【文献】
Proc. Natl. Acad. Sci. USA,2006年,vol.103, no.25,pp.9500-9505
【文献】
Protein Eng. Des. Sel.,2009年,vol.22, no.4,pp.243-248
【文献】
Proc. SPIE,2007年,vol.6449,pp.T1-T8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
1.本発明の変異アポ蛋白質
本発明の変異アポ蛋白質とは、配列番号:2のアミノ酸配列において23番目〜34番目のアミノ酸が以下の式I:
Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34
(上記式中、
Xaa23は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa24は、Lys、Arg、His、LeuまたはThrであり、
Xaa25は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa26は、任意のアミノ酸であり、
Xaa27は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa28は、Glyであり
Xaa29は、任意のアミノ酸であり、
Xaa30は、Ile、LeuまたはValであり、
Xaa31は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa32は、任意のアミノ酸であり、
Xaa33は、任意のアミノ酸であり、および
Xaa34は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnである。)
で表されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有し;
セレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドと結合してカルシウムイオンの作用によって発光する発光蛋白質を形成することができる機能を有し;かつ
前記発光蛋白質がカルシウムイオンと結合することによって生じる発光の半減期が天然イクオリンに比べて長い、
変異アポ蛋白質である。
【0016】
「セレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドと結合して発光蛋白質を形成する」とは、(a)本発明の変異アポ蛋白質が、セレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドと結合して発光蛋白質を形成すること、だけではなく(b)本発明の変異アポ蛋白質が、酸素存在下に、セレンテラジンもしくはその類縁体と接触することにより、本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドとを含有する発光蛋白質(複合体)を形成すること、をも意味する。
【0017】
本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドとからなる発光蛋白質(以下、「本発明の発光蛋白質」という場合がある)がカルシウムイオンの作用によって発光することの確認は、例えば、Shimomura 0.et al (1988) Biochem. J.251,405-410およびShimomura 0.et al. Biochem. J. (1989)261, 913-920, Inouye et al. (2010) Anal. Biochem. 407,27-252などに記載の方法によって本発明の発光蛋白質の発光活性および発光パターンを測定することにより確認することができる。具体的には、発光活性および発光パターンは、例えば、本発明の発光蛋白質にカルシウム溶液を加えることにより発光反応を開始させ、発光測定装置を用いて測定する。発光測定装置としては、市販されている装置、例えばCentro LB 960(ベルトールド社製)などを使用することができる。発光活性および発光パターンのより具体的な測定方法は、後述の実施例に記載している。
【0018】
本発明の発光蛋白質がカルシウムイオンと結合することによって生じる発光の半減期が天然イクオリンに比べて長いことの確認は、本発明の発光蛋白質と天然イクオリンの発光活性および発光パターンを前記方法により測定し、測定した発光活性および発光パターンから、本発明の発光蛋白質の発光が最大発光強度値の半分の発光強度値になるまでの時間(半減期)と天然イクオリンの発光の半減期を求め、両者の半減期を比較することにより、行うことができる。天然イクオリンは、例えば、後述の実施例の発現ベクターpAM2+Xを用いて発現させた蛋白質である。
【0019】
本発明の発光蛋白質の発光の半減期は、天然イクオリンに比べて長く、例えば、2秒以上である。好ましくは、本発明の発光蛋白質の発光の半減期は、2.1秒以上、2.2秒以上、2.3秒以上、2.4秒以上、2.5秒以上、2.6秒以上、2.7秒以上、2.8秒以上、2.9秒以上、3.0秒以上、3.1秒以上、3.2秒以上、3.3秒以上、3.4秒以上、3.5秒以上、3.6秒以上、3.7秒以上、3.8秒以上、3.9秒以上、4.0秒以上、または4.1秒以上である。より好ましくは、本発明の発光蛋白質の発光の半減期は、これらの各値以上で、かつ、100秒以下、70秒以下、50秒以下、40秒以下、30秒以下、29秒以下、28秒以下、27秒以下、26秒以下、25秒以下、24秒以下、23秒以下、22秒以下、または21.9秒以下である。
【0020】
セレンテラジン類縁体とは、本発明の変異アポ蛋白質と結合し、カルシウムイオンの作用によって発光しうる発光蛋白質を形成することができる化合物を意味する。セレンテラジン類縁体の具体例は、後記する。
【0021】
配列番号:2のアミノ酸配列において23番目〜34番目のアミノ酸が以下の式I:Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34で表されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列とは、具体的には、配列番号:2のアミノ酸配列において、23番目のアミノ酸残基がアミノ酸残基Xaa23で置換され、順次、24番目がXaa24、25番目がXaa25、26番目がXaa26、27番目がXaa27、28番目がXaa28、25番目がXaa29、30番目がXaa30、31番目がXaa31、32番目がXaa32、33番目がXaa33、34番目がXaa34で、それぞれ置換されたアミノ酸配列を意味する。
【0022】
式Iにおいて、Xaa23は、Asp、Glu、Gln、Ser ThrまたはAsnであり、好ましくは、Asp、GluまたはGlnであり、より好ましくは、Aspである。
【0023】
Xaa24は、Lys、Arg、His、LeuまたはThrであり、好ましくは、Lys、Arg、LeuまたはThrであり、より好ましくは、Lysである。本発明の別のより好ましい態様では、Xaa24はLysまたはArgである。
【0024】
Xaa25は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、好ましくは、AspまたはAsnであり、より好ましくは、Aspである。本発明の別のより好ましい態様では、Xaa25はAsnである。
【0025】
Xaa26は、任意のアミノ酸である。ここで、「任意のアミノ酸」とは、具体的には、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Glu、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、またはTyrを意味する。Xaa26は、好ましくは、His、Gln、Asn、Gly、ArgまたはLysであり、より好ましくは、Glnである。本発明の別のより好ましい態様では、Xaa26はHisである。
【0026】
Xaa27は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、好ましくは、Asn、AspまたはSerであり、より好ましくは、Asnである。
【0028】
Xaa29は、任意のアミノ酸である。「任意のアミノ酸」は前記の通りである。Xaa29は、好ましくは、Ala、Lys、SerまたはTyrであり、より好ましくは、Alaである。本発明の別のより好ましい態様では、Xaa29はAlaまたはLysである。
【0029】
Xaa30は、Ile、LeuまたはValであり、好ましくは、Ileである。
【0030】
Xaa31は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、好ましくは、Ser、ThrまたはAspであり、より好ましくは、Thrである。本発明の別のより好ましい態様では、Xaa31はSerである。
【0031】
Xaa32は、任意のアミノ酸である。「任意のアミノ酸」は前記の通りである。Xaa32は、好ましくは、Leu、ValまたはAlaであり、より好ましくは、Leuである。
【0032】
Xaa33は、任意のアミノ酸である。「任意のアミノ酸」は前記の通りである。Xaa33は、好ましくは、Asp、ProまたはAlaであり、より好ましくは、Aspである。
【0033】
Xaa34は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、好ましくは、Gluである。
【0034】
本発明のある態様では、式Iにおいて、Xaa23は、Aspであり、Xaa24は、Lysであり、Xaa25は、Aspであり、Xaa26は、Glnであり、Xaa27は、Asnであり、Xaa28は、Glyであり、Xaa29は、Alaであり、Xaa30は、Ileであり、Xaa31は、Thrであり、Xaa32は、Leuであり、Xaa33は、Aspであり、Xaa34は、Gluである。このような式Iのアミノ酸配列を、配列番号:14に示す。
【0035】
本発明の別のいくつかの態様では、式Iにおいて、Xaa23は、Aspであり、Xaa24は、LysまたはArgであり、Xaa25は、Asnであり、Xaa26は、Hisであり、Xaa27は、Asnであり、Xaa28は、Glyであり、Xaa29は、AlaまたはLysであり、Xaa30は、Ileであり、Xaa31は、Serであり、Xaa32は、Leuであり、Xaa33は、Aspであり、およびXaa34は、Gluである。好ましくは、式Iのアミノ酸配列は、配列番号:71、74、80または83のアミノ酸配列である。
【0036】
本発明のさらに別のいくつかの態様では、式Iのアミノ酸配列は、配列番号:23、26、32、41、50または62のアミノ酸配列である。
【0037】
本発明の変異アポ蛋白質は、例えば、配列番号:6のアミノ酸配列を含有する蛋白質である。
【0038】
本発明の変異アポ蛋白質はさらに他のペプチド配列をN末端および/またはC末端、好ましくはN末端に含んでいてもよい。他のペプチド配列としては、例えば、精製のためのペプチド配列、分泌シグナルペプチド配列、抗体認識可能なエピトープ配列などからなる群から選択される少なくとも1つのペプチド配列を挙げることができる。他のペプチド配列は、好ましくは、精製のためのペプチド配列および/または分泌シグナルペプチド配列である。
【0039】
精製のためのペプチド配列としては、当技術分野において用いられているペプチド配列を使用することができる。精製のためのペプチド配列としては、例えば、ヒスチジン残基が4残基以上、好ましくは6残基以上連続したアミノ酸配列を有するヒスチジンタグ配列、グルタチオン S−トランスフェラーゼのグルタチオンへの結合ドメインのアミノ酸配列またはプロテインAのアミノ酸配列などが挙げられる。
【0040】
分泌シグナルペプチドとは、当該分泌シグナルペプチドに結合された蛋白質またはポリペプチドを、細胞膜透過させる役割を担うペプチド領域を意味する。このような分泌シグナルペプチドのアミノ酸配列およびそれをコードする核酸配列は、当技術分野において周知であり、報告されている(例えばvon Heijne G (1988) Biochim. Biophys. Acta 947: 307-333、von Heijne G (1990) J. Membr. Biol. 115: 195-201など参照)。分泌シグナルペプチドとしては、より具体的には、例えば、大腸菌の外膜蛋白質A由来の分泌シグナルペプチド(OmpA)(Ghrayeb, J. et al. (1984) EMBO J. 3:2437-2442)、コレラ菌由来コレラトキシン由来の分泌シグナルペプチドなどが挙げられる。
【0041】
本発明の変異アポ蛋白質としては、例えば、配列番号: 8のアミノ酸配列を含有する蛋白質を挙げることができる。
【0042】
本発明の変異アポ蛋白質の取得方法については特に制限はない。本発明の変異アポ蛋白質としては、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組換え技術により作製した組換え蛋白質であってもよい。本発明の変異アポ蛋白質を化学合成する場合には、例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t-ブチルオキシカルボニル法)等により合成することができる。また、AAPPTEC(旧アドバンスドケムテック社)製、パーキンエルマー社製、ファルマシア社製、プロテインテクノロジーインストゥルメント社製、シンセセルーベガ社製、パーセプティブ社製、島津製作所社製等のペプチド合成機を利用して化学合成することもできる。本発明の変異アポ蛋白質を遺伝子組換え技術により作製する場合には、通常の遺伝子組換え手法により作製することができる。より具体的には、本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA)を適当な発現系に導入することにより、本発明の変異アポ蛋白質を作製することができる。本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチド、本発明の変異アポ蛋白質の発現系での発現などについては、後記する。
【0043】
2.本発明のポリヌクレオチド
本発明のポリヌクレオチドは、本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチドである。本発明のポリヌクレオチドとしては、本発明の変異アポ蛋白質をコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよいが、好ましくはDNAである。DNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、細胞・組織由来のcDNA、細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAなどが挙げられる。ライブラリーに使用するベクターは、特に制限はなく、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、細胞・組織からtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
【0044】
本発明のポリヌクレオチドとしては、配列番号:2のアミノ酸配列において23番目〜34番目のアミノ酸が以下の式I:
Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34
(上記式中、
Xaa23は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa24は、Lys、Arg、His、LeuまたはThrであり、
Xaa25は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa26は、任意のアミノ酸であり、
Xaa27は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa28は、Glyであり
Xaa29は、任意のアミノ酸であり、
Xaa30は、Ile、LeuまたはValであり、
Xaa31は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnであり、
Xaa32は、任意のアミノ酸であり、
Xaa33は、任意のアミノ酸であり、および
Xaa34は、Asp、Glu、Gln、Ser、ThrまたはAsnである。)
で表されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有し;
セレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドと結合してカルシウムイオンの作用によって発光する発光蛋白質を形成することができる機能を有し;かつ
前記発光蛋白質がカルシウムイオンと結合することによって生じる発光の半減期が天然イクオリンに比べて長い、
変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチドを挙げることができる。本発明の変異アポ蛋白質は、具体的には、前記した通りである。
【0045】
本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは、次のものである:
(a)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:15の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:24の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:27の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:33の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:42の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(f)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:51の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(g)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:63の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(h)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:72の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(i)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:84の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(j)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:75の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;または
(k)配列番号:1の塩基配列において、67番目〜102番目のヌクレオチドを配列番号:81の塩基配列の4番目〜39番目のヌクレオチドと置換したポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
【0046】
本発明のポリヌクレオチドは、例えば、配列番号:1の塩基配列の67番目〜102番目のヌクレオチド(イクオリンEFハンドループ[I]の塩基配列)に変異を導入することのより得ることができる。
【0047】
変異の導入には、例えば、後述の実施例にしたがって、イクオリンEFハンドループ[I]の塩基配列を、イクオリンEFハンドループ[III]もしくは[IV]の塩基配列または他のカルシウム結合蛋白質のEFハンドループの塩基配列と置換することによって、ポリヌクレオチドに変異を導入することができる。
【0048】
また、変異の導入には、部位特異的変異導入法(例えば、Gotoh, T. et al., Gene 152, 271-275 (1995)、Zoller, M.J., and Smith, M., Methods Enzymol. 100, 468-500 (1983)、Kramer, W. et al., Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456 (1984)、Kramer W, and Fritz H.J., Methods. Enzymol. 154, 350-367 (1987)、Kunkel,T.A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82, 488-492 (1985)、Kunkel, Methods Enzymol. 85, 2763-2766 (1988)、など参照)、アンバー変異を利用する方法(例えば、Gapped duplex法、Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456 (1984)、など参照)などを用いることもできる。
【0049】
目的の変異(欠失、付加、置換および/または挿入)を導入した配列をそれぞれの5’端に持つ1組のプライマーを用いたPCR(例えば、Ho. S.N. et al., Gene 77, 51 (1989)、など参照)によっても、ポリヌクレオチドに変異を導入することができる。
【0050】
本発明のポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドである。配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドは、例えば、配列番号:5の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドである。
【0051】
本発明のポリヌクレオチドは、さらに他のペプチド配列をコードするポリヌクレオチドを、5’末端および/または3’末端、好ましくは5’末端に含んでいてもよい。他のペプチド配列をコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、精製のためのペプチド配列、分泌シグナルペプチド配列などからなる群から選択される少なくとも1つのペプチド配列をコードするポリヌクレオチドを挙げることができる。精製のためのペプチド配列をコードするポリヌクレオチドとしては、当技術分野において用いられている精製のためのペプチド配列をコードする塩基配列を含有するポリヌクレオチドを使用することができる。精製のためのペプチド配列としては、前記したものなどが挙げられる。分泌シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、当記述分野において知られている分泌シグナルペプチドをコードする核酸配列を含有するポリヌクレオチドを使用することができる。分泌シグナルペプチドとしては、前記したものなどが挙げられる。
【0052】
本発明のポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号:8のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドである。配列番号:8のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、例えば、配列番号:7の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドである。
【0053】
3.本発明の組換えベクターおよび形質転換体
さらに、本発明は、上述した本発明のポリヌクレオチドを含有する組換えベクターおよび形質転換体を提供する。
【0054】
組換えベクターの作製
本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明のポリヌクレオチド(DNA)を連結(挿入)することにより得ることができる。より具体的には、精製されたポリヌクレオチド(DNA)を適当な制限酵素で切断し、適当なベクターの制限酵素部位またはマルチクローニングサイトに挿入して、ベクターに連結することにより得ることができる。本発明のポリヌクレオチドを挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミド、バクテリオファージ、動物ウイルス等が挙げられる。プラスミドとしては、例えば、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322, pBR325, pUC118, pUC119等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110, pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13, YEp24, YCp50等)などがあげられる。バクテリオファージとしては、例えば、λファージなどがあげられる。動物ウイルスとしては、例えば、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、昆虫ウイルス(例えば、バキュロウイルスなど)などがあげられる。
【0055】
本発明のポリヌクレオチドは、通常、適当なベクター中のプロモーターの下流に、発現可能なように連結される。用いられるプロモーターとしては、形質転換する際の宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、Trpプロモーター、T7プロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーターなどが好ましい。宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなどが好ましい。宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH1プロモーター、GALプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
【0056】
また、低温で発現誘導可能なプロモーターも好適に使用することができる。低温で発現誘導可能なプロモーターとしては、例えば、コールドショック遺伝子のプロモーター配列などが挙げられる。コールドショック遺伝子としては、例えば、大腸菌コールドショック遺伝子(例えば、cspA、cspB、cspG、cspI、csdAなど)、Bacillus caldolyticusコールドショック遺伝子(例えば、Bc−Cspなど)、Salmonella entericaコールドショック遺伝子(例えば、cspEなど)、Erwinia carotovoraコールドショック遺伝子(例えば、cspGなど)などが挙げられる。低温で発現誘導可能なプロモーターとしては、なかでも、例えば、cspAプロモーター、cspBプロモーター、cspGプロモーター、cspIプロモーター、csdAプロモーターなどを好適に使用することができる。
【0057】
本発明の組換えベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)、選択マーカーなどを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子などがあげられる。
【0058】
形質転換体の作製
このようにして得られた、本発明のポリヌクレオチド(すなわち、本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチド)を含有する組換えベクターを、適当な宿主中に導入することによって、形質転換体を作成することができる。宿主としては、本発明のポリヌクレオチド(DNA)を発現できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、シュードモナス属菌、リゾビウム属菌、酵母、動物細胞または昆虫細胞などがあげられる。エシェリヒア属菌としては、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)などがあげられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)などがあげられる。シュードモナス属菌としては、例えば、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)などがあげられる。リゾビウム属菌としては、例えば、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)などがあげられる。酵母としては、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などがあげられる。動物細胞としては、例えば、COS細胞、CHO細胞などがあげられる。昆虫細胞としては、例えば、Sf9、Sf21などがあげられる。
【0059】
組換えベクターの宿主への導入方法およびこれによる形質転換方法は、一般的な各種方法によって行うことができる。組換えベクターの宿主細胞への導入方法としては、例えば、例えばリン酸カルシウム法(Virology, 52, 456-457 (1973))、リポフェクション法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 7413 (1987))、エレクトロポレーション法(EMBO J., 1, 841-845 (1982))などがあげられる。エシェリヒア属菌の形質転換方法としては、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69, 2110 (1972)、Gene, 17, 107 (1982)などに記載の方法などがあげられる。バチルス属菌の形質転換方法としては、例えば、Molecular & General Genetics,168, 111 (1979)に記載の方法などがあげられる。酵母の形質転換方法としては、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,75,1929 (1978)に記載の方法などがあげられる。動物細胞の形質転換方法としては、例えば、Virology,52, 456 (1973)に記載の方法などがあげられる。昆虫細胞の形質転換方法としては、例えば、Bio/Technology, 6, 47-55 (1988)に記載の方法などがあげられる。このようにして、本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチド(本発明のポリヌクレオチド)を含有する組換えベクターで形質転換された形質転換体を得ることができる。
【0060】
低温で発現誘導可能なプロモーター配列を含有する発現ベクターおよび形質転換体
発現ベクターとしては、なかでも低温で発現誘導可能なプロモーター配列を含有する発現ベクターが好ましい。
【0061】
低温で発現誘導可能なプロモーター配列を含有する発現ベクターとは、具体的には、次のプロモーター配列、およびコード配列を含有する発現ベクターを意味する:
(1)低温で発現誘導可能なプロモーター配列;および
(2)本発明のポリヌクレオチドを含有するコード配列。
【0062】
低温で発現誘導可能なプロモーター配列とは、宿主細胞を増殖させる培養条件から、温度を下げることによって融合蛋白質の発現を誘導可能なプロモーター配列を意味する。低温で発現誘導可能なプロモーターとしては、例えば、コールドショック蛋白質をコードする遺伝子(コールドショック遺伝子)のプロモーターが挙げられる。コールドショック遺伝子のプロモーターとしては、前記したものが挙げられる。
【0063】
本発明で用いられる低温で発現誘導可能なプロモーターが発現誘導しうる温度としては、通常30℃以下、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下である。ただし、より効率良く発現を誘導させるため、通常は5℃以上、好ましくは10℃以上である。特に好ましくは約15℃で発現誘導させる。
【0064】
本発明の低温で発現誘導可能なプロモーター配列を含有する発現ベクターを作製する場合、本発明のポリヌクレオチドを挿入するためのベクターとしては、pCold Iベクター、pCold IIベクター、pCold IIIベクター、pCold IVベクター(以上、タカラバイオ社製)などを好適に使用することができる。これらのベクターを使用して、原核細胞を宿主として発現させた場合、融合蛋白質を宿主細胞の細胞質中に可溶性蛋白質として産生させることができる。
【0065】
低温で発現誘導可能なプロモーター配列を含有する発現ベクターを導入する宿主としては、原核細胞が好ましく、さらに大腸菌が好ましく、特にBL21株、JM109株が好ましく、なかでもBL21株が好ましい。
【0066】
低温で発現誘導可能なプロモーター配列を含有する発現ベクターが導入された形質転換体を細胞増殖させる培養温度は、通常25〜40℃、好ましくは30〜37℃である。発現誘導させる温度は、通常4〜25℃、好ましくは10〜20℃、より好ましくは12〜18℃、特に好ましくは約15℃である。
【0067】
4.本発明の変異アポ蛋白質の製造
また、本発明は、前記形質転換体を培養し、本発明の変異アポ蛋白質を生成させる工程を含む、本発明の変異アポ蛋白質の製造方法を提供する。本発明の変異アポ蛋白質は、前記形質転換体を本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチド(DNA)が発現可能な条件下で培養し、本発明の変異アポ蛋白質を生成・蓄積させ、分離・精製することによって製造することができる。
【0068】
形質転換体の培養
本発明の形質転換体の培養は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。該培養によって、形質転換体によって本発明の変異アポ蛋白質が生成され、形質転換体内または培養液中などに本発明の変異アポ蛋白質が蓄積される。
【0069】
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する培地としては、該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプンなどの炭水化物、酢酸、プロピオン酸などの有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩またはその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカーなどが用いられる。無機塩類としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウムなどが用いられる。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときにはイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)などを、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)などを培地に添加してもよい。
【0070】
宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加える。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加える。
【0071】
宿主が酵母である形質転換体を培養する培地としては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培地(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4505 (1980))や0.5%(w/v)カザミノ酸を含有するSD培地(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, 5330 (1984))があげられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0072】
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する培地としては、たとえば約5〜20%(v/v)の胎児牛血清を含むMEM培地(Science, 122, 501 (1952)),DMEM培地(Virology, 8, 396 (1959))などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0073】
宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する培地としては、Grace's Insect Medium(Nature,195,788(1962))に非働化した10%(v/v)ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0074】
なお、低温で発現誘導可能なプロモーター配列を含有する発現ベクターが導入された形質転換体を細胞増殖させる培養温度および発現誘導させる温度は、前記した通りである。
【0075】
本発明の変異アポ蛋白質の分離・精製
上記培養物から、本発明の変異アポ蛋白質を分離・精製することによって、本発明の変異アポ蛋白質を得ることができる。ここで、培養物とは、培養液、培養菌体もしくは培養細胞、または培養菌体もしくは培養細胞の破砕物のいずれをも意味する。本発明の変異アポ蛋白質の分離・精製は、通常の方法に従って行うことができる。
【0076】
具体的には、本発明の変異アポ蛋白質が培養菌体内もしくは培養細胞内に蓄積される場合には、培養後、通常の方法(例えば、超音波、リゾチーム、凍結融解など)で菌体もしくは細胞を破砕した後、通常の方法(例えば、遠心分離、ろ過など)により本発明の変異アポ蛋白質の粗抽出液を得ることができる。本発明の変異アポ蛋白質がペリプラズムスペース中に蓄積される場合には、培養終了後、通常の方法(例えば浸透圧ショック法など)により目的蛋白質を含む抽出液を得ることができる。本発明の変異アポ蛋白質が培養液中に蓄積される場合には、培養終了後、通常の方法(例えば、遠心分離、ろ過など)により菌体もしくは細胞と培養上清とを分離することにより、本発明の変異アポ蛋白質を含む培養上清を得ることができる。
【0077】
このようにして得られた抽出液もしくは培養上清中に含まれる本発明の変異アポ蛋白質の精製は、通常の分離・精製方法に従って行うことができる。分離・精製方法としては、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、透析法、限外ろ過法などを単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。本発明の変異アポ蛋白質が上述した精製のためのペプチド配列を含有する場合、これを用いて精製するのが好ましい。具体的には、本発明の変異アポ蛋白質がヒスチジンタグ配列を含有する場合にはニッケルキレートアフィニティークロマト法、S−トランスフェラーゼのグルタチオンへの結合ドメインを含有する場合にはグルタチオン結合ゲルによるアフィニティークロマト法、プロテインAのアミノ酸の配列を含有する場合には抗体アフィニティークロマト法を用いることができる。
【0078】
5.本発明の発光蛋白質の製造
本発明の発光蛋白質は、本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドとからなる発光蛋白質である。すなわち、本発明の発光蛋白質は、酸素存在下において、本発明の変異アポ蛋白質と、セレンテラジンもしくはその類縁体と分子状酸素から生成するセレンテラジンもしくはその類縁体のペルオキシドとが複合体を形成した状態で存在する。本発明の発光蛋白質にカルシウムイオンが結合すると、瞬間的な発光を示し、セレンテラジンもしくはその類縁体の酸化物であるセレンテラミドもしくはその類縁体と二酸化炭素を生成する。
【0079】
セレンテラジンもしくはセレンテラジン類縁体としては、例えば、セレンテラジン、h−セレンテラジン、hcp−セレンテラジン、cp−セレンテラジン、f−セレンテラジン、fcp−セレンテラジン、n−セレンテラジン、Bis−セレンテラジン、MeO−セレンテラジン、e−セレンテラジン、cl−セレンテラジンch−セレンテラジン、3iso-セレンテラジン、3meo-セレンテラジン、cf3-セレンテラジン、i-セレンテラジン、et-セレンテラジン、me-セレンテラジン、3me-セレンテラジン、αmeh-セレンテラジンなどがあげられる。本発明のいくつかの態様では、セレンテラジンが好ましい。本発明の別のいくつかの態様では、n-セレンテラジン、cf3-セレンテラジン、i-セレンテラジン、meo-セレンテラジンまたはme-セレンテラジンが好ましい。セレンテラジンもしくはセレンテラジン類縁体としては、公知の方法で合成してもよく、あるいは、市販のものを入手することもできる。
【0080】
セレンテラジンもしくはその類縁体の合成方法としては、例えば、Shimo mura et al. (1988) Biochem.J.
251, 405-410、Shimomura et al. (1989) Biochem.J.
261, 913-920、Shimomura et al. (1990) Biochem.J.
270, 309-312, Inouye et al. (2010) Anal. Biochem. 407,27-252などに記載の方法またはそれに準ずる方法が挙げられる。
【0081】
また、セレンテラジンもしくはその類縁体の市販品に関しては、例えば、チッソ株式会社製のセレンテラジンおよびh−セレンテラジン;シグマ社製のhcp−セレンテラジン、cp−セレンテラジン、f−セレンテラジン、fcp−セレンテラジンおよびn−セレンテラジンなどを挙げることができる。
【0082】
本発明の発光蛋白質は、本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラジンもしくはセレンテラジン類縁体とから、公知のカルシウム結合発光蛋白質(例えば、イクオリンなど)と同様にして製造することができる。具体的には、本発明の発光蛋白質は、例えば、Shimomura 0.et al (1988) Biochem. J.251,405-410、Shimomura 0.et al. Biochem. J. (1989)261, 913-920などに記載の方法によって調製できる。
【0083】
例えば、精製した本発明の変異アポ蛋白質を、還元剤(たとえばメルカプトエタノール、ジチオスレイトールなど)および酸素の存在下、発光基質であるセレンテラジンもしくはその類縁体と低温でインキュベーションすることにより、カルシウムイオン濃度依存的に発光する本発明の発光蛋白質を調製することができる。
【0084】
6.本発明の変異アポ蛋白質および本発明の発光蛋白質の利用
カルシウムイオンの検出または定量
本発明の変異アポ蛋白質は、セレンテラジンもしくはその類縁体と分子状酸素より生成するセレンテラジンのペルオキシドもしくはセレンテラジン類縁体のペルオキシドと非共有的な結合を形成することによって生成可能な蛋白質であって、かつ、カルシウムイオンの作用によって発光する発光蛋白質を形成することができる。よって、本発明の変異アポ蛋白質および本発明の発光蛋白質は、カルシウムイオンの検出または定量に使用することができる。
【0085】
本発明の変異アポ蛋白質をカルシウムイオンの検出または定量に使用する場合には、本発明の発光蛋白質を使用する。本発明の発光蛋白質は、前述した方法に従って製造することができる。カルシウムイオンの検出または定量は、検体溶液を、直接、本発明の発光蛋白質の溶液に添加し、発生する発光を測定することにより行うことができる。あるいは、検体溶液に本発明の発光蛋白質の溶液を添加し、発生する発光を測定することにより、カルシウムイオンを検出または定量することもできる。
【0086】
また、本発明では、測定系中で、本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラジンまたはその類縁体とを接触させることにより、本発明の発光蛋白質を生成させてもよい。ここで、「接触」とは、変異アポ蛋白質とセレンテラジンまたはその類縁体とを同一反応系に存在させること意味し、例えば、セレンテラジンまたはその類縁体を収容した容器に本発明の変異アポ蛋白質を添加すること、本発明の変異アポ蛋白質を収容した容器にセレンテラジンまたはその類縁体を添加すること、または本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラジンまたはその類縁体とを混合すること、などが含まれる。生成した本発明の発光蛋白質は、本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラジンもしくはその類縁体のペルオキシドとの複合体であり、当該複合体はカルシウムイオン濃度依存的に発光するので、その発光を測定することにより、カルシウムイオンの検出または定量を行うことができる。
【0087】
カルシウムイオンの検出または定量は、カルシウムイオンによる本発明の発光蛋白質の発光を、発光測定装置を用いて測定することにより行うことができる。発光測定装置としては、市販されている装置、例えば、Centro LB 960(ベルトールド社製)などを使用することができる。カルシウムイオン濃度の定量は、本発明の発光蛋白質を用いて、既知のカルシウムイオン濃度に対する発光標準曲線を作成することにより、行うことができる。
【0088】
本発明の変異アポ蛋白質は、本発明の発光蛋白質を作製し、本発明の発光蛋白質をマイクロインジェクション法などの手法により細胞内に直接導入することによって、生理的条件下の細胞内カルシウムイオン濃度変化の検出に利用することもできる。
【0089】
本発明の変異アポ蛋白質は、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入する以外に、本発明の変異アポ蛋白質の遺伝子(本発明のポリヌクレオチド)を細胞内で発現させることによって、細胞内で生成させてもよい。さらに、生成した本発明の変異アポ蛋白質に細胞外よりセレンテラジンもしくはその類縁体を付与することにより、発光蛋白質を生成させてもよい。
このようにして細胞内に導入した、または細胞内で生成した本発明の発光蛋白質を用いて、外部刺激(たとえば、レセプターに関与する薬剤による刺激等)に対する細胞内のカルシウムイオン濃度の変化を測定することもできる。
【0090】
レポーター蛋白質としての利用
本発明の変異アポ蛋白質は、レポーター蛋白質としてプロモーターなどの転写活性の測定に利用することもできる。本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチド(すなわち、本発明のポリヌクレオチド)を、目的のプロモーターまたは他の発現制御配列(例えば、エンハンサーなど)に融合したベクターを構築する。前記ベクターを宿主細胞に導入し、さらに、これに、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンの存在下でセレンテラジンもしくはその類縁体を接触させ、本発明の変異アポ蛋白質に由来する発光(すなわち、本発明の発光蛋白質の発光)を検出することにより、目的のプロモーターまたは他の発現制御配列の活性を測定することができる。ここで、「接触」とは、宿主細胞とセレンテラジンもしくはその類縁体とを同一の培養系・反応系に存在させることを意味し、例えば、宿主細胞の培養容器にセレンテラジンもしくはその類縁体を添加すること、宿主細胞とセレンテラジンもしくはその類縁体とを混合すること、宿主細胞をセレンテラジンもしくはその類縁体の存在下で培養することなどが含まれる。
【0091】
本発明のポリヌクレオチドは、このようにして、レポーター遺伝子として利用することができる。
【0092】
発光による検出マーカーとしての利用
本発明の変異アポ蛋白質または本発明の発光蛋白質は、発光による検出マーカーとして利用することができる。発光による検出マーカーは、例えば、イムノアッセイまたはハイブリダイゼーションアッセイなどにおける目的物質の検出に利用することができる。本発明の変異アポ蛋白質または本発明の発光蛋白質を化学修飾法など通常用いられる方法により目的物質(蛋白質或いは核酸など)と結合させて使用することができる。このような検出マーカーを用いた検出方法は、通常の方法によって行うことができる。また、本発明の検出マーカーは、例えば、本発明の変異アポ蛋白質と目的物質との融合蛋白質として発現させ、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入し、さらに、これに、セレンテラジンもしくはその類縁体を接触させることによって、本発明の発光蛋白質を生成させて、前記目的物質の分布を測定するために利用することもできる。ここで、「接触」とは、細胞とセレンテラジンもしくはその類縁体とを同一の培養系・反応系に存在させることを意味し、例えば、細胞の培養容器にセレンテラジンもしくはその類縁体を添加すること、細胞とセレンテラジンもしくはその類縁体とを混合すること、細胞をセレンテラジンもしくはその類縁体の存在下で培養することなどが含まれる。
【0093】
このような目的物質などの分布の測定は、発光イメージング等の検出法などを利用して行うこともできる。なお、本発明の変異アポ蛋白質は、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入する以外に、細胞内で発現させて用いることもできる。
【0094】
アミューズメント用品の材料
本発明の発光蛋白質は、微量のカルシウムイオンと結合するだけで発光する。よって、本発明の発光蛋白質は、アミューズメント用品の材料の発光基材として好適に使用することができる。アミューズメント用品としては、たとえば、発光シャボン玉、発光アイス、発光飴、発光絵の具等があげられる。本発明のアミューズメント用品は、通常の方法によって製造することができる。
【0095】
生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)法
本発明の発光蛋白質は、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)法による分子間相互作用の原理を利用した生理機能の解析や酵素活性の測定等の分析方法に利用することができる。
例えば、本発明の発光蛋白質をドナー蛋白質として使用し、有機化合物または蛍光蛋白質をアクセプターとして使用して、両者の間で生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を起こすことにより蛋白質間の相互作用を検出することができる。本発明のいくつかの態様では、アクセプターとして使用する有機化合物は、Hoechist3342、Indo−1またはDAP1などである。本発明の別のいくつかの態様では、アクセプターとして使用する蛍光蛋白質は、緑色蛍光蛋白質(GFP)、青色蛍光蛋白質(BFP)、変異GFP蛍光蛋白質またはフィコビリンなどである。本発明の好ましい態様において、解析する生理機能は、オーファン受容体(特にG蛋白質共役受容体)、アポトーシス、または遺伝子発現による転写調節などである。また、本発明の別の好ましい態様において、分析する酵素は、プロテアーゼ、エステラーゼまたはリン酸化酵素などである。
【0096】
BRET法による生理機能の解析は、公知の方法で行うことができ、例えば、Biochem. J. 2005, 385, 625−637、またはExpert Opin. Ther Tarets, 2007 11: 541−556などに記載の方法に準じて行うことができる。また、酵素活性の測定も、公知の方法で行うことができ、例えば、Nat Methods 2006, 3:165−174、またはBiotechnol J. 2008, 3:311−324などに記載の方法に準じて行うことができる。
【0097】
7.本発明の蛍光蛋白質
本発明の蛍光蛋白質は、本発明の変異アポ蛋白質に、セレンテラミドまたはその類縁体が配位した複合体である。本発明の蛍光蛋白質は、光の励起を受けて蛍光を発生することができる。本発明のある態様の蛍光蛋白質(以下、「本発明のBFP様蛋白質」という場合がある)は、本発明の変異アポ蛋白質と、セレンテラミドもしくはその類縁体と、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンとを含む。本発明の別の態様の蛍光蛋白質(以下、「本発明のgFP様蛋白質」という場合がある)は、本発明の変異アポ蛋白質と、セレンテラミドもしくはその類縁体とを含むが、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンとを含まない。
【0098】
本発明のいくつかの態様の蛍光蛋白質は、生物発光スペクトルと蛍光発光スペクトルを有し、例えば、蛍光最大波長が、発光最大波長に比べ、長波長側にシフトしたものである。
【0099】
本発明では、蛍光蛋白質を、セレンテラミドまたはその類縁体から次のように製造する。すなわち、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンの存在下または非存在下、本発明の変異アポ蛋白質を、セレンテラミドまたはその類縁体に反応させることで、蛍光蛋白質を製造する。
【0100】
本発明において蛍光蛋白質を製造するのに用いるセレンテラミドまたはその類縁体として、例えば、WO2005/014633号パンフレットの6頁15行〜7頁23行に記載の化合物、WO2010/090318号パンフレットの9頁10行〜10頁23行に記載の化合物などが挙げられる。
【0101】
本発明において蛍光蛋白質を製造するのに用いるセレンテラミドまたはその類縁体として、さらに好ましくは、セレンテラミド、e−セレンテラミド、ch−セレンテミドなどを挙げることができる。
【0102】
セレンテラミドまたはその類縁体は、例えば、Shimomura & Johnson, Tetrahedron Lett. (1973) 2963-2966に記載の方法、Teranishi & Goto Bull.Chem.Soc.Jpn (1990) 63:3132-3140に記載の方法、Shimomura & Teranishi Luminescence (2000) 15:51-58に記載の方法、WO2010/090138号パンフレットの22頁下から5行〜26頁下から6行に記載の方法など、またはこれらに準ずる方法にて調製することができる。
【0103】
蛍光蛋白質の製造のために用いるセレンテラミドまたはその類縁体の量は、特に制限されないが、本発明の変異アポ蛋白質1molに対して、例えば、1mol〜5mol、好ましくは、1mol〜2mol、さらに好ましくは、1mol〜1.2molである。
【0104】
本発明のいくつかの態様では、本発明のBFP様蛋白質を製造するのに、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価または3価のイオンが用いられる。ここで、カルシウムイオンと置換可能な2価または3価のイオンとは、カルシウムイオンに代えてカルシウム結合発光蛋白質と反応させた場合に、発光反応を起こす2価または3価のイオンのことである。つまり、カルシウム結合発光蛋白質に対して、カルシウムイオンと同等の作用をするものである。カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンは、例えば、カルシウムイオン(Ca
2+)、マグネシウムイオン(Mg
2+)、ストロンチウムイオン(Sr
2+)、バリウムイオン(Ba
2+)、鉛イオン(Pb
2+)、コバルトイオン(Co
2+)、ニッケルイオン(Ni
2+)、カドミウムイオン(Cd
2+)、イットリウムイオン(Y
3+)、ランタンイオン(La
3+)、サマリウムイオン(Sm
3+)、ユウロピウムイオン(Eu
3+)、ジスプロシウムイオン(Dy
3+)、ツリウムイオン(Tm
3+)、またはイットリビウムイオン(Yb
3+)等を挙げることができる。これらのうち、2価の金属イオンが好ましい。より好ましくは遷移金属以外の2価の金属イオン、例えばCa
2+、Sr
2+、またはPb
2+等である。
【0105】
カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンを用いる場合、その量は、特に制限されないが、本発明の変異アポ蛋白質1molに対して、例えば、4mol〜10mol、10mol〜100mol、100mol〜1000molなどである。
【0106】
本発明の蛍光蛋白質の製造において、本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラミドまたはその類縁体との反応は、還元剤の存在下で行うのが好ましい。ここで用いる還元剤としては、例えば、ジチオトレイトール(DTT)、またはメルカプトエタノール等を挙げることができる。本発明の蛍光蛋白質の再生に影響しなければ、本発明の蛍光蛋白質の製造のために用いる還元剤の量は、特に制限されないが、本発明の変異アポ蛋白質にシステイン残基が2つ以上存在する場合、S-S 結合形成を防ぐ濃度であるのが好ましい。例えば、最終濃度が、1 mMジチオトレイトールや0.1%(v/v)メルカプエタノールである。
【0107】
本発明のいくつかの態様では、本発明のgFP様蛋白質を製造するために、本発明の変異アポ蛋白質とセレンテラミドまたはその類縁体との反応を、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンの非存在下で、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンを除去するためのキレート剤の存在下で行う。この場合、キレート剤の量は、蛍光蛋白質の製造に影響しなければ、その濃度は特に制限されない。イオン状態の本発明の変異アポ蛋白質1molには、3molのカルシウムイオンが結合することが示されていることより、例えば、3mol 以上が好ましい。
【0108】
本発明のgFP様蛋白質を製造するのに用いるキレート剤は、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2もしくは3価のイオンと強く結合するものであればよく、特に制限されない。キレート剤の例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N′,N′−四酢酸(EGTA)、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンN,N,N′,N′−四酢酸(CyDTA)、またはN−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)等を挙げることができる。
【0109】
本発明の蛍光蛋白質の製造における反応温度および反応時間は、特に限定されないが、例えば、0℃〜42℃で、0.1時間〜2時間、4℃〜37℃で、0.1時間〜2時間、または4℃〜15℃で、0.1時間〜24時間である。
【0110】
このようにして得た本発明の蛍光蛋白質は、さらに精製に供してもよい。本発明の蛍光蛋白質の精製は、通常の分離・精製方法に従って行うことができる。分離・精製方法としては、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、透析法、限外ろ過法などを単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。
【0111】
8.本発明の蛍光蛋白質の利用
発光触媒としての利用
本発明のBFP様蛋白質は、発光基質に作用しそれを発光させるので、発光触媒として利用できる。そこで、本発明は、本発明のBFP様蛋白質に、セレンテラジンまたはその類縁体を接触させることを含む、発光方法を提供する。ここで、「接触」とは、本発明のBFP様蛋白質とセレンテラジンまたはその類縁体とを同一の反応系に存在させることを意味し、例えば、セレンテラジンまたはその類縁体を収容した容器に本発明のBFP様蛋白質を添加すること、本発明のBFP様蛋白質を収容した容器にセレンテラジンまたはその類縁体を添加すること、または本発明のBFP様蛋白質とセレンテラジンまたはその類縁体とを混合すること、などが含まれる。
【0112】
本発明の発光方法に用いる発光基質は、例えばセレンテラジンまたはその類縁体である。セレンテラジンの類縁体としては、前記したものと同様のものを挙げることができる。
【0113】
これらのセレンテラジンおよびその類縁体を本発明のBFP様蛍光蛋白質に接触させ、接触させたBFP様蛋白質の触媒作用によって、セレンテラジンまたはその類縁体が対応するセレンテラミドまたはその類縁体に酸化される際(この時、二酸化炭素が放出される)、発光が生じる。通常発光時間は、0.5〜3時間であるが、条件の選択により、発光時間を更に長時間とすることも、または発光時間を更に短時間とすることも可能である。
【0114】
レポーター蛋白質としての利用
本発明の蛍光蛋白質は、レポーター蛋白質としてプロモーターなどの転写活性の測定に利用することもできる。本発明の変異アポ蛋白質をコードするポリヌクレオチドを、目的のプロモーターまたは他の発現制御配列(例えば、エンハンサーなど)に融合したベクターを構築する。前記ベクターを宿主細胞に導入し、さらに、これに、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンの存在下または非存在下でセレンテラミドもしくはその類縁体を接触させ、本発明の蛍光蛋白質に由来する蛍光を検出することにより、目的のプロモーターまたは他の発現制御配列の活性を測定することができる。ここで、「接触」とは、宿主細胞とセレンテラミドまたはその類縁体を同一の培養系・反応系に存在させることを意味し、例えば、宿主細胞の培養容器にセレンテラミドまたはその類縁体を添加すること、宿主細胞とセレンテラミドまたはその類縁体とを混合すること、宿主細胞をセレンテラミドまたはその類縁体の存在下で培養することなどが含まれる。
【0115】
検出マーカーとしての利用
本発明の蛍光蛋白質は、蛍光による検出マーカーとして利用することができる。本発明の検出マーカーは、例えば、イムノアッセイまたはハイブリダイゼーションアッセイなどにおける目的物質の検出に利用することができる。本発明の蛍光蛋白質を化学修飾法など通常用いられる方法により目的物質(蛋白質或いは核酸など)と結合させて使用することができる。このような検出マーカーを用いた検出方法は、通常の方法によって行うことができる。
また、本発明の検出マーカーは、例えば、本発明の変異アポ蛋白質と目的物質との融合蛋白質として発現させ、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入し、さらに、これに、カルシウムイオンまたはカルシウムイオンと置換可能な2価もしくは3価のイオンの存在下または非存在下でセレンテラミドまたはその類縁体を接触させること等によって、前記目的物質の分布を測定するために利用することもできる。ここで、「接触」とは、細胞とセレンテラミドまたはその類縁体とを同一の培養系・反応系に存在させることを意味し、例えば、細胞の培養容器にセレンテラミドまたはその類縁体を添加すること、細胞とセレンテラミドまたはその類縁体とを混合すること、宿主細胞をセレンテラミドまたはその類縁体の存在下で培養することなどが含まれる。
このような目的物質などの分布の測定は、蛍光イメージング等の検出法などを利用して行うこともできる。なお、本発明の変異アポ蛋白質は、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入する以外に、細胞内で発現させて用いることもできる。
【0116】
アミューズメント用品の材料
本発明の蛍光蛋白質は、光の励起をうけて蛍光を生じる。よって、本発明の蛍光蛋白質は、アミューズメント用品の材料の蛍光基材として好適に使用することができる。アミューズメント用品としては、たとえば、蛍光シャボン玉、蛍光アイス、蛍光飴、蛍光絵の具等があげられる。本発明のアミューズメント用品は、通常の方法によって製造することができる。
【0117】
蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)法
本発明の蛍光蛋白質は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)法による分子間相互作用の原理を利用した生理機能の解析や酵素活性の解析(または測定)等の分析方法に利用することができる。
【0118】
例えば、本発明の蛍光蛋白質をドナーまたはアクセプターとして使用し、有機化合物または他の蛍光蛋白質をアクセプターまたはドナーとして使用して、両者の間で蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を起こすことにより蛋白質間の相互作用などを検出することができる。本発明のいくつかの態様では、アクセプターまたはドナーとして使用する有機化合物は、Hoechist3342、Indo−1またはDAP1などである。本発明の別のいくつかの態様では、アクセプターまたはドナーとして使用する他の蛍光蛋白質は、他の緑色蛍光蛋白質(GFP)、他の青色蛍光蛋白質(BFP)、他の変異GFP蛍光蛋白質またはフィコビリンなどである。本発明の好ましい態様において、解析する生理機能は、オーファン受容体(特にG蛋白質共役受容体)、アポトーシス、または遺伝子発現による転写調節などである。また、本発明の好ましい態様において、分析する酵素は、プロテアーゼ、エステラーゼまたはリン酸化酵素などである。
【0119】
FRET法による生理機能の解析は、公知の方法で行うことができ、例えば、文献Hoffmann, C et al Nat Methods(2005) 2: 171-176, Paulsson, J.F. et al. Exp. Diabetes Res. 2008:2008, 865850.などに記載の方法に準じて行うことができる。また、酵素活性の測定も、公知の方法で行うことができ、例えば、文献Ting, A.Y. et al (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 15003-15008, Evellin, S et al (2004) Methods. Mol. Biol. 284: 259-270, Palmer A.E & Tsien, R.Y. (2006) 1:1057-1065などに記載の方法に準じて行うことができる。
【0120】
9.本発明のキット
本発明は、本発明の変異アポ蛋白質、本発明のポリヌクレオチド、本発明の組換えベクターおよび本発明の形質転換体、本発明の発光蛋白質、および本発明の蛍光蛋白質などから選択されるいずれか1つ以上を含むキットも提供する。
【0121】
本発明のある態様では、キットは、本発明の変異アポ蛋白質、または本発明の発光蛋白質を含む。本発明の別の態様では、キットは、本発明のポリヌクレオチド、本発明の組換えベクターまたは本発明の形質転換体を含む。
【0122】
キットには、さらにセレンテラジンもしくはその類縁体、およびセレンテラミドもしくはその類縁体から選択されるいずれか1つ以上を含んでいてもよい。本発明のキットは、通常用いられる材料および方法で製造することができる。本発明のキットは、例えば、サンプルチューブ、プレート、キット使用者に対する指示書、溶液、バッファー、試薬、標準化のために好適なサンプルまたは対照サンプルを含んでもよい。
【0123】
本発明のキットは、前記のカルシウムイオンの検出または定量、レポーター蛋白質もしくはレポーター遺伝子を用いた測定、発光マーカー、蛍光マーカーなどに利用することができる。
【0124】
10.変異アポ蛋白質のスクリーニング方法
本発明は、低カルシウム感受性カルシウム結合発光蛋白質を形成し得る変異アポ蛋白質のスクリーニング方法(以下、「本発明のスクリーニング方法」という場合がある)を提供する。本発明のスクリーニング方法は、次の工程を含む:
(1)アポイクオリンのカルシウム結合ドメインIのEFハンドのループを、
(a)アポイクオリンのカルシウム結合ドメインIIIまたはIVのEFハンドのループ、または、
(b)アポイクオリンと異なるカルシウム結合蛋白質のカルシウム結合ドメインのいずれかのEFハンドのループ
で置換した変異アポ蛋白質を調製する工程;
(2)変異アポ蛋白質から形成したカルシウム結合発光蛋白質の発光の半減期を測定する工程;および
(3)カルシウム結合発光蛋白質の発光の半減期が2秒以上であるとき、当該カルシウム結合発光蛋白質の変異アポ蛋白質を、低カルシウム感受性カルシウム結合発光蛋白質を形成し得る変異アポ蛋白質として選択する工程。
【0125】
工程(1)では、アポイクオリンのカルシウム結合ドメインIのEFハンドのループを他のEFハンドループに置換した変異アポ蛋白質を調製する。アポイクオリンのカルシウム結合ドメインIのEFハンドのループを他のEFハンドループへの置換は、公知の方法により調製することができる。例えば、後述の実施例の発現ベクターpAM2+Xを使う方法が挙げられる。
【0126】
アポイクオリンのカルシウム結合ドメインIは、(a)アポイクオリンのカルシウム結合ドメインIIIまたはIVのEFハンドのループ、または(b) アポイクオリンと異なるカルシウム結合蛋白質のカルシウム結合ドメインのいずれかのEFハンドのループと置換される。アポイクオリンと異なるカルシウム結合タンパク質としては、例えば、クライティン-I、クライティン-II、マイトロコミン、レニラルシフェリン結合タンパク質(RLBP)、カルモジュリン、sacroplasmic calcium-binding protein (SCBP)、トロポニンC, パルブアルブミン、カルパインまたはS100などが挙げられる。
【0127】
工程(2)では、変異アポ蛋白質から形成したカルシウム結合発光蛋白質の発光の半減期を測定する。発光の半減期は、発光蛋白質の発光が最大発光強度値の半分の発光強度値になるまでの時間である。半減期は、前記した方法により求めることができる。
【0128】
工程(3)では、上記求めたカルシウム結合発光蛋白質の発光の半減期が2秒以上であるとき、当該カルシウム結合発光蛋白質の変異アポ蛋白質を、低カルシウム感受性カルシウム結合発光蛋白質を形成し得る変異アポ蛋白質として選択する。「2秒以上」は、例えば、2秒以上、2.1秒以上、2.2秒以上、2.3秒以上、2.4秒以上、2.5秒以上、2.6秒以上、2.7秒以上、2.8秒以上、2.9秒以上、3.0秒以上、3.1秒以上、3.2秒以上、3.3秒以上、3.4秒以上、3.5秒以上、3.6秒以上、3.7秒以上、3.8秒以上、3.9秒以上、4.0秒以上、または4.1秒以上である。より好ましくは、「2秒以上」は、これらの各値以上で、かつ、100秒以下、70秒以下、50秒以下、40秒以下、30秒以下、29秒以下、28秒以下、27秒以下、26秒以下、25秒以下、24秒以下、23秒以下、22秒以下、または21.9秒以下である。
【0129】
以上のようにして、低カルシウム感受性カルシウム結合発光蛋白質を形成し得る変異アポ蛋白質をスクリーニングすることができる。
【0130】
発明を実施するための形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3
rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いる場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
【0131】
なお、本明細書に記載した全ての文献および刊行物は、その目的にかかわらず参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
【0132】
また、本発明の目的、特徴、利点、およびそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を実施できる。発明を実施するための最良の形態および具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示または説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
【実施例】
【0133】
以下に実施例により本発明を説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1 発現ベクターの構築
(1) 新規発現ベクター pAM2+Xの構築
アポイクオリンの1番目のEFハンドループ配列(ドメインIのEFハンドのループ配列)を他のEFハンドループ配列に置換することを目的とした新規発現ベクター pAM2+Xを構築した。すなわち、アポイクオリン遺伝子内にXbaI制限酵素部位を導入し、XbaI-AccI部位の塩基配列を他の塩基配列に置換可能な新規発現ベクター pAM2+Xを、以下の手順で構築した。部位特異的変異法によるXbaI制限酵素部位の導入は、Ho et al., Gene (1989) 77: 51-59記載の方法に従い、PCR法により行った。具体的には、Inouye et al. Biochemistry (1986) 25: 8425-8429記載のアポイクオリン遺伝子を有するpiQ92-HEを鋳型として以下の2種のPCRプライマーRV-MおよびAq-2を用いて、PCRキット(タカラバイオ社製)にてPCR(サイクル条件25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を実施した。
【0134】
RV-M(5’ GAG CGG ATA ACA ATT TCA CAC AGG 3’)(配列番号:9)
Aq-2(5' CC ATT GTG GTT GAC ATC TAG AAA ATT G 3')(配列番号:10)
【0135】
同様にpiQ92-HEを鋳型として以下の2種のPCRプライマーAq-1およびM13-47を用いて、PCRキットにてPCRを実施した。
【0136】
Aq-1(5' AAG CAT ATG TTC AAT TTT CTA GAT GTC 3')(配列番号:11)
M13-47(5' CGC CAG GGT TTT CCC AGT CAC GAC3')(配列番号:12)
【0137】
上記で得られた2カ所のDNA断片を鋳型としてRV-MおよびM13-47のPCRプライマーを用いて、PCRキットにてPCRを実施して、所望のXbaI部位を有するイクオリン遺伝子領域を増幅した。得られたDNA断片をPCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、常法により制限酵素HindIII/EcoRIにて消化した後、Hanna,Z. Fregeau,C. Prefontaine,G. and Brousseau,R. Gene (1984) 30: 247-250記載のpUC9-2の制限酵素HindIII/EcoRI部位に連結する事によって、pAM2+Xを構築した。DNAシークエンサー(ABI社製)にて塩基配列を決定する事により、インサートDNAの確認を行った。発現ベクターpAM2+XのDNA配列を配列番号:3に示す。また、発現ベクターpAM2+XのDNA配列にコードされる蛋白質のアミノ酸配列を配列番号:4に示す。また、発現ベクターpAM2+X中のアポイクオリンのDNA配列(配列番号:3の25番目〜591番目のDNA配列)を 配列番号:1に示す。また、配列番号:1によってコードされるアポイクオリンのアミノ酸配列(配列番号:4の9番目〜196番目のアミノ酸配列)を配列番号:2にしめす。
【0138】
(2) アポイクオリンの1番目のEFハンドループ配列(ドメインIのEFハンドのループ配列)を他のEFハンドループ配列に交換した発現ベクターの構築
アポイクオリンの1番目のカルシウム結合のためのEFハンドループ配列を、アポイクオリンの3および4番目のカルシウム結合のためのEFハンドループ配列(ドメインIII またはIVのEFハンドのループ配列)または他のカルシウム結合蛋白質のEFハンドループ配列と置換した発現ベクターを、
図1に示す手順で構築した。すなわち、これらの発現ベクターを、アポイクオリンのドメインIII またはIVのEFハンドループ配列または他のカルシウム結合蛋白質のEFハンドループ配列のアミノ酸に相当する合成オリゴヌクレオチドを、上記(1)で作製した発現ベクター pAM2+XのXbaI/AccI部位に挿入する事により作製した。具体的には、アポイクオリンの3番目のEFハンドループ配列(配列番号:14(DIDESGQLDVDE))のXbaI/AccI部位である以下のオリゴヌクレオチドリンカー:Aq-9およびAq-10を合成し、pAM2+Xを常法により制限酵素XbaIとAccIで消化後、XbaI/AccI部位にオリゴヌクレオチドリンカー:Aq-9およびAq-10を挿入する事により発現ベクターpAM20を作製した。
【0139】
Aq-9(5' CTA GAC AAA GAT CAA AAT GGC GCC ATT ACA CTG GAT GAA ATG GT 3')(配列番号:15)
Aq-10(5' AGA CCA TTT CAT CCA GTG TAA TGG CGC CAT TTT GAT CTT TGT 3')(配列番号:16)
【0140】
同様の方法により、表1に示す他のカルシウム結合蛋白質のEFハンドのループ配列と交換した発現ベクター、pAM21、pAM15、pAM22、pAM23、pAM27、pAM28、pAM29、pAM30、pAM31、pAM32、pAM17、pAM33、pAM34、pAM7、pAM24、pAM19、pAM25、pAM16, pAM35, pAM36, pAM37, pAM38およびpAM39を構築した。使用した合成オリゴヌクレオチドは、表2に記載した。
【0141】
【表1】
【0142】
【表2】
【0143】
(3) 変異アポイクオリンの大腸菌での発現および発光の半減期の比較
大腸菌において、上記(2)で構築した他のEFハンドループ配列と置換した変異アポイクオリン発現ベクターを発現させるために、変異アポイクオリン発現ベクターを常法により大腸菌JM83株に導入した。得られた形質転換株を、アンピシリン(50μg/ml)を含有する10mlのLB液体培地(水1リットルあたり、バクトトリプトン10 g、イーストイクストラクト5 g、塩化ナトリウム5 g、pH 7.2)に植菌し、37℃で18時間培養を行った。集菌した1 ml分の培養菌体を1 mlの10 mM EDTAを含有する30 mM Tris-HCl (pH 7.6)で懸濁し、氷冷下で超音波破砕処理(ブランソン社製、Sonifier model cycle 250)を5秒間行い、組換え変異アポイクオリン抽出液とした。次いで、2-メルカプトエタノール(1μl)(和光純薬社製)、エタノールに溶解した基質セレンテラジン(1μg/μl)(チッソ株式会社、以下同じ)を組換え変異アポイクオリン抽出液と混合し、氷上(4℃)で18時間放置することにより、変異イクオリンへの再生を行った。再生反応液を、0.1%(w/v) BSA(シグマ社製)、10 mM EDTAを含有するTBS(15 mM塩化ナトリウムを含む2 mM Tris-HCl(pH7.6))にて2倍希釈した後、各再生発光蛋白質溶液10μlまたは100μlへ、50 mM Tris-HCl (pH 7.6)に溶解した50 mMカルシウム溶液を100μl加えることにより発光反応を開始させ、発光プレートリーダーCentro LB960(ベルトールド社製)にて30秒間発光活性の測定を行った。反応溶液でのカルシウムの最終濃度は、25 mMである。発光活性は最大値(Imax)を相対活性(%)で示した。その結果を、以下の表3にまとめた。
【0144】
【表3】
【0145】
以上の結果より、イクオリンのEFハンドループ配列を、他のカルシウム結合蛋白質のEFハンドのループ配列と交換した発現ベクターである pAM20、pAM22、pAM23、pAM28、pAM31、pAM33およびpAM19より産出される変異アポイクオリンを用いて調製した変異イクオリンにおいて、天然イクオリンに比べ半減期(最大発光強度値の半分になるまでの時間)が著しく長くなることが明らかとなった。天然イクオリンに比べ2倍以上長い半減期をもつ変異体の多くで共通することは、変異体のEFハンドのループ配列の2番目のアミノ酸残基が塩基性アミノ酸であるリジンあること、または4番目のアミノ酸残基が塩基性アミノ酸であるアルギニンであること、などである。
【0146】
そこで、さらに天然型イクオリンのEFハンドI のループ部分アミノ酸への部位特異的変異導入を試みた。イクオリンのEFハンドIのループについて、2番目のバリン残基の塩基性アミノ酸リジン残基またはアルギニン残基への置換、および、7番目のリジン残基のアラニン残基への置換を、上記(2)に記載した方法と同様の方法にて行なった。
【0147】
その結果を表4に示す。表4に示すとおり、イクオリンのEFハンドIのループの2番目のバリン残基を塩基性アミノ酸であるリジンまたはアルギニンと置換した変異体では、半減期が、天然型イクオリンでは1.3秒であったものが、5.3〜11.5秒へと著しく延びることが明らかとなった。また、7番目のリジン残基をアラニン残基に置換することにより、半減期は1.7秒に長くなった。これは、4番目のアミノ酸残基が塩基性アミノ酸であるヒスチジンであることによるものと考えられる。
【0148】
【表4】
【0149】
実施例2 新規発現ベクター piP-H-AM20の構築
変異イクオリンの中で、半減期が長く、十分に発光活性を有するAM20を代表例として、蛋白質の精製を行い、その性質を解析した。
(1) 発現基本ベクターpiP-H-XELの構築
アミノ末端にヒスチジン配列を有し、その下流にマルチクローニングサイト配列(NcoI/ HindIII/ NdeI/ SacI/ KpnI/ XhoI/ BamHI/ EcoRI/ SalI/ PstI/ XbaI/ BamHI)を持つ基本ベクターpiP-H-XELを、Inouye,S. and Hosoya,T. Biochem. Biophys. Res. Comum.(2009) 386: 617-622記載のpiP-His-HEのXbaI部位とEcoRI部位を除去し、化学合成したマルチクローニングサイト配列を挿入することにより構築した。この発現基本ベクター piP-H-XELのHindIII/EcoRI部位に、実施例1で構築したベクターpAM20のHindIII/EcoRI断片を挿入することにより、新規発現ベクター piP-H-AM20を構築した。
具体的には、piP-His-HEを常法により制限酵素XbaIで消化した後、Klenowフラグメント(和光純薬工業社製)により平滑末端処理を行い、ライゲーションすることでXbaI部位を除去したベクターpiP-H-Xを構築した。このpiP-H-Xを制限酵素EcoRI/HindIIIで消化後、EcoRI部位が切断できないように調製した以下のリンカーΔE/H-His6-FおよびΔE/H-His6-Rを挿入することによりXbaI部位とEcoRI部位を除去したベクター piP-H-XEを構築した。
【0150】
ΔE/H-His6-F(5' aat ttc cac cat cac cat cac cat ggt a 3')(配列番号:86)
ΔE/H-His6-R(5' ag ctt acc atg gtg atg gtg atg gtg ga 3')(配列番号:87)
【0151】
さらに、このpiP-H-XEベクターを制限酵素HindIII/BamHIで消化後、マルチクローニング配列である以下のリンカー:Linker F(11)H-BおよびLinker R(11)H-Bを挿入することにより、新規発現基本ベクターpiP-H-XELを構築した。
【0152】
Linker F(11)H-B(5' AG CTT CAT ATG GAG CTC GGT ACC CTC GAG GGA TCC GAA TTC GTC GAC CTG CAG TCT AGA G 3')(配列番号:88)
Linker R(11)H-B(5' GA TCC TCT AGA CTG CAG GTC GAC GAA TTC GGA TCC CTC GAG GGT ACC GAG CTC CAT ATG A 3')(配列番号:89)
【0153】
発現基本ベクターは、大腸菌のリポプロテインのプロモーター、ラクトースのオペレーターに制御され、分泌のためのOmpAの配列、キレートゲルによる精製のための6個のヒスチジン配列、マルチクローニング配列(NcoI/ HindIII/ NdeI/ SacI/ KpnI/ XhoI/ BamHI/ EcoRI/ SalI/ PstI/ XbaI/ BamHI)を有する。
【0154】
(2) 新規発現ベクターpiP-H-AM20の構築
実施例1で構築したベクター pAM20を制限酵素HindIII/EcoRIで消化し、得られた断片を、上記(1)で構築した基本ベクター piP-H-XELの制限酵素HindIII/EcoRI部位に挿入することにより、
図2に示す発現ベクター piP-H-AM20を構築した。発現ベクター piP-H-AM20に挿入された組換え変異イクオリンAM20をコードするDNA配列を配列番号:7に示す。また、発現ベクター piP-H-AM20に挿入された組換え変異イクオリン(AM20)のアミノ酸配列を配列番号:8に示す。変異アポイクオリンをコードするDNA配列(配列番号:7の94番目〜657番目の配列)を、配列番号:5に示す。また、配列番号:5のDNA配列によってコードされる変異アポイクオリンのアミノ酸配列(配列番号:8の32番目〜219番目の配列)を、配列番号:6に示す。
【0155】
実施例3 組換え変異イクオリンAM20の発現および精製法
組換え変異イクオリンAM20は、以下に示すように、発現ベクター piP-H-AM20を用いて、大腸菌にて組換え変異アポイクオリンAM20を発現、ニッケルキレートカラムグラフ法にて精製し、組換え変異アポイクオリンAM20を得た。還元状態で精製組換え変異アポイクオリンAM20と基質セレンテラジンを反応させることにより、精製組換え変異イクオリンAM20を得た。
【0156】
(1) 組換え変異アポイクオリンAM20の大腸菌での発現
大腸菌において組換え変異アポイクオリンAM20を発現させるために、変異アポイクオリン遺伝子発現ベクター piP-H-AM20を用いた。常法により大腸菌WA802に導入し、得られた形質転換株をアンピシリン(50μg/ml)を含有する10mlのLB液体培地(水1リットルあたり、バクトトリプトン 10g、イーストイクストラクト 5g、塩化ナトリウム 5g、pH7.2)に植菌し、25℃で18時間培養を行った。次いでその培養物を新たなLB液体培地400ml x 5本(総量2L)に添加して37℃で18時間培養を行った。培養後、菌体を遠心回収(5,000rpm、5分)し、蛋白質抽出の出発材料とした。
【0157】
(2) 培養菌体からの組換え変異アポイクオリンAM20の抽出およびニッケルキレートカラムクロマトグラフ法
集菌した培養菌体を200mlの50mM Tris-HCl (pH7.6)で懸濁し、氷冷下で超音波破砕処理(ブランソン社製、Sonifier model cycle 250)を3分間、3回行い、その菌体破砕液を10,000rpm(12,000×g)で4℃、20分間遠心した。得られた可溶性画分を、ニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社製、カラムサイズ:直径2.5×6.5cm)に供し、組換え変異アポイクオリンAM20を吸着させた。300mlの50mM Tris-HCl (pH7.6)で洗浄後、30mlの0.1Mイミダゾールを含む50mM Tris-HCl (pH7.6)により組換え変異アポイクオリンAM20を溶出した。2Lの培養菌体より、44.8mgの精製組換え変異アポイクオリンAM20を得た。
【0158】
(3) 組換え変異アポイクオリンAM20から組換え変異イクオリンAM20への再生法
組換え変異アポイクオリンAM20から組換え変異イクオリンAM20への再生は、以下の条件で行った。
上記(2)で得た精製組換え変異アポイクオリンAM20 10mlを10mM DTTおよび10mM EDTAを含む50mM Tris-HCl (pH7.6) 90mlに溶解し、エタノールに溶解したセレンテラジン0.3mgを加え、4℃で一昼夜放置し、組換え変異イクオリンAM20へと再生した。
【0159】
(4) ブチルセファロースカラムクロマトグラフ法による組換え変異イクオリンAM20の精製法
セレンテラジンと複合体を形成した組換え変異イクオリンAM20と、複合体を形成しなかった組換え変異アポイクオリンAM20の分離は、疎水性クロマトグラフィーであるブチルセファロース4ファーストフローゲル(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いて行った。
【0160】
具体的には、上記(3)で得られた組換え変異イクオリンAM20 (130ml)を、硫酸アンモニウムの最終濃度が2Mになるように調製し、次いで不溶性画分を10,000rpm(12,000×g)で4℃、20分間遠心を行うことにより除去し、その上澄み液を、2M-硫酸アンモニウムおよび2mM EDTAを含む10mM Tris-HCl (pH7.6)で平衡化したブチルセファロース4ファーストフローカラム(カラムサイズ:直径1.5×3.2cm)に添加して吸着させた。70mlの2M-硫酸アンモニウムおよび2mM EDTAを含む10mM Tris-HCl (pH7.6)で洗浄後、20mlの1.2M-硫酸アンモニウムおよび2mM EDTAを含む10mM Tris-HCl (pH7.6)により組換え変異イクオリンAM20を溶出した。
【0161】
蛋白質濃度は、Bradford法にもとづく市販のアッセイキット(バイオラッド社製)を用い、ウシ血清アルブミン(ピアス社製)を標準物質として用い決定した。その結果、表5に示すように、2Lの培養菌体からのニッケルキレートカラムクロマトグラフ法での組換え変異アポイクオリンAM20の活性回収率は91.9%、収量44.8mgであった。そのうちの10.4mgを組換え変異イクオリンAM20に再生し、ブチルセファロースカラムクロマトグラフ法により精製した結果、組換え変異イクオリンAM20の活性回収率は13.0%、収量0.45mgであった。
【0162】
【表5】
【0163】
実施例4 発光活性の測定法
組換え変異アポイクオリンAM20の精製過程での発光測定は、1mlの10mM EDTAを含有する30mM Tris-HCl (pH7.6)、2-メルカプトエタノール(1μl)、エタノールの溶解した基質セレンテラジン(1μg/μl)を混合した後、10μlの組換え変異アポイクオリンAM20を添加し、氷上(4℃)で2時間反応を行った。再生反応溶液1μlへ、50mM Tris-HCl (pH7.6)に溶解した50mMカルシウム溶液を100μl加えることにより発光反応を開始した。発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200(アトー社製)にて発光活性を測定し、最大値(Imax)で示した。
【0164】
実施例5 精製イクオリンの調製法
アポイクオリンは、Inouye,S. and Hosoya,T. Biochem Biophys Res Comum.(2009) 386:617-622記載の方法に従い、アポイクオリン発現ベクターpiP-His-HEを発現、精製することにより調製した。アポイクオリンからイクオリンへの再生は、Shimomura,O. and Inouye,S. Protein Express Purifi. (1999)16、91-95記載の方法に従い調製した。
【0165】
実施例6 精製イクオリンと変異イクオリンAM20の生物発光スペクトルおよび発光反応後の蛍光スペクトルの分光学的比較解析
光路長10mmの石英セルを用いて、精製イクオリンまたは組換え変異イクオリンAM20を含む水溶液 1mlに、50mM Tris-HCl (pH7.6)に溶解した10mM塩化カルシウム溶液 100μlを添加することにより発光させ、蛍光測定装置(日本分光社製、FP-6500)の励起光源をオフにして発光スペクトルを測定した。測定条件は、バンドパス:3nm、レスポンス:0.5sec、スキャンスピード:2000nm/min、22〜25℃で行った。カルシウム溶液添加による発光反応液は22〜25℃で1時間放置後、光路長10mmの石英セルにて、蛍光スペクトルを測定した。測定条件は、励起波長:330nm、バンドパス:3nm、レスポンス:0.5sec、スキャンスピード:1000nm/min、22〜25℃である。
【0166】
測定した発光および蛍光スペクトルをスペクトル補正処理し、発光極大値(λmax)と半値幅(nm)を求め、表6に示した。精製イクオリンおよび組換え変異イクオリンAM20の発光スペクトルおよび発光スペクトル後の蛍光スペクトルは、ほぼ同じであることが明らかとなった。この結果は、両者の発光過程は同じであり、発光反応後に生成する青色蛍光蛋白質もほぼ同一の構造であることを示唆している。
【0167】
【表6】
【0168】
実施例7 精製イクオリンおよび組換え変異イクオリンAM20の発光パターンの測定および半減期の比較
精製イクオリンおよび変異イクオリンAM20の発光パターンを比較し、半減値を決定するため、発光プレートリーダーCentro LB960(ベルトールド社製)を用いて行った。具体的には、50μlの50mM Tris-HCl (pH7.6)に溶解した10mM塩化カルシウム溶液へ、0.1%(w/v) BSA、10mM EDTAを含有するTBSにて希釈した精製イクオリンの発光蛋白質溶液10μl (2.5 ng)または組換え変異イクオリンAM20の発光蛋白質溶液10μl (9 ng)を加えることにより発光反応を開始させ、0.1秒間隔に60秒間発光活性の測定を行った。発光活性は、最大値(Imax)を相対活性(%)で示し、発光パターンを
図3へ示した。さらに、測定した発光パターン(
図3)より発光の半減期を求め、イクオリンと組換え変異イクオリンAM20の発光における半減期について比較し、表7に示した。組換え変異イクオリンAM20は、イクオリンに比べて発光の減衰時間が長く、半減期が約10倍以上であることが明らかとなった。このことは、実施例1で行った変異アポイクオリン抽出液を用いた半減期と同じ傾向を示し、変異イクオリンAM20は明らかに半減期が長いことが明らかとなった。
【0169】
【表7】
【0170】
実施例8 組換え変異イクオリンAM20の基質特異性
アポイクオリンとセレンテラジン類縁体を用いて、半合成イクオリンを作製することが可能であることが報告されている。変異半合成イクオリンAM20を調製し、その性質を調べた。具体的には、1mlの10mM EDTAを含有する30mM Tris-HCl (pH7.6)、2-メルカプトエタノール(1μl)、エタノールに溶解した基質セレンテラジン類縁体(1μg/μl)を混合した後、10μlの精製アポイクオリンまたは組換え変異アポイクオリンAM20を添加し、氷上(4℃)で5時間放置することにより、再生反応を行った。0.1%(w/v) BSA、10mM EDTAを含有するTBSにて10倍希釈した再生反応溶液5μlへ、50mM Tris-HCl (pH7.6) に溶解した50mMカルシウム溶液を100μl加えることにより発光反応を開始した。発光プレートリーダーCentro LB960(ベルトールド社製)にて0.1秒ごと、60秒間発光活性を測定した。最大値(Imax)を相対活性(%)で示し、発光パターンより半減期を求めた。その結果を下記表8にまとめた。
【0171】
組換え変異イクオリンAM20とセレンテラジンの類縁体を組み合わせることにより、さらに半減期がセレンテラジン(CTZ)に比べ1.5〜5倍以上長くなることを示している。特にn-CTZ、cf3-CTZ、i-CTZ、meo-CTZおよびme-CTZ(チッソ社製)を発光基質とする半合成イクオリンに関しては、発光の半減期が著しく長くなることが明らかとなった。すなわち、半減期の長くなった変異導入イクオリンとセレンテラジン類縁体とを組合わせることにより、さらに発光時間を長くすることができることが示される。
【0172】
【表8】
【0173】
実施例9 精製イクオリンおよび組換え変異イクオリンAM20によるカルシウム濃度の決定法
カルシウム標準溶液(0.001mM, 0.003mM, 0.01mM, 0.03mM, 0.1mM, 0.3mM, 1mM, 3mM, 10mM, 30mM, 100mM)(和光純薬社製)50μlへ、0.1% (w/v) BSA、10mM EDTAを含有するTBSにて希釈した精製イクオリン溶液10μl (2.5 ng)または組換え変異イクオリンAM20溶液10μl (9 ng)を加えることにより発光反応を開始させた。発光プレートリーダーCentro LB960(ベルトールド社製)にて60秒間発光活性を測定し、最大値(Imax)を相対活性(%)で示した(
図4)。
【0174】
組換え変異イクオリンAM20はイクオリンに比べてカルシウムに対する感受性が低い事が明らかとなった。カルシウムに対する感受性が低いことが、組換え変異イクオリンAM20の半減期を長くしていることを示している。
【配列表フリーテキスト】
【0175】
[配列番号:1]アポイクオリンをコードするDNAの塩基配列を示す。
[配列番号:2]配列番号:1の塩基配列にコードされるアポイクオリンのアミノ酸配列を示す。
[配列番号:3]発現ベクターpAM2+Xに挿入された組換えアポイクオリンをコードするDNAの塩基配列を示す。
[配列番号:4]配列番号:3の塩基配列にコードされる組換えアポイクオリンのアミノ酸配列を示す。
[配列番号:5]変異アポイクオリンをコードする塩基配列(配列番号:7の94番目〜657番目の配列)を示す。
[配列番号:6]配列番号:5の塩基配列によってコードされる変異アポイクオリンのアミノ酸配列(配列番号:8の32番目〜219番目の配列)を示す。
[配列番号:7]発現ベクターpiP-H-AM20に挿入された組換え変異アポイクオリン(AM20)をコードするDNAの塩基配列を示す。
[配列番号:8]配列番号:7の塩基配列によってコードされる組換え変異アポイクオリン(AM20)のアミノ酸配列を示す。
[配列番号:9]プライマーRV-Mの塩基配列である。
[配列番号:10]プライマーAq-2の塩基配列である。
[配列番号:11]プライマーAq-1の塩基配列である。
[配列番号:12]プライマーM13-47の塩基配列である。
[配列番号:13]イクオリンEFハンドループ[I]のアミノ酸配列である(pAM2+X)。
[配列番号:14]イクオリンEFハンドループ[III]のアミノ酸配列である(pAM20)。
[配列番号:15]プライマーAq-9の塩基配列である。
[配列番号:16]プライマーAq-10の塩基配列である。
[配列番号:17]イクオリンEFハンドループ[IV]のアミノ酸配列である(pAM21)。
[配列番号:18]プライマーAq-11の塩基配列である。
[配列番号:19]プライマーAq-12の塩基配列である。
[配列番号:20]クライティン-I EFハンドループ[I]のアミノ酸配列である(pAM15)。
[配列番号:21]プライマーPH-52の塩基配列である。
[配列番号:22]プライマーPH-53の塩基配列である。
[配列番号:23]クライティン-I EFハンドループ[III]のアミノ酸配列である(pAM22)。
[配列番号:24]プライマーPH-55の塩基配列である。
[配列番号:25]プライマーPH-56の塩基配列である。
[配列番号:26]クライティン-I EFハンドループ[IV]のアミノ酸配列である(pAM23)。
[配列番号:27]プライマーPH-57の塩基配列である。
[配列番号:28]プライマーPH-58の塩基配列である。
[配列番号:29]クライティン-II EFハンドループ[I]のアミノ酸配列である(pAM27)。
[配列番号:30]プライマーPH-59の塩基配列である。
[配列番号:31]プライマーPH-60の塩基配列である。
[配列番号:32]クライティン-II EFハンドループ[III]のアミノ酸配列である(pAM28)。
[配列番号:33]プライマーPH-61の塩基配列である。
[配列番号:34]プライマーPH-62の塩基配列である。
[配列番号:35]クライティン-II EFハンドループ[IV]のアミノ酸配列である(pAM29)。
[配列番号:36]プライマーPH-63の塩基配列である。
[配列番号:37]プライマーPH-64の塩基配列である。
[配列番号:38]マイトロコミンEFハンドループ[I]のアミノ酸配列である(pAM30)。
[配列番号:39]プライマーMI-1の塩基配列である。
[配列番号:40]プライマーMI-2の塩基配列である。
[配列番号:41]マイトロコミンEFハンドループ[III]のアミノ酸配列である(pAM31)。
[配列番号:42]プライマーMI-3の塩基配列である。
[配列番号:43]プライマーMI-4の塩基配列である。
[配列番号:44]マイトロコミンEFハンドループ[IV]のアミノ酸配列である(pAM32)。
[配列番号:45]プライマーMI-5の塩基配列である。
[配列番号:46]プライマーMI-6の塩基配列である。
[配列番号:47]RLBP EFハンドループ[I]のアミノ酸配列である(pAM17)。
[配列番号:48]プライマーRLBP-4の塩基配列である。
[配列番号:49]プライマーRLBP-5の塩基配列である。
[配列番号:50]RLBP EFハンドループ[III]のアミノ酸配列である(pAM33)。
[配列番号:51]プライマーRLBP-6の塩基配列である。
[配列番号:52]プライマーRLBP-7の塩基配列である。
[配列番号:53]RLBP EFハンドループ[IV]のアミノ酸配列である(pAM34)。
[配列番号:54]プライマーRLBP-8の塩基配列である。
[配列番号:55]プライマーRLBP-9の塩基配列である。
[配列番号:56]カルモジュリンEFハンドループ[I]のアミノ酸配列である(pAM7)。
[配列番号:57]プライマーCAL-1の塩基配列である。
[配列番号:58]プライマーCAL-2の塩基配列である。
[配列番号:59]カルモジュリンEFハンドループ[II]のアミノ酸配列である(pAM24)。
[配列番号:60]プライマーCAL-9の塩基配列である。
[配列番号:61]プライマーCAL-10の塩基配列である。
[配列番号:62]カルモジュリンEFハンドループ[III]のアミノ酸配列である(pAM19)。
[配列番号:63]プライマーCAL-7の塩基配列である。
[配列番号:64]プライマーCAL-8の塩基配列である。
[配列番号:65]カルモジュリンEFハンドループ[IV]のアミノ酸配列である(pAM25)。
[配列番号:66]プライマーCAL-11の塩基配列である。
[配列番号:67]プライマーCAL-12の塩基配列である。
[配列番号:68]SCBP EFハンドループ[I]のアミノ酸配列である(pAM16)。
[配列番号:69]プライマーSCBP-1の塩基配列である。
[配列番号:70]プライマーSCBP-2の塩基配列である。
[配列番号:71]イクオリン EFハンドループ[I]の変異導入アミノ酸配列である(pAM35)。
[配列番号:72]プライマーAq-13の塩基配列である。
[配列番号:73]プライマーAq-14の塩基配列である。
[配列番号:74]イクオリン EFハンドループ[I]変異体のアミノ酸配列である(pAM36)。
[配列番号:75]プライマーAq-15の塩基配列である。
[配列番号:76]プライマーAq-16の塩基配列である。
[配列番号:77]イクオリン EFハンドループ[I]変異体のアミノ酸配列である(pAM37)。
[配列番号:78]プライマーAq-17の塩基配列である。
[配列番号:79]プライマーAq-18の塩基配列である。
[配列番号:80]イクオリン EFハンドループ[I]変異体のアミノ酸配列である(pAM38)。
[配列番号:81]プライマーAq-19の塩基配列である。
[配列番号:82]プライマーAq-20の塩基配列である。
[配列番号:83]イクオリン EFハンドループ[I]変異体のアミノ酸配列である(pAM39)。
[配列番号:84]プライマーAq-21の塩基配列である。
[配列番号:85]プライマーAq-22の塩基配列である。
[配列番号:86]リンカーΔE/H-His6-Fの塩基配列である。
[配列番号:87]リンカーΔE/H-His6-Rの塩基配列である。
[配列番号:88]リンカー:Linker F(11)H-Bの塩基配列である。
[配列番号:89]リンカー:Linker R(11)H-Bの塩基配列である。