特許第5798952号(P5798952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798952
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】赤外線検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/06 20060101AFI20151001BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   G01J1/06 A
   G01J1/02 C
   G01J1/02 H
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-49500(P2012-49500)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-185874(P2013-185874A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】西田 聡佑
(72)【発明者】
【氏名】八坂 訓史
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−136529(JP,U)
【文献】 特開2011−095143(JP,A)
【文献】 再公表特許第2011/021519(JP,A1)
【文献】 実開平03−010224(JP,U)
【文献】 特開平07−260579(JP,A)
【文献】 特開2003−240865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00−1/60、5/00−5/62、11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に実装され、素子が樹脂パッケージで包み込まれ受光面が露出している赤外線センサと、
前記赤外線センサに赤外線を入射する開口部を有する筐体と、
前記筐体の前記開口部近傍の前記基板または前記樹脂パッケージと対向する面から突出する位置決め突起と、
前記基板または前記樹脂パッケージに形成され、前記位置決め突起が係合されている位置規制部と、
を有し、
前記位置決め突起と前記位置規制部との係合により、前記筐体の前記開口部と前記赤外線センサの前記受光面とが位置決めされ
前記樹脂パッケージが前記筐体に接触している赤外線検出装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に実装され、素子が樹脂パッケージで包み込まれて受光面周囲の上方に樹脂製の視野制限部を有する赤外線センサと、
前記赤外線センサに赤外線を入射する開口部を有する筐体と、
前記筐体の前記開口部近傍の前記基板または前記視野制限部と対向する面から突出する位置決め突起と、
前記基板または前記樹脂パッケージまたは前記視野制限部に形成され、前記位置決め突起が係合されている位置規制部と、
を有し、
前記位置決め突起と前記位置規制部との係合により、前記筐体の前記開口部と前記赤外線センサの前記受光面とが位置決めされ
前記視野制限部が前記筐体に接触している赤外線検出装置。
【請求項3】
前記開口部が、前記筐体に接触する赤外線透過性の板材で塞がれている請求項1または2記載の赤外線検出装置。
【請求項4】
基板と、
前記基板上に実装され、素子が樹脂パッケージで包み込まれて受光面周囲の上方に樹脂製の視野制限部を有する赤外線センサと、
前記赤外線センサに赤外線を入射する開口部を有する筐体と、
前記筐体の前記開口部近傍の前記基板または前記視野制限部と対向する面から突出する位置決め突起と、
前記基板または前記樹脂パッケージまたは前記視野制限部に形成され、前記位置決め突起が係合されている位置規制部と、
を有し、
前記位置決め突起と前記位置規制部との係合により、前記筐体の前記開口部と前記赤外線センサの前記受光面とが位置決めされ、
前記開口部が、前記筐体に接触する赤外線透過性の板材で塞がれ、
前記板材が、前記赤外線センサの前記視野制限部に接触している赤外線検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は赤外線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やノートパソコン等の電子機器が有する赤外線検出装置は、プリント基板と、プリント基板上に実装された赤外線センサと、赤外線センサに赤外線を入射する開口部を有する筐体を備えている。プリント基板としては、リジッド基板やフレキシブル基板が使用されている。このような赤外線検出装置は、赤外線センサが実装されたプリント基板を筐体へ実装する工程を経て製造され、その際に、筐体の開口部と赤外線センサの受光部とを位置合わせする必要がある。
【0003】
このような赤外線検出装置の従来品は、筒状の缶パッケージで包み込まれた赤外線センサを有するため、缶パッケージを嵌める硬い支持部材を筐体に設けることにより、赤外線センサの筐体への位置決めを簡単に行うことができる(特許文献1等を参照)。
一方、携帯電話やノートパソコン等の電子機器の小型化に伴い、赤外線センサへの小型化の要求が強くなっている。これに対応して、近年では、素子が樹脂パッケージで包み込まれ、受光面周囲の上方に樹脂製の視野制限部を有する赤外線センサ(樹脂モールドタイプの赤外線センサ)が提案されている(特許文献2等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−25534号公報
【特許文献2】特開2011−95143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の樹脂モールドタイプの赤外線センサは、缶パッケージタイプの赤外線センサのように硬い支持部材を使用することができない。また、樹脂モールドタイプの赤外線センサには、例えば、4.4mm×4.4mm×厚さ1.32mmといった極小サイズのものがあり、この場合は、赤外線センサの受光面と筐体の開口部との位置ずれが±0.5mm程度であっても問題になる。
【0006】
この発明の課題は、樹脂モールドタイプの赤外線センサを備えた赤外線検出装置において、赤外線センサが実装された基板を筐体へ実装する工程で、筐体の開口部と赤外線センサの受光部との位置決めが簡単に精度良く行われるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明の赤外線検出装置は、基板と、前記基板上に実装され、素子が樹脂パッケージで包み込まれ受光面が露出している赤外線センサと、前記赤外線センサに赤外線を入射する開口部を有する筐体と、前記筐体の前記開口部近傍の前記基板または前記樹脂パッケージと対向する面から突出する位置決め突起と、前記基板または前記樹脂パッケージに形成され、前記位置決め突起が係合されている位置規制部と、を有し、前記位置決め突起と前記位置規制部との係合により、前記筐体の前記開口部と前記赤外線センサの前記受光面とが位置決めされている。
【0008】
この発明の赤外線検出装置によれば、赤外線センサが実装された基板を筐体へ実装する際に、筐体の開口部近傍に固定された位置決め突起を、基板または赤外線センサに形成された位置規制部に係合することにより、筐体の開口部と赤外線センサの受光面とが位置決めされる。よって、前記位置決め突起および位置規制部を有さない赤外線検出装置と比較して、実装時の位置ずれが抑制される。また、位置決めを簡単に行うことができる。
【0009】
この発明の赤外線検出装置において、前記赤外線センサが、素子が樹脂パッケージで包み込まれて受光面周囲の上方に樹脂製の視野制限部を有する場合、前記位置決め突起は、前記筐体の前記開口部近傍の前記基板または前記視野制限部と対向する面から突出し、前記位置規制部は、前記基板または前記樹脂パッケージまたは前記視野制限部に形成された構成にすることができる。
【0010】
この発明の赤外線検出装置は、前記樹脂パッケージまたは前記視野制限部が前記筐体に接触していてもよい。
この発明の赤外線検出装置は、前記開口部が、前記筐体に接触する赤外線透過性の板材で塞がれていてもよい。
この発明の赤外線検出装置は、前記板材が、前記赤外線センサの前記視野制限部に接触していてもよい。
【0011】
前記樹脂パッケージまたは前記視野制限部が前記筐体に接触していることにより、前記樹脂パッケージまたは前記視野制限部が前記筐体に接触していない場合と比較して、前記赤外線センサと筐体との温度差を小さくすることができる。温度差が小さくなることで、前記筐体の開口部から発生する赤外線の量と前記赤外センサから発生する赤外線の量との差を低減できる。これに伴い、被測定物から出射された赤外線以外の赤外線が受光面に入射される量が低減されるため、赤外線の検出精度が向上する。
【0012】
前記板材を有する場合は、前記板材が前記赤外線センサの前記視野制限部に接触していることにより、前記赤外線センサと前記筐体と前記板材との温度差を小さくすることができる。
前記筐体と前記赤外センサとの接触部に、熱伝動性の高い材料(金属、金属を含有させた樹脂等)からなる部材を介在させることによっても、前記筐体と前記赤外線センサとの温度差を小さくできる。
【発明の効果】
【0013】
この発明の赤外線検出装置によれば、樹脂モールドタイプの赤外線センサが実装された基板を筐体へ実装する工程で、筐体の開口部と赤外線センサの受光部との位置決めを簡単に精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の第1実施形態の赤外線検出装置を示す平面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3】この発明の第2実施形態の赤外線検出装置を示す平面図である。
図4図3のB−B断面図である。
図5】この発明の第3実施形態の赤外線検出装置を示す平面図である。
図6図5のC−C断面図である。
図7】この発明の第4実施形態の赤外線検出装置を示す平面図である。
図8図7のD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1および2に示すように、第1実施形態の赤外線検出装置は、リジッド基板1と、赤外線センサ2と、筐体3と、板材4とを有する。板材4はポリエチレン製(赤外線透過性)の正方形のシートである。
【0016】
リジッド基板1の基板面にプリント回路が形成されている。リジッド基板1の一方の基板面に形成されたプリント回路の所定位置に、赤外線センサ2が実装されている。
赤外線センサ2は、素子21が樹脂製のパッケージ22で包み込まれたものであり、受光面21aの周囲の上方に、樹脂製の視野制限部23を有する。赤外線センサ2の平面形状は正方形である。視野制限部23は、素子21の受光面21aを露出させる正方形の開口部23aを有する。視野制限部23はパッケージ22の上部に固定されている。
【0017】
筐体3は、硬質プラスチック製の板状部材であり、赤外線センサ2に赤外線を入射する正方形の開口部31を有する。筐体3の開口部31の周囲に、板材4の正方形より僅かに大きな正方形の凹部32が形成されている。凹部32は、筐体3のリジッド基板1と対向する面とは反対側の面に形成されている。筐体3の凹部32に板材4が配置されている。開口部31の正方形は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形より小さい。
【0018】
筐体3のリジッド基板1と対向する面には、凹部32の周囲(開口部31の近傍)に、金属製の位置決めピン(位置決め突起)33が四本固定されている。各位置決めピン33は、凹部32の壁面ラインをなす正方形の四つの角の外側に配置されている。
リジッド基板1は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形の四つの角の外側に、位置決めピン33が入る円形の貫通穴(位置規制部)11を有する。四つの貫通穴11の位置は、各貫通穴11に各位置決めピン33が入った状態で、筐体3の開口部31の中心がリジッド基板1上の赤外線センサ2の受光面21aの中心と、所定の誤差の範囲内で一致するように設定されている。
【0019】
第1実施形態の赤外線検出装置は、筐体3の開口部31の近傍から突出する位置決めピン33を、リジッド基板1の貫通穴11に挿入することで、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心を一致させる位置決めを行った後に、リジッド基板1と筐体3を外縁部等でねじ止めすることにより組み立てられる。組立状態で、赤外線センサ2の視野制限部23の上面と、開口部31の周縁部をなす筐体3の下面が接触している。
【0020】
したがって、第1実施形態の赤外線検出装置によれば、筐体3の開口部31の近傍における位置決めピン33と貫通穴11による位置決めを行わないで、リジッド基板1と筐体3をねじ止めすることにより組み立てられた赤外線検出装置と比較して、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置ずれが抑制される。また、第1実施形態の赤外線検出装置の組立方法によれば、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置決めを簡単に行うことができる。
【0021】
第1実施形態の赤外線検出装置では、例えば、赤外線センサ2のサイズが4.4mm×4.4mm×厚さ1.32mmの場合、筐体3の厚さを1.00mmとし、筐体3の開口部31を3.5mm×3.5mmの正方形とすることができる。その場合、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心との位置ずれを±0.5mm未満にすることが可能になる。
また、筐体3の開口部31が、赤外線を透過するポリエチレン製の板材4で塞がれているため、赤外線センサ2の受光面21aにゴミが付着することが防止される。
【0022】
[第2実施形態]
図3および4に示すように、第2実施形態の赤外線検出装置は、プリント回路が形成されたリジッド基板1と、赤外線センサ2と、筐体3と、板材4とを有する。板材4はポリエチレン製(赤外線透過性)の正方形のシートである。
リジッド基板1の基板面にプリント回路が形成されている。リジッド基板1の一方の基板面に形成されたプリント回路の所定位置に、赤外線センサ2が実装されている。
赤外線センサ2は、素子21が樹脂製のパッケージ22で包み込まれたものであり、受光面21aの周囲の上方に、樹脂製の視野制限部23を有する。赤外線センサ2の平面形状は正方形である。視野制限部23は、素子21の受光面21aを露出させる正方形の開口部23aを有する。視野制限部23はパッケージ22の上部に固定されている。
【0023】
筐体3は、硬質プラスチック製の板状部材であり、赤外線センサ2に赤外線を入射する正方形の開口部31を有する。筐体3の開口部31の周囲に、板材4の正方形より僅かに大きな正方形の凹部32が形成されている。凹部32は、筐体3のリジッド基板1と対向する面に形成されている。筐体3の凹部32に板材4が配置されている。板材4は凹部32に対して、凹部32の側壁面に配置された接着剤により固定されている。開口部31の正方形は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形より小さい。
【0024】
筐体3のリジッド基板1と対向する面には、凹部32の周囲(開口部31の近傍)に、金属製の位置決めピン(位置決め突起)33が四本固定されている。各位置決めピン33は、凹部32の側壁面ラインをなす正方形の四つの角の外側に配置されている。
リジッド基板1は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形の四つの角の外側に、位置決めピン33が入る円形の貫通穴(位置規制部)11を有する。四つの貫通穴11の位置は、各貫通穴11に各位置決めピン33が入った状態で、筐体3の開口部31の中心がリジッド基板1上の赤外線センサ2の受光面21aの中心と、所定の誤差の範囲内で一致するように設定されている。
【0025】
第2実施形態の赤外線検出装置は、筐体3の開口部31の近傍から突出する位置決めピン33を、リジッド基板1の貫通穴11に挿入することで、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心を一致させる位置決めを行った後に、リジッド基板1と筐体3を外縁部等でねじ止めすることにより組み立てられる。組立状態で、赤外線センサ2の視野制限部23の上面に板材4の下面が接触し、板材4の上面に筐体3の凹部32の底面が接触している。
【0026】
したがって、第2実施形態の赤外線検出装置によれば、筐体3の開口部31の近傍における位置決めピン33と貫通穴11による位置決めを行わないで、リジッド基板1と筐体3をねじ止めすることにより組み立てられた赤外線検出装置と比較して、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置ずれが抑制される。また、第2実施形態の赤外線検出装置の組立方法によれば、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置決めを簡単に行うことができる。
【0027】
第2実施形態の赤外線検出装置では、例えば、赤外線センサ2のサイズが4.4mm×4.4mm×厚さ1.32mmの場合、筐体3の厚さを1.00mmとし、筐体3の開口部31を3.5mm×3.5mmの正方形とすることができる。その場合、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心との位置ずれを±0.5mm未満にすることが可能になる。
【0028】
また、筐体3の開口部31が、赤外線を透過するポリエチレン製の板材4で塞がれているため、赤外線センサ2の受光面21aにゴミが付着することが防止される。
さらに、板材4が赤外線センサ2の視野制限部23に接触しているため、第1実施形態の赤外線検出装置と比較して、筐体3と板材4と視野制限部23との温度差が小さくなり、筐体3の開口部31から発生する赤外線の量と板材4から発生する赤外線の量と赤外センサ2から発生する赤外線の量との差を低減できる。これに伴い、被測定物から出射された赤外線以外の赤外線が受光面21aに入射される量が低減されるため、赤外線の検出精度が向上する。
【0029】
なお、貫通穴31により板材4の上に形成された凹部内にゴミが付着することを防止するために、貫通穴31内に赤外線透過性の板材等を嵌め入れて筐体3の上面を平坦にしてもよい。
【0030】
[第3実施形態]
図5および6に示すように、第3実施形態の赤外線検出装置は、フレキシブル基板5と、赤外線センサ2と、筐体3と、板材4と、支持部材6を有する。板材4はポリエチレン製(赤外線透過性)の正方形のシートである。
フレキシブル基板5の基板面にプリント回路が形成されている。フレキシブル基板5の一方の基板面に形成されたプリント回路の所定位置に、赤外線センサ2が実装されている。
赤外線センサ2は、素子21が樹脂製のパッケージ22で包み込まれたものであり、受光面21aの周囲の上方に、樹脂製の視野制限部23を有する。赤外線センサ2の平面形状は正方形である。視野制限部23は、素子21の受光面21aを露出させる正方形の開口部23aを有する。視野制限部23はパッケージ22の上部に固定されている。
【0031】
筐体3は、硬質プラスチック製の板状部材であり、赤外線センサ2に赤外線を入射する正方形の開口部31を有する。筐体3の開口部31の周囲に、板材4の正方形より僅かに大きな正方形の凹部32が形成されている。凹部32は、筐体3のフレキシブル基板5と対向する面とは反対側の面に形成されている。筐体3の凹部32に板材4が配置されている。開口部31の正方形は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形より小さい。
【0032】
筐体3のフレキシブル基板5と対向する面には、凹部32の周囲(開口部31の近傍)に、金属製の位置決めピン(位置決め突起)33が四本固定されている。各位置決めピン33は、凹部32の側壁面ラインをなす正方形の四つの角の外側に配置されている。筐体3のフレキシブル基板5と対向する面には、また、各位置決めピン33の外側に、金属製の結合ピン34が四本固定されている。
【0033】
結合ピン34は、位置決めピン33より長く、軸部34aと、軸部34aの先端部に配置され、軸部34aの外周面から外側に突出する突起34bとを有する。結合ピン34の軸部34aの内部に、突起34bを軸部34aから出し入れするバネ機構が配置されている。突起34bは軸部34aの下端側から斜め上方に延びる斜面を有し、この斜面を押す力によって、バネ機構が作動して軸部34a内に入る。
【0034】
フレキシブル基板5は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形の四つの角の外側に、位置決めピン33が入る円形の貫通穴(位置規制部)51を有する。フレキシブル基板5は、また、右側の二つの貫通穴51の外側に、結合ピン34が入る円形の貫通穴52を有する。四つの貫通穴51の位置は、各貫通穴51に各位置決めピン33が入った状態で、筐体3の開口部31の中心がフレキシブル基板5上の赤外線センサ2の受光面21aの中心と、所定の誤差の範囲内で一致するように設定されている。
【0035】
フレキシブル基板5の貫通穴52は、各貫通穴11に筐体3から突出する各位置決めピン33が入った状態で、結合ピン34の真下となる位置に形成され、結合ピン34の先端部34bが軸部34aから出ている状態で挿入できる大きさと形状を有する。
支持部材6は、硬質プラスチック製または金属製であり、板状部61と四つの円柱体62とを有する。板状部61は、全ての結合ピン34が含まれる大きさの正方形である。四つの円柱体62は、板状部61の一方の面の中央部であって、赤外線センサ2をなす正方形の各角部の内側に配置されている。板状部61は、四本の結合ピン34の位置に合わせて配置された貫通穴61aを有する。貫通穴61aの形状は、結合ピン34の軸部34aに対して僅かな緩みを有する円形である。
【0036】
第3実施形態の赤外線検出装置を組み立てる際には、先ず、支持部材6の四つの円柱体62の上にフレキシブル基板5を載せて、四つの円柱体62の上に赤外線センサ2が配置された状態にする。次に、赤外線センサ2の上方に筐体3が配置された状態にする。
この状態で、筐体3をフレキシブル基板5に近づけて、右側の結合ピン34の先端部34bをフレキシブル基板5の貫通穴52に通す。次に、筐体3をさらにフレキシブル基板5に近づけて、右側の結合ピン34の先端部34bを板状部61の右側の貫通穴61aに入れるとともに、左側の結合ピン34の先端部34bを左側の貫通穴61aに入れる。結合ピン34の先端部34bは、貫通穴61aを通過する際にバネ機構より軸部34aに入り、板状部61の下部に出た時点で軸部34aより外に出る。これにより、支持部材6の板状部61と筐体3が結合ピン34で結合される。
【0037】
この動きに伴って、筐体3の開口部31の近傍から突出する位置決めピン33の先端部がフレキシブル基板5の貫通穴51に入ることにより、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心を一致させる位置決めが行われる。この時、フレキシブル基板5は、支持部材6により赤外線センサ2が実装されている位置で支持されている。
このようにして、筐体3の開口部31の近傍における位置決めピン33と貫通穴51による位置決めが行われるとともに、フレキシブル基板5と筐体3が結合されて、第3実施形態の赤外線検出装置が組み立てられる。
【0038】
組立状態で、位置決めピン33の先端部が板状部61に接触している。また、赤外線センサ2の視野制限部23の上面と、開口部31の周縁部をなす筐体3の下面が接触している。第3実施形態の赤外線検出装置は、フレキシブル基板5からの配線をリジッド基板に接続することにより使用される。
したがって、第3実施形態の赤外線検出装置によれば、筐体3の開口部31の近傍における位置決めピン33と貫通穴51による位置決めを行わないで、フレキシブル基板5と筐体3が結合された赤外線検出装置と比較して、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置ずれが抑制される。また、第3実施形態の赤外線検出装置の組立方法によれば、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置決めを簡単に行うことができる。
【0039】
第3実施形態の赤外線検出装置では、例えば、赤外線センサ2のサイズが4.4mm×4.4mm×厚さ1.32mmの場合、筐体3の厚さを1.00mmとし、筐体3の開口部31を3.5mm×3.5mmの正方形とすることができる。その場合、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心との位置ずれを±0.5mm未満にすることが可能になる。
【0040】
また、位置決め時に、フレキシブル基板5の赤外線センサ2が実装されている位置が、四つの円柱体62により支持されているため、位置決めが安定的に行われる。また、支持部材6を有することで、フレキシブル基板5がしっかりと保持される。
さらに、筐体3の開口部31が、赤外線を透過するポリエチレン製の板材4で塞がれているため、赤外線センサ2の受光面21aにゴミが付着することが防止される。
【0041】
[第4実施形態]
図7および8に示すように、第4実施形態の赤外線検出装置は、フレキシブル基板5と、赤外線センサ2と、筐体3と、板材4と、支持部材6を有する。板材4はポリエチレン製(赤外線透過性)の正方形のシートである。
フレキシブル基板5の基板面にプリント回路が形成されている。フレキシブル基板5の一方の基板面に形成されたプリント回路の所定位置に、赤外線センサ2が実装されている。
赤外線センサ2は、素子21が樹脂製のパッケージ22で包み込まれたものであり、受光面21aの周囲の上方に、樹脂製の視野制限部23を有する。赤外線センサ2の平面形状は正方形である。視野制限部23は、素子21の受光面21aを露出させる正方形の開口部23aを有する。視野制限部23はパッケージ22の上部に固定されている。
【0042】
筐体3は、硬質プラスチック製の板状部材であり、赤外線センサ2に赤外線を入射する正方形の開口部31を有する。筐体3の開口部31の周囲に、板材4の正方形より僅かに大きな正方形の凹部32が形成されている。凹部32は、筐体3のフレキシブル基板5と対向する面に形成されている。筐体3の凹部32に板材4が配置されている。板材4は凹部32に対して、凹部32の側壁面に配置された接着剤により固定されている。開口部31の正方形は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形より小さい。
【0043】
筐体3のフレキシブル基板5と対向する面には、凹部32の周囲(開口部31の近傍)に、金属製の位置決めピン(位置決め突起)33が四本固定されている。各位置決めピン33は、凹部32の側壁面ラインをなす正方形の四つの角の外側に配置されている。筐体3のフレキシブル基板5と対向する面には、また、各位置決めピン33の外側に、金属製の結合ピン34が四本固定されている。
【0044】
結合ピン34は、位置決めピン33より長く、軸部34aと、軸部34aの先端部に配置され、軸部34aの外周面から外側に突出する突起34bとを有する。結合ピン34の軸部34aの内部に、突起34bを軸部34aから出し入れするバネ機構が配置されている。突起34bは軸部34aの下端側から斜め上方に延びる斜面を有し、この斜面を押す力によって、バネ機構が作動して軸部34a内に入る。
【0045】
フレキシブル基板5は、赤外線センサ2の平面形状をなす正方形の四つの角の外側に、位置決めピン33が入る円形の貫通穴(位置規制部)51を有する。フレキシブル基板5は、また、右側の二つの貫通穴51の外側に、結合ピン34が入る円形の貫通穴52を有する。四つの貫通穴51の位置は、各貫通穴51に各位置決めピン33が入った状態で、筐体3の開口部31の中心がフレキシブル基板5上の赤外線センサ2の受光面21aの中心と、所定の誤差の範囲内で一致するように設定されている。
【0046】
フレキシブル基板5の貫通穴52は、各貫通穴11に筐体3から突出する各位置決めピン33が入った状態で、結合ピン34の真下となる位置に形成され、結合ピン34の先端部34bが軸部34aから出ている状態で挿入できる大きさと形状を有する。
支持部材6は、硬質プラスチック製または金属製であり、板状部61と四つの円柱体62とを有する。板状部61は、全ての結合ピン34が含まれる大きさの正方形である。四つの円柱体62は、板状部61の一方の面の中央部であって、赤外線センサ2をなす正方形の各角部の内側に配置されている。板状部61は、四本の結合ピン34の位置に合わせて配置された貫通穴61aを有する。貫通穴61aの形状は、結合ピン34の軸部34aに対して僅かな緩みを有する円形である。
【0047】
第4実施形態の赤外線検出装置を組み立てる際には、先ず、支持部材6の四つの円柱体62の上にフレキシブル基板5を載せて、四つの円柱体62の上に赤外線センサ2が配置された状態にする。次に、赤外線センサ2の上方に筐体3が配置された状態にする。
この状態で、筐体3をフレキシブル基板5に近づけて、右側の結合ピン34の先端部34bをフレキシブル基板5の貫通穴52に通す。次に、筐体3をさらにフレキシブル基板5に近づけて、右側の結合ピン34の先端部34bを板状部61の右側の貫通穴61aに入れるとともに、左側の結合ピン34の先端部34bを左側の貫通穴61aに入れる。結合ピン34の先端部34bは、貫通穴61aを通過する際にバネ機構より軸部34aに入り、板状部61の下部に出た時点で軸部34aより外に出る。これにより、支持部材6の板状部61と筐体3が結合ピン34で結合される。
【0048】
この動きに伴って、筐体3の開口部31の近傍から突出する位置決めピン33の先端部がフレキシブル基板5の貫通穴51に入ることにより、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心を一致させる位置決めが行われる。この時、フレキシブル基板5は、支持部材6により赤外線センサ2が固定されている位置で支持されている。
このようにして、筐体3の開口部31の近傍における位置決めピン33と貫通穴51による位置決めが行われるとともに、フレキシブル基板5と筐体3が結合されて、第3実施形態の赤外線検出装置が組み立てられる。
【0049】
組立状態で、位置決めピン33の先端部が板状部61に接触している。また、赤外線センサ2の視野制限部23の上面に板材4の下面が接触し、板材4の上面に筐体3の凹部32の底面が接触している。第4実施形態の赤外線検出装置は、フレキシブル基板5からの配線をリジッド基板に接続することにより使用される。
したがって、第4実施形態の赤外線検出装置によれば、筐体3の開口部31の近傍における位置決めピン33と貫通穴51による位置決めを行わないで、フレキシブル基板5と筐体3が結合された赤外線検出装置と比較して、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置ずれが抑制される。また、第4実施形態の赤外線検出装置の組立方法によれば、筐体3の開口部31と赤外線センサ2の受光部21との位置決めを簡単に行うことができる。
【0050】
第4実施形態の赤外線検出装置では、例えば、赤外線センサ2のサイズが4.4mm×4.4mm×厚さ1.32mmの場合、筐体3の厚さを1.00mmとし、筐体3の開口部31を3.5mm×3.5mmの正方形とすることができる。その場合、筐体3の開口部31の中心と赤外線センサ2の受光面2aの中心との位置ずれを±0.5mm未満にすることが可能になる。
【0051】
また、位置決め時に、フレキシブル基板5の赤外線センサ2が実装されている位置が、四つの円柱体62により支持されているため、位置決めが安定的に行われる。また、支持部材6を有することで、フレキシブル基板5がしっかりと保持される。
さらに、筐体3の開口部31が、赤外線を透過するポリエチレン製の板材4で塞がれているため、赤外線センサ2の受光面21aにゴミが付着することが防止される。
【0052】
さらに、板材4が赤外線センサ2の視野制限部23に接触しているため、第3実施形態の赤外線検出装置と比較して、筐体3と板材4と視野制限部23との温度差が小さくなり、筐体3の開口部31から発生する赤外線の量と板材4から発生する赤外線の量と赤外センサ2から発生する赤外線の量との差を低減できる。これに伴い、被測定物から出射された赤外線以外の赤外線が受光面21aに入射される量が低減されるため、赤外線の検出精度が向上する。
【0053】
なお、貫通穴31により板材4の上に形成された凹部内にゴミが付着することを防止するために、貫通穴31内に赤外線透過性の板材等を嵌め入れて筐体3の上面を平坦にしてもよい。
以上のように、第1〜第4実施形態では、位置決め突起として、筐体3の開口部31近傍の基板1と対向する面から突出する位置決めピン33を設け、これを係合する位置規制部として、基板1に貫通穴11を設けているが、例えば、位置決めピン33を短くして、基板1の上に設けた筒状部(位置規制部)内に入るようにしてもよい。
【0054】
また、位置決め突起を、視野制限部23と対向する面から突出させて、これが嵌まる凹部を視野制限部23の上面に設けたり、視野制限部23が位置決め突起で規制された空間に入るように構成したり、視野制限部23に位置決め突起を案内するガイドを設けたりしてもよい。ここで、赤外線センサ2が視野制限部23を備えていない場合は、パッケージ22で同様のことができることは言うまでもない。
【0055】
さらに、第1〜第4実施形態において、位置決めピン33は、樹脂製であってもよいし、筐体3の成形時に筐体3と同じ材料で一体に形成されていてもよい。筐体3の開口部31、視野制限部23の開口部23a、および板材4は、円形等であってもよい。
また、第3〜第4実施形態において、赤外線検出装置の組立は、筐体3の位置決めピン33および結合ピン34をフレキシブル基板5の貫通穴51,52に入れる位置決め工程を行った後に、フレキシブル基板5に円柱体62側を向けて支持部材6を上昇させ、支持部材6の貫通穴61aに結合ピン34を通すことで行ってもよい。
【0056】
また、第3〜第4実施形態において、結合ピン34はバネ機構を有さず、プラスチックの弾性変形力を利用するものであってもよい。支持部材6の赤外線センサを支持する部材は、四つの円柱体以外の構成以外に、二つまたは四つの直方体や一つの円筒体等が挙げられる。
【符号の説明】
【0057】
1 リジッド基板
11 リジッド基板の貫通穴(位置規制部)
2 赤外線センサ
21 素子
21a 受光面
22 パッケージ
23 視野制限部
23a 視野制限部の開口部
3 筐体
31 筐体の開口部
32 筐体の開口部周囲の凹部
33 位置決めピン(位置決め突起)
34 結合ピン
34a 結合ピンの軸部
34b 結合ピンの突起
4 板材(赤外線透過性の板材)
5 フレキシブル基板
51 フレキシブル基板の位置決めピンを入れる貫通穴(位置規制部)
52 フレキシブル基板の結合ピンを入れる貫通穴
6 支持部材
61 板状部
61a 板状部の貫通穴
62 円柱体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8