特許第5829747号(P5829747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5829747磁性材スパッタリングターゲット及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5829747
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】磁性材スパッタリングターゲット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20151119BHJP
   G11B 5/851 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   C23C14/34 A
   G11B5/851
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-500696(P2014-500696)
(86)(22)【出願日】2013年2月15日
(86)【国際出願番号】JP2013053753
(87)【国際公開番号】WO2013125469
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2014年5月21日
(31)【優先権主張番号】特願2012-36562(P2012-36562)
(32)【優先日】2012年2月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX日鉱日石金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093296
【弁理士】
【氏名又は名称】小越 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100173901
【弁理士】
【氏名又は名称】小越 一輝
(72)【発明者】
【氏名】荒川 篤俊
(72)【発明者】
【氏名】高見 英生
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐一郎
【審査官】 塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/070850(WO,A1)
【文献】 特開2000−234168(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/102359(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/011294(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/34
G11B 5/851
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Co又はFeを含有する金属相に酸化物粒子が分散した材料からなる磁性材スパッタリングターゲットであって、ターゲット中の酸化物を観察する平面において、ターゲット中に存在する酸化物粒子の平均粒径が1.5μm以下であり、酸化物粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、最大径と最小径の差が0.4μm以下である酸化物粒子が、ターゲット観察面において60%以上を占めることを特徴とする磁性材スパッタリングターゲット。
【請求項2】
さらに、金属相に酸化物粒子が分散したターゲット中に金属粒が存在し、金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒が1mm視野内に1個以上存在することを特徴とする請求項1記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【請求項3】
ターゲット中に存在する酸化物粒子の最大粒径が9μm以下の酸化物であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【請求項4】
前記酸化物が、SiO、TiO、Ti、Cr、Ta、Ti、B、CoO、Coから選択した一種以上の酸化物であり、これらを0.5〜25mol%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【請求項5】
前記金属相は、Crが0mol%以上20mol%以下、Ptが5mol%以上30mol%以下、残部がCo及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【請求項6】
前記金属相は、Ptが0mol%を超え60mol%以下、残部がFe及び不可避的不純物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項7】
さらにMg、Al、Si、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ta、W、B、Cuから選択した一種以上の元素を、0.5〜12mol%を含有し、残部がCo又はFe及び不可避的不純物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【請求項8】
相対密度が97%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特に垂直磁気記録方式を採用したハードディスクの磁気記録媒体のグラニュラー膜の成膜に使用される磁性材スパッタリングターゲットに関し、スパッタリング時のパーティクル発生の原因となる酸化物の異常放電を抑制することができる非磁性材粒子分散型磁性材スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スパッタリング装置には様々な方式のものがあるが、上記の磁気記録膜の成膜では、生産性の高さからDC電源を備えたマグネトロンスパッタリング装置が広く用いられている。マグネトロンスパッタリング法は、ターゲットの背面に磁石を配置して、ターゲット表面に磁束を漏洩させることで、そのターゲット表面付近に高密度のプラズマを集中させることができるので、成膜速度の高速化が可能となる。
【0003】
ところで、磁性材料に関する開発を見ると、ハードディスクドライブに代表される磁気記録の分野では、記録を担う磁性薄膜の材料として、強磁性金属であるCo、Fe、あるいはNiをベースとした材料が用いられている。例えば、面内磁気記録方式を採用するハードディスクの記録層にはCoを主成分とするCo−Cr系やCo−Cr−Pt系の強磁性合金が用いられてきた。
【0004】
また、近年実用化された垂直磁気記録方式を採用するハードディスクの記録層には、Coを主成分とするCo−Cr−Pt系の強磁性合金と非磁性の無機物からなる複合材料が多く用いられている。
そしてハードディスクなどの磁気記録媒体の磁性薄膜は、生産性の高さから、上記の材料を成分とする磁性材スパッタリングターゲットをスパッタリングして作製されることが多い。
【0005】
このような磁性材スパッタリングターゲットの作製方法としては、溶解法や粉末冶金法が考えられる。どちらの手法で作製するかは、要求される特性によるので一概には言えないが、垂直磁気記録方式のハードディスクの記録層に使用される、強磁性合金と非磁性の無機物粒子からなるスパッタリングターゲットは、一般に粉末冶金法によって作製されている。これは無機物粒子を合金素地中に均一に分散させる必要があるため、溶解法では作製することが困難だからである。
【0006】
例えば、急冷凝固法で作製した合金相を持つ合金粉末とセラミックス相を構成する粉末とをメカニカルアロイングし、セラミックス相を構成する粉末を合金粉末中に均一に分散させ、ホットプレスにより成形し磁気記録媒体用スパッタリングターゲットを得る方法が提案されている(特許文献1)。
この場合のターゲット組織は、素地が白子(鱈の精子)状に結合し、その周りにSiO(セラミックス)が取り囲んでいる様子(特許文献1の図2)又は細紐状に分散している(特許文献1の図3)様子が見える。他の図は不鮮明であるが、同様の組織と推測される。このような組織は、後述する問題を有し、好適な磁気記録媒体用スパッタリングターゲットとは言えない。なお、特許文献1の図4に示されている球状物質は、粉末であり、ターゲットの組織ではない。
【0007】
また、急冷凝固法で作製した合金粉末を用いなくても、ターゲットを構成する各成分について市販の原料粉末を用意し、それらの原料粉を所望の組成になるように秤量し、ボールミル等の公知の手法で混合し、混合粉末をホットプレスにより成型・焼結することによって、磁性材スパッタリングターゲットは作製できる。
【0008】
例えば、Co粉末とCr粉末とTiO粉末とSiO粉末を混合して得られた混合粉末とCo球形粉末を遊星運動型ミキサーで混合し、この混合粉をホットプレスにより成形し磁気記録媒体用スパッタリングターゲットを得る方法が提案されている(特許文献2)。
【0009】
この場合のターゲット組織は、無機物粒子が均一に分散した金属素地である相(A)の中に、球形の相(B)を有している様子が見える(特許文献2の図1)。
このような組織は、漏洩磁束向上の点では良いが、スパッタ時のパーティクルの発生抑制の点からは好適な磁気記録媒体用スパッタリングターゲットとは言えない。
【0010】
また、Co−Cr二元系合金粉末とPt粉末とSiO粉末を混合して、得られた混合粉末をホットプレスすることにより、磁気記録媒体薄膜形成用スパッタリングターゲットを得る方法が提案されている(特許文献3)。
【0011】
この場合のターゲット組織は、図によって示されていないが、Pt相、SiO相およびCo-Cr二元系合金相が見られ、Co-Cr二元系合金層の周囲に拡散層が観察できたことが記載されている。このような組織も、好適な磁気記録媒体用スパッタリングターゲットとは言えない。
【0012】
上記の他、磁性材の開発を目途として、いくつか提案されている。例えば、特許文献4には、SiCとSiOx(x:1〜2)とを有する垂直磁気記録媒体が提案されている。また、特許文献5には、Co、Pt、第1金属酸化物、第2金属酸化物、第3金属酸化物を含有する磁性材ターゲットが記載されている。
【0013】
また、特許文献6には、Co、Ptのマトリックス相と、平均粒径が0.05μm以上7.0μm未満の金属酸化物相からなるスパッタリングターゲットが提案され、結晶粒の成長を抑制し、低透磁率、高密度のターゲットを得て、成膜効率を上げる提案がなされている。
また、特許文献7には、強磁性体材料としてCo、Feを主成分とし、酸化物、窒化物、炭化物、珪化物から選択した材料で、非磁性材の形状(半径2μmの仮想円より小さい)を特定した非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲットが記載されている。
【0014】
また、特許文献8には、Co−Cr合金の強磁性体材料中に、半径1μmの仮想円よりも小さい酸化物からなる非磁性材粒子が分散した非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲットが記載され、その粒子径が細かく規定されたスパッタリングターゲットが記載されている。また、特許文献9には、グラニュラー構造の磁性膜が記載されている。
【0015】
上記の通り、Co−Cr−Pt−酸化物などの、非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲットにおいては、酸化物としてSiOやCr、TiOを用いる提案がなされ、さらに酸化物の形状を特定する提案もなされている。しかし、これらの酸化物は絶縁体であるため異常放電の原因となっている。そして、この異常放電が原因でスパッタリング中のパーティクル発生が問題となる。
【0016】
HDDの記録密度向上にともない磁気ヘッドの浮上量が年々小さくなっている。そのため磁気記録媒体上で許容されるパーティクルのサイズ及び個数が、ますます厳しくなってきている。グラニュラー膜の成膜時に生じるパーティクルの多くはターゲット起因の酸化物であることが知られている。こうしたパーティクル発生を抑制するための一つの方法として、ターゲット中の酸化物を母相合金中に微細分散させることが有効であると考えられる。
【0017】
上記特許文献6〜8以外に、下記の特許文献10〜16にも金属酸化物の粒子を細かくするという提案されている。すなわち、特許文献10には、金属酸化物相が形成する粒子の平均粒径が0.05μm以上7.0μm未満とすること、特許文献11には、セラミックス相の長軸粒径と10μm以下とすること、特許文献12には、酸素含有物質又は酸化物相は50μm以下とすること、特許文献13には、酸化物相が形成する粒子の平均粒径を3μm以下とすること、特許文献14には、シリカ粒子又はチタニア粒子はスパッタリングターゲットの主表面に垂直な断面において、スパッタリングターゲットの主表面に対して垂直な方向の粒径をDn、前記主表面に平行な方向の粒径をDpとした時に、2≦Dp/Dnを満たすこと、特許文献15には、クロム酸化物凝集体が500個/mmとすることが、記載されている。しかし、これらの条件では、いずれも充分ではなく、さらなる改善が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平10−88333号公報
【特許文献2】特願2010−011326号公報
【特許文献3】特開2009−1860号公報
【特許文献4】特開2006−127621号公報
【特許文献5】特開2007−4957号公報
【特許文献6】特開2009−102707号公報
【特許文献7】再公表特許WO2007/080781
【特許文献8】国際公開WO2009/119812A1
【特許文献9】特開2001−76329号公報
【特許文献10】国際公開WO2009−054369号公報
【特許文献11】特開2006−045587号公報
【特許文献12】特開2008−169464号公報
【特許文献13】特開2009−215617号公報
【特許文献14】特開2011−222086号公報
【特許文献15】特開2008−240011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
一般に、Co−Cr−Pt−酸化物などの、非磁性材粒子分散型磁性材スパッタリングターゲットにおいては、含有するSiO、Cr、TiOなどの酸化物が絶縁体であるため異常放電の原因となっている。そして、この異常放電が原因でスパッタリング中のパーティクル発生が問題となる。
【0020】
本発明は上記問題を鑑みて、酸化物の異常放電を抑制し、異常放電が原因となるスパッタリング中のパーティクル発生を減少させることを課題とする。これまでは、酸化物の粒径を小さくすることで異常放電の確率を減らしてきたが、磁気記録媒体の記録密度向上に伴い、許容パーティクルレベルが厳しくなってきていることから、より改善された非磁性材粒子分散型磁性材スパッタリングターゲットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、ターゲットの組織(酸化物粒子)構造を調整することにより、スパッタリング時の酸化物による異常放電が生じず、パーティクルの発生の少ないターゲットが得られることを見出した。
【0022】
このような知見に基づき、本発明は、以下の発明を提供するものである。
1)Co又はFeを含有する金属相に酸化物粒子が分散した材料からなる磁性材スパッタリングターゲットであって、ターゲット中の酸化物を観察する平面において、ターゲット中に存在する酸化物粒子の平均粒径が1.5μm以下であり、酸化物粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、最大径と最小径の差が0.4μm以下である酸化物粒子が、ターゲット観察面において60%以上を占めることを特徴とする磁性材スパッタリングターゲット。
【0023】
2)さらに、金属相に酸化物粒子が分散したターゲット中に金属粒が存在し、金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒が1mm視野内に1個以上存在することを特徴とする上記1)記載の磁性材スパッタリングターゲット。
3)ターゲット中に存在する酸化物粒子の最大粒径が9μm以下の酸化物であることを特徴とする上記1)又は2)記載の磁性材スパッタリングターゲット。
4)前記酸化物が、SiO、TiO、Ti、Cr、Ta、Ti、B、CoO、Coから選択した一種以上の酸化物であり、これらを0.5〜25mol%含有することを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【0024】
5)前記金属相は、Crが0mol%以上20mol%以下、Ptが5mol%以上30mol%以下、残部がCo及び不可避的不純物からなることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
6)前記金属相は、Ptが0mol%を超え60mol%以下、残部がFe及び不可避的不純物であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
7)さらにMg、Al、Si、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ta、W、B、Cuから選択した一種以上の元素を、0.5〜12mol%を含有し、残部がCo又はFe及び不可避的不純物であることを特徴とする上記1)〜6)のいずれか一に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
8)相対密度が97%以上であることを特徴とする上記1)〜7)のいずれか一に記載の磁性材スパッタリングターゲット。
【発明の効果】
【0025】
このように調整した本発明の非磁性材粒子分散型の磁性材スパッタリングターゲットは、スパッタリング時の酸化物による異常放電が生ぜず、パーティクルの発生の少ないターゲットが得られる。これによって、歩留まり向上によるコスト改善効果を得ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例1のCo−Pt−Cr−SiO−TiO−Crターゲット組織を示す図(写真)である。
図2】比較例1のCo−Pt−Cr−SiO−TiO−Crターゲット組織を示す図(写真)である。
図3】実施例2のCo−Pt−Ru−Cr−SiO−TiO−CoOターゲット組織を示す図(写真)である。
図4】比較例2のCo−Pt−Ru−Cr−SiO−TiO−CoOターゲット組織を示す図(写真)である。
図5】酸化物粒子の最大径、最小径の測定方法を説明する図である。
図6】実施例3のCo−Pt−Cr−Ru−Ta−SiO−B−CoOターゲット組織を示す図(写真)である。
図7】実施例3のターゲット組織を示す図(写真:低倍率)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の磁性材スパッタリングターゲットは、ターゲット中に存在する酸化物粒子の平均粒径が1.5μm以下である酸化物である。この酸化物粒子の平均粒径が1.5μmを超えるとパーティクルの発生が多くなり、好ましくない。ここまでの技術は従来公知と言える。しかし、本願発明は、特に酸化物粒子が真球状であることが望ましく、少なくともそれに近い形状であることが、パーティクル発生を防止できる有効な手段であるという知見を得た。
【0028】
磁気的性質を向上させるためには、一定量の酸化物の存在が必要であるが、それが異形状であると、後述する比較例に示すように、ターゲット表面の一定面積における、酸化物の存在する場所と酸化物の存在しない場所とにおいて、分布に差異が生じ、偏析が生じ易くなる。真球又は真球に近い酸化物粒子であれば、粒の形状が揃っているために、偏析が少なくなり、パーティクル発生を効果的に抑制できる。
【0029】
さらに、この酸化物粒子がターゲット中の酸化物を観察する平面において、このような酸化物粒子がターゲットの大半を占めること、すなわち60%以上を占めること、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%であることが望ましい。これによって、パーティクルの発生を大きく抑制できる磁性材スパッタリングターゲットを得ることができる。
【0030】
また、本発明の磁性材スパッタリングターゲットは、さらに酸化物粒子が分散した金属相内に金属の粗粒(金属粒)を存在させることが有効である。このようなターゲット組織とすることで、磁性材ターゲットの漏洩磁束を向上させることができるので、厚いターゲットを使用しても、安定した放電が得られ、良好なスパッタリングが可能となる。
【0031】
本発明の磁性材スパッタリングターゲットは、Co合金系、Co−Cr−Pt合金系、Fe−Pt合金系など、特にCo合金に有効である。既に公知の磁性材に適用でき、磁気記録媒体として必要とされる成分の配合割合は目的に応じて種々に調整できる。
Co合金系としては、Crが0mol%以上20mol%以下、Ptが5mol%以上30mol%以下、残部がCo及び不可避的不純物からなる強磁性スパッタリングターゲットとすることができる。また、Fe−Pt合金系としては、Ptが0mol%を超え60mol%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる強磁性材スパッタリングターゲットとすることができる。
含有元素の量は、強磁性材としての特性を活かすための好適は数値範囲を示すもので、必要に応じてこれ以外の数値に適用できることは言うまでもない。本願発明は、これらを全て含むものである。
【0032】
前記強磁性材に添加する酸化物については、SiO、TiO、Ti、Cr、Ta,Ti、B、CoO、Coから選択した一種以上の酸化物であり、通常、ターゲット中に、これらを0.5〜25mol%含有させる。
これらの酸化物は、必要とされる強磁性膜の種類に応じて、任意に選択し添加することができる。前記添加量は、添加の効果を発揮させるための有効量である。
【0033】
また、酸化物の平均粒径が1.5μm以下を満足していたとしても、最大粒径は9μmを超えないのが望ましく、さらには7μmを超えないのが望ましい。9μmを超える粒径の酸化物が含まれることは、磁気記録媒体の記録密度向上に伴い、許容パーティクルレベルが厳しくなってきているのに対し適しているとはいえない。
平均粒径が1.5μm以下であるとともに、最大粒径は9μmを超えないことが、より改善された非磁性材粒子分散型磁性材スパッタリングターゲットを提供するのにふさわしいといえる。
【0034】
さらに、本発明の磁性材スパッタリングターゲットは、Mg、Al、Si、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ta、W、B、Cuから選択した一種以上の元素を、0.5〜12mol%を添加することができる。これらは磁気記録媒体としての特性を向上させるために、必要に応じて添加される元素である。前記添加量は、添加の効果を発揮させるための有効量である。
【0035】
本発明の磁性材スパッタリングターゲットは、相対密度を97%以上とすることが望ましい。一般に、高密度のターゲットほどスパッタ時に発生するパーティクルの量を低減させることができることが知られている。
本発明においても同様、高密度とするのが好ましい。本願発明では、相対密度97%以上を達成することができる。
【0036】
本発明において相対密度とは、ターゲットの実測密度を計算密度(理論密度ともいう)で割り返して求めた値である。計算密度とはターゲットの構成成分が互いに拡散あるいは反応せずに混在していると仮定したときの密度で、次式で計算される。
式:計算密度=シグマΣ(構成成分の分子量×構成成分のモル比)/Σ(構成成分の分子量×構成成分のモル比/構成成分の文献値密度)
ここでΣは、ターゲットの構成成分の全てについて、和をとることを意味する。
【0037】
本発明の磁性材スパッタリングターゲットは、粉末冶金法によって作製することができる。粉末冶金法の場合は、まず各金属元素の粉末と、さらに必要に応じて添加金属元素の粉末を用意する。
これらの粉末は最大粒径が20μm以下のものを用いることが望ましい。また、各金属元素の粉末の代わりにこれら金属の合金粉末を用意してもよいが、その場合も最大粒径が20μm以下とすることが望ましい。一方、小さ過ぎると、酸化が促進されて成分組成が範囲内に入らないなどの問題があるため、0.1μm以上とすることがさらに望ましい。また、後述する実施例3に示す通り、ターゲットに金属粒を存在させるためには、粒径50〜300μmの粗粉を用いることが好ましい。
【0038】
そして、これらの金属粉末及び合金粉末を所望の組成になるように秤量し、ボールミル等の公知の手法を用いて粉砕を兼ねて混合する。SiO以外の酸化物粉末を添加する場合は、この段階で金属粉末及び合金粉末と混合すればよい。
SiO以外の酸化物粉末は最大粒径が5μm以下のものを用いることが望ましい。一方、小さ過ぎると凝集しやすくなるため、0.1μm以上のものを用いることがさらに望ましい。また、ミキサーとしては、遊星運動型ミキサーあるいは遊星運動型攪拌混合機であることが好ましい。さらに、混合中の酸化の問題を考慮すると、不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で混合することが好ましい。
【0039】
本発明において、特に重要なことは、前記の通り、ターゲット中の酸化物を観察する平面において、酸化物粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、最大径と最小径の差が0.4μm以下とすることである。
最大径と最小径の算出は、顕微鏡画像をPCに映し、画像処理解析ソフトを用いて行う。画像処理解析ソフトは、キーエンス社製形状解析ソフト(VK−Analyzer VK−H1A1)を使用した。
【0040】
これは、磁性材の成分組成にもよるが、原料、混合条件、焼結条件の設定により酸化物粒子が真球状になる条件を見出して、その製造条件を固定すれば、常時真球状又は真球状に近い酸化物粒子が分散した磁性材焼結体を得ることができる。
【0041】
さらに、この酸化物粒子がターゲット中の酸化物を観察する平面において、このような酸化物粒子がターゲットの大半を占めること、すなわち60%以上を占めること、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%であることが望ましい。これによって、パーティクルの発生を大きく抑制できる磁性材スパッタリングターゲットを得ることができる。
【実施例】
【0042】
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
【0043】
(実施例1)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径3μmのPt粉末を、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの球形SiO粉末、平均粒径1μmのCr粉末を用意した。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。組成は、次の通りである。
組成:60Co−25Pt−3Cr−5SiO−2TiO−5Cr(mol%)
【0044】
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。その混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1100°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
【0045】
さらに、このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ、酸化物粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、最大径と最小径の差が0.4μm以下である酸化物粒子が顕微鏡視野内において71%存在しており、平均粒径は0.71μmであった。最大粒径は5.2μmであった。
この様子を図1に示す。なお、最大径、最小径、平均粒径を算出するにあたっては、以下同様、顕微鏡像をPC画面に映し出し、画像解析処理にて算出した。
【0046】
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。
そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は4個であった。
なお、スパッタリングしない場合でも、パーティクルカウンターで測定すると、シリコン基板上にパーティクル数が0〜5個とカウントされる場合があるので、本実施例のパーティクル数4個は、極めて少ないレベルにあると言える。
【0047】
(比較例1)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径3μmのPt粉末を、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの芯状のSiO粉末、平均粒径1μmのCr粉末を用意した。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。成分組成は、次の通りである。
組成:60Co−25Pt−3Cr−5SiO−2TiO−5Cr(mol%)
【0048】
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、100時間回転させて混合した。その混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1100°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
【0049】
さらにこのターゲットの組織を観察したところ、顕微鏡視野範囲内での酸化物粒子の平均粒径は1.26μmであり、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.4μm以下である酸化物粒子の割合は56%であった。最大粒径は8μmであった。この様子を図2に示す。
【0050】
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は15個と増加した。
【0051】
(実施例2)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径5μmのRu粉末、酸化物粉末として平均粒径2μmの球状TiO粉末、平均粒径0.7μmの球状のSiO粉末、平均粒径1μmの球状CoO粉末を用意した。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。成分組成は、次の通りである。
組成:55Co−20Pt−5Ru−3Cr−5SiO−2TiO−10CoO(mol%)
【0052】
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。その混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1000°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
さらにこのターゲットの組織を観察したところ、顕微鏡視野範囲内での酸化物粒子の平均粒径は0.84μmであり、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.4μm以下である酸化物粒子の割合は63%であった。最大粒径は6.4μmであった。この様子を図3に示す。
【0053】
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は5個であった。
【0054】
(比較例2)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径10μmのRu粉末、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの芯状のSiO粉末、平均粒径1μmの球状CoO粉末を用意した。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。成分組成は、次の通りである。
組成:55Co−20Pt−5Ru−3Cr−5SiO−2TiO−10CoO(mol%)
【0055】
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、100時間回転させて混合した。その混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1100°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
さらにこのターゲットの組織を観察したところ、顕微鏡視野範囲内での酸化物粒子の平均粒径は1.58μmであり、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.4μm以下である酸化物粒子の割合は46%であった。最大粒径は12μmであった。
【0056】
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は23個であった。
【0057】
(実施例3)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径5μmのRu粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径5μmのTa粉末、酸化物粉末として平均粒径0.7μmの球状のSiO粉末、平均粒径2μmのB3粉末、平均粒径1μmのCo粉末を用意した。さらに、粒径が50μm〜300μmの範囲となるように調整したCo粗粉を準備し、平均粒径4μmのCo粉末と前記Co粗粉との比率を重量比で7:3とした。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。成分組成は、次の通りである。
組成:67.2Co−18Pt−2Cr−3Ru−0.8Ta−6SiO−1B−2Co(mol%)
【0058】
次に、Co粗粉を除き、秤量した粉末を粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。その後、Co粗粉をボールミルポットに追加で添加して、1時間混合した。その混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度900°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが7mmの円盤状のターゲットを得た。
さらにこのターゲットの組織を観察したところ、顕微鏡視野範囲内での酸化物粒子の平均粒径は1.16μmであり、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.4μm以下である酸化物粒子の割合は61%であった。最大粒径は6.4μmであった。この様子を図6に示す。
また、このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ図7に示すように非磁性材粒子が金属相に分散した組織中に、金属粒が点在していることが分かった。また、金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒が1mm視野内に42個確認された。このターゲットの漏洩磁束は、金属粒がない場合に比べて向上した。
【0059】
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は5個であった。
【0060】
(実施例4)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのFe粉末、平均粒径3μmのPt粉末、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの球形SiO粉末、平均粒径0.8μmのCoO粉末、平均粒径5μmのB粉末を用意した。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成:86(80Fe−20Pt)−10SiO−2TiO−1CoO−1B(mol%)
【0061】
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1000°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
また、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.4μm以下の非磁性材粒子の割合は63%であり、平均粒径は1.49μmであった。最大粒径は6.1μmであった。
【0062】
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、実施例1と同様とし、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は4個であった。
【0063】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、磁性材スパッタリングターゲットの組織構造、特に酸化物粒子の形状を調整し、スパッタリング時の酸化物による異常放電は生ぜず、パーティクルの発生を減少させることを可能とする。従って本発明のターゲットを使用すれば、マグネトロンスパッタ装置でスパッタリングする際に安定した放電が得られる。さらに、酸化物の異常放電を抑制し、異常放電が原因となるスパッタリング中のパーティクル発生を減少させ、歩留まり向上によるコスト改善効果を得ることができるという優れた効果を有するので、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特にハードディスクドライブ記録層の成膜に使用される磁性材スパッタリングターゲットとして有用である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7