特許第5823884号(P5823884)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5823884
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月25日
(54)【発明の名称】バランス回路
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20151105BHJP
   H02J 7/02 20060101ALI20151105BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20151105BHJP
【FI】
   H02J7/00 S
   H02J7/02 H
   H02H7/18
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-25125(P2012-25125)
(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公開番号】特開2013-162722(P2013-162722A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2014年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高山 茂樹
【審査官】 岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−172992(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/119682(WO,A1)
【文献】 特開2004−180395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/02−31/06
H01G 2/02
2/08
2/24
9/00
9/07
9/21
9/26−11/86
H02H 1/00− 3/07
7/00
7/10− 7/20
99/00
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電回路の出力端子からグラウンドまで直列接続され、前記充電回路の出力電圧により充電される2以上のセルを備え、各セルの前記充電回路の出力端子側の一端電圧とグラウンド側の他端電圧との電位差をそれぞれ均等化するバランス回路において、
隣り合う2つのセルの接続部の電圧を前記出力電圧の分圧電圧に設定するバランスアンプと、
前記充電回路の起動期間中に前記バランスアンプを停止させ、前記充電回路の定常時に前記バランスアンプを動作させる停止回路と、
前記バランスアンプの出力端子と、前記分圧電圧よりも小さい第1の基準電圧に接続する端子との間に接続された電流生成回路と、
前記バランスアンプの出力端子の電圧が、前記第1の基準電圧と前記分圧電圧との間の電圧である第2の基準電圧を下回ったときに、前記第2の基準電圧を下回ったことを示す検出信号を出力する開放検出回路とを備え、
前記検出信号に応じて前記充電回路を停止させることを特徴とするバランス回路。
【請求項2】
充電回路の出力端子からグラウンドまで直列接続され、前記充電回路の出力電圧により充電される2以上のセルを備え、各セルの前記充電回路の出力端子側の一端電圧とグラウンド側の他端電圧との電位差をそれぞれ均等化するバランス回路において、
隣り合う2つのセルの接続部の電圧を前記出力電圧の分圧電圧に設定するバランスアンプと、
前記充電回路の起動期間中に前記バランスアンプを停止させ、前記充電回路の定常時に前記バランスアンプを動作させる停止回路と、
前記バランスアンプの出力端子と、前記分圧電圧よりも大きい第1の基準電圧に接続する端子との間に接続された電流生成回路と、
前記バランスアンプの出力端子の電圧が、前記第1の基準電圧と前記分圧電圧との間の電圧である第2の基準電圧を超えたときに、前記第2の基準電圧を超えたことを示す検出信号を出力する開放検出回路とを備え、
前記検出信号に応じて前記充電回路を停止させることを特徴とするバランス回路。
【請求項3】
前記充電回路の出力端子及び前記バランスアンプの出力端子と、前記グラウンドとの間に放電回路をさらに備え、
前記放電回路は、前記各セルの電荷を前記検出信号に応じて放電することを特徴とする請求項1又は2に記載のバランス回路。
【請求項4】
前記停止回路は、前記充電回路の起動期間中に前記電流生成回路が生成する電流を前記バランスアンプの出力端子と前記第1の基準電圧に接続する端子との間に流し、前記充電回路の定常時に前記バランスアンプの出力端子と前記第1の基準電圧に接続する端子との間に電流を流さないことを特徴とする請求項1又は2に記載のバランス回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バランス回路に関し、より詳細には、コンデンサの各セルの両端の電位差をそれぞれ均等化するバランスアンプを備え、回路内の接続端子がオープンであっても、各セルが破壊されるのを防止できるバランス回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイやデジタルカメラ機能付携帯電話のフラッシュ装置等を小型化、薄型化するために、LED(発光ダイオード)を用いることが考えられている。
【0003】
このとき、LEDを高輝度で発光させるには、小型で大容量のコンデンサが必要となるが、このLEDに高い電圧を印加して点灯させるLED点灯装置では、LEDに電荷を供給する素子としてEDLC(電気二重層コンデンサ)を用いることが特許文献1に記載されている。
【0004】
ところで、EDLCは、大容量で電荷を多量に蓄えることができるが耐電圧が低いため、高耐電圧のコンデンサとして利用するためには、複数個のEDLCのセルを直列接続して使用する必要がある。また、直列接続された各セルは、その容量にバラツキがあるため、各セルのそれぞれに抵抗又はダイオードを並列に接続して各セルの両端電圧を均等化するバランス回路が用いられている。
【0005】
図9に、従来のバランス回路70の回路図を示す。従来のバランス回路70は、充電回路2と直列接続したEDLC3と、充電回路2が出力する出力電圧VOUTを分圧する抵抗21a、21bを有する抵抗分割回路5と、その分圧した電圧を直列接続されたEDLC3のセルA及びセルBの接続部23に出力するボルテージフォロワであるバランスアンプ(Balancing Amp)7とを備えている。
【0006】
この従来のバランス回路70の動作について説明する。まず、充電回路2が入力電圧Vinから安定した出力電圧VOUTを出力端子17に直列接続されたEDLC3のセルA及びセルBに出力する。そして、抵抗分割回路5は、出力電圧VOUTを分圧し、バランスアンプ7は、その分圧電圧をバッファリングする。バランスアンプ7は、BAL端子11に接続されたセルA及びセルBの接続部23を、出力電圧である出力電圧VOUTの(接続部よりグラウンド側のセルの個数)/(セルの個数)の電圧に調整する。例えば、セルA及びセルBの接続部23は、出力電圧VOUTの1/2の電圧に調整する。
【0007】
この従来のバランス回路では、回路全体に流れる漏れ電流が大であると共に、抵抗等での発熱が大きく、電力を無駄に消費しているという問題点があった。この問題を解決する技術として特許文献2に記載されているものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−295769号公報
【特許文献2】実開平5−23527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のバランス回路には、セル間の共通接続部の端子であるBAL端子や充電回路の出力端子等の接続端子がオープンになると、システムが正常に動作しなくなり、特に、接続端子が接続不良などによりオープンになると、セルが破壊される場合があるという問題があった。
【0010】
例えば、BAL端子がオープンになると、各セルの電位差を均等化できなくなり、容量値の小さなセルに高い電圧が掛かる。高い電圧が掛かったセルは一方のセルよりも劣化し易くなる。劣化によりEDLCは容量値が小さくなるため、容量値の小さくなったセルにさらに高い電圧が掛かる。さらに高い電圧が掛かると、さらにセルの劣化が進み容量値が小さくなる。このようにセルの劣化が進む事により、最終的にセルが破壊される場合がある。
【0011】
本発明は、上記のような点に鑑みて行われたものであり、回路内の接続端子がオープンであっても、コンデンサの各セルが破壊されるのを防止できるバランス回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、充電回路の出力端子からグラウンドまで直列接続され、充電回路の出力電圧により充電される2以上のセルを備え、各セルの充電回路の出力端子側の一端電圧とグラウンド側の他端電圧との電位差をそれぞれ均等化するバランス回路において、隣り合う2つのセルの接続部の電圧を出力電圧の分圧電圧に設定するバランスアンプと、充電回路の起動期間中にバランスアンプを停止させ、充電回路の定常時にバランスアンプを動作させる停止回路と、バランスアンプの出力端子と、分圧電圧よりも小さい第1の基準電圧に接続する端子との間に接続された電流生成回路と、バランスアンプの出力端子の電圧が、第1の基準電圧と分圧電圧との間の電圧である第2の基準電圧を下回ったときに、第2の基準電圧を下回ったことを示す検出信号を出力する開放検出回路とを備え、検出信号に応じて充電回路を停止させることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、バランス回路内の接続端子がオープンであっても、オープンになったことを検出して、コンデンサの各セルに出力電圧を出力する充電回路を停止させることができる。これにより、各セルの両端の電位差を均等化することができなくなって容量値の小さなセルに高い電圧がかかり、セルの両端電圧が耐電圧を超えるという事態を回避することができるので、セルが破壊されるのを防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、充電回路の出力端子からグラウンドまで直列接続され、充電回路の出力電圧により充電される2以上のセルを備え、各セルの充電回路の出力端子側の一端電圧とグラウンド側の他端電圧との電位差をそれぞれ均等化するバランス回路において、隣り合う2つのセルの接続部の電圧を出力電圧の分圧電圧に設定するバランスアンプと、充電回路の起動期間中にバランスアンプを停止させ、充電回路の定常時にバランスアンプを動作させる停止回路と、バランスアンプの出力端子と、分圧電圧よりも大きい第1の基準電圧に接続する端子との間に接続された電流生成回路と、バランスアンプの出力端子の電圧が、第1の基準電圧と分圧電圧との間の電圧である第2の基準電圧を超えたときに、第2の基準電圧を超えたことを示す検出信号を出力する開放検出回路とを備え、検出信号に応じて充電回路を停止させることを特徴とする。これにより、上記請求項1に記載の発明と同様に、セルが破壊されるのを防止することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバランス回路であって、充電回路の出力端子及びバランスアンプの出力端子と、グラウンドとの間に放電回路をさらに備え、放電回路は、各セルの電荷を検出信号に応じて放電することを特徴とする。この構成によれば、各セルの出力端子側の電圧がグラウンド電圧に保持されて、余計に充電された電荷をグラウンドへ放電することができる。これにより、各セルの両端に高い電圧がかかってセルの劣化が進むのを防ぐことができるため、セルの寿命をより長くすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバランス回路であって、停止回路は、充電回路の起動期間中に電流生成回路が生成する電流をバランスアンプの出力端子と第1の基準電圧に接続する端子との間に流し、充電回路の定常時にバランスアンプの出力端子と第1の基準電圧に接続する端子との間に電流を流さないことを特徴とする。これにより、充電回路の定常時に、充電回路が供給する充電電流を減少や増加をさせることなくセル間の接続部に流すことができるため、接続部に接続するバランスアンプの出力端子の電圧をより精度良く調整することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、バランス回路は、回路内の接続端子がオープンであっても、コンデンサの各セルが破壊されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1のバランス回路の回路図である。
図2】本発明の実施形態1のバランス回路の動作を説明するための図である。
図3】本発明の実施形態1のバランス回路の他の動作を説明するための図である。
図4】本発明の実施形態2のバランス回路の回路図ある。
図5】本発明の実施形態3のバランス回路の回路図ある。
図6】本発明の実施形態3のバランス回路の動作を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態4のバランス回路の回路図である。
図8】本発明の実施形態4のバランス回路の動作を説明するための図である。
図9】従来のバランス回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明のバランス回路は、ディスプレイのバックライトや乗用車のテールランプ等に利用されているLED点灯装置等に用いることができる。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1のバランス回路1の回路図である。図1において、バランス回路1は、入力電圧Vinから安定した出力電圧VOUTを出力する充電回路2と、充電回路2と直列接続されて出力電圧VOUTを入力するEDLC3と、EDLC3が有する2つの直列接続されたセルA及びセルBの両端電圧の中間電圧、つまり出力電圧VOUTを分圧した分圧電圧を生成する抵抗分割回路5と、抵抗分割回路5で分圧された分圧電圧によりEDLC3の電圧を調整するバランスアンプ7とを備えている。
【0021】
さらに、バランス回路1は、充電回路2の出力電圧VOUTが基準電圧VREFAの電圧に到達するまでの起動期間中にバランスアンプ7を停止させる停止回路9と、バランスアンプ7が分圧電圧を出力するBAL端子11から第1の基準電圧であるグラウンドへ充電回路2の充電電流よりも小さな電流を流す電流生成回路13と、BAL端子11の電圧が第2の基準電圧VREFBを下回ったときにBAL端子11がオープンであることを検出する開放検出回路15とを備えている。第2の基準電圧VREFBは、出力電圧VOUTを分圧した分圧電圧とグラウンド電圧との間の電圧である。
【0022】
EDLC3のセルAは、一端が充電回路2と出力端子17を介して接続され、他端がセルBの一端と直列に接続されている。セルBの他端は、GND端子19でグラウンドに接続されている。抵抗分割回路5は、直列に接続された2つの抵抗21a及び21bで構成され、一端が充電回路2に接続されて、他端がグラウンドに接続されている。バランスアンプ7は、分圧電圧を入力する+入力端子が抵抗21a及び21bの接続部22と接続され、分圧電圧を出力するBAL端子11が−入力端子、並びにセルA及びセルBの接続部23と接続されている。バランスアンプ7は、BAL端子11に接続され、コンデンサであるEDLC3を構成するセルA及びセルBの接続部23を、出力電圧VOUTの(接続部よりグラウンド側のセルの個数)/(セルの個数)の電圧に調整する。
【0023】
停止回路9は、充電回路2の出力電圧VOUTと基準電圧VREFAとを比較し、出力電圧VOUTの電圧変動を検出して検出信号をバランスアンプ7に出力するコンパレータ25で構成されている。コンパレータ25は、+入力端子が基準電圧VREFAの生成回路の出力に接続され、−入力端子が充電回路2に接続されて、出力端子がバランスアンプ7に接続されている。コンパレータ25は、出力電圧VOUTが基準電圧VREFAの電圧に到達するまでを起動期間中として出力電圧VOUTを監視する。
【0024】
電流生成回路13は、直流電流源27で構成されている。直流電流源27は、一端がBAL端子11に接続され、他端がGND端子28で第1の基準電圧であるグラウンドに接続されている。
【0025】
開放検出回路15は、BAL端子11の電圧と第2の基準電圧VREFBとを比較し、BAL端子11の電圧の電圧変動を検出して検出信号を充電回路2に出力するコンパレータ29で構成されている。コンパレータ29は、+入力端子が第2の基準電圧VREFBの生成回路の出力に接続され、−入力端子がBAL端子11に接続されて、出力端子が充電回路2に接続されている。このように構成される実施形態1のバランス回路1の動作を、図2及び図3を用いて以下に説明する。
【0026】
図2は、本発明の実施形態1のバランス回路1の動作を説明するための図であり、BAL端子11がオープンになった場合の動作を示す図である。
【0027】
まず、充電回路2の起動期間中で、出力電圧VOUTがコンパレータ25の基準電圧VREFAよりも低いとき、停止回路9はHI信号をバランスアンプ7に出力してバランスアンプ7を停止させる。このとき、バランスアンプ7の出力は電位がフローティングになる。これにより、セルA及びセルBの両端電圧が安定していない充電回路2の起動期間中は、EDLC3に出力電圧VOUTの分圧電圧を出力しない。
【0028】
ここで、電流生成回路13の電流を充電回路2による充電電流より十分小さく設定するとで、充電回路2からセルAに供給される充電電流とセルA及びセルBの接続部23からセルBに流れる電流とは近似的に等しいと考えることができる。これにより、BAL端子11の電圧はセルA及びセルBの容量値とVOUTにより下式で決定することができる。
【0029】
BAL端子11がオープンでない場合で、電流生成回路13の電流が充電電流よりも十分小さいとき、セルAの容量値をCA、セルBの容量値をCB、出力電圧をVOUTとするとBAL端子11の電圧VBALは下式で表される。
【0030】
BAL=VOUT・CA/(CA+CB)
なお、CAとCBが等しい場合は1/2・VOUTになるが、実際には容量値のばらつきにより電圧は上下する。
【0031】
BAL端子11がオープンになった場合、BAL端子11には電流が流れなくなり、バランスアンプ7の出力端子の電圧は電流生成回路13によりプルダウンされる。このため、BAL端子11の電圧は、第1の基準電圧であるグラウンド電圧とバランスアンプ7に入力される出力電圧VOUTの分圧電圧との間の電圧である第2の基準電圧VREFBを下回り、やがてグラウンド電圧まで下がる。BAL端子11の電圧が第2の基準電圧VREFBを下回ると、開放検出回路15はBAL端子11がオープンになったことを示す検出信号であるHI信号を充電回路2に出力する。HI信号が充電回路2に入力されると充電回路2は停止(パワーダウン)して、セルA及びセルBへの充電動作が行われなくなる。
【0032】
このようにして、BAL端子11がオープンであっても、オープンになったことを検出して出力電圧VOUTをセルA及びセルBに出力する充電回路2を停止させることができる。これにより、セルA及びセルBのそれぞれの電位差を均等化することができなくなって容量値の小さなセルに高い電圧がかかり、セルの両端電圧が耐電圧を超えるという事態を回避することができるので、セルが破壊されるのを防止することができる。
【0033】
図3は、本発明の実施形態1のバランス回路1の他の動作を説明するための図であり、充電回路2の出力端子17がオープンになった場合の動作を示す図である。
【0034】
出力端子17がオープンになった場合、充電回路2からセルA及びセルBへ充電電流が供給されなくなる。すると、セルA及びセルBの接続部23からBAL端子11に電流が流れなくなり、バランスアンプ7の出力端子の電圧は電流生成回路13によりプルダウンされる。このため、BAL端子11の電圧は、第1の基準電圧であるグラウンド電圧とバランスアンプ7に入力される出力電圧VOUTの分圧電圧との間の電圧である第2の基準電圧VREFBを下回り、やがてグラウンド電圧まで下がる。BAL端子11の電圧が第2の基準電圧VREFBを下回ると、開放検出回路15は出力端子17がオープンになったことを示す検出信号であるHI信号を充電回路2に出力する。すなわち、充電回路2と直列接続されたセルA及びセルBとの接続不良を検出して、出力電圧VOUTをセルA及びセルBに出力する充電回路2を停止させることができる。
【0035】
したがって、本発明の実施形態1のバランス回路1は、上述の構成及び動作により、回路内の端子がオープンであっても、セルA及びセルBの両端電圧が耐電圧を超えるという事態を回避することができるので、セルA及びセルBが破壊されるのを防止することができる。
【0036】
なお、回路内の端子がオープンでない場合、出力電圧VOUTが上昇して基準電圧VREFAを超え、充電回路2が起動期間から定常時になると、停止回路9のコンパレータ25はLO信号をバランスアンプ7に出力する。すると、バランスアンプ7は、動作を開始して、出力電圧VOUTを分圧した分圧電圧をバッファリングして、セルA及びセルBの接続部23の電圧を分圧電圧に設定する。そして、各セルの両端電圧は均等化される。
【0037】
ここで、停止回路9は、コンパレータ25で構成されているが、セルA及びセルBの充電を開始してから一定時間をカウントするカウンターでも代用できる。例えば、一定時間をカウンターのMSB信号が反転するまでの時間に設定すると、MSB信号をバランスアンプ7を停止させる信号として用いることができる。また、基準電圧VREFAの生成回路は、バンドギャップ回路やレギュレータ等を用いることができる。
【0038】
また、電流生成回路13は、直流電流源27に限らず、抵抗、ダイオード、トランジスタスイッチ、レギュレータ出力を接続してもよい。ただし、BAL端子11がオープンでないときに、グラウンドへ流れる電流を小さくできるため、電流源や抵抗を用いることが好ましい。
【0039】
なお、本実施形態では、2個のセルA及びセルBを直列接続した場合について説明したが、N個(Nは2以上の整数)のセルを直列接続した場合でも、バランスアンプの出力端子、充電回路の出力端子等の接続端子がオープンになったことを検出して充電回路を停止することができる。このとき、各セル間の共通接続部に出力電圧を分圧した分圧電圧をそれぞれ与える(N−1)個のバランスアンプを用意し、各バランスアンプに停止回路の出力信号を与え、各バランスアンプの出力端子に電流生成回路と開放検出回路をそれぞれ接続すればよい。
【0040】
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2のバランス回路30の回路図である。実施形態1との相違点は、電流生成回路31が出力端子17とBAL端子11との間に挿入して備えられ、第1の基準電圧が出力電圧VOUTとなる点、第2の基準電圧VREFBを充電回路2の出力電圧VOUTと出力電圧VOUTの分圧電圧との間の電圧とした点、開放検出回路15におけるコンパレータ35はコンパレータ29の−入力端子と+入力端子とを入れ替えたものである点である。
【0041】
電流生成回路31は、直流電流源33で構成されている。直流電流源33は、一端がBAL端子11に接続され、他端が出力端子17を介して出力電圧VOUTに接続されている。
【0042】
実施形態2のバランス回路30では、BAL端子11、出力端子17に限らずセルBの他端のGND端子19がオープンになったことも検出することができる。すなわち、GND端子19がオープンになった場合、GND端子19には電流が流れなくなり、電流生成回路31にも電流が流れなくなる。このため、BAL端子11の電圧は、電流生成回路31によりプルアップされて、出力電圧VOUTとバランスアンプ7に入力される出力電圧VOUTの分圧電圧との間の電圧である第2の基準電圧VREFBを超え、やがて出力電圧VOUTまで上昇する。GND端子19の電圧が第2の基準電圧VREFBを超えると、開放検出回路15はGND端子19がオープンになったことを示す検出信号であるHI信号を充電回路2に出力する。HI信号が充電回路2に入力されると充電回路2は停止して、セルA及びセルBへの充電動作が行われなくなる。したがって、本発明の実施形態2のバランス回路は、上述の構成及び動作により、セルBの他端のGND端子19がオープンであっても、セルA及びセルBの両端電圧が耐電圧を超えるという事態を回避することができるので、セルA及びセルBが破壊されるのを防止することができる。
【0043】
また、開放検出回路15は、電流生成回路31が出力端子17とBAL端子11との間に接続されたとき、第2の基準電圧VREFBを充電回路2の出力電圧VOUTと出力電圧VOUTの分圧電圧との間の電圧として、実施形態1のバランス回路1におけるコンパレータ29の−入力端子と+入力端子とを入れ替えたコンパレータ35とすればよい。
【0044】
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3のバランス回路40の回路図である。実施形態3のバランス回路40は、実施形態1のバランス回路1において、開放検出回路15から出力される検出信号を入力し、検出信号に応じてセルA及びセルBの電荷をグラウンドへ放電する放電回路41が追加して備えられている。
【0045】
放電回路41は、充電回路2の出力端子17とBAL端子11に接続された放電用トランジスタ43及び45で構成されている。放電用トランジスタ43は、出力端子17とグラウンドとの間に設けられ、放電用トランジスタ45は、BAL端子11とグラウンドとの間に設けられている。また、放電用トランジスタ43及び45のゲート端子は、それぞれコンパレータ29の出力端子と接続されている。
【0046】
図6は、実施形態3のバランス回路40の動作を説明するための図であり、BAL端子11がオープンになった場合の動作を示す図である。実施形態1と同様に、BAL端子11がオープンになったことを開放検出回路15が検出すると、検出信号であるHI信号が放電回路41の放電用トランジスタ43及び45に入力される。すると、セルA及びセルBのそれぞれの出力端子17側の電圧がグラウンド電圧に保持されて、余計に充電された電荷をグラウンドへ放電することができる。これにより、セルA及びセルBの両端に高い電圧がかかって、セルA及びセルBの劣化が進むのを回避できるため、各セルの寿命をより長くすることができる。
【0047】
(実施形態4)
図7は、実施形態4のバランス回路50の回路図である。実施形態4のバランス回路50は、実施形態1のバランス回路1において、電流生成回路13とBAL端子11とを導通又は遮断するスイッチ51が追加して備えられている。スイッチ51は、充電回路2が起動期間から定常時に移行したときに、電流生成回路13に流れる電流を遮断して、充電回路2から供給される充電電流を減少させることなく、セルA及びセルBに流すようにするためのものである。
【0048】
スイッチ51は、トランジスタ53で構成されている。トランジスタ53の一端はBAL端子11に接続され、他端は電流生成回路13の直流電流源27に接続されている。トランジスタ53のゲート端子は、停止回路9のコンパレータ25の出力端子に接続されている。
【0049】
図8は、本発明の実施形態4のバランス回路50の動作を説明するための図である。BAL端子11がオープンではなく、接続に異常が無い場合、出力電圧VOUTがコンパレータ25の基準電圧VREFAを超えると停止回路9の出力が反転し、バランスアンプ7をオンさせると共にスイッチ51をオフさせ、電流生成回路13を遮断する。これにより、充電回路2の定常時に、充電回路2から流れる充電電流を減少させることなくセルA及びセルBの接続部23に流すことができるため、接続部23に接続するBAL端子11の電圧をより精度良く調整することができる。
【0050】
なお、スイッチ51は電流生成回路13とグラウンドとの間に接続してもよい。また、実施形態2のバランス回路30のように、図4の電流生成回路31を充電回路2の出力端子17とBAL端子11との間に接続する場合は、スイッチ51はBAL端子11と電流生成回路31又は出力端子17と電流生成回路13の間に接続する。このとき、充電回路2の定常時に、充電回路2から流れる充電電流を増加させることなくセルA及びセルBの接続部23に流すことができるため、接続部23に接続するBAL端子11の電圧をより精度良く調整することができる。本願発明の実施形態は、上述の実施形態に限られず、上記実施形態のバランス回路を組み合わせることもできる。
【0051】
また、本発明のバランス回路は、充電回路の出力端子からグラウンドまで順に接続され、充電回路が出力する出力電圧により充電される第1乃至第N(Nは2以上の整数)のセルの出力端子側の一端電圧とグラウンド側の他端電圧との電位差をそれぞれ均等化するバランス回路において、第k(1≦k≦N−1)のセルと第(k+1)のセルとが接続された第kの接続部の電圧を出力電圧を分圧した第kの分圧電圧に設定する第kのバランスアンプと、起動期間中に第1乃至第Nのバランスアンプを停止させる停止回路と、充電回路が供給する充電電流よりも小さな電流を第kのバランスアンプの出力端子から第1の基準電圧を有する端子に流す第kの電流生成回路と、第kのバランスアンプの出力端子の電圧が、第kの分圧電圧と第1の基準電圧との間の第2の基準電圧を超えたときに、検出信号を出力する開放検出回路とを備え、検出信号に応じて充電回路を停止させることを特徴とすることができる。
【0052】
上記のバランス回路において、充電回路の出力端子及び第1乃至第(N−1)のバランスアンプの出力端子と、グラウンドとの間に放電回路をさらに備え、放電回路は、第1乃至第Nのセルの電荷を検出信号に応じて放電することを特徴とすることができる。
【0053】
上記のバランス回路において、停止回路は、起動期間中に第1乃至第(N−1)の電流生成回路が生成する各電流が流れるようにし、定常時に第1乃至第(N−1)の電流生成回路が生成する各電流が流れないようにすることを特徴とすることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 バランス回路
2 充電回路
3 EDLC
5 抵抗分割回路
7 バランスアンプ
9 停止回路
11 BAL端子
13 電流生成回路
15 開放検出回路
17 出力端子
19 GND端子
21a、21b 抵抗
22、23 接続部
25 コンパレータ
27 直流電流源
28 GND端子
29 コンパレータ
30 バランス回路
31 電流生成回路
33 直流電流源
35 コンパレータ
40 バランス回路
41 放電回路
43、45 放電用トランジスタ
50 バランス回路
51 スイッチ
53 トランジスタ
70 バランス回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9