【実施例】
【0048】
(製造例1)(アクリル系共重合体(1)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)0.83mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.04g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.25g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.21gおよび酢酸エチル2.50gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.14μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(1)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は76%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は77%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は81%であった。
【0049】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(1)を得た。GPC分析より、Mn=99,500、Mw=143,300、PD=1.44であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=77.1/11.1/11.8、であった。
【0050】
(製造例2)(アクリル系共重合体(2)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)0.84mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.03g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.45g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.08gおよび酢酸エチル2.56gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.11μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(2)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は69%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は72%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は70%であった。
【0051】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(2)を得た。GPC分析より、Mn=105,400、Mw=137,000、PD=1.30であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=75.6/20.2/4.2、であった。
【0052】
(製造例3)(アクリル系共重合体(3)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.00mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.76g、n−ブチルアクリレート(nBA)0.46gおよび酢酸エチル3.21gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.69μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(3)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は65%、n−ブチルアクリレートの重合率は61%であった。
【0053】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(3)を得た。GPC分析より、Mn=91,200、Mw=129,500、PD=1.42であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/nBA=79.5/20.5、であった。
【0054】
(製造例4)(アクリル系共重合体(4)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.04mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.93g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.20gおよび酢酸エチル3.12gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.84μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(4)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は80%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は84%であった。
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(4)を得た。GPC分析より、Mn=103,500、Mw=149,000、PD=1.44であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/HEA=88.2/11.8、であった。
【0055】
(製造例5)(アクリル系共重合体(5)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.21mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)1.97g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)1.37g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.30gおよび酢酸エチル3.63gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物4.47μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(5)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は88%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は86%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は88%であった。
【0056】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(5)を得た。GPC分析より、Mn=114,100、Mw=176,900、PD=1.55であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=50.6/35.7/13.7、であった。
【0057】
(製造例6)(アクリル系共重合体(6)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.20mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)3.02gおよび酢酸エチル4.35gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物4.47μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで2時間反応させて、ポリ1−イソブトキシエチルアクリレート(1)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、重合率は54%であった。またGPC分析より、Mn=54,200、PD=1.38であった。
上記で得られたポリ1−イソブトキシエチルアクリレート(1)の反応溶液に、あらかじめ30分間のアルゴンガスバブリングを行った2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.79gおよび2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.55gの混合溶液を添加し、50℃で4時間反応させた。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は67%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は39%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は49%であった。
【0058】
反応終了後、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ポリ1−イソブトキシエチルアクリレート鎖と、他の共重合成分からなるポリアクリレート鎖からなるブロック共重合体であるアクリル系共重合体(6)を得た。GPC分析より、Mn=87,500、Mw=126,900、PD=1.45であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=72.3/12.5/15.2、であった。
【0059】
(製造例7)(アクリル系共重合体(7)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)3.84mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.71mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)3.00g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.57g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.24gおよびアニソール3.81gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド2.12μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(7)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は92%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は85%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は88%であった。
【0060】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(7)を得た。GPC分析より、Mn=109,000、Mw=175,500、PD=1.61であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=72.5/13.5/14.0、であった。
【0061】
(製造例8)(アクリル系共重合体(8)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)3.79mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.70mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)3.00g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.57g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.23gおよびアニソール3.80gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド2.11μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで9時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(8)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は94%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は96%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は96%であった。
【0062】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(8)を得た。GPC分析より、Mn=115,000、Mw=197,800、PD=1.72であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=74.0/15.2/10.8、であった。
【0063】
(製造例9)(アクリル系共重合体(9)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)3.49mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.52mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.80g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.51g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.16gおよびアニソール3.50gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド1.92μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(9)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は94%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は95%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は93%であった。
【0064】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(9)を得た。GPC分析より、Mn=105,000、Mw=184,800、PD=1.76であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=77.4/14.3/8.3、であった。
【0065】
(製造例10)(アクリル系共重合体(10)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)4.05mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.76mg、2−テトラヒドロピラニルアクリレート(THPA)1.80g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)1.41g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.36gおよびアニソール3.56gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド2.20μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで20時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(10)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、2−テトラヒドロピラニルアクリレートの重合率は94%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は98%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は93%であった。
【0066】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(10)を得た。GPC分析より、Mn=77,000、Mw=131,700、PD=1.71であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、THPA/2EHA/HEA=44.3/34.6/21.1、であった。
【0067】
(比較製造例1)(アクリル系共重合体(H1)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)0.91mg、n-ブチルアクリレート(tBA)7.83g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)1.69gおよび酢酸エチル9.53gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.36μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで3.5時間反応させた。
1H−NMR(300MHz)分析より、n-ブチルアクリレートの重合率は64%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は75%であった。
【0068】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム40mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(H1)を得た。GPC分析より、Mn=318,000、Mw=617,000、PD=1.94であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、nBA/HEA=74.2/25.8であった。
【0069】
(比較製造例2)(アクリル系共重合体(H2)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル(AMVN)0.49mg、t-ブチルアクリレート(tBA)1.00g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)1.63g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.40gおよび酢酸エチル3.01gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物を、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで2時間反応させた。
1H−NMR(300MHz)分析より、t-ブチルアクリレートの重合率は77%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は73%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は81%であった。
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(H2)を得た。GPC分析より、Mn=285,700、Mw=580,000、PD=2.03であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、tBA/2EHA/HEA=38.7/42.1/19.2、であった。
【0070】
(比較製造例3)(アクリル系共重合体(H3)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル(AMVN)0.86mg、t-ブチルアクリレート(tBA)1.46gおよび酢酸エチル1.46gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.2μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで2時間反応させ、ポリt-ブチルアクリレート(1)の反応溶液を得た。
1H−NMR(300MHz)分析より、重合率は79%であった。またGPC分析より、Mn=73,800、PD=1.28であった。
【0071】
上記で得られたポリt-ブチルアクリレート(1)の反応溶液に、あらかじめ30分間のアルゴンガスバブリングを行った2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)4.48g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.82gおよび酢酸エチル5.30gの混合溶液を添加し、50℃で7時間反応させた。
1H−NMR(300MHz)分析より、t−ブチルアクリレートの重合率は82%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は49%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は58%であった。
【0072】
反応終了後、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ブロック共重合体であるアクリル系共重合体(H3)を得た。GPC分析より、Mn=265,000、Mw=461,100、PD=1.74であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、tBA/2EHA/HEA=34.5/47.0/18.5であった。
【0073】
(実施例1)
上記製造例1にて得られたアクリル系共重合体(1)をトルエンで希釈して15重量%トルエン溶液からなる粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物をギャップ8milli−inchのアプリケータを使用して、厚さが50μmのPETフィルム上に塗布し、12時間減圧乾燥して粘着シートを作成した。
【0074】
(実施例2
(参考例1))
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例2にて得られたアクリル系共重合体(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0075】
(実施例3
(参考例2))
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例3にて得られたアクリル系共重合体(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0076】
(実施例4)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例4にて得られたアクリル系共重合体(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0077】
(実施例5)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例5にて得られたアクリル系共重合体(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0078】
(実施例6)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例6にて得られたアクリル系共重合体(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0079】
(実施例7)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例7にて得られたアクリル系共重合体(7)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0080】
(実施例8)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例8にて得られたアクリル系共重合体(8)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0081】
(実施例9
(参考例3))
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例9にて得られたアクリル系共重合体(9)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0082】
(実施例10)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例10にて得られたアクリル系共重合体(10)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0083】
(比較例1)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記
比較製造例1にて得られたアクリル系共重合体(H1)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0084】
(比較例2)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記
比較製造例2にて得られたアクリル系共重合体(H2)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0085】
(比較例3)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記
比較製造例3にて得られたアクリル系共重合体(H3)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0086】
上記実施例及び比較例にて得られた粘着シートについて、以下の評価を行った。得られた結果を表に示した。
【0087】
<解体性試験>
粘着シートを幅20mm、長さ250mmの短冊状に切断し、幅50mm、長さ150mm、厚さ0.5mmのSUS板上に、23℃50%RH環境下で、重さ2kgのハンドローラーを2往復させて圧着して、同様の試験片を2個作成した。
圧着した試験片のうち1個は、23℃50%RH環境下で1時間静置した後、引っ張り試験器を用いて30mm/分の速度で引き剥がし、180°剥離強度を測定した(初期)。
圧着した試験片のうち1個は、23℃50%RH環境下で30分静置後、100℃熱水中で10分間加熱した後23℃まで放冷した(約30分)(熱水)。
これらの試験片について、引っ張り試験機を用いて30mm/分の速度で引き剥がし、180°剥離強度を測定した。表中には、剥離距離30〜120mmにて測定された剥離強度の平均値を示した。
なお、紫外線照射は、光源として東芝理化学用水銀ランプ「SHL−100UVQ−2」(75W)を使用し、光源と試料の距離を10cmとして、ランプ点灯後15分以上経過してから試料に照射した(以下の実施例、比較例においても同条件にて照射)。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
上記表のとおり、実施例1〜10の本願発明の粘着テープは、被着体への接着が可能で、温水浸漬により、好適に解体できるものであった。なかでも、実施例1、4、6〜8の粘着テープは、粘着剤層/被着体界面又は粘着剤層/基材界面の少なくともいずれか一方の界面で好適に剥離し、被着体又は基材への糊残りが見られず、好適な界面剥離性を有するものであった。一方、比較例1〜3の粘着テープは、温水浸漬による解体性に乏しいものであった。