特許第5847995号(P5847995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5847995
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20160107BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20160107BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20160107BHJP
【FI】
   G01R19/00 B
   H01M10/48 P
   H02J7/02 H
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-102385(P2010-102385)
(22)【出願日】2010年4月27日
(65)【公開番号】特開2011-232161(P2011-232161A)
(43)【公開日】2011年11月17日
【審査請求日】2013年3月29日
【審判番号】不服2014-25249(P2014-25249/J1)
【審判請求日】2014年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】関口 勝
【合議体】
【審判長】 中塚 直樹
【審判官】 清水 稔
【審判官】 森 竜介
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−245228(JP,A)
【文献】 特開2009−236711(JP,A)
【文献】 特開2006−64703(JP,A)
【文献】 特開2005−188936(JP,A)
【文献】 特開昭64−24351(JP,A)
【文献】 特開2000−284003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00, H01M 10/48, H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数の電池セルの各々の一端の電位と他端の電位とが、容量手段を備えたフィルタを介して入力され、選択された電池セルの前記一端の電位と前記他端の電位との差分に基づいて前記選択された電池セルの電圧を検出する半導体装置であって、
MOSトランジスタであり、前記複数の電池セルの各々の一端と前記フィルタを介して接続されて、前記選択された電池セルの一端の電位を出力する第1のセル選択スイッチと、
MOSトランジスタであり、前記複数の電池セルの各々の他端と前記フィルタを介して接続されて、前記選択された電池セルの他端の電位を出力する第2のセル選択スイッチと、
第1のトランジスタを備え、前記選択された電池セルの一端の電位が前記第1のセル選択スイッチから前記第1のトランジスタのゲートに入力されて前記一端の電位に基づく第1の電圧を出力する第1のバッファアンプと、
第2のトランジスタを備え、前記選択された電池セルの他端の電位が前記第2のセル選択スイッチから前記第2のトランジスタのゲートに入力されて前記他端の電位に基づく第2の電圧を出力する第2のバッファアンプと、
前記第1の電圧が第1の抵抗を介して入力され、一端がグランドに接続される第2の抵抗の他端に接続される非反転端子と、前記第2の電圧が第3の抵抗を介して入力され、第4の抵抗を介して自身が出力した出力信号が入力される反転端子とを備えたアナログレベルシフタを含む差分出力手段と、
前記直列に接続された複数の電池セルから供給される電源電圧が前記第1のトランジスタを飽和領域で動作するための電圧値よりも低い場合に、前記電源電圧を、前記第1のトランジスタが前記飽和領域で動作するための電圧値に昇圧し、また、記電源電圧が前記第2のトランジスタを飽和領域で動作させるための電圧値よりも低い場合に、前記電源電圧を、前記第2のトランジスタが前記飽和領域で動作するための電圧値に昇圧し、昇圧した電圧を前記第1のバッファアンプ及び前記第2のバッファアンプに供給する昇圧手段と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記昇圧手段は、前記電源電圧が前記第1のトランジスタを飽和領域で動作するための電圧値以上の場合、及び前記電源電圧が前記第2のトランジスタを飽和領域で動作させるための電圧値以上の場合は、前記電源電圧の昇圧を行わない、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記一端の電位が前記各々の電池セルの上位電位であり、前記他端の電位が前記各々の電池セルの下位電位であり、
前記第1の電圧が前記差分出力手段の非反転端子に入力され、前記第2の電圧が前記差分出力手段の反転端子に入力されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1のバッファアンプの入力端子と出力端子との接続を制御する第1のスイッチ素子と、
前記第2のバッファアンプの入力端子と出力端子との接続を制御する第2のスイッチ素子と、を備え、
前記第1のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第1のスイッチ素子で接続せず且つ前記第2のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第2のスイッチ素子で接続しない状態で前記差分出力手段によって得られる前記第1の電圧と前記第2の電圧との第1の差分電圧と、前記第1のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第1のスイッチ素子で接続し且つ前記第2のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第2のスイッチ素子で接続した状態で前記差分出力手段によって得られる前記選択された電池セルの前記一端の電位と前記他端の電位との差分電圧である第2の差分電圧と、を比較し、
前記第1の差分電圧と前記第2の差分電圧とが一致した場合には前記第1のバッファアンプ及び前記第2のバッファアンプが正常に動作していると判定し、
前記第1の差分電圧と前記第2の差分電圧とが一致しなかった場合には前記第1のバッファアンプ及び前記第2のバッファアンプが異常であると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記直列に接続された複数の電池セルのうち、前記他端の電位がグランドに接続された電池セルが選択された場合には、前記選択された電池セルのものとして検出する電圧を、前記差分出力手段から出力される電圧に代えて、前記一端の電位とする切替素子を備えた、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、特に電池監視用の半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、直列に接続された複数の電池の監視・制御を行うための半導体装置がある。このような半導体装置として、例えば車両等に搭載される電池を監視・制御するための電池監視IC(Integral Circuit)が知られている。例えば、特許文献1には、電気自動車、あるいはハイブリッド電気自動車用の蓄電池等として用いられる高エネルギーの蓄電器を複数個直列に接続したものを制御する蓄電装置及びその制御方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−70179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電池監視ICの概略構成の一例を図9に示す。図9に示した電池114を監視・制御するための従来の電池監視IC100は、セル選択SW118及びアナログレベルシフタ122を含んで構成されている。
【0005】
電池114は、直列に接続された5個の電池セルVc1〜Vc5を含んでおり、電池セルVc1の負極は、GND(グランド)に接続されている。また、電池セルVc5の正極は、電池監視IC100の電源VCCに接続されている。電池114の両端電圧V0〜V5は、各々のLPF(ローパスフィルタ)116を介して、電池監視IC100のセル選択SW118の入力に接続されている。セル選択SW118の出力はアナログレベルシフタ122に接続されている。また、アナログレベルシフタ122は、検出抵抗R1〜R4、アンプ136、ダミースイッチSWA、SWBを備えて構成されている。ダミースイッチSWA、SWBは、セル選択SW118に含まれる各スイッチング素子SW0〜SW5と同じオン抵抗を持ったダミースイッチング素子であり、常時オン状態になっている。また、本実施の形態のアナログレベルシフタ122には、ダミー抵抗RD1、RD2が接続されている。ダミー抵抗RD1、RD2は、LPF116の抵抗Rf01〜Rf51で発生する誤差をキャンセルするためのダミー抵抗素子であり、LPF116の抵抗Rf01〜Rf51と抵抗値が同じ抵抗素子である。
【0006】
従来の電池監視IC100による電池114の電池電圧の測定について図10、11を参照して説明する。電池セルVc5の電圧値を測定する場合、セル選択SW118のスイッチング素子SW5、SW4_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になる。検出抵抗R1〜R4の抵抗値が同一(R1=R2=R3=R4)、スイッチング素子SW5、SW4_1、SWA、SWBのオン抵抗をRSWとすると、電池セルVc5の電圧Vc5=V5−V4はアナログレベルシフタ122によって電圧変換され、Vout=Vc5になり、GND基準の電圧に変換される。
【0007】
同様に、電池セルVc4の電圧を測定する場合は、セル選択SW118のスイッチング素子SW4_2、SW3_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ122よって電圧変換されて、Vout=Vc4になる。電池セルVc3の電圧を測定する場合は、セル選択SW118のスイッチング素子SW3_2、SW2_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ122よって電圧変換されて、Vout=Vc3になる。電池セルVc2の電圧を測定する場合、セル選択SW118のスイッチング素子SW2_2、SW1_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ122よって電圧変換されて、Vout=Vc2になる。電池セルVc1の電圧を測定する場合、セル選択SW118のスイッチング素子SW1_2、SW0がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ122よって電圧変換されて、Vout=Vc1になる。
【0008】
セル選択SW118の各スイッチング素子SW0〜SW5は、MOS(モス)トランジスタで構成されているため、各々のスイッチング素子SW0〜SW5−GND間に寄生容量C0〜C5が発生している。そのため、図11に示すように、電池セルVc5の電圧値の測定時にスイッチング素子SW5、SW4_1をオン状態にした直後、LPF116のコンデンサCf5の電荷が寄生容量C41、C5に移動するため、移動量に応じて、電圧V41、V51、Voutが落ち込む。セル選択SW118の寄生容量が大きいと、移動する電荷の量が増加するため、電圧の落ち込みが大きくなる。
【0009】
また、電池セルVc5の電圧値の測定時にスイッチング素子SW5、SW4_1をオン状態にした直後は、アナログレベルシフタ122の検出抵抗R1〜R4に流れる電流は、LPF116の抵抗Rf0〜Rf5、及びコンデンサCf0〜Cf5を介して電池セルVc1〜Vc5から供給される(図10、太線参照)ため、さらに、電圧が落ち込む。特にLPF116の抵抗Rf0〜Rf5の抵抗値が大きいと電圧の落ち込みは大きい。
【0010】
このように落ち込んだ電圧は、LPF116の時定数で復帰するため、出力電圧Voutが安定するまでに時間がかかる。LPF116の時定数が大きいほど、安定するまでの時間が長くなる。
【0011】
このように、従来の電池監視IC100による電池電圧の測定では、アナログレベルシフタ122の出力が安定するまでに時間がかかるため、測定時間が長くなるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述した問題を解決するために提案されたものであり、電池電圧の測定時間を短くすることができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の半導体装置は、直列に接続された複数の電池セルの各々の一端の電位と他端の電位とが、容量手段を備えたフィルタを介して入力され、選択された電池セルの前記一端の電位と前記他端の電位との差分に基づいて前記選択された電池セルの電圧を検出する半導体装置であって、MOSトランジスタであり、前記複数の電池セルの各々の一端と前記フィルタを介して接続されて、前記選択された電池セルの一端の電位を出力する第1のセル選択スイッチと、MOSトランジスタであり、前記複数の電池セルの各々の他端と前記フィルタを介して接続されて、前記選択された電池セルの他端の電位を出力する第2のセル選択スイッチと、第1のトランジスタを備え、前記選択された電池セルの一端の電位が前記第1のセル選択スイッチから前記第1のトランジスタのゲートに入力されて前記一端の電位に基づく第1の電圧を出力する第1のバッファアンプと、第2のトランジスタを備え、前記選択された電池セルの他端の電位が前記第2のセル選択スイッチから前記第2のトランジスタのゲートに入力されて前記他端の電位に基づく第2の電圧を出力する第2のバッファアンプと、前記第1の電圧が第1の抵抗を介して入力され、一端がグランドに接続される第2の抵抗の他端に接続される非反転端子と、前記第2の電圧が第3の抵抗を介して入力され、第4の抵抗を介して自身が出力した出力信号が入力される反転端子とを備えたアナログレベルシフタを含む差分出力手段と、前記直列に接続された複数の電池セルから供給される電源電圧が前記第1のトランジスタを飽和領域で動作するための電圧値よりも低い場合に、前記電源電圧を、前記第1のトランジスタが前記飽和領域で動作するための電圧値に昇圧し、また、記電源電圧が前記第2のトランジスタを飽和領域で動作させるための電圧値よりも低い場合に、前記電源電圧を、前記第2のトランジスタが前記飽和領域で動作するための電圧値に昇圧し、昇圧した電圧を前記第1のバッファアンプ及び前記第2のバッファアンプに供給する昇圧手段と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の半導体装置は、請求項1に記載の半導体装置において、前記昇圧手段は、前記電源電圧が前記第1のトランジスタを飽和領域で動作するための電圧値以上の場合、及び前記電源電圧が前記第2のトランジスタを飽和領域で動作させるための電圧値以上の場合は、前記電源電圧の昇圧を行わない。
【0014】
請求項に記載の半導体装置は、請求項1または請求項2に記載の半導体装置において、前記一端の電位が前記各々の電池セルの上位電位であり、前記他端の電位が前記各々の電池セルの下位電位であり、前記第1の電圧が前記差分出力手段の非反転端子に入力され、前記第2の電圧が前記差分出力手段の反転端子に入力されることを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の半導体装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記第1のバッファアンプの入力端子と出力端子との接続を制御する第1のスイッチ素子と、前記第2のバッファアンプの入力端子と出力端子との接続を制御する第2のスイッチ素子と、を備え、前記第1のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第1のスイッチ素子で接続せず且つ前記第2のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第2のスイッチ素子で接続しない状態で前記差分出力手段によって得られる前記第1の電圧と前記第2の電圧との第1の差分電圧と、前記第1のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第1のスイッチ素子で接続し且つ前記第2のバッファアンプの入力端子と出力端子とを前記第2のスイッチ素子で接続した状態で前記差分出力手段によって得られる前記選択された電池セルの前記一端の電位と前記他端の電位との差分電圧である第2の差分電圧と、を比較し、前記第1の差分電圧と前記第2の差分電圧とが一致した場合には前記第1のバッファアンプ及び前記第2のバッファアンプが正常に動作していると判定し、前記第1の差分電圧と前記第2の差分電圧とが一致しなかった場合には前記第1のバッファアンプ及び前記第2のバッファアンプが異常であると判定することを特徴とする。
【0017】
請求項に記載の半導体装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記直列に接続された複数の電池セルのうち、前記他端の電位がグランドに接続された電池セルが選択された場合には、前記選択された電池セルのものとして検出する電圧を、前記差分出力手段から出力される電圧に代えて、前記一端の電位とする切替素子を備えた。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電池電圧の測定時間を短くすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施の形態に係る半導体装置の概略構成の一例を示す回路図である。
図2】セル選択スイッチの概略構成の具体的一例を示す回路図である。
図3】バッファアンプの概略構成の具体的一例を示す回路図である。
図4】第1の実施の形態に係る半導体装置により電池セルVc5の電圧を測定する場合の電流経路を説明するための説明図である。
図5】第1の実施の形態に係る半導体装置により電池セルVc5の電圧を測定する場合の電圧測定波形の一例を示す波形図である。
図6】第2の実施の形態に係る半導体装置の概略構成の一例を示す回路図である。
図7】第3の実施の形態に係る半導体装置の概略構成の一例を示す回路図である。
図8】第4の実施の形態に係る半導体装置の概略構成の一例を示す回路図である。
図9】従来の半導体装置の概略構成の一例を示す回路図である。
図10】従来の半導体装置により電池セルVc5の電圧を測定する場合の電流経路を説明するための説明図である。
図11】従来の半導体装置により電池セルVc5の電圧を測定する場合の電圧測定波形の一例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施の形態]
【0022】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態の電池監視用の半導体装置について詳細に説明する。
【0023】
図1に、本実施の形態の半導体装置(電池監視IC)の概略構成の一例の回路図を示す。本実施の形態の電池監視IC10は、セル選択SW18、バッファアンプ20、及びアナログレベルシフタ22を備えて構成されている。バッファアンプ20は、バッファアンプ30及びバッファアンプ32を含んで構成されており、アナログレベルシフタ22は、検出抵抗R1、R2、R3、R4及びアンプ36により差動増幅回路を構成している。
【0024】
電池14は、直列に接続された5個の電池セルVc1〜Vc5を含んでおり、電池セルVc1の負極は、GNDに接続されている。また、電池セルVc5の正極は、電池監視IC10の電源に接続されている。電池セルVc1〜Vc5各々の両端は、両端電圧V0〜V5が入力されるようにコンデンサCf1〜Cf5、及び抵抗Rf0〜Rf5により構成されるLPF16を介して、電池監視IC10のセル選択SW18のスイッチング素子SW0〜SW5に接続されている。
【0025】
セル選択SW18は、各電池セルVc1〜Vc5を選択するためのスイッチング素子SW0〜SW5を含んで構成されている。本実施の形態では、スイッチング素子SW0〜SW5は、全て同様の構造をしており、高耐圧のMOSトランジスタにより構成されている。本実施の形態のスイッチング素子SW0〜SW5の具体的一例の回路図を図2に示す。本実施の形態のスイッチング素子SW0〜SW5は、NMOSトランジスタ70、PMOSトランジスタ72、及び論理否定回路74を含んで構成されている。論理否定回路74に入力される制御信号がハイレベルの場合は、NMOSトランジスタ70及びPMOSトランジスタ72がオン状態になり、LPF16からバッファアンプ20に電圧が出力される。一方、論理否定回路74に入力される制御信号がローレベルの場合は、NMOSトランジスタ70及びPMOSトランジスタ72がオフ状態になり、LPF16からバッファアンプ20に電圧が出力されない。なおスイッチング素子SW0〜SW5は、高耐圧トランジスタにより構成されるものであればこれに限定されず、その他の構成であってもよい。
【0026】
セル選択SW18の出力は、バッファアンプ20の非反転端子に接続されている。本実施の形態では、セル選択SW18のスイッチング素子SW0、SW1_1、SW2_1、SW3_1、SW4_1がバッファアンプ32の非反転入力端子に接続されており、スイッチング素子SW1_2、SW2_2、SW3_2、SW4_2、SW5がバッファアンプ30の非反転入力端子に接続されている。なお、バッファアンプ30、32の反転端子には、各々出力が接続(負帰還)されている。
【0027】
本実施の形態では、バッファアンプ30、32は、同様の構造をしており、高耐圧のMOSトランジスタにより構成されている。本実施の形態のバッファアンプ30、32の具体的一例の回路図を図3に示す。本実施の形態のバッファアンプ30、32は、PMOSトランジスタ80、82、84、86、コンデンサ88、及びNMOSトランジスタ90、92、94を含んで構成されている。本実施の形態では、非反転端子から入力された電圧Vx、Vyと電圧値が同じ電圧Vx1、Vy1(Vx=Vx1、Vy=Vy1)が出力端子から出力される。なおバッファアンプ30、32は、高耐圧トランジスタにより構成されるものであればこれに限定されず、その他の構成であってもよい。
【0028】
バッファアンプ20の出力は、アナログレベルシフタ22に接続されている。本実施の形態では、バッファアンプ30の出力(Vx1)は、検出抵抗R1を介してアンプ36の非反転端子に接続されており、バッファアンプ32の出力(Vy1)は、アンプ36の反転端子に接続されている。
【0029】
アナログレベルシフタ22は、セル選択SW18により選択された電池セルの両端電圧の電圧値の差をVoutとして電池監視IC10の外部に出力する。本実施の形態のアナログレベルシフタ22の具体的一例としては、バッファアンプ30、32と同様の構造(図3参照)を有したアンプ36、及び抵抗値が同一の検出抵抗R1〜R4(R1=R2=R3=R4)を備えた構成が挙げられる。
【0030】
本実施の形態の電池監視IC10による電池セルVc1〜Vc5の電池電圧の測定について図4、5を参照して説明する。電池セルVc5の電圧値(V5−V4=Vc5)を測定する場合、セル選択SW18のスイッチング素子SW5、SW4_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になる。バッファアンプ30、32の入力インピーダンスが高いため、電流による抵抗Rf4、Rf5、セル選択SW18(スイッチング素子SW4_1、SW5)による電圧降下がないため、電圧Vx=V5、電圧Vy=V4になる。従って、アナログレベルシフタ22の出力Voutは、V5−V4=Vc5となり、グランド基準の電圧に変換されて外部に出力される。
【0031】
なお同様に、電池セルVc4の電圧を測定する場合は、セル選択SW18のスイッチング素子SW4_2、SW3_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ22からVout=Vc4が出力される。電池セルVc3の電圧を測定する場合は、セル選択SW18のスイッチング素子SW3_2、SW2_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ22からVout=Vc3が出力される。電池セルVc2の電圧を測定する場合、セル選択SW18のスイッチング素子SW2_2、SW1_1がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ22からVout=Vc2が出力される。電池セルVc1の電圧を測定する場合、セル選択SW18のスイッチング素子SW1_2、SW0がオン状態になり、その他のスイッチング素子がオフ状態になり、アナログレベルシフタ22からVout=Vc1が出力される。
【0032】
上述のようにして電池監視IC10から出力された出力電圧Voutの電圧値を測定することにより、電池セルVc1〜Vc5の電池電圧の測定が行われる。例えば、車等に搭載される電池(電気自動車やハイブリッド電気自動車用の蓄電池等)の測定に用いられる。
【0033】
本実施の形態では、入力インピーダンスが高いバッファアンプ30、32がセル選択SW18の出力に接続されているため、電池セルVc5の電池電圧を測定する場合、図4に太線で示すように電流が流れる。このように本実施の形態では、従来の電池監視IC100による電池電圧の測定の際の電流の流れを示す図10と比較するとわかるように、電池セルVc1〜Vc4からLPF16の抵抗Rf0〜Rf3及びコンデンサCf1〜Cf4を介して電流が流れるのを抑制する。従って、本実施の形態では、従来に比べて、セル選択SW18のスイッチング素子SW4_1、SW5に流れる電流量が減少する。そのため、スイッチング素子SW4_1、SW5を構成するMOSトランジスタを小型化することができる。本実施の形態では、具体的一例として、MOSトランジスタのゲート幅やゲート長を小さくすることにより、小型化する。MOSトランジスタが物理的に小型化されるため、スイッチング素子SW4_1、SW5の寄生容量C41、C5が小さくなる。
【0034】
寄生容量が小さくなると、セル選択SW18をオンした直後のコンデンサCf5から寄生容量へ移動する電荷の移動量が少なくなる。また図4に示すように検出抵抗R1〜R4に流れる電流は、バッファアンプ30、32から供給される。すなわち、従来と異なり、LPF16の抵抗Rf0〜Rf5、及びコンデンサCf0〜Cf5を介して電池セルVc1〜Vc5から供給されない。従って、図5に示すように、電池セル電圧測定時の電圧の落ち込みが少ないので、出力電圧Voutが安定していない状態で測定しても精度よく(規格を満足できる精度)測定できる。
【0035】
具体的一例としては、スイッチング素子SW4_1、SW5のオン電圧が60V、オフ電圧が0Vの場合に、電圧V51、V41の落ち込みは3mV、出力電圧Voutの落ち込みは6mVになり、規格内で測定できるセル電圧測定時間は500μsになる。
【0036】
なお、ここでは、電池セルVc5の電池電圧を測定する場合について詳細に説明したが、その他の電池セルVc1〜Vc4の電池電圧を測定する場合についても上記と同様の理由により、セル選択SW18のスイッチング素子SW0〜SW4_2を小さくすることができるため、寄生容量を小さくすることができ、従って、電池セル電圧測定時の電圧の落ち込みが少ないので、出力電圧Voutを規格内で測定できる時間まで短くすることができる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態の電池監視IC10によれば、セル選択SW18のスイッチング素子SW0〜SW5により選択された電池セルの正極側の電圧がバッファアンプ20のバッファアンプ30の非反転端子に入力され、バッファアンプ30から出力された電圧Vx1がアナログレベルシフタ22のアンプ36の非反転端子に入力される。また、選択された電池の負極側の電圧がバッファアンプ32の非反転端子に入力され、バッファアンプ32から出力された電圧Vy1がアンプ36の反転端子に入力される。アナログレベルシフタ22からは、電圧Vx1と電圧Vy1の電圧値の差がVoutとして出力される。従って、電池電圧の両端電圧の差がアナログレベルシフタ22からVoutとして出力される。
【0038】
このように本実施の形態では、入力インピーダンスが高いバッファアンプ30、32を介してセル選択SW18からアナログレベルシフタ22に電圧が入力されるため、セル選択SW18のスイッチング素子SW0〜SW5に流れる電流を抑制し、電流量を従来よりも少なくすることができるため、スイッチング素子SW0〜SW5を構成するMOSトランジスタの物理的大きさを小さくすることができる。これにより、セル選択SW18の寄生容量C0〜C5を小さくすることができる。
【0039】
従って、電池セルVc1〜Vc5の電池電圧の測定時にアナログレベルシフタ22から出力される電圧Voutの落ち込みを少なくすることができるため、出力電圧Voutを規格内で測定できる時間まで短くすることができる。
【0040】
また、本実施の形態では、バッファアンプ20のバッファアンプ30、32、及びアナログレベルシフタ22のアンプ36の駆動電源として、電池14の電池セルVc5の正極から電源電圧VCCを供給している。これにより、バッファアンプ30、32を駆動するための新たな電源を備える構成としなくてよいため、電池監視IC10のチップ面積の増大を抑制することができる。
【0041】
[第2の実施の形態]
【0042】
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態の半導体装置である電池監視ICについて詳細に説明する。図6に、本実施の形態の半導体装置(電池監視IC)の概略構成の一例の回路図を示す。本実施の形態の電池監視IC40は第1の実施の形態の電池監視IC10と略同一の構成であるため、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0043】
本実施の形態の電池監視IC40は、昇圧回路42を備えている。昇圧回路42は、電池14の電池セルVc5の正極から供給される電源電圧VCCを所定の電圧VCC1(VCC<VCC1)に昇圧し、昇圧した電圧VCC1をバッファアンプ20のバッファアンプ30、32の駆動電源電圧として供給する。
【0044】
第1の実施の形態の電池監視IC10では、電池セルVc5の電池電圧を測定する場合、電池セルVc5の正極側に接続されているバッファアンプ30の入力電圧VxがVx=V5=VCCとなる。このようにバッファアンプ30の入力電圧の電圧値とバッファアンプ30の電源電圧の電圧値とが同じく電圧VCCになるため、バッファアンプ30内のMOSトランジスタが非飽和領域で動作し、バッファアンプ30の出力のオフセット電圧が大きくなる。オフセット電圧の影響により、出力電圧Voutによる電池電圧の測定精度が低下する場合がある。
【0045】
本実施の形態では、電圧VCCを昇圧回路42により、バッファアンプ30内のMOSトランジスタを飽和領域で動作させられる電圧VCC1に昇圧し、昇圧シタVCC1をバッファアンプ30、32の駆動電源電圧として供給する。これにより、バッファアンプ30、32を構成するMOSトランジスタが飽和領域で動作するため、バッファアンプ30、32の出力電圧にオフセット電圧がなくなり、アナログレベルシフタ22から出力される出力電圧Voutによる電池電圧の測定精度が向上する。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態の電池監視IC40によれば、昇圧回路42により電圧VCCをバッファアンプ30、32を構成するMOSトランジスタを飽和領域で動作させられる電圧VCC1に昇圧し、昇圧した電圧VCC1によりバッファアンプ30、32が駆動するため、アナログレベルシフタ22から出力される出力電圧Voutによる電池電圧の測定精度を向上させることができる。
【0047】
なお、昇圧回路42による電圧VCCの昇圧は、バッファアンプ30、32を構成するMOSトランジスタを飽和領域で動作させることができる電圧VCC1に昇圧すればよく、具体的な一例として、電圧VCC=60Vであり、当該電圧値がMOSトランジスタの飽和領域外である場合に飽和領域で動作させられる電圧VCC1=65Vに昇圧すればよい。なお、具体的な電圧値は、MOSトランジスタの仕様に応じて定めればよい。
【0048】
また、電圧VCCがバッファアンプ30、32のMOSトランジスタを飽和領域で動作させられる電圧値である場合は、昇圧せずにそのまま電圧VCCを電源電圧として用いてもよい。
【0049】
また本実施の形態では、昇圧回路42により電圧VCCを電圧VCC1に昇圧して、バッファアンプ30、32に供給しているが、VCC<VCC1となる電圧VCC1を外部電源から供給するように構成してもよい。また、必要に応じて、バッファアンプ30、32に供給される電源電圧を、電圧VCCと電圧VCC1とで切り替えるように構成してもよい。
【0050】
[第3の実施の形態]
【0051】
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態の半導体装置である電池監視ICについて詳細に説明する。図7に、本実施の形態の半導体装置(電池監視IC)の概略構成の一例の回路図を示す。本実施の形態の電池監視IC50は第1の実施の形態の電池監視IC10、第2の実施の形態の電池監視IC40と略同一の構成であるため、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0052】
本実施の形態の電池監視IC50は、スイッチング素子SWKを備えている。スイッチング素子SWKは、電池監視IC50から出力する出力電圧Voutをアナログレベルシフタ22から出力された電圧にするか電圧Vxにするか切り替える機能を有するものである。
【0053】
第1の実施の形態の電池監視IC10、及び第2の実施の形態の電池監視IC40では、電池セルVc1の電池電圧を測定する場合、電池セルVc1の負極側に接続されているバッファアンプ32の入力電圧Vyは、電池セルVc1の負極側がGNDに接続されているため、入力電圧Vy=GNDとなる。このようにバッファアンプ32の入力電圧の電圧値(GND)とバッファアンプ32のGNDとが同じであるため、バッファアンプ32内のMOSトランジスタが非飽和領域で動作し、バッファアンプ32の出力オフセット電圧が大きくなる。オフセット電圧の影響により、出力電圧Voutによる電池電圧の測定精度が低下する場合がある。
【0054】
本実施の形態では、電池セルVc1の電池電圧を測定する場合は、セル選択SW18のスイッチング素子SW0、SW1−2をオン状態にすると共に、スイッチング素子SWKにより、電池監視IC50外部に出力する出力電圧Voutを、バッファアンプ32を介してアナログレベルシフタ22から出力された電圧から、電圧Vxに切り替える。これにより、非飽和領域で動作してしまうバッファアンプ32を用いずに、直接電池セルVc1の正極側を出力電圧Voutが出力される出力端子に接続するため、出力電圧Voutによる電池電圧の測定精度が向上する。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態の電池監視IC50によれば、電池セルVc1の電池電圧を測定する場合は、スイッチング素子SWKにより、電池セルVc1の正極側を直接、出力電圧Voutを出力する出力端子に接続するため、出力電圧Voutによる電池電圧の測定精度を向上させることができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、電池セルVc1を測定する場合、バッファアンプ20及びアナログレベルシフタ22を介さずに出力電圧Voutを出力しているが、電池セルVc1の正極側の電圧V1は、GNDに対しての電圧であるため、アナログレベルシフタ22によりGND基準の電圧に変換する必要がないため、問題は生じない。また、電池監視IC50の後段(外部)にはハイインピーダンスな回路が接続されるため、LPF16の抵抗Rfによる電圧降下は生じないため、LPF16による誤差は生じない。
【0057】
[第4の実施の形態]
【0058】
以下、図面を参照して本発明の第4の実施の形態の半導体装置である電池監視ICについて詳細に説明する。図8に、本実施の形態の半導体装置(電池監視IC)の概略構成の一例の回路図を示す。本実施の形態の電池監視IC60は第1の実施の形態の電池監視IC10、第2の実施の形態の電池監視IC40、及び第3の実施の形態の電池監視IC50と略同一の構成であるため、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0059】
本実施の形態の電池監視IC60は、バッファアンプ30、32の出力端子と入力端子とを接続するためのショートSW62、64を備えている。ショートSW62、64はそれぞれバッファアンプ30、32をショートさせ、バッファアンプ30、32をオフ状態にする機能を有するものである。
【0060】
セル選択SW18の出力がバッファアンプ30、32を介してアナログレベルシフタ22に接続されているため、バッファアンプ30、32が正常に動作していない(異常である)場合は、出力電圧Voutが適正な電圧値とならず、電池電圧の測定精度が低下する場合がある。
【0061】
本実施の形態では、ショートSW62、64のスイッチング素子SWP、SWNをオフ状態にし、バッファアンプ30、32を介した通常の電池セルVc1〜Vc5の電池電圧の測定を行う。また、ショートSW62、64のスイッチング素子SWP、SWNをオン状態にし、バッファアンプ30、32を介さずに電池セルVc1〜Vc5の電池電圧の測定を行う。両測定結果を比較し、測定値が一致した場合(予め定めた許容誤差範囲内である場合を含む)は、バッファアンプ30、バッファアンプ32は正常に動作しているとみなせる。一方、一致しない場合は、異常であるとみなせる。このように、バッファアンプ30、32の動作の自己判断が可能となる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態の電池監視IC60によれば、ショートSW62、64のスイッチング素子SWP、SWKをオン状態にすることにより、バッファアンプ30、32を介さないアナログレベルシフタ22の出力電圧Voutと、バッファアンプ30、32を介したアナログレベルシフタ22の出力電圧Voutを比較することにより、バッファアンプ30、32が正常であるか否か自己判断ができるため、電池電圧の測定精度が低下するのを防止することができる。
【0063】
なお、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、従来の電池監視IC100(図9参照)に備えられていたダミースイッチSWA、SWB、及びタミー抵抗RD1、RD2を備えずに構成しているが、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、入力インピーダンスが高いバッファアンプ30、32を介することにより、LPF16の抵抗Rf0〜Rf5、及びセル選択SW18のオン抵抗による電圧降下による誤差をキャンセルすることができる。すなわち、バッファアンプ30、32が、従来のダミースイッチSWA、SWB、及びタミー抵抗RD1、RD2と同様の機能を有しているため、これらを備えずに構成することができる。
【0064】
また、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、電池14が5個の電池セル(電池セルVc1〜Vc5)を備える場合について説明したがこれに限らず、複数の電池セルが直列に接続されていれば、その個数は特に限定されない。
【0065】
また、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、LPF16の構成をコンデンサCf1〜Cf5を電池セルVc1〜Vc5間に接続するπ型で構成した場合について説明したが、これに限らず、例えば、コンデンサCf1〜Cf5を電池セルVc1〜Vc5の正極側とGNDとの間に接続する対地型で構成してもよい。
【符号の説明】
【0066】
10、40、50、60 電池監視IC
14 電池
16 LPF
18 セル選択SW
20 バッファアンプ
22 アナログレベルシフタ
30、32 バッファアンプ
36 アンプ
42 昇圧回路
62、64 ショートSW
Vc1、Vc2、Vc3、Vc4、Vc5 電池セル
SWK スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11