(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態について説明する。
以下の実施形態では、管理装置において、SNMP等の監視用プロトコルによる問い合わせ要求を送信するのに際して、以下の特徴を有する。
すなわち、管理装置内の複数の管理手段から対応する1台(一つ)の被管理装置に対する監視プロトコルによる問い合わせ要求を直列化することで、対応する被管理装置への問い合わせ要求の集中を制御できることが特徴になっている。なお、1つの管理手段から複数の問い合わせ要求を発行することもできる。
【0009】
監視プロトコルによる問い合わせ要求の直列化とは、被管理装置に対する監視プロトコルによる問い合わせ要求を随時受付け、その問い合わせ要求を受付順に対応する被管理装置へ送信し、1問い合わせ要求毎に対応する被管理装置からその問い合わせ要求に対する応答を受信した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を対応する被管理装置へ送信することである。
そこで、その特徴について
図1〜
図6を参照して具体的に説明する。
【0010】
〔管理システムのネットワーク構成例〕
まず、この発明の一実施形態である管理システムについて説明する。なお、この実施形態では、使用する監視プロトコルをSNMPとするが、他の監視プロトコルを使用することもできる。
図1は、この発明の一実施形態である管理システムのネットワーク構成例を示す概念図である。
【0011】
この管理システムは、SNMPによる監視方法で想定しているシステムであり、1台の管理装置100と、複数台の被管理装置200(200a,200b,・・・,200n)とを備えている。それらの機器の接続は、TCP/IPネットワーク300を通して行うが、その伝送路は有線、無線を問わない。伝送路が有線である例としては、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394ネットワークやネットウェア(NetWare)ネットワークなどが、伝送路が無線である例としては、無線LAN(ローカルエリア・ネットワーク)(IEEE802.11b等)やブルートゥース(Bluetooth:登録商標)(R)などがあげられる。
【0012】
なお、上記各機器の接続を、TCP/IPネットワーク300以外のネットワークを介して行ったり、RS−485規格等に準拠したシリアル接続や、SCSI(Small Computer System Interface)規格等に準拠したパラレル接続等によって行ってもよい。
【0013】
管理装置100は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、サーバなどのいかなるコンピューティング・システムであってもよく、SNMPマネージャ機能を有する機器を対象とする。
被管理装置200は、TCP/IPネットワーク(以下単に「ネットワーク」と略称する)300に繋がるネットワークスイッチ(スイッチングハブ等)、ルータ、画像形成装置(プリンタ,複写機,複合機等)など、SNMPエージェント機能を有する機器を対象とする。
【0014】
〔管理装置のハードウェア構成例〕
次に、
図1の管理装置100のハードウェア構成例について説明する。
図2は、その管理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0015】
管理装置(以下「機器」ともいう)100は、CPU11、ディスプレイインタフェース(以下「インタフェース」を「I/F」という)12、RAM13、チップセット14,15、ハードティスク装置(以下「HDD」という)16、ネットワークI/F17、マウス18、キーボード19、およびモデム20を備えている。
【0016】
CPU11は、機器全体を統括的に制御する中央処理装置である。このCPU11は、HDD16内のプログラムをRAM13に読み込んだ後、そのプログラムに従って動作し、機器を制御する。それによって、この発明に関わる管理手段および順序制御手段としての機能を果たすことができる。
ディスプレイI/F12は、外部に接続されたディスプレイ(モニタ)を使って各種情報を表示するための信号を出力するものである。
【0017】
RAM13は、CPU11がプログラムを実行するために作業するワークメモリや、画像データを展開して格納(記憶)する画像メモリ等として使用する読み書き可能なメモリである。
チップセット14は、CPU11,ディスプレイI/F12,およびRAM13を高速な内部バスで接続し、また外部の汎用バス21とのデータ交換も行うものである。
【0018】
HDD16は、汎用バス21に接続されたメモリデバイスであり、OS(オペレーティングシステム)や、この発明に関わる処理等を実現するためのプログラムを含む各種データなどを格納している。なお、フラッシュメモリ等の他の不揮発性記憶手段を備え、それに各種データを格納するようにしても良い。
ネットワークI/F17は、外部機器(被管理装置200a,200b,・・・,200n)とネットワーク300を介してデータをやり取りするための通信手段である。
【0019】
チップセット14,HDD16,およびネットワークI/F17は、内部バスよりも低速な汎用バス21でつながれている。
チップセット15は、それらチップセット14,HDD16,およびネットワークI/F17と更に低速なバス22やポートとデータ交換を行う。
マウスポートやキーボードポートでは、外部に接続された入力装置であるマウス18やキーボード19によりユーザ操作による入力を受け付ける。また、モデムポートでは、外部のモデム20に接続された電話回線(公衆回線)によりFAX通信等が可能になっている。
【0020】
このように構成された管理装置100では、各被管理装置200を管理する(例えば異常をリアルタイムで検知する)ため、その各被管理装置200から、それぞれCPU使用率やRAM等のメモリ使用量などの情報を取得し、その取得した情報を対応する被管理装置200の管理情報に加えたり、その管理情報を修正したりするなど、管理情報の更新を行う。
【0021】
〔被管理装置のハードウェア構成例〕
次に、
図1の被管理装置200のハードウェア構成例について説明する。ここでは、被管理装置200aを画像形成装置とし、そのハードウェア構成例についてのみ説明する。
図3は、その被管理装置200aのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0022】
被管理装置(以下「機器」ともいう)200aは、操作部であるオペレーションパネル31、CPU32、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)33、不揮発性メモリ34、RAM35、ROM36、ネットワークI/F37、およびエンジン部38を備えている。
オペレーションパネル31は、エンジン部38に対する印刷(画像形成)指示等をユーザ操作によって入力するための各種の操作キー(操作スイッチ又は操作ボタンともいう)およびLCD又はCRT等の表示器を有する操作部である。
【0023】
CPU32は、機器全体を統括的に制御する中央処理装置である。このCPU32は、ROM36内のプログラムに従って動作し、機器を制御する。つまり、自己に内蔵されているモジュールおよび自己にASIC33を介して接続されている各種デバイスの入出力を制御したり、後述するエンジン部38による処理(プリント処理,スキャナ処理など)を実現するためのアプリケーションを実行することもできる。それによって、この発明に関わる応答手段としての機能を果たすことができる。
【0024】
ASIC33は、CPU32、RAM35、ROM36、ネットワークI/F37、およびオペレーションパネル31をそれぞれ接続するための複数のI/F等からなる多機能デバイスボードであり、CPU32の制御対象となるデバイスの共有化を図り、アーキテクチャの面からアプリケーション等の開発の高効率化を支援するICである。このASIC33は、ここでは画像処理用のハードウェア要素を備えている。
【0025】
不揮発性メモリ34は、自己の状態を外部に知らせるために公開する情報である管理情報ベース(Management Information Base:MIB)を含む各種データを格納している。MIBとしては、この被管理装置200aが画像形成装置なので、上述したCPU使用率等の制御系の状況以外に、印刷枚数やトナー等の消耗品の使用量又は残量、ジャム発生や故障状況など、機器の状況を知らせる情報がある。なお、HDDを備え、それに各種データを格納するようにしても良い。
【0026】
RAM35は、CPU32がプログラムを実行するために作業するワークメモリや、画像データを展開して格納する画像メモリ等として使用する読み書き可能なメモリである。
ROM36は、各種プログラムおよびデータなどを格納している読み出し専用メモリである。
ネットワークI/F37は、外部機器(管理装置100や他の被管理装置200b,・・・,200n)とネットワーク300を介してデータをやり取りするための通信手段である。
【0027】
エンジン部38は、機器がプリンタであれば、印刷データを可視画像として用紙(他の記録媒体でもよい)上に印刷する印刷機構部(画像形成手段)である。なお、印刷データがPDL(プリンタ記述言語)によって構成された印刷対象ファイルの場合、記録媒体に可視画像を印刷するためのビットマップ状の画像データに変換する必要がある。機器がデジタル複写機又はデジタル複合機であれば、原稿の画像を光学的に読み取る光学読み取り機構部(画像読取手段)と、印刷機構部とを備えたものとなる。
【0028】
〔管理装置および被管理装置の主要な機能構成例〕
次に、
図1の管理装置100および被管理装置200の主要な機能構成の第1例について説明する。
図4は、その管理装置100および被管理装置200の主要な機能構成の第1例を示すブロック図である。
【0029】
この管理装置100では、
図2のCPU11が、SNMPマネージャとして機能するためのプログラムをRAM13に格納し、そのプログラムを実行することにより、2つの管理手段110(110a,110b)および1つの順序制御手段120(120a)として機能することができる。なお、管理手段110は1つ又は3つ以上であっても良い。
被管理装置200では、SNMPエージェントとして機能するためのプログラムが
図3のROM36に格納されているため、そのプログラムをCPU32が実行することにより、応答手段210として機能することができる。また、被管理装置200はSNMPで管理されるネットワーク機器であるため、上述したMIB(管理情報ベース)210が不揮発性記憶手段220に格納されている。不揮発性記憶手段220は、
図3の不揮発性メモリ34に相当する。
【0030】
この例では、管理装置100が、管理対象の被管理装置200(200a)の情報(MIB)を取得するための問い合わせ要求を、被管理装置200へ送信する。情報の指定には、識別子であるオブジェクトID(OID)が用いられる。
被管理装置200は、問い合わせ要求を受信し、その問い合わせ要求によって指定された情報(管理装置100によって指定された情報)を不揮発性記憶手段220から読み出し、その指定情報を含む応答を管理装置100へ送信する。
【0031】
図4の管理装置100では、各管理手段110a,110bが、それぞれ被管理装置200aへの問い合わせ要求を順序制御手段120aへ送信する。
順序制御手段120aは、被管理装置200aと1:1の関係をとる。つまり、1台の被管理装置200aに対して1つの順序制御手段120aとなる。
この順序制御手段120aは、各管理手段110a,110bから対応する被管理装置200aに対する問い合わせ要求を随時受付け、その問い合わせ要求を受付順に対応する被管理装置200aへ送信する。
【0032】
順序制御手段120aは、1つの問い合わせ要求を対応する被管理装置200aへ送信し、その被管理装置200aからその問い合わせ要求に対する応答を受けるまで次の問い合わせ要求を実行しない。つまり、対応する被管理装置200aから問い合わせ要求に対する応答を受信した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を対応する被管理装置200aへ送信する。
これにより、1台の被管理装置200aに対する複数の管理手段110からの問い合わせ要求が集中しても、その被管理装置200aへの問い合わせ要求は直列化されるため、処理の集中を防ぐことができる。
【0033】
次に、
図1の管理装置100および被管理装置200の主要な機能構成の第2例について説明する。
図5は、その管理装置100および被管理装置200の主要な機能構成の第2例を示すブロック図である。
【0034】
この例は、
図4に示したものとは、管理装置100が実現できる管理手段110の数と被管理装置200の台数が異なる。
図5の管理装置100では、各管理手段110(110a,110b)が、各被管理装置200(200a,200b,200c)への問い合わせ要求をそれぞれ対応する順序制御手段120(120a,120b,120c)へ送信する。
【0035】
各順序制御手段120は、各被管理装置200とそれぞれ1:1の関係をとる。つまり、3台の被管理装置200に対してそれぞれ対応する1つの順序制御手段120となる。
この各順序制御手段120はそれぞれ、各管理手段110から対応する被管理装置200(200a,200b,200c)に対する問い合わせ要求を随時受付け、その問い合わせ要求を受付順に対応する被管理装置200へ送信する。
【0036】
すなわち、各順序制御手段120はそれぞれ、1つの問い合わせ要求を対応する被管理装置200へ送信し、その被管理装置200からその問い合わせ要求に対する応答を受けるまで次の問い合わせ要求を実行しない。つまり、対応する被管理装置200から問い合わせ要求に対する応答を受信した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を対応する被管理装置200へ送信する。
これにより、複数台の被管理装置200に対する複数の管理手段110からの問い合わせ要求が集中しても、複数台の被管理装置200への問い合わせ要求はそれぞれ直列化されるため、処理の集中を防ぐことができる。
【0037】
〔管理システムにおける被管理装置の管理方法〕
次に、
図4の管理装置100の複数の管理手段110a,110bから1台の被管理装置200aを管理(監視)する際の管理方法の通信シーケンスについて説明する。
図6は、その管理方法の通信シーケンスの異なる例を示す図である。なお、管理装置100の複数の管理手段110a,110bから1台の被管理装置200aへの問い合わせ要求が重複しない場合をケースA、重複する場合をケースB,Cとする。また、この
図6において、ステップを「S」と略記している。
【0038】
ケースA,B,Cのいずれにおいても、管理装置100の順序制御手段120aは、管理手段110a,110bから対応する被管理装置200aに対する問い合わせ要求を随時受付け、その問い合わせ要求を受付順に対応する被管理装置200aへ送信している。そして、その被管理装置200aからその問い合わせ要求に対する応答を受信した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を対応する被管理装置200aへ送信している。
【0039】
具体的には、次の通りである。
管理装置100の複数の管理手段110a,110bから1台の被管理装置200aへの問い合わせ要求が重複しないケースAでは、まず問い合わせ要求実行中でない順序制御手段120aに対して各管理手段110a,110bからそれぞれ間隔を置いて問い合わせ要求を送信している(S1,S5)。なお、問い合わせ要求には、その送信元(要求元)と送信先(要求先)をそれぞれ示す情報および要求の種類を示す情報が付加されている。
【0040】
管理装置100の順序制御手段120aは、管理手段110aから問い合わせ要求を受付けると、その問い合わせ要求を対応する被管理装置200aへ送信する(S2)。このとき、受付けた問い合わせ要求にはその送信先を示す情報が付加されており、その送信先が被管理装置200aであることが判るため、その被管理装置200aへ受付けた問い合わせ要求を送信することができる。
【0041】
被管理装置200aの応答手段210は、管理装置100から問い合わせ要求を受信すると、その問い合わせ要求を解析してその内容を認識する。そして、その問い合わせ要求によって指定された情報を不揮発性記憶手段220から読み出し、その指定情報を含む応答を問い合わせ要求の送信元の管理手段110aを持つ管理装置100へ送信する(S3)。このとき、先に受付けた問い合わせ要求に含まれている送信元を示す情報を送信する応答に付加する。
【0042】
管理装置100の順序制御手段120aは、管理装置200aへの問い合わせ要求に対応する応答を受信すると、その応答を対応する管理手段110a(問い合わせ要求の送信元)へ転送する(S4)。
管理手段110aは、問い合わせ要求に対応する応答を受信すると、その応答から指定した被管理装置200aの情報を取得し、その情報を被管理装置200aの管理情報に加えたり、その管理情報を修正したりするなど、管理情報の更新を行う。
【0043】
その後、管理装置100の順序制御手段120aは、管理手段110bから問い合わせ要求を受付けると、その問い合わせ要求を対応する被管理装置200aへ送信する(S6)。
以後、被管理装置200a、および管理装置100の順序制御手段120a,管理手段110bは、上述と同様の処理を行う(S7,S8)。但し、順序制御手段120aは、管理装置200aへの次の問い合わせ要求に対応する応答を受信すると、その応答を対応する管理手段110b(問い合わせ要求の送信元)へ転送する。
【0044】
一方、管理装置100の複数の管理手段110a,110bから1台の被管理装置200aへの問い合わせ要求が重複するケースBでは、まず問い合わせ要求実行中でない順序制御手段120aに対して管理手段110aから問い合わせ要求を送信した後、問い合わせ要求実行中の順序制御手段120aに対して管理手段110bから問い合わせ要求を送信している(S11,S13)。
【0045】
管理装置100の順序制御手段120aは、管理手段110aから問い合わせ要求を受付けると、その問い合わせ要求を対応する被管理装置200aへ送信する(S12)。
続いて、管理手段110bから問い合わせ要求を受付けるが、まだ管理手段110aから先に受付けた問い合わせ要求に対応する応答を受信していないため、その応答の受信を待つ。このとき、管理手段110bから受付けた問い合わせ要求を
図2のRAM13に保持する。
【0046】
そして、管理手段110aから先に受付けた問い合わせ要求に対応する応答を被管理装置200aから受信すると(S14)、その応答を対応する管理手段110a(問い合わせ要求の送信元)へ転送した後(S15)、次の受付順の問い合わせ要求をRAM13から読み出して、それを被管理装置200aへ送信する。
その後、管理装置200aへの次の受付順の問い合わせ要求に対応する応答を受信すると(S17)、その応答を対応する管理手段110b(問い合わせ要求の送信元)へ転送する(S18)。
【0047】
管理装置100の複数の管理手段110a,110bから1台の被管理装置200aへの問い合わせ要求が重複する他方のケースCでは、ケースBと若干異なる。
このケースCでは、順序制御手段120aが、管理手段110aから受付けた問い合わせ要求を対応する被管理装置200aへ送信した後(S21,S22)、次の処理を行う。
すなわち、管理手段110bから問い合わせ要求を受付けたとき(S23)、管理手段110aから先に受付けた問い合わせ要求に対応する応答を受信していない場合には、その応答の受信を待ち、管理手段110bから受付けた問い合わせ要求を
図2のRAM13に保持する。
【0048】
そして、管理手段110aから先に受付けた問い合わせ要求に対応する応答を被管理装置200aから受信すると(S24)、その応答をRAM13に保持した後、次の受付順の問い合わせ要求をRAM13から読み出して、それを被管理装置200aへ送信する(S25)。
そして、管理装置200aへの次の受付順の問い合わせ要求に対応する応答を受信すると(S17)、その応答をRAM13に保持した後、RAM13に保持した各応答を対応する管理手段110a,110bへ順次転送する(S27,S28)。
【0049】
なお、管理装置100の一つの順序制御手段120が、異なる問い合わせ要求を同一の管理手段110あるいは3つ以上の管理手段110から順次受付け、その問い合わせ要求を受付順に対応する被管理装置200へ送信することもできる。この場合、その被管理装置200からその問い合わせ要求に対する応答を受信した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を対応する被管理装置200へ送信する。
【0050】
あるいは、管理装置100の複数の順序制御手段120aがそれぞれ、自己が対応する被管理装置200に対する異なる問い合わせ要求を同一の管理手段110あるいは3つ以上の管理手段110から順次受付け、その問い合わせ要求を受付順に自己が対応する被管理装置200へ送信することもできる。この場合、その被管理装置200からその問い合わせ要求に対する応答を受信した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を自己が対応する被管理装置200へ送信する。
【0051】
このように、この実施形態における管理装置200によれば、以下の(a)〜(c)に示す作用効果を得ることができる。
(a)管理装置200の順序制御手段120が、
複数の管理手段110から対応する1台の被管理装置200に対する問い合わせ要求を随時受付け、その問い合わせ要求を受付順に対応する被管理装置200へ送信する。そして、その問い合わせ要求に対する応答を被管理装置200から受信した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を対応する被管理装置200へ送信する。それによって、1台の被管理装置200に対する複数の管理手段110からの問い合わせ要求が集中しても、処理の集中を防ぐことができるため、問い合わせ間隔を決定する機能を有していない被管理装置200を管理装置100が確実に監視することができる。
【0052】
(b)管理装置200の順序制御手段120が、被管理装置200から問い合わせ要求に対する応答を受信した際に、その問い合わせ要求の要求元の管理手段110へその受信した応答を転送した後にはじめて、次の受付順の問い合わせ要求を対応する被管理装置200へ送信すれば、次のような効果も得られる。つまり、被管理装置200から受信した応答を問い合わせ要求の要求元の管理手段110へ直ちに転送することができるため、応答を蓄積するためのメモリ(RAM)が不要となり、その分だけコストの低下につながる。
【0053】
(c)管理装置200の順序制御手段120が、先の問い合わせ要求に対する応答を被管理装置200から受信した際に、他の管理手段110(同じ管理手段110でもよい)から次の問い合わせ要求を受付けている場合には、該次の問い合わせ要求を対応する被管理装置200へ送信する。そして、その問い合わせ要求に対する応答を被管理装置200から受信した後、その応答と先に受信した応答をそれぞれ対応する問い合わせ要求の要求元の管理手段110へ転送するようにしてもよい。それによって、管理手段110から受付けた問い合わせ要求をできるだけ早く対応する被管理装置200へ送信するため、対応する被管理装置200との通信に要する時間を短縮でき、その分だけ通信費用の低下につながる。
【0054】
〔この実施形態におけるプログラム〕
このプログラムは、管理装置を制御するCPU(コンピュータ)を、この発明による前述した管理手段および順序制御手段として機能させるためのプログラムであり、このようなプログラムをCPUに実行させることにより、上述したような効果を得ることができる。
【0055】
このようなプログラムは、はじめから管理装置に備えるROM、あるいは不揮発性メモリ(フラッシュROM,EEPROM等)、あるいはHDD(ハードディスク装置)などの記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROM、あるいはメモリカード,フレキシブルディスク,MO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−R,DVD−RW,又はDVD−RAM等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムを管理装置にインストールしてCPUに実行させるか、CPUにそれらの記録媒体からこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手段として機能させることができる。
【0056】
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードし、管理装置にインストールしてCPUに実行させることも可能である。
なお、この発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。