(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ゼオライトが、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−18、ZSM−23、MCM−ゼオライト、モルデナイト、フォージャサイト、フェリエライト、ゼオライトβ、及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ある実施形態において、本発明の新規な触媒は、その配合としてa)貴金属又は白金族金属を含まず、b)卑金属及びc)酸化物を含む。別の実施形態において、本発明の新規な触媒の配合は、a)極少量の貴金属(触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たり白金10g未満又は触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たりパラジウム100g未満)及びb)酸化物を含む。上記触媒組成物は、リーンバーン排気エンジンから一酸化炭素及び未燃焼炭化水素等の有害な汚染物質を除去するため使用できる。本発明で開示される酸化触媒の存在下において、一酸化炭素及び未燃焼炭化水素は、希薄排気中の過剰の酸素と反応し、無害なCO
2及び水蒸気に変換される。
CO+O
2→CO
2
C
xH
y+O
2→CO
2+H
2O
【0014】
そのような酸化触媒中の卑金属としては、銅、鉄、ニッケル、タングステン、バナジウム及びクロム又はそれらの混合物を使用できる。触媒は、白金及びパラジウム等の貴金属を極少量含んでもよいが、CO酸化のためにリーンバーンエンジンに使用される従来の酸化触媒における含有量より少量とする。新規触媒配合における白金及びパラジウム等の貴金属量は、具体的には、(白金について)触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たり10g未満、及び(パラジウムについて)
3×10−2m3(1立方フィート)当たり100g未満とする。
【0015】
無機酸化物は、(a)表面積の大きな無機酸化物材料、(b)混合金属酸化物、(c)ゼオライト等のフレームワーク構造材料、(d)任意の構造化又は非晶質無機酸化物材料、(e)セリウム系酸素貯蔵材料、又は(f)それらの任意の組合せである。上記配合は、ディーゼルエンジン、ガスタービン、ボイラー、プロセス加熱器及び炉等のリーンバーンエンジンの他、広範囲な用途に適用できる。上記触媒は、単独の触媒システムとして、又はリーンバーンエンジンの他のフィルター、若しくはNOx触媒等の他の排出制御触媒と組み合わせて使用できる。
【0016】
触媒は、基材に配合物を被覆して形成できる。配合物は、卑金属又は極少量の貴金属のいずれかを含む。配合物は、酸化物材料も含むものとしてよい。触媒配合物は、所望の基材に、1段階又は複数段階の工程で被覆するプロセスにより形成できる。1段階で被覆するプロセスでは、極少量の貴金属及び/又は卑金属を含む触媒配合物を酸化物材料と混合し、被覆する。あるいは、卑金属及び/又は極少量の貴金属を酸化物材料の上に沈殿させた後、その混合物を基材上に被覆してもよい。
【0017】
基材上に最初に被覆する酸化物材料を、ウォッシュコートと称する。ウォッシュコート上に、次いで卑金属及び/又は極少量の貴金属を含浸して新規な酸化触媒配合物を製造する。触媒は、酸化物材料、卑金属及び/又は極少量の貴金属を含む配合物を他の支持媒体とともに押出成形して製造することもできる。また、酸化物材料を押出成形した上に、卑金属及び/又は極少量の貴金属を含浸して導入できる。
【0018】
基材
本発明の基材は、屈折性材料、セラミック基材、ハニカム構造、波型構造、金属基材、セラミック発泡体、金属発泡体、網状発泡体、繊維材料、織物無機材料、又はこれらの適当な組合せとすることができ、基材は、少なくとも複数の流路と、50%以下の必要限度の多孔性を有するものとする。当技術分野において知られているように、多孔性や流路の数は、使用する基材に依存する。当事者に公知となっている基材の種類及び形状を採用できる。基材は、金属又はセラミックのいずれであっても、三次元支持構造であることが好ましい。
【0019】
基材は、ビーズ又はペレットの形態とすることができる。ビーズ又はペレットは、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、チタニア、それらの混合物、又は任意の適当な材料から形成できる。基材は、ハニカム基材としてもよい。ハニカム基材としては、セラミックハニカム基材又は金属ハニカム基材がある。セラミックハニカム基材は、例えば、シリマナイト、ジルコニア、ペタライト、スポジュメン(リチウムアルミニウムシリケート)、マグネシウムシリケート、ムライト、アルミナ、コージエライト(例えばMg
2Al
4Si
5O
18)、その他のアルミノシリケート材料、シリコンカーバイド、アルミニウムニトリド、又はそれらの組合せから形成できる。その他、当業者に公知のセラミック基材を使用できる。また、基材を繊維強化材料とすることもできる。繊維強化材料は、2種以上の材料から作られた複合材料とすることができる。
【0020】
基材が金属ハニカム基材の場合、金属としては、耐熱性卑金属合金、特に鉄が実質的又は主な成分である合金を採用できる。金属基材の表面を約1000℃を超える高温で酸化し、合金表面に酸化物層を形成することによって、合金の耐食性を改善できる。合金の表面の酸化物層により、モノリス基材の表面に対するウォッシュコートの接着度合いを強化できる。
【0021】
基材としては、モノリスを通して伸延する複数の細かい平行な流路を有するモノリス担体も採用できる。流路は任意の適当な断面形状及び/又は寸法としてよい。例えば、流路を、台形、長方形、正方形、正弦曲線形、六角形、楕円形、又は円形としてよく、その他の形状も適用できる。モノリスは、断面
6×10−4m2(1平方インチ)当たり約9〜1200以上のガス入口開口又は流路を含んでよいが、それ以下の流路としてもよい。
【0022】
基材として粒子用の任意の適当なフィルターも採用できる。好適な基材の形態としては、織物フィルターがあり、特に織物セラミックファイバーフィルター、ワイヤメッシュ、ディスクフィルター、セラミックハニカムモノリス、セラミック若しくは金属発泡体、壁流フィルター等が好ましい。壁流フィルターは、自動車排気ガス触媒用のハニカム基材と類似するものである。壁流フィルターは、流路の入口と出口を交互に塞ぎ、排気ガスが壁流フィルターの入口から出口へ移動する間、壁流フィルターの多孔質の壁を通って強制的に排気ガスを流すようにして、通常の自動車排気ガス触媒のハニカム基材とは異なる用法としてもよい。
【0023】
第1成分
触媒における第1成分は、貴金属又は卑金属のいずれかとする。貴金属を用いる場合、触媒中の貴金属濃度を極めて低いものとして、従来技術の酸化触媒より低くする。好ましい貴金属は、パラジウムと白金である。第1成分は、極めて低濃度のパラジウムのみ、又は低濃度のパラジウムと白金との組合せとすることができる。
【0024】
第1成分を白金とパラジウムとの組合せとする場合、パラジウム及び白金は、パラジウム及び白金の塩等の前駆体を用いて触媒に導入できる。好ましい前駆体塩としては、硝酸パラジウム及び硝酸白金や、白金のエチレンジアミン錯体がある。第1の金属が白金とパラジウムの組合せである場合、両方の金属を同時に導入して最終触媒を形成できる。先に白金を導入してからパラジウムを導入してもよく、パラジウムを先に導入してから白金を沈着させてもよい。白金エチレンジアミン及び硝酸白金前駆体の混合物を用いて白金を導入してもよい。硝酸白金及び硝酸パラジウムを混合して触媒中に導入してから、白金エチレンジアミン錯体を用いて含浸することで、さらに白金を導入してもよい。
【0025】
第1成分を完全に貴金属フリー(非含有)とし、貴金属に代えて、銅、鉄、ニッケル、タングステン、バナジウム、クロム又はマンガン等の卑金属を用いることもできる。従って、適用可能な第1成分としては、
(1)触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たり10g未満の白金のみ
(2)触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たり100g未満のパラジウムのみ
(3)触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たり10g未満の白金と、触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たり100g未満のパラジウムとの組合せ。好ましくは、
3×10−2m3(1立方フィート)当たり3gの白金と
3×10−2m3(1立方フィート)当たり3gのパラジウムとを用いる。
(4)触媒
3×10−2m3(1立方フィート)当たり2000g未満又は最終触媒の重量に対し0.001%〜30%である1又は複数の卑金属
がある。
【0026】
第1成分は、第2成分(以下参照)と混合して基材に被覆することもできる。第2成分を適当な基材に被覆した後に、第1成分を被覆することもできる。卑金属を用いる場合、第1成分が最終的に触媒重量に対し1%〜30%となるように第1成分を被覆する。
【0027】
第1成分は、最初に金属硝酸塩、酢酸塩及び塩化物又はそれらの混合物等、第1成分として好適な金属塩を水と混合することで被覆できる。第1成分は、第2成分(以下参照)が既に被覆されている基材を、第1成分の金属前駆体、又は第1成分の金属前駆体の混合物と既知量の水とを混合した溶液に浸漬して被覆してもよい。他の沈着方法としては、当業者に既知の基材に、第1成分をスプレー又は蒸着させる方法がある。
【0028】
第2成分
第2成分としては、(a)表面積の大きい(>1m
2/g)無機酸化物材料、(b)混合金属酸化物、(c)ゼオライト等のフレームワーク構造材料、(d)任意の構造化又は非晶質無機酸化物材料、(e)任意のセリウム系酸素貯蔵材料、又はそれらの任意の組合せを採用できる。触媒中における第2成分の量は、70%〜99.9%とする。
【0029】
ウォッシュコート
本発明における触媒の少なくとも一部は、ウォッシュコート形態の基材上に載置できる。ウォッシュコート中の酸化物固体は、1つ又は複数の酸化物材料、例えば第2成分としてよい。ウォッシュコートは卑金属を含んでもよく、含まなくてもよい。担体材料酸化物、例えば酸化物材料を含むウォッシュコートは、高温(>1000℃)かつ還元性及び酸化性条件において通常安定である。触媒中の担体酸化物材料又は第2成分としては、(a)表面積の大きい無機酸化物材料、(b)混合金属酸化物、(c)ゼオライト等のフレームワーク構造材料、(d)例えば被覆加工された酸化物等の任意の構造化又は非晶質無機酸化物材料、(e)任意のセリウム系酸素貯蔵材料、又はそれらの任意の組合せを採用できる。
【0030】
ウォッシュコートを基材に結合させる量は、種々の量を採用でき、基材の大部分又はすべての表面積をカバーできる量とすることが好ましい。例えば、約10g/L〜500g/Lのウォッシュコートを基材と結合させることができる。また、基材上のウォッシュコートは、酸化物固体を水に懸濁して水性スラリーを形成し、この水性スラリーを基材上にウォッシュコートとして沈着させて形成してもよい。
【0031】
水性スラリーには、他の任意成分を加えてもよい。酸若しくは塩基溶液又は種々の塩又は有機化合物等成分を水性スラリーに加え、スラリーのレオロジーを調整し、及び/又はウォッシュコートと基材との結合を強化できる。レオロジーを調整するために用いる化合物の例としては、水酸化アンモニウム、水酸化アルミニウム、酢酸、クエン酸、水酸化テトラエチルアンモニウム、他のテトラアルキルアンモニウム塩、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、その他の市販のポリマーで好適なもの等が含まれる。
【0032】
スラリーは、任意の適当な方法で基材上に載置できる。例えば、基材をスラリーに浸漬させてもよく、又はスラリーを基材にスプレーしてもよい。その他、当業者に既知の方法によりスラリーを基材に沈着させてもよい。基材が平行流路を有するモノリス担体である場合は、ウォッシュコートを流路壁上に形成してもよい。流路を通って流れるガスは、流路壁上のウォッシュコート並びにウォッシュコートに支持された材料に接触する。特定の酸化物材料を用いて、触媒系の製造におけるウォッシュコートスラリーのレオロジー及び/又はウォッシュコートスラリーの基材への付着を改善することもできる。
【0033】
表面積の大きな無機酸化物材料及び酸素貯蔵材料
第2成分の少なくとも一部は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、それらの複合酸化物及び/又は混合物からなる群から選択でき、それらの表面積は10〜1000m
2/gと予想される。そのような無機酸化物材料にランタニド及びアクチニドを含む遷移金属をドープして、熱安定性を増大させることもできる。
【0034】
触媒は、表面積の大きな無機担体材料として、ランタンドープジルコニアを含んでもよく、ランタン含量は酸化物の1重量%〜10重量%でよい。表面積の大きな無機担体材料は、スズ−チタニアを含むものとしてもく、スズの量は酸化物の1重量%〜50重量%の範囲で変更できる。
【0035】
第2成分の少なくとも一部は、セリウム系酸素貯蔵材料から選択できる。酸素貯蔵材料としては、CeO
2、Ce
1−αZr
αO
2、ランタニド若しくはランタニドの混合物でドープしたセリア−ジルコニア、又はそれらの任意の組合せを採用できる。セリウム系酸素貯蔵材料は、セリウム、ジルコニウム、プラセオジム(プラサデネウム)及びネオジム(ネオデネイウム)としてもよい。また、セリウム系酸素貯蔵材料は、セリウム、ジルコニウム、ランタン及びイットリウムとしてもよい。
【0036】
混合金属酸化物及び構造化材料
触媒は、混合金属酸化物を含有するものとしてもよい。混合金属酸化物は、少なくとも1つの遷移金属及び少なくとも1つの他の金属を含む。混合金属酸化物の他の金属としては、アルカリ及びアルカリ土類金属、ランタニド、又はアクチニドが含まれる。例えば、混合金属酸化物として、二元酸化物、三元酸化物、スピネル、ペロブスカイト、デラフォサイト、リオンサイト、ガーネット、又はピロクロアが挙げられる。
【0037】
Sn、Ti及び任意選択でZrを含む混合金属酸化物
触媒は、スズ及びチタニア、又はSn−Tiを成分とする二元混合酸化物材料を含んでよい。また、触媒は、チタニア、スズ及びジルコニア、又はTi−Sn−Zrを成分とする三元混合酸化物材料を含んでもよい。触媒は、二元酸化物及び三元酸化物の混合物としてもよい。
【0038】
本発明には、Sn及びTiを含む二元組成物、Sn、Ti及びZrを含む三元組成物、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるSn化合物を含み、排気流中のCO及び/又は炭化水素を変換するための触媒が含まれる。二元組成物には、Sn
(x)Ti
(y)O
2が含まれてもよく、式中、x+y=1、0.85>y>0であり、0.5>y>0.05であることが好ましい。二元組成物にはルチル結晶相が含まれる。
【0039】
Sn化合物には、Sn
(a)Ti
(b)Zr
(c)O
2を含む三元組成物が含まれ、式中、aは0.25、bは0.25、cは0.5である。三元組成物にはスリランカイト結晶相が含まれる。
【0040】
図17は、相図の1つの例である。相図は、熱力学的に異なった相が平衡して存在し得る条件をグラフで表現するものである。図中の異なる領域は、異なる組成物の存在を示す。例えば、
図17における三角形の各頂点は、純粋なZr、Ti又はSn酸化物の存在を示す。三角形の辺を構成するそれぞれの線は、辺の両端における2つの化合物からなる二元化合物の存在を示す。三角形の内部で、辺の両端又は辺の上以外にある点は、三成分からなる三元混合物の存在を示す。
【0041】
Sn化合物には、相図において、Zr
0.5Sn
0.25Ti
0.25O
2とSn
1−xTi
xO
2との間の領域にある組成物が含まれる。式中、xは0以上0.85未満である。この例においてSn
1−xTi
xO
2は、Ti、Sn及びZr化合物の相図において純粋なTiO
2及びSnO
2を示す辺の両端の点の間に示される三角形の底辺の線として表される。Zr
0.5Sn
0.25Ti
0.25O
2の組成物は、相図における三角形内部の単一の点として表わされる。三角形の底辺と三角形内部の点とにより、全体の相図に対するサブセット(部分集合)である三角形の領域が構成される。Sn化合物には、三角形内部の点(Zr
0.5Sn
0.25Ti
0.25)と、三角形の底辺(Sn
1−xTi
xO
2)とで構成される三角形の領域内にある任意の組成物を含んでよい。式中のxは0.05以上0.85未満である。
【0042】
三角形内部の点と、三角形の底辺とで構成される領域に加え、相図の重要な領域として、三角形内部の点と底辺との間を往復する一連の線としても定義できる。Sn化合物は、相図において、Zr
0.5Sn
0.25Ti
0.25O
2とルチルSS Sn
1−xTi
xO
2との間の領域にある組成物を含み、式中のxは、0.05<x<0.85であり、Sn
1−xTi
xO
2はZr
aSn
bTi
cを含み、式中のa、b及びcは、a=0.5、b=0.25、c=0.25と、a=0.4、0.23<b<0.39、0.21<c<0.37、(ここで、b+c=0.6)と、a=0.3、0.21<b<0.53、0.17<c<0.49、(ここで、b+c=0.7)と、a=0.2、0.19<b<0.67、0.13<c<0.61、(ここで、b+c=0.8)と、a=0.1、0.17<b<0.81、0.09<c<0.73、(ここで、b+c=0.9)と、a=0、0.15<b<0.95、0.05<c<0.85、(ここで、b+c=1.0)と、a=0とa=0.5との間のすべての中間領域と、を含む。この領域は、相図中において、三角形内部の点と底辺とにより構成される。
【0043】
これらSn化合物を含む触媒は、Pt、Pd、1つ又は複数の卑金属、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される触媒成分をさらに含んでもよく、卑金属はCu、Fe、Ni、W、V、Cr、Mn、Co、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択できる。触媒成分はPdとしてもよい。触媒成分を含む場合、Sn化合物としてSn
1−xTi
xO
2を含む二元化合物を含んでよく、式中のxは、0.5>x>0.05である。触媒の活性成分は、Sn化合物と触媒成分に限定してもよい。
【0044】
Sn化合物を含む触媒は、さらにゼオライトを含むものとしてもよい。ゼオライトは、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−18、ZSM−23、MCM−ゼオライト、モルデナイト、フォージャサイト、フェリエライト、ゼオライトβ、及びそれらの混合物からなる群から選択できる。
【0045】
本発明は、Sn化合物及び基材を含む上記の触媒が基材上に載置され、排気流中のCOを変換するための装置が含まれる。基材はセラミック支持体としてもよく、セラミック支持体には、コージエライト及びシリコンカーバイドからなる群から選択される材料が含まれる。基材は粒子フィルターとしてもよく、粒子フィルターには壁流フィルターや、ディーゼル粒子フィルターが含まれる。
【0046】
本発明は、COを含む排気流をSn化合物を含む上記触媒と接触させるステップを含む、排気流中のCOの変換方法が含まれる。排気流には炭化水素が含まれる。
【0047】
他の混合金属酸化物
触媒は、式ABO
3又は一般式A
a−xB
xMO
bで示される構造のペロブスカイトを含んでよく、式中、(1)「a」は1又は2、(2)「a」が1のとき「b」は3、又は「a」が2のとき「b」は4、(3)「x」は0.1<x<0.7である。元素「A」にはランタン、ランタニド、アクチニド、セリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、又はそれらの混合物が含まれる。元素「B」には、鉄、マンガン、銅、ニッケル、コバルト、及びセリウム、若しくはそれらの混合物を含む単一の遷移金属、又は遷移金属の混合物が含まれる。触媒は、式AMn
1−xCu
xO
3を有してもよく、式中、「A」はランタン、セリウム、バリウム、ストロンチウム、ランタニド、又はアクチニドであり、「x」は0〜1である。
【0048】
触媒は、式ACe
1−xCu
xO
3を有してもよく、式中、「A」はバリウム、ストロンチウム、又はカルシウムであり、「x」は0〜1である。また、約10〜180g/Lの式ABO
3を基材と結合させてもよい。触媒は、ペロブスカイト(ABO
3)又は同様の構造(一般式A
a−xB
xMO
bを有する)と、1又は複数の担体材料酸化物とを含むものとしてよい。ペロブスカイト又は同様の構造は、最終触媒の約5〜50重量%とする。触媒は、式AB
2O
4を有するスピネルを含むものとしてよい。式の「A」及び「B」はアルミニウム、マグネシウム、マンガン、ガリウム、ニッケル、銅、コバルト、鉄、クロム、チタン、スズ、又はそれらの混合物である。別の適当な酸化物材料を有するスピネルを含んでもよい。スピネルは、最終触媒の約5〜50重量%とする。触媒は、無機酸化物材料を含むウォッシュコートを被覆したものとしもよい。例えば、シリカアルミナ無機酸化物材料を被覆加工したものである。
【0049】
骨格構造(ゼオライト)
第2成分の少なくとも一部は、骨格材料群又はゼオライト、及びそれらの混合物から選択できる。ゼオライトは結晶性シリカアルミナである。好適なゼオライトとしては、ゼオライト−A、チャバザイト、EMTゼオライト、Y−ゼオライト、X−ゼオライト、L−ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、ZSM−5、ZSM−11、及びβ−ゼオライト、並びにそれらの混合物がある。その他の骨格材料としては、MCM11、MCM41、SBA15がある。ゼオライト又はゼオライトの混合物の少なくとも一部は、H又はアンモニウム形であることが好ましい。ゼオライトの少なくとも一部は、周期律表IA族、IB族、IIA族、IIB族、IIIB族のうち少なくとも1つの元素、希土類、及びそれらの混合物と、少なくとも部分的に交換される。ゼオライトは卑金属と交換できる。別の実施形態において、ゼオライトは、ZSM−5、ZSM−11、β−ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、Y−ゼオライト、X−ゼオライト、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0050】
第1及び第2の成分を有する触媒は、既存の基材を配合物で被覆して作製でき、配合物を特定形状に押し出すことによって作ることもできる。被覆する場合、第1成分と第2成分とを一緒に粉砕するか、又は第1成分の溶液を粉砕した第2成分に添加するか、又は第1成分を被覆したウォッシュコートに第2成分を含浸させて触媒を作製できる。触媒は、第1成分を酸化物材料の上に沈降させ、次いで得られた材料を被覆することによっても作ることができる。
【0051】
触媒の調製
[含浸による触媒の調製]
ウォッシュコートは、当技術分野で既知の方法により調製できる。ウォッシュコートは、本明細書に記述した任意の触媒及び/又は追加の成分を含んでよい。スラリーは、ウォッシュコートを所望の粒子サイズに粉砕することによって作製できる。スラリー中の固体の量は、スラリーの20〜80重量%とすることができる。ウォッシュコートを含むスラリーは、モノリスの壁流路がウォッシュコートで被覆されるように
6×10−4m2(1平方インチ)当たり100〜600セルのモノリス基材上に載置できる。モノリス上のウォッシュコート担持は約100〜180g/Lの間であり、好ましくは担持は約150g/Lである。被覆されたモノリスは、ウォッシュコートスラリーによって閉塞された流路があるか検査される。もし閉塞した流路又は詰まった流路があれば取り除かれる。ウォッシュコートした基材は、約0.5〜15時間、乾燥する。
【0052】
基材上に沈着したウォッシュコートは、基材とウォッシュコートの間の接着を確実にするために処理される。処理は300℃〜700℃で、約1〜6時間、好ましくは約4時間続けてよい。ウォッシュコートと基材を処理した後、室温に冷却する。ウォッシュコートと基材を冷却した後、ウォッシュコートに少なくとも1つの第1成分を含浸する。第1成分の含浸には、水に可溶な第1成分金属塩又はそれらの混合物を、ウォッシュコート上に含浸することが含まれる。含浸の後、含浸成分を含むウォッシュコートを処理する。処理は約300〜700℃、好ましくは約550℃で、約1〜6時間、好ましくは約4時間、続けてよい。ウォッシュコート及び/又は含浸成分を基材に添加する前又は後に、基材、ウォッシュコート、及び含浸成分を処理して触媒組成物を形成してもよい。ウォッシュコート及び含浸成分を、被覆する前に処理してもよい。
【0053】
[金属化による触媒の調製]
ウォッシュコートは、上記方法に従って調製できる。第1成分金属前駆体及び水を用いて溶液とする。この溶液をウォッシュコートと混合し、金属化スラリーとする。既知量の金属化スラリーを基材上に沈着させることができる。金属化スラリーを沈着させた後、被覆された基材を約300〜700℃で処理する。処理は約1〜6時間、好ましくは約4時間続けてよい。最終触媒中の第1成分として2種以上の金属を用いる場合、金属化スラリーは両方の金属を有してもよく、1種の好ましい金属を有する金属化スラリーとして、被覆された基材を熱処理した後に上述の含浸ステップにより第2の又は次の金属を組み込むこともできる。第1成分として貴金属を含む金属化スラリーを基材上に沈着させて熱処理し、最終触媒を得ることもできる。パラジウム含有金属化スラリーを熱処理し、パラジウム被覆触媒としてもよい。この触媒に、白金を後含浸して白金パラジウム混合被覆触媒とすることもできる。
【0054】
[沈殿による触媒の調製]
沈殿による調整方法は、第1成分塩(単数又は複数)をウォッシュコート上に沈殿させるステップを含む。第1成分金属塩(単数又は複数)は、NH
4OH、(NH
4)
2CO
3、水酸化テトラエチルアンモニウム、他のテトラアルキルアンモニウム塩、酢酸アンモニウム、又はクエン酸アンモニウムと沈殿させることができる。ウォッシュコートには、任意のものを使用できる。次に、第1成分金属塩(単数又は複数)と沈殿したウォッシュコートを処理する。処理は約0.2〜24時間とする。次に、沈殿した第1成分金属塩(単数又は複数)を含むウォッシュコートを基材上に沈着させて、約2〜6時間、好ましくは約4時間、約300〜700℃の温度で処理する。
【0055】
[共粉砕による触媒の調製]
第1成分と第2成分とを併せて粉砕して、規定粒子サイズのスラリーを作ることができる。第1成分は前合成することができ、又は第1成分金属前駆体(単数又は複数)を、上記スラリーを作るために用いることができる。前合成された第1成分を用いる場合、固相合成、沈殿、又は当技術分野で既知の化学的方法により前合成できる。第1成分及び第2成分を含む粉砕された触媒スラリーは、ウォッシュコートの形態で基材上に沈着させた後、処理される。処理は約2〜6時間、好ましくは約4時間で、約300〜700℃の温度が好ましい。
【0056】
[触媒の試験及び劣化]
上述の方法で得られた触媒組成物は、一酸化炭素50〜2000ppm、酸素1〜20%、CO
21〜10%、水蒸気2〜20%、NO
x5〜500ppm、種々の炭化水素、及び窒素をバランスガスとして含む模擬供給流を用いて、CO酸化活性を試験した。いくつかの場合、触媒試料は、SO
220ppm、10%H
2Oを含む加速劣化条件で、400℃で劣化させた。いくつかの触媒は、バランスエアーとともに10%のH
2Oを含むガスを用いて、750℃で20時間、水熱的に劣化させた。
【0057】
任意の用途において、必要な触媒体積の量は、所望の又は目標の変換を達成するために触媒が作用し得る触媒の空間速度を1つの要因として決定される。触媒の空間速度は、排気流量の1時間当たりの標準
立方フィート(3×10−2m3)又はSCFHを触媒体積の
立方フィート(3×10−2m3)で除して定義され、単位は時間の逆数である。酸化触媒を通過する排気ガスの空間速度は、約1,000〜500,000hr
−1、より好ましくは約1,000〜200,000hr
−1、最も好ましくは1,000〜100,000hr
−1である。
【0058】
CO変換活性は、下記の実施例に見られるように、空間速度を一定として温度の関数として測定し、及び/又は400℃における種々の空間速度として測定した。
【実施例1】
【0059】
低含量(レベル)パラジウム単独触媒
上述の含浸法により、種々の支持酸化物材料上にパラジウムのみを担持した触媒を調製した。すべての触媒について、パラジウム担持量は触媒1リッター当たり1.4g又は
3×10−2m3(1立方フィート)当たり40gとした。このように調製した触媒試料を、10%のH
2Oとバランス量の空気を含むガス混合物を用いて750℃で20時間、水熱的に劣化させた。水熱的に劣化させた試料について、特にディーゼル用途で典型的に見られる排気ガス濃度である下記の試験条件で、CO酸化活性試験を行った。
【0060】
【表1】
【0061】
低含量パラジウム酸化触媒を用いた結果を
図1に示す。この図は、模擬ディーゼル排気を用いて、低レベル(濃度)パラジウムを含む触媒のCO変換率と摂氏温度のプロットを示している。図は、空間速度75,000hr
−1において温度の関数としてCO変換活性のプロットを示している。触媒配合としては、できるだけ低温で大きな変換効率となるものが好ましい。
【0062】
結果より、パラジウムの量が同等であっても、第2成分の選択によってCO変換効率が顕著に変動すことが示された。よって、パラジウムの担持量が少ない低濃度パラジウム担持触媒においては、第2成分の選択が重要になる。例えば、Pd/ZrO
2が有効であることが結果より示された。試料を厳しい水熱的劣化(750℃/20時間)に曝した後も、180〜200℃以上で実質的に100%のCO変換率を示すからである。同じZrO
2を微量の酸化タングステン(WO
3)と混合した場合、変換温度は、高温側へと顕著にシフトした。
【実施例2】
【0063】
低含量パラジウム及び白金含有触媒
図2に、CO変換率と、a)白金若しくはパラジウム又はそれらの混合物を有する第1成分、及びb)表面積の大きなランタン安定化アルミナである第2成分を含む配合とのプロットを示す。触媒は400℃で、SO
220ppm、10%H
2O及びバランス量のN
2を含む供給流で20時間劣化して試験した。試験は、下記ガス組成を用いて、200,000hr
−1及び250,000hr
−1の2つの異なった空間速度で実施した。
【0064】
【表2】
【0065】
図2より、白金とパラジウムとを混合した配合が有効であり、特に、貴金属含有量が低濃度の場合も有効であった。白金はパラジウムより3〜4倍高価であるので、この触媒によれば、CO酸化性能を大きく低下させることなく、触媒全体のコストをさらに低減できる。4.1g/(
3×10−2m3(ft3))のパラジウムと2.5g/(
3×10−2m3(ft3))のPt(白金)とを混合した試料は、10g/(
3×10−2m3(ft3))の白金触媒と、ほぼ同程度の変換率(〜95%)を示した。
【0066】
図3に、
3×10−2m3(1立方フィート)当たり3gの白金と
3×10−2m3(1立方フィート)当たり3gのパラジウムを含む触媒における、温度に対するCO変換率のグラフを示す。試験条件を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
触媒は、上記した任意の触媒調製手段により製造した。
図3に試験結果を示した触媒は、
6×10−4m2(1平方インチ)当たり400セルの基材上に白金−パラジウム金属化スラリーを被覆し、熱処理して得た。白金−パラジウム金属化スラリーは、白金及びパラジウムの硝酸塩と、第2成分としてシリカ被覆加工アルミナとを混合して形成した。白金及びパラジウム前駆体は、最終触媒が
3×10−2m3(1立方フィート)当たり3gのパラジウムと
3×10−2m3(1立方フィート)当たり3gの白金を有するような量とした。フレッシュ及び700℃で20時間水熱的処理した触媒を、デカン(C10)、トルエン(C7)、プロペン(C3)及びメタン(C1)の混合物であり、炭化水素中の炭素(C1)の全量が500ppmの炭化水素を含む反応ガスにより、ディーゼル排出制御用途において選択される条件で試験した。
図3より、フレッシュ及び劣化触媒は、SV=55Khr
−1のとき220℃を超える温度で、SV=165Khr
−1のとき240℃を超える温度で、100%のCO変換率となった。
【実施例3】
【0069】
卑金属触媒−銅担持の研究
上述の含浸法により、銅担持した卑金属触媒を調製した。第2成分はセリウム、ジルコニウム、ネオジム(ネオジミウム)ネオジム及びプラセオジム(プラセオジミウム)を60:30:5:5の割合で含む酸化物材料とした。触媒を表2に示す組成の気流中で試験した。結果を
図4に示す。すべての触媒は、コージエライトから作られた400cpsiの基材上に被覆し、基材上の触媒担持量は約150g/Lで同一とした。すべての触媒について、400℃で、2つの異なった空間速度−50,000hr
−1及び100,000hr
−1で、CO酸化活性試験を行った。試験前に、SO
220ppm、10%H
2O及びバランス量のN
2を含む供給流を用いて400℃で10時間、触媒を劣化させた。
図4から分かるように、銅を16〜18%程度担持した試料は、80%を超える極めて高いCO酸化活性を示した。この銅濃度を超えると、CO変換活性は低下した。
【実施例4】
【0070】
混合金属酸化物及びゼオライト上の銅
銅担持量が同一の試料を複数製造した。試料は、混合金属酸化物とゼオライトとの組合せを含む。比較のため、銅担持混合金属酸化物及び銅担持ゼオライトも提示した。結果を
図5に示す。表2に記載した条件で、種々の試料についてCO変換活性を試験した。活性試験の前に、SO
220ppm、10%H
2O及びバランス量のN
2を含む供給流を用いて、400℃で10時間、試料を劣化させた。
図5に見られるように、スズ及びチタニアを含む銅含有混合金属酸化物は、空間速度50,000及び100,000hr
−1で極めて高い(90%超)CO変換活性を示した。他方、銅含有ランタン安定化ジルコニアは、同じ条件で試験した時にCO変換活性が極めて低かった。
【実施例5】
【0071】
Cu位置の影響
図6に、同量の銅を担持した2種類の触媒試料に関する結果を示す。試料(12%Cu/ZSM−5−80)/Zr−Laは、ランタン安定化ジルコニアをウォッシュコートし、次いで12%Cu/ZSM−5−80材料のスラリーをドーピングして調製した。(12%Cu/ZSM−5−80)材料は、硝酸銅溶液とゼオライトZSM−5−80を混合して形成した。また、
図6には12%Cu/ZSM−5−80/Zr−LaのCO変換活性も示す。この試料は、ZSM−5−80ゼオライトとランタン安定化ジルコニアとの50:50混合物であるスラリーをウォッシュコートし、次いでウォッシュコート触媒上に、最終的に12%の銅を担持するための必要量の硝酸銅溶液に触媒を含浸して作製した。表2に記載した気流を用い、400℃で10時間、SO
220ppm、10%H
2O及びバランス量のN
2で触媒を硫黄劣化させた後、両方の試料についてCO酸化試験を行なった。
【0072】
グラフより、最初に銅前駆体をゼオライトと混合し、次いでその混合物のスラリーを作り、ランタン安定化ジルコニアウォッシュコートを含む基材をこのスラリーで被覆すること(試料(12%Cu/ZSM−5−80)/Zr−La)が有利である。このような方法で作られた、卑金属を銅とする触媒は、表2に記載した供給流を用いて試験した際、CO変換が90%を超えるものとなる。
【実施例6】
【0073】
他の卑金属及び卑金属の混合物
図7に、セリウム含有酸素貯蔵材料において、種々の卑金属を用いた場合の性能を示す。触媒は、セリウム含有酸素貯蔵材料上の全卑金属濃度が同一となるように調製した。試験した種々の触媒は被覆触媒であり、被覆担持量は約150g/Lとした。すべての触媒の基材は、400cpsiで同一のものを使用した。すべての触媒について、表2の供給流を用いて、400℃におけるCO酸化活性を評価した。図にはフレッシュ及び劣化した触媒を用いて、種々の空間速度で試験し、400℃で10時間、SO
220ppm、10%H
2O及びバランス量のN
2を用いて劣化させた。結果より、卑金属として銅を含む触媒は、他の卑金属を含む触媒よりも優れることが示された。
【実施例7】
【0074】
二元金属酸化物によるCO酸化
二元Sn−Ti酸化物を作り、CO酸化及び他の特性について試験した。CO酸化は、3%Pd/Sn
1−xTiO
2について試験した。式中、x=0、0.2、0.4、0.6及び0.8である。
図8に二元酸化物の合成法を示す。前駆体を脱イオン水に溶解し、攪拌した。次に、金属を沈殿させるため、溶液のpHを約8に調整した。沈殿を濾過し、洗浄し、次いで100℃で乾燥した。最後に、前駆体を約550℃で約4時間、焼成した。初期水分率を
図9に示す方法で試験した。
【0075】
固定床反応器を用いてCO還元反応を実施した。全流量は約1000sccmであり、気流はCO約1500ppm、CO
2約5%、O
2約10%、約5%H
2O及びバランス量のN
2とした。それぞれの系についてCO変換を測定し、T
50を決定した。また、T
50において6時間、不活性化を測定した。触媒は約750℃で約16時間水熱的劣化させた。表4に、それぞれの触媒の表面積及び活性の概要を示す。
【0076】
【表4】
【0077】
それぞれの触媒組成物をX線回折(XRD)によって分析し、結晶構造(相)、結晶サイズ、表面積、細孔容積及び分散%を検出した。次に、種々の供給流を用いてフレッシュ及び劣化したそれぞれの組成についてT
50を分析した。表5〜12に、種々の触媒組成についてのX線回折及びT
50の評価の結果を示す。
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【実施例8】
【0085】
TiO2−SnO2−ZrO2三元相図の研究
適当量のTiOSO
4、ZrO(NO
3)
2及びSnCl
2を脱イオン水に溶解することにより、三元Ti−Sn−Zr酸化物を作った。NH
4OHを用いて水酸化物を沈殿させた。得られた沈殿を濾過し、洗浄し、乾燥した。最後に、沈殿を約550℃で焼成した。表13〜27にX線回折(XRD)によって検出された組成及び相を示す。
図10〜16に、組成物の一部を選択して測定した表面積を示す。
【0086】
【表13】
【0087】
【表14】
【0088】
【表15】
【0089】
【表16】
【0090】
【表17】
【0091】
【表18】
【0092】
【表19】
【0093】
【表20】
【0094】
【表21】
【0095】
【表22】
【0096】
【表23】
【0097】
【表24】
【0098】
【表25】
【0099】
【表26】
【0100】
【表27】