(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明発光装置を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
【0029】
先ず、
実施例1乃至実施例5と変形比較例1乃至変形比較例5に係る各発光装置について説明する(
図1乃至
図11参照)。
【0030】
発光装置は半導体発光素子と波長変換層を有しており、以下の説明にあっては、波長変換層が半導体発光素子の上側に配置されているものとして前後上下左右の方向を説明する。尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0031】
また、
実施例1乃至実施例5と変形比較例2乃至変形比較例5に係る発光装置は
変形比較例1に係る発光装置に対して一部の構成が異なる。従って、
実施例1乃至実施例5と変形比較例2乃至変形比較例5に係る発光装置については
変形比較例1に係る発光装置と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については
変形比較例1に係る発光装置における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0032】
さらに、
実施例1乃至実施例5と変形比較例2乃至変形比較例5に係る発光装置において既に説明した部分と同様の構成については、同様の部分に付した符号と同じ符号を付して簡単に説明する。
【0033】
<
変形比較例1>
変形比較例1に係る発光装置1は、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3とを有している(
図1及び
図2参照)。
【0034】
発光装置1は半導体発光素子2が、例えば、フリップチップ実装によってバンプ50、50を介して基板100の図示しない配線パターンに接続されている。尚、半導体発光素子2はフェースアップ実装等の各種の実装方法によって基板100に接続されていてもよい。
【0035】
基板100は、基材が窒化アルミニウム、アルミナ、シリコン、ムライト、銅等の各種の材料によって形成されており、配線パターンが図示しない給電回路に接続されている。従って、半導体発光素子2には基板100の配線パターンを介して給電回路から駆動電流が供給される。
【0036】
半導体発光素子2としては、例えば、青色の光を出射する発光ダイオードが用いられている。尚、半導体発光素子2としては、近紫外光や短波長の可視光を出射するものが用いられていてもよい。半導体発光素子2は下面が基板100に接続され上面が光を出射する出光面2aとして形成されている。出光面2aは、例えば、矩形状に形成されている。
【0037】
波長変換層3としては、例えば、半導体発光素子2から出射された光によって黄色の光が励起される黄色蛍光体が用いられている。波長変換層3としては、例えば、紫外光によって励起されるYAG(Yttrium Aluminium Garnet)の粉末を焼結した透明なセラミックスが用いられている。波長変換層3においては、半導体発光素子2から出射された青色の光が蛍光体に吸収されることにより黄色の光が励起される。
【0038】
波長変換層3は下面が入射面4として形成され、入射面4が半導体発光素子2の出光面2aに対向して下方を向く向きで配置され、入射面4が出光面2aに接合されている。入射面4は出光面
2aと同一の形状及び大きさに形成されている。波長変換層3は上面が出射面5として形成され、出射面5は入射面4の真上に位置されている。入射面4と出射面5はともに矩形状に形成され、略同じ面積にされている。
【0039】
波長変換層3の側面は外周面6とされ、外周面6は上縁が出射面5の外周縁に連続され下縁が入射面4の外周縁に連続されている。波長変換層3の外周部は外方へ凸の形状に形成された突状部3aとして設けられ、突状部3aは入射面4と出射面5の外側に位置されている。外周面6は入射面4側に位置し上方へ行くに従って外方(側方)へ変位するように傾斜された第1の傾斜部6a、6a、・・・と出射面5側に位置し下方へ行くに従って外方(側方)へ変位するように傾斜された第2の傾斜部6b、6b、・・・とによって構成されている。
【0040】
第1の傾斜部6a、6a、・・・と第2の傾斜部6b、6b、・・・はそれぞれ前後左右に四つずつが形成され周方向において連続されている。但し、波長変換層3には少なくとも一つずつの第1の傾斜部6aと第2の傾斜部6bが形成されていればよい。即ち、波長変換層3は外周部の一部が外方へ凸の突状部3aとして設けられていればよく、外方へ凸の形状に形成されていない部分の外面は、例えば、入射面4と出射面5に対して垂直な面であってもよい。
【0041】
第1の傾斜部6a、6a、・・・は下縁が入射面4の外周縁に連続し、斜め下方を向くようにされている。第2の傾斜部6b、6b、・・・は上縁が出射面5の外周縁に連続し下縁が第1の傾斜部6a、6a、・・・の外周縁に連続し、斜め上方を向くようにされている。
【0042】
波長変換層3の外周面6には入射面4から入射された光を反射する光反射層7、7、・・・が設けられている。光反射層7は、例えば、アルミニウム等の反射率の高い材料が外周面6に蒸着されることにより設けられている。尚、光反射層7は光を反射する性質を有するものであれば種類は問わず、光反射層7としては、例えば、アルミニウム以外の金属の膜、高屈折率を有する誘電体と低屈折率を有する誘電体とを組み合わせた多層膜等であってもよい。
【0043】
光反射層7、7、・・・は、第1の傾斜部6a、6a、・・・に接する面がそれぞれ第1の反射面7a、7a、・・・として形成され、第2の傾斜部6b、6b、・・・に接する面がそれぞれ第2の反射面7b、7b、・・・として形成されている。
【0044】
上記のように構成された発光装置1において、半導体発光素子2から青色の光が出射されると、光が出光面2aを介して入射面4から波長変換層3に入射され、波長変換層3に入射された光は出射面5から外部へ出射される。このとき波長変換層3に入射された光の一部が光反射層7の第1の反射面7a、7a、・・・と第2の反射面7b、7b、・・・で反射されて出射面5から外部へ出射される。
【0045】
半導体発光素子2から波長変換層3に光が入射されると、青色の光の一部が蛍光体に吸収されることにより黄色の光が励起され、蛍光体に吸収されずに波長変換層3を透過された青色の光と励起された黄色の光とが混合されて擬似的な白色の光が外部へ出射される。
【0046】
発光装置1にあっては、光反射層7の第1の反射面7a、7a、・・・と第2の反射面7b、7b、・・・が入射面4に対して傾斜されているため、反射面が入射面4に対して垂直な場合に対して反射方向が変化されると共に反射回数が少なくなり、その分、反射による熱損失が小さく、出射面5から外部へ出射される光量が多くなり発光効率が向上する。
【0047】
また、第2の反射面7b、7b、・・・が設けられていることにより出射面5の面積が入射面4の面積に対して大きくされておらず、出射面5から出射される光の密度(輝度)が高くなる。
【0048】
さらに、第2の反射面7b、7b、・・・が設けられていることにより波長変換層3の突状部3aへの半導体発光素子2から出射された光の到達量が多くなり、その分、蛍光体において励起された光と半導体発光素子2から出射された光とが混合し易く、色ムラの発生が低減される。
【0049】
<
実施例1>
実施例1に係る発光装置1Aは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Aとを有している(
図3参照)。
【0050】
波長変換層3Aは上面が出射面5Aとして形成され、出射面5Aは入射面4より面積が小さくされている。出射面5Aの面積は入射面4の面積に対して、例えば、80%程度にされている。
【0051】
発光装置1Aにあっては、出射面5Aが入射面4より面積が小さくされているため、出射面5Aから出射される光の密度をより高くすることができる。
【0052】
<
変形比較例2>
変形比較例2に係る発光装置1Bは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Bとを有している(
図4参照)。
【0053】
波長変換層3Bは上面が出射面5Bとして形成され、出射面5Bには微少な凹凸形状8が形成されている。凹凸部8は入射面4から波長変換層3Bに入射された光の出射面5Bにおける全反射を抑制する反射抑制部として機能する。
【0054】
発光装置1Bにあっては、出射面5Bに凹凸形状8が形成されているため、入射面4から波長変換層3Bに入射された光の出射面5Bにおける全反射が抑制され、発光効率の向上を図ることができる。
【0055】
<
変形比較例3>
変形比較例3に係る発光装置1Cは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Cとを有している(
図5参照)。
【0056】
波長変換層3Cは上面が出射面5Cとして形成され、出射面5Cには反射防止膜9が設けられている。反射防止膜9は入射面4から波長変換層3Cに入射された光の出射面5Cにおける全反射を抑制する反射抑制部として機能する。
【0057】
発光装置1Cにあっては、出射面5Cに反射防止膜9が設けられているため、入射面4から波長変換層3Cに入射された光の出射面5Cにおける全反射が抑制され、発光効率の向上を図ることができる。
【0058】
<
変形比較例4>
変形比較例4に係る発光装置1Dは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Dとを有している(
図6参照)。
【0059】
波長変換層3Dは上面が出射面5Dとして形成され、出射面5Dには凹凸形状8が形成されると共に反射防止膜9が設けられている。反射防止膜9は入射面4から波長変換層3Dに入射された光の出射面5Dにおける全反射を抑制する反射抑制部として機能する。
【0060】
発光装置1Dにあっては、出射面5Dに凹凸形状8が形成されると共に反射防止膜9が設けられているため、入射面4から波長変換層3Dに入射された光の出射面5Dにおける全反射が一層抑制され、発光効率の一層の向上を図ることができる。
【0061】
<
変形比較例5>
変形比較例5に係る発光装置1Eは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3とを有している(
図7参照)。
【0062】
半導体発光素子2の出光面2aと波長変換層3の入射面4との間にはバンドパスフィルター10が配置されている。バンドパスフィルター10は特定の波長領域の光を透過させる機能を有し、青色の光を透過するが黄色の光は透過しないように構成されている。従って、半導体発光素子2から出射された光は出光面2aからバンドパスフィルター10を介して波長変換層3に入射され、蛍光体に青色の光が吸収されたときに励起される黄色の光はバンドパスフィルター10で反射されて出射面5側へ向かう。
【0063】
発光装置1Eにあっては、半導体発光素子2と波長変換層3の間にバンドパスフィルター10が配置されているため、半導体発光素子2側へ向かった黄色の光が半導体発光素子2に入射されることがなく、黄色の光の出射面5からの出射量が高くなり、発光効率の向上を図ることができる。
【0064】
<
実施例2>
実施例2に係る発光装置1Fは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Fとを有している(
図8参照)。
【0065】
波長変換層3Fは上面が出射面5Fとして形成され、出射面5Fは入射面4より面積が小さくされている。
【0066】
半導体発光素子2の出光面2aと波長変換層3Fの入射面4との間にはバンドパスフィルター10が配置されている。
【0067】
発光装置1Fにあっては、出射面5Fが入射面4より面積が小さくされているため、出射面5Fから出射される光の密度を高くすることができる。
【0068】
また、発光装置1Fにあっては、半導体発光素子2と波長変換層3Fの間にバンドパスフィルター10が配置されているため、半導体発光素子2側へ向かった黄色の光が半導体発光素子2に入射されることがなく、黄色の光の出射面5Fからの出射量が高くなり、発光効率の向上を図ることができる。
【0069】
<
実施例3>
実施例3に係る発光装置1Gは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Gとを有している(
図9参照)。
【0070】
波長変換層3Gは上面が出射面5Gとして形成され、出射面5Gは入射面4より面積が小さくされている。
【0071】
半導体発光素子2の出光面2aと波長変換層3Gの入射面4との間にはバンドパスフィルター10が配置されている。
【0072】
波長変換層3Gには拡散成分11、11、・・・が含有されている。拡散成分11、11、・・・は波長変換層3Gの主成分とは異なる屈折率を有する物質によって形成されている。
【0073】
拡散成分11、11、・・・は波長変換層3Gの主成分と同じ物質であってもよく、この場合における主成分と拡散成分11として、例えば、ポリプロピレン等の半透明樹脂中の非晶質相と結晶相、無機物質の酸化チタンにおけるルチル相とアナターゼ相、アルミナ−イットリア共晶系におけるガーネット相とペロブスカイト相等がある。
【0074】
また、波長変換層3Gに蛍光体と異なる屈折率を有する物質を拡散成分11、11、・・・として添加してもよく、拡散成分11、11、・・・の添加としては、例えば、透明樹脂やガラス中への蛍光体粒子の添加、シリカやアルミナの添加、空気や窒素等の気体(気泡)の添加等がある。
【0075】
さらに、波長変換層3Gの表面に成膜した光拡散層を拡散成分11、11、・・・としてもよく、この場合には、例えば、シリカ粒子を含有するアクリル透明樹脂を波長変換層3Gの表面に塗布したり、或いは、このアクリル透明樹脂を厚く形成して拡散板として用いてもよい。
【0076】
発光装置1Gにあっては、出射面5Gが入射面4より面積が小さくされているため、出射面5Gから出射される光の密度を高くすることができる。
【0077】
また、発光装置1Gにあっては、半導体発光素子2と波長変換層3Gの間にバンドパスフィルター10が配置されているため、半導体発光素子2側へ向かった黄色の光が半導体発光素子2に入射されることがなく、黄色の光の出射面5Gからの出射量が高くなり、発光効率の向上を図ることができる。
【0078】
さらに、発光装置1Gにあっては、波長変換層3Gに拡散成分11、11、・・・が含有されているため、波長変換層3Gにおいて光が拡散されて進行方向が変化され、発光効率の一層の向上を図ることができる。
【0079】
<
実施例4>
実施例4に係る発光装置1Hは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Hとを有している(
図10参照)。
【0080】
波長変換層3Hは上面が出射面5Hとして形成され、出射面5Hは入射面4より面積が小さくされている。出射面5Hには微少な凹凸形状8が形成されると共に反射防止膜9が設けられている。
【0081】
半導体発光素子2の出光面2aと波長変換層3Hの入射面4との間にはバンドパスフィルター10が配置されている。
【0082】
波長変換層3Hには拡散成分11、11、・・・が含有されている。
【0083】
発光装置1Hにあっては、出射面5Hが入射面4より面積が小さくされているため、出射面5Hから出射される光の密度を高くすることができる。
【0084】
また、発光装置1Hにあっては、出射面5Hに凹凸形状8が形成されているため、入射面4から波長変換層3Hに入射された光の出射面5Hにおける全反射が抑制され、発光効率の向上を図ることができる。
【0085】
さらに、発光装置1Hにあっては、出射面5Hに反射防止膜9が設けられているため、入射面4から波長変換層3Hに入射された光の出射面5Hにおける全反射が一層抑制され、一層の発光効率の向上を図ることができる。
【0086】
さらにまた、発光装置1Hにあっては、半導体発光素子2と波長変換層3Hの間にバンドパスフィルター10が配置されているため、半導体発光素子2側へ向かった黄色の光が半導体発光素子2に入射されることがなく、黄色の光の出射面5Hからの出射量が高くなり、さらなる発光効率の向上を図ることができる。
【0087】
加えて、発光装置1Hにあっては、波長変換層3Hに拡散成分11、11、・・・が含有されているため、波長変換層3Hにおいて光が拡散されて進行方向が変化され、発光効率のさらに一層の向上を図ることができる。
【0088】
<
実施例5>
実施例5に係る発光装置1Iは、半導体発光素子2と半導体発光素子2上に配置された波長変換層3Iとを有している(
図11参照)。
【0089】
波長変換層3Iは上面が出射面5Iとして形成され、出射面5Iは入射面4より面積が小さくされている。出射面5Iには反射防止膜9が設けられている。
【0090】
半導体発光素子2の出光面2aと波長変換層3Iの入射面4との間にはバンドパスフィルター10が配置されている。
【0091】
出射面5Iには車輌用前照灯の配光パターンにおけるカットラインを形成する遮光膜12が形成されている。
【0092】
発光装置1Iにあっては、出射面5Iが入射面4より面積が小さくされているため、出射面5Iから出射される光の密度を高くすることができる。
【0093】
また、発光装置1Iにあっては、出射面5Iに反射防止膜9が設けられているため、入射面4から波長変換層3Iに入射された光の出射面5Iにおける全反射が抑制され、発光効率の向上を図ることができる。
【0094】
さらに、発光装置1Iにあっては、半導体発光素子2と波長変換層3Iの間にバンドパスフィルター10が配置されているため、半導体発光素子2側へ向かった黄色の光が半導体発光素子2に入射されることがなく、黄色の光の出射面5Iからの出射量が高くなり、一層の発光効率の向上を図ることができる。
【0095】
加えて、発光装置1Iにあっては、遮光膜12が形成されているため、車輌用前照灯に用いた場合にシェードを用いることなく配光パターンにおけるカットラインを形成することができ、車輌用前照灯の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0096】
<その他>
上記した
実施例1乃至実施例5と変形比較例2乃至変形比較例5には、出射面5(5A、5B、・・・)を入射面4の面積より小さくすること、凹凸形状8を設けること、反射防止膜9を設けること、バンドパスフィルター10を設けること、拡散成分11を設けること及び遮光膜12を形成することを発光効率の向上等を図る手段として示したが、これらの各手段は任意に組み合わせて用いることが可能である。
【0097】
<実施例等のまとめ>
図12は、上記した
実施例1乃至実施例5と変形比較例1乃至変形比較例5に加えて以下に示す二つの比較例について用いた各手段と各例における輝度を測定した結果を示す図表である。
【0098】
比較例1に係る発光装置1Xは、外周面6Xが入射面4に垂直な向きで形成されると共に光反射層7が設けられていない例である(
図13参照)。従って、発光装置1Xには突状部を有さない波長変換層3Xが設けられている。
【0099】
比較例2に係る発光装置1Yは、外周面6Yが入射面4に垂直な向きで形成され光反射層7Yが設けられている例である(
図14参照)。従って、発光装置1Yには突状部を有さない波長変換層3Yが設けられている。
【0100】
輝度は、比較例1の輝度を基準とした相対値で示している。
実施例1乃至実施例5と変形比較例1乃至変形比較例5に係る発光装置1乃至発光装置1Iは、何れも輝度が比較例1に係る発光装置1Xと比較例2に係る発光装置1Yより大きく、
実施例4に係る発光装置1Hが最大値を示した。
【0101】
従って、
実施例1乃至実施例5と変形比較例1乃至変形比較例5に係る発光装置1乃至発光装置1Iにあっては、何れも発光効率の向上が図られることが確認された。
【0102】
<製造方法>
次に、波長変換層3及び光反射層7の製造方法について説明する(
図15乃至
図19参照)。尚、製造方法について示した
図15乃至
図19は、説明を容易にするために簡略化して示している。
【0103】
波長変換層3の形状は機械的加工、物理的加工、化学的加工等の各種の加工方法によって形成することが可能である。機械的加工としては、例えば、ドリルやブレードや砥石を用いて行う方法がある。物理的加工としては、例えば、粒子を材料(ワーク)に衝突させて研磨するブラスト法や低圧下で発生させたプラズマを材料に衝突させて削り取る方法がある。化学的加工としては、例えば、酸やアルカリ、溶剤等によるエッチングや反応性のプラズマを材料に衝突させて削り取る方法がある。尚、波長変換層3の形状の形成は、上記した各種の機械的加工、物理的加工、化学的加工等の各種の加工方法を組み合わせて行ってもよい。
【0104】
以下に、波長変換層3及び光反射層7の製造方法の具体例について説明する。
【0105】
先ず、波長変換層3として形成される材料3′、例えば、YAGの粉末を焼結した透明なセラミックスの両面にレジスト13、13を塗布する(
図15参照)。
【0106】
次に、先端部にダイヤモンド粒が添加されているダイシングソー14を用いて一方の側からレジスト13と材料3′の所定の部分を切断する(
図16参照)。ダイシングソー14の刃先は、例えば、45°の角度にされている。このとき前後左右の四方向において各部分を切断する。
【0107】
次いで、材料3′とレジスト13、13を反転し、ダイシングソー14を用いて他方の側からレジスト13と材料3′の所定の部分を切断する(
図17参照)。このとき前後左右の四方向において各部分を切断する。
【0108】
続いて、低圧釜においてレジスト13、13と材料3′の表面にアルミニウム等の蒸着膜15、15、・・・を形成する(
図18参照)。蒸着膜15、15、・・・はそれぞれ光反射層7、7、・・・として形成される部分である。
【0109】
最後に、レジスト13、13を剥離することによりそれぞれ光反射層7、7、・・・が付された複数の波長変換層3、3、・・・が形成される(
図19参照)。
【0110】
<まとめ>
以上に記載した通り、
実施例1乃至実施例5と変形比較例1乃至変形比較例5に係る発光装置1乃至発光装置1Iにあっては、光反射層7の第1の反射面7a、7a、・・・と第2の反射面7b、7b、・・・が入射面4に対して傾斜されているため、外部へ出射される光量が多くなり発光効率の向上を図ることができる。
【0111】
また、第2の反射面7b、7b、・・・が設けられていることにより波長変換層3乃至波長変換層3Iの突状部3aへの半導体発光素子2から出射された光の到達量が多く、色ムラの発生を低減することができる。
【0112】
上記した最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。