特許第5811291号(P5811291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5811291液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5811291
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月11日
(54)【発明の名称】液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/30 20060101AFI20151022BHJP
   C09K 19/10 20060101ALI20151022BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20151022BHJP
   C09K 19/20 20060101ALI20151022BHJP
   C09K 19/42 20060101ALI20151022BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20151022BHJP
【FI】
   C09K19/30
   C09K19/10
   C09K19/12
   C09K19/20
   C09K19/42
   G02F1/13 500
【請求項の数】7
【全頁数】133
(21)【出願番号】特願2014-555427(P2014-555427)
(86)(22)【出願日】2013年8月20日
(86)【国際出願番号】JP2013072187
(87)【国際公開番号】WO2015025361
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2014年11月13日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(72)【発明者】
【氏名】岩下 芳典
(72)【発明者】
【氏名】小川 真治
【審査官】 磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−288470(JP,A)
【文献】 特開2000−328060(JP,A)
【文献】 特開2010−275390(JP,A)
【文献】 特許第5170602(JP,B2)
【文献】 特表2004−529214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/00−19/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一成分として
下記の一般式(Ia)及び一般式(Ib)
【化5】
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(上記一般式(Ia)および(Ib)中、1a、R2a、R1b及びR2bそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、
1bは1又は2を表し、
1bは、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイル基を表すが、A1bが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つの水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、A1bが複数存在する場合はそれぞれ独立しており、
1bは、単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−又はCFO−を表し、Z1bが複数存在する場合はそれぞれ独立である。)で表される化合物群の中から少なくとも2種以上含有し、その総量が85質量%以上95質量%以下であり、
第二成分として一般式(M):
【化2】
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(式中、RM1は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
PMは、0、1または2を表し、
M1及びCM2はそれぞれ独立して、
(d) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(d)、基(e)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
M1及びKM2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
PMが2であってKM1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、PMが2であってCM2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
M1及びXM3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)で表される化合物群の中から1種以上含有することを特徴とする誘電率異方性の値が正の液晶組成物。
【請求項2】
前記一般式(M)で表される化合物は、一般式(B):
【化3】
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(上記一般式(B)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、Aが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−又は−CFO−を表し、
及びYはそれぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表し、Xはフッ素原子、−CN基又は−OCF基を表し、
は、1、2、3又は4を表す。)
で表される化合物である、請求項1に記載の誘電率異方性の値が正の液晶組成物。
【請求項3】
一般式(L):
【化4】
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(上記式(L)中、RL1及びRL2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
OLは0、1、2又は3を表し、
L1、BL2及びBL3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L1及びLL2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
OLが2又は3であってLL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、OLが2又は3であってBL3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良いが、ただし、一般式(M)で表される化合物を除く。)
で表される化合物をさらに含む、請求項1または2に記載の誘電率異方性の値が正の液晶組成物。
【請求項4】
前記一般式(M)で表される化合物は、以下の一般式(IIa)及び一般式(IIb)
【化6】
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(上記一般式(IIa)中、R3aは、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
2aはそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、A2aが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
2aはそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−、又は−CFO−を表し、
2aは、1または2を表し、Y3aはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、X1aはフッ素原子、−CN基又は−OCF基を表す。)
【化7】
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(上記一般式(IIb)中、R3bは、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
2bはそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、A2bが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
2bはそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−、又は−CFO−を表し、
2bは、1または2を表し、Y3bはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、X1bはフッ素原子、−CN基又は−OCF基を表す。)
で表される化合物群の中から少なくとも2種類の化合物が選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【請求項5】
第一の配向層および薄膜トランジスタを含む電極層を表面に有する第一の基板と、第二の配向層を表面に有する第二の基板とが配向層同士向かい合うよう離間して配置され、当該前記第一の基板と第二の基板との間に請求項1〜4に記載の液晶組成物を含む液晶層が充填された液晶表示素子であって、
前記薄膜トランジスタを含む電極層は、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記画素電極と離間して第一の基板上に設けられる共通電極と、を備えることを特徴とする、液晶表示素子。
【請求項6】
前記液晶層に近接して設けられている第一の配向層および第二の配向層は、液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜である、請求項5に記載の液晶表示素子。
【請求項7】
近接する前記共通電極と前記画素電極との最短離間距離dが前記配向層同士の最短離間距離Gより短い、請求項5または6に記載の液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示材料として有用な誘電率異方性(Δε)が正の値を示すネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(ツイステッド・ネマチック)型、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた垂直配向型などの縦配向方式やIPS(イン・プレーン・スイッチング)型、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)型等の横電界方式がある。これらの液晶表示素子に用いられる液晶組成物は水分、空気、熱、光などの外的刺激に対して安定であること、また、室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相を示し、低粘性であり、かつ駆動電圧が低いことが求められる。さらに液晶組成物は個々の表示素子にとって誘電率異方性(Δε)または及び屈折率異方性(Δn)等を最適な値とするために、数種類から数十種類の化合物から構成されている。
【0003】
垂直配向(VA)型ディスプレイではΔεが負の液晶組成物が用いられており、TN型、STN型又はIPS(イン・プレーン・スイッチング)型、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)型等の水平配向型ディスプレイではΔεが正の液晶組成物が現在主に用いられている。また、Δεが正の液晶組成物を電圧無印加時に垂直に配向させ、横電界を印加する事で表示する駆動方式も報告されており、Δεが正の液晶組成物の必要性はさらに高まっている。一方、全ての駆動方式において高速応答、広い動作温度範囲及び/又は必要により低電圧駆動が求められている。すなわち、Δεが正で絶対値が大きく、粘度(η)が小さく、高いネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)が要求されている。また、Δnとセルギャップ(G)(との積であるΔn×Gの設定から、液晶組成物のΔnをセルギャップに合わせて適当な範囲に調節する必要がある。加えて動画を表示する液晶ディスプレイなどの素子に適用される場合、当該素子に使用する液晶組成物に対して特に高速応答性が重視されるため、回転粘性(γ1)の小さい液晶組成物が必要となる。
【0004】
このような高速応答性を志向した液晶組成物の構成として、例えば、Δεが正の液晶化合物である式(A−1)〜(A−3)で表される化合物、およびΔεが中性の液晶化合物である(B)を組み合わせて使用した液晶組成物の開示がされている。これらの液晶組成物の特徴は、Δεが正の液晶化合物が−CFO−構造を有することやΔεが中性の液晶化合物がアルケニル基を有することは、この液晶組成物の分野では広く知られている。(特許文献1から4)
【0005】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0006】
また、高速応答性を志向した液晶組成物の組成設計としては、前記式(A−1)〜(A−3)で表されるようなΔεが正の液晶化合物に対して、減粘作用を奏する比較的低分子量の2環や3環の液晶化合物を大量に添加する組成にすることで低粘度の液晶組成物にしているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−037918号
【特許文献2】特開2008−038018号
【特許文献3】特開2010−275390号
【特許文献4】特開2011−052120号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
確かに、Δεが正の液晶化合物に対して、減粘作用を奏するノンポーラ型液晶化合物(Δεが+2〜−2)を大量に添加することで、回転粘性(γ1)の小さい液晶組成物を提供することができる。しかしながら、これらの減粘作用を奏する液晶化合物を大量に添加すると、液晶性を示す正の誘電率異方性を持つ液晶化合物との相溶性が低下することにより液晶化合物が析出するという低温安定性に関する問題が浮上した。また、当該減粘作用を奏するノンポーラ型液晶化合物を大量に添加するとスメクチック相に転移しやすくなりネマチック液晶を維持できなくなるという問題も生じる。
【0009】
また、近年の液晶表示素子の用途や市場の拡大により、その使用方法、製造方法にも大きな変化が見られ、従来知られているような基本的な物性値以外の特性も求められるようになった。具体的には、液晶組成物を使用する液晶表示素子の駆動方式(例えば、TN型、STN型、VA型、IPS型、FFS型等)だけでなく、その大きさも50型以上の超大型サイズの表示素子が実用化されるに伴い、液晶組成物の基板への注入方法も従来の真空注入法から滴下注入(ODF:One Drop Fill)法が注入方法の主流となった。これにより、液晶組成物の液滴を一方の基板面に滴下し、他方の基板と貼りあわせるという滴下注入法によって、液晶パネルを製造するが、液晶組成物を基板に滴下した際に基板上に滴下痕が形成し、この滴下痕が表示品位の低下を招く問題が表面化するに至った。
【0010】
さらに、ODF法による液晶表示素子製造工程においては、液晶表示素子のサイズに応じて最適な液晶注入量を滴下する必要がある。注入量のずれが最適値から大きくなると、あらかじめ設計された液晶表示素子の屈折率や駆動電界のバランスが崩れ、斑発生やコントラスト不良などの表示不良が生じる。特に、最近流行しているスマートフォンに多用される小型液晶表示素子は、最適な液晶注入量が少ないために最適値からのずれを一定範囲内に制御すること自体が難しい。従って、液晶表示素子の歩留まり高く保持するために、例えば、液晶滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃に対する影響が少なく、長時間にわたって安定的に液晶を滴下し続けることが可能な性能も必要である。
【0011】
このように、TFT素子等で駆動するアクティブマトリックス駆動液晶表示素子に使用される液晶組成物おいては、高速応答性能等の液晶表示素子として求められている特性や性能を維持しつつ、従来から重視されてきた高い比抵抗値あるいは高い電圧保持率を有することや光や熱等の外部刺激に対して安定であるという特性に加えて、液晶表示素子の製造方法を考慮した開発が求められてきている。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、Δεが正の液晶化合物より減粘作用を奏する液晶化合物を多く含む液晶組成物において生じる低温安定性に関する問題を解決することを目的とする。
【0013】
本発明が解決しようとするその他の課題としては、Δεが正の液晶組成物であって、広い温度範囲の液晶相を有し、粘性が小さく、低温での溶解性が良好で、比抵抗や電圧保持率が高く、熱や光に対して安定な液晶組成物を提供し、更にこれを用いることで表示品位に優れ、焼き付きや滴下痕等の表示不良の発生し難いIPS型やTN型等の液晶表示素子を歩留まりよく提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、種々の液晶化合物および種々の化学物質を検討し、特定の液晶化合物を組み合わせることにより前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0015】
本発明の正の誘電率異方性を有する液晶組成物は、大幅に低い粘性および低温での溶解性が良好である。
【0016】
本発明に係る液晶組成物は、比抵抗や電圧保持率が熱や光によって受ける変化が極めて小さいため、製品の実用性が高く、これを用いたIPS型やFFS型等の液晶表示素子は高速応答を達成できる。
【0017】
本発明に係る液晶組成物は用いた液晶表示素子の製造工程では、安定的に性能を発揮できるため、工程起因の表示不良が抑制されて歩留まり高く製造できるので、非常に有用である。
【0018】
本発明に係る液晶表示素子は、低温安定性および高速応答性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の液晶表示素子の断面図である。100〜105を備えた基板を「バックプレーン」、200〜205を備えた基板を「フロントプレーン」と称している。
図2】フォトマスクパターンとしてブラックマトリックス上に形成する柱状スペーサー作成用パターンを使用した露光処理工程の図である。
図3】本発明の液晶表示素子の構成の一例を模式的に示す分解斜視図である。
図4図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。
図5図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した断面図である。
図6図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域の他の例を拡大した平面図である。
図7図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した他の実施形態の断面図である。
図8】カラーオンフィルタを示す液晶表示素子の断面図である。
図9】カラーオンフィルタを示す他の形態の液晶表示素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第一は、第一成分として一般式(A):
【0021】
【化2】
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【0022】
(上記一般式(A)中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイル基を表すが、Aが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つの水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して、単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−又はCFO−を表し、
は、1、2、3又は4を表す。)で表される化合物を1種以上含有し、その総量が85質量%以上であり、
第二成分として一般式(M):
【0023】
【化3】
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【0024】
(式中、RM1は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
PMは、0、1、2、3又は4を表し、
M1及びCM2はそれぞれ独立して、
(d) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(d)、基(e)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
M1及びKM2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
PMが2、3又は4であってKM1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、PMが2、3又は4であってCM2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
M1及びXM3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。ただし、一般式(I)で表される化合物を除く。)
で表される化合物群の中から1種以上含有することを特徴とする誘電率異方性の値が正の液晶組成物である。
【0025】
いわゆるポーラ型化合物(Δεが+2以上)である第二成分の一般式(M)で表される化合物に対して、いわゆるノンポーラ型化合物(Δεが−2〜+2)である第一成分の一般式(A)で表される化合物を大量に添加させると、高速応答性を確保することができる。
【0026】
本発明に係る液晶組成物における第一成分の一般式(A)で表される化合物の総量が85質量%以上であると、極性の低い、すなわち減粘効果の高い成分を十分に含むという理由で高速応答性を確保することができる。また、本発明に係る液晶組成物において、第一成分の一般式(A)で表される化合物の総量が85質量%以上99質量%以下であることが好ましく、86質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、87質量%以上98質量%以上であることがさらに好ましく、88質量%以上98質量%以下であることがよりさらに好ましく、89質量%以上97質量%以下であることがよりさらにより好ましく、90質量%以上97質量%以下であることが特に好ましい。
【0027】
本発明に係る液晶組成物における第一成分の一般式(A)で表される化合物の総量が85質量%以上であると、高速応答性の観点から好ましく、さらに本発明に係る第一成分の一般式(A)で表される化合物の総量が第二成分の一般式(M)で表される化合物に対して5〜20倍含まれていると、高速応答性を維持しつつ相溶性(低温安定性やスメクチック相への転移)の問題点を解決することができる。
【0028】
本発明に係る液晶組成物の好ましい物性値は、Δεは1.5〜3.5、Δnは0.08〜0.20であることが好ましい。
【0029】
本発明に係る液晶組成物は、第一成分として一般式(A)と、第二成分として一般式(M)と、をそれぞれ少なくとも1種以上必須の成分として含み。以下本発明に係る液晶組成物に含まれる各成分(第一成分、第二成分、その他任意成分)毎について説明する。
【0030】
本発明に係る液晶組成物は、第一成分として一般式(A):
【0031】
【化4】
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【0032】
(上記一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイル基を表すが、Aが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つの水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して、単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−又はCFO−を表し、
は、1、2、3又は4を表す。)で表される化合物を1種以上含有し、第二成分の一般式(M)で表される化合物に対して5〜20倍含まれていることが好ましい。
【0033】
第一成分として一般式(A)で表される化合物により高速応答性などの効果を奏する。また、本発明に係る液晶組成物は、一般式(A)で表される化合物を1種類以上含有することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、粘性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。ただし、当該一般式(A)で表される化合物は減粘作用を奏する化合物を含むことが好ましい。また、第一成分である一般式(A)で表される化合物として使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では6種類である。さらに、本発明の別の実施形態では7種類である。さらに、本発明の別の実施形態では8種類である。さらに、本発明の別の実施形態では9種類である。さらに、本発明の別の実施形態では10種類以上である。
【0034】
本発明の液晶組成物において、一般式(A)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0035】
また、本発明に係るアルキル基、アルケニル基およびアルコキシ基はいずれも直鎖状または分岐状が好ましい。また、本発明に係る「アルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。なお、本明細書中において、アルキル基の例は共通であり、各々のアルキル基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
【0036】
また、本発明に係る「アルケニル基」の例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。また、本発明に係るより好ましいアルケニル基としては次に記載する式(i)(ビニル基)、式(ii)(1−プロペニル基)、式(iii)(3−ブテニル基)、式(iv)(3−ペンテニル基)、式(v)(2−ペンテニル基)、式(vi)(4−ペンテニル基):
【0037】
【化5】
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【0038】
(上記式(i)〜(iv)中、*は環構造への結合部位を示す。)
で表される。なお、本明細書中において、アルケニル基の例は共通であり、各々のアルキル基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
【0039】
本発明に係る「アルコキシ基」の例は、本発明に係るアルキル基に酸素原子が直接結合した基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−プロポキシ基、i−プロポキシ基)、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、オクチルオキシ基がより好ましい。なお、本明細書中において、アルコキシ基の例は共通であり、各々のアルコキシ基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
【0040】
本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、下記一般式(L)で表される化合物が好ましい。
【0041】
【化6】
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【0042】
(上記一般式(L)中、RL1及びRL2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
OLは0、1、2又は3を表し、
L1、BL2及びBL3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L1及びLL2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
OLが2又は3であってLL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、OLが2又は3であってBL3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
本発明に係る液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種類以上含有することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では6種類である。さらに、本発明の別の実施形態では7種類である。さらに、本発明の別の実施形態では8種類である。さらに、本発明の別の実施形態では9種類である。さらに、本発明の別の実施形態では10種類以上である。
【0043】
本発明の液晶組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0044】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(L)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては10〜90質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜85質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は22〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は31〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は40〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は41〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は45〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜80質量%であるさらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は49〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は50〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は51〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は58〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は59〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は70〜57質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜76質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜70質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜59質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜58質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜55質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜53質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜51質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜43質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜41質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜37質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜33質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜31質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜37質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜43質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は40〜76質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は45〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜55質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は49〜55質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は50〜53質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は51〜56質量%である。
【0045】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0046】
L1及びRL2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0047】
本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には塩素原子をその分子内に有さないことが好ましい。
【0048】
本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、例えば、一般式(I)で表される化合物群から選ばれる化合物が好ましい。
【0049】
【化7】
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【0050】
(上記一般式(I)中、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
11およびA12はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基または3−フルオロ−1,4−フェニレン基を表す。)
前記一般式(I)で表される化合物群において組み合わせることができる化合物の種類は特に制限は無いが、低温での溶解性、粘性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では6種類以上である。
【0051】
本発明の液晶組成物における一般式(I)で表されるいわゆる二環の化合物の含有量は、低温での溶解性、粘性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0052】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては10〜75質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜70質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜65質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜59質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜51質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜43質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜41質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜33質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜31質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜29質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は31〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は32〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は41〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は44〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は48〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は49〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は51〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜29質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は32〜43質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は44〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜51質量%である。
【0053】
本発明に係る液晶組成物において、粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物を提供することができる観点から、一般式(I)で表される化合物群を含むことが特に好ましい。
【0054】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は、前記一般式(I)で表される化合物(群)の含有量の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。
【0055】
さらに、前記一般式(I)で表される化合物は一般式(I−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0056】
【化8】
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【0057】
(上記一般式(I−1)中、R11およびR12は上記一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物において、一般式(I−1)で表される化合物として、1〜10種類、1〜9種類、1〜8種類、1〜7種類、1〜6種類、2〜9種類、2〜8種類、2〜6種類、3〜9種類、3〜7種類、3〜6種類または4〜6種類混合して含有していることが好ましい。
【0058】
本発明に係る液晶組成物において、粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物を提供することができる観点から、一般式(I−1)で表される化合物群を含むことが特に好ましい。
【0059】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−1)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては10〜70質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜59質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜50質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜46質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜33質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜20質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は21〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は26〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は49〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は50〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜45質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は21〜24質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜38質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜29質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜46質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜38質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜45質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜48質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜48質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜49質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜56質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜50質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜52質量%であるまた、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜47質量%である。
【0060】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。
【0061】
さらに、前記一般式(I−1)で表される化合物は、一般式(I−1−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0062】
【化9】
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【0063】
(上記一般式(I−1−1)中、R12は一般式(I)における意味と同じ意味を表し、Ra1は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である)
本発明に係る液晶組成物において、粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物を提供することができる観点から、一般式(I−1−1)で表される化合物群を含むことが特に好ましい。
【0064】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−1−1)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜45質量%である。また、本発明の一つの実施形態としては1〜35質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜13質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜7質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜13質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜7質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜13質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜26質量%である。
【0065】
さらに、前記一般式(I−1−1)で表される化合物は、式(1.1)から式(1.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(1.2)または式(1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(1.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0066】
【化10】
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【0067】
【化11】
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【0068】
【化12】
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【0069】
【化13】
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【0070】
【化14】
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【0071】
前記式(1.2)または前記式(1.3)で表される化合物がそれぞれ単独で使われる場合は、式(1.2)で表される化合物の含有量は高めであることが応答速度の改善に効果があり、式(1.3)で表される化合物の含有量は下記に示す範囲が応答速度の速く電気的、光学的に信頼性が高い液晶組成物ができるので好ましい。
【0072】
前記式(1.3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜45質量%である。また、本発明の一つの実施形態としては1〜35質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜25質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜18質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜13質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜12質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜7質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜13質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜8質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜7質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜12質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜12質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜10質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜18質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜15質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜13質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜13質量%である。
【0073】
さらに、本発明に係る一般式(I−1)で表される化合物は、一般式(I−1−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0074】
【化15】
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【0075】
(上記一般式(I−1−2)中、R12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(I−1−2)として使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。
【0076】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−1−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、粘性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0077】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−1−2)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜70質量%である。また、本発明の一つの実施形態としては1〜65質量%である。さらに、本発明の一つの実施形態としては1〜55質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜50質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜36質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜32質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜27質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜24質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は16〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は24〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は45〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜24質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜32質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は16〜27質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は24〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜36質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜45質量%である。
【0078】
さらに、一般式(I−1−2)で表される化合物は、式(2.1)から式(2.8)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(2.2)から式(2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(2.2)で表される化合物は本発明の液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(2.3)または式(2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(2.3)および式(2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために30%未満にすることが好ましい。
【0079】
【化16】
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【0080】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0081】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0082】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
本発明の液晶組成物において、式(2.2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、1質量%以上65質量%以下であることが好ましく、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、1質量%以上55質量%以下であることが好ましく、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることが好ましくい。これらの中で、9質量%47質量%以下、9質量%以上15質量%以下、11質量%以上44質量%以下、15質量%以上32質量%以下、20質量%以上35質量%以下、23質量%以上26質量%以下、24質量%以上40質量%以下、25質量%以上36質量%以下、28質量%以上38質量%以下、30質量%以上40質量%以下、30質量%以上39質量%以下、30質量%以上38質量%以下、33質量%以上47質量%以下、35質量%以上44質量%以下、35質量%以上40質量%以下、38質量%以上45質量%以下、39質量%以上47質量%以下、が好ましい。
【0084】
本発明の液晶組成物において、式(2.3)で表される化合物の含有量 は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上22質量%以下であることが好ましく、5質量%以上22質量%以下であることが好ましく、11質量%以上22質量%以下であることが好ましく、13質量%以上22質量%以下であることが好ましく、4質量%以上16質量%以下であることが好ましく、4質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上10質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、12質量%以上15質量%以下であることが好ましく、13質量%以上16質量%以下であることが好ましい。
【0085】
本発明の液晶組成物において、式(2.4)で表される化合物の含有量 は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%25質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上25質量%以下であることが好ましく、12質量%以上25質量%以下であることが好ましく、17質量%以上25質量%以下であることが好ましく、20質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上20質量%以下であることが好ましく、4質量%以上13質量%以下であることが好ましく、12質量%以上24質量%以下であることが好ましく、17質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
【0086】
本願発明の液晶組成物は、更に、一般式(I−1−2)で表される化合物と類似した構造を有する式(2.5)で表される化合物を含有することもできる。
【0087】
【化20】
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【0088】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて式(2.5)であらわされる化合物の含有量を調整することが好ましく、含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0089】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて前記式(2.5)で表される化合物の含有量を調整することが好ましく、この化合物を本発明の液晶組成物の総質量に対して、0〜40質量%含有することが好ましく、1〜35質量%含有することが好ましく、1〜30質量%含有することが好ましく、5〜30質量%含有することが好ましく、10〜30質量%含有することが好ましく、15〜30質量%含有することが好ましく、20〜30質量%含有することが好ましく、25〜30質量%含有することが好ましい。
【0090】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は一般式(I−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0091】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0092】
(上記一般式(I−2)中、R13およびR14はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。
【0093】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0094】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−2)で表される化合物の含有量 は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜23質量%である。
【0095】
さらに、一般式(I−2)で表される化合物は、式(3.1)から式(3.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(3.1)、式(3.3)または式(3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(3.2)で表される化合物は本発明の液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(3.3)または式(3.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(3.3)および式(3.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために20%未満にすることが好ましい。
【0096】
さらに、一般式(I−2)で表される化合物は、式(3.1)から式(3.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(3.1)、式(3.3)および/または式(3.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0097】
【化22】
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【0098】
【化23】
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【0099】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0101】
本発明の液晶組成物において、前記式(3.3)で表される化合物の含有量 は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
【0102】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0103】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0104】
(上記一般式(I−3)中、R13は一般式(I−2)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。
【0105】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0106】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−3)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては3〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜5質量%である。
【0107】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0108】
さらに、一般式(I−3)で表される化合物は、式(4.1)から式(4.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(4.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0109】
【化27】
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【0110】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
前記式(4.3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、4質量%以上30質量%以下であることが好ましく、6質量%以上30質量%以下であることが好ましく、8質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、12質量%以上30質量%以下であることが好ましく、14質量%以上30質量%以下であることが好ましく、16質量%以上30質量%以下であることが好ましく、18質量%以上25質量%以下であることが好ましく、20質量%以上24質量%以下であることが好ましく、22質量%以上23質量%以下であることが特に好ましい。
【0113】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−0)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0114】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
(上記一般式(I−0)中、R1bは一般式(A)におけるRと同じ意味を表し、R2bはそれぞれ一般式(A)におけるRと同じ意味を表し、n1bは1又は2を表し、A1bは一般式(A)におけるAと同じ意味を表し、Z1bは一般式(A)におけるZと同じ意味を表す。)で表される化合物群の中から少なくとも1種類が選択されることが好ましい。
【0116】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−0)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上55質量%以下であることが好ましく、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることが好ましくい。これらの中で、9質量%47質量%以下、9質量%以上15質量%以下、11質量%以上44質量%以下、15質量%以上32質量%以下、20質量%以上35質量%以下、23質量%以上26質量%以下、24質量%以上40質量%以下、25質量%以上36質量%以下、28質量%以上38質量%以下、30質量%以上40質量%以下、30質量%以上39質量%以下、30質量%以上38質量%以下、33質量%以上47質量%以下、35質量%以上44質量%以下、35質量%以上40質量%以下、38質量%以上45質量%以下、39質量%以上47質量%以下、が好ましい。
【0117】
本発明の液晶組成物において、式(2.3)で表される化合物の含有量 は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上22質量%以下であることが好ましく、5質量%以上22質量%以下であることが好ましく、11質量%以上22質量%以下であることが好ましく、13質量%以上22質量%以下であることが好ましく、4質量%以上16質量%以下であることが好ましく、4質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上10質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、12質量%以上15質量%以下であることが好ましく、13質量%以上16質量%以下であることが好ましい。
【0118】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−0)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、粘性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0119】
特に、後述の一般式(II−2)で表される化合物が組成物に含まれると、液晶組成物の応答速度の上昇の観点から好ましい。
【0120】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0121】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
(上記一般式(I−4)中、R11およびR12は一般式(A)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。
【0123】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0124】
特に、後述の式(5.4)が組成物に含まれると、液晶組成物の応答速度の上昇の観点から好ましい。また、偶奇効果や弾性定数(K33)の観点でも好ましい。
【0125】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−4)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては2〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、5〜8質量%である。
【0126】
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0127】
さらに、一般式(I−4)で表される化合物は、式(5.1)から式(5.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(5.2)から式(5.7)で表される化合物であることがより好ましく、式(5.3)〜式(5.4)ならなる群から選択される化合物を少なくとも1種含むことがさらに好ましい。
【0128】
前記一般式(I−4)で表される骨格の端部の置換基の一方に炭素原子数1〜8個のアルケニル基を含むと液晶組成物の高速応答性の観点で好ましい。
【0129】
【化32】
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【0130】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0131】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0133】
【化36】
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【0134】
【化37】
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【0135】
【化38】
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【0136】
特に、前記式(5.4)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して2質量%以上30質量%以下であることが好ましい。これらの中でも、例えば、4質量%以上30質量%以下、6質量%以上30質量%以下、8質量%以上30質量%以下、10質量%以上30質量%以下、12質量%以上30質量%以下、14質量%以上30質量%以下、16質量%以上30質量%以下、18質量%以上30質量%以下、20質量%以上30質量%以下、22質量%以上30質量%以下、23質量%以上30質量%以下、24質量%以上30質量%以下、25質量%以上30質量%以下、或いは、4質量%以上6質量%以下、4質量%以上8質量%以下、4質量%以上10質量%以下、4質量%以上12質量%以下、4質量%以上14質量%以下、4質量%以上16質量%以下、4質量%以上18質量%以下、4質量%以上20質量%以下、4質量%以上22質量%以下、4質量%以上23質量%以下、4質量%以上24質量%以下、4質量%以上25質量%以下が好ましい。
【0137】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0138】
【化39】
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【0139】
(上記一般式(I−5)中、R11およびR12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。
【0140】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0141】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−5)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜25質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜11質量%である。
【0142】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0143】
さらに、一般式(I−5)で表される化合物は、式(6.1)から式(6.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(6.3)、式(6.4)および式(6.6)で表される化合物であることが好ましい。
【0144】
【化40】
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【0145】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0149】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
本願発明の液晶組成物は、更に、一般式(I−5)で表される化合物と類似した構造を有する式(2.7)及び式(6.8)で表される化合物を含有することもできる。
【0151】
【化46】
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【0152】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて式(6.7)であらわされる化合物の含有量を調整することが好ましい。
【0154】
さらに、本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、一般式(I−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0155】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
(上記一般式(I−6)中、R11およびR12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(I−6)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、4質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、6質量%以上30質量%以下であることが好ましく、9質量%以上30質量%以下であることが好ましく、12質量%以上30質量%以下であることが好ましく、14質量%以上30質量%以下であることが好ましく、16質量%以上30質量%以下であることが好ましく、18質量%以上25質量%以下であることが好ましく、20質量%以上24質量%以下であることが好ましく、22質量%以上23質量%以下であることが好ましい。 さらに、一般式(I−6)で表される化合物は、式(7.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0157】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0158】
さらに、一般式(I)で表される化合物は一般式(I−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0159】
【化50】
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【0160】
(式中、R11およびR12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物の総質量に対する前記一般式(I−7)で表される化合物の含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
【0161】
さらに、一般式(I−7)で表される化合物は、式(8.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0162】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
さらに、一般式(I)で表される化合物は一般式(I−8)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0164】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0165】
(式中、R16およびR17はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、1種類から3種類組み合わせることが好ましい。また、前記一般式(I−8)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、本発明の液晶組成物の総質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることが好ましく、1〜18質量%であることが好ましく、3〜18質量%であることが好ましく、4〜9質量%であることが好ましく、4〜6質量%であることが好ましい。
【0166】
さらに、一般式(I−8)で表される化合物は、式(9.1)から式(9.10)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(9.2)、式(9.4)および式(9.7)で表される化合物であることが好ましい。
【0167】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0168】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0169】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0170】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0172】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0173】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0174】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0175】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0177】
さらに、本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、例えば一般式(II)で表される化合物から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0178】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0179】
(上記一般式(II)中、R21およびR22はそれぞれ独立して、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Aは1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表し、Qは単結合、−COO−、−CH−CH−または−CFO−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明のさらに別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では4種類以上である。
【0180】
本発明の液晶組成物において、一般式(II)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0181】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(II)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては3〜35質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜18質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は16〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜18質量%である。
【0182】
さらに、前記一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0183】
【化64】
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【0184】
(上記一般式(II−1)中、R21およびR22は一般式(II)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(II−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましい。
含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0185】
前記一般式(II−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましく、4質量%以上24質量%以下が好ましく、8質量%以上18質量%以下であることが好ましく、12質量%以上14質量%以下であることが更に好ましい。
【0186】
さらに、一般式(II−1)で表される化合物は、例えば式(10.1)及び式(10.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0187】
【化65】
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【0188】
さらに、本発明に係る一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0189】
【化66】
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【0190】
(上記一般式(II−2)中、R23は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、R24は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。式(11.1)、式(11.2)が液晶組成物に含まれると、液晶組成物の高速応答に関するパラメーターの向上に貢献する。また、使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0191】
本発明の液晶組成物において、一般式(II−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、高速応答性、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0192】
前記一般式(II−2)で表される化合物の好ましい含有量は、例えば、本発明の液晶組成物の総質量に対して2〜45質量%が挙げられる。これらの中でも、例えば、5〜45質量%、8〜45質量%、11〜45質量%、14〜45質量%、17〜35質量%、17〜31質量%、18〜28質量%、18〜27質量%、18〜26質量%、或いは2〜45質量%、3〜40質量%、4〜35質量%、5〜30質量%、6〜25質量%、7〜24質量%、8〜23質量%、9〜23質量%が好ましい。
【0193】
さらに、本発明に係る一般式(II−2)で表される化合物は、例えば式(11.1)から式(11.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0194】
【化67】
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【0195】
【化68】
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【0196】
【化69】
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【0197】
【化70】
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【0198】
【化71】
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【0199】
【化72】
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【0200】
【化73】
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【0201】
【化74】
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【0202】
【化75】
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【0203】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(11.1)〜(11.9)で表される化合物を一つ含有していても、式(11.1)〜(11.9)で表される化合物を二つ含有していても、式(11.1)〜(11.9)で表される化合物を三つ含有していてもよく、さらに、式(11.1)で表される化合物を1種含有していても、式(11.2)で表される化合物を1種含有していても、式(11.1)で表される化合物と式(11.2)で表される化合物との両方を含有していても良いし、式(11.1)から式(11.3)で表される化合物を全て含んでいても良い。式(11.1)および/または式(11.2)で表される化合物を含むことがより好ましく、それぞれの含有量の好ましい範囲は、下記に示すとおりである。
【0204】
本発明の液晶組成物において、式(11.1)で表される化合物の各々の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上55質量%以下であることが好ましく、2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましい。これらの中で、4質量%22質量%以下、4質量%以上20質量%以下、4質量%以上18質量%以下、5質量%以上16質量%以下、6質量%以上15質量%以下、7質量%以上15質量%以下、8質量%以上14質量%以下が好ましい。
【0205】
本発明の液晶組成物において、式(11.2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上22質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、6質量%以上14質量%以下であることが好ましく、7質量%以上13質量%以下であることが好ましく、7質量%以上12質量%以下であることが好ましく、7質量%以上11質量%以下であることが好ましい。
【0206】
本発明に係る液晶組成物において、式(11.1)で表される化合物と式(11.2)で表される化合物との両方を含有する場合は相溶性の観点で好ましい。当該式(11.1)で表される化合物と当該式(11.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、両方の化合物の合計含有量の好ましい範囲は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、6質量%以上30質量%以下であることが好ましく、7質量%以上28質量%以下であることが好ましい。これらの中で、8質量%27質量%以下、9質量%以上28質量%以下、10質量%以上25質量%以下が好ましい。
【0207】
さらに、一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0208】
【化76】
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【0209】
(上記一般式(II−3)中、R25は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R24は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましい。
【0210】
一般式(II−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0211】
前記一般式(II−3)で表される化合物の好ましい含有量は、例えば、本発明の液晶組成物の総質量に対して2〜45質量%が挙げられる。これらの中でも、例えば、5〜45質量%、8〜45質量%、11〜45質量%、14〜45質量%、17〜45質量%、20〜45質量%、23〜45質量%、26〜45質量%、29〜45質量%、或いは2〜45質量%、2〜40質量%、2〜35質量%、2〜30質量%、2〜25質量%、2〜20質量%、2〜15質量%、2〜10質量%が好ましい。
【0212】
さらに、一般式(II−3)で表される化合物は、例えば式(12.1)から式(12.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0213】
【化77】
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【0214】
【化78】
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【0215】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0216】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(12.1)で表される化合物を含有していても、式(12.2)で表される化合物を含有していても、式(12.1)で表される化合物と式(12.2)で表される化合物との両方を含有していても良い。式(12.3)で表される化合物は、光学活性化合物であってもよい。
【0217】
さらに、本発明に係る一般式(II−3)で表される化合物は、例えば一般式(II−3−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0218】
【化80】
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【0219】
(上記一般式(II−3−1)中、R25は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R26は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(II−3−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましく、1質量%以上24質量%以下が好ましく、4質量%以上18質量%以下であることが好ましく、6質量%以上14質量%以下であることが好ましい。
【0220】
さらに、一般式(II−3−1)で表される化合物は、例えば式(13.1)から式(13.4)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(13.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0221】
【化81】
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【0222】
【化82】
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【0223】
【化83】
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【0224】
【化84】
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【0225】
さらに、本発明に係る一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0226】
【化85】
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【0227】
(上記一般式(II−4)中、R21およびR22はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
これらの化合物のうち1種類だけを含有していても2種類以上含有していても良いが、求められる性能に応じて適宜組み合わせることが好ましい。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、これらの化合物の中から1〜2種類を含有することが好ましく、1〜3種類を含有することがより好ましい。
【0228】
前記一般式(II−4)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上12質量%以下であることが好ましく、5質量%以上7質量%以下であることが好ましい。
【0229】
さらに、一般式(II−4)で表される化合物は、例えば式(14.1)から式(14.5)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(14.2)または/および式(14.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0230】
【化86】
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【0231】
【化87】
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【0232】
【化88】
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【0233】
【化89】
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【0234】
【化90】
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【0235】
さらに、本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、一般式(III)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0236】
【化91】
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【0237】
(上記一般式(III)中、R31およびR32はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基をまたは炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(III)で表される化合物の含有量は、求められる溶解性や複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上25質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、4質量%以上6質量%以下含有することが好ましい。
【0238】
さらに、一般式(III)で表される化合物は、例えば式(15.1)又は式(15.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(15.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0239】
【化92】
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【0240】
【化93】
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【0241】
さらに、前記一般式(III)で表される化合物は、一般式(III−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0242】
【化94】
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【0243】
(上記一般式(III−1)中、R33は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し。R32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(III−1)で表される化合物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じてその含有量を調整することが好ましい。本発明の液晶組成物の総質量に対して、4質量%以上23質量%以下が好ましく、6質量%以上18質量%以下であることが好ましく、10質量%以上13質量%以下であることが好ましい。
【0244】
前記一般式(III−1)で表される化合物は、たとえば式(16.1)または式(16.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0245】
【化95】
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【0246】
【化96】
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【0247】
さらに、一般式(III)で表される化合物は、一般式(III−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0248】
【化97】
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【0249】
(上記一般式(III−2)中、R31は一般式(III)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(III−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましく、本発明の液晶組成物の総質量に対して、4質量%以上23質量%以下が好ましく、6質量%以上18質量%以下であることが好ましく、10質量%以上13質量%以下であることが好ましい。
【0250】
さらに、当該一般式(III−2)で表される化合物は、たとえば式(17.1)から式(17.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(17.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0251】
【化98】
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【0252】
【化99】
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【0253】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、一般式(IV)で表される群より選ばれることが好ましい。
【0255】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0256】
(上記一般式(IV)中、R41及びR42はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、X41及びX42はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子を表す。)
当該一般式(IV)で表される化合物の組み合わせ可能な種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせる。後述の式(18.1)から式(18.9)で表される化合物等の一般式(IV)の構造を備えた化合物を液晶組成物に添加すると、液晶組成物のΔnや他の液晶組成物を構成する成分との溶解性が向上する。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜6種類である。
【0257】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IV)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜22質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜22質量%である。
【0258】
さらに、一般式(IV)で表される化合物は、例えば一般式(IV−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0259】
【化102】
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【0260】
(上記一般式(IV)中、R43、R44はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
一般式(IV−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0261】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IV−1)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜22質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜22質量%である。
【0262】
さらに、一般式(IV−1)で表される化合物は、例えば式(18.1)から式(18.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0263】
【化103】
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【0264】
【化104】
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【0265】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0268】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0270】
【化110】
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【0271】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0272】
上記一般式(IV−1)で表される化合物において、組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、一般式(IV−1)で表される化合物群から選択される化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(18.1)または(18.2)で表される化合物から1種類、式(18.4)または(18.5)で表される化合物から1種類、式(18.6)または式(18.7)で表される化合物から1種類、式(18.8)または(18.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(18.1)、式(18.3)式(18.4)、式(18.6)および式(18.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0273】
さらに、一般式(IV)で表される化合物は、例えば一般式(IV−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0274】
【化112】
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【0275】
(上記一般式(IV−2)中、R45及びR46はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、前記R45またはR46の少なくとも1つは炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、X41及びX42はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。
【0276】
一般式(IV−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。例えば、本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IV−2)で表される化合物の含有量は1〜20質量%であることが好ましい。より好ましい含有量としては、例えば、1〜11質量%、2〜11質量%、4〜11質量%、1〜6質量%、1〜4質量%、2〜6質量%、が挙げられる。
【0277】
さらに、一般式(IV−2)で表される化合物は、例えば式(19.1)から式(18.8)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(19.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0278】
【化113】
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【0279】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0280】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0282】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0284】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【0286】
液晶組成物の成分として選ばれる化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(19.1)または(19.2)で表される化合物から1種類、式(19.3)または(19.4)で表される化合物から1種類、式(19.5)または式(19.6)で表される化合物から1種類、式(19.7)または(19.8)で表される化合物から1種類の化合物をそれぞれ選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。
【0287】
さらに、本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、一般式(V)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0288】
【化121】
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【0289】
(上記一般式(V)中、R51およびR52はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、A51およびA52はそれぞれ独立して1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表し、Qは単結合または−COO−を表し、X51およびX52はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わされる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態において1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類である。更に、本発明の別の実施形態では4種類である。
【0290】
本発明に係る液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(V)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜9質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜7質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1質〜5量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜3質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜2質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜8質量%である。
【0291】
さらに、本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0292】
【化122】
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【0293】
(上記一般式(V−1)中、R51およびR52、X51およびX52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す)
さらに、前記一般式(V−1)で表される化合物は、一般式(V−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0294】
【化123】
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【0295】
(上記一般式(V−1−1)中、R51およびR52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(V−1−1)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することが更に好ましく、3質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上7質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上5質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上4質量%以下含有することが好ましい。
【0296】
さらに、前記一般式(V−1−1)で表される化合物は、式(20.1)から式(20.4)で表される化合物であることが好ましく、式(20.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0297】
【化124】
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【0298】
【化125】
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【0299】
【化126】
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【0300】
【化127】
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【0301】
さらに、本発明に係る一般式(V−1)で表される化合物は、一般式(V−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0302】
【化128】
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【0303】
(上記一般式(V−1−2)中、R51およびR52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(V−1−2)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上7質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上5質量%以下含有することが好ましい。
【0304】
さらに、前記一般式(V−1−2)で表される化合物は、式(21.1)から式(21.3)で表される化合物であることが好ましく、式(21.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0305】
【化129】
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【0306】
【化130】
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【0307】
【化131】
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【0308】
さらに、本発明に係る一般式(V−1)で表される化合物は、一般式(V−1−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0309】
【化132】
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【0310】
(上記一般式(V−1−3)中、R51およびR52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(V−1−3)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、4質量%以上8質量%以下含有することが好ましい。
【0311】
さらに、前記一般式(V−1−3)で表される化合物は、式(22.1)から式(22.3)で表される化合物である。式(22.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0312】
【化133】
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【0313】
【化134】
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【0314】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
さらに、本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0316】
【化136】
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【0317】
(上記一般式(V−2)中、R51およびR52、X51およびX52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせされる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0318】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(V−2)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は2〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は5〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は6〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は10〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は4〜8質量%である。
【0319】
本発明の液晶組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(V−2)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0320】
さらに、本発明に係る一般式(V−2)で表される化合物は、一般式(V−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0321】
【化137】
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【0322】
(上記一般式(V−2)中、R51およびR52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、前記一般式(V−2−1)で表される化合物は、式(23.1)から式(23.4)で表される化合物であることが好ましく、式(23.1)または/および式(23.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0323】
【化138】
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【0324】
【化139】
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【0325】
【化140】
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【0326】
【化141】
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【0327】
さらに、本発明に係る一般式(V−2)で表される化合物は、一般式(V−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0328】
【化142】
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【0329】
(上記一般式(V−2−2)中、R51およびR52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、前記一般式(V−2−2)で表される化合物は、式(24.1)から式(24.4)で表される化合物であることが好ましく、式(24.1)または/および式(24.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0330】
【化143】
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【0331】
【化144】
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【0332】
【化145】
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【0333】
【化146】
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【0334】
さらに、本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0335】
【化147】
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【0336】
(上記一般式(V−3)中、R51およびR52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わされる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
【0337】
前記一般式(V−3)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上16質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上13質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上9質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上9質量%以下含有することが好ましい。
【0338】
さらに、一般式(V−3)で表される化合物は、式(25.1)から式(24.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0339】
【化148】
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【0340】
【化149】
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【0341】
【化150】
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【0342】
本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0343】
【化151】
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【0344】
(上記一般式(V−4)中、R51及びR52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(V−4)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、4質量%以上8質量%以下含有することが好ましい。
【0345】
さらに、前記一般式(V−4)で表される化合物は、式(25.11)から式(25.13)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、式(25.13)で表される化合物であることがより好ましい。
【0346】
【化152】
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【0347】

本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、一般式(V’−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0348】
【化153】
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【0349】
(上記一般式(V’−5)中、R51及びR52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明の液晶組成物の総質量に対して前記一般式(V’−5)で表される化合物を、1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、5質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。
【0350】
さらに、前記一般式(V’−5)で表される化合物は、式(25.21)から式(25.24)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、式(25.21)及び/又は式(25.23)で表される化合物であることがより好ましい。
【0351】
【化154】
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【0352】
本発明の液晶組成物は、更に、一般式(VI)で表される化合物および一般式(VII)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類以上含有することが好ましい。また、本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、一般式(VI)で表される化合物および/または一般式(VII)で表される化合物であることが好ましい。
【0353】
【化155】
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【0354】
【化156】
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【0355】
(上記一般式(VI)および(VII)中、R6162、R71およびR72はそれぞれ独立して炭素原子数1から10の直鎖アルキル基、炭素原子数1から10の直鎖アルコキシ基又は炭素原子数2から10の直鎖アルケニル基を表す。)
前記一般式(VI)で表される化合物は、具体的には次に挙げる化合物が好適に使用できる。
【0356】
【化157】
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【0357】
【化158】
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【0358】
【化159】
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【0359】
【化160】
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【0360】
前記一般式(VII)で表される化合物は、具体的には次に挙げる化合物が好適に使用できる。
【0361】
【化161】
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【0362】
上記一般式(VI)または一般式(VII)で表される化合物を満たすそれぞれにおいて、それぞれの構造式を満たす化合物の組み合わせ可能な種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、それぞれの式を満たす化合物の中から1〜3種類を配合することが好ましく、1〜4種類を含有することがより好ましく、1〜5種類以上を含有することが特に好ましい。
【0363】
前記一般式(VI)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0〜35質量%であることが好ましく、0〜25質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることが好ましい。
【0364】
前記一般式(VII)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0〜35質量%が好ましく、0〜25質量%がより好ましく、0〜15質量%が好ましい。
【0365】
本発明に係る液晶組成物は、第二成分として一般式(M)で表される化合物を少なくとも1種以上含む。当該第二成分としての一般式(M)は、以下の化学構造で表される。
【0366】
本発明に係る一般式(M)は、
【0367】
【化162】
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【0368】
(上記一般式(M)中、RM1は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
PMは、0、1、2、3又は4を表し、
M1及びCM2はそれぞれ独立して、
(d) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(d)、基(e)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
M1及びKM2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
PMが2、3又は4であってKM1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、PMが2、3又は4であってCM2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
M1及びXM3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。ただし、一般式(A)で表される化合物を除く。)である。
【0369】
第二成分として組み合わせることができる上記一般式(M)で表される化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、誘電率、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。さらに、本発明の別の実施形態では3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では6種類である。さらに、本発明の別の実施形態では7種類以上である。
【0370】
本発明の液晶組成物において、一般式(M)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0371】
前記一般式(M)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態としては1〜70質量%である。さらに、例えば本発明の別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜65質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜60質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜55質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜51質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜47質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜42質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜40質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜39質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜37質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜35質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜33質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜32質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜31質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜30質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜29質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜25質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜24質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜20質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜19質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜10質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜9質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜8質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は9〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は19〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は20〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は22〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は26〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は28〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は29〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は30〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は31〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は32〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は33〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は39〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は42〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は46〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は48〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は52〜54質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜8質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は9〜10質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は19〜25質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は22〜24質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は26〜29質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は28〜35質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は28〜33質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は31〜32質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は32〜33質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は33〜42質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は39〜42質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は42〜47質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は48〜51質量%である。
【0372】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0373】
M1は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0374】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には塩素原子をその分子内に有さないことが好ましい。更に液晶組成物内に塩素原子を有する化合物が5%以下であることが好ましく、3%以下であることが好ましく、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることが好ましく、実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、化合物製造時の不純物として生成した化合物等の意図せず塩素原子を含む化合物のみが液晶組成物に混入することを意味する。
【0375】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(B):
【0376】
【化163】
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【0377】
(上記一般式(B)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、Aが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
はそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−又は−CFO−を表し、
及びYはそれぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表し、Xはフッ素原子、−CN基又は−OCF基を表し、
は、1、2、3又は4を表す。)
で表される化合物であることが好ましい。また、本発明に係る一般式(B)で表される化合物において、mが2または3であることが好ましい。mが2であるとより低い駆動電圧という特性がある。また、mが3であるとより高い転移温度という特性がある。
【0378】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(X)で表される化合物であることが好ましい。
【0379】
【化164】
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【0380】
(上記一般式(X)中、X101からX104はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y10はフッ素原子、塩素原子、−OCFを表し、Q10は単結合または−CFO−を表し、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、A101およびA102はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基または
【0381】
【化165】
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【0382】
【化166】
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【0383】
【化167】
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【0384】
を表すが、1,4−フェニレン基上の水素原子はフッ素原子によって置換されていてもよい。)
前記一般式(X)で表される化合物において組み合わせることのできる化合物は特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。また、本発明の別の実施形態では2種類である。更に別の実施形態では3種類である。更にまた別の実施形態では4種類である。更にまた別の実施形態では5種類以上である。
【0385】
前記一般式(X)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに適宜調整される。たとえば、前記一般式(X)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では1〜35質量%、別の実施形態では1〜30質量%、さらに別の実施形態では1〜25質量%、またさらに別の実施形態では1〜24質量%、またさらに別の実施形態では1〜20質量%、またさらに別の実施形態では1〜19質量%、またさらに別の実施形態では1〜16質量%、またさらに別の実施形態では1〜12質量%、またさらに別の実施形態では1〜11質量%、またさらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜9質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜8質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜7質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜3質量%、またさらに別の実施形態では含有量は3〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は5〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は6〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は8〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は11〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は13〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は15〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は17〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は3〜7質量%、またさらに別の実施形態では含有量は5〜10質量%、またさらに別の実施形態では含有量は6〜9質量%、またさらに別の実施形態では含有量は6〜8質量%、またさらに別の実施形態では含有量は8〜11質量%、またさらに別の実施形態では含有量は11〜19質量%、またさらに別の実施形態では含有量は11〜12質量%、またさらに別の実施形態では含有量は13〜16質量%、またさらに別の実施形態では含有量は15〜19質量%、またさらに別の実施形態では含有量は17〜20質量%である。
【0386】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0387】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(X−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0388】
【化168】
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【0389】
(上記一般式(X−1)中、X101からX103およびR10は一般式(X)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。また、本発明の別の実施形態では2種類である。更に別の実施形態では3種類である。更にまた別の実施形態では4種類である。更にまた別の実施形態では5種類以上である。
【0390】
前記一般式(X−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して適宜調整される。
【0391】
たとえば、前記一般式(X−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では1〜20質量%、別の実施形態では1〜15質量%、さらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では1〜9質量%、またさらに別の実施形態では1〜8質量%、またさらに別の実施形態では1〜7質量%、またさらに別の実施形態では1〜6質量%、またさらに別の実施形態では1〜3質量%、またさらに別の実施形態では3〜9質量%、またさらに別の実施形態では4〜9質量%、またさらに別の実施形態では5〜9質量%、またさらに別の実施形態では6〜9質量%、またさらに別の実施形態では8〜9質量%、またさらに別の実施形態では3〜7質量%、またさらに別の実施形態では5〜7質量%、またさらに別の実施形態では6〜7質量%である。
【0392】
さらに、本発明に係る一般式(X−1)で表される化合物は、一般式(X−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0393】
【化169】
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【0394】
(上記一般式(X−1−1)中、R10は一般式(X)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(X−1−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して適宜調整される。
【0395】
前記一般式(X−1−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では1〜25質量%、別の実施形態では1〜20質量%、さらに別の実施形態では1〜15質量%、またさらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では3〜10質量%、またさらに別の実施形態では5〜10質量%である。
【0396】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−1−1)で表される化合物は、具体的には式(36.1)から式(36.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(36.1)および/または式(36.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0397】
【化170】
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【0398】
【化171】
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【0399】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
【0400】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【0401】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−1)で表される化合物は、一般式(X−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0402】
【化174】
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【0403】
(上記一般式(X−1−2)中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(X−1−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0404】
さらに、前記一般式(X−1−2)で表される化合物は、具体的には式(37.1)から式(37.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(37.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0405】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【0406】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【0408】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【0409】
さらに、本発明に係る一般式(X−1)で表される化合物は、一般式(X−1−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0410】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
(上記一般式(X−1−3)中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0412】
前記一般式(X−1−3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0413】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−1−3)で表される化合物は、具体的には式(38.1)から式(38.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(38.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0414】
【化180】
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【0415】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0416】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
本発明の液晶組成物に係る一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0419】
【化184】
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【0420】
(上記一般式(X−2)中、X102からX103はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y10はフッ素原子、塩素原子、−OCFを表し、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0421】
さらに、本発明に係る一般式(X−2)で表される化合物は、一般式(X−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0422】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【0423】
(上記一般式(X−2−1)中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0424】
前記一般式(X−2−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%以上であることが好ましく、6質量%以上がより好ましく、9質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0425】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−2−1)で表される化合物は、具体的には式(39.1)から式(39.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(39.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0426】
【化186】
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【0427】
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
【0428】
【化188】
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【0429】
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
【0430】
さらに、本発明に係る一般式(X−2)で表される化合物は、一般式(X−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0431】
【化190】
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【0432】
(上記一般式(X−2−2)中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。一般式(X−2−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%以上であることが好ましく、6質量%以上がより好ましく、9質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0433】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−2−2)で表される化合物は、具体的には式(40.1)から式(40.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(40.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0434】
【化191】
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【0435】
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
【0436】
【化193】
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【0437】
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(IIb)で表される化合物であることが好ましい。
【0439】
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
【0440】
(上記一般式(IIb)中、R3bは、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
2bはそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、A2bが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
2bはそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−、又は−CFO−を表し、
2bは、1、2、3又は4を表し、Y3bはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、X1bはフッ素原子、−CN基又は−OCF基を表す。)で表される化合物群の中から少なくとも1種類の化合物が選択されることが好ましく、前記m2bは2、3がより好ましい。
【0441】
前記一般式(IIb)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。当該化合物の含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では本発明の液晶組成物の総量に対して0.01%、別の実施形態では0.05%、さらに別の実施形態では0.1%、またさらに別の実施形態では0.2%、またさらに別の実施形態では0.3%、またさらに別の実施形態では0.4%、またさらに別の実施形態では0.5%である。また、前記一般式(IIb)で表される化合物の含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では10%、別の実施形態では8%、更に別の実施形態では2%、また更に別の実施形態では1%、また更に別の実施形態では0.8%、また更に別の実施形態では0.7%である。
【0442】
上記一般式(IIa)で表される化合物を液晶組成物に含むと、Δεなどの誘電性を確保できるだけでなく、一般式(A)との相溶性も損なわれない。
【0443】
本発明に係る一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0444】
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
【0445】
(上記一般式(X−3)中、X102からX103はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。前記一般式(X−3)で表される化合物を液晶組成物に含むと、Δεなどの誘電性を確保できるだけでなく、一般式(A)などの第一成分との相溶性も損なわれない。
【0446】
一般式(X−3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を8質量%以下にとどめることが好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
【0447】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−3)で表される化合物は、一般式(X−3−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0448】
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
【0449】
(上記一般式(X−3−1)中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(X−3−1)を満たす化合物において、組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0450】
一般式(X−3−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を5質量%以下にとどめることが好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
【0451】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−3−1)で表される化合物は、具体的には式(41.1)から式(41.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(41.2)で表される化合物を含有することが好ましい。前記式(41.1)から式(41.4)で表される化合物を液晶組成物に含むと、Δεなどの誘電性を確保できるだけでなく、ノンポーラの第一成分との相溶性も損なわれない。
【0452】
【化198】
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【0453】
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
【0454】
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
【0455】
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
更に、一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0457】
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
【0458】
(上記一般式(X−4)中、X102はフッ素原子または水素原子を表し、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0459】
さらに、本発明に係る一般式(X−4)で表される化合物は、一般式(X−4−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0460】
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
【0461】
(上記一般式(X−4−1)中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0462】
前記一般式(X−4−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、17質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がより好ましく、13質量%以下が特に好ましい。
【0463】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−4−1)で表される化合物は、具体的には式(42.1)から式(42.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(42.3)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0464】
【化204】
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【0465】
【化205】
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【0466】
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
【0467】
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
【0468】
更に、本発明に係る一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0469】
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
【0470】
(上記一般式(X−5)中、X102はフッ素原子または水素原子を表し、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0471】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−5)で表される化合物は、一般式(X−5−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0472】
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
【0473】
(上記一般式(X−5−1)中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0474】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−5−1)で表される化合物は、具体的には式(43.1)から式(43.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(43.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0475】
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
【0476】
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
【0477】
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
【0478】
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
【0479】
本発明の液晶組成物に使用される一般式(M)で表される化合物は、一般式(IIa)で表される化合物であることが好ましい。
【0480】
【化214】
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【0481】
(上記一般式(IIa)中、R3aは、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
2aはそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、A2aが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
2aはそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−、又は−CFO−を表し、
2aは、1、2、3又は4を表し、Y3aはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、X1aはフッ素原子、−CN基又は−OCF基を表す。)で表される化合物群の中から少なくとも1種類の化合物が選択されることが好ましく、前記一般式(IIa)で表される化合物から少なくとも2種類の化合物が選択されることがより好ましい。また、前記一般式(IIa)において、m2aが2、3又は4であることがより好ましく、m2aが2又は3であることがさらに好ましく、m2aが3であることが特に好ましい。
【0482】
化学骨格の共通性または化学骨格の特徴性を備えた化合物同士の組み合わせにより、顕著に相溶性が向上することが確認された。なかでも、当該一般式(IIa)で表される化合物の下位概念である後述の一般式(X−6)で表される化合物および一般式(XI−1)で表される化合物を組み合わせた第二成分と、一般式(II−2)で表される化合物および好ましくは一般式(I−1)で表される化合物を組み合わせた第一成分と、を含む本発明の液晶組成物においては、従来からの問題点である液晶化合物の析出化が改善された。
【0483】
前記一般式(IIa)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。当該化合物の含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では本発明の液晶組成物の総量に対して2%、別の実施形態では3%、さらに別の実施形態では4%、またさらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では6%、またさらに別の実施形態では7%、またさらに別の実施形態では8%である。またその他の実施形態では9%である。その他別の実施形態では11%、さらに別の実施形態では15%、またさらに別の実施形態では18%である。また、前記一般式(IIa)で表される化合物の含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では20%、更に別の実施形態では13%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では7%、また更に別の実施形態では3%である。
【0484】
本発明の液晶組成物に使用される一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−6)で表される化合物であることが好ましい。
【0485】
【化215】
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【0486】
(上記一般式(X−6)式中、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0487】
本発明に係る液晶組成物において、一般式(X−6)で表される化合物が存在すると、高い転移点、大きなΔε誘電率、また、4環の化合物では低い粘性を示すことが確認された。また、一般式(I−1)、一般式(II−2)および一般式(IV)に対して特異的に良好な相溶性を示すことが確認された。
【0488】
一般式(X−6)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では本発明の液晶組成物の総量に対して4%、別の実施形態では5%、さらに別の実施形態では6%、またさらに別の実施形態では8%、またさらに別の実施形態では9%、またさらに別の実施形態では11%、またさらに別の実施形態では14%である。またさらに別の実施形態では18%である。
【0489】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では20%、更に別の実施形態では13%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では7%、また更に別の実施形態では3%である。
【0490】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−6)で表される化合物は、具体的には式(44.1)から式(44.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(44.1)および/または式(44.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0491】
【化216】
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【0492】
【化217】
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【0493】
【化218】
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【0494】
【化219】
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【0495】
さらに、一般式(X)で表される化合物は、一般式(XI)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0496】
【化220】
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【0497】
(上記一般式(XI)中、X111からX117はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、X111からX117の少なくとも一つはフッ素原子を表し、R11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Y11はフッ素原子または−OCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類以上組み合わせることが好ましい。
【0498】
一般式(XI)で表される化合物が液晶組成物に存在すると、高い転移点、大きなΔε誘電率、高いΔn、また4環の化合物では低い粘性を示すことが確認された。さらに、当該一般式(X−6)で表される化合物は、一般式(I−1)、一般式(II−2)および一般式(IV)で示す化合物に対して特異的に良好な相溶性を示すことが確認された。これにより、本発明に係る液晶組成物において、一般式(M)として一般式(XI)を含むことが特に好ましい
前記一般式(XI)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して2%、別の実施形態では4%、さらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では7%、またさらに別の実施形態では9%、またさらに別の実施形態では10%、またさらに別の実施形態では12%である。またさらに別の実施形態では13%である。またさらに別の実施形態では15%である。またさらに別の実施形態では18%である。
【0499】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では25%、更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では5%である。
【0500】
本発明の液晶組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XI)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XI)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(XI)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XI)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0501】
なお、本明細書におけるセルギャップは対向する配向層間の平均距離を言い、換言すると液晶組成物が充填された液晶層の平均厚みをいう(例えば、当該厚みは10点平均などで算出する。)。
【0502】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XI)で表される化合物は、一般式(XI−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0503】
【化221】
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【0504】
(上記一般式(XI−1)中、R11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、更に別の実施形態では3種類以上組み合わせる。
【0505】
また、前記一般式(XI−1)で表される化合物は、左から2番目のベンゼン環のフッ素が相溶性に特に貢献しているとも考えられており、高い転移点、大きなΔε誘電率、高いΔn、また4環の化合物では低い粘性を示すことが確認された。そのため、当該一般式(X−6)で表される化合物は、一般式(I−1−1)、一般式(I−1−2)、一般式(I−4)、一般式(II−2)および一般式(IV)で示す化合物を含む組成物に対して特異的に良好な相溶性を示すことが確認された。
【0506】
一般式(XI−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、9質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、8質量%以下が特に好ましい。
【0507】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XI−1)で表される化合物は、具体的には式(45.1)から式(45.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(45.2)から式(45.4)で表される化合物を含有することが好ましく、式(45.2)で表される化合物を含有することがより好ましい。
【0508】
【化222】
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【0509】
【化223】
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【0510】
【化224】
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【0511】
【化225】
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【0512】
さらに、一般式(X)で表される化合物は、一般式(XII)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0513】
【化226】
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【0514】
(上記一般式(XII)中、X121からX126はそれぞれ独立して、フッ素原子または水素原子を表し、R12は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Y12はフッ素原子または−OCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類以上組み合わせることが好ましく、1種から4種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0515】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XII)で表される化合物は、一般式(XII−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0516】
【化227】
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【0517】
(上記一般式(XII−1)中、R12は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0518】
一般式(XII−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を15質量%以下にとどめることが好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が特に好ましい。
【0519】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XII−1)で表される化合物は、具体的には式(46.1)から式(46.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(46.2)から式(46.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0520】
【化228】
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【0521】
【化229】
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【0522】
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
【0523】
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
【0524】
さらに、一般式(XII)で表される化合物は、一般式(XII−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0525】
【化232】
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【0526】
(上記一般式(XII−2)中、R12は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0527】
一般式(XII−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、9質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、17質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がより好ましく、13質量%以下が特に好ましい。
【0528】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XII−2)で表される化合物は、具体的には式(47.1)から式(47.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(47.2)から式(47.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0529】
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
【0530】
【化234】
[この文献は図面を表示できません]
【0531】
【化235】
[この文献は図面を表示できません]
【0532】
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
【0533】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(VIII)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0534】
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
【0535】
(上記一般式(VIII)中、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X81からX85はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子を表し、Yはフッ素原子または−OCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用される。使用される化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類以上である。前記一般式(VIII)で表される化合物が液晶組成物中に存在すると、高いΔnを示し、また他の4環化合物との比率調整によって転移点をコントロールしやすいという作用・効果を奏する。
【0536】
本発明の液晶組成物において、前記一般式(VIII)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0537】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(VIII)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜25質量%である。さらに、例えば本発明の別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜20質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜15質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜10質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜7質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜6質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜5質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜4質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜7質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜6質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は4〜7質量%である。
【0538】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0539】
さらに、本発明に係る一般式(VIII)で表される化合物は、一般式(VIII−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0540】
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
【0541】
(上記一般式(VIII−1)中、Rは一般式(VIII)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、一般式(VIII−1)で表される化合物は、具体的には式(26.1)から式(26.4)で表される化合物であることが好ましく、式(26.1)または式(26.2)で表される化合物が好ましく、式(26.2)で表される化合物がさらに好ましい。
【0542】
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
【0543】
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
【0544】
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
【0545】
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
【0546】
前記式(26.1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下がより更に好ましく、1質量%以上7質量%以下が好ましい。これらの中で、例えば、1質量%以上6質量%以下、1質量%以上5質量%以下、3質量%以上7質量%以下、3質量%以上6質量%以下、4質量%以上7質量%以下、が好ましい。
【0547】
さらに、本発明に係る一般式(VIII)で表される化合物は、一般式(VIII−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0548】
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
【0549】
(上記一般式(VIII−2)中、Rは一般式(VIII)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(VIII−2)として組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明の更に別の実施形態では3種類以上である。
【0550】
前記一般式(VIII−2)表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、2.5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、8質量%以上25質量%以下であることが好ましく、10質量%20質量%以下であることが好ましく、12質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
【0551】
さらに、前記一般式(VIII−2)で表される化合物は、式(27.1)から式(27.4)で表される化合物であることが好ましく、式(27.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0552】
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
【0553】
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
【0554】
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
【0555】
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
【0556】
さらに、本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(IX)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0557】
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
【0558】
(上記一般式(IX)中、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X91及びX92はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子を表し、Yはフッ素原子、塩素原子または−OCFを表し、Uは単結合、−COO−または−CFO−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0559】
前記一般式(VIII−3)表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
【0560】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0561】
さらに、本発明に係る一般式(IX)で表される化合物は、一般式(IX−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0562】
【化249】
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【0563】
(上記一般式(IX−1)式中、RおよびX92は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、本発明に係る一般式(IX−1)で表される化合物は、一般式(IX−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0564】
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
【0565】
(上記一般式(IX−1−1)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
【0566】
前記一般式(IX−1−1)表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態に応じて適宜調整される。
【0567】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IX−1−1)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜30質量%である。さらに、例えば本発明の別の実施形態としては前記化合物の含有量は2〜25質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜20質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は9〜15質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は12〜20質量%である。
【0568】
さらに、一般式(IX−1−1)で表される化合物は、式(28.1)から式(28.5)で表される化合物であることが好ましく、式(28.3)または/および式(28.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0569】
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
【0570】
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
【0571】
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
【0572】
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
【0573】
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
【0574】
さらに、本発明に係る一般式(IX−1)で表される化合物は、一般式(IX−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0575】
【化256】
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【0576】
(上記(IX−1−2)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類を組み合わせることが好ましく、1種から4種類を組み合わせることがより好ましい。
【0577】
前記一般式(IX−1−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下が好ましく、8質量%以上20質量%以下が好ましい。
【0578】
さらに、一般式(IX−1−2)で表される化合物は、式(29.1)から式(29.4)で表される化合物であることが好ましく、式(29.2)または/および式(29.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0579】
【化257】
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【0580】
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
【0581】
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
【0582】
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
【0583】
さらに、一般式(IX)で表される化合物は、一般式(IX−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0584】
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
【0585】
(上記一般式(IX−2)中、R、X91およびX92は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0586】
【化262】
[この文献は図面を表示できません]
【0587】
(上記一般式(IX−2−1)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
例えば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IX−2−1)で表される化合物の含有量は、1〜25質量%である。別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜20質量%である。更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜15質量%である。また更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜10質量%である。また更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜5質量%である。また更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜4質量%である。
【0588】
さらに、前記一般式(IX−2−1)で表される化合物は、式(30.1)から式(30.4)で表される化合物であることが好ましく、式(30.1)から式(30.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0589】
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
【0590】
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
【0591】
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
【0592】
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
【0593】
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0594】
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
【0595】
(上記一般式(IX−2−2)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(IX−2−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに適宜調整される。
【0596】
本発明の液晶組成物の総質量に対しする前記一般式(IX−2−2)で表される化合物の含有量は、本発明の一つの実施形態では1〜30質量%、別の実施形態では1〜25質量%、さらに別の実施形態では1〜20質量%、さらに別の実施形態では1〜17質量%、さらに別の実施形態では1〜16質量%、さらに別の実施形態では1〜12質量%、またさらに別の実施形態では1〜11質量%、またさらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では1〜9質量%、またさらに別の実施形態では2〜17質量%、またさらに別の実施形態では6〜17質量%、またさらに別の実施形態では8〜17質量%、またさらに別の実施形態では9〜17質量%、またさらに別の実施形態では14〜17質量%、またさらに別の実施形態では14〜16質量%、またさらに別の実施形態では2〜9質量%、またさらに別の実施形態では6〜10質量%、またさらに別の実施形態では8〜11質量%、またさらに別の実施形態では9〜12質量%、である。
【0597】
さらに、前記一般式(IX−2−2)で表される化合物は、式(31.1)から式(31.4)で表される化合物であることが好ましく、式(31.1)から式(31.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0598】
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
【0599】
【化269】
[この文献は図面を表示できません]
【0600】
【化270】
[この文献は図面を表示できません]
【0601】
【化271】
[この文献は図面を表示できません]
【0602】
さらに、一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0603】
【化272】
[この文献は図面を表示できません]
【0604】
(上記一般式(IX−2−3)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1〜2種類を組み合わせることが好ましい。
【0605】
前記一般式(IX−2−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下がより好ましく、6質量%以上15質量%以下がさらに好ましく、8質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
【0606】
さらに、前記一般式(IX−2−3)で表される化合物は、式(32.1)から式(32.4)で表される化合物であることが好ましく、式(32.2)および/または式(32.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0607】
【化273】
[この文献は図面を表示できません]
【0608】
【化274】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
【化275】
[この文献は図面を表示できません]
【0610】
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
【0611】
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0612】
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
【0613】
(上記一般式(IX−2−4)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(IX−2−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上12質量%以下が好ましく、5質量%以上12質量%以下が好ましく、7質量%以上12質量%以下が好ましい。
【0614】
さらに、一般式(IX−2−4)で表される化合物は、式(33.1)から式(33.5)で表される化合物であることが好ましく、式(33.1)および/または式(33.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0615】
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
【0616】
【化279】
[この文献は図面を表示できません]
【0617】
【化280】
[この文献は図面を表示できません]
【0618】
【化281】
[この文献は図面を表示できません]
【0619】
【化282】
[この文献は図面を表示できません]
【0620】
【化283】
[この文献は図面を表示できません]
【0621】
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0622】
【化284】
[この文献は図面を表示できません]
【0623】
(上記一般式(IX−2−5)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせて使用する。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、更に別の実施形態では3種類、また更に別の実施形態では4種類以上である。
【0624】
前記一般式(IX−2−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに適宜調整される。
【0625】
たとえば、前記一般式(IX−2−5)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では1〜40質量%、別の実施形態では1〜35質量%、さらに別の実施形態では5〜35質量%、またさらに別の実施形態では8〜35質量%、またさらに別の実施形態では12〜35質量%、またさらに別の実施形態では30〜35質量%、またさらに別の実施形態では8〜12質量%、である。
【0626】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0627】
さらに、一般式(IX−2−5)で表される化合物は、式(34.1)から式(34.5)で表される化合物であることが好ましく、式(34.1)、式(34.2)、式(34.3)および/または式(34.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0628】
【化285】
[この文献は図面を表示できません]
【0629】
【化286】
[この文献は図面を表示できません]
【0630】
【化287】
[この文献は図面を表示できません]
【0631】
【化288】
[この文献は図面を表示できません]
【0632】
【化289】
[この文献は図面を表示できません]
【0633】
【化290】
[この文献は図面を表示できません]
【0634】
【化291】
[この文献は図面を表示できません]
【0635】
さらに、本発明に係る一般式(IX)で表される化合物は、一般式(IX−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0636】
【化292】
[この文献は図面を表示できません]
【0637】
(上記一般式(IX−3)中、R、X91およびX92は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、一前記般式(IX−3)で表される化合物は、一般式(IX−3−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0638】
【化293】
[この文献は図面を表示できません]
【0639】
(上記一般式(IX−3−1)中、Rは一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1〜2種類を組み合わせることが好ましい。
【0640】
前記一般式(IX−3−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、3質量%以上30質量%以下であることが好ましく、7質量%以上30質量%以下が好ましく、13質量%以上20質量%以下が好ましく、15質量%以上18質量%以下が好ましい。
【0641】
さらに、一般式(IX−3−1)で表される化合物は、式(35.1)から式(35.4)で表される化合物であることが好ましく、式(35.1)および/または式(35.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0642】
【化294】
[この文献は図面を表示できません]
【0643】
【化295】
[この文献は図面を表示できません]
【0644】
【化296】
[この文献は図面を表示できません]
【0645】
【化297】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
更に、本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(XIII)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0647】
【化298】
[この文献は図面を表示できません]
【0648】
(上記一般式(XIII)中、X131からX135はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、R13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Y13はフッ素原子または−OCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましく、1種〜3種類含有することがより好ましく、1種〜4種類含有することが更に好ましい。
【0649】
一般式(XIII)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して2%、別の実施形態では4%、さらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では7%、またさらに別の実施形態では9%、またさらに別の実施形態では11%、またさらに別の実施形態では13%である。またさらに別の実施形態では14%である。またさらに別の実施形態では16%である。またさらに別の実施形態では20%である。
【0650】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では25%、更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では5%である。
【0651】
本発明の液晶組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIII)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIII)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(XIII)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIII)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0652】
さらに、本発明に係る一般式(XIII)で表される化合物は、一般式(XIII−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0653】
【化299】
[この文献は図面を表示できません]
【0654】
(上記一般式(XIII−1)中、R13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIII−1)で表される化合物を本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上含有することが好ましく、3質量%以上含有することがさらに好ましく、5質量%以上含有することがさらに好ましく、10質量%以上含有することが特に好ましい。また、最大に含有できる比率としては、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
【0655】
さらに、一般式(XIII−1)で表される化合物は、式(48.1)から式(48.4)で表される化合物であることが好ましく、式(48.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0656】
【化300】
[この文献は図面を表示できません]
【0657】
【化301】
[この文献は図面を表示できません]
【0658】
【化302】
[この文献は図面を表示できません]
【0659】
【化303】
[この文献は図面を表示できません]
【0660】
さらに、本発明に係る一般式(XIII)で表される化合物は、一般式(XIII−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0661】
【化304】
[この文献は図面を表示できません]
【0662】
(上記一般式(XIII−2)中、R13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類以上含有することが好ましい。
【0663】
一般式(XIII−2)で表される化合物を本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上含有することが好ましく、6質量%以上含有することがさらに好ましく、8質量%以上含有することがさらに好ましく、10質量%以上含有することが特に好ましい。また、最大に含有できる比率としては、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
【0664】
さらに、一般式(XIII−2)で表される化合物は、式(49.1)から式(49.4)で表される化合物であることが好ましく、式(49.1)または/および式(49.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0665】
【化305】
[この文献は図面を表示できません]
【0666】
【化306】
[この文献は図面を表示できません]
【0667】
【化307】
[この文献は図面を表示できません]
【0668】
【化308】
[この文献は図面を表示できません]
【0669】
さらに、本発明に係る一般式(XIII)で表される化合物は、一般式(XIII−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0670】
【化309】
[この文献は図面を表示できません]
【0671】
(上記一般式(XIII−3)中、R13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましい。
【0672】
一般式(XIII−3)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総量に対して2質量%以上含有することが好ましく、4質量%以上含有することが更に好ましく、9質量%以上含有することが更に好ましく、11質量%以上含有することが特に好ましい。また、最大に含有できる比率としては、20質量%以下が好ましく、17質量%以下がより好ましく、14質量%以下がさらに好ましい。
【0673】
さらに、一般式(XIII−3)で表される化合物は、式(50.1)から式(50.4)で表される化合物であることが好ましく、式(50.1)または/および式(50.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0674】
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
【0675】
【化311】
[この文献は図面を表示できません]
【0676】
【化312】
[この文献は図面を表示できません]
【0677】
【化313】
[この文献は図面を表示できません]
【0678】
さらに、本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(XIV)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0679】
【化314】
[この文献は図面を表示できません]
【0680】
(上記一般式(XIV)中、R14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表し、し、X141からX144はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y14はフッ素原子、塩素原子または−OCFを表し、Q14は単結合、−COO−または−CFO−を表し、m14は0または1である。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。さらに、本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では3種類である。また、本発明のさらに別の実施形態では4種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では5種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では6種類以上である。
【0681】
一般式(XIV)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して3%、別の実施形態では7%、さらに別の実施形態では8%、またさらに別の実施形態では11%、またさらに別の実施形態では12%、またさらに別の実施形態では16%、またさらに別の実施形態では18%である。またさらに別の実施形態では19%である。またさらに別の実施形態では22%である。またさらに別の実施形態では25%である。
【0682】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では40%、別の実施形態では35%、更に別の実施形態では30%、また更に別の実施形態では25%、また更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%である。
【0683】
本発明の液晶組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIV)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIV)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0684】
さらに、本発明に係る一般式(XIV)で表される化合物は、一般式(XIV−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0685】
【化315】
[この文献は図面を表示できません]
【0686】
(上記一般式(XIV−1)中、R14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表し、Y14はフッ素原子、塩素原子または−OCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類組み合わせることが好ましい。
【0687】
さらに、一般式(XIV−1)で表される化合物は、一般式(XIV−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0688】
【化316】
[この文献は図面を表示できません]
【0689】
(上記一般式(XIV−1)中、R14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(XIV−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、18質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を30質量%以下にとどめることが好ましく、27質量%以下がさらに好ましく、24質量%以下がより好ましく、21質量%未満が特に好ましい。
【0690】
さらに、一般式(XIV−1−1)で表される化合物は具体的には式(51.1)から式(51.4)で表される化合物であることが好ましく、式(51.1)で表される化合物を含有することがより好ましい。
【0691】
【化317】
[この文献は図面を表示できません]
【0692】
【化318】
[この文献は図面を表示できません]
【0693】
【化319】
[この文献は図面を表示できません]
【0694】
【化320】
[この文献は図面を表示できません]
【0695】
さらに、一般式(XIV−1)で表される化合物は、一般式(XIV−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0696】
【化321】
[この文献は図面を表示できません]
【0697】
(上記一般式(XIV−1−2)中、R14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−1−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、7質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を15質量%以下にとどめることが好ましく、13質量%以下がさらに好ましく、11質量%以下がより好ましく、9質量%未満が特に好ましい。
【0698】
さらに、前記一般式(XIV−1−2)で表される化合物は、具体的には式(52.1)から式(52.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(52.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0699】
【化322】
[この文献は図面を表示できません]
【0700】
【化323】
[この文献は図面を表示できません]
【0701】
【化324】
[この文献は図面を表示できません]
【0702】
【化325】
[この文献は図面を表示できません]
【0703】
さらに、本発明に係る一般式(XIV)で表される化合物は、一般式(XIV−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0704】
【化326】
[この文献は図面を表示できません]
【0705】
(上記一般式(XIV−2)中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X141からX144はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y14はフッ素原子、塩素原子または−OCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。さらに、本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では3種類である。また、本発明のさらに別の実施形態では4種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では5種類以上である。
【0706】
一般式(XIV−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して3%、別の実施形態では7%、さらに別の実施形態では8%、またさらに別の実施形態では10%、またさらに別の実施形態では11%、またさらに別の実施形態では12%、またさらに別の実施形態では18%である。またさらに別の実施形態では19%である。またさらに別の実施形態では21%である。またさらに別の実施形態では22%である。
【0707】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では40%、別の実施形態では35%、更に別の実施形態では25%、また更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%、また更に別の実施形態では10%である。
【0708】
本発明の液晶組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIV−2)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIV−2)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0709】
さらに、本発明に係る一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0710】
【化327】
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【0711】
(上記一般式(XIV−2−1)中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、7質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を15質量%以下にとどめることが好ましく、13質量%以下がさらに好ましく、11質量%以下がより好ましく、9質量%未満が特に好ましい。
【0712】
さらに、一般式(XIV−2−1)で表される化合物は具体的には式(53.1)から式(53.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(53.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0713】
【化328】
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【0714】
【化329】
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【0715】
【化330】
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【0716】
【化331】
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【0717】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0718】
【化332】
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【0719】
(上記一般式(XIV−2−2)中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%以上であることが好ましく、6質量%以上がより好ましく、9質量%以上がさらに好ましく、12質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、17質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がより好ましく、14質量%以下が特に好ましい。
【0720】
さらに、一般式(XIV−2−2)で表される化合物は具体的には式(54.1)から式(54.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(54.2)および/または式(54.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0721】
【化333】
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【0722】
【化334】
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【0723】
【化335】
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【0724】
【化336】
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【0725】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0726】
【化337】
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【0727】
(上記一般式(XIV−2−3)中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上であることが好ましく、9質量%以上がより好ましく、12質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を30質量%以下にとどめることが好ましく、27質量%未満がさらに好ましく、24質量%以下がより好ましく、20質量%未満が特に好ましい。
【0728】
さらに、一般式(XIV−2−3)で表される化合物は具体的には式(55.1)から式(55.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(55.2)および/または式(55.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0729】
【化338】
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【0730】
【化339】
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【0731】
【化340】
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【0732】
【化341】
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【0733】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0734】
【化342】
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【0735】
(上記一般式(XIV−2−4)中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。さらに、本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では3種類以上である。
【0736】
一般式(XIV−2−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して2%、別の実施形態では5%、さらに別の実施形態では8%、またさらに別の実施形態では9%、またさらに別の実施形態では10%、またさらに別の実施形態では18%、またさらに別の実施形態では21%である。またさらに別の実施形態では22%である。またさらに別の実施形態では24%である。
【0737】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では35%、別の実施形態では30%、更に別の実施形態では25%、また更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%、また更に別の実施形態では10%である。
【0738】
本発明の液晶組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIV−2−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIV−2−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0739】
さらに、一般式(XIV−2−4)で表される化合物は具体的には式(56.1)から式(56.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(56.1)、式(56.2)および式(56.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0740】
【化343】
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【0741】
【化344】
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【0742】
【化345】
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【0743】
【化346】
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【0744】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0745】
【化347】
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【0746】
(上記一般式(XIV−2−5)中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−5)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上がより好ましく、13質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を25質量%以下にとどめることが好ましく、22質量%未満がさらに好ましく、18質量%以下がより好ましく、15質量%未満が特に好ましい。
【0747】
さらに、一般式(XIV−2−5)で表される化合物は具体的には式(57.1)から式(57.4)で表される化合物である。中でも式(57.1)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0748】
【化348】
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【0749】
【化349】
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【0750】
【化350】
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【0751】
【化351】
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【0752】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−6)で表される化合物であることが好ましい。
【0753】
【化352】
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【0754】
(式中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−6)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を25質量%以下にとどめることが好ましく、22質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下がより好ましく、17質量%未満が特に好ましい。
【0755】
さらに、一般式(XIV−2−6)で表される化合物は具体的には式(58.1)から式(58.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(58.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0756】
【化353】
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【0757】
【化354】
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【0758】
【化355】
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【0759】
【化356】
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【0760】
本願発明に使用する化合物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造を持たない。また、液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物を使用しないことが好ましい。また、UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物を使用しないことが望ましい。分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみであることも好ましい。
【0761】
本発明に係る液晶組成物の好ましい実施形態は、第一成分としては、下記の一般式(I−1)及び一般式(I−0):
【0762】
【化357】
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【0763】
(上記一般式(Ia)および(Ib)中、R1a及びR2aはそれぞれ一般式(A)におけるR及びRと同じ意味を表し、R1b及びR2bはそれぞれ一般式(A)におけるR及びRと同じ意味を表し、n1bは1又は2を表し、A1bは一般式(A)におけるAと同じ意味を表し、Z1bは一般式(A)におけるZと同じ意味を表す。)で表される化合物群の中から少なくとも2種類が選択されることが好ましく、より好ましくは3種類選択されることが好ましい。
【0764】
また、一般式(I−1)及び一般式(I−0)で表される化合物群の中から少なくとも2種類が選択される化合物は、液晶組成物全体のうち85〜99質量%含有していることが好ましく、86〜98質量%含有していることがより好ましく、87〜97質量%含有していることがさらに好ましく、88〜96質量%含有していることがよりさらに好ましく、89〜95質量%含有していることが特に好ましい。
【0765】
当該一般式(I−1)及び一般式(I−0)との組み合わせが液晶組成物全体の85〜99%占めていると高速応答性の効果を奏し、さらに後述の第二成分の組み合わせと併用すると化学構造上または特異性の観点で相溶性が向上し、保存安定性が向上するため液晶化合物の析出の問題を抑制・防止することができる。
【0766】
本発明に係る第二成分としては、上記一般式(X)で示される4環の化合物から構成されることが好ましく、上記一般式(VIII)、一般式(IX)、一般式(XIII)および一般式(XIV)で示すような3環の化合物が組成物に含まれる場合に比べて格段に低温安定性などが向上する。
【0767】
本発明に係る液晶組成物のより好ましい実施形態は、第二成分としての一般式(IIa)及び一般式(IIb)
【0768】
【化358】
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【0769】
で表される化合物群の中から少なくとも2種類の化合物が選択されることが好ましい。
【0770】
また、一般式(IIa)及び一般式(IIb)で表される化合物群の中から少なくとも2種類が選択される化合物の合計量は、液晶組成物全体のうち2〜16質量%含有していることが好ましく、4〜14質量%含有していることがより好ましく、5〜12質量%含有していることがさらに好ましく、6〜11質量%含有していることがよりさらに好ましく、7〜10質量%含有していることが特に好ましい。
【0771】
当該一般式(IIa)及び一般式(IIb)との組み合わせが液晶組成物全体の2〜16%占めていると、Δnの向上と駆動可能なΔεとを確保する効果を奏し、さらに第一成分の好適な組み合わせと併用すると、当該第一成分の総量が85質量%以上含まれることから高速応答性を維持できる。さらに一般式(IIa)または一般式(IIb)と、一般式(I−1)または一般式(I−0)との組み合わせが特異的に液晶組成物の成分の化合物同士の相溶性を向上させるため、液晶組成物の保存安定性が向上することにより液晶化合物の析出の問題を抑制・防止することができる。
【0772】
すなわち、本発明に係る液晶組成物において、第一成分として一般式(I−1)及び一般式(I−0)で表される化合物群の中から少なくとも2種類の化合物を選択し、かつ第二成分として、一般式(IIa)及び一般式(IIb)で表される化合物群の中から少なくとも2種類選択すると、液晶化合物が析出するという低温安定性に関する問題だけでなく、滴下痕の問題点、高速応答性を維持するという効果を全て達成することができる。
【0773】
本発明に係る液晶組成物には、PSAモード又は横電界型PSAモードなどの液晶表示素子を作製するために、重合性化合物を含有してもよい。使用できる重合性化合物として、光などのエネルギー線により重合が進行する光重合性モノマーなどが挙げられ、構造として、例えば、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体などの六員環が複数連結した液晶骨格を有する重合性化合物などが挙げられる。更に具体的には、一般式(XX)で表される二官能モノマーが好ましい。
【0774】
【化1】
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【0775】
前記一般式(XX)中、X201及びX202は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜3個のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基)を表し、
Sp201及びSp202は、それぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH−(式中、sは2〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、
201は、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−(式中、Y及びYは、それぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表す。)、−C≡C−、又は、単結合を表し、
201は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、単結合または任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4−フェニレン基を表し、
上記一般式(XX)中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い。
【0776】
本発明に係る重合性化合物の好ましい形態は、X201及びX202が何れも水素原子を表すジアクリレート誘導体、X201及びX202が何れもメチル基を有するジメタクリレート誘導体の何れも好ましく、一方が水素原子を表しもう一方がメチル基を表す化合物も好ましい。これらの化合物の重合速度は、ジアクリレート誘導体が最も早く、ジアクリレート誘導体が遅く、非対称化合物がその中間であり、その用途により好ましい態様を用いることができる。PSA表示素子においては、ジメタクリレート誘導体が特に好ましい。
【0777】
Sp201及びSp202はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH−を表すが、PSA表示素子においては少なくとも一方が単結合であることが好ましく、共に単結合を表す化合物又は一方が単結合でもう一方が炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH−を表す態様が好ましい。この場合炭素原子数1〜4のアルキレン基がより好ましく、sは1〜4が好ましい。
【0778】
201は、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、又は、単結合が好ましく、−COO−、−OCO−、又は、単結合がより好ましく、単結合が特に好ましい。
【0779】
201は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、又は、単結合を表すが、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4−フェニレン基又は単結合が好ましい。M201が単結合以外の環構造を表す場合、Z201は単結合以外の連結基が好ましく、M201が単結合の場合、Z201は単結合が好ましい。
【0780】
これらの点から、一般式(XX)において、Sp201及びSp202の間の環構造は、具体的には次に記載する式(XXa−1)〜式(XXa−5)の構造が好ましい。
【0781】
前記一般式(XX)において、M201が単結合を表し、環構造が二つの環で形成される場合において、次の式(XXa−1)〜式(XXa−5)を表すことが好ましく、式(XXa−1)〜式(XXa−3)を表すことがより好ましく、式(XXa−1)を表すことが特に好ましい。
【0782】
【化1】
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【0783】
上記式(XXa−1)〜式(XXa−5)において、結合手の両端は、Sp201又はSp202に結合するものとする。
【0784】
これらの骨格を含む重合性化合物は重合後の配向規制力がPSA型液晶表示素子に最適であり、良好な配向状態が得られることから、表示ムラが抑制されるか、又は、全く発生しない。
【0785】
以上のことから、前記重合性化合物としては、一般式(XX−1)〜一般式(XX−4)で表される化合物群から選択される少なくとも1種の化合物が好ましく、中でも一般式(XX−2)で表される化合物がより好ましい。
【0786】
【化1】
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【0787】
前記一般式(XX−3)及び一般式(XX−4)中、Sp20は炭素原子数2〜5のアルキレン基を表す。
【0788】
本発明に係る液晶組成物に重合性化合物を添加する場合において、重合開始剤が存在しない場合でも重合は進行するが、重合を促進するために重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。
【0789】
本発明に係る液晶組成物は、更に、一般式(Q)で表される化合物を酸化防止剤として含有することができる。
【0790】
【化1】
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【0791】
前記一般式(Q)中、Rは炭素原子数1〜22のアルキル基又はアルコキシ基を表し、該アルキル基中の1つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−で置換されてよく、Mはトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、又は、単結合を表す。
【0792】
前記一般式(Q)中において、Rは炭素原子数1〜22のアルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、当該アルキル基(前記アルコキシ基におけるアルキル基を含む)は、直鎖状または分岐鎖状であってもよい。また、前記Rは炭素原子数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基又は直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基を表し、該アルキル基(前記アルコキシ基におけるアルキル基を含む)中の1つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−で置換されてもよい。前記一般式(Q)中においてRは、炭素原子数1〜20個であって、直鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基、1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基および1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された分岐鎖アルキル基からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましく、炭素原子数1〜10の直鎖アルキル基、1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基および1つのCH基が−OCO−又は−COO−に置換された分岐鎖アルキル基からなる群から選択される少なくとも1つが更に好ましい。
【0793】
はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基又は単結合を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が好ましい。
【0794】
前記一般式(Q)で表される化合物は、下記の一般式(Q−a)〜一般式(Q−d)で表される化合物群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、一般式(Q−a)及び/又は(Q−c)で表される化合物であることがより好ましい
【0795】
【化1】
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【0796】
前記一般式(Q−a)〜式(Q−d)中、RQ1は炭素原子数1〜10の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ2は炭素原子数1〜20の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ3は炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基又は分岐鎖アルコキシ基が好ましく、Lは炭素原子数1〜8の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。これらの中でも、一般式(Q)で表される化合物は、下記式(Q−a−1)及び/又は(Q−c−1)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0797】
【化1】
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【0798】
【化359】
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【0799】
本願発明の液晶組成物において、前記一般式(Q)で表される化合物を1種又は2種を含有することが好ましく、1種〜5種を含有することが更に好ましく、その含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0.001〜1質量%であることが好ましく、0.001〜0.1質量%であることが好ましく、0.001〜0.05質量%であることが好ましい。
【0800】
<液晶表示素子>
本発明に係る重合性化合物を含有した液晶組成物は、これに含まれる重合性化合物が紫外線照射により重合することで液晶配向能が付与され、液晶組成物の複屈折を利用して光の透過光量を制御する液晶表示素子に使用されることが好ましい。液晶表示素子として、ECB−LCD、VA−LCD、VA−IPS−LCD、FFS−LCD、AM−LCD(アクティブマトリックス液晶表示素子)、TN(ネマチック液晶表示素子)、STN−LCD(超ねじれネマチック液晶表示素子)、OCB−LCD及びIPS−LCD(インプレーンスイッチング液晶表示素子)に有用であるが、AM−LCDに特に有用であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。
【0801】
前記液晶表示素子に使用される液晶セルの2枚の基板はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
【0802】
前記カラーフィルタは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作製することができる。顔料分散法によるカラーフィルタの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルタ用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルタ用の画素部を作製することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
【0803】
前記基板を、透明電極層が内側となるように対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層(液晶層)の厚さが1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。1.5から10μmが更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚Gとの積を調整することが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
【0804】
2枚の基板間に液晶組成物(必要により重合性化合物を含有する)を狭持させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。しかし真空注入法においては滴下痕が発生しない代わりに、注入の跡が残るという課題がある。本願発明においては、ODF法を用いて製造する表示素子に、より好適に使用することができる。ODF法の液晶表示素子製造工程においては、バックプレーンまたはフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の液晶組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって液晶表示素子を製造することができる。本発明の液晶組成物は、ODF工程における液晶組成物の滴下が安定的に行えるため、好適に使用することができる。
【0805】
重合性化合物を重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、重合性化合物含有液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。特に紫外線露光する際には、重合性化合物含有液晶組成物に交流電界を印加しながら紫外線露光することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数60Hzから10kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。横電界型MVAモードの液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80度から89.9度に制御することが好ましい。
【0806】
照射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。室温に近い温度、即ち、典型的には15〜35℃での温度で重合させることが好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm〜100W/cmが好ましく、2mW/cm〜50W/cmがより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cmから500J/cmが好ましく、100mJ/cmから200J/cmがより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒から3600秒が好ましく、10秒から600秒がより好ましい。
【0807】
本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は高速応答と表示不良の抑制を両立させた有用なものであり、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、IPS(イン・プレーン・スイッチング)モード、VA−IPSモード、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モード又はECBモード用液晶表示素子に適用できる。
【0808】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る液晶表示素子(液晶ディスプレイの一例)の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は、互いに対向する二つの基板と、前記基板間に設けられたシール材と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶とを備えている液晶表示素子を示す断面図である。
【0809】
具体的には、第1基板100上に、TFT層102、画素電極103を設け、その上からパッシベーション膜104及び第1配向膜105を設けたバックプレーンと、第2基板200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜(オーバーコート層)201、透明電極204を設け、その上から第2配向膜205を設け、前記バックプレーンと対向させたフロントプレーンと、前記基板間に設けられたシール材301と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶層303とを備え、前記シール材301が接する基板面には突起(柱状スペーサー)302,304が設けられている液晶表示素子の具体的態様を示している。
【0810】
前記第1基板又は前記第2基板は、実質的に透明であれば材質に特に限定はなく、ガラス、セラミックス、プラスチック等を使用することができる。プラスチック基板としてはセルロ−ス、トリアセチルセルロ−ス、ジアセチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリシクロオレフィン誘導体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、さらにガラス繊維−エポキシ樹脂、ガラス繊維−アクリル樹脂などの無機−有機複合材料などを用いることができる。
【0811】
なおプラスチック基板を使用する際には、バリア膜を設けることが好ましい。バリア膜の機能は、プラスチック基板が有する透湿性を低下させ、液晶表示素子の電気特性の信頼性を向上することにある。バリア膜としては、それぞれ、透明性が高く水蒸気透過性が小さいものであれば特に限定されず、一般的には酸化ケイ素などの無機材料を用いて蒸着やスパッタリング、ケミカルベーパーデポジション法(CVD法)によって形成した薄膜を使用する。
【0812】
本発明においては、前記第1基板又は前記第2基板として同素材を使用しても異素材を使用してもよく、特に限定はない。ガラス基板を用いれば耐熱性や寸法安定性の優れた液晶表示素子を作製することができるので好ましい。またプラスチック基板であれば、ロールツウロール法による製造方法に適し且つ軽量化あるいはフレキシブル化に適しており好ましい。また、平坦性及び耐熱性付与を目的とするならば、プラスチック基板とガラス基板とを組み合わせると良い結果を得ることができる。
【0813】
なお後述の実施例においては、第1基板100又は第2基板200の材質として基板を使用している。
【0814】
バックプレーンには、第1基板100上に、TFT層102及び画素電極103を設けている。これらは通常のアレイ工程にて製造される。この上にパッシベーション膜104及び第1配向膜105を設けてバックプレーンが得られる。
【0815】
パッシベーション膜104(無機保護膜ともいう)はTFT層を保護するための膜で、通常は窒化膜(SiNx)、酸化膜(SiOx)等を化学的気相成長(CVD)技術等により形成する。
【0816】
また、第1配向膜105は、液晶を配向させる機能を有する膜であり、通常ポリイミドのような高分子材料が用いられることが多い。塗布液には、高分子材料と溶剤からなる配向剤溶液が使われる。配向膜はシール材との接着力を阻害する可能性があるため、封止領域内にパターン塗布する。塗布にはフレキソ印刷法のような印刷法、インクジェットのような液滴吐出法が用いられる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、ベーキングにより架橋硬化される。この後、配向機能を出すために、配向処理を行う。
【0817】
配向処理は通常ラビング法にて行われる。前述のように形成された高分子膜上を、レーヨンのような繊維から成るラビング布を用いて一方向にこすることにより液晶配向能が生じる。
【0818】
また、光配向法を用いることもある。光配向法は、光感受性を有する有機材料を含む配向膜上に偏光を照射することにより配向能を発生させる方法であり、ラビング法による基板の傷や埃の発生が生じない。光配向法における有機材料の例としては二色性染料を含有する材料がある。二色性染料としては、光二色性に起因するワイゲルト効果による分子の配向誘起もしくは異性化反応(例:アゾベンゼン基)、二量化反応(例:シンナモイル基)、光架橋反応(例:ベンゾフェノン基)、あるいは光分解反応(例:ポリイミド基)のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じる基(以下、光配向性基と略す)を有するものを用いることができる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、任意の偏向を有する光(偏光)を照射することで、任意の方向に配向能を有する配向膜を得ることができる。
【0819】
一方のフロントプレーンは、第2基板200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜201、透明電極204、第2配向膜205を設けている。
【0820】
ブラックマトリックス202は、例えば、顔料分散法にて作製する。具体的にはバリア膜201を設けた第2基板200上に、ブラックマトリックス形成用に黒色の着色剤を均一分散させたカラーレジン液を塗布し、着色層を形成する。続いて、着色層をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
【0821】
あるいは、フォトレジスト型の顔料分散液を使用してもよい。この場合は、フォトレジスト型の顔料分散液を塗布し、プリベークしたのち、マスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
【0822】
カラーフィルタ203は、顔料分散法、電着法、印刷法あるいは染色法等にて作製する。顔料分散法を例にとると、(例えば赤色の)顔料を均一分散させたカラーレジン液を第2基板200上に塗布し、ベーキング硬化後、該上にフォトレジストを塗布しプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に現像を行い、パターニングする。この後フォトレジスト層を剥離し、再度ベーキングすることで、(赤色の)カラーフィルタ203が完成する。作製する色順序に特に限定はない。同様にして、緑カラーフィルタ203、青カラーフィルタ203を形成する。
【0823】
透明電極204は、前記カラーフィルタ203上に(必要に応じて前記カラーフィルタ203上に表面平坦化のためにオーバーコート層(201)を設け)を設ける。透明電極204は透過率が高い方が好ましく、電気抵抗が小さいほうが好ましい。透明電極204はITOなどの酸化膜をスパッタリング法などによって形成する。
【0824】
また、前記透明電極204を保護する目的で、透明電極204の上にパッシベーション膜を設ける場合もある。
【0825】
第2配向膜205は、前述の第1配向膜105と同じものである。
【0826】
以上、本発明で使用する前記バックプレーン及び前記フロントプレーンについての具体的態様を述べたが、本願においては該具体的態様に限定されることはなく、所望される液晶表示素子に応じた態様の変更は自由である。
【0827】
前記柱状スペーサーの形状は特に限定されず、その水平断面を円形、四角形などの多角形など様々な形状にすることができるが、工程時のミスアラインマージンを考慮して、水平断面を円形または正多角形にすることが特に好ましい。また該突起形状は、円錐台または角錐台であることが好ましい。
【0828】
前記柱状スペーサーの材質は、シール材もしくはシール材に使用する有機溶剤、あるいは液晶に溶解しない材質であれば特に限定されないが、加工及び軽量化の面から合成樹脂(硬化性樹脂)であることが好ましい。一方、前記突起は、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法により、第一の基板上のシール材が接する面に設けることが可能である。このような理由から、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法に適した、光硬化性樹脂を使用することが好ましい。
【0829】
例として、前記柱状スペーサーをフォトリソグラフィ法によって得る場合について説明する。図2は、フォトマスクパターンとしてブラックマトリックス上に形成する柱状スペーサー作製用パターンを使用した露光処理工程の図である。
【0830】
前記フロントプレーンの透明電極204上に、柱状スペーサー形成用の(着色剤を含まない)レジン液を塗布する。続いて、このレジン層402をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターン401を通して露光した後に、現像を行ってレジン層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、レジン層をベーキングして柱状スペーサー(図1の302,304)が完成する。
【0831】
柱状スペーサーの形成位置はマスクパターンによって所望の位置に決めることができる。従って、液晶表示素子の封止領域内と封止領域外(シール材塗布部分)との両方を同時に作製することができる。また柱状スペーサーは封止領域の品質が低下することがないように、ブラックマトリックスの上に位置するように形成させることが好ましい。このようにフォトリソグラフィ法によって作製された柱状スペーサーのことを、カラムスペーサ又はフォトスペーサと呼ぶことがある。
【0832】
前記スペーサーの材質は、PVA−スチルバゾ感光性樹脂などのネガ型水溶性樹脂や多官能アクリル系モノマー、アクリル酸共重合体、トリアゾール系開始剤などの混合物が使用される。あるいはポリイミド樹脂に着色剤を分散させたカラーレジンを使う方法もある。本発明においては特に限定はなく、使用する液晶やシール材との相性に従い公知の材質でスペーサーを得ることができる。
【0833】
このようにして、フロントプレーン上の封止領域となる面に柱状スペーサーを設けた後、該バックプレーンのシール材が接する面にシール材(図1における301)を塗布する。
【0834】
前記シール材の材質は特に限定はなく、エポキシ系やアクリル系の光硬化性、熱硬化性、光熱併用硬化性の樹脂に重合開始剤を添加した硬化性樹脂組成物が使用される。また、透湿性や弾性率、粘度などを制御するために、無機物や有機物よりなるフィラー類を添加することがある。これらフィラー類の形状は特に限定されず、球形、繊維状、無定形などがある。さらに、セルギャップを良好に制御するために単分散径を有する球形や繊維状のギャップ材を混合したり、基板との接着力をより強化するために、基板上突起と絡まりやすい繊維状物質を混合しても良い。このとき使用する繊維状物質の直径はセルギャップの1/5〜1/10以下程度が望ましく、繊維状物質の長さはシール塗布幅よりも短いことが望ましい。
【0835】
また、繊維状物質の材質は所定の形状が得られるものであれば特に限定されず、セルロース、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維やガラス、炭素などの無機材料を適宜選ぶことが可能である。
【0836】
シール材を塗布する方法としては、印刷法やディスペンス法があるが、シール材の使用量が少ないディスペンス法が望ましい。シール材の塗布位置は封止領域に悪影響を及ぼさないように通常ブラックマトリックス上とする。次工程の液晶滴下領域を形成するため(液晶が漏れないように)、シール材塗布形状は閉ループ形状とする。
【0837】
前記シール材を塗布したフロントプレーンの閉ループ形状(封止領域)に液晶を滴下する。通常はディスペンサーを使用する。滴下する液晶量は液晶セル容積と一致させるため、柱状スペーサーの高さとシール塗布面積とを掛け合わせた体積と同量を基本とする。しかし、セル貼り合わせ工程における液晶漏れや表示特性の最適化のために、滴下する液晶量を適宜調整することもあれば、液晶滴下位置を分散させることもある。
【0838】
次に、前記シール材を塗布し液晶を滴下したフロントプレーンに、バックプレーンを貼り合わせる。具体的には、静電チャックのような基板を吸着させる機構を有するステージに前記フロントプレーンと前記バックプレーンとを吸着させ、フロントプレーンの第2配向膜とバックプレーンの第1配向膜とが向きあい、シール材ともう一方の基板が接しない位置(距離)に配置する。この状態で系内を減圧する。減圧終了後、フロントプレーンとバックプレーンとの貼り合せ位置を確認しながら両基板位置を調整する(アライメント操作)。貼り合せ位置の調整が終了したら、フロントプレーン上のシール材とバックプレーンとが接する位置まで基板を接近させる。この状態で系内に不活性ガスを充填させ、徐々に減圧を開放しながら常圧に戻す。このとき、大気圧によりフロントプレーンとバックプレーンが貼り合わされ、柱状スペーサーの高さ位置でセルギャップが形成される。この状態でシール材に紫外線を照射してシール材を硬化することによって液晶セルを形成する。この後、場合によって加熱工程を加え、シール材硬化を促進する。シール材の接着力強化や電気特性信頼性の向上のために、加熱工程を加えることが多い。
【0839】
以下、本発明のさらに好ましい液晶表示素子の形態について説明する。
【0840】
本発明に係る液晶表示素子の第二の好ましい実施形態は、第一の配向層および薄膜トランジスタを含む電極層を表面に有する第一の基板と、第二の配向層を表面に有する第二の基板とが配向層同士向かい合うよう離間して配置され、当該前記第一の基板と第二の基板との間に液晶組成物を含む液晶層が充填された液晶表示素子であって、前記薄膜トランジスタを含む電極層は、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記画素電極と離間して第一の基板上に設けられる共通電極と、を備えることが好ましい。また、前記液晶層に近接して設けられている第一の配向層および第二の配向層は、液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜であることが好ましい。
【0841】
すなわち、前記液晶表示素子は、第二の偏光板と、第二の基板と、薄膜トランジスタを含む電極層(又は薄膜トランジスタ層とも称する)と、配向膜と、液晶組成物を含む液晶層と、配向膜と、カラーフィルタと、第一の基板と、第一の偏光板と、が順次積層された構成であることが好ましい。
【0842】
共通電極と画素電極とを同一の基板(または電極層)上に離間して設けることで、前記共通電極と前記画素電極との間に生じる電界(E)が平面方向成分を有することができる。そのため、例えば液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜を前記配向層に用いると、共通電極と画素電極との間に電圧をかける前は配向膜の配向方向である面方向に配列している液晶分子が光を遮断し、電圧をかけると平面方向にかかる電界(E)により液晶分子が水平に回転して、当該電界方向に沿って配列することで光を遮断する素子を提供できる。
【0843】
また、本発明に係る液晶表示素子の形態としては、いわゆるカラーフィルタオンアレイ(COA)であってもよく、薄膜トランジスタを含む電極層と液晶層との間にカラーフィルタを設けても、または当該薄膜トランジスタを含む電極層と第二の基板との間にカラーフィルタを設けてもよい。
【0844】
なお、本明細書における「基板上」とは、基板と直接当接するだけでなく間接的に当接する、いわゆる基板に支持されている状態も含む。
【0845】
本発明に係る液晶表示組成における第二の実施形態のより好ましい別の形態(FFS)は、第一の配向層および薄膜トランジスタを含む電極層を表面に有する第一の基板と、第二の配向層を表面に有する第二の基板とが配向層同士向かい合うよう離間して配置され、当該前記第一の基板と第二の基板との間に液晶組成物を含む液晶層が充填された液晶表示素子であって、前記薄膜トランジスタを含む電極層は、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記画素電極と離間して共に第一の基板上に並設されている共通電極と、を備え、近接する前記共通電極と前記画素電極との最短離間距離dが前記配向層同士の最短離間距離Gより短いことが好ましい。
【0846】
なお本明細書において、共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより長い条件の液晶表示素子をIPS方式の液晶表示素子と称し、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短い条件の素子をFFSと称する。したがって、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短いことだけがFFS方式の条件であるため、当該共通電極の表面と画素電極との表面との厚さ方向の位置関係に制限はない。そのため、本発明に係るFSS方式の液晶表示素子としては、図3図9のように、画素電極が共通電極より液晶層側に設けられてもよく、画素電極と共通電極とが同一面上に設けられていても良い。
【0847】
本発明に係る液晶組成物は特にFFS駆動方式(FFS−LCD)の液晶表示素子に使用すると高速応答、焼き付きの低減の観点で好ましい。
【0848】
本発明に係る第二の実施形態のより好ましい実施形態の一例を図3図7を用いて以下説明する。図3は、液晶表示素子の一態様の構造を模式的に示す分解斜視図であり、いわゆるFFS方式の液晶表示素子である。本発明に係る液晶表示素子10は、第二の偏光板8と、第二の基板7と、薄膜トランジスタを含む電極層(又は薄膜トランジスタ層とも称する)3と、配向膜4と、液晶組成物を含む液晶層5と、配向膜4と、カラーフィルタ6と、第一の基板2と、第一の偏光板1と、が順次積層された構成であることが好ましい。また、図3に示すように、前記第二の基板7および前記第一の基板2は、一対の偏光板1,8により挟持されてもよい。さらに、図3では、前記第二の基板7と配向膜4との間にカラーフィルタ6が設けられている。さらに、本発明に係る液晶層5と近接し、かつ当該液晶層5を構成する液晶組成物と直接当接するよう一対の配向膜4を(透明)電極(層)3に形成してもよい。
【0849】
本発明に係る液晶表示素子10の他の好適な形態としては、いわゆるカラーフィルタオンアレイ(COA)であってもよく、薄膜トランジスタ層3と液晶層5との間にカラーフィルタ6を設けても、または当該薄膜トランジスタ層3と第一の基板2との間にカラーフィルタ6を設けてもよい。
【0850】
FFS方式の液晶表示素子は、フリンジ電界を利用するものであり、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短いと、共通電極と画素電極との間にフリンジ電界が形成され、液晶分子の水平方向および垂直方向の配向を効率的に利用することができる。すなわち、FFS方式の液晶表示素子の場合は、画素電極21の櫛歯形を形成するラインに対して垂直な方向に形成される水平方向の電界と、放物線状の電界を利用することができる。
【0851】
図4は、図3における基板上に形成された薄膜トランジスタを含む電極層3(または薄膜トランジスタ層3とも称する。)のIIの領域を拡大した平面図である。ゲート配線26とデータ配線25が互いに交差している交差部近傍において、ソース電極27、ドレイン電極24およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタ20が、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として前記画素電極21と連結して設けられている。当該図4では一例として、櫛歯状の画素電極21の背面に絶縁層(図示せず)を介して平板体状の共通電極22が一面に形成されている構成を示す。また、前記画素電極21の表面には保護絶縁膜及び配向膜層によって被覆されていてもよい。なお、前記複数のゲート配線26と複数のデータ配線25とに囲まれた領域にはデータ配線25を介して供給される表示信号を保存するストレイジキャパシタ23を設けてもよい。さらに、ゲート配線26と並行して、共通ライン29が設けられる。この共通ライン29は、共通電極22に共通信号を供給するために、共通電極22と連結している。
【0852】
図5は、図4におけるIII−III線方向に液晶表示素子を切断した断面図の一例である。配向層4および薄膜トランジスタ20(11,12,13,14,15,16,17)を含む電極層3が表面に形成された第一の基板2と、配向層4が表面に形成された第二の基板7と、が所定の間隔Gで配向層同士向かい合うよう離間しており、この空間に液晶組成物を含む液晶層5が充填されている。前記第一の基板2の表面の一部にゲート絶縁膜12が形成され、さらに当該ゲート絶縁膜12の表面の一部に共通電極22が形成されており、更に前記共通電極22および薄膜トランジスタ20を覆うよう絶縁膜18が形成されている。また、前記絶縁膜18上に画素電極21が設けられており、当該画素電極21は配向層4を介して液晶層5と接している。そのため、画素電極と共通電極との最小離間距離dは、ゲート絶縁膜12の(平均)膜厚として調整することができる。また、換言すると、図5の実施形態では、画素電極と共通電極間の基板に水平方向の距離は0になる。画素電極21の櫛歯状部分の電極幅:l、及び、画素電極21の櫛歯状部分の間隙の幅:mは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に形成することが好ましい。
【0853】
図3〜7で示すように、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短い条件であるFFS方式の液晶表示素子の場合、長軸方向が、配向層の配向方向と平行になるように配置している液晶分子に電圧を印加すると、画素電極21と共通電極22との間に放物線形の電界の等電位線が画素電極21と共通電極22の上部にまで形成され、液晶層5内の液晶分子は、形成された電界に沿って液晶層5内を回転してスイッチング素子としての作用を奏する。より詳細には、例えば液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜を前記配向層に用いると、共通電極と画素電極との間に電圧をかける前は配向膜の配向方向である面方向に配列している液晶分子が光を遮断し、電圧をかけると共通電極と画素電極とが同一の基板(または電極層)上に離間して設けられていることに起因する平面方向成分の電界と、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短いことにより発生するこれら電極の縁由来の垂直方向成分の電界(フリンジ電界)とが発生するため、低い誘電率異方性を有する液晶分子であっても駆動することができる。そのため、液晶組成物自体の特性が高い誘電率異方性(Δε)を有する化合物の量を極力低減することができるため、液晶組成物自体に低粘度の化合物を多く含有させることが可能になる。
【0854】
また、本発明に係る液晶組成物のように低粘度の化合物を多く含有する場合に生じる液晶化合物の析出などの低温安定性に関する問題点についても、一般式(M)と一般式(A)との組み合わせ、より好ましくは一般式(I−1)および一般式(I−0)と、一般式(IIa)との組み合わせを採用することによりかかる問題点が解決できるため、本発明に係る液晶組成物をFFSに適用すると最大限にその特性を発揮することができる。
【0855】
本発明に係る液晶組成物のΔεが1.5〜3.5程度の比較的低い誘電率異方性を有する液晶分子を用いるため、液晶分子の長軸方向が、発生した電界方向に沿って配列するが、IPS方式と比べて電極間距離が短いため低電圧駆動が可能という観点でΔεが1.5〜3.5程度の比較的低い誘電率異方性を有する液晶分子でも駆動することができる。したがって、大きな誘電率異方性を有する液晶分子を用いたFFS方式以外の駆動方式の液晶表示素子に比べて、優れた特性を得ることができる。
【0856】
本発明に係る液晶表示組成における第二の実施形態のより好ましい別の形態の構成は(FFS)、第一の配向層および薄膜トランジスタを含む電極層を表面に有する第一の基板と、第二の配向層を表面に有する第二の基板とが配向層同士向かい合うよう離間して配置され、当該前記第一の基板と第二の基板との間に液晶組成物を含む液晶層が充填された液晶表示素子であって、前記薄膜トランジスタを含む電極層は、共通電極と、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、を備え、かつ前記画素電極が前記共通電極より第二の基板側に突出して設けられていることが好ましい。また、前記液晶層に近接して設けられている第一の配向層および第二の配向層は、液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜であることが好ましい。
【0857】
図6は、図3における基板上に形成された薄膜トランジスタを含む電極層3(または薄膜トランジスタ層3とも称する。)のIIの領域を拡大した平面図の別の形態である。ゲート配線26とデータ配線25が互いに交差している交差部近傍において、ソース電極27、ドレイン電極24およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタ20が、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として前記画素電極21と連結して設けられている。また、画素電極21は少なくとも一つの切欠き部でくり抜かれた構造であってもよく、当該図6にその一例を示す。前記画素電極21は、四角形の平板体の中央部および両端部が三角形状の切欠き部でくり抜かれ、さらに残る領域を8つの長方形状の切欠き部でくり抜かれた形状であり、かつ共通電極22が櫛歯体(図示せず)である。また、前記画素電極の表面には保護絶縁膜及び配向膜層によって被覆されていてもよい。なお、前記複数のゲート配線25と複数のデータ配線24とに囲まれた領域にはデータ配線24を介して供給される表示信号を保存するストレイジキャパシタ23を設けてもよい。なお、上記切欠き部の形状や数などは特に制限されることは無い。
【0858】
図7は、図6において、図4と同様のIII−III方向の位置で液晶表示素子を切断した断面図の他の形態の一例である。すなわち、前記図5の液晶表示素子の構造との相違点は、図5に示す液晶表示素子は、共通電極が平板体であり、かつ画素電極が櫛歯体である。一方、上記で説明したように、図7に示す液晶表示素子においては、画素電極21は、四角形の平板体の中央部および両端部が三角形状の切欠き部でくり抜かれ、さらに残る領域を8つの長方形状の切欠き部でくり抜かれた形状であり、かつ共通電極が櫛歯体の構造である。そのため、画素電極と共通電極との最小離間距離dは、ゲート絶縁膜12の(平均)膜厚以上、かつ配向層離間距離G未満になる。また、図7では共通電極が櫛歯体の構造であるが、この実施形態でも共通電極を平板体にしてもよい。また、いずれにおいても、本発明に係るFFS方式の液晶表示素子は、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短い条件を満たしさえすればよい。さらに、図7に示す液晶表示素子の構成では、画素電極21が保護膜18で覆われているが、図5に示す液晶表示素子の構成では、画素電極21が配向層4で被覆されている。本発明においては、画素電極は保護膜または配向膜のいずれにも被覆されてもよい。
【0859】
また、図7において、第一の基板2の一方の表面には偏光板が形成され、かつ他方の表面の一部に形成された櫛歯状の共通電極22を覆うようゲート絶縁膜12が形成され、当該ゲート絶縁膜12の表面の一部に画素電極21が形成されており、更に前記画素電極21および薄膜トランジスタ20を覆うよう絶縁膜18が形成されている。また、前記絶縁膜18上に配向層4、液晶層5、配向層4、カラーフィルタ6、第二の基板7および偏光板8が積層している。そのため、画素電極と共通電極との最小離間距離dは、両電極位置、画素電極21の櫛歯状部分の電極幅:l、または画素電極21の櫛歯状部分の間隙の幅:mで調整することができる。
【0860】
図7のように、前記画素電極が前記共通電極より第二の基板側に突出し、かつ両者とも第一の基板上に並列して設けられていると、前記共通電極と前記画素電極との間で平面方向成分の電界を形成し、かつ画素電極の表面と共通電極の表面との厚み方向の高さが相違するため、厚み方向成分の電界(E)も同時にかけることができる。
【0861】
なお、FFS方式の液晶表示素子は、フリンジ電界を利用するものであり、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短い条件であれば特に制限されることは無いため、例えば、櫛歯状の画素電極の複数の歯部および櫛歯状の共通電極の複数の歯部が離間して噛合した状態で基板上に設けられて構成であってもよい。この場合、共通電極の歯部と画素電極の歯部との離間距離を配向層同士の最短離間距離Gより短くすればフリンジ電界を利用することができる。
【0862】
本発明の組成物と液晶組成物をFFS方式の液晶表示素子に使用した場合は、用いる液晶組成物のΔεが低いという観点から高速応答、焼き付きの低減という効果を奏することができる。
【0863】
本発明に係る第三の実施形態の構成は、薄膜トランジスタを含む電極層3が形成されている第一の基板と同一の基板側にカラーフィルタ6が形成されていることが好ましい。当該形態は、一般的にカラーフィルタオンアレイ(COA)などと呼ばれている。具体的な構造について図8および図9を用いて以下説明する。図8は、図4のIII−III線方向に液晶表示素子を切断した断面図の別の形態である。当該液晶組成物の構成は、配向層4、薄膜トランジスタ20(11,13,15,16,17)、カラーフィルタ6および画素電極21が表面に形成された第一の基板2と、配向層4および共通電極22が表面に形成された第二の基板7とが前記配向層同士向かい合うよう離間しており、この空間に液晶組成物を含む液晶層5が充填されている。また、前記第一の基板2の表面の一部に薄膜トランジスタ20やゲート絶縁膜12が形成されており、さらに当該薄膜トランジスタ20を被覆するように平坦膜でもあるバッファー層30が形成されており、当該絶縁層30上にカラーフィルタ6、画素電極21および配向層4の順で積層されている。そのため、図5などとは異なり、第二の基板7上にはカラーフィルタ6が存在しない。
【0864】
また液晶表示素子は、中央部に位置した矩形状の表示領域R1と、表示領域周縁部に沿って位置した枠状の非表示領域R2とを有しており、表示領域R1において、赤色、緑色または青色のカラーフィルタを形成している。より詳細にはカラーフィルタの周縁部を信号線(データ配線やゲート配線等)に重ねて配設されている。
【0865】
カラーフィルタ上には、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)等の透明な導電膜により形成された複数の画素電極21が設けられている。各画素電極21は絶縁膜18および各着色層に形成されたスルーホール(図示せず)を介して対応する薄膜トランジスタに接続されている。より詳しくは、画素電極21は、上記したコンタクト電極を介して薄膜トランジスタに接続されている。画素電極21上には柱状スペーサー(図示せず)などが複数本配設されていてもよい。カラーフィルタおよび画素電極21上には、配向膜4が形成されている。
【0866】
図9は、図8とは異なる形態のカラーフィルタオンアレイを示す図であり、図8における薄膜トランジスタ20と基板2の箇所を拡大して示す図である。当該図8ではカラーフィルタが薄膜トランジスタより液晶層側に存在した構成になっているが、図9の形態では、薄膜トランジスタがカラーフィルタより液晶層側に存在した構成になっており、前記薄膜トランジスタとカラーフィルタとはバッファー層を介して接合させている。
【実施例】
【0867】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は「質量%」を意味する。
【0868】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0869】
Tni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :295Kにおける屈折率異方性(別名:複屈折率)
Δε :295Kおける誘電率異方性
η :295Kにおける粘度(mPa・s)
γ1 :295Kにおける回転粘性(mPa・s)
VHR:周波数60Hz,印加電圧5Vの条件下で313Kにおける電圧保持率(%)
焼き付き:
液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1440時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
【0870】
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
揮発性/製造装置汚染性 :
液晶材料の揮発性評価は、真空攪拌脱泡ミキサーの運転状態をストロボスコープで照らしながら観察し、液晶材料の発泡を目視により観察することによって行った。具体的には、容量2.0Lの真空攪拌脱泡ミキサーの専用容器に液晶組成物を0.8kg入れ、4kPaの脱気下、公転速度15S−1、自転速度7.5S−1で真空攪拌脱泡ミキサーを運転し、発泡が始まるまでの時間によって、以下の4段階評価で行った。
【0871】
◎発泡まで3分以上。揮発による装置汚染の可能性が低い。
【0872】
○発泡まで1分以上かつ3分未満。揮発による軽微な装置汚染の懸念あり。
【0873】
△発泡まで30秒以上かつ1分未満。揮発による装置汚染が起きる。
【0874】
×発泡まで30秒以内。揮発による重大な装置汚染の懸念がある。
【0875】
プロセス適合性 :
プロセス適合性は、ODFプロセスにおいて、定積計量ポンプを用いて1回に40pLずつ液晶を滴下することを100000回行い、次の「0〜200回、201〜400回、401〜600回、・・・・99801〜100000回」の各200回ずつ滴下された液晶量の変化を以下の4段階で評価した。
【0876】
◎変化が極めて小さい(安定的に液晶表示素子を製造できる)
○変化が僅かに有るも許容できるレベル
△変化が有り許容できないレベル(斑発生により歩留まりが悪化)
×変化が有りかなり劣悪(液晶漏れや真空気泡が発生)
低温での溶解性:
低温での溶解性評価は、液晶組成物を調製後、1mLのサンプル瓶に液晶組成物を0.5g秤量し、これに温度制御式試験槽の中で、次を1サイクル「−20℃(1時間保持)→昇温(0.2℃/毎分)→0℃(1時間保持)→昇温(0.2℃/毎分)→20℃(1時間保持)→降温(−0.2℃/毎分)→0℃(1時間保持)→降温(−0.2℃/毎分)→−20℃」として温度変化を与え続け、目視にて液晶組成物からの析出物の発生を観察し、以下の4段階評価を行った。
【0877】
◎600時間以上析出物が観察されなかった。
【0878】
○300時間以上析出物が観察されなかった。
【0879】
△150時間以内に析出物が観察された。
【0880】
×75時間以内に析出物が観察された。
【0881】
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
【0882】
(側鎖構造及び連結構造)
【0883】
【表1】
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【0884】
(環構造)
【0885】
【化360】
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【0886】
【表2】
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【0887】
【表3】
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【0888】
【表4】
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【符号の説明】
【0889】
100 第1基板
102 TFT層
103 画素電極
104 パッシベーション膜
105 第1配向膜
200 第2基板
201 平坦化膜(オーバーコート層)
202 ブラックマトリックス
203 カラーフィルタ
204 透明電極
205 第2配向膜
301 シール材
302 突起(柱状スペーサー)
303 液晶層
304 突起(柱状スペーサー)
401 マスクパターン
402 レジン層
L 光
1,8 偏光板
2 第一の基板
3 電極層
4 配向膜
5 液晶層
6 カラーフィルタ
6G カラーフィルタ緑
6R カラーフィルタ赤
7 第二の基板
11 ゲート電極
12 ゲート絶縁膜
13 半導体層
14 絶縁層
15 オーミック接触層
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 絶縁保護層
21 画素電極
22 共通電極
23 ストレイジキャパシタ
24 ドレイン電極
25 データ配線
27 ソース配線
29 共通ライン
30 バッファー層
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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