(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通過帯域特性決定手段は、前記ピーク位置を含み、前記ピーク幅が大きくなるほど通過帯域の幅が大きくなるように前記通過帯域特性を特定するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
前記通過帯域特性決定手段は、前記ピーク位置と前記ピーク幅により規定される正規分布関数により前記通過帯域特性を特定するものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
前記画像信号から前記決定された通過帯域特性に基づく1次元フィルタリング処理を行うことにより前記周期的パターンを抑制する抑制手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の画像処理装置。
前記通過帯域特性決定手段は、前記通過帯域特性を、前記ピーク幅以上の幅を有し、前記ピーク位置を中心とする矩形関数により決定するものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の画像処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、画像診断に適した高品質な画像を得るためには、被写体を表す成分をできるだけ除去しないで、モアレ等の周期的パターンを除去したいという要求がある。しかし、特許文献1に記載された方法は、グリッド像の縞模様のように一次元ハイパスフィルタ処理を施すことにより周期的パターンに対応する空間周波数成分を検出するものであるため、周期的パターンが高周波数帯域ではなく低周波数帯域に存在した場合には意図したとおりに周期的パターンを検出することができず、特許文献1に記載された方法を適用することができなかった。
【0009】
また、特許文献2に記載された方法は、平滑化フィルタリング処理が施されることにより局所的なノイズ成分が抑制されるものの、検出された周期的パターンに対応する空間周波数成分のみを画像から除去するものではないため、周期的パターンを含む空間周波数成分を集中的に除去することはできなかった。
【0010】
また、特許文献3に記載された方法によれば、2次元フーリエ変換により周期的パターンに対応する空間周波数成分を検出するため計算負荷が高く、より少ない計算負荷で周期的パターンに対応する空間周波数成分の通過帯域特性を決定する方法が求められていた。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、周期的パターンに対応する周波数成分が中周波数帯域または低周波数帯域に存在する場合にも、少ない計算負荷で適切に通過帯域特性を決定することができる画像処理装置および画像処理方法ならびに画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による画像処理装置は、周期的パターンを含む画像を表す画像信号から少なくとも1つの方向について周波数解析を行うことにより、前記周期的パターンに対応する周波数スペクトルのピーク位置とピーク幅を検出する周期的パターン検出手段と、前記検出されたピーク位置およびピーク幅に基づいて、前記画像信号から前記周期的パターンに対応する空間周波数成分を抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を決定する通過帯域特性決定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明による画像処理方法は、周期的パターンを含む画像を表す画像信号から少なくとも1つの方向について周波数解析を行うことにより、前記周期的パターンに対応する周波数スペクトルのピーク位置とピーク幅を検出し、前記検出されたピーク位置およびピーク幅に基づいて、前記画像信号から前記周期的パターンに対応する空間周波数成分を抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を決定することを特徴とするものである。
【0014】
本発明による画像処理プログラムは、コンピュータを、周期的パターンを含む画像を表す画像信号から少なくとも1つの方向について周波数解析を行うことにより、前記周期的パターンに対応する周波数スペクトルのピーク位置とピーク幅を検出する周期的パターン検出手段と、前記検出されたピーク位置およびピーク幅に基づいて、前記画像信号から前記周期的パターンに対応する空間周波数成分を抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を決定する通過帯域特性決定手段として機能させることを特徴とするものである。
【0015】
上記「周期的パターン」とは、原画像が含む周期的なパターンを持ったノイズを意味する。例えば、上記グリッドを利用して放射線画像を蓄積性蛍光体シートに撮影したときに原画像に含まれるグリッド像やモアレ等を意味する。
【0016】
また、「通過帯域特性」は、所定の帯域の通過または除去を行うフィルタの特性を意味し、帯域通過特性(バンドパス特性)と帯域除去特性(バンドストップ特性)の両方を含む。
【0017】
また、ピーク位置は、周波数スペクトルのピーク周波数の代表的な値を表すものであれば任意に定義してよい。同様に、ピーク幅も、周波数スペクトルのピークの幅の代表的な値を表すものであれば任意に定義してよい。
【0018】
上記通過帯域特性決定手段は、周期的パターンに対応する周波数成分のピーク位置を含み、ピーク位置を通過する帯域に含み、ピークの位置とピーク幅に基づいて決定可能なものであればいかなる通過帯域特性を決定してもよい。
【0019】
なお、周期的パターンに対応する周波数成分を除去するために、帯域通過の幅はピーク幅以上であることが好ましい。例えば、前記通過帯域特性決定手段は、前記ピーク位置を含み、前記ピーク幅が大きくなるほど通過帯域幅が大きくなるように前記通過帯域特性を特定するものであることが好ましい。
【0020】
また、通過帯域特性において、低周波数帯域は被写体成分を多く含むため、低周波数帯域においてはフィルタの帯域通過が広いほど周期的パターンに対応する周波数成分と一緒に被写体成分が除去される可能性が高い。このことにより、低周波帯域においては、周期的パターンのピークを含み、かつ幅が狭い通過帯域特性が好ましい。例えば、通過帯域特性決定手段は、前記ピーク位置が低周波数帯域に位置するほど通過帯域の幅が狭くなるように前記通過帯域特性を決定するものであってもよい。
【0021】
また、通過帯域特性決定手段は、前記ピーク位置と前記ピーク幅により規定される正規分布関数により前記通過帯域特性を特定するものであってもよい。例えば、正規分布関数を、前記ピーク位置を平均とし、前記ピーク幅の半値を標準偏差として規定することができ、かかる正規分布関数のピークを周波数レスポンスの1に対応付けるように正規分布曲線を拡大縮小したものを通過帯域特性として決定してもよい。
【0022】
また、前記通過帯域特性決定手段は、前記通過帯域特性を、前記ピーク幅以上の幅を有し、前記ピーク位置を中心とする矩形関数により決定してもよい。
【0023】
また、前記通過帯域特性決定手段は、前記ピークの高さにも基づいて前記通過帯域特性を決定するものであってもよい。スペクトルの大きさが小さい場合などには、周期的パターンに対応する周波数成分を含む周波数帯域を全て抑制しなくとも(周期的パターンに対応する周波数成分を一部画像信号に残留させても)、診断画像として十分使用可能な品質まで周期的パターンを抑制することができるためである。例えば、ピークの高さが大きくなる程帯域通過フィルタによる帯域通過の周波数レスポンスが大きくなり、ピークの高さが小さくなる程帯域通過フィルタによる帯域通過の周波数レスポンスが小さくなるように通過帯域特性を決定することが考えられる。
【0024】
また、本画像処理装置において、前記画像信号から前記決定された通過帯域特性に基づく1次元フィルタリング処理を行うことにより前記周期的パターンを抑制する抑制手段をさらに備えることが好ましい。
【0025】
また、本画像処理装置における前記通過帯域特性決定手段は、前記通過帯域特性における通過帯域の幅に上限または下限を設けたものであってもよい。非常に狭い帯域のみを通過(または除去)する帯域通過(または帯域除去)フィルタによりフィルタリング処理を行うことは、画像のアーチファクト等の発生原因となるため好ましくなく、一方、あまりに広帯域を通過する帯域通過(帯域除去)フィルタによりフィルタリング処理を行うことは、被写体成分等の画像診断上重要な情報までも周期的パターンに対応する成分と一緒に除去してしまう可能性があるため好ましくないためである。
【0026】
前記通過帯域特性決定手段は、前記画像の撮影条件に応じて前記通過帯域特性を異ならせて決定するものであってもよい。なお、画像の撮影部位や撮影条件は、原画像の撮影装置において指定される上記撮影条件や撮影部位の情報などの撮影メニューを利用して取得してもよく、ユーザのマニュアル操作により入力された被写体の臓器や病変などの撮影部位情報を利用してもよい。また、本発明による画像処理装置は、前記画像から該画像の撮影部位を抽出する部位抽出手段をさらに備え、抽出された撮影部位情報を利用してもよい。例えば、本出願人により提案されている、特開2002−109548号公報、特開2003−6661号公報に記載された基準となる平均的な心胸郭の輪郭と略相似形のテンプレートを用いてテンプレートマッチング処理を行なって胸郭を自動検出する方法を用いてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムによれば、周期的パターンを含む画像を表す画像信号から少なくとも1つの方向について周波数解析を行うことにより、周期的パターンに対応する周波数スペクトルのピーク位置とピーク幅を検出し、検出されたピーク位置およびピーク幅に基づいて、画像信号から周期的パターンに対応する空間周波数成分を抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を決定するため、ピーク位置およびピーク幅に基づいて、画像の被写体成分を過剰に抑制しない範囲で周波数成分を適切に抑制できる1次元フィルタの通過帯域特性を好適に決定できる。この結果、比較的小さい計算負荷で高品質な画像を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、以下の実施の形態では、本発明における周期的パターン抑制処理装置を放射線画像読取装置に用いた場合について説明するが、デジタルカメラ等を用いた通常撮影において網戸やブラインド等を介して撮影した際に撮影画像に含まれる周期的パターンを抑制するための画像処理装置等に用いられてもよい。尚、放射線画像読取装置は、蓄積性蛍光体シートに記録された人体の放射線画像をレーザビーム走査によりデジタル画像信号として読み取るものである。
【0030】
図1は放射線画像撮影装置の概略図である。放射線源1から放射された放射線2は、被写体3を透過して静止グリッド(以下、単に「グリッド」と表記する)4に到達する。グリッド4は放射線2を吸収する鉛4aと、放射線2を透過するアルミニウム4bとが例えば4本/mm程度のピッチで交互に配置されているものである。また、放射線2がアルミニウム4bを透過して蓄積性蛍光体シート11に入射するように鉛4aは位置に応じて多少傾きを変化させて設置されている。
【0031】
従って、被写体3を透過した放射線2は、鉛4aに吸収されて蓄積性蛍光体シート11への到達を遮られる一方で、アルミニウム4bを透過して蓄積性蛍光体シート11に到達する。蓄積性蛍光体シート11には被写体像と共に4本/mmの縞模様状のグリッド像が記録される。一方、被写体3内で散乱された散乱放射線2aは、位置に応じて傾きを持って設置された鉛4aによって吸収され、又はグリッド4の表面で反射するため、蓄積性蛍光体シート11には到達しない。従って、蓄積性蛍光体シート11は散乱放射線2aの照射の少ない鮮明な放射線画像を記録することができる。
図2は、
図1に示した放射線画像撮影装置を用いて撮影した際に蓄積性蛍光体シート11に蓄積記録された被写体像5とグリッド像に起因するモアレパターン6の放射線画像の一例である。
【0032】
図3は、放射線画像読取装置の斜視図と機能ブロック図を組み合わせた図である。読取部10の所定位置にセットされた蓄積性蛍光体シート11は、駆動手段(不図示)によって駆動されるエンドレスベルト等のシート搬送手段15によって、例えば走査ピッチ10本/mmで矢印Y方向に搬送(副走査)される。一方、レーザ光源16から発せられた光ビーム17は、モータ24により駆動され矢印方向に高速回転する回転多面鏡18によってfθレンズ等の集束レンズ19に向けて反射される。光ビーム17は集束レンズ19を通過した後、ミラー20によって蓄積性蛍光体シート11に向けて反射される。蓄積性蛍光体シート11は光ビーム17によって副走査方向(矢印Y方向)と略直角な矢印X方向に主走査される。
【0033】
蓄積性蛍光体シート11において光ビーム17が照射された箇所からは蓄積記録されている放射線画像情報に応じた光量の輝尽発光光21が発散される。輝尽発光光21は光ガイド22の入射端面22aから入射し、光ガイド22内の内部を全反射を繰り返して出射端面22bから出射する。出射された輝尽発光光22はフォトマルチプライヤ23によって受光されて光電変換され、アナログ画像信号Saに変換される。
【0034】
アナログ画像信号Saはログアンプ26によって対数的に増幅された後、A/D変換器28において空間周波数fs=10cycle/mmに対応するサンプリング間隔でサンプリングされてデジタル化され、デジタル画像信号Sd(以下、単に「画像信号Sd」と表記する)を出力する。この画像信号Sdは、
図4に示すように、蓄積性蛍光体シート11に対して主走査方向(横方向)に光ビーム17を走査させながら蓄積性蛍光体シート11を副走査方向(縦方向)に移動させることにより蓄積性蛍光体シート11を2次元走査して得られた放射線画像情報を示す。尚、このようにして得られた画像信号Sdには、被写体3に対応する放射線画像5の情報の他に、グリッド4に対応するグリッド像(不図示)に起因するモアレパターン6の情報も含まれている。
【0035】
画像信号Sdは一旦記憶部29に記憶された後、画像信号処理部30に入力される。画像信号処理部30は本発明における画像処理方法を実行するための画像処理装置40を備えている。
【0036】
図5は本実施の形態の画像処理装置40の概略構成を表す図である。
図5を用いて、本実施形態による画像処理装置40について以下説明する。
【0037】
本実施形態の画像処理装置40は、周期的パターンを含む画像を表す画像信号Sdから少なくとも1つの方向について周波数解析を行うことにより、周期的パターンに対応する周波数スペクトルのピーク位置とピーク幅を検出する周期的パターン検出手段41と、検出されたピーク位置およびピーク幅に基づいて、画像信号から周期的パターンに対応する空間周波数成分を抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を決定する通過帯域特性決定手段42と、画像信号から決定された通過帯域特性に基づく1次元フィルタリング処理を行うことにより周期的パターンを抑制する抑制手段43とを備えるものである。
【0038】
本実施形態における画像処理プログラムと画像処理プログラムが参照するデータは、インストール時に記憶部29に記憶され、起動時に記憶部29に含まれるメモリにロードされる。画像処理プログラムは、画像処理装置40を構成する画像信号処理部30の中央処理装置に実行させる処理として、周期的パターン検出処理と、通過帯域特性決定処理と、抑制処理を規定している。そして、プログラムの規定にしたがって、中央処理装置が上記各処理を実行することにより、画像信号処理部30の中央処理装置は、周期的パターン検出手段41、通過帯域特性決定手段42、抑制手段43として機能する。
【0039】
図6は、本画像処理装置40の画像処理の流れを表すフローチャートである。
図7は周期的パターン検出手段41によるライン状のサンプル領域抽出処理を説明するための図である。
図6および
図7に従って、本実施形態の画像処理装置40の画像処理について詳細に説明する。
【0040】
まず、
図6に示すように、画像データSdが周期的パターン検出手段41に入力される(S01)。すると、
図7に示すように、周期的パターン検出手段41は、画像データSdにより表される画像におけるx方向およびy方向のそれぞれについて、nxm本のライン状の領域を抽出する。なお、x方向とy方向とで領域の抽出の仕方は同一であるため、ここでは、x方向の抽出についてのみ説明する。
【0041】
周期的パターン検出手段41は、まず画像データSdにより表される画像G1上にx方向に延在するn(本実施形態ではn=9)の矩形領域A1〜Anを抽出する(S02)。そして、n個の領域画像データSRxiのそれぞれに、ライン状のm個(本実施形態ではm=9)の領域画像データSRxij(i=1〜n,j=1〜m)を得る。ここで、領域A1のy方向の中心は画像上縁から画像高さの1/30の位置に配置され、領域A9のY方向の中心は画像上縁から画像高さの1/30の位置に配置され、領域A2乃至A7は領域A1およびA9間に等間隔に位置するように配置される。また、ライン状のm個(本実施形態ではm=9)の各領域画像データSRxij(i=1〜n,j=1〜m)は、y方向に3画素間隔で配置され、x方向への画素数は1024である。
【0042】
周期的パターン検出手段41は、SRxij(i=1〜n,j=1〜m)のそれぞれに高速フーリエ変換を施して周波数解析を行う(S03)。具体的には各領域画像データSRxijの画素配列SRxij(k)(k=0〜1023)に対して高速フーリエ変換が施される。すなわち、スペクトルをPij(k)(k=0〜1023)、高速フーリエ変換により得られる演算結果の実部をRe(k)、虚部をIm(k)とすると、下記の式(1)によりスペクトルPij(k)が算出される。
【0043】
【数1】
なお、スペクトルは実際にはナイキスト周波数以下の周波数についてのみ算出されるため、データ数としては1024の1/2すなわち512となる。したがって、以降の説明においては、スペクトルの参照符号としてPij(k′)(k′=0〜511)を用いるものとする。そして、周期的パターン検出手段41は、nxm個の領域画像データSRxijについてそれぞれ算出された、mxn個のスペクトルPij(k′)(i=1〜n,j=1〜m)を加重平均処理したスペクトルPa(k’)を算出する(S04)。
【0044】
図8左図はスペクトルPa(k’)の例を示す図である。
図8左図に示すように求められたスペクトルは低周波数から高周波数となるにつれて小さくなるとともに、所々に細かなピークを有するものとなっている。
【0045】
次いで、周期的パターン検出手段41は、加重平均処理したスペクトルPa(k’)を規格化する(S05)。周期的パターン検出手段41は、スペクトルPa(k’)を平滑化してスペクトルPa(k’)の細かなピークが平滑化により除去されたスペクトルPb(k’)を算出する。そして算出されたスペクトルPb(k’)を
図8左図に示す画像信号Sdから算出されたスペクトルPa(k’)から減算することにより規格化し、
図8右図の規格化されたスペクトルP(k’)を取得する。規格化処理により、ピークをより明確にして精密に評価するためである。
【0046】
次いで、周期的パターン検出手段41は、規格化されたスペクトルPからスペクトルの最大値における周波数である最大値周波数(ピーク位置)とピーク幅を取得する(S06)。
図9Aは、通過帯域特性を決定する処理を説明する図であり、
図8右の規格化されたスペクトルPを拡大したものである。まず、周期的パターン検出手段41は、
図8右および
図9Aに示すように、スペクトルPについて、誤検出を避けるため所定の帯域(f
Th1≦f≦f
Th2)を評価帯域とし、最大スペクトルを示した周波数(ピーク位置)pfとピークの最大値(ピーク高さph)を取得する。そして、評価帯域においてピーク位置を含み所定のしきい値Th以上の周波数帯域の幅をピーク幅pwとして取得し、取得されたピーク位置pf、ピーク幅pw、ピーク高さphをメモリに保存する。なお、本実施形態では、
図8右図に示すように、f
Th1=0.3(cycle/mm)、f
Th2=3.3(cycle/mm)である。かかる評価帯域は、被写体成分を多く含む低周波数を除き、グリッド像の折り返し成分であるモアレパターン6に対応する周波数成分が存在すると予想される、ナイキスト周波数以下の周波数帯域を含むように設定されている。
【0047】
次いで、通過帯域特性決定手段42は、取得したピーク位置pfおよびピーク幅pwに基づいて通過帯域特性を決定する(S07)。本実施形態においては、平均μをpf、標準偏差σをpw/2とすることにより規定される、下記の式(2)の正規分布関数Nに基づいて通過帯域特性(フィルタ特性)を特定する。すなわち、
図9Aに示されるように、スペクトルPにおける周期的パターン成分に対応するピーク位置pfで周波数レスポンスが1となるように正規分布関数Nを拡大縮小した関数が通過帯域特性Fとして決定される。本実施形態では、通過帯域特性決定手段42は同様にy方向についても通過帯域特性を決定する。
【数2】
【0048】
次いで、抑制手段43は、決定されたx、y両方向の通過帯域特性に基づいて、それぞれ周知の手法を用いて1次元の帯域通過フィルタ44を作成する(S08)。例えば、フィルタ特性に基づくディジタルフィルタの設計については、高橋・池原、「ディジタルフィルタ」、培風館(特に第6.3節、pp84-86)、岩田・実践、「ディジタル・フィルタ設計入門」、CQ出版(特に第8章)などに記載された方法が適用できる。
【0049】
図10Aは、本実施形態の抑制手段43による周期的パターンの抑制処理を説明する図である。本実施形態による抑制手段43は、
図9Aに示すように、決定した通過帯域特性Fに基づいて、決定された通過帯域を除去する通過帯域特性F’を有する帯域除去フィルタ(バンドストップフィルタ)BSFを1次元の帯域通過フィルタ44として生成する。
【0050】
そして、抑制手段43は、画像信号から、決定された通過帯域特性に基づく1次元フィルタリング処理を行うことにより周期的パターンを抑制する(S09)。すなわち、本実施形態では、x、y方向ごとに作成された1次元フィルタ(BSP)によるx、y方向に対するフィルタリング処理を施す。
【0051】
ここでは、
図10Aに示すように、抑制手段43は、画像信号Sdから生成した帯域除去フィルタBSFによるフィルタリング処理を行い、周期的パターンを抑制した画像である、第2処理済信号Spを抽出する。そして、この第2処理済信号Spに対応する画像が生成されて(S10)、生成された画像が出力される(S11)。その後、出力された画像は、モニタ等の表示手段(不図示)に表示され、又はプリンタ等の出力手段(不図示)に出力される。
【0052】
本実施形態によれば、検出されたピーク位置pfおよびピーク幅pwに基づいて、画像信号から周期的パターンに対応する空間周波数成分を抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を決定するため、ピーク位置pfおよびピーク幅pwに基づいて、画像の被写体成分を過剰に抑制しない範囲で周波数成分を適切に抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を好適に決定できる。このため、本実施形態による画像処理を低周波数帯域に存在する周期的パターンにも好適に適用できる。また、本実施形態では、周期的パターンに対応する空間周波数成分の検出処理および周期的パターンに対応する空間周波数成分の抑制処理を1次元の処理を行って、周波数成分を適切に抑制する1次元フィルタの通過帯域特性を決定する。このため、比較的小さい計算負荷にも関わらず、決定された通過帯域特性に基づいて好適に周期的パターンの抑制処理を行うことができる。また、集中的に周期的パターンに対応する空間周波数のみを抑制できるため高品質な画像を得ることができる。
【0053】
また、本実施形態による通過帯域特性決定手段42が、ピーク位置pfを平均とし、ピーク幅pwの半値を標準偏差とする正規分布関数に基づいて、通過帯域特性Fを特定するものであるため、決定された通過帯域特性Fはピーク位置pfを中心としピーク幅pwを適切に反映して滑らかに分布する特性を示す。すなわち、本実施形態の通過帯域特性Fは、ピーク位置を含み、ピーク幅が大きくなるほど通過帯域幅が大きくなるものであるため、周期的パターンに対応する空間周波数成分のピーク位置pfを包含するような通過帯域特性Fを適切に決定することができる。さらに、本実施形態によれば、ピーク位置を中心にピーク幅pwを含むような通過帯域特性Fが決定される可能性が高く好適に周期的パターンに対応する空間周波数成分を含む通過帯域特性Fを決定できる。
【0054】
また、本実施形態による画像処理装置40は、画像信号から決定された通過帯域特性に基づく1次元フィルタリング処理を行うことにより周期的パターンを抑制する抑制手段43をさらに備えているため、決定された通過帯域特性Fに基づいて、好適に周期的パターンに対応する空間周波数成分を抑制できる。
【0055】
以下、本実施形態の変形例について記す。
【0056】
上記実施形態において周期的パターン検出手段41は、ピーク位置、ピーク幅、ピーク高さについて、ピークの位置、幅、高さのそれぞれの代表的な値を定義するものであれば、任意の定義により特定してよい。例えば、ピーク幅を所定値以上の周波数レスポンスを有する帯域の数倍(2乃至3倍)に設定してもよい。
【0057】
また、通過帯域特性決定手段42は、周期的パターンに対応する周波数成分のピーク位置を含み、ピークの位置とピーク幅に基づいて決定可能な通過帯域特性を決定するものであればいかなる通過帯域特性を決定してもよい。
図9Bは、通過帯域特性を矩形関数で規定する例を示す図である。例えば、
図9Bに示すように、ピーク幅pwと同じ周波数帯域を通過させ、ピーク位置pfを中心とする矩形関数により通過帯域特性F1を決定してもよい。
【0058】
また、本発明により決定された通過帯域特性は、ピーク位置pfとピーク幅pwに基づいて決定された通過帯域特性に種々の補正を行ったものであってもよい。以下に、本発明による通過帯域特性の変形例を説明する。
【0059】
一般に、低周波数帯域は被写体成分を多く含むため、低周波数帯域においてはフィルタの帯域通過が広いほど周期的パターンに対応する周波数成分と一緒に被写体成分が除去される可能性が高い。このことにより、低周波帯域においては、周期的パターンのピークを含み、かつ幅が狭い通過帯域特性が好ましい。
図11は、通過帯域特性の変形例を示す図である。本実施形態の変形例として、
図11に示すように、上記実施形態における通過帯域特性決定手段42は、上記通過帯域特性Fが周期的パターンのピーク位置pfを含み、ピーク位置pfが低周波数帯域に位置するほど通過帯域の幅が狭くなるように決定してもよい。例えば、ピーク位置pfに通過帯域特性Fの通過帯域幅を対応付けて記憶部29に記憶しておき、周期的パターン検出手段41がピーク位置pfを検出すると、検出されたピーク位置pf対応付けられた通過帯域幅になるように上記実施形態の通過帯域特性Fを幅方向に拡大縮小する補正を行い、その結果得られた関数を通過帯域特性F2として決定することが考えられる。この場合には、従来技術に比べて低周波成分に多く含まれる被写体成分を維持しつつモアレ等の周期的パターンに対応する空間周波数成分のみを好適に除去できる。
【0060】
また、非常に尖鋭な帯域のみを通過(または除去)する帯域通過(帯域除去)フィルタによりフィルタリング処理を行うことは、画像のアーチファクト等の発生原因となるため好ましくない。そこで、通過帯域特性決定手段42は、通過帯域の幅に下限を設けてもよい。
図12は、上記実施形態の通過帯域特性の変形例を示す図である。例えば、周期的パターンがあまりに鋭いピークである場合など、上記通過帯域特性Fの幅が所定値より小さい場合に、通過帯域の幅が広くなるように上記実施形態の通過帯域特性Fを補正した関数を通過帯域特性として決定してもよい。例えば、
図12に示すように、ピーク位置pfおよびピーク幅pwに基づいて決定された通過帯域特性F3aの所定の周波数レスポンスR
Thにおける通過帯域幅fwが所定値より小さい場合、通過帯域特性Fの幅を所定の割合で広くなるように補正したものを通過帯域特性F3として決定してもよい。または、ピーク幅pwを所定の割合で大きくなるように補正し、補正したピーク幅に基づいて通過帯域特性を決定するものであってもよい。
【0061】
上記場合には、通過帯域が狭い通過帯域特性に基づいてフィルタリング処理をおこなうことによるアーチファクトの発生を抑制でき、より品質の高い画像を生成することができる。
【0062】
また、あまりに広帯域を通過する帯域通過(帯域除去)フィルタによりフィルタリング処理を行うことは、被写体成分等の画像診断上重要な情報までも周期的パターンに対応する成分と一緒に除去してしまう可能性があるため好ましくない。そこで、通過帯域特性決定手段42は、通過帯域の幅に上限を設けてもよい。例えば、通過帯域特性Fの幅fwが所定値より大きい場合に、通過帯域特性の幅が狭くなるように通過帯域特性Fを補正したものを通過帯域特性として決定してもよい。例えば、
図12の通過帯域特性F4に示すように、ピーク位置pfおよびピーク幅pwに基づいて決定された通過帯域特性F4aの所定の周波数レスポンスR
thにおける通過帯域幅fwが所定値より大きい場合、通過帯域特性F4aの幅を所定の割合で狭くなるように補正したものを通過帯域特性F4として決定してもよい。または、ピーク幅pwが所定値よりも大きい場合に、ピーク幅pwを所定の割合で小さくした補正ピーク幅pwにより通過帯域特性を決定してもよい。また、ピーク幅pwを用いて算出された通過帯域特性F4aに対して、ピーク位置pfから所定値faだけ低い周波数より小さい周波数帯域における周波数レスポンスを0にするように通過帯域特性F4aを補正したものを通過帯域特性F4bとして決定してもよい。すなわち、
図12に示すように、周波数(pf−fa)より小さい周波数帯域における周波数レスポンスを0、周波数(pf−fa)以上の周波数レスポンスをF4aで規定するような通過帯域特性F4bにしてもよい。また、同様に低周波数側だけでなく高周波数側に対しても通過帯域を狭くする補正を行ってもよい。例えば、上記通過帯域特性F4aまたはF4bをピーク位置から所定値fbだけ高い周波数(pf+fb)より大きい周波数帯域における周波数レスポンスを0とし、周波数(pf+fb)以下の周波数レスポンスを通過帯域特性F4aにより規定する通過帯域特性F4cに補正してもよい。
【0063】
上記場合には、通過帯域が広い通過帯域特性に基づいてフィルタリング処理をおこなうことによる被写体成分等の画像診断上重要な情報までも周期的パターンに対応する成分と一緒に除去してしまう可能性を低減でき、より品質の高い画像を生成することができる。
【0064】
また、通過帯域特性決定手段42は、ピークの高さ(スペクトルの大きさ)にも基づいて通過帯域特性を決定するものであってもよい。
図13は、本実施形態の変形例を示す図であり、ピークの高さph(スペクトルの大きさ)が小さいほど通過帯域特性の周波数レスポンスが小さくなるようにピーク位置pfとピーク幅pwに基づいて決定された通過帯域特性F5aを補正して通過帯域特性F5を決定した例を説明するための図である。
図13の通過帯域特性F5に示すように、スペクトルの高さphが小さい場合などには、周期的パターンに対応する周波数成分を含む周波数帯域を全て抑制しなくとも(周期的パターンに対応する周波数成分を一部画像信号に残留させても)、診断画像として十分使用可能な品質まで周期的パターンを抑制することができるためである。この場合、ピークの高さphが大きくなる程帯域通過フィルタによる帯域通過の周波数レスポンスが大きくなり、ピークの高さphが小さくなる程帯域通過フィルタによる帯域通過の周波数レスポンスが小さくなるものであれば、任意の方法により通過帯域特性を決定してよい。
【0065】
また、通過帯域特性決定手段42は、画像の撮影条件に応じて通過帯域特性を異ならせて決定するものであってもよい。例えば、記憶部29に、撮影部位や撮影条件に適応する通過帯域特性を予め決定して撮影部位や撮影条件ごとに対応付けて記憶しておき、通過帯域特性決定手段42が、処理対象である画像の撮影部位や撮影条件に対応付けられた通過帯域特性を特定し、特定された通過帯域特性を用いて周期的パターンの抑制処理を行うことが考えられる。
【0066】
上記場合には、撮影部位や撮影条件に応じた通過帯域特性に応じて適切に抑制処理を施すことができるため、好適に周期的パターンに対応する周波成分を抑制した第2処理済信号を抽出することができる。結果として、より高品質に周期的パターンに対応する周波成分を抑制した画像を生成することができる。
【0067】
なお、画像の撮影部位や撮影条件は、原画像の撮影装置において指定される上記撮影条件や撮影部位の情報などの撮影メニューを利用して取得してもよく、ユーザのマニュアル操作により入力された被写体の臓器や病変などの撮影部位情報を利用してもよい。また、上記画像処理装置40は、不図示の画像の撮影部位を抽出する部位抽出手段をさらに備え、抽出された撮影部位情報を利用してもよい。撮影部位情報の抽出方法として、部位又は病変などが抽出できるものであればいかなる方法を適用してもよい。例えば、本出願人により提案されている、特開2002−109548号公報、特開2003−6661号公報に記載された基準となる平均的な心胸郭の輪郭と略相似形のテンプレートを用いてテンプレートマッチング処理を行なって胸郭を自動検出する方法を用いてもよい。
【0068】
なお、かかる場合には、通過帯域特性決定手段42は、ユーザによる撮影部位の入力操作を必要とせず、自動抽出された結果に基づいて撮影部位を抽出でき、抽出された撮影部位に基づいて適切に通過帯域特性を決定することができる。このため、ユーザは撮影部位に応じて周期的パターンに対応する周波成分を抑制した画像を容易かつ高品質に生成することができる。また、通過帯域特性決定手段42が撮影メニューから撮影部位または撮影条件を自動抽出して、自動抽出された結果に基づいて通過帯域特性を決定した場合にも同じ効果が得られる。
【0069】
また、同一の装置で続けて同じ部位の周期的パターンの抑制処理を行う場合など、ほぼ同じような撮影条件の場合には、最初の被写体の画像信号Sdに対して本実施形態の画像処理により帯域通過フィルタ(帯域除去フィルタ)を決定し、かかるフィルタを後続の画像信号にも適用してもよい。ほぼ同じような撮影条件の場合には、同じような周期的パターンを有する画像が取得されると考えられるため、代表的な画像について決定した帯域通過フィルタ(帯域除去フィルタ)を用いることで十分周期的パターンの抑制効果が得られるとともに画像ごとに通過帯域特性を決定する時間と労力を省略できるため効率がよい。
【0070】
なお、抑制手段43は、最終的に画像信号Sdに対して決定した通過帯域特性に基づいて周期的パターンの抑制処理を行った画像信号(本実施形態におけるSp)が得られるものであれば、水平方向および垂直方向に帯域通過フィルタおよび帯域除去フィルタのいかなる組合せおよびフィルタリング処理の順序により抑制処理を行ってもよい。例えば、決定した通過帯域特性Fに基づいて、決定した通過帯域を通過させる通過帯域特性Fを有する帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ)BPFを生成してもよい。
図10Bは、上記実施形態の抑制処理の変形例を示す図である。
図10Bに示すように、画像信号Sdを帯域通過フィルタBPFによるフィルタリング処理した画像信号Se(画像信号Sdから抽出した周期的パターン画像)を生成し、画像信号Sdから減算することにより上記実施形態と同様に周期的パターンを抑制できる。この場合、抑制手段43は帯域通過フィルタBPFと減算器45を備え、画像信号Sdに対して帯域通過フィルタBPFによるフィルタリング処理を施して、周期的パターン成分を抽出した周期的パターン画像信号Seを算出し、その後、減算器45は周期的パターン画像信号Seを減算して、周期的パターンを抑制した画像である、処理済信号Spを抽出する。
【0071】
上記実施形態において周期的パターン検出手段41は、複数のサンプル領域に変えて1つの代表的な領域についてのみ複数の線上の画像信号を取得して、周波数解析を行って加重平均をとってスペクトルPaを取得してもよく、1つの線上の画像信号を取得して、これについてのみ周波数解析を行ったスペクトルを規格化されたスペクトルPaの代わりに用いてもよい。
【0072】
上記実施形態において周期的パターン検出手段41は、規格化処理を省略してもよい。ただし、規格化処理を行った場合には、ピーク幅やピーク値やピーク高さなどの情報を精度よく検出でき好ましい。
【0073】
また、本実施形態において、絶縁基板上に夫々が画素に対応する複数個の光電変換素子を2次元状に形成した放射線画像読取装置であって、この放射線画像読取装置上に形成された画像情報を担持する放射線が照射されると照射された放射線を可視光に変換する蛍光体層(シンチレータ)を積層して成る放射線固体検出器(以下、「光変換方式」の放射線固体検出器という)を用いた放射線画像読取装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず種々のタイプの放射線固体検出器を用いた放射線画像読取装置に適用可能である。例えば、絶縁基板上に夫々が画素に対応する複数個の電荷収集電極を2次元状に形成した放射線画像読取装置であって、この2次元画像読取装置上に形成された、画像情報を担持する放射線が照射されると前記画像情報を担持する電荷を発生する放射線導電体とを積層して成る放射線固体検出器(以下、「直接変換方式」の放射線固体検出器という)を用いた放射線画像撮影装置に適用してもよい。
【0074】
また、光変換方式の放射線固体検出器としては、例えば特開昭59-211263 号、特開平2-164067号、PCT国際公開番号WO92/06501号、Signal,noise,and read out considerations in the development of amorphous silicon photodiode arrays for radiotherapy and diagnostic x-ray imaging,L.E.Antonuk et.al ,University of Michigan,R.A.Street Xerox,PARC,SPIE Vol.1443 Medical Imaging V;Image Physics(1991) ,p.108-119 等に記載された放射線固体検出器が適用できる。
【0075】
一方、直接変換方式の放射線固体検出器としては、例えば、(i) 放射線の透過方向の厚さが通常のものより10倍程度厚く設定された放射線固体検出器(MATERIAL PARAMETERS IN THICK HYDROGENATED AMORPHOUS SILICON RADIATION DETECTORS,Lawrence Berkeley Laboratory.University of California,Berkeley.CA 94720 XeroxParc.Palo Alto.CA 94304)、あるいは(ii)放射線の透過方向に、金属板を介して2つ以上積層された放射線固体検出器(Metal/Amorphous Silicon Multilayer Radiation Detectors,IEE TRANSACTIONS ON NUCLEAR SCIENCE.VOL.36.NO.2.APRIL 1989) 、あるいは(iii) CdTe等を使用した放射線固体検出器(特開平1-216290号)等に記載された放射線固体検出器が適用できる。
【0076】
上記の各実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。この他、上記の実施形態におけるシステム構成、ハードウェア構成、処理フロー、モジュール構成や具体的処理内容等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。