特許第5802168号(P5802168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5802168
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/42 20060101AFI20151008BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20151008BHJP
【FI】
   H04L12/42 D
   H04L12/28 200D
【請求項の数】2
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-103200(P2012-103200)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-232759(P2013-232759A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2014年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】渡部 浩治
(72)【発明者】
【氏名】栗原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】沼田 高典
(72)【発明者】
【氏名】南 勝也
【審査官】 上田 翔太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−266695(JP,A)
【文献】 特開2009−055074(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/114537(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0215546(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/42
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの通信装置を通信回線で接続した通信システムであって、
前記通信システムは、3以上の通信装置を通信回線でリング状に接続したリング通信システムが複数設けられている場合における当該各リング通信システムの共有部分であり、
前記通信システムの2つの通信装置のそれぞれは、
前記通信システムの他方の通信装置との間でフレームを送受信するための通信ポートである共有ポートと、
前記リング通信システムごとに設けられ、当該リング通信システムを流れるフレームを当該通信装置で送受信するための前記共有ポート以外の通信ポートであるリング通信システム用ポートと、
前記複数のリング通信システムから不通箇所を有するリング通信システムを検出するリング通信システム検出部と、
前記フレームの種類ごとに、当該種類を示すフレーム種類識別情報に対し、当該フレーム種類識別情報を含むフレームが流れるリング通信システムに対応する前記リング通信システム用ポートを示すリング通信システム用ポート識別情報が対応づけられる識別情報記憶部と、
前記リング通信システム用ポートのいずれかで非ユニキャストフレームが受信されたなら、当該非ユニキャストフレームに含まれるフレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報を前記識別情報記憶部から検索し、前記リング通信システム検出部で検出されたリング通信システムに対応する前記リング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報が当該フレーム種類識別情報に対応づけられているなら、当該非ユニキャストフレームが前記共有ポートに転送されて、前記他方の通信装置に送信されるように制御する転送制御部と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記識別情報記憶部において、前記フレームの種類の中で当該フレームが流れるリング通信システムに通信不能箇所があった場合に当該フレームを前記通信システムに流してよいという条件を満たすフレームの種類を示すフレーム種類識別情報に対し、当該条件を満たすことを示す情報が対応づけられ、
前記転送制御部は、
前記リング通信システム用ポートのいずれかで非ユニキャストフレームが受信されたなら、当該非ユニキャストフレームに含まれるフレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報を前記識別情報記憶部から検索し、前記リング通信システム検出部で検出されたリング通信システムに対応する前記リング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報ならびに前記条件を満たすことを示す情報が当該フレーム種類識別情報に対応づけられているなら、当該非ユニキャストフレームが前記共有ポートに転送されて、前記他方の通信装置に送信されるように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不通箇所を有するリング通信システムを流れるフレームを迂回させることができ且つ通信量を低減できる通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、リングと称される通信システム(以下、リング通信システム)を複数設け、各リング通信システムに共有部分を設け、共有部分が、迂回ルートとして使用される通信網がある。
【0003】
図10は、かかる通信網におけるフレームの転送ルートの一例を示す図である。
【0004】
同図は、通信装置A、B、CおよびDを通信回線でリング状に接続したリング通信システムと、通信装置A、B、EおよびFを通信回線でリング状に接続したリング通信システムと、通信装置A、B、GおよびHを通信回線でリング状に接続したリング通信システムと、通信装置A、B、MおよびNを通信回線でリング状に接続したリング通信システムを示しており、通信装置AおよびBからなる通信システムは、これらのリング通信システムの共有部分となっている。
【0005】
図10において、例えば、通信端末M1から送信されたユニキャストフレームは、予め定められたルーティング情報に基づき、通信装置M、A、Cを介して、通信端末C1に到達する。
【0006】
一方、例えば、通信端末E1から送信されたマルチキャストフレームなどの非ユニキャストフレームは、段階的に複製され、各方向に送信されるが、その1つについては、通信装置E、Aを介して、通信装置Bに送信され、廃棄される。通信装置Bでは、通信装置Aに繋がるポート以外をブロックしており、これにより、フレームはその各ポートでブロック(廃棄)される。
【0007】
図11は、図10において、通信回線ACが不通になった場合のフレームの転送ルートを示す図である。
【0008】
通信端末M1から送信されたユニキャストフレームは、通信回線ACが不通なので、通信装置M、A、B、Cを介して、通信端末C1に到達する。一方、通信端末E1から送信された非ユニキャストフレームの1つは、図10と同様に、通信装置E、Aを介して、通信装置Bに送信され、廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−266490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図11に示すように、通信装置A、B、CおよびDを含むリング通信システムにおいて、通信装置A、B間の通信回線ABは、ユニキャストフレームの迂回ルートとして使用される。また、通信回線ABは、非ユニキャストフレームの迂回ルートとして使用される。また、通信回線ABは、通信装置A、B、E、Fを含むリング通信システムを流れるユニキャストフレームおよび非ユニキャストフレームの迂回ルートとして使用される。また、通信回線ABは、通信装置A、B、G、Hを含むリング通信システムを流れるユニキャストフレームおよび非ユニキャストフレームの迂回ルートとして使用される。また、通信回線ABは、通信装置A、B、M、Nを含むリング通信システムを流れるユニキャストフレームおよび非ユニキャストフレームの迂回ルートとして使用される。
【0011】
つまり、通信装置A、Bにより構成される通信システムは、各リング通信システムの共有部分であり、ユニキャストフレームおよび非ユニキャストフレームの迂回ルートとして使用される。
【0012】
しかし、図11に示すように、そのような迂回で使用される状況であっても、通信回線AB(通信システム)には、上記のように、通信端末E1からのつまり不通箇所を有しないリング通信システムから到来した非ユニキャストフレームが流れるので、通信回線ABの通信量が許容量を超え、その結果、不通箇所を有するリング通信システムを流れる非ユニキャストフレームを迂回させることができない可能性がある。
【0013】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、不通箇所を有するリング通信システムを流れる非ユニキャストフレームを迂回させることができ且つ通信量を低減できる通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は、2つの通信装置を通信回線で接続した通信システムであって、前記通信システムは、3以上の通信装置を通信回線でリング状に接続したリング通信システムが複数設けられている場合における当該各リング通信システムの共有部分であり、前記通信システムの2つの通信装置のそれぞれは、前記通信システムの他方の通信装置との間でフレームを送受信するための通信ポートである共有ポートと、前記リング通信システムごとに設けられ、当該リング通信システムを流れるフレームを当該通信装置で送受信するための前記共有ポート以外の通信ポートであるリング通信システム用ポートと、前記複数のリング通信システムから不通箇所を有するリング通信システムを検出するリング通信システム検出部と、前記フレームの種類ごとに、当該種類を示すフレーム種類識別情報に対し、当該フレーム種類識別情報を含むフレームが流れるリング通信システムに対応する前記リング通信システム用ポートを示すリング通信システム用ポート識別情報が対応づけられる識別情報記憶部と、前記リング通信システム用ポートのいずれかで非ユニキャストフレームが受信されたなら、当該非ユニキャストフレームに含まれるフレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報を前記識別情報記憶部から検索し、前記リング通信システム検出部で検出されたリング通信システムに対応する前記リング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報が当該フレーム種類識別情報に対応づけられているなら、当該非ユニキャストフレームが前記共有ポートに転送されて、前記他方の通信装置に送信されるように制御する転送制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、識別情報記憶部において、不通箇所を有するリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報が、非ユニキャストフレームに含まれるフレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報に対応づけられているなら、非ユニキャストフレームを共有ポートに転送させるので、不通箇所を有するリング通信システムを流れる非ユニキャストフレームを迂回させることができ、しかも、リング通信システム用ポート識別情報がフレーム種類識別情報に対応づけられていない場合には、非ユニキャストフレームを共有ポートに転送しないので、通信量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態に係る通信システムを含む通信網の構成を示す図である。
図2】通信装置1Aの概略構成を示すブロック図である。
図3】通信装置1Aにおけるテーブル2の一例を示す図である。
図4】通信装置1Aにおける識別情報記憶部3の一例を示す図である。
図5】フレームの転送ルートの具体例を説明するための図である。
図6】通信装置1Aのリング通信システム用ポートA1、A2、A3およびA5のいずれかで非ユニキャストフレームが受信された場合の転送制御部4の動作を示すフローチャートである。
図7】通信装置1Aの共有ポートA4でフレームが受信された場合の転送制御部4の動作を示すフローチャートである。
図8】変形例に係る通信装置1Aの識別情報記憶部3の一例を示す図である。
図9】変形例に係るフレームの転送ルートの具体例を説明するための図である。
図10】従来の通信網におけるフレームの転送ルートの一例を示す図である。
図11】通信回線ACが不通の場合のフレームの転送ルートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る通信システムを含む通信網の構成を示す図である。
【0019】
本実施の形態に係る通信システム(以下、単に通信システムという)は、2つの通信装置1A、1Bを通信回線ABで接続したものである。
【0020】
通信システムは、3以上の通信装置を通信回線でリング状に接続したリング通信システムが複数設けられている場合における当該各リング通信システムの共有部分である。
【0021】
ここでは、4つのリング通信システムが設けられている。第1のリング通信システムは、通信装置1A、1B、DおよびCを通信回線AB、BD、CDおよびACでリング状に接続したものである。第2のリング通信システムは、通信装置1A、1B、FおよびEを通信回線AB、BF、EFおよびAEでリング状に接続したものである。第3のリング通信システムは、通信装置1A、1B、HおよびGを通信回線AB、BH、GHおよびAGでリング状に接続したものである。第4のリング通信システムは、通信装置1A、1B、NおよびMを通信回線AB、BN、MNおよびAMでリング状に接続したものである。
【0022】
各リング通信システムには、4つの通信装置が含まれるが、3または5以上の通信装置が含まれるようにしてもよい。
【0023】
通信装置Cには、通信回線CXを介して、通信端末C1を含む1以上の通信装置が接続されている。通信装置Eには、通信回線EXを介して、通信端末E1を含む1以上の通信装置が接続されている。通信装置Mには、通信回線MXを介して、通信端末M1、M2を含む2以上の通信装置が接続されている。通信装置Dには、通信回線DXを介して、1以上の通信端末(図示せず)が接続されている。通信装置Fには、通信回線FXを介して、1以上の通信端末(図示せず)が接続されている。通信装置Gには、通信回線GXを介して、1以上の通信端末(図示せず)が接続されている。通信装置Hには、通信回線HXを介して、1以上の通信端末(図示せず)が接続されている。通信装置Nには、通信回線NXを介して、1以上の通信端末(図示せず)が接続されている。
【0024】
通信装置1Aは、通信ポートA1、A2、A3、A4およびA5を有する。通信ポートA1には、通信回線ACが接続されている。通信ポートA2には、通信回線AEが接続されている。通信ポートA3には、通信回線AGが接続されている。通信ポートA4には、通信回線ABが接続されている。通信ポートA5には、通信回線AMが接続されている。
【0025】
通信装置1Bは、通信ポートB1、B2、B3、B4およびB5を有する。通信ポートB1には、通信回線ABが接続されている。通信ポートB2には、通信回線BDが接続されている。通信ポートB3には、通信回線BFが接続されている。通信ポートB4には、通信回線BHが接続されている。通信ポートB5には、通信回線BNが接続されている。
【0026】
図2は、通信装置1Aの概略構成を示すブロック図である。
【0027】
通信装置1Aは、通信回線ACが接続された通信ポートA1と、通信回線AEが接続された通信ポートA2と、通信回線AGが接続された通信ポートA3と、通信回線ABが接続された通信ポートA4と、通信回線AMが接続された通信ポートA5と、通信ポートA1を介してフレームの送受信を行う通信部11と、通信ポートA2を介してフレームの送受信を行う通信部12と、通信ポートA3を介してフレームの送受信を行う通信部13と、通信ポートA4を介してフレームの送受信を行う通信部14と、通信ポートA5を介してフレームの送受信を行う通信部15と、上記第1〜第5のリング通信システムから不通箇所を有するリング通信システムを検出するリング通信システム検出部1と、ユニキャストフレームの転送制御に用いるテーブル2と、非ユニキャストフレームの転送制御に用いる識別情報記憶部3と、フレームの転送制御を行う転送制御部4とを備える。
【0028】
通信ポートA4は、通信システムの他方の通信装置である通信装置Bとの間でフレームを送受信するための通信ポートであり、以下、共有ポートA4という。共有ポートA4には、識別情報「4」(共有ポート識別情報「4」という)が割り当てられている。
【0029】
通信ポートA1は、第1のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Aで送受信するための共有ポートA4以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートA1という。リング通信システム用ポートA1には、識別情報「1」(リング通信システム用ポート識別情報「1」という)が割り当てられている。
【0030】
通信ポートA2は、第2のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Aで送受信するための共有ポートA4以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートA2という。リング通信システム用ポートA2には、識別情報「2」(リング通信システム用ポート識別情報「2」という)が割り当てられている。
【0031】
通信ポートA3は、第3のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Aで送受信するための共有ポートA4以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートA3という。リング通信システム用ポートA3には、識別情報「3」(リング通信システム用ポート識別情報「3」という)が割り当てられている。
【0032】
通信ポートA5は、第4のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Aで送受信するための共有ポートA4以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートA5という。リング通信システム用ポートA5には、識別情報「5」(リング通信システム用ポート識別情報「5」という)が割り当てられている。
【0033】
なお、図示しないが、通信装置1Bも通信装置1Aと同様の構成であり、図1で示した各通信ポートと、通信ポートごとの通信部と、テーブル2と、識別情報記憶部3と、転送制御部4とを備える。
【0034】
通信装置1Bの通信ポートB1は、通信装置1Aとの間でフレームを送受信するための通信ポートであり、以下、共有ポートB1という。共有ポートB1には、識別情報「1」(以下、共有ポート識別情報「1」という)が割り当てられている。
【0035】
通信ポートB2は、第1のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Bで送受信するための共有ポートB1以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートB2という。リング通信システム用ポートB2には、識別情報「2」(リング通信システム用ポート識別情報「2」という)が割り当てられている。
【0036】
通信ポートB3は、第2のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Bで送受信するための共有ポートB1以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートB3という。リング通信システム用ポートB3には、識別情報「3」(リング通信システム用ポート識別情報「3」という)が割り当てられている。
【0037】
通信ポートB4は、第3のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Bで送受信するための共有ポートB1以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートB4という。リング通信システム用ポートB4には、識別情報「4」(リング通信システム用ポート識別情報「4」という)が割り当てられている。
【0038】
通信ポートB5は、第4のリング通信システムを流れるフレームを通信装置1Bで送受信するための共有ポートB1以外の通信ポートであり、以下、リング通信システム用ポートB5という。リング通信システム用ポートB5には、識別情報「5」(リング通信システム用ポート識別情報「5」という)が割り当てられている。
【0039】
図3は、通信装置1Aにおけるテーブル2の一例を示す図である。
【0040】
テーブル2は、通信端末C1のような各通信端末について設けたレコードを備える。レコードは、通信端末のMACアドレスと、通信端末に送信すべきフレームの種類を示すフレーム種類識別情報と、フレームの送信先となるべきリング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報とを備える。
【0041】
フレーム種類識別情報は、ここでは、顧客情報として用いられるVLAN番号とする。つまり、通信端末は、顧客ごとにグループ分けされ、通信端末に送信されるフレームには、通信端末を使用する顧客に対応するフレーム種類識別情報(VLAN番号)が含まれる。よって、このフレーム種類識別情報をテーブル2に設定するようにしている。
【0042】
例えば、MACアドレス「…56」の通信端末は、フレーム種類識別情報「100」に対応する顧客に使用されるものであり、第1のリング通信システムに接続されているので、MACアドレス「…56」を含むレコードには、フレーム種類識別情報「100」およびリング通信システム用ポート識別情報「1」が含まれる。
【0043】
テーブル2の各レコードは、いわゆる学習動作により、テーブル2に格納されるものであり、当初のテーブル2にはレコードは存在していない。図3は、学習後のテーブル2の状態を示している。また、不通箇所を有するリング通信システムが検出された際には、テーブル2の各レコードは消去され、その後の学習動作により、再びテーブル2にレコードが格納されていく。
【0044】
なお、通信装置1Bにおけるテーブル2も、内容は別にして、同様に構成される。
【0045】
図4は、通信装置1Aにおける識別情報記憶部3の一例を示す図である。
【0046】
識別情報記憶部3では、フレームの種類ごと(顧客ごと)に、当該種類を示すフレーム種類識別情報に対し、当該フレーム種類識別情報を含むフレームが流れるリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートを示すリング通信システム用ポート識別情報が対応づけられている。
【0047】
例えば、フレーム種類識別情報「100」には、このフレーム種類識別情報に対応する顧客の通信端末が、第1、第3および第4のリング通信システムに接続されているので、リング通信システム用ポート識別情報「1」、「3」および「5」が対応づけられている。
【0048】
例えば、フレーム種類識別情報「200」には、このフレーム種類識別情報に対応する顧客の通信端末が、第2および第3のリング通信システムに接続されているので、リング通信システム用ポート識別情報「2」および「3」が対応づけられている。
【0049】
例えば、フレーム種類識別情報「300」には、このフレーム種類識別情報に対応する顧客の通信端末が、第1、第3および第4のリング通信システムに接続されているので、リング通信システム用ポート識別情報「1」、「3」および「5」が対応づけられている。
【0050】
例えば、フレーム種類識別情報「400」には、このフレーム種類識別情報に対応する顧客の通信端末が、第2および第3のリング通信システムに接続されているので、リング通信システム用ポート識別情報「2」および「3」が対応づけられている。
【0051】
なお、通信装置1Bにおける識別情報記憶部3も、内容は別にして、同様に構成される。
【0052】
次に、通信システムの動作を説明する。
【0053】
通信装置1Aにおいて、リング通信システム検出部1は、不通箇所を有するリング通信システムを検出する。
【0054】
例えば、図5において、通信回線ACが不通である場合、通信回線ACを含む第1のリング通信システムが検出される。なお、不通箇所は通信装置であってもよい。
【0055】
なお、通信装置1Bのリング通信システム検出部1も同様に検出を行う。
【0056】
図6は、通信装置1Aのリング通信システム用ポートA1、A2、A3およびA5のいずれかで非ユニキャストフレームが受信された場合の転送制御部4の動作を示すフローチャートである。
【0057】
例えば、通信装置1Aで、宛先のMACアドレスとフレーム種類識別情報を含むフレームが受信され、そのMACアドレスとフレーム種類識別情報を含むレコードがテーブル2に存在しない場合、そのフレームは、非ユニキャストフレームとして扱われる。なお、該当のレコードがテーブル2にある場合は、フレームは、そのレコード内のリング通信システム用ポート識別情報に対応するリング通信システム用ポートだけに転送される。つまり、フレームはユニキャストフレームとして扱われる。ユニキャストフレームについては、後述の図7と同様に扱われる。
【0058】
非ユニキャストフレームを共有ポートに転送するか否かについては、図6のフローチャートにしたがって判断し、必要ならば共有ポートに転送される。
【0059】
図6において、転送制御部4は、まず、リング通信システム検出部1に対し、不通箇所を有するリング通信システムがあるか否かを問い合わせる(S1)。転送制御部4は、不通箇所を有するリング通信システムがない場合、処理を終える。つまり、非ユニキャストフレームは、共有ポートには転送されない。
【0060】
一方、転送制御部4は、不通箇所を有するリング通信システムがある場合、非ユニキャストフレームに含まれるフレーム種類識別情報を取り出し、フレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報を識別情報記憶部3から検索する(S3)。
【0061】
次に、転送制御部4は、リング通信システム検出部1で検出された不通箇所を有するリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報を取得し、リング通信システム用ポート識別情報が、検索したフレーム種類識別情報に対応づけられているか否かを判定する(S5)。
【0062】
転送制御部4は、ステップS5でNOと判定されたなら、処理を終える。つまり、非ユニキャストフレームは、共有ポートには転送されない。
【0063】
一方、転送制御部4は、ステップS5でYESと判定されたなら、通信部11を制御して、非ユニキャストフレームを共有ポートA4に転送させ、共有ポートA4から通信ケーブルABを介して、通信装置1Bに送信させ(S7)、処理を終える。
【0064】
また、通信装置1Bにおいても同様の動作がなされる。
【0065】
図7は、通信装置1Aの共有ポートA4でフレームが受信された場合の転送制御部4の動作を示すフローチャートである。
【0066】
転送制御部4は、フレームに含まれるフレーム種類識別情報と宛先MACアドレスを取り出し(S21)、フレーム種類識別情報と宛先MACアドレスを含むレコードがテーブル2にあるか否かを判定する(S23)。
【0067】
転送制御部4は、該当のレコードがテーブル2にあるなら(S23:YES)、受信されたフレームはユニキャストフレームであり、その場合は、レコードに含まれるリング通信システム用ポート識別情報を取り出し(S25)、リング通信システム用ポート識別情報に対応するリング通信システム用ポートに接続された通信部を制御し、フレームをリング通信システム用ポートに転送させ、リング通信システム用ポートから送出させ(S27)、処理を終える。これにより、フレームは、最終的には、宛先MACアドレスを有する通信端末に到達する。
【0068】
一方、転送制御部4は、該当のレコードがテーブル2にないなら(S23:NO)、受信されたフレームは非ユニキャストフレームであり、その場合は、識別情報記憶部3から、取り出したフレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報に対応づけられているリング通信システム用ポート識別情報を取り出す(S29)。
【0069】
次に、転送制御部4は、取り出したリング通信システム用ポート識別情報に対応するリング通信システム用ポートに接続された通信部を制御し、フレームをリング通信システム用ポートに転送させ、リング通信システム用ポートから送出させ(S31)、処理を終える。
【0070】
なお、リング通信システム用ポートで受信されたフレームについても、該当のレコードがテーブル2にあるなら、そのフレームはユニキャストフレームであり、その場合は、ステップS25、S27の処理が行われる。
【0071】
また、リング通信システム用ポートで受信されたフレームについても、該当のレコードがテーブル2にないなら、そのフレームは非ユニキャストフレームであり、その場合は、ステップS29、S31の処理が行われる。この非ユニキャストフレームを共有ポートに転送するか否かについては、図6のフローチャートにしたがって判断され、必要ならば非ユニキャストフレームは共有ポートに転送される。
【0072】
なお、通信装置1Bにおいても同様の動作がなされる。
【0073】
次に、図5を用いて、通信回線ACが不通の場合におけるフレームの転送ルートの具体例を説明する。
【0074】
通信端末M1は、例えば、通信端末C1のMACアドレス「…56」(宛先アドレス)を含むユニキャストフレームを通信装置Mに送信する。通信装置Mは、当該フレームにフレーム種類識別情報「100」を付与し、予め記憶したルーティング情報に基づき、フレームを通信装置1Aに送信する。
【0075】
通信装置1Aでは、通信回線ACが不通なので、例えば、テーブル2では、不通箇所を有するリング通信システムのリング通信システム用ポート識別情報のレコードが削除されており、フレームは非ユニキャストフレームとして扱われる。つまり、転送制御部4は、図6のフローチャートにしたがって動作する。
【0076】
転送制御部4は、不通箇所を有するリング通信システムつまり不通な通信回線ACを含む第1のリング通信システムがあるので(図6のステップS1:YES)、フレームに含まれるフレーム種類識別情報「100」を取り出し、識別情報記憶部3からフレーム種類識別情報「100」を検索する(図6のステップS3)。
【0077】
次に、転送制御部4は、第1のリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートA1のリング通信システム用ポート識別情報「1」を取得し、リング通信システム用ポート識別情報「1」が、検索したフレーム種類識別情報「100」に対応づけられているか否かを判定する(図6のステップS5)。
【0078】
図4の例では、かかる対応がある(図6のステップS5:YES)ので、フレームは、通信装置1Bに送信される。
【0079】
通信装置1Bの転送制御部4は、図7のフローチャートにしたがって動作し、ここでは、リング通信システム用ポートB2を介して、フレームを通信装置Dに転送する。通信装置Dは、図7のフローチャートに従って動作し、フレームを通信装置Cに送信する。通信装置Cは、図7のフローチャートに従って動作し、フレームを通信端末1Cに送信する。
【0080】
さて、例えば、通信端末E1は、通信端末M2のMACアドレス「…38」(宛先アドレス)を含むユニキャストフレームを通信装置Eに送信する。通信装置Eは、当該フレームにフレーム種類識別情報「200」付与し、予め記憶したルーティング情報に基づき、フレームを通信装置1Aに送信する。
【0081】
レームはユニキャストフレームとして扱われる。つまり、転送制御部4は、図のフローチャートにしたがって動作する。
【0085】
すなわち、通信端末M1から送信された非ユニキャストフレームは、通信回線ABを通らないと、通信端末C1に到達しないが、通信端末E1から送信された非ユニキャストフレームは、通信回線ABを通らなくても、通信装置E、1A、Mを介して、通信端末M2に到達できるので、通信装置1Bへは送信されない。よって、不通箇所を有するリング通信システムがある場合においては、通信回線ABの通信量が低減され、リング通信システムを流れるフレームを通信回線ABに優先的に流すことができる。
【0086】
(変形例)
次に、本実施の形態の変形例について説明する。変形例では、実施の形態に同一または類似の装置および装置構成を用い、同一または類似のものについては実施の形態で使用した符号を使用して重複説明を略し、実施の形態とは異なる事項を中心に説明を行う。
【0087】
図8は、通信装置1Aにおける識別情報記憶部3の一例を示す図である。
【0088】
識別情報記憶部3において、フレーム種類識別情報「100」、「200」および「400」は、当該フレーム種類識別情報を含むフレームが流れるリング通信システムに通信不能箇所があった場合に当該フレームを通信システム(通信回線AB)に流してよいという条件を満たすフレームの種類を示すものである。
【0089】
つまり、フレーム種類識別情報「100」、「200」および「400」に対応する顧客は、その顧客の通信端末が接続されたリング通信システムが不通となった場合、通信端末からリング通信システムに送信されたフレームを通信システムに流せる(迂回できる)というメリットを享受できるのである。
【0090】
そして、各フレーム種類識別情報に対しては、リング通信システム用ポート識別情報の他に、かかる条件を満たすことを示す情報として共有ポート識別情報「4」が対応づけられている。
【0091】
なお、通信装置1Bにおいては、フレーム種類識別情報「100」、「200」および「400」に共有ポート識別情報「1」が対応づけられている。
【0092】
また、通信装置1Aの転送制御部4は、図6のステップS5では、リング通信システム検出部1で検出された不通箇所を有するリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報を取得し、リング通信システム用ポート識別情報および共有ポート識別情報「4」が、検索したフレーム種類識別情報に対応づけられているか否かを判定する。
【0093】
転送制御部4は、上記実施の形態と同様に、ステップS5でNOと判定されたなら、処理を終え、一方、ステップS5でYESと判定されたなら、フレームを共有ポートA4に転送させる。
【0094】
なお、通信装置1Bにおいても同様の処理がなされ、フレームは共有ポートB1に転送される。
【0095】
次に、図9を用いて、変形例におけるフレームの転送ルートの具体例を説明する。
【0096】
通信端末M1は、例えば、通信端末C1のMACアドレス「…56」(宛先アドレス)を含むユニキャストフレームを通信装置Mに送信する。通信装置Mは、当該フレームにフレーム種類識別情報「100」を付与し、予め記憶したルーティング情報に基づき、フレームを通信装置1Aに送信する。
【0097】
通信装置1Aでは、通信回線ACが不通なので、例えば、テーブル2では、不通箇所を有するリング通信システムのリング通信システム用ポート識別情報のレコードが削除されており、フレームは非ユニキャストフレームとして扱われる。つまり、転送制御部4は、図6のフローチャートにしたがって動作する。
【0098】
転送制御部4は、不通箇所を有するリング通信システムつまり不通な通信回線ACを含む第1のリング通信システムがあるので(図6のステップS1:YES)、フレームに含まれるフレーム種類識別情報「100」を取り出し、識別情報記憶部3からフレーム種類識別情報「100」を検索する(図6のステップS3)。
【0099】
次に、転送制御部4は、第1のリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートA1のリング通信システム用ポート識別情報「1」を取得し、リング通信システム用ポート識別情報「1」および共有ポート識別情報「4」が、検索したフレーム種類識別情報「100」に対応づけられているか否かを判定する(図6のステップS5)。
【0100】
図8の例では、かかる対応がある(図6のステップS5:YES)ので、フレームは、通信装置1Bに送信される。
【0101】
以下、図5の場合と同様なので、説明を省略する。
【0102】
さて、例えば、通信端末M3は、通信端末D1のMACアドレス(宛先アドレス)およびフレーム種類識別情報「300」を含むユニキャストフレームを通信装置Mに送信する。通信装置Mは、予め記憶したルーティング情報に基づき、フレームを通信装置1Aに送信する。
【0103】
通信装置1Aでは、通信回線ACが不通なので、例えば、テーブル2では、不通箇所を有するリング通信システムのリング通信システム用ポート識別情報のレコードが削除されており、フレームは非ユニキャストフレームとして扱われる。つまり、転送制御部4は、図6のフローチャートにしたがって動作する。
【0104】
転送制御部4は、不通箇所を有するリング通信システムつまり不通な通信回線ACを含む第1のリング通信システムがあるので(図6のステップS1:YES)、フレームに含まれるフレーム種類識別情報「300」を取り出し、識別情報記憶部3からフレーム種類識別情報「300」を検索する(図6のステップS3)。
【0105】
次に、転送制御部4は、第1のリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートA1のリング通信システム用ポート識別情報「1」を取得し、リング通信システム用ポート識別情報「1」および共有ポート識別情報「4」が、検索したフレーム種類識別情報「300」に対応づけられているか否かを判定する(図6のステップS5)。
【0106】
図8の例では、かかる対応がない(図6のステップS5:NO)、つまり、リング通信システム用ポート識別情報「1」はフレーム種類識別情報「300」に対応づけられているが、共有ポート識別情報「4」はフレーム種類識別情報「300」に対応づけられていないので、フレームは、通信装置1Bに送信されない。
【0107】
よって、この変形例によれば、フレーム種類識別情報「300」を含むフレームについては、そのフレームが流れるリング通信システムに不通箇所があっても、そのフレームは通信回線ABには流れないので、その分の通信量が低減され、他のフレーム種類識別情報を含むフレームを通信回線ABに優先的に流すことができる。
【0108】
したがって、本実施の形態に係る通信システムは、2つの通信装置1A、1Bを通信回線ABで接続した通信システムであって、通信システムは、3以上の通信装置を通信回線でリング状に接続したリング通信システムが複数設けられている場合における当該各リング通信システムの共有部分であり、通信システムの2つの通信装置1A、1Bのそれぞれは、通信システムの他方の通信装置との間でフレームを送受信するための通信ポートである共有ポート(A4、B1)と、リング通信システムごとに設けられ、当該リング通信システムを流れるフレームを当該通信装置で送受信するための共有ポート(A4、B1)以外の通信ポートであるリング通信システム用ポート(A1、A2、A3、A5、B2、B3、B4、B5)と、複数のリング通信システムから不通箇所を有するリング通信システムを検出するリング通信システム検出部1と、フレームの種類ごとに、当該種類を示すフレーム種類識別情報に対し、当該フレーム種類識別情報を含むフレームが流れるリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートを示すリング通信システム用ポート識別情報が対応づけられる識別情報記憶部3と、リング通信システム用ポートのいずれかで非ユニキャストフレームが受信されたなら、当該非ユニキャストフレームに含まれるフレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報を識別情報記憶部3から検索し、リング通信システム検出部1で検出されたリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報が当該フレーム種類識別情報に対応づけられているなら(S5:YES)、当該非ユニキャストフレームが共有ポート(A4、B1)に転送されて、他方の通信装置に送信されるように制御する転送制御部4とを備えるので、不通箇所を有するリング通信システムを流れる非ユニキャストフレームを迂回させることができ、しかも、リング通信システム用ポート識別情報がフレーム種類識別情報に対応づけられていない場合には、非ユニキャストフレームを共有ポートに転送しないので、通信量を低減することができる。
【0109】
また、変形例においては、識別情報記憶部3において、フレームの種類の中で当該フレームが流れるリング通信システムに通信不能箇所があった場合に当該フレームを通信システムに流してよいという条件を満たすフレームの種類を示すフレーム種類識別情報に対し、当該条件を満たすことを示す情報(共有ポート識別情報)が対応づけられ、転送制御部4は、リング通信システム用ポートのいずれかで非ユニキャストフレームが受信されたなら、当該非ユニキャストフレームに含まれるフレーム種類識別情報と同じフレーム種類識別情報を識別情報記憶部3から検索し、リング通信システム検出部1で検出されたリング通信システムに対応するリング通信システム用ポートのリング通信システム用ポート識別情報ならびに条件を満たすことを示す情報(共有ポート識別情報)が当該フレーム種類識別情報に対応づけられているなら、当該非ユニキャストフレームが共有ポート(A4、B1)に転送されて、他方の通信装置に送信されるように制御するので、予め定めたフレーム種類識別情報を含む非ユニキャストフレームについては、その非ユニキャストフレームが流れるリング通信システムに不通箇所があっても、その非ユニキャストフレームは通信回線ABには流れないので、その分の通信量が低減され、他のフレーム種類識別情報を含む非ユニキャストフレームを通信回線ABに優先的に流すことができる。
【0110】
なお、本実施の形態では、識別情報記憶部3において、リング通信システム用ポート識別情報とフレーム種類識別情報を対応づけておき、不通箇所を有するリング通信システムに対応するリング通信システム用ポート識別情報が、受信したフレーム内のフレーム種類識別情報に対応づけられている場合には、フレームを共有ポートに転送したが、以下のようにしてもよい。
【0111】
つまり、識別情報記憶部3においては、本実施の形態で対応づけたリング通信システム用ポート識別情報「以外」のリング通信システム用ポート識別情報を対応づけ、不通箇所を有するリング通信システムに対応するリング通信システム用ポート識別情報が、受信したフレーム内のフレーム種類識別情報に対応づけられている場合には、フレームを共有ポートに「転送しない」ようにしてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1A、1B、C、D、E、F、G、H、M、N 通信装置
1 リング通信システム検出部
2 テーブル
3 識別情報記憶部
4 転送制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11