特許第5827770号(P5827770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5827770
(24)【登録日】2015年10月23日
(45)【発行日】2015年12月2日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20151112BHJP
   A61F 13/534 20060101ALI20151112BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20151112BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20151112BHJP
   A61F 13/539 20060101ALI20151112BHJP
   A61F 13/515 20060101ALI20151112BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20151112BHJP
【FI】
   A61F13/18 302
   A41B13/02 C
   A61F13/18 331
   A61F13/18 332
   A61F13/18 350
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-132200(P2015-132200)
(22)【出願日】2015年6月30日
【審査請求日】2015年8月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西谷 和也
(72)【発明者】
【氏名】木下 英之
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−208919(JP,A)
【文献】 特開2004−049507(JP,A)
【文献】 特開2008−183160(JP,A)
【文献】 特開2000−189456(JP,A)
【文献】 特開2002−301097(JP,A)
【文献】 特開2010−284418(JP,A)
【文献】 特開2004−181085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00
A61F 13/15 〜 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
着用者の排泄口と対向する排泄口当接域と、
前記排泄口当接域の後側に位置する後側域と、
少なくとも前記排泄口当接域及び前記後側域に配置される吸収体と、を有し、
前記吸収体は、前記排泄口当接域と前記後側域との間において前記幅方向に延びる第1低目付領域と、前記後側域において前記幅方向の中心を結ぶ中心線に沿って前記前後方向に延びる第2低目付領域と、を有しており、
前記第2低目付領域は、前記第1低目付領域と繋がっており
前記排泄口当接域の前記吸収体は、前記第1低目付領域及び前記第2低目付領域の目付よりも高い目付からなり、
前記第1低目付領域は、前記幅方向に沿って、前記吸収体の一端から他端まで連続的に延びており、
前記前後方向における前記第1低目付領域の長さは、前記中心線の位置で10mm以上かつ50mm以下である、吸収性物品。
【請求項2】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収体と、
前記幅方向における前記吸収体の外側縁よりも前記幅方向の外側に延出し、使用時に折り返し可能なウイングと、
前記前後方向における前記ウイングの前端縁と前記ウイングの後端縁との間の領域であるウイング域と、
前記ウイング域よりも後側に位置する後側域と、を有し、
前記吸収体は、前記前後方向における前記ウイングの中心よりも後側、かつ前記前後方向における前記後側域の中心よりも前側において、前記幅方向に延びる第1低目付領域と、前記後側域において前記幅方向の中心を結ぶ中心線に沿って前記前後方向における前記後側域の中心よりも後側まで延びる第2低目付領域と、を有しており、
前記第2低目付領域は、前記第1低目付領域と繋がっており
前記排泄口当接域の前記吸収体は、前記第1低目付領域及び前記第2低目付領域の目付よりも高い目付からなり、
前記第1低目付領域は、前記幅方向に沿って、前記吸収体の一端から他端まで連続的に延びており、
前記前後方向における前記第1低目付領域の長さは、前記中心線の位置で10mm以上かつ50mm以下である、吸収性物品。
【請求項3】
前記第1低目付領域は、平面視において、後方に向かって凸状に湾曲している、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体は、液体を吸収する吸収材料を含む吸収コアを有し、
前記吸収性物品は、前記吸収コアよりも肌面側のシートと前記吸収コアよりも非肌面側のシートと圧着部を有し、
前記圧着部は、前記第1低目付領域内に沿って延びた第1圧着部と、前記第2低目付領域内に沿って延びた第2圧着部と、を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
少なくとも前記吸収コアよりも肌面側で前記吸収コアを覆うコアラップと、
前記コアラップよりも肌面側に設けられた肌面シートと、を有し、
前記第1圧着部及び前記第2圧着部の少なくとも一方は、前記肌面シートには形成されていない、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記第1圧着部は、前記幅方向に沿って、前記吸収体の一端から他端まで延びている、請求項又はに記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記第2低目付領域を挟んで両側に、前記前後方向に沿って延びる一対の長手圧搾部が形成されている、請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収体よりも非肌面側に設けられた非肌面シートと、
前記非肌面シートの非肌面側に設けられた粘着領域と、を有し、
前記第1低目付領域及び前記第2低目付領域は、前記粘着領域と重ならない領域に配置されている、請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記第2低目付領域を挟んで両側に、前記前後方向に沿って延びる一対の長手圧搾部が形成されており、
前記一対の長手圧搾部は、前記粘着領域と重なる領域に設けられている、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収体は、前記後側域において、前記第2低目付領域から前記幅方向の外側に延びる第3低目付領域を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収体は、前記第1低目付領域よりも前側の領域において前記中心線を跨いで配置された中高部であって、中高部のまわりの吸収体の厚みよりも厚い中高部を有
前記中高部は、前記第1低目付領域に隣接している、請求項1から1のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記吸収性物品は、前記後側域において、前記幅方向の外側に膨らんだヒップフラップを有する、請求項1から1のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
経血やおりものなどを吸収するための生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁パッド等の吸収性物品が知られている。吸収性物品のうち特に生理用ナプキンは、下着により着用者の体の方に押し当てられ、着用者の体にフィットされる(下記特許文献1)。生理用ナプキンのような吸収性物品は、表面シート、裏面シート及び吸収体を有する。吸収体は、表面シートと裏面シートとの間に設けられている。吸収体は、肌当接面側に凸状に突出する中高部を有している。中高部は、中高部以外の領域よりも厚みが厚い吸収体の一部分である。中高部は、吸収性物品の前方及び後方に、それぞれ別個に設けられている。前方の中高部と後方の中高部との間に、折り曲げ起点が設けられている。折り曲げ起点は、エンボス加工によって表面シートと吸収体とを互いに接合するための凹部である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−239162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された吸収性物品では、前方の中高部は着用者の股下、すなわち膣口対向域に配置され、後方の中高部は着用者の股下よりも後ろ上方の臀部の割れ目に配置される。これにより、吸収体を臀部の臀裂に沿ってフィットさせている。
【0005】
しかしながら、着用者が寝た姿勢において、後方の中高部は着用者の臀部の真下、すなわち臀部と床との間に配置される。中高部は特に剛性の高い領域を構成する。したがって、着用者は、寝た姿勢において、違和感を覚え易い。
【0006】
そこで、寝た姿勢において違和感を覚え難く、吸収体を臀裂に沿ってフィットさせ易い吸収性物品が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の排泄口と対向する排泄口当接域と、前記排泄口当接域の後側に位置する後側域と、少なくとも前記排泄口当接域及び前記後側域に配置される吸収体と、を有し、前記吸収体は、前記排泄口当接域と前記後側域との間において前記幅方向に延びる第1の低目付領域と、前記後側域において前記幅方向の中心を結ぶ中心線に沿って前記前後方向に延びる第2の低目付領域と、を有しており、前記第2の低目付領域は、前記第1の低目付領域と繋がっている。
【0008】
ここで、「低目付領域」は、その周囲の吸収コアよりも低い目付を有する吸収コアからなる領域、又は吸収コアを有していない領域(すなわち目付が零の領域)を意味するものとする。
【0009】
別の態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収体と、前記幅方向における前記吸収体の外側縁よりも前記幅方向の外側に延出し、使用時に折り返し可能なウイングと、前記前後方向における前記ウイングの前端縁と前記ウイングの後端縁との間の領域であるウイング域と、前記ウイング域よりも後側に位置する後側域と、を有し、前記吸収体は、前記前後方向における前記ウイングの中心よりも後側、かつ前記前後方向における前記後側域の中心よりも前側において、前記幅方向に延びる第1低目付領域と、前記後側域において前記幅方向の中心を結ぶ中心線に沿って前記前後方向における前記後側域の中心よりも後側まで延びる第2低目付領域と、を有しており、前記第2低目付領域は、前記第1低目付領域と繋がっている。
【発明の効果】
【0010】
上記態様によれば、寝た姿勢において違和感を覚え難く、吸収体を臀裂に沿ってフィットさせ易い吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態における吸収性物品の平面図である。
図2図1とは反対側から見た吸収性物品の平面図である。
図3図1の3A−3A線に沿った吸収性物品の断面図である。
図4】一実施形態における吸収体の平面図である。
図5】使用中の吸収性物品の斜視図である。
図6】使用中の吸収性物品の、図1の6A−6A線に沿った模式的断面図である。
図7】使用中の吸収性物品の、図1の7A−7A線に沿った模式的断面図である。
図8】使用中の吸収性物品の、図1の3A−3A線に沿った模式的断面図である。
図9図1の折り線FLに沿って折り畳まれた吸収性物品の平面図である。
図10図9の折り線F1〜F3に沿って折り畳まれた吸収性物品の模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品ついて説明する。吸収性物品は、パンティーライナー(おりものシート)や生理用ナプキンや失禁パッド等の任意の吸収性物品であってよい。以下の実施形態では、吸収性物品の一例として使い捨ての生理用ナプキンについて説明する。
【0013】
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0014】
(1)吸収性物品の全体的構成
図1は、一実施形態における吸収性物品の平面図である。図2は、図1とは反対側から見た吸収性物品の平面図である。図3は、図1の3A−3A線に沿った吸収性物品の断面図である。
【0015】
吸収性物品1は、前後方向Lと幅方向Wと厚み方向Tとを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。厚み方向Tは、着用者の肌面側T1から非肌面側T2へ延びる方向であり、前後方向L及び幅方向Wに直交する方向である。肌面側T1は、使用時に、着用者の肌に面する側に相当する。非肌面側T2は、使用時に、肌面側T1とは反対側、すなわち着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
【0016】
吸収性物品1は、排泄口当接域S1、前側域S2及び後側域S3を有する。排泄口当接域S1は、着用者の排泄口(例えば膣口)に対向する領域である。吸収性物品が下着に装着されたときに、排泄口当接域S1は、下着の股下部に位置する。つまり、排泄口当接域は、着用者の股下、すなわち着用者の両足の間に配置される領域である。
【0017】
前側域S2は、排泄口当接域S1よりも前側に位置する。前側域S2の前端縁は吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S3は、排泄口当接域S1よりも後側に位置する。後側域S3の後端縁は吸収性物品1の後端縁を規定する。後側域S3の前後方向Lの長さは、排泄口当接域S1の前後方向Lの長さよりも長くなっていてよい。
【0018】
排泄口当接域S1には、後述するウイング3が設けられていてよい。また、後側域S3には、幅方向Wの外側に膨らんだヒップフラップ4が設けられていてよい。
【0019】
ウイング3の前端縁は、ウイング3の付け根によって規定されており、最も幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分に相当する。ウイング3の前端縁は、排泄口当接域S1と前側域S2との境界を規定していてもよい。ウイング3の後端縁は、ウイング3の付け根によって規定されており、最も幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、後側に位置する部分に相当する。ウイング3の後端縁は、排泄口当接域S1と後側域S3との間に位置していてよい。ここで、前後方向Lにおけるウイング3の前端縁とウイング3の後端縁との間の領域を「ウイング域」と称する。ウイングを有する吸収性物品では、排泄口当接域S1は、ウイング域と実質的に同じ領域となる。したがって、本明細書において、「排泄口当接域S1」との語は、「ウイング域」と読み替えることができることに留意すべきである。
【0020】
吸収性物品1は、肌面シート10、非肌面シート20及び吸収体30を有する。肌面シート10は、吸収体30よりも肌面側T1に設けられる。非肌面シート20は、吸収体30よりも非肌面側T2に設けられる。吸収体30は、肌面シート10と非肌面シート20との間に設けられる。
【0021】
肌面シート10は、表面シート11、サイドシート12及びセカンドシート13を有していてよい。表面シート11は、体液等の液体を透過する液透過性のシートである。表面シート11は、幅方向Wにおける吸収体30の中央部を覆う。表面シート11は、前後方向Lに前側域S2から後側域S3まで延びていてよい。
【0022】
表面シート11は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成される。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。
【0023】
サイドシート12は、幅方向Wにおける表面シート11の外側縁を覆い、表面シート11よりも幅方向Wの外側へ延びている。なお、本実施形態では、吸収性物品1はサイドシート12を有しているが、吸収性物品1はサイドシート12を有していなくてもよい。この場合、表面シート11は吸収体30全体を覆っていてよい。
【0024】
サイドシート12は、表面シート11と同様の材料から構成することができる。ただし、表面シート11に付着した体液が、サイドシート12を乗り越えて、幅方向Wにおいて吸収性物品1の外側へ漏れ出すことを防止するためには、サイドシート12は、疎水性又は撥水性を有することが好ましい。サイドシート12は、幅方向Wにおける吸収体30の外側縁、ウイング3及びヒップフラップ4に配置されていてよい。
【0025】
セカンドシート13は、少なくとも後述する非接合領域46において、表面シート11と吸収体30との間に設けられている。セカンドシート13は、前後方向Lに前側域S2から後側域S3まで延びていてよい。この代わりに、セカンドシート13は、後述する非接合領域46にのみ設けられていてもよい。また、セカンドシート13は、幅方向Wにおいて、後述の吸収コア31の幅よりも狭いことが好ましい。
【0026】
セカンドシート13は、体液等の液体を透過する液透過性のシートである。好ましくは、セカンドシート13の親水度は表面シート11の親水度よりも高い。具体的には、セカンドシート13の親水度は、少なくとも後述する非接合領域46において、表面シート11の親水度よりも高ければよい。セカンドシート13は、表面シート11と同様の材料から構成することができる。
【0027】
非肌面シート20は、液不透過性のシートである。非肌面シート20は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
【0028】
吸収体30は、少なくとも排泄口当接域S1及び後側域S3に配置される。また、吸収体30は、排泄口当接域S1から前側域S2まで延びていてもよい。吸収体30は、液体を吸収する吸収材料を含む吸収コア31と、吸収コア31を包むコアラップ32と、を有する。コアラップ31は、少なくとも吸収コア31よりも肌面側で吸収コア31を覆っていればよい。具体的一例として、コアラップ32は、吸収コア31よりも肌面側に配置されるシートと、吸収コア31よりも非肌面側に配置されるシートと、を有していてよい。コアラップ32を構成する肌面側のシートと非肌面側のシートは、同一のシートから構成されていてもよい。吸収コア31を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。コアラップ32は、例えば不織布やティッシュシートから構成することができる。
【0029】
上記実施形態の代わりに、吸収体30は、コアラップ31を有していなくてもよい。この場合、吸収コア31は、肌面シート10と非肌面シート20とによって覆われていればよい。
【0030】
前述したように、吸収性物品1は、ウイング3及びヒップフラップ4を有する。ウイング3及びヒップフラップ4は、排泄口当接域S1における吸収コア31の外側縁よりも幅方向Wの外側に延出している。
【0031】
ウイング3及びヒップフラップ4は、サイドシート12と非肌面シート20との積層によって構成されていてよい。ウイング3は、非肌面シート20側に折り返し可能に構成されている。ウイング3は、使用時に下着のクロッチ部の非肌面側に折り返される。
【0032】
ヒップフラップ4は、ウイング3よりも後側に位置し、後側域S3に設けられている。ヒップフラップ4は、使用時に折り返されず、下着と着用者の臀部との間に配置される。本実施形態では、ヒップフラップ4には吸収材料が設けられていない。この代わりに、ヒップフラップ4には、吸収材料が設けられていてもよい。
【0033】
(2)吸収体の詳細構成
次に、図1図4を参照し、吸収体30の構成についてより具体的に説明する。図4は、一実施形態における吸収体30の平面図である。吸収体30は、少なくとも排泄口当接域S1に、中高部33を有する。中高部33は、排泄口当接域S1から前側域S2へ延びていてもよい。中高部33は、排泄口当接域S1において、中心線CLを跨いで配置されている。中高部33は、中高部33のまわりの領域の吸収コア31の厚みよりも吸収コア31の厚みが厚い領域を意味する。中高部33の吸収材料の目付は、排泄口当接域S1内の中高部33以外の領域における吸収コア31の目付よりも高くてもよい。中高部33は、後述する第1低目付領域41に隣接していてよい。好ましくは、第1低目付領域41の後側の吸収コア31は、中高部33の厚みよりも薄い。より好ましくは、後側域S3全体の吸収コア31は、中高部33の厚みよりも薄い。中高部33は、最も厚みが厚い最高部と、最高部へ繋がる傾斜部と、を有する。この傾斜部は、最高部と後述の前側圧搾部との間、及び最高部と第1低目付領域41との間に配置されていてよい。
【0034】
吸収体30は、第1低目付領域41、第2低目付領域42及び第3低目付領域43を有していてよい。ここで、「低目付領域」は、その周囲の吸収コア31よりも低い目付を有する吸収コア31からなる領域、又は吸収コア31を有していない領域を意味する。このように、「低目付領域」は、吸収コア31の目付が零である領域を含む概念である。
【0035】
低目付領域41〜43における吸収コア31の目付は、好ましくは150g/m以下、より好ましくは、100g/m以下である。また、低目付領域41〜43における吸収コア31の目付は、実質的に0g/mであることがさらに好ましい。また、低目付領域41〜43における吸収コア31の目付は、低目付領域41〜43のまわりの吸収コア(中高部を除く)の目付の60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
【0036】
「低目付領域」が吸収コア31を有していない領域である場合でも、コアラップ32は、低目付領域を跨いで吸収コア31全体を包んでいてよい。この場合、吸収コア31が複数の領域に分断されていたとしても、吸収体30は、コアラップ32によって一体的に形成される。
【0037】
第1低目付領域41、第2低目付領域42及び第3低目付領域43は、吸収体30の剛性が変化する境目となる。したがって、第1低目付領域41、第2低目付領域42及び第3低目付領域43は、吸収体30が変形し易い領域に相当する。
【0038】
第1低目付領域41は、排泄口当接域S1と後側域S3との間において幅方向Wに延びている。第1低目付領域41は、幅方向Wに沿って直線的に延びていてもよいし、幅方向Wに沿って曲線的に延びていてもよい。
【0039】
第1低目付領域41は、前後方向Lにおけるウイング3の中心よりも後側かつ吸収体30の後側縁よりも前側に設けられていてよい。第1低目付領域41は、前後方向Lにおいて、ウイング3の後端縁を跨ぐように設けられていてもよい。
【0040】
本実施形態では、第1低目付領域41は、第1低目付領域41の幅方向Wの中央が後方に突出した曲線形状である。より詳細には、第1低目付領域41の幅方向Wの中心は、第1低目付領域41の外側縁よりも後方に位置する。第1低目付領域41の前後方向Lにおける長さは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。
【0041】
好ましくは、幅方向Wにおける第1低目付領域41の長さは、25mm以上である。これにより、排泄口当接域S1における吸収体30の動きが、後側域S3に伝わることを抑制できる。より好ましくは、第1低目付領域41は、幅方向Wにおいて、吸収体30の一端から他端まで延びている。この場合、第1低目付領域41の前端縁が排泄口当接域S1の後端縁を規定していてもよく、第1低目付領域41の後端縁が後側域S3の前端縁を規定していてもよい。
【0042】
前後方向Lにおける第1低目付領域41の長さは、吸収性物品1の中心線CLの位置で、好ましくは10mm以上かつ50mm以下であり、より好ましくは10mm以上かつ30mm以下である。
【0043】
第2低目付領域42は、後側域S3において、吸収性物品の中心線CLに沿って前後方向Lに延びている。第2低目付領域42は、前後方向Lに直線的に延びていてよい。第2低目付領域42は、第1低目付領域41と繋がっていることが好ましい。
【0044】
第2低目付領域42の後端縁は、前後方向における後側域S3の中心よりも後側に位置していてよい。また、第2低目付領域42の後端縁は、ヒップフラップ4の最大幅の位置P1よりも後側に位置していてもよい。第2低目付領域42の前後方向Lの長さは、120mm以上であることが好ましく、150mm以上であることがより好ましい。好ましくは、幅方向Wにおける第2低目付領域42の長さは、1mm以上かつ15mm以下である。着用者の身体の前後方向Lに沿った断面において、臀部間の溝(臀裂)は、会陰部よりも後方から尾てい骨に至る領域に存在する。吸収性物品の使用中に、第2低目付領域42は、着用者の臀裂の領域に配置される。
【0045】
第3低目付領域43は、後側域S3において、第2低目付領域42から幅方向Wの外側に延びている。第3低目付領域43は、第2低目付領域42に繋がっていてよい。第3低目付領域43の前側の縁線は、幅方向Wの内側において、幅方向Wに実質的に平行に延びていてよい。また、第3低目付領域43の前側の縁線は、幅方向Wの外側において、前方に張り出していてよい。第3低目付領域43の後側の縁線は、幅方向Wの内側から外側に向かうにつれて、前方に傾斜していてよい。
【0046】
幅方向Wにおける第3低目付領域43の外側縁は、後側域S3の吸収コア31の外側縁よりも内側に位置する。第3低目付領域43は、前後方向Lに間隔を空けて複数設けられていてよい。
【0047】
吸収性物品1は、コアラップ32の、吸収コア31よりも肌面側のシートと、コアラップ32の、吸収コア31よりも非肌面側のシートとを、互いに圧着した圧着部51,52,53を有していてよい(図4参照)。
【0048】
第1圧着部51は、第1低目付領域41に沿って幅方向Wに延びている。前後方向Lにおける第1圧着部51の幅は、前後方向Lにおける第1低目付領域41の幅よりも小さいことが好ましい。また、第1圧着部51は、幅方向Wに沿って、吸収体30の一端から他端まで連続的に延びていることが好ましい。
【0049】
第2圧着部52は、第2低目付領域42に沿って前後方向Lに延びている。幅方向Wにおける第2圧着部52の幅は、幅方向Wにおける第2低目付領域42の幅よりも小さいことが好ましい。第2圧着部52は、第1圧着部51と繋がっていてよい。
【0050】
第3圧着部53は、第3低目付領域43に沿って延びている。前後方向Lにおける第3圧着部53の幅は、前後方向Lにおける第3低目付領域43の幅よりも小さいことが好ましい。第3圧着部53は、第2圧着部52と繋がっていてよい。
【0051】
第1圧着部51、第2圧着部52及び/又は第3圧着部53は、肌面シート10には形成されていないことが好ましい。より具体的には、第1圧着部51、第2圧着部52及び/又は第3圧着部53は、コアラップ32のみ、又は吸収コア31とコアラップ32のみを圧着することによって形成されていることが好ましい。低目付領域41,42,43に吸収コアが存在する場合、圧着部51,52,53は、低目付領域41,42,43の吸収コアとコアラップ32とを一緒に圧着した部分であってよい。低目付領域41,42,43に吸収コアが存在しない場合には、圧着部51,52,53は、コアラップ32のみを圧着した部分であってよい。この場合、吸収コア31は、低目付領域41,42,43及び圧着部51,52,53を境に、互いに分断される。圧着部51,52,53は、エンボス加工によって形成することができる。なお、圧着部51,52,53は、肌面シート10で覆われているため、外部から視認できない又は視認し難くなっている。なお、上記実施形態の代わりに、第1圧着部51、第2圧着部52及び/又は第3圧着部53は、肌面シート10及び/又は非肌面シート20に形成されていてもよい。
【0052】
(3)表面シートと吸収体との間の非接合領域
肌面シート10は、第1低目付領域41において、肌面シート10よりも非肌面側に設けられた部材と接合されていない非接合領域46を有する(図1及び図3参照)。より具体的には、肌面シート10は、非接合領域46において、コアラップ32と接合されていない。非接合領域46は、図1において、破線で囲まれた領域によって示されている。
【0053】
非接合領域46は、少なくとも、幅方向Wにおける第1低目付領域41の一端から他端まで延びていてよい。この代わりに、非接合領域46は、幅方向Wにおいて第1低目付領域41の両端部まで延びていなくてもよい。非接合領域46は、少なくとも、第1低目付領域41から、複数の第3低目付領域43のうちの最も第1低目付領域41に近い第3低目付領域43まで延びていてよい。これにより、第1低目付領域41とその後側の領域において、肌面シート10は、吸収体30から浮き上がることができるようになる。
【0054】
(4)圧搾部
吸収性物品1は、少なくとも吸収コア31が厚み方向Tに圧縮されることによって形成された圧搾部を有する。この圧搾部は、前側圧搾部81と、長手圧搾部82と、一対の後側圧搾部84と、を有していてよい(図1及び図4参照)。
【0055】
前側圧搾部81は、少なくとも排泄口当接域S1に設けられている。前側圧搾部81は、排泄口当接域S1から前側域S2へ延びていてもよい。前側圧搾部81は、表面シート11と吸収コア31とコアラップ32とが厚み方向Tに圧縮されることによって形成されていてよい。前側圧搾部81は、中高部33の幅方向W両側に設けられた前後方向Lに沿った区間を有する。前側圧搾部81は、中高部33の幅方向Wにおける側縁を規定していてよい。
【0056】
前側圧搾部81は、吸収コア31の前端縁付近で幅方向Wに向かって曲がっており、U字型に連続的に繋がっている。この代わりに、前側圧搾部81は、中高部33の幅方向W両側に、別個に設けられていてもよい。すなわち、一対の前側圧搾部81が、互いに分断された形態で、別個に設けられていてもよい。
【0057】
長手圧搾部82は、後側域S3で、中心線CL、より具体的には第2低目付領域42を挟んで両側に設けられている。長手圧搾部82は、吸収体30と表面シート11とが厚み方向に圧縮されることによって形成されていてよい。
【0058】
長手圧搾部82は、前後方向Lに沿って延びている。長手圧搾部82は、前後方向Lに直線的に延びていてもよいし、前後方向Lに対して傾斜して曲線的に延びていてもよい。長手圧搾部82は、ヒップフラップ4の最大幅の位置P1よりも前側に形成されていてよい。
【0059】
一対の後側圧搾部84は、後側域S3で、中心線CLを挟んで両側に設けられている。後側圧搾部84は、吸収体30と表面シート11とが厚み方向に圧縮されることによって形成されていてよい。一対の後側圧搾部84は、吸収性物品の幅方向Wの中心を通る中心線CLを挟んで互いに離間して設けられている。一対の後側圧搾部84は、ヒップフラップ4の最大幅の位置P1よりも後側に位置していてよい。
【0060】
吸収性物品1は、肌面シート10及び非肌面シート20を構成するシートのうちの少なくとも2枚を厚み方向Tに圧着することによって形成された第1の圧搾部85、第2の圧搾部87及び第3の圧搾部86を有していてもよい(図1参照)。第1の圧搾部85、第2の圧搾部87及び第3の圧搾部86は、ヒップフラップ4の外縁に沿って形成されていてよい。
【0061】
吸収性物品1は、少なくとも第1低目付領域41において、肌面シート10を圧搾することによって形成された圧搾部88を有していてよい。圧搾部88は、肌面シート10にのみ形成されていることが好ましい(図1参照)。
【0062】
圧搾部88は、前後方向Lにおいて、第1低目付領域41をわずかに超えて前側へ達していてもよいが、中高部33よりは後側に存在することが好ましい。圧搾部88は、少なくとも、第1低目付領域41から、複数の第3低目付領域43のうちの最も第1低目付領域41に近い第3低目付領域43まで延びていてもよい。圧搾部88は、実質的に非接合領域46と同等の領域か、非接合領域46よりも狭い領域に形成されていてよい。
【0063】
圧搾部88は、少なくとも第1低目付領域41において、前後方向Lに連続して形成されていることが好ましい。ここで、圧搾部88は、前後方向Lに連続していれば、直線的に形成されている必要はない。例えば、圧搾部88は、図1に示すように、前後方向Lにおいてジグザグ形状であってもよい。これに代えて、圧搾部88は、少なくとも第1低目付領域41において、前後方向Lに直線的に連続して形成されていてもよい。
【0064】
好ましくは、圧搾部88は、図1に示すように、格子状に形成されている。具体的には、圧搾部88は、前後方向に対して傾斜した複数の第1直線パターンと、前後方向及び第1直線パターンに対して傾斜した複数の第2直線パターンと、を有していてよい。圧搾部88は、セカンドシート13の領域よりも狭い領域に設けられていることが好ましい。
【0065】
(5)粘着領域
図2に示すように、吸収性物品1は、吸収性物品1を下着Sに止めるための粘着剤が設けられた第1本体粘着領域61、第2本体粘着領域62、ウイング粘着領域63及びヒップフラップ粘着領域64を有する。これらの粘着領域61〜64は、非肌面シート20の非肌面側に設けられている。粘着領域61〜64は、使用前の状態において、剥離シートによって覆われていてもよい。剥離シートは、使用前に粘着領域61〜64の粘着剤の劣化を防止する。剥離シートは、使用時に、着用者によって取り外される。
【0066】
第1本体粘着領域61は、第2本体粘着領域62よりも前方に配置されている。第1本体粘着領域61及び第2本体粘着領域62は、前後方向Lに延びている。第1本体粘着領域61は、第2本体粘着領域62から前後方向Lに離間して配置されている。第1本体粘着領域61は、第1低目付領域41よりも前側で、排泄口当接域S1と前側域S2に跨って配置されていてよい。第2本体粘着領域62は、第1低目付領域41よりも後側で、後側域S3に配置されている。第1本体粘着領域61及び第2本体粘着領域62は、中心線CL上に設けられていないことが好ましい。ウイング粘着領域63はウイング3に設けられている。ヒップフラップ粘着領域64はヒップフラップ4に設けられている。
【0067】
第1低目付領域41は、厚み方向Tにおいて、粘着領域61〜64と重ならない領域に配置されていることが好ましい。より具体的には、第1低目付領域41は、第1本体粘着領域61と第2本体粘着領域62との間の領域に設けられている。
【0068】
第2低目付領域42は、厚み方向Tにおいて、粘着領域61〜64と重ならない領域に配置されていることが好ましい。より具体的には、第2低目付領域42は、複数の第2本体粘着領域62どうしの間に設けられている。
【0069】
一対の長手圧搾部82は、第2本体粘着領域62と重なる領域に設けられていることが好ましい。
【0070】
(6)着用中の吸収性物品
次に、図5図8を参照し、着用中の吸収性物品の形状について説明する。図5は、使用中の吸収性物品の斜視図である。図6は、使用中の吸収性物品の、図1の6A−6A線に沿った模式的断面図である。図7は、使用中の吸収性物品の、図1の7A−7A線に沿った模式的断面図である。図8は、使用中の吸収性物品の、図1の3A−3A線に沿った模式的断面図である。なお、図6,7では、着用者の身体の形状を示すラインを二点鎖線で示している。
【0071】
生理用ナプキンとしての吸収性物品1を着用する際、吸収性物品1は下着Sに固定される。吸収性物品1の排泄口当接域S1は、着用者の両足によって挟まれ、幅方向Wの外側から幅方向Wの内側に向かう力を受ける。
【0072】
吸収性物品1の幅方向Wに沿った着用者の身体の断面形状は、股下近傍と臀部近傍とで異なる。具体的には、着用者の股下の陰裂(経血が出る膣口あたり)近辺の身体の断面形状は、大陰唇が大陰唇の付け根よりも出っ張っており、吸収性物品1側に突出する凸形状である。この着用者の股下域に、吸収性物品の排泄口当接域S1が対向して配置される。着用者の股下においては、排泄口当接域S1の吸収コア31、特に中高部33が身体に沿って配置され、股下における体液の漏れを抑制できる(図6参照)。
【0073】
着用者の大陰唇より後方に位置する会陰部よりも後方には、肛門や臀裂が位置する。この会陰部よりも後方近辺の身体の断面形状は、幅方向の中心が窪んだ形状である。この着用者の臀部に、吸収性物品の後側域S3が対向して配置される。
【0074】
後側域S3では、中心線CLに沿って前後方向Lに延びる第2低目付領域42が形成されている。そのため、吸収性物品の外側から内側に向かう力により、幅方向Wにおける後側域S3の中心は、着用者の体に向けて突出し易い(図7参照)。これにより、後側域S3では、吸収性物品1は、着用者の臀裂の形状に合わせて変形することができる。その結果、着用者は、臀部においても、吸収性物品1との心地よいフィット感を得られる。
【0075】
ここで、吸収性物品1は、排泄口当接域S1と後側域S3とで、着用者の体の形状に合わせて異なる形状に変化しようとする。第1低目付領域41は、排泄口当接域S1における吸収体30の変形が、後側域S3における吸収体30の変形に与える影響を抑制している。すなわち、第1低目付領域41によって、排泄口当接域S1と後側域S3とで、吸収性物品が独立して変形し易くなっている。
【0076】
また、夜用の生理用ナプキンは、仰向けの寝姿勢で使用されることが多い。着用者が仰向けに寝ている姿勢では、臀部と吸収性物品1との間に隙間ができやすい。
【0077】
具体的には、寝た姿勢において着用者の臀部は床によって押しつぶされるため、この臀部からの力によって吸収性物品1の後側域S3が排泄口当接域S1の方へ若干移動することがある。これにより、排泄口当接域S1と後側域S3との間の領域付近で、前後方向Lに歪みが生じる。この歪みにより、排泄口当接域S1と後側域S3との間の領域付近で、吸収性物品1と臀部との間に隙間が生じ得る。
【0078】
臀部と吸収性物品との間に隙間が生じていると、経血が身体を伝わって背側後方に伝わり、吸収性物品の後ろから漏れてしまうおそれがある。また、着用者は、経血が身体を伝わっているということを感じ取り、不安感を覚えることがある。
【0079】
一実施形態に係る吸収性物品1では、少なくとも第1低目付領域S1のところに肌面シート10の非接合領域46が存在する。そのため、吸収性物品の後側域S3が排泄口当接域S1の方へ移動したときに、肌面シート10の非接合領域46が着用者の身体に向けて突出する(図8の符号「47」参照)。この肌面シート10の突出部27が、着用者の身体との間の隙間を埋める。これにより、寝た姿勢であっても、経血が身体を伝わって背側後方に伝わることを抑制できる。
【0080】
(7)吸収性物品の折り畳み
吸収性物品1は、折り畳まれた状態で個別に包装されていてもよい。以下、図1,2,9,10を参照し、吸収性物品1の折り畳みについて説明する。図9は、図1の折り線FLに沿って折り畳まれた吸収性物品1の平面図である。図10は、図9の折り線F1〜F3に沿って折り畳まれた吸収性物品の模式的側面図である。
【0081】
吸収性物品1は、前後方向Lに沿って延びる前後折り線FLと、幅方向Wに沿って延びる第1折り線F1、第2折り線F2及び第3折り線F3と、を有していてよい。これらの折り線FL,F1,F2,F3は、吸収性物品1を折り畳むためのラインである。
【0082】
前後折り線FLは、幅方向Wにおける吸収体30の外側端よりも外側に設けられていてよい。また、前後折り線FLは、第1の圧搾部85、第2の圧搾部87及び第3の圧搾部86よりも、幅方向Wの内側に設けられていてよい。
【0083】
第1折り線F1は、第2折り線F2よりも後側に設けられている。第1折り線F1は、ヒップフラップ4の最大幅P1よりも後側の領域に設けられていてよい。また、第1折り線F1は、前後方向Lにおいて、長手圧搾部82と後側圧搾部84との間に設けられていてもよい。第1折り線F1は、第3低目付領域43を通っていることが好ましい。なお、前後方向Lにおける後側域S3の長さが比較的短い吸収性物品1では、第1折り線F1は、設けられていなくてもよい。
【0084】
第2折り線F2は、前後方向Lにおいて、第1折り線F1と第3折り線F3との間に設けられている。第2折り線F2は、非接合領域46のうちの第1低目付領域41よりも後側の領域を通っている。第2折り線F2は、一対の長手圧搾部82よりも前側に配置されていてよい。第2折り線F2は、第2本体粘着領域62上を通っていることが好ましい。
【0085】
第3折り線F3は、第2折り線F2よりも前側に設けられている。第3折り線F3は、中高部33の最高部よりも前側に設けられていてよい。より具体的には、第3折り線F3は、中高部33の最高部を避けており、中高部33の最高部へ繋がる傾斜部を通っていることが好ましい。第3折り線F3は、前側域S2に設けられていてよい。
【0086】
吸収性物品1は、非肌面側が外側に露出するように、前後折り線FLを基点に内側に折り畳まれる(図9参照)。図9に示す状態から、吸収性物品1は、第1折り線F1、第2折り線F2及び第3折り線F3の順で折り畳まれることが好ましい(図10参照)。
【0087】
吸収性物品1が折り畳まれた状態において、吸収性物品の後側縁92は、吸収性物品の内部に位置する。吸収性物品1が折り畳まれた状態において、吸収性物品の前側縁91は、吸収性物品の外側に位置する。また、第1折り目F1は、折り畳まれた吸収性物品1の内部に位置する。第2折り目F2及び第3折り目F3は、折り畳まれた吸収性物品1の外側に位置する。
【0088】
(8)作用・効果
一実施形態によれば、吸収体30は、排泄口当接域S1と後側域S3との間において幅方向Wに延びる第1低目付領域41と、後側域S3において中心線CLに沿って前後方向Lに延びる第2低目付領域42と、を有し、第2低目付領域42は、第1低目付領域41と繋がっている。別の実施形態によれば、吸収体30は、前後方向Lにおけるウイング3の中心よりも後側、かつ前後方向Lにおける後側域S3の中心よりも前側において幅方向Wに延びる第1低目付領域41と、後側域S3において中心線CLに沿って前後方向Lにおける後側域S3の中心よりも後側まで延びる第2低目付領域42と、を有し、第2低目付領域42は、第1低目付領域41と繋がっている。
【0089】
これらの実施形態によれば、着用者が寝た姿勢において、吸収性物品の後側域S3は着用者の臀部の真下、すなわち臀部と床との間に配置される。後側域S3に形成された第2低目付領域42は、比較的剛性が低いため、着用者に与える違和感は小さい。また、第1低目付領域41及び第2低目付領域42により、吸収コア31を構成する吸収材料は、排泄口当接域S1(又はウイング域)と、後側域S3の右側部分と、後側域S3の左側部分との間で移動し難くなる。これにより、着用中の動作により、吸収コア31を構成する吸収材料が局所的に集中することを抑制することができる。その結果、吸収性物品1の着用中に、着用者の違和感を緩和することができる。したがって、着用者は、特に寝た姿勢においても、違和感を覚え難い。
【0090】
また、前述したように、着用中に、第2低目付領域42は、着用者の肌側に向けて突出する。第2低目付領域42は、後側域S3で前後方向Lに沿って延びているため、着用者の臀裂に沿ってフィットし易くなる。さらに、前述したように、第1低目付領域41によって、排泄口当接域S1と後側域S3とで、吸収性物品が独立して変形し易くなっている。すなわち、吸収性物品1は、排泄口当接域S1と後側域S3とで独立に変形することで、排泄口当接域S1と後側域S3の両方で身体の形状に合わせてフィットし得る。
【0091】
以上のように、吸収性物品は、着用者の身体になじみ、着用者に対して心地よいフィット感を与えることができるようになる。
【0092】
一実施形態によれば、第1低目付領域41は、幅方向Wに沿って、吸収体30の一端から他端まで連続的に延びている。これにより、吸収コア31を構成する吸収材料は、排泄口当接域S1と後側域S3との間でより移動し難くなる。したがって、着用中の動作により、吸収コア31を構成する吸収材料が局所的に集中することをより抑制することができる。また、第1低目付領域41が吸収体30の一端から他端まで連続的に延びているため、排泄口当接域S1の吸収コアと後側域S3の吸収コアとが、互いに独立に変形し易くなる。したがって、排泄口当接域S1の吸収コアは着用者の股下の形状に合わせてより変形しやすく、後側域S3の吸収コアは着用者の臀部(臀裂)の形状に合わせてより変形しやすくなる。その結果、吸収性物品は、より着用者の身体になじみ、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる。
【0093】
一実施形態によれば、第1低目付領域41は、平面視において、後方に向かって凸状に湾曲している。第1低目付領域41の、後方に向かって凸状に湾曲した部分は、着用者が仰向け姿勢の時に、下着と共に後方に向かって凸状に膨らみ、身体から離れる方向に押し出される。これにより、仰向け姿勢時における吸収性物品の変形を吸収できる。よって、前側域S1及び排泄口当接域S1の吸収体30が身体の丸みに追従する形状に維持され、その結果、吸収性物品全体が身体の丸みに沿って配置される。これにより、吸収性物品は、より着用者の身体になじみ、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる。
【0094】
一実施形態によれば、吸収体30は、吸収コア31よりも肌面側のシートと、吸収コア31よりも非肌面側のシートとを、互いに圧着した圧着部を有する。吸収コア31よりも肌面側のシートは、例えばコアラップ31及び/又は肌面シート10である。吸収コア31よりも非肌面側のシートは、例えばコアラップ31及び/又は非肌面シート20である。この圧着部は、第1低目付領域41に沿って延びた第1圧着部51と、第2低目付領域42に沿って延びた第2圧着部52と、を含む。第1圧着部51及び第2圧着部52により、吸収コア31は、排泄口当接域S1と、後側域S3の右側部分と、後側域S3の左側部分と、に区画される。これにより、吸収コア31を構成する吸収材料は、排泄口当接域S1と、後側域S3の右側部分と、後側域S3の左側部分と、の間で移動することを抑制できる。これにより、着用中の動作により、吸収コア31を構成する吸収材料が局所的に集中することを防止することができる。その結果、吸収性物品の着用中に、着用者の違和感を緩和することができる。特に、着用者が寝た姿勢においても、着用者の違和感を緩和することができ、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる。
【0095】
一実施形態によれば、少なくとも吸収コア31よりも肌面側で吸収コア31を覆うコアラップ32と、コアラップ32よりも肌面側に設けられた肌面シート10と、を有する。第1圧着部51及び第2圧着部52の少なくとも一方は、肌面シート10には形成されていない。これにより、第1圧着部51及び第2圧着部52は、吸収体30よりも肌面側に位置する肌面シート10で覆い隠される。これにより、吸収性物品の肌触りがよくなり、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる。
【0096】
一実施形態によれば、第1圧着部51は、幅方向Wに沿って、吸収体30の一端から他端まで延びている。これにより、吸収コア31を構成する吸収材料は、第1低目付領域41をより通り難くなる。すなわち、吸収材料は、排泄口当接域S1と後側域S3との間でより移動し難くなる。したがって、着用中の動作により、吸収コア31を構成する吸収材料が局所的に集中することをより抑制することができる。
【0097】
一実施形態によれば、第2低目付領域42を挟んで両側に、前後方向Lに沿って延びる一対の長手圧搾部82が形成されている。一対の長手圧搾部82は、比較的剛性が高いため、吸収コア31の変形の基点となる。一対の長手圧搾部82の間に挟まれた第2低目付領域42は、より着用者の身体側に隆起し易くなる。これにより、より着用者の身体になじみ、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる吸収性物品を提供することができる。
【0098】
一実施形態によれば、第1低目付領域41及び第2低目付領域42は、粘着領域61,62,63,64と重ならない領域に配置されている。これにより、第1低目付領域41及び第2低目付領域42がより変形基点として機能し得るようになる。つまり、第1低目付領域41及び第2低目付領域42を挟んで隣り合う吸収コア31が互いに独立に動きやすくなる。これにより、吸収体30が着用者の股下及び臀部の形状に合わせてよりフィットし易くなる。したがって、より着用者の身体になじみ、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる吸収性物品を提供することができる。
【0099】
一実施形態によれば、第2低目付領域42を挟んで両側に、前後方向Lに沿って延びる一対の長手圧搾部82が形成されており、一対の長手圧搾部82は、粘着領域62と重なる領域に設けられている。一対の長手圧搾部82が設けられた領域が下着に止着される。これにより、吸収コア31が一対の長手圧搾部82を基点に変形する際に、下着によって一対の長手圧搾部82を支持できる。変形の基点となる一対の長手圧搾部82が支持されるため、一対の長手圧搾部82間の領域が突出した状態を維持し易くなる。
【0100】
一実施形態によれば、吸収体30は、後側域S3において、第2低目付領域42から幅方向Wの外側に延びる第3低目付領域43を有する。第3低目付領域43は、幅方向Wに沿って延びる変形基点を形成する。後側域S3の吸収コア31は、第3低目付領域43を基点に変形できるため、吸収性物品1が身体の前後方向Lに沿った丸みに沿ってよいフィットし易くなる。特に、図7に示すように、第2低目付領域42が臀裂に沿って突出している場合、後側域S3を身体の前後方向Lに沿った丸みに沿って変形させ難くなることがある。この場合であっても、変形基点となる第3低目付領域43によって、後側域S3を身体の前後方向Lに沿った丸みに合わせて変形し易くすることができる。これにより、より着用者の身体になじみ、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる吸収性物品を提供することができる。
【0101】
一実施形態によれば、吸収体30は、第1低目付領域41よりも前側の領域、すなわち排泄口当接域S1又はウイング域において、中心線CLを跨いで配置された中高部33であって、中高部のまわりの吸収体30の厚みよりも厚い中高部33を有する。排泄口当接域S1は、着用者の股下に位置する。比較的厚みが厚い中高部33は、着用者の股下の形状にフィットし易い。また、中高部33は比較的剛性が高いため、中高部33の中心線CL近傍の領域のみが局所的に変形し難い。一方で、第2低目付領域42によって、後側域S3の吸収体30は、中心線CL近傍の領域が臀裂に向かって突出するよう変形しやすい。このように、吸収体30は、排泄口当接域S1と後側域S3とで異なった形状に変形しようとする。この場合であっても、第1低目付領域41によって、吸収体30は、排泄口当接域S1と後側域S3とで、互いに独立に変形し易くなっている。これにより、着用者の股下から臀裂にわたって吸収性物品をより着用者の身体の形状に合わせてよりフィットさせることができる。したがって、より着用者の身体になじみ、着用者に対してより心地よいフィット感を与えることができる吸収性物品を提供することができる。
【0102】
一実施形態によれば、吸収性物品は、後側域S3において、幅方向Wの外側に膨らんだヒップフラップ4を有する。ヒップフラップ4が後側域S3で広く膨らんでいるため、着用者の臀部から後側域S3へ、幅方向Wにおける外側から内側に向けた力がかかり易い。これにより、後側域S3の第2低目付領域42が、着用者の臀裂に向けてより突出し易くなる。その結果、吸収性物品1は、後側域S3で着用者に臀部の形状に合わせてよりフィットし易くなる。
【0103】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0104】
1 :吸収性物品
10 :肌面シート
20 :非肌面シート
30 :吸収体
31 :吸収コア
32 :コアラップ
33 :中高部
41 :第1低目付領域
42 :第2低目付領域
43 :第3低目付領域
51 :第1圧着部
52 :第2圧着部
53 :第3圧着部
61 :第1本体粘着領域
62 :第2本体粘着領域
81 :前側圧搾部
82 :長手圧搾部
84 :後側圧搾部
L :前後方向
W :幅方向
T :厚み方向
S1 :排泄口当接域
S2 :前側域
S3 :後側域
CL :中心線
【要約】
【課題】寝た姿勢において違和感を覚え難く、吸収体を臀裂に沿ってフィットさせ易い吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品1は、互いに直交する前後方向L及び幅方向Wと、着用者の排泄口と対向する排泄口当接域S1と、排泄口当接域S1の後側に位置する後側域S3と、少なくとも排泄口当接域S1及び後側域S3に配置される吸収体30と、を有する。吸収体30は、排泄口当接域S1と後側域S3との間において幅方向Wに延びる第1低目付領域41と、後側域S3において幅方向Wの中心を結ぶ中心線CLに沿って前後方向Lに延びる第2低目付領域42と、を有する。第2低目付領域42は、第1低目付領域41と繋がっている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10