特許第5836535号(P5836535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836535
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/04 20060101AFI20151203BHJP
   C09J 7/00 20060101ALI20151203BHJP
   C09J 133/14 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   C09J133/04
   C09J7/00
   C09J133/14
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-506004(P2015-506004)
(86)(22)【出願日】2014年3月28日
(86)【国際出願番号】JP2014059125
(87)【国際公開番号】WO2014157620
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2013-72418(P2013-72418)
(32)【優先日】2013年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-241326(P2013-241326)
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506122327
【氏名又は名称】公立大学法人大阪市立大学
(73)【特許権者】
【識別番号】505127721
【氏名又は名称】公立大学法人大阪府立大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100146879
【弁理士】
【氏名又は名称】三國 修
(72)【発明者】
【氏名】松本 章一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 絵理子
(72)【発明者】
【氏名】森野 彰規
【審査官】 吉田 邦久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−109477(JP,A)
【文献】 特開2013−047295(JP,A)
【文献】 特開2010−215923(JP,A)
【文献】 特表平09−511538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 133/04
C09J 7/00
C09J 133/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートをモノマー成分中の20〜90mol%含有するアクリル系共重合体を含有し、
前記アクリル系共重合体が、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び水酸基含有モノマーをモノマー成分として含有し、
前記水酸基含有モノマーの含有量が、前記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の10mol%以上であることを特徴とする粘着剤組成物。
【請求項2】
前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが、n−ブチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレートである請求項に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートの含有量が、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の60〜90mol%である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする易解体性粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被着体への貼付け、物品間の固定を行った後、一定期間経過後に当該貼付けや固定を容易に解体できる易解体性粘着テープ及び当該易解体性粘着テープを与える粘着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープは、作業性に優れる接着信頼性の高い接合手段として、OA機器、IT・家電製品、自動車等の各産業分野での部品固定用途や、部品の仮固定用途、製品情報を表示するラベル用途等に使用されている。近年、地球環境保護の観点から、これら家電や自動車等の各種の産業分野において、使用済み製品のリサイクル、リユースの要請が高まっている。各種製品をリサイクル、リユースする際には、部品の固定やラベルに使用されている粘着テープを剥離する作業が必要となるが、当該粘着テープは製品中の各所に設けられているため、簡易な除去工程による作業コストの低減が要望されている。
【0003】
易解体性の粘着テープとしては、例えば、接着力が相違する2層以上の粘着層を有する粘着部材が開示されている(特許文献1参照)。当該粘着テープは、重畳構造の粘着層を有する粘着部材における弱粘着層を介して被着体を接合処理することにより、被着体の強固な固着と、当該弱粘着層を剥離面とする容易な解体を実現するとの粘着部材である。しかし当該粘着部材は、複数の粘着剤層を必須の構成とするため製造コストが高くなる問題があった。また、弱粘着層により被着体との接着が行われる構成であるため接着力を高めるには制限があり、強固に物品を固定する用途への展開が困難であった。
【0004】
他の易解体性の粘着テープとしては、例えば、光照射により発泡する粘着剤組成物として、t−ブチルオキシカルボニル構造を有する発泡性成分を有する発泡性接着剤組成物が開示されている(特許文献2参照)。当該粘着剤組成物を使用した粘着テープは、光照射により発泡することから、貼付後に光照射により被着体からの剥離が可能となる。しかし、当該粘着剤組成物は、光照射が必要なことから、解体には光照射装置が必要となるため設備投資が大きくなり、また、粘着テープが貼り付けられた部分に一定量の光照射が必要となることから、一度に多量の解体を行うことが難しいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−140093号公報
【特許文献2】特開2004−43732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、被着体への貼付けや部品間の固定が可能で、かつ、解体時には簡易に解体可能な易解体性粘着テープ及び当該易解体性粘着テープを実現可能な粘着剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を含む。
(1)(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートをモノマー成分中の20〜90mol%含有するアクリル系共重合体を含有し、
前記アクリル系共重合体が、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び水酸基含有モノマーをモノマー成分として含有し、
前記水酸基含有モノマーの含有量が、前記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の10mol%以上であることを特徴とする粘着剤組成物。
)前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが、n−ブチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレートである前記(1)に記載の粘着剤組成物。
)前記(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートの含有量が、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の60〜90mol%である前記(1)又は(2)に記載の粘着剤組成物。
)前記(1)〜()のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする易解体性粘着テープ。
【発明の効果】
【0008】
本発明の粘着剤組成物によれば、被着体への貼付が可能で、解体時には温水への浸漬により、簡易に解体することができる。また、共重合性モノマーとして、(メタ)アクリレートモノマーや、水酸基含有モノマー等のモノマーを共重合させることにより、接着性能等を容易に制御可能である。このため、リサイクルやリユースに適用されるOA機器、IT・家電製品、自動車等の各産業分野での部品固定用途や部品の仮固定用途、製品情報を表示するラベル用途等に特段の制限なく好適に適用でき、解体時にも温水への浸漬により簡易に解体できる。また、温水により簡易に解体可能であることから、高価な解体設備やラインが必要とならず、多量の解体を効率良く実施でき、解体作業を簡易かつ低コストで実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[アクリル系共重合体]
本発明の粘着剤組成物には、(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートをモノマー成分中の20〜90mol%含有するアクリル系共重合体を使用する。アクリル系共重合体を構成するモノマー成分として、当該(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートを使用することで、被着体への貼付が可能で、解体時には温水への浸漬により容易に解体可能な粘着テープを実現できる。
【0010】
(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートとしては、例えば、1−エトキシエチル(メタ)アクリレート、1−プロピルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−イソプロピルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、1−イソブトキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、1−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−(4−ヒドロキシブトキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−(2−クロロエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−ドデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−オクタデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,2―トリフルオロエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−(トリス(トリメチルシリル)シリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−ヘキサデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−(デシルカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート等の1−アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(4−メチル)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6−メチル)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(4−アミノ)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6−ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(5−クロロテトラヒドロピラニル)(メタ)アクリレート、2−(6−アミノメチル)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6−メトキシ)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6−エトキシ)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6−t−ブトキシ)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6−(2−アミノエチル))テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6−フェニル)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(6,6−ジヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−(4,6−ジメチル)テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート等のテトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート、2−(4−t−ブチル)テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート、2−(4−イソプロピル)テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート等のテトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロオキセパニル(メタ)アクリレート、2−(7−フェニル)テトラヒドロオキセパニル(メタ)アクリレート等のテトラヒドロオキセパニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートを好ましく使用できる。これら(メタ)アクリレートは1種のみの使用であっても2種以上を併用してもよい。これら(メタ)アクリレートのなかでも、1−アルコキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレートを特に好ましく使用できる。
【0011】
(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートの使用量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の20〜90mol%とすることで、被着体への貼付が可能で、解体時には温水への浸漬により容易に解体可能な粘着テープを実現できる。当該モノマーの使用量は、特に好適な接着性を得やすくなることから、30〜90mol%であることが好ましく、40〜80mol%とすることがより好ましい。また、当該(メタ)アクリレートの含有量をアクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の60mol%以上とすることで、温水浸漬による解体時に剥離面での糊残りが生じにくく、粘着剤層/被着体界面や粘着剤層/基材界面での好適な界面剥離性を得やすくなる。
【0012】
本発明に使用するアクリル系共重合体において、(メタ)アクリル酸とビニルエーテルとを反応させて得られる(メタ)アクリレートと共重合させる共重合性モノマーとしては、使用する用途に応じて、粘着剤のアクリル系共重合体に使用する各種モノマーを適宜使用できる。当該共重合性のモノマーとしては、例えば、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、水酸基含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー、アミノ基含有ビニルモノマー、イミノ基含有ビニルモノマー、アミド基含有ビニルモノマー等を例示できる。これら共重合性モノマーは、一種のみを使用しても、複数を使用してもよい。
【0013】
これらの中でも、好適な接着性能を得やすいことから、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、水酸基含有ビニルモノマーの少なくとも一種を使用することが好ましい。
【0014】
炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、及び/又は、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等を使用することができる。なかでも、n−ブチル(メタ)アクリレート及び/又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートは、得られる粘着剤層の粘着性向上に好適であるため好ましい。
【0015】
炭素数1〜14の(メタ)アクリレートモノマーを使用する場合には、アクリル系共重合体を構成する全モノマー成分中の5mol%以上とすることで好適な接着性を実現しやすくなるため好ましく、10〜70mol%であることがより好ましく、10〜50mol%であることがさらに好ましく、10〜40mol%であることが特に好ましい。
【0016】
水酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等を適宜選択して使用することができる。なかでも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、得られる粘着剤層の粘着性向上に好適であるため好ましく使用でき、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを特に好ましく使用できる。
【0017】
水酸基含有ビニルモノマーを使用する場合には、アクリル系共重合体を構成する全モノマー成分中の1mol%以上とすることで好適な接着性を実現しやすくなるため好ましく、3〜30mol%であることがより好ましく、3〜20mol%であることがさらに好ましい。また、水酸基含有ビニルモノマーの含有量を全モノマー成分中の10mol%以上とすることで、温水浸漬による解体時に剥離面での糊残りが生じにくく、粘着剤層/被着体界面や粘着剤層/基材界面での好適な界面剥離性を得やすくなる。
【0018】
また、カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸ダイマー、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレートなどのカルボキシル基を有するモノマー等を使用することができる。
【0019】
また、アミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等を使用でき、アミノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
【0020】
また、イミノ基含有モノマーとしては、例えばシクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド等を使用することができる。
【0021】
カルボキシル基含有ビニルモノマー、アミド基含有ビニルモノマー、アミノ基含有ビニルモノマー、及び、イミノ基含有ビニルモノマーを使用する場合には、これらのモノマーの総量が、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の30mol%以下とすることが好ましく、25mol%以下であることがより好ましく、1〜20mol%とすることがさらに好ましい。
【0022】
本発明に使用するアクリル系共重合体の重量平均分子量は、1万〜200万程度の範囲で使用態様に応じて適宜調整すればよい。解体前の良好な粘着強度を確保しやすいことから、5万〜150万程度とすることが好ましく、10万〜100万程度とすることが特に好ましい。
【0023】
前記重量平均分子量と前記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件の例として、HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いてカラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度は40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いることで測定できる。
【0024】
分子量を調整するために、重合には連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤、例えばラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが使用できる。
【0025】
本発明に使用するアクリル系共重合体は、ランダム共重合体の形態であっても、1−ブトキシエチルアセテートのブロックを有するブロック共重合体であってもよい。ランダム共重合体の場合には製造が簡易となるため好ましく、ブロック共重合体の場合には好適な解体性を得やすくなるため好ましい。
【0026】
前記アクリル系重合体は、例えば前記アクリル単量体の混合物を、ラジカル重合反応することによって製造することができる。前記アクリル系重合体の製造方法としては具体的には、リビングラジカル重合法や、アゾ系開始剤または過酸化物を用いて行う従来知られたラジカル重合法が挙げられる。なかでも、リビングラジカル重合法を採用することが、ラジカル重合過程における連鎖移動反応や停止反応等の副反応を引き起こさず、低分子量成分の生成を抑制でき、分子量分布の狭いアクリル系重合体を製造できるため好ましい。
【0027】
前記リビングラジカル重合法としては、例えば原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、高周期15族または16族元素を含む有機ヘテロ化合物を触媒として用いるリビングラジカル重合法(有機ヘテロ化合物を媒介とするラジカル重合法)(TERP法等)、ニトロキシドを介したリビングラジカル重合法(NMP法)、可逆的付加開裂連鎖移動重合反応法(RAFT法)等が挙げられる。
【0028】
前記原子移動ラジカル重合法(ATRP法)は、例えば遷移金属錯体と、有機ハロゲン化物との存在下で、前記したアクリル単量体を重合する方法である。
【0029】
前記遷移金属錯体を構成する遷移金属としては、例えばCu、Ru、Fe、Rh、V、Niや、それらのハロゲン化物を使用することができる。また、前記遷移金属に配位する配位子としては、ビピリジル誘導体、メルカプタン誘導体、トリフルオレート誘導体、3級アルキルアミン誘導体等が挙げられる。
【0030】
前記有機ハロゲン化物は、重合開始剤であって、例えば2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸メチル、2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸エチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸エチル、塩化(または臭化)1−フエニルエチル、2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸4−ヒドロキシブチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸2−ヒドロキシエチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸4−ヒドロキシブチル等を使用することができる。
【0031】
有機ヘテロ化合物を媒介とするラジカル重合法は、有機ヘテロ化合物とラジカル開始剤存在下で、前記したアクリル単量体を重合する方法である。当該有機ヘテロ化合物を媒介とするラジカル重合法によれば、アクリル系共重合体の分子量を高分子量化しやすく、接着力を向上させやすいため好ましい。
【0032】
有機ヘテロ化合物を媒介とするラジカル重合法に使用する有機ヘテロ化合物としては、有機テルル化合物、有機ジテルリド化合物、有機ビスマス化合物、有機アンチモン化合物を好ましく使用できる。これら有機ヘテロ化合物の具体例としては、特開2004−323693号公報、WO2004/14818公報、特開2006−225524号公報、特開2006−299278号公報、特開2008−291216号公報、特開2009−149877号公報等に開示のある有機テルル化合物、有機ジテルリド化合物、特開2009−149877号公報、WO2006/62255公報等に開示のある有機ビスマス化合物、特開2009−149877号公報、WO2006/1496公報等に開示のある有機アンチモン化合物等の周知の化合物を適宜使用できる。具体的には、例えば、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−n−ブチル−2−フェニルテラニルプロピオン酸エチル、2−メチル−2−フェニルテラニルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、(1−フェニルテラニル−エチル)ベンゼン、2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチル−2−ジメチルビスムタニルプロピオン酸メチルエステル、2−メチル−2−ジフェニルビスムタニルプロピオニトリル、2−メチル−2−ジメチルフェニルビスムタニルプロピオニトリル、2−メチル−2−ジメチルスチバニルプロピオン酸メチル、2−メチル−2−ジメチルスチバニルプロピオニトリル、1−ジメチルスチバニル−1−フェニルエタン、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。好ましくは、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド等の化合物を好ましく例示できる。
【0033】
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、上記アクリル系共重合体を含有することで、良好な接着性能を実現でき、また、温水への浸漬により好適に解体可能な粘着剤層を実現できる。
【0034】
本発明の粘着剤組成物は、上記アクリル系共重合体を粘着剤組成物中の主たる構成成分、好ましくは50mol%以上、より好ましくは60mol%以上含有する粘着剤組成物であり、アクリル系共重合体として上記のアクリル系共重合体のみを含有する粘着剤組成物であっても、他のアクリル系共重合体等を更に含有する粘着剤組成物で有ってもよい。また、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤、その他の添加剤等を含有していてもよい。
【0035】
(粘着付与樹脂)
本発明の粘着剤組成物においては、得られる粘着剤層の強接着性を調整するために粘着付与樹脂を使用しても良い。本発明に使用する粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系、重合ロジン系、重合ロジンエステル系、ロジンフェノール系、安定化ロジンエステル系、不均化ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、石油樹脂系等が例示できる。
【0036】
(溶媒)
本発明の粘着剤組成物においては、粘着剤組成物に通常使用される溶媒を使用でき、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン等を使用できる。また、水系粘着剤組成物とする場合には、水又は、水を主体とする水性溶媒を使用できる。
【0037】
(架橋剤)
本発明の粘着剤組成物においては、得られる粘着剤層の凝集力を向上させる目的で、架橋剤を使用することも好ましい。架橋剤としては、公知のイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、多価金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤、ケト・ヒドラジド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、シラン系架橋剤、グリシジル(アルコキシ)エポキシシラン系架橋剤等が使用できる。
【0038】
(添加剤)
本発明の粘着剤組成物においては、添加剤として、必要に応じて本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、pHを調整するための塩基(アンモニア水など)や酸、発泡剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ・金属粉末等の充填剤、顔料・染料等の着色剤、pH調整剤、皮膜形成補助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の公知のものを粘着剤組成物に任意で添加することができる。また、酸触媒、酸発生剤を添加してもよい。
【0039】
前記発泡剤は、粘着剤の解体を進行するうえで使用することができ、例えば加熱することにより体積膨張する、無機発泡剤、有機発泡剤及び熱膨張性中空球体等を使用することができる。
【0040】
また、本発明の粘着剤組成物においては、酸触媒や酸発生剤を含有することで、温水解体性に加え、光や熱の外部刺激による解体性を付与することもできる。酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸やベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸などの有機酸や、塩酸や硫酸等の無機酸等を例示できる。また、酸発生剤としては、各種の熱酸発生剤や光酸発生剤を使用できる。熱酸発生剤としては、熱酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩を使用することができ、光酸発生剤としては、例えば4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、及び3−ベンジルベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロアンチモネート等から適宜選択して使用することができる。例えばN−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフラート、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、ビフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、フェニル−(3−ヒドロキシ−ペンタデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、及びフェニル−(3−ヒドロキシペンタデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート等から適宜選択して使用することができる。
【0041】
なかでも、光酸発生剤は、光と熱の二種の外部刺激により粘着剤層を好適に解体できる一方で、粘着剤組成物として保管する際や、粘着テープとして物品を固定した際には容易に分解や解体が生じにくく、安定した保存性や粘着特性を保持できるため、特に好ましく使用できる。特に、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステルやビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の酸発生剤単独での熱分解温度が概ね150℃以上のものは安定性が良く、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の加熱により気体を発生する光酸発生剤は、特に高い解体性を実現しやすく、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル等の100℃程度の加熱によっても気体を発生しにくい光酸発生剤は、熱安定性の高い粘着剤層を得やすく、また、骨格中にベンゼン環やナフタレン環構造等の光吸収性の構造を有する光酸発生剤は、少ない光照射時間や少ない含有量で好適な解体性を実現できることから、それぞれ好ましく使用できる。
【0042】
[易解体性粘着テープ]
本発明の易解体性粘着テープは、上記の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープである。粘着剤層は、単層の粘着剤の層であっても良く、複数の粘着剤の層が積層されてなるものであってもよい。また、基材を有する粘着テープであっても、基材を有さない粘着剤層のみからなる粘着テープの形態であってもよい。また、基材の片面にのみ粘着剤層を有する形態であっても、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープの形態であってもよい。二以上の部材固定用途においては、粘着剤層のみからなる粘着テープや両面粘着テープが好適に使用できる。
【0043】
前記基材として、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネート、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリビニルアルコール等からなるプラスチック系フィルム、パルプ、レーヨン、マニラ麻、アクリロニトリル、ナイロン、ポリエステル等からなる不織布、紙、布、又は金属箔等を用いることが出来、再剥離性と接着性を両立しやすいことから、ポリエステル系フィルムや不織布を好適に用いることが出来る。
また、基材と粘着剤層との密着性を向上させることを目的に、基材の片面または両面に、コロナ処理、プラズマ処理、アンカーコート処理等を施しても良い。
【0044】
本発明の易解体性粘着テープは、基材を有する場合には、前記粘着剤組成物をロールコーターやダイコーター等を用い、直接基材に塗布した後、乾燥工程を経て、セパレーターを貼り合わせる直塗り法や、セパレーター上にいったん粘着剤組成物をコーティングし、乾燥工程を経た後、基材に転写する転写法により製造できる。基材を有さない場合には、セパレーター上に粘着剤組成物をコーティングし、他のセパレーターを貼り合わせる方法により製造できる。
【0045】
本発明の易解体性粘着テープは、上記易解体性粘着剤組成物をギャップ8milli−inchのアプリケータを使用して、厚さが50μmのPETフィルム上に塗布・乾燥して粘着テープを形成し、23℃50%RH環境下で、SUS板上に、重さ2kgのハンドローラーを1往復させて圧着して1時間静置後、引っ張り試験器を用いて30mm/分の速度で、180°方向に引き剥がした際の接着力が、1N/20mm以上であることが好ましく、2〜30N/20mmであることがより好ましく、3〜20N/20mmであることが特に好ましい。本発明の易解体性粘着テープは、部品間固定に際して好適な高い接着力であっても、好適な解体性を実現できる。
【0046】
(解体方法)
本発明の易解体性粘着テープは、貼付け時には良好に被着対象への接着や、部品間固定がなされ、解体、剥離を行う際には、温水への浸漬により良好に剥離が可能となる。温水の条件は、良好な解体性を実現できる温度にて適宜調整されれば良いが、60℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。
【0047】
本発明の易解体性粘着テープは、リユースやリサイクル時の部材間の分離に際して、温水への浸漬により容易に解体できる。このため、自動車、建材、OA、家電業界などの工業用途における各種製品の部品間固定を行う粘着テープとして好適に使用できる。特に、リユースやリサイクル時の多量の部品の分離や、多量のラベル剥離等を行う際にも作業効率が良好である。
【実施例】
【0048】
(製造例1)(アクリル系共重合体(1)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)0.83mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.04g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.25g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.21gおよび酢酸エチル2.50gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.14μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(1)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は76%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は77%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は81%であった。
【0049】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(1)を得た。GPC分析より、Mn=99,500、Mw=143,300、PD=1.44であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=77.1/11.1/11.8、であった。
【0050】
(製造例2)(アクリル系共重合体(2)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)0.84mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.03g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.45g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.08gおよび酢酸エチル2.56gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.11μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(2)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は69%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は72%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は70%であった。
【0051】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(2)を得た。GPC分析より、Mn=105,400、Mw=137,000、PD=1.30であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=75.6/20.2/4.2、であった。
【0052】
(製造例3)(アクリル系共重合体(3)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.00mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.76g、n−ブチルアクリレート(nBA)0.46gおよび酢酸エチル3.21gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.69μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(3)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は65%、n−ブチルアクリレートの重合率は61%であった。
【0053】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(3)を得た。GPC分析より、Mn=91,200、Mw=129,500、PD=1.42であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/nBA=79.5/20.5、であった。
【0054】
(製造例4)(アクリル系共重合体(4)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.04mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.93g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.20gおよび酢酸エチル3.12gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.84μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(4)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は80%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は84%であった。
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(4)を得た。GPC分析より、Mn=103,500、Mw=149,000、PD=1.44であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/HEA=88.2/11.8、であった。
【0055】
(製造例5)(アクリル系共重合体(5)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.21mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)1.97g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)1.37g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.30gおよび酢酸エチル3.63gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物4.47μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(5)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は88%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は86%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は88%であった。
【0056】
反応終了後、重合溶液を酢酸エチル20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(5)を得た。GPC分析より、Mn=114,100、Mw=176,900、PD=1.55であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=50.6/35.7/13.7、であった。
【0057】
(製造例6)(アクリル系共重合体(6)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)1.20mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)3.02gおよび酢酸エチル4.35gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物4.47μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで2時間反応させて、ポリ1−イソブトキシエチルアクリレート(1)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、重合率は54%であった。またGPC分析より、Mn=54,200、PD=1.38であった。
上記で得られたポリ1−イソブトキシエチルアクリレート(1)の反応溶液に、あらかじめ30分間のアルゴンガスバブリングを行った2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.79gおよび2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.55gの混合溶液を添加し、50℃で4時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は67%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は39%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は49%であった。
【0058】
反応終了後、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ポリ1−イソブトキシエチルアクリレート鎖と、他の共重合成分からなるポリアクリレート鎖からなるブロック共重合体であるアクリル系共重合体(6)を得た。GPC分析より、Mn=87,500、Mw=126,900、PD=1.45であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=72.3/12.5/15.2、であった。
【0059】
(製造例7)(アクリル系共重合体(7)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)3.84mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.71mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)3.00g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.57g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.24gおよびアニソール3.81gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド2.12μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(7)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は92%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は85%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は88%であった。
【0060】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(7)を得た。GPC分析より、Mn=109,000、Mw=175,500、PD=1.61であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=72.5/13.5/14.0、であった。
【0061】
(製造例8)(アクリル系共重合体(8)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)3.79mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.70mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)3.00g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.57g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.23gおよびアニソール3.80gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド2.11μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで9時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(8)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は94%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は96%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は96%であった。
【0062】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(8)を得た。GPC分析より、Mn=115,000、Mw=197,800、PD=1.72であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=74.0/15.2/10.8、であった。
【0063】
(製造例9)(アクリル系共重合体(9)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)3.49mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.52mg、1−イソブトキシエチルアクリレート(iBEA)2.80g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)0.51g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.16gおよびアニソール3.50gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド1.92μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで5時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(9)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、1−イソブトキシエチルアクリレートの重合率は94%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は95%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は93%であった。
【0064】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(9)を得た。GPC分析より、Mn=105,000、Mw=184,800、PD=1.76であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、iBEA/2EHA/HEA=77.4/14.3/8.3、であった。
【0065】
(製造例10)(アクリル系共重合体(10)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)4.05mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.76mg、2−テトラヒドロピラニルアクリレート(THPA)1.80g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)1.41g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.36gおよびアニソール3.56gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。ジ−n−ブチルジテルリド2.20μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、60℃のオイルバスで20時間反応させて、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(10)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、2−テトラヒドロピラニルアクリレートの重合率は94%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は98%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は93%であった。
【0066】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(10)を得た。GPC分析より、Mn=77,000、Mw=131,700、PD=1.71であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、THPA/2EHA/HEA=44.3/34.6/21.1、であった。
【0067】
(比較製造例1)(アクリル系共重合体(H1)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)0.91mg、n-ブチルアクリレート(tBA)7.83g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)1.69gおよび酢酸エチル9.53gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.36μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで3.5時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、n-ブチルアクリレートの重合率は64%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は75%であった。
【0068】
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム40mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(H1)を得た。GPC分析より、Mn=318,000、Mw=617,000、PD=1.94であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、nBA/HEA=74.2/25.8であった。
【0069】
(比較製造例2)(アクリル系共重合体(H2)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル(AMVN)0.49mg、t-ブチルアクリレート(tBA)1.00g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)1.63g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.40gおよび酢酸エチル3.01gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物を、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで2時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、t-ブチルアクリレートの重合率は77%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は73%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は81%であった。
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ランダム共重合体であるアクリル系共重合体(H2)を得た。GPC分析より、Mn=285,700、Mw=580,000、PD=2.03であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、tBA/2EHA/HEA=38.7/42.1/19.2、であった。
【0070】
(比較製造例3)(アクリル系共重合体(H3)の合成)
2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル(AMVN)0.86mg、t-ブチルアクリレート(tBA)1.46gおよび酢酸エチル1.46gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.2μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで2時間反応させ、ポリt-ブチルアクリレート(1)の反応溶液を得た。H−NMR(300MHz)分析より、重合率は79%であった。またGPC分析より、Mn=73,800、PD=1.28であった。
【0071】
上記で得られたポリt-ブチルアクリレート(1)の反応溶液に、あらかじめ30分間のアルゴンガスバブリングを行った2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)4.48g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.82gおよび酢酸エチル5.30gの混合溶液を添加し、50℃で7時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、t−ブチルアクリレートの重合率は82%、2−エチルヘキシルアクリレートの重合率は49%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は58%であった。
【0072】
反応終了後、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム50mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、ブロック共重合体であるアクリル系共重合体(H3)を得た。GPC分析より、Mn=265,000、Mw=461,100、PD=1.74であった。共重合体中の構成成分の物質量比は、tBA/2EHA/HEA=34.5/47.0/18.5であった。
【0073】
(実施例1)
上記製造例1にて得られたアクリル系共重合体(1)をトルエンで希釈して15重量%トルエン溶液からなる粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物をギャップ8milli−inchのアプリケータを使用して、厚さが50μmのPETフィルム上に塗布し、12時間減圧乾燥して粘着シートを作成した。
【0074】
(実施例2(参考例1)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例2にて得られたアクリル系共重合体(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0075】
(実施例3(参考例2)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例3にて得られたアクリル系共重合体(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0076】
(実施例4)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例4にて得られたアクリル系共重合体(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0077】
(実施例5)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例5にて得られたアクリル系共重合体(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0078】
(実施例6)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例6にて得られたアクリル系共重合体(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0079】
(実施例7)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例7にて得られたアクリル系共重合体(7)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0080】
(実施例8)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例8にて得られたアクリル系共重合体(8)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0081】
(実施例9(参考例3)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例9にて得られたアクリル系共重合体(9)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0082】
(実施例10)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記製造例10にて得られたアクリル系共重合体(10)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0083】
(比較例1)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記比較製造例1にて得られたアクリル系共重合体(H1)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0084】
(比較例2)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記比較製造例2にて得られたアクリル系共重合体(H2)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0085】
(比較例3)
アクリル系共重合体(1)に代えて、上記比較製造例3にて得られたアクリル系共重合体(H3)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0086】
上記実施例及び比較例にて得られた粘着シートについて、以下の評価を行った。得られた結果を表に示した。
【0087】
<解体性試験>
粘着シートを幅20mm、長さ250mmの短冊状に切断し、幅50mm、長さ150mm、厚さ0.5mmのSUS板上に、23℃50%RH環境下で、重さ2kgのハンドローラーを2往復させて圧着して、同様の試験片を2個作成した。
圧着した試験片のうち1個は、23℃50%RH環境下で1時間静置した後、引っ張り試験器を用いて30mm/分の速度で引き剥がし、180°剥離強度を測定した(初期)。
圧着した試験片のうち1個は、23℃50%RH環境下で30分静置後、100℃熱水中で10分間加熱した後23℃まで放冷した(約30分)(熱水)。
これらの試験片について、引っ張り試験機を用いて30mm/分の速度で引き剥がし、180°剥離強度を測定した。表中には、剥離距離30〜120mmにて測定された剥離強度の平均値を示した。
なお、紫外線照射は、光源として東芝理化学用水銀ランプ「SHL−100UVQ−2」(75W)を使用し、光源と試料の距離を10cmとして、ランプ点灯後15分以上経過してから試料に照射した(以下の実施例、比較例においても同条件にて照射)。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
上記表のとおり、実施例1〜10の本願発明の粘着テープは、被着体への接着が可能で、温水浸漬により、好適に解体できるものであった。なかでも、実施例1、4、6〜8の粘着テープは、粘着剤層/被着体界面又は粘着剤層/基材界面の少なくともいずれか一方の界面で好適に剥離し、被着体又は基材への糊残りが見られず、好適な界面剥離性を有するものであった。一方、比較例1〜3の粘着テープは、温水浸漬による解体性に乏しいものであった。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の粘着剤組成物によれば、被着体への貼付が可能で、解体時には温水への浸漬により、簡易に解体することができる。このため、リサイクルやリユースに適用されるOA機器、IT・家電製品、自動車等の各産業分野での部品固定用途や部品の仮固定用途、製品情報を表示するラベル用途等に特段の制限なく好適に適用でき、解体時にも温水への浸漬により簡易に解体できる。また、温水により簡易に解体可能であることから、高価な解体設備やラインが必要とならず、多量の解体を効率良く実施でき、解体作業を簡易かつ低コストで実現できる。