(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連続プレイ時設定手段は、景品獲得口と前記ターゲット景品間の距離変化を前記ターゲット景品の移動状況として判定し、当該距離変化に基づいて、前記景品獲得関与部の動作設定値を設定する、
請求項2又は3に記載の景品獲得ゲーム機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、景品獲得ゲーム機を単に店舗に設置するだけでなく、店員による接客サービスを向上させることが重要である。すなわち、プレーヤにとって「欲しい景品の有無」や「当該景品が取れそうか否か」がプレイの是非の分かれ目であるが、この判断基準はプレーヤによって様々であるからである。例えば、特定の景品を獲得したいのか、種類を問わず何らかの景品を獲得したいという景品獲得ゲーム自体の楽しみを求めているのかといった嗜好や行動傾向はプレーヤによって様々である。従って、店員は、景品のペイアウト率を考慮しつつも、プレーヤの遊戯意欲を向上させるよう、プレーヤの様子を見ながら、適切なタイミングで景品補充や配置替えなどを行う必要がある。
【0005】
しかしながら、従来の景品獲得ゲーム機の運用では、このようなプレーヤそれぞれの嗜好や行動傾向に応じた各種設定(例えば、クレーンのアームの把持力の調整や、景品獲得関与部の調整、遊戯空間内の景品の調整等)は、いわゆるノウハウに属するものであり、店員の能力や経験によって大きく左右されていた。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、景品獲得ゲーム機の各種設定を、プレーヤに応じて適切且つ自動的に行えるようにすること、或いは、プレーヤに応じた適切な各種設定を実現するための店員への支援を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の形態は、
プレーヤの指示操作に応じて景品獲得関与部を動作させて、遊戯空間内に配置された景品の獲得を目指すゲームを行う景品獲得ゲーム機(例えば、
図23のゲーム装置1000A)であって、
プレーヤ撮影手段(例えば、
図1のイメージセンサモジュール1022:
図23の第1撮像部116)による撮影画像を解析し、又は、プレーヤの個人情報のデータが記録された記録媒体(例えば、
図1のゲームカード1038)から当該データを読み取るデータ読み取り手段(例えば、
図23のカード読出/書込部104)による読み取りデータに基づいて、プレーヤの客層を判定する客層判定手段(例えば、
図23の客層判定部218)、
前記客層判定手段による判定結果に応じて定められた前記景品獲得関与部の動作設定値に基づいて、前記景品獲得関与部の動作設定値を設定する設定手段(例えば、
図23の動作設定値146)と、
前記プレーヤの指示操作に応じた前記景品獲得関与部の動作を、前記設定手段により設定された動作設定値に従って制御する景品獲得関与部制御手段(例えば、
図23の景品獲得関与部制御部138)と、
を備えた景品獲得ゲーム機である。
【0008】
この第1の形態によれば、景品獲得ゲーム機において、プレーヤの撮影画像、或いは、記録媒体から読み取ったプレーヤの個人情報に基づいてプレーヤの客層を判定し、客層に応じてクレーンの動作設定値を設定することができる。
【0009】
また、第2の形態として、
プレーヤの指示操作に応じて景品獲得関与部を動作させて、遊戯空間内に配置された景品の獲得を目指すゲームを行う景品獲得ゲーム機(例えば、
図23のゲーム装置1000A)であって、
プレーヤ撮影手段による撮影画像を解析し、又は、プレーヤの個人情報のデータが記録された記録媒体から当該データを読み取るデータ読み取り手段による読み取りデータに基づいて、現在のプレーヤが登録プレーヤであることを検出する登録プレーヤ検出手段(例えば、
図23のプレーヤ特定部220)と、
登録プレーヤ毎のプレイ履歴を記憶したプレイ履歴記憶部(例えば、
図23のプレーヤ登録DB240)の中から、前記登録プレーヤ検出手段により検出された登録プレーヤのプレイ履歴を選択し、該選択したプレイ履歴に基づいて前記景品獲得関与部の動作設定値を設定するプレーヤ別設定手段(例えば、
図23の動作設定部134)と、
前記プレーヤの指示操作に応じた前記景品獲得関与部の動作を、前記プレーヤ別設定手段により設定された動作設定値に従って制御する景品獲得関与部制御手段(例えば、
図23の景品獲得関与部制御部138)と、
を備えた景品獲得ゲーム機を構成しても良い。
【0010】
この第2の形態によれば、景品獲得ゲーム機において、プレーヤの撮影画像、或いは、記録媒体から読み取ったプレーヤの個人情報に基づいて、現在のプレーヤが登録プレーヤであることを検出し、プレイ履歴記憶部に記憶された登録プレーヤのプレイ履歴に基づいて、景品獲得関与部の動作設定値を設定することができる。これにより、プレイ履歴をもとに、プレーヤに応じた適切な景品獲得関与部の動作設定が可能となる。
【0011】
また、第3の形態として、第1の形態の景品獲得ゲーム機であって、
プレーヤ撮影手段による撮影画像を解析し、又は、プレーヤの個人情報のデータが記録された記録媒体から当該データを読み取るデータ読み取り手段による読み取りデータに基づいて、現在のプレーヤが登録プレーヤであることを検出する登録プレーヤ検出手段を更に備え、
前記設定手段は、前記登録プレーヤ検出手段による検出がなされた場合に、登録プレーヤ毎のプレイ履歴を記憶したプレイ履歴記憶部の中から、当該検出された登録プレーヤのプレイ履歴を選択し、該選択したプレイ履歴に基づいて前記景品獲得関与部の動作設定値を設定するプレーヤ別設定手段を有し、
前記景品獲得関与部制御手段は、前記登録プレーヤ検出手段による検出がなされた場合に、前記プレーヤの指示操作に応じた前記景品獲得関与部の動作を、前記プレーヤ別設定手段により設定された動作設定値に従って制御する、
景品獲得ゲーム機を構成しても良い。
【0012】
この第3の形態によれば、第1の形態と同様の効果が得られるとともに、プレーヤの撮影画像、或いは、記録媒体から読み取ったプレーヤの個人情報に基づいて、現在のプレーヤが登録プレーヤであることを検出し、プレイ履歴記憶部に記憶された登録プレーヤのプレイ履歴に基づいて、景品獲得関与部の動作設定値を設定することができる。これにより、プレイ履歴をもとに、プレーヤに応じた適切な景品獲得関与部の動作設定が可能となる。
【0013】
また、第4の形態として、第2又は第3の形態の景品獲得ゲーム機であって、
同一プレーヤの連続プレイを検出する連続プレイ検出手段(例えば、
図23の処理部130A)を更に備え、
前記プレーヤ別設定手段は、前記選択したプレイ履歴に基づいて、連続プレイを終了すると判断される終了決断連続失敗回数を判定し、該判定した終了決断連続失敗回数と現在の連続失敗回数とを用いて、前記景品獲得関与部の動作設定値を設定する、
景品獲得ゲーム機を構成しても良い。
【0014】
この第4の形態によれば、第2又は第3の形態と同様の効果が得られるとともに、同一プレーヤの連続プレイを検出すると、当該プレーヤのプレイ履歴から連続プレイを終了すると判断される終了決断連続失敗回数を判定し、終了決断連続失敗回数と現在の連続失敗回数とを用いて、景品獲得関与部動作設定値を設定することができる。つまり、プレイ履歴から連続失敗回数に着目して、プレーヤが連続プレイを終了する可能性を判断し、景品獲得関与部の動作設定値を設定することができる。例えば、連続失敗回数が終了決断連続失敗回数に近づくと、連続プレイを終了する可能性が高いと判断して、景品の獲得が成功する確率が高まるように景品獲得関与部の動作設定値を設定するといったことで、プレーヤの遊戯意欲の向上、すなわち連続プレイ意欲の向上を図ることができる。
【0015】
また、第5の形態として、
プレーヤの指示操作に応じて景品獲得関与部を動作させて、遊戯空間内に配置された景品の獲得を目指すゲームを行う景品獲得ゲーム機(例えば、
図23のゲーム装置1000)であって、
前記遊戯空間内を撮影する遊戯空間撮影手段(例えば、
図1のイメージセンサモジュール1024;
図23の第2撮像部18)と、
同一プレーヤの連続プレイを検出する連続プレイ検出手段(例えば、
図23の処理部130A)と、
前記遊戯空間撮影手段による撮影画像と前記景品獲得関与部の動作履歴(例えば、
図23の景品獲得関与部動作情報158)とを用いて、前記遊戯空間内の景品の中から、ターゲット景品を推定するターゲット景品推定手段(例えば、
図23のターゲット景品特定部224)と、
前記連続プレイ検出手段による検出がなされた場合、前記遊戯空間撮影手段による撮影画像から前記ターゲット景品の移動状況を判定し、該判定した移動状況に基づいて、前記景品獲得関与部の動作設定値を設定する連続プレイ時設定手段(例えば、
図23の動作設定部134)と、
前記プレーヤの指示操作に応じた前記景品獲得関与部の動作を、前記連続プレイ時設定手段により設定された動作設定値に従って制御する景品獲得関与部制御手段(例えば、
図23のクレーン制御部138)と、
を備えた景品獲得ゲーム機を構成しても良い。
【0016】
この第5の形態によれば、景品獲得ゲーム機において、遊戯空間内を撮影した撮影画像と景品獲得関与部の動作履歴とを用いて、遊戯空間内の景品からターゲット景品を推定することができる。そして、同一プレーヤの連続プレイを検出すると、遊戯空間の撮影画像から判定したターゲット景品の移動状況に基づいて、景品獲得関与部の動作設定値を設定することができる。つまり、連続プレイにおけるターゲット景品の移動状況に着目して、プレーヤが連続プレイを終了する可能性を判断し、景品獲得関与部の動作設定値を設定することができる。例えば、ターゲット景品の移動状況が、獲得が困難となるような移動状況となると、連続プレイを終了する可能性が高いと判断して、景品の獲得が成功する確率が高まるように景品獲得関与部の動作設定値を設定するといったことで、プレーヤの遊戯意欲の向上、すなわち連続プレイ意欲の向上を図ることができる。
【0017】
また、第6の形態として、第1〜第4の何れかの形態の景品獲得ゲーム機であって、
同一プレーヤの連続プレイを検出する連続プレイ検出手段と、
前記遊戯空間撮影手段による撮影画像と前記クレーンの動作履歴とを用いて、前記遊戯空間内の景品の中から、ターゲット景品を推定するターゲット景品推定手段と、
前記連続プレイ検出手段による検出がなされた場合、前記遊戯空間撮影手段による撮影画像から前記ターゲット景品の移動状況を判定し、該判定した移動状況に基づいて、前記景品獲得関与部の動作設定値を設定する連続プレイ時設定手段と、
を更に備え、
前記景品獲得関与部制御手段は、前記連続プレイ検出手段による検出がなされた場合に、前記プレーヤの指示操作に応じた前記クレーンの動作を、前記連続プレイ時設定手段により設定された動作設定値に従って制御する、
景品獲得ゲーム機を構成しても良い。
【0018】
この第6の形態によれば、第1〜第4の何れかの形態と同様の効果が得られるとともに、遊戯空間内を撮影した撮影画像と景品獲得関与部の動作履歴とを用いて、遊戯空間内の景品からターゲット景品を推定することができる。そして、同一プレーヤの連続プレイを検出すると、遊戯空間の撮影画像から判定したターゲット景品の移動状況に基づいて、景品獲得関与部の動作設定値を設定することができる。つまり、連続プレイにおけるターゲット景品の移動状況に着目して、プレーヤが連続プレイを終了する可能性を判断し、景品獲得関与部の動作設定値を設定することができる。例えば、ターゲット景品の移動状況が、獲得が困難となるような移動状況となると、連続プレイを終了する可能性が高いと判断して、景品の獲得が成功する確率が高まるように景品獲得関与部の動作設定値を設定するといったことで、プレーヤの遊戯意欲の向上を図ることができる。
【0019】
また、第7の形態として、第5又は第6の形態の景品獲得ゲーム機であって、
前記連続プレイ時設定手段は、景品獲得口と前記ターゲット景品間の距離変化を前記ターゲット景品の移動状況として判定し、当該距離変化に基づいて、前記景品獲得関与部の動作設定値を設定する、
記載の景品獲得ゲーム機を構成しても良い。
【0020】
この第7の形態によれば、第5又は第6の形態と同様の効果が得られるとともに、景品獲得口とターゲット景品間の距離変化を、ターゲット景品の移動状況として判定することができる。つまり、景品獲得口とターゲット景品間の距離が短くなった/長くなったといった変化から、ターゲット景品の獲得が容易/困難になったことを判断できる。
【0021】
また、第8の形態として、
プレーヤ撮影手段、及び/又は、プレーヤの個人情報のデータが記録された記録媒体から当該データを読み取るデータ読み取り手段でなるプレーヤ特定データ取得手段と、プレーヤの指示操作に応じた景品獲得関与部の動作を所与の動作設定値に従って制御する景品獲得関与部制御手段とを備えた複数の景品獲得ゲーム機と通信可能なサーバ(例えば、
図1,8の店舗サーバ2000)であって、
前記プレーヤ特定データ取得手段により取得されたプレーヤ特定データと、プレイ結果とを前記各景品獲得ゲーム機から受信し、プレーヤ別にプレイ結果を集計する集計手段(例えば、
図8のプレーヤ登録管理部212、プレイ履歴分析部228)と、
前記集計の結果、所定条件を満たすプレーヤを検出する検出手段(例えば、
図8の動作設定情報作成部226)と、
前記各景品獲得ゲーム機から現在プレイしているプレーヤに係る前記プレーヤ特定データを受信して、前記検出手段により検出されたプレーヤがプレイしている景品獲得ゲーム機を判定する判定手段(例えば、
図8のプレーヤ特定部220)と、
前記判定手段により判定された景品獲得ゲーム機に対して、当該景品獲得ゲーム機の景品獲得関与部の動作設定値を変更指示する指示手段(例えば、
図8の処理部210)と、
を備えたサーバを構成しても良い。
【0022】
この第8の形態によれば、プレーヤ別のプレイ結果の集計の結果、所定条件を満たすプレーヤを検出するとともに、この検出したプレーヤがプレイしている景品獲得ゲーム機を判定し、判定した景品獲得ゲーム機に対して、景品獲得関与部の動作設定値を変更指示することができる。
【0023】
また、第9の形態として、第8の形態のサーバであって、
店員が所持する店員端末(例えば、
図2の店員端末3000)に向けて、前記判定手段により判定された景品獲得ゲーム機でプレイしているプレーヤが、前記検出手段により検出されたプレーヤである旨、或いは当該景品獲得ゲーム機の識別情報を報知する報知手段を更に備えた、サーバを構成しても良い。
【0024】
この第9の形態によれば、第8の形態と同様の効果が得られるとともに、店員が所持する店員端末に向けて、所定条件を満たすプレーヤや、このプレーヤがプレイする景品獲得ゲーム機の識別情報を報知することができる。これにより、店員端末を所持する店員は、報知された景品獲得ゲーム機に赴いて、当該景品獲得ゲーム機でプレイしているプレーヤに対して、景品獲得関与部の動作設定値を変更したり、景品の配置を変更するといった各種サービスを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0027】
[ゲーム装置]
図1は、本実施形態におけるゲーム装置1000の外観の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のゲーム装置1000は、ゲームセンタなどの店舗に設置される業務用のゲーム装置であり、プレーヤの操作入力に応じて景品獲得関与部(クレーン装置等)を動作させて、遊戯空間内に配置されている景品の獲得を目指す、いわゆる「クレーンゲーム機」である。
【0028】
ゲーム装置1000は、筐体上部に透明なガラスケースで囲まれた遊戯空間1002が形成されており、この遊戯空間1002内には、景品10を配置するための景品配置台1004が備えられている。景品配置台1004の一部は切り欠きとなっており、そこには上方に向けた開口部である景品落下口1006が形成されている。
【0029】
また、遊戯空間1002の上部には、景品10を掴み上げて移動させ、景品落下口1006に落下させるためのクレーン装置1010が設けられている。クレーン装置1010は、正面から見て前後方向及び左右方向に移動可能なクレーンベースと、クレーンベースに取り付けられて上下方向に移動可能なクレーンヘッドと、クレーンヘッドの先端に取り付けられて開閉自在な一対の把持アーム1012とを有して構成される。
【0030】
このクレーン装置1010は、制御基板1040によってその動作が制御される。すなわち、クレーン装置1010は、操作ボタン1034を用いたプレーヤによる景品獲得操作に応じて、景品配置台1004の上の所望する位置に移動制御される。移動制御が終了すると、把持アーム1012を開いた状態で、景品配置台1004に向けてクレーンヘッドが降下制御される。このとき、把持アーム1012の先端が景品配置台1004の上面に触れないよう、クレーンヘッドの降下が制限されている。次いで、把持アーム1012が閉じられた後、クレーンヘッドが上昇制御され、更に、景品落下口1006の位置まで移動制御された後、把持アーム1012が開かれる。すると、把持アーム1012に把持された景品10は景品落下口1006に落下し、景品落下口1006と内部通路で繋がれた景品取り出し口1008から、プレーヤによって取り出される(景品獲得)。
【0031】
また、ゲーム装置1000の筐体上部には、イメージセンサモジュール1022,1024が設けられている。イメージセンサモジュール1022は、遊戯空間1002の奧方に設けられ、ゲームプレイ用の位置(いわゆるプレイポジション)にいるプレーヤの頭部、望ましくは胸部より上を写すよう、撮影画角や撮影方向などが設定されて配置されている。イメージセンサモジュール1024は、遊戯空間の上方に設けられ、景品配置台1004の全体を上方から俯瞰して写すよう、撮影画角や撮影方向などが設定されて配置されている。イメージセンサモジュール1022,1024による撮影は制御基板1040により制御され、撮影された画像は制御基板1040へ出力される。
【0032】
また、ゲーム装置1000の筐体前面には操作台1030が設けられている。この操作台1030には、ゲーム対価としての硬貨を投入するための硬貨投入口1032と、ゲーム操作を入力するための操作ボタン1034と、ICカードであるゲームカード1038を挿入するためのカード挿入口1036とが備えられている。
【0033】
硬貨投入口1032から投入された硬貨は、ゲーム装置1000に内蔵された硬貨計算機(コインカウンタ)にて検知・収容される。検知された硬貨の種類や数等の検知信号は、制御基板1040へ出力される。
【0034】
カード挿入口1036にゲームカード1038が挿入されると、制御基板1040の制御のもと、ゲーム装置1000に内蔵されたカードリーダライタによってゲームカード1038に記録されたカードID等のデータが読み出されたり、或いは、データが書き込まれる。
【0035】
本実施形態では、プレーヤの景品獲得操作によって、クレーン装置1010を、後ろ方向(奥行き方向)及び右方向それぞれ1回のみ移動させることができる。このため、操作ボタン1034として、クレーン装置1010を後ろ方向(奥行き方向)に移動させるための操作ボタンと、右方向に移動させるための操作ボタンとを備えている。操作ボタン1034の操作信号は、制御基板1040へ出力される。なお、プレーヤによる景品獲得操作の許容回数は、後ろ方向及び右方向それぞれ1回ずつ(合計2回)としたが、それぞれ2回以上としても良いことは勿論であり、これ以外の方向に操作可能としても良い。
【0036】
また、ゲーム装置1000の筐体正面下方には、景品落下口1006と内部通路で繋がった景品取り出し口1008が設けられている。この内部通路には景品払い出しセンサが設けられており、景品落下口1006に落下した景品10が検知されるようになっている。景品落下口1006に落下した景品10は、景品取り出し口1008からプレーヤによって取り出される。
【0037】
更に、ゲーム装置1000の筐体内部には、制御基板1040が備えられている。制御基板1040は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の各種ICメモリやハードディスク、通信回線Nと有線又は無線接続するための通信装置等を搭載する。そして、制御基板1040は、搭載されているICメモリやハードディスクなどの情報記憶媒体からシステムプログラムやゲームプログラムを読み出して演算処理し、ゲーム装置1000の各部を制御する。
【0038】
[システム構成]
図2は、本実施形態のゲーム装置1000を含むシステム全体の構成図である。
図2に示すように、本実施形態におけるシステムは、ゲームセンタ等の店舗を単位として設置・構築され、店舗サーバ2000と、複数のゲーム装置1000と、店員端末3000とが、店舗LANである通信回線Nを介して通信可能に接続して構成される。
【0039】
店舗サーバ2000は、コンピュータシステムによって構成される。店舗サーバ2000が備えるストレージ2002には、プレーヤ毎に当該店舗のゲーム装置1000におけるプレイ履歴を対応付けて格納したプレーヤ登録DB240が記憶される。そして、店舗サーバ2000は、このプレーヤ登録DB240に格納されているプレイ履歴をもとに、ゲーム装置1000それぞれに対して制御データを送信して、現在のプレーヤに適したクレーン装置1010の動作設定を行わせることができる。更に、店員端末3000に対して指示データを送信して、該店舗の店員に、現在のプレーヤに適したクレーン装置1010の動作設定を指示することができる。
【0040】
[概要]
本実施形態では、ゲーム装置1000のイメージセンサモジュール1022,1024それぞれによって撮影されたプレーヤ画像や遊戯空間画像に対する画像解析を利用して、プレーヤそれぞれに適したクレーン装置1010の動作設定を行うことができる。
【0041】
ここで、クレーン装置1010の動作設定の対象となるのは、把持アーム1012の把持力である。把持アーム1012の把持力が強いほど、景品10を掴み易くなってゲームの難易度が低くなり、逆に、把持力が弱いほど、景品10を掴み難くなってゲームの難易度が高くなる。例えば、設定可能な把持アーム1012の把持力の範囲を20段階に区分し、各段階に、弱い方から順に動作設定値「1(最も弱い)」〜「20(最も強い)」を割り当てる。
【0042】
次に、撮影画像に対する画像解析について説明する。
図3は、イメージセンサモジュール1022による撮影画像(プレーヤ画像)30に対する画像解析を説明する図である。
図3に示すように、イメージセンサモジュール1022による撮影画像(プレーヤ画像)30は、プレーヤ20を正面から写した画像となる。このプレーヤ画像30から、人物の顔が写っている部分、すなわち顔画像32が抽出され、この顔画像32から、顔画像を用いた個人認証に必要な「顔特徴値(例えば、顔の輪郭、眼、眉、鼻、口などの顔の各部位の大きさや角度、比率、相対位置などの数値)」が算出される。そして、プレーヤ登録DB240を参照し、算出された顔特徴値と、プレーヤ毎に対応付けて記憶されている「個人識別用顔特徴値」とを照合して、プレーヤ画像30に写っている人物が、登録されている何れのプレーヤであるかが特定される。
【0043】
図4は、イメージセンサモジュール1024による撮影画像(遊戯空間画像)40に対する画像解析を説明する図である。
図4に示すように、イメージセンサモジュール1024による撮影画像(遊戯空間画像)40は、遊戯空間1002内に配置された景品10を上方から写した画像となる。この遊戯空間画像40から、輪郭抽出処理によって、配置されている各景品10や景品落下口1006の輪郭情報が算出される。そして、景品DB235(
図8参照)を参照し、算出された輪郭情報と、景品の種類毎に対応付けて記憶されている「識別用輪郭情報」とを照合して、遊戯空間画像40に写っている各景品10の種類や位置Pが特定される。更に、特定された各景品10の位置Pと景品落下口1006の位置との間の距離Lが算出される。
【0044】
次に、このような撮影画像に対する画像解析の結果を利用したクレーン装置1010の動作設定について説明する。本実施形態のゲーム装置1000では、所定のゲーム対価を支払うことで、1回のゲームプレイ(1回のクレーン装置1010の景品獲得操作)を行うことができる。ゲームプレイの終了後、所定時間内に所定のゲーム対価を支払うことで、次のゲームプレイは、直前のゲームプレイに連続したゲームプレイ(連続プレイ)として扱われる。そして、ゲームプレイが連続して行われていくことで、クレーン装置1010の動作設定が変更制御される。
【0045】
図5は、初回プレイにおけるクレーン装置1010の動作設定を説明する図である。
図5に示すように、ゲームプレイに先立ち、イメージセンサモジュール1022によってプレーヤ画像30が撮影される。次いで、撮影されたプレーヤ画像30から、写っている人物の顔画像32が抽出され、抽出した顔画像32から顔特徴値が算出される。続いて、算出された顔特徴値をプレーヤ登録DB240と照合することで、プレーヤ画像30に写っている人物が、登録済みのプレーヤ(登録プレーヤ)であるかが判断される。
【0046】
プレーヤ画像30に写っている人物が登録プレーヤであることが検出されると、プレーヤ登録DB240(
図8,
図9参照)を参照して、当該登録プレーヤに対応付けて記憶されているプレイ履歴をもとに「初回動作設定値」が決定され、この初回動作設定値に従ったゲーム装置1000の動作設定値の変更が行われる。
【0047】
一方、プレーヤ画像30に写っている人物が登録プレーヤでないならば、顔特徴値から性別や年齢が求められ、これをもってその人物の客層が判断される。公知のように、顔特徴値には性別や年齢により傾向が見られるので、これらから性別や年齢を判定できる。そして、予め客層と対応付けて定められた初回動作設定値から、判断した客層に応じた初回動作設定値が選択され、この初回動作設定値に従ったゲーム装置1000の動作設定値の変更が行われる。
【0048】
図6は、連続プレイにおけるクレーン装置1010の動作設定を説明する図である。
図6に示すように、連続プレイでは、所定の「調整実行条件」が満たされると、ゲーム装置1000の動作設定値の調整が行われる。調整実行条件は、(1)連続プレイ回数条件を満たし、且つ、(2)連続プレイ状況条件を満たす、ことである。
【0049】
連続プレイ回数条件とは、連続プレイ回数が所定の調整判断規定回数に達することであり、調整判断規定回数は、プレーヤの客層に応じて定められている。
【0050】
連続プレイ状況条件とは、当該プレーヤの過去のプレイ履歴から判断して、当該プレーヤがゲームプレイを終了する可能性が高いことを判断する条件である。具体的には、景品の獲得を連続して失敗した回数である「連続失敗回数」、及び、「ターゲット景品の移動状況」の二種類を判断基準とし、少なくとも一方の判断基準が所定条件を満たすと、「連続プレイ状況条件」が満たされると判断する。
【0051】
詳細には、「連続失敗回数」に係る条件とは、現在の連続失敗回数が、終了決断連続失敗回数から「2」を引いた回数に達したことである。終了決断連続失敗回数とは、当該プレーヤのプレイ履歴から、一連のゲームプレイの終了時点での連続失敗回数の分布をもとに判断される、当該プレーヤがゲームプレイの終了を決断すると推定される連続失敗回数のことである。
【0052】
また、「ターゲット景品の移動状況」とは、次のプレイにおいてターゲット景品の獲得を失敗したと仮定した場合の当該ターゲット景品の移動状況が、終了決断景品移動状況に一致することである。終了決断移動状況とは、当該プレーヤのプレイ履歴から、一連のゲームプレイの終了時点でのターゲット景品の移動状況の分布をもとに判断される、当該プレーヤがゲームプレイの終了を決断すると推定される移動状況のことである。ここで、「景品の移動状況」は、当該景品が景品落下口1006に対して近づいているか離れているかといった位置変化を表すものであり、例えば、当該景品と景品落下口1006との間の距離Lの変化をもって表現される。
【0053】
「調整実行条件」を満たしていると判断されたならば、当該プレーヤの当日のプレイ履歴をもとに「設定調整値」が決定される。そして、この設定調整値に従ったゲーム装置1000の動作設定値の調整(変更)が行われる。なお、本実施形態の「調整実行条件」は一例であり、他の条件を設定してもよいことは勿論である。例えば、「調整実行条件」を「連続プレイ回数条件」のみとしてもよいし、「連続プレイ状況条件」を「連続失敗回数」に係る条件のみとしてもよい。「連続失敗回数」に係る条件も、現在の連続失敗回数が、終了決断連続失敗回数から「1」を引いた回数に達したこととしても勿論よい。
【0054】
[機能構成]
(A)ゲーム装置1000
図7は、ゲーム装置1000の機能構成を示すブロック図である。
図7によれば、ゲーム装置1000は、機能的には、操作入力部102と、カード読出/書込部104と、硬貨検知部106と、景品払い出し検知部108と、表示部110と、音出力部112と、通信部114と、クレーン装置1010と、第1撮像部116と、第2撮像部118と、処理部130と、記憶部140とを備えて構成される。
【0055】
操作入力部102は、プレーヤによってなされた各種の操作入力に応じた操作信号を処理部130に出力する。この機能は、例えば、ボタンスイッチやジョイスティック、タッチパネル等の入力装置のほか、加速度センサ等の各種センサで実現される。
図1では、操作ボタン1034がこれに該当する。
【0056】
カード読出/書込部104は、ゲームカード1038に記憶されている情報を読み出して処理部130に出力するとともに、処理部130の制御に従ってゲームカード1038に情報を書き込む。
図1では、カード挿入口1036及びカードリーダライタがこれに該当する。
【0057】
硬貨検知部106は、ゲームプレイの対価として投入される硬貨の種類や枚数を検知し、検知信号を処理部130に出力する。
図1では、硬貨投入口1032及び硬貨計算機がこれに該当する。
【0058】
景品払い出し検知部108は、装置外部への景品の払い出しを検知し、検知信号を処理部130に出力する。
図1では、景品落下口1006と景品取り出し口1008を繋ぐ内部通路に設けられた不図示の払い出し検知センサがこれに該当する。
【0059】
表示部110は、処理部130から入力される表示信号に基づいて、各種のゲーム画像を表示する。この機能は、例えば、フラットパネルディスプレイやブラウン管(CRT)、プロジェクターなどの画像表示装置によって実現される。
【0060】
音出力部112は、処理部130から入力される音信号に基づいて、効果音やBGM等の各種のゲーム音を出力する。この機能は、例えば、スピーカなどの音出力装置によって実現される。
【0061】
通信部114は、通信回線Nと接続して外部装置との通信を実現する。この機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路などによって実現される。
図1では、制御基板1040に搭載された通信装置がこれに該当する。
【0062】
第1撮像部116は、プレイポジションにいるプレーヤを正面から撮影し、撮影した画像を処理部130に出力する。
図1では、イメージセンサモジュール1022がこれに該当する。
【0063】
第2撮像部118は、景品10が配置された遊戯空間1002を上方から撮影し、撮影した画像を処理部130に出力する。
図1では、イメージセンサモジュール1024がこれに該当する。
【0064】
処理部130は、記憶部140に記憶されているプログラムやデータ、操作入力部102からの入力信号、通信部114を介して外部装置(主に、店舗サーバ2000)から受信したデータ等に基づいて、ゲーム装置1000の全体制御を行う。この機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)等の演算装置やその制御プログラムによって実現される。
図1では、制御基板1040がこれに該当する。また、本実施形態では、処理部130は、プレイ制御部132と、動作設定部134と、計時部136と、クレーン制御部138とを有する。
【0065】
プレイ制御部132は、当該ゲーム装置1000におけるゲームプレイを制御する。具体的には、硬貨検知部106によって、ゲームプレイの対価として定められた硬貨の投入が検知されると、当該ゲーム装置1000におけるゲームプレイを可能とする。次いで、初期設定として、クレーン装置1010を初期位置(例えば、景品落下口1006の上方位置)にセットする。続いて、クレーン制御部138に、操作入力部102から入力されるプレーヤによる景品獲得操作に従った動作制御を行わせる。
【0066】
更に、ゲームプレイの終了後、所定時間内に、ゲームプレイの対価として定められた硬貨が投入されたならば、次のゲームプレイを、直前のゲームプレイに連続して行われる連続プレイと扱って、同様の制御を行う。
【0067】
動作設定部134は、店舗サーバ2000から受信した動作設定値に従って、クレーン装置1010の動作設定値の変更を行う。具体的には、初回プレイの際には、動作設定値を受信した初回動作設定値に変更する。連続プレイの際には、現在の動作設定値を、受信した設定調整値だけ加算した値に変更する。
【0068】
計時部136は、現在日時(日付及び時刻)を計時する時計、或いは、所与のタイミングからの経過時間をカウントするタイマーである。
【0069】
クレーン制御部138は、クレーン装置1010を制御する。具体的には、ゲームプレイが有効となると、操作入力部102から入力されるプレーヤの指示操作に従って、クレーン装置1010を移動させる。その後、把持アーム1012を開いてクレーン装置1010を降下させ、把持アーム1012を閉じてクレーン装置1010を上昇させ、再度、景品落下口1006の位置まで移動させて把持アーム1012を開くといった、一連の景品獲得動作を行わせる。
【0070】
記憶部140は、処理部130がゲーム装置1000を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態における各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部130の作業領域として用いられ、処理部130が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部102からの操作信号、第1撮像部116及び第2撮像部18からの撮像信号、通信部114からの入力データ等を一時的に格納する。この機能は、例えば、各種ICメモリやハードディスク、光ディスクドライブ、ROM、RAM等の記憶装置によって実現される。本実施形態では、記憶部140には、ゲーム制御プログラム142と、当該ゲーム装置1000の識別情報であるゲーム装置ID144と、クレーン装置1010の現在の動作設定値146と、プレイデータ150とが記憶される。
【0071】
ゲーム制御プログラム142は、処理部130が読み出して実行することにより、本実施形態のゲーム制御を実現することができるプログラムである。
【0072】
プレイデータ150は、当該ゲーム装置1000において、現在行われている一連のゲームプレイ(1回又は連続する複数回のプレイ)に関するデータであり、カード読出/書込部104によってゲームカード1038から読み出されたカードデータ152と、連続プレイ回数154と、プレイ結果情報156と、クレーン動作情報158と、第1撮像部116によって撮影されたプレーヤ画像160と、第2撮像部118によって撮影された遊戯空間画像162とを含んでいる。
【0073】
プレイ結果情報156は、各プレイ(連続プレイに含まれる1プレイ毎)のプレイ結果の情報であり、「プレイ結果」とは景品10の獲得を成功したか失敗したかであり、これは、景品払い出し検知部108によって景品10の払い出しが検知されたか否かによって判断される。
【0074】
クレーン動作情報158は、各プレイでのクレーン装置1010の動作の情報であり、クレーン装置1010の移動経路の情報や、クレーン装置1010を降下させた位置の情報を含んでいる。
【0075】
(B)店舗サーバ2000
図8は、店舗サーバ2000の機能構成を示すブロック図である。
図8によれば、店舗サーバ2000は、機能的には、操作部202と、表示部204と、音出力部206と、通信部208と、処理部210と、記憶部230とを備えて構成される。
【0076】
操作部202は、店舗サーバ2000の管理者(例えば、店舗責任者)による操作指示を受け付け、操作指示に応じた操作信号を処理部210に出力する。この機能は、例えば、ボタンスイッチやレバー、キーボード、マウス、タッチパネル、各種センサ等によって実現される。
【0077】
処理部210は、記憶部230に記憶されているプログラムやデータ、操作部202からの入力信号、通信部208を介して外部装置(主に、ゲーム装置1000)から受信したデータ等に基づいて、店舗サーバ2000の全体制御を行う。この機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)等の演算装置やその制御プログラムによって実現される。また、本実施形態では、処理部210は、プレーヤ登録管理部212と、プレイ管理部214と、プレーヤ画像解析部216と、客層判定部218と、プレーヤ特定部220と、遊戯空間画像解析部222と、ターゲット景品特定部224と、動作設定情報作成部226と、プレイ履歴分析部228とを有している。
【0078】
プレーヤ登録管理部212は、プレーヤの登録に関する処理を実行し、プレーヤ登録DB240を生成・管理する。すなわち、ゲーム装置1000においてプレイ中のプレーヤが未登録のプレーヤである場合、プレーヤ画像30に対する画像解析結果から取得された顔特徴値や年齢・性別といった情報と対応付けて、新たなプレーヤ登録データ241を生成してプレーヤ登録DB240に追加する。また、ゲーム装置1000におけるゲームプレイが終了すると、該当するプレーヤ登録データ241に、当該ゲームプレイについてのプレイ履歴を追加更新する。
【0079】
図9は、プレーヤ登録DB240のデータ構成の一例を示す図である。
図9に示すように、プレーヤ登録DB240は、登録プレーヤ毎に生成されたプレーヤ登録データ241の集合であり、各プレーヤ登録データ241は、当該プレーヤの識別情報であるプレーヤID242と、当該プレーヤが所持するゲームカード1038のカードID243と、個人認証用顔特徴値244と、年齢性別情報245と、プレイ履歴データ250と、通算プレイ分析データ260と、当日プレイ分析データ280とを格納している。
【0080】
プレイ履歴データ250は、過去のゲームプレイに関する履歴データであり、一連のゲームプレイ(1回或いは連続する複数回のプレイ)毎に生成され、該ゲームプレイを行った日時251と、プレイしたゲーム装置ID252と、プレイ推移データ253とを格納している。
【0081】
プレイ推移データ253は、一連のゲームプレイを構成する各プレイの詳細に関するデータであり、
図10に示すように、プレイ番号253aに対応付けて、景品獲得結果253bと、成功時に獲得された景品の種類253cと、ターゲット景品の種類253dと、景品配置情報253eとを格納している。景品配置情報253eは、対応するプレイの開始時点における遊戯空間内の景品配置に関する情報であり、配置されている景品253fそれぞれについて、配置位置253gと、景品落下口1006までの距離253hとを対応付けて格納している。
【0082】
図9に戻り、通算プレイ分析データ260は、プレイ履歴データ250に対する分析処理から得られたプレイ傾向に関するデータであり、プレイ回数の総和である通算プレイ回数261と、景品獲得に成功した回数の総和である通算景品獲得回数262と、通算景品獲得率263と、プレイ回数分布データ264と、連続プレイ回数分布データ265と、通算獲得景品種類分布データ266と、終了時プレイ状況データ270とを含んでいる。
【0083】
通算景品獲得率263は、通算プレイ回数261に対する通算景品獲得回数262の割合である。
【0084】
プレイ回数分布データ264は、様々な条件毎にプレイ回数の分布を示したデータである。例えば、遊戯空間1002に配置されている景品の種類毎にプレイ回数を対応付けた景品種類別プレイ回数分布データ264aや、プレイされた曜日や時間帯などの時間条件毎にプレイ回数を対応付けた曜日・時間帯別プレイ回数分布データ264b等を含んでいる。
【0085】
連続プレイ回数分布データ265は、連続プレイ回数毎に、生じた頻度を対応付けて格納している。通算獲得景品種類分布データ266は、景品の種類毎に、獲得回数を対応付けて格納している。
【0086】
終了時プレイ状況データ270は、一連のゲームプレイを終了したときのプレイ状況に関するデータであり、連続獲得失敗回数分布データ271と、終了決断連続失敗回数272と、ターゲット景品移動状況分布データ273と、終了決断景品移動状況274とを含んでいる。
【0087】
図11は、連続獲得失敗回数分布データ271のデータ構成の一例を示す図である。
図11によれば、連続獲得失敗回数分布データ271は、連続獲得失敗回数271a毎に、生じた頻度271bを対応付けて格納している。連続獲得失敗回数271aは、一連のゲームプレイの終了時点での、連続して景品の獲得を失敗している回数であり、これが「0回」とは、一連のゲームプレイの最後のプレイが景品の獲得が「成功」である場合に該当する。
【0088】
終了決断連続失敗回数272は、連続獲得失敗回数分布データ271を統計演算することによって得られた、プレーヤが一連のゲームプレイを終了する可能性が高いと推定される連続失敗回数である。例えば、対応する頻度271bが最多の連続獲得失敗回数271aが、終了決断連続失敗回数となる。
【0089】
図12は、ターゲット景品移動状況分布データ273のデータ構成の一例を示す図である。
図12によれば、ターゲット景品移動状況分布データ273は、ターゲット景品の移動状況273a毎に、生じた頻度273bを対応付けて格納している。ターゲット景品の移動状況273aは、一連のゲームプレイにおける最後の連続する複数回(
図12では、3回)のプレイにおける、ターゲット景品の移動状況であり、景品落下口1006に対する位置変化で表現されている。
【0090】
終了決断景品移動状況274は、ターゲット景品移動状況分布データ273を統計演算することによって得られた、プレーヤが一連のゲームプレイを終了する可能性が高いと推定されるターゲット景品の移動状況である。例えば、対応する頻度273bが最多のターゲット景品の移動状況273aが、終了決断景品移動状況となる。
【0091】
当日プレイ分析データ280は、プレイ履歴データ250に対する分析処理によって得られた、当該プレーヤの当日のプレイに関するデータであり、当日プレイ回数281と、当日景品獲得回数282と、当日景品獲得率283と、当日獲得景品種類情報284と、当日ターゲット景品種類情報285とを含んでいる。
【0092】
プレイ管理部214は、ゲーム装置別プレイ状況管理データ290を用いて、各ゲーム装置1000におけるプレイ状況を管理する。
【0093】
図13は、ゲーム装置別プレイ状況管理データ290のデータ構成の一例を示す図である。
図13に示すように、ゲーム装置別プレイ状況管理データ290は、当該店舗に設置されているゲーム装置1000毎に生成され、該当するゲーム装置1000の識別情報であるゲーム装置ID291と、配置景品種類情報292と、プレイ中フラグ293と、プレイデータ294とを格納している。
【0094】
配置景品種類情報292は、該当するゲーム装置1000の遊戯空間内に配置されている景品の数や種類に関する情報である。プレイ中フラグ293は、該当するゲーム装置1000において、ゲームプレイが行われているか否かを示すフラグである。
【0095】
プレイデータ294は、該当するゲーム装置1000において現在行われている一連のゲームプレイに関するデータであり、プレーヤ情報294aと、現在の連続プレイ回数294bと、調整判断規定回数294cと、調整実行フラグ294dと、受信プレーヤ画像294eと、受信遊戯空間画像294fと、プレイ推移データ294gとを格納している。
【0096】
プレーヤ情報294aは、ゲームプレイを行っているプレーヤに関する情報であり、具体的には、プレーヤ登録データ241にて登録されているプレーヤIDが格納される。
【0097】
プレイ推移データ294gは、プレイ中の一連のゲームプレイに関するデータであり、プレーヤ登録データ241のプレイ履歴データ250に含まれるプレイ推移データ253(
図10参照)と同様に、現時点までの各プレイについて、時系列に、景品の獲得結果と、成功である場合に獲得された景品の種類と、ターゲット景品の種類と、景品配置情報とを対応付けて格納している。
【0098】
図8に戻り、プレーヤ画像解析部216は、ゲーム装置1000から受信したプレーヤ画像30に対する画像解析処理を行って、当該プレーヤ画像30に写っている人物の顔特徴値を求める。顔特徴値の算出方法は公知の技術を適宜適用して良いため、ここでは説明を省略する。
【0099】
客層判定部218は、プレーヤ画像解析部216によって求められた顔特徴値に基づいて、プレーヤ画像30に写っている人物の年齢及び性別を求め、客層を判定する。ここで、年齢・性別と客層との対応関係の設定は任意であるが、例えば、
図14に示す客層設定テーブル302のように定められる。
図14は、客層設定テーブル302のデータ構成の一例を示す図である。
図14によれば、客層設定テーブル302は、客層種別302aそれぞれについて、該当年齢302cと、該当性別302bとを対応付けて格納している。
【0100】
プレーヤ特定部220は、ゲーム装置1000にてプレイ中のプレーヤを特定する。具体的には、プレーヤ登録データ241を参照し、プレーヤ画像解析部216によって求められた顔特徴値と、登録プレーヤそれぞれに対応付けられている個人認識用顔特徴値244とを比較照合することで、プレーヤ画像30に写っている人物が何れの登録プレーヤであるかを特定する。
【0101】
また、プレーヤ特定部220は、プレーヤ登録データ241を参照して、ゲーム装置1000から受信したカードデータをもとに、プレーヤ画像30に写っている人物が何れの登録プレーヤであるかを特定する。
【0102】
遊戯空間画像解析部222は、ゲーム装置1000から受信した遊戯空間画像40に対する画像解析処理を行って、遊戯空間内に配置されている各景品10の配置位置を特定する。
【0103】
具体的には、遊戯空間画像40に対する輪郭抽出処理を行って、配置されている各景品や景品落下口1006等の輪郭情報を抽出する。また、ゲーム装置別プレイ状況管理データ290に含まれる配置景品種類情報292を参照して、該遊戯空間画像が撮影されたゲーム装置1000において、遊戯空間内に配置されている景品の種類を特定する。次いで、景品DB235を参照し、算出した輪郭情報と、特定した各景品の種類に対応付けて定められた識別用輪郭情報とを照合して景品を判別し、遊戯空間画像40に写っている各景品10の位置を特定する。更に、特定した各景品の位置と景品落下口1006との間の距離Lを算出する。
【0104】
なお、輪郭情報ではなく、景品識別用の画像情報を用意しておき、これと照合することにしても良い。
【0105】
景品DB235は、ゲーム装置1000の遊戯空間1002内に配置され得る景品それぞれについて、種類や識別用の輪郭情報等を対応付けて格納したDBである。識別用輪郭情報は、景品を上方から見た輪郭情報の他、正面/背面/右側面/左側面といった各方向から見た輪郭情報を含む。これにより、例えば倒れている景品についても特定することができる。勿論、輪郭情報の他、景品を様々な角度から撮影した画像情報を景品DB235に含めることにしても良い。
【0106】
ターゲット景品特定部224は、遊戯空間画像解析部222によって特定された各景品10の配置位置と、ゲーム装置1000から受信したクレーン動作情報とから、プレーヤが獲得を狙っている景品(ターゲット景品)を推定する。
【0107】
動作設定情報作成部226は、ゲーム装置1000それぞれに対して、クレーン装置1010の動作設定値に関する情報である動作設定情報を作成し、該ゲーム装置1000に送信する。
【0108】
具体的には、ゲーム装置1000におけるプレイが初回プレイの場合には、初回動作設定値に関する動作設定情報を作成する。すなわち、当該ゲーム装置1000のプレーヤが、プレーヤ特定部220によって登録プレーヤであると特定されているならば、当該プレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、当該プレーヤに対応付けて記憶されている終了決断連続失敗回数をもとに、初回動作設定値を決定する。
【0109】
ここで、初回動作設定値と終了決断連続失敗回数との対応関係は任意に設定されるが、終了決断連続失敗回数が多いほど、プレイの難易度が高くなるように初回動作設定値が定められることが望ましい。例えば、
図15に示す履歴別初回設定値テーブル306にように定められる。
図15は、履歴別初回設定値テーブル306のデータ構成の一例を示す図である。
図15によれば、履歴別初回設定値テーブル306は、終了決断連続失敗回数306aそれぞれに、初回動作設定値306bを対応付けて格納している。なお、初回動作設定値と終了決断連続失敗回数との対応関係はデータテーブルの形式で定められるとしたが、終了決断連続失敗回数を変数とした関数式として定めても良い。
【0110】
一方、プレーヤ特定部220によって当該ゲーム装置1000のプレーヤが特定されない(登録プレーヤでない)ならば、客層判定部218によって判定された客層に応じて初回動作設定値を決定する。
【0111】
ここで、初回動作設定値と客層との対応関係は任意であるが、例えば、
図16に示す客層別初回設定値テーブル304のように定められる。
図16は、客層別初回設定値テーブル304のデータ構成の一例を示す図である。
図16によれば、客層別初回設定値テーブル304は、客層304aそれぞれに、初回動作設定値304bを対応付けて格納している。
【0112】
また、ゲーム装置1000におけるプレイが2回目以降のプレイ(連続プレイ)の場合には、動作設定調整値に関する動作設定情報を作成する。この動作設定調整値は、現在の動作設定値に対する調整量である。
【0113】
先ず、当該ゲーム装置1000のプレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、調整実行条件を満たしているか否かを判断する。
図6を参照して説明した通り、調整実行条件は、(1)連続プレイ回数条件を満たし、且つ、(2)連続プレイ状況条件を満たす、ことである。
【0114】
連続プレイ回数条件については、先ず、プレーヤの客層に応じて調整判断規定回数を求める。調整判断規定回数と客層との対応関係は任意であるが、例えば、
図17に示す調整判断規定回数テーブル308のように定められる。
図17は、調整判断規定回数テーブル308のデータ構成の一例を示す図である。
図17によれば、調整判断規定回数テーブル308は、客層308aそれぞれに、調整判断規定回数308bを対応付けて格納している。そして、現在の連続プレイ回数がこの調整判断規定回数に達しているならば、連続プレイ回数条件を満たすと判断する。
【0115】
連続プレイ状況条件は、連続失敗回数条件、及び、景品移動状況条件の少なくとも一方を満たすことを条件としている。
【0116】
すなわち、連続失敗回数条件については、当該プレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、当該プレーヤに対応付けられている終了決断連続失敗回数と、現在の連続失敗回数とを比較し、連続失敗回数が、終了決断連続失敗回数から「2」だけ減算した回数に達しているならば、連続失敗回数条件を満たしていると判断する。
【0117】
景品移動状況条件については、先ず、次回のプレイでターゲット景品の獲得が失敗したと仮定した場合の当該ターゲット景品の移動状況を推定する。次いで、当該プレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、推定したターゲット景品の移動状況と、当該プレーヤに対応付けられている終了決断景品移動状況とを比較し、推定したターゲット景品の移動状況が終了決断移動状況に一致しているならば、景品移動状況条件を満たしていると判断する。
【0118】
そして、連続プレイ回数条件及び連続プレイ状況条件の両方を満たしている、すなわち調整実行条件を満たしていると判断したならば、当該プレーヤの当日のプレイ履歴に基づいて設定調整値を決定する。具体的には、当該プレーヤの当日の景品獲得率をもとに、設定調整値を決定する。
【0119】
ここで、設定調整値は、正又は負の整数値とする。また、クレーンゲーム装置1010の動作設定値は、例えば「1〜20」の範囲の整数値であり、動作設定値が小さい値ほど、弱い把持アーム1012の把持力が対応付けて定められているとする。従って、設定調整値が正値だと、動作設定値を増加させる、すなわち把持アーム1012の把持力を強めることになり、逆に、設定調整値が負値だと、動作設定値を減少させる、すなわち把持アーム1012の把持力を弱めることになる。
【0120】
また、設定調整値と当日景品獲得率との対応関係は任意であるが、当日景品獲得率が小さいほど、設定調整値が大きくなるように定めることが望ましい。例えば、
図18に示す設定調整値テーブル310のように定められる。
図18は、設定調整値テーブル310のデータ構成の一例を示す図である。
図18によれば、設定調整値テーブル310は、当日景品獲得率310aそれぞれに、設定調整値310bを対応付けて格納している。
【0121】
続いて、現在のターゲット景品の種類が、現在のゲームプレイを除く当日の各ゲームプレイにおけるターゲット景品の種類の何れかに一致するか否かを判断し、一致するならば、求めた設定調整値に、所定の係数(1以上の値)を乗じた値とする。なおここで、設定調整値に係数を乗じた値が小数になった場合には、小数点以下を四捨五入や切り上げ/切り捨てによって整数値とする。
【0122】
一方、動作設定値の調整を行わないと判断した場合には、設定調整値を「ゼロ」とした動作設定情報を作成する。
【0123】
プレイ履歴分析部228は、登録プレーヤそれぞれについて、プレイ履歴に対する分析処理を行って、ゲームプレイに関する行動傾向を算出する。すなわち、該当するプレーヤ登録データ241に含まれるプレイ履歴データ250をもとに、通算のプレイ履歴に対する分析処理を行って通算プレイ分析データ260を更新するとともに、当日のプレイ履歴に対する分析処理を行って当日プレイ分析データ280を更新する。
【0124】
記憶部230は、処理部210が店舗サーバ2000を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態における各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部210の作業領域として用いられ、処理部210が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作部202からの操作信号、通信部208からの入力データ等を一時的に格納する。この機能は、例えば、各種ICメモリやハードディスク、MO、ROM、RAM等の記憶装置によって実現される。
【0125】
本実施形態では、記憶部230には、サーバ制御プログラム232と、ゲーム装置設置情報234と、プレーヤ登録DB240と、景品DB235と、ゲーム装置別プレイ状況管理データ290と、客層設定テーブル302と、客層別初回設定値テーブル304と、履歴別初回設定値テーブル306と、客層別調整判断規定回数テーブル308と、設定調整値テーブル310とが記憶される。
【0126】
[処理の流れ]
(A)ゲーム処理
図19は、ゲーム装置1000におけるゲーム処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、ゲーム装置1000の処理部130が、ゲーム制御プログラム142を読み出して実行することで実現される。
【0127】
図19によれば、ゲーム対価として硬貨投入が検知されたならば(ステップA1:YES)、初期設定として、連続プレイ回数を「1」に設定するとともに(ステップA3)、クレーン装置1010を初期位置にセットする(ステップA5)。
【0128】
次いで、ゲームカード1038が挿入されているか否かを判断し、有るならば(ステップA7:ES)、このゲームカード1038に記憶されているデータを読み出すとともに(ステップA9)、遊戯空間画像を撮影する(ステップA13)。一方、ゲームカード1038が無いならば(ステップA7:NO)、プレーヤ画像を撮影するとともに(ステップA11)、遊戯空間画像を撮影する(ステップA13)。
【0129】
続いて、撮影したプレーヤ画像や遊戯空間画像などの撮影画像や、読み出したカードデータとともに、「プレーヤ特定要求」を店舗サーバ2000に送信する(ステップA15)。そして、店舗サーバ2000から送信されてくる「初回動作設定値」を受信し(ステップA17)、この初回動作設定値に従って、クレーン装置1010の動作設定値を設定する(ステップA19)。
【0130】
その後、操作入力部102から入力されるプレーヤの指示操作に従ったクレーン制御を行う(ステップA21)。クレーン制御を終了すると、景品の払い出しが検知されたか否か(プレイ結果)を判断する(ステップA23)。このように1回のプレイが終了すると、続いて、遊戯空間画像を撮影し(ステップA25)、撮影した遊戯空間画像とともに、プレイ結果を店舗サーバ2000に送信する(ステップA27)。
【0131】
その後、今回のプレイ終了時点から所定時間内に硬貨投入が検知されていないならば(ステップA29:NO)、店舗サーバ2000に、プレイ終了を通知する(ステップA31)。そして、ゲームカード1038が挿入されているならば、このゲームカード1038を排出する(ステップA33)。その後、ステップA1に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0132】
一方、今回のプレイ終了時点から所定時間内に硬貨投入が検知されたならば(ステップA29:YES)、連続プレイであると判断し、ゲームカード1038が挿入されていないならば(ステップA35:NO)、プレーヤ画像を撮影する(ステップA37)。次いで、撮影したプレーヤ画像や遊戯空間画像などの撮影画像、先に読み出したカードデータとともに、「継続判定要求」を店舗サーバ2000に送信する(ステップA39)。
【0133】
そして、店舗サーバ2000から送信されてくる「継続判定結果」を受信し(ステップA41)、この継続判定結果が「同じプレーヤによる連続プレイ」ならば(ステップA43:YES)、連続プレイ回数を「1」加算した値に更新する(ステップA45)。続いて、店舗サーバ2000から送信されてくる「動作設定調整値」を受信し(ステップA47)、この動作設定調整値に従って、クレーン装置1010の動作設定値を変更(調整)する(ステップA49)。その後、ステップA21に移行して、同様の処理を繰り返す。
【0134】
一方、受信した継続判定結果が「同じプレーヤによる連続プレイ」でない、つまり「別のプレーヤによる新規プレイ」ならば(ステップA43:NO)、連続プレイ回数を「1」に再設定した後(ステップA51)、ステップA17に移行して同様の処理を繰り返す。
【0135】
(B)サーバ処理
図20,
図21は、サーバ処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、店舗サーバ2000の処理部210が、サーバ制御プログラム232を読み出して実行することで実現される。
【0136】
図20によれば、ゲーム装置1000から送信されてくる「プレーヤ特定要求」を受信すると(ステップB1)、送信元のゲーム装置1000を特定する。次いで、該要求とともに受信した遊戯空間画像の解析処理を行って、該ゲーム装置1000の遊戯空間内の各景品10の配置位置を特定する(ステップB3)。
【0137】
続いて、該ゲーム装置1000のプレーヤを特定する処理を行う。すなわち、該要求とともにカードデータを受信しているならば(ステップB5:YES)、このカードデータをもとに、プレーヤ登録データ241を参照して、該ゲーム装置1000のプレーヤを特定する(ステップB7)。一方、カードデータを受信していないならば(ステップB5:NO)、該要求とともに受信したプレーヤ画像の解析処理を行って、写っている人物の顔特徴値を算出する(ステップB9)。また、この顔特徴値から、該人物の性別・年齢を推定する(ステップB11)。そして、プレーヤ登録データ241との照合を行って、算出した顔特徴値に合致するプレーヤを特定する(ステップB13)。
【0138】
このプレーヤ特定処理の結果、登録プレーヤであることが特定できたならば(ステップB15:YES)、この登録プレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、終了決断連続失敗回数から初回動作設定値を決定する(ステップB17)。一方、登録プレーヤであることが特定できないならば(ステップB15:NO)、プレーヤ画像から推定した客層に応じて初回動作設定値を決定する(ステップB19)。また、算出した顔特徴値や推定した客層(年齢・性別)と対応付けて、新たなプレーヤとして追加登録する(ステップB21)。
【0139】
その後、該ゲーム装置1000の連続プレイ回数を「1」に設定するとともに(ステップB23)、調整実行フラグを「0」に設定する(ステップB25)。また、プレーヤ画像から推定した客層(性別・年齢)に応じて、該ゲーム装置1000の調整判断規定回数を設定する(ステップB27)。そして、決定した初回動作設定値を、該ゲーム装置1000に送信する(ステップB29)。
【0140】
続いて、
図21に示すように、ゲーム装置1000から送信されてくる「継続判定要求」を受信すると(ステップC1)、送信元のゲーム装置1000を特定する。次いで、該要求とともに受信した遊戯空間画像の解析処理を行って、該ゲーム装置1000の遊戯空間における各景品配置を特定する(ステップC3)。続いて、該要求とともに受信したプレーヤ画像やカードデータを用いて、該ゲーム装置1000のプレーヤを特定する(ステップC5)。このプレーヤ特定処理は、先のステップB5〜B13の処理と同様の処理である。
【0141】
この結果、登録プレーヤであると特定できないならば(ステップC7:NO)、「現在のプレーヤとは別の未登録プレーヤによる新規プレイ」と判定し(ステップC35)、これを「継続判定結果」として、該ゲーム装置1000に送信する(ステップC37)。次いで、該ゲーム装置1000における連続プレイが終了したと判断して、管理している該ゲーム装置1000のプレイデータをもとに、現在のプレーヤ(直前のプレイを行ったプレーヤ)のプレイ履歴を追加更新する(ステップC39)。
【0142】
一方、プレーヤ特定処理の結果、登録プレーヤであると特定できたならば(ステップC7:YES)、更に、この登録プレーヤが現在のプレーヤ(直前のゲームプレイを行ったプレーヤ)と一致するか否かを判断する。
【0143】
一致しないならば(ステップC9:NO)、「現在のプレーヤとは別の登録プレーヤによる新規プレイ」と判定し(ステップC41)、これを「継続判定結果」として、該ゲーム装置1000に送信する(ステップC43)。次いで、該ゲーム装置1000における連続プレイが終了したと判断して、管理している該ゲーム装置1000のプレイデータをもとに、現在のプレーヤ(直前のプレイを行ったプレーヤ)のプレイ履歴を追加更新する(ステップC45)。
【0144】
一方、特定した登録プレーヤが現在のプレーヤに一致するならば(ステップC9:YES)、「同じプレーヤによる連続プレイ」と判定し(ステップC11)、これを「継続判定結果」として、該ゲーム装置1000に送信する(ステップC13)。次いで、該ゲーム装置1000の連続プレイ回数を「1」加算した値に更新する(ステップC15)。
【0145】
続いて、該ゲーム装置1000の調整実行フラグが「1」ならば(ステップC17:YES)、現在のプレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、当日のプレイ履歴から動作設定調整値を決定する(ステップC29)。そして、決定した動作設定調整値を、該ゲーム装置1000に送信する(ステップC33)。
【0146】
一方、調整実行フラグが「0」ならば(ステップC17:NO)、調整実行条件を満たしているか否かを判断する。具体的には、先ず連続プレイ回数条件を満たしているか否かを判断する。すなわち、現在の連続プレイ回数と調整判断規定回数とを比較し、連続プレイ回数が調整判断規定回数を超えているならば(ステップC19:YES)、連続プレイ回数条件を満たしていると判断する。
【0147】
連続プレイ回数条件を満たしているならば、続いて、連続プレイ状況条件を満たしているか否かを判断する。すなわち、現在のプレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、現在の連続失敗回数と、現在のプレーヤに定められている終了決断連続失敗回数とを比較し、連続失敗回数が「終了決断連続失敗回数−2」に達しているならば(ステップC21:YES)、「連続プレイ状況条件」を満たしていると判断する。
【0148】
連続失敗回数が「終了決断連続失敗回数−2」に達していないならば(ステップC21:NO)、続いて、次回のプレイが“失敗”と仮定した場合の、ターゲット景品の移動状況を推定する(ステップC23)。そして、現在のプレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、推定したターゲット景品移動状況が、現在のプレーヤに定められている終了決断景品移動状況に一致するか否かを判断し、一致するならば(ステップC35:YES)、連続プレイ状況条件を満たしていると判断する。
【0149】
連続プレイ状況条件を満たしていると判断したならば、調整実行フラグを「1」に設定し(ステップC27)、現在のプレーヤのプレーヤ登録データ241を参照して、当日のプレイ履歴から、動作設定調整値を決定する(ステップC29)。そして、決定した動作設定調整値を、該ゲーム装置1000に送信する(ステップC31)。
【0150】
一方、連続プレイ状況条件を満たしていないと判断した場合、すなわち、連続プレイ回数が規定回数を越えていない(ステップC19:NO)、或いは、ターゲット景品の移動状況が終了決断移動状況に一致しない場合には(ステップC25:NO)、動作設定調整値を「ゼロ」と決定する(ステップC31)。そして、この動作設定調整値を、該ゲーム装置1000に送信する(ステップC33)。
【0151】
[作用・効果]
このように、本実施形態によれば、店舗サーバ2000は、ゲーム装置1000それぞれに対して、該ゲーム装置1000において撮影されたプレーヤ画像30に対する画像解析結果を用いてプレーヤを特定し、プレーヤ登録DB240を参照して、特定したプレーヤに応じたクレーン装置1010の動作設定値を設定する。また、プレーヤを特定できない場合には、プレーヤ画像30に対する画像解析結果から判断した客層に応じて、クレーン装置1010の動作設定値を設定する。
【0152】
更に、ゲーム装置1000において同一プレーヤによる連続プレイが行われると、店舗サーバ2000は、所定の条件を満たした場合に、現在のプレイ状況が、プレイ履歴から推定される該プレーヤがゲームプレイを終了するプレイ状況に近似しているかを判断する。そして、近似する場合に、クレーン装置1010の動作設定値の調整を行う。具体的には、例えば、連続獲得失敗回数やターゲット景品の移動状況を用いて判断する。このように、プレーヤに応じた適切なクレーン装置1010の動作設定が実現される。
【0153】
また、本実施形態では、ゲームカード1038を持たないプレーヤについては、撮影したプレーヤ画像からプレーヤ特定を行っている。そして、当該プレーヤが未登録のプレーヤである場合には、プレーヤ画像から得られた顔特徴値と対応付けて新たなプレーヤとして登録される。このため、例えば、ゲームカード1033を持たない未登録のプレーヤが、同じ日に同じ店舗内で異なる複数のゲーム装置1000においてプレイした場合であっても、これら複数のゲーム装置1000に亘るゲームプレイに応じて、クレーン装置1010の動作設定値が設定・変更されることになる。
【0154】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0155】
(A)景品獲得ゲーム装置
例えば、上述の実施形態では、いわゆるクレーンゲーム機を前提にして、景品獲得関与部については、クレーン装置1010であることを前提に説明したが、景品獲得関与手段については、クレーンに限らず、網状のもの、アーム状のもの、棒状のもの、伸縮する棒状のもの、また所与の抽選の結果払い出しが決定される払い出し装置でもよい。
景品獲得関与部制御手段についても、同様にクレーン制御部を前提として説明を行ったが、上述のように制御対象はクレーンに限ったものではない。
(A)クレーン装置1010の動作設定値
例えば、上述の実施形態では、クレーン装置1010の動作設定の対象を把持アーム1012の把持力としたが、これを、景品を掴み上げる動作をした後のクレーン装置1010の「移動速度パターン」としても良い。移動速度パターンは、クレーン装置1010が移動を開始してからの経過時間と、速度・加速度の変化との関係を定めたものである。
【0156】
すなわち、クレーン装置1010は静止状態から所定の移動速度に達するように加速するが、このときの加速を、ゆっくり加速させたり、急激に加速させたりするのである。急激に加速すると、把持アーム1012で掴み上げた景品が揺さぶられて落下し易くなる。具体的には、例えば、クレーン設定可能な加速度を10段階に区分し、各段階に、加速度が低いほうから順に、動作設定値「1〜10」を対応付ける。つまり、動作設定値が小さいほど、対応付けられている加速度が低く、景品獲得の難易度が低くなる。
【0157】
(B)クレーン装置1010の動作設定値の設定・変更
また、クレーン装置1010の動作設定値の設定・変更を、次のようにしても良い。
【0158】
例えば、上述の実施形態において、「初回動作設定値」を、終了決断連続失敗回数にもとづいて決定することにしたが、更に、プレイ開始前の配置景品の種類や位置に応じて決定することにしても良い。すなわち、景品の配置状況(配置数や、各景品10の位置や向き等)によって景品獲得の難易度が異なるため、この景品の配置状況を用いて初回動作設定値を決定する。具体的には、例えば、景品の配置状況から判断される難易度が基準難易度より高い場合には、動作設定値を低くして、景品獲得の難易度を下げるようにする。
【0159】
或いは、配置されている景品の種類が、プレーヤの好みの種類であるか否かによって、初回動作設定値を決定する。具体的には、例えば、配置されている景品の種類がプレーヤの好みの種類の景品である場合には、プレーヤの遊戯意欲が高いので、初回動作設定値を低めに設定して難易度を高くする。なお、プレーヤの「好みの種類の景品」は、プレイ履歴から、ターゲット景品としているプレイ回数が多い種類の景品として判断できる。例えば、景品の種類としてキャラクタ別に種類を設定しておけば、同一のキャラクタのぬいぐるみやフィギュアを同じ種類の景品と認識することができる。
【0160】
また、上述の実施形態において、「連続プレイ」における動作設定値の調整を行うか否かの判断基準を、連続失敗回数及びターゲット景品の移動状況としたが、これ以外に、景品獲得率や、ターゲット景品がプレーヤの好みの種類の景品であるか否かを用いて判断することにしても良い。具体的には、例えば、プレーヤの当日の景品獲得率が所定の基準率に達しない場合には、プレイする毎に動作設定値を「−1」するといった調整を行うこととして、景品獲得の難易度を下げるようにする。また、配置されている景品の種類がプレーヤの好みの種類の景品である場合には、プレーヤの遊戯意欲が高くゲームプレイを継続する可能性が高いので、連続プレイ時の動作設定値の調整を行わないようにする。
【0161】
また、連続プレイ時における設定調整値は、当日の景品獲得率に応じて決定することとしたが、更に、その時点での配置景品の種類や位置に応じて決定することにしても良い。例えば、各景品の配置位置などから判断される獲得のし易さや、配置されている景品にプレーヤの好みの種類の景品が含まれているかなどによって、決定する。具体的には、例えば、景品の配置状況から判断される景品獲得の難易度が高い場合には、設定調整値(正値とする)を大きくして動作設定値を増加させ、景品獲得の難易度を低下させる。また、配置されている景品の種類がプレーヤの好みの種類の景品である場合には、プレーヤの遊戯意欲が高いので、設定調整値(正値とする)を小さくして動作設定値の増加の程度を小さくする。
【0162】
(C)店員端末3000
また、店舗サーバ2000が、店員端末3000に対して、各ゲーム装置1000のクレーン装置1010の動作設定値や、所定条件を満たしたゲーム装置1000の識別情報、プレイ状況が所定条件を満たしたプレーヤの識別情報や該プレーヤがプレイしているゲーム装置100の識別情報等を送信することにしても良い。店員は、この送信データをもとに適切な接客サービスをすることが可能となる。具体的には、例えば、あるゲーム装置1000において動作設定値の調整を行う条件である「調整実行条件」を満たした場合に、該ゲーム装置1000の識別情報とともに「調整実行条件」を満たした旨を送信する。この通知を受けた店員は、通知を受けた識別情報のゲーム装置1000に赴き、当該ゲーム装置1000内の景品の配置を変更したり、新たな景品を補充するといった、接客サービスを行うことができる。
【0163】
(D)ゲーム装置1000がスタンドアロンで動作
上述の実施形態では、店舗サーバ2000が、複数のゲーム装置1000それぞれに対して動作設定値の変更を指示することにしたが、この動作設定値の変更を、各ゲーム装置1000が単体で判断して行うことにしても良い。
【0164】
具体的には、店舗サーバ2000が備える、クレーン装置1010の動作設定値の決定・変更の機能を、ゲーム装置1000が備えるように構成すれば良い。
【0165】
図22は、このようなゲーム装置1000Aの機能構成図である。同図において、上述の実施形態におけるゲーム装置1000(
図7参照)及び店舗サーバ2000(
図8参照)と同一の構成要素については、同符号を付してある。この場合、プレーヤ登録DB240に格納されるプレイ履歴は、当該ゲーム装置1000Aにおけるゲームプレイに関するデータのみとなる。
【0166】
また、
図23は、ゲーム装置1000Aが実行するゲーム処理Aの流れを説明するフローチャートである。同図において、上述の実施形態における処理(
図19〜
図21参照)と同一ステップについては、同ステップ番号を付している。
【0167】
なおこの場合、プレーヤ登録DB240は、上述の実施形態と同様に店舗サーバ2000にて管理される構成とし、ゲーム装置1000は、必要に応じて店舗サーバ2000からプレーヤ登録DB240を取得することにしても良い。つまり、プレーヤ登録DB240は、該店舗に設置される複数のゲーム装置1000それぞれにおけるプレイ履歴を格納することになる。