特許第5792613号(P5792613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792613
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】プラズマエッチング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L21/302 101D
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-287257(P2011-287257)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-138052(P2013-138052A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 秀則
(72)【発明者】
【氏名】紺野 秋彦
(72)【発明者】
【氏名】安並 久夫
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−260424(JP,A)
【文献】 特開2009−239054(JP,A)
【文献】 特開平10−144654(JP,A)
【文献】 特開2005−303130(JP,A)
【文献】 特表2006−500781(JP,A)
【文献】 特開昭63−043321(JP,A)
【文献】 特開2007−220939(JP,A)
【文献】 特開平04−192327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
または穴のパターンを用いてシリコンをプラズマエッチングするプラズマエッチング方法において、
フッ素含有ガスと酸素含有ガス混合ガスを用いて前記シリコンをプラズマエッチングする第一のステップと、
前記混合ガスを用い、処理圧力を前記第一のステップの処理圧力より低い処理圧力とし、前記シリコンが載置された試料台に供給される高周波電力を前記第一のステップの高周波電力より増加させた高周波電力として前記第一のステップ後の前記シリコンをプラズマエッチングする第二のステップと、
前記混合ガスを用い、処理圧力を前記第二のステップの処理圧力より低い処理圧力とし、高周波電力を前記第二のステップの高周波電力より増加させた高周波電力として前記第二のステップ後の前記シリコンをプラズマエッチングする第三のステップとを有し、
前記第一のステップは、第一の所定の深さに到達するまで行われ、
前記第二のステップは、第二の所定の深さに到達するまで行われ、
前記第三のステップは、第三の所定の深さに到達するまで行われ、
前記第一のステップの処理圧力および高周波電力は、それぞれ設定された値で前記第一のステップの処理時間内、維持され、
前記第二のステップの処理圧力および高周波電力は、それぞれ設定された値で前記第二のステップの処理時間内、維持され、
前記第三のステップの処理圧力および高周波電力は、それぞれ設定された値で前記第三のステップの処理時間内、維持されることを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマエッチング方法において、
前記第一のステップ、前記第二のステップおよび前記第三のステップのそれぞれの深さをエッチング深さをモニタする手段を用いてモニタすることを特徴とするプラズマエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスを形成するためのプラズマエッチング方法に係り、特にシリコンをプラズマエッチングするプラズマエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシリコントレンチエッチング技術を用いた半導体デバイスは、トレンチゲート構造を有するパワーデバイスや素子分離構造を用いた複合素子デバイス等の比較的アスペクト比が小さい構造のシリコントレンチが主流であった。
【0003】
しかし、近年では、従来のプラズマエッチングを用いていなかったスーパージャンクション構造のパワーデバイスにもシリコントレンチエッチング技術の適用が検討されつつあり、また、積層デバイスを形成する手段としてThrough Silicon Via(TSV)技術の適用等のアスペクト比がより大きい構造へのシリコントレンチエッチング技術の適用が進んでいる。シリコントレンチエッチングとして、特許文献1には、シリコン基板に対してSF6ガスとO2ガスとSiF4ガスからなる混合ガスに、Hを含有するガスを添加したプラズマでシリコントレンチ(以下、トレンチと称する)を形成することにより、トレンチ側壁面にえぐれや面荒れのないトレンチエッチングを実現できることが開示されている。
【0004】
例えば、SF6ガスとO2ガスとSiF4ガスとの混合ガスを用いたプラズマエッチングによりトレンチを形成しようとすると、図2(b)に示すようにトレンチ開口部203よりシリコンエッチングが進行する。ここで、所望のエッチング深さが比較的浅い場合は、トレンチ側壁へのイオン損傷が無く、鉛直な形状を維持したエッチングが可能であるが、図2(c)に示すように、同一エッチング条件にて更に深くエッチングを行うと深さ方向のエッチング進行と同時に側壁保護性が不十分となり、結果的にボーイング形状やトレンチの側面荒れという問題が生じやすい。
【0005】
このようなボーイング形状やトレンチの側面荒れを抑制する手段としては、トレンチ内に過剰に供給されるフッ素ラジカルを減少させること、すなわち、フッ素系のガス流量低下や解離を抑制するためにマイクロ波出力を低下させることなどが挙げられる。
【0006】
しかし、その場合の課題としては、図2(d)や図2(e)に示すようなテーパ形状になったり、更にはエッチングレート低下、または、トレンチの深さ方向に対するエッチング抑制によるエッチングストップ等の弊害が生じる。このことにより、エッチング形状維持とエッチングレート低下抑制の性能がトレードオフの関係となり、同一エッチング条件でこれらの性能を両立させることが非常に困難となっている。
【0007】
上述した通り、特許文献1に記載された従来技術においては、トレンチの深さ方向(高アスペクト比)でのエッチレートの変化やエッチング形状の変化が顕著になりやすい。また、レシピで指定した一定時間中は安定した一定制御であるため、エッチング進行に伴い、アスペクト比が大きくなった場合に、初期のエッチング性能を維持できず、エッチング特性が変化してしまう。
【0008】
これらの問題の解決方法として、特許文献2に、いわゆるボッシュプロセスと呼ばれる技術でエッチングガスと有機堆積物形成ガスが交互に導入されて形成されるプラズマを用いてエッチングを実施する過程で、印加電力を時間と共に上昇させることにより、垂直性の高い異方性エッチング形状と高いマスク選択比が得られるプラズマエッチング方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−103876号公報
【特許文献2】特開2009−239054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に開示された従来技術では、シリコントレンチの側壁面にえぐれが生じ、有機堆積物形成工程によって処理室内に有機堆積物が堆積し続けることに起因した異物の発生及びエッチング特性の再現性低下が発生する。更に、これらの問題点を解決する手段としては、枚葉プラズマクリーニング等が考えられるが、これらはスループット低下を招く恐れがあり、量産安定性という問題点については十分に配慮されていなかった。
【0011】
本発明は、アスペクト比が大きい構造の溝または穴からなるシリコンをエッチングするプラズマエッチング方法において、エッチングレートの低下抑制および鉛直形状を得ることができるプラズマエッチング方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、または穴のパターンを用いてシリコンをプラズマエッチングするプラズマエッチング方法において、フッ素含有ガスと酸素含有ガス混合ガスを用いて前記シリコンをプラズマエッチングする第一のステップと、前記混合ガスを用い、処理圧力を前記第一のステップの処理圧力より低い処理圧力とし、前記シリコンが載置された試料台に供給される高周波電力を前記第一のステップの高周波電力より増加させた高周波電力として前記第一のステップ後の前記シリコンをプラズマエッチングする第二のステップと、前記混合ガスを用い、処理圧力を前記第二のステップの処理圧力より低い処理圧力とし、高周波電力を前記第二のステップの高周波電力より増加させた高周波電力として前記第二のステップ後の前記シリコンをプラズマエッチングする第三のステップとを有し、前記第一のステップは、第一の所定の深さに到達するまで行われ、前記第二のステップは、第二の所定の深さに到達するまで行われ、
前記第三のステップは、第三の所定の深さに到達するまで行われ、前記第一のステップの処理圧力および高周波電力は、それぞれ設定された値で前記第一のステップの処理時間内、維持され、前記第二のステップの処理圧力および高周波電力は、それぞれ設定された値で前記第二のステップの処理時間内、維持され、前記第三のステップの処理圧力および高周波電力は、それぞれ設定された値で前記第三のステップの処理時間内、維持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、アスペクト比が大きい構造の溝または穴からなるシリコンをエッチングするプラズマエッチング方法において、エッチングレートの低下抑制および鉛直形状を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明を適用したマイクロ波プラズマエッチング装置の断面図である。
図2】従来のプラズマエッチングによるトレンチの形成を示す図である。
図3】本発明のプラズマエッチング方法のエッチングフローを示す図である。
図4】本発明のプラズマエッチング方法により形成されたトレンチ形状を示す図である。
図5】エッチングレートのトレンチ深さに対する依存性とエッチング形状のトレンチ深さに対する依存性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るプラズマエッチング方法を行うためのマイクロ波プラズマエッチング装置の断面図である。
【0017】
エッチング処理室101にガス導入手段107から多孔構造の例えば、石英からなる透過窓108を介してエッチングガスが供給される。また、マイクロ波発生器102で発振されたマイクロ波を整合器103、導波管104及びマイクロ波回転発生器105を介して伝送し、マイクロ波導入窓106よりエッチング処理室101にマイクロ波を伝播させてエッチング処理室101に供給されたエッチングガスをプラズマ化する。
【0018】
磁場発生用のソレノイドコイル109をエッチング処理室101の周辺に配置し、0.0875テスラの磁場を作り電子サイクロトロン共鳴を用いて高密度プラズマを発生させる。エッチング処理室101には試料台110があり、この上に被処理基板111を載置して、マイクロ波とソレノイドコイル109より発生した磁場により生成されたガスプラズマにより被処理基板111をプラズマエッチングする。被処理基板111を載置する試料台110には高周波電源112が接続され、高周波電源112は、400kHzから13.56MHzの高周波バイアス電力を試料台110に供給する。
【0019】
また、高周波電源112は、パルス発生器(図示せず)を備えており、時間変調された間欠的な高周波電力、あるいは、連続的な高周波電力を選択的に試料台110に供給することができる。試料台110表面には、静電吸着電源113より直流電圧を印加することにより静電吸着力が発生し、静電吸着力により、被処理基板111が試料台110表面に吸着される。
【0020】
また、試料台110の表面には溝が形成され、試料台110表面に吸着された被処理基板111裏面との間で形成される流路(図示しない)に、冷却ガス供給口114からHeガス、Arガス、O2ガス等の冷却ガスを供給し、流路内を所定圧力に維持できる構造となっている。
【0021】
被処理基板111の表面の温度上昇は、流路におけるガス伝熱と接触面からの熱伝導にて、試料台110表面へ熱伝達され、一定温度に維持される。被処理基板111を0℃以下の低温に冷却するため、試料台110内部に埋設された冷媒循環流路(図示せず)には、チラーユニット115により所定の低温に温度制御された冷媒が循環される。
【0022】
被処理基板111の周囲には、セラミックスや石英製の絶縁カバー(図示しない)が配置されている。なお、エッチング処理室101に導入されたエッチングガスは、プラズマエッチング処理中、排気ポンプ116及び排気配管(図示しない)によりエッチング処理室101の外に排気される。
【0023】
次に、上述のマイクロ波エッチング装置を用いた本発明のプラズマエッチング方法について説明する。
【0024】
最初に、本発明のプラズマエッチング方法を行う被処理基板111の構造について説明する。被処理基板111は、図2(a)に示すようにシリコン基板202の上に無機膜(例えば酸化膜、窒化膜)からなるマスク201がパターニングされている。
【0025】
このような被処理基板111を、搬送手段(図示せず)を用いて試料台110に載置した後、SF6ガス、O2ガス、SiF4ガスをそれぞれ、450、100、400ml/minの流量に調整してエッチング処理室101内に供給し、処理圧力を調整バルブ(図示せず)にて5.5Paに調整する。ここで、本実施例では、SF6ガスとO2ガスとSiF4ガスとからなる混合ガスを用いたが、フッ素含有ガスと酸素含有ガスとからなる混合ガスであれば良い。酸素含有ガスとしては、O2ガス以外にCOガス、CO2ガスでも良い。
【0026】
その後、2400Wのマイクロ波出力をエッチング処理室内に供給してプラズマを発生させ、試料台110に225Wの時間変調された間欠的な高周波電力を供給することにより、プラズマエッチングする。
【0027】
但し、上記のプラズマエッチングは、図3に示すようなエッチングフローにて行う。
【0028】
図3(a)に示すようにトレンチ深さ(もしくはエッチング時間)に応じて、3つの処理ステップからなるプラズマエッチングを行う。本実施例では、ボーイングがほとんど発生しないトレンチ深さを形成する第一のステップと、ボーイングが発生し易いトレンチ深さの期間を第二のステップと、ボーイングが発生し易くかつエッチングレートが低下し易いトレンチ深さの期間を第三のステップとした。
【0029】
第一のステップは、予めエッチング条件で設定された処理圧力および、高周波バイアス電力を一定のままでエッチングを開始する。続いて、第二のステップでは、処理圧力は、第一のステップよりも低くした処理圧力とし、高周波バイアス電力は、第一のステップより高くした高周波バイアス電力にして、それぞれ、ステップ期間一定のままでエッチングする。
【0030】
続いて、第三のステップでは、処理圧力は、第二のステップよりも低くした圧力とし、高周波バイアス電力は、第二のステップより高くした高周波バイアス電力として、それぞれ、ステップ期間一定のままでエッチングすることにより、所望の深さのトレンチを形成する。
【0031】
この結果、図4に示すような鉛直形状のトレンチを形成することができた。このような鉛直形状のトレンチを形成できたのは以下のように考えられる。
【0032】
処理圧力と高周波バイアス電力を一定のまま、所望の深さのトレンチを形成しようとすると、トレンチ深さが深くなるとトレンチに供給されるフッ素ラジカルとトレンチの底部から放出される反応生成物がトレンチ内部で衝突し、エッチングに必要なフッ素ラジカルがトレンチの底部まで供給されず、またはトレンチの底部から発生した反応生成物がトレンチの中から放出されないために、エッチングレートは、図5(a)に示すように、トレンチ深さが深くなるとともに低下し、テーパ形状は、図5(b)に示すように、トレンチ深さが深くなるとともにテーパ形状となる。
【0033】
一方、本発明のように第一のステップから第三のステップに順次移行するに従って処理圧力を段階的に低くすることにより、フッ素ラジカルは、トレンチ底部へ供給されやすくなり、反応生成物は、トレンチの中から放出されやすくなるため、図5(a)に示すようにトレンチ内でのエッチングレート低下を抑制できる。また、高周波バイアス電力も本発明のように第一のステップから第三のステップに順次移行するに従って高くすることにより、トレンチの深さが深くなるとともにイオンエネルギーも増加できるため、図5(b)に示すようにトレンチのテーパ形状を抑制できる。これらのことにより、トレンチ形状の鉛直制御性を向上できたものと考えられる。
【0034】
なお、本実施例では、処理圧力と高周波バイアス電力を例に説明したが、ガス流量の混合比率やマイクロ波電力を可変のエッチングパラメータとしても本発明は達成される。
【0035】
また、本実施例の各ステップは、所定のトレンチ深さに到達した時点で次にステップに切り替わるが、所定のトレンチ深さに到達したかどうかは、深さをモニタできる手段である深さモニタ117を用いて判定した。しかし、予め所定のトレンチ深さとなるエッチングの時間を求めて、この予め求められた時間に従って各ステップを切り替えても良い。
【0036】
次に、上述した図4(a)のようなエッチングフローより、さらに高精度なエッチング制御が可能なエッチングフローについて説明する。
【0037】
図4(b)に示すように、各ステップ内でも、処理圧力と高周波バイアス電力をそれぞれ、単調に減少、単調に増加させる。このことにより、トレンチの深さによる変化に対して精度良くエッチングパラメータによる改善が可能となるため、所望の深さまでエッチングレート低下を抑制し、かつ鉛直な形状制御が可能となる。
【0038】
次に、上述した図4(b)のようなエッチングフローより、さらに高精度なエッチング制御が可能なエッチングフローについて説明する。
【0039】
図4(c)に示すように、処理圧力を単調に低下させる期間と、高周波バイアス電力を単調に増加させる期間を異ならせる。つまり、図4(b)のエッチングフローでは、処理圧力を単調に低下させる期間と、高周波バイアス電力を単調に増加させる期間を同期させていたが、図4(c)では、処理圧力を単調に低下させる期間と、高周波バイアス電力を単調に増加させる期間を同期させずに、処理圧力と高周波バイアス電力をそれぞれ独立にトレンチの深さに応じて制御する。このような図4(c)に示すようなエッチングフローにより所望の深さのトレンチを形成することによって、図4(b)に示すようなエッチングフローよりも更に高精度なトレンチの形状制御が可能となる。
【0040】
以上、上述した本発明のプラズマエッチング方法により、エッチングレートの低下を抑制し、鉛直形状のトレンチを形成することが可能であるとともに量産安定性に優れたプラズマエッチング特性を得ることができる。
【0041】
また、本実施例では、マイクロ波を用いたElectron Cyclotron Resonance(ECR)方式のマイクロ波プラズマエッチング装置を用いたが、本発明は、これに限定されるものではなく、ヘリコン波プラズマエッチング装置、誘導結合型プラズマエッチング装置、容量結合型プラズマエッチング装置等にも適用できる。
【0042】
また、本実施例では、無機膜のマスクでパターニングされた溝構造を有するシリコンのエッチングの例で説明したが、本発明は、レジスト等の有機膜のマスクでパターニングされた溝構造を有するシリコンのエッチングや、穴パターンを有するシリコンのエッチングでも適用することができる。
【0043】
更に、本発明は、アスペクト比が大きいシリコンの深掘りエッチングだけでなく、同等の高アスペクト比を有するShallow Trench Isolation(STI)やポリシリコン膜からなるゲート電極形成のプラズマエッチングにおいても適用できる。
【符号の説明】
【0044】
101 エッチング処理室
102 マイクロ波発生器
103 整合器
104 導波管
105 マイクロ波回転発生器
106 マイクロ波導入窓
107 ガス導入手段
108 透過窓
109 ソレノイドコイル
110 試料台
111 被処理基板
112 高周波電源
113 静電吸着電源
114 冷却ガス供給口
115 チラーユニット
116 排気ポンプ
117 深さモニタ
201 マスク
202 シリコン基板
203 トレンチ開口部
図1
図2
図3
図4
図5