【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的光通信インフラの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続部は、互いに接続されたコア部の全長における平均の利得係数の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、前記コア部同士を接続していることを特徴とする請求項1に記載の増幅用マルチコア光ファイバデバイス。
前記接続部は、1つのコア部と前記1つのコア部の外周に形成されたクラッド部とを備える、複数の単一コア光ファイバを有し、前記増幅用マルチコア光ファイバのコア部は前記単一コア光ファイバを介して互いに接続していることを特徴とする請求項1または2に記載の増幅用マルチコア光ファイバデバイス。
前記第二の増幅用マルチコア光ファイバは、前記複数のコア部のうち1つのコア部にのみ増幅媒体が添加されており、前記1つのコア部以外のコア部には増幅媒体が添加されていないことを特徴とする請求項1に記載の増幅用マルチコア光ファイバデバイス。
前記第二の増幅用マルチコア光ファイバは、前記複数のコア部のうち2以上のコア部にのみ増幅媒体が添加されており、前記2以上のコア部以外のコア部には増幅媒体が添加されていないことを特徴とする請求項1に記載の増幅用マルチコア光ファイバデバイス。
前記第一の増幅用マルチコア光ファイバの複数のコア部のうち利得係数が小さいコア部に、前記第二の増幅用マルチコア光ファイバの増幅媒体が添加されたコア部が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の増幅用マルチコア光ファイバデバイス。
前記第二の増幅用マルチコア光ファイバの両端側のそれぞれに、前記第一のマルチコア光ファイバが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の増幅用マルチコア光ファイバデバイス。
前記第一の増幅用マルチコア光ファイバは、ダブルクラッドファイバであって、当該マルチコア光ファイバ増幅器は、前記励起光が前記ダブルクラッドファイバの内側クラッド部に入力されて前記複数の各コア部を励起するクラッド励起型の光ファイバ増幅器であることを特徴とする請求項11に記載のマルチコア光ファイバ増幅器。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して本発明に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスおよびマルチコア光ファイバ増幅器の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスの模式的な構成図である。本実施の形態1に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100は、増幅用マルチコア光ファイバ10と、増幅用マルチコア光ファイバ20と、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを接続する接続部30とを備える。
【0018】
図2は、
図1に示す増幅用マルチコア光ファイバ10、20の模式的な断面図である。
図2(a)は増幅用マルチコア光ファイバ10の断面を示し、
図2(b)は増幅用マルチコア光ファイバ20の断面を示している。
【0019】
図2(a)に示すように、増幅用マルチコア光ファイバ10は、7つのコア部11〜17と、コア部11〜17の外周に形成されたクラッド部18とを備えている。クラッド部18内において、コア部11は増幅用マルチコア光ファイバ10の略中心軸に配置されている。コア部12〜17は、コア部11の周囲にコア部11を中心とした正六角形を形成するように配置されている。
【0020】
コア部11〜17は、石英系ガラスからなり、増幅媒体である希土類金属と、屈折率調整用添加物が添加されている。希土類金属はたとえばエルビウム(Er)やイッテルビウム(Yb)である。屈折率調整用添加物はたとえばゲルマニウム(Ge)である。コア部11〜17には増幅媒体の増幅特性を改善するためのアルミニウム(Al)等の添加物が添加されていてもよい。クラッド部18は、コア部11〜17よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば屈折率調整用添加物を含まない石英ガラスからなる。
【0021】
同様に、
図2(b)に示すように、増幅用マルチコア光ファイバ20は、7つのコア部21〜27と、コア部21〜27の外周に形成されたクラッド部28とを備えている。クラッド部28内において、コア部21は増幅用マルチコア光ファイバ20の略中心軸に配置されている。コア部22〜27は、コア部21の周囲にコア部21を中心とした正六角形を形成するように配置されている。
【0022】
コア部21〜27は、石英系ガラスからなり、増幅媒体である希土類金属と、屈折率調整用添加物が添加されている。希土類金属はたとえばエルビウム(Er)やイッテルビウム(Yb)である。屈折率調整用添加物はたとえばゲルマニウム(Ge)である。コア部21〜27には増幅媒体の増幅特性を改善するためのアルミニウム(Al)等の添加物が添加されていてもよい。クラッド部28は、コア部21〜27よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば屈折率調整用添加物を含まない石英ガラスからなる。
【0023】
接続部30は、増幅用マルチコア光ファイバ10のコア部11〜17のいずれかと、増幅用マルチコア光ファイバ20のコア部21〜27のいずれか同士を、互いに接続する。
【0024】
接続部30についてより具体的に説明する。まず、増幅用マルチコア光ファイバ10のコア部11〜17、および、増幅用マルチコア光ファイバ20のコア部21〜27は、添加された増幅媒体を光励起できる波長の励起光(たとえば増幅媒体がErである場合は980nm帯や1480nm帯の波長の励起光)が入力されると、増幅媒体が光励起状態となり、光増幅可能な状態となる。この状態で、コア部11〜17、21〜27に、増幅媒体が光増幅できる波長の信号光(たとえば増幅媒体がErである場合は1550nm帯の波長の信号光)が入力されると、コア部11〜17、21〜27は入力された信号光を光増幅する。
【0025】
この増幅用マルチコア光ファイバデバイス100において、増幅用マルチコア光ファイバ10の紙面左側の一端から、光増幅可能な状態とされたコア部11〜17にそれぞれ信号光を入力すると、各信号光は各コア部で光増幅されながら伝搬し、接続部30を介して、コア部11〜17の各々に接続された増幅用マルチコア光ファイバ20の光増幅可能な状態とされたコア部21〜27に入力し、各信号光は各コア部でさらに光増幅されながら伝搬し、増幅用マルチコア光ファイバ20の紙面右の一端から出力される。
【0026】
なお、増幅用光ファイバの増幅利得特性は、一般に次の伝搬方程式を用いて表すことができる。
dP(λ、z)/dz={g
*(λ)・n
2(z)−α(λ)・n
1(z)}・P(λ、z)
ここで、P(λ、z)は波長λの光の、増幅用光ファイバの長手方向の位置zにおけるパワー、g
*(λ)は増幅用光ファイバの波長λにおける利得係数、α(λ)は増幅用光ファイバの波長λにおける吸収係数、n
2(z)は位置zにおける励起状態にある増幅媒体の密度、n
1(z)は位置zにおける基底状態にある増幅媒体の密度である。g
*(λ)およびα(λ)は増幅用光ファイバに固有のパラメータである。n
2(z)、n
1(z)は増幅用光ファイバの励起状態や動作状態等に依存する量である。
【0027】
ここで、上述したように、増幅用マルチコア光ファイバ10、20において、コア部11〜17、21〜27の増幅利得には偏差がある。たとえば、所定の励起状態、所定の波長において、単位長さ当たりの増幅利得に0.15dB/m程度の偏差がある。したがって、増幅用マルチコア光ファイバ10、20の長さがそれぞれ5mであるとすると、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを接続した全長の増幅利得には、1.5dB程度の偏差が生じうる。
【0028】
これに対して、本実施の形態1に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100では、接続部30が、増幅用マルチコア光ファイバ10、20の互いに接続されたコア部の全長における増幅利得の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、コア部同士を接続している。
【0029】
たとえば、コア部11とコア部21同士、コア部12とコア部22同士、・・・、コア部17とコア部27同士を接続した場合には、上述したように増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを接続した全長の増幅利得には、或る波長において1.5dB程度の偏差が生じうるとする。この場合に、接続部30は、たとえばコア部11とコア部22同士、コア部12とコア部24同士、・・・のように、全長での増幅利得の偏差が抑制される組み合わせでコア部同士を接続する。これによって、増幅用マルチコア光ファイバ10、20がそれぞれ本来有している増幅利得の偏差が抑制された増幅用マルチコア光ファイバデバイス100が実現される。
【0030】
なお、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100におけるコア部11〜17とコア部21〜27の接続の組み合わせとしては、互いに接続されたコア部の全長における平均の利得係数の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、前記コア部同士を接続することが好ましい。あるいは、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100の光ファイバ増幅器内での使用時の励起状態や動作状態を勘案して、互いに接続されたコア部の全長における増幅利得の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、コア部同士を接続してもよい。これを実現するものとして、たとえば、増幅用マルチコア光ファイバ10側において平均の利得係数(あるいは増幅利得)が最大のコア部に、増幅用マルチコア光ファイバ20側において平均の利得係数(あるいは増幅利得)が最小のコア部を接続してもよい。また、増幅用マルチコア光ファイバ10側において平均の利得係数(あるいは増幅利得)が最小のコア部に、増幅用マルチコア光ファイバ20側において平均の利得係数(あるいは増幅利得)が最大のコア部を接続してもよい。また、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20の双方のコア部として、平均の利得係数(あるいは増幅利得)が同一光ファイバ内における中央値に一番近いコア部同士を接続してもよい。
【0031】
なお、抑制後の増幅利得の偏差の値は小さいことが好ましいが、好ましい値は増幅用マルチコア光ファイバデバイス100に要求される仕様等によって異なり、たとえば1dB以内であることが好ましく、0.5dB以内であることがより好ましく、0.1dB以内であることがさらに好ましい。また、増幅利得の偏差を抑制する波長または波長帯域は、使用状態において入力させるべき信号光の波長または波長帯域に対応させることが好ましい。
【0032】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスの模式的な構成図である。本実施の形態2に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Aは、実施の形態1に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100の構成において、接続部30を接続部30Aに置き換えた構成を有する。
【0033】
接続部30Aは、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを、互いに中心軸回りに回転させて、融着接続等によって直接接続することによって構成されている。
【0034】
この増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Aでは、コア部11とコア部21同士、コア部12とコア部22同士、・・・、コア部17とコア部27同士が対向した状態から、一方の増幅用マルチコア光ファイバを中心軸回りに60度だけ回転させて、コア部11とコア部21同士、コア部12とコア部23同士、・・・、コア部17とコア部22同士が接続されている。これによって、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを接続した全長での増幅利得の偏差が抑制される。その結果、増幅用マルチコア光ファイバ10、20がそれぞれ本来有している増幅利得の偏差が抑制された増幅用マルチコア光ファイバデバイスが実現される。なお、回転角度については、60度に限られず、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを接続した全長での増幅利得の偏差が抑制される回転角度であればよい。
【0035】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスの模式的な構成図である。本実施の形態3に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Bは、実施の形態1に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100の構成において、接続部30を接続部30Bに置き換えた構成を有する。
【0036】
接続部30Bは、光ファイババンドル31B、32Bで構成されている。
図5は、光ファイババンドル32Bの模式的な構成図である。光ファイババンドル32Bは、1つのコア部と該1つのコア部の外周に形成されたクラッド部とを備える、7つの単一コア光ファイバ32Baと、7つの単一コア光ファイバ32Baを束ねるバンドル部32Bbとを有している。バンドル部32Bbは、7つの単一コア光ファイバ32Baを、1つの単一コア光ファイバの周囲に6つの単一コア光ファイバが正六角形を形成するように配置された状態で束ねている。7つの単一コア光ファイバ32Baの各コア部は増幅用マルチコア光ファイバ20のコア部21〜27にそれぞれ接続している。なお、光ファイババンドル31Bも光ファイババンドル32Bと同様の構成を有する。光ファイババンドル31Bが有する7つの単一コア光ファイバの各コア部は、増幅用マルチコア光ファイバ10のコア部11〜17にそれぞれ接続している。
【0037】
そして、光ファイババンドル31Bが有する単一コア光ファイバと、光ファイババンドル32Bが有する単一コア光ファイバとが接続されている。この接続は、増幅用マルチコア光ファイバ10、20の、単一コア光ファイバを介して互いに接続されたコア部の全長における増幅利得の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、接続が成されている。ここで、例えば、各コア部間の組合せとして、上述したように、たとえば、増幅用マルチコア光ファイバ10側において平均の利得係数(あるいは増幅利得)が最大のコア部から大きい順に、増幅用マルチコア光ファイバ20側において平均の利得係数(あるいは増幅利得)を最小のコア部から小さい順に対応させて接続してもよい。
【0038】
増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Bでは、光ファイババンドル31Bが有する単一コア光ファイバと、光ファイババンドル32Bが有する単一コア光ファイバとの接続の組み合わせは、高い自由度で任意に選択することができる。したがって、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを接続した全長での増幅利得の偏差がさらに抑制された増幅用マルチコア光ファイバデバイスが実現される。
【0039】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスの模式的な構成図である。本実施の形態4に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Cは、実施の形態3に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Bの構成において、接続部30Bを接続部30Cに置き換えた構成を有する。
【0040】
接続部30Cは、接続部30Bの構成において、光ファイババンドル31Bが有する或る単一コア光ファイバと、光ファイババンドル32Bが有する或る単一コア光ファイバとが、光損失部33Cが介挿された状態で接続されている。
【0041】
増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Cでは、光損失部33Cによって、増幅用マルチコア光ファイバ10と増幅用マルチコア光ファイバ20とを接続した全長での増幅利得の偏差がさらに抑制された増幅用マルチコア光ファイバデバイスが実現される。たとえば、光損失部33Cは、増幅用マルチコア光ファイバ10、20のコア部のうち、利得係数が高いコア部同士を接続する単一コア光ファイバの間に介挿される。これによって、全長での増幅利得が高いコア部の最大値が低減されるので、増幅利得の偏差をさらに抑制することができる。なお、光損失部33Cは、光ファイババンドル31B、32Bの接続すべき単一コア光ファイバ同士を、接続損失を調整した状態で接続することによって実現しても良い。このような接続は、たとえば単一コア光ファイバ同士を光軸を所定量だけずらした状態で融着接続することで実現できる。
【0042】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係るマルチコア光ファイバ増幅器の模式的な構成図である。本実施の形態5に係るマルチコア光ファイバ増幅器1000は、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dと、励起光源200と、光合波器300とを備える。
【0043】
増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dは、増幅用マルチコア光ファイバ40と、増幅用マルチコア光ファイバ50と、増幅用マルチコア光ファイバ50と増幅用マルチコア光ファイバ40とを接続する接続部30Aとを備える。
【0044】
図8は、
図7に示す増幅用マルチコア光ファイバ40、50の模式的な断面図である。
図8(a)は増幅用マルチコア光ファイバ40の断面を示し、
図8(b)は増幅用マルチコア光ファイバ50の断面を示している。
【0045】
図8(a)に示すように、増幅用マルチコア光ファイバ40は、7つのコア部41〜47と、コア部41〜47の外周に形成された内側クラッド部48と、内側クラッド部48の外周に形成された外側クラッド部49とを備えている。内側クラッド部48内において、コア部41は増幅用マルチコア光ファイバ40の略中心軸に配置されている。コア部42〜47は、コア部41の周囲にコア部41を中心とした正六角形を形成するように配置されている。
【0046】
コア部41〜47は、石英系ガラスからなり、増幅媒体である希土類金属と、屈折率調整用添加物が添加されている。内側クラッド部48は、コア部41〜47よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば屈折率調整用添加物を含まない石英ガラスからなる。外側クラッド部49は、内側クラッド部48よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば樹脂からなる。
【0047】
同様に、
図8(b)に示すように、増幅用マルチコア光ファイバ50は、7つのコア部51〜57と、コア部51〜57の外周に形成された内側クラッド部58と、内側クラッド部58の外周に形成された外側クラッド部59とを備えている。内側クラッド部58内において、コア部51は増幅用マルチコア光ファイバ50の略中心軸に配置されている。コア部52〜57は、コア部51の周囲にコア部51を中心とした正六角形を形成するように配置されている。
【0048】
コア部51〜57は、石英系ガラスからなり、増幅媒体である希土類金属と、屈折率調整用添加物が添加されている。内側クラッド部58は、コア部51〜57よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば屈折率調整用添加物を含まない石英ガラスからなる。外側クラッド部59は、内側クラッド部58よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば樹脂からなる。
【0049】
このように、増幅用マルチコア光ファイバ40、50は、いわゆるダブルクラッド構造を有する。
【0050】
接続部30Aは、増幅用マルチコア光ファイバ40のコア部41〜47のいずれかと、増幅用マルチコア光ファイバ50のコア部51〜57のいずれか同士を、互いに接続する。具体的には、接続部30Aは、実施の形態2の場合と同様に、増幅用マルチコア光ファイバ40と増幅用マルチコア光ファイバ50とを、互いに中心軸回りに回転させて、融着接続等によって直接接続することによって構成されている。この回転角度は、増幅用マルチコア光ファイバ40と増幅用マルチコア光ファイバ50とを接続した全長での増幅利得の偏差が抑制される回転角度であればよい。
【0051】
励起光源200は、たとえば半導体レーザ素子を備えており、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dに含まれる増幅用マルチコア光ファイバ40、50のコア部41〜47、51〜57に入力させる励起光P1を出力する。励起光P1は、コア部41〜47、51〜57に添加された増幅媒体を光励起できる波長の励起光である。
【0052】
光合波器300は、励起光P1を増幅用マルチコア光ファイバ40のコア部41〜47に入力させるとともに、外部から入力された7つの信号光を含む信号光群S1をコア部41〜47に入力させる。
【0053】
図9は、
図7に示す光合波器の構成例1の模式図である。光合波器300は、7つの単一コア光ファイバ301と、1つの単一コア光ファイバ302と、単一コア光ファイバ301、302を束ねるバンドル部303とを有している光ファイババンドルである。バンドル部303は、7つの単一コア光ファイバ301を1つの単一コア光ファイバの周囲に6つの単一コア光ファイバが正六角形を形成するように配置された状態で束ねたものの周囲に、1つの単一コア光ファイバ302が配置された状態で束ねている。7つの単一コア光ファイバ301の各コア部は増幅用マルチコア光ファイバ40のコア部41〜47にそれぞれ接続している。1つの単一コア光ファイバ302は、増幅用マルチコア光ファイバ40の内側クラッド部48に光学的に接続している。
【0054】
つぎに、このマルチコア光ファイバ増幅器1000の動作について説明する。まず、励起光源200は、励起光P1を出力する。光合波器300は、励起光P1および信号光群S1の入力を受付ける。
【0055】
光合波器300では、7つの単一コア光ファイバ301のそれぞれが、信号光群S1に含まれるそれぞれの信号光をコア部41〜47のそれぞれに入力させる。一方、1つの単一コア光ファイバ302は、励起光源200からの励起光P1を内側クラッド部48に入力させる。
【0056】
増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dでは、励起光P1は、まず増幅用マルチコア光ファイバ40において、内側クラッド部48と外側クラッド部49との屈折率差によって内側クラッド部48を伝搬しながら、コア部41〜47に入力し、コア部41〜47に添加された増幅媒体を光励起し、コア部41〜47を光増幅可能な状態とする。その後、励起光P1は、接続部30Aを介して増幅用マルチコア光ファイバ50に入力し、内側クラッド部58と外側クラッド部59との屈折率差によって内側クラッド部58を伝搬しながら、コア部51〜57に入力し、コア部51〜57に添加された増幅媒体を光励起し、コア部51〜57を光増幅可能な状態とする。このように、マルチコア光ファイバ増幅器1000は、クラッド励起型の光ファイバ増幅器である。
【0057】
一方、信号光群S1に含まれるそれぞれの信号光は、入力されたコア部で光増幅されながら伝搬し、接続部30Aを介して、コア部41〜47の各々に接続された増幅用マルチコア光ファイバ50の光増幅可能な状態とされたコア部51〜57に入力し、各信号光は各コア部でさらに光増幅されながら伝搬し、増幅用マルチコア光ファイバ50の紙面右の一端から、光増幅された信号光群S2として出力される。このように、マルチコア光ファイバ増幅器1000は、励起光と信号光とが同一方向に伝搬する前方励起型の光ファイバ増幅器である。
【0058】
本実施の形態5に係るマルチコア光ファイバ増幅器1000では、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dの接続部30Aが、実施の形態2に示したように、増幅用マルチコア光ファイバ40、50の互いに接続されたコア部の全長における増幅利得の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、コア部同士を接続している。これによって、マルチコア光ファイバ増幅器1000は、増幅用マルチコア光ファイバ40、50がそれぞれ本来有している増幅利得の偏差に比して増幅利得の偏差が抑制されたものとなる。
【0059】
図9に示す光合波器300は、光ファイババンドルで構成されているが、光合波器の構成はこれに限られない。
図10は、光合波器の別の構成例の模式図である。光合波器300Aは、マルチコア光ファイバ301Aと、レンズ302A、303Aと、光フィルタ304Aとを有している。
【0060】
マルチコア光ファイバ301Aは、増幅用マルチコア光ファイバ40と同様に1つのコア部の周囲に正六角形を形成するように配置された6つのコア部を有する。ただし、各コア部は増幅媒体が添加されていないものである。レンズ302A、303Aは、マルチコア光ファイバ301Aと増幅用マルチコア光ファイバ40との間に直列に配置されている。光フィルタ304Aは、レンズ302Aとレンズ303Aとの間に配置され、励起光P1を反射し、信号光群S1を透過する波長特性を有する。
【0061】
この光合波器300Aでは、マルチコア光ファイバ301Aは、外部から入力された信号光群S1に含まれる各信号光を各コア部にて導波して出力する。なお、
図10では、信号光群S1に含まれる7つの信号光のうち3つのみを示している。レンズ302A、303Aは、マルチコア光ファイバ301Aから出力された信号光群S1に含まれる各信号光を、増幅用マルチコア光ファイバ40の所定のコア部にそれぞれ光学的に結合させる。
【0062】
一方、光フィルタ304Aは、信号光群S1は透過するとともに、励起光源200から出力された励起光P1をレンズ303A側に反射する。レンズ303Aは励起光P1を増幅用マルチコア光ファイバ40の内側クラッド部48に光学的に結合させる。このように、光合波器300Aは、空間結合型の光合波器である。
【0063】
図9、10に示す光合波器300、300Aは、クラッド励起型用の光合波器であるが、光合波器の構成はこれに限られない。
図11は、光合波器のさらに別の構成例の模式図である。光合波器300Bは、
図9に示す光合波器300の構成において、WDM光合波器304Bを付加し、1つの単一コア光ファイバ302を削除した構成を有する。
【0064】
WDM光合波器304Bは、7つの単一コア光ファイバ301のそれぞれに設けられている。一方、励起光源200は、各WDM光合波器304Bに接続された半導体レーザ素子で構成されている。この光合波器300Bでは、各WDM光合波器304Bは、外部から入力された信号光群S1に含まれ、7つの単一コア光ファイバ301のそれぞれを伝搬する各信号光と、励起光源200を構成する各半導体レーザ素子から出力された励起光(たとえばシングルモード)とを合波する。したがって、増幅用マルチコア光ファイバ40の各コア部41〜47には、合波された信号光と励起光とが入力される。このような光合波器300Bは、いわゆる端面励起型のマルチコア光ファイバ増幅器を構成する際に使用できる。
【0065】
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6に係るマルチコア光ファイバ増幅器の模式的な構成図である。本実施の形態6に係るマルチコア光ファイバ増幅器1000Aは、実施の形態5に係るマルチコア光ファイバ増幅器1000の構成において、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dを増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Eに置き換え、さらに励起光源200を追加した構成を有するものである。
【0066】
増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Eは、
図4に示す増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Bの構成において、接続部30Bを接続部30Dに置き換えた構成を有する。接続部30Dは、接続部30Bの光ファイババンドル32Bを、
図9に示す光合波器300に置き換えた構成を有する。この光合波器300には追加した励起光源200が接続している。
【0067】
このマルチコア光ファイバ増幅器1000Aでは、増幅用マルチコア光ファイバ40、50は、それぞれに接続された光合波器300を介して、励起光源200から出力された励起光P1によって前方励起される構成を有する。
【0068】
(実施の形態7)
図13は、実施の形態7に係るマルチコア光ファイバ増幅器の模式的な構成図である。本実施の形態7に係るマルチコア光ファイバ増幅器1000Bは、実施の形態5に係るマルチコア光ファイバ増幅器1000の構成にさらに光合波器300、励起光源200を追加した構成を有するものである。
【0069】
追加の光合波器300、励起光源200は、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dの増幅用マルチコア光ファイバ50側に設けられている。追加の励起光源200は、励起光P1を出力し、追加の光合波器300を介して増幅用マルチコア光ファイバ50に入力する。
【0070】
このマルチコア光ファイバ増幅器1000Bでは、増幅用マルチコア光ファイバ40、50は、それぞれに接続された光合波器300を介して、励起光源200から出力された励起光P1によって、それぞれ前方励起、後方励起される構成を有する。なお、光接続部30Aは、
図4に示す接続部30Bや
図6に示す接続部30Cに置き換えてもよい。
【0071】
ここで、本発明の比較例、実施例のマルチコア光ファイバ増幅器を作製し、その光増幅特性を測定した。
【0072】
図14は、比較例に係るマルチコア光ファイバ増幅器の模式的な構成図である。このマルチコア光ファイバ増幅器2000は、
図7に示すマルチコア光ファイバ増幅器1000の構成において、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Dを1つの増幅用マルチコア光ファイバ40に置き換え、光合波器300として
図11に示した光合波器300Bを用いた構成を有する。増幅用マルチコア光ファイバ40の各コア部間の距離は45μmであり、各コア部は以下の特性を有する。
直径:3μm、クラッド部に対するコア部の比屈折率差(Δ):1.4%、Er濃度:1500wtppm、Al濃度:1.6wt% 増幅用マルチコア光ファイバ40の長さは8mとした。また、励起光源200は波長980nmの励起光P1を出力する半導体レーザ素子で構成した。そして、このとき増幅用マルチコア光ファイバ40の各コア部に入力させる励起光P1の強度を500mWに設定し、光合波器300Bから信号光群S1として7つの信号光(以下、1ch〜7chの信号光とする)を増幅用マルチコア光ファイバ40の各コア部41〜47に入力して光増幅し、その増幅利得を測定した。
【0073】
一方、実施例に係るマルチコア光ファイバ増幅器としては、
図12に示すマルチコア光ファイバ増幅器1000Aと同様の構成のマルチコア光ファイバ増幅器を作製した。なお、光合波器300として
図11に示した光合波器300Bを用いた。ここで、比較例の増幅用マルチコア光ファイバ40、および実施例の増幅用マルチコア光ファイバ40、50は、同一の光ファイバ母材から線引きされた連続した増幅用マルチコア光ファイバを分割して使用した。実施例における増幅用マルチコア光ファイバ40、50の長さは等しく、いずれも4mとした。従って、実施例の増幅用マルチコア光ファイバ40と50では、対応するコア部(たとえばコア部41とコア部51、コア部42とコア部52など)は略同一の利得係数を有しているが、コア部間(たとえばコア部41とコア部42)とでは利得係数が異なる。そこで、実施例に係るマルチコア光ファイバ増幅器の増幅用マルチコア光ファイバデバイスでは、光ファイババンドルで構成された接続部30Dによって、7つのコア部での増幅利得がより均等になるように、以下のようにコア部を接続した。すなわち、コア部41とコア部54、コア部42とコア部57、コア部43とコア部56、コア部44とコア部51、コア部45とコア部55、コア部46とコア部53、コア部47とコア部52、をそれぞれ接続した。そして、このとき増幅用マルチコア光ファイバ40の各コア部に入力させる励起光P1の強度を500mWに設定し、光合波器300Bから信号光群S1として7つの信号光(以下、1ch〜7chの信号光とする)を増幅用マルチコア光ファイバ40の各コア部41〜47側から入力して、増幅用マルチコア光ファイバ40、50の各コア部41〜47、51〜57で光増幅し、その増幅利得を測定した。
【0074】
図15は、比較例に係るマルチコア光ファイバ増幅器の増幅利得の波長依存性を示す図である。
図16は、実施例に係るマルチコア光ファイバ増幅器の増幅利得の波長依存性を示す図である。また、
図17は、比較例および実施例に係るマルチコア光ファイバ増幅器の増幅利得偏差の波長依存性を示す図である。なお、
図7は、各波長において、増幅利得の差が最大のch間の偏差を示している。
【0075】
図17に示すように、比較例の場合には、7つのコア部における増幅利得の偏差が最大で1.5dB以上であり、最小でも約0.6dBであった。これに対して、実施例の場合には、7つのコア部における増幅利得の偏差が0.6dB以下に抑制された。
【0076】
(実施の形態8)
上記実施の形態では、増幅用マルチコア光ファイバはすべてのコア部に増幅媒体が添加されているが、一部のコア部のみに増幅媒体が添加されていてもよい。
【0077】
図18は、本発明の実施の形態8に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスの模式的な構成図である。この増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Gは、
図1に示す増幅用マルチコア光ファイバデバイス100の構成において、増幅用マルチコア光ファイバ20を増幅用マルチコア光ファイバ60に置き換えた構成を有する。
【0078】
図19は、
図18に示す増幅用マルチコア光ファイバ60の模式的な断面図である。増幅用マルチコア光ファイバ60は、7つのコア部61〜67と、コア部61〜67の外周に形成されたクラッド部68とを備えている。クラッド部68内において、コア部61は増幅用マルチコア光ファイバ60の略中心軸に配置されている。コア部62〜67は、コア部61の周囲にコア部61を中心とした正六角形を形成するように配置されている。
【0079】
ここで、コア部62、64、66、67は、石英系ガラスからなり、増幅媒体である希土類金属と、屈折率調整用添加物が添加されている。一方、コア部61、63、65は、石英系ガラスからなり、屈折率調整用添加物が添加されているが、増幅媒体は添加されてないものである。なお、クラッド部68は、コア部61〜67よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば屈折率調整用添加物を含まない石英ガラスからなる。
【0080】
このように、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Gでは、これを構成する増幅用マルチコア光ファイバ60の一部のコア部に増幅媒体が添加されていないが、接続部30は、増幅用マルチコア光ファイバ10、60の互いに接続されたコア部の全長における増幅利得の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、コア部同士を接続している。これによって、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Gの全長におけるコア部間の増幅利得の偏差が抑制される。たとえば、増幅用マルチコア光ファイバ10のコア部11〜17のうち、利得係数が小さいコア部に、増幅用マルチコア光ファイバ60の増幅媒体が添加されたコア部62、64、66、67が接続するように構成することで、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Gの全長におけるコア部間の増幅利得の偏差が抑制される。
【0081】
(実施の形態9)
図20は、本発明の実施の形態9に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスの模式的な構成図である。この増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Hは、2つの増幅用マルチコア光ファイバ10の間に増幅用マルチコア光ファイバ80を介挿して、互いのコア部を接続部30にて接続した構成を有する。
【0082】
図21は、
図20に示す増幅用マルチコア光ファイバ80の模式的な断面図である。増幅用マルチコア光ファイバ80は、7つのコア部81〜87と、コア部81〜87の外周に形成されたクラッド部88とを備えている。クラッド部88内において、コア部81は増幅用マルチコア光ファイバ80の略中心軸に配置されている。コア部82〜87は、コア部81の周囲にコア部81を中心とした正六角形を形成するように配置されている。
【0083】
ここで、コア部82は、石英系ガラスからなり、増幅媒体である希土類金属と、屈折率調整用添加物が添加されている。一方、コア部81、83〜87は、石英系ガラスからなり、屈折率調整用添加物が添加されているが、増幅媒体は添加されてないものである。なお、クラッド部88は、コア部81〜87よりも屈折率が低い材料で構成されており、たとえば屈折率調整用添加物を含まない石英ガラスからなる。
【0084】
このように、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Hは、これを構成する増幅用マルチコア光ファイバ80の一部のコア部に増幅媒体が添加されていないが、接続部30は、増幅用マルチコア光ファイバ10、80、10の互いに接続されたコア部の全長における増幅利得の、各接続されたコア部間での偏差を抑制するように、コア部同士を接続している。これによって、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Hの全長におけるコア部間の増幅利得の偏差が抑制される。たとえば、増幅用マルチコア光ファイバ10のコア部11〜17のうち、利得係数が小さいコア部に、増幅用マルチコア光ファイバ80の増幅媒体が添加されたコア部82が接続するように構成することで、増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Hの全長におけるコア部間の増幅利得の偏差が抑制される。
【0085】
このような1つのコア部82のみに増幅媒体を添加した増幅用マルチコア光ファイバ80を用いることで、増幅用マルチコア光ファイバ10のコア部間の増幅利得の偏差をより細かく調整できる。
【0086】
(実施の形態10)
図22は、本発明の実施の形態10に係る増幅用マルチコア光ファイバデバイスの模式的な構成図である。この増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Iは、2つの増幅用マルチコア光ファイバ10の互いのコア部を接続部30Dにて接続した構成を有する。
【0087】
接続部30Dは、光ファイババンドル31D、32Dで構成されている。光ファイババンドル31D、32Dは、
図4、5に示した光ファイババンドル31B、32Bと同様の構成をしており、光ファイババンドル31Dが有する単一コア光ファイバと、光ファイババンドル32Dが有する単一コア光ファイバとが接続されている。しかしながら、光ファイババンドル32Dを構成する或る単一コア光ファイバ32Daのコア部には増幅媒体が添加されている。この増幅用マルチコア光ファイバデバイス100Iでは、単一コア光ファイバ32Daのコア部に添加された増幅媒体による増幅利得が加算されることによって、増幅用マルチコア光ファイバ10のコア部間の増幅利得の偏差が抑制されている。
【0088】
なお、上記実施の形態では、接続される増幅用マルチコア光ファイバの数は2または3であるが、その数に特に制限はない。なお、上記実施の形態では、接続される増幅用マルチコア光ファイバはいずれの7つのコア部が正六角形の頂点およびその中心の位置に配置されているが、コア部の数や配置は特に限定されない。
【0089】
また、上記実施の形態9、10では、コア部のすべてに増幅媒体が添加された増幅用マルチコア光ファイバと、コア部の一部に増幅媒体が添加された増幅用マルチコア光ファイバとを接続しているが、コア部の一部に増幅媒体が添加された増幅用マルチコア光ファイバ同士を接続してもよい。この場合、いずれのコア部も、接続した全長ではその長手方向の少なくとも一部では増幅媒体が添加されており、増幅利得を有するように接続を行うことが好ましい。
【0090】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。