特許第5835188号(P5835188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5835188基板周縁部の塗布膜除去方法、基板処理装置及び記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835188
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】基板周縁部の塗布膜除去方法、基板処理装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B05D 3/00 20060101AFI20151203BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20151203BHJP
   G03F 7/42 20060101ALI20151203BHJP
   B05C 11/08 20060101ALN20151203BHJP
   B05C 11/10 20060101ALN20151203BHJP
【FI】
   B05D3/00 A
   H01L21/30 569C
   G03F7/42
   B05D3/00 C
   !B05C11/08
   !B05C11/10
【請求項の数】15
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2012-244310(P2012-244310)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2014-91105(P2014-91105A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2014年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133776
【弁理士】
【氏名又は名称】三井田 友昭
(72)【発明者】
【氏名】富田 浩
(72)【発明者】
【氏名】久野 和哉
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−110712(JP,A)
【文献】 特開2011−174757(JP,A)
【文献】 特開2003−282406(JP,A)
【文献】 特開2007−240562(JP,A)
【文献】 米国特許第04518678(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00−7/26
G03F 7/42
H01L 21/027
B05C 7/00−21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送体により円形の基板の裏面側を保持部に受け渡して保持させる工程と、
次いで前記保持部を基板の直交軸周りに回転させながら、基板の表面に形成されている塗布膜の周縁部に対して溶剤ノズルから溶剤を供給し、予め設定された幅寸法でリング状に塗布膜を除去する塗布膜除去工程と、
次いで、前記基板の表面全体を撮像して前記塗布膜の状態を検査するための検査モジュールに、当該基板を搬送する工程と、
その後、前記検査モジュールにより取得した画像データに基づいて塗布膜の除去領域を検出する工程と、
この工程の検出結果に基づいて、前記搬送体による前記保持部に対する後続の基板の受け渡し位置を補正する工程と、
を含むことを特徴とする塗布膜除去方法。
【請求項2】
前記塗布膜の除去領域の検出結果に基づいて、前記溶剤ノズルによる後続の基板に対する溶剤の供給位置を補正する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の塗布膜除去方法。
【請求項3】
前記除去領域の検出結果に基づいて、前記後続の基板を前記搬送体から前記裏面側保持部に受け渡すか、あるいは前記搬送体から当該裏面側保持部への受け渡しを中止するかを決定する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の基板周縁部の塗布膜除去方法。
【請求項4】
前記保持部に対する後続の基板の受け渡し位置の補正または後続の基板に対する溶剤の供給位置の補正は、前記除去領域の検出結果に基づいて繰り返し行われ、この繰り返し回数が設定値を超えたときに、前記搬送体から当該裏面側保持部への受け渡しを中止する工程を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載の基板周縁部の塗布膜除去方法。
【請求項5】
前記画像データに基づいて前記基板の塗布膜の状態の良否の判定を行う工程を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載の基板周縁部の塗布膜除去方法。
【請求項6】
塗布膜の状態が不良と判定された基板の画像データに基づいては、前記保持部に対する後続の基板の受け渡し位置の補正または溶剤の吐出位置の補正が行われないことを特徴とする請求項記載の基板周縁部の塗布膜除去方法。
【請求項7】
表面に塗布膜が形成された円形の基板の裏面を保持すると共に前記基板を当該基板に直交する軸回りに回転させる裏面側保持部と、前記回転する基板の周縁部に前記溶剤を供給し、予め設定された幅寸法でリング状に前記塗布膜を除去するための溶剤供給ノズルと、を備えた塗布膜周縁部除去モジュールと、
駆動機構により前記塗布膜周縁部除去モジュールへ前記基板を搬送し、前記裏面側保持部に当該基板を受け渡す搬送体と、
前記塗布膜が除去された基板の表面全体を撮像し、前記塗布膜の状態を検査するために画像データを取得する検査モジュールと、
前記画像データに基づいて塗布膜の除去領域を検出するためのデータ処理部と、
前記除去領域に基づいて、前記搬送体による前記保持部に対する後続の基板の受け渡し位置を補正するように前記駆動機構を動作させるための搬送体操作部と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
前記データ処理部及び前記搬送体操作部を構成する制御部が設けられ、
前記制御部は、前記駆動機構に制御信号を送信して、その動作を制御し、
前記搬送体から裏面側保持部に基板を受け渡すステップと、
前記基板から検出された前記塗布膜の除去領域に基づいて、補正された受け渡し位置に後続の基板を受け渡すステップと、
を行うように前記制御信号を出力することを特徴とする請求項記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記塗布膜周縁部除去モジュールは、前記溶剤の供給位置を基板の周端側と内側との間で移動させるための移動機構を備え、
前記制御部は、前記移動機構に制御信号を送信して、その動作を制御し、
基板に溶剤を供給するステップと、
前記基板から検出された前記塗布膜の除去領域に基づいて、補正された位置に溶剤を供給するステップと、
を行うように前記制御信号を出力することを特徴とする請求項記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、検出された除去領域に基づいて、前記後続の基板を前記搬送体から前記裏面側保持部に受け渡すか、あるいは前記搬送体から当該裏面側保持部への受け渡しを停止するかを決定するステップを実行するように制御信号を出力することを特徴とする請求項または記載の基板処理装置
【請求項11】
前記制御部は、前記搬送体による前記保持部に対する後続の基板の受け渡し位置の補正または前記溶剤ノズルによる後続の基板に対する溶剤の供給位置の補正を、前記塗布膜の除去幅の除去領域に基づいて繰り返し行い、この繰り返し回数が設定値を超えると、前記搬送体から当該裏面側保持部への受け渡しを中止するステップを実行するように制御信号を出力することを特徴とする請求項ないし10のいずれか一つに記載の基板処理装置
【請求項12】
前記塗布膜周縁部除去モジュールは、第1の塗布膜周縁部除去モジュール及び第2の塗布膜周縁部除去モジュールを含むと共に、前記搬送体は、上流側のモジュールから各々第1の塗布膜周縁部除去モジュール、第2の塗布膜周縁部除去モジュールに夫々基板を搬送する第1の搬送体、第2の搬送体を含み、
前記第1の搬送体、第2の搬送体による基板の搬送は互いに並行して行われ、上流側モジュールに搬送される基板は、予め第1の塗布膜周縁部除去モジュール、第2の塗布膜周縁部除去モジュールのうちいずれかに搬送されるかが予め設定されており、
前記制御部は、前記第1の搬送体及び第2の搬送体のうちいずれか一方の搬送体による塗布膜周縁部除去モジュールへの搬送が停止したときに、
第1の塗布膜周縁部除去モジュール及び第2の塗布膜周縁部除去モジュールに搬送されるように設定されていた基板を、他方の搬送体により、前記上流側モジュールから当該他方の搬送体の受け渡し先の塗布膜周縁部除去モジュールへ搬送するように制御信号を出力することを特徴とする請求項10または11記載の基板処理装置
【請求項13】
前記データ処理部は、前記画像データに基づいて前記基板の塗布膜の状態の良否の判定を行うことを特徴とする請求項ないし12のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項14】
塗布膜の状態が不良と判定された基板の画像データに基づいて、前記第1の受け渡し位置から第2の受け渡し位置への変更あるいは第1の吐出位置から第2の吐出位置への変更が行われないように前記搬送体操作部または前記移動機構操作部が構成されることを特徴とする請求項13記載の基板処理装置。
【請求項15】
円形の基板の周縁の塗布膜を予め設定された幅寸法で除去する塗布膜周縁部除去モジュールと、当該塗布膜周縁部除去モジュールに前記基板を搬送する搬送体とを含む基板処理装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項1ないしのいずれか一つに記載の塗布膜除去方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形の基板の表面に形成された塗布膜において、不要な周縁部を除去する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのチップを製造する工程においては、円形の基板であるウエハの表面に塗布膜を形成する処理が行われる。前記塗布膜としては例えばレジスト膜がある。前記レジスト膜の形成処理は、例えば複数のレジスト膜形成モジュールと、各レジスト膜形成モジュールに基板を搬送する1つまたは複数の搬送機構とを備えた基板処理装置により行われる。レジスト膜形成モジュールにおいて前記レジストは、例えばスピンコーティングによりウエハの表面全体に塗布される。
【0003】
ウエハの周縁部に形成されたレジスト膜は、前記搬送機構がウエハを搬送するにあたり、当該搬送機構と接触することでパーティクルの発生源となるおそれがある。そこで、前記レジスト膜形成モジュールにおいて、ウエハ周縁部のレジスト膜は不要部としてリング状に除去される。即ち、ウエハにおいてこのように除去される不要部の内側が半導体デバイスの形成領域として設定されている。前記不要部の除去は、特許文献1に記載されるように前記スピンコーティングに用いるスピンチャックによりウエハの裏面中央部を保持し、ウエハを当該ウエハの直交軸回りに回転させる。この回転中のウエハの周縁部に前記レジスト膜の溶剤を供給することにより行われる。
【0004】
ところで、前記チップのサイズは次第に小さくなっており、1枚のウエハからできるだけ多くのチップを生産して当該チップの生産性を高めたいという要請がある。前記半導体デバイスの形成領域に掛かるレジスト膜が除去されてしまうと、このレジスト膜が除去された箇所から生産される半導体デバイスは不良品となるので、このような要請に応えるために前記不要部を正確に除去することが求められている。具体的には、前記不要部が除去されたレジスト膜の中心とウエハとの中心とが揃っていることが求められ、そのために前記搬送機構により前記スピンチャックの回転中心と、ウエハの中心とのずれが無いように当該スピンチャックにウエハを受け渡すことが求められている。さらに、ウエハの周縁部において、前記溶剤が吐出される位置を正確に位置合わせすることも求められている。
【0005】
以上のような背景から、これまでは次のような作業が行われていた。上記の基板処理装置において、どのウエハをどのレジスト膜形成モジュールで処理したかを装置のユーザが記憶しておく。その後、レジスト膜について前記不要部の除去が行われたウエハを基板処理装置の外部へと搬出し、顕微鏡などの測定器を使用してレジスト膜の除去幅(カット幅)を測定する。この測定結果に基づいて、当該ウエハを処理したレジスト膜形成モジュールについて前記溶剤の吐出位置の補正を行うと共に、当該レジスト膜形成モジュールのスピンチャックにウエハを搬送する搬送機構について、当該スピンチャックへの受け渡し位置の補正を行う。なお、各補正量の算出は、ユーザが手動計算で行うか、所定の計算ツールを用いて行う。
補正後は、どのウエハをどのレジスト膜形成モジュールで処理したかをユーザが改めて記憶しておき、補正を行ったレジスト膜形成モジュールで処理されたウエハについて、再び測定器による測定を行い、補正が適切であるか否かを確認する。
【0006】
しかし、このような手法においては、ウエハを装置の外部に搬出するため手間である。例えば基板処理装置の設置場所とは異なる建屋に測定器が設けられ、搬送に時間を要したり、測定器が空いておらず測定を行うまでの待ち時間が発生することも考えられる。そのように測定に手間取る分、上記の補正作業が遅れてしまい、不良なウエハが量産されてしまうおそれがある。さらに、ユーザが上記のように各ウエハを、当該ウエハを処理するレジスト膜形成モジュールと対応付けて記憶しておくことはユーザの負担が大きいし、場合によってはメモを取る必要もあるため、いっそうの手間となる。
【0007】
上記の特許文献1は、基板の外縁を検出してそれに基づき溶剤の吐出位置を制御することについて記載されているが、この手法では搬送体によるウエハのスピンチャックに対する受け渡し位置のずれを補正することができず、デバイス形成領域を可能な限り広くするという目的を達成するには不十分である。また特許文献2には検査装置を用いて検査を行うことが記載されているが、上記の問題については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−110712号公報
【特許文献2】特開2011−174757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような事情においてなされたものであり、その目的は、円形の基板表面の周縁部における塗布膜の不要部をリング状に除去するにあたり、前記不要部の除去を行うための装置の調整を容易に行うことができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の基板周縁部の塗布膜除去方法は、搬送体により円形の基板の裏面側を保持部に受け渡して保持させる工程と、
次いで前記保持部を基板の直交軸周りに回転させながら、基板の表面に形成されている塗布膜の周縁部に対して溶剤ノズルから溶剤を供給し、予め設定された幅寸法でリング状に塗布膜を除去する塗布膜除去工程と、
次いで、前記基板の表面全体を撮像して前記塗布膜の状態を検査するための検査モジュールに、当該基板を搬送する工程と、
その後、前記検査モジュールにて前記基板の表面を撮像して、その画像データに基づいて塗布膜の除去領域を検出する工程と、
この工程の検出結果に基づいて、前記搬送体による前記保持部に対する後続の基板の受け渡し位置を補正する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の基板処理装置は、表面に塗布膜が形成された円形の基板の裏面を保持すると共に前記基板を当該基板に直交する軸回りに回転させる裏面側保持部と、前記回転する基板の周縁部に前記溶剤を吐出し、予め設定された幅寸法でリング状に前記塗布膜を除去するための溶剤供給ノズルと、を備えた塗布膜周縁部除去モジュールと、
駆動機構により前記塗布膜周縁部除去モジュールへ前記基板を搬送し、前記裏面側保持部に当該基板を受け渡す搬送体と、
前記塗布膜が除去された基板の表面全体を撮像して前記塗布膜の状態を検査するために画像データを取得する検査モジュールと、
前記画像データに基づいて塗布膜の除去領域を検出するためのデータ処理部と、
前記除去領域に基づいて、前記搬送体による前記保持部に対する後続の基板の受け渡し位置を補正するように前記駆動機構を動作させるための搬送体操作部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
円形の基板の周縁の塗布膜を予め設定された幅寸法で除去する塗布膜周縁部除去モジュールと、当該塗布膜周縁部除去モジュールに前記基板を搬送する搬送体とを含む基板処理装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上記の基板処理方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、塗布膜の不要部を除去した基板の画像データを取得し、その画像データから塗布膜の除去幅を検出し、後続の基板に対しては、当該基板に対する前記不要部が除去された塗布膜の偏心が防がれるように、前記各除去幅に基づいて基板の搬送体から裏面保持部への基板を受け渡すための受け渡し位置をずらす。
また、他の発明では画像データから塗布膜の除去幅を検出し、後続の基板に対しては、前記除去幅が設定値となるように溶剤の供給位置をずらす。このように画像データに基づいて装置の調整を行うようにすることで、基板を装置の外部の検査機器で検査するために装置の外部へ搬送する必要を無くすことができるので、装置の調整が容易になる。また、これらの発明において、画像データは塗布膜の状態を検査するための検査モジュールにて取得されるので、装置に画像データの取得用の専用のモジュールを設ける必要が無く、装置の構成の複雑化や大型化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】レジスト膜形成モジュールを含んだ塗布、現像装置の横断平面図である。
図2】前記塗布、現像装置の斜視図である。
図3】前記塗布、現像装置の縦断側面図である。
図4】前記塗布、現像装置の単位ブロックの斜視図である。
図5】前記単位ブロックに設けられた向き調整モジュールの概略側面図である。
図6】前記レジスト膜形成モジュールの斜視図である。
図7】前記レジスト膜形成モジュールの縦断側面図である。
図8】前記単位ブロックの搬送アームの平面図である。
図9】前記レジスト膜形成モジュールの動作を示す説明図である。
図10】前記レジスト膜形成モジュールの動作を示す説明図である。
図11】前記レジスト膜形成モジュールの動作を示す説明図である。
図12】前記レジスト膜形成モジュールの動作を示す説明図である。
図13】前記レジスト膜が形成されたウエハWの平面図である。
図14】前記単位ブロックの搬送アームの平面図である。
図15】ウエハとレジスト膜との関係を示す説明図である。
図16】ウエハの画像データの説明図である。
図17】前記画像データと測定グループとの関係を示す説明図である。
図18】ウエハとレジスト膜との関係を示す説明図である。
図19】ウエハとレジスト膜との関係を示す説明図である。
図20】ウエハとレジスト膜との関係を示す説明図である。
図21】算出されるパラメータの一例を示す表図である。
図22】前記塗布、現像装置に設けられる制御部の構成図である。
図23】受け渡し位置及び溶剤処理位置の補正が行われる工程を示すフロー図である。
図24】前記受け渡し位置が変更される様子を示す説明図である。
図25】前記溶剤処理位置が変更される様子を示す説明図である。
図26】表示画面の一例を示す説明図である。
図27】パラメータの補正について示したグラフ図である。
図28】レジスト膜形成モジュールの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
本発明の基板処理装置の一実施形態である塗布、現像装置1について、その平面図、斜視図、概略縦断側面図である図1図2図3を夫々参照しながら説明する。塗布、現像装置1は、キャリアブロックD1と、処理ブロックD2と、インターフェイスブロックD3と、を直線状に接続して構成されている。以降の説明ではブロックD1〜D3の配列方向をY方向とし、このY方向に直交する水平方向をX方向とする。インターフェイスブロックD3には、露光装置D4が接続されている。
【0018】
キャリアブロックD1には、複数枚のウエハWからなるロットを格納したキャリアCが搬送される。ウエハWは円形の基板であり、その周縁には当該ウエハWの方向を示すために切り欠きであるノッチNが形成されている。キャリアブロックD1は、前記キャリアCの載置台11と、開閉部12と、開閉部12を介してキャリアCからウエハWを搬送するための移載機構13とを備えている。
【0019】
処理ブロックD2は、ウエハWに液処理を行う第1〜第6の単位ブロックE1〜E6が下から順に積層されて構成されている。説明の便宜上ウエハWに下層側の反射防止膜を形成する処理を「BCT」、ウエハWにレジスト膜を形成する処理を「COT」、露光後のウエハWにレジストパターンを形成するための処理を「DEV」と夫々表現する場合がある。
【0020】
この例では、図2に示すように下からBCT層、COT層、DEV層が2層ずつ積み上げられている。同じ単位ブロックにおいて互いに並行してウエハWの搬送及び処理が行われる。ここでは互いに同様に構成されたCOT層E3、E4を代表して図1を参照しながら説明する。また、COT層E3、E4の斜視図である図4も参照しながら説明する。キャリアブロックD1からインターフェイスブロックD3へ向かう搬送領域Rの左右の一方側には棚ユニットUが前後方向に配置され、他方側には夫々液処理モジュールであるレジスト膜形成モジュールCOT、保護膜形成モジュールITCがY方向に並べて設けられている。
【0021】
前記レジスト膜形成モジュールCOTは、塗布膜周縁部除去モジュールが組み込まれたモジュールとして構成されており、ウエハWにレジストを供給してレジスト膜を形成し、当該ウエハWの周縁部におけるレジスト膜の前記不要部を除去する。レジスト膜形成モジュールCOTについては後に詳しく説明する。また、以下の説明では、COT層E3、E4のレジスト膜形成モジュールを互いに区別するために、単位ブロックE3のレジスト膜形成モジュールをCOT3、単位ブロックE4のレジスト膜形成モジュールをCOT4として夫々示す。保護膜形成モジュールITCは、レジスト膜上に所定の処理液を供給し、当該レジスト膜を保護する保護膜を形成するためのモジュールである。
【0022】
前記搬送領域Rには、ウエハWの搬送機構である搬送アームFが設けられている。単位ブロックE3の搬送アームをF3、単位ブロックE4の搬送アームをF4としている。搬送アームF3、F4は、ウエハWの保持体(搬送体)2、2、基台21、昇降台22、フレーム23及び筐体24を備える。各保持体2は、互いに上下に重なるように基台21上に設けられ、互いに独立して基台21上を水平に進退する。保持体2は、ウエハWの側周を囲むと共にウエハWの裏面を支持することによりウエハWを保持する。また、保持体2は図示しないウエハWの吸引口を備え、ウエハWの保持体2上での位置ずれが防がれるようになっている。以降、各保持体2を上側保持体、下側保持体と区別して記す場合がある。
基台21は前記昇降台22上に設けられ、鉛直軸回りに回転する。昇降台22は、上下方向に延伸されたフレーム23に囲まれるように設けられる。フレーム23は、前記棚ユニットUの下方の筐体24に接続され、搬送領域RをY方向に移動する。
【0023】
基台21には保持体2を進退させる駆動機構が設けられ、昇降台22には基台21を回転させる駆動機構が設けられている。フレーム23には昇降台22を昇降させる駆動機構が設けられ、筐体24にはフレーム23を移動させる駆動機構が設けられている。各駆動機構は、モータ、プーリ及びこれらモータ及びプーリに巻きかけられるベルトにより構成されている。各ベルトにより各モータの回転運動を直線運動に変換して、フレーム23、昇降台22、保持体2が移動する。また前記プーリの回転により、基台21が回転する。各モータはエンコーダを備え、所定の基準位置からの当該モータの回転量に応じたパルス数の信号が塗布、現像装置1の制御部6に出力される。即ち、保持体2、基台21、昇降台22、フレーム23の夫々の位置に応じた数値のパルスが、各モータのエンコーダから出力される。制御部6は、搬送アームF3、F4がモジュール間でウエハWの受け渡しを行うために、各モータのパルス値が所定値になるように制御信号を出力する。この制御部6は、塗布、現像装置1の動作を制御するためのコンピュータであり、詳しくは後述する。
【0024】
COT層E3、E4の説明に戻ると、棚ユニットUは、加熱モジュール31と、ウエハWの向き調整用のモジュール32とを備えている。加熱モジュール31はウエハWを加熱処理する熱板を備えている。
向き調整用モジュール32の概略側面を図5に示している。図中33はステージであり、その表面にウエハWを載置して鉛直軸回りに回転させる。34は投光部であり、回転するウエハWの周縁部に投光する。35は受光部であり、投光部34から投光される光を受光する。受光部35において光が供給される領域の変化に基づいて、制御部6がノッチNを検出する。検出後、ステージ33によりノッチNが所定の方向に向けられた状態で搬送アームF3、F4がステージ33からウエハWを受け取る。なお、この向き調整用モジュール32は、実際にはウエハWの周縁を露光するための光源部を備えた周縁露光モジュールであり、露光された周縁部を現像時に除去するものである。この例では周縁部の除去をレジスト膜形成モジュールCOTにより行い、前記周縁露光を行わないので前記光源部の図示は省略している。
【0025】
他の単位ブロックE1、E2、E5及びE6は、ウエハWに供給する薬液が異なること及び向き調整用モジュール32の代わりに加熱モジュール31が設けられることなどを除き、単位ブロックE3、E4と同様に構成される。単位ブロックE1、E2は、レジスト膜形成モジュールCOT3、COT4の代わりに反射防止膜形成モジュールを備え、単位ブロックE5、E6は、現像モジュールを備える。図3では各単位ブロックE1〜E6の搬送アームはF1〜F6として示している。
【0026】
処理ブロックD2におけるキャリアブロックD1側には、各単位ブロックE1〜E6に跨って上下に伸びるタワーT1と、タワーT1に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な受け渡し機構である受け渡しアーム14とが設けられている。タワーT1は、互いに積層された複数のモジュールにより構成されており、単位ブロックE1〜E6の各高さに設けられるモジュールは、当該単位ブロックE1〜E6の各搬送アームF1〜F6との間でウエハWを受け渡すことができる。これらのモジュールとしては、実際には各単位ブロックの高さ位置に設けられた受け渡しモジュールTRS、ウエハWの温度調整を行う温調モジュールCPL、複数枚のウエハWを一時的に保管するバッファモジュール、及びウエハWの表面を疎水化する疎水化処理モジュールなどが含まれている。説明を簡素化するために、前記疎水化処理モジュール、温調モジュール、前記バッファモジュールについての図示は省略している。
【0027】
また、タワーT1には検査モジュール(画像取得モジュール)30が設けられており、レジスト膜形成モジュールCOTでレジスト膜が形成されたウエハWが搬入される。この検査モジュール30は、ウエハWを載置するステージと、前記ステージに載置されたウエハWの表面を撮像するカメラとを備えており、カメラにより撮像されたウエハW表面の画像データが制御部6に送信される。制御部6は、後述するようにこの画像データに基づいてレジスト膜のカット幅を検出すると共に、この画像データに基づいてレジスト膜の表面状態の良否の判定を行う。表面状態の良否とは、例えばパーティクル数が規定数以下であるか否か、ウエハWの周縁部を除いてレジスト膜が形成されていない箇所があるか否かについてである。
【0028】
インターフェイスブロックD3は、単位ブロックE1〜E6に跨って上下に伸びるタワーT2、T3、T4を備えており、タワーT2とタワーT3に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な受け渡し機構であるインターフェイスアーム15と、タワーT2とタワーT4に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な受け渡し機構であるインターフェイスアーム16と、タワーT2と露光装置D4の間でウエハWの受け渡しを行うためのインターフェイスアーム17が設けられている。タワーT2は、受け渡しモジュールTRS、露光処理前の複数枚のウエハWを格納して滞留させるバッファモジュール、露光処理後の複数枚のウエハWを格納するバッファモジュール、及びウエハWの温度調整を行う温調モジュールなどが互いに積層されて構成されているが、ここでは、前記受け渡しモジュールTRS以外の図示を省略する。なお、タワーT3、T4にも夫々モジュールが設けられているが、ここでは説明を省略する。
【0029】
この塗布、現像装置1及び露光装置D4からなるシステムのウエハWの搬送経路について説明する。ウエハWはロットごとにキャリアCから搬出される。つまり、一のロットのウエハWが全て払い出された後に他のロットのウエハWがキャリアCから搬出されるように設定されている。また、キャリアCから払い出される前に、各ウエハWの搬送経路は予め設定されており、上記のように二重化された単位ブロックのうち、予め設定された単位ブロックに搬送される。また、同種のモジュールが複数ある場合、ウエハWはそのうちの予め設定されたモジュールに搬送される。
【0030】
ウエハWは、キャリアCから移載機構13により、処理ブロックD2におけるタワーT1の受け渡しモジュールTRS0に搬送される。この受け渡しモジュールTRS0からウエハWは、単位ブロックE1、E2に振り分けられて搬送される。
例えばウエハWを単位ブロックE1に受け渡す場合には、タワーT1の受け渡しモジュールTRSのうち、単位ブロックE1に対応する受け渡しモジュールTRS1(搬送アームF1によりウエハWの受け渡しが可能な受け渡しモジュール)に対して、前記TRS0からウエハWが受け渡される。またウエハWを単位ブロックE2に受け渡す場合には、タワーT1の受け渡しモジュールTRSのうち、単位ブロックE2に対応する受け渡しモジュールTRS2に対して、前記TRS0からウエハWが受け渡される。これらのウエハWの受け渡しは受け渡しアーム14により行われる。
【0031】
このように振り分けられたウエハWは、TRS1(TRS2)→反射防止膜形成モジュール→加熱モジュール31→TRS1(TRS2)の順に搬送され、続いて受け渡しアーム14により単位ブロックE3に対応する受け渡しモジュールTRS3と、単位ブロックE4に対応する受け渡しモジュールTRS4とに振り分けられる。
【0032】
このようにTRS3、TRS4に振り分けられたウエハWは、TRS3(TRS4)→向き調整用モジュール32→レジスト膜形成モジュールCOT3(COT4)→加熱モジュール31→検査モジュール30→保護膜形成モジュールITC→加熱モジュール31→タワーT2の受け渡しモジュールTRSの順で搬送され、タワーT3を介して露光装置D4へ搬入される。露光後のウエハWは、タワーT2、T4間を搬送されて、単位ブロックE5、E6に対応するタワーT2の受け渡しモジュールTRS5、TRS6に夫々搬送される。然る後、加熱モジュール31→現像モジュール→加熱モジュール31→タワーT1の受け渡しモジュールTRSに搬送された後、移載機構13を介してキャリアCに戻される。
【0033】
続いて、レジスト膜形成モジュールCOT3、COT4について説明する。これらのレジスト膜形成モジュールCOT3、COT4は、互いに同様の構成であり、ここでは代表してレジスト膜形成モジュールCOT3について、図6の斜視図も参照しながら説明する。レジスト膜形成モジュールCOT3は、2つの処理部41と、多数のレジスト供給ノズル42(便宜上図6では1本、図1では2本のみ夫々表示している)と、溶剤供給ノズル43と、を備えている。これらノズル42、43は処理部41に共用され、基台44上を移動部45により移動し、各処理部41のウエハW上に位置することができる。図6では処理部41については、一方の処理部41のみ示している。以降、説明を簡素化するために処理部41は一つであるものとして説明する。
【0034】
処理部41は、ウエハWの裏面を吸着保持する基板保持部であるスピンチャック51と、スピンチャック51の周囲を囲むと共に上側が開口したカップ52とを備えている。図7は、カップ52の縦断側面図である。図中53はカップ52内を排気する排気口、54は廃液口である。55は昇降ピンであり、スピンチャック51と搬送アームF3との間でウエハWを受け渡すために3本設けられている。図ではそのうちの2本のみ表示している。
【0035】
図6中56は移動部である。移動部56には、周縁部溶剤供給ノズル57が設けられている。前記基台44には、移動部56を移動させる駆動機構が設けられている。この駆動機構は、搬送アームFに設けられる駆動機構と同様にモータ、プーリ及びベルトにより構成されている。移動部56によって、周縁部溶剤供給ノズル53が前記Y方向に沿って水平移動し、溶剤の吐出位置をウエハWの周端部と中心部側との間で移動させることができる。前記移動部56のモータも、搬送アームFのモータと同様に、基準位置からの回転量に応じたパルス数の信号を出力する。制御部6は、このパルス数が所定の値になるように制御信号を出力し、周縁部溶剤供給ノズル57を所定の位置に位置させる。この周縁部溶剤供給ノズル57により溶剤を吐出する位置を溶剤処理位置と記載し、ウエハWの周縁において当該ノズル57から溶剤が吐出される位置を溶剤吐出位置と記載する。
【0036】
図8図12を用いて、搬送アームF3からレジスト膜形成モジュールCOT3へのウエハWの受け渡しと、レジスト膜形成モジュールCOT3におけるウエハWの処理とを説明する。先ず、向き調整用モジュール32のステージ33から搬送アームF3の保持体2がウエハWを受け取り、搬送アームF3が搬送領域RをY方向を移動する。それによって、前記保持体2がスピンチャック51の正面に移動すると共に基台21が回転し、図8中に実線で示すように保持体2がスピンチャック51の正面に、当該スピンチャック51に向かうように位置する。そして、保持体2が基台21上をX方向に前進し、図8中鎖線で示すようにウエハWをスピンチャック51上の受け渡し位置へ搬送する。その後、上昇した昇降ピン55によりウエハWが支持され、保持体2の後退、昇降ピン55の下降によりウエハWがスピンチャック51に受け渡される。
【0037】
スピンチャック51によりウエハWが回転し、溶剤供給ノズル43からウエハWの中心部へシンナーが吐出され、遠心力により当該ウエハWの周縁部に広げられる。いわゆるスピンコーティングが行われる。次いでレジスト供給ノズル42からレジストがウエハWの中心部へ供給され、スピンコーティングによりウエハW全体にレジスト膜50が形成される(図9)。その後、周縁部溶剤供給ノズル57がカップ52の外側の待機位置からカップ52内の溶剤処理位置へ移動し(図10)、回転するウエハWの周縁部に溶剤を吐出する。前記溶剤はウエハWの遠心力により溶剤吐出位置からウエハWの周端へ広がり、ウエハWの周縁部の不要部が、リング状に除去される(図11)。前記溶剤の供給及びウエハWの回転が停止し、処理が終了すると(図12)、ウエハWが搬送アームF3によりレジスト膜形成モジュールCOTから搬出される。
【0038】
ここで、スピンチャック51に対するウエハWの受け渡し位置とは、望ましくは図8に示すようにスピンチャック51の回転中心P1とウエハWの中心P2とが互いに一致する位置である。このように回転中心P1とウエハWの中心P2とが一致すると、図13に示すように不要部が除去されたレジスト膜50の中心P3は、ウエハWの中心P2に一致することになる。しかし、搬送アームF3の経年劣化により、各駆動機構のベルトの緩みやベルトの歯飛びなどが発生する場合がある。それらのトラブルが発生した場合、図8の受け渡し位置に保持体2が位置したときと同じように各エンコーダからのパルスが出力される位置に保持体2を移動させると、例えば図14に示すように前記回転中心P1とウエハWの中心P2とが一致しなくなる場合がある。つまり、スピンチャック51に対するウエハWの受け渡し位置がずれる。そうなると、図15に示すように前記レジスト膜50の中心P3は、ウエハWの中心P2に対して偏心する。
【0039】
塗布、現像装置1はこのような偏心を検出し、後続のウエハWについては当該偏心が発生しないように成膜を行えるように構成されている。この手法について前記図15を用いて概略的に説明する。説明にあたり、ウエハWが前記受け渡し位置にてスピンチャック51に受け渡されるときの前記X方向、Y方向に沿ったウエハWの直径を夫々ウエハWのX軸、Y軸と記載する。
検査モジュール30から得られた画像データに基づいて、前記X軸の両端において、ウエハWの周端とレジスト膜50の周端との距離であるカット幅(レジスト膜の除去幅)J1、J2を夫々検出する。また、前記画像データに基づいて前記Y軸の両端において、ウエハWの周端とレジスト膜50の周端との距離であるカット幅K1、K2を夫々検出する。そして、ΔX=(J1−J2)/2、ΔY=(K1−K2)を算出する。算出したΔX、ΔYだけ、夫々X方向、Y方向に前記搬送アームF3の受け渡し位置をずらす。例えば前記K1が0.6mm、K2が0.4mmであったとすると、ΔY=(0.6[mm]−0.4[mm])/2=0.1mm分、前記スピンチャック51への受け渡し位置を予め設定された位置からずらす。
【0040】
理解を容易にするために補正量ΔX、ΔYの単位としてmmを使って説明したが、保持体2の受け渡し位置は、上記のようにエンコーダのパルス値として制御部6により設定されているため、実際には補正量ΔX、ΔYはパルス値で表される。より具体的に説明すると、保持体2を前記受け渡し位置に位置させたときに、保持体2をX方向に移動させるために基台21に設けられるモータのパルス値(X方向のパルス値)、保持体2をY方向に移動させるために筐体24に設けられるモータのパルス値(Y方向のパルス値)が夫々3000パルス、2000パルスであるように、制御部6に記憶されているものとする。
【0041】
検査モジュール30において、このような受け渡し位置で受け渡されて処理されたウエハWについて、画像データを取得し、上記のようにカット幅を検出下結果、ΔXが−30パルスに相当し、ΔYが10パルスに相当していたとする。制御部6は、受け渡し位置について、このΔX、ΔYだけずれるように補正し、受け渡し位置のX方向のパルス値を3000−(−30)=3030、Y方向のパルス値を2000−10=1990として記憶する。そして、後続のウエハWをこのパルス値が出力されるように新たに設定された受け渡し位置へ搬送し、スピンチャック51の回転中心P1に対するウエハWの中心P2の偏心を防ぐ。
【0042】
説明を補足すると、向き調整用モジュール32によりウエハWは所定の向きに向けられる。搬送アームF3に保持されている間、またレジスト膜形成後の加熱モジュール31に搬入されている間はウエハWの向きは変化しない。また、スピンチャック51にウエハWが受け渡された後、上記のようにモジュールでの処理が終了してスピンチャック51の回転が停止するまでのウエハWの回転量は、制御部6により所定の値に制御される。つまり、レジスト膜形成モジュールCOT3及び検査モジュール30に対してウエハWを所定の向きで搬送することができる。従って、レジスト膜形成モジュールCOT3での処理後、検査モジュール30に所定の向きでウエハWを搬送することができ、当該検査モジュール30において所定の向きのウエハWの画像データを取得することができる。それによって上記のように補正量ΔX及び補正量ΔYを算出することができる。
【0043】
搬送アームF4においても、搬送アームF3と同様に受け渡し位置の調整が行われる。また、周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤処理位置についても搬送アームF3、F4と略同様に補正が行われる。即ち、溶剤吐出時には前記ノズル57を駆動させるモータのエンコーダが予め設定されたパルス値となるようにノズル57が移動する。制御部6は、前記画像データに基づいてカット幅J1、J2、K1、K2の平均を算出し、算出値と予め設定されたカット幅の目標値との差分を求め、この差分に対応する分だけ前記溶剤処理位置を補正する。そして、溶剤処理位置が補正されたことにより、図15に示すようにウエハWにおける溶剤の吐出位置59が変更され、カット幅が目標値になる。前記溶剤吐出位置59は、ノズル57の吐出口の投影領域である。
【0044】
これまでは説明を容易にするために、ウエハWの画像データにおいてカット幅を測定する箇所が4つであるように説明してきたが、実際には例えばウエハWの周方向において、互いに離れた24箇所の領域のカット幅を測定する。図16はウエハWの画像データの一例を示しており、図中測定領域を鎖線で囲って示している。この測定領域は、ウエハWの周縁部において、中心部側から外周へと向かう長方形の領域である。画像データにおいて、レジスト膜50と当該レジスト膜が除去された領域との境界、ウエハWの内側と外側との境界は夫々画像のグレーレベルが変化しており、このグレーレベルの変化に基づいて制御部6がレジスト膜50のカット幅を検出する。図中に1Aとして示した測定領域を拡大し、カット幅を矢印で示している。
【0045】
各測定領域について図17も参照しながら説明する。例えば24個の測定領域のうちの4つは、ウエハWの前記X軸とY軸とに重なるように設定されている。この4つの測定領域をグループAとし、周方向に沿って反時計回りに測定領域1A、2A、3A、4Aとして示している。上記の図15の説明に用いたカット幅J1、J2、K1、K2は、これら測定領域4A、2A、3A、1Aの夫々のカット幅である。他の測定領域は、X軸及びY軸をウエハWの中心P2周りに所定量傾けた傾斜軸G及び傾斜軸H上に設定している。図中αはこの傾斜軸G、HのX軸、Y軸に対する角度である。この傾斜角αが同じ測定領域同士が、同じグループに属する。図17ではグループごとに測定領域を表示し、同じグループに属する測定領域をグレースケールで示している。
【0046】
傾斜角α=15°であるグループをグループBとし、その各測定領域を、上記測定領域1A、2A、3A、4Aから夫々15°ずつずれた1B、2B、3B、4Bとして示している。同様にα=30°であるグループをグループCとし、その各測定領域を1C、2C、3C、4Cとして夫々示している。α=45°であるグループをグループDとし、その各測定領域を1D、2D、3D、4Dとして夫々示している。α=60°であるグループをグループEとし、その各測定領域を1E、2E、3E、4Eとして夫々示している。α=75°であるグループをグループとし、その各測定領域を1F、2F、3F、4Fとして夫々示している。
【0047】
従って、グループAの測定領域1Aを基準にすると、他の各測定領域はウエハWの中心から見て15°ずつ、反時計回りにずれた位置に設定されている。以降、説明の便宜上、各測定領域のカット幅については、記号Lの後ろに当該測定領域1Aからずれた角度の数値を付して示す場合がある。例えばグループAにおいて、測定領域1A、2A、3A、4Aのカット幅は、L0、L90、L180、L270として表す。例えばグループDの測定領域1D、2D、3D、4Dのカット幅は、このルールに従うことにより夫々L45、L135、L225、L315として表す。
【0048】
上記の6つのグループA〜Fから夫々、ウエハWの中心P2に対するレジスト膜の中心P3のX方向の偏心Xc(=ΔX)、前記中心P2に対する前記中心P3のY方向の偏心Yc、中心P2と中心P3とを結ぶ線分で表される偏心量Z、平均カット幅E、最大誤差Dを夫々算出する。図18も参照しながらこれらの測定項目について説明する。前記平均カット幅Eは、同じグループ内の4つの測定領域のカット幅の平均値である。前記偏心Xcは、上記の搬送アームFのX方向の補正量ΔXに相当する。前記偏心Ycは、上記の搬送アームFのY方向の補正量ΔYに相当する。最大誤差Dは、平均カット幅Eと偏心量Zの両方を加味した誤差である。
【0049】
これら偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、平均カット幅E、最大誤差Dの各項には許容範囲が設定され、許容範囲から外れた場合、測定されたウエハWは不良なウエハWとして制御部6により認定される。また、最大誤差Dについて補足しておく。最大誤差Dが大きいと、平均カット幅E、偏心量Zが前記許容範囲内に収まっていても、レジスト膜が除去される領域がデバイスの形成領域にかかるおそれがある。そこで、このように最大誤差Dを算出すると共に、この最大誤差についても許容範囲を設定している。
【0050】
偏心Xc、偏心Ycを求める過程において、偏心t、偏心u、偏心角θを夫々算出する。偏心tは、X軸の傾斜軸である前記G軸に沿ったウエハWの中心P2に対するレジスト膜の中心P3の偏心である。偏心uは、Y軸の傾斜軸である前記H軸に沿ったウエハWの中心P2に対するレジスト膜の中心P3の偏心である。偏心角θは、レジスト膜50の中心P3とウエハWの中心P2とを結ぶ線分と、X軸とがなす角である。
【0051】
一例として、グループDにおける平均カット幅E、偏心Xc、Yc、Z、最大誤差Dの算出方法について、図19を参照しながら説明する。他のグループの平均カット幅E、偏心Xc、Yc、偏心量Z、最大誤差Dと区別するためにこのグループDから算出される平均カット幅をEd、偏心をXcd、Ycd、Zd、最大誤差をDdと表記する。
平均カット幅Edは4つのカット幅の平均値であり、下記の式1で算出される。
Ed=(L45+L135+L225+L315)/4・・・式1
【0052】
また予め設定された値である不要部が除去された状態のレジスト膜の半径をr、同じく予め設定された値であるウエハWの半径をRとすると、下記の式2、式3が成り立つ。
L135+r・cosθ−t=R・・・式2
L270+r・cosθ+t=R・・・式3
式2、式3から、下記の式4が求められる。
t=(L135−L315)/2・・・式4
また、前記偏心tを算出する場合と同様に考えると、下記の式5により偏心uが算出される。
u=(L225−L45)/2・・・式5
【0053】
前記偏心量Zd、偏心角θdは下記の式6、式7で算出される。
Zd=(t+u1/2・・・式6
偏心角θd=tan−1(t/u)−45°・・・式7
この偏心量Zd、偏心角θdに基づいて下記の式8、式9により偏心Xcd、Ycdが算出される。
Xcd=Zd・cosθd・・・式8
Ycd=Zd・sinθd・・・式9
【0054】
さらに、このように算出された平均カット幅Ed、偏心量Zd及び予め設定された値であるカット幅の目標値を用いて、次の式10により、最大誤差Ddが算出される。
最大誤差Dd=|カット幅の目標値−平均カット幅Ed|+偏心量Zd・・・式10
【0055】
グループD以外の他のグループについても同様に4つの測定領域にて検出されるカット幅から、平均カット幅E、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Zが算出される。つまり、L45、L135、L225、L315の代わりに各グループで測定されるカット幅を用いて上記各式1〜式10による演算が行われる。また、式7においてグループDでは、X軸、Y軸に対して傾斜軸G、Hが45°傾いているため、tan−1(t/u)により算出される角度から45°を減算して偏心角を算出しているが、このように減算する角度はX軸、Y軸に対する各グループの傾斜軸G、Hの傾きであるので、この傾斜軸の傾きに応じて各グループごとに用いられる値は異なる。グループB、C、E、Fで夫々15°、30°、60°、75°が減算される。
【0056】
グループAの平均カット幅E、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ、最大誤差Dの算出についても図20を参照しながら説明しておく。他のグループの計算値と区別するために前記平均カット幅をEa、前記偏心をXca、Yca、前記偏心量をZa、偏心角をθa、最大誤差をDaとして説明する。上記の式1においては、上記L45、L135、L225、L315の代わりにL0、L90、L180、L270が用いられるため、(L0+L90+L180+L270)/4が演算される。上記の式2〜式5についてもこれらL0、L90、L180、L270が用いられるので、t=(L90−L270)/2、u=(L180−L0)/2として演算される。偏心量Zaは、偏心t,uからグループDのZdと同様に算出される。また、このグループAでは傾斜軸G、HがX軸、Y軸に各々一致している。即ちX、Y軸と傾斜軸G、H軸とのなす角が0°であるため、式7は、偏心角θa=tan−1(t/u)−0°として演算される。そして、式8及び式9より、Xca=Za・cosθa、Yca=Za・sinθaとして算出される。また、式10よりグループDと同様に最大誤差Daが算出される。なお、このグループAでは上記のようにX、Y軸と傾斜軸G、H軸とが一致しているため、式4、式5から演算される偏心t,uは夫々偏心Xca、Ycaである。
【0057】
グループA〜Fにおいて、各平均カット幅をEa〜Ef、各偏心XcをXca〜Xcf、各偏心YcをYca〜Ycf、各偏心量ZをZa〜Zf、各偏心角θをθa〜θf、最大誤差DをDa〜Dfとすると、これらの各項目について平均値が算出される。つまり、平均カット幅については(Ea+Eb+Ec+Ed+Ee+Ef)/6が演算され、この演算値が最終的に測定された平均カット幅とされる。同様に、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ、最大誤差Dについても夫々各グループから検出された値の平均値が算出され、各平均値が最終的に測定された偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ、最大誤差Dとされる。偏心Xc、偏心Ycに基づいて、上記の受け渡し位置のX方向、Y方向の補正量が算出される。平均カット幅に基づいて周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤処理位置の補正量が算出される。
【0058】
図21の表には、1枚のウエハWの画像データから得られる各測定項目をまとめて示している。上記のように各グループごとに平均カット幅、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ及び最大誤差Dが算出され、各グループ間で同じ測定項目同士の値の平均値が算出される。これらの算出された測定値が、ウエハWごとに制御部6に記憶される。表中に示したようにこの例では平均カット幅、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z及び最大誤差Dの単位はmmであり、偏心角θの単位は度(degree)である。
【0059】
続いて、図22を参照しながら制御部6について説明する。特許請求の範囲の搬送体操作部、移動機構操作部及びデータ処理部は当該制御部に含まれる。制御部6は、プログラム61を備えたプログラム格納部62、各種の演算を実行するCPU63を備えている。図中60はこれらプログラム格納部62、CPU63が接続されるバスである。前記プログラム61は、制御部6から塗布、現像装置1の各部に制御信号を送り、ウエハWの搬送を制御すると共に各モジュールでウエハWの処理を行うことができるようにステップ群が組まれている。例えば、既述の各モータに制御信号が送られることで搬送アームFの保持体2はモジュール間を移動し、上記のレジスト膜形成モジュールCOTを含む各モジュールに対するウエハWの受け渡し位置へと移動することができる。同様に、レジスト膜形成モジュールCOT57も前記制御信号に基づいて待機位置と溶剤処理位置との間で移動することができる。また、前記レジスト膜の表面状態の良否判定もプログラム61により行われる。
プログラム格納部62は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)メモリーカードなどの記憶媒体により構成され、プログラム61はこのような記憶媒体に格納された状態で制御部6にインストールされる。
【0060】
制御部6は第1の記憶部64を備えている。この第1の記憶部64には、上記のように各グループから算出される偏心Xc、偏心Yc、カット幅Eについて、補正を行う範囲、補正不可能範囲、補正不要範囲(許容範囲)について夫々記憶されている。これらは、前記搬送アームFの受け渡し位置及び前記レジスト膜形成モジュールCOTの周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤処理位置について補正を行うか否かの判定、及び前記搬送アームF及び前記モジュールCOTを使用不可にするか否かの判定を行うために用いられる。また、図示は省略したが偏心量Z、最大誤差Dの許容範囲、補正不可能範囲についても、この第1の記憶部64に記憶される。
【0061】
制御部6は、第2の記憶部65を備えている。この第2の記憶部65には制御部6により付されたロット及びウエハWのIDが記憶されている。また、この第2の記憶部65には、ウエハWごとに、どのレジスト膜形成モジュールCOTで処理されたか、どの搬送アームFにより前記レジスト膜形成モジュールCOTに搬送されたか、上側保持体2、下側保持体2のうちどちらで前記レジスト膜形成モジュールCOTに搬送されたか、というデータが互いに対応付けられて記憶される。さらに、当該第2の記憶部65には、図21で説明した平均カット幅E、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ、最大誤差Dについての各測定項目の値がウエハWごとに記憶される。既述のレジスト膜の表面状態についての良否の判定も、ウエハWごとに記憶される。
【0062】
また、制御部6には第3の記憶部66が設けられる。この第3の記憶部66には、例えば塗布、現像装置1の電源投入後における、搬送アームF3、F4の受け渡し位置の補正回数、及び各レジスト膜形成モジュールCOTの周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤処理位置の補正回数が記憶される。各補正は繰り返し行うことが可能であるが、その回数について上限値が設定されており、当該上限値もこの第3の記憶部66に記憶される。
【0063】
さらに、制御部6には第4の記憶部67が設けられる。この第4の記憶部67には搬送アームF3、F4について、レジスト膜形成モジュールCOTへの受け渡し位置のデータが記憶される。このデータは既述してきたようにX方向の位置データ、Y方向の位置データであり、前記X方向の位置データは搬送アームFの保持体2ごとに記憶されている。これらのデータは、上記のようにエンコーダのパルス値として記憶されており、上記の偏心Xc、偏心Ycに基づいて補正される。また、各レジスト膜形成モジュールCOTの周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤処理位置のデータについてもエンコーダのパルス値として記憶されている。このデータは上記の平均カット幅Eにより補正される。なお、図示及び説明の便宜上記憶部を4つに分けているが、これらは共通のメモリにより構成されていてもよい。
【0064】
また、制御部6はアラーム出力部68を備えている。このアラーム出力部68は、上記の補正不可能範囲に含まれる測定項目があったり、後述するように上限値まで、搬送アームFの受け渡し位置または溶剤処理位置の補正を行ってもカット幅E、偏心Xcまたは偏心Ycが許容範囲にならない場合にアラームを出力する。アラーム出力としては、画面に所定の表示を行ったり、所定の音声を出力することにより行われる。
【0065】
制御部6にはディスプレイにより構成される表示部69が設けられている。この表示部69には、第2の記憶部65に記憶されているデータが表示される。具体的には、各ウエハWについて、表面検査結果の良否、処理を行ったレジスト膜形成モジュールCOT、当該モジュールCOTに搬送した搬送アーム及び保持部、画像データから得られた各測定項目の値が互いに対応付けられて表示される。
【0066】
続いて、搬送アームF3、F4の受け渡し位置及び溶剤処理位置の補正が行われるプロセスについて、図23のフローチャートを参照して説明する。また、このフローの説明においては、先に塗布、現像装置1に搬入されたウエハWをW1、後続のウエハWをW2とする。ウエハW1とW2とは互いに同じ搬送経路で搬送され、同じ保持体2を用いてレジスト膜形成モジュールCOTに搬送されるように設定されているものとする。
【0067】
上記のように塗布、現像装置1を搬送され、反射防止膜が形成されたウエハW1が単位ブロックE3(E4)の向き調整用のモジュール31に搬入され、ノッチNが所定の方向に向くようにその向きが調整される(ステップS1)。ウエハW1を保持した搬送アームF3(F4)の保持体2が、制御部6に記憶される受け渡し位置のデータに基づいて、レジスト膜形成モジュールCOT3(COT4)のスピンチャック51上の前記受け渡し位置に移動し、図8で説明したようにウエハW1がスピンチャック51に受け渡される。ウエハW1の受け渡し先のレジスト膜形成モジュールがCOT3、COT4のいずれか、受け渡した搬送アームがF3、F4のいずれか、上側、下側のいずれの保持体2で塗布モジュールCOT3に受け渡したかが制御部6に記憶される。
【0068】
図9で説明したように、ウエハWの表面全体にレジスト膜の形成が行われる。次いで、制御部6に記憶される溶剤処理位置のデータに基づいて、当該溶剤処理位置に溶剤吐出ノズル51が移動し、ウエハW1の周縁部に溶剤が吐出され、図10図12で説明したようにレジスト膜の不要部の除去が行われる(ステップS2)。
【0069】
加熱モジュール31での処理後、前記ウエハW1は検査モジュール30に搬送され、カメラにより撮像され、それによって得られた画像データが制御部6に送信される(ステップS3)。この画像データからレジスト膜の表面の良否判定が行われ、その判定結果が制御部6に記憶される。さらに、前記画像データから、既述の各グループA〜Fについて、平均カット幅E、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ、最大誤差Dが算出される。そして、これらカット幅E、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ、最大誤差Dについて6つのグループA〜F間の平均値が算出され、これらの計算値が制御部6に記憶される(ステップS4)。この一連のフローにおいてこれ以降、単に平均カット幅E、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、偏心角θ、最大誤差Dという場合には、グループA〜F間の平均値のことを指す。
【0070】
算出された平均カット幅E、偏心Xc、偏心Yc、偏心量Z、最大誤差Dの各検査項目について、その値が予め設定された補正不可能範囲に設定されているものがあるか否かが判定される(ステップS5)。ステップS5において、どの検査項目も補正不可能範囲に含まれないと判定された場合、偏心Xc、偏心Yc及び平均カット幅Eについて、これらのパラメータが補正を行う範囲に含まれているか否かが判定される(ステップS6)。ステップS6でいずれのパラメータも補正を行う範囲に含まれていないと判定された場合、各検査項目は補正不要範囲に収まっているため、搬送アームFの受け渡し位置及び周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤処理位置は補正されないまま、後続のウエハW2が、ウエハW1と同様にレジスト膜形成モジュールCOTへ受け渡され、レジスト膜の不要部の除去が行われる(ステップS7)。
【0071】
前記ステップS6で、偏心Xc、偏心Yc、平均カット幅Eのいずれかが補正を行う範囲に含まれていると判定された場合は、制御部6に記憶されたデータに基づき、このウエハW1のレジスト膜の表面状態が良好か否かの判定が行われる(ステップS8)。このステップS8でレジスト膜の表面状態が不良と判定された場合は、前記ステップS7が実行され、前記受け渡し位置及び前記溶剤処理位置は補正されないまま、後続のウエハW2のレジスト膜形成モジュールCOTへの受け渡し及びレジスト膜の不要部の除去が行われる。このように表面状態が異常と判定されたウエハWに基づいて補正を実行しないのは、当該ウエハWにおいてはレジスト膜が正常に形成されていない場合があるためである。
【0072】
ステップS8において、レジスト膜の表面状態が良好と判定された場合、偏心Xc、偏心Ycのいずれかが補正を行う範囲に含まれているとすると、ウエハW1を搬送する搬送アームFの受け渡し位置の補正回数が、上限値に達しているか否かが判定される。また、カット幅Eが補正を行う範囲に含まれているとすると、ウエハW1を処理したレジスト膜形成モジュールCOTについて、溶剤処理位置の補正回数が、上限値に達しているか否かが判定される(ステップS9)。
【0073】
ステップS9において、前記受け渡し位置についての補正回数が上限値に達していないと判定された場合、当該受け渡し位置の補正が行われる。偏心Xc、偏心Ycのうち、補正を行う範囲とされたパラメータについて、この偏心の値をエンコーダのパルス値に変換した補正量ΔX、ΔYが算出される。このXc、YcからΔX、ΔYへの変換式は予め制御部6に記憶されているものとする。そして、このように算出されたΔX、ΔYにより、図15を用いて説明したように第4の記憶部67に記憶される受け渡し位置のデータが補正される。つまり、補正量ΔYによって搬送アームF3、F4のうち、ウエハW1をレジスト膜形成モジュールCOTに受け渡した搬送アームFのY方向の受け渡し位置のデータが補正される。補正量ΔXによって前記搬送アームFの2つ保持体2のうちウエハW1を保持していた保持体2のX方向の受け渡し位置のデータが補正される。このように補正が行われると共に、前記搬送アームFの補正回数が1つ繰り上がるように更新される。
【0074】
また、ステップS9において、溶剤処理位置の補正回数が上限値に達していないと判定された場合には、前記測定された平均カット幅Eとカット幅の目標値との差分(μm)が演算され、この差分値をエンコーダのパルス値に変換した補正量ΔEが算出される。この変換式及び前記目標値は予め制御部6に記憶されているものとする。そして、このように算出された補正量ΔEにより、ウエハW1を処理したレジスト膜形成モジュールCOTの溶剤吐出位置のデータが補正される。この補正は、搬送アームFの受け渡し位置の補正と同様に行われ、例えば溶剤吐出位置のデータのパルス値がAと記憶されているとすると、A−ΔEが補正後の溶剤吐出位置のデータとして記憶される。このように補正が行われると共に、前記モジュールCOTの溶剤処理位置の補正回数が1つ繰り上がるように更新される(ステップS10)。
【0075】
図24は、前記受け渡し位置が補正される様子を示している。図の上段に示すようにウエハW1はスピンチャック51の回転中心P1に対してウエハW1の中心P2が偏心するように搬送アームF3(F4)の保持体2によりウエハWの受け渡し位置(図中鎖線で表示)へ搬送されている。そして、上記のようにフローが実行され、受け渡し位置のデータが補正される。ここでは偏心Xc、Ycが共に補正を行う範囲であり、受け渡し位置のデータはX方向についてもY方向についても補正されたものとする。
【0076】
然る後、後続のウエハW2を保持した搬送アームF3(F4)の保持体2が、記憶されたデータに従って受け渡し位置に移動する。このデータは補正されているため、図中下段に示すようにウエハW2の中心P2とスピンチャック51の回転中心P1とが互いに一致する。この受け渡し後、ウエハW1と同様にレジスト膜形成モジュールCOTで処理され、図13に示したように形成されるレジスト膜の中心P3はウエハWの中心P2に一致する。
【0077】
図25は、溶剤処理位置が補正される様子を示している。この例では図中上段に示すようにウエハW1の処理時に周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤吐出位置59が比較的ウエハWの内方側に位置し、当該ウエハW1の検査の結果、目標値よりもカット幅Eが小さかったものとする。そして、上記のようにフローが実行され、溶剤処理位置のデータが補正され、ウエハW2が搬入され、レジスト膜が形成されると、補正された処理位置のデータに従って周縁部溶剤供給ノズル57が移動する。図中下段は、当該周縁部溶剤供給ノズル57により処理されたウエハW2を示している。周縁部溶剤供給ノズル57は、ウエハW1の処理時よりもウエハWの外方側に位置し、溶剤吐出位置59もウエハWの外方に寄るように位置する。これによってレジスト膜50のカット幅が目標値となる。
【0078】
このようにレジスト膜形成モジュールCOTで処理を終えたウエハW2は検査モジュール51などの各モジュールをウエハW1と同様に搬送される。図24図25の例では受け渡し位置及び溶剤処理位置について補正が行われた結果、ウエハW2の処理時には各測定項目が補正不要範囲に収まり、補正が行われないものとしているが、ウエハW2についてもウエハW1のフローに従って処理されるので、このウエハW2からの画像データを解析した結果によっては、ステップS6、S8、S9、S10が実行され、データの補正が再度行われることになる。つまり、第3の記憶部66に設定している補正の繰り返し回数の上限値を超えない限り、各パラメータが補正不要範囲に収まるまで、前記受け渡し位置及び溶剤処理位置の補正が繰り返して行われる。
【0079】
図23のフローの説明に戻る。ステップS9において、搬送アームFの受け渡し位置の補正回数が上限値に達していると判定された場合は、当該搬送アームFを使用不可とする。搬送アームF3を使用不可にする場合を例に挙げて詳しく説明すると、上記の判定が行われると単位ブロックE3の搬入口となる受け渡しモジュールであるTRS3への受け渡しを停止する。そして、搬送アームF3は、すでに単位ブロックE3に搬入されているウエハWを既述の経路で搬送し、単位ブロックE3からそれらのウエハWが搬出されると、その動作を停止する。このように搬送アームF3の動作をすぐに停止させないのは、前記停止によって正常に処理が行われないウエハWが増えることを防ぐためである。そして、単位ブロックE3に搬送されるように設定されていたウエハWについては、単位ブロックE4に搬送されて処理を受けるように搬送経路が変更される。搬送アームF4を使用不可にする場合も同様であり、受け渡しモジュールTRS4へのウエハWの搬送停止、単位ブロックE4からのウエハWの搬出、及び単位ブロックE3への後続のウエハWの搬送経路の切り替えが行われる。
【0080】
また、レジスト膜形成モジュールCOT3(COT4)において前記溶剤吐出ノズル51の処理位置の補正回数が設定回数を超えたと判定されると、当該レジスト膜形成モジュールCOT3(COT4)を使用不可とし、当該モジュールCOTへのウエハWの搬送を停止させる。この実施形態では1つの単位ブロックにレジスト膜形成モジュールCOTが1つしか無いので、搬送アームFを使用不可にする場合と同様に当該レジスト膜形成モジュールCOTを含む単位ブロックへのウエハWの搬送を停止させる。
そして、このように搬送アームまたはレジスト膜形成モジュールCOTが使用不可とされると、搬送アームF3、F4、レジスト膜形成モジュールCOT3、COT4のいずれが使用不可になっているかを示すようにアラームが出力され、塗布、現像装置1のユーザに当該搬送アームまたはモジュールの修理を促す(ステップS11)。
【0081】
ステップS5において算出された設定項目のうち、補正不可範囲に含まれているものがあると判定された場合にも前記ステップS11が行われる。つまり、ウエハW1を搬送した搬送アームF及びレジスト膜形成モジュールCOTが使用不可とされ、これらの修理を促すためにアラームが出力される。
ところで、1つの単位ブロックEにおいて使用可能なレジスト膜形成モジュールCOTが複数あり、1つのレジスト膜形成モジュールCOTが使用不可になったときに他のレジスト膜形成モジュールCOTが使用可能であると、使用不可になったレジスト膜形成モジュールCOTに搬送されるように設定されていた後続のウエハWは、前記使用可能なレジスト膜形成モジュールCOTに搬送されるように設定される。つまり、前記単位ブロックEへの搬送が中止されることなく、当該単位ブロックEにおけるウエハWの処理が引き続き行われる。
【0082】
このような塗布、現像装置1によれば、レジスト膜の表面状態を検査するための検査モジュール30により取得された画像データに基づいて、ウエハWの周方向における複数の領域でのカット幅を検出し、当該カット幅に基づいて、搬送アームFのレジスト膜形成モジュールCOTへの受け渡し位置及びレジスト膜形成モジュールCOTの周縁部溶剤供給ノズル57の溶剤処理位置を補正するための測定項目が算出される。そして、そのように算出されたデータによって、前記受け渡し位置及び溶剤処理位置の補正が行われる。従って、装置1の外部にレジスト膜形成モジュールCOTにより処理されたウエハWを搬出する必要が無くなる。また装置1のユーザが、ウエハWと、当該ウエハWを処理したレジスト膜形成モジュールCOTと、レジスト膜形成モジュールCOTへ前記ウエハWを搬送した搬送アームFと、ウエハWのカット幅の測定結果とを対応付けて記憶したり、この対応についての情報をメモしたりする必要が無くなる。従って、ユーザの手間が軽減されるし、ユーザの記憶違いや手違いにより、補正が誤って行われるなどの人為的なミスを防ぐことができる。
【0083】
また、この第1の実施形態では上記の画像データからカット幅が検出されると、制御部6が自動でそのカット幅に基づいて前記受け渡し位置及び溶剤処理位置の補正を行う。従って、速やかに前記補正を行うことができ、算出される各パラメータについての検査結果が不適となるウエハW枚数が多くなることが防がれるし、ユーザの手間をより抑えることができる。
【0084】
さらに、前記画像データを取得する検査モジュール30は、レジスト膜の表面状態の検出も行うためのモジュールであり、得られた画像データから上記各パラメータの算出とレジスト膜の表面状態の良否の判定とが並行して行われる。従って、このような補正データを取得するにあたり、専用のモジュールを設ける必要が無いので、塗布、現像装置1内のモジュール設置数が抑えられ、装置の大型化を防ぐことができる。また、上記のように補正データの算出は、前記表面状態に異常が有ると判定されたウエハWについては行われないので、不適切な補正データが算出されることを防ぐことができるため、不良な処理が行われるウエハWの枚数を抑えることができる。
【0085】
検査モジュール30による画像データの取得は全てのウエハWについて行うことには限られず、例えばロットの先頭のウエハWについてのみ行うようにしてもよい。また、この第1の実施形態において、前記受け渡し位置及び処理位置の補正は、補正値の算出後すぐに行うことには限られない。例えば先に装置1に搬入されるロットAについて検査により補正値を算出しても、ロットAの処理中は補正を行わない。そして、ロットA処理後、次に装置1に搬入されるロットBをレジスト膜形成モジュールCOTに搬送する前に補正を行う。このようにして同じロット内において各ウエハWの処理状態が揃うようにしてもよい。
【0086】
(第2の実施形態)
上記のように制御部6が自動で前記受け渡し位置及び溶剤処理位置の補正を行うことには限られない。この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に画像データに基づいて、各測定項目が演算される。各測定項目は表示部69に表示される。表示部69はタッチパネルなどにより構成され、算出された測定項目に従って補正を行うか否かはユーザが決定することができる。また、ユーザはこの表示部69から、算出された各測定項目の値を変更して補正を行うこともできる。この実施形態においては当該表示部69が、特許請求の範囲における搬送体操作部及び移動機構操作部を構成する。
【0087】
図26に表示部69の画面表示の一例を示している。図中の上段から中段へ、中段から下段へ、ユーザの指示により画面表示が切り替わる。図中上段の表について説明する。表ではロットのIDと、当該ロットについて処理を開始した時刻と、ロットに含まれるウエハWの枚数とが互いに対応付けられて表示されている。ユーザは、各ロットについて割り振られた選択番号を選択することで、上記の測定項目について表示を行うロットを選択する。なお、同じロットには同種の処理が行われるので、この画面は所定の処理を行ったウエハWのデータを表示するための画面であるとも言える。
【0088】
図26中の中段の表について説明する。この画面72では上段の表で選択されたロットに含まれるウエハWのデータが、当該ウエハWごとに表示される。この画面表示は前記第2の記憶部65に格納されたデータに基づいて行われる。表示されるデータとしては、ウエハWのID、レジスト膜の表面状態の良否、どのレジスト膜形成モジュールCOTで処理されたか、どの搬送アームで前記モジュールCOTに搬送されたか、上下いずれの保持体2を用いて搬送されたかというデータである。
さらに、カット幅の目標値、各グループA〜Fから算出された平均カット幅E、偏心量Z、偏心Xc、偏心Ycについても表示される。これら平均カット幅E、偏心量Z、偏心Xc、偏心Ycは、既述の各グループA〜Fの平均値である。
【0089】
また、表中の上側測定値、下側測定値、左側測定値及び右側測定値について説明する。各グループA〜F間の傾斜軸Gの一端側(図17中右側)のカット幅の平均を右側測定値、傾斜軸Gの他端側(図17中左側)のカット幅の平均を左側測定値としている。各グループA〜F間の傾斜軸Hのカット幅の一端側(図17中上側)の数値の平均を上側測定値、傾斜軸Hの他端側(図17中下側)のカット幅の平均を下側測定値としている。なお、ここではグループAについてX軸=傾斜軸G、Y軸=傾斜軸Hであるものとする。ユーザは、各ウエハWについて設けられるチェック欄から、上記の各補正を行うためにそのデータを用いるウエハWを指定することができる。
【0090】
図26中下段の画面について説明する。この画面では、前記中段の画面で指定したウエハW間における上側測定値、下側測定値、右側測定値、左側測定値について夫々の平均値が表示される。指定したウエハWが1つである場合には、前記平均値の代わりに当該選択したウエハWの各測定値が表示される。
またこの画面では、指定したウエハWを搬送した搬送アームF及びその保持体2においての現在設定されている受け渡し位置のデータと、指定したウエハWを処理したレジスト膜形成モジュールCOTの周縁部溶剤供給ノズル57について、現在設定されている溶剤処理位置のデータが表示される。これらの表示は前記、第4の記憶部67のデータに基づいて行われる。
【0091】
また、補正後のX方向の受け渡し位置、補正後のY方向の受け渡し位置についても表示される。この補正後のX方向の受け渡し位置は、指定したウエハW間の偏心Xcの平均値と、現在設定されているX方向の受け渡し位置とにより演算されるものである。同様に補正後のY方向の受け渡し位置は、選択したウエハW間の偏心Ycの平均値と、現在設定されているY方向の受け渡し位置とにより演算されるものである。
さらに補正後の溶剤処理位置についても表示される。この補正後の処理位置は、指定したウエハW間の平均カット幅の平均値と、現在設定されている溶剤処理位置とにより演算される。
【0092】
この下段の画面には、補正実行ボタン、キャンセルボタン及び再計算ボタンが表示される。補正実行ボタンをタッチすることにより、この画面で設定される値に受け渡し位置及び処理位置が変更される。つまり、第4の記憶部67のデータが書き換えられ、以降補正されたデータに基づいて、第1の実施形態と同様に搬送アームF及び周縁部溶剤供給ノズル57の移動が行われる。キャンセルボタンを押すと補正は実行されず、この画面が閉じられる。
【0093】
この下段側に表示された上側測定値、下側測定値、右側測定値、左側測定値について、ユーザはその値を変更することができる。変更後、再計算ボタンを押すことで、これら変更値に基づいて補正後の受け渡し位置及び溶剤処理位置について再計算が行われ、その計算値が画面に表示される。また、補正後の受け渡し位置及び溶剤処理位置の値をユーザが直接書き換えて変更することもできる。変更後、補正実行ボタンを押すことでこの画面で変更された受け渡し位置及び溶剤処理位置に第4の記憶部67のデータが書き換わる。図26の下段側の画面では示していないが、カット幅の目標値についても当該画面から変更し、変更した値に従って再計算ができるようになっていてもよい。
【0094】
第1及び第2の実施形態として区別して説明したが、これらの実施形態は組み合わせて1つの装置として構成されていてもよく、例えばユーザが第1の実施形態に沿って補正を行うか、第2の実施形態に沿って補正を行うか選択自在に構成されていてもよい。
また、ウエハWの方向をスピンチャック51への受け渡し時と、検査モジュール30への搬入時とで確実に対応付けるために、前記受け渡し前に向き調整用モジュール32を用いてウエハWの向きを調整しているが、このようにウエハWの向きを調整することに限られない。検査モジュール30の画像データより、ノッチNの検出を行うことができる。そして、レジスト膜形成モジュールCOTから検査モジュール51に至るまでの加熱モジュール31及び搬送アームFの保持体2上でウエハWは回転せず、上記のようにレジスト膜形成モジュールCOTにおいてはウエハWの回転量について制御部6が検出できるので、ノッチNの位置からスピンチャック51に受け渡し時におけるウエハWのノッチNの位置が分かる。即ち、ウエハWの上記X軸及びY軸を検出することができるので、上記のX方向、Y方向の補正を行うことができる。
【0095】
また、上記のカット幅に基づいた各パラメータの算出方法は、一例でありこの例に限られるものではない。例えば画像データから図の上側のグラフで示すようにカット幅が検出されたとする。グラフの横軸は、グループA〜Fの各測定領域を示している。具体的には、測定領域1Aを0度とし、他の測定領域についてはウエハWの中心P2まわりにこの測定領域1Aからずれた角度で示している。縦軸はカット幅(単位μm)を50μm刻みで示している。
このようなカット幅のデータがなすグラフ線を例えば最小二乗法を用いて、下側のグラフで示すようにサインカーブを描くように近似する。つまり、各カット幅のデータが、このサインカーブ上にあるように補正する。このように補正したカット幅を用いて、既述の各パラメータを算出してもよい。また、このようにサインカーブへの近似を行う場合、当該サインカーブの振幅は偏心量Zに対応する。また得られたサインカーブについて、所定のサインカーブに対する位相ずれが偏心角θに対応する。この偏心量Z、偏心角θから上記の偏心Xc、偏心Ycを算出するようにしてもよい。
【0096】
この例では受け渡し位置の補正及び処理位置の補正の両方を行っているが、いずれか一方のみ行うようにしてもよい。上記のように複数箇所を測定することで測定精度を高めることができるが、受け渡し位置の補正を行うにあたっては測定領域は4つであってもよい。また、処理位置の補正のみを行うにあたっては、測定領域は1つであってもよい。また、レジスト塗布を別のモジュールにより行い、前記レジスト膜形成モジュールCOTを前記レジスト膜の不要部の除去のみを行うモジュールとして構成してもよい。
また、上記の各実施形態において、説明を省略したが周縁部溶剤供給ノズル57は、溶剤の吐出開始後は回転するウエハWの外側へ向かって移動し、ウエハW上における溶剤の吐出位置が外側へと移動することによりレジスト膜の除去が行われる。ただし、ノズルの移動を行わず、ウエハWの回転による遠心力のみによって溶剤をウエハWの周端に行き渡らせても良い。また、溶剤の吐出位置のウエハWの内側の位置が補正されればよいので、ノズル57の移動方向は外側から内側であってもよい。
【0097】
また、周縁部溶剤供給ノズル57は、溶剤吐出位置をウエハWの内方側と外方側との間で変更することができればよい。従って例えば、図28に示すように互いに異なる吐出位置に溶剤を吐出する複数の周縁部溶剤供給ノズル57を設け、上記の処理位置の補正を行う際には、各ノズル57のバルブVの開閉を制御することにより行ってもよい。その他に、ノズル57の傾きが変更されるようにしてもよい。各実施形態では塗布膜としてレジスト膜を例に挙げたが、本発明はレジスト膜の除去に限られるものではなく、例えば反射防止膜の除去に適用してもよい。また、検査モジュール30による画像データの取得は、ウエハWの周縁部の塗布膜が除去されたものについて行われればよい。従って、現像処理を行い、レジスト膜にパターンを形成したウエハWを検査モジュール30に搬送して、画像データを取得してもよい。従って、ウエハWの表面状態としてパターンの寸法の適否を判定するために用いる画像データから、上記のカット幅を検出してもよい。
【符号の説明】
【0098】
COT レジスト膜形成モジュール
E 単位ブロック
F 搬送アーム
W ウエハ
1 塗布、現像装置
2 保持体
30 検査モジュール
32 向き調整用モジュール
50 レジスト膜
51 スピンチャック
56 移動部
57 周縁部溶剤供給ノズル
59 溶剤吐出位置
6 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28