(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の色要素から成る連続階調を有する印刷画像に対して、前記複数の色要素のうち、明度の高い所定の色要素を抽出し、前記抽出された所定の色要素から成る画像を周波数解析した場合に、埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出される真偽判別可能な印刷物であって、
前記複数の色要素は、それぞれに色相が異なり、
前記所定の色要素から成る画像が前記埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心形万線が配置された少なくとも一つの領域によって形成され、前記所定の色要素から成る画像の画線面積率が、同心形万線の画線領域としてそれぞれ画線の中心線において、それぞれの内側と外側に所定の画線面積率となるような距離を設けられ、それぞれの画線の中心線から中心線の間隔が常に同じ距離が保たれ、残りの色素から成る画像が前記同心形万線と異なる形状を成す画線群が配置された少なくとも一つの領域によって形成され、
前記同心形万線及び前記同心形万線と異なる形状を成す画線群の画線面積率は、前記連続階調に従って異ならせて形成されていることを特徴とする真偽判別可能な印刷物。
前記同心形万線の画線の間隔は、埋め込むべき情報ごとに、あらかじめ設定された複数組の間隔の中から選択されていることを特徴とする請求項1記載の真偽判別可能な印刷物。
前記明度の高い所定の色要素をイエロー成分とし、前記残りの色要素をシアン成分及びマゼンタ成分としていることを特徴とする請求項1又は2記載の真偽判別可能な印刷物。
前記同心形万線と異なる形状を成す画線群は、直画線及びドットパターンの少なくとも一つによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。
カラー画像入力手段、色分解手段、情報入力手段、情報埋め込み手段、画像合成手段及び出力手段を備えた真偽判別可能な印刷物の作製装置を用いて、請求項1乃至9のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物の作製方法であって、
前記カラー画像入力手段によって、前記真偽判別可能な印刷物の印刷画像のモチーフとなるカラー画像が入力するステップと、
前記色分解手段によって、前記入力された前記カラー画像を印刷可能な所定の色チャンネルに色分解し、前記所定の色チャンネルを明度の高い色要素と、残りの色素に区分けするステップと、
前記情報入力手段によって、埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心形万線の情報を入力するステップと、
前記情報埋め込み手段によって、前記抽出された情報を前記明度の高い所定の色要素に同心形万線データを生成し、前記残りの色素に、前記同心形万線と異なる少なくとも一つの画線群データを生成するステップと、
前記画像合成手段によって、前記明度の高い所定の色要素に設定された同心形万線データと、前記残りの色素に設定された少なくとも一つの画線群データとを含むドキュメント・ファイルを生成するステップと、
前記出力手段によって、前記ドキュメント・ファイルが、所定の色インキで基材に刷り重なって出力するステップを有することを特徴とする真偽判別可能な印刷物の作製方法。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下詳細に説明する。
図1はフルカラー印刷物における減法混色からなる色分解画像が示されたものである。一般商業印刷及びカラープリンタのフルカラー表現は、減法混色に基づく色画像によって形成している。原画像1は21.7mm×21.7mmの解像度400dpiから成る24ビットのRGBカラー画像である。原画像1をプロセス色分解と呼ばれる公知の色分解手法により、減法混色に基づくシアン画像C、マゼンタ画像M、イエロー画像Yのそれぞれが形成される。通常のプロセス色分解ではこの他にブラック(黒)画像も形成されるが、本発明を実施するための形態ではブラック(黒)画像については省略する。
【0035】
図1で示された連続階調を有するシアン画像C、マゼンタ画像M、イエロー画像Yは、印刷に適する構成とすべく、ドットパターン(または網点)とも呼ばれる微細構成子の集合体における画線面積率を連続的に違えることによって、それぞれの色画像の濃淡が表現される。画像のドットパターン化は一般的にスクリーニングと呼ばれ、今日ではドットジェネレータと呼ばれる画像処理が組み込まれた製版装置を介することでドットパターンによる画像のドットパターン化が行われるのが一般的である。
図2はシアン画像Cとマゼンタ画像Mの画線構成が示されたものである。
図2(a)はシアン画像の画線構成が示された部分拡大図(円内)あり、
図2(b)はマゼンタ画像の画線構成が示された部分拡大図(円内)である。シアン画像のドットパターンとマゼンタ画像ともにスクリーン線数は210線/インチであり、刷り重ねの際のモアレを防止するためにドットパターン配列の角度を変えてあり、当業者においてはその角度をスクリーン角度と呼んでいる。ここでは、
図2(a)のシアン画像Cは108度とし、
図2(b)のマゼンタ画像Mは162度とした。また、
図3はイエロー画像Yの画線構成が示されたものである。
図3(a)はイエロー画像Yの画線構成が示された部分拡大図(円内)である。
図2と同様のドットパターンによって構成したものであり、スクリーン線数は210線/インチでスクリーン角度は90度である。通常のプロセス印刷では、
図2及び
図3(a)に示された画線構成から成る画像を、それぞれの色インキで基材に印刷することによってフルカラー画像が形成される。
【0036】
一方、
図3(b)はイエロー画像Y1の画線構成が示された部分拡大図(円内)である。イエロー画像Y1は、
図3(a)のイエロー画像Yの連続階調と等しく、画線構成はイエロー画像Yのドットパターンとは異なり、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置された領域Aによって構成されている。なお、
図3(b)は、同心円万線で形成して説明しているが、本発明はこれに限定されることなく、同心角万線等の同心形万線であればよい。下記に示す実施の形態1乃至5においても同心形万線であればよい。ただし、同心円万線が好ましい。イエロー画像Y1の画線面積率は、同心円万線の画線幅を連続的に違えることによって表現されている。同心円万線の画線幅を連続的に違える方法については実施の形態1にて説明する。
【0037】
図4はシアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像がそれぞれの色インキで基材に刷り重なり、印刷物上で再構築された状態が示された図である。
図4(a)は
図2(a)に示されたシアン画像と
図2(b)に示されたマゼンタ画像と
図3(a)に示されたイエロー画像Yとがそれぞれの色インキで基材に刷り重なって得られた印刷画像2が示されたものである。一方、
図4(a)は
図2(a)に示されたシアン画像と
図2(b)に示されたマゼンタ画像と
図3(b)に示されたイエロー画像Y1とがそれぞれの色インキで基材に刷り重なって得られた印刷画像3が示されたものである。
【0038】
図5は印刷画像2のRGB画像とその周波数解析におけるFFTパターンが示されたものである。
図4(a)に示された印刷画像2は、光学式スキャナにて解像度1200dpiで画像入力され、
図5(a)に示された1024×1024ピクセルから成る24ビットのRGB画像が生成される。
図5(b)は、
図5(a)に示されたRGB画像のうちのBチャンネルをフーリエ変換して得られたFFTパターンである。なお、空間周波数の特徴をわかりやすく説明するため、
図5(b)のFFTパターンの第IV象限には、周波数強度グラフを重ねて表示している。
図5(a)の印刷画像2に構成された画線では、空間周波数に大きな特徴はみられない。
【0039】
図6は印刷画像3のRGB画像とその周波数解析におけるFFTパターンが示されたものである。
図4(b)に示された印刷画像3は、光学式スキャナにて解像度1200dpiで画像入力され、
図6(a)に示された1024×1024ピクセルから成る24ビットのRGB画像が生成される。
図3(b)に示した印刷物上にあるイエロー画像の領域Aは、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置され、領域Aを構成する同心円万線は細画線かつ、明度の高いイエローで印刷されてあるため目視では同心円万線で構成されていることは視認できない。さらに、明度の低いシアン画像Cとマゼンタ画像Mとが同時に刷り重なっているため、それらがカモフラージュ模様となり、領域Aを構成する同心円万線が視認されることはない。シアン画像Cとマゼンタ画像Mは、イエロー画像を形成した同心円万線の周波数成分とは異なる周波数成分から成る同心円万線と異なる形状を成す画線群よって形成される。
図6(b)は、
図6(a)に示されたRGB画像のうちのBチャンネルをフーリエ変換して得られたFFTパターンである。
図5と同様に、空間周波数の特徴をわかりやすく説明するため、
図6(b)のFFTパターンの第IV象限には、周波数強度グラフを重ねて表示している。
図6(b)の周波数強度グラフに示されたように、強度ピークの逆空間距離q
d1が見られる。これは、
図3(b)に示した間隔d
1が逆空間上に現れたものである。FFTパターン上の強度ピークの逆空間距離については、画像入力に関わる各種パラメータ、すなわち、
図3(b)に示した印刷物上にある領域Aに備わる80μmの間隔d
1を実空間距離としたとき、画像の一辺のピクセル数と、画像の解像度がわかっていれば、数1によっても容易に算出できる。
【0041】
図6(a)のRGB画像には
図3(b)に示された領域Aが含まれるため、領域Aに備わる同心円万線の画線の間隔d
1がもたらす強度ピークの逆空間距離q
d1は、
図6(b)に示されているようにFFTパターンの中心から271ピクセルの位置に現れる。
【0042】
図7(a)はイエロー画像Y2の画線構成が示された部分拡大図(円内)である。イエロー画像Y2は、
図3(a)のイエロー画像Yの連続階調と等しく、画線構成はイエロー画像Yのドットパターンとは異なり、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置された領域Aと、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置された領域Bとによって構成されている。一方、
図7(b)はイエロー画像Y3の画線構成が示された部分拡大図(円内)である。イエロー画像Y3は、
図3(a)のイエロー画像Yの連続階調と等しく、画線構成はイエロー画像Yのドットパターンとは異なり、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置された領域Aと、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置された領域Bと、130μmの間隔d
3から成る同心円万線で配置された領域Cとによって構成されている。イエロー画像Y2、イエロー画像Y3それぞれの画線面積率は、同心円万線の画線幅を連続的に違えることによって表現されている。同心円万線の画線幅を連続的に違える方法については実施の形態1にて説明する。また、それぞれの領域の配置に何ら制約はなく、同心円万線の中心の位置が異なっていても構わない。
【0043】
図8はシアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像がそれぞれの色インキで基材に刷り重なり、印刷物上で再構築された状態が示された図である。
図8(a)は
図2(a)に示されたシアン画像と
図2(b)に示されたマゼンタ画像と
図7(a)に示されたイエロー画像Y2とがそれぞれの色インキで基材に刷り重なって得られた印刷画像4が示されたものである。一方、
図8(b)は
図2(a)に示されたシアン画像と
図2(b)に示されたマゼンタ画像と
図7(b)に示されたイエロー画像Y3とがそれぞれの色インキで基材に刷り重なって得られた印刷画像5が示されたものである。
【0044】
図9は印刷画像4とその周波数解析におけるFFTパターンが示されたものである。
図8(a)に示された印刷画像4は、光学式スキャナにて解像度1200dpiで画像入力され、
図9(a)に示された1024×1024ピクセルから成る24ビットのRGB画像が生成される。
図7(a)に示した印刷物上にあるイエロー画像の領域Aは、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置され、領域Bは、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置され、領域A及び領域Bを構成する同心円万線は細画線かつ、明度の高いイエローで印刷されてあるため目視では同心円万線で構成されていることは視認できない。さらに、明度の低いシアン画像Cとマゼンタ画像Mとが同時に刷り重なっているため、それらがカモフラージュ模様となり、領域A及び領域Bを構成する同心円万線が視認されることはない。シアン画像Cとマゼンタ画像Mは、イエロー画像を形成した同心円万線の周波数成分とは異なる周波数成分から成る直画線、曲画線及び/又はドットパターン(網点)によって形成される。
図9(b)は、
図9(a)に示されたRGB画像のうちのBチャンネルをフーリエ変換して得られたFFTパターンである。
図5と同様に、空間周波数の特徴をわかりやすく説明するため、
図9(b)のFFTパターンの第IV象限には、周波数強度グラフを重ねて表示している。
図9(b)の周波数強度グラフに示されたように、強度ピークの逆空間距離q
d1と逆空間距離q
d2が見られる。
【0045】
数1の算出でも示されるように、
図9(a)のRGB画像には
図7(a)に示された領域Aが含まれているため、領域Aに備わる同心円万線の画線の間隔d
1がもたらす強度ピークの逆空間距離q
d1は、
図9(b)に示されているようにFFTパターンの中心から271ピクセルの位置に現れる。さらに、
図9(a)のRGB画像には
図7(a)に示された領域Bも含まれているため、領域Bに備わる同心円万線の画線の間隔d
2がもたらす強度ピークの逆空間距離q
d2は、
図9(b)に示されているようにFFTパターンの中心から217ピクセルの位置に現れる。
【0046】
一方、
図8(b)に示された印刷画像5は、光学式スキャナにて解像度1200dpiで画像入力され、
図10(a)に示された1024×1024ピクセルから成る24ビットのRGB画像が生成される。
図7(b)に示した印刷物上にあるイエロー画像の領域Aは、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置され、領域Bは、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置され、領域Cは、130μmの間隔d
3から成る同心円万線で配置され、領域A、領域B及び領域Cを構成する同心円万線は細画線かつ、明度の高いイエローで印刷されてあるため目視では同心円万線で構成されていることは視認できない。さらに、明度の低いシアン画像Cとマゼンタ画像Mとが同時に刷り重なっているため、それらがカモフラージュ模様となり、領域A、領域B及び領域Cを構成する同心円万線が視認されることはない。シアン画像Cとマゼンタ画像Mは、イエロー画像を形成した同心円万線の周波数成分とは異なる周波数成分から成る直画線、曲画線及び/又はドットパターン(網点)よって形成される。
図10(b)は、
図10(a)に示されたRGB画像のうちのBチャンネルをフーリエ変換して得られたFFTパターンである。
図5と同様に、空間周波数の特徴をわかりやすく説明するため、
図10(b)のFFTパターンの第IV象限には、周波数強度グラフを重ねて表示している。
図10(b)の周波数強度グラフに示されたように、強度ピークの逆空間距離q
d1と逆空間距離q
d2と逆空間距離q
d3が見られる。
【0047】
数1の算出でも示されるように、
図10(a)のRGB画像には
図7(b)に示された領域Aが含まれているため、領域Aに備わる同心円万線の画線の間隔d
1がもたらす強度ピークの逆空間距離q
d1は、
図10(b)に示されているようにFFTパターンの中心から271ピクセルの位置に現れる。さらに、
図10(a)のRGB画像には
図7(b)に示された領域Bも含まれているため、領域Bに備わる同心円万線の画線の間隔d
2がもたらす強度ピークの逆空間距離q
d2は、
図10(b)に示されているようにFFTパターンの中心から217ピクセルの位置に現れる。またさらに、
図10(a)のRGB画像には
図7(b)に示された領域Cも含まれているため、領域Cに備わる同心円万線の画線の間隔d
3がもたらす強度ピークの逆空間距離q
d3は、
図10(b)に示されているようにFFTパターンの中心から167ピクセルの位置に現れる。
【0048】
このように、任意の領域に同心円万線を含むことによって、該同心円万線の空間周波数の特徴が、FFTパターンにおける強度ピークとして示される。なお、同心円万線の画線の間隔によって、強度ピークの位置が異なる。このFFTパターンにおける強度ピークの位置の違いによって、模様の違いを情報として識別することができる。
【0049】
このように、明度の高い色要素を有する領域に同心円万線を含むことによって、明度の低い色要素を有する他の領域によってカモフラージュされ、特定の色フィルタによって強調された該同心円万線の空間周波数の特徴が、FFTパターンにおける強度ピークとして示される。なお、同心円万線の画線の間隔によって、強度ピークの位置が異なる。このFFTパターンにおける強度ピークの位置の違いによって、模様の違いを識別することができる。なお、明度の高い色要素を有する領域と明度の低い色要素を有する他の領域とが、色相が違うという条件を満たしていれば、それぞれの色を何ら限定するものではない。
【0050】
上記説明では、最も明度の高い所定の色要素であるイエロー画像に同心円万線を形成し、残りの色素であるシアン画像及びマゼンタ画像にドットパターンを形成して説明しているが、本発明は上記構成に限定されることなく、複数の色要素のうち、最も明度の高い所定の色要素を抽出し、所定の色要素から成る画像が埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心円万線が配置され、残りの色素から成る画像が同心円万線と異なる形状を成す画線群が配置された少なくとも一つの領域によって形成すればよい。残りの色素から成る画像が同心円万線と異なる形状を成す画線群は、直画線及びドットパターンの少なくとも一つによって形成されていることが好ましい。また、同心円万線の画線の間隔が、50μm〜350μmであることが好ましい。下記に説明する実施の形態1乃至実施の形態3の真偽判別可能な印刷物についても同様である。
【0051】
本発明の真偽判別可能な印刷物は、同心円万線の画線の間隔は、埋め込むべき情報ごとに、あらかじめ設定された複数組の間隔の中から選択されている。例えば、
図20のデータテーブルに示されたように、
図6(b)に示されたFFTパターンを得るためのデータとしてはCode 1が適用され、
図9(b)に示されたFFTパターンを得るためのデータとしてはCode 2が適用され、
図10(b)に示されたFFTパターンを得るためのデータとしてはCode 3が適用される。このデータテーブルに埋め込むべき情報が多く登録されているほど真偽判別用の情報を活用できるものである。
【0052】
本発明は、面表現の領域において同心円万線、すなわち規則性を有する複数本の細画線を有することにより、スキャナ、複写機等のデジタル機器による高解像度入力画像では識別可能であるが、人間にとって視覚で認識困難な微細かつ規則性を有する部分を付与し、得られた印刷物に対してデジタル機器上で証券用線画の間隔の相関を分析し、印刷物に埋め込まれた情報を識別することで真偽判別が可能であり、また、その情報に基づき偽造等に利用する複写機等デジタル機器の動作停止等のアクションを可能とするものである。
【0053】
(1)実施の形態1
本実施の形態1は、同心円万線と連続階調の関係について述べるものである。本実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
【0054】
上記説明では、本発明は明度の高い色要素を有する領域に同心円万線を含むことによって任意の情報を付与するものである。同時に、明度の高い色要素を有する領域は印刷画線を構成する色要素の一部であり、かつ連続階調を伴う画線構成となっている。例えば、
図3(b)に示されたイエロー画像Y1、
図7(a)に示されたイエロー画像Y2または
図7(b)に示されたイエロー画像Y3のそれぞれの画線面積率は、同心円万線の画線幅を連続的に違えることによって表現されている。これらに共通する特徴は、
図11の画線構成の模式図に示されるように、領域Aにおける同心円万線の中心線L1〜L3の間隔d
1は常に同じ距離を保ちつつ、中心線L1〜L3のそれぞれの内側と外側に画線領域が所定の画線面積率となるような距離を設けている。なお、画線面積率が100%の状態とは、同心円万線の画線幅が、同心円万線の間隔d
1と同じであることをいう。すなわち、同心円万線におけるそれぞれ個々の画線の中心線から内側と外側に間隔d
1に50%(内側と外側とを合わせて100%)まで広げた画線面積のことをいうものである。
【0055】
例えば、画線面積が25%の場合、中心線L1〜L3のそれぞれに同じ間隔d
1を保ち、内側と外側に間隔d
1の12.5%(内側と外側とを合わせて25%)まで広げた画線面積としている。また、画線面積が50%の場合、中心線L1〜L3のそれぞれに同じ間隔d
1を保ち、内側と外側に間隔d
1の25%(内側と外側とを合わせて50%)まで広げた画線面積としている。さらに、画線面積が75%の場合、中心線L1〜L3のそれぞれに同じ間隔d
1を保ち、内側と外側に間隔d
1の37.5%(内側と外側とを合わせて75%)まで広げた画線面積としている。これにより、どのような画線面積率でも間隔d
1が一定に保たれ、フーリエ変換して得られたFFTパターンから空間周波数の特徴を明瞭に捉えることができる。また、空間周波数の特徴を明瞭にできるのは、画線面積率は5%〜95%である。つまり、印刷画線ができる限り円の連続性のある円の状態を保っていることが望ましい。
【0056】
(2)実施の形態2
本実施の形態2は、同心円万線が含まれる領域の形状及び同心円万線の位置について述べるものである。本実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。
【0057】
図12は三種類の領域によって構成されている。基本的には
図7(b)に示されたイエロー画像Y3と同様の構成となっている。
図7(b)のイエロー画像Y3は、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置された領域Aと、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置された領域Bと、130μmの間隔d
3から成る同心円万線で配置された領域Cとによって構成されている。
図12の模式図に示されたように、領域A、領域B、領域Cそれぞれの同心円万線の中心点Pが等しく、かつ図面左側に領域A、領域Bがそれぞれ配置され、図面右側に領域Cが配置されている。この場合においても、領域A、領域B、領域Cの空間周波数の特徴を明瞭に識別することができる。
【0058】
また、
図13は、
図12の模式図と同様に、三種類の領域から成り、
図7(b)のイエロー画像Y3と同じく、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置された領域Aと、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置された領域Bと、130μmの間隔d
3から成る同心円万線で配置された領域Cとによって構成されている。
図13の模式図に示されたように、領域A、領域B、領域Cそれぞれの同心円万線の中心点Pが等しく、かつ領域A、領域B、領域Cのそれぞれが、同心円万線の中心点Pから均等に3等分されて配置されている。この場合においても、領域A、領域B、領域Cの空間周波数の特徴を明瞭に識別することができる。
【0059】
つまり、
図12及び
図13の同心円画線を用いた真偽判別可能な印刷物は、同心円万線が配置される領域が、複数分割され、複数に分割された各領域は、同一の中心点を共有する同心円万線が形成され、複数分割された各領域の同心円万線の画線の間隔は、領域ごとに異なることを特徴としている。
【0060】
さらに、
図14は、
図12及び
図13の模式図と同様に、三種類の領域から成り、
図7(b)のイエロー画像Y3と同じく、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置された領域Aと、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置された領域Bと、130μmの間隔d
3から成る同心円万線で配置された領域Cとによって構成されている。
図14の模式図に示されたように、領域A、領域B、領域Cそれぞれの同心円万線の中心点Pが異なり、かつ領域A、領域B、領域Cのそれぞれが、同じ領域面積を持って配置されている。この場合においても、領域A、領域B、領域Cの空間周波数の特徴を明瞭に識別することができる。
【0061】
つまり、
図14の同心円画線を用いた真偽判別可能な印刷物は、同心円万線が配置される領域が、複数分割され、複数に分割された各領域は、領域ごとに異なる中心点を有して同心円万線が形成され、複数分割された各領域の同心円万線の画線の間隔は、領域ごとに異なることを特徴としている。
【0062】
なお、
図12、
図13及び
図14の模式図に示されたそれぞれの領域は、実施の形態1に示されたように、同心円万線の間隔d
1の範囲でそれぞれ個々の画線の中心線から画線幅を連続的に違えることによって連続階調が表現されるものである。
【0063】
(3)実施の形態3
本実施の形態3は、複数の領域がリング状に配置し、かつ、それぞれの領域の境界において、それぞれの領域に備わる同心円万線が自然な連続性が保たれている位置関係について述べるものである。本実施の形態3について、図面を用いて詳細に説明する。
【0064】
本発明における領域に備わる同心円万線は、イエローのような明度の高い色インキで印刷されるので、肉眼視において全体的な連続階調は視認できても画線形状を識別できるものではない。しかし、画線の位置関係により更に識別できないようにすることもできる。
図15は、中心点Pから同じ距離を持って形成された同心円万線に見えるが、実際には
図12、
図13及び
図14の模式図と同様に、三種類の領域によって構成されている。
図7(b)のイエロー画像Y3と同じく、80μmの間隔d
1から成る同心円万線で配置された領域Aと、100μmの間隔d
2から成る同心円万線で配置された領域Bと、130μmの間隔d
3から成る同心円万線で配置された領域Cとによって構成されている。
【0065】
図15(a)の模式図は、領域A、領域B、領域Cそれぞれの同心円万線の中心点Pが等しく、かつ中心点Pから領域A、領域B、領域Cの順にリング状に配置されたものである。まず、領域Aは中心点Pから間隔d
1で形成された同心円万線である。領域Aの外側に、領域Aの同心円万線の間隔d
1と領域Bの同心円万線の間隔d
2との平均値からなる補間間隔X
1が設けられ領域Bがリング状に配置される。領域Bは間隔d
2で形成された同心円万線である。領域Bの外側に、領域Bの同心円万線の間隔d
2と領域Cの同心円万線の間隔d
3との平均値からなる補間間隔X
2が設けられ領域Cがリング状に配置される。領域Cは間隔d
3で形成された同心円万線である。
【0066】
一方、
図15(b)の模式図は、領域C、領域B、領域Aそれぞれの同心円万線の中心点Pが等しく、かつ中心点Pから領域C、領域B、領域Aの順にリング状に配置されたものである。まず、領域Cは中心点Pから間隔d
3で形成された同心円万線である。領域Cの外側に、領域Cの同心円万線の間隔d
3と領域Bの同心円万線の間隔d
2との平均値からなる補間間隔X
2が設けられ領域Bがリング状に配置される。領域Bは間隔d
2で形成された同心円万線である。領域Bの外側に、領域Aの同心円万線の間隔d
1と領域Aの同心円万線の間隔d
1との平均値からなる補間間隔X
1が設けられ領域Aがリング状に配置される。領域Aは間隔d
1で形成された同心円万線である。
【0067】
これにより、
図15(a)及び
図15(b)の画線構成は、領域A、領域B及び領域Cが順にリング状に配置していながらも、それぞれの領域の境界において同心円万線が自然な連続性が保たれている。また、
図15(a)及び
図15(b)の画線構成はそれぞれ等しく、領域A、領域B、領域Cの空間周波数の特徴を明瞭に識別することができる。
【0068】
なお、
図15(a)及び
図15(b)の模式図に示されたそれぞれの領域は、実施の形態1に示されたように、同心円万線の間隔d
1の範囲でそれぞれ個々の画線の中心線から画線幅を連続的に違えることによって連続階調が表現されるものである。
【0069】
つまり、
図15の同心円画線を用いた真偽判別可能な印刷物は、同心円万線が配置される領域が、リング状に複数分割され、複数に分割された各領域は、同一の中心点を共有する同心円万線が形成され、複数に分割された各領域の境界において、隣り合う一方の領域に備わる同心円万線の間隔と、他方の領域に備わる同心円万線の間隔との平均値からなる補間領域が設けられ、境界において同心円万線の連続性が保たれていることを特徴とする。
【0070】
(4)実施の形態4
上記説明では実施の形態1乃至実施の形態3で示されたように、本発明は連続階調画像に対してあらかじめ定められた埋め込むべき情報を付与するもので、本実施の形態4では、作製装置と作製方法について説明する。
【0071】
本実施の形態4における作製装置は、
図16のブロック図に示されるように、カラー画像入力手段M1、情報入力手段M2、出力手段M3、表示手段M4、編集手段M5、書式データベースM6及び通信インターフェースM7を備えている。編集手段M5は、色分解手段M5a、情報埋め込み手段M5b及び画像合成手段M5cを有する。
【0072】
カラー画像入力手段M1は、真偽判別可能な印刷物の印刷画像のモチーフとなるカラー画像が入力される。カラー画像入力手段M1は、カメラ、デジタルカメラ、スキャナ等であり、特に限定されるものではない。また、後述する書式データベースと同じパソコン内に登録されている個人情報が入力された個人情報データベース、通信インターフェースによってあらかじめ個人情報が入力された外部データベースサーバ等から可視情報を得ることができる。
【0073】
情報入力手段M2は、埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心円万線の情報を入力する。例えば、キーボード等からの入力、また、後述する書式データベースM6と同じパソコン内に登録されている情報が入力されたデータベース(図示せず)、通信インターフェースよってあらかじめ定められた埋め込むべき情報が入力された外部データベースサーバ(図示せず)から情報を得ることができる。なお、同じパソコン内に登録されている情報が入力されたデータベースは、記憶手段(図示せず)に設けられ、埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心円万線の情報が保存されている。
【0074】
出力手段M3は、色チャンネルとして複数保持できるドキュメント・ファイルに書き出し、又はドキュメント・ファイルが、所定の色インキで基材に刷り重なって出力される。ドキュメント・ファイルの形式は特に限定されるものではない。
【0075】
表示手段M4は、パソコンのモニタ、専用のモニタ等、特に限定されるものではない。
【0076】
色分解手段M5aは、カラー画像入力手段M1で得られたカラー画像を印刷可能な所定の色チャンネルに色分解し、所定の色チャンネルを最も明度の高い色要素と、残りの色素に区分けする。
【0077】
情報埋め込み手段M5bは、カラー画像が色分解された最も明度の高い所定の色要素に埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心円万線の情報が情報入力手段M2によって入力され、同心円万線データを生成し、残りの色素に、同心円万線と異なる少なくとも一つの画線群データを生成する。
【0078】
画像合成手段M5cは、最も明度の高い所定の色要素に設定された同心円万線データと、残りの色素に設定された少なくとも一つの画線群データを合成してドキュメント・ファイルを生成する。例えば、最も明度の高い色要素がイエロー成分とした同心円万線データと、残りの色素がマゼンタ成分の画線群データ及びシアン成分の画線群データを合成してドキュメント・ファイルを生成する。
【0079】
書式データベースM6は、カラー画像入力手段M1及び情報入力手段M2以外に必要なデータが格納されている。具体的には、例えばカード台紙模様を編集手段M5に送り、画像合成手段M5cにて印刷画像3、印刷画像4又は印刷画像5と合成される。
【0080】
通信インターフェースM7は、RS−232C、IEEE1394等であり、特に限定されるものではない。
【0081】
本実施の形態による作製方法は、
図16に示された作製装置を用いて、
図17のフローチャートに示された処理ステップによって実行されるものである。
【0082】
まず、ステップf1では、カラー画像入力手段M1にて本発明の真偽判別可能な印刷物の印刷画像のモチーフとなるRGBカラー画像を入力する。入力されるのはビットマップ多値画像であり、画素数等に何ら制限はない。さらに、ステップf3に示されたカラー画像の色分解は、
図16に示された編集手段M5に含まれる色分解手段M5aによって行われる。ステップf3は、色分解手段M5aによって入力されたカラー画像を印刷可能な所定の色チャンネルに色分解され、所定の色チャンネルを最も明度の高い色要素と、残りの色素に区分けする。
【0083】
一方、ステップf2では、情報入力手段M2にて埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心円万線の情報を入力する。例えば、入力される情報は、キーボード等からの入力、また、書式データベースM6と同じパソコン内に登録されている情報が入力されたデータベース(図示せず)、通信インターフェースによってあらかじめ情報が入力された外部データベースサーバ(図示せず)から情報を得ることができる。なお、同じパソコン内に登録されている情報が入力されたデータベースは、記憶手段(図示せず)に設けられ、埋め込むべき情報に応じた周波数成分が抽出されるように設定された所定の間隔を有する同心円万線の情報が保存されている。
【0084】
さらに、
図16に示された編集手段M5に含まれる情報埋め込み手段M5bによって、ステップf4では、残りの色素に、同心円万線と異なる少なくとも一つの画線群データを生成する。例えば、シアン画像とマゼンタ画像のためのスクリーン角度の異なるそれぞれのドットパターンの生成と、ステップf5では、抽出された情報を最も明度の高い所定の色要素に同心円万線データを生成する。例えば、入力された埋め込むべき情報によって定義されたイエロー画像のための同心円万線パターンが生成される。
【0085】
次に、ステップf6乃至8において、ステップf3の色分解で得られた最も明度の高い所定の色要素及び残りの色素に各チャンネル出力がされる。次に、ステップf9乃至11において、ステップf6乃至8で作製した各チャンネル出力をドットパターンに適用させる。例えば、シアン画像は、ステップf6においてドキュメント・ファイルのシアンチャンネルに出力され、また、ステップf3の色分解で得られたマゼンタ画像は、ステップf7においてドキュメント・ファイルのマゼンタチャンネルに出力され、さらに、ステップf3の色分解で得られたイエロー画像は、ステップf8においてドキュメント・ファイルのイエローチャンネルに出力される。
【0086】
そして、ステップf4で得られた、シアン画像のためのドットパターンは、ステップf9においてシアンチャンネルに適用され、マゼンタ画像のためのドットパターンは、ステップf10においてマゼンタチャンネルに適用される。そしてさらに、ステップf5で得られた、イエロー画像のための同心円パターンは、ステップf11においてイエローチャンネルに適用される。
【0087】
次に、
図16に示された編集手段M5に含まれる画像合成手段M5cによって、最も明度の高い所定の色要素に設定された同心円万線データと、残りの色素に設定された少なくとも一つの画線群データを合成してドキュメント・ファイルを生成する。例えば、ステップf12の各チャンネルの合成と、ステップf13のドキュメント・ファイルに書き出しが行われる。こうして生成されたドキュメント・ファイルが、それぞれの色インキで基材に刷り重なることにより情報を埋め込んだカラー印刷物が得られるものである。
【0088】
(5)実施の形態5
上述した実施の形態1乃至実施の形態3で示されたように、本発明は連続階調画像に対して情報を付与するもので、本実施の形態5では、認証装置と認証方法について説明する。
【0089】
本実施の形態5による印刷物の認証装置について説明する。本装置は、
図18に示されたように、光学スキャナ等から成る読み取り手段M8、操作パネル等から成る入力手段M9、CRT、液晶パネル、プリンタ等から成る表示手段M10、通信インターフェースM11、記憶手段M13、更に色分離手段M12a、変換手段M12b、解析手段M12c、判定手段M12dを有する演算手段M12を備えている。
【0090】
演算手段M12は、真偽判別処理に必要な演算の全てを行うものであって、色分離手段M12a、変換手段M12b、解析手段M12c及び判定手段M12dを有する。また、演算手段M12は、記憶手段M13、通信インターフェースM11、読み取り手段M8、入力手段M9、表示手段M10に接続されている。色分離手段M12aは、読み取ったカラー画像から最も明度の高い色要素のグレースケール画像を抽出する。例えば、カラー画像からイエロー成分のグレースケール画像を抽出する。変換手段M12bは、抽出されたグレースケール画像をフーリエ変換してFFTパターンを生成する。解析手段M12cは、FFTパターンから周波数成分を抽出する。判定手段M12dは、周波数成分と、記憶手段に記憶された真偽判別データを比較照合することで真偽判別可能な印刷物の認証が行われる。
【0091】
読み取り手段M8は、真偽判別可能な印刷物に印刷された、あらかじめ定められた埋め込むべき情報が埋め込まれた印刷画像をカラー画像として取得するものである。
【0092】
読み取ったカラー画像は、演算手段M12を介して記憶手段M13に転送され記憶される。
【0093】
入力手段M9は、真偽判別の処理に必要なデータを入力し、演算手段M12に転送するものである。
【0094】
表示手段M10は、入力手段M9に入力されたデータや、演算手段M12が真偽判別を行った結果等の表示を行うものである。
【0095】
通信インターフェースM11は、真偽判別データが記憶手段に保存されていない場合において、例えば真正な印刷物に関する基準値等を取得するため、図示されていないコンピュータ端末に接続されているものである。また、RS−232C、IEEE1394等、特に限定されるものではない。
【0096】
記憶手段M13は、真偽判定データを記憶しておく。また、演算手段M12から与えられた各種データや判別結果を記憶するものである。
【0097】
本実施の形態による認証方法は、
図18に示された認証装置を用いて、
図19のフローチャートに示された処理ステップによって実行されるものである。
【0098】
図19に示されたように、ステップf14として、デジタルカメラ、光学式スキャナ等の読み取り手段M8によって、あらかじめ定められた埋め込むべき情報が埋め込まれた印刷画像をカラー画像(RGB画像)として読み取る。例えば、1200dpiというような高解像度で、1024×1024ピクセルの画像サイズでRGB画像として読み取りを行う。
【0099】
ステップf15として、ステップf14で色分離手段M12aによって、読み取られたカラー画像(RGB画像)から最も明度の高い色要素のグレースケール画像を抽出する。例えば、色分離手段M12aにてB(ブルー)チャンネルのグレースケール画像の抽出を行う。
【0100】
ステップf16として、変換手段M12bによって、ステップf15で抽出されたグレースケール画像(例えば、B(ブルー)チャンネル)をフーリエ変換し、FFTパターンを生成する。
【0101】
ステップf17として、解析手段M12cによって、ステップf16で作成されたFFTパターンに対し、周波数成分の抽出を行う。
【0102】
ステップf18として、判定手段M12dによって、抽出された周波数成分と、記憶手段に記憶された真偽判別データ(周波数成分)を比較照合することで真偽判別可能な印刷物の認証が行われる。
【0103】
周波数成分は、同心円状の画線で形成された領域の成分であるため、従来よりもはっきりとした周波数成分を抽出することができるため、あらかじめ定められた周波数成分とを比較照合上で誤認識することがない。