特許第5820074号(P5820074)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5820074情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5820074
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/32 20060101AFI20151104BHJP
【FI】
   G06F1/32 B
【請求項の数】31
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-525712(P2014-525712)
(86)(22)【出願日】2013年7月12日
(86)【国際出願番号】JP2013004316
(87)【国際公開番号】WO2014013710
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2014年9月22日
(31)【優先権主張番号】特願2012-159285(P2012-159285)
(32)【優先日】2012年7月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】中三川 京弥
(72)【発明者】
【氏名】山下 昌哉
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−094400(JP,A)
【文献】 特開平08−146150(JP,A)
【文献】 特開平09−033662(JP,A)
【文献】 特開平08−035887(JP,A)
【文献】 特開2011−202987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、
前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報が占有情報として記憶される占有情報記憶部と、
前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、
前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、を備え
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に応じて、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を更新対象として選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記占有情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象として選択することを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項3】
検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、
前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報が占有情報として記憶される占有情報記憶部と、
前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、
前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、
外部入力装置から出力される信号を取得し、該取得した外部入力装置から出力される信号に応じて、前記占有情報記憶部に記憶されている前記占有情報を更新する占有情報更新部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記温度センサの出力に応じた情報が温度センサ出力情報として記憶される温度センサ出力情報記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記被検知体の温度を表す情報が被検知体温度情報として記憶される被検知体温度情報記憶部をさらに備え、
前記情報更新部は、
前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力と前記被検知体温度情報とに基づき更新することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、
前記温度センサの出力に応じた情報が温度センサ出力情報として記憶される温度センサ出力情報記憶部と、
前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報が占有情報として記憶される占有情報記憶部と、
前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、
前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、当該一方の情報と前記温度センサ出力情報とに基づき更新する情報更新部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記温度センサ出力情報記憶部には、
第1の時刻における前記温度センサの出力に応じた情報である第1温度センサ出力情報と、前記第1の時刻よりも前の時刻である第2の時刻における前記温度センサの出力に応じた情報である第2温度センサ出力情報と、が記憶されており、
前記情報更新部は、前記占有情報および前記背景温度情報のうちのいずれか一方を更新対象とし、
該更新対象の情報と前記第1温度センサ出力情報と前記第2温度センサ出力情報とに基づき、前記更新対象の情報を更新することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記温度センサ出力情報記憶部は、
前記第1温度センサ出力情報が記憶される第1温度センサ出力情報記憶部と、
前記第2温度センサ出力情報が記憶される第2温度センサ出力情報記憶部と、を備えることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記被検知体の温度を表す情報が被検知体温度情報として記憶される被検知体温度情報記憶部をさらに備え、
前記情報更新部は、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、該一方の情報と前記温度センサ出力情報と前記被検知体温度情報とに基づき更新することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に応じて、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を更新対象として選択することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記占有情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象として選択することを特徴とする請求項10記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記占有情報に基づき、前記検知領域内の前記被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記温度センサの出力と前記背景温度情報とに基づき、前記検知領域内の前記被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
外部入力装置から出力される信号を取得し、該取得した外部入力装置から出力される信号に応じて、前記占有情報記憶部に記憶されている前記占有情報を更新する占有情報更新部を備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記占有情報更新部は、前記外部入力装置から前記信号を取得したとき、前記占有情報を、予め設定された基準値に更新することを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記外部入力装置は、マウス、キーボード、タッチパネル、および振動検出装置のうちのいずれかであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記温度センサを備えることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記温度センサは、前記検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記温度センサは、前記検知領域内の温度変化に応じた信号ではなく、前記検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力することを特徴とする請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記温度センサは熱起電力型赤外線センサ、導電型赤外線センサ、光導電型赤外線センサ、および光起電力型のセンサのうちのいずれかであることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、
第1の情報が記憶される第1の情報記憶部と、
前記検知領域内の被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、
前記第1の情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、を備え、
前記第1の情報は温度と関連のない情報であり、
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記第1の情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象とすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項22】
検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、
第1の情報が記憶される第1の情報記憶部と、
前記検知領域内の被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、
前記第1の情報と前記背景温度情報とのうちのいずれ一方の情報を、当該一方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項23】
前記第1の情報は温度と関連のない情報であることを特徴とする請求項22に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記第1の情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象とすることを特徴とする請求項23に記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記第1の情報に基づき、前記検知領域内の被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えることを特徴とする請求項21から請求項24のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項26】
前記温度センサの出力と前記背景温度情報とに基づき、前記検知領域内の被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えることを特徴とする請求項21から請求項25のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項27】
前記温度センサは、前記検知領域内の温度変化に応じた信号ではなく、前記検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力することを特徴とする請求項21から請求項26のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項28】
前記温度センサは熱起電力型赤外線センサ、導電型赤外線センサ、光導電型赤外線センサ、および光起電力型のセンサのうちのいずれかであることを特徴とする請求項27に記載の情報処理装置。
【請求項29】
検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得するステップと、
占有情報記憶部に記憶される、前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報を表す占有情報と背景温度情報記憶部に記憶される、前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、当該一方の情報と温度センサ出力情報記憶部に記憶される前記温度センサの出力に応じた温度センサ出力情報とに基づき更新するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項30】
検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得するステップと、
第1の情報記憶部に記憶される第1の情報と背景温度情報記憶部に記憶される前記検知領域内の被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、当該一方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項31】
請求項29または請求項30に記載の情報処理方法における各ステップを、コンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの検出情報を処理する情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置において、無駄な電力消費をなくすための様々な技術が提案されている。すなわち、情報処理装置においては、ユーザが情報処理装置を起動したまま使用しない状態で放置してしまうことがある。このような状態を情報処理装置側で検知し、情報処理装置側が自装置を省電力モードに移行するようにした情報処理装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、赤外線センサ等の、ユーザが存在するか否かを検知するためのセンサを設け、このセンサの検知信号に基づき、離席状態か否かを判定する。そして、離席状態であると判定されるときには、例えば情報処理装置の表示部の画面電源をオフにするなどの処理を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−78959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の情報処理装置の場合、ユーザの入力操作がない期間に温度環境が変化してしまうと、正確な離席検知および在席検知を行うことができなくなってしまうという問題がある。
具体的には、特許文献1に記載の情報処理装置の場合、ユーザの入力操作がない期間に環境温度が上昇すると、被検知体が離席しているにも関わらず、センサの出力値が基準値を上回ってしまい、在席と判断されてしまう場合がある。逆に、ユーザの入力操作がない期間に環境温度が低下すると、被検知体が在席しているにも関わらず、センサの出力値が基準値を下回ってしまい、離席と判断されてしまう場合がある。
そこで、この発明は、上記従来の問題点に着目してなされたものであり、被検知体の在/不在の判断基準となる情報を温度環境の変化に応じて動的に且つ適切な値に更新することが可能な情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報が占有情報として記憶される占有情報記憶部と、前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、を備え、前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に応じて、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を更新対象として選択することを特徴とする情報処理装置、である。
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記占有情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象として選択するようになっていてよい。
本発明の他の態様は、検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報が占有情報として記憶される占有情報記憶部と、前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、外部入力装置から出力される信号を取得し、該取得した外部入力装置から出力される信号に応じて、前記占有情報記憶部に記憶されている前記占有情報を更新する占有情報更新部と、を備えることを特徴とする情報処理装置、である。
【0007】
前記温度センサの出力に応じた情報が温度センサ出力情報として記憶される温度センサ出力情報記憶部をさらに備えていてよい。
前記被検知体の温度を表す情報が被検知体温度情報として記憶される被検知体温度情報記憶部をさらに備え、前記情報更新部は、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力と前記被検知体温度情報とに基づき更新するようになっていてよい。
【0008】
本発明の他の態様は、検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、前記温度センサの出力に応じた情報が温度センサ出力情報として記憶される温度センサ出力情報記憶部と、前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報が占有情報として記憶される占有情報記憶部と、前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、当該一方の情報と前記温度センサ出力情報とに基づき更新する情報更新部と、を備えることを特徴とする情報処理装置、である。
【0009】
前記温度センサ出力情報記憶部には、第1の時刻における前記温度センサの出力に応じた情報である第1温度センサ出力情報と、前記第1の時刻よりも前の時刻である第2の時刻における前記温度センサの出力に応じた情報である第2温度センサ出力情報と、が記憶されており、前記情報更新部は、前記占有情報および前記背景温度情報のうちのいずれか一方を更新対象とし、該更新対象の情報と前記第1温度センサ出力情報と前記第2温度センサ出力情報とに基づき、前記更新対象の情報を更新するようになっていてよい。
【0010】
前記温度センサ出力情報記憶部は、前記第1温度センサ出力情報が記憶される第1温度センサ出力情報記憶部と、前記第2温度センサ出力情報が記憶される第2温度センサ出力情報記憶部と、を備えていてよい。
前記被検知体の温度を表す情報が被検知体温度情報として記憶される被検知体温度情報記憶部をさらに備え、前記情報更新部は、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、該一方の情報と前記温度センサ出力情報と前記被検知体温度情報とに基づき更新するようになっていてよい。
【0011】
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に応じて、前記占有情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を更新対象として選択するようになっていてよい。
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記占有情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象として選択するようになっていてよい。
前記占有情報に基づき、前記検知領域内の前記被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えていてよい。
【0012】
さらに、前記温度センサの出力と前記背景温度情報とに基づき、前記検知領域内の前記被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えていてよい。
外部入力装置から出力される信号を取得し、該取得した外部入力装置から出力される信号に応じて、前記占有情報記憶部に記憶されている前記占有情報を更新する占有情報更新部を備えていてよい。
前記占有情報更新部は、前記外部入力装置から前記信号を取得したとき、前記占有情報を、予め設定された基準値に更新するようになっていてよい。
前記外部入力装置は、マウス、キーボード、タッチパネル、および振動検出装置のうちのいずれかであってよい。
【0013】
前記温度センサを備えていてよい。
前記温度センサは、前記検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力するものであってよい。
前記温度センサは、前記検知領域内の温度変化に応じた信号ではなく、前記検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力するものであってよい。
前記温度センサは熱起電力型赤外線センサ、導電型赤外線センサ、光導電型赤外線センサ、および光起電力型のセンサのうちのいずれかであってよい。
【0014】
本発明の他の態様は、検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、第1の情報が記憶される第1の情報記憶部と、前記検知領域内の被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、前記第1の情報と前記背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、他方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、を備え、前記第1の情報は温度と関連のない情報であり、前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記第1の情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象とすることを特徴とする情報処理装置、である。
【0015】
本発明の他の態様は、検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得する取得部と、第1の情報が記憶される第1の情報記憶部と、前記検知領域内の被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報が記憶される背景温度情報記憶部と、前記第1の情報と前記背景温度情報とのうちのいずれ一方の情報を、当該一方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新する情報更新部と、を備えることを特徴とする情報処理装置、である。
【0016】
前記第1の情報は温度と関連のない情報であってよい。
前記情報更新部は、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が予め設定したしきい値よりも大きいときには前記第1の情報を更新対象とし、前記温度センサの出力の変化量に基づく値が前記しきい値以下であるときには前記背景温度情報を更新対象とするようになっていてよい。
【0017】
前記第1の情報に基づき、前記検知領域内の被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えていてよい。
さらに、前記温度センサの出力と前記背景温度情報とに基づき、前記検知領域内の被検知体の在および/または不在を判定する判定部、を備えていてよい。
前記温度センサは、前記検知領域内の温度変化に応じた信号ではなく、前記検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力するものであってよい。
前記温度センサは熱起電力型赤外線センサ、導電型赤外線センサ、光導電型赤外線センサ、および光起電力型のセンサのうちのいずれかであってよい。
【0019】
本発明の他の態様は、検知領域内の温度に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得するステップと、占有情報記憶部に記憶される、前記検知領域に占める被検知体の割合に関する情報を表す占有情報と背景温度情報記憶部に記憶される、前記検知領域内の前記被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、当該一方の情報と温度センサ出力情報記憶部に記憶される前記温度センサの出力に応じた温度センサ出力情報とに基づき更新するステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法、である。
【0021】
本発明の他の態様は、検知領域内の温度の絶対量に応じた信号を出力する温度センサからの出力を取得するステップと、第1の情報記憶部に記憶される第1の情報と背景温度情報記憶部に記憶される前記検知領域内の被検知体を除く背景の温度を表す背景温度情報とのうちのいずれか一方の情報を、当該一方の情報と前記温度センサの出力とに基づき更新するステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法、である。
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様における情報処理方法における各ステップを、コンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム、である。
なお、ここでいう「更新」とは、記憶部に記憶されている情報を別の情報に更新することを意味するだけでなく、記憶部に新たに情報を記憶することも含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、被検知体の在/不在の判断基準となる情報を温度環境の変化に応じて動的に且つ適切な値に更新することが可能となる。これにより被検知体の在/不在を的確に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明における占有率を説明するための説明図である。
図2】本発明を適用した情報処理装置の一例を示す概略構成図である。
図3】第1実施形態における離席検知時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】着席検知時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の動作説明に供するタイミングチャートである。
図6】第2実施形態における離席検知時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を説明する。
(本発明の概要)
本発明は、温度センサにより、その検知領域内に被検知体が存在するか否かを検出するようにしたものである。ここでは、情報処理装置を構成する表示部の前や入力装置のそばにユーザが存在するか否かを検出するようにした場合について説明する。
温度センサは、例えば、情報処理装置を構成する表示部の上部など、情報処理装置に対してユーザが処理を行うときのユーザの位置を、温度センサの検知領域内に含むように配置される。
【0025】
また、温度センサは、赤外線センサなどの温度に応じた信号を出力するセンサを適用することができる。
本実施形態では、検知領域内の温度の変化量に応じた信号を出力する温度センサではなく、温度変化に関係なく、検知領域内の温度の絶対量を非接触で検知することの可能な温度センサを適用する。
このような温度センサとしては、サーモパイル等の熱起電力型赤外線センサや、導電型赤外線センサ、赤外線を吸収して光電変換によって信号を出力する量子型センサが考えられる。量子型センサの例として、光導電型赤外線センサ、光起電力型のセンサなどが挙げられる。
ここで、図1に示すように、温度センサ1の視野角をθとしたとき、温度センサ1の視野角θ内全体が検知領域となる。
【0026】
本発明では、温度センサ1の出力信号の温度換算値(以下、温度センサ出力値という。)をTobs、被検知体Xを除く背景の温度(以下、背景温度という)をTB、第1の情報に関する値をA、変数をγとしたとき、次式(1)が成り立つような第1の情報に関する値を用いて、背景温度TBを更新する。
Tobs=A+γ・TB ……(1)
第1の情報としては例えば、視野角θ内全体における被検知体Xが占める割合(以下、占有率という。)と被検知体Xの温度(以下、被検知体温度という。)との積が考えられる。
つまり、占有率をα、被検知体温度をTHとしたとき、次式(1a)が成り立つ。なお、以後、この(1a)式を、基本関係式という。
Tobs=α・TH+(1−α)・TB ……(1a)
【0027】
温度センサ出力値Tobsは、温度センサ1により常に観測される出力信号の温度換算値を用いればよい。なお、温度センサ1の出力信号の温度換算値を移動平均した値を温度センサ出力値Tobsとして用いてもよい。
被検知体温度THは、ここでは被検知体Xをユーザとするため人体温度である。人体温度はここでは定数とし、例えば34℃とする。一般に温度センサ1で検出される人体の温度換算値は34℃付近で比較的安定しているといわれている。そのため、この34℃という値を人体温度として採用している。以後、被検知体温度THを定数とし、占有率αを第1の情報として説明する。なお、当然のことながら人体温度は変数としてもよい。
【0028】
背景温度TBは、温度センサ1の視野角θ内に被検知体Xが存在しないときの温度センサ1の出力信号の温度換算値である。また、視野角θ内に被検知体Xが存在する場合には、被検知体Xを除いた背景の温度を表す温度センサ1の出力信号の温度換算値である。ここでは、この背景温度TBを離席検知に用いる変数として、定周期で演算を行う。
占有率αは、温度センサ1からある程度の距離範囲内にユーザが存在すると仮定することのできる外部入力装置が操作されたとき、幾何学的あるいは実験的に事前に定めた基準値α0を、占有率αとして設定する。例えば、ユーザがマウスやタッチパネルを使用しているとき、あるいは、ユーザがマウスやキーボード等を操作した時に発生する振動を検出する振動検出装置などにより振動が検出されているときには、ユーザは、温度センサ1からある程度の距離範囲内に存在すると仮定することができる。したがって、キーボードやマウスなどが操作されたとき、また、振動検出装置などにより振動が検出されているときに、占有率αとして基準値α0を設定する。
【0029】
例えば、ユーザがキーボードを操作する状態にあるときの占有率αは、10%程度である。したがって、基準値α0は、例えば10%程度の値に設定される。
なお、占有率αは、外部入力装置による入力がない場合であっても、温度センサ1の出力信号から得られる温度センサ出力値に大きな変化がある場合には更新する。
【0030】
次に、基本関係式(1a)を用いた離席検知手順を説明する。
すなわち、定周期で温度センサ出力値Tobsを読み込む。そして、温度センサ出力値Tobsを読み込む都度、基本関係式(1a)を用いて背景温度TBを演算する。
前述のように、占有率α、被検知体温度THは既知の値であるため、温度センサ出力値Tobsから基本関係式(1a)を用いて背景温度TBを演算することができる。
演算した背景温度TBと、温度センサ出力値Tobsとを比較し、Tobs≦TBを満足する状態が予め設定した規定時間以上継続したときに、離席と判定する。
【0031】
つまり、ユーザがキーボードなどの外部入力装置のそばに存在する場合には、ユーザは発熱体であるため、温度センサ1により観測される温度センサ出力値Tobsには、背景温度TBの温度成分だけでなくユーザの温度成分も含まれる。そのため、温度センサ1の視野角内にユーザが存在する場合には、温度センサ出力値Tobsは、背景温度TBよりも大きくなると予測される(Tobs>TB)。言い換えれば、Tobs≦TBであるときには、ユーザは外部入力装置のそばには存在しないと予測される。したがって、Tobs≦TBを満足するとき、かつ、この状態が予め設定した規定時間以上継続したときには、外部入力装置のそばにユーザが存在しないと判断する。なお、実際には、背景温度TBをそのまま用いたとしても、Tobs≦TBを満足する状態にはならない可能性があるため、背景温度TBを平滑化した値と温度センサ出力値Tobsとを用い、「Tobs−TB≦しきい値」を満足する状態が、規定時間以上継続したか否かを判定する。
このように、温度センサ出力値Tobsを用いて基本関係式(1a)から背景温度TBを推測し、この背景温度TBと温度センサ出力値Tobsとを比較することによって、離席検知を行うことができる。
【0032】
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態を説明する。
図2は、本発明の第1実施形態における情報処理装置100の一例を示す、概略構成図である。
第1実施形態における情報処理装置100は、図2に示すように、温度センサ1と、外部入力装置2と、演算処理部3と、記憶部4と、表示部5とを備える。
温度センサ1は、前述のように、例えば、マウスやキーボード、タッチパネルを使用するとき、あるいは、ユーザがマウスやキーボード等を操作した時に発生する振動を検出する振動検出装置などにより振動が検出されるときのユーザの存在位置を視野角内に含むように配置され、例えば、表示部5の上部などに配置される。
【0033】
演算処理部3は、温度センサの出力を取得する取得部(図示せず)を備え、温度センサの出力を取得する。そして、温度センサ1の検出信号に基づき、外部入力装置2のそばにユーザが存在するか、すなわちユーザが離席状態であるか着席状態であるかを検出するための、演算処理を行う。そして、ユーザの在席/着席状態に応じて、表示部5への画面表示を行ったり、画面輝度を低くするなどの省電力モードでの動作を行ったりする。また、外部入力装置2による入力操作に応じて予め設定された処理などを行い、処理結果を表示部5に表示するなどの処理を行う。
【0034】
演算処理部3は、具体的には、情報更新部31と、判定部32と、占有情報更新部33とを備える。
情報更新部31は、温度センサ1からの検出信号を定周期で読み込み、読み込んだ検出信号と、記憶部4に記憶している各種情報とに基づき、予め設定された所定の演算処理を行って、記憶部4に記憶している各種情報を更新する。
判定部32は、情報更新部31で演算した各種情報をもとに、外部入力装置2のそばにユーザが存在するか否か、すなわちユーザが離席状態にあるか着席状態にあるかを判定する。
【0035】
占有情報更新部33は、外部入力装置2により入力操作が行われたとき、後述の占有率αを、予め設定した基準値α0に更新設定する。
記憶部4は、情報処理装置100におけるユーザの有無を検出するための演算処理の処理プログラムや、各種演算に必要な処理プログラムを記憶するとともに、前記演算処理で用いる、温度センサ1の出力信号や、各種情報を記憶する記憶部を有する。
【0036】
具体的には、図に示すように、記憶部4は、温度センサ1の出力信号に基づく温度センサ出力値Tobsを記憶するための温度センサ出力情報記憶部41と、占有率αを記憶するための占有情報記憶部42(第1の情報記憶部)と、背景温度TBを記憶するための背景温度情報記憶部43と、被検知体温度TH(例えば、前述の一般的な人体温度である34℃)を記憶するための被検知体温度情報記憶部44と、を備える。
また、占有情報記憶部42には、予め設定された占有率αの基準値α0が格納されている。この基準値α0は、例えば、前述のユーザがキーボードを操作する状態にあるときの占有率αとして、幾何学的あるいは実験的に定めた値、例えば10%に設定される。
【0037】
次に、演算処理部3での、温度センサ1の検出信号に基づき離席判断を行うまでの処理手順の一例を、図3に示すフローチャートを伴って説明する。
演算処理部3では、温度センサ1の出力信号を入力すると、これを温度換算値に変換して温度センサ出力値Tobsを得る(ステップS1)。また、読み込んだ温度センサ出力値Tobsを、現サンプリング時点における温度センサ出力値として温度センサ出力情報記憶部41に記憶する。このとき、温度センサ出力情報記憶部41に、例えば、現サンプリング時点における温度センサ出力値を記憶する領域(第1温度センサ出力情報記憶部41a)と、1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値を記憶する領域(第2温度センサ出力情報記憶部41b)とを設ける。そして、演算処理部3では、サンプリング周期ごとにこれら記憶領域(第1温度センサ出力情報記憶部41a、第2温度センサ出力情報記憶部41b)の情報を更新することにより、少なくとも、現サンプリング時点における温度センサ出力値と、1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値とを記憶するようになっている。
【0038】
次いで、ステップS2に移行し、温度センサ出力値Tobsが大きく変化したかを判定する。
すなわち、単位時間あたりの温度センサ出力値Tobsの変化量が予め設定したしきい値よりも大きいときには、この温度センサ出力値Tobsの変化は、温度環境の変化によるものではなく、ユーザの姿勢が変化し、これにより温度センサ1とユーザとの距離が変化したために、温度センサ出力値が変化したとみなすことができる。
【0039】
具体的には、単位時間あたり(1サンプリング周期あたり)の温度センサ出力値Tobsの変化量が、温度センサ出力値Tobsが大きく変化したかどうかを判定するための判定用のしきい値よりも大きいかどうかを判定する。すなわち、1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値(Tobs2)と、現サンプリング周期における温度センサ出力値(Tobs1)との差(Tobs2−Tobs1)の絶対値を求める。1サンプリング周期前の時点および現サンプリング時点における温度センサ出力値Tobs2、Tobs1は、それぞれ温度センサ出力情報記憶部41から取得する。
【0040】
そして、温度センサ出力値の差(Tobs2−Tobs1)の絶対値と予め設定した判定用のしきい値とを比較する。温度センサ出力値の差の絶対値がしきい値よりも大きいときには、単位時間あたりの温度センサ出力値の変化量がしきい値よりも大きく、温度センサ出力値が大きく変化したと判定する。
このようにして、温度センサ出力値が大きく変化したと判定されるとき、すなわち、温度センサ出力値の変化は温度環境の変化によるものではなく、温度センサ1の視野角θ内における人体の占有率の変化によるものであると予測されるときには、ステップS3に移行し、占有率αの更新処理を行う。
具体的には、次式(2)を満足する占有率α1を求める。
(Tobs1−α1・TH)/(1−α1)
=(Tobs2−α2・TH)/(1−α2) ……(2)
(2)式において、Tobs1は現サンプル時点における温度センサ出力値、α1は現サンプル時点における占有率である。Tobs2は1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値、α2は1サンプリング周期前の時点における占有率である。
【0041】
温度センサ出力値Tobs1および温度センサ出力値Tobs2は、温度センサ出力情報記憶部41から取得する。占有率α2は、占有情報記憶部42から取得する。被検知体温度THは、被検知体温度情報記憶部44から取得する。
そして、(2)式から現サンプリング時点の温度センサ出力値Tobs1に基づき占有率α1を演算する。
つまり、温度センサ出力値Tobsが大きく変化した場合には、それは人体が動いた(人体の占有率が変わった)ことにより変化したものと予測することができる。このとき、人体の占有率の変化に比較して背景温度TBの変化は小さい。そのため、背景温度TBは変化していないと仮定すると、前記基本関係式(1a)から、次式(3)および(4)が成り立つ。
【0042】
そして、背景温度TBは変化していないと仮定するため、(3)および(4)式から、前記(2)式を導くことができる。
Tobs1=α1・TH+(1−α1)・TB ……(3)
Tobs2=α2・TH+(1−α2)・TB ……(4)
演算により前記(2)式から取得した占有率α1を、現時点における占有率とし、これを占有情報記憶部42に記憶する。
以上により、占有率αの更新処理が終了する。
【0043】
前記ステップS2で、温度センサ出力値Tobs2−Tobs1の差の絶対値がしきい値以下であるときには、そのままステップS4に移行する。すなわち、温度センサ出力値Tobs2−Tobs1の差の絶対値がしきい値以下であり、視野角θ内における人体の占有率αが変化していないと予測されるときには、占有率αの更新は行わず、そのままステップS4に移行する。
このステップS4では、キーボードあるいはマウス、あるいは振動検出装置などの外部入力装置2により入力がなされたか否かを判定する。
外部入力装置2により入力がなされた場合には、ステップS5に移行し、占有情報記憶部42に格納している占有率の基準値α0を読み出し、これを現サンプリング時点における占有率αとして設定し、占有情報記憶部42に、現サンプリング時点における占有率として基準値α0を更新設定する。そして、ステップS6に移行する。
【0044】
一方、外部入力装置2により入力がなされていない場合には、そのままステップS6に移行する。
このステップS6では、背景温度TBを演算する。すなわち、前記基本関係式(1a)式と、現サンプリング時点における占有率αと、被検知体温度情報記憶部44に格納されている被検知体温度THと、現サンプリング時点における温度センサ出力値Tobsとをもとに背景温度TBを演算する。外部入力装置2により入力がなされた場合にはステップS5の処理で基準値α0が占有率αとして設定されることから、現サンプリング時点における占有率αは基準値α0となる。また、温度センサ出力値Tobsが大きく変化したときには占有率αはステップS3で更新されることから、ステップS3で更新された占有率が現サンプリング時点における占有率αとなる。ステップS3で占有率αの更新が行われていない場合には、占有情報記憶部42に記憶されている最新の占有率を現サンプリング時点における占有率として用いる。
ステップS6で演算した背景温度TBは、現サンプリング時点における背景温度として背景温度情報記憶部43に記憶する。
【0045】
次いで、ステップS7に移行し、現サンプリング時点における温度センサ出力値TobsとステップS6で演算した背景温度TBとの差が、予め設定した離席判定用のしきい値以下である状態が所定時間経過したかを判定する。温度センサ出力値Tobsと背景温度TBとの差が離席判定用のしきい値以下である状態が所定時間以上継続したときには、ステップS8に移行する。この場合、温度センサ1により検出された視野角内の温度と、視野角内において被検知体を除いた背景温度として演算した背景温度TBとの差がほぼ等しく、温度センサ1の視野角内に人体が存在しない状態であると予測することができ、さらにこの状態が所定時間以上継続していることから、離席状態であると判定する(ステップS8)。なお、離席状態であると判定されたときに、占有率αを0に更新設定するようにしてもよい。
このように離席状態であると判定されたときに、例えば表示部5を省電力モードで動作させるなどの処理を行うことにより、情報処理装置100の消費電力削減を行うことができる。
【0046】
逆に、ステップS7の処理で、温度センサ出力値Tobsと背景温度TBとの差が、離席判定用のしきい値以下でないとき、また、しきい値以下であってもこの状態が所定時間以上継続しない場合にはステップS9に移行し、着席状態であると判定する。つまり、温度センサ1により検出された視野角内の温度が、被検知体を除いた背景温度として演算した背景温度TBよりも大きいときには、視野角内に発熱体である人体が存在する状態である、すなわち、着席状態であると判定する。また、温度センサ出力値Tobsと背景温度TBとの差が判定しきい値以下となった場合でも、この状態が所定時間以上継続しない場合には、離席したとは判断しない。
【0047】
そして、着席状態であると判定された場合にはステップS1に戻り、引き続き、温度センサ1の出力信号を監視する。そして、温度センサ出力値Tobsの変化量が小さいときには、温度センサ出力値Tobsの変化は、温度センサ1の視野角内において人体による占有率の変化が生じたことによるものではなく、ユーザが離席した、あるいは姿勢を変えたとは言い難いとしてステップS3での占有率αの更新は行わずに、温度センサ出力値Tobsの変化は環境温度の変化によるものであるとして背景温度TBの更新のみを行う。逆に、温度センサ出力値Tobsの変化量が大きいときには、温度センサ出力値Tobsの変化は、温度センサ1の視野角内において人体による占有率の変化が生じたことによるものであるとして、ステップS3での占有率αの更新を行う。この処理を繰り返し行うことにより、温度センサ出力値Tobsの変化量がしきい値よりも大きいときには占有率αが更新されるとともに背景温度TBが更新され、しきい値以下であるときには、占有率αの更新は行われず、占有情報記憶部42に記憶されている最新の占有率を用いて背景温度TBが更新される。
【0048】
このように、温度センサ1の視野角内において人体による占有率の変化が生じたと予測されるときには占有率αを更新し、人体による占有率の変化が生じていないと予測されるときには占有率αの更新は行わずに背景温度TBを更新するようにしている。そのため、視野角内における人体の占有率に応じて占有率αおよび背景温度TBを的確に演算し更新することができる。
【0049】
次に、演算処理部3での、温度センサ1の検出信号に基づき着席判断を行うまでの処理手順の一例を、図4に示すフローチャートを伴って説明する。
演算処理部3では、温度センサ1の出力信号を入力すると、これを温度換算値に変換して温度センサ出力値Tobsを得る(ステップS11)。また、温度センサ出力値Tobsを、温度センサ出力情報記憶部41に格納する。
【0050】
次いで、温度センサ出力値Tobsが大きく変化したか否かを判断する(ステップS12)。つまり、温度センサ1の視野角内における人体による占有率が変化したかを判定する。すなわち、単位時間(1サンプリング周期)あたりの温度センサ出力値の変化量が、温度センサ出力値が大きく変化したと判定するための予め設定した判定用のしきい値よりも大きいときには、この温度センサ出力値の変化は、温度環境の変化によるものではなく、視野角内で発熱体である人体の動きがあったために、温度センサ出力値が変化したとみなすことができる。
【0051】
具体的には、演算処理部3では、単位時間あたり(1サンプリング周期あたり)の変化量が判定用のしきい値よりも大きいかどうかを判定する。すなわち、1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値(Tobs2)と、現サンプリング周期における温度センサ出力値(Tobs1)との差(Tobs2−Tobs1)の絶対値を求める。温度センサ出力値(Tobs2)および温度センサ出力値(Tobs1)は、温度センサ出力情報記憶部41から取得する。
【0052】
そして、温度センサ出力値の差(Tobs2−Tobs1)の絶対値と予め設定したしきい値とを比較する。温度センサ出力値の差の絶対値がしきい値よりも大きいとき、温度センサ出力値が大きく変化したと判定する。
そして、温度センサ出力値Tobsが大きく変化したと判定されるとき、すなわち、温度センサ1の視野角内における、人体による占有率が変化したと予測されるときには、ステップS13に移行し、温度センサ出力値Tobsが大きく変化した後の、占有率αを推定する。
【0053】
ここで、温度センサ出力値Tobsと、占有率αと、被検知体温度THと、背景温度TBとの間には、前記(1a)式で表す基本関係式が成り立つ。また、温度センサ出力値Tobsの変化が、温度センサ1の視野角内における、人体の占有率の変化によって引き起こされたと仮定すると、次式(5)および(6)式が成り立つ。
Tobs1=α1・TH+(1−α1)・TB ……(5)
Tobs2=TB ……(6)
なお、(5)式および(6)式中の、Tobs1およびα1は、着席により、温度センサ1の視野角内に人体が入り込み、人体の占有率が変化した後の温度センサ出力値および占有率を表し、Tobs2は、温度センサ1の視野角内における人体の占有率が変化する前の温度センサ出力値を表す。
【0054】
これら(5)および(6)式から、着席により温度センサ出力値Tobsが変化した後の占有率α1は、次式(7)から演算することができる。
Tobs1=α1・TH+(1−α1)・Tobs2 ……(7)
すなわち、Tobs1を現サンプリング時点における温度センサ出力値とし、Tobs2を1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値とすると、着席により温度センサ出力値Tobsが変化した後の占有率α1、すなわち、温度センサ1の視野角内において変化した後の人体の占有率を、現サンプリング時点における温度センサ出力値Tobs1と1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値Tobs2との2つの変数から演算することができる。
【0055】
演算した占有率αは、現サンプリング時点における占有率として、占有情報記憶部42に格納する。
このようにして占有率αを(7)式から演算したならばステップS14に移行し、占有率α(=α1)が予め設定した着席判定用のしきい値よりも大きいか否かを判定する。このしきい値は、ユーザが着席したとみなすことの可能な占有率であって、予め実験などによって求めておく。例えば、温度センサ1から約70cm離れた位置に着席した場合の、占有率のしきい値は、「0.1(10%)」に設定される。
【0056】
ステップS14で、占有率α(=α1)がしきい値よりも大きいときには、ステップS15に移行し、ユーザが着席したと判断する。
占有率α(=α1)がしきい値以下であるときには着席と判断せずに離席状態にあると判定し(ステップS16)、ステップS11に戻り、温度センサ出力値が大きく変化したとき(7)式にしたがって、現時点における占有率α1を演算する。
【0057】
そして、温度センサ出力値Tobsが大きく変化し、(7)式から演算される占有率α(=α1)がしきい値をこえたとき、ユーザが着席したと判断する(ステップS15)。
ユーザが着席したと判定したならば、情報処理装置100では、省電力モードで動作中の表示部5を通常モードで動作させるなどの処理を行う。その結果、ユーザがキーボードなど外部入力装置2を操作する以前に、ユーザが着席した段階で、表示部5を通常モードで動作させることができる。つまり、ユーザが、外部入力装置2を操作した段階では表示部5はすでに通常モードに移行しているため、ユーザは速やかに入力操作を行うことができる。
【0058】
また、前記ステップS12で、温度センサ出力値Tobs2−Tobs1がしきい値以下である場合には、温度センサ出力値Tobs2とTobs1との差が比較的小さく、温度センサ出力値Tobsの変化は、温度環境の変化によるものと予測される。そのため、着席判定は行わず、そのままステップS11に戻る。
このように、温度センサ出力値Tobsが大きく変化し、離席していたユーザが着席した、あるいはユーザが姿勢を変化させて、例えばキーボードやマウスなどの外部入力装置2を操作できる態勢に移行したなど、温度センサ1の視野角内における人体の占有率が変化したと予測される時点で、占有率αを演算する。逆に、温度センサ出力値Tobsの変化が小さく、温度センサ1の視野角内における人体の占有率が変化したとは言い難いときには、占有率αを演算しない。そのため、占有率αを的確かつ精度よく演算することができる。
【0059】
次に、上記第1実施形態の動作を、図5のタイミングチャートを伴って説明する。
図5は、ユーザが在席状態にありキーボードを操作した場合の、温度センサ出力値Tobs、背景温度TB、占有率αの変化状況の一例を示したものである。
図5において、(a)は温度センサ出力値Tobs、(b)は背景温度TB、(c)は占有率α、(d)は温度センサ出力値Tobs〔℃〕、背景温度TB〔℃〕、占有率α〔%〕の具体例である。なお、(d)において、「※」印は、サンプリングタイミングごとに更新され変化していることを表す。また、ハッチング部分は、値が変化していないことを表す。
【0060】
図5に示すように、ユーザが在席状態であり、時点t0でユーザがキーボードを操作すると、この時点では、図3に示す離席検知時の処理が実行され、占有率αは基準値α0(図5の場合には10%)に更新設定される。
ユーザがキーボードを操作した時点での姿勢を維持している時点t0から時点t1(状態1)では、定周期で得られる温度センサ出力値Tobsは、温度環境の変化を反映した値となり、情報処理装置100の周囲温度が緩やかに上昇している間は、温度センサ出力値Tobsも緩やかに上昇する。そのため、占有率αの更新は行われず占有率αは時点t0での値を維持し、基本関係式(1a)から演算される背景温度TBは温度センサ出力値Tobsの変化に応じて変化する。つまり、周囲温度が緩やかに上昇している間は、温度センサ出力値Tobsも緩やかに上昇し、基本関係式(1a)から演算される背景温度TBも緩やかに上昇する。
【0061】
時点t1からt2の間(状態2)でユーザが姿勢を変え在席状態ではあるが、座っている位置がより前になると、ユーザが温度センサ1により近づくことになるため、温度センサ1の視野角内におけるユーザの占有率が変わる。
その結果、温度センサ出力値Tobsは大きく増加し、単位時間(1サンプリング周期)あたりの温度センサ出力値Tobsの変化量がしきい値を超えると、温度センサ1の視野角内におけるユーザの占有率が変化したと判定され、前記(2)式から、現時点における占有率αが演算される。温度センサ出力値Tobsが大きく増加している間、これに伴って占有率αも増加する。このとき、前記(1a)式と、(2)式から求めた占有率αと、温度センサ出力値Tobsとから求まる背景温度TBは略一定となる。すなわち、前記(2)式における占有率αの演算過程において背景温度TBは一定と仮定しているため、(1a)式から算出される背景温度TBは略一定となる。
【0062】
また、このとき、温度センサ出力値Tobsは背景温度TBよりも大きく、これらの差は、離席状態判定用のしきい値よりも大きいため、この時点では、在席状態であると判定される。
そして、時点t2から時点t3の間(状態3)に示すように、ユーザが姿勢を維持したまま、情報処理装置100の周囲温度が緩やかに上昇している場合には、温度センサ出力値Tobsも緩やかに増加し、このとき占有率αは更新されず一定に維持されるため、背景温度TBも緩やかに増加する。
【0063】
この状態から時点t3で在席状態にあったユーザが離席すると、離席に伴い温度センサ1の視野角内におけるユーザの占有率が減少することから、温度センサ出力値Tobsは大きく減少する。このため、温度センサ出力値Tobsが大きく減少している間、占有率αの更新が行われ、温度センサ出力値Tobsの減少に伴って、算出される占有率αも減少する(時点t3から時点t4 状態4))。
【0064】
そして、「温度センサ出力値Tobs−背景温度TB」が離席判定用のしきい値以下となり、この状態が所定時間継続した時点で、離席状態にあると判定され、占有率αは例えば0に設定される。
離席状態にある間(時点t4からt5 状態5)は、「温度センサ出力値Tobs−背景温度TB」が判定しきい値以下を維持するため、引き続き離席状態と判定されて、占有率αは0を維持する。
このユーザの離席が検知された時点から、演算処理部3では、上記図3の離席検知時の処理に代えて、図4の着席検知時の処理を実行する。
【0065】
そして、離席状態から時点t5でユーザが着席すると、これに伴い温度センサ出力値Tobsは上昇する。温度センサ出力値Tobsの増加に伴い単位時間(1サンプリング周期)あたりの変化量がしきい値を超えると、占有率αが更新される(時点t5から時点t6 状態6)。
そして、占有率αが着席判定用のしきい値を超えた時点、すなわち、温度センサ1の視野角内における人体の占有率がある程度大きくなったとき、ユーザが着席状態にあると判定される。
このユーザが着席状態にあると判定した時点で、情報処理装置100において、例えば省電力モードなどで動作させている表示部5を通常モードでの動作に切り替えることにより、ユーザが、外部入力装置2を操作する前の段階で、表示部5を通常モードで動作させることができる。
【0066】
このユーザの着席が検知された時点から、演算処理部3では上記図4の着席検知時の処理に代えて、上記図3の離席検知時の処理を実行する。
ユーザが着席したままその姿勢を維持している時点t6から時点t7(状態7)の間は、情報処理装置100の周囲温度の緩やかな上昇に伴い、温度センサ出力値Tobsも緩やかに上昇する。そのため、占有率αの更新は行われず、占有率αは一定となり背景温度TBは温度センサ出力値Tobsの変化に応じて緩やかに上昇する。
【0067】
時点t7から時点t8(状態8)でユーザが在席している状態で姿勢を変えるなどにより温度センサ1に近づくと、温度センサ出力値Tobsは比較的速やかに増加する。そして、温度センサ出力値Tobsの変化量がしきい値を超えると、占有率αの更新が行われ、温度センサ出力値Tobsの増加に伴い占有率αも増加する。このとき、算出される背景温度TBは略一定を維持する。
【0068】
続いてユーザが一定の姿勢を維持している間(時点t8から時点t9 状態9)は、温度センサ出力値Tobsは周囲温度の変化に伴い緩やかに変化し、温度センサ出力値Tobsの変化量が小さいため、占有率αの更新は行われず一定に維持される。
そして、時点t9で、ユーザがキーボードなどの外部入力装置2を操作すると、占有率αは基準値α0に更新設定され、基準値α0に応じた背景温度TBが算出される。
なお、時点t5でユーザが着席した時点でユーザが着席したことが検出され、この時点で、表示部5を省電力モードから通常モードに切り替えている。そのため、時点t9でユーザが外部入力装置2を操作する段階では表示部5は通常モードとなっている。よって、例えば省電力モードで動作している表示部5を通常モードで動作させるための操作を行うなどといった待ち時間が生じることなく、外部入力装置2を操作する段階から速やかに通常どおりの操作を行うことができる。
【0069】
このように、温度センサ出力値Tobsに基づき、占有率αを演算するとともに背景温度TBを演算し、演算した背景温度TBと温度センサ出力値Tobsと背景温度TBとをもとに、離席を検知する構成とした。
背景温度TBと温度センサ出力値Tobsとの差と、判定しきい値との大小関係に基づき離席を検知するため、温度環境の変化により周囲温度が変化したとしても離席検知の判断に影響を及ぼすことはない。その結果、温度環境の変化による影響を受けることなく、的確に離席検知を行うことができる。
【0070】
ここで、温度センサ出力値Tobsはユーザの人体温度によって変動するだけでなく、温度環境の変化によっても変動する。そのため、例えば温度センサ出力値Tobsと離席判定用のしきい値とを比較することにより離席判定を行う構成の場合、温度環境の変化により周囲温度が上昇した場合には、これに伴い温度センサ出力値Tobsも上昇するため、温度センサ出力値Tobsが離席判定用のしきい値を下回りにくくなり、実際には離席した場合でも着席していると誤判断される可能性がある。
【0071】
しかしながら、上記実施形態では、視野角内において、被検知体であるユーザを除く背景による温度である背景温度TBを予測し、この背景温度TBと温度センサ出力値Tobsとの差分、すなわち、温度センサ出力値Tobsから、温度センサ1の視野角内における被検知体(ユーザ)による温度成分を除いた温度に基づき離席判断を行う構成としている。つまり、離席判断の判断値となる、温度センサ出力値Tobsと背景温度TBとの差分に、温度環境の変化に伴う成分が含まれることを回避する構成としている。そのため、温度環境の変化により温度センサ出力値Tobsが変化した場合であっても、この温度環境の変化による影響を受けることなく的確に離席判断を行うことができ、すなわち、離席判定の精度を向上させることができる。
【0072】
また、1つの温度センサ1の温度センサ出力値に基づき判定することができるため、簡易な構成で的確に離席判断を行うことができる。
また、占有率αは、温度センサ出力値Tobsが大きく変化し、ユーザの姿勢変化が生じたと予測されるとき、すなわち温度センサ1の視野角内において人体による占有率が変化したと予測されるときにのみ、温度環境は変化していないという仮定のもと、前記(2)式に基づき演算している。そのため、占有率αは誤差を含む可能性がある。しかしながら、占有率αは離席判断に用いており、離席判断においては、占有率αはそれほど精度を要求されるものではない。また、キーボードなど外部入力装置2が操作された時点で、占有率αを基準値α0に更新設定するようにしている。そして、この基準値α0は、ユーザが着席しているときの占有率αに基づき予め求められた値である。そのため、外部入力装置2が操作される都度、占有率αに含まれる誤差を除去することができ、占有率αをより的確に設定することができる。その結果、背景温度TBの推定精度を向上させることができ、すなわち、離席の検知精度を向上させることができる。
【0073】
また、上記実施形態では、温度センサ出力値Tobsが大きく変化したときに、この温度変化は、人体の占有率の変化によって引き起こされたものとして占有率αを更新し、この占有率αに基づき着席を検知する構成とした。
この占有率αは、視野角内における人体の占有率を表すものであるため、この温度センサ出力値Tobsから占有率αを推測し、占有率αに基づき着席判定を行うことによって、温度環境の変化が生じた場合であっても、この温度環境の変化の影響を受けることなく、的確に着席判定を行うことができる。
【0074】
また、着席判定の際の占有率αは、温度センサ出力値Tobsが大きく変化し、温度センサ1の視野角内における人体の占有率の変化により温度センサ出力値Tobsの変化が引き起こされたと予測されるときにのみ、温度環境は変化していないという仮定のもと、演算している。そのため、占有率αは誤差を含む可能性があるが、温度環境が変化したとしても、温度センサ出力値Tobsに与える影響は温度センサ1の視野角内における人体の占有率の変化による影響に比較して大幅に少ない。そのため、占有率αに与える影響は比較的小さく、また、着席検知後は、図4に示す着席検知時の処理に代えて図3に示す離席検知時の処理を実行し、外部入力装置2が操作された時点で、占有率αを基準値α0に更新するようにしているため、この時点で占有率αに含まれる誤差を除去することができる。
【0075】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
この第2実施形態は、第1の実施形態において離席検知時の処理手順が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図6は、第2の実施形態における演算処理部3の処理手順の一例を示すフローチャートであり、温度センサ1の検出信号に基づき離席判断を行うまでの処理手順の一例を示したものである。
第2実施形態における演算処理部3では、温度センサ1の出力信号を入力すると、これを温度換算値に変換して温度センサ出力値Tobsを得る(ステップS21)。また、温度センサ出力値Tobsを、温度センサ出力情報記憶部41に格納する。
【0076】
次いで、ステップS22に移行し、温度センサ出力値の変化量が小さいか、すなわち温度センサ1の視野角内において人体の占有率の変化が生じていない状態であるかを判定する。
具体的には、1サンプリング周期前の時点における温度センサ出力値(Tobs2)と、現サンプリング周期における温度センサ出力値(Tobs1)との差(Tobs2−Tobs1)の絶対値を求める。温度センサ出力値Tobs1、Tobs2は、温度センサ出力情報記憶部41から取得する。
そして、温度センサ出力値の差(Tobs2−Tobs1)の絶対値がしきい値よりも小さいとき、温度センサ出力値の変化量が小さいと判定する。つまり、温度センサ出力値の変化は、ユーザの姿勢変化によるものではなく、温度環境が変化したことによるものであると判定する。
【0077】
そして、温度センサ出力値の変化量が小さいときには、ステップS22からステップS23に移行し、背景温度TBを更新する。すなわち、温度センサ出力値の変化量が小さいときにはユーザの姿勢変化は生じておらず、温度センサ出力値の変化は温度環境の変化によるものであると予測されることから、背景温度TBを演算し、演算結果を背景温度情報記憶部43に格納する。この背景温度TBの演算は、次式(8)に基づき行う。
(Tobs1−TB1)/(TH−TB1)
=(Tobs2−TB2)/(TH−TB2) ……(8)
なお、(8)式中のTB2は、1サンプリング周期前の時点における背景温度であって、背景温度情報記憶部43から取得する。なお、1サンプリング周期前の時点で背景温度TBが更新されていない場合には、1サンプリング周期前の時点で最新の背景温度が1サンプリング周期前の背景温度となる。
【0078】
一方、ステップS22で、温度センサ出力値の変化量が小さくはないと判定されるときにはステップS24に移行し、占有率αを更新する。すなわち、温度センサ出力値の変化量が小さいとみなすことができないときには、温度センサ出力値の変化は、温度環境の変化によるものではなくユーザの姿勢変化によるもの、すなわち温度センサ1の視野角内における人体の占有率の変化によるものであると予測されることから、占有率αを演算する。そして、演算した占有率を占有情報記憶部42に記憶する。
占有率αの演算は、次式(9)に基づき行う。
(Tobs1−α1・TH)/(1−α1)
=(Tobs2−α2・TH)/(1−α2) ……(9)
なお、(9)式中のα2は、1サンプリング周期前の時点における占有率であって、占有情報記憶部42から取得する。
【0079】
このようにして、ステップS23で背景温度TBの更新、またはステップS24で占有率αの更新を行ったならば、ステップS25に移行する。
ステップS25では、キーボードあるいはマウスなどの外部入力装置2により入力がなされたか否かを判定する。
外部入力装置2により入力がなされた場合にはステップS26に移行し、占有情報記憶部42に格納している占有率の基準値α0を読み出し、これを現サンプリング時点における占有率αとして設定する。また、占有情報記憶部42に、現サンプリング時点における占有率として基準値α0を更新設定する。そして、ステップS27に移行する。
【0080】
一方、外部入力装置2により入力がなされていない場合には、そのままステップS27に移行する。
このステップS27では、現サンプリング時点における占有率αが離席判定用のしきい値より小さいかを判定する。ここで、占有率αは、ステップS25で外部入力装置2が操作されている場合には基準値α0となる。また、ステップS25で外部入力装置2が操作されていない場合には、ステップS24で演算され占有情報記憶部42に格納されている占有率、または占有情報記憶部42に格納されている最新の占有率を、占有率αとして用いる。
【0081】
そして、占有率αがしきい値より小さいときにはステップS28に移行し、ユーザが温度センサ1の視野角内に存在しない、すなわち、ユーザが離席状態であると判定する。なお、この時点で、占有率αを0に更新設定するようにしてもよい。
また、このように離席状態であると判定されたときに、例えば表示部5を省電力モードで動作させるなどの処理を行うことにより、情報処理装置100の消費電力削減を行うようにしてもよい。
【0082】
一方、占有率αがしきい値以上であるときにはステップS29に移行し、温度センサ1の視野角内にユーザが存在する、すなわち、ユーザが着席状態であると判定する。そして、ステップS21に戻る。
このように、この第2実施形態においても、温度センサ出力値の変化量の大きさから、温度センサ1の視野角内において人体による占有率の変化が生じたと予測されるときには占有率αを更新し、人体による占有率の変化が生じていないと予測されるときには占有率αの更新は行わずに背景温度TBを更新するようにしているため、視野角内における人体の占有率に応じて占有率αおよび背景温度TBを的確かつ精度よく更新することができる。
【0083】
また、このようにして演算される占有率αは、ユーザの外部入力装置2を操作したタイミング、また、ユーザが姿勢変化を行ったと予測される時点で推測される値である。すなわち、温度センサ1の視野角内においてユーザが占める占有率を表すものであって、この占有率に基づいて離席検知を行う構成としているため、温度環境が変化したとしても、離席検知判定において温度環境の変化の影響を受けることはない。そのため、温度環境の変動の影響を受けることなく的確に離席検知を行うことができる。
【0084】
また、この第2実施形態においても、温度センサ出力値Tobsが大きく変化し、ユーザの姿勢変化が生じたと予測されるとき、すなわち温度センサ1の視野角内において占有率が変化したと予測されるときにのみ、温度環境は変化していないという仮定のもと、占有率αを前記(9)式に基づき演算している。そのため、占有率αは誤差を含む可能性がある。しかしながら、キーボードなど外部入力装置2が操作された時点で、占有率αを基準値α0に更新設定するようにしているため、外部入力装置2が操作される都度、占有率αに含まれる誤差を除去することができ、その結果、背景温度TBの推定精度を向上させることができ、すなわち、離席の検知精度を向上させることができる。
なお、上記各実施形態では、第1の情報が占有率αである場合を中心に説明したが、第1の情報は占有率αに限らず、式(1)が成り立つような値であれば特に限定は無い。
【0085】
また、上記各実施形態においては、人を検知対象とし、人が表示部5に向かって外部入力装置2により操作を行う状況において、着席あるいは離席を検知する場合について説明したがこれに限るものではない。
例えば、通行人に情報提供を行う、比較的大きなモニターなどで構成され、通行人がボタン操作を行ったときに操作したボタンに応じた情報提供を行うようになっている情報提供用の表示装置などに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 温度センサ
2 外部入力装置
3 演算処理部
31 情報更新部
32 判定部
33 占有情報更新部
4 記憶部
41 温度センサ出力情報記憶部
42 占有情報記憶部(第1の情報記憶部)
43 背景温度記憶部
44 被検知体温度情報記憶部
5 表示部
100 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6