特許第5854230号(P5854230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5854230
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】基板洗浄液および基板洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20160120BHJP
【FI】
   H01L21/306 E
   H01L21/306 R
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-272843(P2012-272843)
(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公開番号】特開2014-120533(P2014-120533A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年6月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091926
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】井田 純一
(72)【発明者】
【氏名】永井 達夫
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/078580(WO,A1)
【文献】 特開2012−169562(JP,A)
【文献】 特開2008−071801(JP,A)
【文献】 特表2007−517413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の基板上に窒化シリコンと酸化シリコンとを有し、前記窒化シリコンおよび前記酸化シリコンの一方または両方の少なくとも一部が露出した基板を酸化シリコンのエッチングを抑制しつつ窒化シリコンを選択的にエッチングする洗浄に用いられる洗浄液であって、リン酸、ペルオキソ一硫酸とペルオキソ二硫酸とからなる過硫酸を含み、過硫酸塩を含まない硫酸溶液および水を含み、165℃以上、沸点未満に加温されて前記洗浄に使用されることを特徴とする基板洗浄液。
【請求項2】
前記過硫酸が、洗浄液全体の濃度で、1.0〜8.0g/Lであることを特徴とする請求項1記載の基板洗浄液。
【請求項3】
当該洗浄液全体において、前記リン酸の濃度が15〜40質量%、前記硫酸の濃度が30〜85質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の基板洗浄液。
【請求項4】
当該洗浄液全体において、前記リン酸の質量%濃度と、前記硫酸の質量%濃度とが、1:1.5〜1:4の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板洗浄液。
【請求項5】
含水率が15〜25質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板洗浄液。
【請求項6】
前記基板の枚葉式洗浄に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基板洗浄液。
【請求項7】
同一の基板上に窒化シリコンと酸化シリコンとを有し、前記窒化シリコンおよび前記酸化シリコンの一方または両方の少なくとも一部が露出した基板の洗浄方法において、前記基板を、リン酸、硫酸の電解によって生成された過硫酸を含む電解硫酸および水を含み、165℃以上、沸点未満に加温された基板洗浄液に接触させ、前記基板上の窒化シリコンを選択的にエッチングすることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項8】
前記過硫酸が、洗浄液全体の濃度で、1.0〜8.0g/Lであることを特徴とする請求項7記載の基板洗浄方法。
【請求項9】
前記基板洗浄液全体において、前記リン酸の濃度が15〜40質量%、前記硫酸の濃度が30〜85質量%であることを特徴とする請求項7または8に記載の基板洗浄方法。
【請求項10】
前記基板洗浄液全体において、前記リン酸の質量%濃度と、前記硫酸の質量%濃度とが、1:1.5〜1:4の範囲内にあることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項11】
前記基板洗浄液の含水率が15〜25質量%であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項12】
前記基板は、前記酸化シリコン上に前記窒化シリコンが積層されていることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項13】
前記基板は、32nm以下のパターン線幅を有することを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項14】
前記洗浄液によって前記基板を枚葉式に洗浄することを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項15】
洗浄に用いた洗浄液を回収し、電解に供して過硫酸濃度を高めた後、さらに洗浄液として前記洗浄に供することを特徴とする請求項7〜14のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の製造に係り、酸化シリコンと窒化シリコンを有する基板上の酸化シリコンのエッチングを抑制しつつ、窒化シリコンをエッチングする基板洗浄液および基板洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程において窒化シリコンは、酸化シリコンの膜形成ハードマスク、微細パターンを保護するためのサイドウォール、CMP研磨のストッパー等に利用されている。また半導体高集積度化に伴い構造の微細化、膜構造の薄膜化が進み、酸化シリコン膜の膜厚も薄くなってきている。窒化シリコンをエッチングしてパターニングするためにはエッチングが行われており、従来この窒化シリコン膜のエッチングには約160℃のリン酸溶液が用いられてきている(例えば特許文献1)。しかし、約160℃のリン酸溶液下では、窒化シリコン膜が除去されるにとどまらず、リン酸溶液によるエッチングで酸化シリコン膜までもが一部除去されてしまう。
生産性を高め高精度のパターニングを行おうとすると、選択的に酸化シリコンのエッチングを抑制しながら窒化シリコンのエッチングを促進させる必要があり、SiO及びSiNが露出している基板の洗浄においてはSiOエッチングを抑えつつSiNを選択的にエッチングすることでSiNのエッチングレートに対するSiOのエッチングレートの比を示す選択比を高めた改善方法が従来から提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
【0003】
特許文献2では、硫酸と弗化物を主成分として水を5質量%以下としたエッチング溶液が提案されている。また、特許文献3では、リン酸と硫酸と金属元素を含まない酸化剤を含有するエッチング液が提案されており、酸化剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウムが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−58500号公報
【特許文献2】特開2002−246378号公報
【特許文献3】特開2008−71801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、半導体基板の線幅が狭くなるに伴い微細なエッチングすらも影響が大きくなり、従来よりSiO膜厚が薄く、また線幅の小さい構造体を形成することが想定されるなどの事情から、SiNの洗浄効果は十分に確保された上で選択性の高いSiNエッチングが求められるようになってきている。
【0006】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、良好な窒化シリコンのエッチングレートが得られるとともに、酸化シリコンのエッチングが抑制されて高い選択比が得られる基板洗浄液および基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の基板洗浄液のうち、第1の本発明は、同一の基板上に窒化シリコンと酸化シリコンとを有し、前記窒化シリコンおよび前記酸化シリコンの一方または両方の少なくとも一部が露出した基板を酸化シリコンのエッチングを抑制しつつ窒化シリコンを選択的にエッチングする洗浄に用いられる洗浄液であって、リン酸、ペルオキソ一硫酸とペルオキソ二硫酸とを有する過硫酸を含み、過硫酸塩を含まない硫酸溶液および水を含み、165℃以上、沸点未満に加温されて前記洗浄に使用されることを特徴とする。
【0008】
第2の本発明の基板洗浄方法は、前記第1の本発明において、前記過硫酸が、洗浄液全体の濃度で、1.0〜8.0g/Lであることを特徴とする。
【0009】
第3の本発明の基板洗浄液は、前記第1または第2の本発明のいずれかにおいて、当該洗浄液全体において、前記リン酸の濃度が15〜40質量%、前記硫酸の濃度が30〜85質量%であることを特徴とする。
【0010】
第4の本発明の基板洗浄液は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、当該洗浄液全体において、前記リン酸の質量%濃度と、前記硫酸の質量%濃度とが、1:1.5〜1:4の範囲内にあることを特徴とする。
【0011】
第5の本発明の基板洗浄液は、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、含水率が15〜25質量%であることを特徴とする。
【0012】
第6の本発明の基板洗浄液は、前記第1〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記基板の枚葉式洗浄に用いられることを特徴とする。
【0013】
第7の本発明の基板洗浄方法は、同一の基板上に窒化シリコンと酸化シリコンとを有し、前記窒化シリコンおよび前記酸化シリコンの一方または両方の少なくとも一部が露出した基板の洗浄方法において、前記基板を、リン酸、硫酸の電解によって生成された過硫酸を含む電解硫酸および水を含み、165℃以上、沸点未満に加温された基板洗浄液に接触させ、前記基板上の窒化シリコンを選択的にエッチングすることを特徴とする。
第8の本発明の基板洗浄方法は、前記本発明において、前記過硫酸が、洗浄液全体の濃度で、1.0〜8.0g/Lであることを特徴とする。
第9の本発明の基板洗浄方法は、前記本発明において、前記基板洗浄液全体において、前記リン酸の濃度が15〜40質量%、前記硫酸の濃度が30〜85質量%であることを特徴とする。
第10の本発明の基板洗浄方法は、前記本発明において、前記基板洗浄液全体において、前記リン酸の質量%濃度と、前記硫酸の質量%濃度とが、1:1.5〜1:4の範囲内にあることを特徴とする。
第11の本発明の基板洗浄方法は、前記本発明において、前記基板洗浄液の含水率が15〜25質量%であることを特徴とする。
【0014】
12の本発明の基板洗浄方法は、前記第7〜第11の本発明のいずれかにおいて、前記基板は、前記酸化シリコン上に前記窒化シリコンが積層されていることを特徴とする。
【0015】
13の本発明の基板洗浄方法は、前記第7〜第12の本発明のいずれかにおいて、前記基板は、32nm以下のパターン線幅を有することを特徴とする。
【0016】
14の本発明の基板洗浄方法は、前記第7〜第13の本発明のいずれかにおいて、前記洗浄液によって前記基板を枚葉式に洗浄することを特徴とする。
【0017】
15の本発明の基板洗浄方法は、前記第7〜第14の本発明のいずれかにおいて、 洗浄に用いた洗浄液を回収し、電解に供して過硫酸濃度を高めた後、さらに洗浄液として前記洗浄に供することを特徴とする。
【0018】
以下、本発明で規定する構成について説明する。
本発明では、硫酸を電解することによって生成される過硫酸を含んでおり、過硫酸塩を含まないものである。
本発明では、リン酸による窒化シリコンのエッチング性が良好に得られる。ただし、リン酸は酸化シリコンをエッチングする作用を有するため、硫酸および過硫酸によってリン酸による酸化シリコンのエッチングを抑制する。これら作用により窒化シリコンを選択的にエッチングして効果的な洗浄を行うことを可能にしている。
以下、さらに各条件等について詳細に説明する。
【0019】
過硫酸濃度:1.0g/L〜8.0g/L
過硫酸(ペルオキソ一硫酸とペルオキソ二硫酸の総称とする)の強い酸化力によってリン酸による酸化シリコンに対するエッチングが抑制される。従来提案されている過硫酸塩は、過硫酸より解離度が低く添加量を増やす必要がある。またそれに伴い対イオンに由来する析出物が基板に付着するおそれがある。したがって、過硫酸は塩由来のものではなく、硫酸の電解によって生成されたもの、またはこれを主とすることが必須となる。
なお、本発明としては過硫酸の濃度が特定の範囲に限定されるものではないが、過硫酸の濃度が、洗浄液全体において1.0〜8.0g/Lの範囲にあるのが望ましい。この範囲設定によって、選択比をより高くすることができる。1.0g/L未満では、リン酸による酸化シリコンのエッチング抑制作用が十分でなく、また、8.0g/Lを超えても、酸化シリコンのエッチング抑制作用がそれ以上大きく改善しない。なお、同様の理由で下限を2.0g/L、上限を6.0g/Lとするのが一層望ましい。
【0020】
また、硫酸の電解によって生成された過硫酸を補助するものとして硫酸と過酸化水素との混合、または硫酸とオゾンとの混合によって生成された過硫酸を補充してもよい。
【0021】
洗浄液温度:165℃以上、沸点未満
洗浄液は、窒化シリコンのエッチング作用を十分に得るため、洗浄に際し洗浄液が165℃以上、沸点未満の温度を有しているのが望ましい。
洗浄液の温度が低いとリン酸による窒化シリコンのエッチング作用が十分に得られない。なお、硫酸の電解により生成された過硫酸と硫酸とを含むことにより洗浄液を165℃以上としても酸化シリコンのエッチングは助長されず、むしろ抑制作用が強くなり高い選択比が得られる。硫酸の電解により生成された過硫酸と硫酸とを適正に含有していないと、洗浄液の加温によって酸化シリコンのエッチングが加速され、高い選択比が得られない。
上記観点から洗浄液温度は170℃以上がさらに望ましく、同様の理由で175℃以上が一層望ましい。
また、取り扱い上、洗浄液の温度は沸点未満が望ましい。
【0022】
リン酸濃度:15〜40質量%
硫酸濃度 :30〜85質量%
リン酸濃度と硫酸濃度とをバランスさせることで、窒化シリコンのエッチング性を高く維持し、かつ酸化シリコンのエッチングを抑制することで、洗浄効果を保ちつつ高い選択比が得られる。
ここで、リン酸濃度が15質量%未満ではSiNエッチングレートが小さく実用性が低くなる。一方、リン酸濃度が40質量%超過ではSiOエッチングレートが大きくなり、選択比SiN/SiOは小さくなる。したがって、リン酸濃度は15〜40質量%が望ましい。なお、同様の理由でリン酸濃度の下限は24質量%、上限は40質量%が一層望ましい。
また、硫酸濃度は30質量%未満ではエッチング抑制が不十分でSiOエッチングレートが大きく実用性が低くなる。一方、硫酸濃度が85質量%超過ではSiNエッチングレートが小さくなり実用性が低い。したがって、硫酸濃度は30〜85質量%が望ましい。なお、同様の理由で硫酸濃度の下限は50質量%、上限は70質量%が一層望ましい。
なお、上記リン酸濃度、硫酸濃度は、洗浄液全体に対する濃度として示されるものである。
【0023】
リン酸と硫酸の濃度比: 1:1.5〜1:4(質量%濃度比)
リン酸と硫酸とを混合した混合液中の前記リン酸の質量%濃度と、前記硫酸の質量%濃度とを適正なバランス比とすることで、洗浄効果を保ちつつ高い選択比が得られる。
濃度比が1:1.5未満、すなわち硫酸の濃度が相対的に低くなると、エッチング抑制が不十分でSiOエッチングレートが大きくなり実用性が低い。一方、濃度比が1:4超過では、リン酸の作用が抑制されすぎてSiNエッチングレートが小さくなり実用性が低い。したがって、リン酸と硫酸の濃度比は、1:1.5〜1:4が望ましい。さらには、リン酸と硫酸の濃度比は、下限を1:2、上限を1:3とするのが一層望ましい。
また、上記したリン酸と硫酸の濃度比は、前記リン酸濃度と硫酸濃度の適正な範囲において、上記範囲を満たしているのが特に望ましい。
【0024】
含水率:15〜25質量%
洗浄液の含水率が15質量%未満になると水素イオン濃度が小さくなるため下記反応式に基づくSiNエッチングレートが小さくなる。また、含水率が25質量%超過だと沸点が下がり高温処理できずSiNエッチングレートが低下する。このため、含水率は15〜25質量%の範囲が望ましい。なお、同様の理由で下限を18質量%、上限を22質量%とするのが一層望ましい。
SiN+12HO+4H→3Si(OH)+4NH⇔6HO+3SiO+4NH
【0025】
本発明では、同一の基板上に窒化シリコンと酸化シリコンとを有し、それらの少なくとも一部が露出した基板が洗浄の対象となる。基板の種別等は本発明としては特に限定されるものではなく、また、窒化シリコンと酸化シリコンが存在している形態も特定のものに限定されるものではない。窒化シリコンと酸化シリコンとは、酸化シリコン上に窒化シリコンが積層されたものであってもよい。なお、その場合、先に窒化シリコンがエッチングされ、窒化シリコンから酸化シリコンが露出した時点から酸化シリコンのエッチングが問題となり、酸化シリコンのエッチング抑制が必要となる。
【0026】
なお、本発明としては基板に形成される、または形成されたパターン線幅が32nm以下という高い集積度の半導体基板が特に好適な洗浄対象となる。従来の洗浄液でこのような微細な線幅を有する基板を洗浄した場合、洗浄効果を十分に得ようとすると微細な線幅に相当する部分が損傷し易くなるが、本発明の洗浄液、洗浄方法によれば、微細な線幅相当部分を損傷することなく酸化シリコンのエッチングを最小限に抑えて、効果的な洗浄が可能になる。
但し、本発明としては洗浄対象となる基板のパターン線幅が特定のものに限定されるものではない。
【0027】
また、本発明の洗浄液を用いた洗浄方法では、洗浄液に基板を浸漬したバッチ式での洗浄も可能であるが、一枚の基板に洗浄液を噴霧、滴下、流下などして基板に洗浄液を接触させる枚葉式が適している。バッチ式洗浄は、パーティクルの再付着の問題があり、金属残渣除去としては枚葉式の方が適している。
【発明の効果】
【0028】
以上、説明したように本発明によれば、酸化シリコンのエッチングを抑制した上で窒化シリコンを効果的にエッチングして選択比をより高くすることができ、また、洗浄液成分による汚染もなく、効果的な洗浄を行うことができる。特にパターン線幅が微細な基板においても支障なく洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に用いられる基板洗浄システムを示す図である。
図2】同じく、他の基板洗浄システムを示す図である。
図3】同じく、さらに他の基板洗浄システムを示す図である。
図4】同じく、さらに他の基板洗浄システムを示す図である。
図5】本発明の実施例における過硫酸濃度に応じたエッチングレート、選択比を示すグラフである。
図6】同じく、過硫酸の有無、含水率、加温温度の相違に応じた窒化シリコンのエッチングレートおよび選択比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
エッチング反応を行う部分は一般的に洗浄を行う装置(洗浄機)を用いるため、本形態の説明もエッチング反応を行う部分は洗浄機と示す。
洗浄機を有する半導体基板洗浄システム1aを図1に基づいて以下に説明する。
【0031】
半導体基板洗浄システム1aは、洗浄部に相当する洗浄機2と、硫酸の電解によって生成された過硫酸を含む電解硫酸溶液を貯留する第1溶液貯留槽4とリン酸溶液を貯留する第2溶液貯留槽10とを備えている。過硫酸を含む電解硫酸溶液は第1溶液に相当し、リン酸溶液は第2溶液に相当する。
洗浄機2は枚葉式洗浄機でもバッチ式洗浄機のどちらでもよいが常に清浄な液で処理ができる枚葉式の方がより望ましい。
【0032】
洗浄機2は、半導体基板100に洗浄用の溶液を送出する送出部30を備えている。送出部30は、洗浄用の溶液を半導体基板100に噴霧、滴下、流下またはバッチ式洗浄機の場合は洗浄槽内へ供給する。なお、滴下、流下では圧力を与えて半導体基板100に溶液を吹き付けるものであってもよい。
【0033】
第1溶液貯留槽4には、第1溶液貯留槽4内の溶液を移送する第1溶液移送路5が接続されている。また、第2溶液貯留槽10には、第2溶液貯留槽10内の溶液を移送する第2溶液移送路11が接続されている。第1溶液移送路5には、送液ポンプ6が設けられ、第2溶液移送路11には、送液ポンプ12が設けられている。送液ポンプ6および送液ポンプ12の下流側で、第1溶液移送路5と第2溶液移送路11とは合流し、第1溶液と第2溶液とが混合された混合溶液を移送する共通移送路20を構成しており、共通移送路20の下流端は送出部30に接続されている。また、共通移送路20には送液される混合溶液を加熱するヒーター7が設けられている。
【0034】
第1溶液貯留槽4には、混合溶液中の過硫酸の濃度が1.0〜8.0g/Lの所定濃度となり、硫酸濃度が30〜85質量%の所定濃度となるように調整した硫酸溶液を収容する。
第1溶液である電解硫酸溶液は、バッチ式に第1溶液貯留槽4に供給し貯留するものでもよく、また、消費量に相応して必要量の過硫酸を含む電解硫酸溶液を連続的に補充するものであってもよい。電解硫酸溶液は、硫酸の電解によって効率よく生成し、補充することができる。
一方、第2溶液貯留槽10では、混合溶液中のリン酸濃度が15〜40質量%の所定濃度となるように調整されている。
【0035】
半導体基板100の洗浄に際しては、半導体支持具に半導体基板100を載置するなどして支持させるとともに、第1溶液貯留槽4内の過硫酸を含む硫酸溶液を送液ポンプ6によって第1溶液移送路5を通じて所定の流量で送液し、第2溶液貯留槽10内のリン酸溶液を送液ポンプ12によって第2溶液移送路11を通じて所定の流量で送液する。両液は、両移送路が合流する共通移送路20で混合される。なお、硫酸溶液の流量とリン酸溶液の流量とは、両液が混合された際に所定の混合比となり、かつ混合された溶液の流量が所定量となるように設定する。
【0036】
また、本実施形態では過硫酸を含む電解硫酸溶液とリン酸との混合液は、合流後にヒーター7で一過式に加熱する。加熱温度は、半導体基板100に接触させるときに、液温が165℃以上(沸点未満)の所定温度となるように調整する。なお、本実施形態では、共通移送路20で加熱しているが、第1溶液の移送路5、第2溶液の移送路11双方にヒーターを設けてそれぞれの溶液を加熱するようにしてもよく、また、各移送路での加熱と共通移送路での加熱を併用してもよい。いずれの場合も、半導体100上で液温が165℃以上(沸点未満)の所定温度になるように調整するのが望ましい。
【0037】
過硫酸を含む硫酸溶液とリン酸溶液とは、混合溶液において、過硫酸の濃度が1.0〜8.0g/L、リン酸の濃度が15〜40質量%、硫酸濃度が30〜85質量%、含水率が15質量%〜25質量%、液温が165℃以上(沸点未満)の状態で、送出部30から送出されて半導体基板100に接触し、半導体基板100のエッチングが行われる。
硫酸溶液およびリン酸溶液の濃度調整、含水率調整は、第1溶液貯留槽4内で水と混合し所定の濃度にしてもよいし、所定の濃度にした硫酸溶液を第1溶液貯留槽4に供給してもよい。また、リン酸溶液も硫酸溶液同様に第2溶液貯留槽10内で水と混合してもよいし、所定の濃度にしたリン酸溶液を第2溶液貯留槽10に供給してもよい。
過硫酸を含む硫酸溶液とリン酸溶液とは、混合溶液において、過硫酸の濃度が1.0〜8.0g/L、リン酸の濃度が15〜40質量%、硫酸濃度が30〜85質量%、含水率が15質量%〜25質量%、液温が165℃以上(沸点未満)の状態で、送出部30から混合状態で送出もしくは半導体基板100上で混合されれば良く、溶液の調整方法、エッチング方法はこの形態に限定しない。
【0038】
(実施形態2)
次に、実施形態2の半導体基板洗浄システム1bを図2に基づいて説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付しており、その説明を省略または簡素化する。
半導体基板洗浄システム1bは、エッチング部に相当する枚葉式洗浄機2と、電解によって生成された過硫酸を含む電解硫酸溶液を貯留する第1溶液貯留槽4とリン酸溶液を貯留する第2溶液貯留槽10とを備えている。
第1溶液貯留槽にはヒーター8が設けられ、第2溶液貯留槽にはヒーター9が設けられている。過硫酸が含まれる電解硫酸溶液が貯留される第1溶液貯留槽4側の温度は、過硫酸の自己分解の反応速度が比較的小さい温度、例えば50〜100℃に設定されるのが望ましい。
第1溶液貯留槽4には、実施形態1と同様にリン酸溶液との混合により得られる混合溶液において、過硫酸の濃度が1.0から8.0g/Lの所定濃度となり、硫酸濃度が30〜98質量%の所定濃度となるように調整した硫酸溶液を収容する。一方、第2溶液貯留槽10には、実施形態1と同様に上記過硫酸を含む電解硫酸溶液との混合によって得られる混合溶液においてリン酸濃度が15〜40質量%となるように調整する。
第1溶液である電解硫酸溶液は、バッチ式に第1溶液貯留槽4に供給し、貯留するものでもよく、また、消費量に相応して必要量の過硫酸を含む電解硫酸溶液を連続的に補充するものであってもよい。電解硫酸溶液は、硫酸溶液の電解によって効率よく生成し、補充することができる。
【0039】
本実施形態では第1溶液(電解硫酸溶液)と第2溶液(リン酸)との混合液は、ヒーター7で一過式に加熱し、半導体基板100に接触させる際の液温が165℃以上(沸点未満)の所定温度になるように昇温する。このとき、ヒーター8、9で加熱されていれば、ヒーター7の加熱負担を軽減できる。但し、過硫酸が含まれる溶液を貯留槽内で加熱する場合、過硫酸の自己分解が進行しすぎないように100℃以下に抑えることが望ましい。半導体基板100のエッチングに際しては、半導体支持具に半導体基板100を支持させるとともに、第1溶液貯留槽4内の過硫酸を含む硫酸溶液を送液ポンプ6によって第1溶液移送路5を通じて所定の流量で送液し、第2溶液貯留槽10内のリン酸溶液を送液ポンプ12によって第2溶液移送路11を通じて所定の流量で送液する。両液は、両移送路が合流する共通移送路20で混合される。なお、硫酸溶液の流量とリン酸溶液の流量とは、両液が混合された際に所定の濃度比となり、かつ混合された溶液の流量が所定流量となるように設定する。
また、過硫酸を含む硫酸溶液は、第1溶液貯留槽4内のヒーター8で、リン酸溶液は、第2溶液貯留槽10内のヒーター9で加熱し、半導体基板100に接触させるときに、液温が165℃以上(沸点未満)の所定の温度となるように調整する。
電解硫酸溶液とリン酸溶液との混合溶液において、過硫酸の濃度が1.0〜8.0g/L、リン酸の濃度が15〜40質量%、硫酸濃度が30〜85質量%、含水率が15質量%〜25質量%、液温が165℃以上(沸点未満)の状態で、送出部30から送出されて半導体基板100に接触し、半導体基板100のエッチングが行われる。
【0040】
(実施形態3)
次に、実施形態3の半導体基板洗浄システム1cを図3に基づいて説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付しており、その説明を省略または簡素化する。
この実施形態では、第1溶液貯留槽4に接続された第1溶液移送路5と、第2溶液貯留槽10に接続された第2溶液移送路11とを混合槽25に接続し、混合槽25に接続された共通移送路20を送出部30に接続したものである。混合槽25には混合槽ヒーター26が設けられ、共通移送路20にはヒーター7が設けられている。
この実施形態では、混合槽25に貯留される第1溶液(電解硫酸溶液)と第2溶液(リン酸溶液)との混合液のリン酸と硫酸が所定の濃度比になるように、第1溶液貯留槽4から、送液ポンプ6によって第1溶液移送路5を通して第1溶液(電解硫酸溶液)を混合槽25に移送し、第2溶液貯留槽10から送液ポンプ12によって第2溶液移送路11を通して第2溶液(リン酸溶液)を混合槽25に移送する。
【0041】
混合槽25内の溶液は、過硫酸の濃度が1.0〜8.0g/Lの所定濃度、硫酸濃度が30〜85質量%の所定濃度、リン酸濃度が15〜40質量%の所定濃度、含水率が15質量%〜25質量%となるように調整する。
第1溶液である電解硫酸溶液は、バッチ式に第1溶液貯留槽4に供給し貯留するものでもよく、また、消費量に相応して必要量の過硫酸を含む電解硫酸溶液を連続的に補充するものであってもよい。電解硫酸溶液は、硫酸溶液の電解によって効率よく生成し補充することができる。
混合槽25に貯留される混合溶液は、必要に応じて混合槽ヒーター26で加熱し、送液ポンプ23によって共通移送路20を通じて移送する。この際にヒーター7によって混合溶液を一過式に加熱し、半導体基板100に接触させる際の液温が165℃以上(沸点未満)の所定温度になるように昇温する。このときヒーター26で加熱されていれば、ヒーター7の加熱負担を軽減できる。但し、過硫酸が含まれる混合溶液を混合槽25内で加熱する場合、過硫酸の自己分解が進行しすぎないように100℃以下に抑えることが望ましい。混合溶液が半導体100と接触することにより半導体基板100のエッチングが行われる。
【0042】
(実施形態4)
実施形態4の半導体基板洗浄システム1dを図4に基づいて説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付しており、その説明を省略または簡素化する。
この実施形態では、エッチング部に相当する洗浄機2と、洗浄機2から出てくるエッチングに使用した電解硫酸溶液とリン酸溶液との混合液を回収循環再利用するための回収液貯留槽40とを備えている。洗浄機2と回収液貯留槽40との間には移送路41が接続されており、更に回収液貯留槽40には移送路42が接続され、移送路42には送液ポンプ43が設けられている。送液ポンプ43の下流側で送液路42の端部に電解装置50が接続されている。電解装置50の排液側と洗浄機2との間は移送路51で接続されており、移送路51の下流端は送出部30に接続されている。また、移送路51には送液される混合溶液を加熱するヒーター7が設けられている。
【0043】
回収液貯留槽40に集められた混合液は、送液ポンプ43によって移送路42を通って電解装置50に送られる。電解装置50では、回収された混合溶液を所定の条件によって電解し、所定濃度に調整された過リン酸と過硫酸とを含むリン酸硫酸の所定濃度、温度の混合液にして、移送路51を通じヒーター7で一過式に加熱する。加熱温度は、半導体基板100に接触させるときに、液温が165℃以上(沸点未満)の所定温度となるように調整する。混合液はリン酸の濃度が15〜40質量%の所定濃度、硫酸濃度が30〜85質量%の所定濃度、含水率が15質量%〜25質量%に調整されている。電解装置50では過硫酸の混合液中の濃度が1.0〜8.0g/Lの所定濃度になるように電解条件が調整される。電解硫酸を含む混合液は、所定温度に加熱され、送出部30から送出されて半導体基板100に接触し、半導体基板100のエッチングが行われる。
【0044】
本装置では、エッチングに用いた混合液を回収し反応や自己分解によって減少した過硫酸を混合溶液の電解によって再生成し、供給することができるため、薬液の使用量を削減、また廃液量を削減できることからより好ましい。
【実施例】
【0045】
[実験例1]
所定濃度の硫酸を電解して電解硫酸を生成する。
所定濃度のリン酸500mLと、リン酸と同じ質量%濃度の硫酸を含む電解硫酸1000mLを混合することにより、所定の水分濃度に調整しつつ、リン酸:硫酸=1:2(wt%濃度比)、過硫酸濃度5g/Lの混合液を調製した。なお、混合液中の過硫酸濃度の測定については酸化性物質濃度をヨウ素滴定法で測定し、過酸化水素濃度を過マンガン酸カリウム滴定法で分析し、それらの差分を過硫酸濃度として算出した。
混合液を180℃まで昇温してSiNが露出したシリコン基板に3分間滴下してSiNエッチング試験に供した。試験条件を表1に示す。
なお、窒化シリコンのエッチングレートは窒化シリコン膜のついたシリコン基板の膜厚の減少を溝尻光学工業株式会社製のエリプソメーターを用いエッチング処理前と処理後での膜厚の差をエッチング時間で除して求めた。また、窒化シリコンと酸化シリコンのエッチングの選択比は、窒化シリコンと同様にして求めた酸化シリコンのエッチングレートで窒化シリコンのエッチングレートを除して求めた。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1により、窒化シリコンの良好なエッチングおよび高い選択比という点で、水分濃度(含水率)15〜25質量%が好適であり、18〜22質量%がより好適であることが明らかになっている。
【0048】
[実験例2]
混合液の過硫酸濃度が所定濃度になるように硫酸電解条件を振ったこと以外は実施例1と同じ条件でSiNエッチング試験した。ただし、過硫酸濃度が0の場合は電解を行わなかった。
混合液を180℃まで昇温してSiOが露出したシリコン基板に15分間滴下してSiOエッチング試験した。各エッチングレートおよび選択比は実験例1と同様に算出した。
試験条件および試験結果を表2に示す。
【0049】
本条件では、混合液における過硫酸濃度が1.0g/Lでも選択比170以上となり、2.0g/L以上で選択比が200以上となり、さらに過硫酸濃度が6.0g/L以上で選択比250程度となり、それ以上過硫酸濃度が大きくても選択比250程度となった。
一方、比較データとしてSPMを想定して硫酸に過酸化水素を添加した場合の試験も実施し、表2の結果と共に図5のグラフに示した。SPM(硫酸過水)を模した試験の結果は、いずれの条件でも選択比は150にも達しなかった。
【0050】
【表2】
【0051】
[実験例3]
混合液に過硫酸を含まない場合と含む場合(5g/L)それぞれについて、リン酸濃度、硫酸濃度、水分濃度、及び液温を変えたこと以外はそれぞれ比較例3、実施例1と同じ条件でSiNエッチング試験した。
混合液を所定温度で昇温してSiOが露出したシリコン基板に15分間滴下してSiOエッチング試験した。各エッチングレートおよび選択比は実験例1と同様に算出した。試験条件および試験結果を表3に示す。
【0052】
過硫酸を含有しない場合、加温温度を高めると、窒化シリコンのエッチング作用が向上するものの、酸化シリコンのエッチングも助長され、選択比は却って低下してしまう。
一方、過硫酸を含有する混合液では、混合液の温度を高めた場合、窒化シリコンのエッチング作用が向上するが、酸化シリコンのエッチングは抑制されているので、選択比は大幅に向上する。
【0053】
【表3】
【0054】
[実験例4]
混合液のリン酸と硫酸の混合後の濃度比を振ったこと以外は実施例1と同じ条件でSiNエッチング試験した。
混合液を180℃まで昇温してSiOが露出したシリコン基板に15分間滴下してSiOエッチング試験した。各エッチングレートおよび選択比は実験例1と同様に算出した。試験条件および試験結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
本条件では、リン酸の質量%に対し硫酸の質量%が1.5倍以上になると選択比が170以上となる。一方、リン酸の質量%と硫酸の質量%との比が1:5になると選択比は高いもののSiNエッチングレートが下がる。よって、リン酸と硫酸の濃度比は1:1.5〜1:4が好ましく、同様の理由で1:2〜1:3がより好ましいことが確認された。
【0057】
以上のように、本発明によって、SiNエッチングレートは35以上(好ましくは60以上)で、選択比は170以上(好ましくは190以上)の結果を得ることができることが示された。
【0058】
以上、本発明について上記に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例の記載に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1a、1b、1c、1d 半導体基板洗浄システム
2 洗浄機
4 第1溶液貯留槽
5 送液路
6 送液ポンプ
8 ヒーター
9 ヒーター
10 第2溶液貯留槽
11 送液路
12 送液ポンプ
20 共通移送路
23 送液ポンプ
25 混合槽
26 ヒーター
30 送出部
40 回収液貯留槽
41 移送路
42 移送路
43 送液ポンプ
51 移送路
100 半導体基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6