特許第5831959号(P5831959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831959
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/07 20060101AFI20151126BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20151126BHJP
【FI】
   C08L83/07
   H01L33/00 424
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-543431(P2014-543431)
(86)(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公表番号】特表2014-534327(P2014-534327A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】KR2012010071
(87)【国際公開番号】WO2013077707
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0124656
(32)【優先日】2011年11月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0134556
(32)【優先日】2012年11月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ジン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ホ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ミュン・スン・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ブム・ギュ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】デ・ホ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ミン・キョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ビュン・キュ・チョ
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−001335(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0160410(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/090361(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/090364(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 83/00−83/16
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記化学式1の平均組成式を有するオルガノポリシロキサン;及び(B)アルケニル基及びエポキシ基を含み、全体ケイ素原子に対する前記エポキシ基(Ep)のモル比(Ep/Si)が0.15以下である架橋型オルガノポリシロキサンを含む硬化性組成物:
[化学式1]
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO
上記化学式1で、Rは、炭素数2以上の1価炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、R及びRは、それぞれ、独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜25のアリール基であり、Rは、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜25のアリール基であり、R、R及びRのうち少なくとも1つは、アルケニル基であり、aは、正の数であり、bは、0または正の数であり、cは、正の数であり、dは、0または正の数であり、b/aは、5以上であり、b/cは、5以上である。
【請求項2】
(A)オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子に対する上記(A)オルガノポリシロキサンに含まれる全体アルケニル基のモル比(Ak/Si)が0.02〜0.2である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
(A)オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子に対する上記(A)オルガノポリシロキサンに含まれる全体アリール基のモル比(Ar/Si)が0.3以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
化学式1のb/(a+b+c+d)が0.5以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
化学式1のb/(b+c)が0.5以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
(A)オルガノポリシロキサンは、下記化学式2の平均組成式を有する、請求項1に記載の硬化性組成物:
[化学式2]
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO2/2(RSiO3/2
上記化学式2で、R、R及びRは、化学式1で定義した通りであり、Rは、炭素数6〜25のアリール基であり、R、R及びRは、それぞれ、独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜25のアリール基であり、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは、アルケニル基であり、a+l+m+cを1に換算したとき、aは、0.01〜0.10であり、lは、0〜0.90であり、mは、0〜0.90であり、cは、0.01〜0.30であり、(l+m)/aは、5以上であり、(l+m)/cは、5以上である。
【請求項7】
(A)オルガノポリシロキサンは、H NMRスペクトルでケイ素原子に結合されたアルケニル基から由来する面積(Ak)に対してケイ素原子に結合されたアルコキシ基から由来するピークの面積(OR)の比率(OR/Ak)が0.05以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
(A)オルガノポリシロキサンは、KOH滴定による酸価が0.05mgKOH/g以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
(A)オルガノポリシロキサンは、下記化学式5の化合物;及び下記化学式6または7の平均組成式で表示されるオルガノポリシロキサンを含む混合物の反応物である、請求項1に記載の硬化性組成物:
【化1】
[化学式6]
[RSiO3/2
[化学式7]
[RSiO1/2[RSiO3/2
上記化学式5〜7で、Rは、炭素数2以上の1価炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、R〜Rは、それぞれ、独立して炭素数6〜25のアリール基、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2以上の1価炭化水素基であり、oは、3〜6であり、pは、1〜3であり、qは、1〜10である。
【請求項10】
(B)オルガノポリシロキサンは、下記化学式9の平均組成式を有する、請求項1に記載の硬化性組成物:
[化学式9]
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2
上記化学式9で、Rは、それぞれ、独立して1価炭化水素基またはエポキシ基であり、但し、Rのうち少なくとも1つは、アルケニル基であり、Rのうち少なくとも1つは、アリール基であり、Rのうち少なくとも1つは、エポキシ基であり、dは、正の数であり、eは、0または正の数であり、fは、正の数であり、gは、0または正の数であり、(d+e)/(d+e+f+g)は、0.2〜0.7であり、e/(e+f+g)は、0.3以下であり、f/(f+g)は、0.8以上である。
【請求項11】
(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子に対する上記(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体アルケニル基のモル比(Ak/Si)が0.05〜0.4である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子に対する上記(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体エポキシ基(Ep)のモル比(Ep/Si)が0.1以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項13】
(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子に対する上記(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体アリール基のモル比(Ar/Si)が0.5〜1.5である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項14】
下記化学式10の化合物または下記化学式11の平均組成式を有する化合物をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物:
[化学式10]
15SiO(R15SiO)SiR15
上記化学式10で、R15は、それぞれ、独立して水素または1価の炭化水素基であり、R15のうち1つまたは2つ以上は、水素原子であり、R15のうち少なくとも1つは、アリール基であり、nは、1〜100である:
[化学式11]
(R16SiO1/2(R16SiO2/2(R16SiO3/2(SiO
上記化学式11で、R16は、そやれぞれ、独立して水素または1価の炭化水素基であり、R16のうち1つまたは2つ以上は、水素原子であり、R16のうち少なくとも1つは、アリール基であり、h+i+j+kを1に換算したとき、hは、0.1〜0.8であり、iは、0〜0.5であり、jは、0.1〜0.8であり、kは、0〜0.2であり、但し、i及びkは同時に0ではない。
【請求項15】
請求項1に記載の硬化性組成物の硬化物で封止された発光ダイオード。
【請求項16】
請求項15に記載の発光ダイオードを含む液晶ディスプレイ。
【請求項17】
請求項15に記載の発光ダイオードを含む照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性組成物及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)、特に発光波長が約250nm〜550nmである青色または紫外線LEDであって、GaN、GaAlN、InGaN及びInAlGaNのようなGaN系の化合物半導体を利用した高輝度製品が得られている。また、赤色及び緑色LEDを青色LEDと組合させる技法で高画質のフルカラー画像の形成が可能になっている。例えば、青色LEDまたは紫外線LEDを蛍光体と組み合わせて、白色LEDを製造する技術が知られている。このようなLEDは、LCD(Liquid Crystal Display)のバックライトまたは一般照明用などに需要が拡大されている。
【0003】
LED封止材として、接着性が高くて、力学的な耐久性に優れたエポキシ樹脂が幅広く利用されている。しかし、エポキシ樹脂は、青色〜紫外線領域の光に対する透過率が低く、また、耐光性が劣化する問題点がある。これにより、例えば、特許文献1〜3などでは、上記のような問題点を改良するための技術を提案している。しかし、上記文献で開示する封止材は、耐光性が十分ではない。
【0004】
低波長領域に対して耐光性に優れた材料として、シリコン樹脂が知られている。しかし、シリコン樹脂は、耐熱性が劣化し、硬化後に表面でべたつきが現われる短所がある。また、シリコン樹脂がLEDの封止材として効果的に適用されるためには、高屈折特性、クラック耐性、表面硬度、接着力及び耐熱衝撃性などの特性が確保される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開平11−274571号公報
【特許文献2】日本国特開第2001−196151号公報
【特許文献3】日本国特開第2002−226551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、硬化性組成物及びその用途を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な硬化性組成物は、(A)脂肪族不飽和結合を有する部分架橋型オルガノポリシロキサン及び(B)脂肪族不飽和結合及びエポキシ基を含む架橋型オルガノポリシロキサンを含むことができる。
【0008】
(A)オルガノポリシロキサンは、部分架橋構造のオルガノポリシロキサンであることができる。本明細書で用語「部分架橋構造」は、(RSiO2/2)で表示される場合があるいわゆる二管能性シロキサン単位(以下、「D単位」という)から由来する線形構造が充分に長いのに、(RSiO3/2)で表示される場合があるいわゆる三管能性シロキサン単位(以下、「T単位」という)が部分的に導入されているオルガノポリシロキサンの構造を意味することができる。1つの例示で、部分架橋構造は、オルガノポリシロキサンに含まれる全体D及びT単位に対するすべてのD単位の比率(D/(D+T))が0.7以上の構造を意味することができる。上記D単位の比率(D/(D+T))は、例えば、1未満であることができる。
【0009】
1つの例示で、(A)オルガノポリシロキサンは、下記化学式1の平均組成式で表示されることができる。
【0010】
[化学式1]
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO
【0011】
化学式1で、Rは、炭素数2以上の1価炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、R及びRは、それぞれ、独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜25のアリール基であり、Rは、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜25のアリール基であり、R、R及びRのうち少なくとも1つは、アルケニル基であり、aは、正の数であり、bは、0または正の数であり、cは、正の数であり、dは、0または正の数であり、b/aは、5以上であり、b/cは、5以上である。
【0012】
本明細書でオルガノポリシロキサンが所定の平均組成式で表示されるというのは、そのオルガノポリシロキサンがその所定の平均組成式で表示される単一の成分であるか、2個以上の成分の混合物または反応物であり、且つ上記混合物または反応物内の各成分の組成の平均が、その所定の平均組成式で表示される場合を含む。
【0013】
本明細書で用語1価炭化水素基は、炭素及び水素よりなる有機化合物またはその誘導体から誘導される1価残基を意味することができる。上記1価炭化水素基は、1つまたは2つ以上の炭素を含み、例えば、炭素数1〜25または炭素数2〜25の1価炭化水素基であることができる。上記1価炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基またはアリール基などが例示されることができる。
【0014】
本明細書で用語アルキル基は、特に別途規定しない限り、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を意味することができる。上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状または環構造を有することができ、任意的に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0015】
本明細書で用語アルケニル基は、特に別途規定しない限り、炭素数2〜20、炭素数2〜16、炭素数2〜12、炭素数2〜8または炭素数2〜4のアルケニル基を意味することができる。上記アルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状または環構造を有することができ、任意的に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0016】
本明細書で用語アリール基は、特に別途規定しない限り、ベンゼン環を有するか、2個以上のベンゼン環が連結または縮合された構造を含む化合物またはその誘導体から由来する1価残基を意味することができる。すなわち、上記用語アリール基の範囲には、通常アリール基と呼ばれるアリール基はもちろん、いわゆるアルアルキル基(aralkyl group)またはアリールアルキル基などが含まれることができる。上記のようなアリール基は、例えば、炭素数6〜25、炭素数6〜21、炭素数6〜18または炭素数6〜13のアリール基であることができ、その例としては、フェニル基、ジクロロフェニル、クロロフェニル、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基(xylyl group)またはナフチル基などが例示されることができ、例えばフェニル基が例示されることができる。
【0017】
上記アルキル基の定義が化学式1の「2価炭化水素基」に適用されるときには、各炭素数の下限は2であることができる。
【0018】
化学式1の平均組成式で炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であることができる。上記アルキル基は、任意的に1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。化学式1の平均組成式で、Rは、例えばメチル基であることができる。
【0019】
本明細書で1価炭化水素基、アルキル基、アルケニル基またはアリール基などに任意的に置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、チオール基または前述した1価炭化水素基(炭素数が1の場合を含む)などが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0020】
化学式1で、R、R及びRのうち少なくとも1つは、アルケニル基である。1つの例示で、上記アルケニル基は、上記オルガノポリシロキサン(A)に含まれる全体ケイ素原子(Si)に対する上記アルケニル基(Ak)のモル比(Ak/Si)が0.02〜0.2または0.02〜0.15になる量で存在することができる。上記モル比(Ak/Si)を0.02以上に調節し、他の成分との反応性を適切に維持し、未反応の成分が硬化物の表面に染み出る現象を防止することができる。上記モル比(Ak/Si)を0.2以下に調節し、硬化物のクラック耐性を優秀に維持することができる。
【0021】
化学式1の平均組成式で、a〜dは、各シロキサン単位のモル比率を示し、その総計(a+b+c+d)は、1であり、aは、0.01〜0.210、0.01〜0.20または0.01〜0.10であり、bは、0〜0.98または0〜1.8であり、cは、0.01〜0.30であり、dは、0〜0.3であることができる。
【0022】
化学式1の平均組成式で表示されるオルガノポリシロキサンは、この分野で通常(RSiO1/2)で表示される場合があるいわゆる一官能性シロキサン単位(以下、「M単位」という)、D単位、T単位及び/または(SiO)で表示される場合があるいわゆる4官能性シロキサン単位(以下、「Q単位」という)を含むことができ、例えば、M、D及びT単位を含むことができる。
【0023】
オルガノポリシロキサン(A)は、構造中にT単位から由来する構造(以下、「架橋構造」という)を有しながらD単位から由来する線形構造が充分に長い構造であることができる。例示的なオルガノポリシロキサンは、化学式1の平均組成式でb/cが5以上、7以上、8以上または10以上であることができる。また、上記平均組成式でb/aは、5以上、8以上または10以上であることができる。上記でb/cの上限は、特に制限されるものではないが、例えば、70、60、50、40、30または25であることができる。また、b/aの上限は、特に制限されるものではないが、例えば、110、100、90、80、70、60、50または40であることができる。化学式1でb/(a+b+c+d)は、例えば、0.5以上、0.6以上または0.7以上であることができる。上記b/(a+b+c+d)の上限は、特に制限されないが、上記は、1未満または0.98以下であることができる。化学式1でb/(b+c)は、例えば、0.5以上、0.6以上または0.7以上であることができる。上記b/(b+c)の上限は、特に制限されないが、上記は、1未満または0.98以下であることができる。オルガノポリシロキサンが上記のような構造を有すれば、適用用途によって適した物性を示すことができる。化学式1の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合されているアリール基を1つ以上含むことができる。例示的なオルガノポリシロキサン(A)では、上記オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子(Si)に対する上記ケイ素原子に結合されているアリール基(Ar)のモル比(Ar/Si)が0.3以上、0.5以上または0.7以上であることができる。このような範囲で屈折率、光抽出効率、クラック耐性、硬度及び粘度特性などを優秀に維持することができる。一方、上記モル比(Ar/Si)の上限は、例えば、1.5または1.3であることができる。
【0024】
1つの例示で化学式1の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合されているアリール基の1つ以上は、D単位のケイ素原子に結合されていてもよい。例示的なオルガノポリシロキサンは、D単位のケイ素原子に結合されているアリール基を1つ以上含み、上記オルガノポリシロキサンの全体ケイ素原子(Si)に対する上記D単位のケイ素原子に結合されているアリール基(Ar−D)のモル比(Ar−D/Si)が0.2以上、0.4以上または0.6以上であることができる。上記例示で上記モル比(Ar−D/Si)の上限は、特に制限されず、例えば、1.8または1.5であることができる。
【0025】
化学式1の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合されているアリール基の1つ以上は、T単位のケイ素原子に結合されていてもよい。
【0026】
1つの例示で、化学式1の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合されているアリール基は、すべてD及び/またはT単位のケイ素原子に結合されており、且つ上記記述したモル比(Ar/Si及び/またはAr−D/Si)を満足することができる。上記オルガノポリシロキサンまたはそれを含む封止材の優れた屈折率、光抽出効率、クラック耐性、硬度及び粘度特性などを示すことができる。
【0027】
1つの例示で、上記オルガノポリシロキサン(A)は、下記化学式2の平均組成式で表示される化合物であることができる。
【0028】
[化学式2]
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO2/2(RSiO3/2
【0029】
化学式2で、R、R及びRは、化学式1で定義した通りであり、Rは、炭素数6〜25のアリール基であり、R、R及びRは、それぞれ、独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜25のアリール基であり、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは、アルケニル基であり、a+l+m+cは1であり、aは0.01〜0.10であり、lは0〜0.90であり、mは0〜0.90であり、cは0.01〜0.30であり、(l+m)/aは5以上であり、(l+m)/cは5以上である。
【0030】
化学式2の平均組成式でa、l、m及びcは、各シロキサン単位のモル比率を示し、その総計(a+l+m+c)を1に換算する場合、aは0.01〜0.10であり、lは0〜0.90であり、mは0〜0.90であり、cは0.01〜0.30である。また、上記でl及びmの和を化学式1の組成式のbにした場合、a、l、m及びcは、化学式1の項目で言及したモル比率を満足するように数値が調節されることができる。例えば、化学式2で(l+m)/cが5以上、7以上、8以上または10以上であることができる。また、上記平均組成式で(l+m)/aは、5以上、8以上または10以上であることができる。上記で(l+m)/cの上限は、特に制限されるものではないが、例えば、70、60、50、40、30または25であることができる。また、(l+m)/aの上限は、特に制限されるものではないが、例えば、110、100、90、80、70、60、50または40であることができる。化学式2で(l+m)/(a+l+m+c)は、例えば、0.5以上、0.6以上または0.7以上であることができる。上記(l+m)/(a+l+m+c)の上限は、特に制限されないが、上記は、1未満または0.98以下であることができる。化学式2で(l+m)/(l+m+c)は、例えば、0.5以上、0.6以上または0.7以上であることができる。上記(l+m)/(l+m+c)の上限は、特に制限されないが、上記は、1未満または0.98以下であることができる。
【0031】
化学式2の平均組成式でl及びmは、いずれも0ではないことがある。l及びmがいずれも0ではない場合、l/mは、0.4〜2.0、0.4〜1.5または0.5〜1の範囲内にあり得る。
【0032】
1つの例示で、化学式1または化学式2の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンは、下記化学式3または4の単位を含むことができる。
【0033】
【化1】
【0034】
【化2】
【0035】
化学式3及び4で、R〜Rは、それぞれ、独立して1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜25のアリール基であり、oは、0〜300であり、pは、0〜300である。
【0036】
例示的なオルガノポリシロキサンは、化学式3または4の単位を1つ以上含むことができる。化学式3または4の単位は、オルガノポリシロキサンを形成するシロキサン単位のうちD単位のケイ素原子とT単位のケイ素原子が酸素原子を媒介で直接結合されている形態の単位である。1つの例示で前述したように、上記オルガノポリシロキサンが2つ以上の成分の混合物であり、且つ上記各成分の組成の平均が、化学式1または化学式2の平均組成式で表示される場合にも、上記オルガノポリシロキサンは、下記化学式3または4の単位を有する単一の成分を少なくとも1つ含むことができる。化学式3または4の単位を含むオルガノポリシロキサンは、例えば、後述するように、環構造のシロキサン化合物をケージ(cage)または部分ケージ(partial cage)構造を有するか、T単位を含むオルガノポリシロキサンを反応させて製造することができる。特に、上記方式を適用すれば、化学式3または4の単位を含みながらも、構造中にアルコキシ基が結合されたケイ素原子及びヒドロキシ基が結合されたケイ素原子などが最小化されたオルガノポリシロキサンの製造が可能である。
【0037】
1つの例示で、化学式1または化学式2の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンは、H NMR測定によって求められるスペクトルでケイ素原子に結合されたアルケニル基から遊離される面積(Ak)に対してケイ素原子に結合されたアルコキシ基から由来するピークの面積(OR)の比率(OR/Ak)が0.05以下、0.03以下、0.01以下、0.005以下または0であることができる。上記範囲で適切な粘度特性を示しながら、他の物性が優秀に維持されることができる。また、上記でH NMR測定によるスペクトルは、具体的には下記実施例で記載する方式によって求められる。
【0038】
また、1つの例示で、化学式1または化学式2の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンは、KOH滴定によって求められる酸価(acid value)が0.05mgKOH/g以下、0.03mgKOH/g以下、0.01mgKOH/g以下または0mgKOH/gであることができる。上記範囲で適切な粘度特性を示しながら、他の物性が優秀に維持されることができる。また、上記でKOH滴定による酸価は、具体的には、下記実施例で記載する方式によって求められる。
【0039】
1つの例示で、化学式1または化学式2の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンは、25℃での粘度が2,000cP以上、3,000cP以上、4,000cP以上、5,000cP以上、7,000cP以上、9,000cP以上または9,500cP以上であることができる。このような範囲で上記オルガノポリシロキサンの加工性及び硬度特性などが適切に維持されることができる。一方、上記粘度の上限は、特に制限されるものではないが、例えば、上記粘度は、100,000cP以下、90,000cP以下、80,000cP以下、70,000cP以下または65,000cP以下であることができる。
【0040】
1つの例示で化学式1または化学式2の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンは、重量平均分子量(Mw:Weight Average Molecular Weight)が1,500以上、2,000以上、3,000以上、4,000以上または5,000以上であることができる。本明細書で用語重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)で測定した標準ポリスチレンに対する換算数値を意味する。また、本明細書で特に別途規定しない限り、用語分子量は、重量平均分子量を意味することができる。このような範囲で上記オルガノポリシロキサンの成形性、硬度及び強度特性などが適切に維持されることができる。一方、上記分子量の上限は、特に制限されるものではないが、例えば、上記分子量は、14,000以下、12,000以下または10,000以下であることができる。
【0041】
上記オルガノポリシロキサンは、例えば、環構造のシロキサン化合物をケージ構造または部分ケージ構造を有するか、T単位を含むオルガノポリシロキサンとともに含む混合物の反応物であることができる。上記で環構造のシロキサン化合物としては、下記化学式5で表示される化合物が例示されることができる。また、ケージまたは部分ケージ構造を有するか、T単位を含むオルガノポリシロキサンは、下記化学式6または7の平均組成式で表示されることができる。
【0042】
【化3】
【0043】
[化学式6]
[RSiO3/2
【0044】
[化学式7]
[RSiO1/2[ReSiO3/2
【0045】
化学式5〜7で、Rは、炭素数2以上の1価炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、R〜Rは、それぞれ、独立して炭素数6〜25のアリール基、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基であり、oは、3〜6であり、pは、1〜3であり、qは、1〜10である。
【0046】
化学式5〜7で、R、R、R及びRの具体的な種類とo、p及びqの具体的な数値、そして上記混合物内での各成分の比率は、目的する構造のオルガノポリシロキサンによって決定されることができる。
【0047】
化学式5の化合物を化学式6及び/または7の平均組成式を有するオルガノポリシロキサンとともに含む混合物を反応させれば、目的する構造、例えば、前述した部分架橋構造を有するオルガノポリシロキサンを十分な分子量で合成することができる。
【0048】
上記のような混合物を反応させれば、合成されたオルガノポリシロキサン内でケイ素原子に結合しているアルコキシ基やヒドロキシ基のような官能基を最小化し、優れた物性を有する目的物を製造することができる。
【0049】
1つの例示で上記混合物は、下記化学式8で表示される化合物をさらに含むことができる。
【0050】
[化学式8]
(RSi)
【0051】
化学式8で、Rは、炭素数2以上の1価炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。
【0052】
化学式8で、Ra及びRbの具体的な種類と混合物への配合比率は、目的するオルガノポリシロキサンの構造によって決定されることができる。
【0053】
1つの例示で、上記混合物内の各成分の反応は、適切な触媒の存在下で行われることができる。したがって、上記混合物は、触媒をさらに含むことができる。上記混合物に含まれることができる触媒としては、例えば、塩基触媒を挙げることができる。適切な塩基触媒としては、KOH、NaOHまたはCsOHなどのような金属水酸化物;アルカリ金属化合物とシロキサンを含む金属シラノレート(metal silanolate)またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetramethylammonium hydroxide)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(tetraethylammonium hydroxide)またはテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(tetrapropylammonium hydroxide)などのような4級アンモニウム化合物などが例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0054】
混合物内で上記触媒の比率は、目的する反応性などを考慮して適切に選択されることができ、例えば、混合物内の反応物の合計重量100重量部に対して0.01重量部〜30重量部または0.03重量部〜5重量部の比率で含まれることができる。本明細書で特に別途規定しない限り、単位重量部は、各成分間の重量の比率を意味する。
【0055】
1つの例示で、上記反応は、適切な溶媒の存在下に行われることができる。溶媒としては、上記混合物内の反応物、すなわちジシロキサンまたはオルガノポリシロキサンなどと触媒が適切に混合することができ、反応性に大きい差し支えを与えないものならどんな種類も使用されることができる。溶媒としては、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、2、2、4−トリメチルペンタン、シクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼンまたはメチルエチルベンゼンなどの芳香族系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンまたはアセチルアセトンなどのケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチルエーテル、n−プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキシン、ジメチルジオキシン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルまたはプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、メチルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはエチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;N−メチルピロリドン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミドまたはN、N−ジエチルアセトアミドなどのアミド系溶媒が例示されることができるが、これに制限されるものではない。
【0056】
上記反応は、例えば、上記反応物に触媒を添加し反応させて製造されることができる。上記で反応温度は、例えば、0℃〜150℃または30℃〜130℃の範囲内で調節されることができる。また、上記反応時間は、例えば、1時間〜3日の範囲内で調節されることができる。
【0057】
硬化性組成物は、(B)架橋構造を有するオルガノポリシロキサンを含む。
【0058】
本明細書で用語「架橋構造」のオルガノポリシロキサンは、構造中にT単位または通常(SiO)で表示される場合があるいわゆる4官能性シロキサン単位(以下、「Q単位」という)のうち少なくとも1つの単位を含むオルガノポリシロキサンであって、上記部分架橋構造のオルガノポリシロキサンに該当しないオルガノポリシロキサンを意味することができる。
【0059】
上記(B)オルガノポリシロキサンは、下記化学式9の平均組成式で表示されることができる。
【0060】
[化学式9]
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2
【0061】
化学式9で、Rは、それぞれ、独立して1価炭化水素基またはエポキシ基であり、但し、Rのうち少なくとも1つは、アルケニル基であり、Rのうち少なくとも1つは、アリール基であり、Rのうち少なくとも1つは、エポキシ基であり、dは、正の数であり、eは、0または正の数であり、fは、正の数であり、gは、0または正の数であり、(d+e)/(d+e+f+g)は、0.2〜0.7であり、e/(e+f+g)は、0.3以下であり、f/(f+g)は、0.8以上である。
【0062】
化学式9で、Rのうち1つまたは2つ以上は、アルケニル基であることができる。1つの例示でアルケニル基は、上記(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子(Si)に対する上記アルケニル基(Ak)のモル比(Ak/Si)が0.05〜0.4または0.05〜0.35になるようにする量で存在することができる。上記モル比(Ak/Si)を0.05以上に調節し、反応性を適切に維持し、未反応の成分が硬化物の表面に染み出る現象を防止することができる。また、上記モル比(Ak/Si)を0.4または0.35以下に調節し、硬化物の硬度特性、クラック耐性及び耐熱衝撃性などを優秀に維持することができる。
【0063】
(B)オルガノポリシロキサンは、エポキシ基を含む。本明細書で用語エポキシ基は、特に別途規定しない限り、3個の環構成原子を有する環状エーテル(cyclic ether)または上記環状エーテルを含む化合物から誘導された1価残基を意味することができる。エポキシ基としては、グリシジル基、エポキシアルキル基、グリシドキシアルキル基または脂環式エポキシ基などが例示されることができる。上記エポキシ基内のアルキル基としては、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4の直鎖状、分岐鎖状または環状アルキル基が例示されることができる。また、上記で脂環式エポキシ基は、脂肪族炭化水素環構造を含み、上記脂肪族炭化水素環を形成している2個の炭素原子がまたエポキシ基を形成している構造を含む化合物から由来する1価残基を意味することができる。脂環式エポキシ基としては、6個〜12個の炭素原子を有する脂環式エポキシ基が例示されることができ、例えば、3、4−エポキシシクロヘキシルエチル基などが例示されることができる。
【0064】
化学式9で、Rのうち少なくとも1つは、またエポキシ基である。(B)オルガノポリシロキサンがエポキシ基を有し、硬化物の強度及び耐スクラッチ性を適切に維持しながら、基材との優れた接着性を発揮するようにすることができる。1つの例示で上記エポキシ基は、上記オルガノポリシロキサン(B)に含まれる全体ケイ素原子(Si)に対する上記エポキシ基(Ep)のモル比(Ep/Si)が0.15以下または0.1以下になる量で存在することができる。上記モル比(Ep/Si)で硬化物の架橋構造を適切に維持し、耐熱性及び接着性などの特性を優秀に維持することができる。上記の比率(Ep/Si)の下限は、特に制限されず、例えば、上記の比率(Ep/Si)は、0を超過することができる。
【0065】
化学式9で、Rのうち1つ以上は、アリール基であることができる。これにより、硬化物の屈折率及び硬度特性などを効果的に制御することができる。アリール基は、(B)オルガノポリシロキサンに含まれる全体ケイ素原子(Si)に対する、上記アリール基(Ar)のモル比(Ar/Si)が0.5〜1.5または0.5〜1.2になる量で存在することができる。上記モル比(Ar/Si)を0.5以上に調節し、硬化物の屈折率及び硬度特性を極大化することができ、また1.5または1.2以下に調節し、組成物の粘度及び耐熱衝撃性などを適切に維持することができる。
【0066】
化学式9の平均組成式でd、e、f及びgは、各シロキサン単位のモル比率を示し、その総計を1に換算すれば、dは、0.05〜0.5であり、eは、0〜0.3であり、fは、0.6〜0.95であり、gは、0〜0.2である。但し、f及びgは、同時に0ではない。硬化物の強度、クラック耐性及び耐熱衝撃性を極大化するために、上記で(d+e)/(d+e+f+g)は、0.2〜0.7であり、e/(e+f+g)は、0.3以下であり、f/(f+g)は、0.8以上の範囲で調節することができる。上記でe/(e+f+g)の下限は、特に制限されず、例えば、上記e/(e+f+g)は、0を超過することができる。また、上記でf/(f+g)の上限は、特に制限されず、例えば、上限は、1.0であることができる
【0067】
(B)オルガノポリシロキサンは、25℃での粘度が5,000cP以上または10,000cP以上であることができ、これにより、硬化前の加工性と硬化後の硬度特性などを適切に維持することができる。
【0068】
(B)オルガノポリシロキサンは、例えば、800〜20,000または800〜10,000の分子量を有することができる。分子量を800以上に調節し、硬化前の成形性や、硬化後の強度を効果的に維持することができ、分子量を20,000または10,000以下に調節し、粘度などを適切な水準に維持することができる。
【0069】
(B)オルガノポリシロキサンを製造する方法は、特に制限されず、例えば、当業界で通常公知されている製造方法を適用するか、または上記(A)オルガノポリシロキサンの製造と類似の方式を適用することができる。
【0070】
(B)オルガノポリシロキサンは、例えば、上記(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対して、50重量部〜1,000重量部または50重量部〜700重量部で混合することができる。(B)オルガノポリシロキサンの重量の比率を50重量部以上に調節し、硬化物の強度を優秀に維持し、また、1000重量部または700重量部以下に調節し、クラック耐性及び耐熱衝撃性を優秀に維持することができる。
【0071】
硬化性組成物は、(C)ケイ素原子に結合している水素原子を1つまたは2つ以上含むオルガノポリシロキサンを含むことができる。
【0072】
(C)化合物は、硬化性組成物を架橋させる架橋剤として作用することができる。(C)化合物としては、ケイ素原子に結合した水素原子(Si−H)を含むものなら、多様な種類が使用されることができる。(C)化合物は、線形、分岐形、環形または架橋形のオルガノポリシロキサンであることができ、ケイ素原子が2個〜1000個または3〜300個である化合物であることができる。
【0073】
1つの例示で、(C)化合物は、下記化学式10の化合物または下記化学式11の平均組成式で表示される化合物であることができる。
【0074】
[化学式10]
SiO(RSiO)SiR
【0075】
化学式10で、Rは、それぞれ、独立して水素または1価の炭化水素基であり、Rのうち1つまたは2つ以上は、水素原子であり、Rのうち少なくとも1つは、アリール基であり、nは、1〜100である。
【0076】
[化学式11]
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO
【0077】
化学式11で、Rは、それぞれ、独立して水素または1価の炭化水素基であり、Rのうち1つまたは2つ以上は、水素原子であり、Rのうち少なくとも1つは、アリール基であり、h+i+j+kを1に換算したとき、hは、0.1〜0.8であり、iは、0〜0.5であり、jは、0.1〜0.8であり、kは、0〜0.2である。
【0078】
化学式10の化合物は、ケイ素原子に結合された水素原子を少なくとも2つ有する線形オルガノポリシロキサンであり、化学式10で、nは、1〜100、1〜50、1〜25、1〜10または1〜5であることができる。
【0079】
1つの例示で、(C)化合物に含まれる全体ケイ素原子(Si)に対するケイ素原子結合水素原子(H)のモル比(H/Si)は、0.2〜0.8または0.3〜0.75であることができる。上記モル比を0.2または0.3以上に調節し、組成物の硬化性を優秀に維持し、また、0.8または0.75以下に調節し、クラック耐性及び耐熱衝撃性などを優秀に維持することができる。
【0080】
(C)化合物は、少なくとも1つのアリール基を含むことができ、これにより、化学式10でRのうち少なくとも1つ、または化学式11でRのうち少なくとも1つは、アリール基であることができる。これにより、硬化物の屈折率及び硬度特性などを効果的に制御することができる。上記アリール基は、(C)化合物に含まれる全体ケイ素原子(Si)に対する、上記アリール基(Ar)のモル比(Ar/Si)が0.5〜1.5または0.5〜1.3になる量で存在することができる。上記モル比(Ar/Si)を0.5以上に調節し、硬化物の屈折率及び硬度特性を極大化することができ、また1.5または1.3以下に調節し、組成物の粘度及び耐クラック特性を適切に維持することができる。
【0081】
(C)化合物は、25℃での粘度が0.1cP〜100,000cP、0.1cP〜10,000cP、0.1cP〜1,000cPまたは0.1cP〜300cPであることができる。(C)化合物が上記のような粘度を有すれば、組成物の加工性及び硬化物の硬度特性などを優秀に維持することができる。
【0082】
(C)化合物は、例えば、2,000未満、1,000未満または800未満の分子量を有することができる。(C)化合物の分子量が1,000以上なら、硬化物の強度が低下するおそれがある。(C)化合物の分子量の下限は、特に制限されず、例えば、250であることができる。(C)化合物の場合、分子量は、重量平均分子量であるか、あるいは化合物の通常的な分子量を意味することができる。
【0083】
(C)化合物を製造する方法は、特に制限されず、例えば、オルガノポリシロキサンの製造に通常公知された方式を適用するか、あるいは上記(A)オルガノポリシロキサンに準ずる方式を適用して製造することができる。
【0084】
1つの例示で、(C)化合物の含量は、(A)オルガノポリシロキサンなど硬化性組成物に含まれる他の成分が有するアルケニル基の量によって決定されることができる。1つの例示で上記(C)化合物は、硬化性組成物に含まれるアルケニル基(Ak)全体に対する(C)化合物に含まれるケイ素原子に結合した水素原子(H)のモル比(H/Ak)が0.5〜2.0または0.7〜1.5になる範囲で選択されることができる。上記で硬化性組成物に含まれるアルケニル基は、例えば、(A)及び(B)成分に含まれるアルケニル基であることができる。上記モル比(H/Ak)で配合することによって、硬化前に優れた加工性と作業性を示し、硬化し、優れたクラック耐性、硬度特性、耐熱衝撃性及び接着性を示し、苛酷条件での白濁や、表面のべたつきなどを誘発しない組成物を提供することができる。(C)化合物の含量は、重量の比率では、例えば、(A)化合物100重量部に対して、50重量部〜500重量部または50重量部〜400重量部の範囲であることができる。
【0085】
1つの例示で、上記硬化性組成物に含まれる成分は、すべてケイ素原子に結合したアリール基を含むことができる。このような場合、上記硬化性組成物に含まれる全体ケイ素原子(Si)に対する、上記硬化性組成物に含まれる全体アリール基(Ar)のモル比(Ar/Si)が0.5以上であることができる。上記で硬化性組成物に含まれる全体ケイ素原子またはアリール基は、(A)、(B)及び(C)成分に含まれるケイ素原子またはアリール基であることができる。上記モル比(Ar/Si)を0.5以上に調節し、硬化物の光透過性、屈折率、粘度、クラック耐性及び硬度特性などを極大化することができる。アリール基のモル比(Ar/Si)の上限は、特に制限されず、例えば、2.0または1.5であることができる。
【0086】
硬化性組成物は、粒子、例えば無機粒子を含むことができる。上記無機粒子は、上記組成物またはその硬化物の屈折率との差の絶対値が0.15以下になる範囲の屈折率を有することができる。
【0087】
上記粒子は、例えば、上記組成物中に蛍光体が配合される場合、硬化過程で上記蛍光体が沈降する問題点を防止することができ、また、耐熱性、放熱性、クラック耐性などを向上させて、全体的な信頼性を改善することができる。また、上記粒子は、上記範囲の屈折率を有し、上記のような作用をしながらも組成物または硬化物の透明度を維持させて、素子に適用される場合、その輝度を向上させることができる。
【0088】
上記粒子としては、上記粒子を除いた組成物またはその硬化物との屈折率の差の絶対値が0.15以下である限り、当業界で使用される多様な種類の粒子をすべて使用することができる。上記粒子は、上記粒子を除いた組成物またはその硬化物との屈折率の差の絶対値が例えば0.1以下または0.07以下であることができる。例えば、シリカ(SiO)、オルガノシリカ、アルミナ、アルミノシリカ、チタニア、ジルコニア、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化ニオブ、五酸化タンタル、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、ケイ素、亜鉛黄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミノシリケートまたは酸化マグネシウムなどが例示されることができ、上記は、多孔性の形態であるか、あるいは中空粒子(hollow particle)の形態であることができる。
【0089】
上記粒子の平均粒径は、例えば、1nm〜50nm または2nm〜10nm であることができる。上記平均粒径を1nm以上にして、粒子を組成物またはその硬化物内に均一に分散させることができ、また、50nm 以下にして、粒子の分散を効果的に行い、また、粒子の沈降を防止することができる。
【0090】
上記粒子は、上記(A)化合物100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部または0.2重量部〜10重量部で組成物に含まれることができる。上記粒子の含量が0.1重量部以上であり、優れた蛍光体の沈降抑制または素子の信頼性向上効果が確保されることができ、30重量部以下なら、工程性が優秀に維持されることができる。
【0091】
上記組成物は、ヒドロシリル化触媒をさらに含むことができる。ヒドロシリル化触媒としては、この分野で公知された通常の成分をすべて使用することができる。このような触媒の例としては、白金、パラジウムまたはロジウム系触媒などを挙げることができる。本発明では、触媒効率などを考慮して、白金系触媒を使用することができ、このような触媒の例としては、塩化白金酸、四塩化白金、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体または白金のカルボニル錯体などを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0092】
上記ヒドロシリル化触媒の含量は、いわゆる触媒量、すなわち触媒として作用することができる量で含まれる限り、特に制限されない。通常、白金、パラジウムまたはロジウムの原子量を基準として0.1ppm〜500ppmまたは0.2ppm〜100ppmの量で使用することができる。
【0093】
本発明は、また、半導体素子に関する。例示的な半導体素子は、上記硬化性組成物の硬化物を含む封止材によって封止されたものであることができる。
【0094】
上記で封止材で封止される半導体素子としては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、フォトカプラ、CCD、固体撮像装置、一体式IC、混成IC、LSI、VLSI及びLED(Light Emitting Diode)などが例示されることができる。
【0095】
1つの例示で上記半導体素子は、発光ダイオードであることができる。
【0096】
上記発光ダイオードとしては、例えば、基板上に半導体材料を積層して形成した発光ダイオードなどが例示されることができる。上記半導体材料としては、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlNまたはSiCなどが例示されることができるが、これに制限されるものではない。また、上記基板としては、サファイア、スピンネル、SiC、Si、ZnOまたはGaN単結晶などが例示されることができる。
【0097】
また、発光ダイオードの製造時には、必要に応じて、基板と半導体材料との間にバッファー層を形成することができる。バッファー層としては、GaNまたはAlNなどが使用されることができる。基板上への半導体材料の積層方法は、特に制限されず、例えば、MOCVD法、HDVPE法または液相成長法などを使用することができる。また、発光ダイオードの構造は、例えば、MIS接合、PN接合、PIN接合を有するモノ接合、ヘテロ接合、二重ヘテロ接合などであることができる。また、単一または多重量子井戸構造で上記発光ダイオードを形成することができる。
【0098】
1つの例示で、上記発光ダイオードの発光波長は、例えば、250nm〜550nm、300nm〜500nm、または330nm〜470nmであることができる。上記発光波長は、主発光ピーク波長を意味することができる。発光ダイオードの発光波長を上記範囲に設定することによって、さらに長い寿命で、エネルギー効率が高く、色再現性が高い白色発光ダイオードを得ることができる。
【0099】
上記発光ダイオードは、上記組成物を使用して封止されることができる。また、発光ダイオードの封止は、上記組成物だけで行われることができ、場合によっては、他の封止材が上記組成物と併用されることができる。2種の封止材を併用する場合、上記組成物を使用した封止後に、その周囲を他の封止材で封止することもでき、他の封止材でまず封止した後、その周囲を上記組成物で封止することができる。他の封止材としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ウレア樹脂、イミド樹脂またはガラスなどを挙げることができる。
【0100】
上記組成物で発光ダイオードを封止する方法としては、例えば、モールド型金型に上記組成物をあらかじめ注入し、そこに発光ダイオードが固定されたリードフレームなどを浸漬させ、組成物を硬化させる方法、発光ダイオードを挿入した金型中に組成物を注入し、硬化させる方法などを使用することができる。組成物を注入する方法としては、ディスペンサーによる注入、トランスファー成形または射出成形などが例示されることができる。また、その他の封止方法としては、組成物を発光ダイオード上に積荷、孔版印刷、スクリーン印刷またはマスクを媒介で塗布し、硬化させる方法、底部に発光ダイオードを配置したカップなどに組成物をディスペンサーなどによって注入し、硬化させる方法などが使用されることができる。
【0101】
また、上記組成物は、必要に応じて、発光ダイオードをリード端子やパッケージに固定するダイボンド材や、発光ダイオード上のパッシベーション(passivation)膜またはパッケージ基板などとして利用されることができる。
【0102】
上記組成物の硬化が必要な場合、硬化方法は、特に制限されず、例えば、60℃〜200℃の温度で10分〜5時間上記組成物を維持して行うか、適正温度及び時間での2段階以上の過程を経て段階的な硬化工程を進行することもできる。
【0103】
封止材の形状は、特に限定されず、例えば、 砲弾型のレンズ形状、板状または薄膜状などで構成することができる。
【0104】
また、従来の公知の方法によって発光ダイオードの追加的な性能向上を図ることができる。性能向上の方法としては、例えば、発光ダイオードの背面に光の反射層または集光層を設置する方法、補色着色部を底部に形成する方法、主発光ピークより短波長の光を吸収する層を発光ダイオード上に設置する方法、発光ダイオードを封止した後、さらに硬質材料でモールディングする方法、発光ダイオードを貫通ホールに挿入して固定する方法、発光ダイオードをフリップチップ接続などによってリード部材などと接続し、基板方向から光を取り出す方法などを挙げることができる。
【0105】
上記発光ダイオードは、例えば、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)のバックライト、照明、各種センサー、プリンター、コピー機などの光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾または各種ライトなどに効果的に適用されることができる。
【発明の効果】
【0106】
例示的な硬化性組成物は、優れた加工性及び作業性を示す。また、上記硬化性組成物は、硬化すれば、優れた光抽出効率、クラック耐性、硬度、耐熱衝撃性及び接着性を示す。また、上記組成物は、苛酷条件でも長時間安定的な耐久信頼性を示し、白濁及び表面でのべたつきなどが誘発されない封止材などを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0107】
以下、実施例及び比較例を通じて上記硬化性組成物をさらに詳しく説明するが、上記硬化性組成物の範囲が下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0108】
以下で、参照符号Viは、ビニル基を示し、参照符号Phは、フェニル基を示し、参照符号Meは、メチル基を示し、参照符号Epは、3−グリシドキシプロピル基を示す。
【0109】
1.オルガノポリシロキサンに対するH−NMR測定
1H−NMR測定に使用した機器は、Varian Unity Inova 500MHz NMRである。使用溶媒は、アセトン−d6であり、測定条件は次の通りである。
【0110】
パルスシーケンス(Pulse sequence):s2pul
スイープ幅(Sweep width):8012.8Hz
獲得時間(Acquisition time):2.045秒
遅延時間(Delay time):2秒
パルス幅(Pulse width):45度pulse(8.10usec)
スキャン数(Number of scan):16
【0111】
2.オルガノポリシロキサンに対する酸価測定
トルエン500mL、イソプロピルアルコール(IPA)495mL及び水(distilled water)5mLを配合し、測定用溶媒を製造した。また、ベース溶媒(base solution)として0.1Nの濃度のKOH溶液(溶媒:イソプロピルアルコール(IPA))を準備し、標識子(indicator)としては、アルファ−ナフトルベンゼイン(alpha−naphtholbenzein)(pH:0.8〜8.2 yellow、10.0 blue green)を準備した。次いで、試料約1〜2gを採取し、測定用溶媒6gに溶かした後、標識子を添加した後、ベース溶媒で滴定した。滴定完了時点で使用されたベース溶媒の量で酸価(acid value)をmgKOH/gの単位で求めた。
【0112】
3.高温耐熱特性評価
硬化性組成物を有機基板にコーティングし、60℃で30分間維持した後、さらに150℃で1時間維持して硬化させて、厚さが1mmの板状試験片を製造する。その後、上記試験片を150℃で100時間放置した後、試験片の厚さ方向の光透過度をUV−VIS spectrometerを使用して450nmの波長に対して測定し、下記基準によって高温耐熱特性を評価した。
〈評価基準〉
○:光透過度が95%以上の場合
×:光透過度が95%未満の場合
【0113】
4.素子特性評価
ポリフタルアミド(PPA)で製造された6020 LEDパッケージを使用して素子特性を評価する。具体的に、ポリフタルアミドカップ内に硬化性組成物をディスフェンシングし、70℃で30分間維持した後、さらに150℃で1時間維持して硬化させて、表面実装型LEDを製造する。その後、下記提示された方法によって熱衝撃テストと長期信頼性テストを進行する。
【0114】
(1)熱衝撃テスト
製造されたLEDを−40℃で30分間維持し、さらに100℃で30分間維持することを1サイクルにして、上記を10回、すなわち10サイクル繰り返した後、室温で維持し、剥離状態を調査し、耐熱衝撃性を評価する。評価時には、同一硬化性組成物で製造されたLED 10個に対してそれぞれ上記のような試験を行い、剥離されたLEDの数を下記表1に記載した。
【0115】
(2)長期信頼性テスト
製造されたLEDを85℃及び85%相対湿度の条件で維持した状態で30mAの電流を流しながら200時間動作させる。次いで、動作前の初期輝度に比べて上記動作後の後期輝度の減少率を測定し、下記基準によって評価する。
〈評価基準〉
○:初期輝度に比べて輝度減少率が10%以下
×:初期輝度に比べて輝度減少率が10%超過
【0116】
合成例1
オクタメチルシクロテトラシロキサン(octamethylcyclotetrasiloxane)55.00g、オクタフェニルシクロテトラシロキサン(octaphenylcyclotetrasiloxane)120.4g、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン(tetramethyltetravinylcyclotetrasiloxane)9.6g、オクタフェニル−POSS(octaphenyl−polyhedraloligomeric silsesquioxane)17.4g及びジビニルテトラメチルジシロキサン(divinyltetramethyldisiloxane)15.7gを混合し、上記混合物に触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH;tetramethylammonium hydroxide)0.6mLを配合した。その後、上記触媒が配合された混合物を115℃の温度で約20時間反応させた。反応終了後に反応物から低分子物質を除去し、下記化学式Aで表示される透明なオイル形態のオルガノポリシロキサン(A)を収得した。上記オルガノポリシロキサンの25℃での粘度は、35,200cPであり、分子量は、約5,100であった。また、上記オルガノポリシロキサンに対してH−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.008と測定された
【0117】
[化学式A]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/218[PhSiO2/215[ViMeSiO2/2[PhSiO3/2
【0118】
合成例2
テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンを使用せず、オクタフェニル−POSSとジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量をそれぞれ8.7g及び12.6gに変更したことを除いて、合成例1に準ずる方式でオルガノポリシロキサンを合成した。上記オルガノポリシロキサンは、下記化学式Bで表示され、透明なオイル形態であった。上記オルガノポリシロキサン(B)の25℃での粘度は、19,600cPであり、分子量は、約5,000であった。また、上記オルガノポリシロキサンに対してH−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.009と測定された
【0119】
[化学式B]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/220[PhSiO2/216[PhSiO3/2
【0120】
合成例3
オクタメチルシクロテトラシロキサン(octamethylcyclotetrasiloxane)60.00g、オクタフェニルシクロテトラシロキサン(octaphenylcyclotetrasiloxane)106.96g、オクタフェニル−POSS(octaphenyl−polyhedraloligomeric silsesquioxane)17.44g及びジビニルテトラメチルジシロキサン(divinyltetramethyldisiloxane)12.56gを混合し、上記混合物に触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH;tetramethylammonium hydroxide)0.63mLを配合した。その後、上記触媒が配合された混合物を115℃の温度で約20時間反応させて、下記化学式Cで表示される透明なオイル形態のポリシロキサンを収得した。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、21,000cPであり、分子量は、約6,400であった。また、H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.006mgKOH/gと測定された。
【0121】
[化学式C]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/222[PhSiO2/215[PhSiO3/2
【0122】
合成例4
ジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量を6.28gに変更したことを除いて、合成例3と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Dで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、58,600cPであり、分子量は、約9,700であった。また、H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.009mgKOH/gと測定された。
【0123】
[化学式D]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/240[PhSiO2/227[PhSiO3/2
【0124】
合成例5
オクタフェニル−POSS及びジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量をそれぞれ34.88g及び15.72gに変更したことを除いて、合成例3と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Eで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、33,200cPであり、分子量は、約4,600であった。また、1H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.008mgKOH/gと測定された。
【0125】
[化学式E]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/219[PhSiO2/212[PhSiO3/2
【0126】
合成例6
オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン及びジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量をそれぞれ55.00g、120.34g及び18.85gに変更したことを除いて、合成例3と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Fで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は24,400cPであり、分子量は、約4,200であった。また、1H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.008mgKOH/gと測定された。
【0127】
[化学式F]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/214[PhSiO2/211[PhSiO3/2
【0128】
合成例7
ジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量を12.56gに変更したことを除いて、合成例6と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Gで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、47,000cPであり、分子量は、約5,500であった。また、1H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.007mgKOH/gと測定された。
【0129】
[化学式G]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/221[PhSiO2/217[PhSiO3/2
【0130】
合成例8
オクタメチルシクロテトラシロキサン及びオクタフェニルシクロテトラシロキサンを使用せず、その代わりに、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン(tetramethyltetraphenylcyclotetrasiloxane)183.71gを配合し、ジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量を12.10gに変更したことを除いて、合成例3と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Hで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、19,800cPであり、分子量は、約4,800であった。また、H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.008mgKOH/gと測定された。
【0131】
[化学式H]
[ViMeSiO1/2[MePhSiO2/232[PhSiO3/2
【0132】
合成例9
オクタメチルシクロテトラシロキサン30.0g、オクタフェニルシクロテトラシロキサン53.5g、オクタフェニル−POSS 8.7g及びジビニルテトラメチルジシロキサン6.3gを混合し、上記混合物に触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.3mLを配合した。その後、上記触媒が配合された混合物を115℃の温度で約20時間反応させた。反応終了後に反応物から低分子物質を除去し、下記化学式Iで表示される透明なオイル形態のポリシロキサンを収得した。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、21,100cPであり、分子量は、約6,100であった。また、1H−NMRスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.01mgKOH/gと測定された。
【0133】
[化学式I]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/223[PhSiO2/215[PhSiO3/2
【0134】
合成例10
オクタフェニル−POSSの配合量を4.4gに変更したことを除いて、合成例9と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Jで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、10,200cPであり、分子量は、約5,600であった。また、1H−NMRスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.009mgKOH/gと測定された。
【0135】
[化学式J]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/224[PhSiO2/216[PhSiO3/2
【0136】
合成例11
ジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量を9.4gに変更したことを除いて、合成例9と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Kで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、12,200cPであり、分子量は、約4,700であった。また、1H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.008mgKOH/gと測定された。
【0137】
[化学式K]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/217[PhSiO2/211[PhSiO3/2
【0138】
合成例12
オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン及びジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量をそれぞれ27.5g、60.2g及び7.9gに変更したことを除いて、合成例9と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Lで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、33,200cPであり、分子量は、約4,600であった。また、H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.007mgKOH/gと測定された。
【0139】
[化学式L]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/218[PhSiO2/215[PhSiO3/2
【0140】
合成例13
オクタフェニル−POSSを使用せず、その代わりに、化学式[ViMeSiO1/2][PhSiO3/23.5で表示され、分子量が1,520のポリシロキサン12.5gを使用し、ジビニルテトラメチルジシロキサンの配合量を6.1gに変更したことを除いて、合成例9と同一の方式でポリシロキサンを合成した。上記ポリシロキサンは、下記化学式Mで表示され、透明なオイル形態であった。上記ポリシロキサンの25℃での粘度は、15,500cPであり、分子量は、約5,300であった。また、H−NMRで測定されるスペクトル上でアルコキシ基から由来するピークは観察されず、酸価は、約0.012mgKOH/gと測定された。
【0141】
[化学式M]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/220[PhSiO2/213[PhSiO3/2
【0142】
合成例14
ジメトキシジメチルシラン(dimethoxydimethylsilane)89.0g、ジメトキシジフェニルシラン(dimethoxydiphenylsilane)148.4g、ジメトキシメチルビニルシラン(dimethoxymethylvinylsilane)14.7g、ジビニルテトラメチルジシロキサン15.7g及びフェニルトリメトキシシラン(phenyltrimethoxysilane)26.7gを330gのトルエンに溶解させた溶液に水61.0g及び硝酸7.9mLをさらに配合した。次いで、上記混合物を100℃で約7時間反応させた。反応終了後に反応溶液を常温に冷却させ、水で反応溶液が中性になるまで洗浄した。その後、溶液にKOH 0.1gを添加し、脱水縮合反応を進行させた。反応後、AcOH(Acetyl hydroxide)を利用して反応溶液を中和させ、水で中性になるまで洗浄した後、減圧蒸留を通じて溶媒を除去し、オルガノポリシロキサンを収得した。収得されたオルガノポリシロキサンは、下記化学式Nで表示され、透明度がないオイル形態であり、環構造の低分子量物質が多量含まれており、オルガノポリシロキサンが上記低分子量物質と類似の分子量を示し、オルガノポリシロキサンを分離することが困難であった。また、H−NMRで測定されるスペクトル上でOMe/Viから由来するピークの面積が約0.2なので、構造内に多量のメトキシギが存在することを確認した。また、酸価は、約0.270と測定された。上記反応溶液の25℃での粘度は、2,300cPであって、非常に低い数値を示した。
【0143】
[化学式N]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/219[PhSiO2/210[ViMeSiO2/2[PhSiO3/2[OMe]
【0144】
合成例15
オクタフェニル−POSSを使用せず、その代わりに、フェニルトリメトキシシラン13.4gを使用したことを除いて、合成例14と同一の方式でオルガノポリシロキサンを合成した。合成されたオルガノポリシロキサンは、下記化学式Oで表示されることができ、環構造の低分子量物質を多量含んでおり、オルガノポリシロキサンが上記低分子量物質と類似の分子量を示し、オルガノポリシロキサンを分離することが困難であった。また、1H−NMRで測定されるスペクトル上でOMe/Viから由来するピークの面積が約0.7なので、構造内に多量のメトキシ基が存在することを確認した。また、酸価は、約0.276と測定された。上記反応溶液の25℃での粘度は、2,800cPであって、非常に低い数値を示した。
【0145】
[化学式O]
[ViMeSiO1/2[MeSiO2/220[PhSiO2/216[PhSiO3/2[OMe]1.4
【0146】
実施例1
合成例1で製造されたオルガノポリシロキサン(A)に公知の方式で合成したものであって、それぞれ下記の化学式B−1及びC−1で表示される化合物を混合し、ヒドロシリル化反応によって硬化することができる硬化性組成物を製造した(配合量:オルガノポリシロキサン(A):50g、化学式B−1の化合物:100g、化学式C−1の化合物:30g)。次いで、上記組成物にPt(0)の含量が5ppmになるように触媒(Platinum(0)−1、3−divinyl−1、1、3、3−tetramethyldisiloxane)を配合し、均一に混合した後、脱泡器で気泡を除去し、硬化性組成物を製造した。
【0147】
[化学式B−1]
(ViMeSiO1/2(EpMeSiO2/20.4(PhSiO3/2
【0148】
[化学式C−1]
(HMeSiO1/2(HMeSiO2/20.5(PhSiO2/21.5
【0149】
実施例2
合成例2で製造したオルガノポリシロキサン(B)に公知の方式で合成したものであって、それぞれ下記の化学式D−1、E−1及びF−1で表示される化合物を混合し、ヒドロシリル化反応によって硬化することができる硬化性組成物を製造した(配合量:オルガノポリシロキサン(B):50g、化学式D−1の化合物:100g、化学式E−1の化合物:30g、化学式F−1の化合物:5g)。次いで、上記組成物にPt(0)の含量が5ppmになるように触媒(Platinum(0)−1、3−divinyl−1、1、3、3−tetramethyldisiloxane)を配合し、均一に混合した後、脱泡器で気泡を除去し、硬化性組成物を製造した。
【0150】
[化学式D−1]
(ViMeSiO1/2)(MePhSiO2/2)(EpMeSiO2/20.4(PhSiO3/2
【0151】
[化学式E−1]
(HMeSiO1/2(PhSiO2/21.5
【0152】
[化学式F−1]
(HMeSiO1/2(PhSiO3/2
【0153】
実施例3
合成例3で製造されたオルガノポリシロキサン(C)35g、下記化学式D−3の化合物100g、下記化学式Hの化合物35gを配合したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0154】
[化学式D−3]
(ViMeSiO1/22.5(MePhSiO2/20.5(EpMeSiO2/2)0.15(PhSiO3/2
【0155】
[化学式H]
(HMeSiO1/2(PhSiO2/21.2
【0156】
実施例4
合成例4で製造されたオルガノポリシロキサン(D)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを配合して使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0157】
実施例5
合成例5で製造されたオルガノポリシロキサン(E)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0158】
実施例6
合成例6で製造されたオルガノポリシロキサン(F)35g、上記化学式D−3の化合物100g、上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0159】
実施例7
合成例7で製造されたオルガノポリシロキサン(G)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0160】
実施例8
合成例8で製造されたオルガノポリシロキサン(H)35g、実施例3の化学式D−3の化合物100g、上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0161】
実施例9
合成例9で製造されたオルガノポリシロキサン(I)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを配合使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0162】
実施例10
合成例10で製造されたオルガノポリシロキサン(J)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0163】
実施例11
合成例11で製造されたオルガノポリシロキサン(K)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0164】
実施例12
合成例12で製造されたオルガノポリシロキサン(L)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0165】
実施例13
合成例13で製造されたオルガノポリシロキサン(M)35g、上記実施例3の化学式D−3の化合物100g及び上記実施例3の化学式Hの化合物35gを使用したことを除いて、実施例1と同一の方式で硬化性組成物を製造した。
【0166】
比較例1
オルガノポリシロキサン(A)の代わりに、合成例14で製造されたオルガノポリシロキサン(N)を使用したことを除いて、実施例1と同一に硬化性組成物を製造した。
【0167】
比較例2
オルガノポリシロキサン(B)の代わりに、合成例15で製造されたオルガノポリシロキサン(O)を使用したことを除いて、実施例2と同一に硬化性組成物を製造した。
【0168】
比較例3
オルガノポリシロキサン(A)を使用しないことを除いて、実施例1と同一に硬化性組成物を製造した。
【0169】
上記各硬化性組成物に対して測定した物性を下記表1に示した。
【0170】
【表1】