特許第5835761号(P5835761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835761
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】バッテリー容量劣化推定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/36 20060101AFI20151203BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20151203BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20151203BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20151203BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   G01R31/36 AZHV
   H01M10/48 301
   H01M10/48 P
   H01M10/42 P
   H01M2/10 E
   H02J7/00 Y
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-508275(P2014-508275)
(86)(22)【出願日】2012年1月4日
(65)【公表番号】特表2014-519016(P2014-519016A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】KR2012000083
(87)【国際公開番号】WO2012148070
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2013年10月24日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0038545
(32)【優先日】2011年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0000865
(32)【優先日】2012年1月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】キュ−ハ・パク
(72)【発明者】
【氏名】チョル−テク・キム
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−273523(JP,A)
【文献】 特開2011−079447(JP,A)
【文献】 特開2004−170231(JP,A)
【文献】 特開2008−122165(JP,A)
【文献】 特開2008−256642(JP,A)
【文献】 特開平08−254573(JP,A)
【文献】 特開2004−257781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
H01M 10/42
H01M 10/48
H01M 2/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧及び電流を測定するセンシング部と、
前記センシング部で測定された電圧測定値及び電流測定値と、実際の劣化程度を知っているバッテリーに対して行った電流積算(Ampere counting)実験から得たSOH(State Of Health)毎の積算電流値とを保存するメモリ部と、
前記充電電圧区間で前記メモリ部に保存された電流測定値を積算して積算電流値を算出し、前記メモリ部に保存されたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値に対応するSOH値をマッピングしてSOH値を推定する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記推定されたSOH値とメモリ部に保存された以前のSOH値とを平均してSOH値を推定した後、前記推定されたSOH値をメモリ部に更新して保存することを特徴とするバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項2】
所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧、電流、及び温度を測定するセンシング部と、
前記センシング部で測定された電圧測定値、電流測定値、及び温度測定値と、実際の劣化程度を知っているバッテリーに対して行った温度に応じた電流積算(Ampere counting)実験から得た温度に応じたSOH(State Of Health)毎の積算電流値とを保存するメモリ部と、
前記充電電圧区間で前記メモリ部に保存された電流測定値を積算して積算電流値を算出し、前記メモリ部に保存された温度に応じたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値及びバッテリーの温度に対応するSOH値をマッピングしてSOH値を推定する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記推定されたSOH値とメモリ部に保存された以前のSOH値とを平均してSOH値を推定した後、前記推定されたSOH値をメモリ部に更新して保存することを特徴とするバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項3】
前記平均が、算術平均または加重平均であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項4】
前記加重平均が、過去に推定されたSOH値であるほど大きい重み付けをして計算されることを特徴とする請求項に記載のバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項5】
前記充電電圧区間が、3.7Vないし4Vの電圧区間を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項6】
前記制御部が、前記推定されたSOH値を前記メモリ部に保存することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項7】
前記制御部が、前記メモリ部に保存された前記推定されたSOH値を表示装置に出力することを特徴とする請求項6に記載のバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項8】
前記制御部が、前記充電電圧区間で測定された温度測定値の平均温度を計算し、前記メモリ部に保存された温度に応じたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値及び平均温度に対応するSOH値をマッピングしてSOH値を推定することを特徴とする請求項2に記載のバッテリー容量劣化推定装置。
【請求項9】
(a)実際の劣化程度を知っているバッテリーに対して行った電流積算(Ampere counting)実験から得たSOH(State Of Health)毎の積算電流値を保存する段階と、
(b)所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧及び電流を測定し、電圧測定値及び電流測定値を保存する段階と、
(c)前記充電電圧区間で前記保存された電流測定値を積算し、積算電流値を算出する段階と、
(d)前記保存されたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値をマッピングしてSOH値を推定する段階と
(e)前記SOH値を推定する段階で推定されたSOH値と以前のSOH値とを平均してSOH値を推定した後、前記推定されたSOH値を更新して保存する段階と、を有することを特徴とするバッテリー容量劣化推定方法。
【請求項10】
(a)実際の劣化程度を知っているバッテリーに対して行った温度に応じた電流積算(Ampere counting)実験から得た温度に応じたSOH(State Of Health)毎の積算電流値を保存する段階と、
(b)所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧、電流、及び温度を測定し、電圧測定値、電流測定値、及び温度測定値を保存する段階と、
(c)前記充電電圧区間で前記保存された電流測定値を積算し、積算電流値を算出する段階と、
(d)前記保存された温度に応じたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値及び前記温度測定値をマッピングしてSOH値を推定する段階と
(e)前記SOH値を推定する段階で推定されたSOH値と以前のSOH値とを平均してSOH値を推定した後、前記推定されたSOH値を更新して保存する段階と、を有することを特徴とするバッテリー容量劣化推定方法。
【請求項11】
前記平均が、算術平均または加重平均であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のバッテリー容量劣化推定方法。
【請求項12】
前記加重平均が、過去に推定されたSOH値であるほど大きい重み付けをして計算されることを特徴とする請求項11に記載のバッテリー容量劣化推定方法。
【請求項13】
前記充電電圧区間が、3.7Vないし4Vの電圧区間を含むことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のバッテリー容量劣化推定方法。
【請求項14】
前記保存されたSOH値を表示装置に出力する段階をさらに有することを特徴とする請求項10に記載のバッテリー容量劣化推定方法。
【請求項15】
前記(d)段階が、
前記充電電圧区間での温度測定値の平均温度を計算する段階と、
温度に応じたSOH毎の積算電流値から前記平均温度及び前記算出された積算電流値をマッピングしてSOH値を推定する段階と
を含むことを特徴とする請求項10に記載のバッテリー容量劣化推定方法。
【請求項16】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のバッテリー容量劣化推定装置を具備したバッテリーパック。
【請求項17】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のバッテリー容量劣化推定装置を具備したバッテリー駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーの容量劣化を示すパラメーターであるSOH(State Of Health)を推定する装置及び方法に関し、より詳しくは、実際の劣化程度を知っているバッテリーの電流積算(Ampere Counting)実験から得たSOH毎の積算電流値を用いてバッテリーのSOHを推定する装置及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2011年4月25日付けで出願された韓国特許出願第10−2011−0038545号及び2012年1月4日付けで出願された韓国特許出願第10−2012−0000865に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
一般に、電気自動車またはハイブリッド電気自動車(以下、これらの自動車を電気駆動自動車と称する)は、電気駆動モードでバッテリーに貯蔵された電気エネルギーを用いて自動車を駆動する。
このとき、一般に二次電池が使用されるが、二次電池は充放電が繰り返されるにつれて劣化してその性能が低下する。したがって、二次電池を使用する際は、容量の劣化程度を定量的に評価する技術が必要となる。
【0004】
SOHは、経年(aging)効果によるバッテリーの容量特性変化を定量的に示すパラメーターであって、バッテリーの容量がどの程度劣化したのかを知らせる。したがって、SOHが分かれば、適切な時点でバッテリーを交替することができ、バッテリーの使用期間に合わせてバッテリーの充放電容量を調節し、バッテリーの過充電と過放電を防止することができる。
バッテリー容量特性の変化はバッテリーの内部抵抗変化に反映されるため、SOHはバッテリーの内部抵抗と温度によって推定できると知られている。すなわち、充放電実験を通じてバッテリーの内部抵抗と温度毎にバッテリーの容量を測定し、その後、バッテリーの初期容量を基準にして測定された容量を相対数値化することで、SOHマッピングのためのルックアップテーブルを得る。その後、実際のバッテリー使用環境でバッテリーの内部抵抗と温度を測定し、前記ルックアップテーブルから内部抵抗と温度に対応するSOHをマッピングすれば、バッテリーのSOHを推定することができる。
【0005】
一方、上述したSOH推定方法において最も重要なことは、どれほど正確にバッテリーの内部抵抗が求められるのかである。しかしながら、バッテリーの充放電過程でバッテリーの内部抵抗を直接測定することは現実的に不可能である。したがって、通常はバッテリーの電圧と充放電電流を測定し、オームの法則によってバッテリーの内部抵抗を間接的に計算する。ところが、バッテリーの電圧はIRドロップ(IR Drop)の効果によって実際の電圧とは誤差を有し、バッテリーの電流も測定誤差を有するため、単にオームの法則によって計算された内部抵抗とそれから推定されたSOHは信頼性が低下するという限界がある。
参考までに、IRドロップ現象とは、バッテリーが負荷に連結されて放電が始まるかまたは外部電源からバッテリーの充電が始まるとき、電圧が急激に変化する現象を言う。すなわち、放電が始まるときはバッテリー電圧が急激に落ち、充電が始まるときは電圧が急激に上がる。
【0006】
SOH推定方法の別の例としては、完全放電テスト、化学的テスト、オームテストがある。完全放電テストは、完全充電されたバッテリーセルを最後まで放電させてバッテリーセルの容量を測定してSOHを推定する。この方法は、バッテリーに連結されたシステムの作動を妨害し、バッテリーセルのエネルギーを無駄にするという短所がある。化学的テストは、鉛蓄電池の基板腐食と電解液の濃度を測定してSOHを推定する。オームテストは、抵抗、コンダクタンス、及びインピーダンスを測定してSOHを推定する。これらの方法はバッテリーに対して侵襲的な測定を求めるという短所がある。したがって、二次電池が実際使用される電気駆動自動車などの場合、システムを妨害せず、バッテリーエネルギーの無駄使いもなく、且つ、非侵襲的な方法が必要とされる。
【0007】
このような要件を満たすSOH推定方法の別の例としては、バッテリーの充放電電流を積算してバッテリーのSOC(State Of Charge)を推定し、推定されたSOCを用いてSOHを推定する方法がある。しかしながら、この方法では、電流を測定する過程で生じる測定誤差が累積し続け、SOH推定の基礎データとして用いられるSOCの精度が経時的に低下し、結局、信頼性のあるSOHの推定が困難であるという限界がある。
SOH推定方法のさらに別の例としては、カルマンフィルター(Kalman Filter)や拡張カルマンフィルター(Extended Kalman Filter)を用いてSOHを推定する方法がある。しかしながら、このような方法は複雑な数学的モデルを用いてSOHを推定するため、計算過程が複雑であるだけでなく、技術を具現するために高い仕様の中央演算処理機が必要であるという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単でありながらも精度の高いSOH推定装置及び方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、SOHを推定するとき、実際の劣化程度を知っているバッテリーの電流積算実験から得たSOH毎の積算電流値を用いることで、簡単でありがらも正確にSOHを推定できるSOH推定装置及び方法を提供することを別の目的とする。
また、本発明は、異なる時点で推定された複数のSOH値に対する算術平均または加重平均を現在時点のSOH値として推定することで、SOH推定の精度をより向上できるSOH推定装置及び方法を提供することをさらに別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によるバッテリー容量劣化推定装置は、所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧及び電流を測定するセンシング部と、前記センシング部で測定された電圧測定値及び電流測定値と実際の劣化程度を知っているバッテリーの電流積算実験から得たSOH毎の積算電流値とを保存するメモリ部と、前記充電電圧区間で前記メモリ部に保存された電流測定値を積算して積算電流値を算出し、前記メモリ部に保存されたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値に対応するSOH値をマッピングしてSOH値を推定する制御部とを具備する。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記制御部は、前記推定されたSOH値をメモリ部に保存し、前記推定されたSOH値とメモリ部に保存された以前のSOH値とを平均してSOH値を推定することができる。
本発明の別の態様によれば、前記制御部は、前記推定されたSOH値を前記メモリ部に保存し、前記推定されたSOH値と前記メモリ部に保存された以前のSOH値とを加重平均して(推定時点が早いSOH値であるほど大きい重み付けをして)SOH値を推定することができる。
本発明において、前記充電電圧区間は、3.7Vないし4Vの電圧区間を含むことが望ましい。
望ましくは、前記制御部は、前記メモリ部に保存された前記推定されたSOH値を表示装置に出力することができる。
【0011】
上記の課題を達成するため、本発明の別の態様によるバッテリー容量劣化推定装置は、所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧、電流、及び温度を測定するセンシング部と、前記センシング部で測定された電圧測定値、電流測定値、及び温度測定値と実際の劣化程度を知っているバッテリーの温度に応じた電流積算実験から得た温度に応じたSOH毎の積算電流値とを保存するメモリ部と、前記充電電圧区間で前記メモリ部に保存された電流測定値を積算して積算電流値を算出し、前記メモリ部に保存された温度に応じたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値及びバッテリーの温度に対応するSOH値をマッピングしてSOH値を推定する制御部とを具備する。
本発明によれば、前記制御部は、所定の充電電圧区間でバッテリーの平均温度を計算し、前記メモリ部に保存された温度に応じたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値及び平均温度に対応するSOH値をマッピングしてSOH値を推定することができる。
【0012】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によるバッテリー容量劣化推定方法は、(a)実際の劣化程度を知っているバッテリーの電流積算実験から得たSOH毎の積算電流値を保存する段階と、(b)所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧及び電流を測定し、電圧測定値及び電流測定値を保存する段階と、(c)前記充電電圧区間で前記保存された電流測定値を積算し、積算電流値を算出する段階と、(d)前記保存されたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値をマッピングしてSOH値を推定する段階とを有する。
【0013】
上記の課題を達成するため、本発明の別の態様によるバッテリー容量劣化推定方法は、(a)実際の劣化程度を知っているバッテリーの電流積算実験から得た温度に応じたSOH毎の積算電流値を保存する段階と、(b)所定の充電電圧区間でバッテリーの電圧、電流、及び温度を測定し、電圧測定値、電流測定値、及び温度測定値を保存する段階と、(c)前記充電電圧区間で前記保存された電流測定値を積算し、積算電流値を算出する段階と、(d)前記保存された温度に応じたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値及びバッテリー温度をマッピングしてSOH値を推定する段階とを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複雑な計算を行わなくてもバッテリーの容量劣化を推定することができる。また、正確にバッテリー容量劣化を推定できることで、バッテリー交換時期の推定など多様に応用することができる。さらに、容量劣化を正確に推定し、バッテリーの容量劣化に合わせてバッテリーの充放電容量を調節することで過充電と過放電を防止し、バッテリーの安全性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー容量劣化推定装置の機能的構成を概略的に示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による充電電圧区間のうち3.7V〜4Vの電圧区間で電流測定値を積算したプロファイルを示したグラフである。
図3】本発明の一実施形態によるバッテリー容量劣化推定方法を概略的に示したフロー図である。
図4】本発明の別の実施形態によるバッテリー容量劣化推定方法を概略的に示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に添付される図面は、本発明の望ましい実施の形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をより良く理解させる役割をするものであるので、本発明は、図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は一般的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態によるバッテリー容量劣化推定装置の構成を示したブロック図である。
図1を参照すれば、本発明によるバッテリー容量劣化推定装置は、バッテリー100と負荷107との間に連結され、電圧センシング部101、電流センシング部103、センス抵抗104、制御部105、及びメモリ部106を含む。
【0018】
前記バッテリー100は、1つ以上のセルを含む。また、バッテリーの種類は特に限定されず、再充電が可能であって充電状態を考慮すべきリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などで構成することができる。
前記負荷107の種類は特に限定されず、ビデオカメラ、携帯電話、携帯用PC、PMP、MP3プレーヤーなどのような携帯用電子機器、電気自動車やハイブリッド自動車のモーター、DC/DCコンバータなどで構成することができる。
【0019】
前記電圧センシング部101は、周期的にバッテリーの電圧を測定し、電圧測定値を制御部105に出力する。バッテリーの電圧は、バッテリーの出力電圧を意味し、バッテリーが充電または放電されている間に測定される。バッテリーの電圧は、放電終止電圧と充電上限電圧との間の値を有する。
前記電流センシング部103は、センス抵抗104を通じて流れる電流を測定して制御部105に出力する。バッテリー100が充電されるときは、前記センス抵抗104に充電電流が流れ、逆にバッテリー100が放電されるときは、前記センス抵抗104に放電電流が流れる。
【0020】
前記制御部105は、前記電圧センシング部101から出力されるバッテリーの電圧測定値の入力を受けてメモリ部106に保存する。また、前記制御部105は、前記電流センシング部103から出力されるバッテリー電流測定値の入力を受けてメモリ部106に保存する。前記メモリ部106は、RAM、ROM、EEPROMなどデータの記録/削除が可能な既知の半導体素子やハードディスクのような大容量保存媒体でなる。
一方、前記メモリ部106には、マッピングを通じてSOH値を推定できるSOHマッピングテーブルが予め保存されている。下記の表1は、SOHマッピングテーブルの一例を示したものである。
【0021】
【表1】
【0022】
前記SOHマッピングテーブルは、SOH毎の積算電流値を含む。前記SOH毎の積算電流値は、所定の充電電圧区間におけるSOH値を知っている多数のバッテリーに対して行った電流積算実験を通じて得られる。例えば、SOH値が70%ないし100%の範囲に属し、SOH値が70%から1%ずつ増加する31個のバッテリーを選んで、各バッテリーを満放電させた後、満充電電圧まで充電しながら所定の充電電圧区間で電流積算実験を行うことで、SOH毎の積算電流値が得られる。
【0023】
望ましくは、前記充電電圧区間としては、バッテリーの充電電圧が安定的な変化挙動を見せる電圧区間を設定する。一例として、前記充電電圧区間は、3.7Vないし4.0Vの電圧区間が含まれるように設定することができる。
一方、前記充電電圧区間は、一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらに代替できる多様な充電電圧区間の設定が可能であることを理解せねばならない。また、電流積算法は、本発明が属した技術分野で周知の方法であるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
前記制御部105は、前記メモリ部106に保存されたバッテリーの電圧測定値及び電流測定値を参照してバッテリーの電流測定値を積算することで積算電流値を算出し、算出された積算電流値をメモリ部106に保存する。ここで、積算電流値を算出するために積算されるバッテリーの電流測定値は所定の充電電圧区間で測定されたものに限ることが望ましい。前記充電電圧区間は、前記SOHマッピングテーブルを構成するために行った電流積算実験で電流を積算した電圧区間と実質的に同一であることが望ましい。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態による充電電圧区間のうち3.7V〜4.0Vの電圧区間で電流測定値を積算して積算電流値を得る様子をグラフ化したものである。
前記制御部105は、所定の充電電圧区間における積算電流値が算出されれば、メモリ部106に保存されたSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値に対応するSOH値をマッピングしてSOH値を推定する。
すなわち、前記制御部105は、メモリ部106に保存されたSOH毎の積算電流値(表1)を参照して所定の充電電圧区間で算出された積算電流値に対応するSOH値をマッピングすることで、複雑な計算過程を経ず簡単にバッテリーのSOH値を推定することができる。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、前記制御部105は、現在時点で推定したSOH値をメモリ部106に保存し、前記推定されたSOH値とメモリ部106に保存された以前SOH値との平均値をバッテリーのSOH値として推定することができる。バッテリーのSOH値は経時的に急激に変化することはないため、以前SOH値と現在SOH値との平均値をSOH値として推定すれば、不明な原因によってSOH値が急に変化する問題を解決することができる。
一例として、前記制御部105は、下記数式1を用いて現在時点で推定されたSOH値と過去に推定されたSOH値との算術平均値をSOH値として推定することができる。
【0027】
【数1】
【0028】
数式1において、SOHは現在時点で推定されたSOH値を示し、SOHn−1からSOHは過去に推定されたSOH値を示す。平均SOHを算出するとき考慮するSOH値の数は適切に調節でき、過去に推定されたSOH値の数が増加するほどSOH値の突然の変化に対するロバスト性(robustness)を有する。
本発明のさらに別の実施形態によれば、前記制御部105は、下記数式2を用いて現在時点で推定されたSOH値と過去に推定されたSOH値との加重平均値をSOH値として推定することができる。
【0029】
【数2】
【0030】
数式2において、SOHは現在時点で推定されたSOH値を示し、SOHn−1からSOHは過去に推定されたSOH値を示す。加重平均SOHを算出するとき考慮するSOH値の数は適切に調節でき、過去に推定されたSOH値の数が増加するほどSOH値の突然の変化に対するロバスト性を有する。Aはk値が増加するほど減少する傾向を有する。例えば、n=100の場合、A値は100から始まってk値の増加とともに1ずつ減少する値を有し得る。代替例として、数式2におけるAn−2ないしAを0に設定し得る。このような場合にもA値の傾向性は上記のように同様に維持される。例えば、AよりAn−1に相対的に大きい値が与えられ得、AとAn−1にそれぞれ10と90の値が与えられ得る。
【0031】
本発明のさらに別の実施形態によれば、前記制御部105は、推定されたSOH値を外部の表示装置に出力することができる。前記表示装置は、推定されたSOH値を視覚的に表示できる手段であれば特に限定されない。一例として、前記表示装置は、液晶ディスプレイ、LCDディスプレイ、LEDディスプレイなどであり得る。
本発明のさらに別の実施形態によれば、前記制御部105は、推定されたSOH値をネットワークインターフェースを通じて外部のコンピュータ装置に伝送することができる。前記バッテリー100が電気自動車に装着されたバッテリーである場合、外部のコンピュータ装置は、自動車に搭載された電装コンピューターまたは自動車の点検に使用される診断(diagnosis)装置であり得る。
【0032】
一方、本発明によるバッテリー容量劣化推定装置は、バッテリーのSOH値を推定する過程でバッテリーの温度をさらに用いるために温度センシング部103をさらに含むことができる。
前記温度センシング部103は、周期的にバッテリーの温度を測定して温度測定値を制御部105に出力する。すると、前記制御部105は、バッテリーの温度測定値をメモリ部106に保存する。
SOH値の推定にバッテリーの温度が用いられる場合、前記メモリ部106に保存されたSOHマッピングテーブルは、下記の表2のように変形することができる。
【0033】
【表2】
【0034】
表2を参照すれば、SOHマッピングテーブルは、バッテリー温度に応じてSOH値をマッピングできるデータ構造を有する。このようなSOHマッピングテーブルは、バッテリーの温度を多様に調節しながら上述した電流積算実験を行うことで得られる。
SOH値の推定にバッテリーの温度が用いられる場合、前記制御部105は、上述した方式によって所定の充電電圧区間における積算電流値を算出した後、メモリ部106に保存されたSOHルックアップテーブルを参照してバッテリーの温度測定値に該当するSOH毎の積算電流値から前記算出された積算電流値に対応するSOH値をマッピングし、現在時点のSOH値を推定することができる。勿論、この場合にも、前記制御部105は、上述した数式1または2を用いて複数のSOH値に対する平均値としてSOH値を推定できることは自明である。
一方、バッテリーの温度が積算電流値の算出された充電電圧区間で一定値を有しない場合、前記制御部105は、充電電圧区間でバッテリーの平均温度を算出し、平均温度を用いてSOH値を推定することができる。バッテリーのSOH値はバッテリーの温度によって変わるため、温度を考慮してSOH値を推定すればより正確なSOH値を推定することができる。
【0035】
前記制御部105は、本発明によるバッテリー容量劣化推定方法をプログラミングしたコードを実行できるマイクロプロセッサで構成することもでき、本発明によるバッテリー容量劣化推定方法の制御フローを論理回路として具現した半導体チップで構成することもできるが、本発明がこれらに限定されることはない。
【0036】
上述した本発明によるバッテリー容量劣化推定装置は、バッテリーパックから電源の供給を受けるバッテリーパック駆動装置に組み合わせて使用することができる。
一例として、本発明はノートパソコン、携帯電話、個人携帯用マルチメディア再生機のようにバッテリーから駆動電圧が供給される各種電子製品に含まれて使用され得る。
別の例として、本発明は化石燃料自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自転車のようにバッテリーが搭載された各種動力装置に組み合わせて使用することができる。
また、本発明によるバッテリー容量劣化推定装置は、バッテリーパックの充放電を制御して過充電または過放電などからバッテリーパックを保護するバッテリー管理装置(Battery Management System;BMS)に含まれて使用され得る。
さらに、本発明によるバッテリー容量劣化推定装置は、バッテリーパック内に含まれて使用され得る。
【0037】
次に、上述したバッテリー容量劣化推定装置を用いたバッテリー容量劣化推定方法を説明する。
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリー容量劣化推定方法を示したフロー図である。まず、制御部105は、SOH毎の積算電流値をメモリ部に保存する(S10)。前記SOH毎の積算電流値を得る方法とデータ構造については、表1を参照して上述したので、繰り返しての説明は省略する。一方、段階S10を行うため、前記制御部105は、SOH毎の積算電流値の入力を受けられるインターフェースと連動され得る。前記インターフェースはデータ通信インターフェースであり得るが、本発明がこれに限定されることはない。
【0038】
次いで、制御部105は、所定の充電電圧区間の下限電圧以上でバッテリーが充電されているか否かを判断する(S20)。バッテリーが充電されていると判断されれば(S20の「はい」)、制御部105は、バッテリーの電圧及び電流を測定してバッテリーの電圧測定値及び電流測定値をメモリ部106に保存する(S30)。一方、バッテリーが充電されていないと判断されれば(S20の「いいえ」)、制御部105は、SOH値の推定プロセスを終了する。
【0039】
段階S30は、所定の充電電圧区間、例えば3.7Vないし4.0Vを含む電圧区間でバッテリーの充電が行われる間、周期的に繰り返すことが望ましい。そのために、制御部105は、S30段階を行った後、バッテリーの充電電圧が前記所定の充電電圧区間の上限を超えたか否かを判断する(S40)。
バッテリーの電圧が前記所定の充電電圧区間の上限を超えていなければ(S40の「いいえ」)、制御部105は、プロセスをS30段階に移し、バッテリーの電圧測定値及び電流測定値をメモリ部106に保存する動作を再び行う。
一方、バッテリーの電圧が前記所定の充電電圧区間の上限を超過すれば、制御部105は、所定の充電電圧区間で測定された電流測定値を積算し、積算電流値を算出する(S50)。
【0040】
積算電流値が算出されれば、制御部105は、メモリ部106に保存されたSOH毎の積算電流値を参照して前記算出された積算電流値に対応するSOH値をマッピングすることで、バッテリーに対する現在時点のSOH値を推定する(S60)。一例として、積算電流値が16.89mAhの場合、SOH値は97%と推定される(表1を参照)。
段階S60の代替例として、制御部105は、現在時点で推定されたSOH値と以前に推定されたSOH値との平均値をもってバッテリーに対する現在時点のSOH値を推定することができる。このとき、前記平均値を算出する方式は、数式1及び2を参照して上述したため、繰り返しての説明は省略する。
【0041】
図4は、本発明の別の実施形態によるバッテリー容量劣化推定方法を示したフロー図である。
本発明の別の実施形態によれば、制御部105は、所定の充電電圧区間で算出した積算電流値とバッテリーの温度とを共に考慮してバッテリーのSOH値を推定する。
そのために、制御部105は、温度に応じたSOH毎の積算電流値をメモリ部106に保存する(P10)。温度に応じたSOH毎の積算電流値を得る方法とデータ構造については、表2を参照して上述したため、繰り返しての説明は省略する。
【0042】
次いで、制御部105は、所定の充電電圧区間の下限電圧以上でバッテリーが充電されているか否かを判別する段階(P20)と、バッテリーが充電されていればバッテリーの電圧、電流、及び温度を測定し、電圧測定値、電流測定値、及び温度測定値をメモリ部106に保存する段階(P30)と、バッテリーの電圧が所定の充電電圧の上限を超過したか否かを判別する段階(P40)と、バッテリーの充電電圧が所定の充電電圧の上限を超えていない場合、バッテリーの電圧測定値、電流測定値、及び温度測定値をメモリ部106に保存する段階を繰り返して行う段階(P40の「いいえ」)と、前記バッテリーの電圧が所定の充電電圧の上限を超過した場合、前記充電電圧区間で保存された電流測定値を積算し、積算電流値を算出する段階(P50)とを行う。
ここで、前記P20段階ないしP50段階は、バッテリーの温度測定値がメモリ部106に保存されること以外は、上述したS20段階ないしS50段階と実質的に同一である。
【0043】
前記積算電流値が算出されれば、制御部105は、メモリ部106に保存された温度に応じたSOH毎の積算電流値を参照して前記算出された積算電流値とバッテリー温度に対応するSOH値をマッピングすることで、現在時点のバッテリーに対するSOH値を推定する(P60)。一例として、バッテリーの温度が20度であって、積算電流値が12.53mAhの場合、SOH値は72%と推定される(表2を参照)。一方、バッテリー温度が前記充電電圧区間で一定でない場合、バッテリーの温度は、前記充電電圧区間で得た温度測定値の平均温度を使用することが望ましい。
P60段階の別の代替例として、制御部105は、現在時点で推定されたSOH値と以前に推定されたSOH値との平均値でバッテリーに対する現在時点のSOH値を推定することができる。このとき、前記平均値を算出する方式は、数式1及び2を参照して上述したため、繰り返しての説明は省略する。
【0044】
上述した方法は、その実施のためにコンピューターで具現されたプロセスと装置によって具体化され得る。また、上述した方法は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、ハードディスク、またはコンピューター読み取り可能な如何なる形態の保存装置などにコンピュータープログラムコードが保存されて具現され得る。このとき、コンピューターは、前記保存装置に保存されているコンピュータープログラムコードを読み込んで実行することで上述した方法を実施する装置になる。また、上述した方法は、コンピューターによって読み込まれて実行される保存装置、または導電線、ケーブル、光繊維、電磁波などで伝送されるデータ信号の形態で具現され得る。このとき、コンピューターは、前記保存装置またはデータ信号を受信し読み込んで実行することで上述した方法を実施する装置になる。
【0045】
<実験例>
以下、本発明を実験例を挙げてより詳しく説明する。しかしながら、実験例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
まず、容量が43Ahであって、SOH 100%であるリチウム二次電池をもって実験を行った。満放電されたリチウム二次電池を充電装置に連結した後、リチウム二次電池を常温で保持するチャンバに入れた。その後、定電圧でバッテリーを充電しながら、バッテリーの電圧が3Vになったときからバッテリーの電圧が4Vに達するまで充電電流を測定した。その後、測定された電流値を積算して前記電圧区間における積算電流値を計算した結果、4501秒間で26.88091Ahが充電された。
【0046】
次いで、SOHが98%、97%、77%、及び72%であるバッテリーをもって同一の実験を行った。その結果、SOH 98%であるバッテリーは4441秒間で26.34897Ah、SOH 97%であるバッテリーは4416秒間で26.22061Ah、SOH 77%であるバッテリーは3504秒間で20.94577Ah、SOH 72%であるバッテリーは3201秒間で19.12639Ahが充電された。
【0047】
下記の表3は、上記の実験結果を用いてSOHによって予想積算電流値を計算した場合と、実際の実験データとを比べたものである。SOHによる予想積算電流値の計算は、まず、前記実験データのうちSOHが100%のバッテリーの積算電流値である26.88091Ahを基準値として設定する。その後、前記基準値に各SOHを乗じてSOH毎に予想される積算電流値を計算する。この計算方法は、前記電圧区間における積算電流値がSOHによって一定比率で減少することを前提とする。
【0048】
【表3】
【0049】
表3を参照すれば、基準値によって計算された積算電流値と実際の積算電流値とが異なることが確認できる。具体的に、SOHが98%、97%のときは、誤差が相対的に大きくないが、SOHが77%、72%のときは誤差がより大きくなったことが確認できる。バッテリーの劣化による容量の減少は全ての電圧区間で一定比率で起きるものではないため、上記のように誤差が生じる。また、SOHが減少するほど、その誤差はより大きくなることが確認できる。
【0050】
したがって、バッテリーのSOHを推定するための基礎データとして、単に比率計算によって算出された積算電流値よりも、実際の実験を通じて得られた積算電流値を用いることが誤差を減らせる方案になることが分かる。
また、下記の表4は、基準値と実際の積算電流値との単純比率によって推定したSOHと、実際のSOHとを比べたものである。単純比率によるSOHの推定は、積算電流値を基準値で除してその比率をSOHとして推定したものである。
【0051】
【表4】
【0052】
表4を参照すれば、積算電流値の単純比率によってSOHを推定する場合、実際のSOHと誤差が生じることが確認できる。さらに、バッテリーの充放電回数が多くなるほど前記誤差は累積するはずなので、推定されたSOHの値がさらに大きい誤差を有することは自明である。したがって、実際の実験を通じて得られた積算電流値を用いてSOHを推定すれば、SOH推定の精度を向上できることが分かる。
本実験例を通じ、実際の劣化程度を知っているバッテリーの電流積算実験から得られたSOH毎の積算電流値を用いてバッテリーのSOHを推定する場合、簡単にバッテリーのSOHが推定でき、推定されたSOHの精度も向上することが確認できる。
【0053】
上述した本発明によれば、従来技術と違って、複雑な計算を行わなくてもバッテリーの容量劣化を推定することができる。また、実際の実験データを用いたバッテリーの容量劣化推定は、その信頼度が高く、バッテリーの交替時期推定など多様に応用することができる。さらに、容量劣化によるバッテリーの充放電容量を調節することで、過充電と過放電を防止してバッテリーの安全性をより向上させることができる。
【0054】
一方、本発明の説明において、図1などに示された本発明のバッテリー容量劣化推定装置に関する各構成は、物理的に区分される構成要素というよりは論理的に区分される構成要素であると理解せねばならない。
すなわち、それぞれの構成は、本発明の技術思想を実現するための論理的な構成要素に該当するため、それぞれの構成要素が統合または分離されても本発明の論理構成が行う機能さえ実現できれば、本発明の範囲内であると解釈され、同一または類似の機能を果たす構成要素であればその名称の一致性とは関係なく、本発明の範囲内であると解釈されなければならない。
【0055】
以上のように、本発明が限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
100 バッテリー
101 電圧センシング部
102 温度センシング部
103 電流センシング部
104 センス負荷
105 制御部
106 メモリ部
107 負荷
図1
図2
図3
図4