特許第5821092号(P5821092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5821092
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】照度分布測定装置及び照度分布測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20151104BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20151104BHJP
【FI】
   G01J1/02 S
   G01J1/42 J
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-45966(P2011-45966)
(22)【出願日】2011年3月3日
(65)【公開番号】特開2012-181170(P2012-181170A)
(43)【公開日】2012年9月20日
【審査請求日】2014年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】511056633
【氏名又は名称】株式会社FAシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108338
【弁理士】
【氏名又は名称】七條 耕司
(72)【発明者】
【氏名】猪狩 真一
(72)【発明者】
【氏名】田崎 博司
【審査官】 喜々津 徳胤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−007638(JP,A)
【文献】 特開2010−287510(JP,A)
【文献】 特開2003−106938(JP,A)
【文献】 特開2005−055397(JP,A)
【文献】 特開2007−042999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J1/00−1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
疑似太陽光を出射するソーラシミュレータと、該ソーラシミュレータの下位に配置された、下記センサのフルスケールに合わせて調整された透過率を有し、かつ面方向の拡散が少ない遮光機能を有する透過型造影板と、該透過型造影板の下面に位置し照度分布測定対象となる被照射面と、前記透過型造影板を透過した透過光像を前記被照射面において照度分布として測定する1次元イメージセンサまたは2次元イメージセンサからなるセンサと、を備え、
前記ソーラシミュレータの反射面と前記被照射面との間に多重反射の影響が存在する場合、該被照射面と同等な表面反射率を有する透明反射板を前記透過型造影板上に置いた状態と置かない状態でそれぞれ前記被照射面において測定された照度分布の差分を測定することにより、被照射面によって引き起こされる多重反射の影響を計測することを特徴とする照度分布測定装置。
【請求項2】
前記透過型造影板は、上下に重ねた複数の偏光板からなり、前記複数の偏光板の偏光軸の交差角を変えることにより、前記透過率を前記センサのフルスケールに合わせて調整したことを特徴とする請求項1に記載の照度分布測定装置。
【請求項3】
前記透過型造影板は、所定の径を有する微細孔を一定間隔で開けた上板と拡散板とを上下に重ねたものからなり、所定の径を有する微細孔を一定間隔で開けた前記径が異なる幾種類かの上板のうちの1枚と拡散板との上下に重ねる組み合わせを変えることにより、前記透過率を前記センサのフルスケールに合わせて調整したことを特徴とする請求項1に記載の照度分布測定装置。
【請求項4】
前記透過型造影板は、請求項2に記載の透過型造影板と請求項3に記載の透過型造影板とを上下に重ねたものであることを特徴とする請求項1に記載の照度分布測定装置。
【請求項5】
前記ソーラシミュレータが、定常光型ソーラシミュレータであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の照度分布測定装置。
【請求項6】
前記ソーラシミュレータがパルス光型ソーラシミュレータであり、前記センサが2次元イメージセンサであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の照度分布測定装置。
【請求項7】
疑似太陽光を出射するソーラシミュレータと、該ソーラシミュレータの下位に配置された、下記センサのフルスケールに合わせて調整された透過率を有し、かつ面方向の拡散が少ない遮光機能を有する透過型造影板と、該透過型造影板の下面に位置し照度分布測定対象となる被照射面と、前記透過型造影板を透過した透過光像を前記照射面において照度分布として測定する1次元イメージセンサまたは2次元イメージセンサからなるセンサと、を備えた照度分布測定装置における照度分布測定方法であって、
前記ソーラシミュレータの反射面と前記被照射面との間に多重反射の影響が存在する場合において、
前記被照射面と同等な表面反射率を有する透明反射板を前記透過型造影板上に置いて、前記多重反射の影響を再現した状態で、前記被照射面における照度分布を測定する第1の工程と、
前記透過型造影板上に前記透明反射板を置かないで、前記多重反射の影響を再現しない状態で、前記被照射面における照度分布を測定する第2の工程と、
前記第1の工程において測定された照度分布と前記第2の工程において測定された照度分布との差分により、前記被照射面によって引き起こされる多重反射の影響を計測する第3の工程と、
からなることを特徴とする照度分布測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを測定するソーラシミュレータ等の高照度かつ大面積の照射装置による照射面内の照度分布を高速測定する照度分布測定装置及び照度分布測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、従来の標準的な照度分布測定に用いられてきた照度分布測定装置の構成を示す図である。
同図に示すように、この照度分布測定装置は、疑似太陽光を放射するソーラシミュレータ100で照らし出された被照射面101の照度分布を測定するために、単一センサ102を2軸自動ステージ103によって、被照射面101の所定の位置に移動し、その度ごとにその位置における光の強度を測定するものである。
【0003】
しかし、この照度分布測定装置は、測定時間が非常に長い、及びソーラシミュレータ100と被照射面101と間の多重反射の効果を捕捉できない、という2つの欠点を有している。つまり、この照度分布測定装置によれば、単一センサ102の移動を2軸自動ステージ103に頼るため、照度分布の測定密度を高めるにつれ、測定時間が密度の2乗で増加し、全被照射面の照度測定には、非常に長い照射時間を要するという欠点がある。更に、この非常に長い測定時間によって、ソーラシミュレータ100の光源の明るさが変化することにより、測定結果として得られる照度分布が、実際の短時間測定における照度分布とは異なって来るという欠点もある。
また、この照度分布測定装置は、単一センサ102と2軸自動ステージ103とは平面上に配置されていないため、例えば、ソーラシミュレータ100のコリメ−ションレンズと被照射面101と間に存在する多重反射の条件を再現することができない。そのため、この照度分布測定装置は、実際の照射状態で発生するレンズ光軸回りの同心円状の照度の増加を捕捉することが出来ないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−124625号公報
【特許文献2】特開2002−005736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、太陽電池モジュールを測定するソーラシミュレータによる被照射面内の照度分布を、高速かつ実際の照射状態に即して測定することのできる照度分布測定装置及び照度分布測定方法を提供することであり、解決するための具体的課題は以下の4点である。
(1)大面積の照度測定を高速化すること、即ち、太陽電池モジュール程度の大面積の照射を測定できるものとし、また測定所要時間を、数十秒以内に短縮する。
(2)高照度によるセンサ感度の飽和を防ぐこと、即ち、通常の光よりもずっと強い光を、センサ感度の飽和無しに測定する。
(3)高照度による迷光の影響を防ぐこと、即ち、強い光による迷光が測定誤差となることを防ぐ。
(4)実際の照射時の多重反射状態を再現しながら照度測定すること、即ち、測定対象を照射する時、ソーラシミュレータのコリメ−ションレンズ表面と測定対象照射面の間に発生する多重反射状態を再現しつつ照度測定する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、疑似太陽光を出射するソーラシミュレータと、該ソーラシミュレータの下位に配置された、下記センサのフルスケールに合わせて調整された透過率を有し、かつ面方向の拡散が少ない遮光機能を有する透過型造影板と、該透過型造影板の下面に位置し照度分布測定対象となる被照射面と、前記透過型造影板を透過した透過光像を前記被照射面において照度分布として測定する1次元イメージセンサまたは2次元イメージセンサからなるセンサと、を備え、前記ソーラシミュレータの反射面と前記被照射面との間に多重反射の影響が存在する場合、該被照射面と同等な表面反射率を有する透明反射板を前記透過型造影板上に置いた状態と置かない状態でそれぞれ前記被照射面において測定された照度分布の差分を測定することにより、被照射面によって引き起こされる多重反射の影響を計測することを特徴とする照度分布測定装置である。
第2の手段は、第1の手段において、前記透過型造影板は、上下に重ねた複数の偏光板からなり、前記複数の偏光板の偏光軸の交差角を変えることにより、前記透過率を前記センサのフルスケールに合わせて調整したことを特徴とする照度分布測定装置である。
第3の手段は、第1の手段において、前記透過型造影板は、所定の径を有する微細孔を一定間隔で開けた上板と拡散板とを上下に重ねたものからなり、所定の径を有する微細孔を一定間隔で開けた前記径が異なる幾種類かの上板のうちの1枚と拡散板との上下に重ねる組み合わせを変えることにより、前記透過率を前記センサのフルスケールに合わせて調整したことを特徴とする照度分布測定装置である。
第4の手段は、第1の手段において、前記透過型造影板は、前記第2の手段に記載の透過型造影板と前記第3の手段に記載の透過型造影板とを上下に重ねたものであることを特徴とする照度分布測定装置である。
第5の手段は、第1の手段乃至第4の手段のいずれか1つの手段において、前記ソーラシミュレータが、定常光型ソーラシミュレータであることを特徴とする照度分布測定装置である。
第6の手段は、第1の手段乃至第4の手段のいずれか1つの手段において、前記ソーラシミュレータがパルス光型ソーラシミュレータであり、前記センサが2次元イメージセンサであることを特徴とする照度分布測定装置である。
第7の手段は、疑似太陽光を出射するソーラシミュレータと、該ソーラシミュレータの下位に配置された、下記センサのフルスケールに合わせて調整された透過率を有し、かつ面方向の拡散が少ない遮光機能を有する透過型造影板と、該透過型造影板の下面に位置し照度分布測定対象となる被照射面と、前記透過型造影板を透過した透過光像を前記照射面において照度分布として測定する1次元イメージセンサまたは2次元イメージセンサからなるセンサと、を備えた照度分布測定装置における照度分布測定方法であって、前記ソーラシミュレータの反射面と前記被照射面との間に多重反射の影響が存在する場合において、
前記被照射面と同等な表面反射率を有する透明反射板を前記透過型造影板上に置いて、前記多重反射の影響を再現した状態で、前記被照射面における照度分布を測定する第1の工程と、前記透過型造影板上に前記透明反射板を置かないで、前記多重反射の影響を再現しない状態で、前記被照射面における照度分布を測定する第2の工程と、前記第1の工程において測定された照度分布と前記第2の工程において測定された照度分布との差分により、前記被照射面によって引き起こされる多重反射の影響を計測する第3の工程と、からなることを特徴とする照度分布測定方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ソーラシミュレータとセンサとの間に透過型造影板を設置することにより、センサ側における迷光による測定誤差を抑えて、照射光の照度分布を透過型造影板の透過光像として高速測定することができる。その測定所要時間は、1次元イメージセンサ使用時は数十秒、2次元イメージセンサ使用時は数ミリ秒程度と、従来の測定方法に比べ極めて短時間でソーラシミュレータの照度分布を測定することができる。
また、本発明によれば、従来大型レンズについては測定が困難であった分光透過率データをRGBの3原色につき、レンズ全面に対して高速で測定することが出来るため大型レンズの簡易型分光透過特性測定に用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る照度分布測定装置の構成を示す図である。
図2図1に示した照度分布測定装置において、定常光型ソーラシミュレータとして白熱電球を用いた場合の照度分布を示す図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る照度分布測定装置の構成を示す図である。
図4】本発明の第3の実施形態に係る照度分布測定装置における照度分布測定方法を説明するための図である。
図5】従来技術に係る照度分布測定装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施形態を図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る照度分布測定装置の構成を示す図である。
この照度分布測定装置は、定常光型ソーラシミュレータの照度分布を、リニアセンサやラインセンサ等の1次元イメージセンサ用いて測定するものであり、図中、1は疑似太陽光を定常的に出射する定常光型ソーラシミュレータ、2は照度分布が測定される不図示の太陽電池セルまたはモジュール等の被照射面、3は被照射面2の上を完全に覆う透過型造影板、4は透過型造影板3の下に配置される1次元イメージセンサである。
【0010】
透過型造影板3は、1次元イメージセンサ4や後述する2次元イメージセンサ等のセンサのフルスケールに合わせて調整した透過率を有し、かつ面方向の拡散が少ない遮光機能を有するものである。透過型造影板3の透過率の値は、透過光によって1次元イメージセンサ4の感度が飽和しないように低く取る。これによって、外からの迷光を遮断し測定誤差を低く抑えることも出来る。ここで、センサのフルスケールに合わせて調整された透過率を有する透過型造影板とは、具体的には、センサが入射光によって飽和することを防ぎ、最適な状態で動作を実現することのできる、一定の透過率を有するフィルタや多穴板からなる透過型造影板である。1次元イメージセンサ4は、市販のスキャナと同様に水平方向に掃引される。これにより透過型造影板3を透過した被照射面2の位置における照度分布を測定することが出来る。つまり、透過率が一様な透過型造影板3に、照度分布を有する定常光型ソーラシミュレータ1から出射された光を当て、その透過像を得ることにより、透過型造影板3を通り抜けた照射光の被照射面2における照度分布を得るものである。
【0011】
1次元イメージセンサ4は、水平方向に掃引して用いることにより、大面積照度分布を高速に測定することができ、1次元イメージセンサ4の配置密度が高いため、高い照度分布測定密度が得られる。また、1次元イメージセンサ4の感度補正データを用いることにより、測定誤差を小さくすることができる。
【0012】
上記の通り、この照度分布測定装置によれば、被照射面2の照度分布を、その面上に置いた一様な透過率を有する透過型造影板3を透過して来る光の像として捕らえることができる。ここで、透過型造影板3は、定常光型ソーラシミュレータ1と1次元イメージセンサ4とを光学的に分離する効果を有し、1次元イメージセンサ4に入り込む迷光による測定誤差の発生を防ぐこともできる。実際の透過型造影板3として必要な透過率を得るためには、例えば、(a)上下に重ねた複数の偏光板の交差角を調整したもの、または(b)適当な径の微細孔を適当な間隔で開けた上板と、拡散板である下板を上下に重ねたものを利用する。ただし、(b)の場合、照度分布の測定位置は微細孔間の距離で規定される。また、透過型造影板3については、事前にその透過率分布を測定しておき、もし、その透過率分布が一様でない場合は、事前に測ったその値で照度分布測定結果を校正することによって、正しい照度分布を得ることができる。なお、(b)の具体的構成としては、上板としての多穴板と下板としての乳白色フィルタまたは偏向フィルタとを組み合わせてものが考えられる。
【0013】
また、透過型造影板3による造影を測定する手段としては、測定時間短縮のために透過型造影板3の下を掃引する1次元イメージセンサ4に代えて、透過型造影板3の下にCCDカメラ、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の2次元イメージセンサを配置して2次元イメージセンサで撮影するようにしてもよい。
【0014】
図2は、定常光型ソーラシミュレータ1の一例として白熱電球を用いた場合の、透過型造影板3下の照射面2の位置において測定された照度分布を示す図である。同図において、X軸、Y軸はcmで測った被照射面2上の位置、Z軸は、白熱電球直下の照度からの差分で表わした相対照度である。
測定は、定常光である白熱電球を、透過型造影板3の上10cmに置き、被照射面2の位置における透過光の照度分布を1次元イメージセンサ4で測定したものである。なお、透過型造影板3は、拡散フィルタ1枚と偏光フィルタ1枚を重ねたものを用いた。測定結果は、図示するように、白熱電球直下を中心とする同心円状の等高線で示されるように、山型の照度分布が得られた。
【0015】
また、実際の試料測定時に定常光型ソーラシミュレータ1のコリメ−ションレンズ表面と被照射面2間で起こる多重反射については、透過型造影板3の上に、被照射面2と同等の反射率を有する不図示の透明反射板を置く場合と置かない場合について、2つの状態で測定し、その結果を比較することにより、多重反射の影響の評価、及びその影響を改善するためのデータを得ることができる。つまり、この照度分布測定方法により、多重反射の効果を含んだ照度分布の測定が可能となる。
【0016】
より具体的には、この照度分布測定方法は、定常光型ソーラシミュレータ1と、定常光型ソーラシミュレータ1の下位に配置された透過型造影板3と、透過型造影板3の下面に位置する照度分布測定対象となる被照射面2と、透過型造影板3を透過した透過光像を被照射面2において照度分布として測定する1次元イメージセンサ4とを備えた照度分布測定装置における照度分布測定方法であって、定常光型ソーラシミュレータ1の反射面と被照射面2との間に多重反射の影響が存在する場合において、被照射面2と同等な表面反射率を有する不図示の透明反射板を透過型造影板3上に置いて、多重反射の影響を再現した状態で、被照射面2における照度分布を測定する第1の工程と、透過型造影板3上に前記透明反射板を置かないで、多重反射の影響を再現しない状態で、被照射面2における照度分布を測定する第2の工程と、第1の工程において測定された照度分布と第2の工程において測定された照度分布の差分により、被照射面2によって引き起こされる多重反射の影響を計測する第3の工程とからなるものである。
【0017】
次に、本発明の第2の実施形態を図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係る照度分布測定装置の構成を示す図である。
この照度分布測定装置は、パルス光を出射するパルス光型ソーラシミュレータの照度分布を、CCDカメラ、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の2次元イメージセンサを用いて測るものであり、図中、5は疑似太陽光をパルス光として出射するパルス光型ソーラシミュレータ、6は透過型造影板3の下の一定位置に置かれた2次元イメージセンサである。2次元イメージセンサ6は、パルス光型ソーラシミュレータ5の発光に合わせ、透過型造影板3下の被照射面2の位置における照度分布を撮影するものである。透過型造影板3の透過率は、図1の場合と同様に低く取り、外からの迷光の入射を遮断する。なお、その他の構成は、図1に示した同符号の構成に対応するので、説明を省略する。
【0018】
多重反射については、第1の実施形態と同様に、透過型造影板3の上に、照射対象と同等の反射率を有する不図示の透明反射板を置く場合と置かない場合について、2つの測定を実施し、その結果を比較することにより、多重反射の影響を測定、及びその影響を改善するためのデータを得る。
【0019】
上記の各実施形態に係る照度分布測定装置によれば、定常光型ソーラシミュレータ1と1次元イメージセンサ4または2次元イメージセンサからなるセンサとの間に透過型造影板3を設置することにより、またはパルス光型ソーラシミュレータ5と2次元イメージセンサ6からなるセンサとの間に透過型造影板3を設置することにより、センサ側における迷光による測定誤差を抑制し、照射光の照度分布を透過型造影板3の透過光像として高速に測定するものである。測定所要時間は、センサとして、1次元イメージセンサ4を使用した場合は数十秒、2次元イメージセンサ6を使用した場合は数ミリ秒程度であり、従来の測定方法に比べ極めて短時間で照度分布を測定することができる。
即ち、上記の各実施形態に係る照度分布測定装置によれば、太陽電池製造ラインにおいて小型セルないし大型モジュールの性能測定装置として用いられるソーラシミュレータの照度分布が規定範囲にあるか否かを、極めて高速に検査することが出来る。
なお、ソーラシミュレータに限らず、10cm角程度以上の広い面積の照度を高速かつ高密度に測定するための手段としても、非常に有効である。
【0020】
次に、本発明の第3の実施形態を図4を用いて説明する。
図4(a)、(b)は、本実施形態に係る照度分布測定装置を使用した照度分布測定方法を説明するための図である。
図4(a)において、7は光学レンズであり、透過型造影板3の上に光学レンズ7を置いた状態で照度分布を測定する場合の構成を示し、図4(b)は、透過型造影板3上に光学レンズ7を置かない状態で照度分布を測定する場合の構成を示すものである。なお、その他の構成は、図1に示した同符号の構成に対応するので、説明を省略する。
これらの図において、1次元イメージセンサ4は、その矢印方向の移動中にRGB3原色の照度を同時に測定できる。図4(a)の照度分布測定装置と図4(b)の照度分布測定装置における測定終了後に、図4(a)の照度分布測定装置において測定された測定データを、対応位置における図4(b)の照度分布測定装置において測定された測定データで除算することにより、図4(a)の照度分布測定装置において得られたレンズ像についてRGBの簡易的分光透過率を得ることが出来る。
なお、光学レンズ7が凸レンズである場合、図4(a)の照度分布測定装置において得られたレンズ像は、実際よりもやや小さめに収束する。そのため図4(a)の照度分布測定装置と図4(b)の照度分布測定装置の対応位置は、この収束効果を考慮して決める必要がある。
また、従来大型レンズについては測定が困難であった分光透過率データをRGBの3原色につき、レンズ全面に対して高速で測定することが出来るため大型レンズの簡易型分光透過特性測定に用いることが出来る。
【0021】
より具体的には、この照度分布測定方法は、定常光型ソーラシミュレータ1と、定常光型ソーラシミュレータ1の下位に配置された透過型造影板3と、透過型造影板3の下面に位置し照度分布測定対象となる被照射面2と、透過型造影板3を透過した透過光像を被照射面2において照度分布として測定する1次元イメージセンサ4とを備えた照度分布測定装置における照度分布測定方法であって、透過型造影板3上に光学レンズ7を置いた状態で、被照射面2におけるRGB原色の照度分布を測定する第1の工程と、透過型造影板3上に光学レンズ7を置かない状態で、被照射面2におけるRGB原色の照度分布照度分布を測定する第2の工程と、第1の工程において測定された照度分布の測定データを同位置における第2の工程において測定された照度分布の測定データで除算し、光学レンズ7の分光透過率特性を取得する第3の工程とからなる。
【0022】
本実施形態の照度分布測定方法によれば、1次元イメージセンサ4が持つRGB3原色それぞれの同時検知能力を活用し、平行な白色光の下で透明反射板無しの透過型造影板3上に光学レンズ7を置く場合と、光学レンズ7を置かない場合のRGB3原色それぞれの照度分布を測り、前者の測定データを同位置における後者の測定データで割ることによって、光学レンズ7の簡易型分光透過率特性を、レンズ全面に対して高速に得ることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 定常光型ソーラシミュレータ
2 被照射面
3 透過型造影板
4 1次元イメージセンサ
5 パルス光型ソーラシミュレータ
6 2次元イメージセンサ
7 光学レンズ
図1
図2
図3
図4
図5