特許第5839076号(P5839076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5839076照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5839076
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月6日
(54)【発明の名称】照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20151210BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20151210BHJP
【FI】
   G03F7/20 501
   G02B5/30
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-91352(P2014-91352)
(22)【出願日】2014年4月25日
(62)【分割の表示】特願2013-173480(P2013-173480)の分割
【原出願日】2010年6月19日
(65)【公開番号】特開2014-170955(P2014-170955A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2014年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100095256
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】重松 幸二
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/077849(WO,A1)
【文献】 特開2006−196913(JP,A)
【文献】 特開2006−005267(JP,A)
【文献】 特開2007−048996(JP,A)
【文献】 特開2010−123983(JP,A)
【文献】 特開2007−048871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明により被照射面を照明する照明光学系であって、
旋光性を有する光学材料で形成されて、該旋光性によって第1部分に入射する前記照明光と該第1部分とは異なる第2部分に入射する前記照明光との偏光方向を互いに異ならせる旋光部材と、
前記旋光部材の前記第1部分を通過した第1光束と前記第2部分を通過した第2光束とに位相差を与えて、位相差がつけられた前記第1および第2光束を射出する第1光学系と、
前記第1光学系からの前記第1および第2を前記被照射面に照射する第2光学系とを備え、
前記第1光学系からの前記第1および第2束の位相差は、前記第2光学系に起因する位相差を低減させる位相差であることを特徴とする照明光学系。
【請求項2】
前記旋光部材は、前記旋光性を有する前記光学材料の光学軸が前記照明光学系の光軸方向を向くように形成されることを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
【請求項3】
前記第1光学系は、波長板を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の照明光学系。
【請求項4】
前記第1光学系の前記波長板は、照明光路を横切る面に配置され、
前記第2光学系に照射される光は、前記波長板を通過することを特徴とする請求項3に記載の照明光学系。
【請求項5】
前記旋光部材は、所定の一方向を偏光方向とする直線偏光状態で前記旋光部材に入射される前記照明光のうち、前記第1光束と前記第2光束とが、前記光学軸の方向に関して前記光学材料中を互いに異なる長さで透過するように配置されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系
【請求項6】
所定のパターンを照明するための請求項1乃至5のいずれか1項に記載の照明光学系を備え、前記所定のパターンからの光で感光性基板を露光することを特徴とする露光装置。
【請求項7】
前記所定のパターンを介した光を前記感光性基板上に投影する投影光学系を備えていることを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
【請求項8】
前記第1光学系は、前記投影光学系によるリターデーションの影響を低減することを特徴とする請求項7に記載の露光装置
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、例えば半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に好適な照明光学系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳強度分布」という。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
【0003】
二次光源からの光は、コンデンサー光学系により集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。マスクに形成されたパターンは高度に微細化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
【0004】
近年、任意方向の微細パターンを忠実に転写するのに適した照明条件を実現するために、フライアイレンズの後側焦点面またはその近傍の照明瞳に輪帯状の二次光源(輪帯状の瞳強度分布)を形成し、この輪帯状の二次光源を通過する光束がその周方向を偏光方向とする直線偏光状態(以下、略して「周方向偏光状態」という)になるように設定する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/076045号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された従来技術では、例えば旋光性を有する偏光変換部材を用いて、その直後の照明瞳に所望の周方向偏光状態を生成している。しかしながら、偏光変換部材よりも下流側の光路中に配置された後続光学系によるリターデーションの影響により、感光性基板上では所要の周方向偏光状態で光が結像しなくなり、ひいてはマスクのパターン像を所要のコントラストで感光性基板上に形成することが困難である。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、偏光変換部材の後続光学系によるリターデーションの影響を小さく抑えて、所要の偏光状態の光で被照射面を照明することのできる照明光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、所要の偏光状態の光で被照射面のパターンを照明する照明光学系を用いて、パターンを感光性基板上に所要のコントラストで結像させることのできる露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、光源からの光を照明瞳に分布させ、該照明瞳を通過した光で被照射面を照明する照明光学系であって、
前記照明光学系の光路に配置されて、入射光の偏光状態を変換して、前記照明光学系の照明瞳に分布される光を所定の偏光状態にする偏光変換部材と、
前記偏光変換部材と前記被照射面との間に配置されて、前記照明瞳に分布される光のうちの第1方向に偏光した直線偏光を楕円偏光の光に変化させる後続光学系と、
前記照明光学系の光路に配置されて、前記第1方向と斜めに交差する第2方向に偏光した直線偏光の光の偏光状態を維持し、且つ前記楕円偏光に変化する偏光の楕円率を低減させるように、前記第1方向に偏光した直線偏光を楕円偏光に変換する位相変調部材と、
を備えることを特徴とする照明光学系を提供する。
【0009】
本発明の第2形態では、所定のパターンを照明するための第1形態または第2形態の照明光学系を備え、前記所定のパターンを感光性基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
【0010】
本発明の第3形態では、第2形態の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様にしたがう照明光学系では、偏光変換部材の直後に配置された位相変調部材が、斜め偏光の光を所要の楕円偏光の光に変換し、且つ縦偏光または横偏光の光をその偏光状態が維持されるように通過させる。位相変調部材により斜め偏光から楕円偏光に位相変調される光の偏光度は、その楕円偏光の光が後続光学系によるリターデーションの影響を受けた後に所要の斜め偏光の光に近づくように設定されている。
【0012】
その結果、本発明の照明光学系では、偏光変換部材の後続光学系によるリターデーションの影響を小さく抑えて、所要の偏光状態の光で被照射面を照明することができる。また、本発明の露光装置では、所要の偏光状態の光で被照射面のパターンを照明する照明光学系を用いて、パターンを感光性基板上に所要のコントラストで結像させることができ、ひいては良好なデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。
図2】アフォーカルレンズの瞳面に輪帯状の光強度分布が形成される様子を示す図である。
図3】本実施形態の偏光変換部材の構成を概略的に示す図である。
図4】水晶の旋光性について説明する図である。
図5】偏光変換部材の直後の照明瞳に形成されるほぼ連続的な周方向偏光状態で輪帯状の光強度分布を示す図である。
図6図5の光強度分布について従来技術の問題点を説明する図である。
図7】本実施形態の位相変調部材の構成を概略的に示す図である。
図8】本実施形態における位相変調部材の作用を説明する図である。
図9】偏光変換部材の直後の照明瞳に形成されるほぼ連続的な径方向偏光状態で輪帯状の光強度分布を示す図である。
図10図9の光強度分布について従来技術の問題点を説明する図である。
図11】偏光変換部材の直後の照明瞳に形成される周方向偏光状態で8極状の光強度分布を示す図である。
図12】偏光変換部材の直後の照明瞳に形成される径方向偏光状態で8極状の光強度分布を示す図である。
図13】偏光変換部材の直後の照明瞳に形成される周方向偏光状態でX字型4極状の光強度分布を示す図である。
図14】偏光変換部材の直後の照明瞳に形成される径方向偏光状態でX字型4極状の光強度分布を示す図である。
図15】半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
図16】液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの露光面(転写面)の法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの露光面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハWの露光面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
【0015】
図1を参照すると、本実施形態の露光装置では、光源LSから露光光(照明光)が供給される。光源LSとして、たとえば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源や248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。光源LSから射出された光束は、整形光学系1、偏光状態切換部2、および回折光学素子3を介して、アフォーカルレンズ4に入射する。整形光学系1は、光源LSからのほぼ平行な光束を所定の矩形状の断面を有する光束に変換して偏光状態切換部2へ導く機能を有する。
【0016】
偏光状態切換部2は、光源側から順に、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成されて入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換する1/4波長板2aと、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成されて入射する直線偏光の偏光方向を変化させる1/2波長板2bと、照明光路に対して挿脱自在なデポラライザ(非偏光化素子)2cとを備えている。偏光状態切換部2は、デポラライザ2cを照明光路から退避させた状態で、光源LSからの光を所望の偏光方向を有する直線偏光の光に変換して回折光学素子3へ入射させる機能を有し、デポラライザ2cを照明光路中に設定した状態で、光源LSからの光を実質的に非偏光の光に変換して回折光学素子3へ入射させる機能を有する。
【0017】
アフォーカルレンズ4は、その前側焦点位置と回折光学素子3の位置とがほぼ一致し且つその後側焦点位置と図中破線で示す所定面IPの位置とがほぼ一致するように設定されたアフォーカル系(無焦点光学系)である。回折光学素子3は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。以下、説明を簡単にするために、回折光学素子3は、輪帯照明用の回折光学素子であるものとする。
【0018】
輪帯照明用の回折光学素子3は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に輪帯状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、回折光学素子3に入射したほぼ平行光束は、図2に示すように、アフォーカルレンズ4の瞳面に輪帯状の光強度分布21を形成した後、輪帯状の角度分布でアフォーカルレンズ4から射出される。アフォーカルレンズ4の前側レンズ群4aと後側レンズ群4bとの間の光路中において、その瞳位置またはその近傍には、偏光変換部材5A、位相変調部材5Bおよび円錐アキシコン系6が配置されている。偏光変換部材5A、位相変調部材5Bおよび円錐アキシコン系6の構成および作用については後述する。
【0019】
アフォーカルレンズ4を介した光は、σ値(σ値=照明光学系のマスク側開口数/投影光学系のマスク側開口数)可変用のズームレンズ7を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)8に入射する。マイクロフライアイレンズ8は、例えば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であって、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。
【0020】
マイクロフライアイレンズを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロフライアイレンズは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。なお、マイクロフライアイレンズ8として、例えばシリンドリカルマイクロフライアイレンズを用いることもできる。シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号公報に開示されている。
【0021】
所定面IPの位置はズームレンズ7の前側焦点位置またはその近傍に配置され、マイクロフライアイレンズ8の入射面はズームレンズ7の後側焦点位置またはその近傍に配置されている。換言すると、ズームレンズ7は、所定面IPとマイクロフライアイレンズ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に配置し、ひいてはアフォーカルレンズ4の瞳面とマイクロフライアイレンズ8の入射面とを光学的にほぼ共役に配置している。
【0022】
したがって、マイクロフライアイレンズ8の入射面上には、アフォーカルレンズ4の瞳面と同様に、たとえば光軸AXを中心とした輪帯状の照野が形成される。この輪帯状の照野の全体形状は、ズームレンズ7の焦点距離に依存して相似的に変化する。マイクロフライアイレンズ8に入射した光束は二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍の位置には、マイクロフライアイレンズ8の入射面に形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二次光源(瞳強度分布)が形成される。
【0023】
マイクロフライアイレンズ8の後側焦点面またはその近傍には、必要に応じて、輪帯状の二次光源に対応した輪帯状の開口部(光透過部)を有する照明開口絞り9が配置されている。照明開口絞り9は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ大きさおよび形状の異なる開口部を有する複数の開口絞りと切り換え可能に構成されている。開口絞りの切り換え方式として、たとえば周知のターレット方式やスライド方式などを用いることができる。照明開口絞り9は、投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定する。
【0024】
マイクロフライアイレンズ8および照明開口絞り9を経た光は、コンデンサー光学系10を介して、マスクブラインド11を重畳的に照明する。こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド11には、マイクロフライアイレンズ8の微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。マスクブラインド11の矩形状の開口部(光透過部)を経た光は、前側レンズ群12aと後側レンズ群12bとからなる結像光学系12を介して、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。
【0025】
すなわち、結像光学系12は、マスクブラインド11の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。結像光学系12の瞳は、マイクロフライアイレンズ8の後側焦点面またはその近傍の照明瞳と光学的に共役な位置にある別の照明瞳である。したがって、結像光学系12の瞳位置にも、マイクロフライアイレンズ8の直後の照明瞳と同様に、輪帯状の瞳強度分布が形成される。
【0026】
マスクステージMS上に保持されたマスクMには、転写すべきパターンが形成されている。マスクMのパターンを透過した光は、投影光学系PLを介して、ウェハステージWS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0027】
円錐アキシコン系6は、光源側から順に、光源側に平面を向け且つマスク側に凹円錐状の屈折面を向けた第1プリズム部材6aと、マスク側に平面を向け且つ光源側に凸円錐状の屈折面を向けた第2プリズム部材6bとから構成されている。そして、第1プリズム部材6aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材6bの凸円錐状の屈折面とは、互いに当接可能なように相補的に形成されている。また、第1プリズム部材6aおよび第2プリズム部材6bのうち少なくとも一方の部材が光軸AXに沿って移動可能に構成され、第1プリズム部材6aと第2プリズム部材6bとの間隔が可変に構成されている。
【0028】
ここで、第1プリズム部材6aと第2プリズム部材6bとが互いに当接している状態では、円錐アキシコン系6は平行平面板として機能し、形成される輪帯状の二次光源に及ぼす影響はない。しかしながら、第1プリズム部材6aと第2プリズム部材6bとを離間させると、輪帯状の二次光源の幅(輪帯状の二次光源の外径と内径との差の1/2)を一定に保ちつつ、輪帯状の二次光源の外径(内径)が変化する。すなわち、輪帯状の二次光源の輪帯比(内径/外径)および大きさ(外径)が変化する。
【0029】
ズームレンズ7は、輪帯状の二次光源の全体形状を相似的に拡大または縮小する機能を有する。たとえば、ズームレンズ7の焦点距離を最小値から所定の値へ拡大させることにより、輪帯状の二次光源の全体形状が相似的に拡大される。換言すると、ズームレンズ7の作用により、輪帯状の二次光源の輪帯比が変化することなく、その幅および大きさ(外径)がともに変化する。このように、円錐アキシコン系6およびズームレンズ7の作用により、輪帯状の二次光源の輪帯比と大きさ(外径)とを制御することができる。
【0030】
本実施形態では、上述したように、マイクロフライアイレンズ8により形成される二次光源を光源として、照明光学系(1〜12)の被照射面に配置されるマスクMをケーラー照明する。このため、二次光源が形成される位置は投影光学系PLの開口絞りASの位置と光学的に共役であり、二次光源の形成面を照明光学系(1〜12)の照明瞳面と呼ぶことができる。典型的には、照明瞳面に対して被照射面(マスクMが配置される面、または投影光学系PLを含めて照明光学系と考える場合にはウェハWが配置される面)が光学的なフーリエ変換面となる。
【0031】
なお、瞳強度分布とは、照明光学系(1〜12)の照明瞳面または当該照明瞳面と光学的に共役な面における光強度分布(輝度分布)である。マイクロフライアイレンズ8による波面分割数が比較的大きい場合、マイクロフライアイレンズ8の入射面に形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳強度分布)とが高い相関を示す。このため、マイクロフライアイレンズ8の入射面および当該入射面と光学的に共役な面(例えばアフォーカルレンズ4の瞳面)における光強度分布についても瞳強度分布と称することができる。すなわち、マイクロフライアイレンズ8の入射面と光学的に共役な面であるアフォーカルレンズ4の瞳も照明瞳と呼ぶことができる。
【0032】
輪帯照明用の回折光学素子3に代えて、複数極照明(2極照明、4極照明、8極照明など)用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、複数極照明を行うことができる。複数極照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに複数極状(2極状、4極状、8極状など)の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、複数極照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした複数の所定形状(円弧状、円形状など)の照野からなる複数極状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ8の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ複数極状の二次光源が形成される。
【0033】
また、輪帯照明用の回折光学素子3に代えて、円形照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、通常の円形照明を行うことができる。円形照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに円形状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、円形照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした円形状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ8の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ円形状の二次光源が形成される。また、輪帯照明用の回折光学素子3に代えて、適当な特性を有する回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、様々な形態の変形照明を行うことができる。回折光学素子3の切り換え方式として、たとえば周知のターレット方式やスライド方式などを用いることができる。
【0034】
なお、上述した回折光学素子3に代えて、あるいは回折光学素子3に加えて、たとえば二次元的に配列された複数のミラー要素の向きを連続的に或いは離散的に複数の段階を持つようにそれぞれ変化させる空間光変調器を用いても良い。このような空間光変調器として、たとえば特表平10−503300号公報およびこれに対応する欧州特許公開第779530号公報、特開2004−78136号公報およびこれに対応する米国特許第6,900,915号公報、特表2006−524349号公報およびこれに対応する米国特許第7,095,546号公報、並びに特開2006−113437号公報に開示される空間光変調器を用いることができる。このような能動的な空間光変調器を用いた照明光学系としては、たとえば米国特許出願公開第2009/0073411号公報、第2009/0091730号公報、第2009/0109417号公報、第2009/0128886号公報、第2009/0097094号公報、第2009/0097007号公報、第2009/0185154号公報、第2009/0116093号公報に開示されている。ここでは、欧州特許公開第779530号公報、米国特許第6,900,915号公報、米国特許第7,095,546号公報、米国特許出願公開第2009/0073411号公報、第2009/0091730号公報、第2009/0109417号公報、第2009/0128886号公報、第2009/0097094号公報、第2009/0097007号公報、第2009/0185154号公報、および第2009/0116093号公報の開示を参照として援用する。
【0035】
図3は、偏光変換部材の構成を概略的に示す図である。偏光変換部材5Aは、上述したように、アフォーカルレンズ4の瞳位置またはその近傍、すなわち照明光学系(1〜12)の照明瞳の位置またはその近傍に配置されている。以下、説明の理解を容易にするために、偏光変換部材5Aは、アフォーカルレンズ4の光路中における照明瞳の直前の位置に配置されているものとする。輪帯照明用の回折光学素子3が照明光路中に配置されている場合、偏光変換部材5Aには輪帯状の断面を有する光束が入射する。
【0036】
偏光変換部材5Aは、全体的に平行平面板の形態を有し、旋光性を有する光学材料である結晶材料、例えば水晶により形成されている。偏光変換部材5Aが光路中に位置決めされている状態において、その入射面(ひいては射出面)は光軸AXと直交し、その結晶光学軸は光軸AXの方向と一致(すなわち入射光の進行方向であるZ方向と一致)している。偏光変換部材5Aは、図3に示すように、光軸AXを中心とする円形状(あるいは図示を省略したが円環状)の外形形状を有し、円の周方向に沿って8等分して得られる8個の分割領域を有する。
【0037】
具体的に、偏光変換部材5Aは、8個の分割領域として、領域51a,51b,51c,51d,51e,51f,51g,51hを有する。分割領域51a〜51hは、入射する輪帯状の光束(図3中2つの破線状の円で示す)を周方向に沿って8等分して得られる8個の円弧状の光束がそれぞれ通過するように区分された領域である。分割領域51a〜51hにおいて、周方向に隣り合う任意の2つの分割領域の厚さ(光軸AXの方向に沿った寸法)は互いに異なり、光軸AXを挟んで対向する任意の2つの分割領域は互いに等しい厚さを有する。
【0038】
偏光変換部材5Aは、水晶からなる平行平面板の一方の面(入射面または射出面)をエッチング処理することにより一体形成された単一の部材である。すなわち、偏光変換部材5Aの一方の面はその中心から径方向に延びる8本の直線状の段差を有する凹凸面形状に形成され、他方の面は平面状に形成されている。あるいは、偏光変換部材5Aは、分割領域51a〜51hに対応する8つの旋光部材を組み合わせることにより構成されている。
【0039】
以下、図4を参照して、水晶の旋光性について簡単に説明する。図4を参照すると、厚さdの水晶からなる平行平面板状の光学部材100が、その結晶光学軸と光軸AXとが一致するように配置されている。この場合、光学部材100の旋光性により、入射した直線偏光の偏光方向が光軸AX廻りにθだけ回転した状態で射出される。
【0040】
このとき、光学部材100の旋光性による偏光方向の回転角(旋光角度)θは、光学部材100の厚さdと水晶の旋光能ρとにより、次の式(a)で表わされる。一般に、水晶の旋光能ρは、波長依存性(使用光の波長に依存して旋光能の値が異なる性質:旋光分散)があり、具体的には使用光の波長が短くなると大きくなる傾向がある。「応用光学II」の第167頁の記述によれば、250.3nmの波長を有する光に対する水晶の旋光能ρは、153.9度/mmである。
θ=d・ρ (a)
【0041】
再び図3を参照すると、偏光変換部材5Aの分割領域51aは、その中心線(光軸AXから径方向に延びる直線)が光軸AXを通って−Y方向に延びる直線と一致するように配置されている。分割領域51aは、Y方向に偏光方向を有するY方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+90度(図3中反時計廻りに90度)回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。図3中反時計廻りの周方向に沿って分割領域51aに隣接した分割領域51bは、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+135度回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。
【0042】
分割領域51bに隣接した分割領域51cは、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+180度回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。分割領域51cに隣接した分割領域51dは、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+225度回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。分割領域51dに隣接し且つ分割領域51aと光軸AXを挟んで対向する分割領域51eは、Y方向直線偏光の光が入射した場合、分割領域51aと同様に、Y方向を+90度回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。
【0043】
分割領域51bに対向する分割領域51fは、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+135度回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。分割領域51cに対向する分割領域51gは、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+180度回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。分割領域51dに対向する分割領域51hは、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+225度回転させた方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さが設定されている。
【0044】
以下、図5を参照し、偏光変換部材5AにY方向直線偏光の光が入射するものとして、偏光変換部材5Aの作用を説明する。偏光変換部材5Aの分割領域51aへ入射した円弧状の光束F1は、Y方向を+90度(図5中反時計廻りに90度)回転させた方向、すなわちX方向に偏光方向を有するX方向直線偏光(横偏光)になる。分割領域51bを経て生成される光束F2は、Y方向を+135度回転させた斜め方向に偏光方向を有する斜め方向直線偏光(斜め偏光)になる。
【0045】
分割領域51cを経て生成される光束F3は、Y方向を+180度回転させた方向、すなわちY方向に偏光方向を有するY方向直線偏光(縦偏光)になる。同様に、分割領域51dを経て生成される光束F4は、Y方向を+225度回転させた斜め方向に偏光方向を有する斜め方向直線偏光になる。分割領域51eを経て生成される光束F5は、光軸AXを挟んで対向する光束F1と同様に、X方向直線偏光になる。
【0046】
分割領域51fを経て生成される光束F6は、光軸AXを挟んで対向する光束F2と同様に、Y方向を+135度回転させた斜め方向に偏光方向を有する斜め方向直線偏光になる。分割領域51gを経て生成される光束F7は、光軸AXを挟んで対向する光束F3と同様に、Y方向直線偏光になる。分割領域51hを経て生成される光束F8は、光軸AXを挟んで対向する光束F4と同様に、Y方向を+225度回転させた斜め方向に偏光方向を有する斜め方向直線偏光になる。
【0047】
こうして、偏光変換部材5Aの直後の照明瞳には、8等分タイプの周方向偏光状態で輪帯状の光強度分布21が形成される。周方向偏光状態では、輪帯状の光強度分布21を通過する光束が、光軸AXを中心とした円の接線方向に偏光方向を有する直線偏光状態になる。その結果、後述するリターデーションの影響を無視することができる場合、マイクロフライアイレンズ8の直後の照明瞳には、輪帯状の光強度分布21に対応するほぼ連続的な周方向偏光状態で輪帯状の光強度分布が形成される。さらに、マイクロフライアイレンズ8の直後の照明瞳と光学的に共役な別の照明瞳の位置、すなわち結像光学系12の瞳位置および投影光学系PLの瞳位置(開口絞りASが配置されている位置)にも、輪帯状の光強度分布21に対応するほぼ連続的な周方向偏光状態で輪帯状の光強度分布が形成される。
【0048】
一般に、周方向偏光状態の輪帯状や複数極状(2極状、4極状、8極状など)の瞳強度分布に基づく周方向偏光照明では、最終的な被照射面としてのウェハWに照射される光がs偏光を主成分とする偏光状態になる。ここで、s偏光とは、入射面に対して垂直な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に垂直な方向に電気ベクトルが振動している偏光)のことである。入射面とは、光が媒質の境界面(被照射面:ウェハWの表面)に達したときに、その点での境界面の法線と光の入射方向とを含む面として定義される。その結果、周方向偏光照明では、投影光学系の光学性能(焦点深度など)の向上を図ることができ、ウェハ(感光性基板)上において高いコントラストのマスクパターン像を得ることができる。
【0049】
本実施形態では、偏光変換部材5Aの直後の照明瞳に、図5に示すような所望の周方向偏光状態が生成される。しかしながら、本実施形態にかかる位相変調部材5Bが介在しない構成では、偏光変換部材5Aよりも下流側の光路中に配置された後続光学系(偏光変換部材5AとウェハWとの間に配置された光学系)によるリターデーション(偏光方向が互いに直交する一対の直線偏光成分の間に位相差が生じる現象)の影響により、ウェハW上では所要の周方向偏光状態で光が結像しなくなり、ひいてはマスクMのパターン像を所要のコントラストでウェハW上に形成することが困難である。
【0050】
図1を参照すると、後続光学系(5B〜PL)において、結像光学系12の光路中に一対の光路折り曲げ用の平面反射鏡が設けられている。また、投影光学系PLのタイプによっては、物体面(マスクMのパターン面が配置されている面)と開口絞りASとの間の光路中に平面反射鏡が設けられていることがある。位相変調部材5Bが介在しない場合、図6に示すように、偏光変換部材5Aの直後の照明瞳に所望の周方向偏光状態の瞳強度分布21を生成しても、これらの平面反射鏡によるリターデーションの影響により、投影光学系PLの光路中の瞳位置(照明瞳の位置:開口絞りASが配置されている位置)には、所望の周方向偏光状態から部分的に崩れた偏光状態の瞳強度分布61が生成されることになる。
【0051】
具体的に、瞳強度分布21のうち、平面反射鏡の反射面に対するp偏光の偏光方向またはs偏光の偏光方向に対応する方向に偏光方向を有する縦偏光および横偏光の光束21a,21bは、平面反射鏡によるリターデーションの影響をほとんど受けることなく、瞳強度分布61において縦偏光および横偏光の光束61a,61bになる。しかしながら、p偏光の偏光方向またはs偏光の偏光方向に対応する方向と斜めに交差する方向に偏光方向を有する斜め偏光の光束21cは、平面反射鏡によるリターデーションの影響を受けて、瞳強度分布61において楕円偏光(円偏光を含む広い概念)の光束61cになる。
【0052】
本実施形態では、投影光学系PLの光路中の照明瞳に形成される瞳強度分布の偏光状態を、後続光学系によるリターデーションに抗して所望の周方向偏光状態へ近づけるために、偏光変換部材5Aの直後に位相変調部材5Bを設けている。位相変調部材5Bは、図7に示すように、照明光路の断面の全体に亘って延在し且つ均一な厚さを有する波長板であって、その光学軸52がY方向(あるいはX方向)に設定されている。換言すれば、位相変調部材5Bを構成する波長板の光学軸52は、後続光学系中の平面反射鏡の反射面に対するp偏光の偏光方向またはs偏光の偏光方向に対応する方向に設定されている。
【0053】
この場合、図8に示すように、偏光変換部材5Aの直後の瞳強度分布21における縦偏光および横偏光の光束21a,21bは、位相変調部材5Bによる位相変調をほとんど受けることなく、位相変調部材5Bの直後に形成される光強度分布31において縦偏光および横偏光の光束31a,31bになる。一方、斜め偏光の光束21cは、位相変調部材5Bによる位相変調を受けて、光強度分布31において楕円偏光の光束31cになる。楕円偏光の光束31cの偏光度は、位相変調部材5Bを構成する波長板の厚さに依存する。
【0054】
位相変調部材5Bの直後の光強度分布31のうち、縦偏光および横偏光の光束31a,31bは、後続光学系によるリターデーション(とりわけ後続光学系の光路中に設けられた平面状の反射面によるリターデーション)の影響をほとんど受けることなく、投影光学系PLの光路中の照明瞳に形成される瞳強度分布41において縦偏光および横偏光の光束41a,41bになる。また、光強度分布31における楕円偏光の光束31cは、後続光学系によるリターデーションの影響を受けて、瞳強度分布41においてほぼ所要の斜め偏光の光束41cになる。
【0055】
本実施形態において、偏光変換部材5Aは、入射光の偏光状態を変換して、その直後の照明瞳に周方向偏光状態の瞳強度分布21を形成する。偏光変換部材5Aの直後に配置された波長板からなる位相変調部材5Bは、瞳強度分布21を形成する光のうちの斜め方向(X方向およびY方向と45度をなして交差する方向)に偏光した斜め偏光の光21cを所要の楕円偏光の光31cに変換し、且つY方向,X方向に偏光した縦偏光,横偏光の光21a,21bをその偏光状態が維持されるように通過させる。
【0056】
ここで、位相変調部材5Bにより斜め偏光から楕円偏光に位相変調される光束31cの偏光度(ひいては位相変調部材5Bを構成する波長板の厚さ)は、楕円偏光の光束31cが後続光学系によるリターデーションの影響を受けて瞳強度分布41においてほぼ所要の斜め偏光の光束41cになるように設定されている。その結果、位相変調部材5Bの位相変調作用によりリターデーションの影響が低減され、投影光学系PLの光路中の照明瞳にはほぼ所望の周方向偏光状態の瞳強度分布41が生成される。
【0057】
このように、本実施形態の照明光学系(1〜12)では、偏光変換部材5Aの後続光学系によるリターデーションの影響を小さく抑えて、所要の周方向偏光状態の光で被照射面であるマスクMのパターン面を照明することができる。また、本実施形態の露光装置(1〜WS)では、所要の周方向偏光状態の光でマスクMのパターンを照明する照明光学系(1〜12)を用いて、マスクMのパターンをウェハW上に所要のコントラストで結像させることができる。
【0058】
なお、上述の説明では、偏光変換部材5AにY方向直線偏光の光を入射させているが、X方向直線偏光の光を入射させると、偏光変換部材5Aの直後の照明瞳には、図9に示すように、8等分タイプのほぼ連続的な径方向偏光状態で輪帯状の光強度分布22が形成される。その結果、リターデーションの影響を無視することができる場合、マイクロフライアイレンズ8の直後の照明瞳、結像光学系12の瞳位置、および投影光学系PLの瞳位置にも、輪帯状の光強度分布22に対応するほぼ連続的な径方向偏光状態で輪帯状の光強度分布が形成される。
【0059】
一般に、径方向偏光状態の輪帯状や複数極状の瞳強度分布に基づく径方向偏光照明では、最終的な被照射面としてのウェハWに照射される光がp偏光を主成分とする偏光状態になる。ここで、p偏光とは、上述のように定義される入射面に対して平行な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に平行な方向に電気ベクトルが振動している偏光)のことである。その結果、径方向偏光照明では、ウェハWに塗布されたレジストにおける光の反射率を小さく抑えて、ウェハW上において良好なマスクパターン像を得ることができる。
【0060】
しかしながら、実際には、後続光学系によるリターデーションの影響を無視することができない場合が多い。その場合、位相変調部材5Bが介在しないと、瞳強度分布22のうちの斜め偏光の光束22cは、リターデーションの影響を受けて、投影光学系PLの光路中の照明瞳に形成される瞳強度分布62において楕円偏光の光束62cになる。縦偏光および横偏光の光束22a,22bは、リターデーションの影響をほとんど受けることなく、瞳強度分布62において縦偏光および横偏光の光束61a,61bになる。
【0061】
本実施形態では、径方向偏光照明の場合においても、偏光変換部材5Aの直後の瞳強度分布22における縦偏光および横偏光の光束22a,22bは、位相変調部材5Bによる位相変調および後続光学系によるリターデーションの影響をほとんど受けることなく、投影光学系PLの光路中の照明瞳に形成される瞳強度分布において縦偏光および横偏光の光束になる。一方、斜め偏光の光束22cは、位相変調部材5Bによる位相変調を受けて楕円偏光になった後、後続光学系によるリターデーションの影響を受けてほぼ所要の斜め偏光に戻る。その結果、位相変調部材5Bの位相変調作用によりリターデーションの影響が低減され、投影光学系PLの光路中の照明瞳にはほぼ所望の径方向偏光状態の瞳強度分布が生成される。
【0062】
また、上述の説明では、照明瞳に輪帯状の瞳強度分布が形成される変形照明、すなわち輪帯照明を例にとって、本発明の作用効果を説明している。しかしながら、輪帯照明に限定されることなく、例えば複数極状の瞳強度分布が形成される複数極照明などに対しても、同様に本発明を適用して同様の作用効果を得ることができることは明らかである。
【0063】
一例として、図11に示すように、8極照明用の回折光学素子を用いて周方向偏光状態で8極状の光強度分布23が偏光変換部材5Aの直後の照明瞳に形成される場合においても、位相変調部材5Bの位相変調作用により、投影光学系PLの光路中の照明瞳にはほぼ所望の周方向偏光状態で8極状の瞳強度分布を生成することができる。また、図12に示すように、径方向偏光状態で8極状の光強度分布24が偏光変換部材5Aの直後の照明瞳に形成される場合においても、位相変調部材5Bの位相変調作用により、投影光学系PLの光路中の照明瞳にはほぼ所望の径方向偏光状態で8極状の瞳強度分布を生成することができる。
【0064】
ところで、輪帯状または8極状の瞳強度分布21〜24では、縦偏光および横偏光の光束21a〜24a;21b〜24bと、斜め偏光の光束21c〜24cとが混在している。したがって、縦偏光および横偏光の光束21a〜24a;21b〜24bは位相変調部材5Bによる位相変調をほとんど受けることなく縦偏光および横偏光のままであり、斜め偏光の光束21c〜24cは位相変調部材5Bによる位相変調を受けて楕円偏光になる。
【0065】
これに対し、図13に示すように、4極照明用の回折光学素子を用いて周方向偏光状態でX字型4極状の光強度分布25が偏光変換部材5Aの直後の照明瞳に形成される場合、光強度分布25において第1斜め偏光の光束25aと第2斜め偏光の光束25bとが存在するだけで、縦偏光および横偏光の光束は存在しない。したがって、第1斜め偏光の光束25aおよび第2斜め偏光の光束25bは、位相変調部材5Bによる位相変調を受けて楕円偏光になった後、後続光学系によるリターデーションの影響を受けてほぼ所要の第1斜め偏光および第2斜め偏光に戻る。
【0066】
同様に、図14に示すように、径方向偏光状態でX字型4極状の光強度分布26が偏光変換部材5Aの直後の照明瞳に形成される場合、光強度分布26において第1斜め偏光の光束26aと第2斜め偏光の光束26bとが存在するだけで、縦偏光および横偏光の光束は存在しない。したがって、第1斜め偏光の光束26aおよび第2斜め偏光の光束26bは、位相変調部材5Bによる位相変調を受けて楕円偏光になった後、後続光学系によるリターデーションの影響を受けてほぼ所要の第1斜め偏光および第2斜め偏光に戻る。
【0067】
なお、上述の実施形態では、図3に示す特定の構成を有する偏光変換部材5Aに基づいて本発明を説明している。しかしながら、これに限定されることなく、偏光変換部材の構成については、様々な形態が可能である。具体的に、偏光変換部材の配置位置、材質、構造(外形形状、分割数、面形状(厚さ分布)、凹凸面が形成される側)などについては、様々な形態が可能である。
【0068】
例えば、上述の実施形態では、偏光変換部材5Aがアフォーカルレンズ4の瞳位置またはその近傍に配置されている。しかしながら、これに限定されることなく、偏光変換部材5Aを、照明光学系(1〜12)の他の照明瞳の位置またはその近傍の位置に配置することができる。具体的に、マイクロフライアイレンズ8の入射面の近傍、マイクロフライアイレンズ8の射出面の近傍、結像光学系12の瞳位置またはその近傍などに、偏光変換部材5Aを配置することもできる。
【0069】
また、上述の実施形態では、偏光変換部材5Aが全体的に円形状の外形形状を有し、8つの円弧状の領域51a〜51hに分割されている。しかしながら、これに限定されることなく、偏光変換部材の全体的な外形形状、分割数などについては様々な形態が可能である。
【0070】
また、上述の実施形態では、偏光変換部材5Aが水晶により形成されている。しかしながら、水晶に限定されることなく、旋光性を有する他の適当な光学材料を用いて偏光変換部材を形成することもできる。また、旋光性の部材に限定されることなく、入射光を所定の偏光状態の光に変化させる複数の波長板を用いて偏光変換部材を構成することが可能である。
【0071】
また、上述の実施形態では、位相変調部材5Bが、均一な厚さを有する波長板からなり、偏光変換部材5Aの直後の位置、すなわち照明瞳またはその近傍の位置に配置されている。しかしながら、これに限定されることなく、位相変調部材の具体的な構成およびその配置位置などについては、様々な形態が可能である。例えば、偏光変換部材5Aよりも後側(マスクM側)の光路中の適当な位置、すなわち照明瞳よりも後側の光路中の適当な位置に、位相変調部材5Bを配置することができる。ただし、照明瞳またはその近傍の位置に位相変調部材5Bを配置することにより、照明瞳面に対して均一な位相変調を作用させることが可能なる。
【0072】
一般に、位相変調部材は、偏光変換部材を経て照明瞳に形成された瞳強度分布における斜め偏光の光を所要の楕円偏光の光に変換し、且つ当該瞳強度分布における縦偏光または横偏光の光をその偏光状態が維持されるように通過させる機能を有する。ここで、位相変調部材により斜め偏光から楕円偏光に位相変調される光の偏光度は、その楕円偏光の光が偏光変換部材の後続光学系によるリターデーションの影響を受けた後に所要の斜め偏光の光に近づくように設定されることが重要である。
【0073】
なお、上述の実施形態では、偏光変換部材5Aの直後に位相変調部材5Bを配置している。この場合、必要に応じて、偏光変換部材5Aと位相変調部材5Bとを一体的に保持し、照明光路に対して一体的に挿脱可能に構成することができる。また、偏光変換部材および位相変調部材を照明光路に対してそれぞれ挿脱可能に設け、必要に応じて照明光路内に位置決めする構成であっても良い。
【0074】
また、上述の実施形態では、オプティカルインテグレータとして、マイクロフライアイレンズ8を用いているが、その代わりに、内面反射型のオプティカルインテグレータ(典型的にはロッド型インテグレータ)を用いても良い。この場合、ズームレンズ7の後側にその前側焦点位置がズームレンズ7の後側焦点位置と一致するように集光レンズを配置し、この集光レンズの後側焦点位置またはその近傍に入射端が位置決めされるようにロッド型インテグレータを配置する。このとき、ロッド型インテグレータの射出端が照明視野絞り11の位置になる。ロッド型インテグレータを用いる場合、このロッド型インテグレータの下流の視野絞り結像光学系12内の、投影光学系PLの開口絞りの位置と光学的に共役な位置を照明瞳面と呼ぶことができる。また、ロッド型インテグレータの入射面の位置には、照明瞳面の二次光源の虚像が形成されることになるため、この位置およびこの位置と光学的に共役な位置も照明瞳面と呼ぶことができる。
【0075】
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
【0076】
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図15は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図15に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。
【0077】
ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板つまりプレートPとしてパターンの転写を行う。
【0078】
図16は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図16に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルター形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
【0079】
ステップS52のカラーフィルター形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルターを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルターとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルターとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
【0080】
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
【0081】
なお、上述の実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するFレーザ光源などに対して本発明を適用することもできる。
【0082】
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第WO99/49504号パンフレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。ここでは、国際公開第WO99/49504号パンフレット、特開平6−124873号公報および特開平10−303114号公報の教示を参照として援用する。
【0083】
また、上述の実施形態において、回折光学素子3に代えて、或いは回折光学素子3に加えて、たとえばアレイ状に配列され且つ傾斜角および傾斜方向が個別に駆動制御される多数の微小な要素ミラーにより構成されて入射光束を反射面毎の微小単位に分割して偏向させることにより、光束の断面を所望の形状または所望の大きさに変換する空間光変調素子を用いても良い。このような空間光変調素子を用いた照明光学系は、例えば特開2002−353105号公報に開示されている。
【0084】
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含む空間光変調素子を用いることができる。空間光変調素子を用いた露光装置は、たとえば特開2004−304135号公報、国際特許公開第2006/080285号パンフレットおよびこれに対応する米国特許公開第2007/0296936号公報に開示されている。また、上述のような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。
【0085】
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスク(またはウェハ)を照明する照明光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク(またはウェハ)以外の被照射面を照明する一般的な照明光学系に対して本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0086】
2 偏光状態切換部
3 回折光学素子
4 アフォーカルレンズ
5A 偏光変換部材
5B 位相変調部材
6 円錐アキシコン系
7 ズームレンズ
8 マイクロフライアイレンズ(オプティカルインテグレータ)
10 コンデンサー光学系
11 マスクブラインド
12 結像光学系
LS 光源
M マスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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