特許第5811376号(P5811376)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5811376水素還元ニッケル粉の製造に用いる種結晶の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5811376
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月11日
(54)【発明の名称】水素還元ニッケル粉の製造に用いる種結晶の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/24 20060101AFI20151022BHJP
   B22F 9/26 20060101ALI20151022BHJP
【FI】
   B22F9/24 C
   B22F9/26 C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-27899(P2014-27899)
(22)【出願日】2014年2月17日
(65)【公開番号】特開2015-151590(P2015-151590A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2015年5月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】米山 智暁
(72)【発明者】
【氏名】平郡 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大原 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】池田 修
(72)【発明者】
【氏名】工藤 陽平
【審査官】 川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/114637(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/001741(WO,A1)
【文献】 特開2013−014813(JP,A)
【文献】 特開2013−221192(JP,A)
【文献】 特開平09−227908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 9/00− 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素還元ニッケル粉の製造に用いる種結晶の製造方法であって、
50℃以上、60℃以下の温度に維持したニッケルイオンを含有する酸性溶液に、前記酸性溶液に含まれるニッケル成分1モル当たり、1モル以上、1.25モル以下の量のヒドラジンを添加して生成されたことを特徴とする水素還元ニッケル粉の製造に用いる種結晶の製造方法。
【請求項2】
前記ニッケルイオンを含有する酸性溶液へのヒドラジンの添加が、水酸化ナトリウムと錯化剤の混合溶液と、前記酸性溶液に含まれるニッケル成分1モル当たり、1モル以上、1.25モル以下の量のヒドラジンを含むヒドラジン溶液とを混合して形成した溶液を、前記酸性溶液に添加して行われることを特徴とする請求項1記載の水素還元ニッケル粉の製造に用いる種結晶の製造方法。
【請求項3】
ニッケルイオンを含有する酸性溶液から水素還元を経てニッケル粉を生成する水素還元ニッケル粉の製造方法における前記ニッケルイオンを含有する酸性溶液に、錯化剤と種結晶を添加してニッケル錯体イオンと種結晶を含む錯体溶液を形成した後、水素ガスを吹き込んでニッケル錯体イオンを還元してニッケル粉末を生成する水素還元工程において、
添加される前記種結晶が、50℃以上、60℃以下の温度に維持したニッケルイオンを含有する酸性溶液に、前記酸性溶液に含まれるニッケル成分1モル当たり、1モル以上、1.25モル以下の量のヒドラジンを添加して生成したニッケル粉であることを特徴とする水素還元ニッケル粉の製造方法。
【請求項4】
前記ニッケルイオンを含有する酸性溶液へのヒドラジンの添加が、水酸化ナトリウムと錯化剤の混合溶液と、前記酸性溶液に含まれるニッケル成分1モル当たり、1モル以上、1.25モル以下の量のヒドラジンを含むヒドラジン溶液とを混合して形成した溶液を、前記酸性溶液に添加して行われることを特徴とする請求項3記載の水素還元ニッケル粉の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性溶液に種結晶を添加して水素ガスを吹き込んで還元しニッケル粉を製造する方法に用いる種結晶を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケルの製錬方法として、鉱石を焙焼して硫化物や酸化物の形態とし、これを還元して鉄との合金であるフェロニッケルを得て、ステンレスの原料として提供したり、硫化物を塩酸や硫酸で溶解した酸溶解液から不純物を分離し、電解採取して電気ニッケルを得る方法がある。また、前記酸溶解した液から硫酸ニッケルや塩化ニッケル等のニッケル塩類として回収し、めっきや電池材料などに用いることがある。
【0003】
その他に、そのニッケル塩類から粉末状のニッケル粉末を製造する方法として、例えば非特許文献1に示す湿式プロセスがある。
非特許文献1の方法は、硫酸ニッケル水溶液に錯化剤を混合して錯化処理してニッケルアンミン錯体の溶液を形成し、その溶液を加圧容器に入れて密栓後、150〜250℃程度に昇温、保持し、その中に水素ガスを吹き込む、いわゆる錯化還元法と呼ばれる方法で、水素によりニッケルアンミン錯体が還元されてニッケル粉を生成するものである。
【0004】
上記水素ガスを用いて還元する方法は、工業的に安定した操業が可能であり、大量生産に適した製法である。
しかしながら、還元反応によって金属粒子を得ようとする場合、添加された還元剤と溶液が均一に反応しないとランダムに結晶核が発生し、過度に微細な粉末が生成したり、均一な粒子を得ることが難しくなって還元効率が低下したりするなどの課題を抱えている。
【0005】
さらに、上記水素ガスのような気体を溶液中に吹き込む場合、気体の泡は物理的に一定以上の粒径を有するので、どうしても、溶液内で部分的に不均一な成長が生じる可能性が高くなる。
【0006】
このようなニッケル粉の製造においては、工業的に還元効率が、おおむね80%以上が必要とされている。この還元効率が80%未満など低すぎる場合、ロスが多すぎて繰り返しが必要となるなど好ましくない。
【0007】
そこで、種結晶(種晶とも称す。)を、あらかじめ溶液中に混在させておき、その種結晶を核としてニッケル粒子を成長させる方法が用いられる。使用する種結晶のサイズや形状などの性状は粒子の成長に大きく影響するので、均一な種結晶を用いることが必要となる。
そのため、種結晶は、製品の一部を繰り返して使用する方法もあるが、製品を種結晶に適したサイズや性状に加工する手間がかかったり、一度作った製品を繰り返す分だけ収率が低下してコストが増加する問題を抱えている。
【0008】
そこで、工業的には、均一な品質を大量に製造できる鉄粉や鉄の化合物を、種結晶として用いることが考えられ、非特許文献1では、還元反応時に鉄化合物を種晶として添加して、鉄化合物上にニッケルを析出させている。
しかしながら鉄粉を用いるために製品中に鉄が混入し、高純度な品質が必要となる用途に用いることが難しくなる課題があった。
【0009】
一方、特許文献1及び特許文献2では、水素ガス以外の還元剤を用いてニッケル粉を得る方法が示されている。
特許文献1は安価で、かつ耐侯性に優れ、樹脂と混練した状態で電気抵抗が低く、初期電気抵抗および使用中の電気抵抗を低減し、長期間にわたり安定して使用でき、導電ペーストおよび導電樹脂用の導電性粒子として好適なニッケル粉、およびその製造方法を提供するもので、具体的にはコバルトを1〜20質量%含有し、残部がニッケルおよび不可避不純物からなり、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されるニッケル粉であって、酸素含有量が0.8質量%以下である。二次粒子の表層部にのみコバルトを含有し、その表層部におけるコバルト含有量が1〜40質量%とすることが好ましいものである。
しかしながら、特許文献1の方法も種結晶としてコバルト等の不純物を添加するために、上記鉄の種結晶を使用した場合と同様に製品への混入による品質の低下がある。
【0010】
また、特許文献2には、粒子凝集物を生じにくいように改善された、液相還元法による金属粉末の製造方法を提供する方法が示されている。
この方法は、金属化合物、還元剤、錯化剤、分散剤を溶解することにより、金属化合物に由来する金属イオンを含有する水溶液を作製する第1工程と、水溶液のpH調整をすることにより金属イオンを還元剤により還元させ、金属粉末を析出させる第2工程とを備える金属粉末の製造方法である。
【0011】
この湿式反応方法による種結晶は、一般に種結晶として最も利用しやすいと考えられる0.5〜5.0μmの1次粒子径の粉末を精度よく得ることができ好ましいが、特許文献2に開示される方法では、添加する還元剤や分散剤などの試薬は高価で、工業的に大量に使用するにはコスト面での課題が多く実用的ではなかった。特に還元剤にヒドラジンを用いた場合は、コスト増加に加えて、排水処理負荷が増加するなど環境負荷の増加という課題もあった。
【0012】
以上のように、低コストでニッケル粉の品質を維持、向上せしめるニッケル種結晶の製造方法が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−240164号公報
【特許文献2】特開2010−242143号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】“The manufacture and properties of Metal powder produced by the gaseous reduction of aqueous solutions”,Powder metallurgy,No.1/2(1958),pp.40−52.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、ヒドラジンを用いて種結晶の微小ニッケル粉を作製する際に添加するヒドラジン量を適正化することにより、製造コストやニッケル粉の製造における環境負荷を抑制しつつ、低コスト且つニッケル粉の品質を維持、向上せしめるニッケル種結晶の製造方法と、そのニッケル種結晶を用いたニッケル粉の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するための本発明の第1の発明は、水素還元ニッケル粉の製造に用いる種結晶の製造方法であって、50℃以上、60℃以下の温度に維持したニッケルイオンを含有する酸性溶液に、前記酸性溶液に含まれるニッケル成分1モル当たり、1モル以上、1.25モル以下の量のヒドラジンを添加して生成されたことを特徴とする水素還元ニッケル粉の製造に用いる種結晶の製造方法である。
【0017】
本発明の第2の発明は、ニッケルイオンを含有する酸性溶液から水素還元によりニッケル粉を生成する水素還元ニッケル粉の製造方法における前記ニッケルイオンを含有する酸性溶液に、錯化剤と種結晶を添加してニッケル錯体イオンと種結晶を含む錯体溶液を形成した後、水素ガスを吹き込んでニッケル錯体イオンを還元してニッケル粉末を生成する水素還元工程において、添加される種結晶が、50℃以上、60℃以下の温度に維持したニッケルイオンを含有する酸性溶液に、その酸性溶液に含まれるニッケル成分1モル当たり、1モル以上、1.25モル以下の量のヒドラジンを添加して生成したニッケル粉であることを特徴とする水素還元ニッケル粉の製造方法である。
【0018】
本発明の第3及び第4の発明は、それぞれの発明におけるニッケルイオンを含有する酸性溶液へのヒドラジンの添加が、水酸化ナトリウムと錯化剤の混合溶液と、その酸性溶液に含まれるニッケル成分1モル当たり、1モル以上、1.25モル以下の量のヒドラジンを含むヒドラジン溶液とを混合して形成した溶液を、その酸性溶液に添加して行われることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ニッケル粉の生成に必要なニッケル種結晶の製造に用いられるヒドラジン添加量の最適範囲を選定でき、過剰な使用を防ぐことで、コストと環境負荷を低減でき、コストや環境負荷の抑制に大きな効果を示すもので、工業上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る種結晶のニッケル粉の製造方法、及びその種結晶を用いた水素還元ニッケル粉の製造方法を示す製造フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、種結晶が存在する溶液中に水素ガスを吹き込んで還元反応を生じさせニッケル粉を生成する製造方法において、ニッケル粉の品質を安定化させるために、種結晶を均一な析出の得られやすい製造方法で予め製造して図1に示すように、その種結晶を用いる水素還元ニッケル粉の製造方法と、予め作製される種結晶のニッケル粉の製造方法である。
【0022】
[種結晶の製造方法]
本発明に係る種結晶を得るための製造方法の製造フロー図を図1の「種結晶製造方法」に示す。
図1からも判るように、本発明はヒドラジンなどの薬液を用いた湿式還元によりニッケル粉を得る方法である。
即ち、試料溶液と液体還元剤とを、液−液接触させて、所望の種結晶を製造するものである。
しかしながら、この還元剤のコストインパクトは大きいので、最適な添加量を把握し、その結果として過剰な添加を抑制する方法を用いた。
【0023】
即ち、本発明では、還元時の反応温度を特定範囲下に保持することで、還元剤であるヒドラジンの自己分解反応を抑制し、さらに適切な添加当量の範囲を把握して過剰なヒドラジンの添加を防止したものである。
【0024】
具体的には還元反応の温度は50℃以上、60℃以下が適している。
60℃を超えると、ヒドラジンの自己分解反応が加速し、添加当量を増加しないと還元剤が不足することになり、一方50℃よりも低いと、極端に反応時間を要するため実用的でなく、さらに反応が円滑に進まず、反応槽内の条件が不均一になりやすく安定したニッケル粉の生成が難しくなるためである。
【0025】
また、還元剤の量が、被添加液中のニッケル量1モルに対して、1.25モルを超える量を用いると、反応に関与しない無駄なヒドラジンが増加して好ましくないが、1.0モル未満だと還元剤が不足する。
つまり反応温度が50〜60℃であって、添加するヒドラジンがニッケル量の1.0〜1.25倍に相当する量を添加した場合、水素還元ニッケル粉の製造に使用する種結晶に適した種結晶のニッケル粉を得ることができる。
【0026】
[ニッケル粉の製造方法]
本発明に係る水素還元ニッケル粉の製造方法の製造フローを図1の「水素還元ニッケル粉製造方法」に示す。
図1からも判るように、本発明に係る水素還元ニッケル粉の製造方法は、ニッケルイオンを含む酸性溶液から錯体溶液を形成する錯化工程、及び得られた錯体溶液中に、種結晶のニッケル粉を添加し、錯体溶液中のニッケル錯体イオンを水素ガスにより還元して、種結晶表面に析出、成長させてニッケル粉とする還元剤に水素を用いる水素還元工程を順に経て製造するものである。特に、添加する種結晶として、本発明に係る種結晶の製造方法を用いて作製した種結晶を用いることで、より高い還元率が得られることを特徴とするものである。
なお、図示してはいないが、本発明の種結晶の製造方法において、ヒドラジンの添加の際に、錯化剤と水酸化ナトリウムとの混合溶液と所定濃度のヒドラジン溶液を混合した溶液を形成して、この溶液を、ニッケルを含有する溶液に混合すると、種結晶用のニッケル粉を、安定して得ることができて好ましい。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
[種結晶製造]
還元工程において核として用いるニッケル種結晶を、以下に示す製造方法により生成する。
先ず、容器Aに試薬硫酸ニッケル6水和物89.55g(Ni量純分で20g相当)を採取し、液中のニッケル濃度が110g/Lとなるように溶解し、液温を60℃に昇温、維持した。
次に別の容器Bに、濃度250g/Lの水酸化ナトリウム溶液95mlと25%アンモニア水溶液48.9mlを混合し、容器Aと同じ温度に昇温、維持した。
【0029】
液温60℃に維持した容器Bに濃度60%のヒドラジン溶液を、容器Aに含まれる溶液中のニッケル成分に対するモル比で1.25になる量だけ添加した。
上記容器Aと容器Bを、混合して容器Cに入れて60℃の液温を維持しながら1時間撹拌してスラリーを形成した。
【0030】
1時間経過後、容器Cのスラリーを固液分離し、析出したニッケル粉を回収し、回収したニッケル粉を水洗浄を行い、その後乾燥して種晶用のニッケル粉(ニッケル種晶)は回収率90%以上で生成された。(この場合反応評価は「○」となる。)
また、得られた種結晶のニッケル粉の平均粒径は約2μmだった。
【0031】
<ニッケル粉の製造>
[種結晶添加]
ニッケル分で75gとなる量の試薬硫酸ニッケル6水和物の水溶液に硫酸アンモニウム330gと、25%アンモニア水191mlを添加し、合計の液量が1000mlになるように調整した。この溶液に上記種結晶製造で作製した種晶用のニッケル粉7.5gと分散剤としてリグニンスルホン酸ナトリウム1.5gを添加してスラリーを形成した。
【0032】
[水素還元工程]
次に作製したスラリーを、オートクレーブの内筒缶に入れ、撹拌しながら185℃に昇温、保持した。185℃に保持した状態のスラリーに水素ガスボンベから供給された水素ガスを吹き込み、オートクレーブの内筒缶内の圧力が3.5MPaになるように水素ガスを供給した。
水素ガスの供給後、1時間が経過した所で水素ガスの供給を停止し、オートクレーブの内筒缶を冷却した。冷却後、内筒缶内のスラリーを取り出し、濾過して水素還元によるニッケル粉を回収した。
このときの回収した水素還元によるニッケル粉の量は70gで、液中の残留ニッケル濃度から算出した還元率は、80%を超える水準となり、本発明に係るニッケル種結晶の製造方法の有用性を確認した。
なお、下記の結果を纏めた表1において、反応評価は種結晶ニッケル粉の回収率が90%を超える場合に「○」とし、回収率90%未満の場合、「×」として評価した。
【実施例2】
【0033】
実施例1における「種結晶製造」において、容器Aと容器Bを混合して還元反応する際の液温を60℃に保持し、ニッケル1モル当たりに対して1.00モルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同じ方法を用いてニッケル粉を製造した。
その結果、ニッケル粉回収率90%以上の良好な反応を確認した。結果を纏めて、表1に示す。
【実施例3】
【0034】
実施例1における「種結晶製造」において、容器Aと容器Bを混合して還元反応する際の液温を50℃に保持し、ニッケル1モル当たりに対して1.25モルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同じ方法を用いてニッケル粉を製造した。
その結果、実施例1及び2と同様にニッケル粉回収率90%以上の良好な反応を確認した。結果を纏めて、表1に示す。
【実施例4】
【0035】
実施例1における「種結晶製造」において、容器Aと容器Bを混合して還元反応する際の液温を50℃に保持し、ニッケル1モル当たりに対して1.00モルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同じ方法を用いてニッケル粉を製造した。
その結果、実施例1〜3と同様にニッケル粉回収率90%以上の良好な反応を確認した。結果を纏めて、表1に示す。
【0036】
(比較例1)
実施例1における「種結晶製造」において、容器Aと容器Bを混合して還元反応する際の液温を60℃に保持し、ニッケル1モル当たりに対して0.50モルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同じ方法を用いてニッケル粉を製造した。
その結果、ヒドラジンが不足し、系内が塩基性の為に水酸化ニッケルとニッケル粉が共沈し、ニッケル粉回収率は90%未満となった。結果を纏めて、表1に示す。
【0037】
(比較例2)
実施例1における「種結晶製造」において、容器Aと容器Bを混合して還元反応する際の液温を60℃に保持し、ニッケル1モル当たりに対して0.75モルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同じ方法を用いてニッケル粉を製造した。
その結果、ヒドラジンが不足し、系内が塩基性の為に水酸化ニッケルとニッケル粉が共沈し、ニッケル粉回収率は90%未満となった。結果を纏めて、表1に示す。
【0038】
(比較例3)
実施例1における「種結晶製造」において、容器Aと容器Bを混合して還元反応する際の液温を75℃に保持し、ニッケル1モル当たりに対して1.25モルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同じ方法を用いてニッケル粉を製造した。
その結果、ヒドラジンが不足し、系内が塩基性の為に水酸化ニッケルとニッケル粉が共沈し、ニッケル粉回収率は90%未満となった。結果を纏めて、表1に示す。
【0039】
(比較例4)
実施例1における「種結晶製造」において、容器Aと容器Bを混合して還元反応する際の液温を50℃に保持し、ニッケル1モル当たりに対して0.75モルのヒドラジンを添加した以外は、実施例1と同じ方法を用いてニッケル粉を製造した。
その結果、ヒドラジンが不足し、系内が塩基性の為に水酸化ニッケルとニッケル粉が共沈し、ニッケル粉回収率は90%未満となった。結果を纏めて、表1に示す。
【0040】
【表1】
図1