(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1接続部と前記第2接続部との間には、前記第1接続部及び前記第2接続部側から前記第1固定部及び前記第2固定部側に突出するように湾曲する部分が介在していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の接続端子。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0014】
なお、以下の実施の形態及びその変形例では、一例として、半導体パッケージ及び基板の平面形状が矩形状である場合を示すが、半導体パッケージ及び基板の平面形状は矩形状には限定されず、任意の形状として構わない。
【0015】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係るソケットの構造]
図3は、第1の実施の形態に係るソケットを例示する断面図である。
図4は、
図3の一部を拡大して例示する断面図である。
図5は、
図3の一部を拡大して例示する平面図である。
図3〜
図5において、X方向は接続端子30の配列方向、Y方向はX方向と垂直で基板本体21の第1主面21aに平行な方向、Z方向は基板本体21の第1主面21aに垂直な方向としている。
図3及び
図4は
図5のXZ平面に平行な断面を図示しており、
図5は接続端子30のみを図示している。
【0016】
図3〜
図5を参照するに、ソケット10は、基板20と、接続端子30と、位置決め部40と、接合部51及び52とを有する。60は第1被接続物である半導体パッケージを、70は第2被接続物であるマザーボード等の実装基板を、80は筐体を示している。半導体パッケージ60は、ソケット10を介して、離間可能な状態(固定されていない状態)で実装基板70と電気的に接続されている。なお、第1の実施の形態では、第1被接続物として半導体パッケージ60を例示して説明するが、第1被接続物は半導体チップを有さない配線基板等であっても構わない。
【0017】
ソケット10において、基板20は、基板本体21と、基板本体21の第1主面21aに形成された第1導体層22と、第2主面21bに形成された第2導体層23と、基板本体21の第1主面21aから第2主面21bに貫通する貫通孔21x内に形成されたビア配線24とを有する。なお、基板本体21の第1主面21aに形成され第1導体層22の一部を露出する開口部を有するソルダーレジスト層、基板本体21の第2主面21bに形成され第2導体層23の一部を露出する開口部を有するソルダーレジスト層を設けてもよい。
【0018】
第1導体層22と第2導体層23とは、ビア配線24を介して電気的に接続されている。ビア配線24は、貫通孔21xを充填しなくても構わない。第1導体層22は、接続端子30の第1固定部31a(詳細は後述)及び第2固定部33a(詳細は後述)と接続されるパッドとして機能する。第2導体層23は、実装基板70と接続されるパッドとして機能する。第1導体層22のピッチは、例えば、1.2〜2.0mm程度とすることができる。
【0019】
基板本体21は、接続端子30を固定するための基体となるものであり、例えば、ポリイミド樹脂や液晶ポリマ等を用いたフレキシブルなフィルム状基板を用いることができる。基板本体21として、ガラスクロスにエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸したリジッドな基板(例えば、FR4材等)を用いても構わない。基板本体21の厚さは、例えば100〜800μm程度とすることができる。
【0020】
第1導体層22、第2導体層23、及びビア配線24の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。第1導体層22、第2導体層23の厚さは、例えば、5〜50μm程度とすることができる。第1導体層22、第2導体層23、及びビア配線24は、例えば、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種配線形成方法により形成できる。
【0021】
接続端子30は、ばね性を有する導電性の部材である。接続端子30の一端側にある第1固定部31a及び第2固定部33aは、接合部51を介して隣接する第1導体層22と電気的及び機械的に接続されている。接続端子30の他端側にある第1接続部31b(詳細は後述)及び第2接続部33b(詳細は後述)は、後述する半導体パッケージ60の隣接するパッド64に離間可能な状態(固定されていない状態)で当接し、隣接するパッド64と電気的に接続されている。
【0022】
領域Aに配列された接続端子30と、領域Bに配列された接続端子30とは、概ね対向している。このような配列により、接続端子30がZ方向に押圧されたときに、横方向(Z方向以外の方向)に生じる反力を低減できる。特に、接続端子30の数が多いときに有効である。但し、例えば接続端子30の数が比較的少ない場合のように、横方向(Z方向以外の方向)に生じる反力が問題にならない場合には、領域Aの接続端子30と領域Bの接続端子30とが同一方向を向くように配列しても構わない。なお、接続端子30の詳細な構造については、後述する。
【0023】
接合部51は、第1導体層22上に形成され、接続端子30の第1固定部31a及び第2固定部33aと隣接する第1導体層22とを電気的及び機械的に接続している。接合部51の材料としては、はんだや導電性樹脂ペースト(例えば、Agペースト)等の導電性材料を用いることができる。接合部51の材料としてはんだを用いる場合は、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。
【0024】
位置決め部40は、例えばエポキシ系樹脂等を主成分とする平面形状が額縁状の部材である。位置決め部40の底面は、基板本体21の第1主面21aの外縁部に接着剤等により固着されている。位置決め部40は、ねじ等を用いて基板20と機械的に固着しても構わない。位置決め部40の内側面の形成する空間の平面形状は、後述の半導体パッケージ60の基板61の平面形状と略同一であり、半導体パッケージ60を挿入可能に形成されている。
【0025】
位置決め部40の内側面は、挿入された半導体パッケージ60の基板61の側面と接し、半導体パッケージ60とソケット10とを位置決めする。これにより、半導体パッケージ60の隣接するパッド64と、ソケット10の第1接続部31b及び第2接続部33bとが当接する。位置決め部40は、半導体パッケージ60とソケット10とを位置決めする機能に加えて、基板20の強度を補強する機能も有する。
【0026】
なお、位置決め部40はソケット10の必須の構成要素ではなく、例えば、位置決め部40を設けずに、後述の筐体80の枠部81により半導体パッケージ60を位置決めする構造にしても構わない。
【0027】
接合部52は、基板20の第2導体層23と実装基板70の導体層72(パッド)とを電気的及び機械的に接続している。接合部52の材料としては、はんだや導電性樹脂ペースト(例えば、Agペースト)等の導電性材料を用いることができる。接合部52の材料としてはんだを用いる場合は、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。
【0028】
なお、接合部52はソケット10の必須の構成要素ではなく、例えば、ソケット10に接合部52を設けずに、実装基板70の導体層72上にはんだや導電性樹脂接着剤等からなるバンプ等を設けても構わない。
【0029】
次に、第1被接続物である半導体パッケージ60、第2被接続物であるマザーボード等の実装基板70、及び筐体80について説明する。半導体パッケージ60は、所謂LGA(Land grid array)であり、基板61と、半導体チップ62と、封止樹脂63と、パッド64とを有する。基板61は、例えば絶縁性樹脂を含む基板本体に絶縁層、配線パターン、ビア配線等(図示せず)が形成されたものである。基板61の一方の面にはシリコン等を含む半導体チップ62が実装され、他方の面にはパッド64が形成されている。
【0030】
パッド64は、電気信号伝送用の配線パターンの一部であり、例えば、
図6に示すように配置されている。
図6を参照するに、パッド64は、半導体パッケージ60の基準電位(GND)と電気的に接続されているパッド64Gと、シングルエンド信号用のパッドであるパッド64Sとを有する。パッド64Gとパッド64Sとは、交互に配置されている。なお、
図6では、便宜上、パッド64Gを梨地で示している。但し、
図6では、全てのパッドをパッド64G及びパッド64Sとしているが、一部の領域には半導体パッケージ60の電源ラインと電気的に接続されているパッド等の半導体パッケージ60の動作に必要なパッドが配置される。
【0031】
パッド64は、例えば、
図7に示すように配置されていてもよい。
図7を参照するに、パッド64Gは半導体パッケージの基準電位(GND)と電気的に接続されているパッドであり、2個並設されている。パッド64Sはディファレンシャルエンド信号用のパッドであり、2個並設されている。パッド64Sが2個並設されているのは、各パッド64Sで伝送される信号の結合を高め、相互のノイズ成分を打ち消すためである。並設されたパッド64Gと並設されたパッド64Sとは、交互に配置されている。なお、
図7では、便宜上、パッド64Gを梨地で示している。但し、
図7では、全てのパッドをパッド64G及びパッド64Sとしているが、一部の領域には半導体パッケージ60の電源ラインと電気的に接続されているパッド等の半導体パッケージ60の動作に必要なパッドが配置される。
【0032】
又、全ての半導体パッケージ60の電気信号伝送用配線パターンが前述の通りではないが、高周波信号を良好に伝送するためには前述の配置が適用される場合が多い。
【0033】
パッド64の材料は、例えば、銅(Cu)等である。パッド64の厚さは、例えば、5〜10μm程度である。半導体チップ62は、例えばフリップチップ接続により基板61に搭載され、絶縁性樹脂からなる封止樹脂63により封止されている。なお、半導体チップ62の背面を露出するように封止樹脂63を設け、半導体チップ62の背面に例えば銅(Cu)等からなる放熱板を配置しても構わない。
【0034】
なお、接続端子30との接続信頼性を向上するために、パッド64の上面に金属層を積層形成しても構わない。金属層としては、例えば、金(Au)層やパラジウム(Pd)層等の貴金属を含む層を用いることができる。金属層は、例えば、無電解めっき法等により形成できる。なお、金(Au)層の下層として、ニッケル(Ni)層やNi/Pd層(Ni層とPd層をこの順番で積層した金属層)等を形成しても構わない。金属層の厚さは、例えば、0.4μm程度とすることができる。
【0035】
実装基板70(マザーボード等)は、基板本体71と、導体層72(パッド)とを有する。導体層72は、基板本体71の一方の面に形成されている。基板本体71は、例えば、ガラスクロスにエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂を含浸したもの等である。導体層72の材料は、例えば、銅(Cu)等である。
【0036】
筐体80は、枠部81と、蓋部82とを有する。枠部81は、位置決め部40の外側面の更に外側に設けられた平面形状が額縁状の部材である。枠部81の材料としては、剛性のある金属や樹脂等を用いることが好ましい。枠部81は、実装基板70を貫通するボルト等(図示せず)により、実装基板70の上面に固着されている。
【0037】
蓋部82は、例えば金属や樹脂等で形成される平面形状が略矩形状や略額縁状の部材である。蓋部82は、例えば枠部81の上面の一端側に回動可能に取り付けられており、他端側にロック機構を有する。蓋部82の外縁部を枠部81の上面と接するように固定する(ロックする)ことにより(
図3及び
図4の状態)、蓋部82が半導体パッケージ60を実装基板70側に押し込み、半導体パッケージ60は実装基板70側に移動する。
【0038】
これにより、ソケット10の接続端子30は押圧されZ方向に縮んで所定のばね圧が生じ、半導体パッケージ60の隣接するパッド64は、それぞれ接続端子30の第1接続部31b及び第2接続部33bと当接する。つまり、半導体パッケージ60はソケット10を介して実装基板70と電気的に接続される。但し、蓋部82のロックを解除することにより、半導体パッケージ60は、ソケット10から着脱可能である。
【0039】
なお、蓋部82は、枠部81とは別体でも構わない。この場合には、例えば、半導体パッケージ60を蓋部82により上側から押圧した状態で、蓋部82が枠部81に固定可能な構造であれば良い。
【0040】
ここで、
図8を参照しながら、接続端子30の詳細な構造について説明する。
図8は、第1の実施の形態に係る接続端子を例示する断面図である。
図8を参照するに、接続端子30は、金属板31の所定部分に絶縁層32を積層形成し、更に絶縁層32の所定部分に導体層33を積層形成した後、所定形状に湾曲させた部材であり、ばね性を有する。
【0041】
金属板31は、所定形状に成形(曲げ加工)された弾性変形可能な細帯状の金属部材である。金属板31の材料としては、例えば、42アロイ(鉄とニッケルの合金)やCu系合金(リン青銅やベリリウム銅、コルソン系の銅合金等)等を用いることができる。金属板31の表面にめっき膜を形成してもよい。例えば、金属板31の表面にニッケル(Ni)めっき膜を形成してもよいし、ニッケル(Ni)めっき膜上に更にAuめっき膜を積層形成してもよい。金属板31の厚さは、例えば、50〜100μm程度とすることができる。金属板31の幅は、例えば、0.3〜0.5mm程度とすることができる。
【0042】
絶縁層32は、金属板31の所定部分に積層形成されている。具体的には、金属板31の一方の面の第1固定部31aを除く部分を被覆するように形成されている。但し、後述する連結部30cや第2湾曲部30dでは導体層33が形成されていないため、この部分には必ずしも絶縁層32を形成しなくても構わない。絶縁層32の材料としては、例えば、エポキシ系やポリイミド系等の絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層32の厚さは、例えば、20〜30μm程度とすることができる。
【0043】
導体層33は、絶縁層32の所定部分に積層形成されている。具体的には、絶縁層32の金属板31と接しない側の面の少なくとも第2固定部33a及び第2接続部33bを含むように連続的に形成されている。なお、導体層33は、絶縁層32の第1固定部31a側の端部には形成しないことが好ましい。第1固定部31a及び第2固定部33aを接合部51を介して基板20の第1導体層22(パッド)に接合する際に、金属板31と導体層33とが短絡しないようにするためである。導体層33の材料としては、例えば、銅(Cu)等の導電性材料を用いることができる。導体層33の厚さは、例えば、3〜30μm程度とすることができる。
【0044】
接続端子30は、固定側端部30aと、第1湾曲部30bと、連結部30cと、第2湾曲部30dとを有する。なお、これらは、接続端子30を便宜上複数の部分に分割したものであり、これらは一体的に形成されている。
【0045】
固定側端部30aは、接続端子30の一端部の略直線状の部分である。固定側端部30aは、金属板31の一部(金属板31の絶縁層32からの第1の露出部分)である第1固定部31aと、金属板31に絶縁層32を介して積層された導体層33の一部である第2固定部33aとを含む。第1固定部31aは、接合部51を介して基板20の隣接する第1導体層22(パッド)の一方と接合する部分となる。第2固定部33aは、接合部51を介して基板20の隣接する第1導体層22(パッド)の他方と接合する部分となる。第1固定部31a及び第2固定部33aは、それぞれ略平坦な形状とすることができる。第1固定部31aと第2固定部33aとのピッチは、第1導体層22(パッド)のピッチに合わせて、例えば、1.2〜2.0mm程度とすることができる。
【0046】
第1固定部31aと第2固定部33aとは、隣接する第1導体層22(パッド)に対応する間隔に形成されている。平面Cは、基板20の第1主面21aに平行な平面を示している。断面視において、第1固定部31a及び第2固定部33aは、平面C(基板20の第1主面21a)に対して所定の角度θ傾いた状態で、接合部51を介して第1導体層22(パッド)に接合してもよい。角度θは、例えば、0〜0.1度程度とすることができる。
【0047】
このように、第1固定部31a及び第2固定部33aを基板20の第1主面21aに対して所定の角度θ傾いた状態とすることにより、半導体パッケージ60等が第1接続部31b及び第2接続部33bを押圧した際の第1湾曲部30b(後述)の変形による基板20と第1湾曲部30bとの接触を防止することが可能となり、接続端子30及び基板20の破損を防止できる。
【0048】
第1湾曲部30bは、固定側端部30aに隣接する所定形状に湾曲した部分である。第1湾曲部30bは、金属板31に絶縁層32を介して積層された導体層33の一部である第2接続部33bを含む。第2接続部33bは、第1固定部31a及び第2固定部33aの反対側(第1固定部31a及び第2固定部33aから離間する方向)に突出するように湾曲しており、第1被接続物の隣接するパッド(例えば半導体パッケージ60の導体層64等)の一方と当接する部分となる。第2接続部33bは第2固定部33aと電気的に接続されている。
【0049】
第1湾曲部30bは、例えば、C字型に湾曲した形状とされており、ばね性を有する。第1湾曲部30bの機能については後述する。連結部30cは、第1湾曲部30bと第2湾曲部30dとを連結する部分である。連結部30cは、第1接続部31b及び第2接続部33b側から第1固定部31a及び第2固定部33a側に突出するように湾曲している。
【0050】
第2湾曲部30dは、連結部30cに隣接する所定形状に湾曲した部分である。第2湾曲部30dは、裏面に絶縁層32が形成された金属板31の一部である第1接続部31bを含む。第1接続部31bは、第1固定部31a及び第2固定部33aの反対側(第1固定部31a及び第2固定部33aから離間する方向)に突出するように湾曲しており、第1被接続物の隣接するパッド(例えば半導体パッケージ60の導体層64等)の他方と当接する部分となる。第1接続部31bは、絶縁層32が形成されていない金属板31の他方の面(金属板31の絶縁層32からの第2の露出部分)の一部である。第1接続部31bは第1固定部31aと電気的に接続されている。
【0051】
第1接続部31bと第2接続部33bとは、第1被接続物の隣接するパッド(例えば半導体パッケージ60の導体層64等)に対応する間隔に形成されている。又、第1固定部31aと第1接続部31bとは互いに外側を向くように、かつ、第2固定部33aと第2接続部33bとは互いに外側を向くように対向配置されている。第1接続部31bと第2接続部33bとのピッチは、導体層64(パッド)等のピッチに合わせて、例えば、0.4〜1.5mm程度とすることができる。このように、接続端子30により、ピッチ変換できる。例えば、ピッチの狭い導体層64(パッド)等(例えば、0.4〜1.5mm程度)を、第1導体層22(パッド)のピッチ(例えば、1.2〜2.0mm程度)に変換できる。
【0052】
第1湾曲部30bは、半導体パッケージ60等により第1接続部31b及び第2接続部33bが押圧された際、第1接続部31b及び第2接続部33bを導体層64等に向かう方向に反発させることで、第1接続部31b及び第2接続部33bと導体層64等とを固定することなく当接させる機能を有する。但し、本実施の形態の接続端子30では、実際には、固定側端部30aを除く部分が一体的にばねとして機能する。固定側端部30aを除く部分の接続端子30のばね定数は、例えば、0.6〜0.8N/mmとすることができる。
【0053】
第1接続部31b及び第2接続部33bは、例えば半導体パッケージ60が第1接続部31b及び第2接続部33bを押圧した際、第1湾曲部30bの変形により、第1接続部31b及び第2接続部33bがそれぞれ固定側端部30aに近づく方向(Z方向)に移動した状態で、隣接する導体層64等と当接する。これにより、隣接する導体層64等と第1接続部31b及び第2接続部33bとが当接した際、第1接続部31b及び第2接続部33bが、隣接する導体層64等が形成された面と平行な方向に大きく移動することがなくなるため、導体層64等を狭ピッチに配置できる。導体層64等のピッチは、例えば、0.4〜1.5mm程度とすることができる。
【0054】
図8に示す状態(接続端子30の第1接続部31b及び第2接続部33bが押圧されていない状態)における接続端子30の高さHは、例えば、1〜2mm程度とすることができる。
【0055】
接続端子30が、例えば、
図6に示すパッド64と当接する場合、第1接続部31b及び第2接続部33bの何れか一方がパッド64Gと当接し、他方はパッド64Gに隣接するパッド64Sと当接する。このように、本実施の形態では、1個の接続端子30でシングルエンド信号を伝送する場合には、信号がGNDでシールド(遮蔽)されるため、クロストークノイズ等の影響を受け難くできる。又、マイクロストリップライン構造を応用した特性インピーダンスの整合が可能となり、シングルエンド信号の伝送特性を高周波帯域まで向上できる。
【0056】
又、接続端子30が、例えば、
図7に示すパッド64と当接する場合、所定位置の接続端子30の第1接続部31b及び第2接続部33bは隣接するパッド64Gと当接し、それに隣接して配置される接続端子30の第1接続部31b及び第2接続部33bは隣接するパッド64Sと当接する。隣接するパッド64Sと当接する第1接続部31b及び第2接続部33bの一方は差動信号を構成する一方の信号を伝送し、他方は差動信号を構成する他方の信号を伝送する。このように、本実施の形態では、1個の接続端子30でディファレンシャルエンド信号を伝送する場合には、差動信号を構成する一方の信号と他方の信号との間隔を最小化することが可能となり、一方の信号と他方の信号の放射ノイズを相殺できる。そのため、ディファレンシャルエンド信号の伝送特性を高周波帯域まで向上できる。
【0057】
なお、本実施の形態では、接続端子30の一端である第1固定部31a及び第2固定部33aは、基板20を介して、それぞれ第2被接続物である実装基板70の隣接する導体層72(パッド)に間接的に電気的及び機械的に接続されている。しかし、第1固定部31a及び第2固定部33aは、基板20を介さずに、それぞれ第2被接続物である実装基板70の隣接する導体層72(パッド)に直接的に電気的及び機械的に接続してもよい。この場合には、位置決め部40を実装基板70側に設け、接続端子30の一端である第1固定部31a及び第2固定部33aを、接合部51を介して実装基板70の隣接する導体層72(パッド)と電気的及び機械的に接続すればよい。
【0058】
[第1の実施の形態に係るソケットの製造方法]
次に、
図9〜
図20を参照しながら、ソケット10の製造方法について説明する。最初に
図9〜
図17を参照しながら、接続端子30の製造方法について説明する。なお、
図9〜
図14において、(A)は平面図、(B)は断面図である。又、
図15〜
図20は、断面図である。なお、便宜上、
図9〜
図14の平面図(A)に断面図(B)と同様のハッチングを施している。
【0059】
まず、
図9に示す工程では、フープ状の金属板31を準備し、金属板31の一方の面を粗化する。金属板31の材料としては、例えば、42アロイ(鉄とニッケルの合金)やCu系合金(リン青銅やベリリウム銅、コルソン系の銅合金等)等を用いることができる。金属板31の厚さは、例えば、50〜100μm程度とすることができる。金属板31の一方の面の粗化は、エッチングやブラスト処理等により行うことができる。
【0060】
次に、
図10に示す工程では、金属板31の一方の面に絶縁層32を形成する。絶縁層32は、最終的に接続端子30の第1固定部31aとなる部分を露出し、その他の部分を被覆するように形成する。絶縁層32は、例えば、シート状の絶縁性樹脂を金属板31の一方の面の第1固定部31aとなる部分以外にラミネートすることにより形成できる。絶縁層32は、金属板31の一方の面の第1固定部31aとなる部分をマスクした後、金属板31の一方の面に液状又はペースト状の絶縁性樹脂を塗布することにより形成してもよい。絶縁層32は、例えば、熱硬化性のエポキシ系絶縁性樹脂等を用いることができる。熱硬化性の絶縁性樹脂を用いた場合には、金属板31の一方の面に絶縁性樹脂をラミネート又は塗布した後、所定温度に加熱して絶縁層32を硬化させる。絶縁層32の厚さは、例えば、20〜30μm程度とすることができる。
【0061】
次に、
図11に示す工程では、金属板31の一方の面の絶縁層32上に導体層33を形成する。導体層33は、最終的に接続端子30の第2固定部33a及び第2接続部33bとなる部分を含むように連続的に形成する。導体層33は、例えば、絶縁層32上に導体層33を形成する部分を露出するマスク(レジスト層等)を形成し、マスクから露出する絶縁層32上に無電解めっきを施すことにより形成できる。導体層33は、マスクから露出する絶縁層32上に無電解めっき法で金属層を形成し、金属層を給電層とする電解めっき法により形成してもよい。導体層33の材料としては、例えば、銅(Cu)等の導電性材料を用いることができる。導体層33の厚さは、例えば、3〜30μm程度とすることができる。
【0062】
次に、
図12に示す工程では、
図11に示す構造体にスリット31xを形成する。スリット31xは、
図11に示す構造体を貫通する孔であり、プレス加工等により形成できる。スリット31xは、所定の間隔を隔てて上下方向(Y方向)に形成された一組のスリット31xが、更に左右方向(X方向)に一定間隔で複数列並設されるように形成する。左右方向(X方向)に隣接する一組のスリット31xの間の部分が、最終的に個片化されて1つの接続端子30となる。
【0063】
この工程においてスリット31xを設ける理由は、後述の工程において最終的に接続端子30の側面となる部分にもめっき膜を形成するためである。又、上下方向(Y方向)のスリット31xの間に所定の間隔を設けた理由は、この部分を無くして上下方向(Y方向)に隣接するスリット31xを1つにまとめると、後述の工程において、導体層33上に電解めっきを施すことが困難となるためである(給電が困難となるためである)。なお、
図10〜
図12に示す工程において、絶縁層32の厚さ、導体層33の厚さ、及び左右方向(X方向)に隣接する一組のスリット31xの間隔(最終的に接続端子30の導体層33の幅となる)を調整することにより、接続端子30の特性インピーダンスを所望の値(例えば、50Ω)に設定できる。
【0064】
次に、
図13に示す工程では、
図12に示す構造体の金属板31及び導体層33の絶縁層32と接してない部分にめっき膜34を形成する。めっき膜34は、例えば、金属板31及び導体層33を給電層とする電解めっき法により形成できる。めっき膜34は、例えば、ニッケル(Ni)めっき膜とすることができる。又、めっき膜34として、ニッケル(Ni)めっき膜と金(Au)めっき膜とを積層してもよい(ニッケル(Ni)めっき膜が下層、金(Au)めっき膜が上層となる)。ニッケル(Ni)めっき膜の厚さは、例えば、1〜3μm程度とすることができる。金(Au)めっき膜の厚さは、例えば、0.3〜0.5μm程度とすることができる。なお、導体層33を厚くしたい場合には、めっき膜34を形成する前に、金属板31及び導体層33の絶縁層32と接してない部分に電解銅めっき膜を形成してもよい。
【0065】
次に、
図14に示す工程では、連結部35を残してスリット31xの上下方向(Y方向)を除去し、スリット31yを形成する。スリット31yは、例えば、プレス加工等により形成できる。この工程で、一端に形成された連結部35で連結された、最終的に接続端子30となる複数の細帯状の構造体が形成される。
【0066】
次に、
図15〜
図17に示す工程では、
図14に示す複数の細帯状の構造体を所定形状に成形する。具体的には、
図15に示すように、
図14に示す複数の細帯状の構造体を曲げ加工治具100に押し込んで、
図16に示すように、曲げ加工治具100の内側面に沿った形状に変形させる。これにより、
図8に示した固定側端部30a、第1湾曲部30b、及び連結部30cの形状ができあがる。
【0067】
次に、
図17に示す工程では、例えば、円柱の一部に長手方向に沿った溝を形成した先端丸め用治具110を準備し、
図16に示す構造体の連結部35の他端側を先端丸め用治具110の溝に挿入する。そして、先端丸め用治具110を矢印120の方向に回して変形(湾曲)させる。これにより、
図8に示した第2湾曲部30dの形状ができあがる。その後、
図17右側に示す構造体の連結部35を切断することにより、所定形状に成形された複数の細帯状の接続端子30(
図8参照)が完成する。
【0068】
但し、作業性を考慮して、
図16に示す工程の後、連結部35で連結された細帯状の構造体の数量が所定数になるように予め連結部35を切断してから、
図17に示す工程に移行してもよい。なお、
図8及び
図15〜
図17において、
図13等に示すめっき膜34は図示が省略されている。
【0069】
続いて、
図18〜
図20を参照しながら、接続端子30を用いたソケット10の製造方法について説明する。なお、
図18〜
図20は断面図であり、
図18〜
図20において接続端子30等は
図3等とは上下が反転した状態で描かれている。
【0070】
まず、
図18に示す工程では、複数の溝130xが形成された配列治具130を準備し、複数の接続端子30を各溝130xに挿入する。接続端子30は、第1接続部31b及び第2接続部33bが溝130xの底部に接し、第1固定部31a及び第2固定部33aが溝130xから露出するように挿入する。
【0071】
次に、
図19に示す工程では、第1固定部31a及び第2固定部33aに、それぞれ接合部51を形成する。接合部51の材料としては、はんだや導電性樹脂ペースト(例えば、Agペースト)等の導電性材料を用いることができる。接合部51の材料としてはんだを用いる場合は、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。接合部51は、はんだペーストの塗布やはんだボールの搭載等により形成できる。
【0072】
次に、
図20に示す工程では、第2導体層23上に接合部52が形成された基板20を準備し、基板20の第1導体層22が接合部51と接するように基板20を配置する。そして、基板20、接続端子30、接合部51及び52、及び治具130をリフロー炉に通し、接合部51及び52を例えば230℃に加熱して溶融させた後、常温に戻して硬化させる。これにより、基板20と接続端子30とは接合部51を介して接合される。
【0073】
次に、治具130を取り外し、基板20の第1主面21aの外縁部に接着剤等により位置決め部40を固着する(図示せず)。位置決め部40は、例えばエポキシ系樹脂等を主成分とする平面形状が額縁状の部材である。位置決め部40は、ねじ等を用いて基板20と機械的に固着しても構わない。なお、位置決め部40を設けずに、後述の筐体80の枠部81により半導体パッケージ60を位置決めする構造等の場合には、位置決め部40を固着する工程は不要である。以上の
図9〜
図20に示す工程により、接続端子30を有するソケット10(
図3等参照)が完成する。
【0074】
なお、
図19及び
図20に示す工程は、以下のようにしてもよい。すなわち、
図19に示す接合部51を
図20に示す基板20の第1導体層22に予め形成しておく。そして、第1導体層22に接合部51が形成された基板20を、接合部51が配列治具130に挿入された接続端子30の第1固定部31a及び第2固定部33aと接するように配置する。これにより
図20と同様の状態になる。その後、前述のようにリフロー炉に通し、接合部51及び52を例えば230℃に加熱して溶融させた後、常温に戻して硬化させる。これにより、基板20と接続端子30とは接合部51を介して接合される。
【0075】
[第1の実施の形態に係るソケットの使用方法]
次に、
図21及び
図22を参照しながら、ソケット10を用いた半導体パッケージ60と実装基板70との接続方法について説明する。
【0076】
まず、
図21に示すように、実装基板70及びソケット10を準備する。そして、実装基板70とソケット10とを、接合部52を介して接合し電気的及び機械的に接続する。具体的には、実装基板70の導体層72とソケット10の接合部52とを当接させる。そして、接合部52を例えば230℃に加熱して溶融させ、その後硬化させて、実装基板70とソケット10とを接合する。これにより、ソケット10は、接合部52を介して実装基板70と電気的及び機械的に接続される。
【0077】
次いで、
図22に示すように、筐体80を準備し、筐体80の枠部81を実装基板70を貫通するボルト等(図示せず)により、実装基板70の上面に固着する。そして、筐体80の蓋部82を開けて半導体パッケージ60を位置決め部40に挿入し、基板61の側面が位置決め部40の内側面に接するように配置する。但し、この時点では、接続端子30は押圧されていない。半導体パッケージ60は、位置決め部40によりソケット10と位置合わせされ、半導体パッケージ60の隣接するパッド64は各接続端子30の第1接続部31b及び第2接続部33bと当接する。
【0078】
更に、蓋部82を矢印方向に回動させて、半導体パッケージ60を実装基板70側に押し込み、蓋部82の外縁部が枠部81の上面と接するように固定(ロック)する。これにより、接続端子30は押圧されZ方向に縮んで所定のばね圧が生じ、半導体パッケージ60の隣接するパッド64は各接続端子30の第1接続部31b及び第2接続部33bと電気的に接続される。つまり、半導体パッケージ60はソケット10を介して実装基板70と電気的に接続される(
図3及び
図4の状態)。
【0079】
このように、第1の実施の形態では、1個の接続端子30で複数の信号を伝送することが可能となるため、狭ピッチ化されたLGA(Land grid array)に対応したソケットを供給できる。
【0080】
又、1個の接続端子30でシングルエンド信号を伝送する場合には、信号がGNDでシールド(遮蔽)されるため、クロストークノイズ等の影響を受け難くできる。又、マイクロストリップライン構造を応用した特性インピーダンスの整合が可能となり、シングルエンド信号の伝送特性を高周波帯域まで向上できる。
【0081】
更に、1個の接続端子30でディファレンシャルエンド信号を伝送する場合には、差動信号を構成する一方の信号と他方の信号との間隔を最小化することが可能となり、一方の信号と他方の信号の放射ノイズを相殺できる。そのため、ディファレンシャルエンド信号の伝送特性を高周波帯域まで向上できる。
【0082】
又、接続端子30により、ピッチの狭い半導体パッケージ60等のパッドをピッチの広いマザーボード等の実装基板70等のパッドに接続可能となる。つまり、接続端子30により、ピッチ変換が可能となる。
【0083】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、接続端子30とは一部の形状が異なる接続端子90を例示する。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0084】
図23は、第1の実施の形態の変形例1に係る接続端子を例示する断面図である。
図23を参照するに、接続端子90は、連結部30cが連結部90cに、第2湾曲部30dが第2湾曲部90dに置換された点が、接続端子30と相違する。
【0085】
連結部90c及び第2湾曲部90dは、それぞれ連結部30c及び第2湾曲部30dと形状が異なるのみであり、連結部30c及び第2湾曲部30dと同様に機能する。接続端子30では、第1固定部31aは金属板31の一方の面の一端側であり、第1接続部31bは金属板31の他方の面の他端側であった。これに対して、接続端子90では、第1固定部31aは金属板31の一方の面の一端側であり、第1接続部31bは金属板31の一方の面の他端側となっている。これは、以下のような製造工程の相違による。
【0086】
接続端子90は、接続端子30と略同一の工程で製造できる。但し、
図15に示す曲げ加工治具100の内側面の形状を接続端子90の連結部90c及び第2湾曲部90dに対応するように修正し、
図17に示す工程では、連結部35の他端側を先端丸め用治具110の溝に挿入して、先端丸め用治具110を接続端子30とは反対方向に回して変形させる必要がある。
【0087】
このように、曲げ加工治具100の内側面の形状や連結部35の先端の曲げ方向等を適宜選択することにより、所望の形状の接続端子を製造できる。
【0088】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態では、基板20上に位置決め部40を設け、位置決め部40により半導体パッケージ60を位置決めする例を示した。第1の実施の形態の変形例2では、基板20上に位置決め部40を設けず、筐体の枠部に位置決め部の機能を持たせ、半導体パッケージ60を位置決めする例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0089】
図24は、第1の実施の形態の変形例2に係るソケットを例示する断面図である。
図24を参照するに、ソケット10Aにおいて、基板20上に位置決め部40が設けられていない点、及び筐体80Aの枠部83が半導体パッケージ60を位置決めしている点が、第1の実施の形態のソケット10(
図3及び
図4参照)と相違する。
【0090】
図25A〜
図25Cは、第1の実施の形態の変形例2に係る筐体の枠部を例示する図である。
図25Aが平面図、
図25Bが底面図、
図25Cが斜視図である。
図25A〜
図25Cを参照するに、枠部83は、中央に矩形状の開口部83xを有する額縁状の部材に第1の位置決め保持部84と、第2の位置決め保持部85とを設けたものであり、樹脂や金属等から形成されている。枠部83は、半導体パッケージ60及び基板20の位置決め及び保持をし、それぞれを位置合わせする機能を有する。又、枠部83は、半導体パッケージ60と基板20との間隔が所定値以下になることを防止する機能を有する。
【0091】
第1の位置決め保持部84は、面84aと面84bとを有する。面84aは、枠部83の上面83aよりも内側の、上面83aよりも一段下がった位置に、上面83aと略平行に額縁状に設けられた面である。面84bは、面84aと上面83aとの間に上面83aと略垂直に設けられた面であり、枠部83の内側面の一部である。
【0092】
面84aは、半導体パッケージ60の基板61の下面の外縁部と接している。面84bの形成する開口部の形状は、半導体パッケージ60の平面形状に合わせて矩形状とされている。又、面84bの形成する開口部の形状は、半導体パッケージ60の着脱を可能とするため、基板61の外形形状よりも若干大きくされている。面84bと基板61の側面とは、接していても構わないし、ソケット10Aの接続端子30の第1接続部31b及び第2接続部33bと半導体パッケージ60の隣接するパッド64との間に位置ずれが生じない程度の隙間があっても構わない。
【0093】
半導体パッケージ60は、第1の位置決め保持部84により保持されるため、第1の位置決め保持部84の面84aよりも実装基板70側に押し込まれることはない。その結果、半導体パッケージ60が必要以上に実装基板70側に押し込まれ、接続端子30が必要以上に変形して破損することを防止できる。
【0094】
第2の位置決め保持部85は、枠部83の下面83bの外縁部に複数個設けられた、下面83bから突起する突起部である。第2の位置決め保持部85は、内側面85aと底面85bとを有する。複数の第2の位置決め保持部85にはソケット10Aの基板20が圧入され、下面83b及び複数の第2の位置決め保持部85の内側面85aは、それぞれ基板20の上面の外縁部及び側面と接している。
【0095】
内側面85aの形成する開口部の形状は、基板20の平面形状に合わせて矩形状とされている。又、内側面85aの形成する開口部の形状は、基板20の圧入を可能とするため、基板20の外形形状と略同一とされている。各第2の位置決め保持部85の底面85bから枠部83の下面83bまでのそれぞれの高さは、実装基板70の上面から基板20の上面までの高さと略同一であり、各第2の位置決め保持部85の底面85bは実装基板70の上面と接している。
【0096】
なお、枠部83は実装基板70には固定されていないが、ソケット10Aが、接合部52により実装基板70に固定されているため、基板20が圧入されている枠部83も、間接的に実装基板70に固定されていることになる。但し、基板20を枠部83に圧入することにより、枠部83を間接的に実装基板70に固定する構造に代えて、枠部83を実装基板70を貫通するボルト等により、実装基板70の上面に固着する構造としても構わない。
【0097】
このように、第1の実施の形態の変形例2によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するが、更に、以下の効果を奏する。すなわち、筐体の枠部に位置決め部の機能を持たせることにより、基板上に位置決め部を設けなくても第1被接続物である半導体パッケージ等を位置決めすることができる。
【0098】
又、第1被接続物である半導体パッケージ等と基板との間隔が所定値以下にならないため、第1被接続物である半導体パッケージ等が必要以上に実装基板側に押し込まれ、接続端子が必要以上に変形して破損することを防止できる。
【0099】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0100】
例えば、第1の実施の形態及びその変形例において、基板20の両面に接続端子30を設け、基板20の一方の側に設けた接続端子30により半導体パッケージ60と導通をとり、基板20の他方の側に設けた接続端子30により実装基板70と導通をとるようにしてもよい。この構成により、基板20は実装基板70に固定されることなく着脱可能となるため、接続端子30が破損したような場合であっても、容易に基板20を良品と交換できる。
【0101】
又、第1の実施の形態及びその変形例において、第2被接続物としてマザーボード等の実装基板を例示した。しかしながら、第2被接続物はマザーボード等の実装基板には限定されず、半導体パッケージテスト用基板等であってもよい。第2被接続物が半導体パッケージテスト用基板である場合には、半導体パッケージの電気特性等のテストを繰り返し実施することが可能となる。
【0102】
又、本発明に係る接続端子をインターポーザに使用しても構わない。