特許第5830262号(P5830262)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5830262
(24)【登録日】2015年10月30日
(45)【発行日】2015年12月9日
(54)【発明の名称】光伝送方式
(51)【国際特許分類】
   H04J 14/00 20060101AFI20151119BHJP
   H04J 14/04 20060101ALI20151119BHJP
   H04J 14/06 20060101ALI20151119BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20151119BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20151119BHJP
   G02B 6/032 20060101ALI20151119BHJP
   G02B 6/04 20060101ALI20151119BHJP
【FI】
   H04B9/00 F
   H04B9/00 E
   G02B6/02 461
   G02B6/02 376Z
   G02B6/032 Z
   G02B6/04 D
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-86467(P2011-86467)
(22)【出願日】2011年4月8日
(65)【公開番号】特開2012-222613(P2012-222613A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2014年3月4日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願 (平成22年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的光ファイバ技術の研究開発」産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100142712
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 至男
(72)【発明者】
【氏名】武笠 和則
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/107414(WO,A1)
【文献】 今村勝徳 他,長距離大容量伝送用マルチコアファイバ,電子情報通信学会総合大会講演論文集 2010年 エレクトロニクス(1),日本,社団法人電子情報通信学会,2010年 3月 2日,p.197
【文献】 MANGAN, B.J. et al.,Photonic BandGap Fiber With Multiple Hollow Cores,Journal of Lightwave Technology,2010年 5月 1日,VOL.28 NO.9,p.1287 - 1290
【文献】 Jun Sakaguchi 他,109-Tb/s (7x97x172-Gb/s SDM/WDM/PDM) QPSK transmission through 16.8-km homogeneous multi-core fiber,OFC/NFOEC 2011,米国,2011年 3月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
G02B 6/02
G02B 6/032
G02B 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコア部を有するマルチコア光ファイバを備え、
前記マルチコア光ファイバの互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長の異なる各信号光を含む各波長分割多重信号光を入力させ、
前記複数のコア部は、光学特性が等しい複数のコア部または単一のコア部からなる、複数のコア部群から構成され
前記複数のコア部群は、前記マルチコア光ファイバの中心近傍に位置する中心コア部からなる中心コア部群と、前記中心コア部の外周に位置し互いに最隣接ではない複数の外周コア部を有する2つの外周コア部群と、から構成され、
前記中心コア部群のコア部にはSバンドの信号光を入力させ、
一方の外周コア部群のコア部にはCバンドの信号光を入力させ、他方の外周コア部群のコア部にはLバンドの信号光を入力させることを特徴とする光伝送方式。
【請求項2】
複数のコア部を有するマルチコア光ファイバを備え、
前記マルチコア光ファイバの互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長の異なる各信号光を含む各波長分割多重信号光を入力させ、
前記複数のコア部は、光学特性が等しい複数のコア部または単一のコア部からなる、複数のコア部群から構成され、
前記複数のコア部群は、前記マルチコア光ファイバの中心近傍に位置する中心コア部からなる中心コア部群と、前記中心コア部の外周に位置し互いに最隣接ではない複数の外周コア部を有する2つの外周コア部群と、から構成され、
前記中心コア部群のコア部にはLバンドの信号光を入力させ、
一方の外周コア部群のコア部にはCバンドの奇数チャネルの信号光を入力させ、他方の外周コア部群のコア部にはCバンドの偶数チャネルの信号光を入力させることを特徴とする光伝送方式。
【請求項3】
前記マルチコア光ファイバは、ソリッド型であることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送方式。
【請求項4】
前記マルチコア光ファイバは、ホーリーファイバ型であることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送方式。
【請求項5】
前記マルチコア光ファイバは、フォトニックバンドギャップ型であることを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送方式。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチコア光ファイバを用いた光伝送方式およびマルチコア光ファイバならびにマルチコア光ファイバの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットトラヒックの劇的な増大に伴い、従来型の伝送用光ファイバでは伝送容量が不足することが予想されている。この伝送容量の不足を解決する方法として、マルチコア光ファイバを用いた空間多重技術が有望視されている。例えば、非特許文献1、2では、7つのコア部を有し、断面構造を最適化することで有効コア断面積Aeffを100μmまで拡大した7コア型のマルチコア光ファイバが提案されている。このような有効コア断面積の拡大によって、光ファイバの光学非線形性が低下するので、より大容量の光伝送を実現するために好ましいマルチコア光ファイバとなる。
【0003】
また、非特許文献3では、フォトニックバンドギャップファイバ(Photonic BandGap Fiber:PBGF)を用いることで、光ファイバの非線形性を格段に抑制されること、およびフォトニックバンドギャップファイバを用いることで、長距離かつ低ペナルティーエラーでの光伝送が実現される可能性が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−237457号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】K. Imamura et al., OFC2010, OWK6 (2010)
【非特許文献2】K. Imamura et al., OECC2010, 7C2-2 (2010)
【非特許文献3】K. Mukasa et al., OFC2007, OML1 (2007)
【非特許文献4】K. Saitoh, et al., OPTICS EXPRESS, Vol.11, No.23, 2003,pp3100-3109
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、マルチコア光ファイバの場合は、各コア部を伝搬する信号光が干渉して劣化しないように、コア部間のクロストーク特性が良好であることが要求されている。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、良好なクロストーク特性を実現する光伝送方式を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光伝送方式は、複数のコア部を有するマルチコア光ファイバを備え、前記マルチコア光ファイバの互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長の異なる信号光を入力させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、複数のコア部と、前記各コア部のうち互いに隣接するコア部に対してそれぞれ異なるバンドギャップ波長帯のフォトニックバンドギャップを形成するように配置された複数の空孔と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るマルチコア光ファイバの製造方法は、上記発明のマルチコア光ファイバの製造方法であって、スタックアンドドロー法によって、前記コア部となる空孔と前記コア部にバンドギャップ波長帯を形成するための空孔とを含む複数のガラス母材を形成し、前記複数のガラス母材を束状にして、光ファイバ母材を形成し、前記光ファイバ母材を線引きして前記マルチコア光ファイバを製造する、ことを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るマルチコア光ファイバの製造方法は、上記発明のマルチコア光ファイバの製造方法であって、スタックアンドドロー法によって、前記複数のコア部となる空孔と前記コア部にバンドギャップ波長帯を形成するための空孔とを形成した光ファイバ母材を形成し、前記光ファイバ母材を線引きして前記マルチコア光ファイバを製造する、ことを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マルチコア光ファイバの互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長の異なる信号光を入力させることによって、良好なクロストーク特性を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態1に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図2図2は、実施の形態2に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図3図3は、実施の形態3に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図4図4は、実施の形態4に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図5図5は、実施の形態5に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図6図6は、ホーリーファイバ型のマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。
図7図7は、実施の形態6に係る光伝送システムにおいて用いるフォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。
図8図8は、実施の形態6に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図9図9は、図8に示すマルチコア光ファイバのバンドギャップ波長帯を模式的に示す図である。
図10図10は、フォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバの閉じ込め損失スペクトルの一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態7に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図12図12は、図11に示すマルチコア光ファイバの閉じ込め損失スペクトルを模式的に示す図である。
図13図13は、実施の形態8に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図14図14は、実施の形態9に係る光伝送システムのブロック構成図である。
図15図15は、図7に示すフォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバの製造方法の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例えば、マルチコア光ファイバの互いに最も隣接するコア部に、同一の波長1550nmの信号光を入力して伝送する場合は、マルチコア光ファイバの100km伝送後に、クロストークによって隣接するコア部に信号光のパワーに比して約−30dBのレベルの光パワーが乗り移ってしまうことになる。この−30dBのパワーの光は乗り移った先のコア部では大きなノイズとなり、そのコア部の伝送特性を劣化させる。
【0015】
これに対して、本発明では、マルチコア光ファイバの互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長の異なる信号光を入力させる。これによって、隣接するコア部へのクロストークの影響を大幅に抑制することができるので、良好なクロストーク特性を実現できる。
【0016】
以下に、図面を参照して本発明に係る光伝送方式およびマルチコア光ファイバならびにマルチコア光ファイバの製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態として、本発明に係る光伝送方式を適用した光伝送システムについて説明する。図1は、実施の形態1に係る光伝送システムのブロック構成図である。図1に示すように、この光伝送システム100は、マルチコア光ファイバ10とマルチコア光ファイバ10によって接続された送信装置20と受信装置30とを備えている。
【0018】
マルチコア光ファイバ10は、石英系ガラスからなるコア部11〜17と、コア部11〜17の外周に形成されたコア部11〜17よりも屈折率が低い石英系ガラスからなるクラッド部18とを備えている。マルチコア光ファイバ10はコア部11〜17とクラッド部18とに空孔構造が無く中実構造であり、いわゆるソリッド型のマルチコア光ファイバである。なお、コア部11はマルチコア光ファイバ10の長手方向の軸の中心近傍に位置し、他のコア部12〜17は、コア部11を重心とする正六角形の各頂点の位置に配置されている。コア部11〜17のコア径はほぼ同一であり、たとえば8μmである。コア部11〜17のクラッド部18に対する比屈折率差はほぼ同一でたとえば0.35%である。ただし、コア径や比屈折率はこれらの値に限定されない。
【0019】
送信装置20は、半導体レーザなどの光源で構成された送信器(Tx)21a〜21fを備える光送信部21と、送信器21a〜21fに接続した複数の光増幅器22と、複数の光増幅器22に接続した光コネクタ23とを備えている。
【0020】
光送信部21は波長分割多重信号(Wavelength Division Multiplexing:WDM)信号光を出力するものである。WDM信号光はたとえばITU−T(国際電気通信連合)で規定される波長グリッドに割り当てられた信号チャネルに対応する複数の信号光によって構成される。送信器21a、21c、21eはWDM信号光を構成する複数の信号チャネルに波長の短い順または長い順にチャネル番号を割り当てた場合に、奇数チャネルの信号光を出力するように構成されている。また、送信器21b、21d、21fはWDM信号光を構成する偶数チャネルの信号光を出力するように構成されている。なお、送信器21a〜21fのそれぞれが出力する信号光の数は、奇数または偶数チャネルのうちの1つでもよいし複数でもよい。
【0021】
複数の光増幅器22は、送信器21a〜21fの数と対応した数だけ設けられた、たとえば光ファイバ増幅器や半導体光増幅器であり、送信器21a〜21fが出力した信号光を増幅する。光コネクタ23は、送信器21a、21b、21c、21d、21e、21fのそれぞれから出力されて増幅された信号光を、それぞれマルチコア光ファイバ10のコア部12、13、14、17、16、15に入力させるように構成されている。なお、この光コネクタ23は、たとえば特許文献1に開示されるような、光ファイバを束ねて構成した光ファイババンドルによって実現することができる。
【0022】
受信装置30は、フォトダイオードなどの受光器で構成された受信器(Rx)31a〜31fを備える光受信部31と、受信器31a〜31fに接続した複数の光増幅器32と、複数の光増幅器32に接続した光コネクタ33とを備えている。複数の光増幅器32は受信器31a〜31fの数に対応した数だけ設けられている。
【0023】
光コネクタ33は、マルチコア光ファイバ10のコア部12、13、14、17、16、15から出力され、かつ複数の光増幅器32によって増幅された信号光を、受信器31a、31b、31c、31d、31e、31fのそれぞれに入力させるように構成されている。光コネクタ33も公知の光ファイババンドルによって実現することができる。
【0024】
受信器31a、31b、31c、31d、31e、31fは、送信器21a、21b、21c、21d、21e、21fからマルチコア光ファイバ10を介して伝送されてきた信号光を受光し、これを電気信号に変換するように構成されている。
【0025】
この光伝送システム100では、送信装置20は、マルチコア光ファイバ10の互いに最も隣接するコア部、たとえばコア部12の場合はコア部13またはコア部17に対して、互いに波長が異なる信号光を入力させている。マルチコア光ファイバ10は、入力された信号光を各コア部12〜17にて伝送する。受信装置30は、各コア部12〜17を伝送された信号光を受信器31a、31b、31c、31d、31e、31fにて受光し、これを電気信号に変換する。
【0026】
このように、光伝送システム100では、たとえばコア部12には奇数チャネルの信号光を入力させ、コア部13またはコア部17には偶数チャネルの信号光を入力させている。その結果、たとえコア部12にコア部13またはコア部17を伝送する偶数チャネルの信号光のパワーが乗り移ってきたとしても、互いの波長が異なるので、乗り移った信号光はコア部12を伝送する奇数チャネルの信号光との干渉は殆ど抑制される。また、他のコア部13〜17についても、当該コア部を伝送する信号光と他のコア部から乗り移ってきた信号光との干渉は殆ど抑制される。また、当該コア部を伝送する信号光と他のコア部から乗り移ってきた信号光との波長の差が大きくなるにつれて、相互位相変調のような非線形性の干渉も一層抑制される。したがって、本実施の形態1に係る光伝送システム100はクロストーク特性が良好であり、たとえば長距離かつ低ペナルティーエラーでの光伝送に適する。
【0027】
なお、実施の形態1ではコア部11では信号光を伝送していないが、後述する実施の形態のようにコア部11を用いて信号光を伝送してもよい。また、コア部11を、マルチコア光ファイバ10同士やマルチコア光ファイバ10と送信装置20または受信装置30との接続時の光軸合わせなどに用いることもできる。さらに、実施の形態1において、マルチコア光ファイバ10からコア部11を削除した構成のマルチコア光ファイバをマルチコア光ファイバ10に置き換えて用いてもよい。
【0028】
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係る光伝送システムのブロック構成図である。図2に示すように、この光伝送システム100Aは、光伝送システム100において、送信装置20を送信装置20Aに置き換え、受信装置30を不図示の受信装置に置き換えたものである。
【0029】
送信装置20Aは、送信器(Tx)21Aa〜21Afを備える光送信部21Aと、送信器21Aa〜21Afに接続した複数の光増幅器22Aと、複数の光増幅器22Aに接続した光コネクタ23Aとを備えている。
【0030】
光送信部21Aは光通信に用いられる波長帯であるCバンド(約1530nm〜1565nm)およびLバンド(約1565nm〜1625nm)のWDM信号光を出力するものである。送信器21Aa、21Ac、21AeはCバンドのWDM信号光を出力するように構成されている。また、送信器21Ab、21Ad、21AfはLバンドのWDM信号光を出力するように構成されている。
【0031】
複数の光増幅器22Aは、送信器21Aa〜21Afが出力した信号光を増幅する。光コネクタ23Aは、送信器21Aa、21Ab、21Ac、21Ad、21Ae、21Afのそれぞれから出力されて増幅された信号光を、それぞれマルチコア光ファイバ10のコア部12、13、14、17、16、15に入力させるように構成されている。
【0032】
なお、不図示の受信装置は、図1に示す受信装置30において、光受信部31の各受信器を、送信器21Aa、21Ab、21Ac、21Ad、21Ae、21Afから伝送されてきたCバンドまたはLバンドのWDM信号光を受信することができる受信器に置き換えた構成を有している。
【0033】
この光伝送システム100Aでも、送信装置20Aは、マルチコア光ファイバ10の互いに最も隣接するコア部、たとえばコア部12の場合はコア部13またはコア部17に対して、互いに波長帯が異なる信号光を入力させている。このように、互いに隣接するコア部には波長帯自体が異なる信号光が入力されるので、コア部12〜17のそれぞれを伝送する信号光と他のコア部から乗り移ってきた信号光との干渉は一層抑制される。また、相互位相変調のような非線形性の干渉もより一層抑制される。したがって、本実施の形態2に係る光伝送システム100Aはより一層クロストーク特性が良好である。
【0034】
なお、実施の形態2ではコア部11では信号光を伝送していないが、後述する実施の形態のようにコア部11を用いて信号光を伝送してもよい。また、コア部11を、マルチコア光ファイバ10同士やマルチコア光ファイバ10と送信装置20または受信装置30との接続時の光軸合わせなどに用いることもできる。さらに、実施の形態1において、マルチコア光ファイバ10からコア部11を削除した構成のマルチコア光ファイバをマルチコア光ファイバ10に置き換えて用いてもよい。
【0035】
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3に係る光伝送システムのブロック構成図である。図3に示すように、この光伝送システム100Bは、光伝送システム100において、送信装置20を送信装置20Bに置き換え、受信装置30を送信装置30Bに置き換えたものである。
【0036】
送信装置20Bは、送信器(Tx)21Ba〜21Biを備える光送信部21Bと、送信器21Ba〜21Biに接続した複数の光増幅器22Bと、複数の光増幅器22Bに接続した光コネクタ23Bとを備えている。
【0037】
送信器21Ba〜21Biは、WDM信号光を構成する複数の信号チャネルに波長の短い順または長い順にチャネル番号を割り当てた場合に、それぞれ1チャネル〜9チャネルの信号光を出力するように構成されている。
【0038】
複数の光増幅器22Bは、送信器21Ba〜21Biの数と対応した数だけ設けられており、送信器21Ba〜21Biが出力した信号光を増幅する。光コネクタ23Bは、送信器21Ba、21Bb、21Bc、21Bd、21Be、21Bf、21Bg、21Bh、21Biのそれぞれから出力されて増幅された信号光を、それぞれマルチコア光ファイバ10のコア部12、13、11、14、15、11、16、17、11に入力させるように構成されている。
【0039】
受信装置30Bは、受信器(Rx)31Ba〜31Biを備える光受信部31Bと、受信器31Ba〜31Biに接続した複数の光増幅器32Bと、複数の光増幅器32Bに接続した光コネクタ33Bとを備えている。複数の光増幅器32Bは受信器31Ba〜31Biの数に対応した数だけ設けられている。
【0040】
光コネクタ33Bは、マルチコア光ファイバ10のコア部12、13、14、15、16、17から出力され、かつ増幅された信号光を、受信器31Ba、31Bb、31Bd、31Be、31Bg、31Bhのそれぞれに入力させ、かつコア部11から出力され、かつ増幅された信号光を、受信器31Bc、31Bf、31Biのそれぞれに入力させるように構成されている。
【0041】
受信器31Ba、31Bb、31Bc、31Bd、31Be、31Bf、31Bg、31Bh、31Biは、送信器21Ba、21Bb、21Bc、21Bd、21Be、21Bf、21Bg、21Bh、21Biからマルチコア光ファイバ10を介して伝送されてきた信号光を受光し、これを電気信号に変換するように構成されている。
【0042】
ここで、コア部11〜17を、三角形状に配置されており、互いに最隣接ではないコア部12、14、16からなる第1コア群と、逆三角形状に配置されており、互いに最隣接ではないコア部13、15、17からなる第2コア群と、中心付近に位置するコア部11からなる第3コア群とに分類する。
【0043】
この光伝送システム100Bでは、送信器21Ba〜21Biから出力された1チャネル、2チャネル、・・・、9チャネルの信号光は、第1コア群、第2コア群、第3コア群、第1コア群、・・・、第3コア群に順番に割り当てられて入力されている。このようにすることによって、7つのコア部11〜17のすべてを使用して、互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長の異なる信号光を、より波長差が大きい状態で入力させることができる。したがって、この光伝送システム100Bでは、より大容量かつクロストーク特性が良好な光伝送を実現することができる。
【0044】
なお、実施の形態3では、隣接しないコア部、たとえばコア部12とコア部14にもそれぞれ1チャネル、4チャネルという異なる波長の信号光を入力しているが、本発明はこれに限らず、隣接しないコア部同士であれば同じ波長(あるいは同じ波長帯)の信号光を入力させてもよい。
【0045】
(実施の形態4)
図4は、実施の形態4に係る光伝送システムのブロック構成図である。図4に示すように、この光伝送システム100Cは、光伝送システム100において、送信装置20を送信装置20Cに置き換え、受信装置30を送信装置30Cに置き換えたものである。
【0046】
送信装置20Cは、送信器(Tx)21Ca〜21Cgを備える光送信部21Cと、送信器21Ca〜21Cgに接続した複数の光増幅器22Cと、複数の光増幅器22Cに接続した光コネクタ23Cとを備えている。
【0047】
光送信部21Cは光通信に使用される波長帯であるSバンド(約1460nm〜1530nm)、Cバンド、およびLバンドのWDM信号光を出力するものである。送信器21Ca、21Cc、21CfはCバンドのWDM信号光を出力するように構成されている。また、送信器21Cb、21Ce、21CgはLバンドのWDM信号光を出力するように構成されている。また、送信器21CdはSバンドのWDM信号光を出力するように構成されている。
【0048】
複数の光増幅器22Cは、送信器21Ca〜21Cgの数と対応した数だけ設けられており、送信器21Ca〜21Cgが出力した信号光を増幅する。光コネクタ23Cは、送信器21Ca、21Cb、21Cc、21Cd、21Ce、21Cf、21Cgのそれぞれから出力されて増幅された信号光を、それぞれマルチコア光ファイバ10のコア部12、13、14、11、17、16、15に入力させるように構成されている。
【0049】
受信装置30Cは、受信器(Rx)31Ca〜31Cgを備える光受信部31Cと、受信器31Ca〜31Cgに接続した複数の光増幅器32Cと、複数の光増幅器32Cに接続した光コネクタ33Cとを備えている。複数の光増幅器32Cは受信器31Ca〜31Cgの数に対応した数だけ設けられている。
【0050】
光コネクタ33Cは、マルチコア光ファイバ10のコア部12、13、14、11、17、16、15から出力され、かつ増幅された信号光を、受信器31Ca、31Cb、31Cc、31Cd、31Ce、31Cf、31Cgのそれぞれに入力させるように構成されている。
【0051】
受信器31Ca、31Cb、31Cc、31Cd、31Ce、31Cf、31Cgは、送信器21Ca、21Cb、21Cc、21Cd、21Ce、21Cf、21Cgからマルチコア光ファイバ10を介して伝送されてきた信号光を受光し、これを電気信号に変換するように構成されている。
【0052】
ここで、コア部11〜17を、実施の形態3と同様にコア部12、14、16からなる第1コア群と、コア部13、15、17からなる第2コア群と、コア部11からなる第3コア群とに分類する。
【0053】
この光伝送システム100Cでは、光送信部21Cから出力されたCバンド、Lバンド、Sバンドの信号光は、それぞれ第1コア群、第2コア群、第3コア群に割り当てられて入力されている。このようにすることによって、7つのコア部11〜17のすべてを使用して、互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長帯の異なる信号光を入力させることができる。したがって、光伝送システム100Cでは、より大容量かつクロストーク特性が良好な光伝送を実現することができる。なお、光伝送システム100Cでは、Sバンドよりも伝送損失が小さいなどの理由でより伝送容量を大きくしやすいCバンドとLバンドとをコア部が多い第1または第3コア群に割り当てることで、よりコア部を効率良く利用できる。
【0054】
(実施の形態5)
図5は、実施の形態5に係る光伝送システムのブロック構成図である。図5に示すように、この光伝送システム100Dは、光伝送システム100において、送信装置20を送信装置20Dに置き換え、受信装置30を不図示の受信装置に置き換えたものである。
【0055】
送信装置20Dは、送信器(Tx)21Da〜21Dgを備える光送信部21Dと、送信器21Da〜21Dgに接続した複数の光増幅器22Dと、複数の光増幅器22Dに接続した光コネクタ23Dとを備えている。
【0056】
光送信部21Dにおいて送信器21Da、21Dc、21DfはCバンドのWDM信号光の奇数チャネルの信号光を出力するように構成されている。送信器21Db、21De、21DgはCバンドのWDM信号光の偶数チャネルの信号光を出力するように構成されている。送信器21DdはLバンドのWDM信号光を出力するように構成されている。
【0057】
複数の光増幅器22Dは、送信器21Da〜21Dgが出力した信号光を増幅する。光コネクタ23Dは、送信器21Da、21Db、21Dc、21Dd、21De、21Df、21Dgのそれぞれから出力されて増幅された信号光を、それぞれマルチコア光ファイバ10のコア部12、13、14、11、17、16、15に入力させるように構成されている。
【0058】
なお、不図示の受信装置は、図1に示す受信装置30において、光受信部31の各受信器を、送信器21Da〜21Dgから伝送されてきたCバンドまたはLバンドのWDM信号光を受信することができる受信器に置き換えた構成を有している。
【0059】
この光伝送システム100Dでは、光送信部21Dから出力されたCバンドの奇数チャネル、Cバンドの偶数チャネル、Lバンドの信号光は、それぞれ第1コア群、第2コア群、第3コア群に割り当てられて入力されている。このようにすることによって、7つのコア部11〜17のすべてを使用して、互いに最も隣接するコア部に対して互いに波長帯の異なるまたは互いに波長差が大きい信号光を入力させることができる。したがって、光伝送システム100Dでは、より大容量かつクロストーク特性が良好な光伝送を実現することができる。なお、光伝送システム100Dでは、Cバンドと比較して曲げ損失が大きいLバンドの信号光をマルチコア光ファイバ10の中心付近に位置するコア部11に割り当てている。これによって、Lバンドの信号光はマルチコア光ファイバ10の曲げの影響を受けにくくなるので、マルチコア光ファイバ10のいずれのコア部を使用した場合においても低曲げ損失を実現できる。
【0060】
上記実施の形態では、マルチコア光ファイバ10はソリッド型であるが、ホーリーファイバ型のマルチコア光ファイバを用いてもよい。図6は、ホーリーファイバ型のマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。図6に示すように、ホーリーファイバ型のマルチコア光ファイバ10Aは、コア部11A〜17Aと、コア部の外周に形成されたクラッド部18Aとを備えている。コア部11Aはマルチコア光ファイバ10Aの長手方向の軸の中心近傍に位置し、他のコア部12A〜17Aは、コア部11Aを重心とする正六角形の各頂点の位置に配置されている。コア部11A〜17Aとクラッド部18Aとは屈折率が等しい石英系ガラスからなる。また、クラッド部18Aは、各コア部11A〜17Aを含む各領域A1〜A7に形成された複数の空孔19Aを有する。空孔19Aは、三角格子状に配列されている。この三角格子の格子定数(すなわち空孔間距離)をΛとし、空孔径をdとすると、各コア部11A〜17Aの光学特性は、各領域A1〜A7におけるd/Λ、Λ、および各コア部11A〜17Aを囲むように空孔19Aが形成する正六角形状の層(空孔層)の数によって設定することができる。なお、たとえば、d/Λは0.43であり、Λは7μmであり、空孔層数は5であるが、特に限定はされない。
【0061】
(実施の形態6)
つぎに、実施の形態6に係る、フォトニックバンドギャップファイバ型のマルチコア光ファイバを利用した光伝送システムについて説明する。図7は、実施の形態6に係る光伝送システムにおいて用いるフォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。
【0062】
図7に示すように、フォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバ10Bは、空孔構造を有するコア部11B〜17Bと、コア部の外周に形成されたクラッド部18Bとを備えている。すなわち、マルチコア光ファイバ10Bは、いわゆるAir−core型フォトニックバンドギャップファイバである。
【0063】
コア部11Bはマルチコア光ファイバ10Bの長手方向の軸の中心近傍に位置し、他のコア部12B〜17Bは、コア部11Bを重心とする正六角形の各頂点の位置に配置されている。コア部11B〜17Bとクラッド部18Bとは屈折率が等しい石英系ガラスからなる。また、クラッド部18Bは、各コア部11B〜17Bを含む各領域B1〜B7に形成された複数の空孔19Bを有する。
【0064】
ここで、各領域B1〜B7に配置された空孔19Bは、フォトニック結晶を形成するように三角格子状に配列されており、伝送すべき光の波長において2次元のブラッグ反射によるフォトニックバンドギャップが形成されている。その結果、各領域B1〜B7に結晶欠陥として導入されたコア部11B〜17Bは、伝送すべき光の波長を含むバンドギャップ波長帯の光のみを伝送することができる。なお、三角格子の格子定数(すなわち空孔間距離)をΛとし、空孔径をdとすると、各コア部11B〜17Bのバンドギャップ波長帯は、d/ΛおよびΛによって設定することができる。
【0065】
図8は、実施の形態6に係る光伝送システムのブロック構成図である。図8に示すように、光伝送システム100Eは、図7に示すマルチコア光ファイバ10Bと、図2に示した実施の形態2の送信装置20Aおよび不図示の受信装置とを備えている。
【0066】
光コネクタ23Aは、送信器21Aa、21Ab、21Ac、21Ad、21Ae、21Afのそれぞれから出力されて増幅された信号光を、それぞれマルチコア光ファイバ10Bのコア部12B、13B、14B、17B、16B、15Bに入力させるように構成されている。
【0067】
図9は、図8に示すマルチコア光ファイバ10Bのバンドギャップ波長帯を模式的に示す図である。なお、横軸は波長、縦軸は閉じ込め損失をそれぞれ示している。図9に示すように、マルチコア光ファイバ10Bでは、送信器21Aa、21Ac、21Aeから出力されたCバンドのWDM信号光が入力される、互いに最隣接ではないコア部12B、14B、16Bにおいては、Cバンドに対応するように線L1で示すバンドギャップ波長帯が設定されている。また、送信器21Ab、21Ad、21Afから出力されたLバンドのWDM信号光が入力される、互いに最隣接ではないコア部13B、15B、17Bにおいては、Lバンドに対応するように線L2で示すバンドギャップ波長帯が設定されている。
【0068】
このように、光伝送システム100Eでは、マルチコア光ファイバ10Bは、互いに隣接するコア部には異なるバンドギャップ波長帯が設定されている。その結果、たとえばコア部12Bに最隣接するコア部13Bから信号光が乗り移ってきたとしても、その乗り移ってきた信号光はコア部12Bを伝送されないから、信号光間の干渉はさらに一層抑制される。したがって、本実施の形態6に係る光伝送システム100Eはより一層クロストーク特性が良好である。
【0069】
図10は、フォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバの閉じ込め損失スペクトルの一例を示す図である。ここで、横軸は、任意の波長λと、空孔間距離Λとの比を示し、縦軸は、d/Λを0.97に設定したときの、λ/Λに対する閉じ込め損失の計算値を示している(非特許文献4参照)。図10の場合は、λ/Λが約0.37の場合に閉じ込め損失が最小となるようなバンドギャップ波長帯が形成される。したがって、たとえば波長約1.55μmにおいて閉じ込め損失が最小となるようなバンドギャップ波長帯を形成する場合、Λを、約1.55/0.37=4.19μmに設定すればよい。
【0070】
なお、実施の形態6ではコア部11Bでは信号光を伝送していないが、後述する実施の形態のようにコア部11Bを用いて信号光を伝送してもよい。また、コア部11Bを、マルチコア光ファイバ10B同士やマルチコア光ファイバ10Bと送信装置20Aまたは受信装置との接続時の光軸合わせなどに用いることもできる。さらに、実施の形態6において、マルチコア光ファイバ10Bからコア部11Bを削除した構成のマルチコア光ファイバをマルチコア光ファイバ10Bに置き換えて用いてもよい。
【0071】
(実施の形態7)
図11は、実施の形態7に係る光伝送システムのブロック構成図である。図11に示すように、光伝送システム100Fは、マルチコア光ファイバ10Bと、図4に示した実施の形態4の送信装置20Cおよび不図示の受信装置とを備えている。
【0072】
光コネクタ23Cは、送信器21Ca、21Cb、21Cc、21Cd、21Ce、21Cf、21Cgのそれぞれから出力されて増幅された信号光を、それぞれマルチコア光ファイバ10Bのコア部12B、13B、14B、11B、17B、16B、15Bに入力させるように構成されている。
【0073】
図12は、図11に示すマルチコア光ファイバ10Bのバンドギャップ波長帯を模式的に示す図である。なお、横軸は波長、縦軸は閉じ込め損失をそれぞれ示している。図12に示すように、マルチコア光ファイバ10Bでは、送信器21Ca、21Cc、21Cfから出力されたCバンドのWDM信号光が入力される、互いに最隣接ではないコア部12B、14B、16Bにおいては、Cバンドに対応するように線L1で示すバンドギャップ波長帯が設定されている。また、送信器21Cb、21Ce、21Cgから出力されたLバンドのWDM信号光が入力される、互いに最隣接ではないコア部13B、15B、17Bにおいては、Lバンドに対応するように線L2で示すバンドギャップ波長帯が設定されている。さらに、送信器21Cdから出力されたSバンドのWDM信号光が入力されるコア部11Bにおいては、Sバンドに対応するように線L3で示すバンドギャップ波長帯が設定されている。
【0074】
このように、光伝送システム100Fでは、マルチコア光ファイバ10Bは、互いに隣接するコア部には異なるバンドギャップ波長帯が設定されている。その結果、たとえばコア部12Bに最隣接するコア部13Bから信号光が乗り移ってきたとしても、その乗り移ってきた信号光はコア部12Bを伝送されないから、信号光間の干渉はさらに一層抑制される。したがって、本実施の形態7に係る光伝送システム100Fはより一層クロストーク特性が良好である。
【0075】
(実施の形態8)
図13は、実施の形態8に係る光伝送システムのブロック構成図である。図13に示すように、この光伝送システム200は、図1に示す送信装置20と受信装置30との間に、複数のマルチコア光ファイバ10と、複数のマルチコア光増幅器40とが交互に接続された構成を有している。
【0076】
マルチコア光増幅器40は、マルチコア光ファイバ10によって伝送された信号光を光増幅してその伝送損失を補償するものである。マルチコア光増幅器40は、たとえばエルビウム添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器などの光ファイバ増幅器の増幅用光ファイバをマルチコア光ファイバで構成したものを用いることができる。または、マルチコア光増幅器40は、マルチコア光ファイバ10の各コア部を伝送してきた信号光を光ファイババンドル等で1本の光ファイバに合波し、それを1つのコア部を有する増幅用光ファイバを用いた光ファイバ増幅器で増幅する構成としてもよい。また、マルチコア光増幅器40は半導体光増幅器で構成してもよい。
【0077】
この光伝送システム200は、光中継器としてのマルチコア光増幅器40によってマルチコア光ファイバ10を多段接続しているので、より長距離の光伝送を実現するのに好適である。
【0078】
(実施の形態9)
図14は、実施の形態9に係る光伝送システムのブロック構成図である。図14に示すように、この光伝送システム300は、図4に示す送信装置20Cと受信装置30Cとの間に、複数のマルチコア光ファイバ10と、複数のマルチコア光増幅器50とが交互に接続された構成を有している。
【0079】
マルチコア光増幅器50は、光コネクタ51と、光増幅部52と、光コネクタ53とを備えている。光増幅部52は、たとえば希土類添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器などの光ファイバ増幅器で構成したものである。これらの光増幅器は、Sバンド、Cバンド、Lバンドの信号光をそれぞれ増幅することができる3種類の増幅用光ファイバを備えている。光コネクタ51は、マルチコア光ファイバ10を伝送してきた信号光をSバンド、Cバンド、Lバンドごとに、光増幅部52の各バンド用の増幅用光ファイバに入力させるように構成されている。光コネクタ53は、光増幅部52の各増幅用光ファイバで増幅された各バンドの信号光を、信号光ごとに対応するマルチコア光ファイバ10のコア部に入力させるように構成されている。なお、各バンド用の増幅用光ファイバは、単一のコア部を有するシングルコア光ファイバで構成としてもよいし、たとえばマルチコア光ファイバで構成してもよい。この場合、たとえばCバンドを例にして説明すると、Cバンドの増幅すべき信号光の数だけシングルコア増幅用光ファイバを設けるようにしてもよいし、Cバンドの増幅すべき信号光を複数のグループに分類し、そのグループの数だけシングルコア増幅用光ファイバを設けるようにしてもよいし、Cバンドの全ての信号光を1つのシングルコア増幅用光ファイバで増幅する構成にしてもよい。また、Cバンドの増幅すべき信号光の数だけのコア部を有するマルチコア増幅用光ファイバを設けるようにしてもよいし、Cバンドの増幅すべき信号光のグループの数だけのコア部を有するマルチコア増幅用光ファイバを設けるようにしてもよい。
【0080】
この光伝送システム300も、光中継器としてのマルチコア光増幅器50によってマルチコア光ファイバ10を多段接続しているので、より長距離の光伝送を実現するのに好適である。
【0081】
つぎに、図7に示すフォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバ10Bの製造方法を説明する。マルチコア光ファイバ10Bは公知のスタックアンドドロー法を用いて、コア部11B〜17Bとなる空孔とコア部11B〜17Bにバンドギャップ波長帯を形成するための空孔とを形成した光ファイバ母材を形成し、その空孔構造を制御しながら線引きすることで製造することができる。また、マルチコア光ファイバ10Bは、以下に説明する方法で製造すれば、より製造の負荷が軽減される。
【0082】
図15は、フォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバ10Bの製造方法の一例を説明する図である。図15に示す方法では、スタックアンドドロー法によって、コア部11B〜17Bのいずれかとなる空孔61aとコア部にバンドギャップ波長帯を形成するための空孔61bとを含むガラス母材61を形成する。なお、ガラス母材61は各コア部11B〜17Bの特性に対応したものを7本用意する。そして、これらのガラス母材61を束状にしてガラス管62内に挿入し、光ファイバ母材60を形成する。ガラス母材の太さはガラス管62内にスタックすることが可能な程度の太さとする。そして、この光ファイバ母材60を線引きしてマルチコア光ファイバ10Bを製造する。この方法によれば、空孔構造を形成するための多数のガラス管またはガラス棒を一度に多量にスタックしなくても良いので、より製造の負荷が軽減される。なお、光ファイバ母材60の形成の際にガラス母材61とガラス管62との間の隙間を構造安定用のガラス棒などで充填すれば、線引きの際に空孔構造が安定するので好ましい。また、線引きの際に空孔内の圧力を制御して空孔を所望の形状に変形させ、損失特性などのマルチコア光ファイバの特性を向上させるようにしてもよい。
【0083】
なお、上記実施の形態では、フォトニックバンドギャップ型のマルチコア光ファイバはコア部が空孔構造であるAir−core型であるが、コア部が中実構造のソリッドコア型でもよい。
【0084】
また、上記実施の形態において、送信装置または受信装置内の光増幅器は、送信器または受信器ごとに設けられているが、複数の送信器または受信器に対応する信号光を一括して増幅するような光増幅器を用いてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態では、マルチコア光ファイバのコア部の数は7であるが、2個以上であれば特に限定されず、たとえば公知の19個のコア部を有するマルチコア光ファイバに本発明を適用しても良い。
【0086】
また、上記各実施形態の各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
10、10A、10B マルチコア光ファイバ
11〜17、11A〜17A、11B〜17B コア部
18、18A、18B クラッド部
19A、19B、61a、61b 空孔
20、20A、20B、20C、20D 送信装置
30、30B、30C 受信装置
21、21A、21B、21C、21D 光送信部
31、31B、31C 光受信部
21a、21b、21c、21d、21e、21f、21Aa、21Ab、21Ac、21Ad、21Ae、21Af、21Ba、21Bb、21Bc、21Bd、21Be、21Bf、21Bg、21Bh、21Bi、21Ca、21Cb、21Cc、21Cd、21Ce、21Cf、21Cg、21Da、21Db、21Dc、21Dd、21De、21Df、21Dg 送信器
31a、31b、31c、31d、31e、31f、31Ba、31Bb、31Bc、31Bd、31Be、31Bf、31Bg、31Bh、31Bi、31Ca、31Cb、31Cc、31Cd、31Ce、31Cf、31Cg 受信器
22、22A、22B、22C、22D、32、32B、32C、 光増幅器
23、23A、23B、23C、23D、33、33B、33C、51、53 光コネクタ
40、50 マルチコア光増幅器
52 光増幅部
60 光ファイバ母材
61 ガラス母材
62 ガラス管
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、200、300 光伝送システム
A1〜A7、B1〜B7 領域
L1〜L3 線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15