特許第5850863号(P5850863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5850863
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】潜在性酸及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 309/08 20060101AFI20160114BHJP
   C07C 309/12 20060101ALI20160114BHJP
   C07C 381/12 20060101ALI20160114BHJP
   C07D 307/77 20060101ALI20160114BHJP
   C07D 207/28 20060101ALI20160114BHJP
   C07D 233/32 20060101ALI20160114BHJP
   C07D 233/42 20060101ALI20160114BHJP
   C07D 311/00 20060101ALI20160114BHJP
   C07D 333/46 20060101ALI20160114BHJP
   C07D 333/76 20060101ALI20160114BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20160114BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20160114BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   C07C309/08CSP
   C07C309/12
   C07C381/12
   C07D307/77
   C07D207/28
   C07D233/32
   C07D233/42
   C07D311/00
   C07D333/46
   C07D333/76
   G03F7/004 503A
   G03F7/039 601
   G03F7/38 501
   G03F7/38 511
【請求項の数】14
【全頁数】116
(21)【出願番号】特願2012-554281(P2012-554281)
(86)(22)【出願日】2011年2月10日
(65)【公表番号】特表2013-520458(P2013-520458A)
(43)【公表日】2013年6月6日
(86)【国際出願番号】EP2011051995
(87)【国際公開番号】WO2011104127
(87)【国際公開日】20110901
【審査請求日】2014年2月7日
(31)【優先権主張番号】10154465.8
(32)【優先日】2010年2月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】山戸 斉
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 敏景
(72)【発明者】
【氏名】松本 啓
(72)【発明者】
【氏名】田中 慶太
(72)【発明者】
【氏名】西前 祐一
【審査官】 村守 宏文
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−213855(JP,A)
【文献】 特表2008−545789(JP,A)
【文献】 特開2008−039815(JP,A)
【文献】 特開2007−145797(JP,A)
【文献】 特開2008−007410(JP,A)
【文献】 Wang, Mingxing et al.,New anionic photoacid generator bound polymer resists for EUV lithography,Macromolecules,2007年10月18日,vol.40 no.23,p.8220-8224
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I又はII
【化1】
[式中、
XはCH2又はCOであり;
YはO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2、O(CS)又はO(CS)NR4 であり、これらのそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;又はNR4 、S、NR4(CO)O、NR4(CS)Oであり、N原子又はS原子はXに直接に結合している;
1は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14 、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14 、CO、O(CO)、NR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルケニルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR1は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;
又はR1は、NR1213であり;
又はR1は、1つもしくは複数のヘテロ原子を含有していてもよいステロイド構造の一価のC17〜C50−炭化水素基であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは、非置換であるか又は置換されている;
2とR3は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又はR2とR3は互いに独立にフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレン、中断されているC2〜C18−アルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、中断されているC4〜C30−シクロアルケニレン、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンは、非置換であるか又は置換されている;
又はR2とR3は互いに独立に直接結合であるが、但しR2とR3は両方が同時に直接結合であることはない;
4は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
4は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは、非置換であるか又は置換されている;
又はR1とR4は、R4が結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員、6員又は7員環を形成し;
12とR13は、互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR12とR13は、互いに独立にAr、(CO)R15、(CO)OR15又はSO215
であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル又はArは非置換であるか又は置換されている;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14は水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR14はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは非置換であるか又は置換されている;
15は、水素、Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり、
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
その際、前記Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは非置換であるか又は置換されている;及び
Arは、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは非置換であるか又は置換されている]
の酸を生成する化合物であって、
式IIIa、IIIb、IVa又はIVb
【化2】
[式中、
21、R22及びR23は、互いに独立にAr1、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル又はC4〜C30−シクロアルケニルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
又はR21とR22は、場合により直接結合、O、S、NR14又はCOと一緒に縮合環系を形成し;
又はR21とR22は、場合により直接結合、C1〜C6−アルキレン、O、S、NR14又は(CO)と一緒に5員環、6員環又は7員環を形成し;
その際、全てのR21、R22とR23は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
Zは、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
又はハロゲン、NO2、CN、Ar、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215であり;
24とR25は互いに独立にAr1であり;
又はR24とR25は、場合により直接結合、O、S、NR14又は(CO)と一緒に縮合環を形成し;
又はR24とR25は、場合によりC1〜C2−アルキレン、O、S、NR14又は(CO)と一緒に5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全てのR24とR25は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
Arは、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ2により置換されている;
Ar1は、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されているか、又は
【化3】
により置換されている;
場合により、C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又は−OSO215としての基Zは、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール環上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール環の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
2は、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
又はハロゲン、NO2、CN、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215、OSO215、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び/又はヘテロアリールであり;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Z2は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールの炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
aは0又は1である;
Eは、
【化4】
である;
11は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR11は、Ar、(CO)R15、(CO)OR15、(CO)NR1213又はSO215であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
1は、Ar、OH、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、ハロゲン、NO2、CN、C1〜C18−アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR1213、C1〜C12−アルキルチオ、C2〜C18−アルコキシカルボニル、C2〜C10−ハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C1〜C18−アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C1〜C18−アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C1〜C18−アルカノイル、C1〜C18−アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/又はベンゾイルオキシであり;及び
1、R2、R3、X、Y、R12、R13、R14及びR15は式I又はIIの酸に記載の通りである]
のものである、式I又はIIの酸を生成する化合物。
【請求項2】
式I又はII
【化5】
[式中、
XはCH2又はCOであり;
YはO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2、O(CS)又はO(CS)NR4 であり、これらのそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;又はNR4 、S、NR4(CO)O、NR4(CS)Oであり、N原子又はS原子はXに直接に結合している;
1は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14 、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14 、CO、O(CO)、NR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルケニルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR1は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;
又はR1は、NR1213であり;
又はR1は、1つもしくは複数のヘテロ原子を含有していてもよいステロイド構造の一価のC17〜C50−炭化水素基であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは、非置換であるか又は置換されている;
2とR3は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又はR2とR3は互いに独立にフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレン、中断されているC2〜C18−アルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、中断されているC4〜C30−シクロアルケニレン、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンは、非置換であるか又は置換されている;
又はR2とR3は互いに独立に直接結合であるが、但しR2とR3は両方が同時に直接結合であることはない;
4は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
4は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは、非置換であるか又は置換されている;
又はR1とR4は、R4が結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員、6員又は7員環を形成し;
12とR13は、互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR12とR13は、互いに独立にAr、(CO)R15、(CO)OR15又はSO215
であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル又はArは非置換であるか又は置換されている;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14は水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR14はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは非置換であるか又は置換されている;
15は、水素、Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり、
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
その際、前記Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは非置換であるか又は置換されている;及び
Arは、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは非置換であるか又は置換されている]
の酸を生成する化合物であって、
式IIIc、IIId、IIIe、IVc又はIVe
【化6】
[式中、
Aは、C1〜C10−ハロアルキル、CN、(CO)OR11又はSO215であり;
Ar2は、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はAr2は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;
その際、前記フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールの炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全てのAr2は酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
Ar’2は、C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又はAr’2は、直接結合、フェニレン、ナフチレン、
【化7】
、ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化8】
であり、その際、前記フェニレン、ナフチレン、
【化9】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化10】
は、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
場合により、フェニレン、ナフチレン、
【化11】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化12】
上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニレン、ナフチレン、
【化13】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化14】
上の更なる置換基と一緒に、又はフェニレン、ナフチレン、
【化15】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化16】
の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、直接結合を除く全てのAr’2は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
又はAr’2は、基−Ar’’2−A1−Y1−A1−Ar’’2−であり;
Ar’’2は、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレンであり、その際、前記フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレンは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
場合により、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレン上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレン上の更なる置換基と一緒に、又はフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレンの炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全ての基Ar’’2は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
1は、直接結合、O、S、NR14、CO、O(CO)、S(CO)、NR14(CO)、SO、SO2又はOSO2であり;又は
1は、非置換であるか又は1つもしくは複数のC1〜C4−ハロアルキル、ハロゲン、OR11及び/又はSR14により置換されているC1〜C18−アルキレンであり、又は非置換であるか又は1つもしくは複数のC1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、ハロゲン、OR11及び/又はSR14により置換されているフェニレンであり;
1は、非置換であるか又は1つもしくは複数のOR11、SR14、ハロゲン又はフェニルにより置換されているC1〜C18−アルキレンであり;又はY1は、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)、S(CO)、NR14(CO)、SO、SO2又はOSO2により中断されているC2〜C18−アルキレンであり、及びその際、中断されているC2〜C18−アルキレンは、非置換であるか又は1つもしくは複数のOR11、SR14、ハロゲン又はフェニルにより置換されている;
26とR27は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR26とR27は、互いに独立にフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
又はR26とR27は、一緒になって1,2−フェニレンであるか、又は1,2−又は2,3−又は1,8−ナフチレンであるか、又はR26とR27は、場合により直接結合、C1〜C4−アルキレン、C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C4−ハロアルキレン、C2〜C4−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレン、O、S、NR14、(CO)と一緒になって5員環、6員環又は7員環を形成し;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215、及び/又はOSO215としての基Zは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールの炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全てのR26とR27は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;及び
1、R2、R3、X、Y、R11、R12、R13、R14、R15およびZは、請求項1に記載の通りである]
のものである、式I又はIIの酸を生成する化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の式I又はIIの酸を生成する化合物であって、前記式中、
XはCH2であり、
YはO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2又はO(CS)NR4 であり、これらのそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;
1は水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル又はC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又は1つもしくは複数のOにより中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のOにより中断されているC2〜C18−アルケニルであり;
又は1つもしくは複数のO、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキルであり;
又はR1はNR1213であり;
又は1つもしくは複数のO、CO又はO(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
その際、前記C1〜C18−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
Zは、C1〜C18−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、ハロゲン、(CO)OR11、O(CO)R11、OR11、SR14又はNR14(CO)OR11であり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
2とR3は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン又はC1〜C18−アルキレンであり;
4は、水素であり;
11は、水素、C1〜C18−アルキル又はArであり;
12とR13は、互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル又はC1〜C18−アルキルであり;
又はR12とR13は、互いに独立に(CO)R15又はSO215であり;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルカノイル、C1〜C18−アルキルスルホニル、フェニル、フェニルスルホニルであり、その際、前記フェニル又はC1〜C8−アルキルスルホニルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
15は、水素又はArであり;及び
Arは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ2により置換されているフェニルであり;
2は、C1〜C18−アルキル又は(CO)R15であり;及び
1は、Arである、請求項1または2に記載の式I又はIIの酸を生成する化合物。
【請求項4】
式Ia又はIIa
【化17】
[式中、
+は、プロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、非置換の又は1つもしくは複数の(NR28293031+により置換されたプラスの電荷を有する1つもしくは複数の窒素原子を有するヘテロアリールであり;
28、R29、R30及びR31は、互いに独立に請求項1に定義したR12とR13の意味のうち1つを有し;
又はR28、R29、R30は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14、COにより中断されている、及び/又は場合により橋頭でCR15又はNにより中断されている多環を形成する;及び
X、Y、R1、R2及びR3、R14及びR15は、請求項1に記載の通りである]
の化合物。
【請求項5】
放射感受性酸供与体(a)として、請求項1からまでのいずれか1項に記載の式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;及び
現像液中では不溶性であるか又は実質的に不溶性であり、かつ酸の作用により可溶性になる化合物(c)を含む、化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
【請求項6】
放射感受性酸供与体として、請求項に記載の式IIIa又はIIIbの化合物、又は請求項に記載の式IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)を、場合により重合可能な二重結合を有する更なるモノマーと重合することにより得られるポリマーを含む、化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
【請求項7】
更に他の添加剤(d)を含む、請求項又はに記載の化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
【請求項8】
請求項に定義した式IIIa及びIIIbの化合物、又は請求項に定義した式IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)を、重合可能な基を有する前記式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物と、場合により重合可能な二重結合を有する更なるモノマーとの重合によりポリマーを製造するために用いる使用。
【請求項9】
感光性酸供与体(a)として、請求項1からまでのいずれか1項に記載の式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;及び
酸の作用により架橋又は重合する化合物(b)を含む、化学増幅型ネガ型レジスト組成物であって、
コーティング及び乾燥したレジスト組成物は現像液中に可溶性であり、かつ酸の作用により不溶性になるか又は実質的に不溶性である前記組成物。
【請求項10】
次の工程:
(1)請求項からまでのいずれか1項に記載の組成物を基材に塗布する工程;
(2)組成物を60℃〜160℃の温度で塗布後焼き付けする工程;
(3)10nm〜1500nmの波長範囲内で、電磁線で又は電子ビームで画像通りに照射する工程;
(4)場合により、組成物を60〜160℃の間の温度で露光後焼き付けする工程;及び
(5)溶剤で又は水性アルカリ現像液で現像する工程
を含む、フォトレジストを塗布する方法。
【請求項11】
(a)酸供与体として、請求項1、2又は4に記載の式Ia、IIa、IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの少なくとも1つの化合物、及び
(b)酸の作用により硬化又は架橋する化合物
を含む組成物。
【請求項12】
酸供与体として、請求項1、2又は4に記載の式Ia、IIa、IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの少なくとも1つの化合物;及び酸の作用により分解する化合物を含む組成物。
【請求項13】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の式IもしくはIIの酸を生成する化合物、又は請求項に記載の式IIIaあるいはIIIbの化合物、もしくは請求項に記載の式IIIcあるいはIIIeに記載の化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、場合により重合可能な二重結合を有する更なるモノマーとの重合により得られるポリマーを、酸の作用下に架橋又は硬化できる組成物における酸供与体として用いる使用。
【請求項14】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の式IもしくはIIの酸を生成する化合物、又は請求項に記載の式IIIaあるいはIIIbの化合物、もしくは請求項に記載の式IIIcあるいはIIIeに記載の化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、場合により重合可能な二重結合を有し、かつ更に酸不安定基を有していてもよい更なるモノマーとの重合により得られるポリマーを、酸の作用により現像液中のその溶解度を高める組成物における酸供与体として用いる使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は強酸を放出する新規潜在性酸、前記化合物を含む化学増幅型フォトレジスト組成物ならびに潜在性酸としての該化合物の使用に関し、該化合物は化学電磁線及び電子ビームでの照射、又は熱処理により活性化することができる。
【0002】
酸不安定基及び光により活性化される光酸生成剤(PAG)を潜在性酸として有するポリマーを含む化学増幅型レジストは、半導体製造に使用される。良好な感度と解像性能にとって、ペルフルオロアルキルスルホン酸(PFAS)のような強酸、例えばノナフルオロブタンスルホン酸を放出するPAGは有利である。
【0003】
しかし、更にICチップを更に小型化するために望ましい解像は、このような酸の長い拡散距離ゆえにこれらの酸では得られていない。更に、環境の面からPFASには強い懸念がある。従って、ペルフルオロ化アルキルスルホン酸ではない以下のような強酸を生成するPAGが幾つか報告されている;JP2004−004561に記載されているトリフェニルスルホニルム(アダマンタン−1−イルメチル)オキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、US6908722に記載されているトリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、EP1710230に記載されているトリフェニルスルホニウム1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ベンゾイルオキシプロパン−1−スルホネート、WO2008/132966に記載されているトリフェニルスルホニウム2−ナフチルメチルオキシテトラフルオロエタンスルホネート、WO2009/37980に記載されているトリフェニルスルホニウム2−(1’−アダマンタン)カルボニルオキシ−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、US2006/276670に記載されているトリフェニルスルホニウム2−ペンタフルオロエトキシ−1,1,2−トリフルオロエタンスルホネート及びMacromolecules(2007)、40(23)、8220-8224頁に記載されているトリフェニルスルホニウム4−アセチルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート。
【0004】
当該分野では、短い拡散距離及び化学線に高い透過率を有する強酸を効率的に生成する潜在性酸の必要性がある。また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルラクテート、シクロペンタノンなどのような一般の溶剤中で、このような潜在性酸が良好に溶解する必要性もある。α,α−ジフルオロアルキルスルホン酸は上記のような強酸として公知であるが、大規模に入手可能なフッ素有機化合物には限界がある。従って、フッ素有機化合物から簡単なプロセスにより合成されるα,α−ジフルオロアルキルスルホン酸及びこのような強酸を生成する潜在性酸には需要がある。
【0005】
意外にも、下記のような強酸を生成する潜在性酸は、高活性でありかつ一般の溶剤に極めて可溶性であり、かつ生じた酸は高解像度とパターンの高い忠実度、低いマスクエッジエラーファクター、幅広い露光ラチチュード及び幅広いフォーカスラチチュードに必要な短い拡散距離を示すことが見出された。本発明の強酸は簡単なプロセスで2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールから製造され、これは大工業的に入手可能であり、かつ例えばDVD録音媒体の製造でレコーディング染料用のスピンコーティング溶剤として用いられる。本発明の潜在性酸は、化学増幅型フォトレジスト用途において特に酸接触反応用の触媒として適切である。更に、本発明の潜在性酸を含む化学増幅型フォトレジスト組成物は高いフォトスピードと高解像度を提供する。
【0006】
本発明の対象は、式I又はII
【化1】
[XはCH2又はCOであり、
YはO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2、O(CS)又はO(CS)NR4 であり、これらのそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;
又はNR4、S、NR4(CO)O、NR4(CS)Oであり、N原子又はS原子はXに直接結合している;
1は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり、又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)、NR14(CO)、場合により置換フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンにより中断されているC2〜C18−アルケニルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
1はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;又は
1はNR1213であり;又は
1は1つもしくは複数のヘテロ原子を含んでいてもよいステロイド構造の一価のC17〜C50−炭化水素基であり、その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは、非置換であるか又は置換されている;
2とR3は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキレンであり;又は
互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキレンであり;又は
互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレンであり;又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニレンであり;又は
2とR3は互いに独立にフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンであり;その際、前記C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレン、中断されているC2〜C18−アルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、中断されているC4〜C30−シクロアルケニレン、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンは、非置換であるか又は置換されている;
又はR2とR3は互いに独立に直接結合であるが、但しR2とR3は両方が同時に直接結合であることはない;
4は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
4は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは、非置換であるか又は置換されている;
又はR1とR4はR4が結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員、6員又は7員環を形成し;
12とR13は、互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR12とR13は、互いに独立にAr、(CO)R15、(CO)OR15又はSO215
であり;その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル又はArは非置換であるか又は置換されている;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14は水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり、
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR14はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは非置換であるか又は置換されている;
15は、水素、Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルC1〜C18−アルキルであり、
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
その際、前記Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは非置換であるか又は置換されている;及び
Arは、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは非置換であるか又は置換されている]
の酸を生成する化合物である。
【0007】
本発明の対象は、上記に定義したような式I又はIIの化合物である。式I又はIIの酸は置換1,1,2−トリフルオロアルキルスルホン酸として、特に1,1,2−トリフルオロメチルスルホン酸として特徴付けられる。
【0008】
特に本発明の対象は上記に定義したような、R1が水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり、又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
1がフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;又は
1がNR1213であり;又は
1が1つもしくは複数のヘテロ原子を含んでいてもよいステロイド構造の一価のC17〜C50−炭化水素基であり、その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZで置換されている;
ZがC3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
又はハロゲン、NO2、CN、Ar、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215であり;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)R11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
2とR3が互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又は互いに独立に、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキレンであり;
又は互いに独立に、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキレンであり:
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又はR2とR3が互いに独立にフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレン、中断されているC2〜C18−アルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキレン、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニレン、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
場合によりフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン、フルオレニレン又はヘテロアリーレン上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン、フルオレニレン又はヘテロアリーレン上の更なる置換基と一緒に、又はフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン、フルオレニレン又はヘテロアリーレン上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
又はR2とR3が互いに独立に直接結合であり;
4が水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
4がフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルケニル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
又はR1とR4は、R4が結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員、6員又は7員環を形成し;
11が水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR11がAr、(CO)R15、(CO)OR15、(CO)NR1213、又はSO215であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、又は中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
1がAr、OH、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、ハロゲン、NO2、CN、C1〜C18−アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR1213、C1〜C12−アルキルチオ、C2〜C18−アルコキシカルボニル、C2〜C10−ハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C1〜C18−アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C1〜C18−アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C1〜C18−アルカノイル、C1〜C18−アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/又はベンゾイルオキシであり;
12とR13が互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR12とR13は互いに独立にAr、(CO)R15、(CO)OR15又はSO215であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒に、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14が水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又はO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、CO又はO(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR14がフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、ヘテロアリール、C1〜C18−アルカノイル、ベンゾイル、C2〜C18−アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
15が水素、Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
Arがフェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZ2により置換されている、
場合により、C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Z2は、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール環上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール環の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;及び
2がC3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
又はハロゲン、NO2、CN、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び/又はヘテロアリールであり;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Z2は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する、式I又はIIの酸を生成する化合物に属する。
【0009】
本発明の特別な対象は、式IIIa、IIIb、IVa又はIVb
【化2】
[式中、
21、R22及びR23は、互いに独立にAr1、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル又はC4〜C30−シクロアルケニルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
又はR21とR22は、場合により直接結合、O、S、NR14又は(CO)と一緒に縮合環系を形成し;
又はR21とR22は、場合により直接結合、C1〜C6−アルキレン、O、S、NR14又は(CO)と一緒に5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全てのR21、R22とR23は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
Zは、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
又はハロゲン、NO2、CN、Ar、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215であり;
24とR25は互いに独立にAr1であり;
又はR24とR25は、場合により直線結合、O、S、NR14又は(CO)と一緒に縮合環を形成し;
又はR24とR25は、場合によりC1〜C2−アルキレン、O、S、NR14又は(CO)と一緒に5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全てのR24とR25は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
Arは、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ2により置換されている;
Ar1は、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されているか、又は
【化3】
により置換されている;
場合により、C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又は−OSO215としての基Zは、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール環上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール環の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
2は、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
又はハロゲン、NO2、CN、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215、OSO215、フェニル、ビフェニリル、フルオレニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び/又はヘテロアリールであり;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Z2は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
aは0又は1である;
Eは、
【化4】
である;
11は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR11は、Ar、(CO)R15、(CO)OR15、(CO)NR1213又はSO215であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル又は中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは、1つもしくは複数のZ1により置換されている;
1は、Ar、OH、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、フェニル−C1〜C3−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、ハロゲン、NO2、CN、C1〜C18−アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR1213、C1〜C12−アルキルチオ、C2〜C18−アルコキシカルボニル、C2〜C10−ハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C1〜C18−アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C1〜C18−アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニル、C1〜C18−アルカノイル、C1〜C18−アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/又はベンゾイルオキシであり;及び
1、R2、R3、X、Y、R12、R13、R14及びR15は上記の通りである]
である、式I又はIIの酸を生成する化合物である。
【0010】
本発明の他の特別な対象は、式IIIc、IIId、IIIe、IVc又はIVe
【化5】
[式中、
Aは、C1〜C10−ハロアルキル、CN、(CO)OR11又はSO215であり;
Ar2は、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はAr2は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;
その際、前記フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全てのAr2は酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
Ar’2は、C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C18−アルキレン、C1〜C10−ハロアルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレンであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニレンであり;
又はAr’2は、直接結合、フェニレン、ナフチレン、
【化6】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化7】
であり、その際、前記フェニレン、ナフチレン、
【化8】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化9】
は、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている:
場合により、フェニレン、ナフチレン、
【化10】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化11】
上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)R11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニレン、ナフチレン、
【化12】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化13】
上の更なる置換基と一緒に、又はフェニレン、ナフチレン、
【化14】
ジフェニレン、ヘテロアリーレン、オキシジフェニレン又は
【化15】
上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、直接結合を除く全てのAr’2は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
又はAr’2は、基−Ar’’2−A1−Y1−A1−Ar’’2−であり;
Ar’’2は、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレンであり、その際、前記フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレンは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
場合により、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレン上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレン上の更なる置換基と一緒に、又はフェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又はヘテロアリーレン上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全ての基Ar’’2は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;
1は、直接結合、O、S、NR14、CO、O(CO)、S(CO)、NR14(CO)、SO、SO2又はOSO2であり;又は
1は、非置換であるか又は1つもしくは複数のC1〜C4−ハロアルキル、ハロゲン、OR11及び/又はSR14により置換されているC1〜C18−アルキレンであり、又は非置換であるか又は1つもしくは複数のC1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、ハロゲン、OR11及び/又はSR14により置換されているフェニレンであり;
1は、非置換であるか又は1つもしくは複数のOR11、SR14、ハロゲン又はフェニルにより置換されているC1〜C18−アルキレンである;又はY1は、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)、S(CO)、NR14(CO)、SO、SO2又はOSO2により中断されているC2〜C18−アルキレンであり、その際、中断されているC2〜C18−アルキレンは、非置換であるか又は1つもしくは複数のOR11、SR14、ハロゲン又はフェニルにより置換されている;
26とR27は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
又は互いに独立に1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルであり;
又はR26とR27は、互いに独立にフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C1〜C10−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、フェニル−C1〜C3−アルキル、中断されているC1〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC4〜C30−シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
又はR26とR27は、一緒になって1,2−フェニレン又は1,2−又は2,3−又は1,8−ナフチレンであるか、又はR26とR27は、場合により直接結合、C1〜C4−アルキレン、C3〜C30−シクロアルキレン、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキレン、C1〜C4−ハロアルキレン、C2〜C4−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレン、O、S、NR14、(CO)と一緒になって5員環、6員環又は7員環を形成し;
場合により、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又はOSO215としての基Zは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリール上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
その際、全てのR26とR27は、酸の作用により切断される−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により場合により更に置換されている;及び
1、R2、R3、X、Y、R12、R13、R14、R15及びZは上記の通りである]
のものである、式I又はIIの酸を生成する化合物である。
【0011】
式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物中のR1がC2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C12−アルケニルである場合には、重合可能な二重結合を有するこのような潜在性酸化合物は、例えば、酸分解可能な、溶解阻害基を有するモノマーと及び/又は重合可能な二重結合を有する他のモノマーと共重合することができる。
【0012】
化合物(VcとVd)
【化16】
[式中、Y、X、R21、R22、R23、R24及びR25は上記の通りであり、及びR16は水素又はC1〜C10−アルキルである]
は、本発明によるこのような重合可能な新規潜在性酸の特別な例である。
【0013】
式(Ve)と(Vf):
【化17】
の化合物は、ポリマー骨格の部分として重合した後にそれぞれ化合物VcとVdから由来するモノマー単位を示す。
【0014】
重合可能な潜在性酸として特に関心のあるものは、例えば以下のもの:
【化18】
である。
【0015】
これらは、公知の方法により、例えば、メタクリル酸、無水メタクリル酸、塩化メタクリロイル、又はメタクリロイルイソシアネートと、それぞれ相応するアルコール中間体化合物B
【化19】
(式中、Q+はプロトン又はいずれかのカチオン種である)
又は相応のアルコラート塩アニオンを反応させることにより製造できる。
【0016】
従って、本発明のその他の対象は、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)の、重合可能な基を有する式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの前記化合物と、重合可能な二重結合を有する少なくとも1つの他の重合可能なモノマーとの重合によりポリマーを製造するための使用である。前記反応に適切なコモノマーは、以下に記載されている。ポジ型フォトレジスト組成物において使用するために、コモノマーのうちの少なくとも1つは有利には酸不安定基を有する。
【0017】
従って、関心のあるその他の分野は、上記のような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)を、重合可能な二重結合及び酸の作用により水性アルカリ性現像液中の溶解度を高める1つの酸不安定基を有する少なくとも1つのモノマー、場合により重合可能な二重結合を有する更なるモノマーと重合する方法である。
【0018】
関心のあるものは、上記のような式IIIa、IIIb、IVa又はIVbのものである式I又はII
[式中、XはCH2であり、
YはO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2、O(CS)又はO(CS)NR4 であり、これらのそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;又はNR4、S、NR4(CO)O、NR4(CS)Oであり、N原子又はS原子はXに直接結合している;
1は水素、C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;又は
1つもしくは複数のO、S、NR14又はCOにより中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14又はCOにより中断されているC2〜C18−アルケニルであり;
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキルであり;又は
又は1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;又は
1はNR1213であり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、C4〜C30−シクロアルケニル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
2とR3は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン、C1〜C18−アルキレン、C2〜C12−アルケニレン、C4〜C30−シクロアルケニレンであり;
4は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルであり;
11は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、又はR11は、Arであり;
12とR13は、互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルであり;
又はR12とR13は、互いに独立に(CO)R15、(CO)OR15又はSO215であり;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14は水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり;
又はR14はフェニル、ナフチル、C1〜C18−アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルであり;
その際、前記C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、フェニル、ナフチル、C1〜C18−アルキルスルホニルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
15は、水素、Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルであり、その際、前記Ar、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ2により置換されている;
Arは、フェニル、ビフェニリル又はナフチルであり、
その際、前記フェニル、ビフェニリル又はナフチルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ2により置換されている;
21、R22及びR23は、互いに独立にAr1、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルであり;
その際、前記Ar1、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
又はR21とR22は、場合により直接結合、O、S、NR14又は(CO)と一緒に縮合環系を形成し;
又はR21とR22は、場合によりC1〜C6−アルキレン、O、S、NR14又は(CO)と一緒に5員環、6員環又は7員環を形成し;
Zは、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
又は(CO)R15、(CO)OR11、O(CO)OR11、NR14(CO)OR11、OR11、NR1213及び/又はSR14であり;
24とR25は互いに独立にAr1であり;
Ar1は、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、特にフェニル又はナフチルであり、その際、前記フェニル、ビフェニリル又はナフチルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;場合により、C1〜C18−アルキル(CO)R15、(CO)OR11、OR11、NR1213としての基Zは、フェニル、ビフェニリル又はナフチル環の炭素原子のうちの1つ一緒に、基C1〜C18−アルキル、R11、R12、R13及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する;
2は、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル又は(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)R11であり;
11は、水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキルであり;又はR11はArであり;かつ
1はArである]
の酸を生成する化合物である。
【0019】
特に関心のある化合物は、上記の式I又はII
[式中、XはCH2であり、
YはO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2又はO(CS)NR4 であり、これらのそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;
1は水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル又はC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
1つもしくは複数のOにより中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のOにより中断されているC2〜C18−アルケニルであり;
又は1つもしくは複数のO、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキルであり、又はR1はNR1213であり;
又は1つもしくは複数のO、CO又はO(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;
その際、前記C1〜C18−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
Zは、C1〜C18−アルキル、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、ハロゲン、(CO)OR11、O(CO)R11、OR11、SR14又はNR14(CO)OR11であり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルである;
又はR2とR3は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン又はC1〜C18−アルキレンであり;又は
4は、水素であり;
11は、水素、C1〜C18−アルキル又はArであり;
12とR13は、互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル又はC1〜C18−アルキルであり;
又はR12とR13は、互いに独立に(CO)R15又はSO215であり;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルカノイル、C1〜C18−アルキルスルホニル、フェニル、フェニルスルホニルであり、その際、前記フェニル又はC1〜C18−アルキルスルホニルは非置換であるか又は1つもしくは複数のZ1により置換されている;
15は、水素又はArであり;
Arは1つもしくは複数のZ2により置換されているフェニルであり;
2は、C1〜C18−アルキル又は(CO)R15であり;及び
1は、Arである]
の酸を生成する化合物である。
【0020】
更に関心のある化合物は、上記の式I又はII
[式中、XはCH2であり;
YはO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2又はO(CS)NR4 であり、これらのそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;
1は水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル又はC4〜C30−シクロアルケニルであり;又は
1つもしくは複数のOにより中断されているC2〜C18−アルキルであり;
又は1つもしくは複数のO、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC〜C30−シクロアルキルであり;
又はR1はNR1213であり;
又は1つもしくは複数のCOにより中断されているC〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;又は
その際、前記C1〜C18−アルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている;
Zは、C1〜C18−アルキル、(CO)OR11又はNR14(CO)OR11であり;
又は1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されているC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり;
2とR3は、互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン又はC1〜C18−アルキレンであり;
4は、水素であり;
11は、水素又はC1〜C18−アルキルであり;
12とR13は、互いに独立に水素、C3〜C30−シクロアルキル又はC1〜C18−アルキルであり;
又はR12とR13は、互いに独立に(CO)R15又SO215であり;
又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成し;
14は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルカノイル又はC1〜C18−アルキルスルホニルであり;
15は、水素又はArであり;及び
Arは非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されているフェニルである]
の酸を生成する化合物である。
【0021】
Yは、例えばO、O(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4 、O(CO)NR4(CO)、OSO2、又はO(CS)NR4 であり、これらの基のそれぞれに関して、酸素原子はXに直接結合している;
又はYは、例えばO(CO)、O(CO)O、O(CO)NR4、OSO2、又はO(CS)NR4 である。
1は、例えば水素、C3〜C30−シクロアルキル、C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルキル、C4〜C30−シクロアルケニルであり、
又は1つもしくは複数のO、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルであり、
又は1つもしくは複数のO、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキルであり、
又はR1はNR1213であり、
又は1つもしくは複数のO、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり、
その際、前記C1〜C18−アルキル、C4〜C30−シクロアルケニル、中断されているC2〜C18−アルキル、中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、非置換であるか又は1つもしくは複数のZにより置換されている。
【0022】
Zは、例えば、C1〜C18−アルキル、(CO)OR11、O(CO)R15、NR14(CO)OR11、OR11、OSO215又はC5〜C30−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり、これは1つもしくは複数のNR14(CO)OR11又はNR14(CO)NR1213により置換されている。
【0023】
1〜C18−アルキルの置換基としてのZは、有利にはメチル、エチル、プロピル、ブチル又はヘキシルである。
【0024】
4〜C30−シクロアルケニルの置換基としてのZは、有利にはシクロペンテニル、シクロヘキセニル、
【化20】
である。
【0025】
3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルの置換基としてのZは、有利には
【化21】
である。
【0026】
2とR3は、例えば互いに独立にC3〜C30−シクロアルキレン、C1〜C18−アルキレン、C4〜C30−シクロアルケニレン、又は直接結合であるが、但しR2とR3は両方が同時に直接結合であることはない;
4は、例えば水素又はC1〜C18−アルキルである。
11は、例えば、水素、C1〜C18−アルキル、(CO)R15、(CO)NR1213又はSO215である。
12とR13は、例えば互いに独立に、水素、C3〜C30−シクロアルキル又はC1〜C18−アルキルであるか、又は互いに独立に(CO)R15又はSO215であるか、又はR12とR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成する。
【0027】
14は、例えば、水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルカノイル又はC1〜C18−アルキルスルホニルである。
【0028】
15は、例えば、水素、Ar又はC1〜C18−アルキルである。
【0029】
Arは、例えば、非置換であるか又は1つもしくは複数のZ2により置換されているフェニルであり、その際、ZはC1〜C18−アルキル、O(CO)R15、OR11又はOSO215である。
【0030】
12、R13、R14、R15で定義した基が置換されている場合には、上記に定義した1つもしくは複数のZ1により置換されている。
【0031】
1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、Ar’2、Ar’’2で定義した基が置換されている場合には、上記に定義した1つもしくは複数のZにより置換されている。
【0032】
Arで定義した基が置換されている場合には、上記に定義した1つもしくは複数のZ2により置換されている。
【0033】
特に関心のあるものは、実施例1〜54に挙げられているような式(I)の化合物ならびに以下の式(a)〜(m):
【化22】
の化合物である。
【0034】
上記の式に示されたものの他に、本発明のスルホニル化合物においてカチオンとして使用できる適切なスルホニウムカチオンは、例えば、WO2008/056795の13〜23頁;US6855476の11〜14欄、19〜20;US2007/0122750、9〜16頁;US2008/0182203、1頁の化学式1、2頁の化学式2〜4;US2009/0068591、44頁に示されている式のカチオン部分:式54、45頁:式56と57、47頁:式62、48頁:式67、52頁:式73、53頁:式76、54頁:式80;US2006/0194982、5〜11頁;WO2007/118794、60頁及びそれ以降:例1〜6、13、15、17、19の式のカチオン部分;EP1036789の一般式(1)、12頁の式:[0115]、14頁の式:[0127]と[0129]、15頁の式:化合物VIIとVIII;及びUS7611817の7〜11欄に開示されているものである。
【0035】
特に適切であるのは、スルホニウムカチオンであり、その際、上記に定義したようなR21とR22は同一であり、かつR23はR21とR22とは異なる。
【0036】
このような非対称のスルホニウムカチオンを有する本発明の化合物は、特に良好な溶解特性を示す。
【0037】
特に適切であるのは、R21とR22が非置換のフェニルであり、かつR23が置換されているAr1又はナフチルである化合物である。有利にはAr1はZ(ハロゲン又はSR14を示す)により置換されている。特に関心のあるものは、R21とR22が非置換のフェニルであり、かつR23がナフチルであるか、又はSR14により置換されているAr1である化合物である。この場合のAr1は、有利にはフェニルである。
【0038】
優れた溶解度を示すR21、R22及びR23の有利な定義を有する化合物は、(式IIIaとIVa)の分子のアニオン部分で有利にはシクロアルキル(又はシクロアルキレン)置換基を有する。これは式IIIaとIVa[式中、R21、R22及びR23は先の段落で定義した通りであり、Xは特にCH2を示し、Yは有利にはO(CO)であり、かつR1は、例えば1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;特にこれらの場合のR1は、1つもしくは複数のO、CO又はO(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルであり;これらの場合の特に有利なR1はカンフォリルである]の化合物中にある。
【0039】
有利な化合物は、例55、56及び57の化合物;特に例55と57の化合物である。
【0040】
本発明の化合物中のカチオンとして有利であるのは、例えば以下の式s1〜s54に示されているスルホニウムイオン:
【化23】
【0041】
【化24】
【0042】
【化25】
である。
【0043】
特に有利なものは、スルホニウムカチオンs12、s15、s16、s18、s19、s42、s43、s45、s47、s48、s49、s50、s51、s52、s53、s54、特にs49、s50、s51、s52、s53、s54を有する本発明の化合物である。
【0044】
更に、式i1〜i5に示されているインドニウムカチオン:
【化26】
は特に有用である。
【0045】
上文及び明細書全体に関連して挙げたような式I又はII(ならびに式IIIa、IIIb、IVa、IVb、IIIc、IIId、IIIe、IVc、IVe、Ia、IIaなどの化合物)の酸を生成する化合物に関する有利性は、そのままとしての化合物を言及するのではなく、請求項の全てのカテゴリーを言及する。これは式I又はII(ならびに式IIIa、IIIb、IVa、IVb、IIIc、IIId、IIIe、IVc、IVe、Ia、IIaなどの化合物)の酸を生成する化合物を含んでいる組成物、前記化合物を含んでいる光開始剤及び/又は光酸発生混合物、ならびに前記化合物が用いられている使用又は方法クレームに関する。
【0046】
本明細書に関連して、定義されたいずれの基R1、R2、R3、X、Y、Y1、R4、R11、R12、R13、R14、R15、Ar、Ar1、Ar2、Z、Z1、Z2、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、E、A、A1、Ar’2、Ar’’2も、これがどの式中に存在するのかにかかわらず同じ意味を有する。
【0047】
本明細書中の定義に関連して、NR4はアンモニウム基を意味するのではなく、1つの基R4により置換されているN原子、すなわちN(R4)を意味する。
【0048】
1〜C18−アルキルは、線状又は分枝であり、例えば、C1〜C16−アルキル、C1〜C12−アルキル、C1〜C8−アルキル、C1〜C6−アルキル又はC1〜C4−アルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシルであり、有利にはメチル、イソプロピル又はブチルのようなC1〜C4−アルキルである。
【0049】
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキルは、例えば、不連続なO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により1回〜5回、例えば1〜3回、又は1回又は2回中断されている。
【0050】
従って、結果として生じる構造単位は、例えば次のものである:
O(CH22OH、O(CH22OCH3、O(CH2CH2O)2CH2CH3
CH2−O−CH3、CH2CH2−O−CH2CH3、[CH2CH2O]y−CH3(ここでy=1〜5である)、(CH2CH2O)5CH2CH3、CH2−CH(CH3)−O−CH2CH3、CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3、S(CH22SCH3、(CH22NR14CH3、(CH22O(CO)CH3、(CH22(CO)CH3又は(CH22NR14(CO)CH3(ここでR14は、上文に定義した通りである)。
【0051】
本発明に関連して、基、例えばアルキル又はアルキレンが定義された1つもしくは複数の基、例えば、O、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されている場合には、"中断する"基は、中断されている基、例えばアルキル又はアルキレンの間にだけ存在するのではなく、末端にも存在することを意味する。
【0052】
3〜C30−シクロアルキルは、単環又は多環式脂肪族環、例えば、単環、二環又は三環式脂肪族環、例えば、C3〜C20−シクロアルキル、C3〜C18−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C10−シクロアルキルである。
【0053】
単環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル、特にシクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0054】
多環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロフェニアトリル、ペルヒドロナフチル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニル、アダマンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、
【化27】
及びそのようなものである。
【0055】
また"スピロ"−シクロアルキル化合物は、本明細書中のC3〜C30−シクロアルキルの定義により網羅され、例えば、スピロ[5.2]オクチル、スピロ[5.4]デシル、スピロ[5.5]ウンデシルである。本発明の化合物において個々の定義の対象である多環シクロアルキル基のより詳細な例は、EP878738の11頁と12頁に列挙されていて、その際、式(1)〜(46)には、結合を達成するために"yl"を付け加える必要がある。当業者は、この事を把握している。一般に、脂環式環は繰り返し構造単位を形成してもよい。
【0056】
前記C3〜C30−シクロアルキルは、更に場合によりC1〜C18−アルキルにより置換されていてもよく、これは例えば
【化28】
のような構造を意味する。
【0057】
3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、上記に定義したようなアルキル基により結合しているシクロアルキルを意味する。例としては、
【化29】
のような構造である。
【0058】
前記C3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、場合により更にC1〜C18−アルキルにより置換されていて、これは例えば
【化30】
のような構造を意味する。
【0059】
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキル又はC3〜C30−シクロアルキル−C1〜C18−アルキルは、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されている単環又は多環式脂肪族環であり、例えば、
【化31】
である。
【0060】
2〜C12−アルケニル基は、例えば、一価飽和又は多不飽和の、直線又は分枝状であり、かつ例えば、C2〜C8−アルケニル、C2〜C6−アルケニル又はC2〜C4−アルケニルである。例としては、アリル、メタリル、ビニル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、5−ヘキセニル又は7−オクテニル、特にアリル又はビニルである。
【0061】
重合可能な基としてのC2〜C12−アルケニルは、二重結合が遊離して重合反応を行う分子の位置に不飽和結合を有する。例としてはアリル、メタリル又はビニルである。
【0062】
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)、NR14(CO)、場合により置換フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン、ビフェニレン又はヘテロアリーレンにより中断されているC2〜C18−アルケニルは、1つもしくは複数の上記二価の基により中断されている線状又は分枝状アルケニル基である。例としては、
【化32】
である。
【0063】
4〜C30−シクロアルケニルは、単環又は多環及び一不飽和又は多不飽和環、例えば、単環−、二環−、三環−又は四環式の一不飽和又は多不飽和環、例えば、C4〜C20−シクロアルケニル、C4〜C18−シクロアルケニル、C4〜C12−シクロアルケニル、C4〜C10−シクロアルケニルである。シクロアルケニルの例は、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルである。また架橋したアルケニル基は、上記の定義、例えば、
【化33】
特にシクロペンテニル、シクロヘキセニル、
【化34】
により網羅される。
【0064】
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニルは、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されている単環又は多環式及び一不飽和又は多不飽和環、例えば、
【化35】
である。
【0065】
1〜C18−アルキレンは、線状又は分枝アルキレン、例えば、C1〜C2−アルキレン、C2〜C5−アルキレンである。例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンである。
【0066】
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC2〜C18−アルキレンは、例えば、1〜5回、例えば1〜3回、又は1回又は2回"不連続な" O、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されている。
【0067】
本明細書の関連する定義では、"中断されている"とは、相応の中断されている鎖の一方の末端又は両方の末端で結合している1つもしくは複数の前記の定義した基を有するC2〜C18−アルキレンを含むことも意味する。従って、結果として生じる構造単位は、例えば次のものである:−O(CH22−、−O(CH22OCH2−、−O(CH2CH2O)2−、−S(CH22−、−(CH22NH−、−(CH22O(CO)CH2−、−CH2CH2NHCO−である。
【0068】
3〜C30−シクロアルキレンは、単環式又は多環式脂肪族環、例えば、単環、二環又は三環式脂肪族環、例えば、C3〜C20−シクロアルキレン、C3〜C18−シクロアルキレン、C3〜C12−シクロアルキレン、C3〜C10−シクロアルキレンである。単環の例は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン又はシクロヘプチレンである。多環の例は、ペルヒドロアントラシレン、ペルヒドロフェニアトリレン、ペルヒドロナフチレン、ペルヒドロフルオレニレン、ペルヒドロクリセニレン、ペルヒドロピセニレン、アダマンチレン、ビシクロ[1.1.1]ペンチレン、ビシクロ[4.2.2]デシレン、ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ビシクロ[3.3.2]デシレン、ビシクロ[4.3.2]ウンデシレン、ビシクロ[4.3.3]ドデシレン、ビシクロ[3.3.3]ウンデシレン、ビシクロ[4.3.1]デシレン、ビシクロ[4.2.1]ノニレン、ビシクロ[3.3.1]ノニレン、ビシクロ[3.2.1]オクチレン、
【化36】
及びそのようなものである。
【0069】
また"スピロ"−シクロアルキレン化合物は、これに関連してC3〜C30−シクロアルキレンの定義により網羅され、例えば、スピロ[5.2]オクチレン、スピロ[5.4]デシレン、スピロ[5.5]ウンデシレンである。本発明の化合物において個々の定義の対象である多環シクロアルキレン基のより詳細な例は、EP878738の11頁と12頁に列挙されていて、その際、式(1)〜(46)には、2つの結合を達成するために"ylene"を付け加える必要がある。当業者は、この事を把握している。1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC3〜C30−シクロアルキレンは、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されている単環又は多環式脂肪族環、例えば
【化37】
である。
【0070】
2〜C12−アルケニレン基は、例えば、一飽和又は多飽和の線状又は分枝状であり、かつ例えば、C2〜C8−アルケニレン、C2〜C6−アルケニレン又はC2〜C4−アルケニレンである。例としては、CH=CHCH2−、−CH=C(CH3)CH2−、−CH=C(CH3)−、
【化38】
である。
【0071】
4〜C30−シクロアルケニレンは、単環又は多環及び一飽和又は多飽和環であり、例としては、単環、二環、三環又は四環式一価飽和又は多価飽和環、例えば、C4〜C20−シクロアルケニレン、C4〜C18−シクロアルケニレン、C4〜C12−シクロアルケニレン、C4〜C10−シクロアルケニレン、例えば
【化39】
である。
【0072】
1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されているC4〜C30−シクロアルケニレンは、1つもしくは複数のO、S、NR14、CO、O(CO)又はNR14(CO)により中断されている単環又は多環及び一価飽和又は多価飽和環、例えば、
【化40】
である。
【0073】
置換フェニルは、1〜5個の、例えば、1個、2個又は3個、特に1個又は2個の置換基をフェニル環上に有する。置換は、フェニル環の4−位、3,4−位、3,5−位又は3,4,5−位で行われるのが有利である。
【0074】
基であるフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニリル、フルオレニル又はヘテロアリールが1つもしくは複数の基により置換される場合には、これらは、例えば、1回置換から5回置換されている。例えば、1回、2回又は3回置換、特に1回又は2回置換されている。
【0075】
フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、フルオレニル又はヘテロアリール上のC1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、(CO)R15、(CO)OR11、(CO)NR1213、O(CO)R15、O(CO)OR11、O(CO)NR1213、NR14(CO)R15、NR14(CO)OR11、NR14(CO)NR1213、OR11、NR1213、SR14、SOR15、SO215及び/又は−OSO215としての基Zが、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、フルオレニル又はヘテロアリール上の更なる置換基と一緒に、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、ビフェニル、フルオレニル又はヘテロアリール上の炭素原子のうちの1つと一緒に、基C1〜C18−アルキル、C2〜C12−アルケニル、R11、R12、R13、R14及び/又はR15を介して、5員環、6員環又は7員環を形成する場合には、以下の構造単位:
【化41】
が得られる。
【0076】
置換基C1〜C18−アルキルが、ビフェニル、ナフチル又はフルオレニル環の1個の炭素原子から、前記環のもう1つの炭素原子にアルキレン架橋を形成する場合には、特にエチレン、プロピレン及びブチレン架橋が形成される場合には、例えば以下の構造
【化42】
が得られる。これに関連して本明細書による定義は、分枝アルキレン架橋:
【化43】
も網羅することにする。
【0077】
前記アルキレン架橋が更なるフェニル環と縮合する場合には、例えば以下のような構造:
【化44】
が得られる。
【0078】
21とR22が、直接結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR14又は(CO)と一緒に縮合環系を形成する場合には、以下のような構造単位:
【化45】
が得られる。
【0079】
21とR22が、直接結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR14又は(CO)と一緒に5員環、6員環又は7員環を形成する場合には、例えば以下のような構造単位:
【化46】
が得られる。
【0080】
1〜C18−アルカノイルは、例えば、C1〜C12−アルカノイル、C1〜C8−アルカノイル、C1〜C6−アルカノイル、C1〜C4−アルカノイル、C2〜C12−アルカノイル、C2〜C8−アルカノイル、C2〜C6−アルカノイル又はC2〜C4−アルカノイルであり、その際アルキル部分は線状又は分枝状である。例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブタノイル又はヘキサノイル、特にアセチルである。
【0081】
1〜C18−アルコキシは、例えば、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C8−アルコキシ、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシであり、かつ線状又は分枝状である。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、オクチルオキシ及びドデシルオキシである。
【0082】
2〜C18−アルコキシカルボニルは、(C1〜C17−アルキル)−O−C(O)−であり、その際、前記C1〜C17−アルキルは線状又は分枝状であり、かつ上記に定義したように適切な数までの炭素原子を有する。例としては、C2〜C10−アルコキシカルボニル、C2〜C8−アルコキシカルボニル、C2〜C6−アルコキシカルボニル又はC2〜C4−アルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル又はペントキシカルボニルである。
【0083】
1〜C10−ハロアルキルは、例えば、ハロゲンにより1回又は複数回置換されたC1〜C8−アルキル、C1〜C6−アルキル又はC1〜C4−アルキルであり、前記アルキル部分は例えば上記の通りである。例えば、アルキル基では1〜23個のハロゲン置換基が存在する。例としては、クロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ノナフルオロブチル又は2−ブロモプロピル、特にトリフルオロメチル又はトリクロロメチルである。C1〜C10−フルオロアルキルが有利である。
【0084】
2〜C10−ハロアルカノイルは、(C1〜C9−ハロアルキル)−C(O)−であり、その際、前記C1〜C9−ハロアルキルは、上記に定義したように適切な数までの炭素原子を有する。例としては、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、ペンタフルオロプロピオニル、ペルフルオロオクタノイル又は2−ブロモ−プロピオニル、特にトリフルオロアセチル又はトリクロロアセチルである。
【0085】
ハロベンゾイルは、上記に定義したようなハロゲン及び/又はC1〜C4−ハロアルキルにより一回置換又は複数回置換されているベンゾイルであり、前記C1〜C4−ハロアルキルは上記の通りである。例としては、ペンタフルオロベンゾイル、トリクロロベンゾイル、トリフルオロメチルベンゾイル、特にペンタフルオロベンゾイルである。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、特に塩素又はフッ素、有利にはフッ素である。
【0086】
フェニル−C1〜C3−アルキルは、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、α−メチルベンジル又はα,α−ジメチルベンジル、特にベンジルである。
【0087】
12とR13が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合によりO、NR14又はCOにより中断されている5員環、6員環又は7員環を形成する場合には、例えば、以下のような構造:
【化47】
が得られる。
【0088】
1つもしくは複数のヘテロ原子を含んでいてもよいステロイド構造の一価のC17〜C50−炭化水素基は、基中に1つもしくは複数のヘテロ原子(例えば、O、S又はN)を含んでいてもよい
【化48】
のような四環系を有する一価の基である。1つもしくは複数の不飽和結合ならびに1つもしくは複数の官能基;例えば
【化49】
を有していてもよい。
【0089】
1〜C18−アルキルスルホニルの定義は、先に詳説したように、スルホニル基(−SO2−)に結合している相応の基C1〜C18−アルキルを意味する。従って、フェニルスルホニルと(4−メチルフェニル)スルホニルは、スルホニル基に結合した相応の基を意味する。
【0090】
2〜C18−アルカノイルオキシは、(C1〜C17−アルキル)−C(O)−O−であり、その際、前記C1〜C17−アルキルは、線状又は分枝状であり、かつ上記に定義したように適切な数までの炭素原子を有する。例としては、C2〜C10−アルカノイルオキシ、C2〜C8−アルカノイルオキシ、C2〜C6−アルカノイルオキシ、C2〜C4−アルカノイルオキシ、例えば、アセチルオキシ、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ又はヘキサノイルオキシである。
【0091】
1〜C18−アルキルスルホニルオキシは、(C1〜C18−アルキル)−S(O)2−O−であり、その際、C1〜C18−アルキルは、線状又は分枝状であり、かつ上記に定義したように適切な数までの炭素原子を有する。例としては、C1〜C10−アルキルスルホニルオキシ、C1〜C8−アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6−アルキルスルホニルオキシ、C1〜C4−アルキルスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキシ又はヘキサンスルホニルオキシである。従って、フェニルスルホニルオキシは、−S(O)2−O−基に結合した相応の基を意味する。
【0092】
本明細書では、"ヘテロアリール"という用語は、単環又は多環系(例えば縮合環系)のどちらかを含むことを意味し、その際、1つもしくは複数の環は、場合により置換されていて、特に1つもしくは複数のC1〜C20−アルキル及び/又はC1〜C20−アルコキシにより置換されている。
【0093】
5〜C20−ヘテロアリールは、ヘテロ原子として、O、S又はNから成るグループから選択される1つもしくは複数の、例えば、1〜3個、又は1個又は特に1個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリールは、例えばC5〜C20−ヘテロアリール、C5〜C18−ヘテロアリール、C5〜C12−ヘテロアリールであり、かつ非置換及び置換基、例えば、3−チエニル、2−チエニル、
【化50】
[式中、
12とR13は、上記に定義したように、チアントレニル、イソベンゾフラニル、キサンテニル、フェノキサンチイニル、
【化51】
であり、その際、Eは、S、O又はNR14であり、かつR14は上記に定義した通りである]
を意味する。
【0094】
これらの例は、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル又はイソキサゾリルである。また例えば、フリル、ピロリル、1,2,4−トリアゾリル、
【化52】
又は縮合芳香族基を有する5員環のヘテロ環、例えば、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル及びベンゾチアゾリルも含まれる。
【0095】
その他の"ヘテロアリール"の例は、イミダゾリル、ピリジル、特に3−ピリジル、
【化53】
[式中、上記に定義したようにR11は、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、2,4−、2,2−又は2,3−ジアジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フェノキサジニル又はフェナジニルである]
である。本明細書中では、"ヘテロアリール"という用語は、基のチオキサンチル、キサンチル、
【化54】
[式中、mは0又は1であり、かつR11、R12、R13は、上記に定義したように
【化55】
、アントラキノニルである]
を意味する。
【0096】
各々のヘテロアリールは、先に示した又は請求項1に記載の置換基を有していてもよい。ナフチレンは
【化56】
であり;ビフェニレンは
【化57】
であり;アントラシレンは
【化58】
である。同様に、フェナントリレンの種々の環で結合が置かれる。ヘテロアリーレンは、上記のようなヘテロアリール環の二価の基、例えば
【化59】
である。
【0097】
酸の作用により切断され、かつ基R21、R22、R23、R24及びR25の置換基である−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基は、酸との反応の後にアルカリ現像液中で本発明の化合物の溶解度を高める酸で切断可能な基である。この効果は例えばUS4883740に記載されている。
【0098】
このような置換基として適切な基の例は、例えば公知のオルトエステル、トリチル及びベンジル基、カルボン酸のt−ブチルエステル、フェノールのt−ブチルカーボネート又はフェノールのシリルエーテル、例えば、OSi(CH33、CH2(CO)OC(CH33、(CO)OC(CH33、O(CO)OC(CH33又は−O−C(E1)(E3)(OE2)[式中、E1、E2は互いに独立に水素、C1〜C5−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、フェニル−C1〜C3−アルキルであり、又はE1とE2は一緒になってC2〜C5−アルキレンであり、かつE3は、非置換であるか又はハロゲン置換されたC1〜C5−アルキル、非置換又はハロゲン置換されたC3〜C8−シクロアルキル又はフェニル−C1〜C3−アルキルであり、又はE1とE2が一緒になってC2〜C5−アルキレンにならない場合には、E3とE2は一緒になってO又はSにより中断されていてもよいC2〜C5−アルキレンであってもよい]
である。
【0099】
請求項及び明細書の全体を通して"及び/又は"もしくは"又は/及び"という用語は、定義した二者択一性(置換基)のうち一方だけが存在するのを表すだけではなく、定義した二者択一性(置換基)の幾つかが一緒に、すなわち種々の二者択一性(置換基)の混合物が存在することも意味する。"場合により"という用語は、定義した相応の任意選択の両方を網羅することにする。"少なくとも1つ"という用語は、1つ又は1つ以上、例えば1つ又は2つ又は3つ、有利には1つ又は2つを定義することを意味する。
【0100】
本発明で式I又はIIの酸を生成する化合物は、イオン性化合物と非イオン性化合物に分類される。例えば、式IIIa、IIIb、IVa、IVbにより表現されるイオン性化合物は、式Ia又はIIaにより示される化合物からのイオン交換反応により合成される。
【0101】
例えば、式IIIc、IIId、IIIe、IVc、IVeにより示される非イオン性化合物の製造法のうち1つは、相応のハロゲン化スルホニルとの反応であり、これはハロゲン化剤の存在で式Ia又はIIaにより示される化合物から合成される。当業者は適切な反応ならびに採用すべき反応条件を把握している。
【0102】
以下に定義するような式IaとIIaの化合物は、例えば、化合物B
【化60】
[式中、
+は、プロトン、金属カチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、(非)置換アンモニウム及びピリジニウム塩、例えば、トリエチルアンモニウム又はその他のいずれかのカチオン種である]
から製造される。
【0103】
例えば、鎖の末端のヒドロキシル基は、下記の一例のように:
【化61】
[式中、基
【化62】
は、式Iの化合物で上記に定義したようにR1−Y−を表すか、又は
【化63】
は、式IIの化合物で上記に定義したようにR3−R2−Y−を表す]
カルボン酸又はスルホン酸誘導体とエステル化反応を行う。
【0104】
エステル化は、例えば、カルボン酸又はスルホン酸、酸ハロゲン化物(すなわち、カルボン酸ハロゲン化物又はスルホン酸ハロゲン化物)又は無水酸を用いて行われる。酸ハロゲン化物は公知の方法により、例えば、カルボン酸と塩化スルホニル、塩化オキサリル、塩化ホスホリルなどを反応させることにより製造できる。当業者は適切な反応ならびに採用すべき反応条件を把握している。
【0105】
例えば、化合物(I)は、トリエチルアミン及びN,N−ジメチルアミンピリジンのような塩基の存在で、化合物Bをコレステリルクロロホルメートでエステル化することにより得られ、かつカチオン交換が続く。
【0106】
他の例では、化合物(m)は、トリエチルアミン及びN,N−ジメチルアミンピリジンのような塩基の存在で、化合物Bをデヒドロコール酸クロリドでエステル化することにより得られ、かつカチオン交換が続く。
【0107】
もう1つの他の例では、化合物C
【化64】
は、ピリジンのような塩基の存在で化合物Bをクロロアセチルクロリドでエステル化することにより得られる。
【0108】
化合物(IIIf)
【化65】
は、化合物Cとデヒドロコール酸ナトリウムの反応及びトリフェニルスルホニウムカチオンとのQ+の交換(カチオン交換)により得られる。
【0109】
誘導化のもう1つの例として、化合物Bのヒドロキシル基は、更にイソシアネート化合物と反応し、先にYで定義したような−O(CO)NR4−(すなわちR4=H)基を形成する。
【0110】
その他の例として、化合物Bのヒドロキシル基は、イオジド、ブロミド、クロリド、トシレート、メシレート、トリフルオロアセテートなどのような脱離基に変換できる。これらの化合物は、アルコール、チオール、アミン、アミドなどのような求核試薬と置換反応を行い、上記にYで定義したようなO、NR4、Sを形成する。当業者は、適切な反応ならびに採用すべき反応条件を把握している。
【0111】
化合物Bのヒドロキシル基は、クロム酸、過マンガン酸塩及び硝酸のような酸化剤との酸化により、カルボン酸に変換することもできる。結果として生じるカルボン酸は更にアルコール又はアミンと反応し、以下に示されるような一例として:
【化66】
[式中、COと基
【化67】
は、それぞれ式I、IIIa、IIIb、IIIc、IIId及びIIIeの化合物において上記に定義したようなX及びR1−Y―を表すか、又は式II、IVa、IVb、IVc及びIVeの化合物において上記に定義したようなR3−R2−Yを表す]
エステルとアミドを生じる。当業者は適切な反応ならびに採用すべき反応条件を把握している。
【0112】
中間生成物化合物Bは、以下の反応スキーム及び公知の方法により:
【化68】
2,2,3,3−テトラヒドロプロパノール(TFP)から得られる。
【0113】
工程(a)では、TFPは塩基により除去を行い、J. Org. Chem. 5640(1989)に記載されているように2,3,3−トリフルオロ−2−プロペン−1−オール(化合物A)を生じる。工程(b)では、文献、例えば、J. Am. Chem. Soc., 75, 4595(1953)及びGreen Chem., 9, 30(2007)から公知の同様の反応により化合物Aは、亜硫酸エステルでスルホン化を行い、1,1,2−トリフルオロ−3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸又はその塩(化合物B)を生じる。
【0114】
本明細書で記載されている本発明の実施例では、反応が完了した後にカチオンQ+は変換(交換)され、最終的なアニオン構造が生じる。
【0115】
当業者には、化合物Bの段階で又は場合により、反応のより遅い順番で塩の中間生成物の段階でカチオンQ+をスルホニウムイオン又はインドニウムイオンと、又は他の所望のカチオンと交換できることが明確である。従って、本発明の範囲と操作は、カチオン交換の特定の方法又は順番に限定されるものではない。
【0116】
式IとIIの酸、及び式IとIIの酸を生成する化合物は新規である。例えば、式IaとIIaにより示されるその塩も新規化合物である。したがって、本発明は式Ia又はIIa
【化69】
[式中、
+は、カチオン、特にプロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、非置換の、又は1つもしくは複数の(NR28293031+で置換されたプラスの電荷を有する1つもしくは複数の窒素原子を有するヘテロアリール;
28、R29、R30及びR31は、互いに独立に請求項1に定義したR12とR13の意味のうち1つを有し;
又はR28、R29、R30は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1つもしくは複数のO、NR14、COにより中断されている、及び/又は場合により橋頭でCR15又はNにより中断されている多環を形成する;及び
X、Y、R1、R2及びR3、R14及びR15は、上記の通りである]
の化合物にも属する。
【0117】
(NR28293031+の例は、場合により1つもしくは複数のC1〜C10−アルキルにより置換されているピリジニウム、アンモニウム、テトラ(C1〜C10−アルキル)アンモニウム、トリ(C1〜C10−アルキル)アンモニウム、ジ(C1〜C10−アルキル)アンモニウム又はモノ(C1〜C10−アルキル)アンモニウムである。
【0118】
適切なカチオンの例は、プロトン、アルカリ金属、特にリチウム又はナトリウム、オニウム化合物、例えば、スルホニウム、インドニウム、ホスホニウムカチオン、第四級アンモニウム化合物、染料カチオン、カチオン遷移金属配位錯体化合物である。
【0119】
テトラアルキルアンモニウムの例は、テトラ(C1〜C4−アルキル)アンモニウムである。これは、以下の式の化合物を意味する:N(C1〜C4−アルキル)4+、式中、前記C1〜C4−アルキルは、上記のように相応する数までの炭素原子を有することもできる。適切なアンモニウム化合物の例は、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、及びテトラブチルアンモニウム、特にテトラメチルアンモニウム及びテトラブチルアンモニウムである。ベンジルトリ(C1〜C4−アルキル)アンモニウムも適切である。これは、C65−CH2−N(C1〜C4−アルキル)3+であり、その際、前記C1〜C4−アルキルは上記の定義のように相応する数までの炭素原子を有することができる。このような基の例は、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリプロピルアンモニウム及びベンジルトリブチルアンモニウム、特にベンジルトリメチルアンモニウム及びベンジルトリブチルアンモニウムである。しかし、トリスアルキルアンモニウムイオン、例えば、トリメチアンモニウムも適切である。式+PRwxyz及び+NRRwxyzのホスホニウム及びアンモニウム対イオンも適切であり、前記式中、Rw、Rx、Ry及びRzは、互いに独立に水素、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、フェニル又はアリールアルキルである。これらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル、フェニル及びアラルキル基の置換基の例は、ハロゲン化物、ヒドロキシル、ヘテロシクロアルキル(例えば、エポキシ、アジリジル、オキセタニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリル、チオフェニル、テトラヒドロフラニルなど)、ジアルキルアミノ、アミノ、カルボキシル、アルキルカルボニル及びアリールカルボニル及びアリールオキシカルボニル及びアルコキシカルボニルである。
【0120】
四価の窒素は5員環又は6員環の部分であってもよく、これは次に他の環系に縮合してもよい。これらの系は、更なるヘテロ原子、例えばS、N、Oを含んでいてもよい。四価の窒素は、多環系、例えばアゾニアプロペランの部分であってもよい。これらの系は、更なるヘテロ原子、例えばS、N、Oを含んでいてもよい。
【0121】
適切なアンモニウム塩及びホスホニウム塩は、例えば、
【化70】
のような無色の電子受容体(例えば、ベンゾフェノン)により置換されていることもできる。
【0122】
関心のあるその他の第四級アンモニウム化合物は、例えば、トリメチルセチルアンモニウム又はセチルピリジニウム化合物である。
【0123】
式IaとIIaの化合物中で使用すべきプラスの対イオンQ+の他の例には、以下のものが含まれる:
Aryl−CH2−Z(R)3(式中、ZはP、S又はNであり、かつRはアルキル又はアリール基である)。また適切であるのは、
【化71】
(Yagci等により、J. Polym. Sci. PartA:Polymer Chem. 1992, 30, 1987及びPolymer 1993, 34(6),1130記載されている)のような化合物;又は
【化72】
[式中、R’=非置換又は置換ベンジル又はフェナシルである(JP−A−0770221に記載されている)]
のような化合物である。これらの化合物中、ピリジニウム中の芳香族環は置換されていてもよい。
【0124】
式I又はII(式IIIa、IIIb、IVa、IVb、IIIc、IIId、IIIe、IVc及びIVeの化合物を含む)の酸を生成する化合物を放射感受性酸供与体として使用することができる。
【0125】
上記のような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)を、モノマーと共重合することにより製造されるポリマーを放射感受性酸供与体として使用することもできる。
【0126】
従って本発明の対象は、上記のような潜在性酸供与体として(a)少なくとも1つの式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物;及び
(b)酸の作用により硬化もしくは架橋するか又は現像液中で組成物の溶解度を高める化合物
を含む組成物である。
【0127】
本発明のもう1つの対象は、成分(a)又は(a)及び(b)として、上記のような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C18−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)を、少なくとも1つの他のコモノマーと共重合することにより製造されるポリマーを含む組成物である。
【0128】
本発明の他の対象は、
(a)上記のような潜在性酸供与体として、少なくとも1つの式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物;及び
(c)酸との反応により現像液中で組成物の溶解度を高める化合物
を含む組成物である。
【0129】
本発明の他の対象は、成分(a)、又は(a)及び(c)として上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C18−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と少なくとも1つの他のコモノマーの共重合により製造されるポリマーを含む組成物である。
【0130】
従って本発明は、
(a)感光性酸供与体として、上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;及び
(b)酸の作用により架橋する化合物;又は
(c)酸の作用により現像液中のその溶解度が高まる化合物
を含む化学増幅型(ネガ型とポジ型)フォトレジスト組成物に関する。
【0131】
本発明の対象は、放射感受性酸供与体として(a
)上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;及び現像液中で不溶性又は実質的に不溶性であり、かつ酸の作用により可溶性になる化合物(c)を含む化学増幅型ポジ型レジスト組成物である。
【0132】
上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物には、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C18−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)とモノマーを共重合することにより製造されるポリマーを含む。
【0133】
従って、本発明の対象は成分(a)及び(c)として、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C18−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、重合可能な二重結合及び酸の作用により水性アルカリ現像液中のポリマーの溶解速度を加速する酸不安定基を含む少なくと1つの更なるモノマーの重合により得られるポリマー含む上記のような化学増幅型フォトレジスト組成物でもあり、これはポジ型フォトレジスト組成物である。
【0134】
本発明は、放射感受性酸供与体として、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C18−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、重合可能な二重結合を含む少なくとも1つの更なるモノマーを重合することにより製造されるポリマーを含む化学増幅型レジスト組成物に属する。
【0135】
本発明の対象は、感光性酸供与体(a)として、上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;及び酸の作用により架橋又は重合する化合物(b)(その際、被覆及び乾燥したレジスト組成物は現像液中に可溶性であり、かつ酸の作用により不溶性になるか又は実質的に不溶性になる)を含む化学増幅型ネガ型レジスト組成物である。
【0136】
上記のような化学増幅型ポジ型レジスト組成物(更にその他の添加剤(d)も含む)は、本発明の更なる対象である。
【0137】
化学増幅型フォトレジストとは、放射感受性成分が触媒量の酸を提供し、これが続いてレジストの少なくとも1つの酸感受性成分の化学反応を触媒するレジスト組成物であると解釈される。レジストの露光箇所と非露光箇所の間の溶解度の差は、この反応から生じる。このプロセスの触媒的性質により、1つの酸分子は、これが1つの反応箇所から次の反応箇所に反応性ポリマーマトリックスを通って拡散するにつれて、二次反応によりトラップ又は崩壊されない限り複数の箇所で反応を引き起こすことができる。従って、少ない酸濃度でも露光箇所と非露光箇所の間の溶解度の大きな差を誘発するのに十分である。従って、少ない濃度の潜在性酸化合物だけが必要である。結果として、光学画像において露光波長で高いコントラストと高い透明度を有するレジストを形成することができ、次にこれが高い感光度で急勾配な垂直像プロファイルを作ることができる。しかし、この触媒プロセスの結果、潜在性酸触媒を(照射されていない限り)化学及び熱的に十分に安定にし、レジストストレージ又はプロセシングの間に酸を生成しないようにする必要があり、これは殆どの場合に、酸の生成後に焼き付け工程を開始するか、又は溶解度差につながる触媒反応を完全にする必要がある。液体レジスト調製物中で潜在触媒の良好な溶解度を有する必要もあり、かつ固体レジストフィルムは、マイクロエレクトロニックの製造プロセスでこれらのレジストの適用を妨げると思われるいずれの粒子の生成も回避しなくてはならない。
【0138】
これとは対照的に、化学増幅メカニズムをベースにしていないポジ型レジスト材料は、高濃度の潜在性酸を含有しなくてはならない。なぜならば、これは露光下にアルカリ現像液中の露光箇所の増大した溶解度に寄与する潜在性酸から生成される酸濃度だけしかないからである。
【0139】
少ない酸濃度は、このようなレジストの溶解速度の変化に極わずかな影響しか与えず、かつここで反応は通常は露光後焼き締め無しに進み、潜在性酸の化学及び熱安定性に関する要求は、化学増幅型ポジ型レジストよりも少なくてよい。これらのレジストは、露光箇所でアルカリ性現像液中での十分な溶解度を達成するため、かつ比較的に低い光学透明性(必要な潜在性酸の高濃度ゆえに)ひいては低い解像度及び傾斜画像を回避するために十分な酸を生成するように遥かに高い放射量が必要である。非化学増幅型技術をベースとするレジスト組成物は、化学増幅型レジストと比べて感光度、解像度及び画像品質に劣っている。
【0140】
上記のことから、潜在触媒の化学安定性及び熱安定性が化学増幅型レジストにとって重要であり、かつ異なる酸の拡散要求、酸強度の要求ならびに熱安定性及び化学的安定性の要求ゆえに、非化学増幅型レジストで操作できる潜在性酸が、化学増幅型レジストに必ずしも適用可能ではないことが明らかである。
【0141】
本発明の対象は、上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する化合物、又は上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc又はIIIe(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を含んでいる重合可能な基である)の化合物と、重合可能な二重結合を有するモノマーの重合により得られるポリマーの、化学増幅型レジスト又はカラーフィルターにおける使用である。
【0142】
重合可能な二重結合を有する前記モノマーは、例えば、上記のような酸不安定基を含むモノマーである。
【0143】
レジスト露光の間又は後に、レジスト材料の酸接触反応の結果生じる露光及び非露光箇所の間のレジスト溶解度の差は、レジスト中にどの更なる成分が存在するのかによって2つのタイプがある。本発明による組成物が露光後に現像液中で組成物の溶解度を高める成分を有する場合には、このレジストはポジ型である。
【0144】
従って、本発明はポジ型レジストである化学増幅型フォトレジスト組成物に関する。
【0145】
他方で、調製物の成分が露光後に組成物の溶解度を減少させる場合には、このレジストはネガ型である。
【0146】
従って、本発明はネガ型フォトレジストである化学増幅型組成物にも関する。化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物が有利である。
非露光箇所で、レジスト調製物中に更に存在するアルカリ可溶性バインダー樹脂の溶解速度を減少させ、かつアルカリ溶液中で現像した後に非露光箇所でレジストフィルムが残るように、但し、その反応生成物がアルカリ現像液中では可溶性になるように酸の存在で切断されるか、又は再配列されるように非露光箇所では実質的にアルカリ不溶性であるモノマー化合物又はポリマー化合物を、以後、溶解阻害剤と称することにする。
【0147】
本発明は、特別な実施態様として以下のもの:
(a)式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;先に説明したように式I又はIIの酸を生成する化合物には、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物が含まれる;及び
(c1)酸の存在で分解し、かつ露光箇所で水性アルカリ現像液中でレジストフィルムの溶解度を高める、酸不安定基を有する少なくとも1つのポリマー
を含む、化学増幅型ポジ型アルカリ現像可能なフォトレジスト組成物に関する。
【0148】
本発明の更なる実施態様は、以下のもの:
(a)式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;及び
(c2)酸の存在で分解し、その結果、水性アルカリ現像液中で組成物の溶解度が高まる少なくとも1つの酸不安定基を有する少なくとも1つのモノマー又はオリゴマー溶解阻害剤、及び少なくとも1つのアルカリ可溶性ポリマー
を含む、化学増幅型ポジ型アルカリ現像可能なフォトレジスト組成物である。
【0149】
本発明の他の特別な実施態様は、
(a)式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物;及び
(c1)酸の存在で分解し、かつ露光箇所でアルカリ現像液中で溶解度を高める酸不安定基を有する少なくとも1つのポリマー;
(c2)酸の存在で分解し、かつ露光箇所でアルカリ溶解性を高める少なくとも1つの酸不安定基を有するモノマー又はオリゴマー溶解阻害剤;及び/又は
(c3)非露光箇所でレジストフィルムがアルカリ現像液中で実質的に不溶性のまま保持される濃度でのアルカリ可溶性モノマー、オリゴマー又はポリマー化合物
を含む、化学増幅型ポジ型アルカリ現像可能なフォトレジスト組成物に属する。
【0150】
従って、本発明は
(a)感光性酸供与体として、上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する少なくとも1つの化合物、又は上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を含んでいる重合可能な基である)と、重合可能な二重結合を有する少なくとも1つの更なるモノマー及び場合により1つの酸不安定基を有するモノマーを重合することにより得られるポリマー;及び
(c1)酸の存在で分解し、水性アルカリ現像液中で溶解度を高める酸不安定基を有する少なくとも1つのポリマー、及び/又は
(c2)酸の存在で分解し、水性アルカリ現像液中で溶解度を高める酸不安定基を有する少なくとも1つのモノマー又はオリゴマー溶解阻害剤;及び/又は
(c3)少なくとも1つのアルカリ溶解性モノマー、オリゴマー又はポリマー化合物
を含む化学増幅型フォトレジスト組成物に属する。
【0151】
該組成物は、更に成分(a)に加えて、他の感光性酸供与体及び/又は(d)他の添加剤を含んでいてもよい。
【0152】
このような化学増幅型ポジ型レジスト系は、例えば、E. Reichmanis, F. M. Houlihan, O. Nalamasu, T. X. Neenan, Chem. Mater. 1991, 3, 394;又はC. G. Willson, "Introduction to Microlithography"、第二版;L. S. Thompson,C. G. Willson, M. J. Bowden, Eds., Amer. Chem. Soc.、ワシントンDC、1994、139頁に記載されている。
【0153】
酸の存在で分解し、芳香族ヒドロキシ基、カルボキシル基、ケト基及びアルデヒド基を生じ、かつ水性アルカリ現像液中で溶解度を高める酸不安定基の適切な例は、例えば、アルコキシアルキルエーテル基、テトラヒドロフラニルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、t−アルキルエステル基、トリチルエーテル基、シリルエーテル基、アルキルカーボネート基(例えばt−ブチルオキシカルボニルオキシ基)、トリチルエステル基、シリルエステル基、アルコキシメチルエステル基、クミルエステル基、アセタール基、ケタール基、テトラヒドロピラニルエステル基、テトラフラニルエステル基、第三級アルキルエーテル基、第三級アルキルエステル基及びそのようなものである。このような基の例には、アルキルエステル基、例えば、メチルエステル及びt−ブチルエステル、アセタールタイプのエステル、例えば、メトキシメチルエステル、エトキシメチルエステル、1−エトキシエチルエステル、1−イソブトキシエチルエステル、1−イソプロポキシエチルエステル、1−エトキシプロピルエステル、1−(2−メトキシエトキシ)エチルエステル、1−(2−アセトキシエトキシ)エチルエステル、1−[2−(1−アダマンチルオキシ)エトキシ]エチルエステル、1−[2−(1−アダマンチルカルチルボニルオキシ)エトキシ]エチルエステル、テトラヒドロ−2−フリルエステル及びテトラヒドロ−2−ピラニルエステル及び環状エステル、例えばイソボルニルエステルも含まれる。
【0154】
酸の作用により分解可能な官能基を有するポリマーは、アルカリ現像溶液中で該ポリマーを含むレジストフィルムの溶解度を高め、本発明によるポジ型レジスト中に挿入することができ、骨格及び/又はその側鎖中に、有利には側鎖中に酸不安定基を有していてもよい。
【0155】
本発明において使用するのが適切である酸不安定基を有するポリマーは、アルカリ可溶性基が部分的に又は完全に各々の酸不安定基に変換されるポリマー類似反応を用いて、又は酸不安定基が既に結合したモノマーの(共)重合により直接得られる。これらは、例えば、EP254853、EP878738、EP877293、JP−A−2−25850、JP−A−3−223860及びJP−A−4−251259に開示されている。
【0156】
既に結合した酸不安定基を有するモノマーは、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIe(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を含んでいる重合可能な基である)の化合物と共重合しポリマー製造のために適切である。酸不安定基の無い他のコモノマーは、更に共重合に使用でき、粘着、機械特性、ドライエッチ安定性及び以下に詳細に記載されているような用途で重要なその他の特性を改善する。酸不安定基ならびに光潜在性酸部分を含む前記ポリマーは、上記のような組成物中の成分(a)+(c)として適切である。既に結合した酸不安定基を有する適切なモノマーの特別な例を以下に記載する。
【0157】
本発明では、ポリマー骨格に連結している酸不安定基を有するポリマーは、有利には、例えば、比較的低い露光後ベーキング温度(通常は室温と110℃の間)で完全に切断されるシリルエーテル、アセタール、ケタール及びアルコキシアルキルエステル基("低活性エネルギーブロッキング基"と称される)を有するポリマーならびに酸の存在で脱ブロック化反応を達成するために、より高い焼き付け温度を必要とする(通常>90℃)t−ブチルエステル基又はt−ブチルオキシカルボニル(TBOC)基又はエステル結合の酸素原子の隣に第二級又は第三級炭素原子を含んでいる他のエステル基("高活性エネルギーブロッキング基"と称される)を有するポリマーである。
【0158】
ハイブリッド系を使用することもでき、その際、1つのポリマー中に高活性エネルギーブロッキング基と低活性エネルギーブロッキング基の両方が存在する。二者択一的に、それぞれ異なるブロッキング基化学(blocking group chemistry)を利用するポリマーのポリマーブレンドを本発明による感光性ポジ型レジスト組成物で使用することができる。
【0159】
酸不安定基を有する有利なポリマーは、以下の独特なモノマータイプを含んでいるポリマー及びコポリマーである:
1)酸の存在で分解し、アルカリ現像液水溶液中で溶解度を高める不安定基を含んでいるモノマー及び
2)酸不安定基不含で、かつアルカリ溶解性及び/又は基材への粘着に寄与する基不含のモノマー;
3)ポリマーの水性アルカリ溶解性に寄与するモノマー。
【0160】
タイプ1)のモノマーの例は以下のものである:
非環式又は環式第二級及び第三級−アルキル(メタ)アクリレート、例えば、ブチルアクリレート(t−ブチルアクリレートを含む)、ブチルメタクリレート(t−ブチルメタクリレートを含む)、3−オキソシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−メチル−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシノルボルニルアルコールアクリレート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−メチルトリシクロドデカンメタノールメタクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシノルボルニルアルコールアクリレート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシメチルトリシクロドデカンメタノールメタクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、o/m/p−(3−オキソシクロヘキシルオキシ)スチレン、o/m/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシ)スチレン、o/m/p−テトラヒドロピラニルオキシスチレン、o/m/p−アダマンチルオキシスチレン、o/m/p−シクロヘキシルオキシスチレン、o/m/p−ノルボルニルオキシスチレン、非環式又は環式アルコキシカルボニルスチレン、例えば、o/m/p−ブトキシカルボニルスチレン(p−t−ブトキシカルボニルスチレンを含む)、o/m/p−(3−オキソシクロヘキシルオキシカルボニル)スチレン、o/m/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル)スチレン、o/m/p−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルスチレン、o/m/p−アダマンチルオキシカルボニルスチレン、o/m/p−シクロヘキシルオキシカルボニルスチレン、o/m/p−ノルボルニルオキシカルボニルスチレン、非環式又は環式アルコキシカルボニルオキシスチレン、例えば、o/m/p−ブトキシカルボニルオキシスチレン(p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレンを含む)、o/m/p−(3−オキシシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)スチレン、o/m/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニルオキシ)スチレン、o/m/p−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシスチレン、o/m/p−アダマンチルオキシカルボニルオキシスチレン、o/m/p−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシスチレン、o/m/p−ノルボルニルオキシカルボニルオキシスチレン、非環式又は環式アルコキシカルボニルアルコキシスチレン、例えば、o/m/p−ブトキシカルボニルメトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルメトキシスチレン、o/m/p−(3−オキソシクロヘキシルオキシカルボニルメトキシ)スチレン、o/m/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニルメトキシ)スチレン、o/m/p−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメトキシスチレン、o/m/p−アダマンチルオキシカルボニルメトキシスチレン、o/m/p−シクロヘキシル−オキシカルボニルメトキシスチレン、o/m/p−ノルボルニルオキシカルボニルメトキシスチレン、トリメチルシロキシスチレン、ジメチル(ブチル)シロキシスチレン、不飽和アルキルアセテート、例えば、イソプロペニルアセテート及びそれらの誘導体。
【0161】
低活性エネルギー酸不安定基を有するタイプ1)のモノマーには、例えば以下のものが含まれる:p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルプロポキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−メトキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−メトキシエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルプロポキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−エトキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−エトキシエトキシ)メチルスチレン、p−(1−エトキシフェニル−エトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルプロポキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−プロポキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−n−ブトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−ブトキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソブトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−t−ブトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−ペントキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソアミルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−ヘキシルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−シクロヘキシルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−ベンジルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−ベンジルオキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)メチルスチレン。
【0162】
アルコキシアルキルエステル酸不安定基を有するその他のポリマーの例は、US5225316及びEP829766に記載されている。アセタールブロッキング基を有するポリマーの例は、US5670299、EP780732、US5627006、US5558976、US5558971、US5468589、EP704762、EP762206、EP342498、EP553737に挙げられていて、かつACS Symp、614シリーズ、Microelectronics Technology、35〜55頁(1995)及び"J. Photopolymer Sci. Technol."第10巻、No.4(1997)、571〜578頁に記載されている。本発明で使用されるポリマーは、これに限定されるわけではない。
【0163】
酸不安定基としてアセタール基を有するポリマーに関して、例えば、H.−T. Schacht,P.Falcigno, N. Muenzel, R. Schulz and A.Medina, ACS Symp.706シリー(Micro−and Nanopatterning Polymers)、78〜94頁、1997;H.−T. Schacht,N.Muenzel,P.Falcigno, H. Holzwarth及びJ. Schneider, J. Photopolymer Science and Technology、第9巻(1996)、573〜586に記載されているような酸不安定性架橋剤を組み込むことができる。この架橋系は、レジストパターンの熱耐性の観点から有利である。
【0164】
高活性エネルギーの酸不安定基を有するモノマーは、例えば、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、t−ブチル−アクリレート、t−ブチル−メタクリレート、2−メチル−2−アダマンチル−メタクリレート、イソボルニル−メタクリレートである。
【0165】
ArFレジストテクノロジーに適切なタイプ1)のモノマーには、例えば特に以下のものが含まれる:2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−n−ブチル−2−アダマンチルアクリレート、2−n−ブチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−(1−アダマンチル)イソプロピルメタクリレート、2−(1−アダマンチル)イソプロピルアクリレート、2−(1−アダマンチル)イソブチルメタクリレート、2−(1−アダマンチル)イソブチルアクリレート、2−(1−アダマンチル)イソヘキシルメタクリレート、2−(1−アダマンチル)イソヘキシルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、1−メチルシクロヘキシルメタクリレート、1−メチルシクロヘキシルアクリレート、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート、1−エチルシクロヘキシルアクリレート、1−(n−プロピル)シクロヘキシルメタクリレート、1−(n−プロピル)シクロヘキシルアクリレート、一価のラクトンメタクリレート(MLMA)、テトラヒドロ−2−メタクリロイルオキシ−2H−ピラン及びテトラヒドロ−2−アクリロイルオキシ−2H−ピラン。
【0166】
酸不安定なアダマンチル部分を含むその他のモノマーは、JP−A−2009−269953、JP−A−2010−008912、JP−A−2010−001461及びWO2008/132966A1に開示されている。
【0167】
酸不安定基を有する特別なオレフィンは、ArFレジストテクノロジーにも適切であり、これは例えば、JP−A−2009−280799、JP−A−2009−301020、JP−A−2010−002599、JP−A−2010−002762、JP−A−2010−013627、JP−A−2010−013627、JP−A−2010−020256に示されている。
【0168】
タイプ2)のコモノマーの例は、次のものである:
芳香族ビニルモノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、α−メチルナフチレン、アセナフチレン、ビニル脂環式化合物、例えば、ビニルノルボルナン、ビニルアダマンタン、ビニルシクロヘキサン、アルキル(メタ)アクリレート、例えば、メチルメタクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサノール、無水イタコン酸ならびに無水マレイン酸。
【0169】
ArFレジストテクノロジーに適切なタイプ2)によるコモノマーは、特に例えば、α−アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロ−ラクトン、α−メタクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ―γ,β―メタクリロイルオキシ―α―メチル−γ―ブチロラクトン、5−アクリロイルオキシ―2,6−ノルボルナンカルボラクトン、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、2−ノルボルネン、メチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、t−ブチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチル5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、1−(1−アダマンチル)−1メチルエチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、1−メチルシクロヘキシル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、2−メチル−2−アダマンチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、2−エチル−2−アダマンチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、2(5H)−フラノン、3−ビニル−γ−ブチロラクトン、3−メタクリロイルオキシビシクロ[4,3,0]ノナン、3−アクリロイルオキシビシクロ[4,3,0]ノナン、1−アダマンチルメタクリレート、1−アダマンチルアクリレート、3−メタクリロイルオキシメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカン、3−アクリロイルオキシメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17,10]ドデカン、2−メタクリロイルオキシ−ノルボルナン、2−アクリロイルオキシノルボルナン、2−メタクリロイルオキシイソボルナン、2−アクリロイルオキシ−イソボルナン、2−メタクリロイルオキシメチルノルボルナン、2−アクリロイルオキシメチルノルボルナンが含まれる。
【0170】
ArFテクノロジーに適切であるラクトン部分を含んでいるその他のモノマーは、例えば、JP−A−2009−221111、JP−A−2010−002910、JP−A−2009−269953、JP−A−2010−008912に開示されている。ArFテクノロジーに適切である他のオレフィンは、例えば、JP−A−2009−235176、JP−A−2010−002593、JP−A−2009−235176、WO2008/035640に公表されている。
【0171】
タイプ3)によるコモノマーの例は以下のものである:
ビニル芳香族化合物、例えば、ヒドロキシスチレン、アクリル酸化合物、例えば、メタクリル酸、エチルカルボニルオキシスチレン及びこれらの誘導体。これらのポリマーは、例えば、US5827634、US5625020、US5492793、US5372912、EP660187、US5679495、EP813113およびEP831369に記載されている。更なる例は、クロトン酸、イソクロトン酸、3−ブテン酸、アクリル酸、4−ペンテン酸、プロピオル酸、2−ブチン酸、マレイン酸、フマル酸、及びアセチレンカルボン酸である。本発明で使用されるポリマーはこれらの限定されるわけではない。
【0172】
ArFテクノロジーに適切であるタイプ3)によるコモノマーには、特に、次のものが含まれる:例えば、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−1−エチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、5−ノルボルネン−2−メタノール、8−ヒドロキシメチル−4−メタクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、8−ヒドロキシメチル−4−アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、4−ヒドロキシメチル−8−メタクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、4−ヒドロキシメチル−8−アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン。
【0173】
ArFレジストテクノロジーに適切である親水性部分を含んでいるその他のモノマーは、例えば、JP−A−2009−269953、JP−A−2010−008912、JP−A−2009−221394、JP−A−2009−237559、JP−A−2009−269845、JP−A−2009−276363、JP−A−2009−276363、JP−A−2009−301017、WO−A−2008−035640に開示されている。ArFポジ型レジストに更に適切なモノマー及びポリマーは、US6746818;US2006/0194982−A、US7569324;US2009/0068591−A;US2008/0182203−A;US2008/0160448−A;US2007/0122750−A;US2008/0085469−A;US2009/0274978−A及びEP1710230に記載されている。
【0174】
ポリマー中の酸不安定性モノマーの含有量は、広範囲にわたり変化してもよく、かつ他の成分の量及び脱保護されたポリマーのアルカリ溶解性による。通常は、ポリマー中の、酸不安定基を有するモノマーの含有量は、5〜60mol%の間である。この含有量が小さすぎる場合には、低すぎる現像速度及び露光箇所でのレジストの残留物が生じる。酸不安定性モノマーの含有量が高すぎる場合には、現像後にレジストパターンは劣悪にしか規定(浸食)されず、かつ狭い特徴をそれ以上解像できず及び/又は現像の間にレジストは基材へのその接着性を失う。
【0175】
有利には、酸不安定基を有するコポリマーは、約3又は3未満の分子量分布で、より有利には約2又は2未満の分子量分布で、約3000〜約200000、より有利には約5000〜約50000のMwを有する。非フェノール性ポリマー、例えば、アルキルアクリレートのコポリマー、例えば、t−ブチルアクリレート又はt−ブチルメタクリレート及びビニル脂環式化合物、例えば、ビニルノルボナニル又はビニルシクロヘキサノール化合物もこのようなフリーラジカル重合又は他の公知の方法により製造してもよく、かつ適切には約8000〜約50000のMw及び約3又は3未満の分子量分布を有するであろう。ポリマー及びそのような物のガラス転移温度を制御するため、その他のコモノマーを適量で加えてもよい。
【0176】
本発明では、酸不安定基を有する2つ以上の混合物を使用してもよい。例えば、極めて容易に切断される酸不安定基、例えば、アセタール基又はテトラヒドロピラニルオキシ基を有するポリマーと、あまり容易に切断されない酸切断基、例えば、第三級アルキルエステル基を有するポリマーの混合物を使用してもよい。また、種々の大きさの酸切断基は、種々の酸切断基を有する2つ以上のポリマー、例えばt−ブチルエステル基と2−メチル−アダマンチル基、又は1−エトキシ−エトキシ基とテトラヒドロピラニルオキシ基の配合により組み合わせることもできる。非架橋樹脂と架橋樹脂の混合物を使用してもよい。これらのポリマーの量は本発明では、全固形成分の全体量に対して有利には30〜99質量%、より有利には50〜98質量%である。酸不安定基を有するアルカリ可溶性樹脂又はモノマーもしくはオリゴマー化合物を更に組成物に組み込み、アルカリ溶解性を制御してもよい。
【0177】
種々の酸不安定基を有するポリマーとのポリマーブレンドの例は、EP780732、EP679951およびUS5817444に挙げられている。
【0178】
有利には、モノマー及びオリゴマー溶解阻害剤(c2)が本発明で使用される。本発明で使用するための酸不安定基を有するモノマー又はオリゴマー溶解阻害剤は、分子構造中に少なくとも1つの酸不安定基を有する化合物であり、これは酸の存在で分解し、水性アルカリ現像液中の溶解度を高める。例としては、アルコキシメチルエーテル基、テトラヒドロフラニルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、アルコキシエチルエーテル基、第三級エーテル基、シリルエーテル基、アルキルカーボネート基、トリチルエステル基、シリルエステル基、アルコキシメチルエステル基、ビニルカルバメート基、第三級アルキルカルバメート基、第三級アミノ基、クミルエステル基、アセタール基、ケタール基、テトラヒドロピラニルエステル基、テトラフラニルエステル基、第三級アルキルエーテル基、第三級アルキルエステル基及びそのようなものである。本発明で使用するための、酸分解可能な溶解阻害化合物の分子量は、3000又はそれ未満、有利には100〜3000、より有利には200〜2500である。
【0179】
酸不安定基を有するモノマー及びオリゴマー溶解阻害剤の例は、EP0831369の式(I)〜(XVI)として記載されている。酸不安定基を有する他の適切な溶解阻害剤は、US5356752、US5037721、US5015554、JP−A−05−045869、JP−A−05−158233、JP−A−06−080913、JP−A−05−257275、JP−A−05−297583、JP−A−05−303197、JP−A−05−303200、JP−A−05−341510、JP−A−06−080913、JP−A−05−297581、JP−A−05−297583、JP−A−05−303197、JP−A−05−303200及びJP−A−05−341510に示されている。
【0180】
該組成物は、ポリマー溶解阻害剤、例えばUS5354643に記載されているようなポリアセタール、又は例えばUS5498506に記載されているようなポリ−N,O−アセタールを、アルカリ可溶性ポリマーとの組み合わせか又は露光後に現像液中でレジストフィルムの溶解度を高める酸不安定基を含んでいるポリマーとの組み合わせのいずれか、又は両方の種類のポリマーとの組み合わせた形で含有することができる。
【0181】
本発明において酸不安定基を有する溶解阻害剤が、式I又はIIの酸を生成する化合物、アルカリ可溶性ポリマー及び/又は酸不安定基を有するポリマーと組み合わせて使用される場合には、この溶解阻害剤の量は、感光性組成物の全固形成分の全量に対して3〜55質量%、有利には5〜45質量%、最も有利には10〜35質量%である。
【0182】
アルカリ水溶液中に可溶性であるポリマー(c3)を本発明で使用できる。これらのポリマーの例には、ノボラック樹脂、水素化ノボラック樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、ハロゲン−又はアルキル−置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、ヒドロキシスチレン/N−置換マレイミドコポリマー、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレンコポリマー、部分o−アルキル化ポリ(ヒドロキシスチレン)、[例えば、o−メチル化、o−(1−メトキシ)エチル化、o−(1−エトキシ)エチル化、o−2−テトラヒドロピラニル化、及びo−(t−ブトキシカルボニル)メチル化ポリ(ヒドロキシスチレン)(5〜30mol%のヒドロキシル基の置換率を有する)]、o−アシル化ポリ(ヒドロキシスチレン)[例えば、5〜30mol%のヒドロキシル基の置換率を有するo−アセチル化及びo−(t−ブトキシ)カルボニル化ポリ(ヒドロキシスチレン)]、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、スチレン/ヒドロキシスチレンコポリマー、α−メチルスチレン/ヒドロキシスチレンコポリマー、カルボキシル化メタクリル樹脂ならびにそれらの誘導体がある。
【0183】
更に適切であるのは、ポリ(メタ)アクリル酸[例えば、ポリ(アクリル酸)]、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートコポリマー[例えば、アクリル酸/メチルアクリレートコポリマー、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー又はメタクリル酸/メチルメタクリレート/t−ブチルメタクリレートコポリマー]、(メタ)アクリル酸/アルケンコポリマー[例えば、アクリル酸/エチレンコポリマー]、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリルアミドコポリマー[例えば、アクリル酸/アクリルアミドコポリマー]、(メタ)アクリル酸/塩化ビニルコポリマー[例えば、アクリル酸/塩化ビニルコポリマー]、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニルコポリマー[例えば、アクリル酸/酢酸ビニルコポリマー]、マレイン酸/ビニルエーテルコポリマー[例えば、マレイン酸/メチルビニルエーテルコポリマー]、マレイン酸モノエステル/メチルビニルエステルコポリマー[例えば、マレイン酸モノメチルエステル/メチルビニルエーテルコポリマー]、マレイン酸/(メタ)アクリル酸コポリマー[例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー又はマレイン酸/メタクリル酸コポリマー]、マレイン酸/(メタ)アクリレートコポリマー[例えば、マレイン酸/メチルアクリレートコポリマー]、マレイン酸/塩化ビニルコポリマー、マレイン酸/酢酸ビニルコポリマー及びマレイン酸/アルケンコポリマー[例えば、マレイン酸/エチレンコポリマー及びマレイン酸/1−クロロプロペンコポリマー]が挙げられる。しかし、本発明において使用するためのアルカリ可溶性ポリマーは、これらの例に限定されるものと解釈されるべきではない。有利なアルカリ可溶性ポリマー(c3)は、ノボラック樹脂、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、それぞれのヒドロキシスチレンモノマーと、例えば、p−ビニルシクロヘキサノールとのコポリマー、アルキル置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、部分的にo−又はm−アルキル化された及びo−又はm−アシル化されたポリ(ヒドロキシスチレン)、スチレン/ヒドロキシスチレンコポリマー及びα−メチルスチレン/ヒドロキシスチレンコポリマーである。ノボラック樹脂は、主成分としての1つもしくは複数の所定のモノマーと、1つもしくは複数のアルデヒドを酸触媒の存在に付加縮合することによって得られる。
【0184】
アルカリ可溶性樹脂の製造において有用なモノマーには、ヒドロキシル化芳香族化合物、例えば、フェノール、クレゾール、すなわち、m−クレゾール、p−クレゾール及びo−クレゾール、キシレノール、例えば、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール及び2,3−キシレノール、アルコキシフェノール、例えば、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、m−メトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−ブトキシフェノール及びp−ブトキシフェノール、ジアルキルフェノール、例えば、2−メチル−4−イソプロピルフェノール及び他のヒドロキシル化芳香族(m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール及びナフトールを含む)が含まれる。これらの化合物は、単独で又はそれらの2つ以上の混合物として使用してもよい。ノボラック樹脂の主要モノマーは、上記の例に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0185】
フェノール性化合物と重縮合してノボラックを得るアルデヒドの例には、ホルムアルデヒド、p−ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピオンアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール、クロロアセトアルデヒド及びこれらから誘導されるアセタール、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタールが含まれる。これらのうち有利であるのはホルムアルデヒドである。
【0186】
これらのアルデヒドは単独で又はそれらの2つ以上の組み合わせで使用してもよい。酸触媒の例には、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸及びシュウ酸が含まれる。
【0187】
このようにして得られるノボラック樹脂の重量平均分子量は、適切には1000〜30000である。重量平均分子量が1000より小さい場合には、現像の際に非露光部分のフィルムの減少が大きくなりやすい。重量平均分子量が50000を超える場合には、現像速度が遅くなりすぎる。ノボラック樹脂の特に有利な分子量範囲は、2000〜20000である。
【0188】
ノボラック樹脂以外のアルカリ可溶性ポリマーとして、先に示したポリ(ヒドロキシスチレン)及びそれらの誘導体とコポリマーは、それぞれ2000以上、有利には4000〜200000、より有利には5000〜50000の重量平均分子量を有する。改善された耐熱性を有するポリマーフィルムを得るという観点から、それらの重量平均分子量は望ましくは少なくとも5000以上である。
【0189】
本発明のコンテキストにおける重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン標準を用いて検量した分子量を意味する。
【0190】
本発明において、アルカリ可溶性ポリマーは、それらの2つ以上の混合物として使用してもよい。アルカリ可溶性ポリマー及び酸の作用によって分解して水性アルカリ現像液中の溶解度を高める基を有するポリマーの混合物が使用される場合には、アルカリ可溶性ポリマーの添加量は、感光性組成物の全体量(溶剤を除く)に対して、有利には80質量%まで、より有利には60質量%まで、最も有利には40質量までである。80質量%を超える量は望ましくない。なぜならばレジストパターンに著しい厚みの減少が起こり、その結果、劣悪な画質ならびに低い解像度を生じるからである。酸の作用により分解し、アルカリ現像液中の溶解度を高める基を有するポリマーを用いずに、アルカリ可溶性ポリマーを溶解阻害剤と一緒に使用する場合には、アルカリ可溶性ポリマーの量は、有利には40〜90質量%、より有利には50〜85質量%、最も有利には60〜80質量%である。その量が40質量%よりも少ない量である場合には、低下した感受性がなどの望ましくない結果が生じる。一方、90質量%を超える場合には、レジストパターンはフィルム厚が相当に減少し、その結果、劣悪な解像度及び画像の再生が起こる。
【0191】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物を含む)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーの化学増幅系(ポリマーからの保護基の脱離の原則に基づいて操作される)における使用は、一般にポジ型レジストを生成する。ポジ型レジストは、それらのより高い解像度ゆえにネガ型レジストに対して多くの用途で有利である。しかし、ポジ型レジストの高解像度の利点とネガ型レジストの特性を組合せるために、ポジ型レジストのメカニズムを利用したネガ型画像の作成にも関心がある。これは、例えば、EP361906に記載されているようにいわゆる画像反転工程を導入することにより達成できる。このために、画像通りに照射したレジスト材料は、現像工程の前に例えば、気体状塩基を用いて処理され、それにより生成した酸が画像通りに中和される。続いて、全領域にわたり2回目の照射を行い、熱後処理を行い、かつ次にネガ型画像が従来の方法で現像される。
【0192】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、ArFレジストテクノロジー(すなわち、画像工程にArFイクシマーレーザー(193nm)を使用するテクノロジー)における光潜在性酸として特に適切である。このテクノロジーは、特定のポリマー/コポリマーの使用を必要とする。適切なポリマー/コポリマーの適切な調製物及び製造法は、例えば以下:SPIE会議録2438、474(1995);SPIE会議録3049、44(1997);SPIE会議録3333、144(1998);J. Photopolym. Sci. Technol. 14, 631(2001);SPIE会議録3333、546(1998);J. Photopolym. Sci. Technol. 13, 601(2000);JP2001−242627A;JP2001−290274A;JP2001−235863A;JP2001−228612A;SPIE会議録3333、144(1998);JP2001−5184A、三菱レーヨン社からLithomaxα−7Kとして市販されている;JP2001−272783A;US09/413763(1999.10.7提出);EP1091249;JP2000−292917A;JP2003−241385A;J. Photopolym. Sci. Technol. 14, 631(2001);SPIE会議録3333、11(1998);ACS 1998(テキサス大学);JP2001−290274A;JP2001−235863A;JP2001−228612A;SPIE会議録3333、13(2000);JP2001−296663A;US09/567814(2000.5.9提出);EP1128213;SPIE会議録3049、104(1997);J. Photopolym. Sci. Technol. 10, 521(1997);JP2001−290274A;JP2001−235863A;JP2001−228612A;SPIE会議録4345、680(2001);J. Vac. Sci. Technol. B 16(6)、p.3716, 1998;SPIE会議録2724、356(1996);SPIE会議録4345、67(2001);SPIE会議録3049、546(1998);SPIE会議録4345、87(2001);SPIE会議録4345、159(2001);SPIE会議録3049、92(1997);SPIE会議録3049、92(1997);SPIE会議録3049、92(1997);SPIE会議録3999、2(2000);SPIE会議録3999、23(2000);SPIE会議録3999、54(2000);SPIE会議録4345、119(2001)に公表されている。
【0193】
上記文献で開示されている調製物を参照して本明細書内に取り入れることとする。本発明の化合物は、全てのポリマー/コポリマー及びこれらの出版物で記載された組成物において光潜在性酸として使用するのが特に適切であることが理解される。
【0194】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、二層レジストにおいて光潜在性酸として適切である。このテクノロジーは、特定のポリマー/コポリマーの使用を必要とする。適切なポリマー/コポリマーの調製物及び製造法は、例えば、SPIE会議録4345、361-370(2001)、SPIE会議録4345、406-416(2001)、JP−A−2002−278073、JP−A−2002−30116、JP−A−2002−30118、JP−A−2002−72477、JP−A−2002−348332、JP−A−2003−207896、JP−A−2002−82437、US2003/65101、US2003/64321に公表されている。
【0195】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、多層レジストにおいて光潜在性酸として適切である。このテクノロジーは、特定のポリマー/コポリマーの使用を必要とする。適切なポリマー/コポリマーの調製物及び製造法は、例えば、JP−A−2003−177540、JP−A−2003−280207、JP−A−2003−149822、JP−A−2003−177544に公表されている。
【0196】
微細なホールパターンを作成するために、熱流プロセス又は化学収縮テクノロジー、いわゆるRELACS(resolution enhancement lithography assisted by chemical shrink)プロセスが化学増幅型レジストに適用される。本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、熱流プロセス又はRELACSプロセス用のレジストにおいて光潜在性酸として適切である。これらのテクノロジーは、特定のポリマー/コポリマーの使用を必要とする。適切なポリマー/コポリマーの調製物及び製造法は、例えば、JP−A−2003−167357、JP−A−2001−337457、JP−A−2003−66626、US2001/53496、SPIE会議録5039、789(2003)、IEDM98、Dig.,333(1998)、Proceedings Silicon Technology 11,12(1999)に公表されている。
【0197】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、EUVレジスト、すなわち画像工程に極紫外線(13nm)の光源を用いるテクノロジーにおいて光潜在性酸として適切である。このテクノロジーは、特定のポリマー/コポリマーを必要とする。適切なポリマー/コポリマーの調製物及び製造法は、JP−A−2009221194、JP−A−2009221195、JP−A−2010002593に公表されている。
【0198】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、EB(電子ビーム)又はX−線レジスト、すなわち画像工程にEB又はX線を用いるテクノロジーにおいて光潜在性酸として適切である。これらのテクノロジーは、特定のポリマー/コポリマーを必要とする。適切なポリマー/コポリマーの調製物及び製造法は、例えば、JP−A−2002−99088、JP−A−2002−99089、JP−A−2002−99090、JP−A−2002−244297、JP−A−2003−5355、JP−A−2003−5356、JP−A−2003−162051、JP−A−2002−278068、JP−A−2002−333713、JP−A−2002−31892に公表されている。
【0199】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、液浸露光用の化学増幅型レジストにおいて光潜在性酸として適切である。このテクノロジーは、レンズとレジストの間で液体媒体を用いてレジストパターンの最小の特徴サイズを減少させる。このことは、Y. Wei及び SPIE(2008)により公表されているL. BrainardによるAdvanced Process for 193-nm Immersion Lithography" 、SPIE会議録5040, 667(2003)、SPIE会議録5040, 679(2003)、SPIE会議録5040, 690(2003)、SPIE会議録5040, 724(2003)に記載されている。
【0200】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIVeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、いわゆるダブルパターニング技法を用いる液浸露光用の化学増幅型レジストにおいて光潜在性酸として適切である。これらのテクノロジーは、露光プロセスを2回用いて最小の特徴濃度を達成するために適切であり、このことは、SPIE(2008)により公表されているY. Wei及び L. Brainardによる"Advanced Process for 193-nm Immersion Lithography"の9章 、SPIE会議録、Vol.6349、22(2006)、JP−A−2009−223294、JP−A−2009−251216、JP−A−2009−300978、JP−A−2009−301007、JP−A−2010−014886、JP−A−2010−020109に記載されている。
【0201】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物)ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、ポジ型及びネガ型感光性ポリイミドにおいて光潜在性酸として適切である。このテクノロジーは特定のポリマー/コポリマーの使用を必要とする。適切な調製物及び製造法は、例えば、JP−A−2002−356555、JP−A−2002−356554、JP−A−2002−303977、JP−A−2002−284875、JP−A−2002−268221、JP−A−2002−162743、JP−A−2002−122993、JP−A−2002−99084、JP−A−2002−40658、JP−A−2002−37885、JP−A−2003−26919に公表されている。
【0202】
上記刊行物中に開示された調製物を参照して本明細書に取り入れることにする。本発明の化合物は、これらに挙げられた刊行物のポリマー/コポリマー及び組成物において、光潜在性酸として使用するために特に適切であることが理解される。
【0203】
ネガ型レジストを特徴的に生じる酸感受性成分(b)は、酸(例えば、式Iの化合物の照射の間に形成される酸)によりそれら自身及び/又は組成物の1つもしくは複数の更なる成分とのカチオン接触重合又は酸接触重合又は架橋を行うことができる化合物である。これらの例には、環状エーテル、特にエポキシド及びオキセタン及びビニルエーテル及びヒドロキシ含有化合物が含まれる。ラクトン化合物及び環状チオエーテルならびにビニルチオエーテルを使用することもできる。更なる例には、アミノプラスチック又はフェノールレゾール樹脂が含まれる。これらは特にメラミン樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアルキド樹脂である。酸硬化性樹脂は一般に公知であり、かつ例えば、Wagner, Sarx/Lackkunstharze(Munich, 1971)86〜123頁及び229〜238頁、又はUllmann’s Encyclopaedia der techn.、Chemie、第4版、15巻(1978)、613〜628頁、又はUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Verlag Chemie、1991年、18巻、360頁以降、A19巻、371頁以降に記載されている。
【0204】
例えば、通常の全てのエポキシド、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂を使用することができる。これらは、分子内に少なくとも1個、有利には少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物である。これらの例は、脂肪族又は脂環式ジオール又はポリオールのグリシジルエーテル及びβ−メチルグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−じオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン又は1,4−ジメチルロールシクロヘキサンの、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリンのジ−フェノール及びポリ−フェノールのグリシジルエーテル、例えばレゾルシノールの、又は4,4’−ジヒドロキシフェニル−2,2−プロパンの、ノボラックの又は1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのグリシジルエーテル及びβ−メチルグリシジルエーテルである。これらの例には、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルグリシジルエーテル、o−クレシルグリシジルエーテル、ポリテトラヒドロフラングリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、C1215−アルキルグリシジルエーテル及びシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルが含まれる。更なる例には、N−グリシジル化合物、例えば、エチレンウレア、1,3−プロピレンウレア又は5−ジメチルヒドラトインの、又は4,4’−メチレン−5,5’−テトラメチルジヒダントインのグリシジル化合物、又はトリグリシジルイソシアヌレートのような化合物が含まれる。
【0205】
本発明による調製物で使用されるグリシジルエーテル化合物の更なる例は、例えば、多価フェノールと、エピクロロヒドリン(例えば、2,2−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェノール)−プロパン)のような過剰のクロロヒドリンの反応によって得られる多価フェノールのグリシジルエーテルである。本発明に関連して使用できるグリシジルエーテルエポキシドの更なる例は、例えば、US3018262及びLee and Nevilleによる"エポキシ樹脂のハンドブック"、McGraw-Hill Book Co., New York(1967)に記載されている。成分(b)として適切である市販されている多数のグリシジルエーテルエポキシドも存在し、これらは例えば、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、例えばEPON828、EPON825、EPON1004及びEPON1010の商標名で入手可能なもの(シェル社);DER−331、DER−332及びDER−334(ダウケミカル社);フェノールホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、例えば、DEN−431、DEN−438(ダウケミカル社);及びレゾルシノールジグリシジルエーテル;アルキルグリシジルエーテル、例えば、C8〜C10−グリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier7、C12〜C14−グリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier8、ブチルグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier61、クレシルグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier62、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier65、多官能性グリシジルエーテル、例えば、1,4−ブタンジオールのグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier67、ネオペンチルグリコールのグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier68、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier107、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier44、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier48、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、例えば、HELOXY Modifier84(HELOXYグリシジルエーテルは全てシェル社から入手可能である)である。
【0206】
また適切なものは、例えば、スチレン−メタクリル酸グリシジル又はメタクリル酸メチル−アクリル酸グリシジルのようなアクリル酸エステルのコポリマーを含むグリシジルエーテルである。その例には、1:1スチレン/グリシジルメタクリレート、1:1メチルメタクリレート/グリシジルアクリレート、62.5:24:13.5メチルメタクリレート/エチルアクリレート/グリシジルメタクリレートが含まれる。グリシジルエーテル化合物のポリマーは、例えばカチオン硬化を損なわないのであれば、他の官能基を含むこともできる。
【0207】
市販されているその他の適切なグリシジルエーテル化合物は、多官能性液体及び固体ノボラックグリシジルエーテル樹脂であり、例えばPY307、EPN1179、EPN1180、EPN1182およびECN9699である。
【0208】
種々のジグリシジルエーテル化合物の混合物を成分(b)として使用することも理解されるであろう。
【0209】
グリシジルエーテル(a5)は、例えば式XX:
【化73】
[式中、
xは、1〜6の数字であり;かつ
50は、一価から六価までのアルキル又はアリール基である]
の化合物である。
【0210】
有利には、例えば、式XXのグリシジルエーテル化合物が挙げられ、その際、Xは1、2又は3の数であり、かつx=1の場合にはR50は非置換であるか又はC1〜C12−アルキル置換されたフェニル、ナフチル、アントラシル、ビフェニリル、C1〜C20−アルキル又は1つもしくは複数の酸素原子により中断されているC2〜C20−アルキルであるか、又はx=2の場合にはR50は1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、C6〜C10−シクロアルキレン、非置換又はハロ置換されたC1〜C40−アルキレン、1つもしくは複数の酸素により中断されているC2〜C40−シクロアルキレン、又は基
【化74】
であるか、又はx=3の場合には、R50は基
【化75】
であり、zは1〜10の数であり、かつR60はC1〜C20−アルキレン、酸素又は
【化76】
である式XXのグリシジルエーテル化合物が挙げられる。
【0211】
グリシジルエーテル(a5)は、例えば、式
【化77】
[式中、R70は、非置換又はC1〜C12−アルキル置換されたフェニル、ナフチル、アントラシル、ビフェニリル、C1〜C20−アルキル、1つもしくは複数の酸素により中断されているC2〜C20−アルキル、又は式
【化78】
の基であり、R50は、フェニレン、C1〜C20−アルキレン、1つもしくは複数の酸素により中断されているC2〜C20−アルキレンであるか、又は基
【化79】
であり、かつ
60はC1〜C20−アルキレン又は酸素である]
の化合物である。
【0212】
有利には、式XXb
【化80】
[式中、
50はフェニレン、C1〜C20−アルキレン、1つもしくは複数の酸素により中断されているC2〜C20−アルキレンであるか、又は基
【化81】
であり、かつ
60はC1〜C20−アルキレン又は酸素である]
のグリシジルエーテル化合物が挙げられる。
【0213】
更なる例は、アルカリ条件下に1分子当たり少なくとも2つの遊離アルコール性及び/又はフェノール性ヒドロキシ基を含有する化合物と、適切なエピクロロヒドリンの反応によって、又は二者択一的に酸触媒の存在での反応ならびに引き続きアルカリ処理によって得られるポリグリシジルエーテル及びポリ(β−メチルグリシジル)エーテルである。種々のポリオールの混合物を使用することもできる。
【0214】
このようなエーテルは、非環式アルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び高級ポリ(オキシエチレン)グリコール、プロパン−1,2−ジオール及びポリ(オキシプロピレン)グリコール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロール−プロパン、ペンタエリトリトール及びソルビトールから、脂環式アルコール、例えば、レゾルシトール、キニトール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン及び1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ−3−エンから、及び芳香族核を有するアルコール、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン及びp,p′−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ジフェニルメタンから、ポリ(エピクロロヒドリン)を用いて製造することができる。 また、これらは単核フェノール、例えば、レゾルシノール及びヒドロキノン、及び多核フェノール、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)及び2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンから製造することができる。
【0215】
ポリグリシジルエーテル及びポリ(β−メチルグリシジル)エーテルの製造に適切な更なるヒドロキシ化合物は、アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロラール及びフルフラールと、フェノール類、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−ジメチルフェノール、4−クロロフェノール及び4−t−ブチルフェノールとの縮合により得られるノボラックである。
【0216】
ポリ(N−グリシジル)化合物は、例えば、エピクロロヒドリンと少なくとも2個のアミノ水素原子を含有するアミンとの反応生成物、例えば、アニリン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ビス(4−メチルアミノフェニル)メタン及びビス(4−アミノフェニル)エーテル、スルホン及びスルホキシドの脱塩化水素化により得ることができる。更なる適切なポリ(N−グリシジル)化合物には、トリグリシジルイソシアヌレート及び環状アルキレン尿素、例えば、エチレン尿素及び1,3−プロピレン尿素のN,N−グリシジル誘導体、及びヒダントイン、例えば5,5−ジメチルヒダントインが含まれる。
【0217】
ポリ(S−グリシジル)化合物も適切である。その例には、ジチオールのジ−S−グリシジル誘導体、例えば、エタン−1,2−ジチオール及びビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテルが含まれる。
【0218】
グリシジル基又はβ−メチルグリシジル基が異なる種類のヘテロ原子に結合しているエポキシ樹脂も成分(b)として考慮され、例えば、4−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、サリチル酸又はp−ヒドロキシ安息香酸のグリシジルエーテル/グリシジルエステル、N−グリシジル−N’−(2−グリシジルオキシプロピル)−5,5−ジメチル−ヒダントイン及び2−グリシジルオキシ−1,3−ビス(5,5−ジメチル−1−グリシジルヒダントイン−3−イル)プロパンである。有利にはビスフェノールのジグリシジルエーテルが挙げられる。その例にはビスフェノールAのジグリシジルエーテル、例えばARALDITGY250、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル及びビスフェノールSのジグリシジルエーテルが含まれる。特に好ましいものには、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0219】
工業的に重要な更なるグリシジル化合物は、カルボン酸、特にジ−及びポリ−カルボン酸のグリシジルエステルである。それらの例は、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、テトラ−及びヘキサ−ヒドロフタル酸、イソフタル酸又はトリメリト酸の、又は二量体化脂肪酸のグリシジルエステルである。
【0220】
グリシジル化合物ではないポリエポキシドの例は、ビニルシクロヘキサン及びジシクロペンタジエンのエポキシド、3−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)−8,9−エポキシ−2,4−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸の3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチルエステル、(3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ブタジエンジエポキシド又はイソプレンジエポキシド、エポキシド化リノール酸誘導体又はエポキシド化ポリブタジエンである。
【0221】
更なる適切なエポキシ化合物は、例えば、一酸化リモネン、エポキシド化ダイズ油、ビスフェノールA及びビスフェノールFエポキシ樹脂、例えば、Araldit(登録商標)GY 250 (A)、ARALDIT(登録商標)GY 282 (F)、ARADILT(登録商標)GY 285 (F)、並びにエポキシ基を有する光硬化性シロキサンである。
【0222】
更なる適切なカチオン重合可能な又は架橋可能な成分(b)は、例えば、US3117099、US4299938及びUS4339567に見出すことができる。
【0223】
脂肪族エポキシドのグループのうち、10、12、14又は16個の炭素原子から成る非分枝鎖を有する単官能性シンボルα−オレフィンエポキシドが特に適している。
【0224】
現在では多くの様々なエポキシ化合物が市販されているので、結合剤の特性を極めて広範囲に変えることができる。例えば組成物の意図される使用に応じた可能性としてあり得る1つのバリエーションは、種々のエポキシ化合物の混合物の使用及び柔軟剤及び反応性希釈剤の添加である。
【0225】
例えば、塗布が噴霧より実施される場合、エポキシ樹脂を溶剤で希釈して塗布を促進することができるが、エポキシ化合物は有利には溶剤のない状態で使用される。室温で粘性から固体である樹脂は高温で塗布することができる。
【0226】
式I又はIIの酸を生成する化合物を酸発生剤として使用することもでき、これは例えば、ネガ型レジスト系においてポリ(グリシジル)メタクリレートを酸接触架橋させるために光化学的に活性化することができる。このような架橋反応は、例えば、Chae et al.によりPollimo 1993, 17(3), 292に記載されている。
【0227】
また成分(b)として適切なものは、全ての慣用のビニルエーテル、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式のビニルエーテルであり、またケイ素含有ビニルエーテルである。これらは少なくとも1つ、有利には少なくとも2つのビニルエーテル基を分子中に有する化合物である。本発明による組成物における使用に適しているビニルエーテルの例には、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、プロピレンカーボネートのプロペニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、テトラ−エチレングリコールジビニルエーテル、プルリオール−E200−ジビニルエーテル、ポリテトラヒドロフランジビニルエーテル−290、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、(4−シクロヘキシル−メチレンオキシエテン)−グルタル酸メチルエステル及び(4−ブトキシエテン)−イソフタル酸エステルが含まれる。
【0228】
ヒドロキシ含有化合物の例には、例えばポリカプロラクトン又はポリエステルアジペートポリオール、グリコール及びポリエーテルポリオールのようなポリエステルポリオール、ヒマシ油、ヒドロキシ官能性ビニル及びアクリル樹脂、セルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル及びフェノキシ樹脂が含まれる。
【0229】
更なるカチオン硬化可能な調製物を例えば、EP119425において見出すことができる。成分(b)として、有利には脂環式エポキシド又はビスフェノールAをベースとするエポキシドが挙げられる。
【0230】
式I又はIIの酸を生成する化合物[式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]を例えば、シロキサン基含有樹脂用の光活性可能な硬化剤として使用できる。それらの樹脂は、例えば、酸接触加水分解を用いて自己縮合を行うか、又は二番目の樹脂成分、例えば、多官能価アルコール、ヒドロキシル基含有アクリル樹脂又はポリエステル樹脂、部分加水分解されたポリビニルアセタール又はポリビニルアルコールと架橋することができる。ポリシロキサンの重縮合のタイプは、例えば、J.J.Lebrun, H. Pode, Comprehensive Polymer Science、第5版、593頁(ペルガモン出版社、オックスフォード、1989)に記載されている。
【0231】
特に有利な酸硬化性樹脂(b)としては、アミノ樹脂、例えば非エーテル化又はエーテル化メラミン、ウレア、グアニジン又はビウレット樹脂、特にメチル化メラミン樹脂又はブチル化メラミン樹脂、相応のグリコールウリル及びウロンである。これに関連して、"樹脂"とは、通常の工業用混合物(通常はオリゴマーも含む)及び純粋な及び高純度の化合物の両方を意味すると解釈される。N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン及びテトラメトキシメチルグリコリル及びN,N’−ジメトキシ−メチルウロンは酸硬化性樹脂であり、最も有利な優先度を生じる。
【0232】
架橋成分は一般にネガ型レジスト組成物の全固形分に対して2〜40質量%、有利には5〜30質量%の濃度で存在するべきである。ネガ型レジスト中の式I又はIIの酸を生成する化合物の濃度は、該組成物の全固形分に対して一般に0.1〜30質量%、有利には20質量%までである。1〜15質量%が特に有利である。
【0233】
本発明による組成物にバインダーを添加してもよい。これは光重合可能な化合物が液体又は粘性物質である場合には特に有利である。バインダーの量は、全固形分に対して例えば5〜95質量%、有利には10〜90質量%、及び特に40〜90質量%である。バインダーは、使用する分野によってならびにそのために必要な特性、例えば、水性及有機溶剤系での現像性、基材への粘着及び酸素に対する感受性に応じて選択される。適切なバインダーは、例えば、約2000〜2000000、有利には5000〜1000000の分子量を有するポリマーである。その例は、次のものである:アクリレートとメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、例えば、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(メタアクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル);フェノール樹脂、セルロース誘導体、例えば、セルロースエステル及びエーテル、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリオレフィン、環化ゴム、ポリエーテル、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリル、メチルメタクリレートと酢酸ビニルのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリマー、例えば、ポリカプロラクタム及びポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリエステル、例えば、ポリ(エチレングリコールテレフタレート)及びポリ(ヘキサメチレングリコールスクシネート);及びポリアミド。
【0234】
適切な場合には、ネガ型組成物はフィルム形成ポリマーバインダーを含んでいてもよい。このバインダーは、有利にはアルカリ可溶性フェノール樹脂である。このために特に適切であるのは、例えばアルデヒド(例えば、アセトアルデヒド又はフルフラールアルデヒド、特にホルムアルデヒド)から、及びフェノール、例えば、非置換フェノール、一置換もしくは二塩基置換フェノール(例えば、p−クロロフェノール)、C1〜C9−アルキルによって一置換又は二置換されたフェノール(例えば、o−、m−もしくはp−クレゾール、種々のキシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノール)、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるノボラックである。また適切であるのは、エチレン性不飽和フェノールをベースにしたホモポリマー及びコポリマー、例えばビニル−及び1−プロペニル置換フェノール(例えば、p−ビニルフェノール又はp−(1−プロペニル)フェノール)のホモポリマー、又はこれらのフェノールと1つもしくは複数のエチレン性不飽和材料(例えば、スチレン)とのコポリマーである。バインダーの量は、通常は30〜95質量%、又は有利には40〜80質量%であるべきである。
【0235】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIe(式中、C2〜C10−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]を使用するネガ型レジスト用の適切なポリマー/コポリマーの適切な調製物ならびに製造法は、例えば、JP−A−2010−015089、JP−A−2003−43688、JP−A−2003−114531、JP−A−2003−233185、JP−A−2003−186195、US6576394で公表されている。
【0236】
溶剤で現像可能な化学増幅型ネガ型フォトレジストは、酸により触媒される場合に、それ自体と及び/又は調製物中の他の成分と架橋反応又は重合を行う特定の成分の使用を必要とする。適切な調製物は、例えば、US4882245、US5026624、US6391523で公表されている。
【0237】
酸で触媒される場合に、それ自体と及び/又は他の成分と架橋反応又は重合を行う適切な成分(b)は、例えばエポキシド化ビスフェノールAホルムアルデヒドノボラック樹脂及びエポキシド化テトラブロモビスフェノールAホルムアルデヒドノボラック樹脂である。有利なエポキシ樹脂は、平均で8個のエポキシ基を有し、ビスフェノールAとホルムアルデヒドのノボラック縮合生成物のグリシジルエーテルから成る(約1400g/molの平均分子量、約215g/molのエポキシ当量を有する)。このような樹脂は、例えばシェルケミカル社からEPON(登録商標)Resin SU−8の商品名で市販されている。
【0238】
様々な種類のポリマーを、溶剤で現像可能な化学増幅型ネガ型フォトレジストにおいてバインダー樹脂として使用できる。適切な例には、エピクロロヒドリンとビスフェノールAの縮合生成物であるフェノキシポリオール樹脂が含まれる。このタイプの樹脂は、例えば、ユニオンカーバイド社によりMark PKHCの商標名で市販されている。
【0239】
ポジ型及びネガ型レジスト組成物は、感光性酸供与体成分(a)の他に、更なる感光性酸供与体化合物(a1)、更なる添加剤(d)、他の光開始剤(e)及び/又は増感剤(f)を含んでいてもよい。
【0240】
従って本発明の対象は、成分(a)と(b)、又は成分(a)と(c1)、(c2)、(c3)、又は成分(a)と(c)の他に、更なる添加剤(d)、更なる感光性酸供与体化合物(a1)、他の光開始剤(e)及び/又は増感剤(f)を含む化学増幅型レジスト組成物である。
【0241】
ポジ型及びネガ型レジストにおいて、本発明の式I又はIIの酸を生成する化合物[上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIe(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、他の公知の光潜在性酸(a1)と一緒に、例えば、オニウム塩、6−ニトロベンジルスルホネート、ビス−スルホニルジアゾメタン化合物、シアノ基を有するオキシムスルホネート化合物などと一緒に使用することもできる。化学増幅型レジストのための公知の潜在性酸の例は、US5731364、US5800964、EP704762、US5468589、US5558971、US5558976、US6004724、GB2348644及び特にEP794457およびEP795786に記載されている。
【0242】
本発明によるレジスト組成物中で光潜在性酸の混合物が使用される場合には、該混合物中における式I又はIIの酸を生成する化合物:他の光潜在性酸(a1)の質量比は、有利には1:99〜99:1である。
【0243】
式I又はIIの酸を生成する化合物[上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIe(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)の化合物から得られるコポリマーを含む]との混合物の形で使用するのが適切である光潜在性酸(a1)の例は、以下のものである:(1)オニウム塩化合物、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩である。有利であるのは、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、トリフェニルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフェニルスルホニウム(オクタフルオロブタン−1,4−ジスルホニル)イミド、トリフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、t−ブチルジフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、トリフェニルスルホニウム1,3−ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミド、トリアリールスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジアリールヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスフェート及びそのようなもの;ヨードニウムカチオンは、4−メチルフェニル−4’−イソブチルフェニルヨードニウム又は4−メチルフェニル−4’−イソプロピルフェニルヨードニウムであってもよい。特に有利であるのは、トリフェニルスルホニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートである。他の例は、JP−A−2002−229192、JP−A−2003−140332、JP−A−2002−128755、JP−A−2003−35948、JP−A−2003−149800、JP−A−2002−6480、JP−A−2002−116546、JP−A−2002−156750、US6458506、US2003/27061、US5554664、WO2007/118794に記載されている。
(2)ハロゲン含有化合物
ハロアルキル基含有複素環式化合物、ハロアルキル基含有炭化水素化合物及びそのようなもの。有利なものは、(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体、例えば、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン及びそのようなものである;1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン及びそのようなものである。
(3)スルホン化合物、例えば、式
【化82】
[式中、RaとRbは、互いに独立にアルキル、シクロアルキル又はアリールであり、そのそれぞれは、少なくとも1つの置換基、例えば、
【化83】
を有していてもよい]
の化合物である。このような化合物は、例えば、US2002/0172886−A、JP−A−2003−192665、US2002/9663−Aに開示されている。更なる例は、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン及びそれらのα−ジアゾ誘導体及びそのようなものである。
【0244】
フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナンシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンが有利である。
(4)スルホネート化合物、例えば、
アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート、イミドスルホネート及びそのようなもの。有利なイミドスルホネート化合物は、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド及びそのようなものである。
【0245】
その他の適切なスルホネート化合物は、有利には、例えば、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフレート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエチルオキシアントラセン−2−スルホネート、α−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−トルエンースルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(4−トルエンースルホニルオキシイミノ)−2−チエニルメチルシアニド、α−(メタンスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、(4−メチルスルホニルオキシイミノ−シクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)−フェニルアセトニトチル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−フェニル−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、5−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニルオキシイミノ)−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−クロロフェニル)−アセトニトリル、2,2,2,2−トリフルオロ−1−{4−(3−[4−{2,2,2−トリフルオロ−1−(1−プロパンスルホニルオキシイミノ)−エチル}フェノキシ]−プロポキシ)−フェニル}−エタノンオキシム1−プロパンスルホネート、2,2,2−トリフルオロ−1−{4−(3−[4−{2,2,2−トリフルオロ−1−(1−p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−エチル}−フェノキシ]―プロポキシ)−フェニル}−エタノンオキシム1−p−トルエンスルホネート、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘプチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1(ノナフルオロブチル−スルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、8−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン及びそのようなものである。
【0246】
本発明の放射感受性樹脂組成物において特に有利なスルホネート化合物には、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド及びそのようなものが含まれる。
【0247】
(5)キノンジアジド化合物、例えば、ポリヒドロキシ化合物の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル化合物。有利なものは、1,2−キノンジアジドスルホニル基、例えば、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基又はそのようなものを有する化合物である。特に有利であるのは、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を有する化合物である。特に適切であるのは、(ポリ)ヒドロキシフェニルアリールケトン、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’ ,3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’ ,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,2,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン及びそのようなものの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルである;ビス−[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン及びそのようなもの;(ポリ)ヒドロキシフェニルアルカンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル、例えば、4,4’−ジヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,4’’−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’,2’’−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,2,5,5’−テトラメチル−4,4’,4’’−トリヒドロキシトリフェニルメタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−[1−(ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル)エタン及びそのようなものである;
(ポリ)ヒドロキシフェニルフラバンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル、例えば、2,4,4−トリメチル−2’,4’,7−トリヒドロキシ−3−フェニルフラバン、2,4,4−トリメチル−2’,4’,5’,6,7−ペンタヒドロキシ−2−フェニルフラバン及びそのようなものである。本発明による化合物との混合物において使用するのが適切である光潜在性酸のその他の例は、JP−A−2003−43678、JP−A−2003−5372、JP−A−2003−43677、JP−A−2002−357904、JP−A−2002−229192、JP−A−2009−269953,
JP−A−2010−008912に記載されている。
【0248】
本発明のポジ型及びネガ型フォトレジスト組成物は、場合により通常フォトレジストにおいて通常使用されている1つもしくは複数の添加剤(d)、例えば、染料、顔料、可塑剤、界面活性剤、流動向上剤、湿潤剤、接着促進剤、チキソトロープ剤、着色剤、充填剤、溶解促進剤、酸増幅剤、光増減剤、有機酸化合物及び/又はフッ素化アルコール及び有機塩基化合物を当業者に公知の慣例の量で含有していてもよい。特にArF液浸リソグラフィーでは、レジスト表面の疎水性/親水性の制御が重要になる。このための添加剤は市販されていて当業者に周知である(例を以下に挙げる)。
【0249】
レジスト組成物の全固形分の100質量部当たり5質量部まで、及び特に1質量部までの量でレジスト調製物に含有することができる有機酸誘導体及びフッ素化アルコールの例は、例えばUS7569324に記載されている。有機酸化合物及びフッ化アルコールは、前記例に挙げられたものに限定されるべきではない。
【0250】
例えば、非露光箇所又は部分的露光箇所で酸を失活するため及び/又は光潜在性酸により生成された酸がレジストフィルム内で拡散する場合に拡散速度を抑制できるようにするために、本発明のレジスト組成物において使用できる有機塩基化合物(いわゆる失活剤)の例は、フェノールより強い塩基である化合物であり、特に窒素含有塩基化合物である。これらの化合物は、イオン性(例えば、テトラアルキルアンモニウム塩)又は非イオン性であってもよい。有利な有機塩基化合物は1分子当たり異なる化学環境を有する2つ以上の窒素原子を有する窒素含有塩基化合物である。特に有利であるのは、置換又は非置換アミノ基の少なくとも1つ及び窒素含有環構造の少なくとも1つの両方を有する化合物、ならびに少なくとも1つのアルキルアミノ基を有する化合物である。このような有利な化合物の例には、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン及びアミノアルキルモルホリンが含まれる。適切であるのは、それらの非置換化合物又は置換誘導体の両方である。有利な置換基には、アミノ、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ、ヒドロキシ及びシアノが含まれる。特に有利な有機塩基化合物の特別な例には、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルホリン及びN−(2−アミノエチル)モルホリンが含まれる。
【0251】
適切な有機塩基化合物のその他の例は、DE4408318、US5609989、US5556734、EP762207、DE4306069、EP611998、EP813113、EP611998及びUS5498506、JP−A−2003−43677、JP−A−2003−43678、JP−A−2002−226470、JP−A−363146、JP−A−2002−363148、JP−A−2002−363152、JP−A−2003−98672、JP−A−2003−122013、JP−A−2002−341522およびUS7569324に記載されていて、これらは化学増幅型レジスト用の失活剤として特に適切である。しかし、本発明において適切である有機塩基化合物はこれらの例に限定されるわけではない。
【0252】
窒素含有有機化合物は、単独で又は2個又はそれ以上の組わせで使用することもできる。窒素含有塩基化合物の添加量は、感光性樹脂組成物(溶剤は除く)の100質量部に対して、通常は0.001〜10質量部、有利には0.01〜5質量部である。この量が0.001質量部よりも小さい場合には、本発明の効果は得られない。他方で、これが10質量部を超える場合には、非露光箇所で減少した感光性が生じ、現像性を損なうであろう。
【0253】
該組成物は更に化学放射下に分解する塩基性有機化合物("自殺塩基")を含有することができ、これは例えば、EP710885、US5663035、US5595855、US5525453及びEP611998に記載されている。
【0254】
本発明の組成物に適切である染料(d)の例は、油溶性染料及び塩基性染料、例えば、オイルイエロー101号、オイルイエロー103号、オイルピンク312号、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー603号、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(全てオリエントケミカル工業株式会社、日本により製造)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)及びメチレンブルー(CI52015)である。
【0255】
光潜在性酸を感受性にし、深紫外線よりも長い波長領域における吸収を示すようにスペクトル増感剤(f)を更に添加してもよい。それにより本発明の感光性組成物は、例えばi−線又はg−線の放射に感受性になる。適切なスペクトル増感剤の例には、ベンゾフェノン類、p、p’−テトラメチルジアミンベンゾフェノン、p、p’−テトラエチルエチルアミノベンゾフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、アンスロン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビンT、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナンスレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ジンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3−アシルクマリン誘導体、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)、3−(アロイルメチレン)チアゾリン、エオシン、ローダミン、エリトロシン及びコロネンが含まれる。しかし、適切なスペクトル増感剤は、これらの例に限定されるわけではない。これらのスペクトル増感剤は、光源によって放出される遠紫外線を吸収するための光吸収剤として使用できる。この場合には、光吸収剤は基材からの光反射を減らし、レジストフィルム内の多重反射の影響を減らし、これによって定常波の効果を減らすことになる。このような増感剤化合物の特別な例は、WO06/008251の36頁30行目〜38頁8行目に開示されていて、その開示を参照して本明細書内に取り入れることとする。
【0256】
適切な添加剤(d)は"酸増幅剤"であり、酸の形成を促進するか又は酸濃度を高める化合物である。このような化合物は、ポジ型又はネガ型レジストにおいて、又は画像系ならびに全てのコーティング用途において本発明の式I又はIIの酸を生成する化合物[上記のような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに上記のような式IIIa、IIIb、IIIc 及びIIIe(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)の化合物から得られるコポリマーを含む]と組わせて使用してもよい。このような増幅剤は、例えば、Arimitsu, K et al., J. Photopolm. Sci. Technol, 1995、8、43頁以降;Kudo. K. et al. J. Photopolym. Sci. Technol. 1995、8、45頁以降;Ichimura, K. et al., Chem: Letters 1995、551頁以降に記載されている。
【0257】
所望の場合には、本発明による組成物はフリーラジカルにより重合可能な成分、例えば、エチレン性不飽和モノマー、オリゴマー又はポリマーを含有することもできる。これらのラジカル重合可能な成分を成分(a)又は(b)に添加してもよい。前記のラジカル硬化性成分は、(b1)、(b2)、(b3)、(a4)、(a5)又は(a6)の部分であってもよい。適切な材料は、少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有し、かつ付加重合を行うことができる。このような化合物も成分(ax)の対象であるので、以下の記載も成分(ax)に関する。適切なモノマーの例には、WO2008/138724、34頁、25行目〜38頁、19行目に記載されているものが含まれる。この開示を参照して本明細書内に取り入れることとする。このようなフリーラジカル重合可能な材料の2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0258】
またフリーラジカルによってもカチオンによっても同等に架橋できる化合物を使用することもできる。このような化合物は、例えばビニル基と脂環式エポキシ基の両方を有する。これらの例は、JP2−289611−AとUS6048953に記載されている。このようなフリーラジカルにより重合可能な材料の2つ以上の混合物を使用することもできる。 調製物は、更なる添加剤(d)として染料及び/又は白色顔料又は着色顔料を含むこともできる。意図する用途に応じて、無機顔料と有機顔料の両方を使用できる。このような添加剤は当業者に公知であり、その幾つかの例としては、二酸化チタン顔料、例えば、ルチル又はアナターゼタイプ、カーボンブラック、酸化亜鉛(例えば、亜鉛白)、酸化鉄(例えば、酸化鉄黄)、酸化鉄赤、クロムイエロー、クロムグリーン、ニッケルチタンイエロー、ウルトラマリンブルー、コバルトブルー、ビスマスバナデート、カドミウムイエロー及びカドミウムレッドである。
【0259】
有機顔料の例は、モノアゾ又はビスアゾ顔料及びその金属錯体、フタロシアニン顔料、多環式顔料、例えば、ペリレン、アントラキノン、チオインディゴ、キナクリドン及びトリフェニルメタン顔料及びジケト−ピロロピロール、イソインドリノン、例えば、テトラクロロ−イソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、ベンズイミダゾロン及びキノフタロン顔料である。顔料は個別に又は混合物の形で調製物において使用できる。意図する用途に応じて当該分野で慣用の量で、例えば、全質量に対して、1〜60質量%、又は10〜30質量%の量で顔料を調製物中に添加できる。
【0260】
調製物は、例えば、様々な幅広いクラスの有機染料を含有していてもよい。その例には、アゾ染料、メチン染料、アントラキノン染料及び金属錯体染料が含まれる。通常の濃度は、全質量に対して例えば、0.1〜20%、特に1〜5%である。
【0261】
添加される顔料、潜在顔料又は染料、又はこのような顔料及び染料の異なる色に着色された前駆体は、照射の結果インドニウム塩から形成される酸の存在でそれらが変色するように選択される。よって、このような組成物は変色により照射されたことを示し、かつ例えば、UV線、電子ビーム、X線などの放射量指示器として使用できる。
【0262】
ArF液浸リソグラフィーでは、表面疎水性の制御は高いスループットと低い欠陥を達成するために重要である。このための添加剤は、付加添加剤(c)として調製物において使用することもできる。通常の例は、JP−A−2009−270086、JP−A−2009−282508、JP−A−2010−002870及びJP−A−2010−020284に記載されている。
【0263】
解像度、パターンプロフィール、プロセスラチチュード、ラインエッジラフネス、安定性のようなレジスト性能を改善するためのその他の添加剤(d)は、JP−A−2002−122992、JP−A−2002−303986、JP−A−2002−278071、JP−A−2003−57827、JP−A−2003−140348、JP−A−2002−6495、JP−A−2002−23374、JP−A−2002−90987、JP−A−2002−91004、JP−A−2002−131913、JP−A−2002−131916、JP−A−2002−214768、JP−A−2001−318464、JP−A−2001−330947、JP−A−2003−57815、JP−A−2003−280200、JP−A−2002−287362、JP−A−2001−343750に記載されている。
【0264】
このような化合物は、ポジ型又はネガ型レジストにおいて、本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物[上記のような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに上記のような式IIIa、IIIb、IIIc 及びIIIe(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)の化合物から得られるコポリマーを含む]と組み合わせて使用することもできる。
【0265】
通常は、本発明の感光性組成物を基材に塗布するために該組成物は適切な溶剤に溶かされる。これの溶剤の適切な例には、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−エトキシエタノール、ジエチルグリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン及びテトラヒドロフランが含まれる。これらの溶剤は単独で又は混合物の形で使用してもよい。これらの溶剤の有利な例は、エステル、例えば、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート及びエチルラクテートである。このような溶剤の使用は有利である。なぜならば本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物がこれらと優れた相溶性を有し、かつ溶剤中でより良好な溶解度を有するからである。
【0266】
界面活性剤を溶剤に添加することができる。適切な界面活性剤の例には、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアセチルエーテル及びポリオキシエチレンオレインルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、例えば、ポリオキシエチレン、オクチルフェノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル;ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン/脂肪酸エステル、例えば、ソルボタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート;フルオロ化学界面活性剤、例えば、F−トップEF301、EF303及びEF352(New Akita化学工業(日本)により製造)が含まれる。Megafac F171とF17.3(大日本インキ化学工業会社(日本)により製造)、FluoradFC430及びFC431(住友スリーエム株式会社(日本)によって製造)、Asahi Guard AG710及びSurflonS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105及びSC106(AGC旭硝子(日本)によって製造);有機シロキサンポリマーKP341(信越化学株式会社(日本)によって製造)及びアクリル又はメタクリル(コ)ポリマーPoly−flow NowNo.75及びNo.95(共栄社化学工業(日本)によって製造)が含まれる。その他の例は、JP−A−2001−318459、JP−A−2002−6483に記載されている。界面活性剤の添加量は、本発明の組成物の固形成分100質量部当たり、通常は2質量%以下、望ましくは0.5質量部以下である。界面活性剤は単独で又は2つ以上の組み合わせで添加してもよい。
【0267】
溶液は公知のコーティング法、例えば、スピンコーティング、浸漬、ナイフコート、カーテン注入技法、はけ塗、吹付け及びローラーコーティングによって基材に均一に塗布される。また、可とう性の支持体に感光層を一時的に塗布し、次にコーティングトランスファー(ラミネート)によって最終基材をコーティングすることも可能である。塗布量(コーティング厚)及び基材(コーティング基材)の性質は、所望の適用分野に依存する。コーティング厚の範囲は、原則として約0.1μm〜100μmを上回る値を含むことができる。
【0268】
コーティング操作の後に、一般的には溶剤が加熱によって除去され、その結果基材上にフォトレジストの層が得られる。乾燥温度は当然ながらレジストの特定の成分が反応又は分解する温度よりも低くならなければならない。一般に、乾燥温度は60〜160℃の範囲である。場合にによりレジスト層は、液浸リソグラフィーの場合に使用される浸漬液からレジスト層を保護するために使用してもよい保護トップコートでコーティングされる。
【0269】
続いて、レジストコーティングは画像通りに照射される。"画像通りの照射"という表現は、化学線を用いた所定のパターンにおける照射、すなわち所定のパターンを含有するマスク(例えば、透明、色マスク又はレチクル)を通した照射、及び例えばコンピューター制御下にレジスト表面に直接書き込むレーザービーム又は電子ビームを用いた照射で画像を作成することの両方を含み、このように画像が作成される。パターンを作成する別の方法は、例えば、ホログラフ用途において使用されるような2つのビーム又は画像の干渉によってである。また、デジタル画像を作成するために画素ごとにアドレス指定できる液晶で作られたマスクを使用することも可能であり、これは例えば、A. Bertsch; J. Y. Jezequel; J. C. Andre, Journal of Photochemistry and Photobiology A:Chemistry 1997, 107, pp.275〜281及びK. P. Nicolay: Offset Printing 1997, 6, pp.34〜37に記載されている。
【0270】
照射後及び必要があれば熱処理後に、現像液を用いて組成物の照射箇所(ポジ型レジストの場合)又は非照射箇所(ネガ型レジストの場合)が自体公知の方法で除去される。触媒反応、従って現像液中でレジストコーティングの照射箇所と非照射箇所との間の溶解度の十分な差の発生を進展するために、コーティングを有利には現像前に加熱する。この加熱は照射の初めに又は照射の間に始めることもできる。60〜160℃の温度が有利に使用される。加熱時間は加熱方法により、必要な場合には最適時間は幾つか通常の実験により当業者により決定できる。一般的に、これは数秒から数分である。例えば、ホットプレートを使用する場合には10〜300秒の時間が極めて適切であり、対流オーブンを使用する場合には1〜30分の時間が非常に適切である。レジスト上の非照射箇所において本発明の潜在性酸供与体がこれらの加工条件下で安定であることが重要である。
【0271】
続いてコーティングが現像され、照射後に現像液中でより可溶性のコーティング部分が除去される。必要であれば加工物を少し撹拌し、現像液浴中のコーティングを穏やかにブラッシングするか又はスプレー現像することにより加工工程を加速できる。レジスト技法における通常の水性アルカリ現像を例えば現像のために使用してもよい。このような現像液は、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、相応の炭酸塩、炭酸水素塩、ケイ酸塩又はメタケイ酸塩を含むが、有利には金属不含の塩基、例えば、アンモニア又はアミン、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、アルカノールアミン、例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、第四級水酸化アンモニウム、例えば、テトラメチル水酸化アンモニウム又はテトラエチル水酸化アンモニウムを含む。現像液は、一般に0.5Nまでであるが、通常は使用前に適切な方法で希釈される。例えば、約0.1〜0.3の規定度を有する溶液が適切である。現像液の選択は、光硬化性表面コーティングの性質、特に使用されるバインダーの性質又は得られた光分解生成物の性質による。水性現像液は所望の場合には比較的少量の湿潤剤及び/又は有機溶剤を含んでもよい。現像液に添加できる一般的な有機溶剤は、例えば、シクロヘキサノン、2−エトキシエタノール、トルエン、アセトン、イソプロパノールであり、またこれらの溶剤の2つ以上の混合物である。一般的な水性/有機現像液系は、ブチルセロソルブ(登録商用)/水をベースとする。
【0272】
本発明の対象は、次の工程:
(1)基材に上記の組成物を塗布する;
(2)組成物を60℃〜160℃の間の温度で塗布後焼き付けする;
(3)10nm〜1500nmの範囲内の波長で、電磁線で又は電子ビームで画像通りに照射する;
(4)場合により組成物を60〜160℃の間の温度で露光後焼き付けする;及び
(5)溶剤又は水性アルカリ現像液で現像する
を含む、フォトレジストを製造する方法である。
【0273】
10〜450nmの波長範囲で、特に10〜260nmの範囲内の波長範囲で単色又は多色放射で画像通りの照射が行われる方法が有利である。
【0274】
フォトレジスト組成物は当業者に公知の全ての基材及び全ての露光技術で使用可能である。例えば、半導体基板、例えば、シリコン、砒化ガリウム、ゲルマニウム、砒化インジウム;更に酸化物又は窒化物層、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、シロキサンによって覆われた基板ならびに金属基材及びアルミニウム、銅、タングステンなどの金属で金属コーティングされた基材を使用することができる。基材は、またポリマー材料、例えば、フォトレジストをコーティングする前にポリマー材料から成る有機反射防止コーティング、絶縁層及び誘電コーティングでコーティングしてもよい。
【0275】
フォトレジスト層は、全ての通常の技術によって、例えば直接書き込み、すなわちステップアンドリピートモード又はスキャンモードにおけるレーザービームもしくは電子ビーム又は投影リソグラフィー、又はマスクを通す直接印刷によって露光することができる。
【0276】
投影リソグラフィーの場合、広範囲の光学条件、例えば、干渉性、部分干渉性、又は非干渉性の照射を用いることができる。これは光がレンズ中心を除くレンズの特定の領域のみを通過できる軸外し照明技術、例えば、環状照明及び四極照明を含む。
【0277】
パターンを複製するために使用されるマスクは硬質又は可とう性のマスクであってもよい。マスクは、透明、半透明及び不透明のパターンを含んでしてもよい。またパターンサイズには、投影光学部品の解像限界以下のパターンが含まれていてもよく、かつ空中画像、マスクを通過後の照射強度及び相変調を調節するために特定の様式でマスク上に配置される。これにはフェーズシフトマスク及びハーフトーン・フェーズマスクが含まれる。
【0278】
フォトレジスト組成物のパターニング工程は、任意の所望の幾何学的パターン及び形状、例えば、稠密な線及び分離線、コンタクトホール、トレンチ、ドットなどを作成するために使用することができる。
【0279】
本発明のフォトレジストは、優れたリソグフィー性を有し、特に画像照射するための高い感受性ならびに高いレジスト透明度を有する。
【0280】
本発明の組成物の利用可能な分野は以下の通りである:電子工学のためのフォトレジスト(例えば、エッチングレジスト、イオン注入レジスト、電気めっきレジスト又はソルダーレジスト)としての使用、集積回路又は薄膜トランジスタレジスト(TFT)の製造;印刷版の製造(例えば、オフセット印刷版又はスクリーン印刷ステンシル)、成形品のエッチング、又はステレオリソグラフィー又はホログラフィー技術における使用(これらは様々な用途で、例えば、J. Photochem. Photobio. A, 158, 163(2003),Chem. Mater. 14, 3656(2002)に記載されている3D光学情報ストレージで用いられる)。
【0281】
本発明による組成物は、インターメタル誘電層、バッファー層、半導体装置の表面不活化コートを作成するためにも、光電子工学のウェブガイドを作成するためにも適切である。MEMS(マイクロエレクトロ機械系)用途に関しては、本発明による組成物をエッチングレジストとして、マテリアルデポジション用のモールド及びデバイス自体の立体物体としても使用できる。従って、コーティング基材及び加工条件はそれに応じて変動する。このような例は、US6391523に記載されている。
【0282】
本発明による式I又はII[式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに上記の式IIIa、IIIb、IIIc、IIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]の酸を生成する化合物は、上記の増感化合物と組み合わせて、例えば、WO03/021358に記載されているようなホログラフィックデータストレージ(HDS)系において使用することもできる。
【0283】
本発明による組成物は、例えば、デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD)の製造における接着結合(DVD接着)用に使用されているような接着剤及び例えばWO99/66506、WO99/63017、特開平0211241055−A、特開平11181391−A、WO98/31765に記載されているようなもの、また可とう性パッキング用の放射硬化性積層接着剤(例えば、US5328940参照)、光学接着剤(例えば、DD225985)及び感圧接着剤(例えば、US4988741及びEP115870)を含むこともできる。
【0284】
本発明による組成物は、ハードコーティング、接着結合又は光重合された寸法安定性の三次元成形品(例えば、レピッドプロトライピング)が紙、ガラス、金属、シリコン、ポリカーボネート、アクリレートポリマー及びその他のポリマー基材に良好な接着性を有し、かつ硬化の間に僅かな収縮しか示さない必要がある場合に有利に使用される。
【0285】
本発明の組成物は特にフィルムの形の全ての種類の基材(木材、繊維、紙、セラミック、ガラス、プラスチック、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン又はセルロースアセテートを含む)のためのコーティング組成物として、特に画像通りの照射を用いて画像が塗布されるコーティング金属(例えば、Ni、Fe、Zn、Mg、Co又は特に、Cu及びAl、またSi、酸化ケイ素又は窒化ケイ素)のためのコーティング組成物として著しく適切である。
【0286】
本発明は、式I又はII(上記の式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物を含む)の酸を生成する化合物;又は、上記式IIIa、IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、重合可能な1つの二重結合を有し、かつ更に酸不安定基を含んでいてもよい少なくとも1つの更なるモノマーとの重合から得られるコポリマーの、酸の作用により現像液中のその溶解度を高める組成物における酸供与体としての使用;ならびに請求項1から4までのいずれか1項に記載の式I又はIIの酸を生成する化合物;又は請求項2に記載の式IIIa又はIIIbの化合物又は請求項3に記載の式IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、重合可能な1つの二重結合を有し、かつ更に不安定基酸を含んでいてもよい少なくとも1つの更なるモノマーの重合により得られるポリマーの、酸の作用により現像液中のその溶解度を高める組成物における酸供与体としての使用に関する。
【0287】
更に本発明の対象は、酸の作用下に架橋及び/又は重合できる化合物の架橋及び/又は重合方法であり、該方法は、式I又はII(上記の式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物を含む)の酸を生成する化合物を上記組成物に添加し、かつ画像通りに照射するか又は全領域にわたり10〜1500nmの波長を有する光で照射することを含む。
【0288】
また本発明は、顔料及び非顔料表面コーティング、接着剤、貼合せ用接着剤、構造接着剤、感圧接着剤、印刷インク、印刷版、凸版印刷版、平板印刷版、凹版印刷版、プロセスレス印刷版、スクリーン印刷ステンシル、歯科用組成物、カラーフィルター、スペーサー、ELディスプレイ及び液晶ディスプレイ(LCD)、ウェブガイド、光学スイッチ、カラープルーフ系、レジスト、電子工学用のフォトレジスト、犠牲皮膜、電気メッキレジスト、液膜とドライフィルム用のエッチレジスト、ソルダーレジスト、UV及び可視レーザーダイレクトイメージング系用のフォトレジスト材料、印刷基材の連続的ビルドアップ層における誘電層を形成するためのフォトレジスト材料、画像記録材料、ホログラフィー像、光学情報ストレージ又はホログラムデータストレージを記録するための画像記録材料、脱色材料、画像記録材料用の脱色材料、マイクロカプセルを使用する画像記録材料、磁気記録材料、ミクロ力学部材(MEMS)及びミクロ流体装置、プレーティングマスク、エッチマスク、ガラス繊維ケーブルコーティング、ミクロエレクトロニック回路の製造における、式I又はIIの酸を生成する化合物;又は上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、重合可能な二重結合を含んでいる少なくとも1つの更なるモノマーの共重合により得られるコポリマーの感光性酸供与体としての使用;特に、表面コーティング、印刷インク、印刷版、歯科用組成物、カラーフィルター、レジスト又は画像記録材料、又はホログラフィー像を記録するための画像記録材料の製造における、式I又はIIの酸を生成する化合物の、感光性酸供与体としての使用;ならびに顔料及び非顔料表面コーティング、接着剤、貼合せ用接着剤、構造接着剤、感圧接着剤、印刷インク、印刷版、凸版印刷版、平板印刷版、凹版印刷版、プロセスレス印刷版、スクリーン印刷ステンシル、歯科用組成物、カラーフィルター、スペーサー、ELディスプレイ及び液晶ディスプレイ(LCD)、ウェブガイド、光学スイッチ、カラープルーフ系、レジスト、電子工学用のフォトレジスト、犠牲皮膜、電気メッキレジスト、液膜とドライフィルム用のエッチレジスト、ソルダーレジスト、UV及び可視レーザーダイレクトイメージング系用のフォトレジスト材料、電子ビームレジスト材料、印刷基材の連続的ビルドアップ層において誘電層を形成するためのフォトレジスト材料、画像記録材料、ホログラフィー像、光学情報ストレージ又はホログラムデータストレージを記録するための画像記録材料、脱色材料、画像記録材料用の脱色材料、マイクロカプセルを使用する画像記録材料、磁気記録材料、ミクロ力学部材(MEMS)及びミクロ流体装置、プレーティングマスク、エッチマスク、ガラス繊維ケーブルコーティング、ミクロエレクトロニック回路を製造するための製造法;特に、表面コーティング、印刷インク、印刷版、歯科用組成物、カラーフィルター、レジスト又は画像記録材料、又はホログラフィー像を記録するための画像記録材料の製造法に関する。
【0289】
本発明の対象は、式I又はIIの酸を生成する化合物[上記の式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物、ならびにIIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]の、カラーフィルター又は化学増幅型レジスト材料の製造における感光性酸供与体としての使用;ならびにカラーフィルター又は化学増幅型レジスト材料の製造法である。
【0290】
更に本発明は、透明な基材上に、赤、緑及び青色の(サブ)ピクセルエレメント、及び場合により酸架橋可能又は酸硬化性樹脂又は酸可溶性樹脂及び少なくとも1つの顔料及び/又は染料を含む感光性組成物からのブラックマトリックスを設け、及び透明電極を基材の表面もしくはカラーフィルター層の表面に設けることにより製造されるカラーフィルターに属し、その際、前記感光性組成物は、上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する化合物、又は上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc又はIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)と、1つの重合可能な二重結合を含むモノマーの重合により得られるポリマーを酸供与体として含んでいる。
【0291】
当業者は、カラーエレメントを提供するために適切な顔料又は染料ならびにブラックマトリックス及び相応する適切な樹脂を把握していて、これらは例えばJP−A−9−203806、JP−A−10−282650、JP−A−10−333334、JP−A−11−194494、JP−A−10−203037、JP−A−2003−5371に記載されている。
【0292】
既に先に述べたように、光重合可能組成物において、上記に定義したような式I又はIIの酸を生成する化合物[上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物、ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、少なくとも1つの二重結合を有する重合可能な基である)から得られるコポリマーを含む]は、潜在性硬化触媒として作用する:光で照射される場合には、これらは架橋反応又は重合反応を触媒する酸を放出する。更に、照射により放出される酸は、例えばポリマー構造から適切な酸感受性保護基の除去を触媒するか、又はポリマー骨格中の酸感受性基を含有しているポリマーの切断を触媒する。その他の用途は、例えば、酸感受性保護基により保護された顔料のpH又は溶解度における変化をベースとした変色系である。
【0293】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物は、pHが変化すると変色する着色剤と一緒に該化合物が使用される場合には、いわゆる"プリントアウト"画像を作成するために使用されてもよく、これは例えば、特開平04−328552−A又はUS5237059に記載されている。このような変色系はEP199672により、熱及び照射に感受性のモニター製品にも使用できる。
【0294】
例えば、EP648770、EP648817及びEP742255に記載されているように、変色系の他に、可溶性顔料分子の酸触媒脱保護の間に、顔料結晶を沈殿させることができる;これは例えばEP654711に記載されているようなカラーフィルター又はプリントアウト画像の生産及び表示器の用途で使用できるが、但し潜在性顔料前駆体の色が沈殿した顔料結晶の色と異なる場合である。
【0295】
式I又はIIの酸を生成する化合物と組み合わせて、pH感受性染料又は潜在性顔料を用いる組成物は、電磁線、例えば、γ線、電子ビーム、UV光又は可視光用の表示器、又は簡単な使い捨て線量計として使用できる。特に、UV光又はIR光のようなヒトの目に見えない光に関しては線量計が有利である。最後に、水性アルカリ現像液中に著しく可溶性である式I又はIIの酸を生成する化合物は、光に誘発され遊離酸になる変換により、現像液中で可溶性になることができ、その結果、適切なフィルム形成樹脂と組み合わせて溶解度促進剤として使用できる。
【0296】
酸触媒により架橋できる樹脂、及び従って本発明による式I又はIIの酸を生成する光潜在性酸化合物は、例えば、多官能価アルコール又はヒドロキシ基含有アクリル樹脂とポリエステル樹脂の混合物、又は部分的に加水分解されたポリビニルアセタール又はポリビニルアルコールと多官能性アセタール誘導体の混合物である。特定の条件下では、例えば、アセタール官能化樹脂の酸触媒自己縮合も可能である。
【0297】
適切な酸硬化性樹脂は、一般にその硬化が酸触媒により促進できる全ての樹脂、例えば、アミノプラスト又はフェノール性レゾール樹脂である。これらの樹脂は、例えば、メラミン樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、フェノール性樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアルキド樹脂であるが、しかし特にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂又はアルキド樹脂とメラミン樹脂の混合物である。また、変性表面コーティング樹脂、例えば、アクリル変性ポリエステル及びアルキド樹脂も含まれる。アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアルキド樹脂の表現により網羅される樹脂の個々のタイプの例は、例えば、Wagner, Sarx, Lackkunstharze(Munich, 1971)、86〜123頁及び229〜238頁、又はUllmann, Encyclopaedie der techn. Chemie、第4版、第15巻(1978)、613〜628頁、又はUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Verlag Chemie, 1991、第18巻、360頁以下、第A19巻、371頁以下に記載されている。
【0298】
コーティング用途では、表面コーティングは有利には1つのアミノ樹脂を有している。この例は、エーテル化又は非エーテル化メラミン、ウレア、グアニジン又はビウレット樹脂である。酸触媒はエーテル化アミノ樹脂、例えば、メチル化又はブチル化メラミン樹脂(N−メトキシメチル−メラミン又はN−ブトキシメチル−メラミン)又はメチル化/ブチル化グリコルリルを含んでいる表面コーティングの硬化において特に重要である。その他の樹脂組成物の例は、多官能価アルコール又はヒドロキシ基含有アクリル樹脂とポリエステル樹脂の混合物、又は部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル又はポリビニルアルコールと多官能性ジヒドロプロパニル誘導体、例えば、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸の誘導体の混合物である。ポリシロキサンは、酸触媒を用いて架橋することもできる。これらのシロキサン基含有樹脂は、例えば、酸接触加水分解により自己縮合するか、又は樹脂の二番目の成分、例えば、多価アルコール、ヒドロキシル基含有アクリル樹脂又はポリエステル樹脂、部分的に加水分解されたポリビニルアセタール又はポリビニルアルコールと架橋する。ポリシロキサンのこのタイプの重縮合は、例えば、J.J. Lebrun, H. Pode, Comprehensive Polymer Science、第5巻、593頁(ペルガモン出版社、オックスフォード、1989)に記載されている。表面コーティングの製造に適切であるその他のカチオン重合可能な材料は、ビニルエーテルのようにカチオン機構により重合可能なエチレン性不飽和化合物、例えば、メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル;環状ビニルエーテル、例えば、3,4−ジヒドロ−2−ホルミル−2H−ピラン(ダイマーアクロレイン)又は2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピランの3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸エステル;ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル及びステアリン酸ビニル、モノオレフィン及びジオレフィン、例えば、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン又はN−ビニルカルバゾールである。
【0299】
特定の目的で、重合可能な不飽和基を含有するモノマー又はオリゴマー成分を有する樹脂混合物が使用される。このような表面コーティングは式I又はIIの酸を生成する化合物(上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物を含む)を用いて硬化することもできる。この工程では、ラジカル重合開始剤又は光開始剤を更に使用できる。ラジカル重合開始剤は熱処理の間に、光開始剤はUV照射の間に不飽和基の重合を開始する。
【0300】
更に本発明は次のもの:
(a)感光性酸供与体として、式I又はIIの酸を生成する化合物のうち少なくとも1つ。既に述べたように、式I又はIIの酸を生成する化合物は例えば、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IVc及びIVeの化合物、ならびに上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、重合可能な基として少なくとも1つの二重結合を有する)と他の重合可能なモノマーから得られるポリマーである。
(b)酸の作用により硬化する化合物、又は
(c)酸の作用によりその溶解度が高まる化合物
を含む組成物に属する。
【0301】
特に、本発明は次のもの:
(a)酸供与体として、上記に定義したような式Ia、IIa、IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの少なくとも1つの化合物;及び
(b)酸の作用により硬化又は架橋する化合物
を含む組成物、ならびに酸供与体として、上記に定義したような式Ia、IIa、IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの少なくとも1つの化合物、及び酸の作用により分解する化合物を含む組成物に属する。
【0302】
本発明によれば、式I又はIIの酸を生成する化合物は、更なる感光性酸供与体化合物(a1)、更なる光開始剤(e)、増感剤(f)及び/又は添加剤(d)と一緒に使用することもできる。適切な感光性酸供与体化合物(a1)、増感剤(f)及び添加剤(d)は上記のものである。
【0303】
更なる光開始剤(e)の例は、例えば、WO2008/138724、40頁15行目〜41頁26行目に開示されているラジカル開始剤である。この開示を参照して本明細書内に取り入れることとする。
【0304】
該組成物は、熱硬化性成分を更なる添加剤(d)として含むこともできる。例は、WO2008/040648の30頁24行目〜34頁5行目に開示されていて、この開示を参照して本明細書内に取り入れることとする。
【0305】
例えば、スペクトル感度をシフトさせるか又は増加させる光増感剤を樹脂に添加することもでき、その結果、照射期間を短縮でき及び/又は他の光源を使用できるようになる。光増感剤の例は、芳香族ケトン又は芳香族アルデヒド(例えば、US4017652に記載されているような)、3−アシル−クマリン(例えば、US4366228、EP738928、EP22188に記載されているような)、ケト−クマリン(例えば、US5534633、EP538997、JP8272095−Aに記載されているような)、スチリル−クマリン(例えば、EP624580に記載されているような)、3−(アロイルメチレン)−チアゾリン、チオキサントン、縮合芳香族化合物、例えば、ペリレン、芳香族アミン(例えば、US4069954又はWO96/41237に記載されているような)又はカチオン性及び塩基性着色剤(例えば、US4026705に記載されているような)、例えば、エオシン、ローダニン及びエリスロシン着色剤、ならびに染料及び顔料であり、これらは例えば、JP8320551−A、EP747771、JP7036179−A、EP619520、JP6161109−A、JP6043641、JP6035198−A、WO93/15440、EP568993、JP5005005−A、JP5027432−A、JP5301910−A、JP4014083−A、JP4294148−A、EP359431、EP103294、US4282309、EP39025、EP5274、EP727713、EP726497又はDE2027467に記載されているようなものである。
【0306】
他の通常の添加剤は、意図する使用に応じて蛍光増白剤、充填剤、顔料、着色剤、湿潤剤又は流動向上剤及び接着促進剤である。
【0307】
式I又はIIの酸を生成する化合物は、例えば、ハイブリッド系でも使用できる。これらの系は、2つの異なる反応機構によって完全に硬化される調製物をベースとする。それらの例は、酸触媒架橋反応又は重合反応を行うことが可能な成分を含む系であるが、第二の機構によって架橋される更なる成分を含む系でもある。第二の機構の例は、ラジカル完全硬化、酸化的架橋又は湿分開始架橋である。第二の硬化機構は純粋に熱により、必要な場合には適切な触媒と共に開始してもよく、又は第二の光開始剤を用いて光により開始してもよい。適切な更なる光開始剤は上記に記載されている。
【0308】
組成物がラジカル架橋可能な成分を含んでいる場合には、硬化工程、特に着色(例えば、二酸化チタンで)されている組成物の硬化工程は、熱条件下にラジカル形成する成分、例えば、アゾ化合物、例としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、トリアジン、ジアゾスルフィド、ペンタアザジエン、又はペルオキシ化合物、例としては、ヒドロペルオキシド又はペルオキシカーボネート、例えば、EP245639に記載されているようなt−ブチルヒドロペルオキシドの添加によって補助できる。コバルト塩のようなレドックス開始剤の添加は、大気からの酸素との酸化的架橋によって硬化を補助できる。
【0309】
表面コーティングは、当該技術分野で通常の方法、例えば、吹付け、塗装又は浸漬のうちの1つにより塗布することができる。適切な表面コーティングが使用される場合には、電気的塗布(例えば、陽極電気泳動電着)も可能である。乾燥後に、表面コーティングは照射される。必要であれば、続いて表面コーティングを熱処理により完全に硬化させる。
【0310】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物は、コンポジットから作成される成形物品を硬化するために使用することもできる。コンポジットは、自己支持型マトリックス材料、例えば、光硬化調製物で含浸されたガラス繊維から成る。
【0311】
EP592139からは、スルホネート誘導体を酸発生剤として使用できることが公知であり、これはガラス、アルミニウム及びスチール表面の表面処理及び洗浄に適切な組成物において光により活性化できる。オルガノシラン系におけるこのような化合物の使用は、遊離酸を使用した場合に得られるものよりも著しく良好な貯蔵安定性を有する組成物をもたらす。本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物は、この用途にも適切である。
【0312】
本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物は、フォトリソグラフィーを用いて必要とされる特性を有する状態へ酸誘導転移されるポリマーを成形するために使用できる。例えば、式I又はIIの酸を生成する化合物は、例えば、M. L. Renak; C. Bazan; D, Roitman; Advanced mateials 1997, 9, 392に記載されているような共役照射性ポリマーをパターン化するために使用できる。このようなパターン化された放射性ポリマーは、ミクロスケールパターン化された発光ダイオード(LED)を製造するために使用でき、この発光ダイオードはディスプレイ及びデータ貯蔵媒体を製造するために使用できる。同様に、ポリイミドの前駆体(例えば、現像液中で溶解度を変える酸不安定保護基を有するポリイミド前駆体)を照射してパターン化されたポリイミド層を形成でき、このポリイミド層はマイクロチップ及び印刷回路基板の製造において保護コーティング、絶縁層及びバッファー層として役立つことができる。
【0313】
また本発明の調製物は、印刷回路基板、集積回路の製造における応力バッファー層のための一連のビルドアップ系において使用されるようなコンフォーマルコーティング、光描写可能な絶縁層及び誘電層として使用してもよい。
【0314】
例えば、ポリアニリンのような共役ポリマーは、プロトドーピングによって半導電性状態から導電性状態へ変換できることは公知である。本発明による式I又はIIの酸を生成する化合物は、絶縁材料(非露光箇所)に埋め込まれた導電構造(露光箇所)を形成するために、そのような共役ポリマーを含んでいる組成物を画像通りに照射するために使用できる。これらの材料は、電気装置及び電子装置を製造するための配線及び接合部として使用できる。
【0315】
既に記載したように式I又はIIの酸を生成する上記化合物は、例えば、上記に定義したような式IIIa、IIIb、IIIe、IVa、IVb、IIIc、IIId、IVc及びIVeの化合物ならびに式IIIa、IIIb、IIIc及びIIIeの化合物(式中、C2〜C12−アルケニル又は中断されているC2〜C18−アルケニルとしてのR1は、重合可能基として少なくとも1つの二重結合を有する)と他の重合可能なモノマーから得られるポリマーである。
【0316】
式I又はIIの酸を生成する化合物を含む該組成物の適切な照射源は、約10〜1500、例えば10〜1000、又は有利には10〜700nmの波長の放射を放射する放射源ならびにe−ビーム放射及び高エネルギー電磁線(例えば、X線)を放射する放射源である。両方とも点光源及び平板形状のプロジェクター(ランプカーペット)が適している。例は以下の通りである:カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、中圧、高圧及び低圧水銀ランプ、場合により金属ハロゲン化物によってドーピングされたランプ(金属ハロゲン化物ランプ)、マイクロ波―励起金属蒸気ランプ、エクシマーランプ、超化学線蛍光管、蛍光ランプ、アルゴンフィラメントランプ、閃光ランプ、写真フラッド光、シンクロトロン又はレーザープラズマにより発生される電子ビーム及びX線ビーム。放射源と、照射されるべき本発明の基材との距離は、意図される使用及び放射源の種類及び/又は強度により変えることができ、例えば、2〜150cmである。適切な放射源は、特に水銀蒸気ランプ、特に中圧及び高圧水銀ランプであり、所望の場合、他の波長で放射する放射をフィルターで取り除くことができる。これは、特に、比較的波長の短い放射の場合である。しかし、適切な波長範囲において放射できる低エネルギーランプ(例えば、蛍光管)を使用することも可能である。それらの例は、Philips TL03ランプである。使用できる別の種類の放射源は、全スペクトルにわたって狭帯域放射源又は広帯域(白色光)放射源として異なる波長を放射する発光ダイオード(LED)である。また適切であるのは、レーザー放射源、例えば、エキシマレーザー、例えば、248nmで照射するためのKrFレーザー、193nmでのArFレーザー、又は157nmでのF2レーザー及びEUV(極紫外線)源である。可視光範囲におけるレーザー及び赤外線範囲におけるレーザーも使用できる。波長13nmでの光源EUV(極紫外線)も適切である。特に適切であるのは、波長365、405及び436nmでの水銀i線、h線及びg線の照射、波長248nmのKrFレーザー照射及び波長193nmのArFレーザー照射及び13nmのEUV照射である。放射露光は、乾式リソグラフィー又は液浸リソグラフィーによる。特に有利であるのは、コーティングされた基材と対物レンズの間に、浸漬液として水、グリセロール又はエチレングリコールのような液体を用いて、映写レンズを通して波長193nmを有するArFイクシマーレーザーからの照射を含む液浸リソグラフィーである。他の適切なレーザービーム源は、例えば、454、458、466、472、478、488及び514nmの波長で放射を発するアルゴンイオンレーザーである。1064nmで発光するNd−YAG−レーザー及びその第二高調波及び第三高調波(それぞれ532nm及び355nm)を使用することもできる。また適切であるのは、例えば、442nmで放射を有するヘリウム/カドミウムレーザー又はUV範囲において放射するレーザーである。
【0317】
このタイプの照射では、光重合性コーティングに接触してポジ型又はネガ型レジストを生成するフォトマスクを使用することは全く必須ではない;制御されたレーザービームは、コーティング上で直接に書き込みができる。このために、本発明による材料の高感受性は比較的に低い強度での高い書き込みスピードを可能にし、これは非常な利点である。照射の際に、表面コーティングの照射箇所において組成物中の本発明の化合物は分解し、酸を形成する。
【0318】
高強度の放射を用いる通常のUV硬化とは対照的に、比較的低強度の放射の作用下に本発明による化合物の活性化は達成される。このような放射には、例えば、昼光(太陽光)及び昼光と等価の放射源が含まれる。太陽光は、UV硬化において通常使用される人工放射源の光とはスペクトル組成及び強度が異なる。本発明による化合物の吸収特性は硬化用の天然放射源として太陽光を選ぶために十分適切である。本発明による化合物を活性化させるのに使用できる昼光と等価の人工光源は、低強度のプロジェクタ、例えば、特定の蛍光ランプ、例えば、Phillips TL05特殊蛍光ランプ又はPhillips TL 09特殊蛍光ランプであると解釈される。高い昼光含量を有するランプ及び昼光それ自体は、特に粘着しない方法で十分に表面コーティング層の表面を硬化できる。この場合、高価な硬化装置は不必要であり、該組成物を特に外面仕上げに使用できる。昼光又は昼光と等価な光源を用いた硬化はエネルギーを節約する方法であり、外部塗装にて揮発性有機成分の放出を防ぐ。平面的コンポーネントに適しているコンベヤベルト方法とは対照的に、昼光による硬化はまた静止又は固定された物品及び構造上の外面仕上げにも使用できる。硬化すべき表面コーティングは、太陽光又は昼光と等価の光源に直接露光することができる。しかし、硬化は透明層(例えば、ガラスパネル又はプラスチックシート)の背後で行ってもよい。
【0319】
以下の実施例は本発明を更に詳細に説明するものである。部及びパーセントは、明細書の残りの部分及び特許請求の範囲におけるように、特記されない限り質量による。炭素原子3個以上を有するアルキル基が、特定の異性体に対して何らかの記述なく参照されている場合には、それぞれの場合にn−異性体を意味する。
【0320】
製造例
例1:
【化84】
【0321】
1.1:2,3,3−トリフルオロ−2−プロペン−1−オール
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール6.6g(50mmol)をTHF10mlに加え、かつ氷浴により冷却した。この溶液に、60%NaH2.0g(50mmol)を少しずつ加えた。この懸濁液を室温(r.t.)で2時間撹拌した後に、氷−塩浴により冷却しながらヘキサン中の1.6Mn−ブチルリチウム31mlを反応混合物に加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、氷水に注ぎ、かつHClで酸性化した。生成物をt−ブチルメチルエーテル(TBME)で抽出した。有機相を塩水、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、かつ濃縮した。粗生成物を更に精製せずに次の工程で使用した。1H−NMRと19F−NMRスペクトル(CDCl3).δ[ppm]により構造が確認された:4.28(d, 2H)、−180.6(m, 1F)、−120.0(m, 1F)、−102.6(m, 1F)。
【0322】
1.2:1,1,2−トリフルオロ−3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸ナトリウム
水(6ml)中の亜硫酸ナトリウム(0.80g;6.0mmol)と例1.1の化合物(6.0mmol)の混合物を90℃で2.5時間撹拌した。室温まで冷却した後に、減圧下に水を留去し、1,1,2−トリフルオロ−3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸二ナトリウム塩が固体として得られた。粗生成物を酸で中和した後に更に精製せずに次の工程で使用した。1H−NMRと19F−NMRスペクトル(DMSO−d6).δ[ppm]により1,1,2−トリフルオロ−3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの形として構造が確認された:3.48−3.61(m, 1H)、4.04(dd, 1H)、4.69〜4.92(m, 1H)、5.08(bs, 1H)、−206.0(m, 1F)、−120.3(d, 1F)、−110.9(d, 1F)。
【0323】
1.3
【化85】
【0324】
例12の化合物1.58g(7.3mmol)、1−アダマンタンカルボン酸1.32g(7.3mmol)及び硫酸72mg(0.73mmol)をトルエン10ml中に添加し、130℃で一晩撹拌した。この反応混合物に水5mlを加え、かつ有機生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を回転エバポレーターにより濃縮し、かつ水5mlを残渣に添加し、1規定NaOHで中和した。TBMEを添加して分離した(これは不必要な有機副生成物を含んでいる)。例1.3の化合物は水溶液の形で得られた。水溶液を更に精製せずに次の工程で使用した。溶液を部分的に濃縮し、かつ1H−NMRと19F−NMRスペクトル(DMSO−d6).δ[ppm]により例1.3の化合物の構造が確認された:1.60−2.00(m, 15H)、4.20−4.32(m,1H)、4.60(dd, 1H)、4.96−5.18(m, 1H)、−206.7(m, 1F)、−119.6(d, 1F)、−111.6(d, 1F)。
【0325】
1.4
【化86】
【0326】
1.3の化合物(2.53g:6.7mmol)を含有している4.4%水溶液57.5mlに、トリフェニルスルホニウムブロミド2.3g(6.7mmol)及びCH2Cl230mlを添加し、かつ反応混合物を室温で一晩撹拌し、水に注ぎ、かつCH2Cl2で抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO2上で乾燥させ、かつ濃縮した。溶出液としてCH2Cl2とメタノール(20:1)を用いて、残渣をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、例1.4のタイトル化合物3.26g(5.3mmol:78%)が淡黄色の個体として得られた。1H−NMRと19F−NMRスペクトル(DMSO−d6).δ[ppm]により構造が確認された:1.60−2.00(m, 15H)、4.20−4.32(m, 1H)、4.60(dd, 1H)、4.96−5.18(m, 1H)、7.74−7.90(m, 15H)、−206.7(m,1F)、−119.6(d, 1F)、−111.5(d, 1F)。
【0327】
例2〜37:
例2〜37の化合物は、例1.1〜1.4で記載した方法により得られるか、又は相応の混合物を用いてBull. Chem. Sci. Jpn、1988、61、707〜714頁に記載されている方法により得られる。中間生成物及び生成物の構造と物理データは表1に記載されている。
【0328】
【表1】
【0329】
【表2】
【0330】
【表3】
【0331】
【表4】
【0332】
【表5】
【0333】
【表6】
【0334】
【表7】
【0335】
【表8】
【0336】
【表9】
【0337】
【表10】
【0338】
【表11】
【0339】
【表12】
【0340】
【表13】
【0341】
【表14】
【0342】
例55
【化87】
の製造;
(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート0.75gを蒸留水5mlに懸濁させた。周囲温度で、ジクロロメタン5ml中の相応のピリジニウム塩0.65gを添加した。次にエマルションを周囲温度で3時間撹拌した。相を分離し、かつ水相をジクロロメタンで2回洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、かつ濃縮して約3mlにした。タイトル化合物がt−ブチル−メチルエーテルから結晶化され、かつ無色固体として得られた(1.06g)。1H−NMRにより上記表1に示されたような構造が更に確認された。
【0343】
例56
【化88】
の製造;
例55の製造法を使用したが、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレートを(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート0.75gと交換した。タイトル化合物は無色固体(0.93g)として得られた。1H−NMRにより上記表1に示されたような構造が更に確認された。
【0344】
例57
【化89】
の製造;例55の製造法に倣ったが、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレートを1−ナフチルジフェニルスルホニウムトリフレート0.75gと交換した。タイトル化合物が淡黄色の固体(1.10g)として得られた。1H−NMRにより上記表1に示されたような構造が更に確認された。
【0345】
適用例
例A1:露光ツールとしてリソテックジャパン株式会社VUVES4500(ArFレーザー)を用いて、ArFモデルレジスト調製物において感光性を測定した。ポジ型トーンレジストは、数平均分子量7600を有するγ−ブチロラクトンメタクリレートと2−メチルアダマンチルメタクリレートのコポリマー(54/46mol%、三菱レイヨン株式会社)を使用した。溶剤に関しては、東京化成工業株式会社のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いた。調製物の正確な組成及び光酸発生剤(PAG)の量は表2に記載されている。
【0346】
レジスト調製物をシリコンウエハ上に120nmの厚さでスピンコーティングした。この上には前もって、Brewer Science社製のARC29Aを用いてボトム反射防止膜が80nmの厚さで設けられていて、かつ120℃で1分間予備焼き付けしてある。様々な照射線量で照射した後に、露光後焼き締めを120℃で1分間行い、かつ次にレジストをNMD−3現像液(東京応化工業株式会社)中で1分間現像した。この現像液は2.38%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液である。
【0347】
【表15】
【0348】
感光性の指標として、1分間の現像でレジストフィルムを完全に取り除くために十分な線量"Dose to Clear"(E0)を決定した。必要な線量が少ないほど、レジスト調製物はより感受性である。結果を表3にまとめてあり、かつ本発明による組成物がポジ型トーンレジストの製造に適切であることを証明している。
【0349】
【表16】
【0350】
例A2:
PAGsから生成される酸の移動性を決定するために、これに関連してSPIE会議録Vol. 6923692317(2008)に記載されている二層法を利用した。二層は、2つのフィルムが積み重なった層構造を形成し、これはPAG含有の上層と、シリコンウエハ上のPAG不含の下層から成り、2つの層の間には相互混合がない。上層フィルム中にだけは光分解プロセスにより酸が均一に分布している。
【0351】
PAGを何も用いないことを除いて、例1に記載されている同じ材料と方法によりPAG不含フィルムを4インチのシリコンウエハ上に厚さ120nmのボトム層として製造した。平行して、例1に記載されているレジスト調製物を、シリコンウエハ上に物理的に支持されているポリ(ジメチルシロキサン)基材の上にコーティングし、かつボトム層と同じ条件で予備焼き付けし、上層を形成した。
【0352】
ポリ(ジメチルシロキサン)基材上に製造されたPAG含有の上層を、シリコンウエハ上のPAG不含ボトムフィルム上に120℃で1分間向い合せて押し当てた。積み重ねを室温(約23℃で)まで冷却した後に、PDMS[ポリ(ジメチルシロキサン)]基材を除去した。次に、二層をCanon PLA521-FAにより3分間露光させ、全てのPAGが光化学的に分解し、かつ上層で酸が生成され、110℃で1分間露光後焼き締めをし、かつ例A1に記載されているように現像した。プロセス後の厚さの減少を決定し、TPSnf(トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート)でデータを標準化し、かつ酸の移動性の指標として用いた。より小さい数は、照射の際に発生した酸の短い拡散距離を意味する。すなわち、より低い酸移動性はレジスト用途において高い解像につながる。表4にまとめられている結果は、本発明による組成物が酸移動性においてArFフォトレジストに適切であることを証明している。
【0353】
【表17】
【0354】
例A3:
本発明の光酸発生剤化合物の溶解度を決定するために、試験すべき化合物の秤量分にシクロヘキサノンを溶剤として添加して撹拌した。光酸発生剤化合物を完全に溶かすために必要なシクロヘキサノンの量を決定した。溶剤の量が少ないほど、試験化合物の溶解度が良いことを意味する。結果は表5に纏められている。
【0355】
【表18】