(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1のボルトの緩み防止装置を取り付ける方法であって、係合部材にねじ孔を設けておき、このねじ孔にねじ合わされるおねじ部を有する第2取付治具を使用して、係合部材を第2取付治具にねじ合わせた状態で、第2取付治具を複数個の嵌合部材にまたがるように押圧することで係合部材を複数個の係合部材に取り付けることを特徴とするボルトの緩み防止装置の取付方法。
複数の上段部材としての通路ブロックを有する流体制御機器と、複数の下段部材としてのブロック継手とを備えており、通路ブロックをボルトを使用して下段部材に固定する構成とされている流体制御装置であって、前記ボルトの緩み止めを行うためのボルトの緩み防止装置として、請求項1から3までのいずれかのボルトの緩み防止装置を備えていることを特徴とする流体制御装置。
被処理基板を収容する処理容器と、前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給部を備えた基板処理装置であって、前記処理ガス供給部内に設けられた流体制御装置として、請求項9の流体制御装置を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1のボルトの緩み止め部材によると、1つの部材で緩み止めを行えるという利点があるものの、部材の構造が複雑となって製造が困難となるという問題があり、また、一方のボルトに第1嵌合部を嵌め合わせた状態で、他方のボルトに第2嵌合部を嵌め合わせるという取付け作業が困難であるという問題があった。したがって、上記の特許文献2の流体制御装置に適用することは困難である。
【0007】
この発明の目的は、部材の構造が簡素化されており、かつ、取付け作業を容易に行うことができるボルトの緩み防止装置ならびにその取付方法および取付治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によるボルトの緩み止め装置は、複数本のボルトを使用して被固定部材を固定した後のボルトの緩み防止装置であって、複数本のボルトの各頭部にそれぞれ相対回転不可能に嵌め合わせられる複数個の嵌合部材と、
各嵌合部材に係合してその移動を防止する係合部が設けられて、複数個の嵌合部材にまたがって取り付けられて
いる係合部材とを有して
おり、各ボルトは、頭部周面に平目のローレットが形成された六角孔付きボルトとされており、各六角孔付きボルトは、その頭部を被固定部材から突出させて、被固定部材を貫通しており、被固定部材から露出している各六角孔付きボルトの頭部に、外周面形状が方形でかつ内周面にローレットが形成された嵌合部材がそれぞれ嵌め合わされており、係合部材は、複数の嵌合部材の外周面に一方側から対向する第1対向壁部と、複数の嵌合部材の外周面に他方側から対向する第2対向壁部と、両対向壁部を連結する連結壁部とを有しており、複数の嵌合部材にまたがって嵌め合わせられた係合部材が被固定部材で受け止められていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明で使用されるボルトは、JISで規格されている六角ボルト、四角ボルト、六角孔付きボルトなどとすることができ、また、頭部を非円形に加工した特殊形状ボルトとすることもできる。JISで規格されている六角孔付きボルトの場合には、平目のローレット付きのものが好ましい。
【0010】
嵌合部材は、例えば板状とされて、内周面がボルトの外周形状に対応した形状(六角ボルト用の場合には、六角形)とされるとともに、外周面が適宜な非円形形状(例えば六角形、方形など)とされる。平目のローレット付きの六角孔付きボルトの場合には、嵌合部材の内周面がローレット状とされる。六角孔付きボルト用の嵌合部材は、六角孔に嵌め合わせられる六角柱状凸部が方形板状部材の中央部分に設けられているものであってもよい。
【0011】
係合部材は、例えば板状または枠状とされ、係合部材に、各嵌合部材の非円形外周面の少なくとも一部に係合してその移動を防止する係合部が設けられる。係合部は、嵌合部材の非円形外周面に対応した形状(嵌合部材が六角形であれば、係合部も六角形)とされる。係合部材の外形は、方形、円形などとされ、好ましくは、ボルトが取り付けられる部分の形状に応じた形状とされる。係合部材の外形は、ボルトが取り付けられる部材によって回り止めされる形状とされることがより好ましい。
【0012】
ここで、嵌合部材の外周面および係合部材の各係合部の「非円形」は、完全な円形以外の形状であって、嵌合部材に係合部材が取り付けられて、嵌合部材と係合部材とが嵌め合わされた場合、相対回転不可能になる形状を意味する。ただし、嵌合部材と係合部材との嵌め合いは、しまりばめ(圧入)のように最初の嵌め合わせ状態で相対回転不可能となっている必要はなく、相対回転した際に、嵌合部材の外周面の一部と係合部材の係合部の一部とが係合するものであればよい。嵌め合わせた状態で完全に回転不可能でない場合であっても、少し緩んで回転止め機能が発揮されると、それ以後は、嵌合部材は回転できないので、緩み止めが発揮されるためである。要するに、係合部材は、嵌合部材の回転(移動)を防止できればよく、その形状は、嵌合部材の形状に合わせて、適宜変更される。
【0013】
嵌合部材の非円形外周面ならびに係合部材の係合部の非円形内周面は、六角形、方形の他、円形の外周面に1または複数の突起または切欠きが設けられたものであってもよい。各嵌合部材は、合成樹脂製板状素材に貫通孔が設けられた形状とすることでき、容易に製作することができる。
【0014】
嵌合部材とボルト頭部との嵌め合わせは、相対回転不可能(遊びが実質的にゼロ)とされ、嵌合部材の回転が阻止されることで、ボルトの回転(緩み)が阻止される。嵌合部材は、それぞれ別個にボルトに嵌め合わせればよいので、これらの嵌め合わせは容易に行うことができる。係合部材は、例えば合成樹脂製とすること弾性変形可能とすることができ、これにより、複数の嵌合部材にまたがる嵌め合わせを容易に行うことができる。
【0015】
なお、係合部材と嵌合部材との嵌め合わせは、相対回転不可能ではあるが、若干の遊びがあってもよい。遊びがある場合、嵌合部材は、その遊び分だけ回転可能となり、これに伴い、ボルトも回転可能ということになるが、遊び以上にボルトが緩むことはないので、緩み量を所定値以下(実質的にゼロ)にすることができる。遊びは実質的にゼロであってももちろんよいが、ある程度の遊びを設けることにより、係合部材の嵌合部材への嵌め合わせをより容易に行うことができる。
【0016】
複数の嵌合部材は、通常、同一形状とされるが、これに限定されるものではない。嵌合部材がすべて同一形状の場合、第1の係合部と第2の係合部とは、同一形状であってもよいが、これに限定されるものではなく、第2の係合部を大きくして、上記の遊びを第2の係合部の方で大きくとるようにしてもよい。また、第1の係合部と第2の係合部とは、仕切られることが好ましいが、仕切りをなくして、すべての嵌合部材を含むような1つの係合部にまとめられてもよい。
【0017】
係合部材は、複数の嵌合部材の外周面に一方側から対向する第1対向壁部と、複数の嵌合部材の外周面に他方側から対向する第2対向壁部と、両対向壁部を連結する連結壁部とを有していることが好ましい。このようにすると、複数の嵌合部材にまたがって取り付けられる係合部材の形状を簡単なものとしかつ強度を確保することが容易となる。
【0018】
係合部材の各係合部は、各嵌合部材の非円形外周面に対応する非円形内周面を有し連結壁部に設けられた係合孔とされていることがある。
【0019】
また、係合部材の連結壁部は、隣り合う嵌合部材の間に嵌まり合うことで第1対向壁部および第2対向壁部とともに係合部を形成する突出部を有していることがある。
【0020】
この発明のボルトの緩み防止装置が適用される締付け(固定構造)は、限定されるものではないが、例えば、流体制御装置の通路ブロックの固定構造に適用される。この通路ブロックには、シール部が必要であることから、ボルトが緩んだ場合に、シール性が低下することになり、ボルトの緩み止めが極めて重要となる。
【0021】
流体制御装置の通路ブロックの固定構造に適用するに際しては、各ボルトは、頭部周面に平目のローレットが形成された六角孔付きボルトとされており、各六角孔付きボルトは、その頭部を被固定部材(通路ブロック)から突出させて、被固定部材を貫通しており、被固定部材から露出している各六角孔付きボルトの頭部に、外周面形状が方形でかつ内周面にローレットが形成された嵌合部材がそれぞれ嵌め合わされており、複数の嵌合部材にまたがって嵌め合わせられた係合部材が被固定部材で受け止められているものとされることが好ましい。
【0022】
通路ブロックは、例えば、直方体状とされて、適宜な形状の流体通路が形成され、これに伴って、シール部が設けられる。この通路ブロックの取付けに際しては、シール部を挟むように複数本のボルトが配置されることで、そのシール性が確保されて、通路ブロックが支持部材に取り付けられる。通路ブロックは、これだけで1つの部材として扱われることがあり、また、アクチュエータに一体的に取り付けられることで、バルブの通路形成部分とされることもある。
【0023】
複数本のボルトの具体的な数は、例えば、1対(2本)とされるが、2本以上も可能であり、その際、複数のボルトが直線状に並んでいる必要は無く、ボルトの位置に合わせて係合部材を変形すればよい。
【0024】
上記のボルトの緩み防止装置は、適宜な取付治具(嵌合部材を取り付けるための第1取付治具および係合部材を取り付けるための第2取付治具)を使用して行うことが好ましい。
【0025】
第1の発明によるボルトの緩み防止装置の取付方法は、嵌合部材の外周面を保持する保持部および嵌合部材に当接して保持部に対して移動可能な押し部を有する第1取付治具を使用して、嵌合部材を第1取付治具の保持部に保持した状態で、嵌合部材をボルトに取り付け、その後、第1取付治具の押し部を移動させることで、第1取付治具の保持部から嵌合部材を外すことを特徴とするものである。
【0026】
この発明のボルトの緩み防止装置の取付方法によると、嵌合部材を取り付ける際のスペースとして、ボルトの上方にはスペースがあるが、ボルトの周辺(前後および左右)には十分なスペースが無い場合であっても、嵌合部材を確実にボルトに嵌め合わせることができる。
【0027】
また、第2の発明によるボルトの緩み防止装置の取付方法は、係合部材にねじ孔を設けておき、このねじ孔にねじ合わされるおねじ部を有する第2取付治具を使用して、係合部材を第2取付治具にねじ合わせた状態で、第2取付治具を複数個の嵌合部材にまたがるように押圧することで係合部材を複数個の係合部材に取り付けることを特徴とするものである。
【0028】
この発明のボルトの緩み防止装置の取付方法によると、係合部材を取り付ける際のスペースとして、ボルトおよび嵌合部材の上方にはスペースがあるが、ボルトおよび嵌合部材の周辺(前後および左右)には十分なスペースが無い場合であっても、係合部材を確実に嵌合部材に嵌め合わせることができる。
【0029】
この発明による第1取付治具は、嵌合部材の外周面を保持する保持部が先端に一体に設けられた中空軸と、中空軸の基端部に設けられた把持部と、嵌合部材に当接する押し部が先端に一体に設けられ中空軸内に軸方向移動可能に挿入されて基端部が中空軸から突出させられている内軸とを有していることを特徴とするものである。
【0030】
この発明の第1取付治具によると、嵌合部材をボルトに嵌め合わせた後、嵌合部材が第1取付治具から外れにくいという問題を解消することができる。
【0031】
また、第1の発明による第2取付治具は、係合部材に設けられたねじ孔にねじ合わされるおねじ部を先端に有する軸体と、係合部材に当接する補強板とを有し、軸体は、相対回転可能に補強板に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0032】
第1の発明の第2取付治具によると、補強板によって係合部材の反りを矯正することができるので、係合部材を複数個の嵌合部材に取り付ける際の嵌め合わせをスムーズに行うことができる。
【0033】
また、第2の発明による第2取付治具は、補強板付き軸体およびこれに着脱可能に取り付けられる補助軸体からなり、補強板付き軸体は、係合部材の一端部に設けられたねじ孔にねじ合わされるおねじ部を先端に有する主軸体と、係合部材に当接する補強板とを有し、主軸体は、相対回転可能に補強板に取り付けられており、補強板には、主軸体が挿通される貫通孔が一端部に、ねじ孔が他端部にそれぞれ設けられており、補助軸体は、補強板のねじ孔にねじ合わされるおねじ部を先端に有していることを特徴とするものである。
【0034】
第2の発明の第2取付治具によると、被固定部材の上方に第1の発明の第2取付治具の挿入を妨げる部分が存在している場合に、この第2の発明の第2取付治具を使用することで、干渉を避けて、係合部材の取付けを行うことができる。
【0035】
この発明による流体制御装置は、複数の上段部材としての通路ブロックを有する流体制御機器と、複数の下段部材としてのブロック継手とを備えており、通路ブロックをボルトを使用して下段部材に固定する構成とされている流体制御装置であって、前記ボルトの緩み止めを行うためのボルトの緩み防止装置として、上記いずれかのボルトの緩み防止装置を備えていることを特徴とするものである。
【0036】
複数の上段部材としての通路ブロックを有する流体制御機器および複数の下段部材としてのブロック継手を備えている流体制御装置においては、シール性を維持するためにボルトの緩みを防止することが必要であるが、ボルトの周辺には十分なスペースが無いことから、狭いスペースに設置可能なボルトの緩み防止装置が課題となっており、上記のボルトの緩み防止装置を備えている流体制御装置とすることで、この課題を解決することができる。
【0037】
このような流体制御装置は、被処理基板を収容する処理容器と、前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給部を備えた基板処理装置において、前記処理ガス供給部内に設けられた流体制御装置として、好適に使用される。
【発明の効果】
【0038】
この発明のボルトの緩み防止装置によると、複数本のボルトの各頭部にそれぞれ相対回転不可能に嵌め合わせられる複数個の嵌合部材と、複数個の嵌合部材にまたがって取り付けられて各嵌合部材に係合する係合部材とを有しているので、各ボルトに対する各嵌合部材の相対回転が不可能とされた状態で、各嵌合部材の回転が係合部材によって防止されるので、確実にボルトの緩みが防止される。
【0039】
ここで、嵌合部材は、内周面がボルトの外周形状に対応した形状とされるとともに、外周面が適宜な非円形形状とされ、係合部材には、複数個の嵌合部材に対応する係合部が設けられていればよいので、各嵌合部材を板状の素材に貫通孔が設けられた形状とすることができ、製作が容易なものとできる。また、嵌合部材は、それぞれ別個にボルトに嵌め合わせればよいので、これらの嵌め合わせは容易であり、係合部材を弾性変形させることで、係合部材を嵌合部材にまたがるように嵌め合わせることも容易に行える。
【0040】
また、この発明のボルトの緩み防止装置の取付方法によると、嵌合部材および係合部材を取り付ける際のスペースとして、ボルトの上方にはスペースがあるが、ボルトの周辺(前後および左右)には十分なスペースが無い場合であっても、嵌合部材および係合部材を確実に対応するボルトおよび嵌合部材に嵌め合わせることができる。
【0041】
また、この発明のボルトの緩み防止装置の取付治具によると、これらを使用することで、上記ボルトの緩み防止装置の取付方法をスムーズに実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、この発明によるボルトの緩み防止装置の第1実施形態を示す斜視図であり、これを取り付けるときの最初の状態を示している。
【
図2】
図2は、この発明によるボルトの緩み防止装置の第1実施形態を示す斜視図であり、これを取り付けるときの中間の状態を示している。
【
図3】
図3は、この発明によるボルトの緩み防止装置の第1実施形態を示す斜視図であり、これを取り付けた状態を示している。
【
図4】
図4は、この発明によるボルトの緩み防止装置を取り付けた状態の平面図である。
【
図5】
図5は、この発明によるボルトの緩み防止装置の第2実施形態を示す斜視図であり、これを取り付けるときの中間の状態を示している。
【
図6】
図6は、この発明によるボルトの緩み防止装置の第2実施形態を示す斜視図であり、これを取り付けた状態を示している。
【
図7】
図7は、この発明によるボルトの緩み防止装置の係合部材を示す図で、
図7(a)は、平面図であり、
図7(b)は、
図7(a)のb−b線に沿う断面図である。
【
図8】
図8は、この発明による第1取付治具を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第1取付治具の要部を示す拡大斜視図である。
【
図10】
図10は、この発明による第2取付治具の第1実施形態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態の第2取付治具の要部を示す拡大斜視図である。
【
図12】
図12は、第1取付治具を使用してこの発明によるボルトの緩み防止装置を取り付ける方法を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態の第2取付治具を使用してこの発明によるボルトの緩み防止装置を取り付ける方法を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、この発明による第2取付治具の第2実施形態を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態の第2取付治具の補強板付き軸体を示す拡大斜視図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態の第2取付治具の要部を示す拡大斜視図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態の第2取付治具を使用してこの発明によるボルトの緩み防止装置を取り付ける方法を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、この発明によるボルトの緩み防止装置が対象とする装置の1例としての集積化流体制御装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、上下は
図18の上下をいうものとし、また、同図の右を前、左を後といい、同図紙面表側を左、同裏側を右というものとする。
【0044】
図18は、この発明によるボルトの緩み防止装置が対象とする装置の1例としての集積化流体制御装置を示しており、この流体制御装置の1つのライン(41)は、複数の上段部材および複数の下段部材からなり、上段部材として、開閉弁(手動)(44)、プレッシャレギュレータ(45)、圧力センサ(46)、逆V字状通路ブロック(47)、遮断開放器(48)、マスフローコントローラ(49)、開閉弁(自動)(50)、逆V字状通路ブロック(51)およびフィルタ(52)が配置されるとともに、下段部材として、両端に配置された管継手(53)付きL字状通路ブロック継手(54)と、隣り合う上段部材同士を連通するV字状通路ブロック継手(55)とが配置されている。そして、下段部材としての各種継手部材(54)(55)が1つの細長い副基板(43)上に載せられるとともに、これらの下段部材(54)(55)にまたがって上段部材としての各種流体制御機器(44)(45)(46)(47)(48)(49)(50)(51)(52)が取り付けられることで1つのライン(41)が形成され、このライン(41)と類似の構成とされた複数のラインが主基板(42)上に並列に配置されるとともに、各ライン(41)の遮断開放器(48)同士が通路接続手段(56)により接続されることにより、集積化流体制御装置が形成されている。
【0045】
上記の流体制御装置においては、マスフローコントローラ(49)の両側に通路ブロック(49a)(49b)が配置されており、これらの通路ブロック(49a)(49b)は、1対のボルト(57)によって、下段のV字状通路ブロック継手(55)に固定されている。また、上段部材である開閉弁(手動)(44)、プレッシャレギュレータ(45)、圧力センサ(46)、逆V字状通路ブロック(47)、開閉弁(自動)(50)、逆V字状通路ブロック(51)およびフィルタ(52)は、それぞれ通路ブロック(44a)(45a)(46a)(47a)(50a)(51a)(52a)を有しており、これらの通路ブロック(44a)(45a)(46a)(47a)(50a)(51a)(52a)は、1対または2対のボルト(57)によって、下段の通路ブロック継手(54)(55)に固定されている。
【0046】
各通路ブロック(44a)(45a)(46a)(47a)(49a)(49b)(50a)(51a)(52a)には、ボルト(57)が挿通される貫通孔が設けられており、各ボルト(57)は、その頭部を通路ブロック(44a)(45a)(46a)(47a)(49a)(49b)(50a)(51a)(52a)の上面から突出させて、その先端部が通路ブロック継手(54)(55)に設けられためねじ部にねじ合わされている。
【0047】
この発明によるボルトの緩み防止装置(1)の第1実施形態は、上記の通路ブロック(44a)(45a)(46a)(47a)(49a)(49b)(50a)(51a)(52a)の固定構造などに適用されるもので、
図1から
図4までに示すように、通路ブロック(被固定部材)(11)を支持部材(12)に固定するための1対のボルト(5)の緩み止めを行うのに適するもので、各ボルト(5)の頭部に相対回転不可能に嵌め合わせられる左右1対の嵌合部材(2)(3)と、1対の嵌合部材(2)(3)にまたがって嵌め合わせられる係合部材(4)とからなる。
【0048】
各ボルト(5)は、同一形状の市販品(JIS規格品)で、頭部周面(5a)全周に平目のローレット(複数本の軸方向と平行にのびる凸条および凹溝)が形成された六角孔付きボルトとされている。
【0049】
嵌合部材(2)(3)は、板状体に貫通状の嵌合孔(2a)(3a)が形成されたもので、嵌合部材(2)(3)の各外周面(2b)(3b)は、正方形(非円形の1例)とされている。嵌合孔(2a)(3a)の内周面には、ボルト(5)の頭部周面(5a)のローレットに対応するローレット(複数本の軸方向と平行にのびる凸条および凹溝)が形成されている。これにより、嵌合部材(2)(3)の嵌合孔(2a)(3a)は、各ボルト(5)の頭部周面(5a)のローレットにちょうど嵌め合わされるようになされている。
【0050】
係合部材(4)は、左右1対の嵌合部材(2)(3)の外周面に前側(一方側)から対向する第1対向壁部(6)と、1対の嵌合部材(2)(3)の外周面に後側(他方側)から対向する第2対向壁部(7)と、両対向壁部(6)(7)を連結する連結壁部(8)とを有している。連結壁部(8)には、各嵌合部材(2)(3)にそれぞれ嵌め合わせ可能な方形の左(第1)および右(第2)の係合孔(8a)(8b)が形成されている。左係合孔(8a)の内周面は、左方の嵌合部材(2)の方形外周面(2b)に対応する方形とされ、右係合孔(8b)の内周面は、右方の嵌合部材(3)の方形外周面(3b)に対応する方形とされており、これにより、各嵌合部材(2)(3)の非円形外周面の少なくとも一部に係合してその移動を防止する係合部としての係合孔(8a)(8b)が形成されている。左係合孔(8a)と右係合孔(8b)との間は、仕切り(8c)によって仕切られている。係合部材(4)は、嵌合部材(2)(3)に嵌め合わせられた状態で、その上面が嵌合部材(2)(3)の上面よりも若干上方にある。
【0051】
上記のボルトの緩み防止装置(1)によると、各ボルト(5)に対する各嵌合部材(2)(3)の相対回転が不可能とされた状態で、各嵌合部材(2)(3)の回転が係合部材(4)によって防止されるので、確実にボルト(5)の緩みが防止される。
【0052】
嵌合部材(2)(3)は、内周面がボルト(5)の外周形状に対応した形状とされるとともに、外周面が適宜な非円形形状とされ、係合部材(4)には、各嵌合部材(2)(3)に対応する係合孔(8a)(8b)が設けられていればよいので、各嵌合部材(2)(3)(4)を合成樹脂製の板状体に貫通孔が設けられた形状とすることができ、製作が容易なものとできる。
【0053】
嵌合部材(2)(3)は、それぞれ別個にボルト(5)に嵌め合わせればよいので、これらの嵌め合わせは容易である。また、係合部材(4)は、例えば合成樹脂製の板状体とされることで、弾性変形可能とすることができ、嵌合部材(2)(3)への嵌め合わせが容易なものとなる。
【0054】
なお、
図4において、各嵌合部材(2)(3)と各係合孔(8a)(8b)とは、遊びがほぼ0として示されているが、各嵌合部材(2)(3)と各係合孔(8a)(8b)との間に若干の遊びがあっても、各嵌合部材(2)(3)の回転が係合部材(4)によって防止される効果が低下することは実質的にないので、ボルト(5)の緩み防止の効果が低下することはない。したがって、遊びを大きめに取ることによって、係合部材(4)を嵌合部材(2)(3)に嵌め合わせる作業をより容易なものとすることもできる。
【0055】
また、各嵌合部材(2)(3)と各係合孔(係合部)(8a)(8b)とは、係合部が方形の孔(8a)(8b)とされることで、周面の4面全てで当接するようになっている(4面ともが係合面の機能を有している)が、少なくとも1面が係合面の機能を有していればよいので、係合部は方形の孔(8a)(8b)に限定されるものではない。
【0056】
図5から
図7までには、嵌合部材(2)(3)が上記のものと同一形状である場合の係合部材の異なる実施形態が示されている。
【0057】
同図において、係合部材(14)は、左右1対の嵌合部材(2)(3)の外周面に前側(一方側)から対向する第1対向壁部(16)と、1対の嵌合部材(2)(3)の外周面に後側(他方側)から対向する第2対向壁部(17)と、両対向壁部(16)(17)を連結する連結壁部(18)とを有している。
【0058】
連結壁部(18)は、その下面が各嵌合部材(2)(3)の上面で受けられており、連結壁部(18)には、また、ボルト(5)の状態を確認するための窓(18b)が設けられている。
【0059】
連結壁部(18)の下面(内面)のうちの嵌合部材(2)(3)の上面で受けられない中間部分には、
図7(b)に示すように、両嵌合部材(2)(3)の間に嵌まり合う四角柱状の下方突出部(18a)が形成されている。これにより、この実施形態では、両対向壁部(16)(17)の左部同士および下方突出部(18a)の左面とによって、左方の嵌合部材(2)の非円形外周面の少なくとも一部に係合してその移動を防止する第1係合部(14a)が形成され、両対向壁部(16)(17)の右部同士および下方突出部(18a)の右面とによって、右方の嵌合部材(3)の非円形外周面の少なくとも一部に係合してその移動を防止する第2係合部(14b)が形成されている。
【0060】
この実施形態の係合部材(14)によると、係合部が方形の孔(8a)(8b)とされている係合部材(4)に比べて、嵌合部材(2)(3)の嵌め合わせが容易なものとなっており、また、連結壁部(18)の厚みが厚くされていることで、強度が向上して、反りなどが生じにくいものとなっている。
【0061】
ところで、この発明によるボルトの緩み防止装置が対象とする装置の1例としての集積化流体制御装置(
図18)において、例えば、マスフローコントローラ(49)の両側に配置された通路ブロック(49a)(49b)を1対のボルト(57)によって下段のV字状通路ブロック継手(55)に固定する場合、通路ブロック(49a)(49b)の前後および左右には、作業スペースがほとんどなく、したがって、上方からの作業によって、上記の嵌合部材(2)(3)(4)(14)を取り付けることが必要である。
【0062】
ここで、通路ブロック(49a)(49b)の前後および左右には手を挿入できる程のスペースが無いことから、各嵌合部材(2)(3)(4)(14)の取付けに際しては、
図8および
図19に示す第1取付治具(21)ならびに
図10および
図11に示す第1実施形態の第2取付治具(31)または
図14から
図16までに示す第2実施形態の第2取付治具(32)からなる2種類の治具を使用して行うことが好ましい。
【0063】
上記第2取付治具(31)(32)の使用を可能とするため、係合部材(14)には、
図5から
図7までに示されているように、中央部および両端部にそれぞれねじ孔(19)(20)が設けられている。
【0064】
第1実施形態の第1取付治具(21)は、
図8および
図9に示すように、嵌合部材(2)(3)の外周面(2b)(3b)を保持する保持部(23)が先端に一体に設けられた中空軸(22)と、中空軸(22)の基端部に一体に設けられた把持部(24)と、嵌合部材(2)(3)の上面に当接する押し部(26)が先端に一体に設けられ中空軸(22)内に軸方向移動可能に挿入されて基端部が中空軸(22)から突出させられている内軸(25)とを有している。
【0065】
保持部(23)は、
図9に拡大して示すように、前後壁(27)(28)および頂壁(29)によって略コの字状に形成されており、摩擦力によって嵌合部材(2)(3)を前後壁(27)(28)間に保持するものとされている。前壁(27)は、後壁(28)にちょうど対向して嵌合部材(2)(3)の外周面(2b)(3b)を挟持する対向部(27a)と、対向部(27a)の下方に連なる下方突出部(27b)とからなる。下方突出部(27b)は、外面が対向部(27a)と面一とされ、下方突出部(27b)の内面は、嵌合部材(2)(3)を保持した第1取付治具(21)を装着位置(嵌合部材(2)(3)を各ボルト(5)に装着する位置)まで移動させる際に、被固定部材である連結ブロック(11)の前面に案内されるように、対向部(27a)の内面よりも凹となるように形成されている。
【0066】
押し部(26)は、
図9(b)に拡大して示すように、板状の方形部(26a)と、その下面に設けられた板状の円形部(26b)とからなる。円形部(26b)は、嵌合部材(2)(3)の内周面(2a)(3a)内に緩く嵌まり合う大きさとされている。方形部(26a)は、その外周縁部が嵌合部材(2)(3)の外周縁部に沿う形状とされている。
【0067】
押し部(26)は、内軸(25)と一体とされていることから、内軸(25)を中空軸(22)に対して移動させることで、移動可能とされている。押し部(26)は、
図9(a)に示すように、嵌合部材(2)(3)が保持部(23)の前後壁(27)(28)間に挟持されて保持部(23)の頂壁(29)に当接する位置と、
図9(b)に示すように、保持部(23)の頂壁(29)から離れて下方(前壁(27)と後壁(28)との開口部側)に移動することで嵌合部材(2)(3)を保持部(23)から離脱させる位置とに移動させられる。
【0068】
第2取付治具(31)は、
図10および
図11に示すように、係合部材(14)の中央部に設けられたねじ孔(19)にねじ合わされるおねじ部(32a)を先端に有する軸体(32)と、係合部材(14)の上面に当接する補強板(33)とを有している。
【0069】
軸体(32)の上端部(基端部)には、把持部(32b)が一体に設けられており、軸体(32)の下端部(先端部)におけるおねじ部(32a)よりも上方の部分には、おねじ部(32a)を補強するフランジ部(32c)が設けられている。
【0070】
補強板(33)の下面中央部には、凹所(33a)が設けられており、軸体(32)は、おねじ部(32a)を補強板(33)の凹所(33a)底面から突出させて、相対回転可能なようにEリング(34)によって補強板(33)に取り付けられている。
【0071】
おねじ部(32a)の先端は、係合部材(14)の取付け前および完了時点では、補強板(33)の下面よりは突出しない位置に位置させられる。係合部材(14)を第2取付治具(31)に保持させる(
図11(b))には、
図11(a)に示すように、係合部材(14)を第2取付治具(31)に対向させ、係合部材(14)の上面を補強板(33)の下面に押し当てて、この状態で、軸体(32)を回転させ、おねじ部(32a)を係合部材(14)のねじ孔(19)にねじ合わせればよい。
【0072】
第1取付治具(21)を使用した嵌合部材(2)のボルト(5)への取付けは、
図12に示すように行われる。
【0073】
まず、保持部(23)の前後壁(27)(28)間に嵌合部材(2)が挟持された第1取付治具(21)の把持部(24)を持って連結ブロック(11)上方の空間に挿入して、保持部(23)の前壁(27)の下方突出部(27b)を連結ブロック(11)の前面に沿わせるようにして、嵌合部材(2)をボルト(5)に押し当てる(
図12(a))。そして、ボルト(5)の頭部と嵌合部材(2)とが嵌まり合うように微調整しながら、第1取付治具(21)を下方に押し込む(
図12(b))。次いで、内軸(25)を下方に押すことで相対的に中空軸(22)を上方に移動させる(
図12(c))。これで、嵌合部材(2)は、押し部(26)に押されて保持部(23)から離れ、ボルト(5)に取り付けられる。次いで、第1取付治具(21)を上方に移動させることで、この取付けが完了する(
図12(d))。
【0074】
右方のボルト(5)に対する嵌合部材(3)の取付けについても、第1取付治具(21)を使用し同様に行われる。
【0075】
嵌合部材(2)(3)のボルト(5)への取付けを第1取付治具(21)を使用して上記のようにすることで、嵌合部材(2)(3)を取り付ける際のスペースとして、ボルト(5)の上方にはスペースがあるが、ボルト(5)の周辺(前後および左右)には十分なスペースが無い場合であっても、嵌合部材(2)(3)を確実にボルト(5)に嵌め合わせることができる。また、嵌合部材(2)(3)が押し部(26)に押されて保持部(23)から離れるようになされていることで、嵌合部材(2)(3)をボルト(5)に嵌め合わせた後、嵌合部材(2)(3)が第1取付治具(21)から外れにくいという問題が防止される。
【0076】
第2取付治具(31)を使用した係合部材(14)の嵌合部材(2)(3)への取付けは、
図13に示すように行われる。
【0077】
係合部材(14)を第2取付治具(31)にねじ合わせて、把持部(32b)を持って連結ブロック(11)上方の空間に挿入して、下方に移動させる(
図13(a))。次いで、係合部材(14)と1対の嵌合部材(2)(3)とが嵌まり合うように微調整しながら、第2取付治具(31)を下方に押し込む(
図13(b))。次いで、軸体(32)をねじ合わせが解除される方向に回転させて、ねじ合わせを外し(
図13(c))、これによって、第2取付治具(31)と係合部材(14)とが分離するので、第2取付治具(31)だけを上方に移動させることで、この取付けが完了する。
【0078】
係合部材(14)の嵌合部材(2)(3)への取付けを第2取付治具(31)を使用して上記のようにすることで、係合部材(14)を取り付ける際のスペースとして、ボルト(5)および嵌合部材(2)(3)の上方にはスペースがあるが、ボルト(5)および嵌合部材(2)(3)の周辺(前後および左右)には十分なスペースが無い場合であっても、係合部材(14)を確実に嵌合部材(2)(3)に嵌め合わせることができる。また、第2取付治具(31)に補強板(33)が設けられているので、補強板(33)を係合部材(14)に当接させることによって、係合部材(14)の反りを矯正することができ、係合部材(14)を1対の係合部材(2)(3)に取り付ける際の嵌め合わせをスムーズに行うことができる。
【0079】
上記の
図13においては、連結ブロック(11)上方の空間に第2取付治具(31)の挿入を阻害する部分が存在していないが、例えば、
図18において符号で示すマスフローコントローラ(49)の前後面に、通信ケーブル接続用のコネクタが設けられていて、
図10および
図11に示した第2取付治具(31)を挿入できない場合がある。
【0080】
図14から
図16までに示す第2実施形態の第2取付治具(36)は、連結ブロック(11)の左右の中央部の上方に干渉する部分が存在する場合に有用なもので、補強板付き軸体(37)および補強板付き軸体(37)に着脱可能に取り付けられる補助軸体(38)からなる。
【0081】
補強板付き軸体(37)は、
図10および
図11に示した第1実施形態の第2取付治具(31)に類似の形状で、係合部材(14)に設けられたねじ孔(20)にねじ合わされるおねじ部(39a)を先端に有する主軸体(39)と、係合部材(14)の上面に当接する補強板(40)とを有している。ここで、補強板付き軸体(37)が第1実施形態の第2取付治具(31)と相違している点として、補強板(40)の端部に主軸体(39)が取り付けられており、補強板(40)には、主軸体(39)を挿通するための貫通孔が設けられた凹所(40a)が中央部でなく一端部に設けられており、他端部にねじ孔(40b)が設けられている。これにより、補強板付き軸体(37)は、全体として略T字状をなす第1実施形態の第2取付治具(31)に対して、全体として略L字状をなすように形成されている。
【0082】
補助軸体(38)は、補強板(40)のねじ孔(40b)にねじ合わされるおねじ部(38a)を先端に有している。
【0083】
上記以外は、補強板付き軸体(37)は、第1実施形態の第2取付治具(31)と同様に形成されており、
図14および
図15に示すように、主軸体(39)の基端部(上端部)には、把持部(39b)が一体に設けられている。また、
図16に示すように、軸体(39)の先端部(下端部)におけるおねじ部(39a)よりも上方の部分には、おねじ部(39a)を補強するフランジ部(39c)が設けられており、主軸体(39)は、おねじ部(39a)を補強板(40)の凹所(40a)底面から突出させて、相対回転可能なようにEリング(34)によって補強板(40)に取り付けられている。
【0084】
おねじ部(39a)の先端は、係合部材(14)の取付け前および完了時点では、補強板(40)の下面よりは突出しない位置に位置させられる。係合部材(14)を補強板付き軸体(37)に保持させる(
図16(b))には、
図16(a)に示すように、係合部材(14)を補強板付き軸体(37)に対向させ、係合部材(14)の上面を補強板(40)の下面に押し当てて、この状態で、主軸体(39)を回転させ、おねじ部(39a)を係合部材(14)のねじ孔(20)にねじ合わせればよい。
【0085】
第2実施形態の第2取付治具(36)を使用した係合部材(14)の嵌合部材(2)(3)への取付けは、
図17に示すように行われる。
【0086】
係合部材(14)を補強板付き軸体(37)にねじ合わせて、把持部(39b)を持って連結ブロック(11)上方の空間に挿入して、下方に移動させる(
図17(a))。この際、補強板(40)が水平のままでは、マスフローコントローラ(49)の通信ケーブル接続用コネクタ(C)と干渉するので、補強板(40)を傾斜させて、コネクタ(C)との干渉を避けてから、補強板(40)を水平にする。次いで、補助軸体(38)を補強板(40)にねじ合わせることで、補強板付き軸体(37)に補助軸体(38)を一体化する(
図17(b))。次いで、係合部材(14)と1対の嵌合部材(2)(3)とが嵌まり合うように微調整しながら、補強板付き軸体(37)および補助軸体(38)からなる第2取付治具(36)を下方に押し込む。この後、先に、補助軸体(38)を補強板付き軸体(37)から外し(
図17(c))、次いで、主軸体(39)を補強板(40)に対して回転させて、主軸体(39)と係合部材(14)とのねじ合わせを外す(
図17(d))。これによって、補強板付き軸体(37)と係合部材(14)とが分離するので、補強板付き軸体(37)だけを上方に移動させることで、この取付けが完了する。
【0087】
係合部材(14)の嵌合部材(2)(3)への取付けを第2実施形態の第2取付治具(36)を使用して上記のようにすることで、連結ブロック(11)の上方に第1実施形態の第2取付治具(31)の挿入を妨げる部分(C)が存在している場合であっても、干渉を避けて、係合部材(14)の取付けを行うことができる。
【0088】
なお、
図18に示したライン(41)と類似の構成とされた複数のラインが主基板(42)上に並列に配置されるとともに、各ライン(41)の遮断開放器(48)同士が通路接続手段(56)により接続されることにより形成された集積化流体制御装置は、複数種類のガスを制御して供給することができ、このような集積化流体制御装置は、被処理基板を収容する処理容器と、前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給部を備えた基板処理装置において、前記処理ガス供給部内に設けられた流体制御装置として、好適に使用される。