特許第5841385号(P5841385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5841385
(24)【登録日】2015年11月20日
(45)【発行日】2016年1月13日
(54)【発明の名称】廃液回収装置、インクジェット装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20151217BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20151217BHJP
【FI】
   B41J2/165 203
   B41J2/17 201
   B41J2/17 203
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-208375(P2011-208375)
(22)【出願日】2011年9月26日
(65)【公開番号】特開2013-67123(P2013-67123A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(72)【発明者】
【氏名】渕岡 弘幸
【審査官】 櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−061756(JP,A)
【文献】 特開平11−268303(JP,A)
【文献】 特開2004−009436(JP,A)
【文献】 特開平06−210875(JP,A)
【文献】 特開2010−099856(JP,A)
【文献】 特開2010−194829(JP,A)
【文献】 特開2010−030087(JP,A)
【文献】 実開平04−029045(JP,U)
【文献】 特開平05−181253(JP,A)
【文献】 特開2003−149097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃液回収装置であって、
廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する起倒可能な中間タンクと、
所定の位置に着脱可能であり、前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、
を有し、
前記中間タンクは、
前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に転倒状態となって前記廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、
前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に起立状態となって廃液を貯留する状態に移行することを特徴とする廃液回収装置。
【請求項2】
廃液回収装置であって、
廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する中間タンクと、
前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、
を有し、
前記廃液タンクが所定の位置に着脱可能であり、
前記中間タンクは、前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に該廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、
前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に廃液を貯留する状態に移行し、
前記中間タンクが廃液を貯留する状態の場合、該中間タンクにおける廃液の貯留回数をカウントし、前記貯留回数が所定値を越えた場合、前記廃液タンクを所定の位置に設置することを警告する警告手段を有する制御手段を備えること、
を特徴とする廃液回収装置。
【請求項3】
インクジェット装置であって、
インクジェットヘッドから排出された液体を廃液として回収する廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する起倒可能な中間タンクと、
前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、
を有し、
前記廃液タンクが所定の位置に着脱可能であり、前記中間タンクは、前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に転倒状態となって該廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に起立状態となって廃液を貯留する状態に移行すること、
を特徴とするインクジェット装置。
【請求項4】
インクジェット装置であって、
インクジェットヘッドから排出された液体を廃液として回収する廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する中間タンクと、
前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、
を有し、
前記廃液タンクが所定の位置に着脱可能であり、前記中間タンクは、前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に該廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に廃液を貯留する状態に移行し、
前記中間タンクが廃液を貯留する状態の場合、該中間タンクにおける廃液の貯留回数をカウントし、前記貯留回数が所定値を越えた場合、前記廃液タンクを所定の位置に設置することを警告する警告手段を有する制御手段を備えること、
を特徴とするインクジェット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体を使用して処理を行なう液体処理装置における廃液回収装置に関する。また、保守のためにインクジェットヘッドから排出した液体を回収する廃液タンクを備えたインクジェット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を使用して処理を行なう液体処理装置において、使用済みの液体を廃液として回収し廃液タンクに蓄積する廃液回収装置が一般的に使用されている。
【0003】
例えば、インクなどの液体を吐出することによって記録を行なうオンデマンド方式のインクジェット装置では、液体吐出ノズルの目詰まりや液体の粘性増加を防止するために、記録とは別に保守を目的とした液体吐出処理を実行する機能を有していることが多い。このような機能を「パージ」と称する。
一般的なインクジェット装置では、液体の吐出を行なうインクジェットヘッドが記録待機位置に移動した時にパージを行なう。インクジェットヘッドが待機位置に移動すると、インクジェットヘッドが備えるノズルに対向して備えられた廃液受けに対して、該ノズルから液体を吐出することによりパージが実行される。
この廃液受けは、液体の乾燥、あるいはインクジェットヘッドへの塵芥付着を防止するためにインクジェットヘッドに備えられたノズルを被覆するキャップユニットと兼用している場合もある。
オンデマンド方式のインクジェット装置において、廃液受けに吐出された液体は使用不可の廃液として取り扱われる。廃液受けに吐出された液体は、配管を通じて廃液タンクに回収される。
【0004】
このようなパージを繰り返し実行すると、廃液タンクに廃液が蓄積されることで廃液タンクが満杯になり、廃液タンクからの廃液オーバーフローや液体吐出処理の中断などの不都合が生じる可能性がある。そこで、廃液タンクが満杯になったか否かを判定する先行技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−83898
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
着脱可能な廃液タンクの場合、廃液が満杯になったならば廃液タンクを取り外して廃液の廃棄処理を行なうことになる。この時はパージを行なうことができないので、インクジェット装置における液体吐出を伴う保守動作は停止しなければならない。
【0007】
しかしながら、廃液タンクの着脱はインクジェット装置全体の動作において必要な要件ではあるが重要な要件ではないため、廃液タンクを取り外している間もインクジェット装置を動作させたいという要望が存在した。
すなわち、廃液回収装置を備えた液体処理装置において、廃液タンクを取り外している間でも廃液回収を行なうことを可能とすることが、強く要望されている。
【0008】
そこで、本発明は、廃液を廃棄するために廃液タンクを取り外している間でも、廃液回収を行なうことが可能な廃液回収装置を提供することを目的とする。
あるいは、保守のためにインクジェットヘッドから排出した液体を回収する廃液タンクを備えたインクジェット装置において、廃液タンクを取り外している間でも廃液回収を可能とするインクジェット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、廃液回収装置であって、廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する起倒可能な中間タンクと、所定の位置に着脱可能であり、前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、を有し、前記中間タンクは、前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に転倒状態となって前記廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に起立状態となって廃液を貯留する状態に移行することを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、廃液回収装置であって、廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する中間タンクと、前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、を有し、前記廃液タンクが所定の位置に着脱可能であり、前記中間タンクは、前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に該廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に廃液を貯留する状態に移行し、前記中間タンクが廃液を貯留する状態の場合、該中間タンクにおける廃液の貯留回数をカウントし、前記貯留回数が所定値を越えた場合、前記廃液タンクを所定の位置に設置することを警告する警告手段を有する制御手段を備えること、を特徴としている。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、インクジェット装置であって、インクジェットヘッドから排出された液体を廃液として回収する廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する起倒可能な中間タンクと、前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、を有し、前記廃液タンクが所定の位置に着脱可能であり、前記中間タンクは、前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に転倒状態となって該廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に起立状態となって廃液を貯留する状態に移行すること、を特徴とするとしている。
【0012】
加えて、請求項4に記載の発明は、インクジェット装置であって、インクジェットヘッドから排出された液体を廃液として回収する廃液回収管が接続され、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する中間タンクと、前記中間タンクを介して廃液を回収する廃液タンクと、を有し、前記廃液タンクが所定の位置に着脱可能であり、前記中間タンクは、前記廃液タンクが所定の位置に設置されている場合に該廃液タンクに廃液を流出する状態に移行し、前記廃液タンクが所定の位置に設置されていない場合に廃液を貯留する状態に移行し、前記中間タンクが廃液を貯留する状態の場合、該中間タンクにおける廃液の貯留回数をカウントし、前記貯留回数が所定値を越えた場合、前記廃液タンクを所定の位置に設置することを警告する警告手段を有する制御手段を備えること、を特徴としている。
【0013】
(削除)
【0014】
(削除)
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の廃液回収装置は、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する中間タンクを備えることにより、廃液タンクへ流出する廃液を貯留することができる。また、廃液タンクが設置されていれば中間タンクは廃液タンクへ廃液を流出するが、廃液タンクが外された場合中間タンクは再度廃液タンクが設置されるまで廃液を貯留するので、廃液タンクが外されている状態であっても廃液の回収を行うことができる。また、中間タンクを、転倒状態で廃液を流出し起立状態で廃液を貯留する起倒可能な構成とすることにより、簡易な構成で廃液タンクが外されている状態であっても廃液の回収を行うことができる。
【0016】
求項2に記載の廃液回収装置は、廃液を貯留する状態および廃液を流出する状態を有する中間タンクを備えることにより、廃液タンクへ流出する廃液を貯留することができる。また、廃液タンクが設置されていれば中間タンクは廃液タンクへ廃液を流出するが、廃液タンクが外された場合中間タンクは再度廃液タンクが設置されるまで廃液を貯留するので、廃液タンクが外されている状態であっても廃液の回収を行うことができる。また、制御手段が中間タンクにおける廃液の貯留回数をカウントすることにより、中間タンクからの廃液のオーバーフローを抑制することができる。さらに、中間タンクの廃液貯留回数が所定値を越えた場合に、廃液タンクを設置することを制御手段が備える警告手段が警告するので、中間タンクからの廃液のオーバーフローを防止することができる。
【0017】
求項3に記載のインクジェット装置は、インクジェットヘッドから排出された廃液について、廃液タンクが設置されていれば中間タンクが廃液タンクが廃液タンクへ廃液を流出するが、廃液タンクが外された場合中間タンクが廃液タンクへ廃液を流出するが、廃液タンクが外された場合中間タンクは再度廃液タンクが設置されるまで廃液を貯留するので、廃液タンクが外されている状態であってもインクジェットヘッドからの廃液の回収を行うことができるため、インクジェット装置の稼働効率が向上する。また、中間タンクを、転倒状態で廃液を流出し起立状態で廃液を貯留する起倒可能な構成とすることにより、簡易な構成で廃液タンクが外されている状態であっても廃液の回収を行うことができる。
【0018】
求項4に記載のインクジェット装置は、インクジェットヘッドから排出された廃液について、廃液タンクが設置されていれば中間タンクが廃液タンクが廃液タンクへ廃液を流出するが、廃液タンクが外された場合中間タンクが廃液タンクへ廃液を流出するが、廃液タンクが外された場合中間タンクは再度廃液タンクが設置されるまで廃液を貯留するので、廃液タンクが外されている状態であってもインクジェットヘッドからの廃液の回収を行うことができるため、インクジェット装置の稼働効率が向上する。さらに、制御手段が中間タンクにおける廃液の貯留回数をカウントすることにより、中間タンクからの廃液のオーバーフローを抑制することができる。また、中間タンクの廃液貯留回数が所定値を越えた場合に、廃液タンクを設置することを制御手段が備える警告手段が警告するので、中間タンクからの廃液のオーバーフローを防止することができる。
【0019】
(削除)
【0020】
(削除)
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に関わるインクジェット印刷装置100を説明するための図である。
図2】インクジェット印刷装置100におけるインクの経路を説明するための図である。
図3】インクジェット印刷装置100に配設されたリテンションタンクRTを説明するための図である。
図4】廃液タンクHTとリテンションタンクRTの設置状態を説明するための図である。
図5】インクジェット印刷装置100における制御部1を説明するための図である。
図6】インクジェット印刷装置100における廃液回収系の動作を説明するためのフローチャートである。
図7】リテンションタンクRTの別の態様を示すための図である。
図8】電気的な制御が行われるリテンションタンクRTの態様を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を利用しながら、本発明を実施形態について、説明を行なう。
【0023】
〈第1の実施形態〉
図1は、本発明に関わるインクジェット印刷装置100を説明するための図である。インクジェット印刷装置100は、搬送されるロール紙に対してインクを吐出して印刷を行なう印刷装置である。インクジェット印刷装置100は、制御部1、搬送部2、吐出部3、乾燥部4、検査部5を備える。
【0024】
制御部1は、インクジェット印刷装置100全体を制御するためのものである。制御部1が、搬送部2による用紙9の搬送、吐出部3による用紙9へのインク吐出、乾燥部4におけるインクが吐出された用紙9の乾燥、検査部5における用紙9の印刷像撮影をそれぞれ制御することにより、用紙9に対するインクジェット印刷装置100の印刷を実現している。
なお、制御部1は、後述するリテンションタンクRTおよび廃液タンクHTの動作に関わる制御についても実行する(詳細は後述する)。
【0025】
搬送部2は、インクジェット印刷装置100における用紙9の搬送を行なうための構成であり、用紙収納部20、駆動ローラ21、支持ローラ22を備えている。
用紙収納部20は、印刷を行なうためのロール紙である用紙9を収納するためのものであり、用紙収納部20aは印刷前の用紙9を収納し、用紙収納部20bは印刷後の用紙9を収納する。
用紙収納部20aから引き出された用紙9は、支持ローラ22によって支持されながら駆動ローラ21a、21bによって吐出部3、乾燥部4、検査部5を搬送され、用紙収納部20bに巻取られる。
【0026】
吐出部3は、図示しないインクタンクからインクの供給を受け、制御部1が画像情報に基づいて生成したインク吐出信号によってインクを吐出し、用紙9に対する印刷を行なう。
吐出部3は複数のインクジェットノズル群30として、インクジェットノズル群30k、30c、30m、30yを備えている。インクジェットノズル群30k、30c、30m、30yは用紙9の搬送方向に直交しており、多数のノズルを列設することにより用紙9の搬送幅以上の吐出幅を実現している。吐出部3がこのような構成を備えることにより、吐出部3は用紙9の搬送幅方向に往復走査せずとも一度の吐出で印刷を実行する。
なお、吐出部3のインクジェットノズル群の数は4つに限定されることはなく、単色吐出のためインクジェットノズル群の数は1つであってもよいし、特色を加えた吐出を行なうため5つ以上のインクジェットノズル群を備えていても良い。
【0027】
乾燥部4は、ヒーターにより、吐出部3による印刷後の用紙9に対して熱を加えることにより、インクの溶媒(主に水である)を蒸発させることで、インクの定着を行なう。
【0028】
検査部5は、制御部1が用紙9に行なわれた印刷が良好であるか否かを判定するために、印刷像を撮影する。検査部5は、CCDラインセンサ、あるいはCCDカメラにより、搬送される用紙9に印刷された印刷像を撮影し、制御部1へ撮影情報を送信する。制御部1は、インク吐出を行なうために使用した画像情報と撮影情報とを比較することにより、吐出部3における吐出不良の有無を判定することによって、印刷が良好であるか否かを判定することができる。
【0029】
また、吐出部3の下部にリテンションタンクRTおよび廃液タンクHTを備えている。
リテンションタンクRTは、パージによって吐出部3から回収したインクを一時的に貯留可能な中間タンクである。リテンションタンクRTは、廃液タンクHTの有無により、インクを貯留するか、廃液タンクに流し込むか、のいずれかの状態を有する(詳細は後述する)。
廃液タンクHTは、インクジェット印刷装置100から取り外し可能であり、パージを繰り返し行なった結果インクが満杯になったならば、インクジェット印刷装置100のオペレータが廃液タンクHTを取り外し、回収されたインクを廃棄する。
【0030】
図2は、インクジェット印刷装置100におけるインクの経路を説明するための図であり、特に吐出部3がクリーニングを行っている状態におけるインク経路を図示している。
【0031】
吐出部3は、インクジェットノズル群30のクリーニングを行なうため、吸引キャップ311、吸引チューブ312、電磁開閉弁313、吸引ポンプ314、吸引管路315とを有する。
さらに、インクジェット印刷装置100は、吸引ポンプ314で吸引されたインクを回収するため、インク回収管IT、インク回収管ITが接続するリテンションタンクRT、リテンションタンクを介してインクを回収する廃液タンクHTを有している。
【0032】
なお、ここでは、一つのインクジェットノズル群30を構成するために、8個のインクジェットヘッド30a〜30hが列設されているものとして説明を行なう。無論、インクジェットノズル群30を構成するために列設されるインクジェットヘッドの数は、8に限定されることはない。
また、ここでは一つのインクジェットノズル群30に対応したインク経路を図示しているが、インク経路は各インクジェットノズル群30に対応してそれぞれ備えられているものとする。この場合、リテンションタンクRTおよび廃液タンクHTは、各インク経路にそれぞれ備えるようにしても良いし、あるいは複数のインクジェットノズル群30のインク経路が吸引ポンプ314で集約され、一つのリテンションタンクRTおよび廃液タンクHTでインクを回収するようにしても良い。
【0033】
吸引キャップ311は、ノズルの乾燥、汚染を防ぐため、インクジェットノズル群30を被覆する。吸引ポンプ314に接続される吸引チューブ312を備えた吸引キャップ311は、制御部1の制御に基づいてインクジェットノズル群30が下降することで、図2に示すような被覆を実行し、インクジェットノズル群30のインク詰まりを解消するための吸引を行なうことができる。
ここでは、インクジェットヘッド30a〜30hに対応して、吸引キャップ311a〜311hが備えられている。
【0034】
吸引チューブ312は、前述のように吸引キャップ311に接続されており、図2に示すように吸引キャップ311に被覆されたインクジェットノズル群30から吸引されたインクは吸引チューブ312を経て吸引ポンプ314によって吸引される。
ここでは、吸引キャップ311a〜311hに対応して、吸引チューブ312a〜312hが備えられている。
【0035】
電磁開閉弁313は、吸引ポンプ314に接続する吸引管路315に備えられている。電磁開閉弁313は、インクジェットノズル群30を吸引キャップ311が被覆し、インクジェットヘッド30a〜30hからインクの吸引を行なう時、制御部1の制御により電磁開閉弁313が吸引管路316を開放する。
【0036】
吸引ポンプ314は、吸引管路315、吸引チューブ312a〜312h、吸引キャップ311を介して、インクジェットノズル群30からインクを吸引する。吸引ポンプ314が負圧を発生させると、インクジェットノズル群30からインクが流出する。負圧によって流出したインクは、吸引キャップ311、吸引チューブ312、吸引管路315、吸引ポンプ314を経由して、インク回収管ITを通じてリテンションタンクRTに流れ込み、さらにリテンションタンクRTを介して廃液タンクHTに回収される。
【0037】
図3は、インクジェット印刷装置100に配設されたリテンションタンクRTを説明するための図である。図3では、廃液タンクHTが所定に位置に設置されておらず、リテンションタンクRTが廃液を貯留する転倒状態であることを示している。
【0038】
リテンションタンクRTには、吸引ポンプ314から延びるインク回収管ITが接続されている。インク回収管ITは固定配管ではなく軟素材で構成されているので、リテンションタンクRTの状態が起倒いずれであったとしても、吸引ポンプ314が吸引したインクをリテンションタンクRTへ流し込むことができる。
【0039】
リテンションタンクRTは、リテンションタンクRTをインクジェット印刷装置100に軸支するための枢動軸RTx、廃液タンクHTが所定の位置に配置された時、リテンションタンクRTを転倒させる転倒ノブRTn、廃液タンクHTにインクを流し込むノズルRTz、そして廃液タンクHTが所定の位置に配置されていない場合、インクを貯留する貯留部RTtを備えている。
【0040】
枢動軸RTxは、図示しないインクジェット印刷装置100の構造材にリテンションタンクRTを軸支するためのものである。枢動軸RTxを中心として、廃液タンクHTが所定の位置に設置された時、リテンションタンクRTが転倒状態となり、廃液タンクHTが所定の位置から外された場合、リテンションタンクRTは起立状態となる。
【0041】
転倒ノブRTnは、廃液タンクHTが所定の位置に設置された場合に、リテンションタンクRTを転倒状態にするために備えられている。廃液タンクHTが所定の位置に設置されると、廃液タンクHTが転倒ノブRTnを押し込むので、枢動軸RTxを中心として、リテンションタンクRTが回転し、転倒状態となる。一方、廃液タンクHTが所定の位置から外されると、廃液タンクHTによる転倒ノブRTnの押し込みが失われるので、枢動軸RTxを中心として、リテンションタンクRTが回転し、起立状態となる。
【0042】
ノズルRTzは、リテンションタンクRTが転倒状態にあるとき、廃液タンクHTの開口部に挿入され、インク回収管ITから流入するインク、あるいは後述の貯留部RTtに貯留されたインクを廃液タンクHTに流し込む。
【0043】
貯留部RTtは、リテンションタンクRTが起立状態にあるとき、インク回収管ITから流入するインクを貯留する。貯留部RTtは、吐出部3によるクリーニング処理数回分のインクを貯留することができる。リテンションタンクRTが転倒状態になると、貯留部RTtが貯留していたインクは廃液タンクHTに流し込まれる。
【0044】
図4は、インクジェット印刷装置100における廃液タンクHTとリテンションタンクRTの設置状態を説明するための図である。
【0045】
図4(a)は、インクジェット印刷装置100において、廃液タンクHTが所定の位置に設置されている状態を示している。廃液タンクHTが所定の位置に設置されていると、リテンションタンクRTの転倒ノブRTnが廃液タンクHTによって押し込まれるために、リテンションタンクRTは転倒した状態となる。
このとき、吐出部3におけるクリーニング動作としてパージが行われると、インク回収管ITを経てリテンションタンクRT内にインクが流れ込む。リテンションタンクRTは転倒状態にあるため、貯留部RTtにインクが貯留されることはなく、ノズルRTzから廃液タンクHTにインクが流し込まれて回収される。
【0046】
図4(b)は、インクジェット印刷装置100から廃液タンクHTが取り外され、所定の位置に設置されていない状態を示している。回収したインクの廃棄などで廃液タンクHTがインクジェット印刷装置100から取り外されると、転倒ノブRTnによる押し込みが失われ、リテンションタンクRTが起立状態となる。
このとき、吐出部3におけるクリーニング動作としてパージが行われると、インク回収管ITを経てリテンションタンクRTに流れ込んだインクは、リテンションタンクRTが起立状態なので、ノズルRTzから廃液タンクHT側へ流れ出すことはなく、貯留部RTtに貯留される。再び廃液タンクHTが所定の位置に設置されると、図4(a)に示すようにリテンションタンクRTが転倒状態になり、貯留部RTtに貯留されたインクがノズルRTzから廃液タンクHTに流し込まれる。
【0047】
すなわち、リテンションタンクRTが存在しない場合、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていない状態では、インク回収管ITからのインクが機内に流れ出してしまうので、吐出部3によるパージを行うことはできない。そのため、直接動作には関わらない廃液タンクHTが所定の位置に設置されていないということだけで、インクジェット印刷装置100は動作を停止しなければならない。
それに対して、リテンションタンクRTが存在する場合、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていない状態で吐出部3によるパージが行われたとしても、インク回収管ITからのインクをリテンションタンクRTがある程度貯留するので、インクジェット印刷装置100は動作を行うことができるため、効率が向上する。
【0048】
〈第2の実施形態〉
図3に示したリテンションタンクRTを備えたインクジェット印刷装置100では、確かに廃液タンクHTが所定の位置に設置されていない場合でもパージを行うことが可能であるが、リテンションタンクRTの貯留部RTtの貯留量は廃液タンクHTに比べれば低いので、リテンションタンクRTからのインクオーバーフローを防止するために、廃液タンクHTが取り外された状態における過度のパージは回避しなければならない。
そのため、インクジェット印刷装置100の制御部1は、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていない状態におけるリテンションタンクRTへのインク貯留を制御する。
【0049】
図5は、インクジェット印刷装置100における制御部1を説明するための図であり、特に廃液回収系の制御を行う構成を説明するためのものである。
【0050】
制御部1は、リテンションタンクRTのインク貯留を制御するために、保守部101、廃液タンク検知部102、貯留回数カウント部103を備えている。
保守部101は、インクジェットヘッド30群に備えられたノズルを図示しないワイパーで払拭するワイピング、ノズルに対するダスト付着、あるいはノズルにおけるメニスカスを形成する液体の乾燥を防止するためのインクジェットヘッド30群を吸引キャップ311で被覆するキャッピング、特にインクジェットヘッド群30からインクを吐出してノズルの洗浄を行うパージなど、吐出部3に対する保守動作の制御を行う。
【0051】
廃液タンク検知部102は、インクジェット印刷装置100に廃液タンクHTの設置状態を検知する。廃液タンクHTがインクジェット印刷装置100から取り外されている場合、図示しない検知センサからの信号に基づいて、廃液タンク検知部102は廃液タンクHTが所定の位置に設置されていないものと判断する。
廃液タンク検知部102による廃液タンクHTの有無に基づいて、貯留回数カウント部103は、廃液タンク検知部102によって廃液タンクHTが所定の位置に設置されていないと判断された場合、保守部101によって行われたパージの回数をカウントするカウンタiを備えている。パージを行うと廃棄されるべきインクがリテンションタンクRTの貯留部RTtに貯留されるので、パージが多く行われるとリテンションタンクRTからインクがオーバーフローする可能性が生じる。そのため、保守部101は、貯留回数カウント部103のカウンタiによってカウントされたパージ回数が所定値を超えた場合、パージを行う必要が生じたとしても、あるいはパージが指示されたとしても、パージを行わないように制御する。
【0052】
また、貯留回数カウント部103は、パージ回数が所定値を超えた場合、インクジェット印刷装置100が備える図示しない表示部に警告情報を表示する警告部1031を備えている。警告部1031は、パージ回数が所定値を超えた場合、すなわちリテンションタンクRTのオーバーフローが生じる可能性が出た場合に、表示部に「インクオーバーフローを防ぐため、廃液タンクを所定の位置に設置してください」という主旨の警告を表示する。
【0053】
図6は、インクジェット印刷装置100における廃液回収系の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS1において、廃液タンク検知部102が廃液タンクHTの設置状態を検知する。廃液タンク検知部102が、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていると判断した場合、インクジェット印刷装置100の制御部1は保守部101による保守動作を含む通常動作を行う。
一方、廃液タンク検知部102が、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていないと判断した場合、制御部1はステップS2に移行し、貯留回数カウント部103のカウンタiをリセットして「0」とする。
なお、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていない場合であっても、後述するステップに移行するまで、本発明に関わるインクジェット印刷装置100は、特に保守動作を含む通常動作を止めなくてもよい。
【0054】
ステップS3において、保守部101が、吐出部3に対する保守動作としてパージを行ったか否かを判断する。保守動作としてパージ以外の処理を行った場合には、貯留回数カウント部103はカウントを行わない。保守部101が吐出部3に対してパージを行わせた場合、貯留回数カウント部103はカウンタiに1を加算する(ステップS4)。
【0055】
ステップS5で、貯留回数カウント部103のカウンタiが所定値nを超えたか否かを判定する。カウンタiが所定値nを超えていない場合、ステップS3に帰還する。一方、カウンタiが所定値nを超えた場合、リテンションタンクRTの貯留部RTtからインクのオーバーフローが生じる可能性があるものとして、ステップS6へ移行する。
【0056】
ステップS6において、警告部1031が図示しないインクジェット印刷装置100の表示部に、リテンションタンクRTのオーバーフローが生じる可能性を警告し、あわせて廃液タンクHTをインクジェット印刷装置100の所定の位置に設置することを示唆する。
【0057】
また、ステップS7において、保守部101は吐出部3に対する保守動作のうち、パージについて処理を中止する。これにより、保守部101が吐出部3に対して保守動作を行ったとしてもパージは行わないので、リテンションタンクRTのオーバーフローは防止することができる。
【0058】
ステップS7の処理が完了したならば、ステップS8において、廃液タンク検知部102が廃液タンクHTの設置状態を検知する。廃液タンク検知部102が廃液タンクHTが設置されていないことを検知した場合、廃液タンクHTを検知するまで、ステップS6に帰還する。
一方、廃液タンクHTが設置されていることを検知したならば、ステップS2に戻って貯留回数カウント部103のカウンタiをリセットし、廃液回収系の動作を繰り返して実行する。
【0059】
インクジェット印刷装置100の制御部1が、図6のフローチャートに示したような動作を実行することにより、廃液タンクHTが所定に位置に設置されていなかったとしても、保守部101は所定回数はパージを行うことができるので、インクジェット印刷装置100における印刷動作の効率を向上することができる。
【0060】
〈第3の実施形態〉
これまでの説明では、リテンションタンクRTが起倒可能であり、転倒状態を示しているとき廃液タンクHTにインクを流し込み、起立状態を示しているときに貯留部RTtにインクを貯留していたが、リテンションタンクRTの構成はこれに限定されることはない。
【0061】
図7は、リテンションタンクRTの別の態様を示すための図である。
図7(a)に示すリテンションタンクRT2は、全体として貯留部RTtを実現するようになっており、枢動軸RTx、および転倒ノブRTnに相当する構成を備えていないことから、転倒状態を示すことはない。
一方、リテンションタンクRT2は、ノズルRTzの開閉を行うために使用されるスライドノブRTsを備えている。スライドノブRTsは、廃液タンクHTを所定の位置に設置することによる押圧がない場合にバネなどの弾性体によってノズルRTzを閉止し、押圧がある場合にノズルRTzを開放するように摺動する。
なお、図7(a)において、ハッチングがなされたスライドノブRTsの部位は、リテンションタンクRT2内部に位置しており、摺動箇所は防滴処理がなされている。
【0062】
図7(b)は、廃液タンクHTが所定の位置に設置されているときのリテンションタンクRT2の状態を示している。廃液タンクHTが所定の位置に設置されている場合、廃液タンクHTを設置した際の押圧により弾性力に抗してスライドノブRTsがノズルRTzを開く方向に摺動している。この状態で、吐出部3がパージを行うと、インク回収管ITを経てリテンションタンクRT2に流れ込んだインクは、開放されたノズルRTzから廃液タンクHTに流し込む。
【0063】
図7(c)は、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていないときのリテンションタンクRT2の状態を示している。廃液タンクHTが取り外されているので、弾性力によりスライドノブRTsがノズルRTzを閉止する方向に摺動する。この状態で、吐出部3がパージを行うと、インク回収管ITを経て流れ込んだインクは、リテンションタンクRT2に貯留される。
【0064】
従って、図7に示すようなリテンションタンクRT2が存在する場合、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていない状態で吐出部3によるパージが行われたとしても、インク回収管ITからのインクをリテンションタンクRT2がある程度蓄積するので、廃液タンクHTが所定の位置に設置されていなかったとしても、やはりインクジェット印刷装置100は印刷動作を行うことができる。これにより、インクジェット印刷装置100の動作効率を向上することができる。
【0065】
〈変形例〉
これまでの説明では、廃液タンクHTの有無により、リテンションタンクRTに機械的な動作を加えることにより、リテンションタンクRTにおいてインクを貯留するか、インクを流し込むか、の状態が決定されていた。
それに対して、廃液タンクHTの有無に関わらず、リテンションタンクRTに対する電気的な制御を行うことで、リテンションタンクRTの状態を決定するようにしても良い。
【0066】
図8は、電気的な制御が行われるリテンションタンクRTの態様を示すための図である。
図8(a)に示すリテンションタンクRT3は、図4(a)に示したリテンションタンクRTとほぼ同様の構成であるが、転倒ノブRTnを備えていないこと、枢動軸RTxを制御部1によって制御が行われるサーボモータCMが枢動させること、が図4(a)のリテンションタンクRTとは異なっている。
【0067】
図8(a)では、廃液タンクHTが所定の位置に設置されているにも関わらず、制御部1がサーボモータCMを駆動して枢動軸RTxを枢動させることにより、リテンションタンクRT3を起立状態としてインクを貯留している。
例えば、廃液量を検知するセンサを備えることにより、廃液タンクHTが回収したインクで満杯になっていることを制御部1が検知した場合、制御部1はサーボモータCMを駆動してリテンションタンクRT3でパージしたインクを貯留して、廃液タンクHTのインクオーバーフローを防止する。この状態で数回のパージを行い、リテンションタンクRT3のインク貯留量が限界に近づいた場合、警告部1031がインクジェット印刷装置100の図示しない表示部に、廃液タンクHTに回収されたインクを廃棄する主旨の警告を表示するようにしてもよい。
【0068】
回収したインクを廃棄して廃液タンクHTが所定の位置に設置されると、制御部1は廃液量を検知するセンサからの情報に基づいて廃液タンクHTにインクが回収可能であると判断し、図8(b)に示すように、サーボモータCMを駆動して枢動軸RTxを枢動し、インク回収管ITからのインクを廃液タンクHTに流し込むためにリテンションタンクRT3を転倒状態とする。
【0069】
このように、リテンションタンクRT3がインクを貯留するか、インクを流し込むか、を電気的に制御することにより、廃液タンクHTからのインクオーバーフローを防止することができるので、インクジェット印刷装置100の動作効率は向上する。
【0070】
また、廃液タンクHTが満杯になっていない場合であっても、リテンションタンクRT3を起立状態として、インクを貯留し、数回のパージを行った後、制御部1がリテンションタンクRT3を転倒させて、貯留していたインクを廃液タンクHTに流し込むようにしてもよい。
【0071】
なお、ここまでは、廃液タンクHTがリテンションタンクRT、RT2に備えられた転倒ノブRTn、スライドノブRTsを押し込むことで、リテンションタンクRT,RT2からインクが廃液タンクに流れ込むように説明を行なってきたが、それ以外の手法でリテンションタンクRTから廃液タンクHTにインクが流れ込むようにしてもよい。例えば、廃液タンクHTを所定の位置に設置すると廃液タンクHTに備えられた弁押しピンがリテンションタンクRTのノズルRTzに備えられた弁を押し上げることで、貯留部RTtに貯留されたインクが廃液タンクHTに流れ込むような構成を採用することが可能である。
【0072】
また、ここまでの説明では、インクジェット印刷装置100を対象として説明を行ってきたが、その他液体を処理する液体処理装置における廃液回収装置としても適用が可能である。
【0073】
さらに、ここまでの説明では、インクジェット印刷装置100における廃液をインクとして説明を行ってきたが、液晶用カラーフィルタや生体組織形成のための機能性液体であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 制御部
2 搬送部
3 吐出部
4 乾燥部
5 検査部
9 用紙
30、30k、30c、30m、30y インクジェットノズル群
100 インクジェット印刷装置
101 保守部
102 廃液タンク検知部
103 貯留回数カウント部
1031 警告部
CM サーボモータ
HT 廃液タンク
i カウンタ
IT インク回収管
RT、RT2、RT3 リテンションタンク
RTn 転倒ノブ
RTs スライドノブ
RTt 貯留部
RTx 枢動軸
RTz ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8