(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795632
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】LED電球
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20060101AFI20150928BHJP
F21V 29/00 20150101ALI20150928BHJP
F21V 3/04 20060101ALI20150928BHJP
F21V 9/16 20060101ALI20150928BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20150928BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20150928BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20150928BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20150928BHJP
【FI】
F21S2/00 224
F21V29/00
F21V3/04 500
F21V9/16 100
F21V23/00 150
F21V23/00 160
F21V23/06
H01L33/00 L
F21Y101:02
【請求項の数】23
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-514208(P2013-514208)
(86)(22)【出願日】2011年5月27日
(65)【公表番号】特表2013-533581(P2013-533581A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】US2011038454
(87)【国際公開番号】WO2011156158
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2014年5月15日
(31)【優先権主張番号】12/796,555
(32)【優先日】2010年6月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】クリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ブランデス ジョージ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ガルセラン ジュリオ エー.
【審査官】
柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−277586(JP,A)
【文献】
特開2007−157690(JP,A)
【文献】
特開2007−305435(JP,A)
【文献】
特開2010−055993(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3139851(JP,U)
【文献】
特開2006−313727(JP,A)
【文献】
特開2005−108700(JP,A)
【文献】
特開2009−289725(JP,A)
【文献】
特開2009−009826(JP,A)
【文献】
特開2010−108768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/04
F21V 9/16
F21V 23/00
F21V 23/06
F21V 29/00
H01L 33/00
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)電球であって、
少なくとも1つの電気配線が表面に形成された基板を含むLEDライトエンジンであって、該基板が、複数のLEDを取り付けられた、複数の、非同一平面上のLED支持面部を形成する少なくとも1つの屈曲を有し、該基板が、該少なくとも1つの屈曲と、前記複数の、非同一平面上のLED支持面部とを越えて連続的に広がる単一の基板を備える、LEDライトエンジンと、
前記LED電球の基端に配置された複数の電気接点を含む基部要素と、
前記LEDライトエンジンの前記複数のLEDが含まれる内部容積を画定する光透過性カバーと、
前記基部要素と関連し、前記基端と前記カバーとの間に配置された外部からアクセス可能なヒートシンクと、
を備え、
前記LEDライトエンジンは、前記基部要素と結合され、前記基部要素への機械的、電気的、および熱的接続を形成している、LED電球。
【請求項2】
請求項1に記載のLED電球であって、さらに、
前記LEDライトエンジンと前記基部要素との間に取り付けるのを容易にするように構成された少なくとも1つの圧縮止めまたはソケットを備え、
前記LEDライトエンジンは、前記少なくとも1つの圧縮止めまたはソケットを介して、前記基部要素と結合されている、LED電球。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のLED電球であって、
前記外部からアクセス可能なヒートシンクは、前記複数のLEDによって発せられる熱を拡散するように配置された複数のフィンを備える、LED電球。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、さらに、
前記基部要素に配置された1つあるいは複数の電気制御回路要素を備える、LED電球。
【請求項5】
請求項4に記載のLED電球であって、
前記1つあるいは複数の電気制御回路要素は、LED駆動回路要素およびLED制御回路要素とのうちのいずれかを備える、LED電球。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記少なくとも1つの電気配線は、複数の電気配線を備える、LED電球。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記基端は、側部電気接点と端部電気接点とを含むエジソンタイプのねじ込み式電球コネクタを備える、LED電球。
【請求項8】
請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記基端は、ねじ込み式電気ソケットと結合するように構成された、ねじ込み式接点を画定する端部キャップを備える、LED電球。
【請求項9】
請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記基板は、メタルコアのプリント回路基板を備える、LED電球。
【請求項10】
請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記基板は、型打ちされた金属層および少なくとも1つの電気絶縁層を備える、LED電球。
【請求項11】
請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記LEDライトエンジンの少なくとも1つの支持面部は、前記LEDライトエンジンと前記基部要素との間に接続するのを容易にするように配置された少なくとも1つのエッジコネクタ部を備える、LED電球。
【請求項12】
請求項11に記載のLED電球であって、
前記少なくとも1つのエッジコネクタ部は、前記基部要素に画定された少なくとも1つの開口部を貫いて挿入されるように配置されている、LED電球。
【請求項13】
請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記カバーは、拡散器、およびレンズのうちのいずれかを備える、LED電球。
【請求項14】
請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記カバーは、発光材料を備える、LED電球。
【請求項15】
請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記カバーは、空気あるいはその他の流体が前記内部容積と周囲環境との間を流通可能にする複数の開口部を備える、LED電球。
【請求項16】
請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載のLED電球であって、
前記カバーの少なくとも一部は、少なくとも80%の可視透過率スペクトルと、25°Cにおいて少なくとも25W/(m・°K)の熱伝導率とを有する材料を備え、
前記カバーは、前記複数のLEDと熱的導通の状態にある、LED電球。
【請求項17】
請求項1〜16のうちのいずれか1項に記載のLED電球を備える、照明固定器具。
【請求項18】
請求項1〜16のうちのいずれか1項に記載のLED電球を使用する方法であって、
前記複数のLEDを点灯させるために、前記少なくとも1つの電気配線に電流を供給することを備える、方法。
【請求項19】
請求項1〜16のうちのいずれか1項に記載のLED電球を製造する方法であって、
複数のLEDのための少なくとも1つの電気配線を画定するために平面の基板をパターニングすることと、
前記少なくとも1つの電気配線と電気接続された状態で複数のLEDを前記基板に取り付けることと、
前記基板に少なくとも1つの屈曲を画定して、前記複数のLEDが取り付けられる、複数の、非同一平面上の、LED取付面部を形成するように、前記基板を成形することと
を備える、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記基板を成形することは、前記複数のLEDを前記基板に取り付けることの後に行われる、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、
前記成形する工程の後に、さらに、前記基部要素への機械的、電気的、および熱的接続を形成するために前記基板を前記基部要素と結合させることを備える、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、さらに、
LED駆動回路要素およびLED制御回路要素のうちの少なくとも一方を、前記基板に取り付けること、前記基板内に画定すること、または、前記基板上に画定することを備える、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、さらに、
前記LEDライトエンジンの少なくとも一部を覆う光透過性のカバーを配置することを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の記載]
本願は、2010年6月8日に出願された米国特許出願 第12/796,555号の優先権を主張する。
[技術分野]
本発明は、1つあるいは複数の発光ダイオードを有する電球を含む、半導体照明装置に関する。
[背景]
発光ダイオード(LED) は、電気エネルギーを光に変換させる半導体装置であり、一般的に、反対にドープされた層の間に挟まれた1つ以上の半導体材料の活性層を含んでいる。バイアスがドープ層に印加されると、正孔および電子が1つあるいは複数の活性層へと注入されて、1つあるいは複数の活性層において再結合し、この装置から放射される光を発生する。レーザダイオードは、類似した原理に従って作動する半導体放射体である。
【0002】
半導体光源は、有色(例えば、非白色)LED光あるいは白色(例えば、白色あるいは白色に近いと認識される)LED光を提供するべく用いられてもよい。白色半導体放射体は、白熱灯の代替品となり得るものとして研究が行われている。白色LEDランプの代表的な例には、少なくとも青色光の一部を吸収し、黄色光を再放射する蛍光体(通常はYAG:Ce)でコーティングされた(例えばInGaNおよび/あるいはGaNで形成された)青色LEDチップのパッケージが含まれ、黄色および青色が組み合わされた放射は、その特徴が白色あるいはほぼ白色と認識される光を提供する。結合された黄色および青色の光が黄色あるいは緑色と認識される場合は、その光は「青色から黄色にシフトする」(“BSY”)光あるいは「青色から緑色にシフトする」(“BSG”)光と称され得る。半導体放射体あるいは発光材料(例えば蛍光体)から出力される赤色スペクトルを加えることが、白色光の温かみを増加させるために用いられてもよい。蛍光体ベースの白色LEDの代わりとして、赤色、青色、緑色を混合させて放射する半導体放射体および/あるいは蛍光体も白色あるいは白色に近い特徴を有するものして認識されてもよい。白色光を生成するためのその他の方法として、紫色あるいは紫外線LED光源を有する複数色の蛍光体あるいは色素を刺激する方法もある。半導体照明装置は、例えば、少なくとも1つの有機あるいは無機の発光ダイオードおよび/あるいはレーザを含んでいてもよい。
【0003】
現代の照明機器の多くは、所望のレベルの明るさを供給するために高出力の半導体放射体を必要としている。高出力のLEDからの放射は、多くの場合、拡散器を介して伝達され、より広範でより好ましい特性の光を作り出している。高出力のLEDは、大きな電流を流すことができるため、散逸が必要なほどの相当な量の熱を発生する。一般的には、ヒートシンクなどの熱散逸要素が、高強度のLEDと熱伝達の状態で設けられている。これはLEDが過度に高い接合部温度で動作することを防ぎ、信頼性を高めるとともにLEDの寿命を延ばすために必要であるからである。その手ごろなコスト、高い熱伝導率、耐食性、および製造の相対的な容易さから、通常は、アルミニウムがヒートシンクの材料として採用される。半導体照明装置のためのアルミニウムのヒートシンクは、通常、鋳造、押出し成形および/あるいは機械加工成形の技術によって、様々な形状に形成される。
【0004】
光出力の特性を犠牲にすることなく、白熱灯電球の代わりとなることのできるLED電球を提供することが望ましいと思われるが、様々な制限によって、LED電球の広い普及がこれまで妨げられてきた。LED電球の広い普及を制限してきた制限の1つには、製造コストが含まれる。その理由は、従来のLED電球の多数の部分の組み立ては、一般的には、例えば機械的、電気的、および熱的(熱伝導)接続を形成するのに手作業による組み立てを必要とするからである。従来のLEDに関連する他の制限には、光出力の方向が制限されているということが含まれる。すなわち、従来の高出力LED電球に関しては、ヒートシンクの少なくとも一部が電球の基部と球状(あるいはカバー)部との間に配置されており、球体あるいはカバーは、通常、LEDを保護し、そこから放射される光を拡散させる役割を果たす。残念なことに、LEDによって発せられる量の熱を散逸させるのに十分なサイズのヒートシンクは、電球の基部近くの光の出力を遮断してしまう傾向にある。このような電球を上方に向けてテーブルランプに配置した場合、電球の下方の領域において光の出力の明度が低くなって影ができてしまい、多くのユーザに不快感を与えてしまう。
【0005】
LED電球を製造するための手作業による組み立て工程を低減あるいは排除して、コストを低減することが望ましいと思われる。また、LED電球における熱の散逸を向上させ、かさばる外部のヒートシンクの必要性を低減し、LED電球の基部付近での出力を向上させることを含め、光の出力を広範囲の方向に提供することが望ましいと思われる。また、LED接合部温度を低くすることを促進し、LEDの寿命を延ばすことが望ましいと思われる。
[概要]
本発明は、既知のLED電球に関連する様々な制限に対処する、改善されたLED電球に関する。
【0006】
1つの局面において、本発明は、LED電球における使用に適した発光ダイオード(LED)ライトエンジンであって、LEDライトエンジンは、少なくとも1つの電気配線が表面に形成された基板に取り付けられた少なくとも1つのLEDを備え、基板は、少なくとも1つの熱導管部であって、少なくとも1つのLEDが熱的導通されるように配置された、少なくとも1つの熱導管部を備え、基板は、少なくとも1つのLEDのための実質的に堅固で直立した支持構造を形成するように、少なくとも1つの屈曲を当該基板内に含むLEDライトエンジンに関する。関連する局面は、前述のライトエンジンを備えるLED電球に関する。
【0007】
他の局面において、本発明は、実質的に平面状の基板をパターニングし、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)のための少なくとも1つの電気配線を画定することと、少なくとも1つのLEDを基板に取り付けることと、基板に少なくとも1つの屈曲を画定し、少なくとも1つのLEDのための少なくとも1つの実質的に堅固で直立した支持構造を形成するように基板を成形する工程とを備える方法に関する。このような方法は、1つあるいは複数のLEDライトエンジン、および関連するLED電球の製造において用いられてもよい。
【0008】
本発明の更なる局面は、内部容積を画定するカバーであって、該カバーの少なくとも一部分は、少なくとも約80%の可視透過率スペクトルと、約25°Cにおいて少なくとも25W/(m・°K)の熱伝導率とを有する材料を備えるカバーと、少なくとも1つのLEDを支持する基板であって、該少なくとも1つのLEDおよび該基板の少なくとも一部は内部容積内に配置されている基板とを備える発光ダイオード(LED)電球に関する。
【0009】
更なる局面において、本発明は、内部容積を画定するカバーであって、可視スペクトル内の少なくとも一部の光を伝達するように構成された材料を備えるカバーと、内部容積内に配置された少なくとも1つのLEDと、少なくとも1つのLEDと電気接続の状態にある複数の伝導体を備える支持柱と、支持柱内あるいは支持柱上に配置され、電気レセプタクルと係合し電流を受けるように構成された第1および第2の電気接点であって、複数の伝導体と電気接続の状態にある第1および第2の電気接点とを備え、支持柱の一部は、内部容積の外側に配置され、周囲環境にさらされている発光ダイオード(LED)電球に関する。
【0010】
本発明の更なる局面は、内部容積を画定するカバーであって、可視スペクトル内の少なくとも一部の光を伝達するように構成された材料を備えるカバーと、少なくとも1つのLEDを支持する基板であって、該少なくとも1つのLEDおよび該基板の少なくとも一部は、内部容積内に配置されている基板と、カバーに画定された少なくとも1つの開口部であって、該少なくとも1つの開口部は周囲環境と流体連結の状態にある少なくとも1つの開口部とを備える発光ダイオード(LED)電球に関する。
【0011】
他の局面において、前述の局面および/あるいはその他の特徴および本願に開示される実施形態のいずれかを組み合わせて、付加的な利点としてもよい。
本発明の他の局面、特徴および実施形態は、後に続く開示および添付の請求項から、より十分に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】周囲環境と、カバーによって画定された電球の内部容積との間が流体連結の状態となるように通気孔が設けられた支持柱を含む、本発明の1つの実施形態に係るLED電球であって、支持柱は一体化されたネジ切りされた基部を含むLED電球の概略的な側面図である。
【
図2】支持柱には通気孔が設けられ、ねじ切りされた基部が支持柱に取り付けられている、他の実施形態に係るLED電球の柱部分の概略的な側面図である。
【
図3】支持柱には通気孔が設けられ、電球の内部容積を囲繞するカバーにも複数のポートが画定されている、他の実施形態に係るLED電球の概略的な側面図である。
【
図4A】支持柱内にヒートパイプを含み、好ましくは取り外し可能で電球の強制的な対流冷却を促進すべく支持柱と係合するように配置されたファン部を含む、他の実施形態に係るLED電球の概略的な断面組立図である。
【
図4B】
図4AのLED電球の組み立てられた状態の概略的な断面図である。
【
図4C】
図4A〜4Bに示された電球と類似したLED電球に用いるべく、ファン部の代わりとして設けられた、ヒートシンクの概略的な側面図である。
【
図5】電球の支持柱と一体化された冷却ファンとヒートパイプとを含む、他の実施形態に係るLED電球の概略的な断面図である。
【
図6】電球の冷却を促進すべく設けられた複合材カバーを含む、他の実施形態に係るLED電球の概略的な側面図である。
【
図7】光学的に透過性で熱伝導性のカバー部と、カバー部に熱を伝導すべく設けられた内部熱拡散器とを含む、他の実施形態に係るLED電球の概略的な側面図である。
【
図8】光学的に透過性で熱伝導性のカバー部であって、複数のフィンを画定しているカバー部を含む、他の実施形態に係るLED電球の概略的な側面図である。
【
図9】電球の内部容積を画定するカバーを含み、該カバーは、周囲環境と電球の内部容積との間で流体連結が可能となるようにポートあるいは開口部を含み、該ポートあるいは開口部に隣接してバッフルが設けられた、他の実施形態に係るLED電球の概略的な断面図である。
【
図10A】複数のLEDに機械的な支持、電気接続、熱伝導を供給するべく平面状の基板から形成されたLEDライトエンジン部を含み、基板は様々な平面加工工程に従って屈曲され、ライトエンジンを形成する、他の実施形態に係るLED電球の概略的な断面図である。
【
図10B】
図10AのLED電球内に含まれたLEDライトエンジンの概略的な正面図である。
【
図11A】ソケットあるいは固定器具の電気接点と結合し、本願に開示されているようにLED電球に電流を供給するべく設けられた、本発明の他の実施形態に係る、第1および第2エッジコネクタを含む基板の一部分の概略的な斜視図である。
【
図11B】
図11Aの基板部分の概略的な斜視断面図であり、基板部分はLED電球のハウジング内に配置され、開口部を含み、第1及び第2エッジコネクタが、開口部を貫いて、電気接点のソケットあるいは固定器具と結合して、本願に開示されているようにLED電球に電流を供給すべく延在し得る、斜視断面図である。
【
図12A】機械的支持、電気接続、および熱伝導を複数のLEDに提供するための平面状基板を含み、LEDがいくつかの側面に設けられた状態で、箱形の形状に屈曲されるように構成された、他の実施形態に係るLEDライトエンジンの概略的な正面図である。
【
図12B】基板の屈曲に従って箱形の形状に形成された、
図12AのLEDライトエンジンの簡略化された概略的な斜視図である。
【
図13】
図12A〜12Bに示されたLEDライトエンジンと類似し、電球の基部の長さの一部を占めるLEDライトエンジンを含む、他の実施形態に係るLED電球の概略的な断面図である。
【
図14】実質的に電球の基部の全長を占めるLEDライトエンジンを含む、他の実施形態に係るLED電球の概略的な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[詳細な説明]
本発明は、本発明の実施形態が示された添付の図面を参照しながら、以下により完全に説明される。ただし、本発明は様々な形態で実施されてもよく、本願に記載された特定の実施形態に限定して解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の範囲を当業者に伝えるために提供されている。図面において、サイズおよび層と領域との相対的なサイズは、明確さのために誇張されていることがある。
【0014】
別段の定義がない限り、本願で使用されている用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する分野において通常の技術を有するものによって一般的に理解される意味と同一の意味を有するものとして解釈されるべきである。更に、本願で用いられる用語は、これらの用語の意味が本明細書の文脈と関連技術とにおいて一致した意味を有するものとして解釈されるべきであり、本願で明確に定義されていない限り、理想化された意味あるいは過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0015】
1つあるいは複数の要素が欠如していることが明確に示されていない限り、本願で用いられる「備える」、「含む」、および「有する」といった用語は、1つあるいは複数の要素の存在を除外しないオープンエンド型の用語として解釈されるべきである。
【0016】
本願で用いられているように、「半導体発光体」あるいは「半導体発光装置」といった用語は、発光ダイオード、レーザダイオードおよび/あるいは、1つあるいは複数の半導体層を含むその他の半導体装置を含んでいてもよい。半導体発光体に動作電流および電圧を印加すると、半導体発光体は定常状態の熱負荷を生成する。このような定常状態の熱負荷および動作電流および電圧は、半導体放射体を、放射出力を最大化させるレベルにおいて適度に長い寿命(好ましくは少なくとも 約5,000時間、より好ましくは少なくとも 約10,000時間、更により好ましくは少なくとも約20,000時間)で作動させることに相当すると理解される。
【0017】
半導体発光体は、個々に、あるいは任意で1つあるいは複数の発光性の材料(例えば、蛍光体、シンチレータ、発光インク)および/あるいはフィルタと組み合わせて用いられ、所望の知覚色の光(白色として知覚され得る色の組み合わせを含む)を生成してもよい。LED装置において発光性(luminescent)の材料(「lumiphoric」とも呼ばれる)を含ませるということは、このような材料をカプセルの材料に加えたり、このような材料をレンズに加えたり、あるいはLED上に直接コーティングすることによって達成され得る。その他の材料、例えば分散剤および/あるいは屈折率整合材をこのようなカプセルの材料に含ませてもよい。
【0018】
本発明は、様々な局面において、向上した熱的特性、低減された製造の複雑さおよびコスト、および向上した性能、の少なくとも1つを提供するLED電球に関する。
1つの実施形態において、LED電球は、支持柱を含み、この支持柱は少なくとも部分的に透過性のカバー(「球体」とも呼ばれる)内に設けられた部分と、このカバーから延出して周囲環境にさらされる部分とを有する。このような支持柱は、構造的、電気的、および/あるいは熱伝達的機能を提供してもよい。1つの実施形態において、このような支持柱は、この支持柱の周囲に配置された別個の(例えば成形された)ボディを有していなくてもよい。
【0019】
ある実施形態に係るLED電球のカバーは、例えば重合体材料および/あるいはガラスなど(ただし、これらに限定されない)の適度に透過性を有する材料で形成されていてもよい。この文脈における透過性の材料とは、可視スペクトル内の光の少なくとも一部を透過させるように構成された材料を指す。LED電球のカバーは、1つあるいは複数の半導体放射体によって放射された光を拡散するように構成された、拡散器を備えていてもよい。このようなカバーは、1つあるいは複数のレンズを含み、焦点調整、方向指示、あるいは光成形効用を提供してもよい。代替的にあるいは追加的に、カバーは1つあるいは複数の発光体(例えば蛍光体)を含み、1つあるいは複数の発光体は、1つあるいは複数のLEDによって放射された光と相互作用するように(すなわち、LEDによって放射される1つのピーク波長の光を受け、それに応じて、このLEDが放射するピーク波長とは異なる少なくとも1つの他のピーク波長を有する光を放射するように)構成されていてもよい。様々な効用、例えば拡散、集光および/あるいはポインティング、および光変換などは、カバーと接触している、あるいはカバーから空間的に隔離された層あるいは構造によって提供されてもよい。
【0020】
LED電球カバーは、その特性が対称的あるいは意図的に非対称的になっていてもよい。本願で説明されるヒートシンクを含む半導体照明装置に関連するカバーは、平面状、球状、半球状などを含む、いかなる適切なサイズあるいは形状であってもよい。このようなカバーの少なくとも一部分は形状が球体に似ていてもよい。
【0021】
本願で用いられる「支持柱」という用語は、LED電球の基端とLED放射体との間の方向に延出し、1つあるいは複数の放射体を直接的あるいは間接的に支持する要素を機能的な意味で意図している。この文脈における直接的な支持とは、LEDを支持柱上にあるいは支持柱の上方に形成された面に取り付けることを考慮しており、間接的な支持とは、支持柱とLEDとの間に1つあるいは複数の構造要素が設けられていることを考慮している。支持柱は、いかなる特定の形状あるいは構造に厳密に限定されない。1つの実施形態において、支持柱は、いかなる所望の断面形状を有する管状の要素として設けられており、任意で少なくとも1つの中空部分を含んでいる。他の実施形態において、支持柱は、中空の内部を有していなくてもよく、平面部分あるいは実質的に平面な部分を含んでいてもよい。
【0022】
LED電球のカバーを貫いて延出する支持柱は、1つあるいは複数の半導体放射体のための構造的支持を提供してもよく、1つあるいは複数の半導体放射体との電気接続を可能にするべく、および/あるいは熱伝達、および/あるいは熱拡散の効用を提供するべく、関連する導電体を有していてもよい。このような支持柱は、動作要素(例えば導体、制御および/あるいは回路要素、熱伝達要素、センサ等)を収納するべく、および/あるいは空気などの冷却流体を流通可能にするべく設けられた1つあるいは複数の管、凹部、あるいは空洞(開いている形態でも閉じている形態でも)を含んでいてもよい。LED電球の支持柱内に形成された管、凹部、あるいは空洞は、例えば同心状、隣接状態、交差状態、および非交差状態など、(互いに流体連結しているか否かに関わらず)どのような適切な構造で設けられてもよい。
【0023】
1つの実施形態において、LED電球の第1および第2の電気接点が支持柱内あるいは支持柱上に設けられ、電気レセプタクルと結合して電流を受けるように構成されている。これら電気接点は、導電体が支持柱内あるいは支持柱上に設けられることによって、少なくとも1つのLEDと電気接続の状態にある。1つの実施形態において、少なくとも1つのLED駆動回路要素および/あるいはLED制御回路要素が、LED電球の支持柱内あるいは支持柱上に設けられている。このような回路は、駆動回路、安定器回路、調光器回路、電圧制御回路、電流制御回路、色調制御回路、静電放電要素、センサおよび/あるいは感覚フィードバック回路、温度保護回路などを含んでいてもよいが、これらに限定されない。1つの実施形態において、この支持柱は、導電材料(例えば金属)を備えており、電気的絶縁材料がその少なくとも一部の中あるいは上に配置されている。このような絶縁材料は、この支持柱の少なくとも一部を覆うコーティングあるいは被覆として形成されてもよい。1つの実施形態において、支持柱は、電気的絶縁材料を備え、少なくとも1つの導電材料が当該支持柱内あるいは当該支持柱上に配置されている。好ましい実施形態において、支持柱の外部からアクセス可能な表面は、ユーザがこのような柱に接触することによって起こる電気ショックを防止するべく、電気的絶縁材料を備える。1つの実施形態において、支持柱は、エジソンタイプのねじ込み式電球コネクタの側部接点および端部接点を画定する。他の実施形態において、エジソンタイプのねじ込み式電球コネクタの1つあるいは複数の接点は、(例えばキャップの形状に)あらかじめ作製されて、機械的な係合によって支持柱に嵌合される。本願に開示される様々な実施形態にはエジソンタイプのねじ込み式コネクタが含まれているが、LED電球は、当該技術分野において既知のあるいは開発されたどのような適切なタイプの電気コネクタと共に形成され得ることは、理解されるべきである。
【0024】
1つの実施形態において、支持柱は、LEDを受け入れるように構成された1つあるいは複数のLED取付面を備える。複数のLED取付面が設けられている場合、このような構成は、異なるLEDからの光を異なる方向に放射可能にするべく、互いに対して非同一平面であってもよい。様々な実施形態において、LED取付面は、平面であっても、隆起していても、凹設されていてもよい。また、LED取付面は、少なくとも1つのLEDによって発せられた熱を拡散および/あるいは散逸するように構成された、関連する少なくとも1つの熱拡散器および/あるいはヒートシンクを有していてもよい。LED取付面に関連する熱拡散器および/あるいはヒートシンクは、電気的に活性であってもなくてもよい。熱的接触は、熱伝導性のペーストあるいは他の適切な熱伝導増強媒体を使用することによって高められてもよい。取付面とLEDとの間の電気接続は、はんだ付けによる表面接続および/あるいはワイヤボンディングによって形成されてもよい。1つの実施形態において、1つあるいは複数のLED取付面は、LED電球の支持柱内あるいは支持柱上に一体的に形成されている。他の実施形態において、1つあるいは複数のLED取付面は、支持柱の少なくとも一部に連結するように構成された既製要素の上に形成されている。
【0025】
ある実施形態において、支持柱は、カバーによって画定された内部容積と流体連結された状態にある、少なくとも1つの開口部あるいはポートを含み、周囲環境との流体連結を可能にしている。1つあるいは複数の開口部あるいはポートを介する空気あるいはその他の流体の動きは、自然対流によって起こっても、LED電球内あるいはLED電球上に設けられた1つあるいは複数の流体循環要素(例えばファン、送風機、流体ポンプ、イオンを含む空気の動きを促進するための帯電要素等)によって引き起こされても、あるいは外部の流体源によって供給される圧力によって駆動されてもよい。
【0026】
ある実施形態において、様々なタイプの熱伝導要素がLED電球の支持柱に付随してもよい。支持柱は、当該支持柱に関連する、ヒートパイプ、内部ファンあるいは送風機、および外部ファンあるいは送風機、伝熱冷却器、熱伝導性の熱拡散器、および(例えば複数のフィンを含む)熱伝導性のヒートシンクのうちの少なくとも1つを含んでもよいし、有してもよい。異なるタイプの複数の熱伝導要素が1つのLED電球内で組み合わされてもよい。1つの実施形態において、LED電球は、熱伝導要素あるいはその他のコンポーネントの交換あるいは修理をする際に、これらを壊すことなく除去するように構成された、1つあるいは複数の部分を含んでいてもよい。
【0027】
ある実施形態において、LED電球のカバー部は、その中に少なくとも1つのLEDが収納される内部容積を画定し、このカバー部は、周囲環境と流体連結の状態にある少なくとも1つの開口部あるいはポートを画定している。少なくとも1つの追加的なポートが、LED電球のカバーおよび/あるいは基部(例えば柱)内に画定され、複数の開口部あるいはポートを介して空気あるいはその他の流体が循環できるようになり、LED電球の少なくとも特定の部分の対流冷却を可能にしてもよい。第1の開口部あるいはポートは、カバー内に画定されてもよく、第2の開口部あるいはポートは、支持柱内に画定されてもよく、第1および第2の開口部あるいはポートの間に延在する経路を支持柱内に画定して、支持柱を介してその間に流体連結をもたらしてもよい。1つの実施形態において、カバーは、複数の部分を備えて、そのような部分の間にポートあるいは開口部が画定されていてもよい。
【0028】
1つの実施形態では、少なくとも1つの開口部を画定するLED電球カバーを含み、少なくとも1つのバッフルが備えられ、少なくとも1つのLEDが非遮断状態で見えてしまうことを防ぐように構成されている。このようなバッフルは、可視範囲における少なくとも1つの波長を少なくとも部分的に透過することが好ましく、カバーの材料と実質的に同じ材料で、あるいはカバーの材料とは異なる材料で形成されてもよい。複数の開口部および複数のバッフルが設けられてもよい。バッフルは、カバーによって画定される内部容積内に設けられても、あるいはカバーの外側に設けられてもよい。バッフルは、カバーと一体的に形成されてもよいし、あるいは別体で形成されてもよいし、製造工程に従ってカバーに取り付けられてもよい。1つあるいは複数の間隔要素をバッフルとカバーとの間に設け、バッフルをカバーから確実に離して配置してもよい。1つの実施形態において、バッフルは、少なくとも1つのLEDを覆うように設けられた(中に複数の穴を含む)補助的なカバー要素を備えており、このカバーは、このようなバッフルを覆うように設けられた主要カバー要素を備えている。
【0029】
1つの実施形態において、LED電球のカバー内に画定された開口部は、カバーによって画定された内部容積内に埃あるいはその他の粒子物質が入るのを抑制するように構成された、関連するフィルタ要素を有する。このようなフィルタ要素は(カバーの外面に沿って配置され、および/およびカバーあるいはその他の電球の部分と連携するように構成された、1つあるいは複数のクリップ、スナップ留め具、マグネット、ワイヤあるいはその他の保持要素を用いて機械的に保持されてもよい)、その特徴から取り外し可能であって、フィルタ要素を定期的に清掃あるいは交換可能であってもよい。1つの実施形態において、1つあるいは複数のセンサ(例えば光学センサ、熱センサ、圧力センサ、差圧センサ、作動時間センサ、および/あるいは気流センサ等)がフィルタの清掃あるいは交換が必要であることを示す状態を検出するように構成されてもよく、またLED電球がそのような状態をユーザに知らせるようにしてもよい。そのような警告は、可聴的あるいは可視的なアラーム、LED電球の作動状態のいかなる変化、あるいはユーザが感知可能なその他の相互作用の形態であってもよい。1つの実施形態において、フィルタ要素は、LED電球の少なくとも一部と通信を行うように構成された認証要素を含んでいる。そのような認証要素は、無線自動識別タグ、マイクロチップ、EEPROM、あるいは対応するLED電球の呼出しあるいは読取り要素によって受信される信号を出力するのに適したその他の情報含有媒体を含んでいてもよい。認証要素は、任意でチャレンジ/レスポンス認証方式を行ってもよい。認証要素を用いることによって、LED電球のメーカーは、保証期間を最小限にするためなどに、当該LED電球にはこのメーカーが承認したフィルタのみが使用可能であるということを確実にしてもよい。
【0030】
1つの実施形態において、LED電球は、光透過率および熱散逸効果の双方を提供するように構成されたカバーを含んでいた。典型的なLED電球は、従来のガラスのあるいはポリマーのカバー(例えば拡散器および/あるいはレンズ)を含み、そのようなカバーは、通常、断熱材を構成している。このような材料の脱色および/あるいは変形を防ぐように、従来のポリマーのカバーの加熱を避けてもよい。向上した熱散逸効用を提供するべく、本発明に係るある実施形態においては、LED電球のカバーの少なくとも一部分は、適度に高い可視透過率スペクトル(例えば、可視範囲における少なくとも1つの波長の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約97%)と、高い熱伝導率(すなわち、熱伝導率は温度に依存するため、約25°C、すなわち298°Kの温度において)とを共に有する材料を備えていてもよい。そのような高い熱伝導率は、少なくとも約25W/(m・°K)、より好ましくは少なくとも約50W/(m・°K)、より好ましくは少なくとも約75W/(m・°K)、より好ましくは少なくとも約100W/(m・°K)、より好ましくは少なくとも約150W/(m・°K)、およびより好ましくは少なくとも約200W/(m・°K)であってもよく、前述の最小値が約210W/(m・°K)までの熱伝導率の上限閾値に任意的に制限された範囲を含んでいてもよい。(a)1つあるいは複数の前述の範囲内の可視透過率スペクトルと、(b)1つあるいは複数の前述の範囲内の高い熱伝導率との双方を示す材料の例には、焼結炭化ケイ素、結晶性炭化ケイ素、および高い熱伝導率を有する(例えばインジウムスズ酸化物を備える)ガラスが含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
1つの実施形態において、LED電球の熱伝導性のカバーは、複数のフィンを備える。このようなフィンは、例えば焼結(粉末の前駆体材料を、多くの場合、追加的なバインダ材料と共に加熱する)および/あるいは機械加工によって形成されてもよい。1つの実施形態において、LED電球の熱伝導性のカバーは、光学拡散器あるいは少なくとも1つのレンズとして機能する。1つの実施形態において、LED電球の熱伝導性のカバーは、少なくとも1つのLEDからの放射をダウンコンバートするように構成された、該カバーに関連する発光材料を含むか、あるいは有している。
【0032】
1つの実施形態において、LED電球に関連する熱拡散器および/あるいはヒートシンクは、本願に記載される通り、少なくとも1つのLEDおよび熱伝導性のカバーに熱的導通の状態に配置されている。1つの実施形態において、LED電球の熱伝導性のカバーは、本願に記載される通り、少なくとも1つの開口部を備え、任意で少なくとも1つの1つのバッフルを含む。
【0033】
1つの実施形態において、熱伝導性のカバーの実質的に全体は、最小約80%の可視透過率スペクトルと、少なくとも25W/(m・°K)の熱伝導率とを有する材料を備える。他の実施形態において、カバーは、異なる材料を備える。一例として、カバーは、最小約80%の可視透過率スペクトルと、少なくとも約25W/(m・°K)の熱伝導率とを有する材料を備える第1カバー部と、約80%未満の可視透過率スペクトルと、25W/(m・°K)より大きな熱伝導率とを有する第2の部分とを含む。第1および第2の部分は、その間の伝導性熱伝達を促進するように構成されたインターフェースに沿って連結されてもよい。
【0034】
ある実施形態において、LED電球の製造は、平面状の基板(例えば回路基板)に適した技術を用い、そのような基板をその中の少なくとも1つの屈曲を用いて成形し、少なくとも1つのLEDのための実質的に堅固で直立した支持構造を形成して製造されたLEDライトエンジンを用いることによって、簡易化されてもよい。LEDライトエンジンは、平面状の基板から形成され、1つあるいは複数のLEDのための機械的支持、電気接続および熱伝導を提供してもよい。1つの実施形態において、基板は成形され、複数のLEDを支持するように構成された非同一平面に存在する複数のLED支持面を形成する。基板の成形は、少なくとも1つのLEDを基板に取り付ける前に行われても、取り付けた後に行われてもよい。1つの実施形態において、実質的に堅固で「直立した」支持構造は、基板取付層あるいは取付部分の下方に、好ましくはライトエンジンの内部に設けられた間隙を画定する。このような間隙は、1つの実施形態に係るライトエンジンの直立性と特徴が一致しており、この点が従来のLEDパッケージと区別される。従来のLEDパッケージは、リードフレームの少なくとも一部分を囲繞する成形されたポリマー体を含み、リードフレームの接触部分は対象面に取り付けを行うために下方に屈曲されてもよい。1つの実施において、本願に開示されるLEDライトエンジンは、基板の伝導性の金属部分の少なくとも一部を包囲するポリマー体構造を有しておらず、この点が従来のLEDパッケージと更に区別される点である。
【0035】
1つの実施形態において、実質的に平面状の基板は、パターニングされてLEDのための少なくとも1つの電気配線(および好ましくは複数の電気配線)と、関連する1つの要素(複数の要素)とを画定してもよい。LEDおよび様々な回路要素(例えばLED駆動制御要素および/あるいはLED制御回路要素)は、基板に取付けられてもよいし、基板内に画定されてもよいし、あるいは基板上に画定されてもよい。LEDおよび/あるいは回路要素は、1つの基板の片側および/あるいは両側に設けられてもよい。基板はその中に少なくとも1つの屈曲を画定するように成形され、実質的に堅固で直立した支持構造を形成してもよい。このような支持構造は、所望の位置を保持するために、付加的な堅固な支持を用いる必要がない、自立式のものであることが好ましい。
【0036】
平面状の基板に適した技術を用いることの1つの利点は、複数の基板が同時に製造され、その後複数の部分に切断され、複数のLEDライトエンジンを形成可能であるという点である。例えば、複数のLEDのための電気配線および電気回路要素は、基板の少なくとも1つの面にパターニングされてもよい。複数のLEDは、基板内あるいは基板上に取り付けられてもよい。その後、基板は、複数の部分に切断され、各部分は1つあるいは複数の成形工程を経て、その中に少なくとも1つの屈曲を画定し、実質的に堅固で直立した支持構造を具体化したLEDライトエンジンを形成してもよい。LEDライトエンジンは、開いた形態あるいは閉じた形態も含む、様々な形状のいずれの形状に形成されてもよい。
【0037】
1つの実施形態において、基板は、メタルコアのプリント回路基板(PCB)を備えている。1つの実施形態において、基板は、型打ちされた金属層および少なくとも1つの電気絶縁層を含んでいる。1つの実施形態において、基板は、少なくとも1つの熱導管部を備え、少なくとも1つのLEDが、熱導管部と熱的導通の状態で取り付けられるように配置されてもよい。1つの実施形態において、基板は、異なる厚さの部分を備えている。例えば、第1のゲージを有する金属が熱電配線の形成に用いられてもよく、第2のゲージ(例えばより厚い)を有する(例えばLEDおよび/あるいはLEDに関連する回路要素を支持するのに適切な)金属が熱導管部の形成に用いられてもよい。1つの実施形態において、基板は異なる金属から製造された部分、例えば電気配線の形成に用いられる銅の部分、熱導管あるいはヒートシンクの形成に用いられるアルミニウムの部分など、を備える。1つの実施形態において、基板の熱導管部分は、LED電球の基部あるいはハウジングを貫いて延出あるいは突出するように配置されている。1つの実施形態において、熱導管部は、複数のフィンを有するヒートシンクを備える。1つの実施形態において、LEDライトエンジンの熱導管部は、LED電球の外部に設けられた、少なくとも1つの表面を有する補助的なヒートシンクと熱伝導連結の状態に配置されていてもよい。LEDライトエンジンの熱導管部は、電気的に活性であってもよいし、あるいは少なくとも1つのLEDおよび/あるいはLEDに関連するその他の回路要素から電気的に絶縁されていてもよい。
【0038】
LEDライトエンジンの基端は、電気的レセプタクル(例えばソケットあるいは固定器具)と結合あるいは係合して電流を受け、ライトエンジンに取り付けられた少なくとも1つのLEDに電流を供給するように構成された電気接点を含んでいてもよい。1つの実施形態において、基板は、レセプタクル(例えばソケットあるいは固定器具)の少なくとも1つの電気接点と係合し、LEDライトエンジンに電流を供給するように構成された、少なくとも1つのエッジコネクタを備える。エッジコネクタに関する様々な詳細は、2010年3月24に出願された、「INTERFACE AND FABRICATION METHOD FOR LIGHTING AND OTHER ELECTRICAL DEVICES」と題された米国特許出願第12/730,802号に開示されており、このような出願の全内容は、あらゆる目的のために、参照によって本願に援用されている。1つあるいは複数のエッジコネクタは、LED電球の支持柱あるいはハウジングに画定された1つあるいは複数の開口部(例えば溝)を貫いて延出していてもよい。このような支持柱あるいはハウジングは電気的に絶縁されていてもよい。
【0039】
1つの実施形態において、LEDライトエンジンは、LED電球の基部の長さの一部のみを占めていてもよい。このようなLEDライトエンジンは、1つあるいは複数の下層の支持要素および/あるいは取付要素に取り付けられるように構成されていてもよい。他の実施形態において、LEDライトエンジンは、LED電球の基部の実質的に全長を占めていてもよい。LEDライトエンジンは、LED電球の基部あるいはハウジングあるいは保護部に挿入されていてもよい。このような基部あるいはハウジングは、LEDライトエンジンの少なくとも1つの熱導管部と熱的導通の状態に設けられた、外部のヒートシンクを含んでいてもよい。
【0040】
本発明に係る様々な利点および特徴が、図面を参照しながら説明される。
図1は、本発明の1つの実施形態に係るLED電球10を図示している。電球10は、基端11と、カバー30によって画定された内部容積30内に配置された複数のLED45〜47と、基端11とカバー30との間に延在する支持柱20とを含む。基端11に沿って設けられているのは、端部接点15、およびネジ込み式のエジソン型ソケットに結合するように構成された側部接点16である。LED45〜47はそれぞれ、複数のLED取付面41〜43上に配置される。このようなLED取付面41〜43は、支持柱20と共に形成されてもよく、あるいは支持柱20に結合するように構成された既製部分40上に配置されてもよい。支持柱20は、伝導性の材料の内側部分で形成され、この材料は、その露出部分を覆うように電気絶縁材料29の層あるいはコーティングを有し、ユーザが支持柱20に接触することによって起こる電気ショックを防ぐように製造されていてもよい。このような実施形態において、側部接点16および端部接点15(環状絶縁要素(図示せず)によって隔離されていてもよい)の一方あるいは双方が、支持柱20と一体形成されていてもよい。支持柱20には、外面に沿って設けられた複数の第1ポートあるいは開口部26が当該支持柱20内に画定されており、またカバー30内には複数の第2ポートあるいは開口部28が設けられている。1つあるいは複数の流路あるいは管(図示せず)が支持柱20内、あるいは支持柱20の外面に沿って設けられ、複数のポートあるいは開口部26,28の間の空気の動きを可能にし、内部容積31が周囲環境と流体連結の状態になるようにしてもよい。このような配置によって、内部容積31から熱が放出され、LED電球10を冷却するためのヒートシンクの必要性が低減される。
【0041】
図2は、
図1に示された電球10に類似したLED電球の少なくとも一部を図示している。この一部にはカバーが省略されており、(a)基端11Aと端部接点15Aと側部接点16Aとを含む既製のベース接触部と、(b)LED45A〜47Aがそれぞれ取り付けられるLED取付面を含む既製部分40Aとの間に延在する絶縁支持柱20Aを含んでいる。ベース接触部および既製部分40Aの各々は、支持柱20Aに、機械的結合、接着剤および/あるいは同様な方法を含む、いかなる適切な接合方法で取り付けられてもよい。
【0042】
図3は、
図1に示された実施形態に類似した、別のLED電球110を図示しており、支持柱120には流体循環要素50が加えられ、カバー130には複数のポートあるいは開口部132,133と、関連するバッフル133,134とが加えられている。この電球110は、基端111と、カバー130によって画定された内部容積131内に配置された複数のLED145〜147と、基端111とカバー130との間に延在する支持柱120とを含む。電気接点115,116は、基端111に近接して配置されている。支持柱120は、外面に沿って設けられた電気絶縁材料層129を含んでいる。支持柱120には、外面に沿って設けられた複数の第1ポートあるいは開口部126が画定されており、またカバー130内には複数の第2ポートあるいは開口部128が設けられている。このようなポートあるいは開口部126〜128間の空気の動きは、流体循環要素150によって補助されてもよく、この流体循環要素150は、ファンあるいは送風機として具体化されてもよい。カバー130内に画定されたポートあるいは開口部132,133は、そこに近接した、好ましくはLED141〜143が非遮断状態で見えてしまわないような位置に、バッフル134,135を有する。カバー130およびバッフル134,135の各々は、可視領域内の少なくとも1つの波長を少なくとも部分的に透過することが好ましく、バッフル134,135およびカバー130は、任意で実質的に同一の材料で形成されていてもよい。
【0043】
自然対流は、熱を上昇させる現象である。しかしながら、LED電球110は上向きあるいは下向きのどちらの向きに配置されてもよく、LED電球110内での(例えば流体循環要素150によって引き起されるような)強制対流が、自然対流の向きとは反対の方向に起こり得るということが可能である。このような反作用効果を避けるため、1つの実施形態において、LED電球は、センサの取付方向を検出するように構成されたセンサを含んでいてもよく、流体循環要素150の循環方向がこのようなセンサの出力に対応して制御される。
【0044】
図4A〜4Bは、支持柱220内にヒートパイプ55を含み、好ましくは取外し可能に外側に設けられた流体循環(例えばファン)部260が支持柱220に係合し、LED電球210の少なくとも一部の強制対流冷却を促進する、他の実施形態に係るLED電球10を図示している。この流体循環部260は、開口部261を画定し、この流体循環部260を支持柱220の外側の少なくとも一部に係合可能にしている。
【0045】
電球210は、基端211と、カバー230によって画定された内部容積231内に配置された複数のLED245〜247と、基端211とカバー230との間に延在する支持柱220とを含む。LED245〜247は、支持面241〜243上に配置され、熱を支持柱220内あるいは支持柱220に沿って熱拡散器249から基端211に向かう方向に運ぶように設けられたヒートパイプ255と接触して配置された内部熱拡散器249と、熱的導通の状態になっている。電気接点215,216は、基端211付近に配置された外部の電気レセプタクルと結合するために設けられている。更なる電気接点256,257が支持柱220に沿って設けられており、これら電気接点256,257は、流体循環部260の対応する接点266,267と結合し、流体循環要素265A〜265Bへと電力を供給する。
【0046】
少なくとも1つのセンサ259が、1つあるいは複数の状態(例えば温度、空気の流れ、圧力差、電流の流れ等)を検出するように設けられてもよく、流体循環要素265A〜265Bの動作の開始あるいは調整、LED245〜247の動作の制限、流体循環要素265A〜265Bの(あるいは流体循環部260全体の)清掃あるいは交換等が必要であることを示してもよい。1つの実施形態において、流体循環部260は、LED電球の少なくとも一部と通信するように構成された認証要素を含む。このような認証要素は、高周波認証タグ、マイクロチップ、EEPROM、あるいはLED電球の対応する呼出し要素あるいは読取り要素によって受信される信号を出力するのに適した、その他の情報含有媒体を含んでもよい。こうすることによって、LED電球のメーカーは、保証期間を最小限にするためなどに、当該LED電球には該メーカーが承認した流体循環要素のみが使用可能であるということを確実にしてもよい。
【0047】
流体循環部260の代わりとして、複数のフィン271を含むヒートシンク270を支持柱220の外側部分に嵌合させ、LED電球210の受動的冷却を促進してもよい。
図5を参照すると、他の実施形態に係るLED電球は、電球310の支持柱320内において一体化された流体循環要素350とヒートパイプ355とを含む。この電球310は、基端311と、カバー330によって画定された内部容積331内に配置された複数のLED345〜347と、基端311とカバー330との間に延在する支持柱320とを含む。電気接点315,316は、基端311に近接して設けられている。LED345〜347は、支持面341〜343上に配置され、熱を支持柱320内あるいは支持柱320に沿って熱拡散器349から基端311に向かう方向に運ぶように設けられたヒートパイプ355と接触して配置された内部熱拡散器349と熱的導通の状態になっている。支持柱320には、ヒートパイプ355の一端において空気の動きを可能にするべく、開口部320Aが画定されていてもよい。少なくとも1つのセンサ359が1つあるいは複数の状態(例えば温度、空気の流れ、圧力差、電流の流れ等)を検出するために設けられ、流体循環要素350の動作の開始あるいは調整、LED345〜347の動作の制限、流体循環要素350の清掃あるいは交換等が必要であることを示してもよい。
【0048】
図6は、内部容積431を包囲する複合材料あるいは多部品の外側を含む、他の実施形態に係るLED電球410を図示している。基端411に近接して設けられたのは、電気接点415〜416である。カバー上部430と基端との間に配置されているのは、複数の冷却フィン471を含む下部470である。1つの実施形態において、この下部470は、高い透過性と高い熱伝導性(例えば、少なくとも約80%の可視透過率スペクトル、および約25°Cにおける少なくとも25W/(m・°K)の室温熱伝導性率)を有する材料を備え、この下部470には複数のフィン471が形成され、カバー上部430にはフィンが設けられていない。カバー上部430は、下部470と同一の材料で、あるいは異なる材料で形成されていてもよい。カバー上部430および下部470は、異なる厚さ、表面の仕上げ、あるいはパターンを有してもよく、および/あるいは電球410から様々な方向(例えば境界469の上方あるいは下方)へと放射される光線に異なる光学的特性を持たせるべく、異なる材料を備えていてもよい。1つの実施形態において、下部470は、実質的に非透過性の材料(例えば金属)を備え、上部は、上述のような高い透過性と高い熱伝導率とを有する材料を備えており、また、境界469は、(例えば、伝導性のペーストあるいはその他の伝導性促進物質を用いて)上下間における熱伝導を促進するように構成されている。
【0049】
1つあるいは複数の光に影響を与える材料あるいは構造434が、カバー上部430と関連して設けられても(例えばカバー上部430内に、あるいはカバー上部430上に形成されても)、あるいはカバー上部と、装置に設けられた放射体(境界469に近接して設けられていてもよい)との間に配置されてもよい。このような光に影響を与える材料あるいは構造434は、1つあるいは複数の拡散要素、波長変換要素、集光要素、あるいは光成形要素を含んでいてもよいが、これらに限定されることはない。
【0050】
図7は、他の実施形態に係るLED電球510を図示しており、LED電球510は、複数のLED545のための熱拡散器549を有する基板を含み、この基板は熱を周囲環境へと散逸するべく、下部570とカバー上部530の一方あるいは双方と(接触面548にて)熱的導通の状態になっている、その他の実施形態のLED電球510を示している。外壁(例えばカバー上部570および/あるいは下部530)によって支持された基板にLEDを載置することによって、内部の支持柱の必要性を排除してもよい。基端511付近に設けられているのは電気接点515〜516である。個々のワイヤ、柔軟性のあるリボンコネクタ、回路基板部等を使用することを含むいかなる適切な手段を用いて、導体(図示せず)を接点515〜516からLED545を支持している基板に延在させてもよい。1つの実施形態において、カバー上部530およびカバー下部570は、1つの連続した要素を構成している。他の実施形態において、カバー上部530は、高い透過性と高い熱伝導性とを有する材料を備え、下部は、異なる熱特性および/あるいは光学的透過率特性を有する。カバー上部530および下部570は、異なる厚さ、表面の仕上げあるいはパターンを有していてもよく、および/あるいは様々な方向(例えば熱拡散器549に沿った境界の上方あるいは下方)へと放射される光線に異なる光学的特性を持たせるべく、異なる材料を備えていてもよい。1つの実施形態において、下部470は、実質的に非透過性の材料(例えば金属)を備え、上部は、上述のような高い透過性と高い熱伝導率とを有する材料を備えている。
【0051】
図8は、他の実施形態に係るLED電球610を図示しており、LED電球610は、カバー630を含み、カバー630は、高い透過性と高い熱伝導率とを有する材料を備え、複数のフィン637を画定している。このようなフィン637は、基端611付近に配置された接点616,615に近接して設けられた下部633まで延在していても、していなくてもよい。これらフィン637は、例えば焼結(粉末の前駆材料を加熱すること)によって、および/あるいは機械加工によって形成されてもよい。1つの実施形態において、フィン637は、略長軸方向に、側部接点616のネジ山に略垂直に配列されている。他の実施形態において、フィン637は、略横方向、斜め方向、あるいはいくつかの方向に配列されていてもよい。フィンの数、方向、高さ、幅、間隔、およびフィンの表面の仕上げは、熱特性および光学的な特性の一方あるいは双方を最適化するべく選択されてもよい。
【0052】
図9は、他の実施形態に係るLED電球710を図示しており、LED電球710は、複数のポートあるいは開口部732,733と、これらポートあるいは開口部732,733に近接して配置されたバッフル734,735とを含む、カバー730を含む。LED電球710は、基端711付近に配置された電気接点715,716を含む。支持要素720が、支持要素720の複数の表面741〜743上に配置されたLED745〜747と共に、カバー730によって画定された内部容積731内に設けられている。このようなバッフル734,735は、LED745〜747が非遮断状態で見えてしまうことを防ぐべく配置されることが好ましい。このようなバッフル734,735は、カバー730と一体的に形成されてもよいし、あるいは別々に形成され、その製造過程に従ってカバー730に取り付けられてもよい。1つあるいは複数のスペーサ要素(図示せず)が、バッフル734,735とカバー730との間に設けられ、その間隔が確実に保たれるようにしてもよい。
【0053】
図10Aは、LED電球810とLED電球810を製造する際に用いられるのに適したLEDライトエンジン880とを図示し、
図10Bは、製造中のLEDライトエンジン880を図示している。
図10Bを参照すると、LEDライトエンジン880を製造するのに用いられる基板895は、少なくとも1つの導電層と、少なくとも1つの電気絶縁層とを含んでいてもよく、例えばメタルコアのプリント回路基板、あるいは1つあるいは複数の絶縁層が設けられた均一あるいは非均一の厚さの金属の層によって実現されてもよい。基板895のいくつかの部分881〜884は、屈曲区域878A〜878Cの間に延在している。この基板の屈曲あるいはその他の成形を行った上で、基板部分881〜884は、非同一平面上の形態に設けられ、
図10Aに図示されるような、実質的に堅固で直立した支持構造を作り出してもよい。複数のLED845の電気配線(図示せず)および電気回路要素869は、基板895の少なくとも1つの表面上に形成されていてもよく、また、LED845および回路要素869は、この基板895上にあるいはその上方に取り付けあるいは配置されていてもよい。1つの実施形態において、全てのパターニングおよび取り付けの工程は、基板の屈曲の前に完了させるのが好ましいが、基板895の成形(例えば屈曲)の工程、および1つあるいは複数の要素の基板上の取り付けの工程は、所望の順番で行われてもよい。
【0054】
図10Aは、LED電球810内に設けられたLEDライトエンジン880を示している。LEDライトエンジン880の基部881は、電球810の基部および接点815,816に近接して設けられている。LEDライトエンジン880の基端881は、物理的な取り付け、電気的接続およびあるいは熱伝導のために用いられてもよい。ライトエンジンの直立部分882は、LED電球810の長軸に沿って設けられており、傾斜部分883およびLED845が取付けられた横軸状の片持ち部分884を支持している。いくつかの屈曲部分879A〜879Cは、前述の部分の間に設けられており、
図10Bに図示されている屈曲区域878A〜878Cに対応している。LEDライトエンジン880は、LED電球810のカバー830によって画定された内部容積831内に配置されている。本願に開示されている様々なLED電球カバーはいずれも、電球880と関連して用いられてもよい。
【0055】
図11Aは、外部のレセプタクル(例えばソケットあるいは固定器具)の電気接点と結合し、本願に開示の通りLED電球に電流を供給するべく配置された第1、第2エッジコネクタ915,916を含む基板980の一部を図示している。基板980は、その上にいくつかの配線を有するプリント回路基板(図示せず)を含んでいることが好ましいが、狭端部982Aを含んでいてもよく、エジソン式のねじ込みソケットと結合するように構成されたLED電球の狭端部に、狭端部982Aが挿入可能になっていてもよい。端部接点915は、基板982の下端911に設けられ、側部接点916は、突出部分および溝を画定する波型の端部を備え、この端部は、エジソン式のねじ込みソケットと結合されるように構成されたLED電球のネジ形状雄型ベースのネジ山の横断面(例えば
図11Bに図示された電球910のネジ面927)に沿うように設けられている。
図11Bに示されるように、基板980は、外部ヒートシンク971と、基板980の端部接点915を受け入れるための第1開口部(例えばスロット)925と、基板980の側部接点916を受け入れるための第2開口部(例えばスロット)926とを含む、LED電球910のハウジング920内に取り付けられるように配置されてもよい。ハウジング920内の各開口部を貫いて延在する接点915,916を用いて、ライトエンジンと電気レセプタクルとの間に、電気接点が直接形成されてもよい。本願に開示の通り、基板980および電球ハウジング920の様々な特徴はそれぞれ、LEDライトエンジンの基板および関連するLED電球と一体化されていてもよい。
【0056】
図12A〜12Bは、LED電球と共に用いられるべく設けられたその他のライトエンジン1080を図示している。平面状の基板を加工するために開発された様々な製造工程が、実質的に平面状の基板1095に適用されてもよい。単一キャリアが、同時にパターニングおよび加工された後、型打ちあるいはその他の切断工程がなされて、複数の独立した基板1095が作製されてもよい。様々な電気配線1091が基板1095の1つあるいは複数の表面内あるいは表面上に形成され、LED1041〜1045および関連する回路要素、制御要素、光学センサ1069A〜1069Cに電気接続をもたらしてもよい。
図12Aに示された基板の特定な形状、パネルの形態、放射体および制御コンポーネントの数および配置、放射体の配線のサイズおよび配置は説明のためのみであり、本開示を精査すれば、これらには多数の変形例やその他の特徴が可能であるということが、当業者には分かるであろう。電気配線および制御方式に関して、1つの実施形態においては、放射体のグループは個別に制御されてもよい。その他の実施形態においては、各LEDは独立して制御されてもよい。
【0057】
基板1095の様々なパネルあるいは部分1081〜1087は、屈曲区域1078A〜1078Eの間に延在している。切込み1099が隣接するパネル1082,1087および1083,1086の間に画定されていてもよい。関連する取付要素(例えば穴あるいは突出部)を有する熱導管部1087は、LED1045と熱伝導の状態で配置されている。複数の熱導管部分が備えられていてもよい。1つの実施形態において、1つあるいは複数のサイドパネル1082〜1084にはLEDがなく、追加的な熱導管パネルとして機能してもよい。LED1041〜1085の下に横たわる導管部分1087および任意のパネル1085、および回路要素1069A〜1069Cの下に横たわるパネル1086は、その他のパネル1081〜1085の1つあるいは複数が形成される導電材料よりも、厚みのある導電材料(例えば金属ケージ)を備え、改善された熱伝導を促進し、このようなパネル1085〜1087を介して選択的な熱の逃げ道を提供してもよい。この装置の1つあるいは複数のパネル1081〜1087、特に増加された厚みが特徴とされ得る熱導管1087およびパネル1085,1086のいずれかを含むパネル1081〜1087は、1つあるいは複数のフィンを含んでいてもよい。様々な平面加工工程(例えば絶縁材料の蒸着、電気配線の形成、回路要素1069A〜1069Cの取り付けあるいは追加、および可能であればLED1041〜1045の取り付け(可能であればという理由は、このような取り付けは、切断工程および/あるいは成形工程の後に行われてもよいからである))に従い、基板1097は、必要に応じて(例えば切断部分1099を形成するため、および/あるいは基板をキャリアの隣接する部分から分離させるため)切断され、LEDライトエンジン1080を形成すべく成形されてもよい。基板1091の屈曲あるいはその他の成形を行った後、基板部分1081〜1087は、非同一平面の形態に配置され、
図12Bに図示されるような、実質的に堅固で直立した支持構造1080を作り出してもよい。1つの実施形態において、本願で開示されるようなLEDライトエンジンは、複数の電気コネクタを備えている。複数の接点を含む電気エッジコネクタ部分1090は、1枚のLED支持パネル1081の延長として形成されてもよい。所望の場合、基板1095の一部分は、
図11Aに示されるように、エッジコネクタ911,915を含むべく配置されてもよい。
【0058】
引き続き
図12A〜12Bを参照すると、電気制御コンポーネント1069A〜1069Cを含む、1つあるいは複数のパネル(例えばパネル1086)は、折り畳まれ、残りのパネルによって囲まれた構造の内側部分に配置されてもよい。熱導管パネル1087の端部1087Aは、所望であれば、取付を容易にすべく、更に屈曲されてもよい。1つの実施形態において、熱導管パネル1087の端部1087Aは、周囲環境にさらされるように配置された、1つあるいは複数のLED電球ヒートシンク要素(図示せず)と接触状態に取り付けるために配置されてもよい。1つの実施形態において、ヒートシンクパネル1087(あるいは複数のヒートシンクパネル)の一部分は、LED電球のハウジングから突出して、周囲環境にさらされていてもよい。
【0059】
本願に開示されたLEDライトエンジンは、本願に開示されたLED電球コンポーネントと共に、多様に用いられてもよく、LED電球内に多様に配置され、取り付けられてもよい。
【0060】
図13Aは、
図12A〜12Bに示されたLEDライトエンジン1080と実質的に類似し、電球1010の基部1020の長さのほんの一部を占める、LEDライトエンジン1080を含む、他の実施形態に係るLED電球1010を図示している。この基部は、外側からアクセス可能な、関連するヒートシンク1070を有していてもよい。電球1010は、基端1011付近に設けられた電気接点1015,1016を含んでいる。カバー1030は、LEDライトエンジン1080のLED1041〜1045が含まれた内部容積1031を画定する。LEDライトエンジンの1枚のパネル1081から延在するエッジコネクタ部1090は、基部要素1048の関連する構造(例えばソケット)と結合してもよく、機械的および熱的接続(例えば任意でネジ、圧縮止め、あるいはその他のコネクタを含む)が更に設けられ、取り付けおよび熱伝導を容易にしてもよい。所望の場合、1つあるいは複数の電気回路要素(例えば制御回路)が、このような回路をLEDライトエンジン1080に設けることに加えて、あるいは設ける代わりに、基部要素1048に設けられてもよい。1つの実施形態において、電球エンジン1080は、既製の基部要素1048と(例えばその中へと挿入することによって)結合され、基部要素1048への機械的、電気的、および熱的接続を形成し、カバー1031が固定されて、LED電球1010が作製される。
【0061】
図14は、他の実施形態に係るLED電球1110を図示しており、LED電球1110は、電球1110の基部の全長を実質的に占めているLEDライトエンジン1180を含む。LED電球1110は、複数のLED1141,1142,1145が含まれている内部容積を画定するカバー部1130を含んでいる。LEDライトエンジン1180は、ヒートシンク1170を含む既製ボディ1120に挿入されてもよく、機械的、熱的、および電気的接続を成立させる、あるいは即時に提供する。1つの実施形態において、LEDライトエンジン1180は、既製ボディ1020に設けられた対応する開口部を貫いて挿入されるべく配置されたエッジコネクタ1115,1116を含んでいる。1つの実施形態において、LEDライトエンジン1180と、既製ボディ1120に関連するヒートシンク1070との間の熱的な接続は、挿入可能な接続によって形成される(あるいは、このような接続は、締付けあるいはネジ締め等によって補助されてもよい)。1つの実施形態において、圧入あるいは保持可能で挿入可能な機械的接続が、LEDライトエンジンと、既製ボディ構造1120との間に設けられている。特定の実施形態において、LEDライトエンジンと既製ボディ部1120との間の前述の電気的、機械的および熱的な接続の少なくとも2つあるいは3つ全ては、LEDライトエンジン1180をボディ部1120に挿入するのと同時に、あるいは挿入が行われてから形成される。
【0062】
本発明の1つの実施形態は、本願に開示されたような少なくとも1つの半導体照明装置(例えば、LED電球)を有する照明固定具を含む。1つの実施形態において、照明固定器具は、複数の半導体照明装置を含む。1つの実施形態において、照明固定器具は、天井、壁、あるいはその他の表面に埋込み式の取付を行うために設けられている。その他の実施形態において、照明固定器具は、レールへの取付を行うために設けられている。半導体照明装置は、構造物あるいは乗り物に永久的に取り付けられてもよく、あるいは懐中電灯などのような、手で持ち運びが可能な装置を構成してもよい。
【0063】
1つの実施形態において、エンクロージャは、囲まれた空間と、本願で開示されているような少なくとも1つの半導体照明装置あるいは電球取付具とを備えており、電力線に電流を供給すると、少なくとも1つの照明装置は、囲まれた空間の少なくとも一部分を照らす。1つの実施形態では、方法は、本願に開示されているような電気配線を含むLED電球を用い、少なくとも1つのLEDを点灯させるために電流を複数の電気配線に供給することを含んでいる。
【0064】
他の実施形態において、構造体は、表面あるいは物体および、本願に開示されているような少なくとも1つの半導体照明装置(例えばLED電球)を備え、電力線に電流を供給すると、半導体照明装置は、表面あるいは物体の少なくとも一部を照らす。他の実施形態において、本願に開示されているような半導体照明装置は、スイミングプール、部屋、倉庫、計測器、道路、乗り物、道路標識、広告掲示板、船舶、玩具、電子装置、家庭用あるいは工業用電気機器、ボート、航空機、スタジアム、樹木、窓、庭、電柱のうちの少なくとも1つを備える領域を照らすのに使用されてもよい。
【0065】
本発明に係る様々な実施形態は、例えば、1つあるいは複数の手動組立の工程を排除することによって製造コストを低減する、熱放散能力を高める、ヒートシンクの体積を減らして、(例えば、ヒートシンクおよび/あるいはその他のコンポーネントによって放射が遮断されるのを防ぐことによって)LED電球の基部付近での放射を含む、光の放射角度の範囲を向上させる、およびLED接合部温度を低減してLEDの寿命を延ばす等の、1つあるいは複数の有益な技術効果を提供してもよい。
【0066】
本発明の特定の局面、特徴および例示的な実施形態を参照にして、本発明が本願において説明されてきたが、本発明の効用は限定されず、むしろ本願の開示に基づくその他の多数の変形例、変更および代替的な実施形態にまで及び、これらを包含するということは、本発明の分野における当業者には明らかであり、理解されるべきである。従って、以下に請求項に挙げられる本発明は、本発明の精神と範囲内において、このような変形例、変更および代替的な実施形態の全てを含むものとして、広義に解釈され、とらえられる。