特許第5831966号(P5831966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5831966単層カーボンナノチューブと二層カーボンナノチューブが任意比率で混合してなるカーボンナノチューブ集合体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5831966
(24)【登録日】2015年11月6日
(45)【発行日】2015年12月16日
(54)【発明の名称】単層カーボンナノチューブと二層カーボンナノチューブが任意比率で混合してなるカーボンナノチューブ集合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 31/02 20060101AFI20151126BHJP
   B01J 31/28 20060101ALI20151126BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20151126BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20151126BHJP
【FI】
   C01B31/02 101F
   B01J31/28 M
   B82Y40/00
   B82Y30/00
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-152065(P2011-152065)
(22)【出願日】2011年7月8日
(65)【公開番号】特開2013-18673(P2013-18673A)
(43)【公開日】2013年1月31日
【審査請求日】2014年6月30日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構より技術研究組合単層CNT融合新材料研究開発機構が委託された「低炭素社会を実現する革新的カーボンナノチューブ複合材料開発プロジェクト」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶太
(72)【発明者】
【氏名】清宮 維春
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝佳
【審査官】 森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−045057(JP,A)
【文献】 特開2011−076948(JP,A)
【文献】 特開2001−080913(JP,A)
【文献】 特開2010−006663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 31/00 − 31/36
B01J 21/00 − 38/74
B82Y 30/00
B82Y 40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも単層カーボンナノチューブと二層カーボンナノチューブが混合してなるカーボンナノチューブ集合体の製造方法であって、
気相流動CVD法において、少なくとも水素と不活性ガスで構成される混合型キャリアガス雰囲気中、第1炭素源としてトルエンを、第2炭素源としてメタンを用いることにより、ラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドの強度比IG/IDが50以上であるカーボンナノチューブ集合体を得ることを特徴とするカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項2】
混合型キャリアガスにおける水素の含有率が10体積%以上50体積%以下であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項3】
混合型キャリアガスにおける不活性ガスが希ガス又は窒素であることを特徴とする請求項1又は2記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項4】
希ガスがアルゴン又はヘリウムであることを特徴とする請求項3記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項5】
第2炭素源のメタンガス流量を、同温度の気体と仮定した第1炭素源のトルエン流量の10倍から40倍とし、且つキャリアガス流量の500分の1以上5分の1以下の範囲で設定することによってカーボンナノチューブ集合体中の二層カーボンナノチューブの含有率を10重量%乃至80重量%の範囲に調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項6】
前記カーボンナノチューブ集合体中の、二層カーボンナノチューブの平均外径が3.2±0.5nm、平均内径が2.4±0.5nm、単層カーボンナノチューブの平均直径が2.5±0.5nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項7】
前記カーボンナノチューブ集合体中の三層以上の多層カーボンナノチューブ含有率が10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項8】
前記カーボンナノチューブ集合体中に含まれる金属の含有率が5重量%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブ集合体の熱重量分析における20℃から500℃での重量減少率が10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単層カーボンナノチューブと二層カーボンナノチューブが任意比率で混合してなるカーボンナノチューブ集合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(以下、CNTと略す)は、その優れた機械的特性(鋼鉄の20倍の機械強度)、銅の10倍の熱伝導特性、および優れた電気伝導性(銅の1000倍以上の高電流密度耐性)から、ナノ材料の代表として注目を集めている。CNTはその円筒構造が1層である単層CNT(以下、SWCNTと略す)と、2層以上のグラファイト層が同心円状に重なった構造である多層CNT(以下、MWCNTと略す)に大きく分類される。特に2層のグラファイト層が同心円状に重なった構造を持つものは二層CNTと呼ばれている(以下、DWCNTと略す)。
【0003】
SWCNTが優れた特性を有することは多くの理論的研究で明らかにされている。
【0004】
しかし、実際に合成されたSWCNTには多くの構造的欠陥が存在するため、その優れた特性が発現されにくい。それに比べ、DWCNTは外層のCNTにたとえ欠陥があったとしても内層のCNTはほぼ“完壁”な構造を保持できる。このため、SWCNTの有する電子部品素子としての有望な輸送特性と、MWCNTの有する機械的強靭性を併せもち、SWCNTより優れた特性を示す場合も多く知られている。例えば、DWCNTはSWCNTと同等の低い電圧で優れた電界電子放出(フィールドエミッション)特性を有し、しかもSWCNTより長寿命であり耐久性に優れるため、とくにFEDその他のエレクトロニクス分野での利用に優れるCNT材料とされている。このためDWCNTや、あるいはSWCNTとDWCNTが用途に合った割合で混合されたCNT集合体の効率的、且つ大量・安価に製造する方法の開発が産業的に求められている。
【0005】
CNTの合成には、主にアーク放電法、レーザー・アブレーション法、CVD法(化学気相成長法。化学気相蒸着法、または化学蒸着法とも言う。)の3つの手法が用いられている。さらにCVD法には厚さ数マイクロメートル−数ナノメートルの金属層を蒸着させた基板、もしくはゼオライトやセラミックなどの担体に遷移金属微粒子を担持させた担体からCNTを合成する担持触媒CVD法、触媒微粒子を形成する前駆体化合物を直接反応管に噴霧させ反応管入口で触媒前駆体の熱分解により形成された触媒微粒子が原料ガスとキャリアガスとともに反応管内へ送り込まれ反応管内の高温区域でCNTを合成する気相流動CVD法などが挙げられる。とくに気相流動CVD法は、スケールアップが容易であることから、CNTを工業的に大量に生産するのに最も適していると一般的に考えられる。
【0006】
DWCNTの合成も上述のような方法で研究されてきている。たとえば、アーク放電法による研究例として、金属触媒入り炭素棒を陽極に用いるDWCNT合成法(特許文献1)、直流アークプラズマにより直径2−7nmの糸状DWCNT合成法(特許文献2)、含有量50%以上の膜状DWCNTの製造方法(特許文献3)が公開されている。また、DWCNT合成用としてアーク放電の陽極に用いる金属触媒についても研究されている。鉄(Fe)−コバルト(Co)−ニッケル(Ni)混合触媒含有炭素棒を陽極にしてアルゴン,水素,メタン含有雰囲気中でのナノ炭素合成法(特許文献4)、水素ガスと不活性ガスの存在下で(Fe,Ni,Co)と(亜鉛(Zn),銅(Cu),錫(Sn))の組み合わせ触媒を用いたDWCNT合成法(特許文献5)があげられる。さらに、アーク放電法よりも低温状態で異常グロー放電により発生したプラズマ中で水素とメタンガス雰囲気下、担持触媒塗布した基板上へのSWCNT(直径1nm)とDWCNT(直径0.699−1.236nm)の合成法(特許文献6)も公開されている。特許文献4に記載の方法によれば、主に直径2.7−5.5nmのDWCNTが70重量%以上含むナノ炭素が合成される。そして得られたDWの層間隔は0.35−0.45nmである。
【0007】
一方、担持触媒CVD法によるDWCNT合成法が公開されている。
【0008】
プラズマ中Coを塗布した基板上に平均内径3nm、平均外径4nmのDWCNTアレイの合成法(特許文献7)、鉄触媒を塗布した基板上に微量の水蒸気存在下、外径2−5nm、純度50%以上の、基板に垂直に配向したDWCNTを合成する方法(特許文献8)、メタンガスの熱分解によって金属担持触媒を設置された基板上に純度95%以上のDWCNTを合成する方法(特許文献9)などが公開されている。特許文献8の方法では、合成温度が1000℃以下と低いため、合成されたCNTには、ラマン分光スペクトルにおける不純物に由来するDバンドが強く観測されている。SWCNTとDWCNTのほかに多層カーボンナノチューブも存在する。また、特許文献9の方法で合成されたCNTのラマン分光におけるDバンドは大きく観察されるので、結晶性あるいは品質は低いものと推定される。
【0009】
しかしアーク放電法あるいは担持触媒CVD法のいずれの場合も、結晶性の低いカーボンナノチューブしかできない上、連続生産は難しく工業生産には不適である。
【0010】
一方、下記のように工業的にスケールアップしやすいDWCNT合成法も公開されている。
【0011】
流動床反応器中Ni担持触媒を用いたメタン熱分解によるCNT(SWCNT、DWCNT、MWCNT)合成法(特許文献10)、水素とアルゴンの混合ガスをキャリアガスに、ベンゼンに溶かした混合触媒(Fe,Co,Ni)前駆体とチオフェンを用いたSWCNTとDWCNTを含むCNT合成法(特許文献11)、MgO担持触媒を用いた、直径1−2.5nmのDWCNTの製造方法(特許文献12)、合成反応途中で酸化剤を導入して金属担体触媒活性の回復と炭素不純物の除去を図り、メタンガスを900℃で熱分解させることによって、直径1−3nm、含有量50%以上、ラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドの強度比IG/ID>30を示すDWCNTの合成法(特許文献13)が開示されている。
【0012】
これらの方法では、いずれも多孔質担体に担持された金属触媒を使用しており、高温下では金属微粒子が担体から蒸発される恐れがあるため、反応温度は1000℃以下に抑える必要があり、その結果ラマン散乱分析においてGバンドとDバンドの強度比IG/IDが50を超えるような高品質なDWCNTを製造することはできなかった。またCNT中のDWCNT含有量の制御が困難であり、さらに得られたCNTを固体の触媒から分離する必要があるため工業的な観点からプロセス数の増加に伴うコスト増となる、などの課題も挙げられる。これまで1000℃以上に反応温度を設定でき、スケールアップが容易である気相流動CVD法のCNTの製造技術としては、デカリンやトルエンなどの常温で液体の炭化水素とエチレンなどの常温で気体の不飽和脂肪族炭化水素の2種類の炭素源を用いたSWCNT製造技術(特許文献14および15)が開示されているが、SWCNTが選択的に製造されるためDWCNTを含むCNTの製造には不適であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2003−034515号公報
【特許文献2】特開2005−035807号公報
【特許文献3】特開2011−073886号公報
【特許文献4】特開2006−045057号公報
【特許文献5】特開2006−281168号公報
【特許文献6】特開2004−018351号公報
【特許文献7】特開2006−315886号公報
【特許文献8】特開2007−145634号公報
【特許文献9】特開2007−210808号公報
【特許文献10】特開2004−277241号公報
【特許文献11】特開2006−045057号公報
【特許文献12】特開2010−201351号公報
【特許文献13】特開2009−242149号公報
【特許文献14】特開2006−213590号公報(特許第4706058号)
【特許文献15】WO2007/125923
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、電子部品素子としての有望な輸送特性と機械的強靭性を併せもち透明導電材料や電子放出素子材料として有用な、単層カーボンナノチューブと二層カーボンナノチューブが混合してなる、高品質のカーボンナノチューブ集合体の効率的、且つ大量・安価に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、縦型反応管を用いた気相流動CVD法により特定の反応条件下で高純度かつ高品質なDWCNTとSWCNTの任意比率の混合物を製造する方法を見出して、本発明を完成させた。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
【0016】
(1)少なくとも単層カーボンナノチューブと二層カーボンナノチューブが混合してなるカーボンナノチューブ集合体の製造方法であって、気相流動CVD法において、少なくとも水素と不活性ガスで構成される混合型キャリアガス雰囲気中、第1炭素源としてトルエンを、第2炭素源としてメタンを用いることにより、ラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドの強度比IG/IDが50以上であるカーボンナノチューブ集合体を得ることを特徴とするカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0017】
(2)混合型キャリアガスにおける水素の含有率が10体積%以上50体積%以下であることを特徴とする(1)記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0018】
(3)混合型キャリアガスにおける不活性ガスが希ガス又は窒素であることを特徴とする(1)又は(2)記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0019】
(4)希ガスがアルゴン又はヘリウムであることを特徴とする(3)記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0020】
(5)第2炭素源のメタンガス流量を、同温度の気体と仮定した第1炭素源のトルエン流量の10倍から40倍とし、且つキャリアガス流量の500分の1以上5分の1以下の範囲で設定することによってカーボンナノチューブ集合体中の二層カーボンナノチューブの含有率を10重量%乃至80重量%の範囲に調整することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0021】
(6)前記カーボンナノチューブ集合体中の、二層カーボンナノチューブの平均外径が3.2±0.5nm、平均内径が2.4±0.5nm、単層カーボンナノチューブの平均直径が2.5±0.5nmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0022】
(7)前記カーボンナノチューブ集合体中の三層以上の多層カーボンナノチューブ含有率が10重量%以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0023】
(8)前記カーボンナノチューブ集合体中に含まれる金属の含有率が5重量%以下であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【0024】
(9)前記カーボンナノチューブ集合体の熱重量分析における20℃から500℃での重量減少率が10重量%以下であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【発明の効果】
【0025】
本発明の製造方法によれば、高純度かつ高品質のDWCNTとSWCNTが混合されたCNT集合体を効率的、且つ大量・安価に製造することができる。
【0026】
また、本発明方法によって得られるCNT集合体はラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドの強度比IG/IDが50以上、金属触媒残存量が5重量%以下と、従来に比べて高結晶性かつ高純度であるため、優れた輸送特性と機械的強靭性を有し、透明導電材料や電子放出素子材料に有用な高品質なCNTとしてエレクトロニクス分野等で多大な工業的貢献をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の方法で用いるCNT製造装置の一例の概略図である。
図2a】透過型電子顕微鏡(TEM)で観察されたSWCNT集合体を示す図である。
図2b】TEMで観察されたSWとDWCNT集合体を示す図である。
図2c】TEMで観察されたSW、DW、MWCNT集合体を示す図である。
図3】実施例1におけるメタンガスの流量とSWCNT、DWCNTの直径との関係を示す図である。
図4】実施例1の方法で得られたCNT集合体のラマンスペクトルデータを示す図である。
図5】実施例1の方法で得られたCNT集合体のUV吸収スペクトルデータを示す図である。
図6】実施例1の方法で得られたCNT集合体の熱重量分析結果を示す図である。
図7】実施例2の方法におけるメタンガスの流量とSWCNT、DWCNTの直径との関係を示す図である。
図8】実施例2の方法で得られたCNT集合体のラマンスペクトルデータを示す図である。
図9】実施例3の方法におけるメタンガスの流量とSWCNT、DWCNTの直径との関係を示す図である。
図10】実施例3の方法で得られたCNT集合体のラマンスペクトルデータを示す図である。
図11】CNT塗布フィルム全光線透過率と表面抵抗値の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の炭素源から気相流動CVD法によりDWCNTとSWCNT混合してなるCNT集合体を製造する方法は、少なくとも水素と不活性ガスで構成される混合型キャリアガス雰囲気中に、少なくとも2種類の炭素源を必要とし、第1炭素源としてトルエンを、第2炭素源としてメタンガスを用いることを特徴としている。
【0029】
ここでいう、「気相流動CVD法」とは、「触媒(その前駆体を含む)及び反応促進剤を含む含炭素原料をスプレー等で霧状にして高温の加熱炉(電気炉等)に導入することによってCNTを流動する気相中で合成する方法」と定義される。
【0030】
また、炭素源とは、一般に「炭素原子を含む有機化合物」を意味する。
【0031】
本発明において、CVD反応場の基本的な雰囲気となるキャリアガスは、少なくとも水素と不活性ガスで構成された混合型キャリアガスであり、CNTの製造効率の観点から、キャリアガス中の水素の含有率は5体積%以上95体積%以下が好ましく用いられ、更に好ましくは10体積%以上50体積%以下が好適である。
【0032】
また、上記キャリアガスにおける不活性ガスは希ガス又は窒素が好ましく用いられ、更に好ましくはアルゴン、ヘリウム又は窒素が好適である。
【0033】
本発明において、第1炭素源となる炭化水素としてはトルエンが好ましく用いられる。
【0034】
上記第1炭素源と触媒(その前駆体を含む)及び反応促進剤を含む原料液をスプレーする方法は、特に制限はないが、上記混合型キャリアガスや水素ガス、希ガスなどを使って原料液をスプレーする二流体ノズルを用いたスプレー方式が好ましく用いられる。
【0035】
本発明において、第2炭素源となる炭化水素は第1炭素源で用いるトルエンよりもより高い温度で熱分解するものを用いることが好ましい。このような炭化水素としては、メタンガスが挙げられ、本発明で第2炭素源として好ましく使用される。
【0036】
また、第1炭素源、第2炭素源、キャリアガスの流量割合は、反応場の雰囲気としてカーボンナノチューブ製造に適するかどうかや、目標とするCNT集合体中のDWCNTの含有率によって定められるが、第1炭素源と第2炭素源のモル比は、1:10〜1:40、好ましくは1:10〜1:50であり、且つ第2炭素源とキャリアガスの体積の比は、1:5〜1:500、好ましくは1:10〜1:200、更に好ましくは1:20〜1:40である。このようにするとCNT集合体中のDWCNTの含有率を10重量%乃至80重量%の範囲に調整することができる。
【0037】
第2炭素源であるメタンガス流量とキャリアガス流量の割合は、CNT集合体中のDWCNTの含有率と特に密接に関連しており、メタンガス流量の割合を増加することによってDWCNTの含有率が増加する傾向にある。たとえばキャリアガス流量に対してメタンガス流量を0.2体積%に設定することによってDWCNTの含有率を10重量%程度に、メタンガス流量を30体積%に設定することによって、DWCNTの含有率を70重量%程度にすることができる(実施例1参照)。
【0038】
また、第1炭素源と第2炭素源を反応器への導入方法は、副反応制御の点からみて、第1炭素源が導入される前に第2炭素源を導入してはならず、好ましくは第1炭素源と第2炭素源を同時に反応器に導入するのがよい。
【0039】
また、第1炭素源および第2炭素源は反応を迅速、且つ、均一に行わせるために、キャリアガスと共に反応器に導入するのが好ましい。
【0040】
第1炭素源、第2炭素源、キャリアガスの流量を合わせたトータル流量は、特に制限はなく、反応器の容量および形状等に応じて適宜選ばれる。
【0041】
本発明によりCNT集合体を製造するには、たとえば、触媒と、反応促進剤と、前記第1炭素源と、第2炭素源および好ましくはキャリアガスのそれぞれをあるいはこれらを混合して得られる原料混合物を反応器内における800〜1200℃の温度に維持された反応領域に供給すればよい。
【0042】
本発明で使用する触媒は金属の種類やその形態の違いに特に制限されるものではないが、遷移金属化合物又は遷移金属超微粒子が好ましく用いられる。
【0043】
前記遷移金属化合物は、反応器内で分解することにより、触媒としての遷移金属微粒子を生成することができ、反応器内における800〜1200℃の温度に維持された反応領域に、気体若しくは金属クラスタの状態で供給されるのが好ましい。
【0044】
前記遷移金属化合物としては、例えば、有機遷移金属化合物、無機遷移金属化合物等を挙げることができる。前記有機遷移金属化合物としては、フェロセン、コバルトセン、ニッケロセン、鉄カルボニル、アセチルアセトナート鉄、オレイン酸鉄等を挙げることができ、より好ましくはフェロセンである。前記無機遷移金属化合物としては塩化鉄等を挙げることができる。
【0045】
前記遷移金属超微粒子としては、鉄、コバルト、ニッケル、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン等を挙げることができ、中でもより好ましいのは鉄、コバルト、ニッケルである。
【0046】
本発明に係る反応促進剤としては、硫黄化合物が好ましく用いられる。この硫黄化合物は、硫黄原子を含有し、触媒としての遷移金属と相互作用して、CNTの生成を促進させることができる。
【0047】
前記硫黄化合物としては、有機硫黄化合物、無機硫黄化合物を挙げることができる。前記有機硫黄化合物としては、例えば、チアナフテン、ベンゾチオフェン、チオフェン等の含硫黄複素環式化合物を挙げることができ、より好ましくはチオフェンである。前記無機硫黄化合物としては、例えば、硫化水素等を挙げることができる。
【0048】
本発明に係る主にDWCNTとSWCNTで構成されるCNT集合体は、DWCNTの平均外径が3.2±0.5nm、平均内径が2.4±0.5nm、SWCNTの平均直径が2.5±0.5nmであり、且つラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドの強度比IG/IDが50以上であることを特徴とする。
【0049】
ここで、ラマン散乱分析におけるGバンドとは、1590cm−1付近に観測される振動モードでグラファイトのラマン活性モードと同種の振動モードであると考えられている。一方、Dバンドとは1350cm−1付近に観測される振動モードである。グラファイトはこの振動数領域に巨大なフォノン状態密度をもつが、ラマン活性ではないためにHOPG(高配向熱分解黒鉛)などの結晶性の高いグラファイトでは観測されない。しかし欠陥が導入されると運動量保存則に破れが生じ、ラマンピークとなって観測される。そのためこの種のピークは欠陥由来のピークとして考えられる。欠陥由来であるため結晶性の低いアモルファスやナノ粒子において、強い強度で観測されることが知られている。したがって、これらGバンドとDバンドに由来するピークの強度比IG/IDはCNTの構造や純度の指標として客観性が高く、最も信頼できる純度評価法の一つと言える。IG/IDの値が高いほど、高純度で高品質なものとされる。
【0050】
本発明の背景技術の項で述べたように、いずれの方法によって製造されたDWCNTにおいても、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比IG/IDは高くてもせいぜい30程度であり、構造欠陥や不純物を多く包含するものであって、高品質なものとはいえなかった。
【0051】
これに対して、本発明に係るDWCNTとSWCNTが混合してなるCNT集合体は、従来のものとは異なり、その直径が2〜4nm程度の範囲内にあり、かつ上記IG/IDは少なくとも50以上、より好ましくは100以上を有するものであり、その高結晶性のために、従来のものに比し、電気的、力学的特性が優れていると考えられる。
【0052】
殊に、DWCNTの含有量が全体の10重量%以上、とくに70〜80重量%程度を占めるカーボンナノチューブ集合体は不均一な直径分布を有するSWCNTや直径の太いCNTに比べて、非常に高い導電性と機械的強靭性を与えることから、透明導電材料や電子放出素子材料などとしてエレクトロニクス分野等で多大な工業的貢献をもたらす。また、3層以上のMWCNTの含有量は材料特性の劣化を防ぐ観点から10重量%以下であることが好ましい。
【0053】
さらに、本発明のCNT集合体は熱重量分析における室温(20℃程度)から500℃までの重量減少率が10重量%以下であることが好ましく、このようなCNT集合体はアモルファスカーボンなどの不純物含有量が少なく品質の高い単層と二層カーボンナノチューブの混合物集合体である。
【実施例】
【0054】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、これらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本願発明に含まれるものである。
【0055】
[直径および層数評価法]
透過型電子顕微鏡:Topcom社EM−002B/UHR、加速電圧120kVでCNTを観察し、100本のCNTの直径(DWCNTの場合には内層と外層の直径)と層数を測定して統計的に解析した。なお、以下の実施例において単純にSW含有率、DW含有率等と表記した場合には、100本中のSWCNTやDWCNTの本数の割合のことを示す。
【0056】
[ラマン散乱分析]
レーザーラマン分光光度計として日本分光株式会社製NRS−2100レーザーラマン分光光度計を使用し、アルゴンガスレーザー(波長514.5nm)を励起光源として測定した。
【0057】
[光吸収分光分析]
分散剤としてコール酸ナトリウムを使って重水にCNTを分散させ、127600Gで遠心分離したのち、上澄み溶液を日立製作所製U−4100型で光吸収スペクトルを測定した。
【0058】
[熱重量分析]
株式会社リガク社製、示差熱天秤TG8120を用い、空気流量100cc/min、昇温速度5℃/minで20℃から900℃まで重量減少曲線を測定した。
【0059】
[透明導電性評価]
分散剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いて、CNTの濃度が0.09重量%のCNT分散水溶液を調製し、PETフィルム(15cm×10cm、光透過率は91%であった)上にバーコーター(No.3〜10)を用いて塗布成膜したのち、得られる膜を水で洗浄してCNT膜を得た。このCNT膜の導電性は、表面抵抗値を(株)ダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP MCP−T600を用いて測定した。また透過率は日本電色工業株式会社製ヘイズメーターNDH4000を使用してCNT膜が基材上に密着した状態で基材ごと測定した。
【0060】
<実施例1>
図1に示すような、縦型のCNT製造装置を使用して本発明の方法によりCNT集合体を製造した。
【0061】
本装置は電気炉1、内径52mm、外径60mm、長さ1200mm、内有効加熱長さ600mmのムライト製反応管2、液状原料スプレー3、スプレーガス流量計4、第1キャリアガス流量計5、第2キャリアガス流量計6、マイクロフィーダー7、回収フィルター8、第2炭素源流量計9、ガス混合器10、で構成されている。
【0062】
マイクロフィーダー7には、第1炭素源となるトルエン:有機遷移金属化合物であるフェロセン:有機硫黄化合物であるチオフェンの混合比が、重量比で100:4:1の原料液を貯留し、他方第2炭素源としてメタンを使用し、第2炭素源流量計9、ガス混合器10を経て、流量制御した。
【0063】
水素ガスを第1キャリアガスおよびスプレーガス、アルゴンを第2キャリアガスとしてスプレーガス流量計4、キャリアガス流量計5および6を用いて、水素:アルゴンの混合比を体積比で3:7、合計流量を流量3L/minに制御した混合型キャリアガスとして流通させ、1200℃に加熱された電気炉中の反応管2に、上記原料液を7.5μL/minの流速で3時間スプレーすることによって流動気相CVD合成を行った。生成物は回収フィルター8で捕集した。第2炭素源のメタンガス流量を0−90sccmに制御して製造した生成物の時間当たりの収量、IG/ID比、TEM観察の結果によって得られたSWCNTの含有率と、DWCNTの含有率を表1に示す。
【0064】
CNTの時間当たりの収量はメタンガス流量の増加とともに高くなり、60sccmで最大となった。
【0065】
【表1】
【0066】
図2aは、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察されたSWCNT集合体(メタンガス流量10sccmでの生成物)であり、図2bはTEMで観察されたSWとDW集合体(メタンガス流量30sccmでの生成物)であり、図2cはSW,DW、MWCNT集合体(メタンガス流量90sccmでの生成物)である。図2bにおいてSWCNTは円で囲まれている。図2cにおいてMWCNTは○で、SWCNTは破線で囲まれている。TEM写真によれば、実際には、得られた生成物はほとんどSWとDWCNTであり、三層以上のMWCNTも確認されたが、その量はわずか10重量%以下であった。
【0067】
TEM写真をもってSWCNTとDWCNTの割合及びそれぞれの直径を測定した。SWCNTの含有率はメタンガス流量に依存し、メタン増加につれて95%から36%に低下し、逆にDWCNT含有率は5%から63%に増えた。図3に示すように、メタンガス流量の変化によらずカーボンナノチューブの直径はほぼ一定であり、SWCNTの平均直径は2.5nmで、DWCNTの平均外は3.2nm、平均内径は2.4nmであった。これらの値からメタンガス流量によって制御できるDWCNTの含有率を重量パーセント表示すると10重量%〜80重量%であった。
【0068】
図4にあるようにラマン分光では、100cm−1に主なRBMピークがあり、直径約2.48nmのSWCNTに対応する。この位置はメタンガス流量が30sccmまで変わらず、より多くのメタンの添加では、DWCNT割合の増加でピークの強度が弱くなった。またいずれの場合1590cm−1における強いGバンドに比べ1300cm−1付近におけるDバンドのピークは非常に弱い。得られたCNTのIG/ID比はいずれも60以上であった。
【0069】
さらに図5にあるようにUV吸収スペクトルでは、メタン流量変化によるS22吸収ピークの変化はわずかであり、SWCNTの直径はほぼ一定であることを反映している。これは上記のTEM観察の結果と一致している。
【0070】
熱重量測定により、図6のようにCNT集合体は500℃までの重量減少率は2−6重量%以下であり、900℃までの重量減少率から計算された金属含有率はいずれも4重量%以下であった。
【0071】
<実施例2>
マイクロフィーダー7に貯留する原料液におけるトルエン:有機遷移金属化合物であるフェロセン:有機硫黄化合物であるチオフェンの混合比が、重量比で100:2:0.5、キャリアガスを水素:窒素の混合比が、体積比で5:5の混合型キャリアガスにした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。結果を表2に示す。
【0072】
CNTの時間当たりの収量はメタンガス流量の増加とともに高くなったが、触媒量が少ないため実施例1で得られた収量より低下した。メタンガス流量の増加につれてSWCNTの含有率は84%から52%に低下し、逆にDWCNT含有率は16%から48%に増えた。
【0073】
【表2】
【0074】
図7のように、TEM観察により得られたSWCNTとDWCNTの直径はほぼ一定であり、SWCNTの平均直径は2.5nmで、DWCNTの平均外径は3.3nm、平均内径は2.2nmであった。これらの値からメタンガス流量によって制御できるDWCNTの含有率を重量パーセント表示すると30重量%〜70重量%であった。
【0075】
図8のラマン測定の結果、100cm−1におけるRBMピーク(直径2.48nmのSWCNTに対応)は一定であり、CNTのIG/ID比はいずれも60以上であった。
【0076】
熱重量測定によると、CNT集合体は500℃までの重量減少率は4−6重量%であり、900℃までの重量減少率から計算された金属含有率はいずれも2重量%以下であった。
【0077】
<実施例3>
マイクロフィーダー7に貯留する原料液におけるトルエン:有機遷移金属化合物であるフェロセン:有機硫黄化合物であるチオフェンの混合比が、重量比で100:4:2、キャリアガスを水素:ヘリウムの混合比が、体積比で1:9の混合型キャリアガスにしたにした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。結果を表3に示す。
【0078】
CNT収量はメタンガス流量の増加とともに高くなったが、実施例1より低下した。TEM観察によりメタンガス流量の増加につれてSWCNTの含有率は82%から56%に低下し、逆にDWCNT含有率は18%から44%に増えた。
【0079】
【表3】
【0080】
図9のように、SWCNTの平均直径は2.2nmでほぼ一定であったものの、DWCNTはメタン量の増加につれて、外径は3.9nmから2.8nmに、内径は2.9nmから1.9nmに細くなる傾向が見られた。平均外径は3.3nm、平均内径は2.2nmとなった。これらの値からメタンガス流量によって制御できるDWCNTの含有率を重量パーセント表示すると30重量%〜65重量%であった。
【0081】
ラマン測定の結果、図10のようにCNTのIG/ID比はいずれも60以上であった。ただし、低いメタン流量においてRBMピークは低波数側にも見られ、より太いCNTの存在を示唆する結果を得た。TEM観察の結果からおもに直径の太いDWCNTが生成したためであることを確認した。
【0082】
熱重量測定によると、CNT集合体は500℃までの重量減少率は3−6%であり、900℃までの重量減少率から計算された金属含有率はいずれも3%以下であった。
【0083】
<実施例4>
実施例1で用いたメタンガス流量10sccm(DWCNT含有率7%)のCNT集合体と、メタンガス流量60sccm(DWCNT含有率42%)のCNT集合体とを用いて、CNT膜の透明導電性を測定したところ、良好な透明導電性を示した。DWCNTの含有量が多いほど優れた透明導電性を示す結果となった(図11)。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の製造装置を用いた製造方法にて得られるカーボンナノチューブ集合体は、任意の比率で高品質かつ高純度の単層と二層のカーボンナノチューブを有し、カーボンナノチューブの本来の優れた電気・熱伝導性、及び機械的性質を発現でき、従来の炭素繊維よりも高強度、高熱伝導性、高電気伝導性を有しており、透明導電膜、電解電子放出デバイス、などの用途に好適である。
【符号の説明】
【0085】
1 電気炉
2 反応管
3 液状原料スプレー
4 スプレーガス流量計
5 第1キャリアガス流量計
6 第2キャリアガス流量計
7 マイクロフィーダー
8 回収フィルター
9 第2炭素源流量計
10 ガス混合器
図1
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図2a
図2b
図2c