(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一の前記モジュールに対して前記複数の搬送装置がアクセスし、他の前記モジュールに対して前記一のモジュールにアクセスする前記搬送装置とは異なる前記複数の搬送装置がアクセスする場合、
前記グループ決定部は、前記一のモジュールに対してアクセスする前記複数の搬送装置と前記他のモジュールに対してアクセスする前記複数の搬送装置とを、前記位置調整に要する時間が長い前記搬送装置から順に同じグループにグループ分けをする、
請求項1に記載の搬送装置制御システム。
前記実行指示部は、一の前記搬送装置に対し、前記一の搬送装置が他の前記モジュールに対して実行した前記位置調整の結果に基づいて、一の前記モジュールに対する前記位置調整を実行するように指示を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置制御システム。
複数の搬送装置と、前記搬送装置からアクセスされる複数のモジュールであって、前記複数の搬送装置からアクセスされるモジュールを含む該複数のモジュールとを備える搬送システムにおいて、前記搬送装置が前記モジュールにアクセスするときのアクセス位置の位置調整をする方法であって、
前記複数の搬送装置のうち、前記搬送装置が前記モジュールにアクセスしたときに同じ前記モジュールに対してアクセスしない前記搬送装置同士を同じグループにグループ分けをする工程と、
決定されたグループ毎に、前記搬送装置が前記モジュールにアクセスするときのアクセス位置の位置調整の実行を指示する工程と、
を含む方法。
一の前記モジュールに対して前記複数の搬送装置がアクセスし、他の前記モジュールに対して前記一のモジュールにアクセスする前記搬送装置とは異なる前記複数の搬送装置がアクセスする場合、
前記グループ分けをする工程では、前記一のモジュールに対してアクセスする前記複数の搬送装置と前記他のモジュールに対してアクセスする前記複数の搬送装置とを、前記位置調整に要する時間が長い前記搬送装置から順に同じグループにグループ分けをする、
請求項5に記載の方法。
前記位置調整の実行を指示する工程では、一の前記搬送装置に対し、前記一の搬送装置が他の前記モジュールに対して実行した前記位置調整の結果に基づいて、一の前記モジュールに対する前記位置調整を実行するように指示を行う、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る搬送装置制御システム及び搬送装置がモジュールにアクセスするときのアクセス位置の位置調整をする方法を適用した塗布現像装置の種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付す。
【0019】
図1は、一実施形態に係る塗布現像装置の平面図であり、
図2は、
図1の塗布現像装置の斜視図である。
図3は、
図1の塗布現像装置の概略構成を示すブロック図である。
図1〜
図3に示すように、塗布現像装置(搬送システム)1は、キャリアブロックS1、処理ブロックS2、インターフェイスブロックS3、露光機S4、制御部J1を含んで構成される。
【0020】
キャリアブロックS1には、プロセスモジュールとしての複数のロードポートA1、及び、搬送アーム(搬送装置)X1が設けられる。ロードポートA1の載置台上に、基板Wを収容するキャリア11が載置される。第1搬送アームX1は、キャリア11内から基板Wを取り出し、処理ブロックS2の第1棚ユニットB1に設けられたプロセスモジュールB10へ受け渡す。また、第1搬送アームX1は、処理ブロックS2の第1棚ユニットB1に設けられたプロセスモジュールB10から処理済みの基板Wを受け取ってキャリア11内に戻す。
【0021】
処理ブロックS2には、第2搬送アームX2、第3搬送アームX3、第1棚ユニットB1、第1処理ブロックC1、第2処理ブロックD1、第3処理ブロックE1、第4処理ブロックF1、第5処理ブロックG1、第4搬送アームX4、第5搬送アームX5、及び、第2棚ユニットH1が設けられる。なお、
図1では、複数の処理ブロックB1〜B5のうち、最上段に設けられた第5処理ブロックG1を示している。
【0022】
第1棚ユニットB1には、複数のプロセスモジュールB10(
図3参照)が設けられる。プロセスモジュールB10には、基板Wの受け渡しを行うモジュール等が含まれる。プロセスモジュールB10は、鉛直方向に沿って並べて配置され得る。第2搬送アームX2及び第3搬送アームX3は、第1棚ユニットB1の両脇にそれぞれ配置される。第2搬送アームX2及び第3搬送アームX3は、第1棚ユニットB1内の所定のプロセスモジュールB10間で基板Wを搬送する。
【0023】
第1処理ブロックC1〜第5処理ブロックG1は、鉛直方向に沿って並べて配置される。詳細には、第1処理ブロックC1の上に第2処理ブロックD1、第2処理ブロックD1の上に第3処理ブロックE1、第3処理ブロックE1の上に第4処理ブロックF1、第4処理ブロックF1の上に第5処理ブロックG1が配置される。第1処理ブロックC1、第2処理ブロックD1及び第3処理ブロックE1は、レジスト膜を形成するCOT層となっている。第4処理ブロックF1及び第5処理ブロックG1は、現像処理を行うDEV層となっている。
【0024】
第1処理ブロックC1には、第11搬送アームC11Xと、複数のプロセスモジュールC11(
図3参照)とが設けられる。複数のプロセスモジュールC11には、基板Wの表面に対してレジスト膜を形成するモジュール等が含まれる。第11搬送アームC11Xは、プロセスモジュールC11、第1棚ユニットB1内のプロセスモジュールB10、及び、第2棚ユニットH1内のプロセスモジュールH10のうち所定のプロセスモジュール間で基板Wを搬送する。
【0025】
第2処理ブロックD1には、第12搬送アームD12Xと、複数のプロセスモジュールD12(
図3参照)とが設けられる。複数のプロセスモジュールD12には、基板Wの表面に対してレジスト膜を形成するモジュール等が含まれる。第12搬送アームD12Xは、プロセスモジュールD12、第1棚ユニットB1内のプロセスモジュールB10、及び、第2棚ユニットH1内のプロセスモジュールH10のうち所定のプロセスモジュール間で基板Wを搬送する。
【0026】
第3処理ブロックE1には、第13搬送アームE13Xと、複数のプロセスモジュールE13(
図3参照)とが設けられる。複数のプロセスモジュールE13には、基板Wの表面に対してレジスト膜を形成するモジュール等が含まれる。第13搬送アームE13Xは、プロセスモジュールE13、第1棚ユニットB1内のプロセスモジュールB10、及び、第2棚ユニットH1内のプロセスモジュールH10のうち所定のプロセスモジュール間で基板Wを搬送する。
【0027】
第4処理ブロックF1には、第14搬送アームF14Xと、複数のプロセスモジュールF14(
図3参照)とが設けられる。複数のプロセスモジュールF14には、基板Wに対して現像処理を行うモジュール等が含まれる。第14搬送アームF14Xは、プロセスモジュールF14、第1棚ユニットB1内のプロセスモジュールB10、及び、第2棚ユニットH1内のプロセスモジュールH10のうち所定のプロセスモジュール間で基板Wを搬送する。
【0028】
第5処理ブロックG1には、第15搬送アームG15Xと、複数のプロセスモジュールG15(
図3参照)とが設けられる。複数のプロセスモジュールG15には、基板Wに対して現像処理を行うモジュール等が含まれる。第15搬送アームG15Xは、プロセスモジュールG15、第1棚ユニットB1内のプロセスモジュールB10、及び、第2棚ユニットH1内のプロセスモジュールH10のうち所定のプロセスモジュール間で基板Wを搬送する。
【0029】
第2棚ユニットH1には、複数のプロセスモジュールH10(
図3参照)が設けられる。複数のプロセスモジュールH10には、基板Wの受け渡しを行うモジュール等が含まれる。プロセスモジュールH10は、鉛直方向に沿って並べて配置され得る。第4搬送アームX4及び第5搬送アームX5は、第2棚ユニットH1内の所定のプロセスモジュールH10間で基板Wを搬送する。
【0030】
インターフェイスブロックS3には、第6搬送アームX6が設けられる。第6搬送アームX6は、第2棚ユニットH1内の所定のプロセスモジュールH10と、露光機S4との間で基板Wを搬送する。
【0031】
露光機S4は、搬入された基板Wに対して露光処理を行う。
【0032】
制御部J1は、第1〜第6搬送アームX1〜X6、及び、第11〜第15搬送アームC11X〜G15Xの駆動を制御する。また、制御部J1は、第1〜第6搬送アームX1〜X6及び第11〜第15搬送アームC11X〜G15Xに対し、搬送アームがプロセスモジュールにアクセスする際のアクセス位置(基板Wの受け渡し位置又は受け取り位置)の位置調整の実行を指示する。この位置調整とは、例えば、プロセスモジュールに対する搬送アームの水平方向の位置と、鉛直方向の位置とを調整してもよい。また、この位置調整は、実際に搬送アームをプロセスモジュールにアクセスさせることで行われる。なお、位置調整の実行の指示は、例えば、搬送アームの初期設定時等に行うことができる。
【0033】
ここで、本実施形態におけるプロセスモジュールB10,H10及びC11〜G15には、複数の第1〜第6搬送アームX1〜X6、及び、第11〜第15搬送アームC11X〜G15Xから基板Wの搬入等が行われる(アクセスされる)ものがある。このため、制御部J1は、位置調整を行う際に搬送アーム同士が干渉することがないように(複数の搬送アームが一つのプロセスモジュールに対して同時にアクセスすることがないように)、位置調整の実行の指示を行う。
【0034】
具体的には、制御部J1は、
図4に示すように、グループ決定部J10、調整結果テーブル作成部J11、実行指示部J12、調整結果テーブル出力部J13、及び、テーブル保持部J14を備える。
【0035】
グループ決定部J10は、位置調整の実行を指示する際に同時に位置調整の実行を指示する搬送アームのグループを決定する。具体的には、グループ決定部J10は、第1〜第6搬送アームX1〜X6、及び、第11〜第15搬送アームC11X〜G15Xのうち、搬送アームX1〜X6及びC11X〜G15XがプロセスモジュールB10、H10及びC11〜G15にアクセスしたときに同じプロセスモジュールに対してアクセスしない搬送アーム同士を同じグループにグループ分けをする。
【0036】
また、プロセスモジュールB10、H10及びC11〜G15のうち、一のプロセスモジュールに対して複数の搬送アームX1〜X6及びC11X〜G15Xがアクセスし、他のプロセスモジュールに対して一のプロセスモジュールにアクセスする搬送アームとは異なる複数の搬送アームX1〜X6及びC11X〜G15Xがアクセスする場合がある。この場合、グループ決定部J10は、一のプロセスモジュールに対してアクセスする複数の搬送アームX1〜X6及びC11X〜G15Xと、他のプロセスモジュールに対してアクセスする複数の搬送アームX1〜X6及びC11X〜G15Xとを、位置調整に要する時間が長い搬送アームから順に同じグループにグループ分けをする。
【0037】
なお、搬送アームが位置調整に要する時間は、予めテーブル保持部J14に保存しておくことができる。これにより、グループ決定部J10は、テーブル保持部J14に保存された位置調整に要する時間に基づいて、グループ分けを行うことができる。
【0038】
グループ決定部J10によって決定された搬送アームのグループ分け結果は、搬送アーム組み合わせテーブルとして、テーブル保持部J14に保存される。
【0039】
調整結果テーブル作成部J11は、プロセスモジュールの状態を管理するモジュール状態テーブルを作成する。具体的には、調整結果テーブル作成部J11は、モジュール状態テーブルとして、
図5に示すように、「プロセスモジュール」の識別子と、プロセスモジュールの「状態」とを対応付けたテーブルを作成する。プロセスモジュールの「状態」には、「ノーマル」と、「エラー」とが含まれる。「ノーマル」とは、搬送アームがプロセスモジュールに対して正常に位置調整を行うことができるプロセスモジュールの状態を示す。「エラー」とは、搬送アームがプロセスモジュールに対して正常に位置調整を行うことができないプロセスモジュールの状態を示す。プロセスモジュールの状態が「エラー」になる場合として、例えば、プロセスモジュールのシャッターが正常に開閉できない場合等がある。なお、プロセスモジュール自体には異常はないが、搬送アームの位置調整が正常にできない場合がある。このような、搬送アームの位置調整が正常にできない場合として、例えば、搬送アームが位置調整の動作を繰り返しても所定の閾値を満たさないために位置調整処理が中断される「調整リトライオーバー」がある。調整リトライオーバー等の場合には、プロセスモジュール自体には異常はないため、モジュール状態は「ノーマル」となる。調整結果テーブル作成部J11は、搬送アームの位置調整が行われる毎にモジュール状態テーブルを更新する。調整結果テーブル作成部J11によって作成されたモジュール状態テーブルは、テーブル保持部J14に保存される。
【0040】
更に、調整結果テーブル作成部J11は、プロセスモジュールに対する搬送アームの位置調整の結果を管理するためのモジュール調整結果テーブルを作成する。具体的には、調整結果テーブル作成部J11は、モジュール調整結果テーブルとして、
図6に示すように、位置調整を実行する「搬送アーム」の識別子と、位置調整の対象となる「プロセスモジュール」の識別子と、搬送アームの「調整方法」と、「コピー元」のプロセスモジュールの識別子と、位置調整が「調整対象外」であるか否かの情報と、「調整結果」とを対応付けたテーブルを作成する。調整結果テーブル作成部J11は、搬送アームの位置調整が行われる毎にモジュール調整結果テーブルを更新する。
【0041】
モジュール調整結果テーブルにおける「調整方法」として、「ノーマル」と、「コピー」とがある。「ノーマル」とは、実際に搬送アームをプロセスモジュールにアクセスさせてアクセス位置の位置調整を実行する調整方法である。「コピー」とは、所定の搬送アームが、あるプロセスモジュールに対して位置調整を行う際に、他のプロセスモジュールに対して行った位置調整の結果に基づいて位置調整を実行する調整方法である。調整方法が「コピー」の場合の例として、所定の搬送アームが、あるプロセスモジュールに対して位置調整を行う際に、搬送アームの水平方向のアクセス位置は他のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果を利用し、鉛直方向の位置調整のみを行う場合がある。モジュール調整結果テーブルにおいて「コピー元」とは、調整方法が「コピー」である場合に、位置情報のコピー元のプロセスモジュールの識別子である。
【0042】
モジュール調整結果テーブルにおける「調整対象外」とは、搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせが位置調整を実行しない組み合わせであることを示す。調整結果テーブル作成部J11は、モジュール状態テーブルのプロセスモジュールの状態が「エラー」の場合に、モジュール調整結果テーブルの「調整対象外」の欄に位置調整対象外であることを示す「○」を入力する。
【0043】
なお、調整結果テーブル作成部J11は、グループ決定部J10によってグループ分けされた搬送アームのグループ毎の位置調整の実行開始前に、モジュール状態テーブルに基づいてモジュール調整結果テーブルの「調整対象外」の欄を更新する。また、実行指示部J12は、搬送アームの位置調整の実行中において、位置調整の実行を指示する搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせが位置調整を実行しない組み合わせであるか否かの判定を行っている。調整結果テーブル作成部J11は、位置調整の実行中においても、実行指示部J12によって「調整対象外」と判定された搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせについて、モジュール調整結果テーブルの「調整対象外」の欄に位置調整対象外であることを示す「○」を入力する。
【0044】
モジュール調整結果テーブルにおける「調整結果」として、「未実施」、「正常終了」及び「異常終了」がある。「未実施」は位置調整の実行前の状態を示し、正常終了は位置調整が正常に終了したことを示す。また、「異常終了」とは、位置調整ができなかった場合を示す。この異常終了には、プロセスモジュール自体に異常があるために位置調整ができなかった場合と、例えば調整リトライオーバーのように、プロセスモジュール自体には異常がないものの位置調整ができなかった場合とを含む。調整結果テーブル作成部J11は、搬送アームの位置調整が行われる毎にモジュール調整結果テーブルの「調整結果」を更新する。調整結果テーブル作成部J11によって作成されたモジュール調整結果テーブルは、テーブル保持部J14に保存される。
【0045】
実行指示部J12は、搬送アーム組み合わせテーブルに従って、搬送アームのグループ毎に、搬送アームX1〜X6及びC11X〜G15XがプロセスモジュールB10、H10及びC11〜G15にアクセスするときのアクセス位置の位置調整の実行を指示する。例えば、一つの搬送アームが複数のプロセスモジュールにアクセスする場合、当該搬送アームは、所定の順序に従って各プロセスモジュールに対してそれぞれ位置調整を実行する。この所定の順序とは、例えば、プロセスモジュール毎に割り当てられた識別子(モジュール番号)の数字に基づいて設定してもよい。
【0046】
実行指示部J12は、ある搬送アームに対して位置調整の指示を行う際に、モジュール調整結果テーブルの「調整方法」欄が「コピー」である場合、「コピー元」のプロセスモジュールに対してある搬送アームが位置調整を行った結果に基づいて位置調整を実行するように指示を行う。なお、位置調整の結果を、例えば、テーブル保持部J14に記憶しておくことで、実行指示部J12は、テーブル保持部J14に記憶された位置調整結果を利用することができる。
【0047】
また、実行指示部J12は、ある搬送アームに対して位置調整の指示を行う際に、モジュール調整結果テーブルの「調整対象外」欄が「○」である場合、この「調整対象外」欄に「○」が付されているプロセスモジュールに対して位置調整の実行を指示しない。
【0048】
また、実行指示部J12は、搬送アームの位置調整の実行中において、位置調整の実行を指示する搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせが位置調整を実行しない組み合わせであるか否かの判定を行う。具体的には、実行指示部J12は、他のプロセスモジュールに対して実行された位置調整結果を利用可能な搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせであり、且つ、モジュール状態テーブルにおける位置情報のコピー元のプロセスモジュールの状態が「エラー」である場合、この搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせを調整対象外とする。
【0049】
テーブル保持部J14は、グループ決定部J10によって作成された搬送アーム組み合わせテーブル、調整結果テーブル作成部J11によって作成されたモジュール状態テーブル及びモジュール調整結果テーブルを記憶する。また、テーブル保持部J14は、搬送アームの位置調整結果を記憶しておくこともできる。
【0050】
調整結果テーブル出力部J13は、テーブル保持部J14に記憶されたモジュール調整結果テーブルを、例えば表示装置或は他の装置に出力する。出力されたモジュール調整結果テーブルに基づいて、位置調整の結果を把握することができる。
【0051】
次に、搬送アームによって位置調整を行う際のより詳細な具体例について説明する。なお、以下では、説明を容易にするために、
図3に示すように、ロードポートA1として、識別子が「1−1 FUST」のロードポートが1台設けられているものとする。プロセスモジュールB10として、識別子が「10−1 TRS」、「10−2 TRS」、「10−3 TRS」、「10−4 TRS」、「10−5 TRS」、「11−35 TRS」、「12−35 TRS」、「13−35 TRS」、「14−35 TRS」、及び、「15−35 TRS」のプロセスモジュールが設けられているものとする。プロセスモジュールC11として、識別子が「11−1 COT」、及び、「11−11CPHP」のプロセスモジュールが設けられ、プロセスモジュールD12として、識別子が「12−1 COT」、及び、「12−11CPHP」のプロセスモジュールが設けられ、プロセスモジュールE13として、識別子が「13−1 COT」、及び、「13−11CPHP」のプロセスモジュールが設けられているものとする。
【0052】
プロセスモジュールF14として、識別子が「14−1 DEV」、及び、「14−11CPHP」のプロセスモジュールが設けられ、プロセスモジュールG15として、識別子が「15−1 DEV」、及び、「15−11CPHP」のプロセスモジュールが設けられているものとする。また、プロセスモジュールH10として、識別子が「30−1 CPL」、「30−2 TRS」、「30−3 CPL」、「30−4 TRS」、「11−45 TRS」、「12−45 TRS」、「13−45 TRS」、「14−45 TRS」、及び、「15−45 TRS」のプロセスモジュールが設けられているものとする。
【0053】
これらのプロセスモジュールにおいて、識別子に「TRS」が付されているプロセスモジュールは、基板Wの受け渡しを行う。識別子に「COT」が付されているプロセスモジュールは、基板Wの表面にレジストを塗布し、基板Wを回転させてレジスト膜を形成する。識別子に「DEV」が付されているプロセスモジュールは、基板Wの表面に現像液を塗布し、そして、現像処理を行う。識別子に「CPHP」が付されたプロセスモジュールは、基板Wに熱処理を行う。識別子に「CPL」が付されたプロセスモジュールは、加熱された基板Wに対して冷却処理を行う。
【0054】
図7は、搬送アームがアクセスするプロセスモジュールを示す表である。
図7の上段の搬送アームが、下段のプロセスモジュールにアクセス可能となっている。例えば、第1搬送アームX1は、識別子が「1−1 FUST」及び「10−1 TRS」のプロセスモジュールにアクセスする。また、
図7において、プロセスモジュールの識別子の横に星印が付されているものは、複数の搬送アームからアクセスされるものである。例えば、識別子が「10−1 TRS」のプロセスモジュールは、第1搬送アームX1と第3搬送アームX3とからアクセスされる。搬送アームのプロセスモジュールに対する位置調整は、位置調整の対象とする搬送アームがアクセス可能なすべてのプロセスモジュールに対して行われる。例えば、第1搬送アームX1は、識別子が「1−1 FUST」、及び、「10−1 TRS」のプロセスモジュールに対して位置調整を行う。
【0055】
次に、制御部J1によって行われる処理の流れについて説明する。
図8は、制御部J1によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、グループ決定部J10は、同じプロセスモジュールに対してアクセスしない搬送アーム同士を同じグループにグループ分し、搬送アーム組み合わせテーブルを作成する(ステップS101:グループ分けをする工程)。具体的には、まず、グループ決定部J10は、搬送アームの動作時に互いに干渉する搬送アームについての情報を取得する。この情報は、例えばテーブル保持部J14に記憶させておくことができる。本実施形態では、
図9の表に示すように、左側に記載された搬送アームの動作時に、右側に記載された搬送アームに干渉する場合が生じ得る。例えば、
図9に示す例では、第1搬送アームX1と、第2搬送アームX2又は第3搬送アームX3とが同じプロセスモジュールにアクセスすることで互いに干渉する場合が生じ得る。グループ決定部J10は、
図9に示す表のように、対象となる搬送アームと、この搬送アームの動作時に干渉する場合が生じ得る搬送アームとが対応付けられた情報を取得する。
【0056】
次に、グループ決定部J10は、
図9に示す互いに干渉する搬送アームについての情報に基づいて、搬送アームX1〜X6及びC11X〜G15XがプロセスモジュールB10、H10及びC11〜G15にアクセスしたときに同じプロセスモジュールに対してアクセスしない搬送アーム同士を同じグループにグループ分けをする。具体的には、
図10に示すように、第1搬送アームX1と、第11〜第15搬送アームC11X〜G15Xと、第6搬送アームX6とを「組み合わせ1」のグループにグループ分けをする。ここで、第3搬送アームX3は、第4搬送アームX4と同時に動作させても互いに干渉することがなく、或は、第5搬送アームX5と同時に動作させても互いに干渉することがない。同様に、第2搬送アームX2は、第4搬送アームX4と同時に動作させても互いに干渉することがなく、或は、第5搬送アームX5と同時に動作させても互いに干渉することがない。このように、例えば、第3搬送アームX3を第5搬送アームX5と同じグループにするか、或は、第3搬送アームX3を第4搬送アームX4と同じグループにするかのように、グループ分けのパターンが複数存在する場合がある。
【0057】
以下では、グループ分けのパターンが複数存在する場合における第2〜第5搬送アームX2〜X5のグループ分け方法について具体的に説明する。まず、グループ決定部J10は、搬送アームが各プロセスモジュールに対して位置調整を行う際の調整時間を取得する。この調整時間は、搬送アーム毎に、位置調整対象のプロセスモジュール毎の調整時間が求められている。本実施形態では、
図11に示す表のように、搬送アームの識別子と、位置調整対象のプロセスモジュールと、調整方法と、調整時間とが対応付けされた情報を取得する。この情報は、例えば、テーブル保持部J14に保持させておくことができる。
【0058】
グループ決定部J10は、取得した情報に基づき、搬送アーム毎の調整時間を算出する。本実施形態では、例えば、
図12に示すように、第2搬送アームX2の調整時間が6分30秒、第3搬送アームX3の調整時間が11分、第4搬送アームX4の調整時間が5分、第5搬送アームX5の調整時間が7分となっている。
【0059】
グループ決定部J10は、第2搬送アームX2及び第3搬送アームX3のうち、位置調整時間が長いものを選択する。ここでは、第3搬送アームX3が選択される。なお、第2搬送アームX2と第3搬送アームX3とは、動作時に互いに干渉する場合が生じ得るもの同士である。また、グループ決定部J10は、第4搬送アームX4及び第5搬送アームX5のうち、位置調整時間が長いものを選択する。ここでは、第5搬送アームX5が選択される。なお、第4搬送アームX4と第5搬送アームX5とは、動作時に互いに干渉する場合が生じ得るもの同士である。そして、グループ決定部J10は、選択された、第3搬送アームX3と第5搬送アームX5とを「組み合わせ2」のグループにグループ分けをする。
【0060】
次に、グループ決定部J10は、第2搬送アームX2及び第3搬送アームX3のうち、第3搬送アームX3の次に位置調整時間が長いもの、即ち、第2搬送アームX2を選択する。また、グループ決定部J10は、第4搬送アームX4及び第5搬送アームX5のうち、第5搬送アームX5の次に位置調整時間が長いもの、即ち、第4搬送アームX4を選択する。そして、グループ決定部J10は、選択された、第2搬送アームX2と第4搬送アームX4とを「組み合わせ3」のグループにグループ分けをする。
【0061】
なお、グループ決定部J10は、第3搬送アームX3と第5搬送アームX5とのグループ、及び、第2搬送アームX2と第4搬送アームX4とのグループのうち、位置調整時間の長い方の組み合わせを「組み合わせ2」とし、位置調整時間の短い方の組み合わせを「組み合わせ3」とする(
図10参照)。なお、本実施形態では、「組み合わせ1」〜「組み合わせ3」の順に、搬送アームの位置調整を実行する。即ち、位置調整は、位置調整時間の長い方の組み合わせから先に実行する。グループ決定部J10は、決定された搬送アームのグループ分け結果を、搬送アーム組み合わせテーブルとして、テーブル保持部J14に保存する。
【0062】
次に、調整結果テーブル作成部J11は、上述したように、モジュール調整結果テーブルと、モジュール状態テーブルとを作成する(ステップS102)。
図13(a)は、モジュール調整結果テーブルを示し、
図13(b)はモジュール状態テーブルを示す。
図13(a)において、プロセスモジュールの横に星印が付されているものは、複数の搬送アームからアクセスされるものである。また、
図13(a)において、位置調整開始前の初期状態においては、位置調整が未実施であるため、調整結果欄に未実施が入力される。
【0063】
本実施形態では、例えば、第3搬送アームX3が、識別子「10−4 TRS」のプロセスモジュールに対して位置調整を行う場合、第3搬送アームX3が識別子「10−3 TRS」のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果に基づいて位置調整を実行可能である。このため、
図13(a)の欄L1に示すように、「調整方法」が「コピー」となり、「コピー元」欄にはコピー元のプロセスモジュールの識別子「10−3 TRS」が入力される。また、
図13(b)において、初期状態では、各プロセスモジュールの状態は「ノーマル」となっている。
【0064】
次に、調整結果テーブル作成部J11は、位置調整開始前における調整対象外判定処理を行う。この処理では、位置調整の開始前に、位置調整の対象とするグループについて、予め位置調整を行わない搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせを判定する。具体的には、
図14に示すように、まず、調整結果テーブル作成部J11は、調整対象外の判定を行う対象の搬送アームとプロセスモジュールとの組を抽出する。そして、調整結果テーブル作成部J11は、モジュール状態テーブルを参照し、判定対象のプロセスモジュールの状態がノーマルであるか否かを判定する(ステップS201)。
【0065】
判定対象のプロセスモジュールの状態がノーマルである場合(ステップS201:YES)、調整結果テーブル作成部J11は、モジュール調整結果テーブルを参照し、判定対象の搬送アームとプロセスモジュールとにおける位置の調整方法がコピーであるか否かを判定する(ステップS202)。位置の調整方法がコピーである場合(ステップS202:YES)、調整結果テーブル作成部J11は、モジュール状態テーブルを参照し、コピー元のプロセスモジュールの状態がノーマルであるか否かを判定する(ステップS203)。
【0066】
コピー元のプロセスモジュールの状態がノーマルである場合(ステップS203:YES)、調整結果テーブル作成部J11は、判定対象の搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせについて、位置調整の対象とする(ステップS204)。具体的には、調整結果テーブル作成部J11は、モジュール調整結果テーブルの「調整対象外」欄に「○」を付さない。また、プロセスモジュールの状態がノーマルであり、且つ、位置の調整方法がコピーでない場合(ステップS202:NO)にも、判定対象の搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせについて、位置調整の対象とする(ステップS204)
【0067】
一方、判定対象のプロセスモジュールの状態がノーマルでない場合(ステップS201:NO)、或は、コピー元のプロセスモジュールの状態がエラーである場合(ステップS203:NO)、調整結果テーブル作成部J11は、判定対象の搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせについて、位置調整の対象としない(ステップS205)。具体的には、調整結果テーブル作成部J11は、モジュール調整結果テーブルの「調整対象外」欄に「○」を付す。調整結果テーブル作成部J11は、上述した調整対象外であるか否かの判定を、搬送アームとプロセスモジュールとの全ての組み合わせについて行う。
【0068】
なお、本実施形態では、位置調整開始前の初期状態において、プロセスモジュールの状態(
図13(b)参照)が全てノーマルとなっているため、調整対象外となるプロセスモジュールは生じない。このため、位置調整開始前の初期状態においては、この調整対象外の判定を行わなくてもよい。但し、初期状態であっても、プロセスモジュールの状態がエラーである場合が生じ得る。このような場合、この調整対象外の判定処理を位置調整開始前の初期状態において実行することが好ましい。
【0069】
次に、実行指示部J12は、搬送アームの組み合わせテーブルに従って、搬送アームに対して、プロセスモジュールにアクセスする際のアクセス位置の位置調整の実行を指示する。本実施形態では、まず「組み合わせ1」のグループに含まれる搬送アームに対して同時に位置調整の実行を指示する。組み合わせ1のグループに含まれる搬送アームは、同時に位置調整を実行しても、互いに干渉することがない。また、実行指示部J12は、例えば、ある搬送アームが複数のプロセスモジュールに対して位置調整の実行を指示する場合、プロセスモジュールに付された識別子に基づいた順序に指示をする。
【0070】
また、調整結果テーブル作成部J11は、位置調整の結果が行われる毎に、モジュール調整結果テーブルの「調整結果」欄及びモジュール状態テーブルの「状態」欄を更新する。
【0071】
更に、実行指示部J12は、搬送アームとプロセスモジュールとのそれぞれの組について、位置調整の実行指示を行う前に、この組み合わせが位置調整の対象であるかの判定を行う。この判定は、位置調整を順次行う中で、あるプロセスモジュールにエラーが生じ、後続の組み合わせにおいて位置調整の対象外となる組を、位置調整の対象から除外するために行う。
【0072】
具体的には、
図15に示すように、まず、実行指示部J12は、位置調整の実行指示の対象となる搬送アームとプロセスモジュールとの組において、調整方法がコピーであるか否かを判定する(ステップS301)。調整方法がコピーでない場合(ステップS301:NO)、実行指示部J12は、この搬送アームとプロセスモジュールとの組を調整対象とし(ステップS304)、位置調整の実行を指示する(
図8のステップS104:位置調整の実行を指示する工程)。
【0073】
一方、調整方法がコピーである場合(ステップS301:YES)、実行指示部J12は、コピー元のプロセスモジュールの調整結果が異常終了であるか否かを判定する(ステップS302)。プロセスモジュールが異常終了であるか否かは、モジュール調整結果テーブルを参照することで把握することができる。コピー元のプロセスモジュールの調整結果が異常終了でない場合(ステップS302:NO)、実行指示部J12は、この搬送アームとプロセスモジュールとの組を調整対象とし(ステップS304)、位置調整の実行を指示する(
図8のステップS104)。
【0074】
一方、コピー元のプロセスモジュールの調整結果が異常終了である場合(ステップS302:YES)、実行指示部J12は、この搬送アームとプロセスモジュールとの組を調整対象外とする(ステップS303)。そして、調整結果テーブル作成部J11は、実行指示部J12によって調整対象外であると判定された搬送アームとプロセスモジュールとの組み合わせについてモジュール状態結果テーブルの「調整対象外」欄に「○」を付す(モジュール状態テーブルを更新する)。
【0075】
例えば、組み合わせ1の位置調整の実行結果が、
図16に示すように、第1搬送アームX1が識別子「10−1 TRS」のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果が調整リトライオーバー、第11搬送アームC11Xが識別子「11−11 CPCH」のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果がモジュールエラー、・・・、であったとする。この場合における、調整結果テーブル作成部J11が行うモジュール調整結果テーブルの更新結果は例えば
図17(a)に示すものとなり、モジュール状態テーブルの更新結果は例えば
図17(b)に示すものとなる。
【0076】
図17(a)に示す例では、欄L2において、第1搬送アームX1が識別子「10−1 TRS」のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果欄が「異常終了」となる。但し、この第1搬送アームX1が識別子「10−1 TRS」のプロセスモジュールに対して行った位置調整の結果は異常終了であるが、この異常終了は調整リトライオーバーであるため、
図17(b)に示すように、識別子「10−1 TRS」のプロセスモジュールの「状態」欄は、ノーマルのままとなる。また、
図17(a)に示す例では、欄L3において、第11搬送アームC11Xが識別子「11−11 CPHP」に対して行った位置調整結果欄が「異常終了」となる。この場合の異常終了は、プロセスモジュールのエラーであるため、
図17(b)に示すように、識別子「11−11 CPHP」のプロセスモジュールの「状態」欄は、エラーとなる。
【0077】
また、
図17(a)に示す例では、欄L4において、第6搬送アームX6が識別子「30−2 TRS」に対して行う位置調整は、識別子「30−1 CPL」のプロセスモジュールの位置調整結果に基づいて行うものである。しかしながら、コピー元の識別子「30−1 CPL」のプロセスモジュールに対して行われた位置調整の結果は、異常終了となっている(
図17(a)の欄L4a参照)。このため、第6搬送アームX6と識別子「30−2 TRS」との組み合わせについては調整対象外となる。実行指示部J12は、調整対象外であるこの組み合わせについては位置調整の実行を指示しない。従って、モジュール調整結果テーブルの「調整結果」欄は、未実施のままとなる。なお、実行指示部J12は、コピー元のプロセスモジュールに対する位置調整の実行を先に指示し、コピー元のプロセスモジュールの位置調整の実行指示のあとに、コピー元のプロセスモジュールの位置調整結果を利用するプロセスモジュールに対する位置調整の実行を指示する。このように、組み合わせ1の位置調整の結果に基づいてモジュール調整結果テーブル、及び、モジュール状態テーブルを更新することで、組み合わせ1の位置調整が終了する。
【0078】
次に、実行指示部J12は、すべての組み合わせ(組み合わせ1、組み合わせ2、組み合わせ3)について位置調整が終了したか否かを判定し(
図8のステップS105)、全ての組み合わせの位置調整が終了していない場合(ステップS105:NO)、上述のステップS103の処理に戻り、位置調整の実行を指示する。本実施形態では、組み合わせ1についての位置調整の後、組み合わせ2の位置調整を行う。以下、組み合わせ2の位置調整を行う場合の具体例について説明する。
【0079】
組み合わせ1の位置調整の終了後、組み合わせ2のグループについての位置調整の実行の前に、組み合わせ2のグループについての調整対象外判定処理を行う(ステップS103)。この組み合わせ2について行う位置調整の開始前の調整対象外判定処理は、上述した、組み合わせ1について行った処理と同様である。例えば、
図17(b)に示すように、識別子「12−35」及び「13−45」のプロセスモジュールの状態がエラーであるため、
図18(a)の欄L5及びL6に示す搬送アームとプロセスモジュールの組み合わせが、調整対象外となる。
【0080】
そして、組み合わせ2についての位置調整が実行され(
図8のステップS104)、例えば、組み合わせ2の位置調整の実行結果が、
図19に示すように、第3搬送アームX3が識別子「10−3 TRS」のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果が調整リトライオーバー、第5搬送アームX5が識別子「30−3 CPL」のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果がモジュールエラーであったとする。この場合における、調整結果テーブル作成部J11が行うモジュール調整結果テーブルの更新結果は例えば
図20(a)に示すものとなり、モジュール状態テーブルの更新結果は例えば
図20(b)に示すものとなる。
【0081】
図20(a)に示す例では、例えば、欄L7において、第3搬送アームX3が識別子「10−3 TRS」のプロセスモジュールに対して行った位置調整結果欄が「異常終了」となる。但し、この第3搬送アームX3が識別子「10−3 TRS」のプロセスモジュールに対して行った位置調整の結果は異常終了であるが、この異常終了は調整リトライオーバーであるため、
図20(b)に示すように、識別子「10−3 TRS」のプロセスモジュールの「状態」欄は、ノーマルのままとなる。また、
図20(a)に示す例では、例えば、欄L8において、第3搬送アームX3が識別子「10−4 TRS」に対して行う位置調整は、識別子「10−3 TRS」のプロセスモジュールの位置調整結果に基づいて行うものである。しかしながら、識別子「10−3 TRS」のプロセスモジュールに対して行われた位置調整の結果は、異常終了(調整リトライオーバー)となっている(
図20(a)の欄L7参照)。このため、第3搬送アームX3と識別子「10−4 TRS」との組み合わせについては調整対象外となる。実行指示部J12は、調整対象外であるこの組み合わせについては位置調整の実行を指示しない。従って、モジュール調整結果テーブルの「調整結果」欄は、未実施のままとなる。このように、組み合わせ2の位置調整の結果に基づいてモジュール調整結果テーブル、及び、モジュール状態テーブルを更新することで、組み合わせ2の位置調整が終了する。
【0082】
次に、実行指示部J12は、すべての組み合わせ(組み合わせ1、組み合わせ2、組み合わせ3)について位置調整が終了したか否かを判定し(
図8のステップS105)、全ての組み合わせの位置調整が終了していない場合(ステップS105:NO)、上述のステップS103の処理に戻り、位置調整の実行を指示する。本実施形態では、組み合わせ2についての位置調整の後、組み合わせ3の位置調整を行う。以下、組み合わせ3の位置調整を行う場合の具体例について説明する。
【0083】
組み合わせ2の位置調整の終了後、組み合わせ3のグループについての位置調整の実行の前に、組み合わせ3のグループについて調整対象外判定処理を行う(ステップS103)。この組み合わせ3について行う位置調整の開始前の調整対象外判定処理は、上述した、組み合わせ1について行った処理と同様である。例えば、
図20(b)に示すように、識別子「30−1 CPL」のプロセスモジュールの状態がエラーであるため、
図21(a)の欄L9に示す搬送アームとプロセスモジュールの組み合わせが、調整対象外となる。また、
図21(a)の欄L10に示す組み合わせでは、識別子「30−1 CPL」のプロセスモジュールの位置調整の結果に基づいて位置調整が行われる。しかしながら、コピー元の識別子「30−1 CPL」のプロセスモジュールの状態がエラーであるため、
図21(a)の欄L10に示す搬送アームとプロセスモジュールの組み合わせも、調整対象外となる。
【0084】
そして、組み合わせ3についての位置調整が実行され(ステップS104)、例えば、組み合わせ3の位置調整は、すべて正常に終了したものとする。この場合、
図22(a)に示すように、位置調整が行われた搬送アームとプロセスモジュールの組み合わせにおいて、「調整結果」欄がすべて「正常終了」となる。また、位置調整がすべて正常に終了したため、
図22(b)に示すモジュール状態テーブルは、更新されない。
【0085】
すべての組み合わせ(組み合わせ1、組み合わせ2、組み合わせ3)について位置調整が終了した場合(ステップS105:YES)、調整結果テーブル出力部J13は、調整結果テーブル作成部J11によって更新されたモジュール状態テーブルを出力する(ステップS106)。このモジュール状態テーブルの出力とは、作業者等が視認可能なようにモニタ等の表示装置に出力してもよく、他の装置において利用可能なように、他の装置に出力してもよい。
【0086】
本実施形態は以上のように構成され、グループ決定部J10が、同じプロセスモジュールに対して同時にアクセスしない搬送アーム同士を同じグループにグループ分けをする。そして、実行指示部J12は、調整結果テーブル作成部J11によって決定されたグループ毎に、アクセス位置の位置調整の実行を指示する。この場合、複数の搬送アームからアクセスされるプロセスモジュールがある場合であっても、位置調整の際に搬送アーム同士が干渉することがない。また、互いに干渉しない搬送アーム同士を同じグループにグループ分けし、グループ毎に位置調整の実行を指示することで、例えば、搬送アーム同士の干渉を避けるために一つずつ順番に位置調整の実行を指示する場合に比べて短時間で位置調整を行うことができる。
【0087】
調整結果テーブル作成部J11は、位置調整に要する時間が長い搬送アームから順に同じグループにグループ分けをすることができる。この場合、位置調整に長時間を要する搬送アーム同士が同じグループとなるので、位置調整に長時間を要する搬送アームが複数のグループに分散することがなくなり、より一層、短時間で位置調整を行うことができる。
【0088】
プロセスモジュールにエラーが生じている場合、実行指示部J12は、搬送アームに対し、エラーが生じているプロセスモジュールに対する位置調整の実行を指示しなくてもよい。これにより、より一層、短時間で位置調整を行うことができる。
【0089】
実行指示部J12は、ある搬送アームに対して位置調整の指示を行う際に、他のプロセスモジュールに対して実行された位置調整の結果に基づいて、あるプロセスモジュールの位置調整を実行することができる場合、他のプロセスモジュールに対して行われた位置調整の結果に基づいて位置調整の指示を行ってもよい。この場合には、より一層、短時間で位置調整を完了することができる。
【0090】
以上、種々の実施形態について説明したが、上述した実施形態に限定されることなく、種々の変形形態を構成可能である。例えば、搬送アーム及びプロセスモジュールの数や種類は、上述した構成に限定されない。また、塗布現像装置1に設けられた搬送アームの位置調整を行う場合について説明したが、塗布現像装置1以外の装置に設けられた搬送アームの位置調整を行うこともできる。また、搬送アームの位置調整は、水平方向及び鉛直方向の位置調整に限定されず、種々の位置調整を行うことができる。