【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1に係る発電装置の概念図である。
図1に示すように、本実施例に係る発電装置は、ドラム1、回転軸2、冷却部3、加熱部4、歯車機構5及び発電機6を有している。そして、発電装置は、土台7に設置されている。回転軸2は、土台7に固定されている。
【0013】
ここで、
図2を参照して、ドラム1の回転の概要を説明する。
図2は、実施例1に係るドラム及び回転軸の斜視図である。
図2では、
図1のドラム1、回転軸2、冷却部3及び加熱部4の部分を抜き出して示している。
【0014】
回転軸2は、ドラム1の側板1Aの中心及び側板1Bの中心を回転可能に支持している。すなわち、ドラム1は、側板1Aの中心及び側板1Bの中心を通過する軸を中心として円周方向、例えば矢印Pの方向に回転する。このドラム1が、「回転部材」の一例にあたる。また、回転軸2が、「支持部材」の一例にあたる。
【0015】
また、回転するドラム1の冷却領域31に位置する部分が、冷却部3により冷却される。また、回転するドラム1の加熱領域41に位置する部分が、加熱部4により加熱される。冷却部3は、加熱部4より低い温度でドラム1を外部から冷却する機構であれば特に制限はなく、例えば、水などを用いても良い。また、加熱部4は、ドラム1を外部から加熱する機構であれば特に制限はなく、例えば、温かいお湯やガスなどを燃焼させて発生する熱源などでもよい。この加熱及び冷却により、ドラム1は回転力を得る。このドラム1の回転については次に詳述する。
【0016】
図3は、実施例1に係るドラム及び回転軸の透視斜視図である。また、
図4は、実施例1に係るドラム及び回転軸を側板側からみた概念図である。
図4は、
図3における矢印Sの向きに見た状態を表している。また、
図5は、実施例1に係るドラム及び回転軸を側面側からみた概念図である。
図5は、
図3において側面方向から見た状態を表している。
【0017】
図3及び
図5に示すように、回転軸2は、クランク部21を有する。ここでは、クランク部21として、クランク形状を有する回転軸2の回転軸とずれた位置における回転軸と平行な軸となる部分を指すものとする。例えば、本実施例では、回転軸2は、
図6で表される形状を有している。
図6は、実施例1に係る回転軸の平面図である。本実施例では、回転軸2は、長さ1.2m、直径0.01mである。また、クランク部21は、高さ0.05m、長さ0.3mのクランク形状を有している。さらに、クランク部には、軸受部22A及び22Bが設けられている。この軸受部22A及び22Bには、後述する蛇腹管10A〜10Dから延びる蛇腹接合棒11A〜11Dの軸受が配置される。また、軸受部22C及び22Dは、ドラム1の側板1A及び1Bを回転可能に支持する軸受である。さらに、回転軸2は、両端に土台との固定用金具24を有する。回転軸2は、この固定用金具24により土台に対して固定される。
【0018】
軸受23A及び23Bは、筒状をしており、クランク部21のドラム1の回転方向の全周を覆い、且つクランク部21の長手方向(ドラム1の回転方向と直交する方向)の一部を覆うように軸受部22A及び22Bの位置にそれぞれ配置される。ここで、本実施例では、軸受23A及び23Bの2つの軸受を配置したが、蛇腹接合棒11A〜11Dが接続できればいくつでもよい。例えば、軸受は1つでもよい。その場合、1つの軸受に蛇腹接合棒11A〜11Dが接続される。また、軸受は、クランク部21の長手方向の一部を覆うように配置したが、例えば、軸受を1つにした場合、クランク部21の長手方向の全部を覆うようにしてもよい。そして、軸受23A及び23Bは、ドラム1の回転方向に回転可能である。軸受23A及び23Bは、ベアリングなどを用いてなるべく回転を滑らかにすることが好ましい。この軸受部22A及び22B並びに軸受23A及び23Bが、「固定点」の一例にあたる。
【0019】
ここで、本実施例では、回転軸2はクランク形状を有しているが、蛇腹接合棒11A〜11Dの一端を回転軸からずれた位置に固定でき、且つドラム1の回転時に回転軸2に蛇腹管10A〜10D又は蛇腹接合棒11A〜11Dが接触しなければ他の形状でもよい。
【0020】
図3に示すように、ドラム1は、外胴12及び内胴13を有している。さらに、ドラム1は、外胴12及び内胴13の筒の端部は、側板1Aと側板1Bが設けられている。そして、ドラム1は、外胴12と内胴13との間に空間14を有している。実際には、
図4に示すように、空間14は、いくつかの空間に分割されている。例えば、本実施例では、空間14は、後述する蛇腹管10A〜10Dに対応するように、空間14A〜14Dの4つの空間に分割されている。例えば、本実施例では、空間14は、ゴム製の仕切り15で仕切られており、仕切り15により空間14A〜14Dに分割されている。ただし、
図3では、説明の便宜上、空間14の分割は図示していない。
【0021】
ここで、
図7A〜
図8Cを参照して、本実施例に係るドラム1の外胴12及び内胴13について詳細に説明する。
図7Aは、外胴の側面図である。
図7Bは、外胴の平面図である。
図8Aは、内胴の側面図である。
図8Bは、内胴の平面図である。
図8Cは、内胴の円周方向展開図である。
【0022】
例えば、本実施例では、外胴12は、厚さ0.3mm程度の鉄製の円筒である。そして、本実施例では、
図7Aに示すように、外胴12の開口部の直径は、0.3mである。また、
図7Bに示すように、外胴12の長さは1mである。そして、外胴12の表面には撥水塗料の塗布又は撥水膜のコーティングを施す。
【0023】
また、例えば、本実施例では、内胴13は、厚さ10mm程度の硬質プラスチックスで生成された円筒である。そして、本実施例では、
図8Aに示すように、内胴13の開口部の直径は、0.28mである。また、内胴13の長さは1mである。そして、
図8Cに示すように、内胴13には角度90度毎に直径0.1mの円形の穴131と直径10mmの円形の穴132とが4つずつ穿たれている。
図8Cの矢印は円周方向を表している。穴132は、蛇腹管10A〜10Dを差し込む穴である。また、穴132は、ヘリウムなどのガス封入用の穴である。穴132は、ガス封入後プラグなどで密封する。
【0024】
さらに、
図9Aに示すように、側板1Aには内胴13の差込用の溝101が設けられており、側板1Bにも同様に内胴13の差込用の溝102が設けられている。
図9Aは、ドラムの側板の構造及びドラムの回転による発電を説明するための図である。そして、溝101及び溝102に内胴13の両端の開口部がそれぞれ差し込まれる。さらに、側板1A及び1Bの外周と外胴12の両端の開口部が接合される。また、本実施例では、例えば、側板1A及び1Bは、厚さ10mm程度の硬質プラスチックス板である。
【0025】
ドラム1の全体の説明に戻る。ドラム1が回転することにより、空間14A〜14Dを形成するドラム1の外胴12が加熱部4により順次加熱され、反対側に位置する空間14A〜14Dを形成するドラム1の外胴12が冷却部3により順次冷却される。具体的に加熱及び冷却のサイクルを説明すると、空間14Aの外胴12の加熱及びに空間14Cの外胴12の冷却が行われる。次に、空間14Bの外胴12の加熱及び空間14Dの外胴12の冷却が行われる。次に空間14Cの外胴12の加熱及び空間14Aの外壁の冷却が行われる。次に空間14Dの外胴12の加熱及び空間14Bの外胴12の冷却が行われる。そして、この空間14A〜14Dの外胴12の加熱及び冷却のサイクルが繰り返される。
【0026】
蛇腹管10A〜10Dは、ゴムなどの伸縮性を有する部材で形成されている。以下では、蛇腹管10A〜10Dを特に区別しない場合には、単に「蛇腹管10」という。例えば、本実施例では、蛇腹管10は、端部の外径が0.1m、標準長さ0.1mのゴム製であり、0.05m〜0.15mの範囲で伸縮するものを用いる。そして、蛇腹管10は、内部に空間を有し、蛇腹の伸縮する方向の一端に開口部を有している。
【0027】
蛇腹管10は、内胴13の穴131にそれぞれ差し込まれ、蛇腹管10の内部の空間は空間14と連結されている。具体的には、
図4のように、蛇腹管10Aは空間14Aと連結されており、蛇腹管10Bは空間14Bと連結されており、蛇腹管10Cは空間14Cと連結されており、蛇腹管10Dは空間14Dと連結されている。また、本実施例では蛇腹管10A〜10Dのうち隣り合うもの同士が90度の角度をなすように、配置されている。すなわち、蛇腹管10Aと蛇腹管10Cとは対向する位置に配置され、蛇腹管10Bと蛇腹管10Dとは対向する位置に配置される。
【0028】
さらに、空間14A〜14Dと蛇腹管10A〜10Dとで形成される空間について詳細に説明する。ここでは空間14A及び蛇腹管10Aを例に説明する。
図4に示すように、空間14A及び蛇腹管10Aによって密閉された空間が形成されている。そして、空間14A及び蛇腹管10Aによって形成された空間に気体が充填されている。例えば、ヘリウムガスが空間14A及び蛇腹管10Aによって形成された空間に充填されている。充填されたヘリウムガスは、空間14Aを構成する外胴12が冷却部3によって冷却されると収縮する。また、空間14A及び蛇腹管10Aによって形成された空間に充填されたヘリウムガスは、空間14Aを構成する外胴12が加熱部4によって加熱されると収縮する。ここでは、空間14A及び蛇腹管10Aが形成する内部空間を例に説明したが、空間14B〜14D及び蛇腹管10B〜10Dについても同様である。蛇腹管10の内部の空間に充填されたヘリウムガスが膨張すると、蛇腹管10は伸びる。また、蛇腹管10の内部の空間に充填されたヘリウムガスが収縮すると、蛇腹管10は縮む。以下では、蛇腹管10A及び空間14Aによって形成された空間も充填されたヘリウムガスの加熱及び冷却を空間14Aの加熱及び冷却という。また、「空間14B〜14Dの加熱」についても同様とする。このように、蛇腹にすることで、シリンダーを用いた場合に比べて、気体の漏洩を防ぐシール部の数を低減でき、気体の漏洩を軽減することができ、また構造も単純なものにすることができる。
【0029】
ドラム1の回転により、加熱位置及び冷却位置が変わっていくことで、蛇腹管10A〜10Dは順次伸び縮みを繰り返す。ここで、蛇腹管10Aの伸縮のサイクルを具体的に説明する。空間14Aが加熱されることで蛇腹管10Aが伸び、空間14Cの冷却が行われ蛇腹管10Cが縮む。次に、空間14Bが加熱され蛇腹管10Bが縮み、空間14Dが冷却され蛇腹管10Dが縮む。次に、空間14Cが加熱され蛇腹管10Cが伸び、空間14Aが冷却され蛇腹管10Aが縮む。次に、空間14Dが加熱され蛇腹管10Dが伸び、空間14Bが冷却され蛇腹管10Bが縮む。そして、この蛇腹管10A〜10Dの伸縮のサイクルが繰り返される。
【0030】
蛇腹接合棒11A〜11Dは、棒状の部材である。以下では、蛇腹接合棒11A〜11Dを区別しないときは、単に「蛇腹接合棒11」という。例えば、本実施例では、蛇腹接合棒11は、鉄製の直径5mm程度の棒状の部材である。そして、
図3及び
図5に示すように、蛇腹接合棒11Aは、一端が蛇腹管10Aの伸縮方向の面に接続され、他端が軸受23Aに接続されている。蛇腹接合棒11Cは、一端が蛇腹管10Cの伸縮方向の面に接続され、他端が軸受23Aに接続されている。また、蛇腹接合棒11Bは、一端が蛇腹管10Bの伸縮方向の面に接続され、他端が軸受23Bに接続されている。蛇腹接合棒11Dは、一端が蛇腹管10Dの伸縮方向の面に接続され、他端が軸受23Bに接続されている。
【0031】
ここで、蛇腹管10の膨張及び収縮による力の伝達について説明する。例えば、蛇腹管10A及び蛇腹接合棒11Aを例に説明すると、蛇腹管10Aが伸びることで、蛇腹接合棒11Aは軸受23Aを介して回転軸2のクランク部21を押す。この蛇腹接合棒11Aがクランク部21に加えた力の反作用を蛇腹接合棒11A及び蛇腹管10が受け、蛇腹管10はドラム1の内胴13を押す。また、蛇腹管10Aが縮むことで、蛇腹接合棒11Aは軸受23Aを介して回転軸2のクランク部21を引く。この蛇腹接合棒11Aがクランク部21に加えた力の反作用を蛇腹接合棒11A及び蛇腹管10が受け、蛇腹管10はドラム1の内胴13を引く。ここでは、蛇腹管10A及び蛇腹接合棒11Aを例に説明したが、蛇腹管10B〜10D及び蛇腹接合棒11B〜11Dも同様の動作を行う。この蛇腹管10によるドラム1を押す力および引く力により、ドラム1が回転する。この蛇腹管10及び蛇腹接合棒11が、「伸縮部材」の一例にあたる。
【0032】
さらに、
図9A及び
図9Bを参照して、本実施例に係る発電装置における発電機構について説明する。
図9Bは、歯車機構の平面図である。歯車機構5は、
図9Bに示すように、大歯車51と小歯車52とが噛み合っている。そして、大歯車51はドラム1の側板1Aに連結されている。
【0033】
ドラム1が回転すると、
図9Aに示す側板1A及び1Bが回転軸2と共に回転する。そして、回転軸2の回転が歯車機構5に伝わり、大歯車51が回転する。大歯車51が回転すると、噛み合っている小歯車52が回転する。そして、発電機6は、小歯車52の回転を受けて発電を行う。ここで、発電機6はドラム1の外側に設置されているが、大歯車51、小歯車52を含めてドラム1の内側に設置する事も可能である。
【0034】
次に、
図10を参照して、発電装置の回転の1サイクルにおける動作の流れについて説明する。
図10は、実施例に係る発電装置の回転動作のフローチャートである。ここで、
図10のフローチャートでは、空間14Aが暖められる状態から1サイクルが開始するように記載しているが、実際には1サイクルはいずれの空間の暖めから開始してもよい。
【0035】
空間14Aに充填されている気体が、加熱部4により暖められ膨張する。さらに、空間14Cに充填されている気体が、冷却部3により冷やされ収縮する(ステップS1)。
【0036】
空間14Aに充填された気体の膨張により、蛇腹管10Aが延びる。また、空間14Cに充填された気体の収縮により蛇腹管10Cが縮む(ステップS2)。
【0037】
蛇腹管10Aが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの押力で押され、さらに、蛇腹管10Cが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの引力により引かれることにより、ドラム1が回転する(ステップS3)。
【0038】
空間14Bに充填されている気体が、加熱部4により暖められ膨張する。さらに、空間14Dに充填されている気体が、冷却部3により冷やされ収縮する(ステップS4)。
【0039】
空間14Bに充填された気体の膨張により、蛇腹管10Bが延びる。また、空間14Dに充填された気体の収縮により蛇腹管10Dが縮む(ステップS5)。
【0040】
蛇腹管10Bが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの押力で押され、さらに、蛇腹管10Dが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの引力により引かれることにより、ドラム1が回転する(ステップS6)。
【0041】
空間14Cに充填されている気体が、加熱部4により暖められ膨張する。さらに、空間14Aに充填されている気体が、冷却部3により冷やされ収縮する(ステップS7)。
【0042】
空間14Cに充填された気体の膨張により、蛇腹管10Cが延びる。また、空間14Aに充填された気体の収縮により蛇腹管10Aが縮む(ステップS8)。
【0043】
蛇腹管10Cが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの押力で押され、さらに、蛇腹管10Aが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの引力により引かれることにより、ドラム1が回転する(ステップS9)。
【0044】
空間14Dに充填されている気体が、加熱部4により暖められ膨張する。さらに、空間14Bに充填されている気体が、冷却部3により冷やされ収縮する(ステップS10)。
【0045】
空間14Dに充填された気体の膨張により、蛇腹管10Dが延びる。また、空間14Bに充填された気体の収縮により蛇腹管10Bが縮む(ステップS11)。
【0046】
蛇腹管10Dが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの押力で押され、さらに、蛇腹管10Bが接続されている部分のドラム1の内胴13がクランク部21からの引力により引かれることにより、ドラム1が回転する(ステップS12)。
【0047】
次に、
図11を参照して、本実施例に係る発電装置の熱効率について説明する。
図11は、実施例1に係る発電装置とカルノーサイクルとの比較図である。
図11は、縦軸を蛇腹又はシリンダーの長さとし、横軸をドラムの回転とする。
【0048】
グラフ200は、カルノーサイクルを想定した場合の理想的な蛇腹又はシリンダーの伸縮とドラムの回転との関係を示すグラフである。そして、グラフ201は、本実施例に係る発電装置による蛇腹又はシリンダーの伸縮とドラムの回転との関係を示すグラフである。
【0049】
グラフ201では、蛇腹が伸びだす時点での蛇腹の動き及び蛇腹の伸びが停止するまでの蛇腹の動きが、グラフ200に比べて緩やかになっているが、非常にカルノーサイクルの理論的な動作に近似していることが分かる。
【0050】
このように、本実施例に係る発電装置を用いた場合、カルノーサイクルの理論値に近い動作を行うことができ、熱効率が非常に高いカルノーサイクルに近づけることができる。
【0051】
次に、本実施例に係る発電装置による発電量及び発電効率についてより具体的に説明する。ここでは、ドラム1の開口の直径が0.3m、高さが1mである。この場合、ドラム1の表面積はおよそ1m
3となる。また、外胴12と内胴13との間の幅が0.01mであり、蛇腹管10A〜10D及び空間14A〜14Bのそれぞれで形成される空間のガス容積が0.01m
3である。さらに、ガス温度で30℃から80℃への50℃の幅の温度変化が起こる場合で説明する。
【0052】
熱伝導率は、空気は2.41×0.01W/m/Kであり、ヘリウムは17.77×0.01W/m・Kである。そこで、容器内の気体への熱伝達量は、気体が空気の場合241Wであり、気体がヘリウムの場合1777Wとなる。ここで、ヘリウムは大気圧と同じ0.1MPaとする。
【0053】
さらに、定圧比熱は、空気は1.007kJ/kg/Kであり、ヘリウムは5.193kJ/kg/Kである。また、空気は密度1.2441kg/m
3であり、ヘリウムは0.1604kg/m
3である。そこで、50℃のガス温度上昇(30℃〜80℃)に必要な熱量は、空気では0.626KJとなり、ヘリウムでは0.416KJとなる。したがって、50℃のガス温度上昇に必要な時間は、空気では2.6秒、ヘリウムでは0.23秒となる。
【0054】
そして、空間14A〜14Dに充填されるガスが大気の場合には、伝熱量は240Wとなり、発電量は20Wとなる。また、空間14A〜14Dに充填されるガスがヘリウムの場合には、伝熱量は1.8kWとなり、発電量は140Wとなる。
【0055】
このように、充填するガスとして大気又はヘリウムのいずれを用いても、発電効率は概ね8%程度となる。ただし、ガスとして大気を用いた場合には、発電量が小さいため、充填するガスにはヘリウムを用いることがより好ましい。
【0056】
また、単体の発電装置では、ここで示した概算通りヘリウムガスを用いた場合にも140Wと少ないが、発電装置自体の製造費用を数千円以下に抑えることができる。その場合、複数の発電装置を用いて発電を行うことで、1kWあたり数万円程度のコストとなると考えられ、低コストで発電を行うことができる。
【0057】
また、以上の説明では、回転を行う部材が円柱形のドラム1の場合で説明したが、この回転を行う部材は、内部に設けられた蛇腹管の伸縮により回転すればどのような形でもよく、例えば、多角柱や円錐台などでもよい。さらに、以上の説明では、ドラム1の回転力を発生させる蛇腹管10及び蛇腹接合棒11を4つ配置したがこれは回転力さえ得られれば特に制限はなく、例えば1つでもよいし、5つ以上配置してもよい。
【0058】
以上に説明したように、本実施例に係る発電装置は、容器内に充填させた気体に対して加熱又は冷却して気体を膨張又は収縮させることにより、ドラムを回転させて発電を行うことができる。そして、本実施例に係る発電装置では、容器内の加熱部分と冷却部分との間において気体の移動を行わないので、容器内での気体の移動による熱効率の低下を軽減することができる。また、気体の移動が不要であるので、発電装置の構造を単純にすることができ、生産工程の簡略化や生産コストの低減が可能となる。