(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アミノトリアジン(d)が、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンである請求項1〜3の何れか1項に記載のアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法。
前記アルキレンオキシド(c)、(e)、(h)及び(i)が、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1,2−ペンテンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、グリシドール及びこれらの混合物を含む群から、それぞれ独立して選択される請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
前記アルキレンカーボネート(g)が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、グリセロールカーボネート及びこれらの混合物を含む群から選択される請求項1〜9の何れか1項に記載のアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法。
アミノトリアジンアルコキシレート(a)と、少なくとも1種のアミノトリアジン(b)及び少なくとも1種のアルキレンオキシド(c)との反応が、100℃と200℃の間の温度で、0.1〜1MPa(1〜10bar)の圧力下で、触媒の非存在下で、且つ溶媒の非存在下で実施される請求項1〜12の何れか1項に記載のアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法。
【背景技術】
【0002】
アルコキシル化アミノトリアジンの製造は原則として知られている。US3812122には、溶媒としてのN,N−ジアルキルカルボキサミド中での塩基性触媒の存在下においてアミノトリアジンを90〜200℃でアルキレンオキシドと反応させる方法が記載されている。
【0003】
US3328321には、メラミンアルコキシレートが、塩基性触媒及びジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミドその他の溶媒の存在下で、メラミンとエチレンカーボネートとの、又はアルキレンオキシドとの反応等により得られることが記載されている。
【0004】
US3438986には、溶媒としてのアリルジアミンの存在下でアミノトリアジンをアルキレンオキシドと反応させることによるアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法が記載されている。
【0005】
GB1064148には、塩基性条件下でアミノトリアジンとアルキレンオキシドとの反応が、芳香族の飽和又は不飽和ポリオールの存在下でもまた実施し得ることが記載されている。しかしながら、メラミンの使用はジメチルスルホキシド等の不活性溶媒の付加的な存在が必要である。
【0006】
DE3412082A1には、触媒を存在させることの無い、且つ不活性溶媒を用いることの無い、アミノトリアジンとアルキレンオキシドの反応が記載されている。しかしながら、この方法は共出発材料(co-starter)として少なくとも1種の2〜6価の脂肪族及び/又は脂環式アルコールを利用する。
【0007】
上記書類に記載された方法は重大な欠点を有する。それらは、a)極性を有し、それゆえ一般にまた高沸点の不活性溶媒(ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド)であって、反応後、費用をかけて且つ不便なことに生成物から再び除去されなければならない溶媒の存在を要求し、及び/又は、b)アミノトリアジンアルコキシレートと共出発材料アルコキシレートの混合物を生成物中にもたらす、少なくとも1種のヒドロキシル−又はアミノ−変性共出発材料の存在を要求する。したがって、アミノトリアジンアルコキシレートは不純物として共出発材料アルコキシレートを含む。高沸点極性溶媒の除去はかなりの技術的な不都合に関係しており、且つ共出発材料アルコキシレートの存在が生成物特性に悪影響を与えるので、この種の生成物は従来は市場に定着することができなかった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法の好ましい実施の形態では、アミノトリアジンアルコキシレート(a)は、以下の式:
【0014】
【化1】
[式中、R’及びR”は、H、分岐状又は直線状のC1−C22化合物、ポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールからそれぞれ選択され、R”’及びR””は、H、分岐状又は直線状のC1−C22鎖、C6R5(RがH、分岐状又は直線状のC1−C22アルキル鎖から選択される)、アリールからそれぞれ選択される]で表わされる少なくとも1種の化合物又は当該式を有する化合物の混合物と、少なくとも1種のアルキレンオキシド(h)との反応生成物を含む群から選択される。
【0015】
最初の反応バッチのアミノトリアジンアルコキシレート(a)は引用された特許文献中における上記方法の何れかにより得ることができる。
【0016】
更に、最初の反応バッチのアミノトリアジンアルコキシレート(a)は、以下の方法工程:1.)アミノトリアジンをKOH又はNaOH水溶液と反応させ、その後真空ストリッピングにより水を除去する工程、2.)得られたアミノトリアジンの金属塩をアルキレンオキシドと反応させる工程、3.)反応生成物を(好ましくは、リン酸、塩酸、硫酸等のブレンステッド酸だけでなく、CO
2又はMakrosorb(登録商標)(特にポリオールを精製するために開発されたINEOS Silicasのケイ酸マグネシウムである、Makrosorb(登録商標)MP5等)で)中和させる工程、4.)工程3からの中和塩及び工程2の未転化のアミノトリアジンをアミノトリアジンアルコキシレートからろ過により除去する工程によって得られる。したがって、中和されたアミノトリアジンアルコキシレートを上記方法において出発材料(a)として用いることができる。
【0017】
アミノトリアジンアルコキシレート(a)は、触媒の存在下又は非存在下で得られる。
【0018】
本発明に係る方法の一実施の形態では、本発明に係る方法の出発材料であるアミノトリアジンアルコキシレート(a)は、溶媒の存在下で得られる。この場合、本発明に係るアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法中でアミノトリアジンアルコキシレート(a)を用いる前に、従来の方法で溶媒の残留物が除去されることが好ましい。
【0019】
本発明に係る方法のさらなる実施の形態では、アミノトリアジンアルコキシレート(a)は溶媒の非存在下で得られる。
【0020】
当業者であれば、反応バッチが出発成分(本実施の形態の場合、アミノトリアジン)と共に前の反応バッチ(“ヒール”)からの反応生成物の部分を含むことを特徴とする“ヒール法(heel processes)”ともまた呼ばれる類似の方法を知っている。この方法工程は、反応生成物が反応をより完全に進行させ、且つ反応生成物中にいかなる未転化のアミノトリアジンをあとに残さない可溶化剤として作用するので、出発材料の溶解性を向上させる。反応生成物中の未転化のアミノトリアジンは、その反応生成物中に固体の形態で存在し、相が液体の反応生成物と分離するので不利である。
【0021】
更に、多くの場合、アミノトリアジンのアミノ官能基がアルキレンオキシドの付加工程のために自己触媒的に作用するので、本発明に係る方法中に触媒が添加される必要はない。
【0022】
従って、本発明に係る方法は、経済的な利点を(とりわけ、多くの場合に触媒不要となるので)提供し;さらに、生成物を純粋な形態で、(高沸点溶媒又は共出発材料による汚染のために従来の方法においては高い)付加的な精製要件なしに、特定のアプリケーションに直接用いることができる。さらに、既存のヒール法と比較して、アルコキシル化触媒の添加をこの場合には省略することができる。
【0023】
しかしながら、自己触媒転化は一般に達成される分子量に関して制限されるので、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド又はアミン(ジメチルエタノールアミン又はイミダゾール等)等の塩基性触媒の存在下での上記の方法からの反応生成物とアルキレンオキシドとのさらなる反応もまた可能である。
【0024】
アミノトリアジン(b)及び(d)として有用であるアミノトリアジンは、少なくとも1個の、及び好ましくは少なくとも2個の分子内に結合されたアミノ基を含む全てのアミノトリアジンである。これらは、6−メチル−、6−エチル−、6−n−プロピル−、6−イソプロピル−、6−ブチル−、6−ヘキシル−、6−ノニル−、6−ステアリル−、6−ブテニル−、6−シクロヘキシル−、6−フェニル−、6−ジメチルアミノ−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン等の、1〜18個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式又は芳香族基で置換されたアミノトリアジンである。さらに、6−ヒドロキシ−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン(アンメリン)等の、ヒドロキシル置換基を有するアミノトリアジンを用いることもまた可能である。6−メチル−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、6−フェニル−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、及び特にメラミン等の、難溶性の高融点アミノトリアジンを用いることが好ましい。アミノトリアジンは単独で、又は混合物の形態で用いることが可能である。
【0025】
アミノトリアジン(b)及び(d)は、以下の式:
【0026】
【化2】
[式中、R’及びR”は、H、分岐状又は直線状のC1−C22化合物、ポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールからそれぞれ選択され、R”’及びR””は、H、NR’R”、OH、ハロゲン化物、分岐状又は直線状のC1−C22鎖、C6R5(Rが、H、分岐状又は直線状のアルキル鎖から選択される)、アリールからそれぞれ選択される]で表わされる化合物又は当該式を有する化合物の混合物からそれぞれ独立して選択されてもまたよい。
【0027】
ここで、アミノトリアジン(b)及び(d)は同一でもよく、又は異なっていてもよい。
【0028】
アミノトリアジン(b)及び/又は(d)として2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン(メラミンとしてもまた知られる)を用いることが好ましい。
【0029】
アミノトリアジンアルコキシレートの製造方法に係る本発明の好ましい実施の形態では、アミノトリアジンアルコキシレート(f)が、以下の式:
【0030】
【化3】
[式中、R’及びR”は、H、分岐状又は直線状のC1−C22化合物、ポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールからそれぞれ選択され、R”’及びR””は、H、NR’R”、OH、ハロゲン化物、分岐状又は直線状のC1−C22鎖、C6R5(Rが、H、分岐状又は直線状のC1−C22鎖アルキル鎖から選択される)、アリールからそれぞれ選択される]で表わされる少なくとも1種の化合物又は当該式を有する化合物の混合物と、少なくとも1種のアルキレンオキシド(i)との反応生成物を含む群から選択される。
【0031】
本発明に係る方法の一実施の形態では、アミノトリアジンアルコキシレート(f)が存在する。
【0032】
本発明に係る方法の他の実施の形態では、アミノトリアジンアルコキシレート(f)は存在していない。
【0033】
アルキレンオキシド(c)、(e)、(h)及び(i)は、好ましくは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1,2−ペンテンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、グリシドール及びこれらの混合物を含む群からそれぞれ独立して選択される。同様に、2,3−ペンテンオキシド、1,2−ヘキセンオキシド、シクロヘキセンオキシド、グリシジルエーテル及び/又はブタジエンモノキシド、又はこれらの混合物を用いることができる。それぞれの場合に、プロピレンオキシドとエチレンオキシドを用いることが特に好ましい。
【0034】
アルキレンカーボネート(g)はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、グリセロールカーボネート、及びこれらの混合物を含む群から好ましくは選択される。
【0035】
アミノトリアジンアルコキシレートの存在下でのアミノトリアジンとアルキレンオキシドとの反応は、一般に0.1〜1MPa(1〜10bar)の圧力下で、100℃と200℃の間の、好ましくは150℃と180℃の間の温度で好ましくは実施される。
【0036】
本発明に係る方法の好ましい実施の形態では、アミノトリアジンアルコキシレート(a)、少なくとも1種のアミノトリアジン(b)及び少なくとも1種のアルキレンオキシド(c)の反応は、触媒の非存在下且つ溶媒の非存在下で、100℃と200℃の間の温度で、0.1〜1MPa(1〜10bar)の圧力下で実施される。アミノトリアジンと共に最初に反応器に充填されたアミノトリアジンアルコキシレート(a)とアミノトリアジン(b)との間の質量比は、20%:80%〜95%:5%の範囲であり、好ましくは40%:60%〜95%:5%の範囲である。
【0037】
アミノトリアジンアルコキシレートの存在下でのアミノトリアジンとアルキレンオキシドとの反応は塩基性触媒の存在下で行われ得る。有用な触媒は、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属水酸化物及びアルコキシドを含む。さらに、アミンを触媒として用いることができる。アミンの使用は、特に、ポリウレタンアプリケーションの観点では、触媒が最終生成物から除去されなくてもよく、したがって、付加的な中和及びろ過工程が不要となるという技術的な利点を有する。第三級アミンを用いることが好ましい。アミン系触媒の例は、トリメチルアミン(TMA)、トリブチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、ジメチルエタノールアミン(DMEOA)及びジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、イミダゾール及び置換イミダゾール誘導体であり、好ましくはジメチルエタノールアミンである。
【0038】
DMEOA(ジメチルエタノールアミン)、イミダゾールが特に好ましい。
【0039】
カルベン、好ましくはN−複素環カルベンもまた触媒として用いることができる。
【0040】
さらに好ましい実施の形態では、触媒の非存在下でのアミノトリアジンとアルキレンオキシドの反応である。アミノトリアジンはそれ自身が触媒的に有効な官能基を有するので、したがって、反応は自己触媒的に行われ得る。この場合においても、中和及びろ過の必要がないという技術的な利点がある。
【0041】
反応が終了した後、一般に反応生成物から真空ストリッピングにより残留モノマー及び他の揮発性成分を除去する。ストリッピングは、例えば、不活性ガス(窒素等)を用いるか、又は水蒸気を用いることで実施され得る。アルキレンオキシドとの反応中に金属水酸化物又は金属アルコキシドが触媒として用いられる場合、これらは例えば、ブレンステッド酸の添加により中和され、金属塩はろ過により反応生成物から分離される。
【0042】
アルキレンオキシドはブロック的に、又はランダムに添加可能である。そのままの及び混合したアルキレンオキシドの両方を用いることが可能である。
【0043】
アミノトリアジンアルコキシレートを製造するための、アミノトリアジンアルコキシレート(a)、少なくとも1種のアミノトリアジン(b)及び少なくとも1種のアルキレンオキシド(c)の反応は、本発明においては好ましくは不活性溶媒を用いることなく実施される。
【0044】
しかしながら、アミノトリアジンアルコキシレート(a)の製造は、上述したように、任意に不活性溶媒の存在下で実施されても良い。
【0045】
本発明によると、少なくとも1種のアミノトリアジンアルコキシレート(a)、少なくとも1種のアミノトリアジン(b)及び少なくとも1種のアルキレンオキシド(c)の反応によりアミノトリアジンアルコキシレートを製造する方法は、ヒドロキシル又はアミノ基を有する反応性溶媒等の任意の共出発材料を使用しない。
【0046】
しかしながら、アミノトリアジンアルコキシレート(a)の製造は、任意にヒドロキシル−及び/又はアミノ−官能基の存在下で、したがって、反応性共出発材料の存在下で実施することができる。
【0047】
その方法は、回分法又は半回分法として、不連続に実施され得る。また、その方法は、アミノトリアジンを、又はアミノトリアジンとアミノトリアジンアルコキシレートの混合物を反応槽に連続的に供給し、その生成物を連続的に除去することにより、連続的にもまた実施され得る。
【0048】
上記方法を用いて得られるアミノトリアジンアルコキシレートは、一般に10〜600mgKOH/gの、好ましくは50〜500mgKOH/gの水酸基価を有する。本発明に係るアミノトリアジンの官能価は、一般に2〜6の間であり、好ましくは3〜6の間である。その分子量は、一般に300g/モルと15000g/モルの間であり、好ましくは400g/モルと5000g/モルの間である。
【0049】
本発明によって得られるアミノトリアジンアルコキシレートは様々な目的、例えば:
1.)ホルムアルデヒドを含まない革なめし剤及び/又は革の再なめし剤
2.)表面活性物質(表面活性剤、乳化剤)
3.)水系用、有機溶媒用、又はポリエーテルポリオール用の分散剤
4.)水不溶性化合物のための可溶化剤(農業又は製薬の補助剤)
5.)ポリウレタン系製剤中の、好ましくは硬質ポリウレタンフォーム及びポリウレタン被覆製剤中の、より好ましくは硬質ポリウレタンフォーム系中の、ポリエーテル成分
の目的のために有用である。
【0050】
加えて、本発明に係る方法により得られるアミノトリアジンアルコキシレートは、さらにアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法における初充填として用いられ得る。より具体的には、本発明の方法により得られるアミノトリアジンアルコキシレートは、さらに本発明に係る方法と類似のアミノトリアジンアルコキシレートの製造方法における初充填としてもまた用いられ得る。この場合、本発明に従って得られるアミノトリアジンアルコキシレートは、請求項1によるアミノトリアジンアルコキシレート(a)として順番に供給される。
【0051】
本発明に従って得られるアミノトリアジンアルコキシレートは、前述の通り活性型の界面活性剤の形成のために非常に有用である。したがって、それらは、羊毛、綿若しくは酢酸セルロース、硝酸セルロース、ビスコース、及び同種の材料を湿潤し、又は軟化するために非常に有用である。それらはまた、鉱物油、グリセリド、脂肪、油等を乳化させるために有用である。本発明により得られるアミノトリアジンアルコキシレートは、印刷インキ、染料ペースト、ドライクリーニングバス、皮革仕上げ剤、及び浮選剤の製剤に用途を見出す。本発明によって得られるアミノトリアジンアルコキシレートを用いることにより、レーヨン及び他の繊維の場合に、溶解耐性及び増大された湿潤強度を大きく確保することができる。本発明により得られるアミノトリアジンアルコキシレートはまた、処理された織物材料の折り目及びしわ傾向を減少させる。
【実施例】
【0052】
以下の例により本発明を説明する。
【0053】
例1:アミノトリアジンエトキシレート(a1)の製造
300mLの鋼製オートクレーブ中で46.2gのメラミンを1.44gのKOH水溶液(50%濃度)と混合し、その反応混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応混合物を110℃で0.001MPa(10mbar)に排気することにより、水を除去した。その後、4時間かけて193.8gのエチレンオキシドを計量投入した。エチレンオキシドがキックオフ量に到達した後、圧力が一定になるまで後反応が起こった。反応後、残留するモノマーを0.001MPa(10mbar)、110℃で30分間留去し、粗生成物を室温で排出した。粗生成物にはさらに、液体のメラミンエトキシレートから最初にろ過により分離された固体の形態の未転化のメラミンが含まれていた。その後、塩基性のろ液を5%の水及び3%のMakrosorb(登録商標)と混合し、90℃で60分間加熱し、0.0003MPa(3mbar)及び120℃で水及び他の揮発性成分を除去し、最後に加圧ろ過した。中和されたメラミンエトキシレートは174.0mgKOH/gの水酸基価及び10ppmK
+未満の残留するアルカリ度(原子吸光分析法(AAS)によって決定される)を有し、そして以下に記す実験手順に従って本発明に係る方法のためのアミノトリアジンアルコキシレート(a1)として直接用いた。
【0054】
例2:初充填として例1の生成物を用いたメラミンエトキシレートの製造
300mLのオートクレーブに63gの例1からのメラミンエトキシレート(a1)を7gのメラミンとともに最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを110℃に加熱し、104gのエチレンオキシドを7.5時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応の終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、142mgKOH/gの水酸基価を有する170gの均質な液体を得た。
【0055】
例3:初充填として例2の生成物を用いたメラミンエトキシレートの製造
300mLのオートクレーブに例2からの63gのメラミンエトキシレートを7gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、104gのエチレンオキシドを4時間かけて計量投入した。計量投入完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、147mgKOH/gの水酸基価を有する170gの均質な液体を得た。
【0056】
例4:初充填として例3の生成物を用いたメラミンエトキシレートの製造
300mLのオートクレーブに例3からの40gのメラミンエトキシレートを10gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、171.6gのエチレンオキシドを4時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、154.6mgKOH/gの水酸基価を有する210gの均質な液体を得た。
【0057】
例5:初充填として例4の生成物を用いたメラミンエトキシレートの製造
300mLのオートクレーブに例4からの28gのメラミンエトキシレートを12gのメラミンと共に最初に充填し、窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、196gのエチレンオキシドを7.5時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、161.3mgKOH/gの水酸基価を有する230gの均質な液体を得た。
【0058】
例6:初充填として例5の生成物を用いたメラミンエトキシレートの製造
300mLのオートクレーブに例5からの20.3gのメラミンエトキシレートを13.5gのメラミンと共に最初に充填し、窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、206.2gのエチレンオキシドを10時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、171.2mgKOH/gの水酸基価を有する230gの均質な液体を得た。
【0059】
例7:初充填として例6の生成物を用いたメラミンエトキシレートの製造
300mLのオートクレーブに例6の14.6gのメラミンエトキシレートを14.5gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、209gのエチレンオキシドを12時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、162.5mgKOH/gの水酸基価を有する228gの均質な液体を得た。
【0060】
例8:初充填として例7の生成物を用いたメラミンエトキシレートの製造
300mLのオートクレーブに例7からの14.6gのメラミンエトキシレートを14.5gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、209gのエチレンオキシドを7.5時間かけて計量投入した。計量投入完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、162.5mgKOH/gの水酸基価を有する228gの均質な液体を得た。
【0061】
例9:アミノトリアジンプロポキシレート(a2)の製造
300mLの鋼製オートクレーブ中で20.0gのメラミンを2.4gのKOH水溶液(50%濃度)と混合し、反応混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応混合物を110℃で0.001MPa(10mbar)に排気することにより、水を除去した。その後、20時間かけて220.0gのプロピレンオキシドを計量投入した。プロピレンオキシドがキックオフ量に達した後、圧力が一定になるまで後反応が起こった。反応後、残留するモノマーを0.001MPa(10mbar)、110℃で30分間留去し、粗生成物を室温で排出した。粗生成物はさらに、ろ過により液体のメラミンプロポキシレートから最初に分離された固体の形態の未転化メラミンを含んでいた。その後、塩基性のろ液を5%の水及び3%のMakrosorb(登録商標)と混合し、90℃で60分間加熱し、0.0003MPa(3mbar)及び120℃で水と他の揮発性成分を除去し、最後に加圧ろ過した。中和されたメラミンプロポキシレートは238.4mgKOH/gの水酸基価及び10ppmK
+未満の残留するアルカリ度(原子吸光分析法(AAS)によって決定される)を有し、以下に記載する次のバッチのための出発材料として直接用いた。
【0062】
例10:初充填として例9の生成物を用いたメラミンプロポキシレートの製造
300mLのオートクレーブに106.1gの例9からのメラミンプロポキシレート(a2)を11.8gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、122.2gのプロピレンオキシドを9時間かけて計量投入した。計量投入完了後、反応は10時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、273mgKOH/gの水酸基価を有する230gの均質な液体を得た。
【0063】
例11:初充填として例10の生成物を用いたメラミンプロポキシレートの製造
300mLのオートクレーブに例10からの63.2gのメラミンプロポキシレートを15.8gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、161gのプロピレンオキシドを12時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、267mgKOH/gの水酸基価を有する230gの均質な液体を得た。
【0064】
例12:初充填として例11の生成物を用いたメラミンプロポキシレートの製造
300mLのオートクレーブに63.2gの例10からのメラミンプロポキシレートを15.8gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、その反応バッチを160℃に加熱し、161gのプロピレンオキシドを11時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、270mgKOH/gの水酸基価を有する230gの均質な液体を得た。
【0065】
例13:初充填として例12の生成物を用いたメラミンプロポキシレートの製造
300mLのオートクレーブに63.2gの例12のメラミンプロポキシレートを15.8gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを160℃に加熱し、140gのプロピレンオキシドを8時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、285mgKOH/gの水酸基価を有する210gの均質な液体を得た。
【0066】
例14:メラミンとエチレンカーボネートの反応により製造されるメラミンエトキシレートを初充填として用いたメラミンプロポキシレートの製造
米国特許第3,328,321号と同じくメラミンとエチレンカーボネートの反応により製造された、515.8mgKOH/gの水酸基価を有する35.2gのメラミンエトキシレート(a3)を、300mLのオートクレーブに3.5gのメラミンと共に最初に充填し、その混合物を窒素で3回不活性化した。その後、反応バッチを100℃に加熱し、100gのプロピレンオキシドを2時間かけて計量投入した。計量投入の完了後、反応は3時間起こった。反応終了後、残留するモノマーを真空下で除去し、生成物を室温で排出し、195mgKOH/gの水酸基価を有する128gの均質な液体を得た。
【0067】
従って、実験結果は、本発明に係る方法が、非アミノトリアジン含有共出発材料を用いることなく、且つ不活性溶媒を用いることなく、均質なアミノトリアジンアルコキシレートを提供することを示している。よって、その生成物は簡単で経済的な方法により得られる純粋なアミノトリアジンアルコキシレートである。