(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
[00030]
図1は、本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置100を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影システム)PSとを含む。
【0031】
[00031] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
【0032】
[00032] 支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスMAを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。
【0033】
[00033] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0034】
[00034] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0035】
[00035] 照明システムなどの投影システムは、使用されている露光放射に、又は真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光コンポーネントを含んでいてもよい。他のガスは放射を吸収しすぎるので、EUV放射には真空環境を用いることが望ましい。したがって、真空壁と真空ポンプの助けによりビーム経路全体に真空環境を提供することができる。
【0036】
[00036] 本明細書に示すように、本装置は反射型(例えば、反射マスクを使用する)である。
【0037】
[00037] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0038】
[00038]
図1を参照すると、イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線(EUV)放射ビームを受ける。EUV光を生成する方法としては、EUV範囲内の1つ又は複数の輝線で材料を少なくとも1つの元素、例えばキセノン、リチウム、又はスズを有するプラズマ状態に変換することが挙げられるが、これらに限定されない。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多いそのような方法で、必要な線発光素子を有する材料の液滴、流れ、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって、必要なプラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを供給するための
図1に図示していないレーザを含むEUV放射システムの一部であってもよい。結果として得られるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、上記出力放射は、ソースコレクタモジュール内に配置された放射コレクタを用いて収集される。例えば、CO
2レーザを使用して燃料を励起するレーザビームを供給する場合、レーザ及びソースコレクタモジュールは、別個のエンティティであってもよい。
【0039】
[00039] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば、好適な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダを備えるビームデリバリシステムの助けにより渡される。他の場合では、例えば、放射源が多くの場合DPP源と呼ばれる放電生成プラズマEUVジェネレータである時には、放射源はソースコレクタモジュールの一体部分であってもよい。
【0040】
[00040] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調整するように構成されたアジャスタを備えてもよい。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調整できる。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調節し、放射ビームの断面に所望の均一性及び強度分布を付与できる。
【0041】
[00041] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームを合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けにより、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いてパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2と、基板アライメントマークP1、P2とを使って整列させてもよい。
【0042】
[00042] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードにおいては、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
2.スキャンモードにおいては、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0043】
[00043] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0044】
[00044]
図2は、ソースコレクタモジュールSOと、照明システムILと、投影システムPSとを含む装置100の詳細図を示す。ソースコレクタモジュールSOは、真空環境をソースコレクタモジュールSOの包囲構造220内に維持できるように構築され配置される。超高温のプラズマ210を放出するEUV放射が放電生成プラズマ源によって形成できる。EUV放射は、ガス又は蒸気、例えば、Xeガス、Li蒸気又はSn蒸気によって生成でき、その内部に超高温のプラズマ210が生成されて電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出する。超高温のプラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを発生させる放電によって生成される。例えば、Xe、Li、Sn蒸気又はその他の好適なガス又は蒸気の10Paの分圧が、放射を効率よく発生させるために必要になることがある。ある実施形態では、励起されたスズ(Sn)のプラズマを提供してEUV放射が生成される。
【0045】
[00045] 超高温プラズマ210が発する放射は、放射源チャンバ211の開口内又は開口の後ろに配置される任意選択のガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して放射源チャンバ211からコレクタチャンバ212内へ送られる。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含んでいてもよい。汚染物質トラップ230は、ガスバリア又はガスバリアとチャネル構造の組合せを含んでいてもよい。本明細書に示す汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、当技術分野で周知のように、チャネル構造を少なくとも含む。
【0046】
[00046] コレクタチャンバ211は、いわゆるかすめ入射コレクタであってもよい放射コレクタCOを含んでいてもよい。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251と、下流放射コレクタ側252とを有する。コレクタCOを横切る放射は、格子スペクトルフィルタ240で反射されて仮想放射源点IFに合焦できる。仮想放射源点IFは、一般に中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが包囲構造220の開口221に、又はその付近に位置するように配置される。仮想放射源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。放射の円錐50は、中間焦点IFから照明システムIL内へ延在する。
【0047】
[00047] その後、放射は照明システムILを横切る。照明システムILは、パターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の所望の角度分布及びパターニングデバイスMAにおける放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含んでいてもよい。支持構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAに放射ビーム21が反射すると、パターン付ビーム26が形成され、パターン付ビーム26は、投影システムPSによって、反射素子28、30を介して、ウェーハステージ又は基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。
【0048】
[00048] 一般に、図示された素子よりも多数の素子が照明光学系ユニットIL及び投影システムPSに存在してもよい。格子スペクトルフィルタ240は、リソグラフィ装置のタイプによって任意選択として存在してもよい。さらに、図示されたミラーより多数のミラーが存在してもよい。例えば、
図2に示すものと比較して、投影システムPS内に追加の1個〜6個の反射素子があってもよい。
【0049】
[00049] 照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス22及びセンサアレンジメント54に装着されたリフレクタアレンジメント52を備える。リフレクタアレンジメント52は、放射の円錐50をセンサアレンジメント54へ向けて誘導する。
【0050】
[00050]
図2に示すコレクタ光学系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)のほんの一例として、かすめ入射リフレクタ253、254、及び255を有するネスト状コレクタとして示されている。かすめ入射リフレクタ253、254、及び255は、光軸O周りに軸対象に配置され、このタイプのコレクタ光学系COは、好ましくは、多くの場合DPP源と呼ばれる放電生成プラズマ源と組み合わせて用いられる。
【0051】
[00051] あるいは、放射源コレクタモジュールSOは、
図3に示すようにLPP放射システムの一部であってもよい。レーザLAは、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料内にレーザエネルギーを堆積し、数十eVの電子温度を有する高度にイオン化されたプラズマ210を生成するように構成されている。これらのイオンの脱励起及び再結合中に生成されるエネルギー放射がプラズマから放出され、略垂直入射コレクタ光学系COによって収集され、包囲構造220の開口221上に合焦される。
【0052】
[00052]
図4は、周知のリソグラフィ装置に入射する放射が遭遇する第1のリフレクタを形成してもよい周知のリフレクタのフェイスオン図を示す。例えば、リフレクタ10は、
図2に示すものと同様のリソグラフィ装置内のファセットフィールドミラーデバイス22を形成できる。
図4を再度参照すると、リフレクタ10は、ソースコレクタモジュールからそれらに入射した放射を反射する2つの反射部分12a、12bを備える。反射部分12a、12bは、それらが一緒にほぼ円形の形状を形成するように配置されている。反射部分は各々、複数のリフレクタ素子(図示せず)を含む。イルミネータ内には支持フレーム14が装着され、反射部分12a、12bに対して固定位置関係を保った位置にある。例えば、支持フレーム14は、反射部分12a、12bに隣接していてもよい。支持フレーム14は、使用時にイルミネータを通過する放射に対して反射部分12a、12bの上流側であるような位置にあってもよい。支持フレームは一般に、リフレクタ10に入射した放射を反射部分12a、12bよりも反射しない堅牢で稠密な材料から形成される。支持フレーム14は、例えば金属から構成されてもよい。3つの同様のセンサ16a、16b、16cが支持フレーム14に装着されている。センサ16a、16b、16cは、リフレクタ10の周囲にほぼ等角度に間隔を空けて配置されている。センサ16a、16b、16cは、一次元センサであってもよい。センサは、全長にわたって異なる位置に入射する放射の量を検出する。そのようなセンサをエッジ検出センサと呼ぶことができる。円18がソースコレクタモジュールからリフレクタ10に入射した放射の外縁の位置を示す。放射のエッジ18は、センサ16a、16b、16cの各々を通過することが分かる。各々のセンサ16a、16b、16cは、放射のエッジの位置を検出できる。
【0053】
[00053] センサ16a、16b、16cの出力を用いてリフレクタ10に入射した放射の円錐のサイズと、リフレクタに入射した放射の円錐の投影の形状と、リフレクタ10に入射した放射の円錐の投影の位置とを決定できる。したがって、センサ16a、16b、16cの出力を用いて遠視野のサイズ、形状及び位置を決定できる。この情報を用いて遠視野位置を決定できる。例えば、遠視野位置は、遠視野の幾何学的中心であってもよい。遠視野は放射ビームの投影でるため、放射ビームの光源(例えば、ソースコレクタモジュールSO)が遠視野が投影される平面(例えば、イルミネータILのファセットフィールドミラー22)に対して移動すると、遠視野の場所(したがって、遠視野位置)が変化する。例えば、ファセットフィールドミラー上の遠視野の場所が変化する。したがって、遠視野のサイズ、形状及び位置に関連するセンサ16a、16b、16cの出力は、ソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間のアライメントの関数である。遠視野(及び遠視野位置)に関連するセンサ16a、16b、16cの出力を用いて、遠視野(及び遠視野位置)が一定の境界内に位置することを確認することで確実にソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間のアライメントが正確であるようにすることができる。確実にソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間のアライメントが正確であるようにすることで、イルミネータの動作性能(したがって、リソグラフィ装置の結像性能及び/又はスループット)を向上させることができる。
【0054】
[00054] 上述したように、リソグラフィ装置のソースコレクタモジュールは、イルミネータへ誘導される放射の円錐を生成する。イルミネータが協働してパターニングデバイスへ放射を誘導する複数のリフレクタ(例えば、ファセットフィールドミラーを含む)を含むことは一般的である。そのようなリソグラフィ装置では、ソースコレクタモジュールとイルミネータ、したがって、遠視野位置とのアライメントが正確であることが重要である。この2つの理由を以下に述べる。第1に、遠視野位置(したがって、放射がイルミネータに入射する方向)が不正確であると、イルミネータ内の複数のリフレクタのアライメントが放射の一部をパターニングデバイスへ誘導する能力を持たない。第2に、遠視野位置が不正確だと、パターニングデバイス(したがって、基板)に入射する放射の強度分布が不正確になることがある。リソグラフィ装置によっては、ソースコレクタモジュールによって生成された放射の円錐がイルミネータ内のあらゆるリフレクタの中心に(したがってパターニングデバイス及び基板の中心に)入射することが望ましい。これは、反射部分12a、12bが各々複数のリフレクタ素子を含むケースで、リフレクタ素子間の相互作用がリフレクタ10の実質的に中心の位置する遠視野位置(このケースでは、リフレクタ10に入射する放射ビームの像の中心の位置)に関して最適化されているからである。また一部のリソグラフィ装置では、ソースコレクタモジュールとリソグラフィ装置とが整列して、遠視野位置がソースコレクタモジュールによって生成された放射の円錐の縁部が一般にイルミネータのリフレクタの縁部に整列するような位置であることが有利である。これが有利である理由としては、放射の円錐の縁部が一般にイルミネータのリフレクタの縁部に確実に整列するようにすることで、ソースコレクタモジュールによって生成された放射がリフレクタを外れることが実質的に防止されるという点が挙げられる。放射がリフレクタを外れることを実質的に防止することで、これは放射ビームがイルミネータからパターニングデバイスを通過する際に失われる放射の量を最小限にする。放射ビームがイルミネータからパターニングデバイスを通過する際に失われる放射の量を最小限にすることで、基板上に像を生成するために使用可能な放射の量は最大限にされ、それによってリソグラフィ装置の結像性能及び/又はスループットを向上させることができる。
【0055】
[00055] 一部のリソグラフィ装置は、照明システム内にかなりのサイズのリフレクタ(ファセットフィールドミラーデバイスなどの)を備えていてもよい。そのような大型のリフレクタを使用することは、支持フレームの使用を不利にする可能性がある。これは、リフレクタが大型になれば、大型の支持フレームが必要になるからである。これは、支持フレームに装着されたセンサがリフレクタの外縁に対応する位置になければならないからである。支持フレームが一般に稠密な材料から製造されるという事実から、大型の支持フレームの使用は支持フレームが扱いにくくて重いということを意味する。支持フレームの製造に用いる材料を増やすことは、そのような支持フレームのコストの増加になる。したがって、大型のリフレクタの場合、支持フレームを装備しない方が有利であろう。リフレクタが支持フレームを有しない状況では、支持フレーム上のリフレクタの周囲にエッジ検出センサを配置することはできない。
【0056】
[00056] 本発明は、支持フレーム上のイルミネータ内のリフレクタ(例えば、ファセットフィールドミラーデバイス)に隣接するエッジ検出センサを使用せずに遠視野位置を決定する代替方法を提供することを目的とする。支持フレーム上のセンサを使用しないことで支持フレームをなくすことができ、リソグラフィ装置のイルミネータを軽量化でき、製造コストを低減できる。
【0057】
[00057]
図5は、本発明のある実施形態の一部を形成する構成の概略図を示す。リソグラフィ装置のソースコレクタモジュールによって生成され、中間焦点IFの下流側にある放射の円錐は50で示されている。放射円錐50の縁部51は、リフレクタアレンジメント52に入射する。この例では、リフレクタアレンジメントは平面ミラー53を含む。平面ミラー53は、イルミネータのファセットフィールドミラーデバイス上に装着されている。幾つかの実施形態では、イルミネータ内で放射が入射する第1のリフレクタは、支持構造に装着された複数のファセットフィールドミラーデバイスを備えてもよい。これらの実施形態では、支持構造に平面ミラー53を装着してもよい。別の実施形態では、平面ミラー53(したがって、リフレクタアレンジメント52)をイルミネータの任意の好適な部分(例えば、イルミネータ内の別のリフレクタ)に装着してリフレクタアレンジメントがイルミネータに対して固定位置関係に配置されるようにできることを理解されたい。リフレクタアレンジメントは、イルミネータの一部(例えば、ファセットフィールドミラー)に対して固定位置関係にあるという事実によって、イルミネータ(特にリフレクタアレンジメントが固定位置に配置されたイルミネータの部分)のいかなる移動もリフレクタアレンジメントの同じ移動を引き起こす。このために、リフレクタアレンジメントの移動の測定は、イルミネータ(特にリフレクタアレンジメントが固定位置に配置されたイルミネータの部分)の移動の測定と等価である。
【0058】
[00058] リフレクタアレンジメント52は、リフレクタアレンジメント52によって反射された放射をセンサアレンジメント54へ誘導する。この例では、センサアレンジメント54は、一次元エッジ検出センサ55を含む。リフレクタアレンジメント52はイルミネータの少なくとも一部と固定位置関係にあるため、リフレクタアレンジメントによって反射された放射のセンサアレンジメント54による測定はイルミネータの位置を示す。さらに、センサアレンジメント54は、リフレクタアレンジメントに対して固定位置関係にある。これによってセンサアレンジメントによって測定される放射が、リフレクタアレンジメントとセンサアレンジメントとの相対位置の変化ではなく、遠視野の場所(したがって、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの相対位置決め)の関数であることが確実にされる。
【0059】
[00059] 遠視野の場所(したがって、遠視野位置)が変化すると、放射円錐50の縁部51の位置が変化する。その結果、リフレクタアレンジメント52によって反射され、センサアレンジメント54に入射する放射の縁部の位置も変化する。これによって、検出器アレンジメント(リフレクタアレンジメント52と、センサアレンジメント54とを含む)が遠視野の場所を測定し遠視野位置を決定することができる。
【0060】
[00060]
図6は、3つの同様のリフレクタアレンジメント52を含む検出器アレンジメントの一例を示す。リフレクタアレンジメント52は、リフレクタ22aの平面内の方位角0度、120度、240度の位置でリフレクタ22aに装着されている。本発明の検出器アレンジメントの一部として任意の数のリフレクタアレンジメントを使用できることを理解されたい。同様に、特定の又は各リフレクタアレンジメントは、リフレクタ22aの周囲の適当な位置(又は相対位置)を有していてもよい。
【0061】
[00061] リフレクタアレンジメントが装着されるリフレクタへ遠い側のセンサアレンジメントへ遠視野に関する情報を結合するリフレクタアレンジメントの使用は、センサアレンジメントを任意の適当な位置に置くことができるということを意味する。これは、リフレクタアレンジメントが反射する放射を任意の適当な場所へ誘導するようにリフレクタアレンジメントを配置し傾斜させることができるということを意味する。例えば、センサアレンジメントとリフレクタアレンジメントとの間に固定位置関係がある限り、センサアレンジメントはイルミネータの内側又はイルミネータの外側でよい。センサアレンジメントはリフレクタ(例えば、ファセットフィールドミラーデバイス)から遠い位置に配置できるという事実によって、センサアレンジメントを支持するリフレクタと同様のサイズの支持フレームはリフレクタ近辺に必要ない。イルミネータから支持フレームを省略できるということは、イルミネータをより小さくなるように構成できるということを意味する。さらに、支持フレームを有しないイルミネータは、支持フレームの高価で稠密な性質のためにより安くかつ重量減となる。支持フレームがリフレクタと一体構成のケースでは、支持フレームの省略によってそのようなリフレクタはサイズが小さく、軽量で、製造コストが安くなる。例えば、支持フレームがなく、一体型の支持フレームを有するリフレクタと同じ反射面積を有するリフレクタは、一体型の支持フレームを有するリフレクタと比べてより小さい空間に装着可能である。
【0062】
[00062] 上述したように、平面ミラー53と一次元センサ55は、ソースコレクタモジュールによって生成された放射の円錐の縁部の位置を測定し、それによって遠視野位置の場所(したがって、遠視野位置)を決定できる。しかし、リフレクタアレンジメント52とセンサアレンジメント54とのこの組合せは、本発明の幾つかの適用例で不利な特性を有する。これらの特性を以下に説明する。
【0063】
[00063]
図7及び
図8は、ソースコレクタモジュール(図示せず)とイルミネータとの間の様々な相対移動が遠視野に与える影響の概略図を示す。これらの図は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の様々な相対移動がリフレクタアレンジメント52(
図5に示す)が反射した放射、したがって、センサアレンジメント54によって測定された放射の縁部の位置に与える影響も示す。
図7は、遠視野の直線的並進移動(例えば、リソグラフィ装置のソースコレクタモジュールをイルミネータに対して並進移動させることによる)を示す。
図8は、放射ビーム源と遠視野が投影される平面との間の傾斜による遠視野の別の移動(例えば、中間焦点IF周りのイルミネータに対してソースコレクタモジュールを傾斜させることによる)を示す。
図7と
図8の両方で、イルミネータは、リフレクタアレンジメント52と、センサアレンジメント54とを含む。
【0064】
[00064] 詳細に言えば、
図7は、ソースコレクタモジュールのイルミネータに対する並進移動によって放射の円錐50と中間焦点IFとが初期の位置(破線で示す)から並進移動位置(実線で示す)へ移動する様子を示す。中間焦点と放射の円錐50の並進移動は、T
1で示されている。中間焦点IFと放射の円錐50の並進移動T
1によって、平面ミラー53に入射する放射円錐の縁部51は並進移動する。この結果、センサ55によって検出される縁部の位置も並進移動する。センサ55によって検出される縁部の位置の並進移動は、T
2によって示されている。並進移動T
1はミラー53の平面に平行なため、センサ55によって検出される縁部の位置の並進移動T
2の長さは並進移動T
1の長さに等しい。例えば、イルミネータに対するソースコレクタモジュールの1mmの並進移動T
1は、センサ55における1mmの並進移動T
2を引き起こす。
【0065】
[00065]
図8は、中間焦点IF周りのソースコレクタモジュールとイルミネータとの傾斜を示す。傾斜前にソースコレクタモジュールによって生成された放射円錐は点線で示されている。中間焦点周りのイルミネータに対するソースコレクタモジュールの傾斜はR
1で示され、実線で示す位置への放射の円錐50の移動を引き起こす。中間焦点IF周りのソースコレクタモジュールとイルミネータとの相対的な傾斜によって、遠視野の場所(したがって、遠視野位置)が移動する。遠視野の場所の移動は、平面ミラー53に入射する放射の円錐50の縁部51の移動によって示されている。その結果、平面ミラー53によって反射され、センサ55に入射する放射の円錐の縁部は並進移動する。この並進移動はT
3で示されている。中間焦点IF周りのソースコレクタモジュールとイルミネータと間に1/a mradの相対的傾斜がある場合、センサ55では、1+(b/a)mmの並進移動T
3が発生する。上式で、aは、中間焦点IFと平面ミラー53に入射する放射の円錐50の縁部51との間の距離、bは、平面ミラー53に入射する放射の円錐50の縁部51とミラー53によって反射された縁部51がセンサ55に入射する地点との間の距離である。図を見やすくするために、
図7及び
図8は、並進移動(
図7)と傾斜(
図8)の前の距離a及びbだけを示している。
【0066】
[00066]
図7及び
図8に示すように、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と相対的な傾斜の両方の結果、遠視野が移動し、センサ55によって検出された放射の円錐の反射した縁部が並進移動する。このため、(この実施形態のリフレクタアレンジメント52及びセンサアレンジメント54を用いて)ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野(したがって、遠視野位置)の移動と、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜による遠視野の移動とを区別できなくなる可能性がある。例えば、センサアレンジメント54が遠視野位置がターゲット位置から2mm離れているという出力を提供する場合、これは、ソースコレクタモジュールとイルミネータとのターゲットアライメントからソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の並進移動が2mm離れていることによる可能性がある。あるいは、遠視野位置がターゲット位置から2mm離れているというセンサアレンジメント54の出力は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間のターゲットアライメントから中間焦点IF周りのソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mradの相対的傾斜(a=b=1mの場合)による可能性がある。あるいは、ターゲット位置からの遠視野位置の測定された偏差は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動とソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜との組合せによる可能性がある。
【0067】
[00067] 一部のリソグラフィ装置では、センサアレンジメント54の出力に応じて遠視野位置を移動させる(例えば、アライメントのために)ことが望ましい。これは、例えば、ソースコレクタモジュールをイルミネータに対して並進移動させることで達成できる。この実施形態のリフレクタアレンジメント52及びセンサアレンジメント54を使用する時には、ターゲットアライメントから遠ざかるソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野位置の偏差と、ターゲットアライメントから遠ざかるソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜による遠視野位置の偏差とを区別できなくなる可能性がある。このために、センサアレンジメント54を用いてソースコレクタモジュールとイルミネータがターゲットアライメントから遠ざかるように互いに並進移動及び/又は傾斜したか否か(またその程度)、したがって、ターゲット位置からの遠視野位置の偏差を補償するためにソースコレクタモジュールとイルミネータとの間のどのような相対的並進移動及び/又は傾斜が必要であるかを決定できなくなる可能性がある。
【0068】
[00068] 一部のリソグラフィ装置では、イルミネータに対してソースコレクタモジュールを並進移動することでターゲット位置からの遠視野位置の偏差を補償することは望ましくないことに留意されたい。例えば、リソグラフィ装置内の別個のアライメントシステムは、中間焦点の位置を固定することができる(例えば、イルミネータの入口開口に)。この場合、中間焦点の位置は固定されているため、ソースコレクタモジュールをイルミネータに対して並進移動することはできない可能性がある。その代わりに、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と相対的な傾斜の両方による遠視野位置の偏差は、中間焦点周りにイルミネータに対してソースコレクタモジュールを傾斜させることで補償できる。したがって、中間焦点IFの位置は一定のままである。
【0069】
[00069]
図9及び
図10はそれぞれ、本発明の別の実施形態の一部を形成できるリフレクタアレンジメントと検出器アレンジメントとを示す。
【0070】
[00070]
図9及び
図10に示すリフレクタアレンジメント52は、反射領域56と比較的非反射の領域57とを有する平面ミラーを備える。比較的非反射の領域57は、使用時に入射するリソグラフィ装置のソースコレクタモジュールからの放射を実質的に反射しない。比較的非反射の領域57は、入射放射の吸収度及び/又は透過度が比較的高いために入射放射を実質的に反射しない。幾つかの実施形態では、比較的非反射の領域57は、実質的に黒色の材料のコーティングを含んでいてもよい。図の中で比較的非反射の領域57が平面ミラーの下側部分を覆い、比較的非反射の領域57が平面ミラーの基部にある隔離されたリフレクタ領域58を画定することがわかる。この例では、隔離されたリフレクタ領域58は、平面ミラーの基部の一部を黒色の材料でコーティングしないことで作成できる一般に小さい円形ミラー部分である(図では四角形で示しているが)。反射領域56は、比較的非反射の領域57と比べて入射する放射のより多くの割合を反射する。反射領域56、比較的非反射の領域57及び隔離されたリフレクタ領域58は単一のリフレクタの一部を形成するように記載されているが、これはそうでなくてもよい。反射領域56、比較的非反射の領域57及び隔離されたリフレクタ領域58は、別々に形成されてもよい。例えば、反射領域56及び隔離されたリフレクタ領域58は、比較的非反射の領域57によって分離された別々のリフレクタから形成されてもよい。例えば、比較的非反射の領域は、ある量の空気又はある量の真空によって形成されてもよい。
【0071】
[00071]
図10は、
図9に示すリフレクタアレンジメント52とセンサアレンジメント54との両方を有する検出器アレンジメントを示す。センサアレンジメント54は、一次元エッジ検出センサ59を含む。使用時に、ソースコレクタモジュールによって生成された放射の円錐50がリフレクタアレンジメント52に入射して放射の円錐50の縁部51が平面ミラーの反射領域に当たる。放射の円錐50の縁部51は反射領域56によって反射され、一次元エッジ検出センサ59に入射する。エッジ検出センサ59は、
図5に示す実施形態のエッジ検出センサと同様に動作する。センサ59は、全長にわたって異なる位置に入射する放射の量を検出し、放射の円錐50の縁部の位置を決定する。
【0072】
[00072] 放射の円錐50の一部が平面ミラーの隔離されたリフレクタ領域58に入射する。隔離されたリフレクタ領域58は、入射放射を二次元センサ60上に反射する。二次元(2d)センサ60及び一次元(1d)センサ59の両方は、センサアレンジメント54の一部を形成する。二次元センサ60は、例えば、二次元位置検知デバイス(二次元PSD)又は二次元電荷結合素子(二次元CCD)である。二次元PSDの出力は、それに入射する放射のパワー分布の平均中心を表す。隔離されたリフレクタ領域58で、隔離されたリフレクタ領域58によって反射され、二次元PSD上に結像された放射がその平均中心が隔離されたリフレクタ領域58の幾何学的中心に対応する光強度を有する場合、二次元PSDの出力は、デバイスの各々の個別のピクセルに入射する放射の光強度の表示を提供する。二次元PSDの出力をそれに入射する放射のパワー分布を分析して二次元CCDに入射する隔離されたリフレクタ領域の像の中心を決定するプロセッサに供給してもよい。この例では、二次元CCD上に結像した放射のパワー分布は、二次元CCDに入射する隔離されたリフレクタ領域の像の幾何学的中心に対応する必要はない。
【0073】
[00073] センサアレンジメント54の1dセンサ59は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動及び/又は傾斜による遠視野(したがって、遠視野位置)の移動に上記の
図5の一次元センサの応答と同様の方法で応答する。したがって、例えば、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mmの相対的並進移動がある場合、一次元センサ59は、リフレクタアレンジメント52に入射しそれによって反射される放射の縁部の位置の1mmの並進移動を測定する。さらに、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の中間焦点周りの1/a mradの相対的傾斜ごとに、一次元センサ59はリフレクタアレンジメント52に入射し、それによって反射される放射の縁部の位置の1+(b/a)mmの移動を測定する。
【0074】
[00074] 平面ミラーの隔離されたリフレクタ領域58によって反射された放射は、遠視野の場所がソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜(例えば、中間焦点IF周りの)によって移動してもセンサアレンジメント54の二次元センサ60に入射する位置を変えることはない。その代わりに、二次元センサ60に入射し隔離されたリフレクタ領域58によって反射された放射の位置は、遠視野の場所がソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動によって移動した場合には変化する。
【0075】
[00075] 一次元センサ59は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と相対的な傾斜による遠視野の場所の移動の関数である出力を有する。二次元センサ60の出力は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動(相対的な傾斜ではなく)による遠視野位置の場所の移動の関数である。一次元センサと二次元センサの出力の上述した性質のために、両方の出力を比較してソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動とソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜による遠視野(したがって、遠視野位置)の測定された移動を決定し分離することができる。これは以下のように達成できる。
【0076】
[00076] 二次元センサ60を用いてソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野(したがって、遠視野位置)の移動を測定できる。一次元センサ59は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と相対的な傾斜の両方による遠視野(したがって、遠視野位置)の移動の関数である出力を提供する。一次元センサ59の出力の処理を実行してソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動(二次元センサ60の出力によって決定される)による一次元センサ59の出力へのいかなる寄与も除去できる。したがって、一次元センサ59の出力の残りの成分は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜による遠視野位置の場所の移動を表すだけである。
【0077】
[00077] ターゲット位置からの遠視野位置の偏差への個別の並進移動と傾斜の寄与を決定することで、遠視野位置の上記偏差を修正するのに必要なソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な移動を決定できる。ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な移動は、ソースコレクタモジュールの少なくとも一部及び/又はイルミネータの少なくとも一部を移動させることで、すなわち、1つ又は複数のアクチュエータによって達成できる。上述したように、中間焦点の位置を固定する必要があるため、イルミネータに対してソースコレクタモジュール(したがって、中間焦点)の位置を並進移動できない可能性がある。その代わりに、ターゲット位置からの遠視野位置のいかなる偏差も(例えば、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動及び/又は傾斜の結果としての)イルミネータに対して中間焦点周りにソースコレクタモジュールを傾斜させる(又はその逆を行う)ことで補償できる。
【0078】
[00078]
図10に示す検出器アレンジメントの動作の一例について以下に説明する。
【0079】
[00079] この例では、長さa(中間焦点IFとリフレクタアレンジメント52との間の)と長さb(リフレクタアレンジメント52と一次元センサ59との間の)は共に互いに等しく、例えば、両者は共に1mである。一次元センサ59は、センサ59上に反射した放射の円錐の縁部の像の6mmのずれを測定し、二次元センサ60は、センサ60上に反射した隔離されたリフレクタ部分の像の位置の2mmのずれを測定する。二次元センサ60によって測定されたずれに基づいて、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間に1mmの相対的な並進移動があった(ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mmの相対的な並進移動ごとに二次元センサがb/a mm;この例では1mm)のずれを測定するという事実から)ことが分かる。ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間に2mmの相対的な並進移動があった(二次元センサが決定するように)ことが分かる。また、一次元センサ59がソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mmの相対的な並進移動ごとに1mmのずれを測定することも分かる。したがって、一次元センサ59によって測定された6mmのずれのうち、2mmはソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動によるもので、したがって、4mmのずれはソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜によるものであることが分かる。一次元センサ59は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1/a mradの相対的な傾斜ごとに1+(b/a)mmのずれを経験する。したがって、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間には、2mradの相対的な傾斜が存在した。遠視野位置をターゲット位置に整列させるには(遠視野位置の移動を補償するには)、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の2mradの相対的な傾斜を補償し、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の2mmの相対的な並進移動を補償しなければならない。中間焦点IF周りに(すなわち、イルミネータに対してソースコレクタモジュール(したがって、中間焦点IF)を並進移動することなく)ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜によってソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と傾斜とを補償することだけが可能な場合、これは以下のように達成できる。遠視野位置の移動の2mradの傾斜成分はソースコレクタモジュールとイルミネータとの間に(中間焦点IF周りの)−2mradの相対的な傾斜を等しく加えることで補償できる。ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間に加えられる相対的な傾斜の方向は、二次元センサ60によって測定される遠視野位置のずれを引き起こした相対的な傾斜の方向と逆である。遠視野位置の移動の2mmの並進移動成分を補償するには、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の−2mradの相対的な傾斜(中間焦点IF周りの)が必要である。次に、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間に加えられる相対的な傾斜の方向は、センサアレンジメントによって測定される遠視野位置の移動の並進移動成分とは逆の遠視野位置の移動を引き起こすような方向である。こうして、−2mradの傾斜は遠視野位置の−2mmのずれを生み、−2mmのずれはセンサアレンジメントによって測定される2mmの並進移動を打ち消す。したがって、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の2mmの相対的な並進移動とソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の2mradの相対的な傾斜とを補償するには、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間に総計−4mradの相対的な傾斜(中間焦点IF周りの)が必要である。
【0080】
[00080]
図10に示すような複数のリフレクタアレンジメント52とそれに対応するセンサアレンジメント54がイルミネータ内のリフレクタに装着されている場合、検出器アレンジメント(複数の複数のリフレクタアレンジメントとそれに対応するセンサアレンジメントとを含む)を用いて遠視野位置(上記のように)だけでなく中間焦点IFの位置も測定することができる。
【0081】
[00081]
図10に示すような3つの対応するリフレクタアレンジメントとセンサアレンジメントが
図6に示すのと同様な方法でイルミネータのリフレクタ(例えば、ファセットフィールドミラー)の周囲に配置された場合、検出器アレンジメントは、光学システムに関する追加の情報を決定できる。例えば、検出器アレンジメントは、コレクタに対する放射放出プラズマの位置を決定できる。
【0082】
[00082] 同じ平面ミラーを用いて1つの別々のセンサ(すなわち、一次元センサ59と二次元センサ60)の入力を提供することで、2つの別々のミラー/リフレクタを使用する場合と比較してコスト面の恩恵が得られることが理解されよう。しかし、別々のミラー/リフレクタを用いて放射を各センサへ誘導することは本発明の範囲内である。単一のミラー/リフレクタを用いて放射を一次元センサ59と二次元センサ60へ誘導することは、両方のセンサの較正を同時に実行できるという利点がある。センサの較正が実行され、それによってリフレクタアレンジメントの位置と向き(リフレクタアレンジメントが装着されたリフレクタに対する)及びセンサアレンジメントの各センサの位置と向きが調整され、遠視野がターゲット位置に達した時にセンサアレンジメントの各センサの出力が所望の出力になる。単一のリフレクタ(すなわち、反射領域と隔離されたリフレクタ領域とを有する)を使用して放射を一次元センサ59と二次元センサの両方へ誘導する場合、一次元センサ59と二次元センサ60とが互いに正確に整列しているとして、一次元センサがリフレクタアレンジメント52で較正されると、二次元センサ60もリフレクタアレンジメント52に関して構成される(又はその逆も成り立つ)。
【0083】
[00083]
図11は、本発明の別の実施形態による検出器アレンジメントを有するリソグラフィ装置の一部の概略図を示す。ソースコレクタモジュールSOは、放射放出プラズマ(図示せず)からの放射を収集して収集された放射をイルミネータILへ誘導するように構成されたコレクタCOを備える。コレクタCOによってイルミネータILへ誘導された放射は、中間焦点IFを通過し、イルミネータ内に放射の円錐50を形成する。放射の円錐50は、イルミネータ内のリフレクタに向けられる。この例では、リフレクタはファセットフィールドミラー22である。リフレクタアレンジメント52aがファセットフィールドミラー22上に装着されている。放射の円錐50の縁部がリフレクタアレンジメント52に入射し、リフレクタアレンジメント52aがそれに入射した放射をセンサアレンジメント54aの方へ反射する。センサアレンジメント54aは一次元センサ61を備える。
【0084】
[00084] リフレクタアレンジメント52は、曲面状のリフレクタ62を備える。曲面状のリフレクタは曲面ミラーであってもよい。本発明のこの実施形態の検出器アレンジメントは、
図5に示すセンサアレンジメントと同等の方法で動作する。リフレクタアレンジメント52は、一次元センサ61上へ放射の円錐50の縁部を反射する。一次元センサ61は、反射した縁部の位置(全長に沿った)を決定する。一次元センサ61によって検出される一次元センサに沿った放射の円錐の反射した縁部の位置は遠視野位置の関数である。
【0085】
[00085]
図5に示す検出器アレンジメントの実施形態とは異なり、上記のように、リフレクタアレンジメント52は曲面ミラー62を含む。曲面ミラー62は、ソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の中間焦点IF周りの1/a mradの傾斜によって、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mmの相対的な並進移動で一次元センサによって検出される縁部位置のずれと同じ、一次元センサ61によって検出される縁部位置のずれが引き起こされる。検出器アレンジメントのこの特性は以下のように有利である。
【0086】
[00086] 上述したように、一部のリソグラフィ装置では、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と傾斜の両方による遠視野位置の移動をソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間に中間焦点IF周りの相対的な傾斜を加えることで補償できる。このために、ソースコレクタモジュールSOとイルミネータとの間にどの程度の相対的な傾斜を加えるかの決定に関与する工程は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜及び/又は相対的な並進移動によるターゲット位置から遠ざかる遠視野位置の移動の程度を第1に決定するステップを伴う。次に、遠視野位置の移動の傾斜及び並進移動成分の各々を補償するのに必要なソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な傾斜を決定できる。次に、遠視野位置の移動の傾斜及び並進移動成分の各々を補償するのに必要なソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜は組み合わされ、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の必要な補償傾斜を実行するために信号をアクチュエータへ供給できる。ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜による遠視野位置の移動を補償するのに必要なソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な傾斜を決定するステップは比較的簡単である。ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜による遠視野位置の移動を補償するのに必要なソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な傾斜は、検出器アレンジメントによって測定されたソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜に等しいが、方向が逆である。この工程は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動の結果として発生する遠視野位置の移動を補償しなければならないため、幾分複雑である。この例では、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動の量を先に決定し、次に計算を実行して、遠視野位置の移動を引き起こしたソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の並進移動を補償できるソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な傾斜を決定しなければならない。
図11に示す実施形態では、この計算の必要は除去されている。これは、曲面ミラー62の曲率のために、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野位置の移動が、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野位置の移動を補償するために必要なソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な傾斜の大きさと同じで方向が逆のソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の「等価傾斜」による遠視野位置の移動として一次元センサ61によって検出されるからである。したがって、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野位置の移動を補償するには、ソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとを中間焦点周りに一次元センサによって検出されたソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の「等価傾斜」と同じ大きさの量だけ逆の相対方向に互いにタイリングする。検出器アレンジメントの特性、特に「等価傾斜」の測定を可能にする曲面ミラーの曲率について以下に説明する。
【0087】
[00087] 曲面ミラー62は、地点Pを一次元センサ61に結像する。地点Pは、中間焦点IF内の曲面ミラー62の位置の反射である。したがって、曲面ミラー62(リフレクタアレンジメント52の)は、反射した遠視野位置を一次元センサ61(センサアレンジメント54の)に結像する。
【0088】
[00088] 曲面ミラー62の曲率半径は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mmの相対的な並進移動による遠視野の場所の移動の結果、一次元センサ61によって測定される縁部の位置がb/2a mmだけずれ、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1/aの相対的な傾斜による遠視野の場所の移動の結果、同様に一次元センサ61によって測定される縁部の位置がb/2a mmだけずれる。上述したように、一次元センサ61によって測定される縁部の位置が1mmずれる遠視野の場所の移動(ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と相対的な傾斜のいずれかにかかわらず)は、ソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の1/a mradの相対的な傾斜(中間焦点IF周りの)によって補償できる。
【0089】
[00089] 曲面状のリフレクタ62の曲率半径Rは、以下の式を用いて決定できる。
【数3】
上式で、aは、コレクタによって収集された放射の中間焦点と曲面状のリフレクタの中心との間の距離、bは、曲面状のリフレクタの中心とセンサアレンジメントとの間の距離である。したがって、aは、中間焦点IFと曲面状のリフレクタ62の曲率中心との間の距離、bは、曲面状のリフレクタ62の曲率中心と放射の円錐の縁部が反射するセンサアレンジメント54の一次元センサ61上の位置との間の距離である。例えば、距離がa=b=1である例では、曲面状のリフレクタ62の曲率半径は約1.33メートルである。
【0090】
[00090] 上述したように、上記の実施形態は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野の場所(したがって、遠視野位置)の移動をソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜によるそれと区別して考慮する必要性がない点で有利である。ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動による遠視野の移動は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の「等価傾斜」として測定される。この「等価傾斜」は、ソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の中間焦点IF周りの相対的な傾斜によって補償できる。これによって、このタイプの検出器アレンジメントは、中間焦点IFの並進移動が不可能であるリソグラフィ装置に特に適したものになっている(例えば、中間焦点の位置を固定しなければならないために)。
【0091】
[00091] 曲面状のリフレクタ62はリフレクタレンズであるため、曲面状のリフレクタ62は反射した遠視野、したがって、反射した遠視野位置(この例では地点P)をセンサアレンジメント54aに結像する。これによってさらに利点が得られる。ソースコレクタモジュールSOは、放射放出プラズマ(
図11に示さず)によって放出された放射を収集し誘導することで放射を生成する。放射放出プラズマによって放出される放射は、コレクタCOによって収集され誘導される。コレクタCOに対する放射放出プラズマの移動によって、遠視野位置は移動する場合がある。放射放出プラズマとコレクタCOとの間の相対的な移動が測定された遠視野位置に影響する程度は、リフレクタによってセンサアレンジメント54a上に結像される遠視野とコレクタCOとの間の距離に依存する。
図5に示す実施形態の例では、リフレクタ53によってセンサアレンジメント54上に結像される遠視野は実際の遠視野である。この例では、実際の遠視野は、リフレクタ53に入射する放射の円錐50である。
図11に示す実施形態では、リフレクタ62によってセンサアレンジメント54a上に結像される遠視野は反射した遠視野である。この例では、反射した遠視野は、中間焦点IF内のリフレクタ22の反射である平面上への放射ビームの投影である。センサアレンジメント54a上に結像される反射した遠視野の部分はPで示される。反射した遠視野(中間焦点内の実際の遠視野の反射)とコレクタCOとの間の距離は、実際の遠視野とコレクタCOとの間の距離よりも小さいため、実際の遠視野に結像されるコレクタCOに対する放射放出プラズマのいかなる移動の倍率係数も反射した遠視野での結像倍率係数よりも大きい。これは、レンズからの距離と共に倍率係数が増加するためである。この例のレンズは、コレクタCO(中間焦点に光を合焦させる)である。したがって、コレクタCOに対する放射放出プラズマのいかなる移動も反射した遠視野の測定時には倍率が小さくなるため、
図11に示す実施形態は
図5に示す実施形態よりも放射放出プラズマの移動(コレクタに対する)感度が落ちる。これは、
図11に示す実施形態の検出器アレンジメントの出力がソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとを整列させる際に
図5に示す検出器アレンジメントよりも高精度であるということを意味する。
【0092】
[00092]
図12は、本発明の別の可能な実施形態の概略図を示す。上記実施形態は、遠視野位置を決定するためにコレクタCOによって生成される放射の円錐の縁部をすべてセンサアレンジメントに結像した。これは、適用例によっては望ましくないことがある。コレクタによって生成される放射の円錐の縁部は、場合によって完全なステップ関数ではない強度プロファイルを有する。すなわち、縁部内の放射の円錐は、半径方向の外側に移動する際に縁部で瞬間的にゼロに低下する均一な強度を有さないことがある。その代わりに、放射強度は縁部内の半径方向の場所では一般に均一であるが、半径方向の外側に移動する際に縁部で有限の距離にわたってゼロまで低下することがある。半径の関数としての放射の円錐の縁部の強度の正確なプロファイルは十分に分かっていない。したがって、幾つかの実施形態では、縁部以外の放射の円錐の部分を用いて遠視野位置を検出することが望ましい。
【0093】
[00093]
図12は、放射放出プラズマ210と、放射放出プラズマによって放出された放射を収集し、イルミネータILへ誘導するコレクタCOとを示す。コレクタCOによってイルミネータILへ誘導される放射は、中間焦点IFを介してイルミネータILのファセットフィールドミラー22上に入射する。リフレクタアレンジメント52bは、ファセットフィールドミラー22に装着された曲面ミラー62(上記実施形態の曲面ミラーと同等の)を含む。曲面ミラー62は、反射した遠視野(反射平面RP上にある)の一部をイルミネータの一部を形成しリフレクタアレンジメント52bのリフレクタ(曲面ミラー)62に対して固定位置関係にある検出器アレンジメント54bに結像する。上記と同様に、反射平面RP(反射した遠視野が存在する)は、中間焦点IF内のファセットフィールドミラー22の反射である。
【0094】
[00094] コレクタは、隔離された反射フィーチャ63を含む。隔離された反射フィーチャ63は、コレクタ縁部の半径方向の内側にある。
図13は、コレクタCOの直径上の反対位置に装着された2つの隔離された反射フィーチャ63を示す。隔離された反射フィーチャ63は各々、リフレクタ部分65と、リフレクタ部分65を取り囲む比較的非反射の部分64とを含む。比較的非反射の部分64は、使用時にそれに入射するリソグラフィ装置の放射放出プラズマからの放射を実質的に反射しなくてもよい。比較的非反射の部分64は、入射放射の吸収度及び/又は透過度が比較的高いために入射放射を実質的に反射しなくてもよい。幾つかの実施形態では、比較的非反射の部分64は、実質的に黒色の材料のコーティングを含んでいてもよい。比較的非反射の部分64は、リフレクタ領域65を画定する。この例では、リフレクタ部分65は、隔離された反射フィーチャ63の一部を実質的に黒色の材料でコーティングしないことで作成できる一般に小さい円形ミラー部分である。リフレクタ部分65は、比較的非反射の部分64と比べて入射する放射のより多くの割合を反射する。幾つかの実施形態では、リフレクタ部分65と比較的非反射の部分64は一体構造を有していてもよい。しかし、これはそうでなくてもよい。例えば、比較的非反射の部分64は、リフレクタ部分65とは別個であってもよい。幾つかの実施形態では、比較的非反射の部分64は、ある量の空気又はある量の真空によって形成されていてもよく、リフレクタ部分65は、別のリフレクタから形成される。幾つかの実施形態では、比較的非反射の部分64は放射放出プラズマによって生成された放射を反射してもよいが、リフレクタ部分65の反射の程度を超えてはならない。
図13に示すリフレクタ部分65は、コレクタCOの縁部の半径より小さい半径方向の距離rに位置する。
【0095】
[00095] 隔離された反射フィーチャ63のリフレクタ部分65はコレクタCOの縁部から変位している事実から、隔離された反射フィーチャ63によって反射された放射は、コレクタCOの縁部から反射された放射の不均一な強度プロファイルによって影響されることが少ない。例えば、各々の隔離された反射フィーチャ63のリフレクタ部分65は、均一な強度分布を有する放射を反射してもよい。
【0096】
[00096] この実施形態のセンサアレンジメント54bは、PSD又はCCDなどの二次元センサを含む。上記実施形態と同様に、リフレクタ62の曲率は、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mm相対的な並進移動又はソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1/a mradの相対的な傾斜による遠視野の場所(したがって、遠視野位置)の移動が二次元センサによって測定されるリフレクタ部分65の像の位置のb/2a mmのずれを引き起こすように選択される。リフレクタ部分65の像の位置のずれを測定することで、遠視野の場所(したがって、遠視野位置)の移動を決定することができる。例えば、遠視野の場所の移動は、リフレクタ部分65の像の位置のずれに等しくてもよい。したがって、リフレクタ部分65の位置のずれは遠視野位置の移動に等しくてもよい。
【0097】
[00097] リフレクタアレンジメントのリフレクタ62は、ファセットフィールドミラー22に装着されている。センサアレンジメント54bに結像された反射部分65の像の強度は像領域全体にわたって実質的に均一であるが、これは、反射部分65によって反射された放射がコレクタCOの縁部によって反射された放射から変位するからである。この理由から、コレクタの縁部効果による反射放射内の不均一性が実質的に回避される。センサアレンジメント54bに結像される反射部分65の像の強度は像領域全体にわたって実質的に均一であるため、結像されたリフレクタ部分65の位置(したがって、結像されたリフレクタ部分の位置のずれ)の決定は、実質的に不均一な像強度を有するリフレクタ部分65の像の使用と比較してより高精度である。これは、センサがPSDである例に特にあてはまる。これは、PSDがPSDに入射する放射の光強度の平均中心を計算することで結像されたリフレクタ部分の中心位置を計算するためである。均一な強度分布を有しないPSD上に像が入射する場合、PSDは、像の幾何学的中心に対応しないPSD上に入射する放射の光強度の平均中心の測定値を提供する。
【0098】
[00098] 遠視野位置を測定するための隔離された1対の反射フィーチャ63(及び対応する1対の二次元センサ)の使用によって(遠視野位置を決定するために放射の円錐の縁部位置を測定する1対の検出器を含む検出器アレンジメントの使用と比較して)、光学システムの特性のさらなる測定が可能になる。上述したのと同様に、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の1mmの相対的な並進移動による遠視野位置の場所の移動の結果、センサアレンジメント54b上に結像されたリフレクタ部分65の位置がa/2bmmだけ移動する。さらに、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の中間焦点IF周りの1/a mradの相対的な傾斜による遠視野位置の場所の移動によって、センサアレンジメント54bによって測定される結像された反射ピンホール部分の位置がa/2bmmだけ移動する。
【0099】
[00099] 検出器アレンジメントを用いてイルミネータILに対するシステムの光軸O周りのソースコレクタモジュールSOの回転を測定できる。
図14は、センサアレンジメントの二次元センサ上に入射する
図13に示す隔離された反射フィーチャ63の像の概略図を示す。各々の像66は、隔離された反射フィーチャ63のリフレクタ部分65の1つに対応し、センサアレンジメントの一部を形成する二次元センサ67a、67b上に結像される。例えば、二次元センサ67aは、
図13のコレクタCOの左上の隔離された反射フィーチャ63に関連付けられていてもよい。二次元センサ67bは、
図13に示すコレクタCOの右下の隔離された反射フィーチャ63に関連付けられていてもよい。
【0100】
[000100] ソースコレクタモジュールSOがイルミネータILに対して光軸O周りに回転する場合、二次元センサ67a上の像66は、二次元センサ67b上の像66とは逆の方向に移動する。ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対回転はR
zと呼ばれることがある。この例での像66の逆の移動は、
図14に示すx軸に平行である。イルミネータモジュールに対するソースコレクタモジュールの光軸O周りの1mradの回転ごとに各々のセンサ67a、67b上の像66は、次の式で与えられる距離P
xだけ移動する。
【数4】
上式で、aは、中間焦点と曲面ミラー62の中心との間の距離、bは、曲面ミラー62の中心と曲面ミラー62によって反射された放射が入射するセンサアレンジメント54上の地点との間の距離、P
hは、反射ピンホール部分65(したがって、隔離された反射フィーチャ63)間の距離である。この計算では、リフレクタフィーチャ65がコレクタの周囲に対称に配置されている(すなわち、システムの光軸に対して直径方向に対向し、光軸から等距離にある)ことを前提とする。
【0101】
[000101] この実施形態による検出器アレンジメントは、光軸Oに沿ったソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な並進移動も測定できる。この例では、光軸Oに沿ったソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な並進移動の結果、像66が
図14に示すy軸に平行に逆方向に等距離だけ移動する。光軸Oに沿ったソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の1mmの相対的な並進移動ごとに像66の各々はセンサ67a及び67bを通って(
図14に示すy方向に平行なa方向に)次の式で与えられる距離P
yだけ移動する。
【数5】
この計算も、反射ピンホール部分65がコレクタCOの周囲に対称に配置されている(すなわち、システムの光軸に対して直径方向に対向し、光軸から等距離にある)ことを前提とする。
【0102】
[000102] 好ましくは、隔離された反射フィーチャ63は、可能な限りコレクタCOの縁部の近くにある。これによって、光軸Oに沿ったソースコレクタモジュールSOとイルミネータILとの間の相対的な並進移動の最も高精度の測定が可能になる。これは、隔離された反射フィーチャ63間の離間距離が大きくなるほど(したがって、各々の隔離された反射フィーチャ63の光軸からの距離が大きくなるほど)、各々のセンサアレンジメントに形成された隔離された反射フィーチャ63の像が光軸Oに沿ったソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の単位距離の相対的な並進移動ごとに移動する距離が大きくなるという事実による。各々のセンサアレンジメントに形成された隔離された反射フィーチャ63の像が光軸Oに沿ったソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の単位距離の相対的な並進移動ごとに移動する距離が大きくなるほど、光軸Oに沿ったソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動に対するセンサアレンジメントの感度は高くなる。すなわち、隔離された反射フィーチャ63は、可能な限り大きい距離だけ離間することが好ましい(すなわち、光軸Oからの半径方向の距離が可能な限り大きくなるように)。幾つかの実施形態では、これは、隔離された反射フィーチャ63が可能な限りコレクタCOの縁部に近いということを意味する。例えば、隔離された反射フィーチャ63は、コレクタの半径よりもわずかに小さい半径方向の距離だけ光軸OAから離れた位置にあってもよい(すなわち、隔離された反射フィーチャ63がコレクタCOの縁部の半径方向のすぐ内側にあるように)。
【0103】
[000103]
図12に示す実施形態は、幾つかの理由で有利である。第1に、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動/傾斜による遠視野位置の移動は、縁部の所定位置の移動ではなく隔離された反射フィーチャの像の位置の移動を測定することで決定される。これによって、放射の縁部の不均一な強度プロファイルによって、例えば、放射の縁部がステップ関数でない強度プロファイルを有する場合に発生する縁部測定工程の不正確さが回避される。さらに、上述したように、曲面状のリフレクタを含むリフレクタアレンジメントを有する上記実施形態と同様に、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動と相対的な傾斜による遠視野の場所の移動を別に考慮する必要がない。さらに、反射された遠視野(
図12に示す反射された平面RP内にある)が実際の遠視野ではなくセンサアレンジメント54bに結像されるという事実によって、コレクタの収差とプラズマのアライメント不良の影響は最小限にされる。最後に、複数の隔離された反射フィーチャが対応するリフレクタアレンジメント及びセンサアレンジメントと組み合わせて使用される場合、イルミネータに対するソースコレクタモジュールのそれぞれ光軸周りと光軸に沿った回転と並進移動の両方を測定することができる。
【0104】
[000104]
図12〜
図14に示す実施形態による検出器アセンブリを設計する際には、センサアレンジメント54bの一部を形成する二次元センサがソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動及び/又は相対的な傾斜による遠視野の予想移動範囲を測定できると有益である。このために、センサが2CMで与えられる直径を有することが望ましい(Cは、mrad単位で捕捉することが望ましいソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の最大の相対的な傾斜(例えば、±5〜±10mrad)、Mは、コレクタからセンサへの倍率係数である)。コレクタからセンサへの倍率係数はb/(a+L)で与えられ、Lは中間焦点とコレクタとの間の距離である。
【0105】
[000105] 考慮できるシステムの設計の別の態様は、隔離された反射フィーチャのリフレクタ部分のサイズである。幾つかの実施形態では、リフレクタ部分がセンサでの結像時にセンサの幅の4分の1から半分の範囲内にあることが有利である。このサイズの結像された直径を有するリフレクタ部分を使用することでリフレクタ部分の全体像をセンサによって確実に捕捉できる。その結果、一定の回転範囲にわたる直線的な応答を有する検出器アレンジメントが得られる。例えば、反射部分は、約5mm未満の直径を有していてもよい。
【0106】
[000106]
図12〜
図14に示す本発明のある実施形態を設計する際の別の考慮事項は、放射がコレクタCOの任意の部分(隔離された反射フィーチャ以外の)から反射するため、センサアレンジメントに入射するということである。隔離された反射フィーチャによって反射された以外のセンサアレンジメントに入射する放射によってセンサアレンジメントは隔離された反射フィーチャ63の位置を不正確に決定し、遠視野位置を不正確に決定することがあるため、これは望ましくない。これを防止するために、隔離された反射フィーチャの比較的非反射の部分に最小範囲を持たせて所望の相対的な傾斜の捕捉範囲Cに収まるソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜による遠視野の場所の移動によって隔離された反射フィーチャの外部からの放射がセンサアレンジメントに入射しないようにすることができる。隔離された反射フィーチャの比較的非反射の部分の範囲は、コレクタの隔離された反射フィーチャによって上記部分が移動できる距離の約2倍になるように選択してもよい。検出器アレンジメントの望ましい捕捉範囲がソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の傾斜による±C mradの範囲内の場合、コレクタレベルの隔離された反射フィーチャの移動は、2CL mmである(但し、Lは中間焦点とコレクタとの間の距離である)。隔離された反射フィーチャの非反射部分の最小範囲は、約4CL mmである。上述したように、検出器アレンジメントの捕捉範囲は、Cが20mrad未満の値、好ましくは5〜10mradの値を有するように選択される。
【0107】
[000107] 最後に、リフレクタアレンジメントの一部を形成する曲面ミラーの直径は、好ましくは、曲面ミラーがそれを横切る隔離された反射フィーチャの像の移動を収容できる大きさであり、所望の捕捉範囲±C mrad内であるソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜によって遠視野が移動する程度である。この例では、曲面ミラーの最小直径は2Ca mmで与えられる(但し、aは、中間焦点と曲面状のリフレクタとの間の距離である)。
【0108】
[000108] 上述のすべての実施形態の検出器アレンジメントは、検出器アレンジメントによって測定される遠視野位置をターゲットの遠視野位置と比較するプロセッサを備えてもよい。検出器アレンジメントは、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な移動を生成できる少なくとも1つのアクチュエータに指令信号を提供できる。検出器アレンジメントが遠視野位置を測定する場合、また測定される遠視野位置がターゲットの遠視野位置でない場合、検出器アレンジメントは、少なくとも1つのアクチュエータへ指令信号を提供してアクチュエータを作動させてソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な移動を生起させてターゲット位置へ向けて遠視野位置を少なくとも部分的に移動させることができる。
【0109】
[000109] 隔離された反射フィーチャはその形状が一般に円形であるリフレクタ部分を有するが、リフレクタ部分の形状は任意の適当な形状であってもよいことを理解されたい。そのような形状は、好ましくは回転対称であってもよい。その結果、二次元センサ上に形成される隔離された反射フィーチャの像は回転対称になる。二次元PSDが使用される例では、これによってセンサ(したがって、センサ出力)に入射する放射の光強度の平均中心は、確実に像の幾何学的中心に対応する。
【0110】
[000110] さらに、平面ミラーを有する実施形態の隔離されたリフレクタ領域は、一般に円形として説明している(図では一般に四角形の形状を有するように示しているが)。これはそうでなくてもよい。リフレクタアレンジメントの離散的な反射部分の形状は、任意の適当な形状を有していてもよい。そのような形状は、好ましくは回転対称であってもよい。その結果、二次元センサ上に形成される隔離された反射フィーチャの像は回転対称になる。二次元PSDが使用される例では、これによってセンサ(したがって、センサ出力)に入射する放射の光強度の平均中心は、確実に像の幾何学的中心に対応する。
【0111】
[000111] 上記実施形態のリフレクタアレンジメントは、イルミネータのリフレクタ(例えば、ファセットフィールドミラー)上に装着されている。本発明の幾つかの実施形態では、リフレクタアレンジメントは、イルミネータのリフレクタと一体構造であってもよい。同様に、隔離された反射フィーチャは、コレクタに装着されるように説明されている。幾つかの実施形態では、隔離された反射フィーチャは、コレクタと一体構造であってもよい。例えば、隔離された反射フィーチャのリフレクタ部分をコレクタの一部で形成でき、比較的非反射の部分は、中間の放射放出プラズマである実質的に非反射のマスクと、コレクタとを含んでいてもよい。マスクは、コレクタに装着してもよい。
【0112】
[000112] 幾つかの実施形態に関連して説明したリフレクタアレンジメントの曲面ミラーは、上述の曲率半径を有する限り任意の適当な形状を有してもよい。例えば、曲面ミラーは、球形又は楕円形であってもよい。
【0113】
[000113] 幾つかの実施形態に関連して説明したリフレクタアレンジメントの平面ミラーは、正確に平面状でなくてもよい。例えば、ミラーは、非平面であってもよいが全体として平面状の部分を有する。任意の適当な形状のミラーを使用できる。
【0114】
[000114] 上記のある実施形態では、センサアレンジメントは、入射する放射の円錐の縁部の像の位置を測定する一次元センサと、入射する隔離されたリフレクタ領域の像の位置を測定する二次元センサとを備える。あるいは、センサアレンジメントは、放射の円錐の縁部と隔離されたリフレクタ領域の両方が結像される二次元センサを含んでいてもよい。例えば、そのような二次元センサは、二次元CCDであってもよい。この例では、検出器アレンジメントは、二次元センサの出力を処理し放射の円錐の縁部の像の二次元CCD上の位置と隔離されたリフレクタ領域の像の位置とを決定できるプロセッサを備えていてもよい。
【0115】
[000115] 上記実施形態は遠視野位置を決定するために放射の強度を測定する放射強度センサを含む検出器アレンジメントを有するが、これはそうでなくてもよいことを理解されたい。リフレクタアレンジメントによって反射された放射の適当な特性を測定する任意の適当なセンサを使用できる。例えば、ある材料又はデバイスを用いてソースコレクタモジュールからイルミネータへ誘導される放射の部分の別の特性(例えば、波長又は位相)を変更してもよい。放射のその部分の特性は、放射の実質的に残りの部分の上記特性と異なっていてもよい。上記材料又は、デバイスによって変更された特性を有する放射の部分は、コレクタの特定の部分によって反射された放射の部分であってもよい。センサを用いてその特性が変更された(上記材料又はデバイスによって)放射の部分と放射の残りの部分の特性の差を検出することができる。特性変化を受けた放射の部分に対応するコレクタの部分の場所が分かっており、センサが特性変化を受けた放射が入射するセンサ上の位置を測定できる場合、コレクタの縁部と放射の強度を測定するセンサとを用いるのと同等の方法で遠視野位置を決定することができる。コレクタの縁部は、コレクタによって反射される放射の特性を変化させるフィーチャを構成することを理解されたい。これは、コレクタの縁部を超えると、放射はコレクタによって反射されないからである。
【0116】
[000116] 本明細書では、ソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な並進移動、及びソースコレクタモジュールとイルミネータとの間の相対的な傾斜という用語を使用した。これらの用語はソースコレクタモジュール全体とイルミネータ全体だけでなく、ソースコレクタモジュールの一部とイルミネータの一部との間の相対的な並進移動又は相対的な傾斜も指すことができることを理解されたい。
【0117】
[000117] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0118】
[000118] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0119】
[000119] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
【0120】
[000120] 「EUV放射」という用語は、5〜20nmの範囲、例えば、13〜14nmの範囲、又は5〜10nmの範囲内、例えば6.7nmもしくは6.8nmなどの波長を有する電磁放射を包含すると考えることができる。
【0121】
[000121] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。