特許第5822818号(P5822818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5822818
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20151104BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20151104BHJP
   A61F 13/494 20060101ALI20151104BHJP
【FI】
   A41B13/02 G
   A41B13/02 K
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-264208(P2012-264208)
(22)【出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-108270(P2014-108270A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年8月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】川上 祐介
(72)【発明者】
【氏名】多川 信弘
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−279612(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/132687(WO,A1)
【文献】 特開2011−224245(JP,A)
【文献】 特開2006−149747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00
A61F 13/15 〜 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記着用者に向かう内方向及び前記内方向と反対側に向かう外方向を有する厚み方向とを有する吸収体を有する吸収性本体と、前記吸収性本体よりも外方向に配置される外装体と、を備え、
前記着用者の股間部に当てられる股下領域と、前記股下領域の前方に配置される前胴回り領域と、前記股下領域の後方に配置される後胴回り領域と、を備える吸収性物品であって、
前記吸収性本体は、前記前後方向に沿って伸縮するサイドギャザー弾性部材を有する起立性のレッグサイドギャザーを備えており、
前記吸収体は、前記吸収体の前記前後方向両端部に位置する幅広部と、前記幅広部よりも前後方向内側に位置し、かつ前記吸収体の幅方向の長さが前記幅広部よりも短い幅狭部と、を有し、
前記サイドギャザー弾性部材の一部は、前記吸収体の前記幅狭部よりも前記幅方向外側に配置されており、
前記吸収性本体と前記外装体は、前記吸収体の前記幅広部の幅方向外側端部よりも幅方向内側かつ前記吸収体の前記幅狭部の幅方向外側端部において接合されており、
前記外装体は、前記吸収体の前記幅狭部の前記幅方向外側端部を跨がって配置され、かつ前記外装体と前記吸収性本体とが接合された領域を前記幅方向に収縮する外装弾性部材を備え、
前記外装弾性部材は、前記幅狭部に重なって配置された重畳部と、前記幅狭部よりも幅方向外側に位置する非重畳部と、を有しており、
前記非重畳部の伸長率は、前記重畳部の伸長率よりも高い、吸収性物品。
【請求項2】
前記外装弾性部材は、前記吸収性物品の前記前後方向中心よりも後胴回り域側に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記外装弾性部材は、前記幅狭部の前記幅方向外側端部に対して略90度で交差している、請求項1又は請求項のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体の肌当接面側には、表面シートが配置されており、
前記表面シートは、前記吸収体の幅方向外側端部を覆い、かつ前記吸収体の非肌当接面側に延出しており、
前記表面シートは、前記吸収体の非肌当接面側において前記外装体又は前記吸収性本体を構成するシート材に接合されている、請求項1から請求項のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記外装弾性部材は、前記脚回り開口部に沿って配置される脚回り弾性部材を構成する、請求項1から請求項のいずれかに記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚回り開口部よりも幅方向内側に配置され、吸収体の幅方向側部において前後方向に伸縮するレッグサイドギャザーを有する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、脚回り開口部よりも幅方向内側において前後方向に伸縮するレッグサイドギャザーが設けられた吸収性物品が開示されている。レッグサイドギャザーは、吸収体よりも幅方向外側に延出した本体フラップと、本体フラップに固定された弾性部材と、によって構成されている。レッグサイドギャザーは、弾性部材が収縮することにより、吸収体の側部において着用者側に立ち上がるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3187110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の吸収性物品には、以下の問題点があった。
【0005】
特許文献1の吸収体は、平面視にて砂時計形状である。吸収体の幅は、前後方向中央において最も狭く、前後方向中央から前後方向端部に向かって広くなっている。すなわち、吸収体の幅方向外側端部の形状は、前後方向中央から前後方向外側に向かうにつれて幅方向内側から幅方向外側に向かう曲線形状である。一方、レッグサイドギャザーを構成する弾性部材は、前後方向に沿って配置された直線形状である。
【0006】
よって、吸収体とレッグサイドギャザーとの距離が吸収体の前後方向で一定でなく、レッグサイドギャザーの着用者側に立ち上がる高さが変化する。また、吸収体の前後方向中央におけるレッグギャザーは、着用者の脚繰り沿って配置されるため、吸収体とレッグサイドギャザーとの距離が縮まり易い。しかし、着用者の脚繰りに当たらない部分では、吸収体とレッグギャザーとの距離が縮まり難く、着用者側に立ち上がり難いことがあった。レッグギャザーが着用者側に十分に立ち上がらないと、横漏れが発生するおそれがある。
【0007】
また、レッグサイドギャザーを構成する弾性部材の伸長率を変化させて、レッグサイドギャザーの立ち上がる高さを調整することが考えられる。しかし、弾性部材の伸縮率を変化させようとすると、製造工程での細かい調整が必要となり、製造工程が複雑化するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、簡易な製造工程によって製造でき、レッグサイドギャザーを着用者側に立ち上げ易くすることができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る吸収性物品は、着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向、前記前後方向に直交する幅方向、前記着用者に向かう内方向及び前記内方向と反対側に向かう外方向を有する厚み方向とを有する吸収体を有する吸収性本体と、前記吸収性本体よりも外方向に配置される外装体と、を備え、前記着用者の股間部に当てられる股下領域と、前記股下領域の前方に配置される前胴回り領域と、前記股下領域の後方に配置される後胴回り領域と、を備える吸収性物品であって、前記吸収性本体は、前記前後方向に沿って伸縮するレッグサイド弾性部材を有する起立性のレッグサイドギャザーを備えており、前記吸収体は、前記吸収体の前記前後方向両端部に位置する幅広部と、前記幅広部よりも前後方向内側に位置し、かつ前記吸収体の幅方向の長さが前記幅広部よりも短い幅狭部と、を有し、前記レッグサイド弾性部材の一部は、前記吸収体の前記幅狭部よりも前記幅方向外側に配置されており、前記外装体と前記吸収性本体は、前記吸収体の前記幅広部の幅方向外側端部よりも幅方向内側かつ前記吸収体の前記幅狭部の幅方向外側端部において接合されており、前記外装体は、前記吸収体の前記幅狭部の前記幅方向外側端部を跨がって配置され、かつ前記外装体と前記吸収性本体とが接合された領域を前記幅方向に収縮する外装弾性部材を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、簡易な製造工程によって製造でき、レッグサイドギャザーを着用者側に立ち上げ易くすることができる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る使い捨ておむつの概略斜視図である。
図2】実施の形態1に係る使い捨ておむつの展開平面図である。
図3図2に示すX1-X’1線に沿った使い捨ておむつの幅方向断面図である。
図4図2に示すX2-X’2線に沿った使い捨ておむつの幅方向断面図である。
図5】レッグサイドギャザーの変形状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、実施の形態に係る吸収性物品としての使い捨ておむつ1について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0013】
まず、図1から図4に基づいて吸収性物品としての使い捨ておむつの全体構成について説明する。図1は、本実施の形態において使い捨ておむつを構成する使い捨ておむつ1の概略斜視図である。図2は、本実施の形態に係る使い捨ておむつ1の展開平面図である。図3は、図2に示すX1−X’1線に沿った使い捨ておむつ1の幅方向断面図である。図4は、図2に示すX2−X’2線に沿った使い捨ておむつ1の幅方向断面図である。使い捨ておむつ1は、パンツ型の使い捨ておむつである。
【0014】
使い捨ておむつ1は、着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向Lと、前後方向Lに直交する幅方向Wと、着用者に向かう内方向IN及び内方向と反対側に向かう外方向OUTを有する厚み方向Tと、を有する。
【0015】
使い捨ておむつ1は、図2に示すように、使い捨ておむつ1の前後方向において、着用者の前胴回りに当てられる前胴回り領域S1と、着用者の後胴回りに当てられる後胴回り領域S2と、着用者の股下に当てられ、前胴回り領域S1と後胴回り領域S2との間に位置する股下領域S3と、を有する。
【0016】
前胴回り領域S1の幅方向W外側に位置する前胴回り縁部4が、後胴回り領域S2の幅方向Wの外側に位置する後胴回り縁部6と接合され、かつ前胴回り縁部4’が、後胴回り縁部6’と接合されることによって、使い捨ておむつ1がパンツ型に形成される。パンツ型の使い捨ておむつの前胴回り領域及び後胴回り領域には、互いの縁部が接合された接合部11が形成されており、股下領域S3は、接合部11よりも前後方向内側の領域である。
【0017】
使い捨ておむつ1には、図1に示すように、パンツ型に形成された状態で、着用者の腰回りを囲んで配置される腰回り開口部8と、着用者の脚回りを囲んで配置される一対の脚回り開口部9と、が形成される。
【0018】
使い捨ておむつ1は、表面シート10、吸収体40及び吸収体裏面シート30等を含む吸収性本体1Aと、前側外装シート70F、後側外装シート70R等を含む外装体1Bと、から構成されており、これらは互いに、接着剤や熱融着などによって接合されている。
【0019】
外装体1Bは、前胴回り域と股下領域とに跨って配置される前側外装シート70Fと、後胴回り域と股下領域とに跨って配置される後側外装シート70Rと、前胴回り域から後胴回り域に亘って配置される外装センターシート100と、を含み、使い捨ておむつ1の外装部分を構成する。外装体1Bは、吸収体40を含む吸収性本体1Aよりも外方向OUTに位置し、使い捨ておむつの非肌当接側の面に配置される。
【0020】
前側外装シート70Fは、前胴回り領域S1と股下領域S3とに跨がって配置されており、使い捨ておむつの前側端部において幅方向に沿った折り目を基点に内方向に折り返されている。前側外装シート70Fの折り返されたシート間には、外装センターシート100が配置されている。後側外装シート70Rは、後胴回り領域S2と股下領域S3とに跨がって配置されており、使い捨ておむつの後側端部において幅方向に沿った折り目を基点に内方向に折り返されている。後側外装シート70Rの折り返されたシート間には、外装センターシート100が配置されている。
【0021】
前側外装シート70F及び後側外装シート70Rは、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、防水フィルムなどによって形成できる。本実施の形態に係る前側外装シート70F及び後側外装シート70Rは、ポリプロピレンからなる目付20g/m2のスパンボンド不織布によって形成されている。
【0022】
外装センターシート100は、前側外装シート70Fと、後側外装シート70Rとを繋ぐ。よって、前側外装シート及び後側外装シートが前後方向に離間する形態において、吸収性本体1Aがむき出しになることを防止することができる。更に、製造過程において、離間した前側外装体と後側外装体とを連結した状態で、脚回り開口部を形成したり、吸収性本体1Aと貼り合わせたりすることができる。
【0023】
外装センターシート100は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、防水フィルムなどによって形成できる。本実施の形態に係る外装センターシート100は、ポリプロピレンからなる目付15g/ m2のSMS不織布によって形成されている。
【0024】
吸収性本体1Aは、表面シート10、吸収体裏面シート及びレッグサイドギャザーを含み、外装体1Bよりも着用者側に配置される。
【0025】
表面シート10は、着用者の肌に直接的に接し得る肌当接面を形成するシートである。表面シート10は、吸収体40よりも肌当接面側に配置される。表面シート10は、親水性不織布や織物、開口プラスチックフィルム、開口疎水性不織布などの液透過性のシートによって形成されている。本実施の形態に係る表面シート10は、ポリプロピレンからなる目付20g/mの親水性スパンボンド不織布によって形成されている。表面シート10は、吸収体40の肌当接側の面よりも幅方向両側に延出し、吸収体の幅方向外側端部を覆って吸収体の非肌当接面側に到達している。
【0026】
表面シート10の非肌当接面側には、セカンドシートが設けられていてもよい。セカンドシートを設けることにより、体液の吸収速度を速くすることができ、かつ吸収後における体液の逆戻りを抑制することができる。
【0027】
吸収体40は、表面シート10と、吸収体裏面シート30との間にホットメルト型接着剤によって接合される。ホットメルト型接着剤は、複合シート及び裏面シートにそれぞれ塗工され、例えば、スパイラル塗工方法により、それぞれ目付5g/m2,8g/m2で塗られる。
【0028】
吸収体40は、粉砕パルプや高吸収性ポリマーなどの混合粉体で形成される。平面視にて、吸収体40の形状は、略砂時計形状である。
【0029】
吸収体40は、吸収性コアの前後方向両端部に位置する幅広部41と、幅広部41よりも幅方向内側に位置し、吸収体の幅方向の長さが幅広部よりも短い幅狭部42と、を有する。図2において、幅広部41と幅狭部42の境界に一点鎖線を付して示す。
【0030】
なお、幅広部41は、吸収体の幅が最も長い領域を含んでいればよく、吸収体の幅が最も広い領域よりも前後方向外側に吸収体40の幅が短くなる領域がある場合には、当該領域も幅広部に含む概念である。幅狭部42は、吸収体の幅が最も短い領域を含んでいればよく、幅広部よりも前後方向内側において吸収体の幅が徐々に短くなる領域も含む概念である。
【0031】
吸収体裏面シート30は、吸収体40の非肌当接面側に設けられている。吸収体裏面シート30は、液不透過性フィルムなど(例えば、ポリエチレン)のシートによって形成されている。吸収体裏面シート30は、吸収体よりも外方向OUTに配置され、かつ液不透過性である。吸収体裏面シート30は、吸収体40よりも前後方向外側に延出して配置されている。
【0032】
防漏サイドシート32は、吸収性本体1Aの前後方向両端部においてホットメルト接着剤によって表面シート等に接合されている。防漏サイドシート32は、吸収性本体1Aの前後方向中央部において表面シート等に接合されてなく、表面シートから着用者側に立ち上がって配置される。図2に示す断面においては、レッグサイドギャザーが表面シートに接合されてなく、表面シートから着用者側に立ち上がって配置されている。図3に示す断面においては、レッグサイドギャザーが表面シートに接合されていないが、レッグサイドギャザーは、表面シート10に沿って配置されている。図3に示す断面においては、レッグサイドギャザーは、着用者の臀部等によって押圧されて、表面シート10に沿って配置される。
【0033】
防漏サイドシート32は、吸収性本体1Aの前後方向両端部においてホットメルト接着剤によって表面シート等に接合されている。防漏サイドシート32は、吸収性本体1Aの前後方向中央部において表面シート等に接合されてなく、表面シートから着用者側に立ち上がって配置される。図2に示す断面においては、レッグサイドギャザー30が表面シートに接合されてなく、表面シートから着用者側に立ち上がって配置されている。図3に示す断面においては、レッグサイドギャザー30が表面シートに接合されていないが、レッグサイドギャザーは、表面シート10に沿って配置されている。図3に示す断面においては、レッグサイドギャザー30は、着用者の臀部等によって押圧されて、表面シート10に沿って配置される。
【0034】
レッグサイド弾性部材33は、折り返された防漏サイドシート32間に配置されている。レッグサイド弾性部材は、左右に離間して配置された防漏サイドシート32の幅方向内側端部において、前後方向に沿って2本ずつ配置されている。レッグサイド弾性部材33の少なくとも一部は、吸収体の幅狭部42よりも幅方向外側に配置されている。レッグサイド弾性部材が前後方向に収縮することにより、レッグサイドギャザーが着用者側に立ち上がる。このレッグサイドギャザーの収縮状態については、後述にて詳細に説明する。
【0035】
股下弾性部材34は、折り返された防漏サイドシート32間に配置されている。股下弾性部材34は、レッグサイド弾性部材33よりも幅方向外側に位置し、前後方向に沿って2本ずつ配置されている。
【0036】
本実施の形態のレッグサイド弾性部材33は、620dtexの太さ、3.0倍の伸長倍率で、左右2本ずつ伸長固定される。股下弾性部材34は、470dtexの太さ、2.7倍の伸長倍率で、左右2本ずつ伸長固定される。
【0037】
前胴回り領域S1及び後胴回り領域S2には、ウエストギャザー及び胴回りギャザーが設けられる。ウエストギャザー及び胴回りギャザーは、吸収体40の幅方向Wに沿って伸縮するように配設される合成ゴムなどの細長いウエスト弾性部材3A及び胴回り弾性部材7Aを有する。ウエスト弾性部材3A及び胴回り弾性部材7Aは、使い捨ておむつ1の幅方向Wに対して伸長された状態で接着剤(例えばホットメルト接着剤)によって、前側外装シート70Fと外装センターシート100の間、及び後側外装シート70Rと外装センターシート100の間に接合されている。
【0038】
ウエストギャザー及び胴回りギャザーは、前胴回り領域S1における吸収性物品1の幅方向W外側に位置する一方の前胴回り縁部4から他方の前胴回り縁部4‘まで連続し、後胴回り領域S2における吸収性物品1の幅方向W外側に位置する一方の後胴回り縁部6から他方の後胴回り縁部6‘まで連続する。
【0039】
脚回り開口部9の周囲には、レッグギャザー5が設けられる。レッグギャザーは、伸縮するように配設される合成ゴムなどの細長い脚回り弾性部材によって形成されている。脚回り弾性部材は、前胴回り領域S1と股下領域S3に跨って配置された前脚回り弾性部材5Fと、後胴回り領域S2と股下領域S3に跨って配置された後脚回り弾性部材5Rと、によって構成されている。
【0040】
後脚回り弾性部材5Rは、幅方向に延びる直線状の直線部52と、直線部52よりも幅方向両外側に位置し、かつ幅方向内側から幅方向外側に向かって前後方向内側である前側から前後方向外側である後側に延びる曲線状の曲線部53と、を有する。直線部52は、胴回り弾性部材に沿って配置されている。曲線部53は、脚回り開口部9に沿って配置されている。
【0041】
後脚回り弾性部材5Rの直線部52は、吸収体の幅狭部42の幅方向外側端部を横断するように吸収体に重なっている。なお、直線部52と幅狭部42の幅方向外側端部とが重なっている状態とは、直線部52と幅狭部42の幅方向外側端部とが接した状態で重なっている状態のみならず、本実施の形態のように、外装センターシート100等、他の部材を介して重なっている状態も含む概念である。後脚回り弾性部材5Rは、本発明の外装弾性部材を構成する。
【0042】
外装体1Bと吸収性本体Aは、吸収体の幅広部の幅方向外側端部よりも幅方向内側かつ吸収体の幅狭部の幅方向外側端部において接合されている。この接合された領域は、図2に示す収縮領域R1である。より具体的には、吸収性本体の防漏サイドシート32及び吸収体裏面シート30と、外装センターシート100とが接合されている。本実施の形態では、ホットメルト型接着剤によって接着されている。図2及び図3において、ホットメルト型接着剤が塗布された接着領域90を図示する。
【0043】
外装体1Bと吸収性本体2Aは、吸収体の幅広部の幅方向外側端部よりも幅方向内側かつ吸収体の幅狭部の幅方向外側端部において接合されている。この接合された領域は、図2に示す収縮領域R1である。より具体的には、吸収性本体の防漏サイドシート32及び吸収体裏面シート30と、外装センターシート100とが接合されている。本実施の形態では、ホットメルト型接着剤によって接着されている。図2及び図3において、ホットメルト型接着剤が塗布された接着領域90を図示する。
【0044】
外装弾性部材としての後脚回り弾性部材5Rは、吸収体40の幅狭部42の幅方向外側端部を跨がって配置され、かつ外装体と吸収性本体とが接合された領域を収縮するように構成されている。
【0045】
幅狭部42の幅方向両端部を跨がって後脚回り弾性部材5Rが配置されているため、幅狭部42よりも幅方向外側の領域において外装体1Bを幅方向に収縮できる。この収縮領域R1において、外装体1Bと吸収性本体1Aとは接合されている。よって、外装体1Bの収縮に伴い、吸収性本体1Aの幅狭部42よりも幅方向外側の収縮領域R1が収縮する。
【0046】
図5は、レッグサイドギャザーの変形状態を説明するための図である。図3の断面図において、後脚回り弾性部材5Rの直線部によって収縮領域R1が収縮した状態を模式的に示した図である。図5(a)は、後脚回り弾性部材5Rによって幅方向に収縮する前の状態を示しており、図5(b)は、後脚回り弾性部材5Rによって幅方向に収縮した状態を示している。
【0047】
レッグサイド弾性部材33は、吸収体40の幅方向端部に配置されている。レッグサイド弾性部材33が収縮する前の状態(レッグサイド弾性部材33が伸長した状態)において、幅狭部42よりも幅方向外側の領域には、サイドギャザー弾性部材の少なくとも一部が配置されている。よって、外装体1Bの収縮に伴い、吸収性本体1Aの幅狭部42よりも幅方向外側の収縮領域R1が収縮することにより、幅狭部よりも幅方向外側に位置するサイドギャザー弾性部材と幅狭部42の幅方向外側端部との距離が近づく。幅狭部42よりも幅方向外側の領域が幅方向に収縮するため、幅狭部よりも幅方向外側に位置するサイドギャザー弾性部材が着用者側に押し上げられ、立ち上がりやすくなる。よって、レッグサイドギャザーを着用者側に立ち上げ易くすることができる。
【0048】
レッグサイドギャザーは、着用者の脚繰りが当たるため、吸収体の幅が最も狭い部分において最も立ち上がりやすい。しかし、レッグサイドギャザーは、当該吸収体の幅が最も狭い部分から前後方向にずれるに従って立ち上がり難くなる。特に、背側においては、着用者の臀部によってレッグサイドギャザーが潰れ、レッグサイドギャザーを立ち上げ難くなりやすい。しかし、最も吸収体の幅が狭い部分よりも後方に位置する幅狭部近傍のレッグサイドギャザーを立ち上げ易くすることにより、吸収体の幅が最も狭い部分におけるレッグサイドギャザーの立ち上がり状態と背側におけるレッグサイドギャザーの立ち上がり状態を近づけることができ、レッグサイドギャザーの立ち上がりを同一の高さに近づけることができる。
【0049】
また、後脚回り弾性部材5Rによって外装体を幅方向に収縮させてレッグサイドギャザーを立ちあげることができるため、レッグサイドギャザーを構成するサイドギャザー弾性部材の伸長率を変化させるために、サイドギャザー弾性部材の伸長率を部分的に変更する必要性がなく、簡易な製造工程によって製造できる。なお、本実施の形態に係る各サイドギャザー弾性部材の伸長率は、前後方向において略一定である。
【0050】
なお、本実施の形態では、吸収性物品の前後方向中心よりも後胴回り域側に位置する後脚回り弾性部材によって収縮領域を収縮するように構成しているが、吸収性物品の前後方向中心よりも前胴回り域側に位置する前脚回り弾性部材によって収縮領域を収縮するように構成していてもよい。
【0051】
しかし、特に、臀部側のレッグサイドギャザーは、特に寝姿勢の場合、臀部によって押圧され、レッグサイドギャザーが立ち上がり難くなることがあるため、当該構成を好適に用いることができる。
【0052】
幅狭部42よりも幅方向外側に位置する非重畳部44における後脚回り弾性部材5Rの伸長率を高く設定しているため、幅狭部42よりも幅方向外側においてレッグサイドギャザーを立ち上げることができ、かつ幅狭部42よりも幅方向外側において外装体1Bを着用者に密着させて、着用者と使い捨ておむつとの隙間を低減できる。また、幅狭部42に重なって配置された重畳部43における後脚回り弾性部材5Rの伸長率が高過ぎると、後脚回り弾性部材5Rの伸縮力によって吸収体が変形してしまうおそれがある。しかし、幅狭部42に重なって配置された重畳部43における後脚回り弾性部材5Rの伸長率を低く設定することにより、吸収体の変形やよれを抑制できる。
【0053】
幅狭部42よりも幅方向外側に位置する非重畳部44における後脚回り弾性部材5Rの伸長率を高く設定しているため、幅狭部42よりも幅方向外側においてレッグサイドギャザー30を立ち上げることができ、かつ幅狭部42よりも幅方向外側において外装体1Bを着用者に密着させて、着用者と使い捨ておむつとの隙間を低減できる。また、幅狭部42に重なって配置された重畳部43における後脚回り弾性部材5Rの伸長率が高過ぎると、後脚回り弾性部材5Rの伸縮力によって吸収体が変形してしまうおそれがある。しかし、幅狭部42に重なって配置された重畳部43における後脚回り弾性部材5Rの伸長率を低く設定することにより、吸収体の変形やよれを抑制できる。
【0054】
外装弾性部材としての後脚回り弾性部材5Rは、幅狭部の幅方向外側端部に対して略90度で交差している。すなわち、図2に示す平面視において、後脚回り弾性部材5Rと幅狭部の幅方向外側端部とがなす角度が略90度である。なお、略90度とは、90度のみならず、90度−5度から90度+5度の範囲内であり、85度から95度の範囲内を含むものである。
【0055】
例えば、後脚回り弾性部材5Rと幅狭部の幅方向外側端部とがなす角度が30度等の鋭角であると、後脚回り弾性部材5Rの収縮力が幅方向に作用し難く、収縮領域を幅方向に収縮させて着用者側にレッグサイドギャザーを立ち上げ難くなることがある。しかし、後脚回り弾性部材5Rと幅狭部の幅方向外側端部とがなす角度が略90度であると、後脚回り弾性部材5Rの収縮力が幅方向に作用し易いため、収縮領域を幅方向に収縮させて着用者側にレッグサイドギャザーを立ち上げ易くなる。
【0056】
表面シート10は、吸収体40の幅方向外側端部を覆い、かつ吸収体の非肌当接面側に延出しており、表面シート10は、吸収体40の非肌当接面側において外装体1B又は吸収性本体を構成するシート材に接合されている。本実施の形態で、表面シート10は、吸収体40の非肌当接面側においてホットメルト型接着剤の接着領域90を介して、外装体1Bを構成する外装センターシート100に接合されている。
【0057】
表面シートが吸収体40の端部を覆い、かつ吸収体の非肌当接面側において接合されているため、吸収体の端部の剛性を高めることができる。レッグサイドギャザーは、吸収体に対して立ち上がるように構成されており、吸収体の剛性を高めることにより、立ち上がり基点の剛性を高めて、レッグサイドギャザーを立ち上がり易くできる。
【0058】
後脚回り弾性部材5Rの曲線部53は、吸収体40よりも幅方向外側に配置されている。後脚回り弾性部材5Rの曲線部53は、吸収体と厚み方向において重ならないように配置されている。後脚回り弾性部材5Rの曲線部53の伸長率は、後脚回り弾性部材5Rの直線部52の伸長率よりも高い。具体的には、直線部の伸長率は、1.2〜1.6倍であり、曲線部の伸長率は、2.1〜2.5倍である。
【0059】
なお、本実施の形態における伸長率とは、使い捨ておむつの伸長させた伸長状態における伸長率である。また、伸長率は、例えば、以下の方法によって測定できる。
【0060】
弾性部材を伸長させた状態で製品を固定し、直線部(インナー幅方向両端部間)及び曲線部(係止の内側から前記インナー幅方向両端部)の寸法を測定する(この寸法をIとする)。前記記載した直線部及び曲線部に印を入れた後、弾性部材部分にて製品をカットする。ホットメルト等の付着物を完全に取り除いた後、ものさしにて非伸長状態の弾性部材を真直ぐに置いた状態で寸法を測定する(この寸法をIIとする)。I/IIの計算値を伸長率とする。
【0061】
なお、伸長状態とは、第1弾性部材としての後脚回り弾性部材57及び第2弾性部材としての第2弾性部材が伸長した状態であり、具体的には、使い捨ておむつを所定の円筒に装着した状態である。
【0062】
円筒の寸法は、以下のように設定できる。まず、使い捨ておむつを構成する外装体であって、前弾性部材と後弾性部材が配置されていない状態の外装体を用意する。この弾性部材が配置されていない状態の外装体の前側端部におけるサイド接合部11間の距離を測定する。この外装体の前側端部におけるサイド接合部11間の距離をL11とする。また、弾性部材が配置されていない状態の外装体の後側端部におけるサイド接合部11間の距離を測定する。外装体の後側端部におけるサイド接合部11間の距離をL12とする。更に、前胴回り域の前後方向の寸法を測定し、この寸法をL13とする。後胴回り域の前後方向の寸法を測定し、この寸法をL14とする。
【0063】
外装体の前側端部におけるサイド接合部11間の距離L11と外装体の後側端部におけるサイド接合部11間の距離L12とを合計し、その合計長さ×0.8を算出する。算出した値をXとする。円筒の外周の長さは、Xとする。円筒の軸方向の長さは、L13及びL14以上とする。
【0064】
なお、上述した使い捨ておむつ1を構成する各部材は、例えば、特開2006−346439号公報に記載された材料を用いてもよい。
【0065】
上述したように、本発明の実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0066】
例えば、上述した実施の形態では、パンツ型の使い捨ておむつとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ショーツ型ナプキンであってもよい。
【0067】
上述の実施形態では、外装弾性部材として後脚回り弾性部材を挙げて説明したが、本発明における外装弾性部材は、胴回り弾性部材等の他の弾性部材において適用することが可能である。
【0068】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0069】
1…使い捨ておむつ(吸収性物品)
3…ウエストギャザー
3A…ウエスト弾性部材
5…レッグギャザー
5F…前脚回り弾性部材
5R……後脚回り弾性部材
7…胴回りギャザー
7A…胴回り弾性部材
10…表面シート
30…吸収体裏面シート
32…防漏サイドシート
33…レッグサイド弾性部材
40…吸収体
52…直線部
53…曲線部
54…重畳部
55…非重畳部
70F…前側外装シート
70R…後側外装シート
100…外装センターシート
S1…前胴回り領域
S2…後胴回り領域
S3…股下領域
R1…収縮領域
図1
図2
図3
図4
図5