(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2つ以上の不飽和基を含む架橋性化合物は、多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;グリシジル基を含む化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;水酸基またはエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物、またはポリイソシアネートとの付加物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル;および9,9'−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項4に記載の感光性組成物。
前記c)光重合開始剤は、トリアジン系化合物;ビイミダゾール化合物;アセトフェノン系化合物;O−アシルオキシム系化合物;ベンゾフェノン系化合物;チオキサントン系化合物;ホスフィンオキシド系化合物;およびクマリン系化合物からなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の感光性組成物。
前記感光性組成物は、着色剤、硬化促進剤、熱重合抑制剤、可塑剤、接着促進剤、充填剤、および界面活性剤の中から選択された1種または2種以上を追加的に含むことを特徴とする、請求項2から請求項10のいずれか1項に記載の感光性組成物。
前記硬化促進剤、熱重合抑制剤、可塑剤、接着促進剤、充填剤、または界面活性剤は、それぞれ全体組成物100重量部を基準として0.01〜5重量部で含まれることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の感光性組成物。
前記感光材は、フォトアクリル感光材、顔料分散型感光材、ブラックマトリックス形成用感光材、オーバーコート層形成用感光材、またはカラムスペーサ感光材であることを特徴とする、請求項14に記載の感光材。
【背景技術】
【0003】
感光性組成物は、LCD(Liquid Crystal Display)の誘電膜やパッシベーション(passivation)材料などの硬化に使用できる。感光性組成物は、基板上に塗布されて塗膜を形成し、この塗膜を全体的に露光させて絶縁膜または保護膜を形成するか、この塗膜の特定部分にフォトマスクなどを用いて光照射による露光を実施した後、露光部または非露光部を現像処理して除去することによりパターンを形成するのに使用できる。
【0004】
このような感光性組成物は、光を照射して重合し硬化させることが可能なため、光硬化性インク、感光性印刷版、各種フォトレジスト、LCD(Liquid Crystal Display)用カラーフィルタフォトレジスト、樹脂ブラックマトリックス用フォトレジスト、または透明感光材などに用いられている。
【0005】
そのうち、透明感光性組成物は、カラムスペーサ、オーバーコート、パッシベーション膜を形成するのに使用できる。透明感光性組成物は、通常、顔料のような着色助剤を使用せず、アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、光重合開始剤、および溶媒を含む液体状態の組成物であってよい。LCDの用途が高級化、多様化されるにつれ、LCDは、従来のノート型パソコン、モバイルなどの用途のほか、テレビ、モニタなどの液晶表示素子を構成する用途に作製されている。
【0006】
最近は、LCDの明るさ効率を高めるために、開口部の増加したTFT構造を適用するケースが増えている。そのため、絶縁膜として、光に対する透過率に優れた有機薄膜が広く使用される。
【0007】
この時使用される有機薄膜は、TFTのゲートライン(Gate Line)やストレージキャパシタ(Storage Capacitor)と画素電極との接合のために、一定の大きさのホール(Hole)が形成されてよい。
【0008】
ホールを形成する方法としては、ポジティブ型感光性組成物が有利であるが、PAG(Photoacid generator)による透過度の減少や耐熱性などの問題があった。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本出願の一実施態様は、上記の化学式1で表される新規な化合物を提供する。
【0017】
本明細書において、
は化合物内での連結部位であることを意味する。
【0018】
前記化学式1において、X1〜X4のうちの少なくとも1つは上記の化学式2であり、残りは水素である。
【0019】
前記化学式2において、R1は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R2は水素または炭素数1〜6のアルキル基であり、Z1は炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキレン基;または炭素数3〜20の環鎖アルキレン基である。具体的には、前記Z1は下記の化学式3または化学式4で表されてよい。
【化3】
【化4】
【0020】
本出願の一実施態様において、前記化学式2は、具体的には、下記の化学式5または化学式6で表されてよい。
【化5】
【化6】
【0021】
本出願の一実施態様において、前記X1〜X4のうちの少なくとも1つは下記の化学式5または化学式6であり、残りは水素であってよい。
【0022】
X1〜X4のうちの1つが化学式5であり、残りの3つは水素であってよく、X1〜X4のうちの2つが化学式5であり、残りの2つは水素であってよい。あるいは、X1〜X4のうちの3つが化学式5であり、残りの1つは水素であってよく、X1〜X4はいずれも化学式2であってよい。
【0023】
あるいは、X1〜X4のうちの1つが化学式6であり、残りの3つは水素であってよく、X1〜X4のうちの2つが化学式6であり、残りの2つは水素であってよい。あるいは、X1〜X4のうちの3つが化学式6であり、残りの1つは水素であってよく、X1〜X4はいずれも化学式3であってよい。
【0024】
あるいは、X1〜X4のうちの2つが化学式5と化学式6であり、残りの2つは水素であってよく、X1〜X4のうちの3つが1つの化学式5と2つの化学式6であり、残りの1つは水素であってよく、X1〜X4のうちの3つが2つの化学式5と1つの化学式36であり、残りの1つは水素であってよい。あるいは、X1〜X4はいずれもn個(nは1〜3の整数)の化学式5と4−n個の化学式6であってよい。
【0025】
本出願の一実施態様において、前記化学式6は下記の化学式7または化学式8で表すことができる。
【化7】
【化8】
前記化学式5〜8において、前記R3、R5、R7およびR9は互いに同一または異なり、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基である。具体的には、R3、R5、R7およびR9はいずれもメチレン基であってよい。
【0026】
前記R4、R6、R8およびR10は互いに同一または異なり、それぞれ水素または炭素数1〜6のアルキル基である。具体的には、R4、R6、R8およびR10は互いに同一または異なり、それぞれ水素またはメチル基であってよい。
【0027】
本出願の一実施態様において、前記化学式1は下記の化学式9で表すことができる。
【化9】
前記化学式9において、Z1〜Z4は互いに同一または異なり、それぞれ独立に前記化学式3または化学式4で表されてよい。
【0028】
本出願の一実施態様において、前記化学式1は下記の化学式10で表すことができる。
【化10】
前記化学式9または化学式10において、A1〜A4は互いに同一または異なり、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基である。具体的には、A1〜A4はいずれもメチレン基であってよい。
【0029】
前記化学式9または化学式10において、A5〜A8は互いに同一または異なり、それぞれ水素または炭素数1〜6のアルキル基である。具体的には、A5〜A8は互いに同一または異なり、それぞれ水素またはメチル基であってよい。
【0030】
本出願の一実施態様にかかる化合物において、前記化学式の置換基をより具体的に説明すれば下記の通りである。
【0031】
前記アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖であってよい。分枝鎖アルキル基の場合、炭素数2〜6の分枝鎖アルキル基であってよい。
【0032】
具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0033】
前記アルキル基が環鎖アルキレン基の場合、炭素数3〜20の環鎖アルキレン基であってよく、具体的には、炭素数3〜10または炭素数3〜6の環鎖アルキレン基であってよい。具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基などになるとよいが、これらに限定されるものではない。
【0034】
前記アルキレン基は、前記アルキル基が2価の置換基として使用された場合である。
【0035】
また、本出願の一実施態様は、a)前記化学式1で表される化合物を含む架橋性化合物、b)アルカリ可溶性バインダー樹脂、c)光重合開始剤、およびd)溶媒を含む感光性組成物を提供する。
【0036】
前記化学式1で表される化合物は、感光性組成物に1種だけが含まれてもよく、2種以上が混合されて含まれれてもよい。具体的には、化学式1で表される化合物は、前記X1〜X4の置換基が同一の2種以上の化合物の混合物であってもよく、前記X1〜X4の置換基が異なる2種以上の化合物の混合物であってもよい。例えば、X1〜X4のうちの少なくとも1つが化学式5の化合物、前記X1〜X4のうちの少なくとも1つが化学式6の化合物、および前記X1〜X4のうちの少なくとも2つが化学式5および化学式6の化合物のうちの2つ以上の混合物であってよい。
【0037】
前記化学式1で表される化合物は、具体的には、前記化学式9で表される化合物であってよい。前記化学式1で表される化合物は、具体的には、前記化学式10で表される化合物であってよい。
【0038】
ネガティブ型感光性組成物は、紫外線のような光に露出した領域が光に感応して現像工程後に残るため、ホールを形成する時は、フォトマスクの遮光領域周辺の回折現象によって正常なホールの形成が難しいことがある。
【0039】
これを克服するために、材料の酸価(Acid Value)を増加させるか、バインダー高分子の分子量を減少させると、ホールの境界面に現像液が浸透して逆テーパが発生したり、この現象がひどければ薄膜が剥離されるようなことが発生し得る。
【0040】
この時、焼成工程(Hard Bake)を経ると、逆テーパが発生した領域では熱による高分子の流れが発生し、ホールの形態が一定に維持されない欠点が発生することがある。
【0041】
本出願の発明者らは、前記のような問題があることに着目して、重ねて研究した結果、前記化学式1で表される化合物を架橋性化合物として感光性組成物に含めることにより、優れた効果を奏することができるという事実を見出した。
【0042】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物において、前記a)化学式1の化合物は、前記溶媒を除いた固形分全体を基準として5重量%以上含まれるとよい。5重量%未満で含む場合、本出願で得ようとする効果を確保することができない。
【0043】
前記感光性組成物は、架橋性化合物として、前記化学式1で表される化合物を単独で使用することもでき、2つ以上の不飽和基を含む他の架橋性化合物を追加的に含むこともできる。
【0044】
追加的に使用可能な架橋性化合物は、特に限定されないが、2つ以上のエチレン性不飽和基、例えば、2つ以上のアクリル基を含む化合物が使用できる。具体例として、架橋性化合物の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2−トリスアクリロイルオキシメチルエチルフタル酸、プロピレン基の数が2〜14のプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの酸性変形物とジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物(商品名で日本東亜合成社のTO−2348、TO−2349)などの多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物などのグリシジル基を含む化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのフタル酸ジエステル、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのトルエンジイソシアネート付加物などの水酸基、またはエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物、またはポリイソシアネートとの付加物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;および9,9'−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンからなる群より選択できるが、本出願の範囲がこれらにのみ限定されるわけではなく、当技術分野で知られているものを使用することができる。前述の例は、単独または2種以上混合されて使用できる。
【0045】
また、場合によっては、前述の架橋性化合物に加えて、シリカ分散体を使用することができる。シリカ分散体の例としては、Hanse Chemie社製のNanocryl XP series(0596、1045、21/1364)とNanopox XP series(0516、0525)などがある。
【0046】
前記a)化学式1で表される化合物を含む架橋性化合物は、全体組成物100重量部を基準として1〜30重量部で含まれることが好ましい。架橋性化合物の含有量が1重量部以上であることが、光による架橋反応を有利に進行させることができる。架橋性化合物の含有量が30重量部以下の場合、アルカリに対する可溶性を阻害しないので、パターン形成に有利である。
【0047】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物において、前記b)アルカリ可溶性バインダー樹脂は、重量平均分子量が3,000〜150,000のものを使用することができる。アルカリ可溶性バインダー樹脂の重量平均分子量が3,000以上の場合、耐熱性および耐化学性が維持され、また、150,000以下の場合、現像液に対する一定以上の溶解度を有して現像が行われ、溶液の粘度を維持することができて均一な塗布が可能である。
【0048】
前記アルカリ可溶性バインダー樹脂は、酸価が30〜300KOHmg/gのものを使用することができる。酸価が30KOHmg/g以上ではじめて、現像が良くなって綺麗なパターンを得ることができ、酸価が300KOHmg/g以下ではじめて、洗い特性が過度に向上してパターンが剥がれ落ちるのを防止することができる。
【0049】
前記b)アルカリ可溶性バインダー樹脂は、全体組成物100重量部を基準として1〜20重量部で含まれることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂の含有量が1重量部以上の場合、現像液に対する可溶性が現れてパターンを形成するのに良く、20重量部以下の場合、全体溶液の粘度が一定水準以下になってコーティングする上で有利である。
【0050】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物において、前記c)光重合開始剤は、特に限定されないが、トリアジン系化合物;ビイミダゾール化合物;アセトフェノン系化合物;O−アシルオキシム系化合物;ベンゾフェノン系化合物;チオキサントン系化合物;ホスフィンオキシド系化合物;およびクマリン系化合物からなる群より選択される1種または2種以上を使用することができる。
【0051】
前記光重合開始剤の非制限的な例としては、2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(フィプロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(3',4'−ジメトキシフェニル)−6−トリアジン、3−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}プロパン酸、2,4−トリクロロメチル−(4'−エチルビフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4'−メチルビフェニル)−6−トリアジンなどのトリアジン系化合物;2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾールなどのビイミダゾール化合物;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ)プロピルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン−1−オン(Irgacure−907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン(Irgacure−369)などのアセトフェノン系化合物;Ciba Geigy社のIrgacure OXE01、Irgacure OXE02のようなO−アシルオキシム系化合物;4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)プロピルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド系化合物;3,3'−カルボニルビニル−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−ベンゾイル−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシ−クマリン、10,10'−カルボニルビス[1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H,11H−Cl]−ベンゾピラノ[6,7,8−ij]−キノリジン−11−オンなどのクマリン系化合物などがある。これらのうち、1つまたは2つ以上を混合して使用することが可能である。
【0052】
前記c)光重合開始剤は、全体組成物100重量部を基準として0.1〜5重量部で含まれることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1重量部以上の場合、十分な感度を出すことができ、5重量部以下の場合、UV吸収量を調節してUV光が底まで伝達可能になる。
【0053】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物において、前記d)溶媒の非制限的な例としては、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、2−エトキシプロパノール、2−メトキシプロパノール、3−メトキシブタノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチル3−エトキシプロピオネート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルアセテート、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選択された1種または2種以上を含むことができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0054】
前記d)溶媒は、全体組成物100重量部を基準として50〜95重量部で含まれることが好ましい。
【0055】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物は、全体組成物100重量部を基準として、a)請求項1に記載の化合物を含む架橋性化合物を1〜30重量部、b)アルカリ可溶性バインダー樹脂を1〜20重量部、c)光重合開始剤を0.1〜5重量部、およびd)溶媒を50〜95重量部で含むことができる。
【0056】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物は、前記構成成分のほか、必要によって、着色剤、硬化促進剤、熱重合抑制剤、可塑剤、接着促進剤、充填剤、および界面活性剤の中から選択された1種以上を追加的に含むことができる。
【0057】
前記着色剤は、1種以上の顔料、染料、またはこれらの混合物を使用することができる。具体的に例示すると、黒色顔料は、カーボンブラック、黒鉛、またはチタンブラックなどのような金属酸化物などを使用することができる。カーボンブラックの例としては、シースト5HIISAF−HS、シーストKH、シースト3HHAF−HS、シーストNH、シースト3M、シースト300HAF−LS、シースト116HMMAF−HS、シースト116MAF、シーストFMFEF−HS、シーストSOFEF、シーストVGPF、シーストSVHSRF−HSおよびシーストSSRF(東海カーボン(株));ダイアグラムブラックII、ダイアグラムブラックN339、ダイアグラムブラックSH、ダイアグラムブラックH、ダイアグラムLH、ダイアグラムHA、ダイアグラムSF、ダイアグラムN550M、ダイアグラムM、ダイアグラムE、ダイアグラムG、ダイアグラムR、ダイアグラムN760M、ダイアグラムLR、#2700、#2600、#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#900、MCF88、#52、#50、#47、#45、#45L、#25、#CF9、#95、#3030、#3050、MA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA40、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30BおよびOIL31B(三菱化学(株));PRINTEX−U、PRINTEX−V、PRINTEX−140U、PRINTEX−140V、PRINTEX−95、PRINTEX−85、PRINTEX−75、PRINTEX−55、PRINTEX−45、PRINTEX−300、PRINTEX−35、PRINTEX−25、PRINTEX−200、PRINTEX−40、PRINTEX−30、PRINTEX−3、PRINTEX−A、SPECIAL BLACK−550、SPECIAL BLACK−350、SPECIAL BLACK−250、SPECIAL BLACK−100、およびLAMP BLACK−101(デグサ(株));RAVEN−1100ULTRA、RAVEN−1080ULTRA、RAVEN−1060ULTRA、RAVEN−1040、RAVEN−1035、RAVEN−1020、RAVEN−1000、RAVEN−890H、RAVEN−890、RAVEN−880ULTRA、RAVEN−860ULTRA、RAVEN−850、RAVEN−820、RAVEN−790ULTRA、RAVEN−780ULTRA、RAVEN−760ULTRA、RAVEN−520、RAVEN−500、RAVEN−460、RAVEN−450、RAVEN−430ULTRA、RAVEN−420、RAVEN−410、RAVEN−2500ULTRA、RAVEN−2000、RAVEN−1500、RAVEN−1255、RAVEN−1250、RAVEN−1200、RAVEN−1190ULTRA、RAVEN−1170(コロンビアカーボン(株))、またはこれらの混合物などがある。また、色を呈する着色剤の例としては、カーミン6B(C.I.12490)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ペリレンブラック(BASF K0084.K0086)、シアニンブラック、リノールイエロー(C.I.21090)、リノールイエローGRO(C.I.21090)、ベンジジンイエロー4T−564D、ビクトリアピュアブルー(C.I.42595)、C.I.PIGMENT RED3、23、97、108、122、139、140、141、142、143、144、149、166、168、175、177、180、185、189、190、192、202、214、215、220、221、224、230、235、242、254、255、260、262、264、272;C.I.PIGMENT GREEN7、36;C.I.PIGMENT blue15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、28、36、60、64;C.I.PIGMENT yellow13、14、35、53、83、93、95、110、120、138、139、150、151、154、175、180、181、185、194、213;C.I.PIGMENT VIOLET15、19、23、29、32、37などがあり、その他、白色顔料、蛍光顔料なども用いることができる。顔料に使用されるフタロシアニン系錯化合物としては、銅のほか、亜鉛を中心金属とする物質も使用可能である。
【0058】
前記硬化促進剤の例としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールトリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトアセテート)、およびトリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)からなる群より選択された1種または2種以上を含むことができるが、これらにのみ限定されるものではなく、当技術分野で知られているものを含むことができる。
【0059】
前記熱重合抑制剤としては、p−アニソール、ヒドロキノン、ピロカテコール(pyrocatechol)、t−ブチルカテコール(t−butyl catechol)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、およびフェノチアジン(phenothiazine)からなる群より選択された1種または2種以上を含むことができるが、これらにのみ限定されるものではなく、当技術分野で知られているものを含むことができる。
【0060】
前記構成成分のほか、可塑剤、接着促進剤、充填剤、および界面活性剤なども、従来の感光性組成物に含まれ得るすべての化合物が使用可能である。
【0061】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物に他の成分を添加する場合、全体組成物100重量部を基準として、着色剤は1〜20重量部で、その他残りの添加剤はそれぞれ0.01〜5重量部で含まれることが好ましい。
【0062】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物は、ロールコータ(roll coater)、カーテンコータ(curtain coater)、スピンコータ(spin coater)、スロットダイコータ、各種印刷、浸漬などに使用され、金属、紙、ガラスプラスチック基板などの支持体上に適用可能である。
【0063】
また、フィルムなどの支持体上に塗布した後、その他の支持体上に転写するか、第1支持体に塗布した後、ブランケットなどに転写、さらに第2支持体に転写することも可能であり、その適用方法は特に限定されない。
【0064】
本出願の一実施態様にかかる感光性組成物を硬化させるための光源としては、例えば、波長が250〜450nmの光を発散する水銀蒸気アーク(arc)、炭素アーク、Xeアークなどがあるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0065】
また、本出願は、前記感光性組成物を用いて製造された感光材を提供する。
【0066】
前記感光性組成物は、感光材において、乾燥および/または硬化によって溶媒の少なくとも一部が除去された状態、または光硬化された状態で存在する。
【0067】
本出願の一実施態様にかかる感光材は、TFT−LCDや有機発光ダイオードの製造時、誘電膜の役割を果たすフォトアクリル感光材、顔料分散型感光材、ブラックマトリックス形成用感光材、オーバーコート層形成用感光材、またはカラムスペーサ感光材に使用されることが好ましいが、光硬化性塗料、光硬化性インク、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線盤用感光材、その他の透明感光材、およびPDPの製造などにも使用することができ、その用途に制限を設けない。
【0068】
以下、本出願の理解のために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本出願をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、これによって本出願の内容が限定されるものではない。
【0069】
また、以下の実施例では、本出願の一実施態様にかかる一部の例だけを示したが、実質的にはこれらの等価物を使用する場合にも、本出願と同様の効果を奏し得ることは当業者にとって自明である。
【0070】
[合成例1]
グリコルリル(Sigma−Aldrich)10molをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した。この溶液を50℃に維持しながら、グリシジルアクリレート40mol(Sigma−Aldrich)を同じ溶媒で希釈した溶液を徐々に添加して反応させた。得られた溶液をカラムにより分離した後、真空蒸留を利用して溶媒を除去し、化学式11で表される化合物を得た。前記過程を繰り返し、十分な量の化学式11の化合物を用意した。
【化11】
【0071】
構造は
1H−NMRにより確認された。5.80、6.05、6.43(−CH=CH
2)、3.43、4.28、4.43、4.44(aliphatic H)、2.0(−OH)
【0072】
[合成例2]
合成例1でグリシジルアクリレート40mol(Sigma−Aldrich)の代わりに、グリシジルメタクリルレート40mol(Sigma−Aldrich)を使用したことを除いては、同様の方法を用いて反応させることにより、化学式12で表される化合物を得た。
【化12】
【0073】
構造は
1H−NMRにより確認された。1.93(−CH
3)、5.58、6.15(>C=CH
2)、3.43、4.28、4.43、4.44(aliphatic H)、2.0(−OH)
【0074】
[実施例1]
本出願の効果を確認するために、次のような感光性組成物を製造した。アルカリ可溶性樹脂からなるバインダーBzMA/MAA(モル比:70/30、Mw:24,000)12g、架橋性化合物として化学式11の化合物8g、光重合開始剤としてCiba−Geigy社のIrgacure OXE−02 1gと、有機溶媒のPGMEA83gを、シェーカーを用いて3時間混合させた感光性組成物溶液を製造し、5マイクロメートルのフィルタで得て使用した。
【0075】
前記感光性組成物を用いて、スピンコーティングの方法で塗布して均一な薄膜を形成した後、100℃で200秒間プリベーク工程を行って溶媒を揮発させた。乾燥した薄膜の厚さは約4.2マイクロメートルであった。
【0076】
直径が縦横10マイクロメートルで同じ正方形に構成された独立パターン型フォトマスクを用いて、前記薄膜を高圧水銀ランプ下で露光させた。次に、pH12.5〜13.7のTMAHアルカリ水溶液で23℃を維持し、デイッピング方式で現像した後、純水で洗浄し、エアーブローイングによって乾燥させることによりパターンを形成した。
【0077】
[実施例2]
前記実施例1で架橋性化合物として化学式11の化合物8gを入れる代わりに、化学式11の化合物4gとペンタエリスリトールヘキサアクリレート4gを入れたことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0078】
[実施例3]
前記実施例1で架橋性化合物として化学式11の化合物8gを入れる代わりに、化学式11の化合物1gとペンタエリスリトールヘキサアクリレート7gを入れたことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0079】
[実施例4]
前記実施例1で架橋性化合物として化学式11の化合物8gを入れる代わりに、化学式12の化合物8gを入れたことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0080】
[実施例5]
前記実施例1で架橋性化合物として化学式11の化合物8gを入れる代わりに、化学式12の化合物4gとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート4gを入れたことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0081】
[実施例6]
前記実施例1で架橋性化合物として化学式11の化合物8gを入れる代わりに、化学式12の化合物1gとペンタエリスリトールヘキサアクリレート7gを入れたことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0082】
[比較例]
前記実施例1で架橋性化合物として化学式11の化合物8gを入れる代わりに、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート8gを入れたことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0083】
[実験例1]スカム(SCUM)発生の有無
前記実施例1〜6および比較例の感光性組成物を用いて形成されたホールパターン(Hole Pattern)を、220℃に維持される対流オーブンに40分間放置した後、電子走査顕微鏡(SEM)で観察してテーパ末端のスカム(SCUM)発生の有無を確認し、その結果を下記の表1に示した。また、スカム発生の有無を確認するための実施例1〜6および比較例によるホールパターンのSEM写真を
図1〜
図7に示した。
【0084】
[実験例2]薄膜強度の測定
また、前記実施例1〜6および比較例の感光性組成物を用いて形成された薄膜の強度を測定するために、220℃に維持される対流オーブンに40分間放置した後、ナノインデンター(MTS社のNanoindenter)装備とバーコビッチチップ(Berkovich Tip)を用いて測定した。
【表1】
【0085】
前記表1から、本出願の一実施態様にかかる化合物を1重量部以上含む感光性組成物を用いてホールパターンを形成した場合、スカム(Scum)の発生が顕著に減少し、ほとんど観察されないことが分かる。
【0086】
また、感光性組成物を用いて形成された薄膜の強度は0.25Gpa以上であることが、効果が良い。薄膜強度が0.25Gpa未満の場合、ラビングのような後続の工程時に薄膜が損傷し得る問題がある。前記表1において、薄膜強度の場合、実施例1〜実施例6および比較例がいずれも0.27Gpa以上の値で良好な数値を示すことが分かる。したがって、ペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含み、化学式11または化学式12の架橋性化合物をさらに含む場合も、薄膜強度において優れた効果を示し、化学式11または化学式12の架橋性化合物のみを含む場合も、薄膜強度において優れた効果を示すことを確認することができた。