(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
使用する金属塩のその金属を基準とする初期モル量に対する使用する2,5−フランジカルボン酸又は2,5−チオフェンジカルボン酸の初期モル量の比が、0.5:1〜2:1である請求項3又は4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の多孔質の有機金属骨格材料は、有機金属骨格材料の上述した性質を有する。ここで、本発明の多孔質の有機金属骨格材料は、少なくとも2座の有機化合物として2,5−フランジカルボン酸又は2,5−チオフェンジカルボン酸を含むか、又はこれらから誘導される。
【0012】
本発明において、「誘導」という用語は、2,5−フランジカルボン酸又は2,5−チオフェンジカルボン酸が、部分的に脱プロトン化した状態又は完全に脱プロトン化した状態で骨格材料に存在していてよいことを意味する。また、2,5−フランジカルボン酸又は2,5−チオフェンジカルボン酸は、一つの置換基又は複数の独立した置換基を含んでいてよい。このような置換基の例は、OH、NH
2、OCH
3、CH
3、NH(CH
3)、N(CH
3)
2、CN及びハロゲン化物(ハロゲン)である。しかしながら、少なくとも2座の有機化合物は、置換されていない2,5−フランジカルボン酸又は2,5−チオフェンジカルボン酸から誘導されることが好ましい。更に、「誘導」という用語は、本発明において、1つ以上のカルボキシル官能基が、対応する硫黄類似体の形態で存在していてもよいことを意味する。硫黄類似体は、官能基C(=O)SH及びその互変異性体並びにC(=S)SHであり、これらは1つの又は両方のカルボキシル基の変わりに用いられ得る。しかしながら、硫黄類似体は使用しないことが好ましい。
【0013】
本発明の骨格材料中の金属成分は、Ia、IIa、IIIa、IVa〜VIIIa及びIb〜VIbの群から選択されることが好ましい。特に好ましくは、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ln、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ro、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb及びBiであり、Lnはランタノイドを表す。
【0014】
ランタノイドはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、En、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybである。
【0015】
これらの元素のイオンに関しては、Mg
2+、Ca
2+、Sr
2+、Ba
2+、Sc
3+、Y
3+、Ln
3+、Ti
4+、Zr
4+、Hf
4+、V
4+、V
3+、V
2+、Nb
3+、Ta
3+、Cr
3+、Mo
3+、W
3+、Mn
3+、Mn
2+、Re
3+、Re
2+、Fe
3+、Fe
2+、Ru
3+、Ru
2+、Os
3+、Os
2+、Co
3+、Co
2+、Rh
2+、Rh
+、Ir
2+、Ir
+、Ni
2+、Ni
+、Pd
2+、Pd
+、Pt
2+、Pt
+、Cu
2+、Cu
+、Ag
+、Au
+、Zn
2+、Cd
2+、Hg
2+、Al
3+、Ga
3+、In
3+、Tl
3+、Si
4+、Si
2+、Ge
4+、Ge
2+、Sn
4+、Sn
2+、Pb
4+、Pb
2+、As
5+、As
3+、As
+、Sb
5+、Sb
3+、Sb
+、Bi
5+、Bi
3+及びBi
+を特に挙げることができる。
【0016】
特に好ましくは、Mg、Al、Y、Sc、Zr、Ti、V、Cr、Mo、Fe、Co、Cu、Ni、Zn、Lnである。更に好ましくは、Al、Mg、Fe、Cu及びZnである。Alが極めて特に好ましい。
【0017】
本発明の骨格材料を製造する本発明の方法は、工程(a)として、少なくとも1種の金属イオンに対応する金属塩及び2,5−フランジカルボン酸又は2,5−チオフェンジカルボン酸、並びに溶媒を含む反応溶液を、100〜150℃の範囲の温度において少なくとも3時間反応させる工程、及び(b)沈殿した固形物を単離する工程を含む。
【0018】
この反応は、少なくとも一部の時間、特に反応の初期においては、撹拌して行うことが好ましい。
【0019】
金属塩を出発化合物として使用する。反応混合物中のこの金属塩の初期濃度は、0.05mol/l〜0.8mol/lの範囲であることが好ましい。初期濃度は0.1mol/l〜0.5mol/lの範囲であることがより好ましい。特に、初期濃度は0.15mol/l〜0.3mol/lの範囲である。
【0020】
反応溶液中の金属イオンの濃度が工程(b)において固形物が沈殿することにより減少する量で、金属塩を反応溶液に導入する。
【0021】
また、使用する金属塩のその金属を基準とする初期モル量に対する使用する2,5−フランジカルボン酸又は2,5−チオフェンジカルボン酸の初期モル量の比が、0.5:1〜2:1であることが好ましい。この比はより好ましくは1:1〜1.8:1、更に好ましくは1:1〜1.7:1である。
【0022】
本発明の骨格材料を製造するための本発明の方法の工程(a)における反応混合物は更に溶媒を含む。
【0023】
溶媒は、使用する出発材料の少なくとも一部を溶解するのに適している必要がある。また、溶媒は、必要とされる温度範囲を実行できるように選択する必要がある。
【0024】
そのため、本発明の材料を製造する本発明の方法における反応は、溶媒の存在下で行う。この場合にはソルボサーマル条件を用いることができる。本発明において、「サーマル(熱による)」という用語は、反応を圧力容器内で行い、存在する溶媒の蒸気圧によって圧力容器内の反応媒体内部において圧力が上昇するように反応の間はその容器を密閉し、温度を上昇させて行う調製プロセスのことをいう。所望とする反応温度は、必要に応じて、この手法で達成することができる。
【0025】
反応は、水含有媒体中で行わないことが好ましく、同様にソルボサーマル条件下ではないことが好ましい。
【0026】
従って、本発明の方法における反応は、非水性溶媒の存在下で行うことが好ましい。
【0027】
反応は2bar(絶対圧)以下の圧力で行うことが好ましい。しかしながら、圧力は1230mbar(絶対圧)以下で行うことが好ましい。反応は大気圧下で行うことが特に好ましい。しかしながら、装置によって僅かに大気圧を超える圧力又は僅かに大気圧を下回る圧力が生じてもよい。そのため、本発明において、「大気圧」という用語は、実際に一般的に認識されている大気圧の±150mbarの圧力範囲のことをいう。
【0028】
反応は、100〜150℃の温度範囲で行う。この温度は115℃〜140℃の範囲が好ましい。温度は120〜130℃の範囲がより好ましい。
【0029】
反応溶液は更に塩基を含んでいても良い。これにより、特に、酸を使用した場合にその酸を容易に溶解させるために有用である。有機溶媒を使用すると、屡々、このような塩基の使用が不必要となる。それにもかかわらず、本発明の方法のための溶媒は、塩基性反応を有するように選択することができるが、これは本発明の方法を実行する上で絶対的に必要なことではない。
【0030】
同様に、塩基を使用することもできる。しかしながら、更なる付加的な塩基は加えないことが好ましい。
【0031】
また、反応は撹拌しながら行うことが有利であるが、これは規模を拡大する場合に有利でもある。
【0032】
(非水性)有機溶媒は、C
1-6−アルカノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、メチルエチルケトン(MEK)、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、ハロゲン化又は非ハロゲン化C
1-200−アルカン、スルホラン、グリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロールアセトン、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール、アセトンやアセチルアセトン等のケトン、シクロヘキサノン等の環状ケトン、スルホレン又はこれらの混合物である。
【0033】
C
1-6−アルカノールは、1〜6個の炭素原子を有するアルコールである。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール及びこれらの混合物である。
【0034】
ハロゲン化又は非ハロゲン化C
1-200−アルカンは、1個以上〜全ての水素原子が、ハロゲン(好ましくは塩素又はフッ素、特に塩素)によって置換することかできる又は置換されていてよい1〜200個の炭素原子を有するアルカンである。例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びこれらの混合物である。
【0035】
好ましい溶媒は、DMF、DEF、DMAc及びNMPである。DMFが特に好ましい。
【0036】
「非水性」という用語は、溶媒の全質量に対して、水含有量が最大で10質量%、より好ましくは5質量%、更に好ましくは1質量%、更により好ましくは0.1質量%、特に好ましくは0.01質量%を超えない溶媒のことをいう。
【0037】
反応中の最大水含有量は、好ましくは10質量%、より好ましくは5質量%、更に好ましくは1質量%である。
【0038】
「溶媒」という用語は、純粋な溶媒及び異なる溶媒の混合物のことをいう。
【0039】
本発明の骨格材料を製造する本発明の方法の工程(a)は、少なくとも3時間行う。この反応は、少なくとも6時間、より好ましくは少なくとも12時間、更に好ましくは少なくとも18時間行うことが好ましい。
【0040】
更に、本発明の方法は、工程(b)沈殿した固形物を単離する工程を含む。
【0041】
本発明の製造方法の工程(a)を行う結果、骨格材料が、反応混合物から固形物として沈殿する。これは、従来技術で知られている方法、例えばろ過などによって単離することができる。
【0042】
本発明の有機金属骨格材料は、粉末形態として又は塊状物として存在していてよい。
【0043】
本発明の多孔質の有機金属骨格材料は、粉末形態それ自体で使用することができ、あるいは成形体に加工する。
【0044】
従って、本発明の多孔質の有機金属骨格材料が粉末として存在することが、本発明の更なる側面である。
【0045】
そのため、本発明の更なる側面は、本発明の多孔質の有機金属骨格材料を含む成形体である。
【0046】
有機金属骨格材料からの成形体の製造は、例えば、WO−A03/102000に記載されている。
【0047】
成形体を製造するための好ましい方法は押出又は打錠である。成形体の製造においては、バインダー、潤滑剤又は製造過程の間に添加される他の添加剤などの更なる材料を添加することができる。同様に、骨格材料は更なる成分、例えば活性炭等の吸着剤を含んでいてもよい。
【0048】
成形体がとり得る形状は本質的にいかなる制限も受けない。例えば、とり得る形は、とりわけ、ディスク状に加工したペレット状、タブレット状、球体状、顆粒状、棒状等の押出物状、ハニカム状、格子状又は中空体状である。
【0049】
成形体を製造するためには、原理的には全ての好適な方法を採用することができる。特に、以下の方法が好ましい:
−骨格材料を単独で又は少なくとも1種のバインダー及び/又は少なくとも1種のペースト化剤及び/又は少なくとも1種のテンプレート化合物と共に混練/パンミリング(pan milling)を行い、混合物を得て;その結果生じた混合物を、押出等の少なくとも1種の好適な方法によって成形し;必要により、その押出物を洗浄及び/又は乾燥及び/又は焼成し;必要により、仕上げ処理を行う。
−少なくとも1種のバインダー及び/又は他の助剤とともに打錠を行う。
−骨格材料を、少なくとも1種の必要により多孔質の担体材料に施す。次いで得られた材料は上述した方法によって更に処理可能であり、成形体が得られる。
−骨格材料を、少なくとも1種の必要により多孔質の基材に施す。
【0050】
混練/パンミリング及び成形は、あらゆる好適な方法で、例えば、Ullmanns、Enzyklopadie der Technischen Chemie、第四版、第二巻、P313以降(1972)に記載されているように行うことができる。
【0051】
例えば、混練/パンミリング及び/又は成形は、少なくとも1種のバインダーの存在下又は非存在下でのピストンプレス、ローラープレス、コンパウンディング、ペレット化、打錠、押出、共押出、発泡、スピニング、コーティング、顆粒化、好ましくは噴霧顆粒化、噴霧、噴霧乾燥、又はこれらの方法の2種以上の組合せによって行うことができる。
【0052】
ペレット及び/又はタブレットを製造することが極めて特に好ましい。
【0053】
混練及び/又は成形は、昇温下で、例えば室温〜300℃の範囲で、及び/又は大気圧を超える圧力下で、例えば大気圧〜数百barの範囲で、保護ガス雰囲気中で、例えば少なくとも1種の希ガス、窒素又はこれらのうち2種以上の混合物の存在下で、行うことができる。
【0054】
混練及び/又は成形は、更なる実施の形態では、少なくとも1種のバインダーを添加して行う。使用するバインダーは、基本的には、混練及び/又は成形される組成物の混練及び/又は成形に必要とされる粘度を確保するあらゆる化合物であってよい。従って、バインダーは、本発明において、粘度を上昇させる化合物又は粘度を減少させる化合物のいずれかであってよい。
【0055】
好ましいバインダーは、例えば、とりわけ酸化アルミニウム又は酸化アルミニウムを含むバインダー(例えばWO94/29408に記載)、二酸化ケイ素(例えばEP0592050A1に記載)、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合物(例えばWO94/13584に記載)、クレー鉱物(例えばJP03−037156Aに記載)、例えばモンモリロナイト、カオリン、ベントナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライト及びアナウキサイト、アルコキシシラン(例えばEP0102544B1に記載)、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、又は例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキシシラン等のトリアルコキシシラン、アルコキシチタネート、例えばテトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート等のテトラアルコキシチタネート、又は例えば、トリメトキシチタネート、トリエトキシチタネート、トリプロポキシチタネート、トリブトキシチタネート等のトリアルコキシチタネート、アルコキシジルコネート、例えば、テトラメトキシジルコネート、テトラエトキシジルコネート、テトラプロポキシジルコネート、テトラブトキシジルコネート等のテトラアルコキシジルコネート、又は例えば、トリメトキシジルコネート、トリエトキシジルコネート、トリプロポキシジルコネート、トリブトキシジルコネート等のトリアルコキシジルコネート、シリカゾル、両親媒性物質及び/又はグラファイトである。
【0056】
粘度を上昇させる化合物(増粘剤)としては、例えば、必要に応じて、上記化合物に加えて、有機化合物及び/又は親水性ポリマー、例えばセルロース又はセルロース誘導体、例えばメチルセルロース及び/又はポリアクリレート及び/又はポリメタクリレート及び/又はポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドン及び/又はポリイソブテン及び/又はポリテトラヒドロフラン及び/又はポリエチレンオキシドを使用することも可能である。
【0057】
ペースト化剤としては、とりわけ、好ましくは水又は少なくとも1種のアルコールを使用することができ、そのアルコールの例は:炭素原子数1〜4のモノアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール又は2−メチル−2−プロパノール、又は水と列挙したアルコールのうち少なくとも1種との混合物、又は多価アルコール、例えばグリコール、好ましくは水混和性多価アルコールを単独、あるいは水及び/又は上記一価のアルコールのうち少なくとも1種との混合物である。
【0058】
混練及び/又は成形に使用することができる他の添加剤は、とりわけ、アミン又はアミン誘導体、例えばテトラアルキルアンモニウム化合物又はアミノアルコール及びカーボネート含有化合物、例えば炭酸カルシウムである。このような他の添加剤は、例えば、EP0389041A1、EP0200260A1又はWO95/19222に記載されている。テンプレート化合物、バインダー、ペースト化剤、粘度を上昇させる物質等の添加剤の成形及び混練中における順序は原理的に重要ではない。
【0059】
更に好ましい実施の形態では、混練及び/又は成形によって得られる成形体を、25〜500℃、好ましくは50〜500℃、特に好ましくは100〜350℃の温度で行うのが通常である少なくとも1回の乾燥工程に付す。同様に、減圧下又は保護ガス雰囲気下において又はスプレー乾燥により乾燥を行うこともできる。
【0060】
特に好ましい実施の形態では、添加剤として加えられる化合物のうち少なくとも1種を、この乾燥工程中に成形体から少なくとも一部を除去する。
【0061】
本発明の有機金属骨格材料及び本発明の成形体は、ガスの貯蔵に適している。
【0062】
従って、本発明の更なる側面は、これをガスの貯蔵のために使用することである。
【0063】
そのため、同様に本発明の更なる側面は、本発明の骨格材料又は本発明の成形体にガスを接触させる工程を含むガスの貯蔵方法にある。
【0064】
また、本発明の骨格材料又は本発明の成形体は、ガス混合物からガスを分離するのに好適である。
【0065】
従って、本発明の更なる側面は、本発明の骨格材料又は本発明の成形体を、ガス混合物からガスを分離するために使用することにある。
【0066】
そのため、同様に本発明の更なる側面は、本発明の骨格材料又は本発明の成形体を、ガス混合物と接触させる工程を含む、ガス混合物からガスを分離する方法にある。
【0067】
ガス混合物は、特に、CO
2及びCOを含むガス混合物である。この場合、好ましくはCO
2がガス混合物から除去される。
【0068】
更に、ガス混合物は、メタン及び水を含む混合物であってよい。このガス混合物からガス状水(gaseous water)を除去することが好ましい。このガス混合物は、例えば、水を含む天然ガスであり得る。
【0069】
本発明を図面及び以下の実施例により説明する。
【0070】
図1は、本発明の有機金属骨格材料(Al−2,5−フランジカルボン酸MOF)の40℃における吸着量及び脱着量を示している。ここで、吸着されたガスの量(N)(骨格材料1g当たりのmg)を絶対圧p(mbar)に対して示している。
【0071】
図1から分かるように、吸着等温線が異なるためCO
2を分離することができる。
【0072】
図2は、予備活性化を130℃で4時間行った(77KにおけるP
0H
2=94632.4torr)実施例1の骨格材料(Al−2,5−フランジカルボン酸)の77Kにおける水素の吸着量を示している。
図2は、吸収された水素の量(cm
3/gSTP)(左目盛)及び水素の質量割合(質量%)(右目盛)をp0で除した相対圧pに対して示している。
【0073】
図3は、種々の相対湿度(RH)におけるAl−2,5−チオフェンジカルボン酸MOFによるガス状水の吸着量を示している。ここで、量W(質量%)をRH(%)に対して示している。
【実施例】
【0074】
実施例1 Al−2,5−フランジカルボン酸MOF
実験方法:
出発材料 モル 算出値 実験値
1)塩化アルミニウム六水和物 48.75mmol 11.8g 11.8g
2)2,5−フランジカルボン酸 82.87mmol 12.9g 12.9g
3)DMF 6.8mol 500.0g 500.0g
2lの四口フラスコ内で、フランジカルボン酸と塩化アルミニウムをDMF中に懸濁させた。所定割合の固形物を有する溶液を130℃で24時間沸騰させ、白色懸濁液を得た。冷却後、白色沈殿物をろ過し、200mlのDMFで1回洗浄し、200mlのメタノールで4回洗浄した。フィルターケーキを真空中で16時間室温で乾燥させた。
【0075】
得られた質量:10.3g
色:白
固形物濃度:2.0%
空時収率:19.6kg/m
2/d
Alに基づく収率:91%
分析:
ラングミュア表面積(130℃での予備活性化):1153m
2/g(BET:850m
2/g)
化学分析:
塩素イオン 0.47g/100g
炭素 34.7g/100g
酸素 51g/100g
窒素 0.9g/100g
水素 2.4g/100g
Al 11.7g/100g
水吸着、RT、75%相対湿度:35質量%
【0076】
実施例2 Mg−2,5−フランジカルボン酸MOF
実験方法:
出発材料 モル 算出値 実験値
1)硝酸マグネシウム六水和物 73.1mmol 18.7g 18.7g
2)2,5−フランジカルボン酸 82.87mmol 12.9g 12.9g
3)DMF 6.8mol 500.0g 500.0g
1lの四口フラスコ内で、フランジカルボン酸と硝酸マグネシウムをDMF中に懸濁させた。所定割合の固形物を有する溶液を130℃で24時間沸騰させ、白色懸濁液を得た。冷却後、白色沈殿物をろ過し、200mlのDMFで1回洗浄し、200mlのメタノールで4回洗浄した。フィルターケーキを真空中で16時間室温で乾燥させた。
【0077】
得られた質量:15.3g
色:白
固形物濃度:2.9%
空時収率:29.3kg/m
2/d
Mgに基づく収率:79.5%
分析:
ラングミュア表面積(130℃での予備活性化):10m
2/g(BET:7m
2/g)
化学分析:
炭素 43.2g/100g
酸素 38.7g/100g
窒素 5.8g/100g
水素 4.1g/100g
Mg 8.1g/100g
水吸着、RT、75%相対湿度:41質量%
【0078】
実施例3 Fe−2,5−フランジカルボン酸MOF
実験方法:
出発材料 モル 算出値 実験値
1)硝酸鉄九水和物 48.7mmol 19.6g 19.6g
2)2,5−フランジカルボン酸 82.87mmol 12.9g 12.9g
3)DMF 6.8mol 500.0g 500.0g
1lの四口フラスコ内で、フランジカルボン酸と硝酸鉄をDMF中に懸濁させた。130℃まで加熱している間に溶液は濃くなり、暗褐色のビスコースゲルが形成した。撹拌速度を上げた後、ゲルはわずかに液化した。このゲルを130℃で24時間沸騰させた。冷却後、暗褐色の沈殿物をろ過し、200mlのDMFで1回洗浄し、200mlのメタノールで4回洗浄した。フィルターケーキを高真空中で16時間室温で乾燥させた。
【0079】
得られた質量:17.5g
色:さび茶色
固形物濃度:3.2%
空時収率:32.3kg/m
2/d
Feに基づく収率:69.1%
分析:
ラングミュア表面積(130℃での予備活性化):419m
2/g(BET:303m
2/g)
化学分析:
炭素 37.9g/100g
酸素 33.9g/100g
窒素 7.1g/100g
Fe 15.0g/100g
【0080】
実施例4 Zn−2,5−フランジカルボン酸MOF
実験方法:
出発材料 モル 算出値 実験値
1)硝酸亜鉛四水和物 73.1mmol 19.5g 19.5g
2)2,5−フランジカルボン酸 82.87mmol 12.9g 12.9g
3)DMF 6.8mol 500.0g 500.0g
1lの四口フラスコ内で、フランジカルボン酸と硝酸亜鉛をDMF中に懸濁させた。所定割合の固形物を有する溶液を130℃で24時間沸騰させ、白色懸濁液を得た。冷却後、白色沈殿物を窒素雰囲気下でろ過し、200mlのDMFで1回洗浄し、200mlのクロロホルムで4回洗浄した。フィルターケーキを高真空中で16時間室温で乾燥させた。
【0081】
得られた質量:15.6g
色:白
固形物濃度:2.9%
空時収率:29.3kg/m
2/d
Znに基づく収率:54.1%
分析:
ラングミュア表面積(130℃での予備活性化):3m
2/g(BET:2m
2/g)
化学分析:
炭素 39.2g/100g
酸素 33.9g/100g
窒素 5.7g/100g
水素 3.9g/100g
Zn 17.1g/100g
【0082】
実施例5 Cu−2,5−フランジカルボン酸MOF
実験方法:
出発材料 モル 算出値 実験値
1)塩化銅二水和物 73.1mmol 12.5g 12.5g
2)2,5−フランジカルボン酸 82.87mmol 12.9g 12.9g
3)DMF 6.8mol 500.0g 500.0g
1lの四口フラスコ内で、フランジカルボン酸と塩化銅をDMF中に懸濁させた。所定割合の固形物を有する溶液を130℃で24時間沸騰させ、青色懸濁液を得た。冷却後、青色沈殿物をろ過し、200mlのDMFで1回洗浄し、200mlのメタノールで4回洗浄した。フィルターケーキを高真空中で16時間室温で乾燥させた。
【0083】
得られた質量2.5g
色:青
固形物濃度:0.5%
空時収率:7.6kg/m
2/d
Cuに基づく収率9.6%
分析:
ラングミュア表面積(130℃での予備活性化):307m
2/g(BET:227m
2/g)
化学分析:
炭素 36.2g/100g
酸素 32.7g/100g
窒素 5.6g/100g
Cu 17.9g/100g
【0084】
実施例6 Al−2,5−チオフェンジカルボン酸MOF
装置:
500mlの四口フラスコ
低温冷却器
油浴
スターラー(PTFE被覆)
温度計
窒素ブランケット
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
手順:
146mlのN,N−ジメチルホルムアミドを四口フラスコに入れ、3.99gのチオフェンジカルボン酸(1)及び3.33gの塩化アルミニウム六水和物(2)を、室温で撹拌しながら導入した。無色の溶液が生じた。次に、反応混合物を130℃に加熱した(還流)。反応混合物を130℃で24時間維持し、その後室温に冷却した。
【0088】
白色の懸濁液/沈殿物をガラスフィルターフリットNo.3で分離した。容易にろ過可能であった。
DMF洗浄:
フィルターケーキを100mlのN,N−DMFでスラリー状にし、15分間接触させて放置し、次いで吸引ろ過した。この手順をそれぞれ100mlのDMFを使用して2回繰り返した。
メタノール洗浄:
次に、フィルターケーキを100mlのARメタノールでスラリー状にし、15分間接触させて放置し、次いで吸引ろ過した。この手順をそれぞれ100mlのARメタノールを使用して4回繰り返した。
乾燥:
フィルターケーキを、20mbar未満の真空乾燥オーブン中で130℃で24時間乾燥させた。
色:無色
得られた質量:3.1g
分析:
BET/LM:1021/1375m
2/g
一般データ:
収率(リンカー):62.5%
収率(金属塩):105.8%
固形物含有量(生成物):2.2質量%
空時収率:21.2kg/m
3/d