび第2硫酸供給ラインによって連結され、
前記第2硫酸供給ラインにおける硫酸の流量は、前記第1硫酸供給ラインにおける硫酸の流量より小さく、
前記硫酸供給部は、硫酸を貯留する硫酸貯留タンクと、前記硫酸貯留タンクに貯留されている硫酸の液面を検出する供給用液面レベルセンサと、を有し、
前記硫酸供給開閉弁は、前記第1硫酸供給ラインに設けられた第1硫酸供給開閉弁と、前記第2硫酸供給ラインに設けられた第2硫酸供給開閉弁と、を有し、
前記制御部は、前記硫酸貯留タンクから前記調合タンクに硫酸を供給する際、前記第1硫酸供給開閉弁および前記第2硫酸供給開閉弁を開き、その後、前記供給用液面レベルセンサからのセンサ信号に基づいて当該硫酸貯留タンクにおける硫酸の貯留量が設定量を下回ったと判断した場合、前記第1硫酸供給開閉弁を閉じると共に前記第2硫酸供給開閉弁を開くように、前記第1硫酸供給開閉弁および前記第2硫酸供給開閉弁を制御し、
前記硫酸貯留タンクは、硫酸供給源に連結され、
前記硫酸供給源と前記硫酸貯留タンクとは、互いに並列した第1硫酸貯留ラインおよび第2硫酸貯留ラインによって連結され、
前記第2硫酸貯留ラインにおける硫酸の流量は、前記第1硫酸貯留ラインにおける硫酸の流量より小さいことを特徴とする液処理装置。
【請求項4】
前記硫酸貯留タンクに、当該硫酸貯留タンクに貯留されている硫酸の液面を検出する貯留用液面レベルセンサが設けられ、
前記第1硫酸貯留ラインは、第1硫酸貯留開閉弁を含み、
前記第2硫酸貯留ラインは、第2硫酸貯留開閉弁を含み、
前記制御部は、前記硫酸供給源から前記硫酸貯留タンクに硫酸を供給する際、前記第1硫酸貯留開閉弁および前記第2硫酸貯留開閉弁を開き、その後、前記貯留用液面レベルセンサからのセンサ信号に基づいて当該硫酸貯留タンクにおける硫酸の貯留量が前記設定量より多い第2の設定量に達したと判断した場合、前記第1硫酸貯留開閉弁を閉じると共に前記第2硫酸貯留開閉弁を開くように、前記第1硫酸貯留開閉弁および前記第2硫酸貯留開閉弁を制御することを特徴とする請求項に記載の液処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1硫酸貯留開閉弁を閉じると共に前記第2硫酸貯留開閉弁を開いて前記硫酸供給源から前記硫酸貯留タンクに硫酸を供給する際、前記硫酸貯留タンクにおける硫酸の貯留量が前記第2の設定量より多い第3の設定量に達したと判断した場合、前記第1硫酸貯留開閉弁および前記第2硫酸貯留開閉弁を閉じ、その後、前記第1硫酸供給開閉弁および前記第2硫酸供給開閉弁を開いて前記硫酸貯留タンクから前記調合タンクへの硫酸の供給を開始するように、前記第1硫酸貯留開閉弁、前記第2硫酸貯留開閉弁、前記第1硫酸供給開閉弁および前記第2硫酸供給開閉弁を制御することを特徴とする請求項に記載の液処理装置。
【請求項6】
前記調合タンクに過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項7】
前記調合タンクにフッ酸を供給するフッ酸供給部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項8】
前記調合タンクに、混合薬液の濃度を測定する濃度測定部が連結されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項9】
調合タンクにおいて純水と硫酸とを調合して混合薬液を生成する工程と、
生成された混合薬液により基板を液処理する工程と、を備え、
混合薬液を生成する工程は、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程と、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程の後、当該調合タンク内の純水の循環を開始する工程と、前記調合タンク内の純水の循環を開始する工程の後、当該調合タンクへの硫酸の供給を開始する工程と、を有し、
混合薬液を生成する工程は、循環ラインに設けられた混合薬液を冷却または加熱する温調器により混合薬液を冷却してその後に、前記循環ラインの冷却循環ラインに設けられた混合薬液を冷却する冷却器により混合薬液を冷却する工程と、前記温調器および前記冷却器により混合薬液を冷却する工程の後、前記温調器により混合薬液を冷却または加熱してその後に混合薬液を、前記冷却器を迂回して前記調合タンクに戻すバイパスラインを通流させる工程と、を有し、
前記冷却循環ラインの前記冷却器の上流側の部分に上流側循環開閉弁が設けられ、前記冷却循環ラインの前記冷却器の下流側の部分に下流側循環開閉弁が設けられ、
前記冷却器を迂回させる際、前記上流側循環開閉弁および前記下流側循環開閉弁はそれぞれ閉じていることを特徴とする液処理方法。
【請求項10】
前記温調器により混合薬液を冷却または加熱する工程は、前記温調器および前記冷却器により混合薬液を冷却する工程において混合薬液が所定の温度に達した後に行われることを特徴とする請求項に記載の液処理方法。
【請求項11】
調合タンクにおいて純水と硫酸とを調合して混合薬液を生成する工程と、
生成された混合薬液により基板を液処理する工程と、を備え、
混合薬液を生成する工程は、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程と、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程の後、当該調合タンク内の純水の循環を開始する工程と、前記調合タンク内の純水の循環を開始する工程の後、当該調合タンクへの硫酸の供給を開始する工程と、を有し、
混合薬液を生成する工程において、前記調合タンクに連結された硫酸貯留タンクから前記調合タンクに硫酸を供給する際、硫酸は第1硫酸供給流量で前記調合タンクに供給され、その後、前記硫酸貯留タンクにおける硫酸の貯留量が設定量を下回った場合、硫酸は前記第1硫酸供給流量より小さい第2硫酸供給流量で当該調合タンクに供給され、
混合薬液を生成する工程において、前記硫酸貯留タンクに連結された硫酸供給源から前記硫酸貯留タンクに硫酸を貯留する際、硫酸は第1硫酸貯留流量で前記硫酸貯留タンクに供給され、その後、前記硫酸貯留タンクにおける硫酸の貯留量が前記設定量より多い第2の設定量に達した場合、硫酸は前記第1硫酸貯留流量より小さい第2硫酸貯留流量で当該硫酸貯留タンクに供給されることを特徴とする液処理方法。
【請求項12】
混合薬液を生成する工程において、前記第2硫酸貯留流量で前記硫酸供給源から前記硫酸貯留タンクに硫酸を供給する際、前記硫酸貯留タンクにおける硫酸の貯留量が前記第2の設定量より多い第3の設定量に達した場合、前記硫酸供給源から前記硫酸貯留タンクへの硫酸の供給を停止し、その後、当該硫酸貯留タンクから前記調合タンクへの硫酸の供給を開始することを特徴とする請求項11に記載の液処理方法。
【請求項13】
混合薬液を生成する工程において、前記調合タンクに過酸化水素水が供給されることを特徴とする請求項乃至12いずれかに記載の液処理方法。
【請求項14】
混合薬液を生成する工程において、前記調合タンクにフッ酸が供給されることを特徴とする請求項乃至13のいずれかに記載の液処理方法。
【請求項15】
混合薬液を生成する工程において、混合薬液の濃度が測定されることを特徴とする請求項乃至14のいずれかに記載の液処理方法。
【請求項16】
請求項乃至15のいずれかに記載された液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液により基板を液処理する液処理装置、液処理方法および液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製品の製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、被処理基板である半導体ウエハの酸化膜をエッチングするエッチング処理が行われている。このエッチング処理においては、エッチング液によってレジストの一部が腐食されて変質し、ポリマー(レジスト残渣)が生成され、ウエハに残留する。このため、エッチング処理の後に、薬液を用いてウエハを洗浄処理し、ウエハに残留したポリマーを除去している。薬液には、例えば、硫酸、過酸化水素水、フッ酸等を含む混合薬液が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−343762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、硫酸は水分に混合されると発熱反応を引き起こす。このため、純水と硫酸を混合すると、混合された液体の温度が上昇する。一方、純水、硫酸、過酸化水素水およびフッ酸からなる混合薬液は常温付近で用いられることが好適である。
【0005】
特許文献1に示す洗浄装置においては、予混合タンクに、純水、過酸化水素水、硫酸を供給した後に、混合ポンプを運転している。このことにより、硫酸が予混合タンク内の一部に集中して供給され、予混合タンク内における混合薬液は、局所的に大きく温度上昇する傾向にある。この場合、温度上昇した混合薬液を冷却するために、多くの時間が費やされ、混合薬液の生成時間を短縮することが困難になっている。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、純水と硫酸とを含む、基板を処理するための混合薬液の生成時間を短縮することができる液処理装置、液処理方法および液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、純水供給部と、硫酸供給部と、前記純水供給部から供給される純水と、前記硫酸供給部から供給される硫酸とを調合して混合薬液を生成する調合タンクと、前記調合タンクに連結され、当該調合タンクにおいて生成された混合薬液により基板を液処理する液処理部と、前記純水供給部と前記調合タンクとの間に設けられた純水供給開閉弁と、前記硫酸供給部と前記調合タンクとの間に設けられた硫酸供給開閉弁と、前記調合タンクに連結され、循環ポンプを含む循環ラインと、前記純水供給開閉弁、前記硫酸供給開閉弁および前記循環ポンプを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程と、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程の後、前記循環ポンプの駆動を開始する工程と、前記循環ポンプの駆動を開始する工程の後、前記硫酸供給部から前記調合タンクへの硫酸の供給を開始する工程とを実行するように、前記純水供給開閉弁、前記硫酸供給開閉弁および前記循環ポンプを制御することを特徴とする液処理装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、調合タンクにおいて純水と硫酸とを調合して混合薬液を生成する工程と、生成された混合薬液により基板を液処理する工程と、を備え、混合薬液を生成する工程は、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程と、前記調合タンクへの純水の供給を開始する工程の後、当該調合タンク内の純水の循環を開始する工程と、前記調合タンク内の純水の循環を開始する工程の後、当該調合タンクへの硫酸の供給を開始する工程と、を有していることを特徴とする液処理方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、上述した液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、純水と硫酸とを含む、基板を処理するための混合薬液の生成時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態による液処理装置を上方から見た上面図である。
図2図2は、図1の液処理装置の概略構成を示す図である。
図3図3は、図2の液処理装置における各液の配管系統を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態による液処理方法のタイムチャートを示す図である。
図5図5(a)、(b)は、図4による液処理方法において、純水の供給手順および貯留手順を示す図である。
図6図6(a)〜(g)は、図4による液処理方法において、硫酸の供給手順を示す図である。
図7図7(a)、(b)は、図4における液処理方法において、循環の手順を示す図である。
図8図8(a)〜(c)は、図4による液処理方法において、各液の補充手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態による液処理装置、液処理方法および液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0013】
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態による液処理装置について説明する。
【0014】
図1に示すように、液処理装置200は、外部から被処理基板としての半導体ウエハ等の基板(以下、ウエハWという)を収容したキャリアを載置するための載置台201と、キャリアに収容されたウエハWを取り出すための搬送アーム202と、搬送アーム202によって取り出されたウエハWを載置するための棚ユニット203と、棚ユニット203に載置されたウエハWを受け取り、当該ウエハWを液処理部210内に搬送する搬送アーム204と、を備えている。図1に示すように、液処理装置200には、複数(図1に示す態様では8個)の液処理部210が設けられている。
【0015】
また、各液処理部210の側壁には、搬送アーム204により液処理チャンバ214(図2参照)内へウエハWを搬入したり液処理チャンバ214からウエハWを搬出したりするための開口211が設けられている。この開口211には、当該開口211を開閉するためのシャッタ212が設けられている。
【0016】
また、図2に示すように、液処理装置200は、純水(DIW)、硫酸(H2SO4)、過水(過酸化水素水、H2O2)およびフッ酸(HF)を調合して、ウエハWを処理するための所定の濃度の混合薬液(以下、単に薬液と記す)を生成する2つの調合タンク(第1調合タンク11、第2調合タンク12)と、各調合タンク11、12に連結され、各調合タンク11、12において生成された薬液を含む処理液によりウエハWを液処理する上述した複数の液処理部210と、液処理装置200の全体の動作を統括制御するコントローラ(制御部)300と、を備えている。各調合タンク11、12と各液処理部210との間には薬液貯留タンク220が介在されている。この薬液貯留タンク220は、各調合タンク11、12にて生成された薬液を貯留し、各液処理部210に薬液を供給するためのものであって、液処理部210において所定枚数のウエハWの液処理に必要な量の薬液を貯留可能になっている。なお、調合タンク11、12は、例えば、各液処理部210において効率良くウエハWを液処理するために、切り替えて使われる。
【0017】
液処理部210は、ウエハWが収容され、この収容されたウエハWの液処理が行われる液処理チャンバ214と、液処理チャンバ214内に設けられ、ウエハWを水平に保持して回転させるための基板保持部215と、基板保持部215に保持されたウエハWの上方に設けられ、薬液、リンス液をウエハWに選択的に吐出するノズル216と、を有している。ノズル216は薬液貯留タンク220に連結されており、薬液貯留タンク220内の薬液は、ノズル216を介してウエハWに吐出される。
【0018】
また、基板保持部215に保持されたウエハWの径方向周囲にリング状のカップ217が設けられ、当該カップ217の下方にドレイン218が設けられている。このことにより、ウエハWから側方に飛散した処理液がカップ217によって案内されて、ドレイン218に回収される。ドレイン218は、液処理装置200が設置される工場等のドレインライン(図示せず)に連結されており、ドレイン218に回収された薬液は、当該ドレインラインに排出される。
【0019】
次に、図3を用いて、本実施の形態の液処理装置200における各液の配管系統について説明する。まず、純水の系統について説明する。
【0020】
図3に示すように、各調合タンク11、12には、当該調合タンク11、12に加圧下で純水を供給する純水供給源20(純水供給部)が連結されている。純水供給源20と各調合タンク11、12とは、互いに並列した第1純水供給ライン21および第2純水供給ライン22によって連結されている。第2純水供給ライン22(小流量純水供給ライン)における(第2純水供給ライン22を流れる)純水の流量は、第1純水供給ライン21(大流量純水供給ライン)における純水の流量より小さくなっている。すなわち、第1純水供給ライン21は、第1純水供給流量で純水を供給し、第2純水供給ライン22は、第1純水供給流量より小さい第2純水供給流量で純水を供給する。
【0021】
第1純水供給ライン21の上流側の端部(純水供給源20側の端部)および第2純水供給ライン22の上流側の端部は、メイン純水供給ライン23を介して純水供給源20に連結されている。このメイン純水供給ライン23は、第1純水流量計測器24と圧力制御弁25とを含んでいる。このうち第1純水流量計測器24は、メイン純水供給ライン23を通流する純水の流量を計測するためのものであって、第1純水流量計測器24により計測された純水の流量が積算されることにより、純水供給源20から各調合タンク11、12への純水の供給量が求められる。圧力制御弁25は、メイン純水供給ライン23を通流する純水の圧力を調整可能になっている。
【0022】
第1純水供給ライン21の下流側の端部は、調合タンク11、12に連結されている。すなわち、第1純水供給ライン21は、その途中位置で分岐されて、第1調合タンク11および第2調合タンク12に連結されている。また、第1純水供給ライン21は、第1純水流量調整開閉弁26(純水流量調整弁)を含んでいる。具体的には、第1純水流量調整開閉弁26は、第1純水供給ライン21の分岐部21aより下流側の部分に、各調合タンク11、12に対応して設けられている。この第1純水流量調整開閉弁26は、開いた時に第1純水供給ライン21を通流する純水の流量を調整可能になっており、流量調整弁としての機能を兼ね備えている。
【0023】
第1純水供給ライン21と同様に、第2純水供給ライン22は、その途中位置で分岐されて、第1調合タンク11および第2調合タンク12に連結されている。また、第2純水供給ライン22は、第2純水流量調整開閉弁27を含んでいる。具体的には、第2純水流量調整開閉弁27は、第2純水供給ライン22の分岐部22aより下流側の部分に、各調合タンク11、12に対応して設けられている。この第2純水流量調整開閉弁27は、開いたときに第2純水供給ライン22を通流する純水の流量を調整可能になっており、流量調整弁としての機能を兼ね備えている。
【0024】
第2純水供給ライン22の分岐部22aより上流側の部分に、第2純水流量計測器28が設けられている。この第2純水流量計測器28により計測された純水の流量が積算されることにより、第2純水供給ライン22を通流する各調合タンク11、12への純水の供給量が求められる。なお、本実施の形態においては、第2純水流量計測器28は、第2純水供給ライン22の小さな流量に対応できるように、第1純水流量計測器24よりも計測レンジが小さくなっている。しかしながら、第1純水流量計測器24が、第1純水供給ライン21を通流する大きな純水の流量と、第2純水供給ライン22を通流する小さな純水の流量とをいずれも計測可能である場合には、第2純水流量計測器28を省略することもできる。
【0025】
次に、硫酸の系統について説明する。
【0026】
図3に示すように、各調合タンク11、12には、当該調合タンク11、12に硫酸を供給する硫酸供給部が連結されている。本実施の形態においては、硫酸供給部は、硫酸を貯留して秤量可能な硫酸秤量タンク30(硫酸貯留タンク)により構成されている。この硫酸秤量タンク30は、各調合タンク11、12より高い位置に配置されている。このことにより、ポンプなどの駆動力を用いることなく、硫酸は、その自重により、各調合タンク11、12に供給されるように構成されている。
【0027】
硫酸秤量タンク30と各調合タンク11、12とは、互いに並列した第1硫酸供給ライン31および第2硫酸供給ライン32によって連結されている。第2硫酸供給ライン32(小流量硫酸供給ライン)における硫酸の流量は、第1硫酸供給ライン31(大流量硫酸供給ライン)における硫酸の流量より小さくなっている。第1硫酸供給ライン31の上流側の端部(硫酸秤量タンク30側の端部)および第2硫酸供給ライン32の上流側の端部は、メイン硫酸供給ライン33を介して硫酸秤量タンク30に連結されている。
【0028】
第1硫酸供給ライン31の下流側の端部は、調合タンク11、12に連結されている。すなわち、第1硫酸供給ライン31は、その途中位置で分岐されて、第1調合タンク11および第2調合タンク12に連結されている。また、硫酸秤量タンク30と各調合タンク11、12との間には第1硫酸供給開閉弁34が設けられている。具体的には、第1硫酸供給開閉弁34は、第1硫酸供給ライン31の分岐部31aより下流側の部分に、各調合タンク11、12に対応して設けられている。
【0029】
第1硫酸供給ライン31の分岐部31aより上流側の部分に、第1硫酸供給ライン31における硫酸の流量を調整する第1硫酸供給流量調整弁35が設けられている。この第1硫酸供給流量調整弁35と後述する第2硫酸供給流量調整弁37とによって、第1硫酸供給ライン31における硫酸の流量を、第2硫酸供給ライン32における硫酸の流量より大きな流量で調整可能になっている。なお、第1硫酸供給流量調整弁35は、第1硫酸供給ライン31の配管部分の流路断面積より小さい流路断面積となるように調整可能に構成されている。このため、第1硫酸供給ライン31における硫酸の供給流量を小さくすることができる。このことにより、調合タンク11、12への硫酸の供給流量を制限して調合タンク11、12に硫酸が少しずつ供給されるようにし、調合タンク11、12内における硫酸と水との発熱反応により、薬液が局所的に温度上昇することを抑制している。
【0030】
第1硫酸供給ライン31と同様に、第2硫酸供給ライン32は、その途中位置で分岐されて、第1調合タンク11および第2調合タンク12に連結されている。また、硫酸秤量タンク30と各調合タンク11、12との間には第2硫酸供給開閉弁36が設けられている。具体的には、第2硫酸供給開閉弁36は、第2硫酸供給ライン32の分岐部32aより下流側の部分に、各調合タンク11、12に対応して設けられている。
【0031】
第2硫酸供給ライン32の分岐部32aより上流側の部分に、第2硫酸供給ライン32における硫酸の流量を調整する第2硫酸供給流量調整弁37が設けられている。この第2硫酸供給流量調整弁37と上述した第1硫酸供給流量調整弁35とによって、第2硫酸供給ライン32における硫酸の流量が、第1硫酸供給ライン31における硫酸の流量より小さな流量で調整可能になっている。
【0032】
図3に示すように、硫酸秤量タンク30には、当該硫酸秤量タンク30に加圧下で硫酸を供給する硫酸供給源40が連結されている。この硫酸供給源40と硫酸秤量タンク30とは、硫酸貯留機構48によって連結されている。この硫酸貯留機構48について、以下に詳細に説明する。
【0033】
すなわち、硫酸供給源40と硫酸秤量タンク30とは、互いに並列した第1硫酸貯留ライン41および第2硫酸貯留ライン42によって連結されている。第2硫酸貯留ライン42(小流量硫酸貯留ライン)における硫酸の流量は、第1硫酸貯留ライン41(大流量硫酸貯留ライン)における硫酸の流量より小さくなっている。第1硫酸貯留ライン41の上流側の部分(硫酸供給源40側の部分)および第2硫酸貯留ライン42の上流側の部分は一体になって硫酸供給源40に連結されている。また、第1硫酸貯留ライン41の下流側の部分および第2硫酸貯留ライン42の下流側の部分は、合流してメイン硫酸供給ライン33に連結されている。
【0034】
第1硫酸貯留ライン41は、第1硫酸貯留開閉弁43を含んでいる。この第1硫酸貯留開閉弁43は、開いたときに硫酸の流量を調整可能になっており、流量調整弁としての機能を兼ね備えている。第1硫酸貯留開閉弁43と後述する硫酸貯留流量調整弁45とによって、第1硫酸貯留ライン41における硫酸の流量が、第2硫酸貯留ライン42における硫酸の流量より大きな流量で調整可能になっている。
【0035】
第2硫酸貯留ライン42は、第2硫酸貯留開閉弁44と、第2硫酸貯留開閉弁44より上流側に設けられた硫酸貯留流量調整弁45と、を含んでいる。このうち硫酸貯留流量調整弁45と上述した第1硫酸貯留開閉弁43とによって、第2硫酸貯留ライン42における硫酸の流量が、第1硫酸貯留ライン41における硫酸の流量より小さな流量で調整可能になっている。
【0036】
硫酸秤量タンク30は、硫酸秤量タンク30に貯留されている硫酸の液面を検出する硫酸供給用液面レベルセンサ30a、30bを有している。すなわち、硫酸秤量タンク30は、第1硫酸貯留量で貯留されている硫酸の液面に対応する位置(高さ)に設けられた第1硫酸液面レベルセンサ30aと、第1硫酸貯留量より少ない第2硫酸貯留量で貯留されている硫酸の液面に対応する位置に設けられた第2硫酸液面レベルセンサ30bと、を有している。
【0037】
また、硫酸秤量タンク30は、硫酸秤量タンク30に貯留されている硫酸の液面を検出する硫酸貯留用液面レベルセンサ30c、30dを有している。すなわち、硫酸秤量タンク30は、硫酸が第1硫酸貯留量より多い第3硫酸貯留量で貯留されている硫酸の液面に対応する位置に設けられた第3硫酸液面レベルセンサ30cと、第3硫酸貯留量より多い第4硫酸貯留量で貯留されている硫酸の液面に対応する位置に設けられた第4硫酸液面レベルセンサ30dと、を有している。
【0038】
ここで、第1硫酸貯留量は、硫酸秤量タンク30から調合タンク11、12に硫酸を供給する際に、硫酸の供給流量を切り換えるタイミングを決定するために設定されたものである。第3硫酸貯留量は、硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30に硫酸を供給して貯留する際に、硫酸の貯留流量を切り換えるタイミングを決定するために設定されたものである。また、第2硫酸貯留量および第4硫酸貯留量は、調合タンク11、12に供給される硫酸の供給量を決定して、生成される薬液の濃度を所望の濃度にするために設定されたものである。
【0039】
なお、第2硫酸液面レベルセンサ30bの下方には、硫酸秤量タンク30に硫酸が貯留されていないこと(空状態)を検出可能な第5硫酸液面レベルセンサ30eが設けられている。また、第4硫酸液面レベルセンサ30dの上方には、硫酸秤量タンク30が硫酸で満たされていること(満杯状態)を検出可能な第6硫酸液面レベルセンサ30fが設けられている。
【0040】
硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30に硫酸を供給(貯留)する際、コントローラ300は、第3硫酸液面レベルセンサ30cからのセンサ信号に基づいて硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第3硫酸貯留量(第2の設定量)を下回っていると判断した場合、第1硫酸貯留開閉弁43および第2硫酸貯留開閉弁44を開く。すなわち、硫酸供給源40から第1硫酸貯留ライン41および第2硫酸貯留ライン42を介して、硫酸秤量タンク30に硫酸が供給される。この場合、硫酸は、第1硫酸貯留ライン41における流量と第2硫酸貯留ライン42における流量との合計値(第1硫酸貯留流量)で硫酸秤量タンク30に供給される。このため、硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30への硫酸の供給速度を増大させることができる。
【0041】
また、コントローラ300は、第3硫酸液面レベルセンサ30cおよび第4硫酸液面レベルセンサ30dからのセンサ信号に基づいて硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第3硫酸貯留量に達したと共に、第4硫酸貯留量を下回っていると判断した場合、第2硫酸貯留開閉弁44を開いた状態で維持しながら第1硫酸貯留開閉弁43を閉じる。すなわち、硫酸供給源40から第2硫酸貯留ライン42のみを介して、硫酸秤量タンク30に硫酸が供給される。この場合、硫酸は、第2硫酸貯留ライン42における流量(第1硫酸貯留流量より小さい第2硫酸貯留流量)で硫酸秤量タンク30に供給される。このため、硫酸の貯留速度を低減することができる。
【0042】
そして、コントローラ300は、第4硫酸液面レベルセンサ30dからのセンサ信号に基づいて硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第4硫酸貯留量(第3の設定量)に達したと判断した場合、第2硫酸貯留開閉弁44を閉じる。すなわち、第2硫酸貯留ライン42による硫酸の供給を停止する。
【0043】
このようにして硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30に硫酸を供給して貯留することにより、硫酸の貯留時間を短縮すると共に、硫酸の貯留を停止させるタイミングの精度を向上させて、硫酸の貯留量(秤量)の精度を向上させることができる。
【0044】
一方、硫酸秤量タンク30から第1調合タンク11に硫酸を供給する際、コントローラ300は、第4硫酸液面レベルセンサ30dからのセンサ信号に基づいて、硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第4硫酸貯留量であると判断した場合、第1硫酸供給開閉弁34および第2硫酸供給開閉弁36を開く。すなわち、硫酸秤量タンク30から第1硫酸供給ライン31および第2硫酸供給ライン32を介して、第1調合タンク11に硫酸が供給される。この場合、硫酸は、第1硫酸供給ライン31における流量と第2硫酸供給ライン32における流量との合計値(第1硫酸供給流量)で第1調合タンク11に供給される。このため、硫酸秤量タンク30から第1調合タンク11への硫酸の供給速度を増大させることができる。
【0045】
また、コントローラ300は、第1硫酸液面レベルセンサ30aおよび第2硫酸液面レベルセンサ30bからのセンサ信号に基づいて、硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第2硫酸貯留量以上であり、かつ、第1硫酸貯留量(設定量)を下回ったと判断した場合、第2硫酸供給開閉弁36を開いた状態で維持しながら、第1硫酸供給開閉弁34を閉じる。すなわち、硫酸秤量タンク30から第2硫酸供給ライン32のみを介して、第1調合タンク11に硫酸が供給される。この場合、硫酸は、第2硫酸供給ライン32における流量(第1硫酸供給流量より小さい第2硫酸供給流量)で第1調合タンク11に供給される。このため、硫酸の供給速度を低減することができる。
【0046】
そして、コントローラ300は、第2硫酸液面レベルセンサ30bからのセンサ信号に基づいて硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第2硫酸貯留量を下回ったと判断した場合、第2硫酸供給開閉弁36を閉じる。すなわち、第2硫酸供給ライン32による硫酸の供給を停止する。
【0047】
このようにして硫酸秤量タンク30から第1調合タンク11に硫酸を供給することにより、硫酸の供給時間を短縮すると共に、硫酸の供給を停止させるタイミングの精度を向上させて、硫酸の供給量の精度を向上させることができる。なお、ここでは、第1調合タンク11に硫酸を供給する場合について説明したが、第2調合タンク12への硫酸の供給は、第1調合タンク11への硫酸の供給と同様に行うことができるため、第2調合タンク12に硫酸を供給する場合についての説明は省略する。
【0048】
次に、過水の系統について説明する。なお、過水の系統は、上述した硫酸の系統と同様な構成を有しているため、同様な部分については、概略的な説明に留め、より詳細な説明は省略する。
【0049】
図3に示すように、各調合タンク11、12には、当該調合タンク11、12に過水を供給する過水供給部が連結されている。本実施の形態においては、過水供給部は、過水を貯留して秤量可能な過水秤量タンク50により構成されている。過水秤量タンク50と各調合タンク11、12とは、第1過水供給ライン51、第2過水供給ライン52およびメイン過水供給ライン53とによって連結されている。このうち、第1過水供給ライン51の分岐部51aより下流側の部分に、第1過水供給開閉弁54が設けられている。なお、この第1過水供給開閉弁54は、開いたときに過水の流量を調整可能になっており、流量調整弁としての機能を兼ね備えている。第2過水供給ライン52の分岐部52aより下流側の部分に、第2過水供給開閉弁56が設けられている。また、第2過水供給ライン52の分岐部52aより上流側の部分に、第2過水供給ライン52における過水の流量を調整する過水供給流量調整弁57が設けられている。この過水供給流量調整弁57によって、第2過水供給ライン52における過水の流量が、第1過水供給ライン51における過水の流量より小さな流量で調整可能になっている。
【0050】
図3に示すように、過水秤量タンク50には、当該過水秤量タンク50に加圧下で過水を供給する過水供給源60が連結されている。この過水供給源60と過水秤量タンク50とは、硫酸貯留機構48と同様な構成および機能を有する過水貯留機構68によって連結されている。
【0051】
また、過水秤量タンク50には、過水秤量タンク50に貯留されている過水の液面を検出する第1〜第6過水液面レベルセンサ50a〜50fが設けられている。これらの過水液面レベルセンサ50a〜50fは、硫酸秤量タンク30に設けられた硫酸液面レベルセンサ30a〜30fと同様の構成および機能を有している。
【0052】
過水供給源60から過水秤量タンク50への過水の供給(貯留)は、上述した硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30への硫酸の供給(貯留)と同様にして行うことができる。また、過水秤量タンク50から調合タンク11、12への過水の供給は、上述した硫酸秤量タンク40から調合タンク11、12への硫酸の供給と同様にして行うことができる。
【0053】
次に、フッ酸の系統について説明する。なお、フッ酸の系統は、上述した硫酸の系統と同様な構成を有しているため、同様な部分については、概略的な説明に留め、より詳細な説明は省略する。
【0054】
図3に示すように、各調合タンク11、12には、当該調合タンク11、12にフッ酸を供給するフッ酸供給部が連結されている。本実施の形態においては、フッ酸供給部は、フッ酸を貯留して秤量可能な第1フッ酸秤量タンク70により構成されている。第1フッ酸秤量タンク70と各調合タンク11、12とは、第1フッ酸供給ライン71、第2フッ酸供給ライン72およびメインフッ酸供給ライン73とによって連結されている。このうち、第1フッ酸供給ライン71の分岐部71aより下流側の部分に、第1フッ酸供給開閉弁74が設けられている。なお、この第1フッ酸供給開閉弁74は、開いたときにフッ酸の流量を調整可能になっており、流量調整弁としての機能を兼ね備えている。第2フッ酸供給ライン72の分岐部72aより下流側の部分に、第2フッ酸供給開閉弁76が設けられている。また、第2フッ酸供給ライン72の分岐部72aより上流側の部分に、第2過フッ酸供給ライン72におけるフッ酸の流量を調整するフッ酸供給流量調整弁77が設けられている。このフッ酸供給流量調整弁77によって、第2フッ酸供給ライン72におけるフッ酸の流量が、第1フッ酸供給ライン71におけるフッ酸の流量より小さい流量で調整可能になっている。
【0055】
また、第1フッ酸秤量タンク70と各調合タンク11、12とは、第2フッ酸供給ライン72に並列した第3フッ酸供給ライン78(定量フッ酸供給ライン)によって連結されている。この第3フッ酸供給ライン78は、定量ポンプ79を有している。この定量ポンプ79は、第3フッ酸供給ライン78を通流するフッ酸の供給量を測定可能になっている。このことにより、第3フッ酸供給ライン78により調合タンク11、12へフッ酸を供給する場合、各調合タンク11、12へのフッ酸の供給量を定量ポンプ79によって設定することができ、各調合タンク11、12へのフッ酸の供給流量を柔軟に変更することができる。なお、この第3フッ酸供給ライン78は、例えば、調合タンク11、12内の薬液の濃度を変える場合に用いることが好適である。
【0056】
第2フッ酸供給ライン72と同様に、第3フッ酸供給ライン78は、その途中位置で分岐されて、第1調合タンク11および第2調合タンク12に連結されている。また、第1フッ酸秤量タンク70と各調合タンク11、12との間には第3フッ酸供給開閉弁80が設けられている。具体的には、第3フッ酸供給開閉弁80は、第3フッ酸供給ライン78の分岐部77aより下流側の部分に、各調合タンク11、12に対応して設けられている。なお、上述した定量ポンプ79は、第3フッ酸供給ライン78の分岐部77aより上流側の部分に設けられている。
【0057】
図3に示すように、第1フッ酸秤量タンク70には、当該第1フッ酸秤量タンク70に加圧下でフッ酸を供給するフッ酸供給源90が連結されている。このフッ酸供給源90と第1フッ酸秤量タンク70とは、硫酸貯留機構48と同様な構成および機能を有するフッ酸貯留機構98によって連結されている。
【0058】
また、第1フッ酸秤量タンク70には、第1フッ酸秤量タンク70に貯留されているフッ酸の液面を検出する第1〜第6フッ酸液面レベルセンサ70a〜70fが設けられている。これらのフッ酸液面レベルセンサ70a〜70fは、硫酸秤量タンク30に設けられた硫酸液面レベルセンサ30a〜30fと同様の構成および機能を有している。
【0059】
なお、本実施の形態においては、第1フッ酸秤量タンク70には、図3に示すように、第1フッ酸貯留量よりも多くかつ第3フッ酸貯留量よりも少ない第7フッ酸貯留量で貯留されているフッ酸の液面に対応する位置に設けられた第7フッ酸液面レベルセンサ70gと、第1フッ酸貯留量よりも多くかつ第7フッ酸貯留量よりも少ない第8フッ酸貯留量で貯留されているフッ酸の液面に対応する位置に設けられた第8フッ酸貯液面レベルセンサ70hと、が更に設けられている。
【0060】
フッ酸供給源90から第1フッ酸秤量タンク70へのフッ酸の供給(貯留)は、上述した硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30への硫酸の供給(貯留)と同様にして行うことができる。また、第1フッ酸秤量タンク70から調合タンク11、12へのフッ酸の供給は、上述した硫酸秤量タンク40から調合タンク11、12への硫酸の供給と同様にして行うことができる。
【0061】
なお、第3フッ酸供給ライン78を介して、第3フッ酸貯留量でフッ酸が貯留されている第1フッ酸秤量タンク70から第1調合タンク11にフッ酸を供給することもできる。この場合、コントローラ300は、第3フッ酸供給開閉弁80を開くと共に定量ポンプ79を駆動して、第1調合タンク70にフッ酸を供給することができる。そして、所定量のフッ酸が第1調合タンク70に供給された後、定量ポンプ79を停止する。
【0062】
また、本実施の形態においては、図3に示すように、フッ酸供給部は、上述した第1フッ酸秤量タンク70と、フッ酸を貯留して秤量可能であると共に第1フッ酸秤量タンク70より水平断面積が小さい第2フッ酸秤量タンク85と、により構成されている。この第2フッ酸秤量タンク85は、第1フッ酸秤量タンク70と同様に、各調合タンク11、12より高い位置に配置されている。このことにより、ポンプなどの駆動力を用いることなく、第2フッ酸秤量タンク85に貯留されたフッ酸は、その自重により、各調合タンク11、12に供給されるように構成されている。
【0063】
第2フッ酸秤量タンク85は、第1フッ酸秤量タンク70のフッ酸液面レベルセンサ70a〜70fと同様な第1〜第6フッ酸液面レベルセンサ85a〜85fを有している。このことにより、第1フッ酸秤量タンク70と同様にして、フッ酸供給源90から第2フッ酸秤量タンク85にフッ酸を供給して貯留することができると共に、各調合タンク11、12にフッ酸を供給することができる。
【0064】
メインフッ酸供給ライン73は、その途中位置で分岐されて、第1フッ酸秤量タンク70および第2フッ酸秤量タンク85に連結されている。また、メインフッ酸供給ライン73の分岐部73aより上流側の部分に、各フッ酸秤量タンク70、85に対応して第1メインフッ酸開閉弁86および第2メインフッ酸開閉弁87が設けられている。コントローラ300によって第1メインフッ酸開閉弁86および第2メインフッ酸開閉弁87を制御することにより、第1フッ酸秤量タンク70および第2フッ酸秤量タンク85にフッ酸供給源90からフッ酸を選択的に供給して貯留することができると共に、各調合タンク11、12にフッ酸を供給するフッ酸秤量タンクを選択することができる。このような底面積が小さい第2フッ酸秤量タンク85を用いることにより、フッ酸液面レベルセンサの検出誤差による影響を低減して、フッ酸の秤量の精度をより一層向上させることができる。
【0065】
次に、調合タンク11、12において生成された薬液を循環すると共に冷却する循環ライン100について説明する。
【0066】
図3に示すように、各調合タンク11、12には、循環ポンプ101を含む循環ライン100が連結されている。この循環ライン100は、当該循環ライン100を通流する薬液を加熱または冷却する温調器102と、当該薬液を冷却する水冷式の冷却器103と、を有している。このうち温調器102は、循環ポンプ101の上流側に配置され、冷却器103は、循環ポンプ101の下流側に配置されている。また、温調器102は、薬液の温度が目標温度より高い場合には薬液を冷却し、薬液の温度が目標温度より低い場合には薬液を加熱するように、コントローラ300によって制御される。
【0067】
また、循環ライン100は、循環ライン100を通流する薬液を、冷却器103を迂回して調合タンク11、12に流すバイパスライン106を有している。すなわち、循環ライン100は、温調器102および循環ポンプ101が設けられたメイン循環ライン104と、メイン循環ライン104から分岐した冷却循環ライン105およびバイパスライン106と、を有している。このうち冷却循環ライン105に冷却器103が設けられている。冷却循環ライン105の下流側の部分およびバイパスライン106の下流側の部分は、合流して調合タンク11、12に連結されている。このうちメイン循環ライン104の循環ポンプ101の下流側の部分に、第1循環開閉弁107が設けられている。この第1循環開閉弁107は、メイン循環ライン104と後述する薬液供給ライン120との連結部120aより下流側に配置されている。また、冷却循環ライン105の冷却器103の上流側の部分に第2循環開閉弁108が設けられ、冷却器103の下流側の部分に第3循環開閉弁109が設けられている。さらに、バイパスライン106に、第4循環開閉弁110が設けられている。
【0068】
メイン循環ライン104には、薬液供給ライン120を介して、上述した薬液貯留タンク220が連結されている。このようにして、調合タンク11、12において生成された薬液は、メイン循環ライン104および薬液供給ライン120を介して薬液貯留タンク220に供給されるように構成されている。なお、薬液供給ライン120は、薬液供給開閉弁121を含んでいる。また、薬液供給ライン120は、その途中位置で分岐されて、第1調合タンク11側のメイン供給ライン104および第2調合タンク12側のメイン供給ライン104に連結されている。
【0069】
また、調合タンク11、12には、メイン循環ライン104および濃度測定ライン130を介して、濃度測定部132が連結されている。このようにして、メイン循環ライン104を通流する薬液の濃度が、濃度測定部132によって測定されるように構成されている。なお、濃度測定ライン130は、濃度測定開閉弁131を含んでいる。また、濃度測定ライン130は、その途中位置で分岐されて、第1調合タンク11側のメイン循環ライン104および第2調合タンク12側のメイン循環ライン104に連結されている。また、本実施の形態においては、濃度測定ライン130とメイン循環ライン104との連結部130aは、循環ポンプ101の下流側であって、メイン循環ライン104と薬液供給ライン120との連結部120aより上流側に配置されている。
【0070】
コントローラ300は、液処理装置200の全ての機能部品(例えば、各種開閉弁、流量調整弁、ポンプ等)の動作を制御する。コントローラ300は、ハードウエアとして例えば汎用コンピュータと、ソフトウエアとして当該コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラム(装置制御プログラムおよび処理レシピ等)とにより実現することができる。ソフトウエアは、コンピュータに固定的に設けられたハードディスクドライブ等の記録媒体に記録されるか、あるいはCD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の着脱可能にコンピュータにセットされる記録媒体に記録される。このような記録媒体が図2において参照符号301で示されている。プロセッサ302は必要に応じて図示しないユーザーインターフェースからの指示等に基づいて所定の処理レシピを記録媒体301から呼び出して実行させ、これによってコントローラ300の制御の下で液処理装置200の各機能部品が動作して所定の処理が行われる。コントローラ300は、図1に示す液処理装置全体を制御するシステムコントローラであってもよい。
【0071】
次に、上述した液処理装置200を用いて、ウエハWに残留しているポリマーを除去する洗浄処理の一連の工程について図4乃至図8を用いて説明する。以下に示す洗浄処理の一連の工程は、コントローラ300が、記録媒体301に記録された、当該一連の工程を実行するためのコンピュータプログラムに基づいて、液処理装置200の各機能部品の動作を制御することにより行われる。なお、ここでは、第1調合タンク11で薬液を生成する工程と、第2調合タンク12で薬液を生成する工程とは、同様に行われるため、第1調合タンク11で薬液を生成する工程について説明し、第2調合タンク12で薬液を生成する工程についての説明は省略する。
【0072】
本実施の形態における液処理方法では、まず、第1調合タンク11において、供給された純水、硫酸、過水およびフッ酸が調合されて薬液を生成する薬液生成工程と、生成された薬液を用いてウエハWを液処理する液処理工程と、が行われる。このうち、まず初めに、薬液生成工程について説明する。なお、ここでは、便宜上、第1調合タンク11には薬液が存在しないものとし、硫酸秤量タンク30には、第3硫酸貯留量で硫酸が貯留されている状態、過水秤量タンク50には、第3過水貯留量で過水が貯留されている状態、第1フッ酸秤量タンク70には、第3フッ酸貯留量でフッ酸が貯留されている状態から、以下の工程が行われる場合について説明する。
【0073】
薬液生成工程においては、まず、図4に示すように、純水供給源20から第1調合タンク11への純水の供給が開始される。すなわち、図5(a)に示すように、第1純水流量調整開閉弁26が開いて、純水は、第1純水供給流量で、純水供給源20から第1純水供給ライン21を介して第1調合タンク11に供給される。純水が供給されている間、第1純水流量計測器24により純水の流量が計測され、計測された純水の流量が積算されて、第1調合タンク11への純水の供給量が求められる。この第1調合タンク11への純水の供給量が、設定供給量に達した後、第1純水流量調整開閉弁26が、純水の流量が小さくなるように調整される。すなわち、純水は、第1純水供給流量より小さい第2純水供給流量で、第1調合タンク11に供給されるようになる。このことにより、第1調合タンク11への純水の供給速度が低減される。その後、更に、第1純水供給ライン21によって第2純水供給流量で純水が供給され、混合薬液を生成するための目標純水供給量に達した後、図5(b)に示すように、第1純水流量調整開閉弁26を閉じて純水の供給を停止する。
【0074】
この純水の供給の開始とほぼ同時に、硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30に硫酸の貯留(供給)が開始される。この場合、まず、図6(a)に示すように、硫酸秤量タンク30には、上述したように、すでに第3硫酸貯留量で硫酸が貯留されている(第3硫酸貯留量に達していると共に、第4硫酸貯留量を下回っている)ため、コントローラ300によって第2硫酸貯留開閉弁44が開かれる。このことにより、硫酸が、第1硫酸貯留流量より小さい第2硫酸貯留流量で、硫酸供給源40から第2硫酸貯留ライン42のみを介して硫酸秤量タンク30に供給されて貯留される。そして、硫酸の貯留量が第4硫酸貯留量に達した後(より詳細には、第4硫酸液面レベルセンサ30dが、硫酸の貯留量が第4硫酸貯留量に達したと検出した直後)、図6(b)に示すように、第2硫酸貯留開閉弁44が閉じられ、硫酸秤量タンク30への硫酸の供給が停止する。このことにより、硫酸秤量タンク30に第4硫酸貯留量で硫酸が貯留される。この場合、硫酸の供給速度を低減しているため、硫酸の貯留を停止させるタイミングの精度を向上させて、硫酸の貯留量(秤量)の精度を向上させることができる。
【0075】
また、硫酸秤量タンク30への硫酸の供給と同様にして、過水供給源60から過水秤量タンク50に過水が供給され、過水秤量タンク50に第4過水貯留量で過水が貯留される。さらに、フッ酸供給源90から第1フッ酸秤量タンク70にフッ酸が供給され、第1フッ酸秤量タンク70に第4フッ酸貯留量でフッ酸が貯留される。
【0076】
第1調合タンク11への純水の供給を開始した後、図4に示すように、循環ポンプ101の駆動が開始される。より具体的には、第1調合タンク11に循環ポンプ101(図3参照)を駆動可能な程度に純水が供給された後、第1循環開閉弁107、第2循環開閉弁108および第3循環開閉弁109が開くと共に、循環ポンプ101が駆動される。このことにより、第1調合タンク11に供給された純水が、循環ライン100のメイン循環ライン104および冷却循環ライン105を通流して第1調合タンク11に戻るという循環流れが形成される。この際、循環ライン100を通流する純水は、温調器102および冷却器103を通る。なお、図4に示すように、第1調合タンク11への純水の供給を開始した後であって循環ポンプ101を駆動する前に、第1調合タンク11への過水の供給を開始した場合には、第1調合タンク11に供給された純水と過水とが、循環ポンプ101を駆動可能な程度に供給された後、循環ポンプ101を駆動することができる。
【0077】
循環ポンプ101の駆動を開始した後、図4に示すように、硫酸秤量タンク30から第1調合タンク11への硫酸の供給が開始される。より具体的には、図6(c)に示すように、硫酸秤量タンク30に第4硫酸貯留量で硫酸が貯留されているため、コントローラ300によって第1硫酸供給開閉弁34および第2硫酸供給開閉弁36が開かれる。このことにより、硫酸が、第1硫酸供給流量で、硫酸秤量タンク30から第1硫酸供給ライン31および第2硫酸供給ライン32を介して第1調合タンク11に供給される。第1調合タンク11に供給された硫酸は、循環流れが形成されている純水に迅速に拡散されて調合され、薬液が生成される。また、生成された薬液は、循環ライン100の温調器102および冷却器103によって冷却される。
【0078】
第1調合タンク11に硫酸を供給している間、硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第1硫酸貯留量を下回った後(より詳細には、第1硫酸液面レベルセンサ30aが、硫酸の貯留量が第1硫酸貯留量を下回ったと検出した直後)、図6(d)に示すように、第1硫酸供給開閉弁34が閉じられて、第1硫酸供給ライン31による硫酸の供給を停止する。このことにより、硫酸が、第1硫酸供給流量より小さい第2硫酸供給流量で、硫酸秤量タンク30から第2硫酸供給ライン32のみを介して第1調合タンク11に供給される。この場合、硫酸の供給速度を低減することができる。
【0079】
そして、硫酸の貯留量が第2硫酸貯留量を下回った後(より詳細には、第2硫酸液面レベルセンサ30bが、硫酸の貯留量が第2硫酸貯留量を下回ったと検出した直後)、図6(e)に示すように、第2硫酸供給開閉弁36が閉じられ、第1調合タンク11への硫酸の供給を停止する。このようにして、硫酸の第1調合タンク11への供給が終了する。この場合、硫酸の供給速度が低減され、硫酸の供給を停止させるタイミングの精度を向上させることができ、硫酸の供給量の精度を向上させることができる。なお、この場合、硫酸秤量タンク30には第2硫酸貯留量の硫酸が残留する。
【0080】
第1調合タンク11への硫酸の供給が終了した後、硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30に硫酸が供給されて貯留される。この場合、図6(f)に示すように、硫酸秤量タンク30には、上述したように第2硫酸貯留量で硫酸が貯留されている(第3硫酸貯留量を下回っている)ため、コントローラ300によって第1硫酸貯留開閉弁43および第2硫酸貯留開閉弁44が開かれる。このことにより、硫酸が、第1硫酸貯留流量で、硫酸供給源40から第1硫酸貯留ライン41および第2硫酸貯留ライン42を介して硫酸秤量タンク30に供給される。そして、硫酸の貯留量が第3硫酸貯留量に達した後、図6(g)に示すように、第1硫酸貯留開閉弁43および第2硫酸貯留開閉弁44が閉じられる。このことにより、硫酸秤量タンク30に第3硫酸貯留量で硫酸が貯留される。なお、ここでは、第3硫酸貯留量で硫酸が貯留された後、硫酸の供給を停止し、硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第3硫酸貯留量で維持される。そして、この後に、第1調合タンク11への硫酸の供給を開始する直前に、上述したようにして硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30へ第2硫酸貯留流量で硫酸を供給し、硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量を第3硫酸貯留量から第4硫酸貯留量に増やす。このように、第1調合タンク11への硫酸の供給を開始する直前に硫酸を第4硫酸貯留量まで貯留することにより、硫酸が第4硫酸貯留量で貯留された後に他の用途等で使用されて硫酸の秤量をやり直すことを回避できる。また、この場合、硫酸秤量タンク30内において揮発等により液面が低下して、第4硫酸液面レベルセンサ30dがその液面の低下を検出することができない場合であっても、硫酸が第4硫酸貯留量まで貯留された後に第1調合タンク11への硫酸の供給を開始することができ、第1調合タンク11への硫酸の供給量が低減することを未然に防止することができる。
【0081】
ところで、本実施の形態による薬液生成工程においては、第1調合タンク11に過水およびフッ酸が供給される。このうち過水の第1調合タンク11への供給は、図4に示すように、第1調合タンク11への純水の供給が開始された後であって循環ポンプ101を駆動する前に開始されることが好適である。過水は、上述した硫酸と同様にして第1調合タンク11に供給される。このため、ここでは、詳細な説明は省略する。なお、過水の第1調合タンク11への供給が終了した後、硫酸と同様にして、過水供給源60から過水秤量タンク50に過水が供給され、過水秤量タンク50に第3過水貯留量で過水が貯留される。
【0082】
また、フッ酸の第1調合タンク11への供給は、図4に示すように、駆動ポンプを循環した後であって第1調合タンク11への硫酸の供給が開始される前に開始されることが好適である。この場合、まず、第1メインフッ酸開閉弁86が開き、上述した硫酸と同様にして、第1フッ酸供給流量による供給が行われ、その後、第2フッ酸供給流量による供給が行われる。ここでのフッ酸の供給の詳細については、硫酸と同様であるため、省略する。第1フッ酸供給ライン71および第2フッ酸供給ライン72によるフッ酸の第1調合タンク11への供給が終了した後、硫酸と同様にして、フッ酸供給源90から第1フッ酸秤量タンク70にフッ酸が供給され、第1フッ酸秤量タンク70に、第3フッ酸貯留量でフッ酸が貯留される。
【0083】
第1フッ酸秤量タンク70に第3フッ酸貯留量でフッ酸が貯留された後、第1調合タンク11内の薬液の濃度を変更する場合には、第3フッ酸供給ライン78を介して第1調合タンク11にフッ酸を供給するようにしてもよい。この場合、第3フッ酸供給開閉弁80が開かれることにより、第1フッ酸秤量タンク70から第3フッ酸供給ライン78を介して第1調合タンク11にフッ酸を供給することができる。このことにより、定量ポンプ79によって設定された所望の供給量で、フッ酸を第1調合タンク11に供給することができる。第3フッ酸供給ライン73によるフッ酸の第1調合タンク11への供給が終了した後、硫酸と同様にして、フッ酸供給源90から第1フッ酸秤量タンク70にフッ酸が供給され、第1フッ酸秤量タンク70に、第3フッ酸貯留量でフッ酸が貯留される。
【0084】
また、第1調合タンク11に、硫酸、フッ酸が供給されている間、循環ポンプ101が駆動されて、第1調合タンク11内の薬液が循環する。薬液が循環している間、第1調合タンク11内の薬液の温度が目標温度(好適には常温)より高い場合には、図7(a)に示すように、第1循環開閉弁107、第2循環開閉弁108および第3循環開閉弁109が開く。このことにより、薬液は、メイン循環ライン104および冷却循環ライン105を通って第1調合タンク11に戻される。この場合、薬液は、温調器102によって冷却されると共に、冷却器103によっても冷却される。
【0085】
第1調合タンク11内の薬液が温調器102および冷却器103により冷却された後、薬液の温度が目標温度に達した場合には、図7(b)に示すように、第2循環開閉弁108および第3循環開閉弁109が閉じられると共に、第4循環開閉弁110が開かれる。このことにより、薬液は、メイン循環ライン104およびバイパスライン106を通流して、冷却器103を迂回して第1調合タンク11に戻される。このことにより、冷却器103による薬液の冷却が終了する。その後、薬液は、その温度が目標温度より高くなった場合には、温調器102によって冷却され、温度が目標温度より低くなった場合には、温調器102によって加熱される。
【0086】
薬液がメイン循環ライン104およびバイパスライン106の通流を開始した後、生成された薬液の濃度が測定される。この場合、濃度測定開閉弁131(図3参照)が開かれ、メイン循環ライン104内の薬液の一部が、濃度測定ライン130を介して、濃度測定部132に供給される。この濃度測定部132によって、供給された薬液の濃度が測定される。その後、濃度測定開閉弁131が閉じられて、薬液の濃度測定が終了する。なお、濃度測定を行っている間においても、薬液は、循環ライン100のメイン循環ライン104およびバイパスライン106を通って循環されている(図7(b)参照)。
【0087】
濃度測定部132によって測定された薬液の濃度に基づいて、第1調合タンク11に、純水、硫酸、過水およびフッ酸が、目標濃度とするために必要な補充量で補充されて、第1調合タンク11内の薬液の濃度が調整される。
【0088】
このうち、純水は、図8(a)に示すように、第2純水流量調整開閉弁27が開かれることにより、純水供給源20から第2純水供給ライン22を介して第1調合タンク11に補充(供給)される。この間、第2純水流量計測器28により純水の流量が計測され、計測された純水の流量が積算されて、第1調合タンク11への純水の補充量が求められる。この求められた補充量が必要な補充量に達した後、第2純水流量調整開閉弁27が閉じられて純水の補充を停止する。
【0089】
硫酸は、図8(b)に示すように、第2硫酸供給開閉弁36が開かれることにより、硫酸秤量タンク30から第2硫酸供給ライン32を介して第1調合タンク11に補充(供給)される。このことにより、硫酸が、第1硫酸供給流量より小さい第2硫酸供給流量で、硫酸秤量タンク30から第2硫酸供給ライン32を介して第1調合タンク11に補充される。第1調合タンク11に必要な補充量の硫酸が補充された後、第2硫酸供給開閉弁36が閉じられて硫酸の補充を停止する。この際、予め測定しておいた第2硫酸供給流量に基づいて、第2硫酸供給開閉弁36の開時間を制御することにより、硫酸を必要な補充量で補充することができる。硫酸の補充を停止した後、硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30へ、補充量に相当する量の硫酸が供給されて貯留される。
【0090】
過水は、硫酸と同様にして、第1調合タンク11に必要な補充量で補充される。過水の補充を停止した後、過水供給源60から過水秤量タンク50へ、補充量に相当する量の過水が供給されて貯留される。
【0091】
フッ酸は、図8(c)に示すように、第1メインフッ酸開閉弁86および第3フッ酸供給開閉弁80が開かれることにより、第1フッ酸秤量タンク70から第3フッ酸供給ライン78を介して第1調合タンク11に補充(供給)される。このことにより、定量ポンプ79によって設定された必要な補充量で、フッ酸を第1フッ酸秤量タンク70から第3フッ酸供給ライン78を介して第1調合タンク11に補充することができる。第1調合タンク11に必要な補充量のフッ酸が補充された後、第1メインフッ酸開閉弁86および第3フッ酸供給開閉弁80が閉じられてフッ酸の補充を停止する。フッ酸の補充を停止した後、フッ酸供給源90から第1過水秤量タンク70へ、補充量に相当する量のフッ酸が供給されて貯留される。
【0092】
このようにして、純水、硫酸、過水およびフッ酸が、それぞれ、必要な補充量で第1調合タンク11に補充されて、第1調合タンク11内の薬液の濃度が調整される。このことにより、第1調合タンク11内の薬液の濃度の精度を向上させることができる。なお、純水、硫酸、過水およびフッ酸が補充されている間においても、薬液は、循環ライン100のメイン循環ライン104およびバイパスライン106を通って循環されている(図7(b)参照)。
【0093】
純水、硫酸、過水およびフッ酸が補充された後、上述した1度目の濃度測定と同様にして薬液の濃度が再び測定される。なお、補充後の濃度測定が終了した後であっても、薬液は循環ライン100のメイン循環ライン104およびバイパスライン106を通って循環されている。
【0094】
以上のようにして、目標温度かつ目標濃度の薬液が生成され、薬液生成工程が終了する。薬液生成工程が終了した後、生成された薬液を用いてウエハWの液処理が行われる(液処理工程)。
【0095】
まず、薬液供給開閉弁121が開かれ、第1調合タンク11内の薬液が、メイン循環ライン104および薬液供給ライン120を介して、薬液貯留タンク220(図2参照)に供給される。
【0096】
続いて、ウエハWが薬液を用いて薬液処理される。この場合、薬液貯留タンク220から液処理部210のノズル216に薬液が供給され、基板保持部215に保持されたウエハWに薬液が吐出される。ウエハWに吐出された薬液は、ウエハWの側方に飛散してカップ217によって案内されてドレイン218に回収されて、ドレインラインに排出される。
【0097】
次に、ウエハWは純水を用いてリンス処理される。この場合、ノズル216に純水が供給され、基板保持部215に保持されたウエハWに純水が吐出される。その後、ウエハWは乾燥処理される。
【0098】
このようにして、ウエハWの液処理が終了する。その後、ウエハWが入れ替えられて次のウエハWの液処理が同様にして行われ、薬液貯留タンク220に貯留された薬液を用いて所定枚数のウエハWの液処理が連続的に行われる。
【0099】
このように本実施の形態によれば、調合タンク11、12へ純水が供給されて循環ポンプ101の駆動が開始された後、当該調合タンク11、12に硫酸の供給が開始される。このことにより、調合タンク11、12に供給された硫酸を、循環流れが形成されている純水に供給することができ、硫酸を純水に迅速に拡散させることができる。このため、純水と硫酸との発熱反応によって薬液が局所的に温度上昇することを抑制でき、薬液の冷却時間を短くすることができる。この結果、薬液の生成時間を短縮することができる。
【0100】
また、本実施の形態によれば、調合タンク11、12内の薬液は、循環ライン100によって循環される際、温調器102によって冷却されると共に、冷却器103によっても冷却することができる。このことにより、薬液の冷却時間を短くすることができる。とりわけ、冷却器103が循環ポンプ101の下流側に設けられていることにより、循環ポンプ101を通流した薬液を確実に冷却することができる。このため、薬液の冷却時間をより一層短くすることができる。
【0101】
また、本実施の形態によれば、調合タンク11、12内の薬液の温度が目標温度に達した後、バイパスライン106によって冷却器103を迂回させることができる。このことにより、冷却器103の熱容量(ヒートマス)によって、薬液が過剰に冷却されることを防止することができ、薬液の温度を、迅速に目標温度に到達させることができる。
【0102】
また、本実施の形態によれば、純水供給源20と調合タンク11、12とは、互いに並列した第1純水供給ライン21および第2純水供給ライン22によって連結されており、第2純水供給ライン22における純水の流量は、第1純水供給ライン21における純水の流量より小さくなっている。このことにより、第1純水供給ライン21により調合タンク11、12に純水を供給する場合には、純水の供給時間を短縮することができる。また、第2純水供給ライン22により調合タンク11、12に純水を供給する場合には、調合タンク11、12への純水の供給速度を低減することができ、純水の供給を停止させるタイミングの精度を向上させて、調合タンク11、12への純水の供給量の精度を向上させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第1純水供給ライン21は、第1純水流量調整開閉弁26を含んでいることにより、第1純水供給ライン21における純水の流量を調整することができる。この場合、第1純水供給ライン21において、大流量(第1硫酸供給流量)の純水を供給する場合には、純水の供給時間を短縮することができ、小流量(第2硫酸供給流量)の純水を供給する場合には、純水の供給量の精度を向上させることができる。
【0103】
また、本実施の形態によれば、硫酸秤量タンク30と調合タンク11、12とは、互いに並列した第1硫酸供給ライン31および第2硫酸供給ライン32によって連結されており、第2硫酸供給ライン32における硫酸の流量は、第1硫酸供給ライン31における硫酸の流量より小さくなっている。このことにより、第1硫酸供給ライン31および第2硫酸供給ライン32により調合タンク11、12に硫酸を第1硫酸供給流量で供給する場合には、硫酸の供給時間を短縮することができる。また、第2硫酸供給ライン32により調合タンク11、12に硫酸を第2硫酸供給流量で供給する場合には、調合タンク11、12への硫酸の供給速度を低減することができる。この場合、硫酸の供給を停止させるタイミングの精度を向上させて、調合タンク11、12への硫酸の供給量の精度を向上させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第1硫酸液面レベルセンサ30aおよび第2硫酸液面レベルセンサ30bを用いて硫酸秤量タンク30から調合タンク11、12に硫酸が供給される。このことにより、調合タンク11、12への硫酸の供給量の精度をより一層向上させることができる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、硫酸供給源40と硫酸秤量タンク30とは、互いに並列した第1硫酸貯留ライン41および第2硫酸貯留ライン42によって連結されており、第2硫酸貯留ライン42における硫酸の流量は、第1硫酸貯留ライン41における硫酸の流量より小さくなっている。このことにより、第1硫酸貯留ライン41および第2硫酸貯留ライン42により硫酸秤量タンク30に硫酸を第1硫酸貯留流量で供給(貯留)する場合には、硫酸の供給時間を短縮することができる。また、第2の硫酸貯留ラインにより硫酸秤量タンク30に硫酸を第2硫酸貯留流量で供給する場合には、硫酸秤量タンク30への硫酸の供給速度を低減することができる。この場合、硫酸の貯留を停止させるタイミングの精度を向上させて、硫酸秤量タンク30への硫酸の貯留量(秤量)の精度を向上させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第3硫酸液面レベルセンサ30cおよび第4硫酸液面レベルセンサ30dを用いて硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30に硫酸が供給される。このことにより、硫酸秤量タンク30への硫酸の貯留量(秤量)の精度をより一層向上させることができる。
【0105】
また、本実施の形態によれば、第2硫酸貯留流量で硫酸供給源40から硫酸秤量タンク30に硫酸を供給する際、硫酸秤量タンク30における硫酸の貯留量が第4硫酸貯留量に達した後、硫酸供給源40から硫酸貯留タンク30への硫酸の供給を停止し、その後、硫酸貯留タンク30から調合タンク11、12への硫酸の供給が開始される。すなわち、硫酸秤量タンク30において、硫酸は、調合タンク11、12への硫酸の供給を開始する直前に第4硫酸貯留量まで貯留される。このことにより、硫酸秤量タンク30内において揮発等により液面が低下して、第4硫酸液面レベルセンサ30dがその液面の低下を検出することができない場合であっても、硫酸が第4硫酸貯留量まで貯留された後に調合タンク11、12への硫酸の供給を開始することができる。このため、調合タンク11、12への硫酸の供給量が低減することを未然に防止することができ、調合タンク11、12への硫酸の供給量の精度をより一層向上させることができる。
【0106】
さらに、本実施の形態によれば、調合タンク11、12に濃度測定部132が連結されている。このことにより、調合タンク11、12内の薬液の濃度を測定することができる。また、測定された薬液の濃度に基づいて、調合タンク11、12に、必要に応じて、純水、硫酸、過水およびフッ酸を、目標濃度にするために必要な補充量で補充することができ、調合タンク11、12内の薬液の濃度の精度をより一層向上させることができる。
【0107】
なお、本実施の形態による液処理装置および液処理方法は、上記の態様に限定されるものではなく、様々な変更を加えることができる。
【0108】
なお、本実施の形態においては、純水供給部が、純水供給源20により構成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、純水供給部が、硫酸の系統等と同様に、純水秤量タンク(図示せず)により構成され、この純水秤量タンクに、純水供給源20が連結されるようにしてもよい。この場合、調合タンク11、12に供給される純水の供給量の精度をより一層向上させることができる。
【0109】
また、本実施の形態においては、調合タンク11、12に純水を供給する際、まず、第1純水供給流量で純水を供給し、その後に、第1純水流量調整開閉弁26により流量を調整することにより、第1純水供給流量より小さい第2純水供給流量で純水を供給する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、まず、第1純水供給ライン21で純水を供給し、その後に、第2純水供給ライン22で、第1純水供給ライン21における純水の流量より小さい流量で純水を供給してもよい。
【0110】
また、本実施の形態においては、硫酸供給部が、硫酸秤量タンク30により構成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、調合タンク11、12への硫酸の供給量の精度を確保することが可能であれば、硫酸供給部が、純水の系統と同様にして、硫酸供給源40により構成させることもできる。この場合においても、循環ポンプ101の駆動が開始された後、当該調合タンク11、12に硫酸の供給を開始することにより、薬液の冷却時間を短縮することができる。過水、フッ酸についても同様である。
【0111】
また、本実施の形態においては、第1過水供給開閉弁54は、流量調整弁としての機能を兼ね備えている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1硫酸供給流量調整弁35と同様にして、第1過水供給ライン51の分岐部51aより上流側の部分に過水供給流量調整弁を設けてもよい。この場合、第1過水供給開閉弁54は、流量調整弁としての機能を有しないようにすることができる。第1フッ酸供給開閉弁74についても同様である。
【0112】
さらに、本実施の形態においては、硫酸と純水とを調合して混合薬液を生成する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、調合する際に発熱反応によって使用温度よりも高い温度に上昇する任意の液体の組み合わせに本発明の概念を適用することができる。
【符号の説明】
【0113】
11 第1調合タンク
12 第2調合タンク
20 純水供給源
30 硫酸秤量タンク
30a〜30d 硫酸液面レベルセンサ
31 第1硫酸供給ライン
32 第2硫酸供給ライン
34 第1硫酸供給開閉弁
36 第2硫酸供給開閉弁
40 硫酸供給源
41 第1硫酸貯留ライン
42 第2硫酸貯留ライン
43 第1硫酸貯留開閉弁
44 第2硫酸貯留開閉弁
50 過水秤量タンク
70 第1フッ酸秤量タンク
100 循環ライン
101 循環ポンプ
102 温調器
103 冷却器
106 バイパスライン
132 濃度測定部
200 液処理装置
210 液処理部
300 コントローラ
301 記録媒体
W ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8