特許第5835096号(P5835096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835096
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】電解液の給液配管
(51)【国際特許分類】
   C25C 7/00 20060101AFI20151203BHJP
   C25C 7/06 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   C25C7/00 301
   C25C7/06 301A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-113241(P2012-113241)
(22)【出願日】2012年5月17日
(65)【公開番号】特開2013-237921(P2013-237921A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2014年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089222
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 康伸
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100175400
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 伸
(72)【発明者】
【氏名】加集 裕久
【審査官】 瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−114530(JP,A)
【文献】 実開昭48−004671(JP,U)
【文献】 実開平03−003404(JP,U)
【文献】 特開2000−104191(JP,A)
【文献】 特開2002−301305(JP,A)
【文献】 特開2007−262466(JP,A)
【文献】 特開2009−114233(JP,A)
【文献】 特開平11−128605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25C 7/00
B01D 19/00
C25D 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解槽に電解液を給液する給液配管であって、
前記給液配管は、逆U字形に屈曲した屈曲部を有しており、
前記屈曲部は、
垂直方向に配設された一対の縦配管と、
水平方向に配設され、前記一対の縦配管の上端同士を接続する横配管と、から構成されており、
前記横配管の内部は、電解液である液相と空気である気相とに分かれており、
前記給液配管内の電解液から浮上した気泡を該給液配管の外部に排出する気泡排出孔が、該給液配管内の電解液の液面より高い位置に形成されている
ことを特徴とする電解液の給液配管。
【請求項2】
前記屈曲部は、前記電解槽の側壁を跨ぐように配置されており、
前記気泡排出孔は、前記横配管の上面に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の電解液の給液配管。
【請求項3】
記気泡排出孔は、前記屈曲部の頂点近傍に形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の電解液の給液配管。
【請求項4】
一端が前記気泡排出孔に接続された気泡排出管を備え、
前記気泡排出管の開口端は前記電解槽または該電解槽の電解液排出部まで導かれている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の電解液の給液配管。
【請求項5】
前記気泡排出管の開口端には、該気泡排出管から排出される電解液の飛散を防止する飛散防止カバーが取り付けられている
ことを特徴とする請求項4記載の電解液の給液配管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解液の給液配管に関する。さらに詳しくは、電解精製や電解採取において、電解槽に電解液を給液する給液配管に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、銅の電解精製においては、電解液を満たした電解槽に複数枚の粗銅アノードと純銅カソードを交互に挿入し、アノードとカソードとの間に通電して、カソード上に銅を析出させて、電気銅を得ている。製品としての電気銅は、その表面に歪みや凹凸がなく滑らかであることが要求される。このような電気銅の外観品質は電解液の液質に左右されるため、電解液は電解液循環系内を循環しており、電解槽から排出された電解液は浄液工程で不純物が除去され、再度電解槽に給液される。
【0003】
より詳細には、電解液は、電解始液として電解槽に給液された後、電解精製に用いられ、電解終液として電解槽から排出される。電解槽から排出された電解終液の一部は貯液槽に溜められ、そのほかは浄液工程に送られる。浄液工程では、濃縮冷却や電解採取などの方法により、電解液中の砒素、アンチモン、ビスマスなどの不純物や過剰な銅分が除去される。浄液後の電解液は貯液槽に貯留された電解終液と混合され、膠やチオ尿素などの添加剤などを混合して再調整された後、電解始液として給液槽に溜められる。
【0004】
給液槽と電解槽とは給液配管で接続されており、その給液配管には給液ポンプが介装されている。この給液ポンプを用いて給液槽から電解槽への電解始液の送液が行われる。この際、何らかの原因により給液配管内に空気が混入すると、その空気が微細な気泡となって電解始液中に分散し、微細な気泡を含んだ電解始液が電解槽に給液される。電解槽においては、電解液中の気泡の一部は凝集して液面まで上昇するが、大部分の気泡は細かいため液面に到達することなくカソードの表面に付着する。そうすると、その気泡を囲むように電着が起こり、電気銅の表面および内部に小さな穴(以下、ピンホールという。)が形成される。このような電気銅は外観品質が悪いため製品とすることができない。そして、外観品質の悪い電気銅はスクラップとして再溶解され、再度電解精製が行われるため、生産量が減少し、製造コストが増加するという問題がある。
【0005】
以上のように、電解液に気泡が混入すると種々の問題が生じるため、気泡の混入を早期に発見し、その原因を除去する必要がある。
しかし、従来、電解液への気泡の混入は、得られた電気銅にピンホールが形成されているか否かにより判断されていた。そして、得られた電気銅の外観を検査し、外観品質の悪い電気銅を除去することが行われていた。そのため、電解液に気泡が混入することを有効に防止できていなかった。
【0006】
しかも、工業的な銅の電解精製においては、多数の電解槽を用いて連続的に操業を行うことが一般的である。具体的には、電解精製設備には25〜50枚のカソードが装入される電解槽が数百〜千槽備えられており、それらの電解槽に電解液を給液しつつ通電する。そして、10日程度毎に電気銅となったカソードを引き上げて、新たなカソードを装入することを繰り返す。このような操業においては、1日に生産される電気銅は、2,500〜4,000枚もある。このように多数枚の電気銅の全ての外観を検査し、ピンホールが形成された電気銅を除去するのは作業員の負担が大きい。また、連続的に操業を行なうことから、一度電解液に気泡が混入すると、その電解液が循環する全ての電解槽においてピンホールが形成される可能性があり、影響が数日〜10日以上の長期間にわたることもあるなど、生産性が低下するという問題があった。
【0007】
一方、特許文献1には、電解液への気泡の混入を確認する気泡混入確認装置が記載されている。この気泡混入確認装置は、給液ポンプの吐出側の給液配管に接続され電解液の一部を採取するサンプリング用配管と、そのサンプリング用配管で採取された電解液を受ける透明なサンプル受けとから構成されている。給液ポンプから吐出される電解液の一部がサンプル受けに流入するため、サンプル受けの中の電解液を目視観察することにより、電解液に気泡が混入しているか否かを確認できる。
【0008】
しかるに、上記従来技術においては、電解液への気泡の混入を作業員の目視観察により確認する必要があるため、作業員の負担が大きい。そして、気泡の混入を確認した場合には、操業を停止して気泡混入の原因となっている箇所を修理する必要がある。そのため、むしろ、電解液に気泡が混入したとしてもその気泡を除去して、電気銅にピンホールが形成されないようすることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−114530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑み、電解液に混入した気泡を除去できる電解液の給液配管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明の電解液の給液配管は、電解槽に電解液を給液する給液配管であって、前記給液配管は、逆U字形に屈曲した屈曲部を有しており、前記屈曲部は、垂直方向に配設された一対の縦配管と、水平方向に配設され、前記一対の縦配管の上端同士を接続する横配管と、から構成されており、前記横配管の内部は、電解液である液相と空気である気相とに分かれており、前記給液配管内の電解液から浮上した気泡を該給液配管の外部に排出する気泡排出孔が、該給液配管内の電解液の液面より高い位置に形成されていることを特徴とする。
第2発明の電解液の給液配管は、第1発明において、前記屈曲部は、前記電解槽の側壁を跨ぐように配置されており、前記気泡排出孔は、前記横配管の上面に形成されていることを特徴とする。
第3発明の電解液の給液配管は、第1または第2発明において、前記気泡排出孔は、前記屈曲部の頂点近傍に形成されていることを特徴とする。
第4発明の電解液の給液配管は、第1、第2または第3発明において、一端が前記気泡排出孔に接続された気泡排出管を備え、前記気泡排出管の開口端は前記電解槽または該電解槽の電解液排出部まで導かれていることを特徴とする。
第5発明の電解液の給液配管は、第4発明において、前記気泡排出管の開口端には、該気泡排出管から排出される電解液の飛散を防止する飛散防止カバーが取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1発明によれば、給液配管内の電解液から浮上した気泡を気泡排出孔から排出できるので、電解液に混入した気泡を除去できる。そのため、ピンホールの発生を抑制できる。また、気泡排出孔が電解液の液面より高い位置に形成されているので、電解液から浮上した気泡を残らず排出できる。さらに、気泡排出孔から電解液が漏れ出ることを抑制できる。
第2発明によれば、気泡排出孔が横配管の上面に形成されているので、電解液から浮上した気泡が気泡排出孔の近傍に集まり、その気泡を残らず排出できる。
第3発明によれば、気泡排出孔が屈曲部の頂点近傍に形成されているので、電解液から浮上した気泡が気泡排出孔の近傍に集まり、その気泡を残らず排出できる。
第4発明によれば、気泡排出孔から漏れ出た電解液を電解槽または電解液排出部に導くことにより、その電解液を回収できる。
第5発明によれば、飛散防止カバーにより気泡排出管から排出される電解液の飛散を防止できるので、電解液の飛散による不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る給液配管の屈曲部の拡大図である。
図2】他の実施形態に係る給液配管の屈曲部の拡大図である。
図3】さらに他の実施形態に係る給液配管の屈曲部の拡大図である。
図4】電解槽の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明に係る電解液の給液配管は、銅、金、ニッケル、コバルト、鉛、亜鉛などの電解精製や電解採取に用いられる電解槽に、電解液を給液する給液配管である。いずれの場合においても、同様の構成で同様の効果を奏することができるので、以下、銅の電解精製を例に説明する。
【0015】
図4に示すように、銅の電解精製においては、電解液を満たした電解槽2に複数枚の粗銅アノードと純銅カソードを交互に挿入し(図示せず)、アノードとカソードとの間に通電して、カソード上に銅を析出させて、電気銅を得ている。
【0016】
電解液は、電解始液として給液配管1から電解槽2に給液された後、電解精製に用いられ、電解液排出部3から排出される。電解液排出部3から排出された電解終液は、浄液工程で不純物が除去され、添加剤などを混合して再調整された後、電解始液として図示しない給液槽に溜められる。給液槽と電解槽2とは給液配管1で接続されており、その給液配管1には図示しない給液ポンプが介装されている。この給液ポンプを用いて給液槽から電解槽2への電解始液の送液が行われる。
【0017】
給液配管1は、電解槽2の側壁を跨ぐように逆U字形に屈曲した屈曲部11を有している。給液配管1は、屈曲部11の一端が電解槽2の内壁に沿って下向きに延設され、さらに電解槽2の底面に沿って延設されている。そして、給液配管1の開口端は、電解液排出部3とは逆側の電解槽2の端部(図4における右端)に開口している。そのため、電解液は、給液配管1から電解槽2の一端(図4における右端)に給液され、電解槽2内を他端(図4における左端)に向かって流れ、電解液排出部3から排出される。
【0018】
給液配管1には、屈曲部11より上流側に流量制御弁12が介装されている。この流量制御弁12により電解槽2への電解液の給液量を制御できるようになっている。
【0019】
図1に示すように、電解槽2の電解液排出部3には、その側壁の上縁に凹部が形成されており、その凹部に排液ボックス31が嵌め込まれている。排液ボックス31は電解槽2の内側(図1における右側)は壁面がなく開放されており、電解槽2の外側(図1における左側)に突出して設けられている。排液ボックス31の内部には、電解槽2の内側寄りに堰32が設けられており、電解槽2の内側と排液ボックス31はこの堰32により仕切られている。また、排液ボックス31の底面には、電解槽2の外側に排液配管33が接続されている。堰32により電解槽2内の電解液の液面高さが調整され、堰32を超えた電解液は排液配管33から排液される。
【0020】
給液配管1の屈曲部11は、垂直方向に配設された一対の縦配管11a、11aと、水平方向に配設され、一対の縦配管11a、11aの上端同士を接続する横配管11bとから構成されている。横配管11bの内部は、電解液である液相と空気である気相とに分かれている。言い換えれば、このように横配管11bの内部が液相と気相に分かれるように、流量制御弁12で電解液の給液量が制御されている。
【0021】
横配管11bの上面には、給液配管1の内部と外部とを連通する気泡排出孔13が形成されている。また、気泡排出孔13には気泡排出管14の一端が接続されており、気泡排出管14の他端(以下、開口端14aという)は電解槽2の内部まで導かれている。
【0022】
給液配管1を流れる電解液に気泡が含まれていると、給液配管1を流れる間にその電解液から気泡が浮上してくる。特に、屈曲部11では電解液の流れ方向が逆向きに変えられるので、一種の乱流が起こり電解液から気泡が浮上しやすくなると考えられる。電解液から浮上した気泡は横配管11b内の気相に排出され、気泡排出孔13から気泡排出管14を通って給液配管1の外部に排出される。
【0023】
このように、給液配管1内の電解液から浮上した気泡を気泡排出孔13から排出できるので、電解液に混入した気泡を除去できる。そのため、電解槽2に気泡を含んだ電解液が給液されず、カソードの表面に気泡が付着することがない。これにより、電気銅の表面および内部に小さな穴(以下、ピンホールという。)が発生することを抑制できる。
【0024】
電解液への気泡の混入は、給液配管1に介装された給液ポンプの近傍で発生することが多い。例えば、給液ポンプのメカニカルシールの劣化、給液配管1と給液ポンプの継ぎ目の劣化などにより生じた孔から空気が吸引され微細な気泡となる。また、給液ポンプから電解槽2までの間でも、例えば、給液配管1の損傷などにより、給液配管1の内部に空気が吸引され気泡が混入する場合があると考えられる。
この点、給液配管1には、電解槽2に入る直前に気泡排出孔13が形成されているため、上記のように給液ポンプの近傍で混入した気泡のみならず、給液ポンプから電解槽2までの間に混入した気泡も除去できる。
【0025】
気泡排出孔13の位置は、横配管11bの上面に限られず、横配管11bの側面など種々の位置を選択でき特に限定されないが、給液配管1内の電解液の液面より高い位置、すなわち気相部分に形成されることが好ましい。気泡排出孔13が電解液の液面より高い位置に形成されていれば、電解液から浮上した気泡を残らず排出できるからである。また、気泡排出孔13から電解液が漏れ出ることを抑制できる。
【0026】
また、気泡排出孔13は、本実施形態のように屈曲部11の頂点近傍に形成されることが好ましい。電解液から浮上した気泡は屈曲部11の頂点の気相に集まる性質を有する。そのため、気泡排出孔13が屈曲部11の頂点近傍に形成されていれば、電解液から浮上した気泡が気泡排出孔13の近傍に集まり、その気泡を残らず排出できるからである。
【0027】
給液配管1を流れる電解液の流量によっては、電解液の液面が気泡排出孔13に達したり、電解液の液面が揺らぐことにより、電解液が気泡排出孔13から外部に漏れ出る場合がある。その場合、気泡排出孔13に気泡排出管14が接続されていないと、気泡排出孔13から漏れ出た電解液がそのまま床面などに垂れてしまう。一方、気泡排出孔13に気泡排出管14が接続されていれば、気泡排出孔13から漏れ出た電解液を電解槽2に導いて回収することができる。
【0028】
気泡排出孔13の形状や孔径、および気泡排出管14の形状や内径は適宜選択することができ特に限定されない。ただし、気泡排出孔13から多量の電解液が漏れ出ない程度の大きさとし、漏れ出た電解液が結晶となって内部に付着しても閉塞しない大きさとすることが好ましい。
【0029】
気泡排出管14の開口端14aを、電解槽2内の電解液の液面より高い位置に配置すると、気泡排出孔13から漏れ出た電解液が開口端14aから落下し、電解槽2内の電解液に滴下される結果、電解液が周囲に飛散する恐れがある。電解槽2の両縁には、アノードとカソードに電力を供給する電気接点が設けられている。この電気接点に電解液が付着すると、電解液中の水分が蒸発し結晶が生じることにより、電気接点とアノード、カソードとの間が導通不良となる。
そこで、気泡排出管14は、開口端14aを電解槽2の電気接点から離れた位置、例えば30cm以上離れた位置に配置して、飛散した電解液が電気接点に付着しないようにすることが好ましい。
【0030】
また、図2に示すように、気泡排出管14の開口端14aに、飛散防止カバー15を取り付けてもよい。飛散防止カバー15としては、気泡排出管14から排出される電解液の飛散を防止することができるカバーであれば、種々の形状、材質の物を採用することができ特に限定は無いが、例えば、布等を開口端14aの周囲にスカート状に巻きつけて、開口端14aと電解液の液面との隙間を覆うようなものとしてもよい。また、気泡排出管14より大口径の配管を短尺に切断した部材を飛散防止カバーとして開口端14aに取り付けてもよい。飛散防止カバー15により気泡排出管14から排出される電解液の飛散を防止できるので、電解液の飛散による不具合を防止できる。
【0031】
また、図3に示すように、気泡排出管14の開口端14aを、電解液排出部3の排液ボックス31の内部まで導いてもよい。このようにしても、気泡排出孔13から漏れ出た電解液を回収しつつ、電解液が周囲に飛散することを防止できる。
【実施例】
【0032】
実施例、比較例共に、銅の電解精製を以下の条件で行った。
使用した電解槽は、コンクリートの表面に塩化ビニルをライニングした構造であり、長さ3000mm、幅1260mm、深さ1500〜1700mm(いずれも内寸)であり、電解液の容量は3.4m2である。この電解槽1槽当たりに、銅品位99.2%の粗銅アノード27枚と銅品位99.99%の純銅カソード26枚を交互に並べ、アノードとカソード間の距離が105mmになるように揃えて挿入した。アノードの電極面積は幅1015mm、縦1015mm、初期厚さ約36mmである。カソードの電極面積は幅1070mm、縦1050mm、初期厚さ約0.7mmである。
この電解槽を36槽使用して、それぞれの電解槽に電解液を流量15L/分で給液した。電解液の組成は、銅濃度46〜50g/L、遊離硫酸濃度170〜200g/Lであり、液温は60℃である。また、通電時のカソード電流密度を300A/m2とした。
【0033】
9日(約200時間)通電後に停電してカソードのみを引き揚げて洗浄して電気銅として払い出し、次いで新たなカソードを挿入して再度9日間通電後にアノードとカソードを引き揚げて払い出す1ライフ18日間の操業を、13回(約30週間)繰り返した。その結果、24,336枚(=36槽×26枚×2回×13ライフ)の電気銅が得られた。
【0034】
(実施例)
本発明を適用した給液配管を用いて上記操業を行った結果、24,336枚の電気銅のうち、ピンホールの発生した電気銅は10枚であり、発生率は約0%であった。
なお、ピンホールの発生は得られた電気銅を目視で観察して判定した。
【0035】
(比較例)
気泡排出孔を有しない従来の給液配管を用いて上記操業を行った結果、24,336枚の電気銅のうち、ピンホールの発生した電気銅は240枚であり、発生率は約1%であった。
また、気泡の発生状況を監視するため、経験を積んだ作業員を4時間に1回の頻度で監視させる作業工数が必要であった。
【0036】
以上より、本発明の給液配管によれば、ピンホールの発生を抑制でき、作業員の負担を軽減できることが分かった。
【符号の説明】
【0037】
1 給液配管
11 屈曲部
12 流量制御弁
13 気泡排出孔
14 気泡排出管
15 飛散防止カバー
2 電解槽
3 電解液排出部
31 排液ボックス
32 堰
33 排液配管
図1
図2
図3
図4