(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリ尿素シェルと、殺有害生物剤、水非混和性溶媒A及びコア中の溶媒の総重量に対して、少なくとも5重量%の20℃で0.5〜20g/lの水への溶解度を有する非プロトン性極性溶媒Bを含むコアとを含むマイクロカプセルであって、
前記殺有害生物剤が20℃で10g/l未満の水への溶解度を有し、
溶媒Aが、炭化水素、植物油、脂肪酸エステル、植物油のメチル-若しくはエチルエステル、又は前記溶媒の混合物であり、
溶媒Bが2-ヘプタノンであり、
溶媒Aと溶媒Bの重量比が5:1〜1:2である、前記マイクロカプセル。
【発明を実施するための形態】
【0011】
水非混和性溶媒Aに適した例は、
- 炭化水素溶媒、例えば、脂肪族、環状及び芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン若しくはこれらの誘導体、中〜高沸点の鉱物油留分(灯油、ディーゼル油、コールタール油など));
- 植物油、例えば、トウモロコシ油、ナタネ油;
- 脂肪酸エステル、例えば、C
10〜C
22-脂肪酸のC
1〜C
10-アルキルエステル;或いは
- 植物油のメチル-又はエチルエステル、例えば、ナタネ油メチルエステル又はトウモロコシ油メチルエステル
である。
【0012】
上記溶媒の混合物も可能である。水非混和性溶媒Aは、通常市販されており、例えば、商品名Solvesso(登録商標)200、Aromatic(登録商標)200又はCaromax(登録商標)28の炭化水素である。芳香族炭化水素はナフタレン減少品質(naphthalene depleted quality)として用いてもよい。
【0013】
好ましい溶媒Aは炭化水素、特に芳香族炭化水素である。
【0014】
好ましくは、溶媒Aは、20℃で最大20g/lまで、より好ましくは最大5g/lまで、特に最大0.5g/lまでの水への溶解度を有する。
【0015】
通常、溶媒Aは、100℃超、好ましくは150℃超、特に180℃超の沸点を有する。
【0016】
非プロトン性極性溶媒Bは、20℃で0.5〜20g/lの水への溶解度を有する。好ましくは、溶媒Bは、0.5〜10.0g/l、特に0.5〜5.0g/lの水への溶解度を有する。異なる種類の溶媒Bの混合物も可能である。好ましくは、溶媒Bは、20℃で0.5〜20g/lの水への溶解度を有するケトンである。より好ましくは、溶媒Bは、6〜18個(好ましくは7〜16個)のC原子を含み、20℃で0.5〜20g/lの水への溶解度を有するケトンである。溶媒Bとして特に好ましいのは2-ヘプタノン及び/又はアセトフェノンである。特に、溶媒Bは2-ヘプタノンである。好ましくは、溶媒Bは、副反応を回避するために炭素-炭素二重及び/又は三重結合を含まない。上記溶媒の混合物も可能である。
【0017】
例えば、いくつかの溶解度値を列挙する(全データは20℃のものである):アセトフェノン5.5g/l、2-ヘプタノン4.3g/l、3-ヘプタノン(2.6g/l)、2-ヘキサノン(14g/l)、5-メチル-2-ヘキサノン(5.4g/l)、5-メチル-3-ヘプタノン(3.0g/l)、3-メチル-2-ヘキサノン(4.1g/l)、4-メチル-2-ヘキサノン(4.3g/l)、2-メチル-3-ヘキサノン(6.3g/l)、4-メチル-3-ヘキサノン(5.2g/l)、5-メチル-3-ヘキサノン(5.2g/l)、3-エチル-2-ペンタノン(4.6g/l)、3,3-ジメチル-2-ペンタノン(7.3g/l)、3,4-ジメチル-2-ペンタノン(6.7g/l)、4,4-ジメチル-2-ペンタノン(10.4g/l)、2,2-ジメチル-3-ペンタノン(10.4g/l)、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(5.7g/l)、2-オクタノン(0.9g/l)、2,5-ジメチル-3-ヘキサノン(2.6g/l)、2,2-ジメチル-3-ヘキサノン(2.8g/l)、3,3-ジメチル-2-ヘキサノン(2.7g/l)、3,4-ジメチル-2-ヘキサノン(1.4g/l)、4,4-ジメチル-3-ヘキサノン(2.5g/l)、3-エチル-4-メチル-2-ペンタノン(1.7g/l)、2-メチル-3-ヘプタノン(1.4g/l)、2-メチル-4-ヘプタノン(1.7g/l)、3-メチル-2-ヘプタノン(0.9g/l)、3-メチル-4-ヘプタノン(1.9g/l)、5-メチル-3-ヘプタノン(1.1g/l)、6-メチル-2-ヘプタノン(0.8g/l)、6-メチル-3-ヘプタノン(0.9g/l)、3-オクタノン(0.8g/l)、4-オクタノン(1.0g/l)、2,2,4-トリメチル-3-ペンタノン(5.5g/l)、3-エチル-3-メチル-2-ペンタノン(1.8g/l)、5-メチル-2-ヘプタノン(1.0g/l)、イソホロン(15g/l)。
【0018】
溶媒Bとして用いるのに適していないのは、例えば、アセトン(水と完全に混和性である)、シクロヘキサノン(24g/l)、メチルエチルケトン(353g/l)又はベンゾフェノン(<0.005g/l)である。
【0019】
コアは、溶媒A及び溶媒Bに加えてさらなる溶媒を含んでもよい。通常、コアは、コア中の全溶媒の総重量に対して40重量%未満、好ましくは20重量%未満、特に5重量%未満のさらなる溶媒を含む。
【0020】
ポリ尿素を含むカプセル化材料によるカプセルは周知であり、従来技術と類似して調製することができる。これらは、好ましくは適当なポリマー壁形成材料、例えば、ポリイソシアネート及びポリアミンの界面重合法により調製される。界面重合は、通常、中に溶解したポリマー壁形成材料の少なくとも一部を含むコア材料の水性水中油型乳濁液又は懸濁液中で行われる。重合中、ポリマーは、コア材料から分離してコア材料と水との間の境界面に行き、それによってマイクロカプセルの壁が形成する。それによって、マイクロカプセル材料の水性懸濁液が得られる。殺有害生物剤化合物を含むマイクロカプセルを調製するための界面重合法の適当な方法は従来技術で開示されている。
【0021】
一般に、ポリ尿素は、少なくとも二個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを、少なくとも二個の第一級アミノ基を有するポリアミンと反応させてポリ尿素壁材料を形成することにより形成される。さらなる実施形態では、ポリ尿素は、ポリイソシアネートを水と接触させることにより形成することができる。好ましくは、ポリ尿素シェルは、重縮合型のポリイソシアネート及びポリアミンを含む。適したポリイソシアネートは、例えば、完全に参照される、US2010/0248963A1、段落[0135]〜[0158]から知られている。適したポリアミンは、例えば、完全に参照される、US2010/0248963A1、段落[0159]〜[0169]から知られている。
【0022】
ポリイソシアネートは、単独で又は二種以上のポリイソシアネートの混合物として用いることができる。適したポリイソシアネートは、例えば、脂肪族イソシアネート又は芳香族イソシアネートである。これらのイソシアネートは、単量体又はオリゴマーイソシアネートとして存在し得る。NCO含量は、ASTM D 5155-96Aに従って決定することができる。
【0023】
適した脂肪族ジイソシアネートの例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート並びに脂環式イソシアネート、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,4-ビスイソシアナトシクロヘキサン及びビス-(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
【0024】
適した芳香族イソシアネートには、トルエンジイソシアネート(TDI:2,4-及び2,6-異性体の混合物)、ジフェニルメテン-4,4'-ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,4,4'-ジフェニルエーテルトリイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジフェニルジイソシアネート、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート及び4,4',4''-トリフェニルメタントリイソシアネートが含まれる。上記ジイソシアネートの高級オリゴマー、例えば、イソシアヌレート及び上記ジイソシアネートのビウレタン(biurethes)、並びに上記ジイソシアネートとこれらの混合物も適している。
【0025】
別の好ましい実施形態では、ポリイソシアネートは、オリゴマーイソシアネート、好ましくは芳香族オリゴマーイソシアネートである。このようなオリゴマーイソシアネートは、オリゴマー型の上記脂肪族ジイソシアネート及び/又は芳香族ジイソシアネートを含むことができる。オリゴマーイソシアネートは、2.0〜4.0、好ましくは2.1〜3.2、より好ましくは2.3〜3.0の範囲の平均官能度を有する。典型的には、これらのオリゴマーイソシアネートは、20〜1000mPas、より好ましくは80〜500mPas、特に150〜320mPasの範囲の粘度(DIN53018に従って決定)を有する。このようなオリゴマーイソシアネートは、例えば、BASF SEから商品名Lupranat(登録商標)M10、Lupranat(登録商標)M20、Lupranat(登録商標)M50、Lupranat(登録商標)M70、Lupranat(登録商標)M200、Lupranat(登録商標)MM103で、又はBayer AGからBasonat(登録商標)A270として市販されている。
【0026】
多価アルコール1モル当たり、それぞれの多価アルコール及びそれらの混合物の水酸基の数に対応するいくつかのモル数のジイソシアネートと上記ジイソシアネートとを付加することにより得られる、ジイソシアネートと多価アルコール、例えば、エチレングリコール、グリセロール及びトリメチロールプロパンとの付加物も適している。このように、数分子のジイソシアネートを、ウレタン基を通して多価アルコールと結合して、高分子量ポリイソシアネートを形成する。この種の特に適した製品、DESMODUR(登録商標)L(Bayer Corp.、ピッツバーグ)は、3モルのトルエンジイソシアネートを1モルの2-エチルグリセロール(1,1-ビスメチロールプロパン)と反応させることにより調製することができる。さらに適した製品は、ヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートとエチレングリコール又はグリセロールとの付加により得られる。
【0027】
好ましいポリイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート及びオリゴマーイソシアネートであるが、オリゴマーイソシアネートが特に好ましい。
【0028】
本発明の範囲内の適当なポリアミンは、一般に分子中に2個以上のアミノ基を含み、このアミノ基が脂肪族又は芳香族部分と結合することができる化合物を意味すると理解される。
【0029】
適した脂肪族ポリアミンの例は、式H
2N-(CH
2)
n-NH
2(式中、nは2〜6の整数である)のα,ω-ジアミンである。このようなジアミンの例は、エチレンジアミン、プロピレン-1,3-ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンである。好ましいジアミンはヘキサメチレンジアミンである。さらに適した脂肪族ポリアミンは、式H
2N-(CH
2-CH
2-NH)
n-H(式中、nは2〜20、好ましくは3〜5の整数である)のポリエチレンイミンである。このようなポリエチレンイミンの代表的な例は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミンである。さらに適した脂肪族ポリアミンは、ジオキサアルカン-α,ω-ジアミン、例えば、式H
2N-(CH
2)
3O-(CH
2)
4O-(CH
2)
3-NH
2の4,9-ジオキサドデカン-1,12-ジアミンである。
【0030】
適した芳香族ポリアミンの例は、1,3-フェニレンジアミン、2,4-及び2,6-トルエンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、1,3,5-トリアミノベンゼン、2,4,6-トリアミノトルエン、1,3,6-トリアミノナフタレン、2,4,4'-トリアミノジフェニルエーテル、3,4,5-トリアミノ-1,2,4-トリアゾール及び1,4,5,8-テトラアミノアントラキノンである。水に不溶性である又は不十分に可溶性であるこれらのポリアミンをその塩酸塩として用いてもよい。
【0031】
ポリアミン、例えば、上記のものは、単独で又は二種以上のポリアミンの混合物として用いることができる。好ましいポリアミンは、ポリエチレンイミン、例えば、テトラエチレンペンタミンである。
【0032】
各相補的壁形成成分の相対量はその当量によって異なるだろう。一般に、ほぼ化学量論的量が好ましいが、過剰量のある成分、特に過剰量のポリイソシアネートを使用してもよい。壁形成成分の総量は、重合体壁形成材料の総量にほぼ相当する。
【0033】
カプセルの平均粒径(光散乱によるz-平均;好ましくはD
4.3平均)は、0.5〜50μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μm、特に1〜8μmである。
【0034】
殺有害生物剤という用語は、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、薬害軽減剤及び/又は成長調節剤からなる群から選択される少なくとも一種の活性物質を指す。好ましい殺有害生物剤は、殺菌剤、殺虫剤、除草剤及び成長調節剤である。特に好ましい殺有害生物剤は殺虫剤である。上記クラスの二種以上の殺有害生物剤の混合物を用いてもよい。当業者は、このような殺有害生物剤に精通しており、このような殺有害生物剤は例えば、Pesticide Manual、第15版(2009)、The British Crop Protection Council(ロンドン)中に見出すことができる。適した殺虫剤は、カルバメート(carbamate)、有機リン酸エステル、有機塩素系殺虫剤、フェニルピラゾール(phenylpyrazole)、ピレスロイド、ネオニコチノイド(neonicotinoid)、スピノシン(spinosin)、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、幼若ホルモン類似物質、ハロゲン化アルキル、有機スズ化合物、ネライストキシン(nereistoxin)類似物質、ベンゾイル尿素、ジアシルヒドラジン、METI殺ダニ剤(acarizide)、及び殺虫剤、例えば、クロロピクリン(chloropicrin)、ピメトロジン(pymetrozin)、フロニカミド(flonicamid)、クロフェンテジン(clofentezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、プロパルギット(propargite)、テトラジホン(tetradifon)、クロロフェナピル(chlorofenapyr)、DNOC、ブプロフェジン(buprofezine)、シロマジン(cyromazine)、アミトラズ(amitraz)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、アセキノシル(acequinocyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ロテノン(rotenone)或いはこれらの誘導体のクラスの殺虫剤である。適した殺菌剤は、ジニトロアニリン、アリルアミン、アニリノピリミジン、抗生物質、芳香族炭化水素、ベンゼンスルホンアミド、ベンズイミダゾール、ベンズイソチアゾール、ベンゾフェノン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアジン、ベンジルカルバメート、カルバメート、カルボキサミド、カルボン酸ジアミド、クロロニトリル、シアノアセトアミドオキシム、シアノイミダゾール、シクロプロパンカルボキサミド、ジカルボキシイミド、ジヒドロジオキサジン、ジニトロフェニルクロトネート、ジチオカルバメート、ジチオラン、エチルホスホネート、エチルアミノチアゾールカルボキサミド、グアニジン、ヒドロキシ-(2-アミノ)ピリミジン、ヒドロキシアニリド、イミダゾール、イミダゾリノン、無機物質、イソベンゾフラノン、メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、モルホリン、N-フェニルカルバメート、オキサゾリジンジオン、オキシミノアセテート、オキシミノアセトアミド、ペプチジルピリミジンヌクレオシド、フェニルアセトアミド、フェニルアミド、フェニルピロール、フェニル尿素、ホスホネート、ホスホロチオレート、フタルアミド酸、フタルイミド、ピペラジン、ピペリジン、プロピオンアミド、ピリダジノン、ピリジン、ピリジニルメチルベンズアミド、ピリミジンアミン、ピリミジン、ピリミジノンヒドラゾン、ピロロキノリノン、キナゾリノン、キノリン、キノン、スルファミド、スルファモイルトリアゾール、チアゾールカルボキサミド、チオカルバメート、チオファネート、チオフェンカルボキサミド、トルアミド、トリフェニルスズ化合物、トリアジン、トリアゾールのクラスの殺菌剤である。適した除草剤は、アセトアミド、アミド、アリールオキシフェノキシプロピオナート、ベンズアミド、ベンゾフラン、安息香酸、ベンゾチアジアジノン、ビピリジリウム、カルバメート、クロロアセトアミド、クロロカルボン酸、シクロヘキサンジオン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン、イミダゾリノン、イソキサゾール、イソキサゾリジノン、ニトリル、N-フェニルフタルイミド、オキサジアゾール、オキサゾリジンジオン、オキシアセトアミド、フェノキシカルボン酸、フェニルカルバメート、フェニルピラゾール、フェニルピラゾリン、フェニルピリダジン、ホスフィン酸、ホスホロアミデート、ホルホロジチオエート、フタラメート、ピラゾール、ピリダジノン、ピリジン、ピリジンカルボン酸、ピリジンカルボキサミド、ピリミジンジオン、ピリミジニル(チオ)ベンゾエート、キノリンカルボン酸、セミカルバゾン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、スルホニル尿素、テトラゾリノン、チアジアゾール、チオカルバメート、トリアジン、トリアジノン、トリアゾール、トリアゾリノン、トリアゾロカルボキサミド、トリアゾロピリミジン、トリケトン、ウラシル、尿素のクラスの除草剤である。
【0035】
殺有害生物剤は、好ましくは殺虫剤、特にα-シペルメトリンを含む。
【0036】
殺有害生物剤は、好ましくは20℃で10g/l未満の水への溶解度を有する。より好ましくは、これは、1.0g/l未満、特に0.2g/l未満の溶解度を有する。例えば、水への溶解度は、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)1.9mg/l、プロクロラズ(prochloraz)34mg/l、メトラフェノン(metrafenon)0.5mg/l、α-シペルメトリン0.01mg/lである。
【0037】
殺有害生物剤は、通常、20℃で、235〜290℃の蒸留範囲を有する芳香族炭化水素(例えば、Solvesso(登録商標)200 ND)及び少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、特に少なくとも30重量%の2-ヘプタノン(1:1重量%)の混合物への溶解性を有する。
【0038】
殺有害生物剤は、通常、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃、特に少なくとも45℃の融点を有する。例えば、融点は、ピラクロストロビン64℃、プロクロラズ47℃、メトラフェノン100℃、α-シペルメトリン79℃である。
【0039】
殺有害生物剤は、コア溶解型で、懸濁剤、乳剤又はサスポエマルション(suspoemulsion)として存在することができる。好ましくは、殺有害生物剤は、溶解型で存在する。
【0040】
コア中の殺有害生物剤(又は二種以上の殺有害生物剤がコア中に存在する場合には全殺有害生物剤の和)とコア中の全溶媒(例えば、溶媒A及び溶媒B)の和の重量比は、典型的には5:1〜1:20、好ましくは1:1〜1:10、より好ましくは1:1.2〜1:5、特に1:1.5〜1:3である。
【0041】
コアは、コア材料の総量に対して、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも15重量%、特に少なくとも25重量%の殺有害生物剤を含む。コアは、最大70重量%まで、好ましくは最大50重量%までの殺有害生物剤を含むことができる。コア材料の量は、典型的にはコア中の全殺有害生物剤及び溶媒の量から合計される。
【0042】
コアは、コア材料の総量に対して、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、特に少なくとも35重量%の溶媒Aを含む。別の好ましい形態では、コアは、コア材料の総量に対して、少なくとも25重量%の溶媒Aを含む。コアは、最大90重量%まで、好ましくは最大70重量%までの溶媒Aを含むことができる。別の好ましい形態では、コアは、最大55重量%まで、好ましくは最大45重量%までの溶媒Aを含むことができる。
【0043】
コアは、コア材料の総量に対して、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、特に少なくとも18重量%の溶媒Bを含む。別の好ましい形態では、コアは、コア材料の総量に対して、少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも30重量%の溶媒Bを含む。コアは、最大80重量%まで、好ましくは最大65重量%までの溶媒Bを含むことができる。別の好ましい形態では、コアは、最大55重量%まで、好ましくは最大45重量%までの溶媒Bを含むことができる。
【0044】
溶媒Aと溶媒Bの重量比は、通常5:95〜95:5、好ましくは10:1〜1:5、より好ましくは5:1〜1:2、特に3:1〜1:1の範囲にある。別の好ましい形態では、溶媒Aと溶媒Bの重量比は、通常5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:2、より好ましくは2:1〜1:2の範囲にある。
【0045】
コアは、場合により、助剤、例えば以下に述べるものを含んでもよい。好ましくは、コアは、少なくとも一種のアジュバント(例えば、有機修飾ポリシロキサン、例えば、Break Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えば、Atplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)及びLutensol ON 30(登録商標);EO/POブロックポリマー、例えば、Pluronic RPE 2035(登録商標)及びGenapol B(登録商標);アルコールエトキシレート、例えば、Lutensol XP 80(登録商標);並びにスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、例えば、Leophen RA(登録商標))を含む。
【0046】
マイクロカプセルは、最大15重量%まで、好ましくは最大10重量%まで、特に最大6重量%までのシェル(例えば、殺有害生物剤、コア中の全溶媒(好ましくは、溶媒A及び溶媒B)、ポリイソシアネート及びポリアミンの総量に対して)を含む。マイクロカプセルは、通常少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1.5重量%のシェルを含む。
【0047】
本発明はさらに、殺有害生物剤、溶媒A、溶媒B及びポリイソシアネートを含む油相と、水相とを混合するステップを含む、本発明によるマイクロカプセルを製造する方法に関する。典型的には、水相はポリアミンを含む。通常、混合物を少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃に加熱する。
【0048】
本発明はさらに、本発明によるマイクロカプセルを含む水性組成物に関する。好ましくは、この組成物は、非カプセル化殺有害生物剤を含む。この非カプセル化殺有害生物剤は、溶解型で、又は懸濁剤、乳剤若しくはサスポエマルションとして存在することができる。これはコア中の殺有害生物剤と同一でも異なっていてもよい。水性組成物は、通常5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%のマイクロカプセルを含む。水性組成物は、通常少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも5重量%、特に少なくとも8重量%のカプセル化殺有害生物剤を含む。典型的には、組成物は、0.5〜25重量%、好ましくは1.0〜20重量%、特に2.0〜15重量%の表面活性物質を含む。適した表面活性物質を以下に列挙する。具体的な例は、Atlas(登録商標)G 5000、Tween(登録商標)20、Soprophor(登録商標)796 P、Soprophor(登録商標)FLK、Soprophor(登録商標)4D 384、Soprophor(登録商標)S 25、Soprophor(登録商標)BSU、Pluronic(登録商標)PE 6400、Pluronic(登録商標)PE 6800、Pluronic(登録商標)PE 10500、Luviskol(登録商標)VA 64、Luvitek(登録商標)K30、Lutensol(登録商標)TO 10、Lutensol(登録商標)ON 70、Emulsogen(登録商標)35010である。
【0049】
本発明による水性組成物はまた、農薬製剤に慣用的な助剤を含んでもよい。使用する助剤は、特定の施用形態及び活性物質にそれぞれ依存する。適した助剤の例は、分散剤又は乳化剤(さらなる安定化剤、保護コロイド、界面活性剤及び接着剤など)、有機及び無機増ちょう剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、適当な場合には、着色剤及び粘着付与剤若しくは結合剤(例えば、種子処理製剤用)である。
【0050】
適した表面活性物質(アジュバント、湿潤剤、展着剤、分散剤又は乳化剤)は、芳香族スルホン酸、例えば、リグノ-(Borresperse(登録商標)型、Borregaard、ノルウェー)、フェノール-、ナフタレン-(Morwet(登録商標)型、Akzo Nobel、米国)及びジブチルナフタレンスルホン酸(Nekal(登録商標)型、BASF、ドイツ)と、脂肪酸、アルキル-及びアルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、ラウリルエーテル硫酸及び脂肪アルコール硫酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウム塩、並びに硫酸化ヘキサ-、ヘプタ-及びオクタデカノールと脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレン及びその誘導体のホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸のフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシ化イソオクチル-、オクチル-又はノニルフェノール、アルキルフェニルグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシ化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテル酢酸エステル、ソルビトールエステル、リグニン亜硫酸塩廃液、並びにタンパク質、変性タンパク質、多糖(例えば、メチルセルロース)、疎水性加工デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)型、Clariant、スイス)、ポリカルボキシレート(Sokalan(登録商標)型、BASF、ドイツ)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)型、BASF、ドイツ)、ポリエチレンイミン(Lupasol(登録商標)型、BASF、ドイツ)、ポリビニルピロリドン、並びにこれらの共重合体である。
【0051】
特に適している界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性界面活性剤、ブロックポリマー並びに高分子電解質である。適した陰イオン性界面活性剤は、スルホン酸、硫酸、リン酸若しくはカルボン酸のアルカリ、アルカリ土類又はアンモニウム塩である。スルホン酸塩の例は、アルキルアリールスルホン酸塩、ジフェニルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸及び油のスルホン酸塩、エトキシ化アルキルフェノールのスルホン酸塩、縮合ナフタレンのスルホン酸塩、ドデシル-及びトリデシルベンゼンのスルホン酸塩、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホン酸塩、スルホコハク酸塩或いはスルホスクシンアミド酸塩である。硫酸塩の例は、脂肪酸及び油の、エトキシ化アルキルフェノールの、アルコールの、エトキシ化アルコールの、又は脂肪酸エステルの硫酸塩である。リン酸塩の例は、リン酸エステルである。カルボン酸塩の例は、アルキルカルボキシレート及びカルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレートである。
【0052】
適した非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-アルキル化脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル又は糖型界面活性剤である。アルコキシレートの例は、アルコキシル化されたアルコール、アルキルフェノール、アミン(例えば、獣脂アミン)、アミド、アリールフェノール、脂肪酸又は脂肪酸エステルなどの化合物である。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドは、アルコキシル化に使用され、好ましくはエチレンオキシドが使用され得る。N-アルキル化脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミド又は脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセロールエステル又はモノグリセリドである。糖型界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシ化ソルビタン、スクロース及びグルコースエステル又はアルキルポリグルコシドである。適した陽イオン性界面活性剤の例は、第四級界面活性剤、例えば、一個若しくは二個の疎水基を有する第四級アンモニウム化合物、又は長鎖第一級アミンの塩である。適した両性界面活性剤は、アルキルベタイン及びイミダゾリンである。適したブロックポリマーは、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックを含むA-B又はA-B-A型、或いはアルカノール、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを含むA-B-C型のブロックポリマーである。適した高分子電解質は、ポリ酸又はポリ塩基である。ポリ酸の例は、ポリアクリル酸のアルカリ塩である。ポリ塩基の例は、ポリビニルアミン又はポリエチレンアミンである。
【0053】
増ちょう剤(すなわち、組成物に修飾された流動性、すなわち、静的状態下で高粘度及び撹拌中低粘度を与える化合物)の例は、多糖並びに有機及び無機粘土、例えば、キサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco、米国)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia、フランス)、Veegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt、米国)又はAttaclay(登録商標)(Engelhard Corp.、NJ、米国)である。殺細菌剤は、組成物の保存及び安定化のために添加することができる。適した殺細菌剤の例は、ジクロロフェン(dichlorophene)及びヘミ型の(hemi formal)ベンジルアルコールに基づくもの(ICI製のProxel(登録商標)又はThor Chemie製のActicide(登録商標)RS及びRohm&Haas製のKathon(登録商標)MK)、並びにイソチアゾリノン誘導体、例えば、アルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノン(Thor Chemie製のActicide(登録商標)MBS)である。適した凍結防止剤の例は、エチレングルコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。消泡剤の例は、シリコーンエマルション(例えば、Silikon(登録商標)SRE、Wacker、ドイツ若しくはRhodorsil(登録商標)、Rhodia、フランスなど)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物、及びこれらの混合物である。粘着付与剤又は結合剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びセルロースエーテル(Tylose(登録商標)、Shin-Etsu、日本)である。
【0054】
本発明はさらに、本発明によるマイクロカプセル又は水性組成物を特定の有害生物、その生息地又は特定の有害生物から保護すべき植物、土壌及び/又は望ましくない植物及び/又は有用な植物及び/又はこれらの生息地に作用させる、植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物生長及び/又は昆虫若しくはダニによる望ましくない攻撃を防除する並びに/或いは植物の生長を調節する方法に関する。
【0055】
種々の栽培植物、例えば、穀物、例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、エンバク若しくはイネ;テンサイ、例えば、サトウダイコン若しくは飼料ビート;果実、例えば、ナシ状果、核果若しくは柔らかい果実、例えば、リンゴ、ナシ、セイヨウスモモ、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー若しくはグーズベリー;マメ科植物、例えば、レンズマメ、エンドウマメ、アルファルファ若しくはダイズ;油料植物、例えば、アブラナ、カラシナ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオ豆、ヒマシ油植物、アブラヤシ、ラッカセイ若しくはダイズ;ウリ科植物、例えば、カボチャ、キュウリ若しくはメロン;繊維植物、例えば、ワタ、アマ、アサ若しくはジュート;柑橘類、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ若しくはマンダリン;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物若しくはパプリカ;クスノキ科植物、例えば、アボカド、シナモン若しくはカンフル;エネルギー及び原料植物、例えば、トウモロコシ、ダイズ、アブラナ、サトウキビ若しくはアブラヤシ;トウモロコシ;タバコ;堅果類;コーヒー;茶;バナナ;ブドウ(卓上用ブドウ及びブドウジュース、ブドウ);ホップ;芝生;スイートリーフ(ステビアとも呼ばれる);天然ゴム料植物又は装飾及び森林植物、例えば、花、潅木、広葉樹若しくは常緑樹、例えば、針葉樹;並びにこれらの植物の植物繁殖材料、例えば、種子、及び収穫材料を処理することができる。
【0056】
本発明の意味において、「昆虫又はダニ」は、好ましくは節足動物及び線虫、より好ましくは有害昆虫、クモ類及び線虫、さらにより好ましくは昆虫、ダニ及び線虫から選択され、昆虫が最も好ましい。例は、
鱗翅目(Lepidoptera)に由来する昆虫、例えば、アグロティス・イプシロン(Agrotis ypsilon)、アグロティス・セゲタム(Agrotis segetum)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルギレスチア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella)、オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエキア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチキュラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、コリストネウラ・オシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、キルフィス・ウニパンクタ(Cirphis unipuncta)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)、デンドロリマス・ピニ(Dendrolimus pini)、ジアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis)、ジアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エラスモパルパス・リグノセラス(Elasmopalpus lignosellus)、エウポエキリア・アンビゲラ(Eupoecilia ambiguella)、エベトリア・ボーリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・サブテラネア(Feltia subterranea)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、グラホリタ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、グラホリタ・モレスタ(Grapholitha molesta)、ヘリオチス・アルミゲラ(Heliothis armigera)、ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)、ヘリオチス・ゼア(Heliothis zea)、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ヒベルニア・デフォリアリア(Hibernia defoliaria)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ヒポノメウタ・マリネルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ラムジナ・フィスセラリア(Lambdina fiscellaria)、ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua)、ロイコプテラ・コフェーラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、ロキソステジ・スティクティカリス(Loxostege sticticalis)、リマントリア・ジスパー(Lymantria dispar)、リマントリア・モナカ(Lymantria monacha)、リオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella)、マラコソマ・ニューストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、オルギア・シュードツガタ(Orgyia pseudotsugata)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ペリドロマ・サウキア(Peridroma saucia)、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、フィロクニスティス・キトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス・ブラシカエ(Pieris brassicae)、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアキオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、シトトラガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)、スパルガノティス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)、スポドプテラ・リツラ(Spodoptera litura)、タウマトポエア・ピチオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリックス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)及びゼイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis)、
甲虫(甲虫目(Coleoptera))、例えば、アグリルス・シヌアツス(Agrilus sinuatus)、アグリオテス・リネアツス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクルス(Agriotes obscurus)、アンヒマルス・ソルスチチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドルス・ジスパル(Anisandrus dispar)、アントノムス・グランジス(Anthonomus grandis)、アントノムス・ポモルム(Anthonomus pomorum)、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファグス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダータ(Blitophaga undata)、ブルクス・ルフィマヌス(Bruchus rufimanus)、ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum)、ブルクス・レンチス(Bruchus lentis)、ビクチスクス・ベツラエ(Byctiscus betulae)、カシダ・ネブロサ(Cassida nebulosa)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、ソートリンクス・アシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、ソートリンクス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルス・ベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、ジアブロチカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ジアブロチカ・12-プンクタタ(Diabrotica 12-punctata)、ジアブロチカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)、エピトリックス・ヒルチペニス(Epitrix hirtipennis)、エウチノボトルス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、ヒロビウス・アビエチス(Hylobius abietis)、ヒペラ・ブルネイペニス(Hypera brunneipennis)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、イプス・チポグラフス(Ips typographus)、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、レマ・メラノプス(Lema melanopus)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウス・カリフォルニクス(Limonius californicus)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、メラノツス・コムニス(Melanotus communis)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒポカスタニ(Melolontha hippocastani)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オチオリンクス・オバツス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロファガ属の種(Phyllophaga spp.)、フィロペルタ・ホルチコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタ・ネモルム(Phyllotreta nemorum)、フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、シトナ・リネアツス(Sitona lineatus)及びシトフィルス・グラナリア(Sitophilus granaria)、
双翅類(双翅目(Diptera))、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・ベキサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペニス(Anopheles maculipennis)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミア・ベジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラックス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マセラリア(Chrysomya macellaria)、コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレックス・ピピエンス(Culex pipiens)、ダクス・ククルビタエ(Dacus cucurbitae)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、ダシネウラ・ブラシカエ(Dasineura brassicae)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒレミア・プラツラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、リリオミザ・サチバエ(Liriomyza sativae)、リリオミザ・トリフォリイ(Liriomyza trifolii)、ルキリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルキリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルキリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マイエチオラ・デストルクトル(Mayetiola destructor)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒソキアミ(Pegomya hysocyami)、フォルビア・アンチクア(Phorbia antiqua)、フォルビア・ブラシカエ(Phorbia brassicae)、フォルビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、チプラ・オレラセア(Tipula oleracea)及びチプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、
アザミウマ(総翅目(Thysanoptera))、例えば、ジクロモトリプス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、フランクリニエラ・オシデンタリス(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラ・トリチキ(Frankliniella tritici)、シルトリプス・キトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリザエ(Thrips oryzae)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)及びトリプス・タバキ(Thrips tabaci)、
膜翅類(膜翅目(Hymenoptera))、例えば、アタリア・ロサエ(Athalia rosae)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・セクスデンス(Atta sexdens)、アッタ・テキサナ(Atta texana)、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスツジネア(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)及びソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)、
異翅類(異翅亜目)、例えば、アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、ブリッスス・ロイコプテルス(Blissus leucopterus)、シルトペルティス・ノタトゥス(Cyrtopeltis notatus)、ディスデルクス・シングラトゥス(Dysdercus cingulatus)、ディスデルクス・インテルメディウス(Dysdercus intermedius)、ユリガステル・インテグリセプス(Eurygaster integriceps)、ユーシスタス・インピクティベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、リグス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ネザラ・ビリズラ(Nezara viridula)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)及びティアンタ・ペルディトル(Thyanta perditor)、
同翅類(同翅亜目)、例えば、アクリトシフォン・オノブリキス(Acrythosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis)、アフィデュラ・ナスチュルチ(Aphidula nasturtii)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・フォルベシ(Aphis forbesi)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴシピ(Aphis gossypii)、アフィス・グロスラリアエ(Aphis grossulariae)、アフィス・シュネイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola)、アフィス・サンブシ(Aphis sambuci)、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ブラキカウドゥス・カルドゥイ(Brachycaudus cardui)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラキカウドゥス・ペルシカエ(Brachycaudus persicae)、ブラキカウドゥス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カピトホルス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴシピイ(Cerosipha gossypii)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzys ribis)、ドレイフシア・ノルドマニアナエ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセアエ(Dreyfusia piceae)、ジサフィス・ラディコラ(Dysaphis radicola)、ジサウラコルタム・シュードソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)、ジサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、チシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシホン・ロサエ(Macrosiphon rosae)、メゴウラ・ビシアエ(Megoura viciae)、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、メトポロフィウム・ジルホズム(Metopolophium dirhodum)、ミゾデス・ペルシカエ(Myzodes persicae)、ワケギコブアブラムシ(Myzus ascalonicus)、ミズス・セラシ(Myzus cerasi)、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)、ミズス・バリアンス(Myzus varians)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ペムフィグス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、クロフツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、プシラ・マリ(Psylla mali)、プシラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミズス・アスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシフム・インセルツム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、シゾネウラ・ラヌギノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、トキソプテラ・アウランティアンド(Toxoptera aurantiiand)、及びブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)、
シロアリ(等翅目)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)及びテルメス・ナタレンシス(Termes natalensis)、
直翅類(直翅目(Orthoptera))、例えば、アケタ・ドメスティカ(Acheta domestica)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッタ・ゲルマニカ(Blatta germanica)、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)、グリロタルパ・グリロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプラス・ビビタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプラス・フムルールブラム(Melanoplus femurrubrum)、メラノプラス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプラス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプラス・スプレツス(Melanoplus spretus)、ノマダクリス・セプテムファシアタ(Nomadacris septemfasciata)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana)、シストセルカ・ペレグリナ(Schistocerca pereglina)、スタウロノタス・マロカヌス(Stauronotus maroccanus)及びタキキネス・アシナモルス(Tachycines asynamorus)、
クモ形類動物などのクモ類(コナダニ)、例えば、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)、例えば、アンブリオマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオマ・バリエガツム(Amblyomma variegatum)、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、ボーフィルス・アヌラツス(Boophilus annulatus)、ボーフィルス・デコロラツス(Boophilus decoloratus)、ボーフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus)、デルマセントル・シルバルム(Dermacentor silvarum)、ヒアローマ・トルンカツム(Hyalomma truncatum)、イクソデス・リキヌス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ルビクンズス(Ixodes rubicundus)、オルニトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、デルマニススス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、リピセファルス・アペンジクラツス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファルス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)、並びにフシダニ属の種(Eriophyidae)、例えば、アクルス・シレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)、及びエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni);タルソネミダエ属の種(Tarsonemidae spp.)、例えば、フィトネムス・パリズス(Phytonemus pallidus)及びポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ属の種(Tenuipalpidae spp.)、例えば、ブレビパルプス・フォエニキス(Brevipalpus phoenicis);ハダニ属の種(Tetranychidae spp.)、例えば、テトラニクス・キンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニクス・パキフィクス(Tetranychus pacificus)、テトラニクス・テラリウス(Tetranychus telarius)及びテトラニクス・ウルティカエ(Tetranychus urticae)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、パノニクス・キトリ(Panonychus citri)、及びオリゴニクス・プラテンシス(Oligonychus pratensis)、
ノミ(ノミ目(Siphonaptera))、例えば、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、ナカツミ属の種(Ceratophyllus spp.)
である。
【0057】
施用は播種前又は播種中に行うことができる。植物繁殖材料、特に種子に農薬化合物(agrochemical compound)及びその組成物をそれぞれ施用又は処理する方法は、当技術分野で知られており、これには繁殖材料の粉衣処理(dressing)、コーティング、ペレット化、散粉(dusting)、浸漬及び畝中(in-furrow)施用法が含まれる。好ましい実施形態では、マイクロカプセル又はその組成物はそれぞれ、発芽が誘導されないような方法、例えば、種子粉衣処理、ペレット化、コーティング及び散粉により、植物繁殖材料に施用される。好ましい実施形態では、懸濁型(FS)組成物が種子処理に用いられる。典型的には、FS組成物は、1〜800g/lの活性物質と、1〜200g/lの界面活性剤と、0〜200g/lの凍結防止剤と、0〜400g/lの結合剤と、0〜200g/lの顔料と、最大1リットルまでの溶媒、好ましくは水とを含むことができる。
【0058】
マイクロカプセル又は水性組成物は、それ自体として又はその農薬製剤の形態で、例えば、直接噴霧可能な溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、油分散液の形態で、噴霧、微粒噴霧(atomizing)、散粉、展着、ブラッシング、浸漬又は潅注(pouring)によって用いることができる。施用形態は、所期の目的に完全に依存する。各場合について、可能な限り殺有害生物剤の分配を確保することが意図される。即時使用可能(ready-to-use)製剤中の活性物質濃度は、比較的広範囲で変えることができる。一般に、この濃度は、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%の活性物質である。活性物質はまた、微量法(ultra-low-volume process)(ULV)でうまく用いることができ、95重量%を超える活性物質を含む組成物を施用すること、又は添加剤を含まない活性物質を施用することさえ可能である。
【0059】
植物保護に使用する場合、施用する活性物質(殺有害生物剤とも呼ぶ)の量は、所望の効果の種類に依存し、0.001〜2kg/ha、好ましくは0.005〜2kg/ha、より好ましくは0.05〜0.9kg/ha、特に0.1〜0.75kg/haである。例えば、種子を散粉、コーティング又は潅注することによる植物繁殖材料、例えば、種子の処理において、植物繁殖材料(好ましくは種子)100キログラム当たり0.1〜1000g、好ましくは1〜1000g、より好ましくは1〜100g、最も好ましくは5〜100gの活性物質の量が一般的に必要とされる。材料又は貯蔵産物の保護に用いる場合、施用する活性物質の量は、施用面積の種類及び所望の効果に依存する。材料の保護において慣用的に施用される量は、例えば、処理材料の立方メートル当たり0.001g〜2kg、好ましくは0.005g〜1kgの活性物質である。
【0060】
適当であれば使用の直前になって初めて、種々の種類の油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺細菌剤、他の殺菌剤及び/又は殺有害生物剤を水性組成物に添加することができる(タンク混合)。これらの薬剤は、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で本発明による組成物と混和することができる。用いることができるアジュバントは、特に、有機修飾ポリシロキサン、例えば、Break Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えば、Atplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)及びLutensol ON 30(登録商標);EO/POブロックポリマー、例えば、Pluronic RPE 2035(登録商標)及びGenapol B(登録商標);アルコールエトキシレート、例えば、Lutensol XP 80(登録商標);並びにスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、例えば、Leophen RA(登録商標)である。
【0061】
本発明はさらに、シェルと、殺有害生物剤及び2-ヘプタノンを含むコアとを含むマイクロカプセルに関する。好ましくは、シェルはポリ尿素シェルである。ポリ尿素シェル及び殺有害生物剤に適した例は上記の通りである。
【0062】
本発明は種々の利点を有する:本発明は有効成分の結晶化を減少させる;本発明は広範囲の温度内で製剤の安定性を増加させる;ノックダウン並びに残留効果が存在する;本発明は他の殺有害生物剤との適合性を改善する;本発明は風ドリフトを減少させる;カプセル化有効成分はUV光から効果的に保護される;カプセルは油及び水可溶性有効成分並びにアジュバントにより担持され得る;カプセルは増加した耐雨性を有する;作業者及び使用者への中毒学的効果が減少している;製剤はUV光又は日光に対して極めて安定である;カプセルが高い物理的安定性を有する;製剤が優れた生物送達(biodelivery)を有する;製剤が極めて低い中毒性を有する(例えば、無刺激);製剤が葉に噴霧した液滴の低い接触角を有する;製剤が葉によく展着する。
【0063】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されない。
【実施例】
【0064】
MDI系ポリイソシアネート:2.7の平均官能度、32g/100gのNCO含量を有する4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)に基づく溶媒を含まないポリイソシアネート。
【0065】
芳香族炭化水素A:芳香族炭化水素溶媒、蒸留範囲240〜295℃、凝固点-10〜-20℃、ナフタレン含量1重量%未満。
【0066】
芳香族炭化水素B:芳香族炭化水素溶媒、蒸留範囲175〜215℃、凝固点-20〜-25℃、ナフタレン含量1重量%未満。
【0067】
PVA:部分加水分解ポリビニルアルコール、粘度17〜19mPas(DIN 53015)。
【0068】
UV吸収剤:2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン。
【0069】
[実施例1]
カプセルの調製
水相:
583g 水
395g ポリビニルアルコールPVAの10重量%水溶液
油相:
313g α-シペルメトリン
418g 芳香族炭化水素A
209g 2-ヘプタノン
28g MDI系ポリイソシアネート
供給1:
13g テトラエチレンペンタミン
49g 水
油相を水相に添加し、溶解撹拌機(dissolver stirrer)により6000rpmで20分間分散させた。次いで、供給1を15分で添加し、乳濁液を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、49%の固形分を有するカプセルの懸濁液を得た。平均粒径D[4.3]は2.5μmであった。蒸発の割合(2時間105℃、1時間130℃)は2%であった。
【0070】
[実施例2]
カプセルの調製
水相:
183g 水
116g ポリビニルアルコールPVAの10重量%水溶液
油相:
91g α-シペルメトリン
122g 芳香族炭化水素A
61g 2-ヘプタノン
11g MDI系ポリイソシアネート
10g UV吸収剤
供給1:
5g テトラエチレンペンタミン
14g 水
油相を水相に添加し、溶解撹拌機により6000rpmで20分間分散させた。次いで、供給1を15分で添加し、乳濁液を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、49%の固形分を有するカプセルの懸濁液を得た。平均粒径D[4.3]は2.2μmであった。
【0071】
[実施例3]
カプセルの調製
水相:
139g 水
88g ポリビニルアルコールPVAの10重量%水溶液
油相:
69g α-シペルメトリン
92g 芳香族炭化水素B
46g アセトフェノン
8g MDI系ポリイソシアネート
17g UV吸収剤
供給1:
4g テトラエチレンペンタミン
11g 水
油相を水相に添加し、溶解撹拌機により6000rpmで20分間分散させた。次いで、供給1を15分で添加し、乳濁液を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、49%の固形分を有するカプセルの懸濁液を得た。平均粒径D[4.3]は2.6μmであった。
【0072】
[実施例4]
カプセルの調製
水相:
149g 水
92g ポリビニルアルコールPVAの10重量%水溶液
油相:
74g α-シペルメトリン
98g 芳香族炭化水素A
49g 2-ヘプタノン
9g MDI系ポリイソシアネート
供給1:
4g ジエチレントリアミン
12g 水
油相を水相に添加し、溶解撹拌機により6000rpmで20分間分散させた。次いで、供給1を15分で添加し、乳濁液を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、49%の固形分を有するカプセルの懸濁液を得た。平均粒径D[4.3]は3.0μmであった。
【0073】
[実施例5]
カプセルの調製
水相:
192g 水
120g ポリビニルアルコールPVAの10重量%水溶液
油相:
96g α-シペルメトリン
128g 芳香族炭化水素A
64g 2-ヘプタノン
12g MDI系ポリイソシアネート
供給1:
3g テトラエチレンペンタミン
15g 水
油相を水相に添加し、溶解撹拌機により2000rpmで20分間分散させた。次いで、供給1を15分で添加し、乳濁液を20℃で2時間保った。次いで、これを60℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、49%の固形分を有するカプセルの懸濁液を得た。平均粒径D[4.3]は7.2μmであった。
【0074】
[実施例6]
カプセルの調製
水相:
223g 水
58g ポリビニルアルコールPVAの10重量%水溶液
油相:
94g α-シペルメトリン
125g 芳香族炭化水素A
63g 2-ヘプタノン
8g MDI系ポリイソシアネート
供給1:
4g テトラエチレンペンタミン
15g 水
油相を水相に添加し、溶解撹拌機により6000rpmで20分間分散させた。次いで、供給1を15分で添加し、乳濁液を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、49%の固形分を有するカプセルの懸濁液を得た。平均粒径D[4.3]は2.9μmであった。
【0075】
[実施例7]
カプセルの調製
水相:
335g 水
104g ポリビニルアルコールPVAの10重量%水溶液
油相:
154g α-シペルメトリン
175g 芳香族炭化水素A
175g 2-ヘプタノン
15g MDI系ポリイソシアネート
供給1:
7g テトラエチレンペンタミン
25g 水
油相を水相に添加し、溶解撹拌機により3500rpmで20分間分散させた。次いで、供給1を15分で添加し、乳濁液を80℃で1時間加熱し、この温度で2時間保った。室温に冷却した後、54%の固形分を有するカプセルの懸濁液を得た。平均粒径D[4.3]は2.9μmであった。
【0076】
[実施例8〜14]
詳細を表1に示し、実施例1〜7と比較できるようにした。
【表1】
【0077】
[実施例15]
農薬CS製剤の調製
A)実施例1のカプセル原料懸濁液を室温で撹拌しながら水及び添加剤と混合した。従って、31.5重量%のカプセル原料懸濁液と、0.1重量%の消泡剤と、0.2重量%の保存剤と、10.0重量%のプロピレングリコール凍結防止剤と、8重量%の非イオン性アルキルアルコキシレート界面活性剤と、0.1重量%のキサンタンガムと、100%までの水とを含む水性CS農薬製剤が得られた。
【0078】
B)実施例2のカプセル原料懸濁液を室温で撹拌しながら水及び添加剤と混合した。従って、10重量%のカプセル化αシペルメトリンと、0.1重量%の消泡剤と、0.2重量%の保存剤と、10.0重量%のプロピレングリコール凍結防止剤と、3重量%の非イオン性アルキルアルコキシレート界面活性剤と、100重量%までの水とを含む水性CS農薬製剤が得られた。
【0079】
[実施例16]
貯蔵安定性
実施例15Bのカプセル製剤の試料を貯蔵試験に用いた。
【0080】
比較のために、2-ヘプタノンをシクロヘキサノンで置換して、カプセル懸濁液を実施例15Bのように調製した。他の全成分は同じままとした。
【0081】
両製剤の試料を-10℃又は+54℃のいずれかで2週間貯蔵した。
【0082】
目視検査の結果:実施例15Bの試料では、2週間後に観察可能な沈降物は存在しなかった。しかしながら、シクロヘキサノンを用いた比較試料では、沈降物及び上清(serum)がはっきり観察可能であった。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。[実施形態1]
ポリ尿素シェルと、殺有害生物剤、水非混和性溶媒A及びコア中の溶媒の総重量に対して、少なくとも5重量%の20℃で0.5〜20g/lの水への溶解度を有する非プロトン性極性溶媒Bを含むコアとを含むマイクロカプセル。
[実施形態2]
溶媒Bが0.5〜5.0g/lの水への溶解度を有する、実施形態1に記載のマイクロカプセル。
[実施形態3]
溶媒Bが20℃で0.5〜20g/lの水への溶解度を有するケトンである、実施形態1又は2に記載のマイクロカプセル。
[実施形態4]
溶媒Bが2-ヘプタノン又はアセトフェノンである、実施形態1から3のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[実施形態5]
前記殺有害生物剤が溶解型で存在する、実施形態1から4のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[実施形態6]
前記殺有害生物剤が20℃で10g/l未満の水への溶解度を有する、実施形態1から5のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[実施形態7]
前記ポリ尿素シェルが重縮合型のポリイソシアネート及びポリアミンを含む、実施形態1から6のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[実施形態8]
溶媒Aが最大10g/lまでの水への溶解度を有する、実施形態1から7のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[実施形態9]
溶媒Aが炭化水素である、実施形態1から8のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[実施形態10]
前記殺有害生物剤と前記コア中の全溶媒の和の重量比が1:1〜1:10である、実施形態1から8のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[実施形態11]
シェルと、殺有害生物剤及び2-ヘプタノンを含むコアとを含むマイクロカプセル。
[実施形態12]
前記殺有害生物剤、前記溶媒A、前記溶媒B及びポリイソシアネートを含む油相と、水相とを混合するステップを含む、実施形態1から10のいずれかに記載のマイクロカプセルを製造する方法。
[実施形態13]
実施形態1から11のいずれかに記載のマイクロカプセルを含む水性組成物。
[実施形態14]
非カプセル化殺有害生物剤を含む、実施形態13に記載の組成物。
[実施形態15]
実施形態1から11に記載のマイクロカプセル又は実施形態13若しくは14に記載の水性組成物を特定の有害生物、その生息地又は前記特定の有害生物から保護すべき植物、土壌及び/又は望ましくない植物及び/又は有用な植物及び/又はこれらの生息地に作用させる、植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物生長及び/又は昆虫若しくはダニによる望ましくない攻撃を防除する並びに/或いは植物の生長を調節する方法。