(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
〈本発明者が得た知見〉
本発明の一実施形態の説明に先立ち、本発明者が得た知見について説明をする。
【0017】
従来の平型ケーブルは、
図3に示すような構成を有する。
具体的には、
図3に示すように、従来の平型ケーブル100は、導体111の外周上に絶縁層112を備える絶縁線心110が12本撚り合わせて形成されるユニット120と、並列に配置された5本のユニット120の外周を一括して被覆するように形成されるシース130とを備えている。
【0018】
絶縁層112は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)により形成される。絶縁層112には、所定の電気特性および機械的強度を得る観点から、例えば0.4mm以上の厚さが必要とされる。
シース130は、絶縁層112と同様に例えばPVCにより形成される。シース130の厚さは、ユニット120の外径によって決定される。ユニット120の外径は、撚り合わされる絶縁線心110の外径によって決定される。そして、絶縁線心110の外径は、導体111の外径が一定である場合、絶縁層112の厚さによって決定される。つまり、導体111の外径が一定である場合、シース130の厚さは絶縁層112の厚さに基づいて決定される。このため、シース130は、絶縁層112の厚さに対応して所定の厚さを有することとなり、シース130の厚さは絶縁層112の厚さが増加するのに伴って増加する。なお、シース130の厚さは、
図3に示すように、シース130における最薄部の厚さL
3´とする。
【0019】
このような構成を有する従来の平型ケーブルでは、上述したように、高温度でのループ径と低温度でのループ径との差(温度変化によるループ径の変動量)が大きかった。この点につき、本発明者らは検討を行った。その結果、ループ径の変動量が大きいことは、ケーブル重量密度に関係していることが分かった。
【0020】
ケーブル重量密度とは、単位長さ当たりの平型ケーブルの体積(V)に対する単位長さ当たりの平型ケーブルの重量(W)の割合(W/V)を示している。平型ケーブルは主に導体、絶縁層、およびシースから構成されており、そのケーブル重量密度は導体や絶縁層などによって決定される。導体は例えば銅などからなり、密度が比較的大きい部材である。一方、絶縁層やシースは樹脂成分からなり、密度が比較的小さい部材である。平型ケーブルにおいては、密度が大きい部材(導体)と密度が小さい部材(絶縁層など)との割合が変化することで、ケーブル重量密度も変化することになる。例えば、ケーブル重量密度が小さい場合、平型ケーブルでは、密度の大きい導体が占める割合は小さく、密度の小さい樹脂成分が占める割合は大きいことを示す。これに対して、ケーブル重量密度が大きい場合、平型ケーブルでは、密度の大きい導体が占める割合は大きく、密度の小さい樹脂成分が占める割合は小さいことを示す。すなわち、ケーブル重量密度は絶縁層およびシースの割合(または導体の割合)の程度を示しており、例えば絶縁層やシースの厚さの程度またはそれらの体積の程度を示す。
【0021】
本発明者の検討によれば、ケーブル重量密度が小さいほど(絶縁層やシースの割合が導体の割合に対して大きいほど)、ループ径の変動量が大きいことが分かった。このことから、ループ径の変動量を小さくするには、絶縁層やシースの割合を低減し、ケーブル重量密度を大きくする必要があるといえる。
【0022】
そこで、本発明者らは、絶縁層およびシースの割合(絶縁層などの体積または厚さ)を低減して種々検討を行い、ループ径の変動量が小さくなるようなケーブル重量密度を求めた。その結果、ケーブル重量密度を2.0g/cm
3以上となるように平型ケーブルを構成すれば、ループ径の変動量を小さくできることを見出した。また、ケーブル重量密度を所定とすれば、平型ケーブルにおいて例えば導体の外径や絶縁線心の本数などの構造が異なるような場合であっても、平型ケーブルの構造によらず、ループ径の変動量を小さくできることを見出した。
【0023】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。
【0024】
〈本発明の一実施形態〉
以下、本発明の一実施形態について説明をする。
【0025】
(1)平型ケーブル
まず、本発明の一実施形態に係る平型ケーブルについて
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る平型ケーブル1の断面図である。
【0026】
本実施形態の平型ケーブル1は、
図1に示すように、導体11の外周上に絶縁層12を備える絶縁線心10が複数撚り合わされて形成されるユニット20と、並列に配置される複数のユニット20の外周を一括して被覆するように形成されるシース30とを備える。また、平型ケーブル1のケーブル重量密度は2.0g/cm
3以上である。
これにより、平型ケーブル1では、平型ケーブル1に占める絶縁層12およびシース30の割合が小さく、平型ケーブル1に占める導体11の割合が相対的に大きい。この結果、平型ケーブル1では、ループ径を変動させる絶縁層12などの割合が小さいため、温度変化によるループ径の変動量が小さくなる。これに対して、ケーブル重量密度が2.0g/cm
3未満であると、平型ケーブル1に占める絶縁層12及びシース30の割合が増加し、平型ケーブル1に占める導体11の割合が低下する。この結果、温度変化によるループ径の変動が大きい。なお、ケーブル重量密度は、上述したように、単位長さ当たりの平型ケーブルの体積(V)に対する単位長さ当たりの平型ケーブルの重量(W)の割合(W/V)を示す。
【0027】
ユニット20は、導体11の外周上に絶縁層12を備える絶縁線心10が、複数本(例えば12本)撚り合わされて形成されている。絶縁線心10の撚り方法としては、例えばZ撚り、またはS撚りを用いることができる。複数のユニット20はそれぞれ、同一の撚り方法により形成されていてもよく、異なる撚り方法により形成されていてもよい。
【0028】
導体11として、例えば銅や銅を含む銅合金からなる素線を用いることができる。また、導体11として、複数の素線を撚り合わせた集合撚り導体を用いてもよい。導体11の断面積は、例えば0.75mm
2以上2mm
2以下であるとよい。これにより、平型ケーブル1に占める導体11の割合を増加させて、ケーブル重量密度を2.0g/cm
3以上とすることが容易となる。
【0029】
導体11の周囲には、導体11の外周を被覆するように、絶縁層12が設けられている。絶縁層12は、例えば押出機等を用いて、導体の11の周囲に絶縁材料を押出被覆することにより形成される。
【0030】
絶縁層12を形成する絶縁材料としては、電気特性に優れ、かつ機械的強度が高い熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような絶縁材料としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂類(FEP、PFA、PEFE、PVDFなど)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリメチルペンテン(TPX)、高密度ポリエチレン(HDEP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)としての芳香族ナイロン、熱可塑性のポリイミド(PI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニレンエーテル(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。これらの絶縁材料を用いることにより、絶縁材料としてPVCを用いた場合と比べて、絶縁層12の厚さを薄くでき、その結果、後述するシース30の厚さを薄くできる。したがって、ケーブル重量密度を2.0g/cm
3以上により容易にすることができる。その結果、温度変化によるループ径の変動量を小さくできる。また、絶縁層12の厚さを薄くした場合(例えば、絶縁層12の厚さを上記範囲内とした場合)であっても、絶縁材料としてPVCを用いた場合と同程度の電気特性および機械的強度を得ることができる。
【0031】
絶縁層12の厚さは、0.1mm以上0.3mm以下であるとよい。これにより、絶縁層12の厚さと共にシース30の厚さを低減でき、これらの平型ケーブル1に占める割合を低減して、ケーブル重量密度を2.0g/cm
3以上とすることが容易となる。また、絶縁層12が上記範囲の厚さを有する場合であっても、絶縁層12が上述の熱可塑性樹脂などにより構成されることで、平型ケーブル1に要求される電気特性および機械的強度を得ることができる。
【0032】
複数本(例えば5本)のユニット20の外周を一括して被覆するように、所定厚さのシース30が設けられている。複数本のユニット20はそれぞれ、並列に配置されている。シース30は、例えば押出機等を用いて、複数のユニット20の外周に絶縁材料を押出被覆することにより形成される。シース30を形成する絶縁材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、クロロプレン等を用いることができる。シース30の厚さ(
図1中のL
3)は、絶縁層12の厚さに基づいて決定される。すなわち、絶縁層12の厚さが薄くなると、シース30の厚さも薄くなる。なお、シース30の厚さは、
図1に示すように、シース30における最薄部の厚さL
3とする。
【0033】
シース30には、ユニット20に並列して2本の補強線40が設けられる。なお、シース30の内部には、補強線40を設けなくてもよい。
【0034】
本実施形態の平型ケーブル1では、ケーブル重量密度が2.0g/cm
3以上となるように、絶縁層12が薄く形成されていると共に、シース30も薄く形成されている。つまり、平型ケーブル1において、平型ケーブル1に占める絶縁層12およびシース30の体積の割合が低減されており、平型ケーブル1に占める導体11の体積の割合が相対的に増加されている。これにより、平型ケーブル1においては、温度変化によるループ径の変動量が小さくなる。
具体的には、例えば後述する実施例1に示すように、平型ケーブル1では、ケーブル重量密度が2.0g/cm
3以上となるように構成されることで、−10℃から40℃におけるループ径の変動量が100mmである。これに対して、後述する比較例1に示すように、従来の平型ケーブル100では、ケーブル重量密度が2.0g/cm
3未満であるため、ループ径の変動量が220mmである。なお、−10℃から40℃におけるループ径の変動量は、ループ径測定方法(JIS C 3662−2に準拠)により得られる。
【0035】
また、平型ケーブル1は、絶縁層12が所定の熱可塑性樹脂から形成されることによって、所定の電気特性および機械的強度を得ることができる。
【0036】
また、本実施形態の平型ケーブル1は、絶縁層12およびシース30の厚さが低減されており、その断面における大きさも低減されている。具体的には、
図1に示すように、平型ケーブル1の断面における幅方向の長さL
1は、
図3に示す従来の平型ケーブル100の断面における長さL
1´よりも短く、また長手方向の長さL
2は、長さL
2´よりも短い。つまり、平型ケーブル1の断面積は、従来の平型ケーブル100の断面積よりも小さい。一方、平型ケーブル1と従来の平型ケーブル100とは線心数が共に60であり、それぞれのケーブルの断面に占める導体の面積は等しい。すなわち、平型ケーブル1は、従来の平型ケーブル100と比較して、平型ケーブル1の断面に占める導体11の面積の割合が多く、占積率が高い。なお、占積率とは、平型ケーブルの断面において、導体が占める断面積の割合を示す。
【0037】
平型ケーブル1のケーブル重量密度は、2.0g/cm
3以上3.0g/cm
3以下であることが好ましい。これにより、平型ケーブル1を製造することが可能な範囲内において絶縁層12およびシース30の体積をさらに低減して、導体11の体積の割合をさらに増加させることができる。つまり、平型ケーブル1の温度変化によるループ径の変動量をさらに抑制することができる。
【0038】
(2)平型ケーブルのエレベータへの適用
次に、上述の平型ケーブル1をエレベータへ適用する場合について、
図2を参照しながら説明をする。
図2は、本発明の一実施形態に係る平型ケーブルの温度変化による変動を説明する図である。
【0039】
図2に示すように、本実施形態の平型ケーブル1は、その一端をシャフト200の内壁に設置される被接続部(図示略)に接続され、他端をケージ300の下面における吊手(図示略)に連結されることで、シャフト200内の鉛直方向に吊り下げられた状態で設置される。シャフト200内の温度が一定である場合、平型ケーブル1は、シャフト200の内壁およびケージ300のいずれにも接触せずに吊り下げられる。
シャフト200内の温度が低下して平型ケーブル1の温度が低下する場合、平型ケーブル1では、絶縁層12およびシース30が硬くなることで、下垂ループ部1aにおけるループ径が増加する。しかしながら、平型ケーブル1は、ループ径の変動量が小さく抑制されており、温度の低下によるループ径の増加が小さい。このため、平型ケーブル1は、
図2中の一点鎖線1´に示すように、シャフト200の内壁側に膨らむものの、内壁との接触は抑制されることになる。
一方、シャフト200内の温度が上昇して平型ケーブル1の温度が上昇する場合、平型ケーブル1では、絶縁層12およびシース30が柔らかくなることで、下垂ループ部1aにおけるループ径が減少する。しかしながら、平型ケーブル1は、ループ径の変動量が小さく抑制されており、温度の上昇によるループ径の減少が小さい。このため、平型ケーブル1は、
図2中の点線1´´に示すように、ケージ300側に近接するものの、ケージ300とは接触しにくい。
【0040】
これに対して、従来の平型ケーブル100は、エレベータへ適用される場合、温度の変化によって
図4に示すように変動する。従来の平型ケーブル100は、平型ケーブル1と比較してループ径の変動量が大きいため、温度変化によりループ径が大きく変動することになる。
具体的には、シャフト200内の温度が低下すると、平型ケーブル100では、絶縁層112およびシース130が硬くなることで可撓性が大きく低下する。これにより、平型ケーブル100では、下垂ループ部100aにおけるループ径が大きく増加する。そして、
図4中の一点鎖線100´に示すように、下垂ループ部100aがシャフト200の内壁側へと膨らみ、平型ケーブル100はシャフト200の内壁と接触することで損傷する。
一方、シャフト200内の温度が上昇すると、平型ケーブル100では、絶縁層112およびシース130が柔らかくなることで可撓性が大きく向上する。これにより、平型ケーブル100では、下垂ループ部100aにおけるループ径が大きく減少する。そして、
図4中の点線100´´に示すように、下垂ループ部100aが略V字形状となり、平型ケーブル100はケージ300に近接して接触することで損傷することになる。
【0041】
また、エレベータにおいては、ケージ300の昇降の際に、シャフト200内で風圧が生じる。特に、高速エレベータでは、ケージ300の昇降速度の増加に伴って、生じる風圧がより大きくなる。エレベータに設置される平型ケーブル1または従来の平型ケーブル100においては、シャフト200内に生じる風圧によって揺れることになる。このため、ケージ300の走行安定性が低下するおそれがある。しかしながら、平型ケーブル1は、密度が2.0g/cm
3以上であり、従来の平型ケーブル100(密度2.0g/cm
3未満)と比較して密度が大きいため、風圧による揺れが抑制される。つまり、平型ケーブル1によれば、ケージ300の昇降速度を高速化した場合であっても所定の走行安定性を得ることができる。
【0042】
〈本発明の他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0043】
上述の実施形態では、12本の絶縁線心から撚り合わされるユニットを5本並列に配置しており、線心数が60本となる平型ケーブルについて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、10本の絶縁線心からなるユニットを10本並列に配置し、線心数が100本の平型ケーブルとすることもできる。
【0044】
また、上述の実施形態では、ユニットと並列して2本の補強線を備える平型ケーブルについて説明したが、補強線は2本に限定されず、例えば0本、1本、もしくは3本以上とすることもできる。また、ユニットと補強線の配置構成は、
図1に限定されず、例えば、並列に配置する複数のユニットの外側に配置するようにしてもよい。
【実施例】
【0045】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0046】
本実施例では、上述の実施形態に示すような構造を備える平型ケーブルを製造した後、得られた平型ケーブルについて、温度変化によるループ径の変動量を測定し、評価した。
【0047】
(1)平型ケーブルの製造
実施例1では、まず、銅素線を撚り合わせた集合撚り導体(断面積0.75mm
2)の外周上に、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)を押出被覆して、厚さ0.2mmの絶縁層を備える絶縁線心を形成した。得られた絶縁線心の12本を撚り合わせて、ユニットを形成した。続いて、形成された5本のユニットを並列に配置し、中央の3本のユニットからなるユニット群の両側に補強線を並列に配置した。そして、並列に配置されたユニットなどを一括して被覆するように、ポリ塩化ビニルを押出被覆して、厚さ1.5mmのシースを形成し、実施例1の平型ケーブルを製造した。実施例1の平型ケーブルは、外径9.3mm×48mm、1km当たりの重量970kg、体積447cm
3、ケーブル重量密度2.17g/cm
3であった。
【0048】
比較例1では、絶縁線心の絶縁層をポリ塩化ビニルにより形成して、絶縁層の厚さを0.6mmとした以外は、実施例1と同様に平型ケーブルを製造した。比較例1の平型ケーブルは、外径14mm×67mm、1km当たりの重量1510kg、体積938mm
3、ケーブル重量密度1.61g/cm
3であった。
【0049】
なお、実施例および比較例で用いた材料の密度は、以下のようになっている。集合撚り導体の密度は8.89g/cm
3、ポリ塩化ビニルの密度は1.3g/cm
3、ETFEの密度は1.7g/cm
3である。
【0050】
(2)評価方法
上記で製造された実施例1および比較例1の平型ケーブルについて、温度変化によるループ径の変動量を評価した。本実施例では、静的可撓性試験方法(JIS C 3662−2に準拠)により、可撓性の温度依存性として、−10℃から40℃におけるループ径の変動量を測定した。具体的には、−10℃及び40℃における下垂ループ部の略U字状のループ径をそれぞれ測定し、そのループ径の差をループ径の変動量とした。
【0051】
(3)評価結果
実施例1の平型ケーブル(ケーブル重量密度2.17g/cm
3)では、―10℃におけるループ径が520mmであり、40℃におけるループ径が420mmであった。この結果から、−10℃から40℃での温度変化によるループ径の変動量が100mmであることが確認された。具体的には、実施例1の平型ケーブルでは、
図5に示すように、ループ径が温度変化により変動した。
図5は、温度変化によるループ径の変動を示す図であり、横軸は温度(℃)を示し、縦軸はループ径(mm)を示す。
図5中、実線が実施例1のループ径の変動を示し、点線が比較例1のループ径の変動を示す。
【0052】
これに対して、比較例1の平型ケーブル(ケーブル重量密度1.61g/cm
3)では、―10℃におけるループ径が650mmであり、40℃におけるループ径が430mmであり、−10℃から40℃での温度変化によるループ径の変動量が220mmであることが確認された。
図5に示すように、比較例1では、実施例1と比較して、ループ径の変動が大きいことが確認された。
【0053】
このように、ケーブル重量密度が2.0g/cm
3以上となるように平型ケーブルが構成されることで、温度変化によるループ径の変動量が小さいことが確認された。
【0054】
なお、本実施例では、線心数60の平型ケーブルのみを例示したが、例えば線心数を100や150とした場合であっても、可撓性の温度依存性を抑制できることが確認されている。すなわち、本実施例では、線心数によらず低温から高温までの温度変化によるループ径の変動を抑制することができる。