(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段(2,6,4)は、前記アクチュエータシステム(1)の加熱領域を通して流体を輸送するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
請求項2に記載の投影露光装置(310)において、流体は、前記アクチュエータシステム(1)の加熱領域と相互作用する、特に加熱領域を流れるガス流として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
請求項1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、前記アクチュエータシステム(1)の加熱領域と熱的に接触し約400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、熱輸送素子(70)であることを特徴とする、投影露光装置。
請求項6に記載の投影露光装置(310)において、前記熱輸送素子(70)のうち前記アクチュエータシステム(1)の加熱領域から離れた側に、冷却体(5)を設けたことを特徴とする、投影露光装置。
請求項6〜8のいずれか1項に記載の投影露光装置(310)において、前記アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、前記投影対物レンズ内に配置した前記光学コンポーネント(7)の外側マウント(15)に配置し、熱輸送素子(70)は、前記対物レンズハウジングを通して外部に導いたことを特徴とする、投影露光装置。
請求項1〜9のいずれか1項に記載の投影露光装置(310)において、前記アクチュエータシステムは、ピエゾクローラ、ピエゾアクチュエータ、プランジャ型コイル、及び渦電流ブレーキからなる群から選択される素子を備えることを特徴とする、投影露光装置。
請求項1〜10のいずれか1項に記載の投影露光装置(310)において、前記アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、比熱容量の大きな本体(60)と熱的に接触させたことを特徴とする、投影露光装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、熱管理の改善を示す半導体リソグラフィ用の投影露光装置を明記することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、少なくとも1つの光学素子と、少なくとも1つの光学素子の機械的作動用のアクチュエータシステムとを備える、半導体リソグラフィ用の投影露光装置により達成する。光学素子は、外側マウントを備え、アクチュエータシステムは、少なくとも1つの光学素子への入熱を減らす熱輸送素子を備える。入熱は、アクチュエータシステムの動作中にアクチュエータシステムの加熱領域に生じる熱により発生し、アクチュエータの加熱領域は、光学素子の外側マウント上に配置して熱輸送素子と熱的に接触させ、熱輸送素子は、対物レンズハウジングを通して外部に導く。
【0007】
従属請求項は、本発明の有利な実施形態及び変形形態に関する。
【0008】
半導体リソグラフィ用の本発明による投影露光装置は、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステムと、アクチュエータシステムの動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つのコンポーネントへの入熱を減らす少なくとも1つの手段、例えば熱輸送素子とを有する。換言すれば、上記手段は、アクチュエータシステムの廃熱を作動コンポーネントの周囲から放散する役割、又は変形形態として、アクチュエータシステムの動作中に事実上不可避に生じる熱をコンポーネントの周辺に放出させるのではなくコンポーネントの周囲外に放出させる効果を発揮する役割を果たす。
【0009】
いずれの場合も、本発明には、作動コンポーネントの周囲が受ける熱が従来技術と比較して少ないという効果がある。特に、コンポーネントが投影対物レンズの内部又は内側(within or inside)に配置した光学素子である場合、この措置は有利であるが、これは、光学素子又は光学素子のマウントの部品の加熱が、概して光学素子の光学特性の変化、したがって関連の投影対物レンズの結像収差につながるからである。
【0010】
反対に、本発明による措置には、入熱の低減により作動を比較的高い能力で行うことができるという効果がある。これにより、アクチュエータシステムのタスク、例えばコンポーネントの特定の位置への移動又は望ましくない振動の速やかな減衰を、従来技術と比較して高い速度で行うことができる。さらに、本発明による措置は、従来技術と比較して大きな力を加えることを可能にする。
【0011】
上述のアクチュエータシステムの妨害的な加熱は、例えばアクチュエータ自体により、例えばピエゾ素子により、又はアクチュエータシステムと一体的に具現した電子コンポーネント、例えば増幅器等により引き起こされ得る。
【0012】
この場合、上記手段は、アクチュエータシステムの加熱領域を通して流体を輸送するのに適し得る。したがって、上記手段は、例えばコンポーネントと熱的に接触した本体内で、流体が流れるライン又は導管として例えば具現することができる。流体は、特に、例として、水若しくはヒマシ油等の液体、又は窒素若しくは空気等のガスとすることができる。流動する流体は、続いてアクチュエータシステムの廃熱を吸収し、上位システムの結像品質にとって不利な結果を伴わずに放出することができる領域に廃熱を放散する。したがって、例として、半導体リソグラフィ用の投影対物レンズに本発明を適用する場合、液体又はガスの流れを、まず冷却すべきアクチュエータシステムの領域を通して導くことにより、続いて対物レンズハウジングの壁を通して外部に導くようにすることができ、外部で液体又はガスの流れは、概して何らかの形で存在する対物レンズハウジングの冷却デバイス、いわゆる「レンズクーラ」に廃熱を放出する。上述の流体冷却の冷却能力は、例えば、単位時間当たりに加熱領域を流れる流体の量及び/又は流体の流れ温度を適宜適応させることにより適応させることができる。
【0013】
この場合、本発明は、ライン内でアクチュエータシステムの予測領域を流れる冷却流体に限定されない。代替的又は付加的に、アクチュエータシステムの加熱領域と相互作用する指向性ガス流を用いることもできる。このようなガス流は、冷却能力の変更に関して前段落で説明したように調整することもできる。
【0014】
上記手段は、同様にアクチュエータシステムの加熱領域と熱的に接触して高い熱伝導率、特に約400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する熱輸送素子とすることができる。このような熱輸送素子は、例えば、銅から又はヒートパイプとして形成することができ、アクチュエータシステムの加熱領域と直接機械的に、したがって熱的に接触させることができ、こうしてアクチュエータシステムの周囲から放熱することができる。例として、ペルチェ素子を、熱輸送素子のうちアクチュエータシステムから離れた側でヒートシンクとして用いることができる。上述と同様の方法で、熱輸送素子のうちアクチュエータシステムから離れた側を上述のレンズクーラと熱的に接触させることが同様に可能である。熱輸送素子自体は、多成分体(multicomponent body:複合体)として具現することもでき、すなわち、高い熱伝導率を有する媒体を充填した素子を用いることができる。特に、水又はナトリウムがここでは媒体として適している。
【0015】
アクチュエータシステムに対する熱輸送素子の機械的影響の最小化は、熱輸送素子を熱伝導ストリップとして、例えば銅編組ストリップとして具現することにより達成することができる。このような熱伝導ストリップの剛性が低い結果として、アクチュエータシステムの、したがって場合によっては作動コンポーネントの機械的擾乱が大幅に減る。さらに、例えば蛇腹等の機械的な分離部を設けた剛性の熱伝導素子を用いることも可能である。
【0016】
作動コンポーネントは、多くの場合、投影対物レンズの内側マウントに配置した光学素子として具現する。内側マウント自体は、外側マウント内に保持する。この場合、外側マウントは、同様の構成の他の外側マウントと共に対物レンズハウジングを形成するリング形の本体として具現することができる。説明した外側マウントは、機械的擾乱に関して内側マウントよりも重要ではないとみなすべきであるため、この場合の熱輸送素子との機械的な接触が引き起こす機械的擾乱は少ない。アクチュエータシステムの加熱領域を外側マウントにこうして配置した場合、この領域は、比較的剛性に具現した熱輸送素子と直接機械的に接触させることにより冷却することができる。この場合、すでに上述したように、熱輸送素子は、放熱を目的として外側マウントから離れた側で上記レンズクーラと熱的に接触させることができる。
【0017】
アクチュエータシステムの1つの可能な実施形態は、アクチュエータシステムを減衰システムとして具現することにある。このような減衰システムを用いて、例えば投影対物レンズの結像品質の低下につながり得る機械的励起、例えば振動を抑制するか、又は当該振動を急速に減衰させる。この場合、コンポーネントの位置決め用のアクチュエータシステムと減衰システムとしてのアクチュエータの実施形態との間の境界は、流動的である場合が多く、特に、十分に大きな調節幅を有する位置決めシステムを、望ましくない振動を減衰させるための減衰システムとして変更することが可能である。本発明の有利な一実施形態では、減衰素子は、ピエゾ素子により、特に独国特許出願公開第102 25 266号明細書に記載のピエゾアクチュエータの様式のアクチュエータとして実現することができ、上記ピエゾアクチュエータは、ピエゾクローラと称する。引用した文献は、アクチュエータロータ又は作動したランナ(すなわち、操作又は位置決め対象のコンポーネントに概して作用するアクチュエータの移動部品)を、これに対して垂直な、ピエゾ素子として実現した1つ又は複数の前進又はフィーダ要素(「足」)により駆動する、アクチュエータについて記載している。この場合、前進要素は、自らの長手方向に対して垂直にロータ方向に移動する。この場合、説明したアクチュエータは、前進要素が下降し、前進し、引っ込むことによりアクチュエータロータを移動させる代わりにロータ上に留まっているモードで動作させることができる。この変形形態は、光学素子の位置の操作に用いることもできるアクチュエータを、代替的又は付加的な動作モードで振動ダンパとして用いることができる可能性を広げる。特にこの場合にピエゾ素子を用いる利点は、ピエゾ素子が通常は2000Hzの範囲の比較的大きな帯域幅を有することである。
【0018】
代替形態として、アクチュエータシステムは、プランジャ型コイルも有することができる。この場合、プランジャ型コイルは、システムの振動の場合に発生して反転、位相シフト、及び増幅した出力信号を、プランジャ型コイルに再度供給するように用いることができる。例として、効率的な減衰機能性をこのようにして実現することができる。上述の手段を用いると、プランジャ型コイルの出力信号の増幅、反転、及び位相シフトに用いる電子コンポーネントに関してより高い設計自由度が得られる。同じことが、これに対応して代替的な能動アクチュエータシステムにも当てはまる。この場合、説明した解決手段のさらなる利点は、アクチュエータシステムの動作に必要な電子回路全体を、アクチュエータシステムの至近にこうして組み込むことができる結果として、上位システム、例えば半導体リソグラフィ用の投影露光装置に対するインタフェースの数及び複雑性を効果的に制限することができることであり、渦電流の使用も同様に考えられる。
【0019】
特に、光学コンポーネントを投影対物レンズ内に配置する場合、減衰システムは、ダンパを有する防振質量体(counter-vibrating mass)として具現することができ、当該質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置する。光学コンポーネントの機械的励起、すなわち起振の場合、例えば対物レンズハウジングによる防振質量体の機械的連結に起因して、例えば防振質量体も励起すなわち振動させる。続いて、これらの振動は、ダンパにより減衰させることができ、光学コンポーネントの振動もその結果として減衰する。説明したような場合に機械的振動エネルギーが対物レンズハウジング外部の熱エネルギーとして放散することにより、光学コンポーネントの周辺においてシステムの結像品質に関して敏感である領域、又は光学コンポーネント自体の加熱を、効果的に防止することができる。さらに、本発明のこの変形形態には、減衰システムの、また場合によっては制御/調節システムの構造設計に関する構造空間又は実装体積にあまり厳しい要件が課されないという効果がある。換言すれば、減衰に用いるコンポーネントがそのサイズ及び発熱に関して課される要件は、対物レンズハウジング内に組み込んだ場合よりも大幅に緩い。この場合も、レンズクーラを生じる熱エネルギーの放散に用いることができる。
【0020】
本発明のさらに別の変形形態として、アクチュエータシステムの加熱領域を、比熱容量の大きな本体、例えば水若しくはグリセロールを充填した銅容器、又は銅及びプラスチックからなり銅が蓄熱プラスチックに熱を伝える複合材料と、熱的に接触させることが考えられる。この場合、特に、アクチュエータシステムの加熱領域は、少なくとも部分的に上記本体で包囲する。この措置には、本体とアクチュエータシステムの加熱領域との間の熱的な接触により、第1に、加熱領域と比熱容量の大きな本体とを備えるシステム全体の温度上昇が上記本体のない場合よりもゆっくりと生じるという効果がある。さらに、システムが達するピーク温度も、上記本体のない場合と比較して低くなる。換言すれば、上記本体は、温度調整の制御/調節に関していくつかの利点を伴う熱キャパシタとしての役割を果たす。特に、温度変化の時間勾配が小さいため、上記措置を用いない場合に必要となるよりも小さな帯域幅での制御/調節を用いることが可能である。この場合、本体が水を充填した空洞を有することにより、大きな比熱容量を得ることができる。さらに、特に真空での用途に関して、例えば、本発明によるアクチュエータシステムをEUV投影露光装置で用いる場合、本体を中実の鋼体として具現することにより、本体が引き起こす他のシステムコンポーネントの汚染を最小限に抑えることができる。例として真空での本体の熱放射を最適化するために、本体の着色剤を適宜選択することができる。この場合、特に、本体のうち作動対象コンポーネントから離れた領域に、放射による本体の最大熱放射を可能にする表面構造、例えばコーティング又はラッカー塗を設けることができる。
【0021】
極端な場合、上記本体の使用は、能動的な調節による温度調整を省くことを可能にする。大きな温度勾配が上記キャパシタ効果の結果として回避されるため、既存のアクチュエータによりコンポーネントの調整時の熱の放出によって生じるオフセットを補償するだけで十分であり得る。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態は、入熱を減らす手段を駆動することができる制御/調節ユニットが存在することにある。この場合、制御/調節ユニットは、加速度センサに接続することができ、加速度センサが判定したパラメータに基づいて入熱を減らす手段を駆動するのに適し得る。このような加速度センサは、例えば光学コンポーネントに装着することができる。距離の測定とは対照的に、加速度センサの使用には、振動等のシステムコンポーネントの急迫偏向(imminent deflections)を時間的にある程度先行して検出することができることで、対応の操作変数、例えば流体の流量又は温度の設定により多くの時間が残るという利点がある。結果として、調節の反応速度は大幅に改善する。
【0023】
さらに、制御/調節ユニットは、投影露光装置のさらに別の制御/調節ユニットに接続することができるか、又はこの制御/調節ユニットの一部として具現することができ、入熱を減らす手段を急迫システム事象に基づき駆動することができるように設計することができる。したがって、例として、投影露光装置の制御/調節ユニットは、装置の急迫リセットの場合、制御/調節ユニットに対応する信号を通信して上記手段を駆動させることができる。通常、このようなリセットに関連して、投影露光装置の事実上全部のアクチュエータシステムが駆動され、アクチュエータシステムの可能な移動範囲全体にある程度及ぶ移動を実行する。これには、システムに大きな振動が誘導されるという効果がある。このような措置を見越して、温度調整を事前にこれに対応して適応させておくことができることで、温度調整システムの有効性がさらに高まる。この場合、適当なシステム事象としては、すでに述べたリセットのほかに、例えばウェーハステージ又はレチクルステージの急迫移動等の事象も挙げられる。
【0024】
受動及び能動減衰素子を備える減衰システムとしてのアクチュエータシステムの実施形態には、一定の基本量の機械的振動エネルギーを受動減衰素子により放散するという利点がある。依然として残っている振動エネルギーを、続いて能動減衰素子により調節又は制御式に減衰させることができる。能動減衰素子の電子回路が放出する熱を、その結果として大幅に減らすことができる。
【0025】
図面を参照して本発明を以下で説明する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す。この場合、アクチュエータシステム1は、ピエゾ機構(piezo-arrangement)11が作用するロータ又はランナ12を示す。この場合、ピエゾ機構11は、独国特許出願第102 25 266号明細書に記載のように、剪断及びストロークピエゾ素子の組み合わせとして具現することができる。この場合、ロータ12は、内側マウント9に接続し、内側マウント9には、本例で光学素子7として具現したコンポーネントを配置する。ピエゾ機構11には冷却体6を設け、冷却体6自体は流路2を有する。ピエゾ機構11、冷却体6、及び流路2を備える構造ユニットに関しては、外側マウント15に配置する。流体ライン3は、外側マウント15に通っており、アクチュエータシステム1の冷却に用いる流体を、上記流体ラインを通してポンプ4により搬送する。流体は、例えば、水、ヒマシ油、窒素、又は空気とすることができる。
図1から、流体をレンズクーラ5に供給し、そこで流体がアクチュエータシステム1から吸収した熱を排出することが分かる。この場合、レンズクーラ5は、対物レンズハウジングを外部で冷却する役割を果たす温度調整ユニットである。対物レンズハウジングは、
図1には示していないが、
図1に示す外側マウント15のように互いに螺合した外側マウントにより通常は形成する。ポンプ4は、信号ライン51により制御/調節ユニット30に接続し、制御/調節ユニット30自体は、内側マウント9に配置した加速度センサ20に信号ライン50により接続する。したがって、特定の大きな加速度値を加速度センサ20が判定した場合、制御/調節ユニットは、冷却体6を通る流体の流量を増加させることで、アクチュエータシステム1の予測される加熱強化を見越して冷却能力を高めておくように、ポンプ4を駆動することができる。類似の方法で、システム全体の制御/調節ユニット40の対応する信号によりトリガして、ポンプ4の対応の駆動を、例えばリセット等の特定のシステム事象に先立って行うことができる。この目的で、2つの制御/調節ユニット30及び40を、信号ライン52を介して接続する。
図1において、いかにしてアクチュエータシステム1を流れる流体がアクチュエータシステム1の廃熱を吸収し、続いて上位システムの結像品質に不利な結果を与えることなく廃熱を放出することができる領域で廃熱を放散するかが、容易に分かる。要約すると、
図1が概略的に示す断面図は、半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、アクチュエータシステム(1)は、ピエゾクローラ又はピエゾアクチュエータ、概してピエゾ機構11を備える、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステム(1)を備える、投影露光装置である。さらに、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つのコンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)を有する。
図1が同じく概略的に示すのは、半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステム(1)を備え、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つのコンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)を有する、投影露光装置である。さらに、制御/調節ユニット(30)を、少なくとも1つの加速度センサ(20)に接続し、これは、加速度センサ(20)が判定したパラメータに基づき入熱を減らす手段(4)を駆動するのに適している。
【0028】
さらに、本体60をピエゾ機構11の領域に配置し、当該本体は、比熱容量が大きく、熱キャパシタのように働く。この場合、上記本体60は、例えば水を充填した要素として実現することができる。さらに、
図1の説明図の代替として、本体60は、冷却体6と直接熱的に接触させるか、又はそれ自体を冷却体として実現することができる。
【0029】
図2を参照して本体60の効果を説明する。
図2は、アクチュエータシステム1の一点における温度Tを時間tに対してプロットしたグラフを示す。この場合、破線曲線は本体60を用いない場合を表し、実線曲線は本体60を用いた場合を表す。
図2において、温度プロファイルが、本体60を用いない場合よりも本体60を用いた場合にかなり平坦であることが明確に分かる。しかしながら、経時的温度のプロファイルが平坦であるほど、特に調節のオーバーシュートの危険性がそれにより減るため、調節技術に関して有利である。
【0030】
図3は、熱輸送素子70を流体冷却の変わりに用いる本発明のさらに別の変形形態を示す。この場合、熱輸送素子70は、高い熱伝導率を有する材料からなる本体として実現し、その第1の端でアクチュエータシステム1と熱的に接触させて、レンズクーラ5の方向に外側マウント15を通過させる。この場合、アクチュエータシステム1から離れたその第2の端において、熱輸送素子70は、レンズクーラ5と熱的に接触するため、アクチュエータシステム1内に発生した熱をレンズクーラ5を介して放散する。熱輸送素子70の熱伝導率を高めるために、熱輸送素子70は、複合構造として、例えばナトリウムを充填した金属体として具現することもできる。本例では、熱輸送素子70とアクチュエータシステム1との間の熱的な接触は、熱輸送素子70と加熱領域を有するアクチュエータシステム1とを外側マウントに配置するように実現するため、熱輸送素子70に起因し得る光学素子7の機械的擾乱の可能性が減る。これは、光学素子7を内側マウント9により外側マウント15から機械的に実質的に分離するからである。説明したように、
図3が概略的に示すのは、半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、少なくとも1つの光学素子と、外側マウント(15)を備える少なくとも1つの光学素子(7)の機械的作動用のアクチュエータシステム(1)とを備える、投影露光装置である。アクチュエータシステム(1)は、少なくとも1つの光学素子(7)への入熱を減らす熱輸送素子(70)を備え、入熱は、アクチュエータシステム(1)の動作中にアクチュエータシステム(1)の加熱領域に生じる熱により発生し、アクチュエータシステムの加熱領域は、光学素子(7)の外側マウント(15)に配置し、熱輸送素子(70)と熱的に接触させる。さらに、熱輸送素子(70)は、対物レンズハウジングを通して外部に導く。以下では、
図3による本発明のさらに他の実施形態を説明し、これらの実施形態は、例えば
図1及び
図5に関連して説明するような実施形態からの特徴を備えるが、それらの特徴は
図3に必ずしも図示していない。このような実施形態の1つでは、熱輸送素子(70)は、400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。さらに別の実施形態では、熱輸送素子(70)のうちアクチュエータシステム(1)の加熱領域から離れた側に、冷却体(5)を設ける。随意に、熱輸送素子(70)は、熱伝導ストリップ及び/又は減衰システムとして具現する。さらに、アクチュエータシステムは、ピエゾクローラ、ピエゾアクチュエータ、プランジャ型コイル、及び渦電流ブレーキからなる群から選択される素子を備えることができる。さらに別の実施形態では、光学素子(7)は、投影対物レンズ内に配置し、随意の減衰システムは、ダンパ(100)を有する防振質量体(80)として具現することができる(
図5を参照)。このような質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置する。さらに他の実施形態では、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、比熱容量の大きな本体(60)(
図1を参照)と熱的に接触させる。さらに別の随意の特徴として、制御/調節ユニット(30)が存在し、これは、入熱を減らす熱輸送素子(70)を駆動することができる(
図1も参照)。このような実施形態では、制御/調節ユニット(30)は、少なくとも1つの加速度センサ(20)に接続することができ、加速度センサ(20)が判定したパラメータに基づき入熱を減らす熱輸送素子(70)を駆動するのに適し得る。少なくとも2つの実施形態の1つに加えて、制御/調節ユニット(30)は、投影露光装置のさらに別の制御/調節ユニット(40)に接続することができるか、又はこの制御/調節ユニット(40)の一部として具現して、入熱を減らす熱輸送素子(70)を急迫システム事象に基づき駆動することができるように設計することができる。さらに他の実施形態では、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現し、受動及び能動減衰素子を有する。概して、説明したアクチュエータシステム(1)は、投影露光装置(310)の投影対物レンズ(370)内に配置する。
【0031】
図4は、光学素子7の振動エネルギーを対物レンズハウジング内ではなく外部で熱エネルギーとして放散する、本発明の実施形態を示す。
図4の概略図は、光学素子7を外側マウント15により防振質量体80に機械的に結合したことを明示している。この場合、機械的結合は、それぞれ示すばね90及び91で表す。光学素子7が二方向矢印200の方向に振動する場合、二方向矢印210の方向の振動も同様に、言及した機械的結合により防振質量体80に誘導される。この振動のパラメータを振動センサ130が取得する。上記パラメータは、例えば、速度、加速度、又は偏向であり得る。振動センサ130は、調節ユニット110に信号ライン122を介して、振動センサ130の検出パラメータを調節ユニット110に通信するように接続する。上記パラメータに基づき、調節ユニット110は、制御ライン121を介してアクチュエータ100に伝送する制御信号を規定し、アクチュエータ100自体は、防振質量体80に機械的に作用して防振質量体80の振動を減衰する。結果として、光学素子7の振動は、すでに上述した機械的結合によっても効果的に減衰される。
図4に示す解決手段の一態様は、光学素子7の振動の減衰に関連して生じる熱が、複数の外側マウントにより形成した対物レンズハウジング内で生じるのではなく、そのような対物レンズハウジング外に放出されることにある。これにより、上記熱が上位光学システムの結像品質又は他の動作特性に悪影響を及ぼす可能性なく放熱の可能性の改善が得られる。要約すると、
図4に概略的に示す断面は、投影対物レンズを備える半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、投影対物レンズは、投影対物レンズハウジングと、投影対物レンズ内に配置した少なくとも1つの光学コンポーネント(7)の機械的作動用のアクチュエータシステム(1)(例えば、
図1又は
図3に示す)とを有する、投影露光装置である。アクチュエータシステム(1)は、随意に、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つの光学コンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)(
図1〜
図3に関連して説明したような)を有する。さらに、随意のアクチュエータシステム(1)は、減衰システムを含み、減衰システムは、ダンパ(100)を有する防振質量体(80)を備え、質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置する。
【0032】
図5は、本発明のさらに別の変形形態を示し、この場合、
図3に示す能動アクチュエータシステム1に加えて、受動吸振器300を受動減衰素子として用いる。図示の例では、吸振器300は、内側マウント9に配置し、内側マウント9の振動の減衰に寄与する。結果として、アクチュエータシステム1のような能動減衰システムにより減衰しなければならない減衰部分が減ることで、全体として能動減衰のための制御/調節労力の低減が促され、能動減衰システムの電子回路が放出する熱が著しく減る。この場合、受動吸振器の適用は、
図5に示す本発明の実施形態に限定されず、原理上、
図1に示す実施形態に加えて、図示しない本発明のさらに他の変形形態で用いることもできる。上記から、
図5が概略的に示す断面図は、半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステム(1)を備える、投影露光装置である。アクチュエータシステム(1)は、受動及び能動(
図4で説明したような)減衰素子を備える減衰システムとして具現し、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つのコンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段70を有する。代替的又は付加的に、入熱を減らす手段は、
図1及び
図3の実施形態に関連して説明し参照符号60,6,2,又は4で示したものと同等又は同様に具現することができる。
【0033】
図6は、本発明によるアクチュエータシステムを用いる半導体リソグラフィ用の投影露光装置310を示す。この装置は、感光材料でコーティングした基板上に構造を露光する役割を果たし、上記基板は、概して主に、シリコンからなりウェーハ320と称し、例えばコンピュータチップ等の半導体コンポーネントの生産のためのものである。
【0034】
この場合、投影露光装置310は、照明系330と、ウェーハ320上のその後の構造を決定する構造を設けたマスク、いわゆるレチクル350を受け取り正確に位置決めするデバイス340と、上記ウェーハ320を保持し、移動させ、正確に位置決めするデバイス360と、結像デバイス、すなわち投影対物レンズ370とを備え、投影対物レンズ370は、マウント390により投影対物レンズ370の対物レンズハウジング400に取り付けた複数の光学素子380を備える。
【0035】
この場合、基本的な機能原理は、レチクル350に導入した構造をウェーハ320に結像させるようになっており、結像は、概して縮小式に行う。
【0036】
露光の実行後、ウェーハ320をさらに矢印方向に移動させることで、レチクル350により規定済みの構造をそれぞれが有する複数の個別視野を同じウェーハ320に露光する。投影露光装置310においてウェーハ320が段階的に徐々に移動するため、投影露光装置310はステッパとも称する。
【0037】
照明系330は、ウェーハ320へのレチクル350の結像に必要な投影ビーム410、例えば光又は同様の電磁放射線を提供する。レーザ等をこの放射線源として用いることができる。放射線は、照明系330内で光学素子により、投影ビーム410がレチクル350への衝突時に波面の直径、偏光、形状等に関する所望の特性を有するように整形する。
【0038】
すでに上述したように、ビーム410によりレチクル350の像を生成し、投影対物レンズ370により対応して縮小してウェーハ320に転写する。投影対物レンズ370は、複数の個別の屈折、回折、及び/又は反射素子380、例えばレンズ、ミラー、プリズム、終端板等を有する。この場合、光学素子の1つ又は複数に、
図1、
図3、又は
図5に示すシステムのようなアクチュエータシステムを設けることができる。
【0039】
本発明は、その趣旨又は本質的属性から逸脱せずに他の形態で具現することができ、したがって、本発明の範囲を示す添付の特許請求の範囲及び上記明細書の両方を参照すべきである。本発明は、本明細書の一部を形成するが特許請求の範囲ではない以下の節C〜Gに規定する態様も含み、これらは、欧州特許庁法律審判部(legal board of appeal)の審決J15/88に従ったものである。節C〜Gにおける参照符号は、上記図の説明に関連して説明する参照符号を指す。節により説明する実施形態の特徴は、本発明の実施形態を表す。さらに、請求項及び/又は節の特徴を他の請求項又は節と組み合わせ且つ/又はそれらの1つで置き換えるような実施形態も、本発明に包含される。
【0040】
C1.半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、ピエゾクローラ又はピエゾアクチュエータを備える、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステム(1)を備え、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つのコンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)を有する、投影露光装置。
【0041】
C2.節C1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段(2,6,4)は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域を通して流体を輸送するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0042】
C3.節C2に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、流体が流れるライン(2)として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0043】
C4.節C3に記載の投影露光装置(310)において、流体は、水又はヒマシ油又は窒素若しくは空気等のガスであることを特徴とする、投影露光装置。
【0044】
C5.節C2に記載の投影露光装置(310)において、流体は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と相互作用する、特に加熱領域を流れるガス流として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0045】
C6.節C1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と熱的に接触し約400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、熱輸送素子(70)であることを特徴とする、投影露光装置。
【0046】
C7.節C6に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)のうちアクチュエータシステム(1)の加熱領域から離れた側に、冷却体(5)を設けたことを特徴とする、投影露光装置。
【0047】
C8.節C6又はC7に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)は、熱伝導ストリップとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0048】
C9.節C6〜C8のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、投影対物レンズ内に配置した光学素子(7)の外側マウント(15)に配置し、熱輸送素子(70)は、対物レンズハウジングを通して外部に導いたことを特徴とする、投影露光装置。
【0049】
C10.節C1〜C9のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0050】
C11.節C1〜C10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、プランジャ型コイル又は渦電流ブレーキを備えることを特徴とする、投影露光装置。
【0051】
C12.節C10に記載の投影露光装置(310)において、光学素子(7)は、投影対物レンズ内に配置し、減衰システムは、ダンパ(100)を有する防振質量体(80)として具現し、該質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0052】
C13.節C1〜C12のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、比熱容量の大きな本体(60)と熱的に接触させたことを特徴とする、投影露光装置。
【0053】
C14.節C1〜C13のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、入熱を減らす手段(4)を駆動することができる制御/調節ユニット(30)があることを特徴とする、投影露光装置。
【0054】
C15.節C14に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、少なくとも1つの加速度センサ(20)に接続し、加速度センサ(20)が判定したパラメータに基づき入熱を減らす手段(4)を駆動するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0055】
C16.節C14又はC15に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、投影露光装置のさらに別の制御/調節ユニット(40)に接続するか、又はこの制御/調節ユニット(40)の一部として具現して、入熱を減らす手段(4)を急迫システム事象に基づき駆動することができるように設計したことを特徴とする、投影露光装置。
【0056】
C17.節C1〜C16のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現し、受動及び能動減衰素子を有することを特徴とする、投影露光装置。
【0057】
C18.節C1〜C17のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、投影露光装置(310)の投影対物レンズ(370)内に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0058】
D1.投影対物レンズを備える半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、投影対物レンズは、投影対物レンズハウジングと、投影対物レンズ内に配置した少なくとも1つの光学コンポーネント(7)の機械的作動用のアクチュエータシステム(1)とを有し、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つの光学コンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)を有し、アクチュエータシステムは、減衰システムを含み、減衰システムは、ダンパ(100)を有する防振質量体(80)を備え、該質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置した、投影露光装置。
【0059】
D2.節D1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段(2,6,4)は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域を通して流体を輸送するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0060】
D3.節D2に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、流体が流れるライン(2)として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0061】
D4.節D3に記載の投影露光装置(310)において、流体は、水又はヒマシ油又は窒素若しくは空気等のガスであることを特徴とする、投影露光装置。
【0062】
D5.節D2に記載の投影露光装置(310)において、流体は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と相互作用する、特に加熱領域を流れるガス流として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0063】
D6.節D1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と熱的に接触し約400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、熱輸送素子(70)であることを特徴とする、投影露光装置。
【0064】
D7.節D6に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)のうちアクチュエータシステム(1)の加熱領域から離れた側に、冷却体(5)を設けたことを特徴とする、投影露光装置。
【0065】
D8.節D6又はD7に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)は、熱伝導ストリップとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0066】
D9.節D6〜D8のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、投影対物レンズ内に配置した光学素子(7)の外側マウント(15)に配置し、熱輸送素子(70)は、対物レンズハウジングを通して外部に導いたことを特徴とする、投影露光装置。
【0067】
D10.節D1〜D9のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステムは、ピエゾクローラ、ピエゾアクチュエータ、プランジャ型コイル、及び渦電流ブレーキからなる群から選択される素子を備えることを特徴とする、投影露光装置。
【0068】
D11.節D1〜D10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、比熱容量の大きな本体(60)と熱的に接触させたことを特徴とする、投影露光装置。
【0069】
D12.節D1〜D11のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、入熱を減らす手段(4)を駆動することができる制御/調節ユニット(30)があることを特徴とする、投影露光装置。
【0070】
D13.節D12に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(3
0)は、少なくとも1つの加速度センサ(20)に接続し、加速度センサ(20)が判定したパラメータに基づき入熱を減らす手段(4)を駆動するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0071】
D14.節D12又はD13に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、投影露光装置のさらに別の制御/調節ユニット(40)に接続するか、又はこの制御/調節ユニット(40)の一部として具現して、入熱を減らす手段(4)を急迫システム事象に基づき駆動することができるように設計したことを特徴とする、投影露光装置。
【0072】
D15.節D1〜D14のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現し、受動及び能動減衰素子を有することを特徴とする、投影露光装置。
【0073】
D16.節D1〜D15のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、投影露光装置(310)の投影対物レンズ(370)内に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0074】
E1.半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステム(1)を備え、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じた熱に起因した少なくとも1つのコンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)と、少なくとも1つの加速度センサ(20)に接続し、加速度センサ(20)が判定したパラメータに基づき入熱を減らす手段(4)を駆動するのに適している、制御/調節ユニット(30)とを有する、投影露光装置。
【0075】
E2.節E1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段(2,6,4)は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域を通して流体を輸送するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0076】
E3.節E2に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、流体が流れるライン(2)として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0077】
E4.節E3に記載の投影露光装置(310)において、流体は、水又はヒマシ油又は窒素若しくは空気等のガスであることを特徴とする、投影露光装置。
【0078】
E5.節E2に記載の投影露光装置(310)において、流体は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と相互作用する、特に加熱領域を流れるガスとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0079】
E6.節E1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と熱的に接触し約400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、熱輸送素子(70)であることを特徴とする、投影露光装置。
【0080】
E7.節E6に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)のうちアクチュエータシステム(1)の加熱領域から離れた側に、冷却体(5)を設けたことを特徴とする、投影露光装置。
【0081】
E8.節E6又はE7に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)は、熱伝導ストリップとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0082】
E9.節E6〜E8のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、投影対物レンズ内に配置した光学素子(7)の外側マウント(15)に配置し、熱輸送素子(70)は、対物レンズハウジングを通して外部に導いたことを特徴とする、投影露光装置。
【0083】
E10.節E1〜E9のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0084】
E11.節E1〜E10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステムは、ピエゾクローラを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0085】
E12.節E1〜E10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、プランジャ型コイルを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0086】
E13.節E1〜E10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、渦電流ブレーキを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0087】
E14.節E10に記載の投影露光装置(310)において、光学コンポーネント(7)は、投影対物レンズ内に配置し、減衰システムは、ダンパ(100)を有する防振質量体(80)として具現し、該質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0088】
E15.節E1〜E14のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、比熱容量の大きな本体(60)と熱的に接触させたことを特徴とする、投影露光装置。
【0089】
E16.節E1〜E15のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、投影露光装置のさらに別の制御/調節ユニット(40)に接続するか、又はこの制御/調節ユニット(40)の一部として具現して、入熱を減らす手段(4)を急迫システム事象に基づき駆動することができるように設計したことを特徴とする、投影露光装置。
【0090】
E17.節E1〜E16のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現し、受動及び能動減衰素子を有することを特徴とする、投影露光装置。
【0091】
E18.節E1〜E17のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、投影露光装置(310)の投影対物レンズ(370)内に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0092】
F1.半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステム(1)を備え、アクチュエータシステム(1)は、受動及び能動減衰素子を備える減衰システムとして具現し、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じる熱に起因した少なくとも1つのコンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)を有する、投影露光装置。
【0093】
F2.節F1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段(2,6,4)は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域を通して流体を輸送するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0094】
F3.節F2に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、流体が流れるライン(2)として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0095】
F4.節F3に記載の投影露光装置(310)において、流体は、水又はヒマシ油又は窒素若しくは空気等のガスであることを特徴とする、投影露光装置。
【0096】
F5.節F2に記載の投影露光装置(310)において、流体は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と相互作用する、特に加熱領域を流れるガスとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0097】
F6.節F1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と熱的に接触し約400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、熱輸送素子(70)であることを特徴とする、投影露光装置。
【0098】
F7.節F6に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)のうちアクチュエータシステム(1)の加熱領域から離れた側に、冷却体(5)を設けたことを特徴とする、投影露光装置。
【0099】
F8.節F6又はF7に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)は、熱伝導ストリップとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0100】
F9.節F6〜F8のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、投影対物レンズ内に配置した光学素子(7)の外側マウント(15)に配置し、熱輸送素子(70)は、対物レンズハウジングを通して外部に導いたことを特徴とする、投影露光装置。
【0101】
F10.節F1〜F9のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0102】
F11.節F1〜F10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステムは、ピエゾクローラを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0103】
F12.節F1〜F10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、プランジャ型コイルを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0104】
F13.節F1〜F10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、渦電流ブレーキを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0105】
F14.節F10に記載の投影露光装置(310)において、光学コンポーネント(7
)は、投影対物レンズ内に配置し、減衰システムは、ダンパ(100)を有する防振質量体(80)として具現し、該質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0106】
F15.節F1〜F14のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、比熱容量の大きな本体(60)と熱的に接触させたことを特徴とする、投影露光装置。
【0107】
F16.節F1〜F15のいずれか1節に記載の投影露光装置において、入熱を減らす手段(4)を駆動することができる制御/調節ユニット(30)があることを特徴とする、投影露光装置。
【0108】
F17.F16に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、少なくとも1つの加速度センサ(20)に接続し、加速度センサ(20)が判定したパラメータに基づき入熱を減らす手段(4)を駆動するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0109】
F18.節F16又はF17に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、投影露光装置のさらに別の制御/調節ユニット(40)に接続するか、又はこの制御/調節ユニット(40)の一部として具現して、入熱を減らす手段(4)を急迫システム事象に基づき駆動することができるように設計したことを特徴とする、投影露光装置。
【0110】
F19.節F1〜F18のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)を、投影露光装置(310)の投影対物レンズ(370)内に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0111】
G1.半導体リソグラフィ用の投影露光装置(310)であって、投影露光装置の少なくとも1つのコンポーネントの機械的作動用のアクチュエータシステム(1)を備え、アクチュエータシステム(1)は、アクチュエータシステム(1)の動作中に生じる熱に起因した少なくとも1つのコンポーネント(7)への入熱を減らす少なくとも1つの手段(60,6,2,4)を有することを特徴とする、投影露光装置。
【0112】
G2.節G1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段(2,6,4)は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域を通して流体を輸送するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0113】
G3.節G2に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、流体が流れるライン(2)として具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0114】
G4.節G3に記載の投影露光装置(310)において、流体は、水又はヒマシ油又は窒素若しくは空気等のガスであることを特徴とする、投影露光装置。
【0115】
G5.節G2に記載の投影露光装置(310)において、流体は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と相互作用する、特に加熱領域を流れるガスとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0116】
G6.節G1に記載の投影露光装置(310)において、上記手段は、アクチュエータシステム(1)の加熱領域と熱的に接触し約400W/(m・K)以上の熱伝導率を有する、熱輸送素子(70)であることを特徴とする、投影露光装置。
【0117】
G7.節G6に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)のうちアクチュエータシステム(1)の加熱領域から離れた側に、冷却体(5)を設けたことを特徴とする、投影露光装置。
【0118】
G8.節G6又はG7に記載の投影露光装置(310)において、熱輸送素子(70)は、熱伝導ストリップとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0119】
G9.節G6〜G8のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、投影対物レンズ内に配置した光学素子(7)の外側マウント(15)に配置し、熱輸送素子(70)は、対物レンズハウジングを通して外部に導いたことを特徴とする、投影露光装置。
【0120】
G10.節G1〜G9のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現したことを特徴とする、投影露光装置。
【0121】
G11.節G1〜G10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステムは、ピエゾクローラを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0122】
G12.節G1〜G10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、プランジャ型コイルを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0123】
G13.節G1〜G10のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、渦電流ブレーキを有することを特徴とする、投影露光装置。
【0124】
G14.節G10に記載の投影露光装置(310)において、光学コンポーネント(7)は、投影対物レンズ内に配置し、減衰システムは、ダンパ(100)を有する防振質量体(80)として具現し、該質量体は、対物レンズハウジングの外部に配置したことを特徴とする、投影露光装置。
【0125】
G15.節G1〜G14のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)の加熱領域は、比熱容量の大きな本体(60)と熱的に接触させたことを特徴とする、投影露光装置。
【0126】
G16.節G1〜G15のいずれか1節に記載の投影露光装置において、入熱を減らす手段(4)を駆動することができる制御/調節ユニット(30)があることを特徴とする、投影露光装置。
【0127】
G17.G16に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、少なくとも1つの加速度センサ(20)に接続し、加速度センサ(20)が判定したパラメータに基づき入熱を減らす手段(4)を駆動するのに適していることを特徴とする、投影露光装置。
【0128】
G18.節G16又はG17に記載の投影露光装置(310)において、制御/調節ユニット(30)は、投影露光装置のさらに別の制御/調節ユニット(40)に接続するか、又はこの制御/調節ユニット(40)の一部として具現して、入熱を減らす手段(4)を急迫システム事象に基づき駆動することができるように設計したことを特徴とする、投影露光装置。
【0129】
G19.節G1〜G18のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、減衰システムとして具現し、受動及び能動減衰素子を有することを特徴とする、投影露光装置。
【0130】
G20.節G1〜G19のいずれか1節に記載の投影露光装置(310)において、アクチュエータシステム(1)は、投影露光装置(310)の投影対物レンズ(370)内に配置したことを特徴とする、投影露光装置。