特許第5822528号(P5822528)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5822528
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】使い捨ての着用物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/496 20060101AFI20151104BHJP
【FI】
   A41B13/02 V
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-104750(P2011-104750)
(22)【出願日】2011年5月9日
(65)【公開番号】特開2012-235808(P2012-235808A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2014年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066267
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100154678
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 博子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 祥宜
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−062462(JP,A)
【文献】 特開2010−042241(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/092935(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00
13/15 − 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向と横方向とを有し前記横方向の両側に側縁部が形成されていて、前記前後方向の前方に位置する前胴回り域と前記前後方向の後方に位置する後胴回り域とが互いの前記側縁部において連結される使い捨ての着用物品であって、
前記前後胴回り域が重なり合うように畳まれていて、
前記横方向の両側の少なくとも一方では、前記前胴回り域の前記側縁部と前記後胴回り域の前記側縁部との間に、これら両側縁部をつなぐための連結部材が使用され、
前記連結部材は、前記前後方向で重なり合うように折畳まれた状態にあり、
折畳まれることによって重なり合う前記連結部材どうしは、前記連結部材の厚さ方向へ圧搾された状態にあって互いに離間する複数のドット状圧搾部において仮止めされた状態にあり、
折畳まれた前記連結部材にはまた互いに並行して延びる複数条の圧搾溝が形成され、前記圧搾溝では前記ドット状圧搾部が圧潰された状態にあることを特徴とする前記着用物品。
【請求項2】
前記圧搾溝では、前記連結部材どうしが前記ドット状圧搾部で圧搾されている方向と同じ方向に圧搾されている請求項1記載の着用物品。
【請求項3】
前記圧搾溝では、前記連結部材どうしが前記ドット状圧搾部で圧搾される方向とは反対の方向へ圧搾されている請求項1記載の着用物品。
【請求項4】
前記連結部材は、前記前胴回り域と前記後胴回り域との間において前記前後方向へ引張られると、前記ドット状圧搾部における前記仮止めされた状態が解けるとともに、前記圧搾溝における重なりも解けて前記折畳まれた状態から伸展した状態へと変化する請求項1〜3のいずれかに記載の着用物品。
【請求項5】
折畳まれた前記連結部材には、複数条の前記圧搾溝と交差する方向へ互いに並行して延びる複数条の第2圧搾溝が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の着用物品。
【請求項6】
前記ドット状圧搾部が、前記第2圧搾溝において圧潰された状態にある請求項5記載の着用物品。
【請求項7】
折畳まれた前記連結部材には、互いに並行して延びる前記圧搾溝どうしの間にも前記ドット状圧搾部が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
【請求項8】
折畳まれた前記連結部材には、互いに並行して延びる前記第2圧搾溝どうしの間にも前記ドット状圧搾部が形成されている請求項記載の着用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使い捨てのおむつを一例とする使い捨ての着用物品に関し、より詳しくは、前後胴回り域が連結部材を介して連結されている前記着用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
着用物品が前後胴回り域を有し、これら両胴回り域がこれらとは別体の連結部材を介して連結されているものは公知である。
【0003】
例えば、特開2004−121389号公報(特許文献1)に開示された使い捨ておむつは、腹側部と背側部との間にこれら両部とは別体の連結部材である連結シートが介在している。連結シートには胴回り方向に展開可能な折畳み部が形成され、その折畳み部は、折畳み部を一時的に閉じておくことのできる再使用可能な止着部を有している。おむつを着用させるときには、折畳み部を広げておき、おむつに脚を通してから折畳み部を閉じ、止着部を使って折畳み部の閉じた状態を維持することができる。おむつを脱がせるときには、折畳み部を広げることによって、おむつを引き下げることが容易になる。連結シートは、その内面が前後胴回り域それぞれの内面に接合している。おむつの前後方向において、連結シートは二つに折り重ねられている場合と、蛇腹折りにされている場合とがある。
【0004】
特開2008−12115号公報(特許文献2)に開示されたパンツ型着用物品は、連結部材として前後胴回り域の側部どうしを剥離可能かつ再結合可能につなぐ連結手段を有する。連結手段には、胴回り方向においてZ字形に折り重ねられたものと逆Z字形に折り重ねられたものとがあり、Z字形に折り重ねられたものはZ字形における頂辺が前後胴回り域の一方の内面に剥離不能に取り付けられており、Z字形における中間辺と底辺とは互いに接合して一体になっているとともに底辺における外面が前後胴回り域のもう一方の内面に対してファスナ部材を介して剥離可能かつ再結合可能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−121389号公報
【特許文献2】特開2008−12115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来技術における連結部材は、それが蛇腹折りの状態に折畳まれていたり、Z字形に折畳まれていたりする態様にあることによって、着用物品の連続生産工程では連結部材の折畳まれている状態を安定させることが難しく、そのことが着用物品の生産速度を向上させようとするときの障害になることがある。また、この態様にある連結部材が取り付けられた着用物品を購入した家庭にあっては、包装用の袋から着用物品を一つずつ取り出して使用している間に袋の中では連結部材の折畳まれている状態が崩れて連結部材が延びてしまい、着用物品が取り出しにくくなるとか、袋の形状を体裁よく整えておくことが難しくなるとかということがある。
【0007】
この発明では、連結部材に起因するこのような問題を解消することが可能な着用物品の提供を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、互いに直交する前後方向と横方向とを有し前記横方向の両側に側縁部が形成されていて、前記前後方向の前方に位置する前胴回り域と前記前後方向の後方に位置する後胴回り域とが互いの前記側縁部において連結される使い捨ての着用物品である。
【0009】
また、この発明が特徴とするところは、以下のとおりである。すなわち、前記前後胴回り域が重なり合うように畳まれている。前記横方向の両側の少なくとも一方では、前記前胴回り域の前記側縁部と前記後胴回り域の前記側縁部との間に、これら両側縁部をつなぐための連結部材が使用される。前記連結部材は、前記前後方向で重なり合うように折畳まれた状態にある。折畳まれることによって重なり合う前記連結部材どうしは、前記連結部材の厚さ方向へ圧搾された状態にあって互いに離間する複数のドット状圧搾部において仮止めされた状態にある。折畳まれた前記連結部材にはまた互いに並行して延びる複数条の圧搾溝が形成され、前記圧搾溝では前記ドット状圧搾部が圧潰された状態にある。
【0010】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記圧搾溝では、前記連結部材どうしが前記ドット状圧搾部で圧搾されている方向と同じ方向に圧搾されている。
【0011】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記圧搾溝では、前記連結部材どうしが前記ドット状圧搾部で圧搾される方向とは反対の方向へ圧搾されている。
【0012】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記連結部材は、前記前胴回り域と前記後胴回り域との間において前記前後方向へ引張られると、前記ドット状圧搾部における前記仮止めされた状態が解けるとともに、前記圧搾溝における重なりも解けて前記折畳まれた状態から伸展した状態へと変化する。
【0013】
この発明の実施態様の一つにおいて、折畳まれた前記連結部材には、複数条の前記圧搾溝と交差する方向へ互いに並行して延びる複数条の第2圧搾溝が形成されている。
【0014】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記ドット状圧搾部が、前記第2圧搾溝において圧潰された状態にある。
【0015】
この発明の実施態様の一つにおいて、折畳まれた前記連結部材には、互いに並行して延びる前記圧搾溝どうしの間にも前記ドット状圧搾部が形成されている。
【0016】
この発明の実施態様の一つにおいて、折畳まれた前記連結部材には、互いに並行して延びる前記第2圧搾溝どうしの間にも前記ドット状圧搾部が形成されている。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る使い捨ての着用物品は、前胴回り域の側縁部と後胴回り域の側縁部とが連結部材を介してつながり、その連結部材は折畳まれた状態にあって、重なり合う連結部材どうしがドット状圧搾部において仮止めされているから、着用物品の生産工程においても、着用物品が包装用の袋に入れられているときにおいても、連結部材は折畳まれている状態を維持することができる。折畳まれた連結部材に形成されている複数条の圧搾溝では、そこにおいてドット状圧搾部が圧潰されていることによってドット状圧搾部による肌への刺激を和らげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】使い捨ての着用物品(使い捨てのパンツ型のおむつ)とその連続体との斜視図。
図2】着用状態にあるパンツ型のおむつの斜視図。
図3図1のIII−III線切断面を模式的に示す図。
図4】連結部材が伸展する過程にある図1のIV−IV線断面を模式的に示す図。
図5】連結部材が伸展した状態にある図4と同様な図。
図6】(a)〜(e)によって、連結部材複合体の製造工程の一例を模式的に示す図。
図7図6の(e)の部分拡大図。
図8図7のVIII−VIII線切断面を示す図。
図9図2のIX−IX線切断面を示す図。
図10】実施態様の一例を示す図7と同様な図。
図11図10のXI−XI線切断面を示す図。
図12】実施態様の一例を示す図11と同様な図。
図13】連結部材複合体の製造工程の一部を例示する図6の(e)と同様な図。
図14図13の工程を経て得られる連結部材複合体についての図8と同様な図。
図15】実施態様の一例を示す図4と同様な図。
図16】実施態様の一例を示す開放型おむつの部分破断平面図。
図17図16のXVII−XVII切断面を示す図。
図18】着用状態にある図16のおむつの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明に係る使い捨ての着用物品の一例として使い捨てのおむつを例にとり、添付の図面を参照してこの発明の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0020】
図1は、使い捨てのおむつの一例であるパンツ型のおむつ1と、おむつ1を連続的に製造する際の中間体であるおむつ連続体10の一部分とを示す図であって、おむつ1は一部分が破断された状態で示されている。図1のおむつ1は、前後方向Aと横方向Bと上下方向Cとを有し、前後方向Aにおいて対向する前胴回り域2と後胴回り域3と、これら両域2,3に対して上下方向Cにおいてつながる股下域4とを含み、前後方向Aにおける前胴回り域2と後胴回り域3との間には連結部材6が介在している。図1のおむつ1は、平坦な状態となるように折畳まれていて、前胴回り域2と後胴回り域3とが重なり合っており、連結部材6が前胴回り域2の側縁部8と後胴回り域3の側縁部9との間において折畳まれている。前胴回り域2と後胴回り域3とには、胴回り弾性部材11が伸長と収縮とが可能な状態で取り付けられており、股下域4には脚回り弾性部材12が伸長と収縮とが可能な状態で取り付けられている。股下域4では、透液性内面シート5aと不透液性外面シート5bとの間に体液吸収性の芯材5cが介在している。
【0021】
図1に仮想線で示されたおむつ1は、折畳まれていたおむつ1が広げられて着用状態になったときの形状を示しているが、そのおむつ1の着用者の図示は省略されている。着用状態にあるおむつ1では、前胴回り域2と後胴回り域3とが着用者の胴回りにフィットするように湾曲している(図2,4を併せて参照)。連結部材6を介して重なり合っていた前胴回り域2の側縁部8と後胴回り域3の側縁部9とは前後方向Aにおいて離間し、折畳まれていた連結部材6が側縁部8と側縁部9との間において前後方向Aへ伸展した状態にある(図2参照)。なお、図2において、側縁部8と側縁部9とは胴回り方向Dにおいて離間し、連結部材6は胴回り方向Dにおいて伸展した状態にあるということもできる。
【0022】
図1にはまた、おむつ連続体10に対して、おむつ連続体10の流れ方向である機械方向と、機械方向に対しての交差方向とが矢印MDと双頭矢印CDとで示されている。図示例のおむつ1は、機械方向MDの寸法を二等分する中心線CLに関して対称に形成されていて、側縁部8は横方向Bの両側それぞれに形成された側縁部8と側縁部8とのそれぞれを含み、側縁部9は横方向Bの両側それぞれに形成された側縁部9と側縁部9とのそれぞれを含み、連結部材6は連結部材6,6を含んでいる。なお、この明細書において参照符号に付けられているの記号は、おむつ着用者にとっての左側と右側とを意味している。また、参照符号について、例えば側縁部9,9ではなくて、またはの記号を付けられていない側縁部9とあるときの参照符号9は、とを区別することなく側縁部の一方または両方を意味している。
【0023】
図1のおむつ連続体10は、個々のおむつ1となることが予定されている中間体10a,10b,10c等が機械方向MDにおいて連続しているもので、中間体10aにおける側縁部8と側縁部9とのそれぞれが中間体10aに隣接する中間体10bの側縁部8と側縁部9とのそれぞれにつながっている。また、機械方向MDにおいて、中間体10aにおける連結部材6が中間体10bにおける連結部材6につながっていて、これら両連結部材6,6で連結部材複合体6Aが形成されている。
【0024】
中間体10aと中間体10bとは、仮想線Pに沿って切断されて、つながっていた側縁部8と側縁部8とが分離され、つながっていた側縁部9と側縁部9も分離され、連結部材複合体6Aは連結部材6と連結部材6とに分離され、中間体10aからは個別のおむつ1が得られる。以下では、仮想線Pを切断線Pと呼ぶことがある。
【0025】
図2は、図1に仮想線で示されているおむつ1と同様な着用状態にあるおむつ1の斜視図である。図2のおむつ1において、胴回り方向Dへ伸展している連結部材6には、図1において折畳まれていた連結部材6をその折畳まれた状態に維持するための仮止め手段であるドット状の第1、第2圧搾部31,32と、連結部材6における緩衝手段である複数条の圧搾溝35とが形成されている。第1圧搾部31は図1の折畳まれているおむつ1において横方向Bへ間欠的に並ぶように複数形成されており、第2圧搾部32もまた横方向Bへ間欠的に並ぶように複数形成されている(図6の(e)参照)。圧搾溝35は、複数条のものが互いに交差するように延びている(図7,8参照)。ただし、図1と後記図3〜5,13における連結部材6では、連結部材6の折畳まれた状態の理解を容易にするために、圧搾溝35の図示が省略されていて、連結部材6が平坦なものとして、またはその平坦なものが折畳まれたものとして示されている。
【0026】
図3は、図1におけるIII−III線切断面を示す図である。図3において、中間体10a,10bの側縁部8,8,9,9は、不織布や織布、プラスチックフィルム、不織布どうしの積層体、不織布や織布とプラスチックフィルムとの積層体等のシート材料で形成されている。図1のおむつ1においては、内面シート5aを形成する不織布と外面シート5bを形成するプラスチックフィルムとが芯材5cの周縁の外側において接合することにより、側縁部8,8,9,9が形成されている。連結部材複合体6Aもまた不織布や織布、プラスチックフィルム、不織布どうしの積層体、不織布または織布とプラスチックフィルムとの積層体等からなるシート片13で形成されていて、好ましくはそれらの不織布や織布に熱可塑性合成樹脂で形成された繊維が含まれている。連結部材複合体6Aは切断線Pに関して対称であるから、連結部材複合体6Aの切断面の構造については、中間体10aに含まれる部分の連結部材複合体6A、すなわち図3における連結部材6の切断面の構造について説明すれば足りるであろう。
【0027】
その連結部材6の切断面の構造は、次のとおりである。すなわち、中間体10aにおいて、シート片13で形成されている連結部材6は、縁部20がおむつ1の中心線CL(図1参照)へ向くようにして、ジグザグ状に折畳まれ、第1〜第5層21〜25と、第1、第2谷折り部51,52と、第1、第2山折り部41,42とが形成されている。第1層21は第1接着剤30aを介して側縁部9の内面に剥離不能に接合している。また、第5層25は第2接着剤30bを介して側縁部8の内面に剥離不能に接合している。第4層24と第5層25とは、それらの外面どうしが第3接着剤30cを介して剥離不能に接合している。第1層21〜第3層23は、第1谷折り部51の近傍に、具体例をいえば第1谷折り部51の折り目から10mm以内の範囲に、より好ましくはその折り目から5mm以内の範囲に形成されるドット状第1圧搾部31において剥離可能に接合し、第1層21〜第4層24は、第1、第2山折り部41,42の近傍に、具体例をいえば第1、第2山折り部41,42の折り目から10mm以内の範囲に、より好ましくはその折り目から5mm以内の範囲に形成されるドット状第2圧搾部32において剥離可能に接合している。なお、図1のIII−III線は第1圧搾部31と交差し、第2圧搾部32とは交差していないのであるが、図2の第2圧搾部32はその存在を明示するために実線で示されている。
【0028】
第1、第2圧搾部31,32は、連結部材複合体6Aが製造される段階からおむつ1が製造されて着用される段階までの間、連結部材6がその折畳まれて重なり合う状態を維持するための連結部材6に対する仮止めの手段として作用する部位である。第1、第2圧搾部31,32において連結部材6どうしを剥離可能に接合するには、連結部材複合体6Aを製造する後記図6の工程において、図3の如くに折畳んである連結部材6の第1層21〜第3層23に対して、および第1層21〜第4層24または第5層25に対して、先端にフックが付いた圧搾用ピン(図示せず)を室温または加熱状態で突き刺した後に引き抜くことによってドット状圧搾部を形成し、各層を形成している繊維やフィルムをその圧搾部において互いに密着させるか、溶着させるか、互いに機械的に交絡させるかのいずれかによって、折畳んである連結部材6どうしを局部的に一体化すればよい。また、フックが付いたピンに代えて、フックのない円柱状等の形状を有するピンを加熱した状態で押し当てるかまたは突き刺すことによって圧搾部を形成し、その圧搾部においてそれらの繊維やフィルムを互いに溶着させたり密着させたりして、連結部材6どうしを局部的に一体化してもよい。図示例の第1、第2圧搾部31,32は、このようなピンを突き刺した部位またはピンを押し当てた部位を示している(図6の(e)参照)。
【0029】
図3において明らかなように、連結部材6は、第1層21と第2層22との間におむつ1の外側に向かって凸となる第1山折り部41を有し、第2層22と第3層23との間におむつ1の内側に向かって凸となる第1谷折り部51を有し、第3層23と第4層24との間におむつ1の外側に向かって凸となる第2山折り部42を有する。第4層24と第5層25との間には第2谷折り部52が形成されているが、第3接着剤30cの存在によって第4層24と第5層25とが閉じた状態にある。
【0030】
図4,5において、図4は、連結部材6を介して重なり合っていた前胴回り域2と後胴回り域3とを前後方向Aにおいて離間させておむつ1における胴回り開口11を広げる過程にあるときの図1のIV−IV線断面図であって、連結部材6は前後方向Aへ、換言すると胴回り方向Dへ引張られて伸展する過程にある。図5は、図2のV−V線断面図であって、胴回り開口11がほぼ円形となるまでに広がったときの状態を示し、図4の連結部材6がさらに引張られて伸展した状態にある。なお、図4,5では、第4層24の断面に第2圧搾部32が見えることはないのであるが、参考として第4層24における第2圧搾部32の位置が鎖線の引き出し線132d(32)によって示されている。
【0031】
図1のおむつ1において、重なり合う前胴回り域2と後胴回り域3との間に手を入れて、図4に示されるように前胴回り域2を矢印Aで示される前方へ移動させ、後胴回り域3を矢印Aで示される後方へ移動させて前後胴回り域2,3を前後方向Aにおいて離間させると、図1において閉じていた胴回り開口11が次第に広がり始める。そのときの側縁部8と側縁部9とによって連結部材6が前後方向Aに引っ張られ、その連結部材6は第1圧搾部31と第2圧搾部32とにおける仮止めが解けて、前後方向Aへ伸展する。図2に示されているように、おむつ1の側縁部8と側縁部9との間においても、連結部材6はそれに形成されていた第1圧搾部31と第2圧搾部32とにおける仮止めが解けて、前後方向Aへ伸展する。このようにして、前後胴回り域2,3と連結部材6,6とが図2に示されるほぼ円形の胴回り開口11を画成する。第1、第2山折り部41,42は側縁部8の上下方向Cへ延びる縁81と側縁部9の上下方向Cへ延びる縁91よりもおむつ1の内側寄りにあるので、図1の如く折畳まれたおむつ1の幅方向の寸法は、連結部材6の存在によって大きくなる、ということがない。
【0032】
図5において、側縁部8と側縁部9とを連結している伸展した状態の連結部材6のうちの第1層21の大部分は、その外面である連結部材6の外面13bが第1接着剤30aを介して側縁部9の内面49に接合している。第2層22と第3層23とは伸展した状態で側縁部9と側縁部8との間に位置している。第4層24はその外面である連結部材6の外面13bが第3接着剤30cを介して第5層25における連結部材6の外面13bに接合している。第5層25は、第4層24における連結部材6の内面13aにつながる面が第2接着剤30bを介して側縁部8の内面48に接合している。第2接着剤30bと第3接着剤30cとは、仮想線で囲まれた部位47において、第5層25を介して重なり合うようにシート片13に塗布されている。ちなみに、第2接着剤30bと第3接着剤30cとは、図5においては、前後方向Aと交差する方向で重なり合うように示されており、図3においては、前後方向Aで重なり合うように示されている。
【0033】
このように側縁部8,9が連結部材6と接合している態様では、連結部材6における第2層22および/または第3層23図5における前後方向Aの寸法を変化させることによって、側縁部8と側縁部9との前後方向A、換言すると胴回り方向Dにおける離間寸法を変化させることができる。したがって、おむつ1は、それを製造するときに前胴回り域2や後胴回り域3の形状や寸法を変化させずに、連結部材6図5における前後方向Aの寸法を変化させることで、所要の胴回り寸法を得ることができる。
【0034】
連結部材6図3参照)についても、前後方向Aの寸法を連結部材6と同じように変化させることができる。ただし、おむつ1では、連結部材6,6のうちの一方の寸法を固定しておいて、もう一方の寸法だけを変化させて所要の胴回り寸法を得ることができる。この発明ではまた、前後方向Aへ伸展したときの寸法が異なる複数種類の連結部材6および/または連結部材6を用意しておいて、その連結部材6および/または連結部材6を、大きさが一定の前胴回り域2および後胴回り域3に対して使い分けることによって、さまざまな胴回り寸法を有するおむつ1の一群を作ることができる。
【0035】
連結部材6および/または連結部材6は、図示例の如く折畳んで使用する他に、前後方向Aの寸法に応じて折畳みの回数を変化させることができる。図示例の連結部材6,6には、胴回り方向Dへ弾性的にも非弾性的にも伸張することのないシート片13が使用されているのであるが、連結部材6,6には、胴回り方向Dへの弾性的な伸長性を有するシート片13を使用することもできる。そのシート片13で作られる連結部材6,6は、折畳まれた状態から伸展した状態へと変化した後に胴回り方向Dへ弾性的に伸長することによって、おむつ1は胴回り寸法の異なる様々な着用者が着用できるものになる。
【0036】
図5においてはまた、側縁部8,9が前後方向Aまたは胴回り方向Dへ引っ張られると、側縁部8と連結部材6との間、および側縁部9と連結部材6との間には、剥離力ではなくて剪断力が作用するので、おむつ1を着用させるときや、おむつ1を着用しているときに、連結部材6が、側縁部8や9から剥離するという問題の発生を防ぎ易い。
【0037】
図5においてはさらにまた、連結部材6の第4層24と第5層25とは、連結部材6の外面13bが第2接着剤30bと第3接着剤30cとを介して側縁部8の内面48に接合しているから、第5層25における連結部材6の内面13aが側縁部8の内面48に接合しているといっても、実質的な意味において、連結部材6は連結部材6の外面13bが側縁部8の内面48に接合していることに等しい。
【0038】
さらに図4,5において、連結部材6に示されている部位131a〜131cと部位132a〜132dとは、図3における第1圧搾部31と第2圧搾部32に対応する部位である。連結部材6における第1、第2圧搾部31,32は、連結部材6に圧搾用のピンを突き刺すとか押し当てるとかということによって形成された圧搾痕であるから、これらの部位131a〜131c,132a〜132dでは、連結部材6が押圧された方向へ突出する突起を形成するように変形している。その突起は、それがおむつ1の内側に向かって、すなわちおむつ着用者の肌に向かって突出しているものであると、その肌を刺激するということがあり得るが、連結部材6に形成される後記圧搾溝35が、その刺激を弱めることのできる緩衝手段として作用するので、第1、第2圧搾部31,32の存在はおむつ1を着用するうえにおいて障害になるということがない。
【0039】
図6は、図3に例示の連結部材複合体6Aをシート片13の連続体であるウエブ13aから得る工程(a)〜(e)を示す図である。例示のウエブ13aは熱可塑性合成繊維で形成された不織布であって、工程(a)は連結部材複合体6Aを製造する工程の機械方向MD(図6の(e)参照)へ走行しているウエブ13aについての交差方向CDにおける断面を示している。交差方向CDは、機械方向MDに直交する方向であり、ウエブ13aの幅方向でもある。中心線Yは、ウエブ13aの幅を二等分する線である。
【0040】
工程(b)では、ウエブ13aの両側部分が、第1山折り部41と第1谷折り部51とにおいて折曲されて、中心線Yに関して対称なZ字形と逆Z字形とを画くように、第1層21,21、第2層22,22、第3層23,23が形成される。第1層21,21には加熱された複数のピン(図示せず)が矢印F方向から押し当てられるかまたは突き刺さるように作用して、仮止めのためのドット状の第1圧搾部31,31が形成される(工程(d)参照)。第1圧搾部31を形成するための複数のピンは、機械方向MDへ回転する圧搾用ロール(図示せず)の周面に対して周方向へ間欠的に並ぶように取り付けられていて、機械方向MDへ走行するウエウ13aに順次作用する。そのピンの形状や寸法に格別の規定はないが、ピンの一例には直径が0.3〜2mmの円柱状のものや先端が針状に形成されている円柱状のものがある。ウエブ13aがポリプロピレン繊維で形成された不織布である場合に使用するピンの一例には、80±10℃に加熱した直径1.5mmの円柱状のものがある。ウエブ13aにそのピンを押し当てるときにウエブ13aに対する下からの支えとなるアンビル(図示せず)は、ピンの温度と同じ温度にセットしておくこともできるが、ピンの温度よりも高い温度、例えば120±10℃にセットしておくことがより好ましい。なお、逆Z字形や第1層21〜第4層24、第1圧搾部31は工程(d)に図示されていて、工程(b)には図示されていない。
【0041】
工程(c)では、ウエブ13aが第2山折り部42L,42おいて折曲されて、第4層24,24が形成される。第4層24,24には、第3接着剤30cが塗布される。なお、第1層21〜第4層24は、工程(d)に図示されていて、工程(c)には図示されていない。
【0042】
工程(d)では、ウエブ13aが第2谷折り部52において図示の如く折曲されて第5層25,25が形成されるとともに、第4層24,24と第5層25,25とが第3接着剤30cを介して接合される。加えて、加熱された複数のピン175(工程(e)参照)が矢印G方向から第1層21と第1層21とに押し当てられるかまたは突き刺されるように作用して、仮止めのためのドット状の第2圧搾部32,32が形成されて、ウエブ13aには積層部60,60が形成される。第2圧搾部32,32を形成するための複数のピン175は、機械方向MDへ回転するロール171,172の周面に対して周方向へ間欠的に並ぶように取り付けられていて、機械方向MDへ走行するウエブ13aに順次作用する。なお、第1圧搾部31,31と第2圧搾部32,32との位置関係は、後記工程(e)のウエブ13aに示されている。
【0043】
次の工程(e)には、工程(d)の一部分も併せて示されている。すなわち、工程(d)の一部分であって機械方向MDへ回転する上ロール171と下ロール172との間には、第1圧搾部31,31が形成されているウエブ13aが供給されて、ウエブ13aに第2圧搾部32,32が形成される。上ロール171はエンボス加工用ピン175を有するものであり、下ロール172は周面が平滑なものである。ピン175は形状と温度とが工程(b)におけるピンと同様なものであり、下ロール172は工程(b)におけるアンビルに相当するものである。工程(d)のウエブ13aは機械方向MDへさらに進んで工程(e)へ入り、機械方向MDへ回転する一対のエンボス加工用ロール71,72の間に供給され、ウエブ13aにおける積層部60,60が第1圧搾部31,31における圧搾方向(工程(b)参照)と同じ方向に圧搾されて圧搾溝35(35,35)が形成される。エンボス加工用ロール71は、軸方向の両側部分に圧搾加工部71,71有し、圧搾加工部71と71との間にこれら両部よりも径の細い細径部71を有する。圧搾部71,71のそれぞれには、複数条の隆起部73が互いに交差する態様で形成されている。ロール72は、その周面が平滑に形成されている。
【0044】
積層部60,60は、圧搾加工部71,71とロール72とによって圧搾されて、隆起部73の形状に倣った圧搾溝35が形成される。ロール71,72は、適宜の温度にまで加熱した状態で使用することができるが、ウエブ13aが熱可塑性合成樹脂で形成された繊維やフィルムを含むものである場合には、その熱可塑性合成樹脂を軟化させることができる程度の温度にまで加熱した状態で使用することが好ましい。例えば、ウエブ13aがポリプロピレン繊維で形成された不織布である場合、ロール71の表面温度を80±10℃に設定し、ロール72の表面温度をロール71の表面温度と同じ温度であるか、それよりも高い温度、例えば120±10℃にセットしておくことができる。
【0045】
図示例の工程(e)は、ウエブ13aの第1層21,21がロール71と接触する態様にあるが、その工程(e)は、第5層25,25がロール71に接触し、第1層21,21が第1ロール71と接触する態様に代えることもできる。また、工程(e)において、ロール72には、ロール71と同様な形状の圧搾加工部を有するものを使用して、ロール71とロール72との圧搾加工部によってウエブ13aを圧搾することもできる。
【0046】
図7は、図6の工程(e)における積層部60の部分拡大図である。積層部60おける第1層21に形成された圧搾溝35には、一方向へ互いに並行して延びる複数条の第1圧搾溝35aと、第1圧搾溝35aと交差する方向へ互いに並行して延びる第2圧搾溝35bとが含まれている。また、これら第1、第2圧搾溝35a,35bのそれぞれには、積層部60に形成されている第1圧搾部31どうしの間、第2圧搾部32どうしの間、第1圧搾部31と第2圧搾部32との間のいずれかを通り抜けるように延びているものが含まれている。第1、第2圧搾溝35a,35bの底部の幅は、0.5〜2mmの範囲にあることが好ましい。第1圧搾溝35aのピッチPTと第2圧搾溝35bのピッチPTは、2〜5mmの範囲にあることが好ましい。積層部60には、隣り合う2条の第1圧搾溝35aと、隣り合う2条の第2圧搾溝35bとに囲まれた非圧搾部111が形成されている。
【0047】
積層部60における第1層21の非圧搾部111には、図6の工程(b)と(d)とにおいて形成された第1、第2圧搾部31,32が見えている。なお、積層部60の第1層21は、積層部60と同様にして、第1圧搾溝35aと第2圧搾溝35bとを含む圧搾溝35が形成されている(図6の工程(e)参照)。
【0048】
工程(a)〜(e)を経て折畳まれ、第1、第2圧搾部31,32と圧搾溝35とが形成されたウエブ13aは、機械方向MDに連続しているものであるから、その機械方向MDにおいて所要の寸法となるように切断されることによって、図15における連結部材複合体6Aとなる。連結部材複合体6Aは、図1のおむつ連続体10における中間体10a,10b等の側縁部8,8,9,9の内面に第1接着剤30aと第2接着剤30bとによって接合される。
【0049】
図8は、図7のVIII−VIII線切断面を示す図である。積層部60において重なり合う第2〜第5層22〜25には、第1層21に形成されている圧搾溝35と重なり合うように圧搾溝35が形成されている。ただし、第5層25では、圧搾溝35の深さが極めて浅く、実質的には形成されていないといえる場合がある。圧搾溝35ではまた、重なり合う第1〜第5層21〜25が互いに密着する程度にまで圧搾されている。その密着する程度は、おむつ1の前後胴回り域2,3を図2の如くに広げるときに互いに容易に分離することができる程度である。非圧搾部111の一つには、第2圧搾部32(32)が形成されている。
【0050】
図9は、図2におけるIX−IX線切断面を示す図である。図6の工程(e)を経て得られた連結部材6では、連結部材複合体6Aにおいて仮止めの作用をしていた第1、第2圧搾部31,32が、図5に部位131a,131c,132a,132cとして例示されているように、おむつ着用者(図示せず)の肌に向かって先端のとがった突起となることがある。しかし、連結部材6ではまた、図9の第2圧搾部32と圧搾溝35とによって例示されているように、第1、第2圧搾部31,32の横には、連結部材6の厚さ方向Jにおいてこれら第1,第2圧搾部31,32と同じ程度の寸法Hを有する複数条の圧搾溝35が肌に向かって突出した状態にある。そして、複数条の圧搾溝35の底部35aをつなぐ仮想線37が連結部材6の一部において実質的な意味での肌当接面を形成する。それゆえ、第1圧搾部31や第2圧搾部32が図7に例示の如く圧搾溝35に囲まれた非圧搾部111に形成されているときには、図9の厚さ方向Jにおいて仮想線37を越える先端部分38のみが肌に触れるので、圧搾溝35が形成されていない場合の連結部材6における第1圧搾部31や第2圧搾部32に比べると、第1圧搾部31や第2圧搾部32による肌への刺激を和らげることができる。このように作用する複数条の圧搾溝35は、図8における第1〜第5層21〜25の各層に形成されていて、各層に形成されている第1、第2圧搾部31,32による肌への刺激に対しての緩衝手段となる。
【0051】
この発明の実施態様において、連結部材6は、それを仮止めしておくためのドット状圧搾部の分布状態について特別の規定を有するものではないから、例えば図示例の第1、第2圧搾部31,32のうちのいずれか一方のみを有するものであってもよい。第1、第2圧搾部31,32は、圧搾溝35と圧搾溝35との間に非圧搾部111が形成されている場合には、図9に例示の如く圧搾溝35による緩衝作用を伴うものになるのであるが、圧搾溝35と重なるように、例えば図7の第1圧搾溝35aや第2圧搾溝35bと重なるように形成されている場合には、図6の工程(e)における第1ロール71と第2ロール72とによって圧潰された状態、すなわち圧縮されて押し潰された状態になるので、図9に例示の如く肌に向かって突出するということがなく、したがってまた肌を刺激することもない。圧搾溝35は、このように第1圧搾部31や第2圧搾部32を圧潰することによっても緩衝手段となり得る。また、おむつ1は、その両側に連結部材6を有するものではなくて、両側のうちの一方にのみ連結部材6を有し、もう一方においては前胴回り域2と後胴回り域3とが連結部材6を介することなく直接的に連結されていてもよい。
【0052】
図10,11において、図10は実施態様の一例を示す図7と同様な図であり、図11図10のXI−XI線切断面を示す図である。ウエブ13aにおける積層部60には、図6の工程における交差方向CDへ互いに並行して延びる圧搾溝35が機械方向MDにおいて反復するように形成されている。圧搾溝35は、隣り合う第1搾部31と31との間、隣り合う第2圧搾部32と32との間、および隣り合う第1圧搾部31と第2圧搾部32との間のいずれかを通り抜けるように延びている。図示してはいないが、積層部60にも、積層部60における圧搾溝35と同様な圧搾溝が形成されている。
【0053】
図11には、積層部60の一部分が示され、その積層部60に圧搾溝35を形成するロール71とロール72とが仮想線で示されている。ロール71には隆起部73が形成されている。なお、図示してはいないが、圧搾溝35は、第1圧搾部31や第2圧搾部32と重なるように形成されていてもよい。そのような圧搾溝35によっても第1圧搾部31や第2圧搾部32は圧潰された状態になる。
【0054】
図12は、実施態様の一例を示す図11と同様な図である。図示例の積層部60には、第1層21から第5層25に向かって凹となる圧搾溝35と、第5層25から第1層21に向かって凹となる第2の圧搾溝36とが形成されている。圧搾溝35と第2の圧搾溝36とは、図10,11の圧搾溝35と同様に交差方向CDへ延びるとともに、機械方向MDでは一定のピッチで反復するように形成されている。仮想線で示された第1ロール71には、凸部76と凹部77とが機械方向MDにおいて交互に形成されている。第2ロール72には凸部78と凹部79とが機械方向MDにおいて交互に形成されている。第1、第2ロール71,72において、凸部76は凹部78とかみ合うことによって積層部60を圧搾して圧搾溝35を形成する。凸部79は凹部77とかみ合うことによって積層部60を圧搾して第2の圧搾溝36を形成する。この積層部60の圧搾溝35や第2の圧搾溝36もまた第1圧搾部31や第2圧搾部32(図6の(e)参照)による肌への刺激を弱めることのできる緩衝手段となる。
【0055】
図13は、連結部材6を製造する工程の一例を示す図6の(e)と同様な図である。ただし、図13の工程では、第1、第2圧搾部31,32が未だ形成されていないウエブ13aが上ロール171と下ロール172との間に供給される。下ロール172の周面にはエンボス加工用のピン175と176とが形成され、上ロール171の周面は平滑に形成されている。ウエブ13aは,これらのロール171,172によって厚さ方向の下方からエンボス加工処理を受けて、積層部60,60に第1、第2圧搾部31,31,32,32が形成成される。上ロール171と下ロール172との間を通ったウエブ13aは,図6の(e)の工程と同じようにロール71とロール72との間に供給されて、圧搾溝35が形成される。図13の工程を経て得られる連結部材6は、図13における厚さ方向Jの下方から上方に向かって第1、第2圧搾部31,32が形成される一方、上方から下方に向かって圧搾溝35が形成される。
【0056】
図14は、図13の工程を経て得られる連結部材複合体6Aについての図8と同様な図である。ただし、図14の連結部材複合体6Aでは、第2圧搾部32が第5層25から第1層21に向かって延びている。また、この図示例では、その第2圧搾部32が圧搾溝35に形成されている。その圧搾溝35では、第2圧搾部32が圧潰されて厚さ方向Jの寸法が小さくなっていて、連結部材複合体6Aから得られる連結部材6では、その第2圧搾部32によって肌を強く刺激するということがない。
【0057】
図15もまた、この発明の実施態様の一例を示す図4と同様な図である。図15の連結部材6は、図1の連結部材6,6と同様に第1、第2圧搾部31,32と圧搾溝35とが形成されていて、図4の連結部材6とほぼ同じように折り重ねられているものであるが、図15の連結部材6では、第1層21が側縁部9に対して分離と再結合との繰り返しが可能なテープファスナ60を介して取り付けられている。ファスナ60の一例は、フック部材61とループ部材62とによって形成されるメカニカルファスナである。図15においては、フック部材61が接着剤63を介して連結部材6における第1層21の外面13bに取り付けられている。フック部材61の相手方となるループ部材62は、接着剤64を介して側縁部9の内面49に取り付けられている。連結部材6と側縁部9とは、フック部材61とループ部材62との分離と再結合とを繰り返すことによって開閉を繰り返すことができる。側縁部9と側縁部8とは、図4,5に例示の場合と同様に、連結部材6の第2層22等を介して大きく離間しているから、ループ部材62のどの部位に対してフック部材61を結合させても、結合させる前に側縁部9と側縁部8とが接触したり重なり合ったりしてループ部材62のフック部材61との速やかな結合の妨げになるということはない。
【0058】
図示例の連結部材6は、第1層21と側縁部9とが分離と再結合とを可能に形成されているが、おむつ1では、一体になった第4層24と第5層25とが側縁部8に対して分離と再結合とを可能に形成されていてもよい。また、図15のおむつ1は、側縁部8と側縁部9とに対して中心線CL(図1参照)に関して連結部材6と対称な形状の連結部材6が取り付けられているものであるが、そのようなおむつ1は、連結部材6と連結部材6とのうちの一方のみを有するように設計変更することができる。図15のおむつ1においても、図1のおむつ1においても連結部材6には胴回り方向Dへ弾性的に伸長、収縮するものを使用して、連結部材6を胴回り方向Dへ弾性的に変形可能なものにすることができる。
【0059】
図16もまた、この発明の実施態様の一例を示す使い捨ての開放型おむつ101の部分破断平面図である。おむつ101は、透液性内面シート5aと、不透液性外面シート5bと、これら両シート5a,5bの間に介在している体液吸収性芯材5cを有し、外面シート5bは、不透液性のプラスチックフィルムで形成され第1外面シート105aと熱可塑性合成繊維の不織布で形成された第2外面シーと105bとを含んでいる。おむつ101はまた、胴回り弾性部材11と、脚回り弾性部材12とを有し、前後方向Aには前胴回り域102と後胴回り域103と、これら両胴回り域102,103の間に介在する股下域104とが形成されている。後胴回り域103の両側縁部9(9,9)には、前後胴回り域102,103を連結するための連結部材6が取り付けられている。この連結部材6を形成している連結部材6と連結部材6とは、連結部材6の製造工程(図6参照)において、連結部材複合体6Aを形成していたものであって、その連結部材複合体6Aを幅方向において二等分することにより得られる。
【0060】
図17は、図16のXVII−XVII線切断面を示す図である。連結部材6は、第1、第2、第3層21,22,23を有し、第1層21には接着剤63aを介してフック部材61(図15参照)が取り付けられている。第3層23は、側縁部9の内側へ延びた部分が接着剤63bを介して側縁部9における第2外面シート105bに接合している。第1層21と第2層22とには第1圧搾部31(31)が形成され、第1、第2、第3層21,22,23には第2圧搾部32(32)が形成されている。また、第1、第2、第3層21,22,23には、圧搾溝35(図18参照)が形成されている。
【0061】
図18は、図16のおむつ101が着用状態にあるときの図1と同様な斜視図である。おむつ101は、前後胴回り域102,103と股下域104とを着用者の身体(図示せず)に当てた後、連結部材6の第1層21の端部を持って胴回り方向Dへ引張ると、第1、第2圧搾部31,32による仮止めと、圧搾溝35における連結部材6の重なりとが解けて伸展した状態となる。そのときに、フック部材61が第2外面シート105bを形成している不織布と向かい合うから、そのフック部材61を不織布に対して押圧して止着させると、おむつ101が図18の状態になる。胴周り方向Dにおいて、前後胴回り域102,103が図示例の如く離間し、連結部材6が着用者の肌(図示せず)と接触する場合には、連結部材6の圧搾溝35が第1、第2圧搾部31,32による肌への刺激を和らげる緩衝手段として作用する。
【0062】
この発明は、図示例の使い捨てのおむつ1,101の他に、失禁患者用の使い捨てのパンツ、トレーニング用の使い捨てのパンツ等の使い捨ての着用物品として実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 着用物品(おむつ)
2 前胴回り域
3 後胴回り域
6,6,6 連結部材
8,8,8 側縁部
9,9,9 側縁部
13b 外面
31,31,31 圧搾部(第1圧搾部)
32,32,32 圧搾部(第2圧搾部)
35,35a,35b 圧搾溝
41 山折り部
42 山折り部
43 山折り部
48 内面
49 内面
51 谷折り部
52 谷折り部
53 谷折り部
81 縁
91 縁
A 前後方向
B 横方向
C 上下方向
D 胴回り方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18