特許第5838024号(P5838024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5838024吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法、製造装置、及び吸収性物品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5838024
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法、製造装置、及び吸収性物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20151203BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   A41B13/02 S
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2010-192632(P2010-192632)
(22)【出願日】2010年8月30日
(65)【公開番号】特開2012-45317(P2012-45317A)
(43)【公開日】2012年3月8日
【審査請求日】2013年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】飯田 美和
(72)【発明者】
【氏名】石川 修
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−516802(JP,A)
【文献】 特開2006−055382(JP,A)
【文献】 特開2010−142415(JP,A)
【文献】 特開2004−148040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00
A61F 13/15 〜 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単票状シートを所定の貼り付けピッチで連続シートに貼り付けることにより、吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する方法であって、
周回軌道を移動する複数の保持部に、前記単票状シートを、順次、面接触状態で保持させることと、
前記周回軌道に設定された引き渡し位置を前記保持部が通過する際に、前記保持部から前記単票状シートを離脱させて、前記引き渡し位置の近傍位置を走行する前記連続シートに貼り付けて引き渡すことと、を有し、
前記引き渡すことにおいては、前記単票状シートを保持するための保持力が弱められるとともに、前記単票状シートを前記連続シートの方へ吸引する吸引力が、前記連続シート越しに作用することにより、前記単票状シートが、前記保持部と前記連続シートとに挟圧されること無く、前記連続シートに貼り付けられ、
前記保持部は、保持面と、前記保持面に形成された複数の吸気孔と、前記保持部の内部に形成されて全ての前記複数の通気孔と連通する空気流路を備え、
複数の前記保持部は、前記周回軌道に沿って整列されており、整列ピッチを当該周回軌道の各位置に応じて変更しながら周回し、
前記保持部が前記引き渡し位置に到達すると、前記保持部の前記空気流路が、正圧室に連通して、前記単票状シートを保持していた全ての前記複数の吸気孔から空気が前記単票状シートへ向けて一斉に噴射され、一斉に噴射された空気が、前記単票状シートを前記連続シートの方へ押し出すように作用して、前記単票状シートが前記連続シートへ飛び移ることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記連続シートの走行経路において前記近傍位置よりも下流側の位置には、外周面を互いに対向させて回転する一対のプレスロールが配置されており、
前記連続シートが前記プレスロール同士の間のロール間隙を通過する際に、前記プレスロールの外周面によって、前記連続シートは、前記単票状シートが重なった状態で重なり方向に押圧されることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記引き渡し位置における前記保持部と前記連続シートとの間の間隔の大きさは、前記単票状シートの最大厚みの1.0倍を超えて3.0倍未満の大きさに設定されていることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記近傍位置には、前記引き渡し位置を通過する前記保持部から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
前記連続シートの通気性は前記単票状シートの通気性よりも高いことを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記近傍位置には、前記引き渡し位置を通過する前記保持部から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
前記連続シートの走行速度の増減に応じて、前記吸気機構の吸気量を増減することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の複合体の製造方法で製造された複合体を用いた吸収性物品の製造方法であって、
前記吸収性物品は、
液体を吸収する吸収体を備え、着用者の股間にあてがわれる吸収性本体と、
前記吸収性本体の幅方向の両端部に貼り付けられる一対のサイドシートと、
前記吸収性本体の幅方向の端縁から前記幅方向の外方に突出するように前記サイドシートに貼り付けられたサイドフラップと、を有し、
前記連続シートは、前記サイドシートに分断前の前記サイドシートの基材であり、
前記単票状シートは、前記サイドフラップであり、
前記吸収性本体は、前記吸収体を覆う表面シートを有し、
前記複合体を製造した後に、前記複合体を前記表面シートの連続シートに貼り付けることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
【請求項7】
単票状シートを所定の貼り付けピッチで連続シートに貼り付けることにより、吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する装置であって、
前記単票状シートを面接触状態で保持しながら周回軌道を移動する保持部と、
前記周回軌道に設定された引き渡し位置の近傍位置を前記連続シートに走行させる走行機構と、
前記引き渡し位置を前記保持部が通過する際に、前記保持部から前記単票状シートを離脱させるべく、前記保持部の前記単票状シートを保持するための保持力を弱める保持力調整機構と、
少なくとも前記近傍位置に設けられる吸引機構であって、前記連続シートの方へ吸引する吸引力を前記連続シート越しに前記単票状シートに作用させることにより、前記単票状シートを前記保持部と前記連続シートとで挟圧すること無く、前記単票状シートを前記連続シートに貼り付ける前記吸引機構と、を有し、
前記保持部は、保持面と、前記保持面に形成された複数の吸気孔と、前記保持部の内部に形成されて全ての前記複数の通気孔と連通する空気流路を備え、
複数の前記保持部は、前記周回軌道に沿って整列されており、整列ピッチを当該周回軌道の各位置に応じて変更しながら周回し、
前記保持部が前記引き渡し位置に到達すると、前記保持部の前記空気流路が、正圧室に連通して、前記単票状シートを保持していた全ての前記複数の通気孔から空気が前記単票状シートへ向けて一斉に噴射され、一斉に噴射された空気が、前記単票状シートを前記連続シートの方へ押し出すように作用して、前記単票状シートが前記連続シートへ飛び移ることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法、製造装置、及び吸収性物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の製造ラインでは、図1の概略側面図に示すように、柔軟な不織布等の単票状シート7を、同柔軟な不織布等の連続シート8aに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチP7で貼り付けることが行われる。
【0003】
その方法の一例として、特許文献1には次のような方法が示されている。先ず、カッターロール121により分断生成された単票状シート7を、回転するアンビルロール123の外周面123sに、周方向に所定ピッチで吸引保持する。また、同外周面123sの周方向の所定位置Pout(以下、引き渡し位置Poutと言う)には、外周面123sの接線方向に走行するように連続シート8aが供給され、更に、この連続シート8aにおいて単票状シート7が重なるべき部分には予め接着剤(不図示)が塗布されている。よって、外周面123sに保持された単票状シート7が前記引き渡し位置Poutを通過する際には、単票状シート7のうちで前記引き渡し位置Poutを通過する部分が、順次連続シート8aに貼り付けられて引き渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006―55382号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この方法では、外周面123sに保持された単票状シート7を、連続シート8aの表面に押し当てながら貼り付けているので、アンビルロール123の周速V123と連続シート8aの走行速度V8aとの間で速度差(相対速度)が有る場合には、貼り付け時に単票状シート7等に皺が寄る虞がある。
【0006】
詳しくは次の通りである。先ず、上述の方法では、単票状シート7はアンビルロール123の外周面123sに保持されているので、アンビルロール123の周速V123と同じ速度で周回している。また、同方法では、アンビルロール123の外周面123sによって単票状シート7を連続シート8aに押し当てているので、引き渡し位置Poutを通過中の単票状シート7は、アンビルロール123の外周面123sと連続シート8aとによって物理的に挟み込まれた状態にある。ここで、このように挟圧されていると、速度の速い方のシート7(8a)が速度の遅い方のシート8a(7)に制止されてしまい、それにより、速度の速い方のシート7(8a)が座屈等して皺が寄ってしまう。
例えば、連続シート8aの走行速度V8aの方がアンビルロール123の周速V123よりも遅い場合には、単票状シート7の方に皺が寄ってしまう。そして、かかる皺は、見栄えや肌触りが悪いことなどから、吸収性物品の商品価値を下げてしまう虞がある。
そのため、この方法を用いる場合には、アンビルロール123の周速V123と連続シート8aの走行速度V8aとが互いに等しくなるように速度の同期をとる必要がある。
しかしながら、どんなに精細に同期をとっても、完全に等速にすることは不可能であり、つまり、現実的には多少の速度差をもってしまう。その結果、上述の方法では、皺の発生を免れ得ず、ある程度の皺の発生を許容せざるを得ない。
【0007】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、単票状シートを連続シートに貼り付ける際の皺の発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための主たる発明は、
単票状シートを所定の貼り付けピッチで連続シートに貼り付けることにより、吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する方法であって、
周回軌道を移動する複数の保持部に、前記単票状シートを、順次、面接触状態で保持させることと、
前記周回軌道に設定された引き渡し位置を前記保持部が通過する際に、前記保持部から前記単票状シートを離脱させて、前記引き渡し位置の近傍位置を走行する前記連続シートに貼り付けて引き渡すことと、を有し、
前記引き渡すことにおいては、前記単票状シートを保持するための保持力が弱められるとともに、前記単票状シートを前記連続シートの方へ吸引する吸引力が、前記連続シート越しに作用することにより、前記単票状シートが、前記保持部と前記連続シートとに挟圧されること無く、前記連続シートに貼り付けられ、
前記保持部は、保持面と、前記保持面に形成された複数の吸気孔と、前記保持部の内部に形成されて全ての前記複数の通気孔と連通する空気流路を備え、
複数の前記保持部は、前記周回軌道に沿って整列されており、整列ピッチを当該周回軌道の各位置に応じて変更しながら周回し、
前記保持部が前記引き渡し位置に到達すると、前記保持部の前記空気流路が、正圧室に連通して、前記単票状シートを保持していた全ての前記複数の吸気孔から空気が前記単票状シートへ向けて一斉に噴射され、一斉に噴射された空気が、前記単票状シートを前記連続シートの方へ押し出すように作用して、前記単票状シートが前記連続シートへ飛び移ることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法である。
【0009】
また、
単票状シートを所定の貼り付けピッチで連続シートに貼り付けることにより、吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する装置であって、
前記単票状シートを面接触状態で保持しながら周回軌道を移動する保持部と、
前記周回軌道に設定された引き渡し位置の近傍位置を前記連続シートに走行させる走行機構と、
前記引き渡し位置を前記保持部が通過する際に、前記保持部から前記単票状シートを離脱させるべく、前記保持部の前記単票状シートを保持するための保持力を弱める保持力調整機構と、
少なくとも前記近傍位置に設けられる吸引機構であって、前記連続シートの方へ吸引する吸引力を前記連続シート越しに前記単票状シートに作用させることにより、前記単票状シートを前記保持部と前記連続シートとで挟圧すること無く、前記単票状シートを前記連続シートに貼り付ける前記吸引機構と、を有し、
前記保持部は、保持面と、前記保持面に形成された複数の吸気孔と、前記保持部の内部に形成されて全ての前記複数の通気孔と連通する空気流路を備え、
複数の前記保持部は、前記周回軌道に沿って整列されており、整列ピッチを当該周回軌道の各位置に応じて変更しながら周回し、
前記保持部が前記引き渡し位置に到達すると、前記保持部の前記空気流路が、正圧室に連通して、前記単票状シートを保持していた全ての前記複数の通気孔から空気が前記単票状シートへ向けて一斉に噴射され、一斉に噴射された空気が、前記単票状シートを前記連続シートの方へ押し出すように作用して、前記単票状シートが前記連続シートへ飛び移ることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造装置である。
【0010】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、単票状シートを連続シートに貼り付ける際の皺の発生を抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来の製造方法の説明図である。
図2】第1実施形態に係る連続シート8aの複合体8bの製造装置10の概略側面図である。
図3】製造装置10の引き渡し位置Poutの拡大側面図である。
図4】第2実施形態に係る連続シート8aの複合体8bの製造装置10aの概略側面図である。
図5図5Aは、吸収性物品の一例としての使い捨ておむつ1の展開状態の平面図であり、図5Bは、図5A中のB−B断面図である。
図6】使い捨ておむつ1の製造ラインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0014】
単票状シートを所定の貼り付けピッチで連続シートに貼り付けることにより、吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する方法であって、
周回軌道を移動する保持部に前記単票状シートを面接触状態で保持させることと、
前記周回軌道に設定された引き渡し位置を前記保持部が通過する際に、前記保持部から前記単票状シートを離脱させて、前記引き渡し位置の近傍位置を走行する前記連続シートに貼り付けて引き渡すことと、を有し、
前記引き渡すことにおいては、前記単票状シートを保持するための保持力が弱められるとともに、前記単票状シートを前記連続シートの方へ吸引する吸引力が、前記連続シート越しに作用することにより、前記単票状シートが、前記保持部と前記連続シートとに挟圧されること無く、前記連続シートに貼り付けられることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
【0015】
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法によれば、単票状シートが引き渡し位置を通過する際に、単票状シートは、保持部と連続シートとによる挟圧状態を経ずに、連続シートに貼り付けられる。よって、単票状シートが連続シートに貼り付く瞬間には、保持部に略拘束されることは無く、もって、単票状シートは、連続シートへの貼り付き時の状況に応じて自由に状態を変化させ易い等、貼り付けられるべき連続シートに馴染み易い状態にある。従って、保持部の周回速度と連続シートの走行速度との間の速度差に起因した単票状シートや連続シートの皺は有効に抑制される。
【0016】
かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記連続シートの走行経路において前記近傍位置よりも下流側の位置には、外周面を互いに対向させて回転する一対のプレスロールが配置されており、
前記連続シートが前記プレスロール同士の間のロール間隙を通過する際に、前記プレスロールの外周面によって、前記連続シートは、前記単票状シートが重なった状態で重なり方向に押圧されるのが望ましい。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法によれば、単票状シートが連続シートに重なって貼り付けられた後に、単票状シートが重なった状態で連続シートをプレスロールによって押圧するので、単票状シートを連続シートに強固に貼り付けることができる。
【0017】
かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記引き渡し位置における前記保持部と前記連続シートとの間の間隔の大きさは、前記単票状シートの最大厚みの1.0倍を超えて3.0倍未満の大きさに設定されているのが望ましい。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法によれば、前記間隔の大きさを単票状シートの厚みよりも確実に広くすることができるので、引き渡し位置において、確実に単票状シートを保持部と連続シートとで挟圧せずに、連続シートへ貼り付けることができる。
【0018】
かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記近傍位置には、前記引き渡し位置を通過する前記保持部から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
前記連続シートの通気性は前記単票状シートの通気性よりも高いのが望ましい。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法によれば、吸気機構の吸気を、連続シート越しに単票状シートに有効に作用させることができて、これにより、単票状シートは連続シートの方へ速やかに吸い寄せられることになる。よって、単票状シートを連続シートへと円滑に移らせることができる。
【0019】
かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
前記近傍位置には、前記引き渡し位置を通過する前記保持部から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
前記連続シートの走行速度の増減に応じて、前記吸気機構の吸気量を増減するのが望ましい。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法によれば、連続シートの走行速度が変動した際の単票状シートの貼り付けピッチの変動を抑制することができる。
【0020】
かかる製造方法で製造された複合体を用いた吸収性物品の製造方法であって、
前記吸収性物品は、
液体を吸収する吸収体を備え、着用者の股間にあてがわれる吸収性本体と、
前記吸収性本体の幅方向の両端部に貼り付けられる一対のサイドシートと、
前記吸収性本体の幅方向の端縁から前記幅方向の外方に突出するように前記サイドシートに貼り付けられたサイドフラップと、を有し、
前記連続シートは、前記サイドシートに分断前の前記サイドシートの基材であり、
前記単票状シートは、前記サイドフラップであり、
前記吸収性本体は、前記吸収体を覆う表面シートを有し、
前記複合体を製造した後に、前記複合体を前記表面シートの連続シートに貼り付けることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
このような吸収性物品の製造方法によれば、サイドシートへの貼り付け時のサイドフラップの皺が低減された好適な吸収性物品を製造可能となる。
【0021】
また、
単票状シートを所定の貼り付けピッチで連続シートに貼り付けることにより、吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する装置であって、
前記単票状シートを面接触状態で保持しながら周回軌道を移動する保持部と、
前記周回軌道に設定された引き渡し位置の近傍位置を前記連続シートに走行させる走行機構と、
前記引き渡し位置を前記保持部が通過する際に、前記保持部から前記単票状シートを離脱させるべく、前記保持部の前記単票状シートを保持するための保持力を弱める保持力調整機構と、
少なくとも前記近傍位置に設けられる吸引機構であって、前記連続シートの方へ吸引する吸引力を前記連続シート越しに前記単票状シートに作用させることにより、前記単票状シートが、前記保持部と前記連続シートとに挟圧されること無く、前記連続シートに貼り付けられることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造装置。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造装置によれば、単票状シートが引き渡し位置を通過する際に、単票状シートは、保持部と連続シートとによる挟圧状態を経ずに、連続シートに貼り付けられる。よって、単票状シートが連続シートに貼り付く際には、保持部に拘束されることは無く、もって、単票用シートは、連続シートへの貼り付き時の状況に応じて自由に状態を変化させ易い等、貼り付けられるべき連続シートに馴染み易い状態にある。従って、保持部の周回速度と連続シートの走行速度との間の速度差に起因した単票状シートや連続シートの皺は有効に抑制される。
【0022】
===第1実施形態===
図2は、第1実施形態に係る連続シート8aの複合体8bの製造装置10の概略側面図であり、同図2中では、保持パッド32や無端ベルト52等の一部の構成を縦断面視で示している。また、以下では、請求項に係る「連続シート」としての第2連続シート8aの幅方向のことをCD方向とも言う。なお、このCD方向は、第2連続シート8aの連続方向たる走行方向と直交しており、図2中では、その紙面を貫通する方向を向いている。また、CD方向と直交する方向のことをMD方向とも言う。つまり、このMD方向とは、図2中の紙面と平行な任意の方向のことであり、更に換言すると、図2中に示すような互いに直交する上下方向と前後方向とで規定される任意の方向のことである。
【0023】
この製造装置10は、(1)MD方向に連続して供給される不織布等の第1連続シート7aから、その先端側部分を分断することにより所定長さの単票状シート7を生成するカッター装置20と、(2)カッター装置20から受け取った単票状シート7を、MD方向に連続して走行する不織布等の第2連続シート8aに所定の貼り付けピッチP7で貼り付けることにより、連続シート8aの複合体8bを生成する貼り付け装置30と、を有している。
【0024】
この例では、第1連続シート7aとして不織布又は不織布と伸縮材(フィルム、糸など)との複合材料が使用されており、その坪量は、20〜110(g/m)であり、厚みは、0.2〜3.0(mm)である。また、第2連続シート8aも不織布であり、その坪量は、15〜50(g/m)であり、厚みは、0.1〜2.0(mm)である。
【0025】
カッター装置20は、例えば、回転軸C20がCD方向を向いた上下一対のロール21,23を有する。上ロール21は、外周面から突出したカッター刃21cを具備したカッターロール21であり、下ロール23は、カッター刃21cを受けるべく外周面23sが平滑なアンビルロール23である。そして、これらロール21,23は所定の周速V20で互いに逆回りに駆動回転するとともに、これらロール21,23同士の間のロール間隙には、単票状シート7の基材となる上記第1連続シート7aが供給され、当該第1連続シート7aはアンビルロール23の外周面23sからの吸気により同外周面23sに吸着保持されて外周面23sと一体になって搬送される。そして、この搬送中にカッターロール21の回転によってカッター刃21cがアンビルロール23の外周面23sと対向した際に、第1連続シート7aの先端側部分が切り離されて単票状シート7が生成されるが、この生成された単票状シート7は、アンビルロール23の吸気によって外周面23sに吸着保持された状態のまま、貼り付け装置30と対向する位置P30まで搬送され、当該位置P30にて貼り付け装置30に引き渡される。
【0026】
ちなみに、アンビルロール23の周速V20(m/sec)と第1連続シート7aの供給速度V7a(m/sec)とは、互いに略等しく設定されており、これにより、第1連続シート7aはアンビルロール23の外周面23sに概ね相対滑りをすること無く保持され、その結果、同外周面23s上おいて前後に隣り合う単票状シート7,7同士の間の分断部位B1には隙間がほぼ空かないようになっている。
【0027】
貼り付け装置30は、単票状シート7を保持する複数の保持パッド32,32…(保持部に相当)を有する。これら保持パッド32は、所定の周回軌道Trを一列の整列状態を維持しつつ一方向(図2では時計回り)に周回する。この周回軌道Trの形状は、CD方向を向いた周回軸C30を円心とする正円形状に設定されている。
【0028】
ここで、各保持パッド32は、周回軌道Trに沿った形状の略円弧面32sを、周回半径方向Drの外方に向けた状態で有している。これにより、当該略円弧面32sを保持面32sとして、カッター装置20から送られる単票状シート7を面接触状態で一枚ずつ保持する。すなわち、周回軌道Trの各位置のうちで、上記アンビルロール23の外周面23sと対向する上端位置には、単票状シート7を受け取る受け取り位置Pinが設定されており、当該受け取り位置Pinを保持パッド32が通過する際に、アンビルロール23から単票状シート7を保持面32sにて面接触状態で受け取る。
【0029】
また、同周回軌道Trの下端位置には、保持パッド32が保持する単票状シート7を第2連続シート8aへ引き渡す引き渡し位置Poutが設定されている。すなわち、第2連続シート8aの走行経路は、引き渡し位置Poutの近傍位置Pnを通る経路であって、周回軌道Trの引き渡し位置Poutでの接線方向と平行な経路に設定されている。よって、保持パッド32が引き渡し位置Poutを通過する際には、予め第2連続シート8aに塗布された接着剤(不図示)の作用も手伝って、保持パッド32の単票状シート7が第2連続シート8aへ貼り付けられて引き渡される。
【0030】
なお、保持パッド32の保持面32sに単票状シート7を保持するための保持力は、保持力付与機構33により付与されるが、これについては後述する。また、第2連続シート8aの走行経路は、サクションベルトコンベア50によって形成されているが、これについても後述する。
【0031】
図2に示すように、保持パッド32、32…の周回方向Dcの整列ピッチは、周回方向Dcの各位置に対応付けて予め定められている。例えば、受け取り位置Pinでは、周回方向Dcの前後に隣り合う保持パッド32,32同士の間隔が略詰まった状態で保持パッド32は周回するが、引き渡し位置Poutでは、同間隔が大きく広がった状態で周回するように構成されている。
【0032】
これにより、受け取り位置Pinでは、各保持パッド32は、それぞれ受け取るべき単票状シート7を、その隣りの単票状シート7との間に略隙間の無い状態で受け取り可能としながらも、引き渡し位置Poutでは、単票状シート7を、その隣りの単票状シート7との間に大きな間隔を有した間欠配置で第2連続シート8aに引き渡し可能となっている。なお、この引き渡し位置Poutでの保持パッド32,32同士の間隔の大きさは、第2連続シート8aに貼り付けるべき単票状シート7の前記貼り付けピッチP7に対応して設定される。
【0033】
また、受け取り位置Pinでの保持パッド32の周回速度V32(m/sec)は、カッター装置20のアンビルロール23の周速V20と略同じ速度に設定されている。すなわち、同位置Pinでの保持パッド32の周回速度V32は、アンビルロール23の周速V20の±10%の範囲に収まるように制御されている。これにより、概ね皺の無い状態で、保持パッド32の保持面32sに単票状シート7が保持される。
【0034】
同様に、引き渡し位置Poutでの保持パッド32の周回速度V32は、第2連続シート8aの走行速度V8a(m/sec)と略同じ速度に設定されている。すなわち、同位置Poutでの保持パッド32の周回速度V32は、第2連続シート8aの走行速度V8aの±5%の範囲に収まるように制御されている。そして、これにより、引き渡し位置Poutでの単票状シート7等の皺の発生を抑制している。ちなみに、第2連続シート8aの走行速度V8aは、アンビルロール23の周速V20よりも速い速度に設定されており、これにより、上述のような間欠配置の貼り付けピッチP7で単票状シート7は第2連続シート8aに貼り付けられる。
【0035】
このように保持パッド32の整列ピッチや周回速度V32を周回方向Dcの各位置に応じて変更しながら同保持パッド32を周回するということは、周知の機構により実現される。例えば、かかる機構は、CD方向に沿った前記周回軸C30周りに駆動回転する回転ドラム31と、回転ドラム31に対して各保持パッド32を回転ドラム31の周方向の所定範囲に亘って往復移動するカム機構等の駆動機構(不図示)と、を有している。そして、回転ドラム31の回転動作に上記の往復移動動作が合成されることにより、保持パッド32は、上述の整列ピッチや周回速度V32を変更しながら周回する。
【0036】
ところで、この第1実施形態では、第2連続シート8aに単票状シート7を貼り付ける際に生じ得る皺を抑制すべく所定の工夫がなされており、以下では、この工夫について説明する。
【0037】
先ず、皺抑制の基本的な考え方から説明する。基本的に皺は、引き渡し位置Poutでの保持パッド32の周回速度V32と第2連続シート8aの走行速度V8aとの間で速度差を有し、且つ、引き渡し位置Poutにおいて単票状シート7が、保持パッド32と第2連続シート8aとにより挟圧状態にある場合に生じ易い。
【0038】
ここで、前者の速度差については、互いの速度の同期を取ることにより縮小することは可能であり、それ故、この例では、既述したように保持パッド32の周回速度V32を第2連続シート8aの走行速度V8aの±5%の範囲に収めるようにしている。しかし、この速度差を完全に無くすことはできない。つまり、保持パッド32の周回速度V32と第2連続シート8aの走行速度V8aとを完全な等速にすることは不可能である。
【0039】
そこで、この第1実施形態では、後者の引き渡し位置Poutでの挟圧状態を無くすことにより、皺の抑制を図っている。
【0040】
具体的に言うと、図3の引き渡し位置Poutの拡大図に示すように、当該引き渡し位置Poutでの保持パッド32の保持面32sと第2連続シート8aとの間の間隔δを、単票状シート7の最大厚みtの1.0倍を超えて3.0倍未満の大きさに設定しており(より望ましくは、前記間隔δを、単票状シート7の最大厚みtの1.0倍を超えて2.0倍未満の大きさに設定しており)、また、引き渡し位置Poutにおいて、保持面32sの単票状シート7を第2連続シート8aの方へ吸引するようにしている。
【0041】
そして、これにより、引き渡し位置Poutを通過する際に単票状シート7は、何等保持面32sと第2連続シートとの間で挟圧されずに、保持面32sから第2連続シート8aへと略飛び移り、結果、皺を有効に抑制しながら単票状シート7と第2連続シート8aとは貼り合わせられることとなる。
【0042】
より詳しくは、単票状シート7が第2連続シート8aに貼り付く瞬間には、単票状シート7は保持パッド32とは略非接触状態になっているので、何等保持パッド32に拘束されることは無く、もって、単票状シート7は、第2連続シート8aへの貼り付き状況に応じて自由に状態を変化させ易い等、第2連続シート8aに馴染み易い状態にある。従って、仮に保持パッド32の周回速度V32と第2連続シート8aの走行速度V8aとの間に速度差が有ったとしても、当該速度差に起因した単票状シート7や第2連続シート8aの皺は有効に抑制される。
【0043】
なお、上述の「最大厚みt」とは、単票状シート7が外力を受けていない自然状態下における厚みの最大値のことである。また、引き渡し位置Poutにおける保持パッド32の保持面32sと第2連続シート8aとの間の間隔δの測定については、後述するサクションベルトコンベア50を吸気状態にすることにより第2連続シート8aを同コンベア50の無端ベルトに吸着しながら行うのが望ましいが、場合によっては、非吸着状態で測定しても良い。
【0044】
この略飛び移らせるための機構(吸引機構、吸気機構に相当)としては、この例では、第2連続シート8aの走行経路を形成するサクションベルトコンベア50を利用しており、かかるサクションベルトコンベア50は、引き渡し位置Poutの近傍位置PnをMD方向に跨いで配置されている。
【0045】
詳しくは、サクションベルトコンベア50(走行機構に相当)は、略三角形状の周回軌道Tr50を走行する無端ベルト52を有し、この無端ベルト52の載置面には、その略全面に亘って複数の吸気孔54,54…が千鳥配置や格子配置等の略均等分布で形成されている。そして、これら吸気孔54,54…からの吸気によって第2連続シート8aを前記載置面に一体に吸着する。
【0046】
ここで、略三角形状の周回軌道Tr50の一辺は、保持パッド32の周回軌道Trの引き渡し位置Poutでの接線方向と平行な方向に沿って配置されており、また、前記一辺の略全長に亘って、吸気孔54,54…からの吸気が継続して行われる。よって、第2連続シート8aは、無端ベルト52と一体となって上記周回軌道Trの引き渡し位置Poutでの接線方向と平行な方向に沿った直線路を走行する。
【0047】
また、上述のように、前記一辺の全長に亘って、吸気孔54からの吸気が行われるので、保持パッド32が引き渡し位置Poutを通過する際には、上記吸気が第2連続シート8a越しに、保持パッド32の単票状シート7にも作用する。そして、この吸気の吸引力Fによって、単票状シート7の全体が略一斉に第2連続シート8aの方へと引き寄せられて略飛翔し、第2連続シート8aに接合されることとなる。
【0048】
なお、ここで上述のように、略飛翔時の吸引力Fは、サクションベルトコンベア50の吸気が第2連続シート8a越しに単票状シート7に作用して生じるものであるので、第2連続シート8aは、その厚み方向に或る程度の通気性を有していることが必要である。更に、この通気性に関して望ましくは、第2連続シート8aの通気性が単票状シート7のそれよりも高いと良く、このようになっていれば、サクションベルトコンベア50の吸気が、第2連続シート8a越しに単票状シート7に有効に作用し、これにより、単票状シート7を第2連続シート8aへと、より速やかに飛び移らせることができるようになる。ちなみに、この通気性は、一般に通気度(cc/(cm×sec))とも言われ、これは、例えばJISL1096通気性A法(フラジール形法)等により測定される。
【0049】
また、この飛び移りをより確実なものとすべく、この例では、保持パッド32の保持面32sに生じる保持力を、引き渡し位置Poutにおいて弱めることもしている。詳しくは、図2に示すように、保持パッド32の保持面32sには、周回軌道Trにおける受け取り位置Pinから引き渡し位置Poutの直前までの範囲に亘って、単票状シート7を保持すべく保持力が付与されているが、この保持力は、保持パッド32が引き渡し位置Poutに到達する際には、その保持面32sのほぼ全面に亘り一斉に解除されて、つまりゼロにされる。これにより、単票状シート7の保持面32sからの離脱が円滑に行われ、飛び移りがスムーズに行われる。
【0050】
かかる保持力の付与及び付与の解除は、保持力付与機構33(保持力調整機構に相当)により行われる。保持力付与機構33は、各保持パッド32の保持面32sに形成された複数の吸気孔33h,33h…と、各保持パッド32の内部に形成されて前記吸気孔33h,33h…と連通する空気流路33pと、保持パッド32が周回軌道Tr上の所定範囲に位置する際に、当該保持パッド32の前記空気流路33pが連通するように配された負圧室33rn(保持面32sの周囲の気圧よりも低い気圧の室33rn)と、を有する。
【0051】
そして、負圧室33rnに係る上記所定範囲は、受け取り位置Pinから引き渡し位置Poutの直前までの範囲に設定されており、もって、引き渡し位置Poutは、上記所定範囲から外されている。これにより、保持パッド32が引き渡し位置Poutを通過する際には、その保持面32sの全吸気孔33h,33h…からの吸気がほぼ一斉に停止され、保持力は保持面32sの略全面に亘ってゼロとなる。なお、この保持力がゼロの状態は、保持パッド32が再び受け取り位置Pinに到達する略直前まで継続される。すなわち、受け取り位置Pinに到達したら、保持パッド32の空気流路33pが負圧室33rnに連通するので、これにより、その保持面32sの全吸気孔33h,33h…は、中断されていた吸気を略一斉に再開する。
【0052】
ここで望ましくは、図2に示すように、保持パッド32が引き渡し位置Poutに到達したら、その空気流路33pが、正圧室33rp(保持面32sの周囲の気圧よりも高い気圧の室33rp)に連通するように構成されていると良い。そして、このように構成されていれば、引き渡し位置Poutを通過する際に、保持面32sの全吸気孔33h,33h…からほぼ一斉に空気が単票状シート7へ向けて周回半径方向Drの外方へ噴射される。よって、当該噴射空気により、単票状シート7の保持面32sからの離脱がより円滑になされるようになる。また、同噴射空気が、単票状シート7を第2連続シート8aの方へ押し出すようにも作用するので、単票状シート7の略飛び移りがよりスムーズになる。
【0053】
また、望ましくは、図2に示すように、第2連続シート8aの走行経路において、引き渡し位置Poutの近傍位置Pnよりも下流側の位置に、上下一対のプレスロール60,60が配置されていると良い。これらプレスロール60,60は、どちらもCD方向に沿った回転軸C60回りに、第2連続シート8aの走行方向に沿って駆動回転するロールであり、互いの外周面を対向して配置されている。そして、このような構成によれば、第2連続シート8aがプレスロール60,60同士の間のロール間隙を通過する際に、プレスロール60,60の外周面によって第2連続シート8aは、単票状シート7が重なった状態で重なり方向に押圧されることになる。よって、単票状シート7を連続シート8aに強固に貼り付け可能となる。
【0054】
また、サクションベルトコンベア50の吸気孔54の吸気量を、第2連続シート8aの走行速度V8aの増減に応じて増減変更しても良い。このようにすれば、第2連続シート8aの走行速度V8aの加減速時に起こり得る単票状シート7の貼り付けピッチP7のばらつきを抑制可能となる。詳しくは次の通りである。
【0055】
例えば、吸気量が一定の場合には、単票状シート7が保持パッド32から離脱して第2連続シートに着地するまでの飛翔時間は、常に一定である。一方、第2連続シート8aの走行速度V8aが速い場合には、同速度V8aが遅い場合よりも第2連続シート8aが走行方向により多く進んでしまう。このため、第2連続シート8aの走行速度V8aの加速時には、貼り付けピッチP7が狭くなってしまい、逆に減速時には、貼り付けピッチP7が広くなってしまう。つまり、貼り付けピッチP7がばらついてしまう虞がある。
この点につき、走行速度V8aの増減に応じて(例えば連動させて)吸気孔54の単位時間当たりの吸気量を増減すれば、走行速度V8aが速い場合には単票状シート7の飛翔時間を短くし、遅い場合には飛翔時間を長くすることが可能なので、単票状シート7の貼り付け位置の目標位置からのずれを抑制できて、その結果、貼り付けピッチP7のばらつきを軽減可能となるのである。
このような吸気量の増減制御は、コンピュータやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等の制御部により実現可能である。例えば、吸気孔54からの吸気をブロワのファンでより行っている場合には、制御部のプロセッサがメモリから読み出したプログラムに基づいて、ファンの回転数(rpm)を走行速度V8aに連動させて(例えば比例して)増減することにより、上記吸気量の増減制御を行う。
【0056】
===第2実施形態===
図4は、第2実施形態に係る連続シート8aの複合体8bの製造装置10aの概略側面図である。
【0057】
上述の第1実施形態では、保持部としての保持パッド32が周回軌道Trを周回する構成を例示したが、この第2実施形態では、保持部がロール70(以下、トランスファーロール70とも言う)の外周面70sである点と、保持部の周回軌道Trが前記外周面70sに沿って周方向に形成されている点とで主に相違する。
【0058】
すなわち、このトランスファーロール70の平滑な外周面70sは、その全周に亘って複数の吸気孔(不図示)を有し、これら吸気孔からの吸気によって単票状シート7を面接触状態で吸着保持可能に構成されている。そして、トランスファーロール70の周方向の所定位置を受け取り位置Pinとして、カッター装置20から送られる単票状シート7を外周面70sで、駆動回転しながら受け取って保持し、保持した単票状シート7を、同駆動回転により、周方向の引き渡し位置Poutまで搬送する。そして、引き渡し位置Poutの近傍位置Pnを走行する第2連続シート8aに単票状シート7を貼り付けて引き渡す。
【0059】
なお、この引き渡しの際には、前述の第1実施形態の場合と同様に、保持部たる外周面70sと第2連続シート8aとで単票状シート7が挟圧される状態を経ずに、当該単票状シート7が第2連続シート8aに貼り付けられるように構成されており、これにより、引き渡し時の皺の発生が抑制される。
【0060】
以下、かかる第2実施形態の製造装置10aについて詳説する。
図4に示すように、カッター装置20は、概ね前述の第1実施形態の場合と同構造である。また、第2連続シート8aを走行させる走行機構にあっても、同機構としてサクションベルトコンベア50が使用されており、この点も第1実施形態と同じである。よって、これらについては、必要に応じて説明することにする。
【0061】
カッター装置20とサクションベルトコンベア50との間には、上記トランスファーロール70が介装されている。このトランスファーロール70は、CD方向を向いた回転軸C70周りに所定の周速V70で駆動回転する。この周速V70は、カッター装置20のアンビルロール23の周速V20よりも速い速度であって、且つ第2連続シート8aの走行速度V8aと略同じ速度に設定されており、また、アンビルロール23の周速V20は、単票状シート7の基材たる第1連続シート7aの供給速度V7aと概ね同じ速度に設定されている。
【0062】
よって、カッターロール21のカッター刃21cにより、第1連続シート7aの先端側部分が分断されて生成された単票状シート7は、先ず、アンビルロール23の外周面23sに一体に吸着保持されながらアンビルロール23の駆動回転によって搬送される。そして、トランスファーロール70と対向する位置たるトランスファーロール70の受け取り位置Pinに到達すると、アンビルロール23の外周面23sにおいて同受け取り位置Pinを通過する部分の吸着が順次停止されるので、単票状シート7のうちで同位置Pinを通過した部分は、順次トランスファーロール70の外周面70sに乗り移って同外周面70sに吸着保持される。
【0063】
但し、この時には、単票状シート7の大半の部分は、未だアンビルロール23の外周面23s上に保持されているので、外周面23sの吸着力は全体としてアンビルロール23の方がトランスファーロール70よりも大きく、これにより暫くは、単票状シート7は、トランスファーロール70の外周面70sに対して遅れる方向に相対滑りをしながら、アンビルロール23の周速V20でトランスファーロール70の外周面70sに沿って移動する。一方、この時、この単票状シート7よりも先行の単票状シート7にあっては、同図4に示すようにその全長がトランスファーロール70の外周面70sに吸着保持されているので、トランスファーロール70の周速V70で移動している。よって、これら単票状シート7,7同士の間の間隔B2は徐々に広がり、最終的には当該間隔B2が前記貼り付けピッチP7に対応した間隔まで広がった後に、単票状シート7は第2連続シート8aに間欠配置で貼り付けられることになる。
【0064】
ところで、引き渡し位置Poutでは単票状シート7が挟圧されること無くトランスファーロール70から第2連続シート8aへと移る旨を前述したが、このように動作させるべく、この第2実施形態の引き渡し位置Poutに対しても、第1実施形態と同様の工夫がなされている。
【0065】
すなわち、図4に示すように、引き渡し位置Poutにおけるトランスファーロール70の外周面70sと第2連続シート8aとの間の間隔δは、単票状シート7の最大厚みtの1.0倍を超えて3.0倍未満の大きさに設定されており(より望ましくは、前記間隔δは、単票状シート7の最大厚みtの1.0倍を超えて2.0倍未満の大きさに設定されており)、また、引き渡し位置Poutを通過する単票状シート7には、第2連続シート8a越しにサクションベルトコンベア50の吸気が作用するようになっている。よって、この吸気の吸引力により、単票状シート7はトランスファーロール70の外周面70sから第2連続シート8aへと移り、結果、皺抑制可能な非挟圧状態で単票状シート7と第2連続シート8aとは貼り合わせられる。
【0066】
なお、ここで望ましくは、第1実施形態の場合と同様に、トランスファーロール70の外周面70sの吸気による吸着力を、引き渡し位置Poutにおいて弱めると良い。詳しくは、周方向において受け取り位置Pinから引き渡し位置Poutの直前までの範囲を移動する吸気孔にあっては、吸気を行って外周面70sに吸着力を付与するが、引き渡し位置Poutを通過中及び通過した吸気孔については、順次吸気を停止して吸着力をゼロにすると良い。そして、このようになっていれば、引き渡し位置Poutでの外周面70sからの単票状シート7の離脱が円滑に行われ、第2連続シート8aへの移りがスムーズになされるようになる。なお、かかる吸気は、吸気孔が受け取り位置Pinを通過する際に再開されるのは言うまでもない。
【0067】
また、より望ましくは、図4に示すように、吸気孔が引き渡し位置Poutを通過する際に、吸気を停止するだけでなく、同吸気孔から空気を、単票状シート7へ向けて周回半径方向Drの外方へ噴射すると良い。そして、このようにすれば、当該噴射空気によって、トランスファーロール70の外周面70sからの単票状シート7の離脱がより円滑になされるとともに、更には、同噴射空気が、単票状シート7を第2連続シート8aの方へ押し出すようにも作用するので、単票状シート7の移りがよりスムーズになる。
【0068】
===吸収性物品1の製造方法への適用例===
上述の第1及び第2実施形態の製造装置10,10aにより製造された連続シート8aの複合体8bは、吸収性物品1の部品として使用される。以下、吸収性物品1が使い捨ておむつ1の場合を例に、この連続シート8aの複合体8bを用いて吸収性物品1が製造される過程について説明する。
【0069】
図5Aは使い捨ておむつ1の展開状態の平面図であり、図5Bは、図5A中のB−B断面図である。
この使い捨ておむつ1は、着用者の股間にあてがわれる吸収性本体2を有している。吸収性本体2は、パルプ繊維などの液体吸収性繊維を成形してなる吸収体3と、吸収体3を着用者の肌側たる表面側から覆う液透過性の表面シート4と、同吸収体3を裏面側から覆う液不透過性の裏面シート5とを有し、その平面形状は、長手方向と幅方向とを有している。そして、かかる吸収性本体2の幅方向の各端部には、それぞれ不織布製のサイドシート8,8が表面シート4側から貼り付けられており、更に各サイドシート8には、吸収性本体2の幅方向の端縁から外方に突出するように不織布製のサイドフラップ7が貼り付けられている。
【0070】
ここで、各サイドフラップ7は、吸収性本体2の長手方向の少なくとも一端部に位置して設けられている。そして、これらサイドフラップ7,7が、面ファスナー等の不図示の止着部材を介して吸収性本体2の長手方向の他端部に止着されると、これにより、胴周り開口部と一対の脚周り開口部とが形成されて、使い捨ておむつ1は、着用者に着用可能な状態となる。
なお、場合によっては、図5Aに示すように、サイドシート8の幅方向の内側の端縁に対して、同端縁に沿った糸ゴム9等の弾性部材が伸長下で固定されていても良く、その場合には、サイドシート8の端縁は、使い捨ておむつ1の着用時に吸収性本体2から起立して、立体ギャザーとして機能する。
【0071】
そして、このような使い捨ておむつ1の各種部品のなかで、上記のサイドフラップ7が付属状態のサイドシート8の部分が、上述の製造装置10(10a)により製造される。つまり、当該部分が、図2図4)の連続シート8aの複合体8bに相当する。更に詳しく言えば、上述の第2連続シート8aが、おむつ1の製品単位に分断前のサイドシート8の基材8a(以下、サイドシート基材8aとも言う)に相当し、単票状シート7がサイドフラップ7に相当する。
【0072】
よって、図2図4)に示すように、上述の製造装置10(10a)には、第1連続シート7aとしてサイドフラップ7の基材7aがMD方向に沿った連続状態で供給され、また、第2連続シート8aとしてサイドシート基材8aがMD方向に沿った連続状態で供給される。そして、この製造装置10(10a)は、サイドシート基材8aにサイドフラップ7がMD方向に貼り付けピッチP7で貼り付けて、サイドシート基材8aの複合体8bを製造する。
【0073】
かかるサイドシート基材8aの複合体8bは、おむつ1の製造ラインにおいて、CD方向に並んで一対製造される。そうしたら、これら一対の各複合体8b,8bは、MD方向に沿って搬送される間に、図6の製造ラインの概略側面図に示すように、表面シート4の基材をなす連続シート4aの幅方向の各端部にそれぞれ貼り付けられる。そして、この複合体8bが貼り付けられた表面シート4の連続シート4bは、MD方向に沿って搬送されるが、この搬送中に、吸収体3が製品ピッチで載置された裏面シート5の連続シート5aに一体に貼り合わされ、しかる後に、製品ピッチに分断されて使い捨ておむつ1が製造される。
【0074】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形が可能である。
【0075】
上述の実施形態では、引き渡し位置Poutにて保持パッド32の保持力(吸着力)を弱めることの一例として、保持力をゼロにする場合を示したが、ゼロにしなくても良い。すなわち、受け取り位置Pinから引き渡し位置Poutまでの範囲で保持面32sに付与される保持力の大きさよりも、引き渡し位置Poutでの保持力の大きさの方が下がっていれば、それに相応した分だけ保持面32sからの単票状シート7の離脱性が向上するので、保持力をゼロにしなくても良い。
【0076】
上述の実施形態では、単票状シート7の基材7aとして不織布製の連続シート7aを示したが、その材種は何等不織布に限るものではなく、例えば、織布やフィルムでも良い。但し、引き渡し位置Poutでの吸引性の観点からは、その通気性は低い方が、単票状シート7に作用する吸引力が高くなるので、望ましい。
【0077】
上述の実施形態では、吸収性物品の一例として、使い捨ておむつ1を示したが、排泄液や体液を吸収する物品であれば、何等これに限るものではなく、例えば生理用ナプキンの製造ラインに対して、本実施形態の製造装置10,10aを適用しても良い。
【符号の説明】
【0078】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)、
2 吸収性本体、3 吸収体、
4 表面シート、4a 表面シートの連続シート、
5 裏面シート、5a 裏面シートの連続シート、
7 単票状シート(サイドフラップ)、
7a 第1連続シート(サイドフラップの基材)、
8 サイドシート、8a 第2連続シート(連続シート、サイドシートの基材)、
8b 連続シートの複合体、9 弾性部材、
10 製造装置、10a 製造装置、
20 カッター装置、21 カッターロール、21c カッター刃、
23 アンビルロール、23s 外周面、
30 貼り付け装置、31 回転ドラム、
32 保持パッド(保持部)、32s 保持面、
33 保持力付与機構(保持力調整機構)、
33h 吸気孔、33p 空気流路、33rn 負圧室、33rp 正圧室、
50 サクションベルトコンベア(吸引機構、吸気機構、走行機構)、
52 無端ベルト、54 吸気孔、
60 プレスロール、
70 トランスファーロール、70s 外周面(保持部)、
Pin 受け取り位置、Pout 引き渡し位置、Pn 近傍位置、P30 位置、
C20 回転軸、C30 周回軸、C60 回転軸、C70 回転軸、
Tr 周回軌道、Tr50 周回軌道、
図1
図2
図3
図4
図5
図6